説明

美容装置

【課題】電極と皮膚との接触面積を確保しつつ当該電極を皮膚の表面に沿って円滑に移動させることができる美容装置を提供する。
【解決手段】高周波電流の印加時に、美容装置を振動させるようにした。この振動により、美容装置の施術面あるいは2つの電極14,15を皮膚に沿って移動させる際の皮膚との摩擦抵抗が緩和される。このため、美容装置を皮膚の表面に沿って移動させやすくなり、使い勝手が向上する。しかも、2つの電極14,15は平板状のものが採用されるので、電極面積、ひいては電極と皮膚との接触面積を確保しやすくなる。したがって、2つの電極14,15を、点あるいは線ではなく、面で皮膚に接触させることが容易になる。したがって、期待される美容効果が得られやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平板状の電極を皮膚に沿って動かしながら当該電極を介して皮膚に高周波電流を印加する美容装置が知られている。しかし、この美容装置では、電極を皮膚に接触させた状態で摺り動かす際に、電極と皮膚との間の摩擦抵抗等に起因して、電極の円滑な移動が阻害されるおそれがある。この場合、電極の一部分が皮膚から離間する等して当該電極と皮膚との接触面積が十分に確保されないため、電極と皮膚とのわずかな接触部分を介して高周波電流が皮膚に集中して供給されるおそれがある。こうした状況では、期待される美容効果を得ることが困難ともなりかねない。
【0003】
また、例えば特許文献1に記載されるような美容装置も従来提案されている。この美容装置は、図5(a)に示されるように、ハウジング51に対して回転可能に設けられた円筒状の電極52を備えてなる。施術の際には、電極52を回転させる態様で当該電極を皮膚に沿って移動させる。電極52は回転しながら皮膚の表面を移動するので、平板状の電極を皮膚に対して摺動させる場合に比べて、電極52と皮膚との間の摩擦抵抗は小さくなる。したがって、電極52を皮膚に沿って円滑に移動させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の美容装置には、次のような問題があった。すなわち、図5(b)に示されるように、円筒状の電極52と皮膚との接触状態は、点接触状態あるいは線接触状態となりやすい。この場合には、電極52と皮膚との接触面積が十分に確保されないため、前述した平板状の電極を採用した場合と同様に、電極52と皮膚とのわずかな接触部分を介して高周波電流が皮膚に集中して印加されるおそれがある。このように、特許文献1の美容装置では、円柱状の電極を採用することによりある程度の使い勝手は得られるものの、平面状の電極に比べて皮膚との接触面積を確保しにくいという側面がある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電極と皮膚との接触面積を確保しつつ当該電極を皮膚の表面に沿って円滑に移動させることができる美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジングの施術面に設けられる複数個の平板状の電極を介して皮膚に電流を印加する美容装置において、前記ハウジングの内部に固定されて振動を発生させる振動機構と、前記電流とともに皮膚に振動を印加するべく前記振動機構を作動させる制御装置と、を備えてなることをその要旨とする。
【0008】
前記振動機構は、例えば、前記ハウジングの内部に固定されるモータと、当該モータの出力軸に対して偏心して設けられた重りとを備えて構成される。ここで、前記複数の電極が、前記施術面に形成された凹部にそれぞれ嵌め込まれる構成を採用する場合には、前記施術面には、前記凹部に嵌め込まれた電極を前記施術面に沿った方向へ付勢する弾性部材を設けることが好ましい。
【0009】
また、振動機構は、次のような構成を採用することも考えられる。すなわち、振動機構は、前記施術面に対して交わる方向へ延びるホーン、及び電力の供給を受けて超音波振動を発生する振動子を備えて構成される。前記ホーンの第1の端部は、前記ハウジングの施術面が形成される部位に固定されるとともに、当該第1の端部と反対側の第2の端部には前記振動子が固定される。
【0010】
ここで、前記第1の端部は、前記施術面から突出して設けるとともに、その前記施術面に対する突出高さは、前記複数の電極の前記施術面に対する高さと同じに設定することが好ましい。また、美容装置を前記施術面側からみたとき、前記第1の端部は、前記複数の電極の間に位置するように設けるとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電極と皮膚との接触面積を確保しつつ当該電極を皮膚の表面に沿って円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態の美容装置の概略を示す構成図。
【図2】(a)は、第2の実施の形態の美容装置の電極部分を拡大して示す構成図、(b)は、同じく美容装置の下面図。
【図3】(a)は、第3の実施の形態の美容装置の概略を示す構成図、(b)は、同じく美容装置の電極部分を拡大して示す構成図、(c)は、同じく美容装置の下面図。
【図4】同じく美容装置の電極部分を拡大して示す構成図。
【図5】(a)は、従来の美容装置の電極部分を示す正面図、(b)は、同じく電極部分の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の美容装置を具体化した第1の実施の形態を説明する。この美容装置はユーザにより把持されて使用されるものである。
【0014】
図1に示すように、美容装置のハウジング11の内部には、当該装置の各部に動作電力を供給する電源回路12、及び当該装置を統括的に制御する制御装置13が設けられている。電源回路12は、蓄電池等の内部電源あるいは商用電源等の外部電源からの電力を、制御装置13等の美容装置の各部に適した電力に変換する。また、制御装置13には、2つの電極14,15及び振動機構16が接続されている。
【0015】
2つの電極14,15は、ハウジング11の下面である施術面17に間隔をおいて設けられている。なお、ハウジング11は、電気絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されているため、2つの電極14,15の間は電気的に絶縁される。
【0016】
振動機構16は、ハウジング11の内部に固定されるモータ18、及び当該モータ18の出力軸19に偏心して設けられた重り20を備えてなる。重り20により、出力軸19の重心とモータ18全体の重心とがずらされている。モータ18はその出力軸19を下へ向けて設けられている。
【0017】
制御装置13は、図示しない電源スイッチの操作を検出したとき、図示しない高周波発信機を通じて電源回路12からの電力を高周波電圧に変換し、この変換された高周波電圧を2つの電極14,15間に印加する。また、制御装置13は、電源スイッチの操作を検出したとき、図示しない駆動回路を通じてモータ18を駆動させる。
【0018】
<美容装置の動作>
次に、前述のように構成された美容装置の使用態様及び動作について説明する。
美容装置を使用して施術する際には、まず電源スイッチを操作する。すると、2つの電極14,15の間に高周波電圧が印加される。この状態で、2つの電極14,15を皮膚に密接させることにより、これら電極14,15の間に高周波電流が生じる。すなわち、2つの電極14,15が皮膚に当てられたとき、皮膚が2つの電極14,15の間を接続する電気的な抵抗となる。これにより、制御装置13及び2つの電極14,15を含む高周波電流の供給回路が電気的に閉じて当該回路に高周波電流が生じる。当該回路を構成する2つの電極14,15の間には皮膚が存在するため、当該皮膚には高周波電流が印加される。そして、電気的な抵抗として作用する皮膚において電気エネルギが熱エネルギとして消費されるため、皮膚(真皮、あるいは皮下脂肪等)が内部から温められる(高周波のジュール熱効果)。真皮のコラーゲンあるいは皮下脂肪が収縮することにより、皮膚を引き締めることができる。美容装置のユーザは、ハウジング11を把持して2つの電極14,15を皮膚に密着させた状態でこれら電極14,15を皮膚の表面に沿って移動させることにより、皮膚の所望の部位を施術することができる。
【0019】
この際、2つの電極14,15と皮膚との間の摩擦抵抗等に起因して、これら電極14,15の円滑な移動が阻害されるおそれがある。例えば、美容装置を移動させる際に、皮膚の凹凸等に2つの電極14,15がつかえること等が想定される。そしてこのとき、2つの電極14,15の一部分が皮膚から離間する等してこれら電極14,15と皮膚との接触面積が十分に確保されない状況の発生が懸念される。この場合には、電極と皮膚との接触したわずかな部分を介して、高周波電流が皮膚に局所的に供給されるおそれがある。こうした状況では、所望の美容効果を得ることが困難ともなりかねない。
【0020】
この点、本例では、美容装置の電源スイッチが操作されたときには、2つの電極14,15の間に高周波電圧を印加するだけでなく、モータ18も駆動される。すると、重り20の重心が不釣り合いであるため、モータ18側に偏心運動(偏心振動)が発生しこれがハウジング11に伝達されることにより美容装置の全体が振動する。この振動は、施術面17あるいは2つの電極14,15を介して皮膚に伝達される。これにより、2つの電極14,15を皮膚に沿って移動させる際の皮膚との摩擦抵抗が緩和される。例えば皮膚が振動あるいは波打つ等することにより、2つの電極14,15は皮膚の凹凸等を乗り越えやすくなる。すなわち、2つの電極14,15を皮膚の表面に沿って移動させやすくなるので、これら電極14,15がその移動方向においてつかえること等が抑制される。ひいては2つの電極14,15が皮膚から離間すること等も抑制されるため、高周波電流が皮膚に対して局所的に印加されることもない。したがって、2つの電極14,15と皮膚との接触面積が確保された状態で、高周波電流が皮膚に印加されることにより、期待される美容効果を得やすくなる。
【0021】
また、皮膚に振動を印加することにより、皮膚内部の血液循環が増加して放熱しやすくなる。このため、高周波電流による皮膚の過熱が抑制され、好適な温熱効果が得られる。
さらに、2つの電極14,15は平板状とされているので、電極面積、ひいては皮膚との接触面積を確保する上で有利である。ここで、電極面積を増大させるにつれて、電極を皮膚に面接触させた状態で摺り動かす際の摩擦抵抗が大きくなることが懸念される。しかし、施術の際には前述した振動が皮膚に伝達されることにより、電極と皮膚との摩擦抵抗の軽減が図られる。このため、電極を皮膚に面接触させた状態であれ、皮膚の表面に沿って円滑に移動させることが可能になる。電極と皮膚との接触面積が確保されることにより、美容効果を得やすくなる。
【0022】
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)高周波電流の印加時に、美容装置を振動させるようにした。この振動により、美容装置の施術面17あるいは2つの電極14,15を皮膚に沿って移動させる際の皮膚との摩擦抵抗が緩和される。このため、美容装置を皮膚の表面に沿って移動させやすくなり、使い勝手が向上する。しかも、2つの電極14,15は平板状のものが採用されるので、電極面積、ひいては電極と皮膚との接触面積を確保しやすくなる。したがって、2つの電極14,15を、点あるいは線ではなく、面で皮膚に接触させることが容易になる。したがって、期待される美容効果が得られやすくなる。
【0023】
(2)また、美容装置を通じて皮膚を振動させることにより、皮膚のマッサージ効果が得られる。すなわち、皮膚の内部における血流循環が増加して放熱しやすくなる。このため、高周波電流による皮膚の過熱が抑制され、好適な温熱効果が得られる。
【0024】
<第2の実施の形態>
つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1に示される美容装置と同様の構成を備えてなる。
【0025】
図2(a)に示すように、2つの電極14,15は、ハウジング11の下面に対して着脱可能に設けられている。すなわち、施術面17には、2つの凹部21,22が図中の左右方向に間隔をおいて形成されている。また、これら凹部21,22の間には、連通凹部23が設けられている。この連通凹部23は、2つの凹部21,22の間を連通する。そして、2つの凹部21,22には2つの電極14,15が、連通凹部23には弾性部材24がそれぞれ嵌合した状態に保持されている。弾性部材24は、ゴム及び合成樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料により矩形板状に形成されている。弾性部材24は、2つの電極14,15により、図中の左右方向において圧縮された状態に保持される。2つの電極14,15は、弾性部材24の弾性力により互いに反対側へ付勢されて、凹部21,22の内側面に押し付けられた状態に保持されている。
【0026】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(3)2つの電極14,15をハウジング11に嵌め込んで固定するようにした美容装置においては、モータ18による振動により、2つの電極14,15がハウジング11から脱落するおそれがある。この点、本例では、2つの電極14,15の間に弾性部材24を圧縮状態で介在させるようにした。これにより、2つの電極14,15は互いに反対側へ付勢されて、凹部21,22の内側面に押し付けられる。このため、モータ18を利用した振動機構により美容装置が振動する場合であれ、2つの電極14,15はハウジング11に嵌め込まれた状態に良好に維持される。また、2つの電極14,15のハウジング11に対する位置ずれ、あるいはハウジング11からの脱落等が抑制されることにより、長期にわたって高周波電流を皮膚に対して好適に印加することが可能になる。
【0027】
<第3の実施の形態>
つぎに、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、振動を発生させる機構の点で第1の実施の形態と異なり、基本的には先の図1に示される美容装置と同様の構成を備えている。
【0028】
図3(a)に示すように、本例の振動機構31は、ホーン(振幅拡大器)32及び超音波振動子33を備えてなる。
ホーン32は施術面17に対して交わる方向へ延びる筒状に形成されている。ホーン32の第1の端部32aはハウジング11の底壁に貫通した状態で固定されている。図3(b)に併せて示すように、ホーン32の外端面(下端面)の施術面17に対する突出高さは、2つの電極14,15の施術面17に対する高さよりも小さく設定されている。また、図3(c)に示されるように、ホーン32(正確には、その第1の端部32a)は、2つの電極14,15の間に配設されている。換言すると、第1の端部32aの周囲に2つの電極14,15が位置している。
【0029】
また、ホーン32において、第1の端部32aと反対側の第2の端部32bには超音波振動子33が固定されている。超音波振動子33は、電気エネルギを超音波機械振動に変換する素子である。超音波振動子としては、例えば、磁歪振動子及び電歪振動子が採用される。いずれも交流電力が印加されることにより振動を発生する。本例では、超音波振動子33の動作電力は、制御装置13の図示しない駆動回路を通じて供給される。
【0030】
超音波振動子33により発生される超音波振動は、ホーン32に伝達される。このとき、ホーン32の第1の端部32aは、超音波振動子33において発生される超音波振動と同じ周波数で振動しようとする。しかし、第1の端部32aはハウジング11の底壁に固定されているため、当該ホーン32はハウジング11とともに振動する。なお、超音波振動子33によって得られる超音波振動の振動振幅はわずかであるものの、この振動振幅はホーン32によって増幅され、この増幅された振動振幅を有する振動がハウジング11等に伝達される。
【0031】
施術の際には、高周波電流とともに、超音波振動がハウジング11あるいは2つの電極14,15等を介して皮膚に伝達される。これにより、美容装置の施術面17あるいは2つの電極14,15を皮膚に沿って移動させる際の皮膚との摩擦抵抗が緩和される。その結果、美容装置を皮膚の表面に沿って移動させやすくなり、使い勝手が向上する。
【0032】
また、超音波振動により皮膚の内部に存在する細胞を振動させることによって、皮膚をその内部から温めることができる。すなわち、超音波の振動エネルギの一部が皮膚の細胞に吸収されて、熱エネルギに変わることにより細胞を活性化させることが可能である。また、超音波の微細な振動作用により、皮膚の表面及びその細胞には瞬間的に圧力変動が与えられる。このため、細胞レベルのマッサージを行うことができる。このマッサージ作用により、血液やリンパ液の循環を促進させ深部から皮膚の活性化が図られる。
【0033】
なお、図4に示すように、ハウジング11の施術面17に対するホーン32の突出高さは、2つの電極14,15の施術面17に対する高さと同じに設定してもよい。すなわち、2つの電極14,15の表面とホーン32の外端面とは同一の仮想平面F上に位置する。このようにすれば、2つの電極14,15を皮膚に接触させる際にホーン32の外端面も皮膚に接触する。このため、超音波振動は、ホーン32を介して皮膚に直接的に印加される。また、2つの電極14,15の表面とホーン32の外端面とは段差のない、いわゆる面一となることから、2つの電極14,15を皮膚に接触させつつ皮膚に沿って移動させる際に、安定して移動させることができるので具合がよい。
【0034】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(4)ホーン32、正確にはその第1の端部32aは、2つの電極14,15の間に設けた。このため、美容装置を皮膚上のどの方向へ移動させても、同じように摩擦抵抗が低減される。例えばホーン32を2つの電極14,15の外側に片寄らせて設けた場合、ホーン32が設けられていない側へ向けて美容装置を移動させる場合には、皮膚との摩擦抵抗の低減効果が得られにくくなるので、皮膚に沿って移動させにくくなる。
【0035】
(5)ハウジング11の施術面17に対するホーン32の突出高さを、2つの電極14,15の施術面17に対する高さと同じに設定した場合には、2つの電極14,15を皮膚に接触させる際にホーン32の外端面も皮膚に接触する。このため、超音波振動を、ホーン32を介して皮膚に直接的に印加することが可能になる。超音波エネルギが皮膚に直接的に印加されることにより、美容効果が高められる。またこの場合、2つの電極14,15の表面とホーン32の外端面とは段差のない、いわゆる面一となることにより、2つの電極14,15を皮膚に沿って移動させる際の安定度が増す。
【0036】
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・各実施の形態では、2つの電極14,15を設けたが、3つ以上の電極を設けてもよい。
【0037】
・第2の実施の形態では、2つの電極14,15の間に弾性部材24を介在させるようにしたが、次ぎのようにしてもよい。すなわち、凹部を電極よりも大きく形成して、この凹部に電極を嵌め込む。そして凹部の内側面と電極との間には、弾性部材を圧縮状態となるように嵌め込む。このようにしても、凹部に嵌め込まれた電極は、弾性部材の弾性力により、施術面17に沿った方向へ付勢されて凹部の内側面に押圧される。このため、振動による電極の位置ずれ、あるいは脱落の発生が抑制される。3つ以上の電極を設ける場合についても同様である。なお、この構成は、第3の実施の形態に適用することも可能である。
【0038】
・各実施の形態では、電源回路12及び制御装置13はハウジング11の内部に設けたが、これらをハウジング11とは別個に設けてもよい。例えば電源回路12及び制御装置13は、電源スイッチ等とともに据え置き型の美容装置の本体として設ける。また、2つの電極14,15及び振動機構16等は、ユーザに把持されて使用されるプローブとして構成する。このプローブは接続線を介して美容装置の本体に接続する。美容装置の各種の操作、あるいは高周波電圧の印加は、美容装置本体を介して行う。
【0039】
・各実施の形態において、電極の形状は適宜変更してもよい。例えば矩形状及び円形だけでなく、楕円状あるいは半円環状等にすることも可能である。すなわち、電極は皮膚に接触する部分が平面状に形成されていればよい。
【0040】
・各実施の形態においては、電極を通じて皮膚に高周波電流を供給するようにしたが、低周波電流を皮膚に印加するようにしてもよい。この場合、電流による刺激作用が得られる。また、直流電力を皮膚に印加するようにしてもよい。例えば美容液の皮膚への導入等に好適である。さらに、高周波電流、低周波電流及び直流電流のいずれも供給可能としてもよい。高周波電流による深部温熱効果、及び低周波電流による刺激作用等の美容効果を、単一の美容装置により得ることができる。
【0041】
<他の技術的思想>
次に、前記各実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)請求項1又は請求項2に記載の美容装置において、前記弾性部材は、2つの電極の間に圧縮された状態に保持される美容装置。このようにすれば、2つの電極は、弾性部材の弾性力により互いに反対方向へ付勢されて凹部の内側面に押し付けられる。これにより、振動による電極の位置ずれ、あるいは脱落等の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0042】
11…ハウジング、13…制御装置、14,15…電極、16,31…振動機構、17…施術面、18…モータ、19…出力軸、20…重り、21,22…凹部、24…弾性部材、32…ホーン、33…超音波振動子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの施術面に設けられる複数個の平板状の電極を介して皮膚に電流を印加する美容装置において、
前記ハウジングの内部に固定されて振動を発生させる振動機構と、前記電流とともに皮膚に振動を印加するべく前記振動機構を作動させる制御装置と、を備えてなる美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記振動機構は、前記ハウジングの内部に固定されるモータと、当該モータの出力軸に対して偏心して設けられた重りとを備え、
前記複数の電極は、前記施術面に形成された凹部にそれぞれ嵌め込まれるとともに、前記施術面には、前記凹部に嵌め込まれた電極を前記施術面に沿った方向へ付勢する弾性部材が設けられてなる美容装置。
【請求項3】
請求項1に記載の美容装置において、
前記振動機構は、前記施術面に対して交わる方向へ延びるホーン、及び電力の供給を受けて超音波振動を発生する振動子を備え、
前記ホーンの第1の端部は前記ハウジングの施術面が形成される部位に固定されるとともに、当該第1の端部と反対側の第2の端部には前記振動子が固定されてなる美容装置。
【請求項4】
請求項3に記載の美容装置において、
前記第1の端部は、前記施術面から突出するとともに、その前記施術面に対する突出高さは、前記複数の電極の前記施術面に対する高さと同じに設定されてなる美容装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の美容装置において、
前記施術面側から見たとき、前記第1の端部は、前記複数の電極の間に位置して設けられてなる美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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