美容装置
【課題】肌面の汚れを十分に除去し得る美容装置を提供する。
【解決手段】超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。グリップケース1に支持された弾性振動板2と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板2を超音波振動させる超音波振動子3とを備えた美容装置において、グリップケース1内に、弾性振動板2を加熱する加熱手段6と、温度検出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の動作を制御する制御部4と、を備えた。
【解決手段】超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。グリップケース1に支持された弾性振動板2と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板2を超音波振動させる超音波振動子3とを備えた美容装置において、グリップケース1内に、弾性振動板2を加熱する加熱手段6と、温度検出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の動作を制御する制御部4と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、超音波振動する弾性振動板を肌面に押し当てる構成であるため、肌面に化粧残りや角質が強固に付着している場合には、肌面の汚れを十分に除去することができないという問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、肌面の汚れを十分に除去し得る美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持された弾性振動板と、グリップケース内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置であって、グリップケース内に、弾性振動板を加熱する加熱手段が備えられたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、グリップケース内には、弾性振動板の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出信号に基づいて加熱手段の動作を制御する制御部とを備えることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、温度検出手段は、弾性振動板の先端部の温度を検出する第一の温度検出手段と、超音波振動子の近傍の弾性振動板の温度を検出する第二の温度検出手段とを備えることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、加熱手段と超音波振動子との間の弾性振動板に、加熱手段から超音波振動子への熱伝導を抑制する熱伝導抑制手段を備えることが好ましい。
また、上記構成において、抑制手段は、弾性振動板の面積を縮小する面積縮小部を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、制御部と弾性振動板との間に断熱部を介在させることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、肌面の汚れを十分に除去し得る美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第二の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】第三の実施形態を示す平面図である。
【図9】第三の実施形態の別例を示す平面図である。
【図10】第四の実施形態を示す平面図である。
【図11】第四の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】第五の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1にステンレス等の金属で板状に形成された弾性振動板2が支持され、その弾性振動板2の先端部はグリップケース1の先端から突出されている。
【0014】
前記グリップケース1内の中央部には、前記弾性振動板2の基端部に接する超音波振動子3が配設される。また、グリップケース1の基端部には前記超音波振動子3の動作を制御する制御部4と、その制御部4に電源を供給する電源部5が配設されている。電源部5は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0015】
そして、制御部4の制御に基づいて超音波振動子3が振動して、弾性振動板2が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、弾性振動板2は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0016】
前記グリップケース1内において、前記超音波振動子3とグリップケース1の先端との間には前記弾性振動板2を加熱するヒーター6が配設されている。このヒーター6は、加熱温度を一定範囲に維持するコントローラー備え、前記制御部4により前記超音波振動子3の動作と並行して動作するように制御される。
【0017】
図3は、この実施形態の美容装置の電気的構成を示す。操作部7は前記グリップケース1の表面に設けられ、その操作部7の操作に基づく操作信号が前記制御部4に出力される。
【0018】
制御部4は、操作部7からの操作信号に基づいて発振回路8を作動させる。発振回路8は前記超音波振動子3に駆動信号を出力し、その駆動信号に基づいて超音波振動子3が弾性振動板2を振動させる。また、制御部4は操作部7からの操作信号に基づいてヒーター6を作動させて前記弾性振動板2を加熱する。
【0019】
次に、この実施形態の美容装置の制御部4の動作を図4に従って説明する。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ1)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ2)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ3)。
【0020】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ステップ2及びステップ3の動作は、電源スイッチがオフされるまで継続される。そして、電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3及びヒーター6の動作が停止する(ステップ4,5)。
【0021】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動する弾性振動板2で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを落とすことができる。
(2)加熱した弾性振動板2で肌面を施術することができるので、肌に水等を塗布して施術する場合に、肌面の温度低下を防止して角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓を軟化させることができる。従って、肌面の汚れを充分に除去することができる。
(3)加熱した弾性振動板2で肌面の汚れを軟化させることができるので、クレンジング剤等を使用しなくても、肌面の汚れを充分に除去することができる。
(第二の実施形態)
図5〜図7は第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態の美容装置に弾性振動板の過熱を防止するサーミスタを備えたものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
図5に示すように、前記グリップケース1内において、同グリップケース1の先端部近傍には、第一のサーミスタ11が配設されている。この第一のサーミスタ11は、弾性振動板2の温度があらかじめ設定された温度以上となったとき、前記制御部4に検出信号を出力する。
【0023】
前記第一のサーミスタ11は、図6に示すように、弾性振動板2の温度を検出した検出信号を制御部4に出力する。上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
図7は、この実施形態の制御部4の動作を示す。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ11)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ12)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ13)。
【0024】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ヒーター6が作動すると、制御部4は第一のサーミスタ11からの検出信号の有無を判定して、弾性振動板2の温度Taがあらかじめ設定されたしきい値温度T1より高いか否かを判定する(ステップ14,15)。
【0025】
そして、弾性振動板2の温度Tがしきい値温度T1以下であれば、ヒーター6の作動が維持されて、ステップ13〜15の動作が繰り返される。
ステップ15において、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1を超えると、ステップ16に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければステップ14に移行して弾性振動板2の温度Taを検出し、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1以下に低下すれば、ステップ13〜15が繰り返されて、ヒーター6の作動が維持される。
【0026】
ステップ16でヒーター6の動作が停止された後、ステップ17で電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3の動作が停止する(ステップ18)。
【0027】
この実施形態の美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第一のサーミスタ11の動作により、弾性振動板2の過熱を防止することができる。
(第三の実施形態)
図8及び図9は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、前記第二の実施形態の美容装置の弾性振動板の先端部をヒーターで効率的に加熱するようにしたものである。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0028】
図8に示すように、超音波振動子3とヒーター6との間において、弾性振動板2には三角形状の切り欠き12が幅方向の両側からそれぞれ形成されて、面積縮小部が形成されている。この切り欠き12の深さは、弾性振動板2の全幅の1/4程度であり、切り欠き12の頂部の間隔が、弾性振動板2の全幅の1/4以上となるように形成されている。上記以外の構成は第二の実施形態と同様である。
【0029】
また、図9に示すように、前記切り欠き12に代えて、超音波振動子3とヒーター6との間において、弾性振動板2の幅方向中央部に透孔13を面積縮小部として設けてもよい。
【0030】
この実施形態の美容装置では、第一及び第二の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動子3とヒーター6との間で弾性振動板2の面積が小さくなるため、ヒーター6による加熱温度が超音波振動子3には伝わり難くなるとともに、ヒーター6で弾性振動板2の先端部を効率よく加熱することができる。
(2)超音波振動子3には加熱温度が伝わり難いので、無用な加熱による超音波振動子3の故障を防止することができる。
(第四の実施形態)
図10及び図11は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、前記第三の実施形態の構成に加えてヒーター6による超音波振動子3の加熱温度を検出するサーミスタを備えたものである。第三の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0031】
図10に示すように、この実施形態では前記第二及び第三の実施形態でグリップケース1の先端近傍に配設された第一のサーミスタ11に加えて、超音波振動子3の近傍において弾性振動板2の温度を検出する第二のサーミスタ14が配設されている。
【0032】
第二のサーミスタ14は、超音波振動子3とヒーター6の間において、超音波振動子3の近傍の弾性振動板2の温度Tbがあらかじめ設定されたしきい値温度T2を超えたとき、制御部4に検出信号を出力する。このしきい値温度T2は、超音波振動子3を故障させない温度に設定されている。上記以外の構成は、第三の実施形態と同様である。
【0033】
図11は、この実施形態の制御部4の動作を示す。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ21)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ22)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ23)。
【0034】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ヒーター6が作動すると、制御部4は第一及び第二のサーミスタ11,14からの検出信号の有無を判定して、弾性振動板2の先端部の温度Taがあらかじめ設定されたしきい値温度T1を超えるか否かと、弾性振動板2の超音波振動子3の近傍の温度Tbがしきい値温度T2を超えるか否かを判定する(ステップ24,25)。
【0035】
そして、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1以下であると同時に、弾性振動板2の温度Tbがしきい値温度T2以下であると(ステップ26,27)、ヒーター6の作動が維持されて、ステップ23〜27の動作が繰り返される。
【0036】
ステップ26において、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1を超えていると、ステップ28に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければ(ステップ29)、ステップ24に移行する。
【0037】
ステップ27において、弾性振動板2の温度Tbがしきい値温度T2を超えていると、ステップ28に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければ(ステップ29)、ステップ24に移行する。
【0038】
ステップ28でヒーター6の動作が停止された後、ステップ29で電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3の動作が停止する(ステップ30)。
【0039】
この実施形態の美容装置では、第一〜第三の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動子3の近傍の弾性振動板2の温度Tbをサーミスタ14で検出して、ヒーター6の動作を制御することができるので、超音波振動子3の無用な過熱による故障を未然に防止することができる。
(2)弾性振動板2の先端部と超音波振動子3の近傍部分の温度Ta,Tbを、それぞれ独立したサーミスタ11,14のしきい値温度T1,T2と比較し、その比較結果に基づいてヒーター6の動作を制御することができる。従って、弾性振動板2の先端部と超音波振動子3の近傍部分の温度Ta,Tbを、それぞれ最適な温度に制御することができる。
(第五の実施形態)
図12は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、前記第四の実施形態の構成に加えて、ヒーター6による制御部4の無用な加熱を防止する構成を備えたものである。第四の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
図12に示すように、前記グリップケース1内において、前記弾性振動板2と制御部4とは断熱部15で仕切られている。断熱部15は、発泡プラスチック、グラスウール等の断熱材が使用される。また、断熱材以外にも、空気圧を減圧した減圧部を形成してもよい。
【0041】
このような構成により、ヒーター6による制御部4の無用な加熱を防止することができる。従って、制御部4の過熱による故障を未然に防止することができる。
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・前記ヒーター6に代えて、電磁誘導加熱器、遠赤外線等の光照射器あるいは振動によって発熱する機能を備えた超音波振動子を使用してもよい。
・第四及び第五の実施形態において、切り欠き12を設けないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…グリップケース、2…弾性振動板、3…超音波振動子、6…加熱手段(ヒーター)、11…第一の温度検出手段(第一のサーミスタ)、12…熱伝導抑制手段(切り欠き)、13…熱伝導抑制手段(透孔)、14…第二の温度検出手段(第二のサーミスタ)、15…断熱部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、超音波振動する弾性振動板を肌面に押し当てる構成であるため、肌面に化粧残りや角質が強固に付着している場合には、肌面の汚れを十分に除去することができないという問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、肌面の汚れを十分に除去し得る美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持された弾性振動板と、グリップケース内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置であって、グリップケース内に、弾性振動板を加熱する加熱手段が備えられたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、グリップケース内には、弾性振動板の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出信号に基づいて加熱手段の動作を制御する制御部とを備えることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、温度検出手段は、弾性振動板の先端部の温度を検出する第一の温度検出手段と、超音波振動子の近傍の弾性振動板の温度を検出する第二の温度検出手段とを備えることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、加熱手段と超音波振動子との間の弾性振動板に、加熱手段から超音波振動子への熱伝導を抑制する熱伝導抑制手段を備えることが好ましい。
また、上記構成において、抑制手段は、弾性振動板の面積を縮小する面積縮小部を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、制御部と弾性振動板との間に断熱部を介在させることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、肌面の汚れを十分に除去し得る美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す縦断面図である。
【図3】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第二の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】第三の実施形態を示す平面図である。
【図9】第三の実施形態の別例を示す平面図である。
【図10】第四の実施形態を示す平面図である。
【図11】第四の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】第五の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1にステンレス等の金属で板状に形成された弾性振動板2が支持され、その弾性振動板2の先端部はグリップケース1の先端から突出されている。
【0014】
前記グリップケース1内の中央部には、前記弾性振動板2の基端部に接する超音波振動子3が配設される。また、グリップケース1の基端部には前記超音波振動子3の動作を制御する制御部4と、その制御部4に電源を供給する電源部5が配設されている。電源部5は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0015】
そして、制御部4の制御に基づいて超音波振動子3が振動して、弾性振動板2が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、弾性振動板2は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0016】
前記グリップケース1内において、前記超音波振動子3とグリップケース1の先端との間には前記弾性振動板2を加熱するヒーター6が配設されている。このヒーター6は、加熱温度を一定範囲に維持するコントローラー備え、前記制御部4により前記超音波振動子3の動作と並行して動作するように制御される。
【0017】
図3は、この実施形態の美容装置の電気的構成を示す。操作部7は前記グリップケース1の表面に設けられ、その操作部7の操作に基づく操作信号が前記制御部4に出力される。
【0018】
制御部4は、操作部7からの操作信号に基づいて発振回路8を作動させる。発振回路8は前記超音波振動子3に駆動信号を出力し、その駆動信号に基づいて超音波振動子3が弾性振動板2を振動させる。また、制御部4は操作部7からの操作信号に基づいてヒーター6を作動させて前記弾性振動板2を加熱する。
【0019】
次に、この実施形態の美容装置の制御部4の動作を図4に従って説明する。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ1)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ2)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ3)。
【0020】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ステップ2及びステップ3の動作は、電源スイッチがオフされるまで継続される。そして、電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3及びヒーター6の動作が停止する(ステップ4,5)。
【0021】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動する弾性振動板2で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを落とすことができる。
(2)加熱した弾性振動板2で肌面を施術することができるので、肌に水等を塗布して施術する場合に、肌面の温度低下を防止して角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓を軟化させることができる。従って、肌面の汚れを充分に除去することができる。
(3)加熱した弾性振動板2で肌面の汚れを軟化させることができるので、クレンジング剤等を使用しなくても、肌面の汚れを充分に除去することができる。
(第二の実施形態)
図5〜図7は第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態の美容装置に弾性振動板の過熱を防止するサーミスタを備えたものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
図5に示すように、前記グリップケース1内において、同グリップケース1の先端部近傍には、第一のサーミスタ11が配設されている。この第一のサーミスタ11は、弾性振動板2の温度があらかじめ設定された温度以上となったとき、前記制御部4に検出信号を出力する。
【0023】
前記第一のサーミスタ11は、図6に示すように、弾性振動板2の温度を検出した検出信号を制御部4に出力する。上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
図7は、この実施形態の制御部4の動作を示す。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ11)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ12)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ13)。
【0024】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ヒーター6が作動すると、制御部4は第一のサーミスタ11からの検出信号の有無を判定して、弾性振動板2の温度Taがあらかじめ設定されたしきい値温度T1より高いか否かを判定する(ステップ14,15)。
【0025】
そして、弾性振動板2の温度Tがしきい値温度T1以下であれば、ヒーター6の作動が維持されて、ステップ13〜15の動作が繰り返される。
ステップ15において、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1を超えると、ステップ16に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければステップ14に移行して弾性振動板2の温度Taを検出し、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1以下に低下すれば、ステップ13〜15が繰り返されて、ヒーター6の作動が維持される。
【0026】
ステップ16でヒーター6の動作が停止された後、ステップ17で電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3の動作が停止する(ステップ18)。
【0027】
この実施形態の美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第一のサーミスタ11の動作により、弾性振動板2の過熱を防止することができる。
(第三の実施形態)
図8及び図9は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、前記第二の実施形態の美容装置の弾性振動板の先端部をヒーターで効率的に加熱するようにしたものである。第二の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0028】
図8に示すように、超音波振動子3とヒーター6との間において、弾性振動板2には三角形状の切り欠き12が幅方向の両側からそれぞれ形成されて、面積縮小部が形成されている。この切り欠き12の深さは、弾性振動板2の全幅の1/4程度であり、切り欠き12の頂部の間隔が、弾性振動板2の全幅の1/4以上となるように形成されている。上記以外の構成は第二の実施形態と同様である。
【0029】
また、図9に示すように、前記切り欠き12に代えて、超音波振動子3とヒーター6との間において、弾性振動板2の幅方向中央部に透孔13を面積縮小部として設けてもよい。
【0030】
この実施形態の美容装置では、第一及び第二の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動子3とヒーター6との間で弾性振動板2の面積が小さくなるため、ヒーター6による加熱温度が超音波振動子3には伝わり難くなるとともに、ヒーター6で弾性振動板2の先端部を効率よく加熱することができる。
(2)超音波振動子3には加熱温度が伝わり難いので、無用な加熱による超音波振動子3の故障を防止することができる。
(第四の実施形態)
図10及び図11は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、前記第三の実施形態の構成に加えてヒーター6による超音波振動子3の加熱温度を検出するサーミスタを備えたものである。第三の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0031】
図10に示すように、この実施形態では前記第二及び第三の実施形態でグリップケース1の先端近傍に配設された第一のサーミスタ11に加えて、超音波振動子3の近傍において弾性振動板2の温度を検出する第二のサーミスタ14が配設されている。
【0032】
第二のサーミスタ14は、超音波振動子3とヒーター6の間において、超音波振動子3の近傍の弾性振動板2の温度Tbがあらかじめ設定されたしきい値温度T2を超えたとき、制御部4に検出信号を出力する。このしきい値温度T2は、超音波振動子3を故障させない温度に設定されている。上記以外の構成は、第三の実施形態と同様である。
【0033】
図11は、この実施形態の制御部4の動作を示す。操作部7の電源スイッチがオンされると、電源部5から制御部4に電源が供給される(ステップ21)。そして、超音波振動子3が作動して弾性振動板2が振動するとともに(ステップ22)、ヒーター6が作動して弾性振動板2が加熱される(ステップ23)。
【0034】
この状態で、弾性振動板2の先端で鼻や頬等の肌面を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
ヒーター6が作動すると、制御部4は第一及び第二のサーミスタ11,14からの検出信号の有無を判定して、弾性振動板2の先端部の温度Taがあらかじめ設定されたしきい値温度T1を超えるか否かと、弾性振動板2の超音波振動子3の近傍の温度Tbがしきい値温度T2を超えるか否かを判定する(ステップ24,25)。
【0035】
そして、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1以下であると同時に、弾性振動板2の温度Tbがしきい値温度T2以下であると(ステップ26,27)、ヒーター6の作動が維持されて、ステップ23〜27の動作が繰り返される。
【0036】
ステップ26において、弾性振動板2の温度Taがしきい値温度T1を超えていると、ステップ28に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければ(ステップ29)、ステップ24に移行する。
【0037】
ステップ27において、弾性振動板2の温度Tbがしきい値温度T2を超えていると、ステップ28に移行してヒーター6の動作が停止される。次いで、電源スイッチがオフされていなければ(ステップ29)、ステップ24に移行する。
【0038】
ステップ28でヒーター6の動作が停止された後、ステップ29で電源スイッチがオフされると、制御部4の動作が停止して、超音波振動子3の動作が停止する(ステップ30)。
【0039】
この実施形態の美容装置では、第一〜第三の実施形態で得られた作用効果に加えて次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動子3の近傍の弾性振動板2の温度Tbをサーミスタ14で検出して、ヒーター6の動作を制御することができるので、超音波振動子3の無用な過熱による故障を未然に防止することができる。
(2)弾性振動板2の先端部と超音波振動子3の近傍部分の温度Ta,Tbを、それぞれ独立したサーミスタ11,14のしきい値温度T1,T2と比較し、その比較結果に基づいてヒーター6の動作を制御することができる。従って、弾性振動板2の先端部と超音波振動子3の近傍部分の温度Ta,Tbを、それぞれ最適な温度に制御することができる。
(第五の実施形態)
図12は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、前記第四の実施形態の構成に加えて、ヒーター6による制御部4の無用な加熱を防止する構成を備えたものである。第四の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
図12に示すように、前記グリップケース1内において、前記弾性振動板2と制御部4とは断熱部15で仕切られている。断熱部15は、発泡プラスチック、グラスウール等の断熱材が使用される。また、断熱材以外にも、空気圧を減圧した減圧部を形成してもよい。
【0041】
このような構成により、ヒーター6による制御部4の無用な加熱を防止することができる。従って、制御部4の過熱による故障を未然に防止することができる。
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・前記ヒーター6に代えて、電磁誘導加熱器、遠赤外線等の光照射器あるいは振動によって発熱する機能を備えた超音波振動子を使用してもよい。
・第四及び第五の実施形態において、切り欠き12を設けないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…グリップケース、2…弾性振動板、3…超音波振動子、6…加熱手段(ヒーター)、11…第一の温度検出手段(第一のサーミスタ)、12…熱伝導抑制手段(切り欠き)、13…熱伝導抑制手段(透孔)、14…第二の温度検出手段(第二のサーミスタ)、15…断熱部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップケースに支持された弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記グリップケース内に、前記弾性振動板を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記グリップケース内には、
前記弾性振動板の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の動作を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項2に記載の美容装置において、
前記温度検出手段は、
前記弾性振動板の先端部の温度を検出する第一の温度検出手段と、
前記超音波振動子の近傍の弾性振動板の温度を検出する第二の温度検出手段と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記加熱手段と前記超音波振動子との間の前記弾性振動板に、前記加熱手段から前記超音波振動子への熱伝導を抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項4に記載の美容装置において、
前記抑制手段は、前記弾性振動板の面積を縮小する面積縮小部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記制御部と前記弾性振動板との間に断熱部を介在させたことを特徴とする美容装置。
【請求項1】
グリップケースに支持された弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記グリップケース内に、前記弾性振動板を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記グリップケース内には、
前記弾性振動板の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出信号に基づいて前記加熱手段の動作を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項2に記載の美容装置において、
前記温度検出手段は、
前記弾性振動板の先端部の温度を検出する第一の温度検出手段と、
前記超音波振動子の近傍の弾性振動板の温度を検出する第二の温度検出手段と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記加熱手段と前記超音波振動子との間の前記弾性振動板に、前記加熱手段から前記超音波振動子への熱伝導を抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項4に記載の美容装置において、
前記抑制手段は、前記弾性振動板の面積を縮小する面積縮小部を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記制御部と前記弾性振動板との間に断熱部を介在させたことを特徴とする美容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−65891(P2012−65891A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213951(P2010−213951)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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