説明

美容装置

【課題】肌面に対し任意方向に移動させて施術可能とする美容装置を提供する。
【解決手段】グリップケース1に支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板2と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板2を超音波振動させる超音波振動子4とを備えた美容装置において、弾性振動板2を円筒状とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、板状の弾性振動板を肌面に押し当てて汚れを除去する構成であるため、肌面に対し弾性振動板を移動させる方向が弾性振動板の厚さ方向に限定される。従って、肌面への施術方向を変える場合には、弾性振動板の向きを変え、あるいはそのために美容装置を持ち変える等の操作が必要となり、その操作が煩雑となるという問題点がある。
【0005】
この発明の目的は、肌面に対し任意方向に移動させて施術可能とする美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動を備えた美容装置において、弾性振動板を円筒状としたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において弾性振動板の基端面に、弾性振動板と同一径でリング状に形成した超音波振動子を取着することが好ましい。
また、上記構成において、弾性振動板は、複数の振動板ピースを組み合わせて円筒状とすることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、各振動板ピースにそれぞれ超音波振動子を取着することが好ましい。
また、上記構成において、弾性振動板の基端部から先端部に向かって、各振動板ピース間の隙間を増大させることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、肌面に対し任意方向に移動させて施術可能とする美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態の弾性振動板を示す側面図である。
【図3】第一の実施形態の弾性振動板及び超音波振動子を示す斜視図である。
【図4】第二の実施形態を示す平面図である。
【図5】第二の実施形態を示す側面図である。
【図6】第三の実施形態を示す平面図である。
【図7】第三の実施形態の弾性振動板を示す側面面である。
【図8】第四の実施形態を示す斜視図である。
【図9】第四の実施形態を示す斜視図である。
【図10】第四の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1にステンレス等の金属で円筒状に形成された弾性振動板2が支持され、その弾性振動板2の先端部はグリップケース1の先端から突出されている。
【0012】
前記弾性振動板2は、図2に示すように、円筒を周方向に4等分した振動板ピース3a〜3dを円筒状に組み合わせて形成される。この弾性振動板2は、例えば長さが約6cm、直径が約2cm、各振動板ピース3a〜3dの厚さが約1mmで形成される。
【0013】
前記グリップケース1内には、前記弾性振動板2の基端面に接するリング状の超音波振動子4が配設されている。この超音波振動子4は、前記弾性振動板2と同一径で形成され、接着剤や銀ろう付けで弾性振動板2に接着されている。
【0014】
前記グリップケース1の基端部には、前記超音波振動子4の動作を制御する制御部5と、その制御部5に電源を供給する電源部6が配設されている。電源部6は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0015】
そして、制御部5の制御に基づいて超音波振動子4が振動して、弾性振動板2が厚み方向にすなわち図3に示す矢印方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、弾性振動板2は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0016】
このように構成された美容装置では、超音波振動子4で弾性振動板2を振動させた状態で、弾性振動板2の先端部で肌面(施術部)を擦るように施術すると、肌面に付着している角質や化粧汚れあるいは毛穴の角栓が除去される。
【0017】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動する弾性振動板2で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを充分に落とすことができる。
(2)肌面を施術する弾性振動板2の先端部はリング状であるので、弾性振動板2を肌面に沿っていずれの方向に移動させても、同様な施術効果を得ることができる。従って、肌面に対する施術を容易に行うことができる。
(3)超音波振動子4が弾性振動板2と同一径のリング状に形成されているので、円筒状の弾性振動板2を効率よく振動させることができるとともに、グリップケース1内で小さなスペースで収容することができる。
(4)4枚の振動板ピース3a〜3dで円筒状の弾性振動板2を容易に形成することができる。
(第二の実施形態)
図4及び図5は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、円筒状の弾性振動板を振動させる超音波振動子の構成を、前記第一の実施形態とは異なる構成としたものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0018】
円筒状の弾性振動板2の基端部には、各振動板ピース3a〜3dの外周面にそれぞれ超音波振動子7a〜7dが取着されている。各超音波振動子7a〜7dは、円板状に形成されるとともに、各振動板ピース3a〜3dの外周面に沿って湾曲するように形成されている。そして、制御部5により各超音波振動子7a〜7dが振動し、その振動に基づいて書く振動板ピース3a〜3dが振動するようになっている。
【0019】
このような構成により、各超音波振動子7a〜7dで弾性振動板2を振動させることができるので、第一の実施形態で得られた(1)(2)(4)の作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
(第三の実施形態)
図6及び図7は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、前記第二の実施形態の超音波振動子7a〜7dを長板状の超音波振動子8a〜8dに置換したものである。
【0020】
このような構成により、第二の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(第四の実施形態)
図8〜図10は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、第一〜第三の実施形態の弾性振動板2の別例を示す。
【0021】
図8に示すように、振動板ピース3a〜3dを円筒状に組み合わせて弾性振動板2を形成し、その弾性振動板2の基端部にリング状の振動板固定部9を嵌合する。すると、図9に示すように、弾性振動板2の基端部が振動板固定部9で保持される。
【0022】
また、図10に示すように、弾性振動板2の基端部から先端部に向かって、各振動板ピース3a〜3d間の隙間10を増大させるようにすると、弾性振動板2の先端部の振動を阻害することはない。例えば、隙間10の最大値は弾性振動板2の振動振幅の少なくとも2倍の間隔を確保するようにする。
【0023】
このような構成により、振動板ピース3a〜3dで弾性振動板2を構成することができるとともに、各振動板ピース3a〜3dを互いに干渉することなく振動させることができる。
【0024】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・円筒状の弾性振動板2を2つ以上の振動板ピースで形成してもよい。
・第四の実施形態の弾性振動板を第一〜第三の実施形態に実施してもよい。
【符号の説明】
【0025】
1…グリップケース、2…弾性振動板、3a〜3d…振動板ピース、4,7a〜7d,8a〜8d…超音波振動子、10…隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記弾性振動板を円筒状としたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記弾性振動板の基端面に、前記弾性振動板と同一径でリング状に形成した超音波振動子を取着したことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記弾性振動板は、複数の振動板ピースを組み合わせて円筒状としたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項3に記載の美容装置において、
前記各振動板ピースにそれぞれ超音波振動子を取着したことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の美容装置において、
前記弾性振動板の基端部から先端部に向かって、各振動板ピース間の隙間を増大させたことを特徴とする美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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