説明

美容装置

【課題】血流上昇効果および美容効果を高めることができて、肌のトラブルが生じにくい美容装置を提供する。
【解決手段】美容装置は、表面に凸部分14bを有する施術板14と、この施術板14を回転駆動する施術用モータ35と、施術板14に電流を供給する電源部とを備えている。施術用モータ35で回転させた施術板14の凸部分14bをユーザの肌に接触させることにより、その肌の表面部分よりも深い部分に刺激を与えることができる。また、ユーザの肌に例えば薬液を塗った後、施術板14の凸部分14bを薬液に接触させて、電源部が施術板14に電流を供給することにより、薬液の有効成分をユーザの肌の奥まで浸透させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美容装置としては、特開2010−17325号公報(特許文献1)に開示されているように、ユーザの肌に接触させるべきヘッド部に振動板を搭載したものがある。この振動板を超音波振動させることで、肌に物理的な刺激を与えることができる。
【0003】
また、他の美容装置としては、特開2011−41705号公報(特許文献2)に示されているように、ユーザの肌に接触させるべきヘッド部にヒータを搭載したものがある。このヒータの熱をヘッド部に伝えることにより、ヘッド部に接触する肌の表面温度を上昇させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−17325号公報
【特許文献2】特開2011−41705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2010−17325号公報の美容装置は、超音波振動をユーザの肌に付与しても、肌の表面部分の血流しか上昇させることができない。
【0006】
また、特開2010−17325号公報の美容装置も、ヒータの熱をヘッド部を介してユーザの肌に伝えても、肌の表面部分の血流しか上昇しない。
【0007】
したがって、特開2010−17325号公報,特開2010−17325号公報の美容装置に(以下、「従来の美容装置」と言う。)は、血流上昇効果が充分に得られないという問題がある。
【0008】
また、上記従来の美容装置を長時間使用し続ければ、肌の表面部分より深い部分の温度を上げれるかもしれないが、上記従来の美容装置の使用時間は10分程度に限られているため、上記従来の美容装置を10分を越えて長時間使用すると、肌のトラブルにつながる危険性がある。したがって、上記従来の美容装置による想定時間内の施術では充分な美容効果が得られないという問題がある。
【0009】
また、上記従来の美容装置は、薬液が混ざった水溶性のジェルや、水溶性の薬液を肌に塗った状態で使用すると、そのジェルや薬液が伸びにくいなどの原因で、ヘッド部が肌の一部と接触している時間が長くなることがある。このような場合、敏感肌のユーザや、肌が弱いユーザにおいて、肌がヒリヒリしたり、肌が赤く腫れたりするといった問題が起きてしまう。
【0010】
そこで、本発明の課題は、血流上昇効果および美容効果を高めることができて、肌のトラブルが生じにくい美容装置を提供することにある。
美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の美容装置は、
表面に凹凸を有する導電体と、
上記導電体を回転駆動する回転駆動装置と、
上記導電体に電流を供給する電源部と
を備えたことを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、上記導電体の表面をユーザの肌に接触させると共に、回転駆動装置が導電体を回転駆動することにより、導電体の表面の凹凸で上記肌の表面部分より深い部分に刺激を与えて、上記肌の表面部分より深い部分の血流を上昇させることができる。その結果、血流上昇効果を充分に得ることができる。
【0013】
また、上記血流上昇効果を充分に得ることができるので、美容効果を高めることができる。
【0014】
また、上記血流上昇効果を充分に得ることができるので、ユーザの肌に導電体の表面に長時間接触さなくてもよい。したがって、上記肌のトラブルが生じにくいようにすることができる。
【0015】
また、上記導電体の表面の凹凸でマッサージ効果が得られるので、ユーザをリラックスさせることができる。
【0016】
また、ユーザの例えば顔の肌に、回転する導電体を接触させることにより、顔の筋肉に刺激を与えて、顔のリフトアップ効果が得られる。
【0017】
また、ユーザの肌に例えば薬液を塗った後、導電体の表面を接触させる場合、導電体を回転させることにより、肌への薬液のなじみを良くすることができる。
【0018】
また、その場合、電源部が導電体に電流を供給することにより、薬液の有効成分を肌の奥まで浸透させることができる。
一実施形態の美容装置では、
上記導電体内には磁石が配置されている。
【0019】
上記実施形態によれば、上記導電体内に磁石があるので、この磁石の磁力により施術部位の血流をさらに上昇させることができる。
一実施形態の美容装置では、
上記導電体の上記凸の部分はクッション性を有している。
【0020】
上記実施形態によれば、上記導電体の上記凸の部分はクッション性を有しているので、ユーザの肌に対する導電体の表面の当たりを心地良くすることができる。
【0021】
一実施形態の美容装置は、
上記導電体の回転速度を変更するための回転速度変更手段を備えている。
【0022】
上記実施形態によれば、上記導電体の回転速度を変更するための回転速度変更手段を備えているので、導電体の回転速度を調節して、施術部分に適切な刺激を与えることができる。
【0023】
一実施形態の美容装置では、
上記導電体の上記凸の部分の高さは変更可能になっている。
【0024】
上記実施形態によれば、上記導電体の凸の部分の高さは変更可能になっているので、導電体の表面の凹凸を激しくしたり、緩やかにしたりすることができる。したがって、上記導電体の表面の凹凸の程度を調整して、施術部分に適切な刺激を与えることができる。
【0025】
一実施形態の美容装置では、
上記回転駆動装置を支持する支持部と上記回転駆動装置との間にはローラが設けられている。
【0026】
上記実施形態によれば、上記回転駆動装置を支持する支持部と上記回転駆動装置との間にはローラが設けられているので、支持台に対して回転駆動装置をスムーズに移動させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の美容装置は、表面に凹凸を有する導電体と、この導電体を回転駆動する回転駆動装置とを備えるので、回転する導電体の表面の凹凸でユーザの肌の表面部分より深い部分に刺激を与えることができる。したがって、上記肌の表面部分より深い部分の血流を上昇させることができる結果、血流上昇効果および美容効果を高めることができる。
【0028】
また、上記血流上昇効果を高めることができることによって、ユーザの肌に導電体の表面に長時間接触さなくてもよいので、肌のトラブルが生じにくいようにすることができる。
【0029】
また、上記導電体の表面の凹凸でマッサージ効果が得られるので、ユーザをリラックスさせることができる。
【0030】
また、ユーザの例えば顔の肌に、回転する導電体を接触させることにより、顔の筋肉に刺激を与えて、顔のリフトアップ効果が得られる。
【0031】
また、ユーザの肌に例えば薬液を塗った後、導電体の表面を接触させる場合、導電体を回転させることにより、肌への薬液のなじみを良くすることができる。
【0032】
また、その場合、電源部が導電体に電流を供給することにより、薬液の有効成分を肌の奥まで浸透させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は本発明の一実施形態の美容装置の一使用例の模式図である。
【図2】図2は上記美容装置のヘッド部の模式平面図である。
【図3】図3は上記ヘッド部の模式側面図である。
【図4】図4は図3の一部の拡大図である。
【図5】図5は上記ヘッド部およびその周辺部の模式断面図である。
【図6】図6は上記美容装置の施術用モータおよびその周辺部の模式平面図である。
【図7】図7は上記美容装置のスクリューネジ、固定ネジおよびピニオンの模式則面図である。
【図8】図8は上記美容装置の制御ブロック図である。
【図9】図9は上記美容装置の要部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の美容装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態の美容装置の一使用例を示す模式図である。
【0036】
上記美容装置は、ユーザが持つ本体部30と、この本体部30の一端に回転可能に設けられたヘッド部10とを備えている。
【0037】
上記本体部30の正面には操作スイッチ部20を設けている。この操作スイッチ部20は、電源スイッチ21、回転レベルボタン22、モード選択ボタン23およびイオン導入選択ボタン24などを有している。上記電源スイッチ21をONにして、イオン導入選択ボタン24を押すと、後述するイオン導入を行うことができるようになっている。また、上記回転レベルボタン22を押して、ヘッド部10の回転レベルを選択することができるようにもなっている。また、上記モード選択ボタン23を押して、ヘッド部10の表面形状を切り替えることができるようにもなっている。また、上記本体部30の一方の側部には、イオン導入を行うための身体用電極としての補助電極31を設けている。そして、上記本体部30内には制御部40(図8参照)を設置している。なお、上記回転レベルボタン22は回転速度変更手段の一例である。
【0038】
上記ヘッド部10は、金属等の導電性を備えた材質(例えばチタン、金または銀など)からなり、ユーザの肌60に接触させたり、ユーザの肌60上に置いた薬剤含浸シート(不織布、紙、コットン等)に接触させたりする部分である。また、上記薬剤含浸シートにヘッド部10を接触させることにより、肌60に対してイオン導入などを行えるようになっている。
【0039】
上記イオン導入は、制御部40により、ヘッド部10の表面から突出する凸部分11(図2参照)と、補助電極部31との間に電圧を印加し、ヘッド部10下の肌60に微弱電流(数mA程度)を流すことで行われ、薬剤含浸シートが含む薬剤の有効成分を肌60の深部に浸透させることができる。また、図示はしていないが、凸部分11と補助電極部31は電気回路で接続されている。この凸部分11がユーザの肌60に接触し、かつ、補助電極31がユーザの手指61に接触するとき、凸部分11と補助電極31との間にユーザの体を介して通電し、ユーザの肌60に微弱電流を流すことができる仕組みである。このとき、上記手指61を抵抗体として考えると、一つの回路が形成されていることとなる。仮に、上記補助電極31にプラスの電荷がかかっているとすれば、凸部分11にはマイナスの電荷がかかっている。この場合、肌60付近をマクロな視点で見てみると、肌60は補助電極31からのプラスの電荷を帯びている。そして、上記薬剤含浸シートが含む薬剤は凸部分11からのマイナスの電荷を帯びているため、薬剤の有効成分が肌60に引かれて肌60に深く浸透していく。
【0040】
図2は、上記美容装置のヘッド部10を上方から見た模式図である。また、図3は、上記美容装置のヘッド部10を側方から見た模式図である。
【0041】
上記ヘッド部10は、図2,図3に示すように、表面に凹凸を有している。より詳しく説明すると、上記ヘッド部10の表面であるヘッド部底面12からは、施術板14(図5参照)の一部である複数の凸部分14bが突出している。この複数の凸部分14bは円形状に略等間隔に配列されている。上記ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さは1mm〜5mmの範囲内において調整可能になっている。なお、上記施術板14は導電体の一例である。
【0042】
図4は、上記凸部分14bおよびその周辺部の模式図である。
【0043】
上記各凸部分14b内には粒状の磁石13を配置している。この磁石13は、例えばhttp://www.kekkou.com/category5/entry48.htmlで開示されていように、血行改善を促す素材(例えばゲルマニウム、チタンまたはマンガンなど)が望ましい。
【0044】
また、上記ヘッド部10の凸部分14bは良好なクッション性、導電性を有している。この凸部分14bの素材には、伸縮性が高く、導電性が高いゴム素材を用いるのが望ましい。このようなゴム素材としては、例えばhttp://www.nanocarbon.jp/various_uses/stretchable_conductor.htmlで開示されたゴム素材がある。
【0045】
図5は、上記ヘッド部10およびその周辺部の模式断面図である。
【0046】
上記美容装置は、取付台36と、この取付台36に図中上下方向に移動可能に取り付けられた小型の施術用モータ35と、この施術用モータ35の回転出力を受けて回転する施術板14とを備えている。なお、上記取付台36は支持台の一例であり、施術用モータ35は回転駆動装置の一例である。
【0047】
上記施術板14は、円板形状の円板部14aと、この円板部14aの装置外部側の表面に設けられた凸部分14bと、円板部14aの中心部から装置内部側に向かって突出する円柱部14cと、円板部14aの周縁部から装置内部側に向かって突出する円筒部14dとを備えている。この円板部14a、円柱部14cおよび円筒部14dを、良好なクッション性、導電性を有する材料で一体形成して、凸部分14bが良好なクッション性、導電性を有するようにしている。また、上記円柱部14cには、施術用モータ35が有するモータ軸37を連結して、施術板14がモータ軸37と一体に回転するようになっている。また、上記円筒部14dの装置内部側の端部(円板部14a側とは反対側の端部)の内周面にはリング15を固定している。また、上記施術板14はヘッド部10に対してスプライン結合している。これにより、上記施術板14は、ヘッド部10に対してモータ軸37の軸方向(以下、「上下方向」と言う。)に移動可能になっていると共に、ヘッド部10と一体に回転可能になっている。
【0048】
図6は、上記施術用モータ35およびその周辺部を上方から見た模式図である。
【0049】
上記施術用モータ35は四角柱形状の本体部42を有し、取付台36に設けられた四角柱形状の凹部45内に本体部42が入っている。この凹部45の側面には複数の円柱形状のローラ38を設けて、施術用モータ35の本体部42が複数のローラで挟持されるようにしている。これにより、上記施術用モータ35は、施術板12の上下方向の移動に伴って上下方向にスムーズに移動できるようになっている。
【0050】
上記ローラ38の素材としては、例えばプラスチック、スチールまたはゴムなどが挙げられる。
【0051】
図7は、上記スクリューネジ33、固定ネジ32およびピニオン44を側方から見た模式図である。
【0052】
図5,図7に示すように、上記施術板14と取付台36との間には、上下方向に移動可能に筒状のスクリューネジ33を配置している。このスクリューネジ33内には円柱部14cおよびモータ軸37が入っている。また、上記スクリューネジ33の施術板14側の端部にはフランジ部33aを設けている。このフランジ部33aは、リング15の内径よりも大きい外径を有し、円板部14aの装置内部側の表面に当接している。また、上記スクリューネジ33の外周面には、フランジ部33a側の端部から上下方向の中央部にわたって雄ネジ部33bを設けると共に、施術用モータ35側の端部にギヤ部33cを設けている。また、上記雄ネジ部33bとギヤ部33cとの間は平滑な曲面になっている。
【0053】
また、上記スクリューネジ33の上下方向の中央部の周囲には、取付台36に対して移動できないように固定ネジ32を配置している。この固定ネジ32は、取付台36に対して移動不可になっており、スクリューネジ33の外周面の雄ネジ部33bが螺合する雌ネジ部32aを内周面に有している。
【0054】
また、上記取付台36上には、モータ軸43を有する凸部分上下移動用モータ34を設置している。そして、上記モータ軸43の先端部にはピニオン44を固定していて、このピニオン44がスクリューネジ33の外周面のギヤ部33cに歯合している。
【0055】
また、上記ヘッド部10は有底円筒形状になっており、複数の凸部分14bに対応する複数の円柱形状の貫通穴10aをヘッド部10の底部に設けている。上記凸部分14bは上下方向に移動可能に嵌合しており、凸部分上下移動用モータ34の駆動で上下方向に移動する。
【0056】
より詳しく説明すると、上記凸部分上下移動用モータ34の駆動でピニオン44が一方向に回転することにより、スクリューネジ33が回転して取付台36側に移動し、スクリューネジ33のフランジ部33aが円板部14aの装置内部側の表面から離間する。そして、上記スクリューネジ33が回転して取付台36側にさらに移動すると、スクリューネジ33のフランジ部33aが、リング15に当接し、リング15を取付台36側へ押す。これにより、上記施術板14がリング15と共に取付台36側に移動して、ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さが低くなる。そして、上記スクリューネジ33が取付台36側にさらに移動すると、ヘッド部底面12と凸部分14bの先端とが同一平面内に収まる。すなわち、上記ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さをゼロになる。
【0057】
また、上記ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さがゼロになった状態から、ピニオン44が他方向に回転させると、スクリューネジ33が回転して装置外部側へ移動し、スクリューネジ33のフランジ部33aがリング15から離間する。そして、上記スクリューネジ33が回転して装置外部側へさらに移動すると、スクリューネジ33のフランジ部33aが、円板部14aの装置内部側の表面に当接し、円板部14aをヘッド部10側へ押す。これにより、上記施術板14がヘッド部14に移動して、ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さが高くなる。
【0058】
なお、図示はしていないが、上記スクリューネジ33のフランジ部33aにはスラスト軸受のような構造を設けて、円板部14aとフランジ部33aの間の摩擦の低減を図っている。また、上記施術板14の上下方向の可動域は、円板部14aの貫通穴10a側の表面に対する凸部分14bの高さ以上になるように予め設定されている。
【0059】
図8は上記美容装置の制御ブロック図である。
【0060】
上記制御部40には、操作スイッチ部20、凸部分上下移動用モータ34、施術用モータ35および電源部50などを接続している。上記操作スイッチ部20の電源スイッチ21、回転レベル選択ボタン22、モード選択ボタン23およびイオン導入選択ボタン24からの信号に基づいて、制御部40は、凸部分上下移動用モータ34および施術用モータ35などを制御する。例えば、上記電源スイッチ21をONにした状態で、回転レベル選択ボタン22の操作で凸部分14bの回転レベルを選択すると、この選択した回転レベルに対応する操作信号が制御部40に伝達されて、制御部40がその操作信号に応じて凸部分14bの回転レベルを制御する。ここで、上記ヘッド部10の回転レベルは、ローレベル、ミドルレベルおよびハイレベルの3段階の中から選択できるようになっている。
【0061】
上記電源部50は、美容装置の電源を必要とする各部分に電源を印加するものであり、乾電池または据え置き式充電池からなる。
【0062】
なお、図示しないが、上記制御部40はイオン導入回路を有し、このイオン導入回路を介して直流電流、交流電流またはパルス電流などの微弱電流(数mA程度)を施術板14に供給可能になっている。
【0063】
図9は、上記美容装置の要部の構成を説明するための模式図である。
【0064】
上記制御部40は、電源部50と電気配線41Cを介して電気的に接続されており、電気配線41Bを介して施術用モータ35に電流を供給したり、電気配線41Aおよび電極39とを介して凸部分14bに電流を供給したりする。上記電極39は、例えば、カーボンを用いてリング状に形成されて、施術板14の回転位置に関係なく、施術板14の一部に接触できるようになっている。
【0065】
なお、図示しないが、上記制御部40は電気配線を介して凸部分上下移動用モータ34にも電気的に接続されている。
【0066】
上記構成の美容装置を使用する場合、ユーザが電源スイッチ21をONにすることにより、凸部分14bがデフォルト回転レベル(ミドルレベル)で回転する。そして、ユーザは、デフォルト回転レベルが所望回転レベルであれば、回転する凸部分14bで施術部位に押し当てる。一方、ユーザは、デフォルト回転レベルが所望回転レベルでなければ、回転レベル選択ボタン22を操作して、凸部分14bの回転レベルを所望回転レベルに変更した後、回転する凸部分14bを施術部位に押し当てる。
【0067】
このように、上記回転する凸部分14bを施術部位に押し当てるので、施術部位の筋肉組織の深部まで圧力を与えて、施術部位の筋肉組織を活性化することができる。したがって、上記ヘッド部10は、表面が平らなヘッド部に比べて、施術部位の筋肉組織の深部の血流を上昇させることができる。その結果、上記施術部位において充分な血流上昇効果が得られる。
【0068】
また、上記施術部位において充分な血流上昇効果が得られるので、美肌効果を増大させることができる。
【0069】
また、上記凸部分14bでマッサージ効果が得られるので、ユーザをリラックスさせることができる。
【0070】
また、上記施術部位において充分な血流上昇効果が得られるので、施術時間を短くすることができる。したがって、上記施術部分の肌60のトラブルが発生する可能性を低減できる。
【0071】
また、上記施術部位の筋肉を大きく刺激できるので、リフトアップ効果やマッサージ効果を得ることができる。
【0072】
また、上記凸部分14bで肌60の血流を上昇させているとき、イオン導入選択ボタン24を押すことより、制御部40のイオン導入回路が動作し、制御部40から、電極39および電気配線41Aを介して凸部分14bに微弱電流が供給される。したがって、上記凸部分14bと肌60との間に薬剤を介在させておけば、肌60に刺激を与えると共に、薬剤の有効成分を肌60の深部に浸透させることができる。その結果、美肌効果をさらに増大させることができる。
【0073】
また、上記薬剤の有効成分を肌60の深部に浸透させるための時間が経過した場合、イオン導入選択ボタン24を押すことにより、凸部分14bへの微弱電流の供給を止め、回転する凸部分14bで物理的な刺激だけを肌60に与え続けることもできる。
【0074】
また、上記凸部分14bは回転するので、薬液が混ざったジェルを容易に伸ばしたり、肌60への薬液のなじみを向上させることができる。
【0075】
また、上記凸部分14b内には磁石13が入っているので、この磁石13の磁力により施術部位の血流をさらに上昇させることができる。
【0076】
また、上記凸部分14bはクッション性を有しているので、ユーザの肌60に当てたときに、ユーザが心地よいと感じるようにすることができる。
【0077】
また、ユーザの肌60が弱肌または敏感肌である場合、回転レベル選択ボタン22を操作することで、凸部分14bの回転レベルをローレベルにして、肌60への過度の刺激が加わるのを防ぐことができる。したがって、上記弱肌または敏感肌のユーザに与えるストレスを低減できる。
【0078】
一方、ユーザの肌60が弱肌または敏感肌でなければ、回転レベル選択ボタン22を操作することで、凸部分14bの回転レベルをハイレベルにして、肌60に大きな刺激を与えることができる。
【0079】
また、上記回転レベル選択ボタン22を操作することで、凸部分14bの回転レベルを調節できるので、顔の細かい凹凸の施術部位にあわせた施術ができる。具体的に言えば、鼻周辺、口周り周辺のホウレイ線、頬、目周辺、眉間などのように比較的柔らかい施術部位には、回転レベルをローレベルにした凸部分14bで適切な刺激を与えることができる一方、顎や額などように比較的硬い施術部位には、回転レベルをハイレベルにした凸部分14bで適切な刺激を与えることができる。
【0080】
また、ユーザは、その日の肌60の状態に応じて、凸部分14bの回転レベルを調節して、その状態に応じた刺激を肌60に与えることができる。
【0081】
また、ユーザの肌60が弱肌または敏感肌である場合、モード選択ボタン23を操作することで、ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さを低くして、肌60に過度の刺激が加わるのを確実に防ぐことができる。
【0082】
一方、ユーザの肌60が弱肌または敏感肌でなければ、モード選択ボタン23を操作することで、ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さを高くして、肌60に大きな刺激を与えることができる。
【0083】
また、上記モード選択ボタン23を操作することで、ヘッド部底面12に対する凸部分14bの高さを調節できるので、顔の細かい凹凸の施術部位にあわせた施術ができる。具体的に言えば、鼻周辺、口周り周辺のホウレイ線、頬、目周辺、額、眉間などのように表面形状に凹凸が比較的少ない施術部位には、ヘッド部底面12に対する高さを比較的高くした凸部分14bで適切な刺激を与えることができる一方、顎などように表面形状に凹凸が比較的多い施術部位には、ヘッド部底面12に対する高さを比較的低くした凸部分14bで適切な刺激を与えることができる。
【0084】
また、上記施術用モータ35の本体部42と取付台36の凹部45の側面との間にはローラ38があるので、取付台36に対して施術用モータ35を上下方向にスムーズに移動させることができる。
【0085】
上記実施形態では、施術板14内には粒状の磁石13を配置していたが、施術板14内にリング状の磁石を配置してもよい。
【0086】
上記実施形態では、円柱形状のローラ38を用いていたが、例えば円板状のローラを用いてもよい。
【0087】
上記実施形態では、スクリューネジ33のフランジ部33aにスラスト軸受のような構造を設けていたが、スクリューネジ33のフランジ部33aにスラスト軸受のような構造を設けずに、円板部14aとフランジ部33aとの間に潤滑剤を入れたり、フランジ部33aを滑り性の良い材料で形成したりしてもよい。
【0088】
上記実施形態では、円筒部14dの装置内部側の端部の内周面にはリング15を固定していたが、円筒部14dの装置内部側の端部の内周面に径方向内側に突出する爪を設けて、この爪がフランジ部33aと係合するようにしてもよい。
【0089】
上記実施形態では、施術板14を凸部分上下移動用モータ34の駆動で上下方向に移動させていたが、施術板14を手動で上下方向に移動できるようにしてもよい。
【0090】
上記実施形態では、凸部分14bの回転レベルは、ローレベル、ミドルレベルおよびハイレベルの3段階の中から選択できるようになっていたが、ローレベルおよびハイレベルの2段階の中から選択できるようにしてもよい。あるいは、凸部分14bの回転レベルは無段階設定で選択できるようにしてもよい。すなわち、ユーザが凸部分14bの回転レベルを任意に選択できるようにしてもよい。
【0091】
上記実施形態において、施術部位に合わせたモード(例えば頬モード、額モードおよび目周辺モードなど)で凸部分14bを回転させることができるようにしたり、施術者の肌状態にあわせたモード(例えば敏感肌モードやノーマル肌モードなど)で凸部分14bを回転させることができるようにしたりしてもよい。このようにする場合、各モードにおいて、凸部分14bの回転レベルを微調整できるようにしてもよい。
【0092】
上記実施形態では、乾電池または据え置き式充電池からなる電源部50を用いて、施術板14に電流を供給していたが、例えばAC(交流)アダプターを用いて、施術板14に電流を供給できるようにしてもよい。
【0093】
上記実施形態において、施術板14と同様に、伸縮性が高く、導電性が高いゴム素材でヘッド部10を形成してもよい。
【0094】
本発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0095】
10…ヘッド部
12…ヘッド部底面
13…磁石
14…施術板
14a…円板部
14b…凸部分
14c…円柱部
14d…円筒部
15…リング
20…操作スイッチ部
21…電源スイッチ
22…回転レベル選択ボタン
23…モード選択ボタン
24…イオン導入選択ボタン
30…本体部
31…補助電極
32…固定ネジ
32a…雌ネジ部
33…スクリューネジ
33a…フランジ部
33b…雄ネジ部
33c…ギヤ部
34…凸部分上下移動用モータ
35…施術用モータ
36…取付台
37,43…モータ軸
38…ローラ
39…電極
40…制御部
41A,41B,41B…電気配線
42…本体部
44…ピニオン
45…凹部
50…電源部
60…肌
61…手指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸を有する導電体と、
上記導電体を回転駆動する回転駆動装置と、
上記導電体に電流を供給する電源部と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
上記導電体内には磁石が配置されていることを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の美容装置において、
上記導電体の上記凸の部分はクッション性を有していることを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の美容装置において、
上記導電体の回転速度を変更するための回転速度変更手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の美容装置において、
上記導電体の上記凸の部分の高さは変更可能になっていることを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の美容装置において、
上記回転駆動装置を支持する支持部と上記回転駆動装置との間にはローラが設けられていることを特徴とする美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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