美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物
【課題】メラニンの産生を抑制し表皮細胞の増殖を抑制する美白剤、化粧料組成物及び皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する、美白剤、化粧料組成物及び皮膚外用組成物。
【解決手段】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する、美白剤、化粧料組成物及び皮膚外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスは、一般に皮膚の紫外線暴露による刺激やホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在する色素細胞（メラノサイト）が活性化されメラニン産生が亢進した結果生じるものと考えられている。このような色素メラニンは、メラノサイトにおいて、酵素チロシナーゼの一種であるドーパオキシダーゼによってドーパ（ジヒドロキシフェニルアラニン）から生合成される。このため、従来から、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制したり、産生したメラニンを減少させる物質の使用が検討され、アスコルビン酸、アルブチン、コウジ酸、グルタチオン等に当該作用があることが報告されている。しかし、これらの物質は、メラニン産生抑制効果が微弱であったり、また効果が高いものには皮膚刺激性があったり、アレルギー反応を引き起こす等、安全性の面で問題がある場合があり、まだ満足できるものは得られていない。
【０００３】
また、いわゆるシミと呼ばれるものの一つとして老人性色素斑、肝斑などが知られている。老人性色素斑の部位においては、メラノサイトの増殖が報告されている。また、肝斑の部位においては、メラノサイトの活性化によるメラニン産生の増加が起こっていることが知られている。このようなシミに対するケアの方法としてこれまではメラニン産生抑制技術やメラノサイトの増殖抑制技術が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、メラニンの産生を抑制し表皮細胞の増殖を抑制する美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、ある種の植物の抽出物がドーパオキシダーゼ活性抑制作用および細胞増殖活性抑制作用を有することを見い出した。さらに、この抽出物を用いることで、優れた美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することができることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【０００６】
本発明は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する美白剤に関する。
また、本発明は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤に関する。
また、本発明は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する細胞増殖活性抑制剤に関する。
また、本発明は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する化粧料組成物に関する。
さらに、本発明は、チョウセンアサガオの抽出物を含有する皮膚外用組成物に関する。
【０００７】
本明細書において、「美白（作用）」とは、皮膚の黒化、またはシミ、ソバカス等の色素沈着を防止、抑制することを意味する。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、メラニンの産生を抑制し表皮細胞の増殖を抑制する美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１−１】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナおよびイ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−２】カシニュウコウジュ及びゴカ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−３】イヌカラマツ及びタイワンコマツナギ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−４】チョウセンアサガオ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図２−１】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナおよびイ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−２】カシニュウコウジュ及びゴカ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−３】イヌカラマツ及びタイワンコマツナギ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−４】チョウセンアサガオ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の美白剤は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤および細胞増殖活性抑制剤は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明の化粧料組成物は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ、及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明の皮膚外用組成物は、チョウセンアサガオの抽出物を有効成分として含有する。
前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、ドーパオキシダーゼ活性抑制効果を有する。したがって、前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、皮膚におけるメラニンの産生を抑制することができ、美白効果を奏する。また、前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、細胞(典型的にはメラノサイト等の表皮細胞)増殖活性抑制効果も有する。したがって、前記植物の抽出物を含有する本発明の美白剤は、皮膚の表皮細胞(例えばメラノサイト)の異常増殖を抑制することができる。さらに、前記植物の抽出物を含有する本発明の化粧料組成物および皮膚外用組成物は、老化防止用化粧料組成物および皮膚外用組成物として有用である。
本発明の美白剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物は、メラニン産生抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用を有する。従って、本発明によれば、メラニン産生を抑制し、かつ、メラノサイト増殖を抑制することにより、皮膚の黒化、及び／又はシミ、ソバカス等の色素の沈着を防止、抑制することができる。
【００１１】
本発明におけるシラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）は、カバノキ科（Betulaceae）に属する植物である。
【００１２】
本発明におけるユカン（Phyllanthus emblica L.）は、別名でアンマロクともいい、トウダイグサ科（Euphorbiaceae）に属する植物である。
【００１３】
本発明におけるヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）は、ヒガンバナ科（Amaryllidaceae）に属する植物である。
【００１４】
本発明におけるイ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）は、別名でイグサともいい、イグサ科（Juncaseae）に属する植物である。
【００１５】
本発明におけるカシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）は、別名でフランキンセンスまたはニュウコウジュともいい、カンラン科（Burseraceae）に属する植物である。
【００１６】
本発明におけるゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）は、別名でウコギともいい、ウコギ科（Araliaceae）に属する植物である。
【００１７】
本発明におけるイヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）は、マツ科（Pinaceae）に属する植物である。
【００１８】
本発明におけるタイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）は、別名でキアイ、インド藍ともいい、マメ科（Leguminosae）に属する植物である。
【００１９】
本発明におけるチョウセンアサガオ（Datura metel L.）は、別名でマンダラゲ（曼陀羅華）ともいい、ナス科（Solanaceae）に属する植物である。
【００２０】
本発明において、前記植物の全ての任意の部分が使用可能である。例えば、上記植物の全木、または任意の部位（根、根茎、幹、枝、茎、葉、樹皮、樹液、樹脂、花、果実、種子等）、およびそれらの組み合わせのいずれか１つまたは複数を使用することができる。
【００２１】
本発明において、シラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）の抽出物を得るためには、前記植物の樹皮または木部を用いるのが好ましく、シラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）を基原植物として得られた生薬（樺樹皮（カジュヒ）または樺木皮（カボク））を用いることもできる。
【００２２】
本発明において、ユカン（Phyllanthus emblica L.）の抽出物を得るためには、前記植物の果実を用いるのが好ましく、ユカン（Phyllanthus emblica L.）を基原植物として得られた生薬（余甘子(ヨカンシ)）を用いることもできる。
【００２３】
本発明において、ヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）の抽出物を得るためには、前記植物の球根(より好ましくは鱗茎)を用いるのが好ましく、ヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）を基原植物として得られた生薬（石蒜（セキサン））を用いることもできる。
【００２４】
本発明において、イ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）の抽出物を得るためには、前記植物の全草、茎髄を用いるのが好ましく、イ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）を基原植物として得られた生薬（灯心草（トウシンソウ））を用いることもできる。
【００２５】
本発明において、カシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）の抽出物を得るためには、前記植物の樹液または樹脂を用いるのが好ましく、カシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）を基原植物として得られた生薬（乳香（ニュウコウ））を用いることもできる。
【００２６】
本発明において、ゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）の抽出物を得るためには、前記植物の茎皮、根または根皮を用いるのが好ましく、ゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）を基原植物として得られた生薬（五加皮（ゴカヒ））を用いることもできる。
【００２７】
本発明において、イヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）の抽出物を得るためには、前記植物の根皮または樹皮を用いるのが好ましく、イヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）を基原植物として得られた生薬（土槿皮（ドキンピ）、土荊皮（ドケイヒ））を用いることもできる。
【００２８】
本発明において、タイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）の抽出物を得るためには、前記植物の葉、茎葉またはこれらより製造した色素を用いるのが好ましく、タイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）を基原植物として得られた生薬（青黛(セイタイ)）を用いることもできる。
【００２９】
本発明において、チョウセンアサガオ（Datura metel L.）の抽出物を得るためには、前記植物の花、果実、葉または根を用いるのが好ましく、チョウセンアサガオ（Datura metel L.）を基原植物として得られた生薬（洋金花(ヨウキンカ)）を用いることもできる。
【００３０】
本発明において用いる、前記植物の抽出物は、適当な溶媒を用いた常法の抽出方法によって調製することができる。
【００３１】
本発明において、前記植物の抽出物の調製に、上記植物をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることもできるが、その水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等、より精製したものを用いることもでき、また市販品を利用することもできる。上記植物又はその水蒸気蒸留物若しくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は２種以上を組み合わせて使用してもよい。
【００３２】
抽出に用いる溶媒としては、通常植物成分の抽出に用いられるもの、例えば水、石油エーテル、ｎ−ヘキサン、トルエン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられ、特に水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。これらは単独で又は２種以上を組み合わせて使用できる。また抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば上記植物を０〜１００℃で１時間〜７日間浸漬又は加熱還流すればよい。上記植物の抽出物は、そのまま使用できるが、さらに適当な分離手段、例えばゲル濾過、クロマトグラフィー、精密蒸留等により活性の高い画分を分画して用いることもできる。
【００３３】
本発明において、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及び／またはチョウセンアサガオの抽出物はそのまま用いてもよい。または、当該抽出物を希釈、濃縮または凍結乾燥した後、粉末またはペースト状に調製して用いることもできる。
【００３４】
前記植物の抽出物は、ドーパオキシダーゼ活性抑制作用および細胞増殖活性抑制作用を奏する。これら植物の抽出物を含有させれば、美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物が得られる。この場合、これら植物の抽出物の量は特に制限されないが、前記抽出物が固形分換算で0.00001〜5重量％含まれるのが好ましく、0.0001〜0.5重量％含まれるのが特に好ましい。
【００３５】
本発明の皮膚外用組成物又は化粧料組成物には、通常の皮膚化粧料に配合される薬効成分、例えば微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、パーソールＭＣＸ、パーソール１７８９等の紫外線吸収剤、アスコルビン酸等のビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤、ホルモン剤、及びコウジ酸、アルブチン、プラセンタエキス、ルシノール等の他の美白成分を添加配合することができる。
【００３６】
本発明の化粧料組成物は種々の形態の製剤とすることができるが、通常は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の外用剤として用いることが好ましい。化粧料組成物を皮膚外用剤として用いる場合には、例えばクリーム、ローション、乳剤、軟膏、ゲル、パック、フォーム、エッセンス、スティック、パウダー等として用いることが好ましい。
【００３７】
本発明の皮膚外用組成物又は化粧料組成物には、化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイドシリカナトリウムポリアクリレート等の粉体；例えば鉱油、植物油、シリコーン油等の油又は油状物質；例えばソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノオレエート、高分子シリコーン界面活性剤等の乳化剤；パラ−ヒドロキシベンゾエートエステル等の防腐剤；ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤；グリセロール、ソルビトール、２−ピロリドン−５−カルボキシレート、ジブチルフタレート、ゼラチン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤；トリエタノールアミン又は水酸化ナトリウムのような塩基を伴う乳酸等の緩衝剤；グリセロールエーテル及び合成、動物性又は植物性セラミド等の界面活性剤；密ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックス等のワックス類；増粘剤；活性増強剤；着色料；香料等、を必要に応じ適宜組合せて用いることができる。
【００３８】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料組成物の使用量は、有効成分の含有量により異なるが、例えばクリーム状、軟膏状の場合、皮膚面１cm2当たり0.1μｇ〜5μｇ、液状製剤の場合、同じく0.1μｇ〜10μｇ使用するのが好ましい。
【実施例】
【００３９】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００４０】
（製造例１）シラカンバの抽出物の調製
シラカンバを基原植物とする生薬カジュヒ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量７０ｍＬ、蒸発残分１．９ｗ／ｖ％）。
【００４１】
（製造例２）ユカン抽出物の調製
ユカンを基原植物とする生薬ヨカンシ（新和物産社製）１０ｇを細切し、水１００ｍＬを加え、７０℃で５時間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量８６ｍＬ、蒸発残分３．５ｗ／ｖ％）。
【００４２】
（製造例３）ヒガンバナ抽出物の調製
ヒガンバナを基原植物とする生薬セキサン（新和物産社製）１０ｇを細切し、５０％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量７９ｍＬ、蒸発残分２．９ｗ／ｖ％）。
【００４３】
（製造例４）イ抽出物の調製
イを基原植物とする生薬トウシンソウ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール１０ｍＬを加え、ろ過した（収量１２ｍＬ、蒸発残分０．５６ｗ／ｖ％）。
【００４４】
（製造例５）カシニュウコウジュ抽出物の調製
カシニュウコウジュを基原植物とする生薬ニュウコウ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量９１ｍＬ、蒸発残分５．６ｗ／ｖ％）。
【００４５】
（製造例６）ゴカ抽出物の調製
ゴカを基原植物とする生薬ゴカヒ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量８６ｍＬ、蒸発残分１．１ｗ／ｖ％）。
【００４６】
（製造例７）イヌカラマツ抽出物の調製
イヌカラマツを基原植物とする生薬ドキンピ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール４０ｍＬを加え、ろ過した（収量４５ｍＬ、蒸発残分０．６ｗ／ｖ％）。
【００４７】
（製造例８）タイワンコマツナギ抽出物の調製
タイワンコマツナギを基原植物とする生薬セイタイ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール５ｍＬを加え、ろ過した（収量５ｍＬ、蒸発残分０．２ｗ／ｖ％）。
【００４８】
（製造例９）チョウセンアサガオ抽出物の調製
チョウセンアサガオを基原植物とする生薬ヨウキンカ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール３５ｍＬを加え、ろ過した（収量３７ｍＬ、蒸発残分０．５ｗ／ｖ％）。
【００４９】
（実施例１）ドーパオキシダーゼ活性抑制効果
９６穴プレートにヒト表皮細胞由来のメラノサイト１００μｌを５×１０3ｃｅｌｌ／ｗｅｌｌの細胞密度となるように各穴に播種した。培地はＭｅｄｉｕｍ２５４にＰＭＡを除くＨＭＧＳ（Human Melanocyte Growth Supplement）（いずれもＣａｓｃａｄｅ Ｂｉｏｌｏｇｉｃｓ社）を添加したものを用いた。
２４時間の培養後、メラノサイト活性化因子エンドセリン−１（ＥＴ−１）、幹細胞増殖因子（ＳＣＦ）、αメラノサイト刺激ホルモン（α−ＭＳＨ）、ヒスタミンおよびプロスタグランジンＥ2（ＰＧＥ2）を、それぞれ培地中終濃度で１０×１０-7ｍｏｌ/ｍ3になるように添加した。
【００５０】
また、前記製造例１〜製造例９で調製した植物の抽出物を０．００１％、０．００５％、０．０１％、０．０５％、０．１０％となるように添加した。最終的に培地量は２００μｌ／ｗｅｌｌで、３７℃、５％ＣＯ2の条件下で培養を行った。３日後に培地１００μｌを除去後、新たな培地（メラノサイト活性化因子および各種抽出物含有）１００μｌを添加し、更に４日間培養した。
【００５１】
なお、培地には、以下の添加物も添加されている。
ｂＦＧＦ（塩基性線維芽細胞成長因子） ３ｎｇ／ｍｌ
ＢＰＥ（ウシ脳下垂体抽出液） ０．２体積％
ＦＢＳ（ウシ胎児血清） ０．５体積％
ハイドロコーチゾン ５×１０-4ｍｏｌ／ｍ3
インスリン ５μｇ／ｍｌ
トランスフェリン ５μｇ／ｍｌ
ヘパリン ５μｇ／ｍｌ
【００５２】
培養終了後、各ウェルにアラマーブルー（Alamar Blue、商品名、インビトロジェン社製）試薬２０μｌを添加し、３時間培養後、培地の蛍光強度を測定して細胞増殖活性抑制効果を測定した後、メラノサイトをＣａ2+およびＭｇ2+を除去したＰｈｏｓｐｈａｔｅ−ｂｕｆｆｅｒｅｄ ｓａｌｉｎｅ（ＰＢＳ）で洗浄し、抽出バッファー（０．１Ｍ Ｔｒｉｓ−ＨＣＬ（ｐＨ７．２）、１％Ｎｏｎｉｄｅｔ Ｐ−４０、０．０１％ＳＤＳ、１００μＭ ＰＭＳＦ（フェニルメチルスルホニルフルオライド）、１μｇ／ｍｌアプロチニン）を２０μｌ／ｗｅｌｌ、Ａｓｓａｙ ｂｕｆｆｅｒ（４％ジメチルホルムアミドを含有する１００ｍＭ Ｓｏｄｉｕｍ ｐｈｏｓｐｈａｔｅ−ｂｕｆｆｅｒｅｄ（ｐＨ７．１））を２０μＬ／ｗｅｌｌ添加し、０℃、３時間で細胞を可溶化し、ドーパオキシターゼ活性の測定を行った。ドーパオキシターゼ活性測定は、ＭＢＴＨ法（例えば、Ｗｉｎｄｅｒ Ａ．Ｊ．，Ｈａｒｒｉｓ Ｈ．，Ｅｕｒ．Ｊ．Ｂｉｏｃｈｅｍ．，１９８，３１７−３２６，１９９１参照）を参考に、以下のように行った。
可溶化した細胞溶液の各ｗｅｌｌに、Ａｓｓａｙ ｂｕｆｆｅｒを８０μＬ／ｗｅｌｌ、２０．７ｍＭ ＭＢＴＨ（３−メチル−２−ベンゾチアゾリノン ヒドラゾン）溶液を６０μＬ、基質として５ｍＭ Ｌ−ドーパ（Ｌ−ジヒドロキシフェニルアラニン）溶液を４０μｌ、それぞれ加え、３７℃３０〜６０分反応させた後、その呈色反応を４９０ｎｍの吸光度で測定した。
その結果を図１−１〜図１−４に示す。なお、図１−１〜図１−４は、各種植物の抽出物を添加しなかった場合の吸光度に対する相対値で示している。また、棒グラフ上の数値は、各試料の吸光度の相対値を示している。
【００５３】
図１−１〜図１−４に示したとおり、前記製造例１〜製造例９で調製した抽出物は、ドーパオキシダーゼ活性を抑制することが認められた。
【００５４】
（実施例２）細胞増殖活性抑制効果
９６穴プレートを用いてヒト表皮細胞由来のメラノサイトを実施例１と同様に培養した後、各ｗｅｌｌにアラマーブルー溶液２０μｌを添加し、さらに２〜３時間培養を行った。その後、培養液の蛍光強度（励起波長；５４４ｎｍ、蛍光波長；５９０ｎｍ）を測定した。
その結果を図２−１〜図２−４に示す。なお、図２−１〜図２−４は、各種植物の抽出物を添加しなかった場合の蛍光強度に対する相対値で示している。また、棒グラフ上の数値は、各試料の蛍光強度の相対値を示している。
【００５５】
図２−１〜図２−４に示したとおり、前記製造例１〜製造例９で調製した抽出物は、細胞増殖活性を抑制することが認められた。
【００５６】
（処方例）
前記製造例で得られた抽出物を有効成分として、下記に示す組成のローション、乳液、美容液、クリーム及びパックを常法により各々調製した。
【００５７】
１．ローションの調製
（組成） （配合：質量％）
１，３−ブチレングリコール ８．０
グリセリン ５．０
エタノール ３．０
カシニュウコウジュ抽出物 ３．０
カミツレエキス ３．０
キキョウエキス １．０
チョウジエキス １．０
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．１
リン酸二ナトリウム ０．１
リン酸二水素ナトリウム ０．１
アスコルビン酸２−グルコシド ２．０
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【００５８】
２．乳液の調製
（組成） （配合：質量％）
ゴカ抽出物 ５．０
カミツレエキス １．０
キキョウエキス １．０
アルテアエキス ２．０
スクワラン ３．０
オリブ油 ３．０
グリセリン ５．０
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（エチレンオキサイドの付加モル数：40） １．０
カルボキシビニルポリマー ０．２
水酸化カリウム ０．１
キサンタンガム ０．２
エデト酸二ナトリウム ０．０２
精製水 残部
防腐剤 適量
【００５９】
３．クリームの調製
（組成） （配合：質量％）
タイワンコマツナギ抽出物 ３．０
カミツレエキス ２．０
キキョウエキス ２．０
チョウジエキス ２．０
メチルポリシロキサン ３．０
スクワラン ２．０
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール ３．０
ステアリルアルコール １．５
セタノール １．０
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（エチレンオキサイドの付加モル数：60） ０．５
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 ０．３
水酸化カリウム ０．１５
キサンタンガム ０．１
エデト酸二ナトリウム ０．０５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６０】
４．美容液の調製
（組成） （配合：質量％）
ユカン抽出物 ５．０
カミツレエキス １．０
キキョウエキス １．０
チョウジエキス １．０
カルボキシビニルポリマー ０．２
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 ０．２
水酸化カリウム ０．２
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．２
クエン酸ナトリウム ０．１５
クエン酸 ０．０３
グリセリン １０．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
エデト酸二ナトリム ０．０５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６１】
５．美容液の調製
（組成） （配合：質量％）
イ抽出物 ３．０
カミツレエキス １．０
チョウジエキス １．０
キキョウエキス １．０
キサンタンガム ０．２
カルボキシメチルセルロース ０．２
カルボキシビニルポリマー ０．２
水酸化カリウム ０．１
クエン酸 ０．０３
クエン酸ナトリウム ０．１５
グリセリン ５．０
プロピレングリコール ３．０
ポリエチレングリコール（分子量１５００） １．０
モノステアリン酸ポリエチレングリコール ０．５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６２】
６．クリームの調製
（組成） （配合：質量％）
ヒガンバナ抽出物 ２．０
カミツレエキス ３．０
キキョウエキス ３．０
ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性シリコーン ３．０
メチルポリシロキサン ５．０
デカメチルシクロペンタシロキサン １０
スクワラン ５．０
硫酸マグネシウム ０．５
グリセリン ５．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６３】
７．パックの調製
（組成） （配合：質量％）
チョウセンアサガオ抽出物 ３．０
カミツレエキス ２．０
キキョウエキス １．０
ジプロピレングリコール ３．０
ポリエチレングリコール（平均分子量１５００） ２．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
グリセリン ５．０
クエン酸ナトリウム ０．５
ポリビニルアルコール １０
乳酸 ０．３
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル ０．５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
８．ローションの調製
（組成） （配合：質量％）
イヌカラマツエキス ３．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
グリセリン ３．０
プロピレングリコール ３．０
エタノール ３．０
カミツレエキス ２．０
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．１
リン酸二ナトリウム ０．１
リン酸二水素ナトリウム ０．１
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【技術分野】
【０００１】
本発明は、美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスは、一般に皮膚の紫外線暴露による刺激やホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在する色素細胞（メラノサイト）が活性化されメラニン産生が亢進した結果生じるものと考えられている。このような色素メラニンは、メラノサイトにおいて、酵素チロシナーゼの一種であるドーパオキシダーゼによってドーパ（ジヒドロキシフェニルアラニン）から生合成される。このため、従来から、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制したり、産生したメラニンを減少させる物質の使用が検討され、アスコルビン酸、アルブチン、コウジ酸、グルタチオン等に当該作用があることが報告されている。しかし、これらの物質は、メラニン産生抑制効果が微弱であったり、また効果が高いものには皮膚刺激性があったり、アレルギー反応を引き起こす等、安全性の面で問題がある場合があり、まだ満足できるものは得られていない。
【０００３】
また、いわゆるシミと呼ばれるものの一つとして老人性色素斑、肝斑などが知られている。老人性色素斑の部位においては、メラノサイトの増殖が報告されている。また、肝斑の部位においては、メラノサイトの活性化によるメラニン産生の増加が起こっていることが知られている。このようなシミに対するケアの方法としてこれまではメラニン産生抑制技術やメラノサイトの増殖抑制技術が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、メラニンの産生を抑制し表皮細胞の増殖を抑制する美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、ある種の植物の抽出物がドーパオキシダーゼ活性抑制作用および細胞増殖活性抑制作用を有することを見い出した。さらに、この抽出物を用いることで、優れた美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することができることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【０００６】
本発明は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する美白剤に関する。
また、本発明は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤に関する。
また、本発明は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する細胞増殖活性抑制剤に関する。
また、本発明は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する化粧料組成物に関する。
さらに、本発明は、チョウセンアサガオの抽出物を含有する皮膚外用組成物に関する。
【０００７】
本明細書において、「美白（作用）」とは、皮膚の黒化、またはシミ、ソバカス等の色素沈着を防止、抑制することを意味する。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、メラニンの産生を抑制し表皮細胞の増殖を抑制する美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１−１】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナおよびイ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−２】カシニュウコウジュ及びゴカ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−３】イヌカラマツ及びタイワンコマツナギ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図１−４】チョウセンアサガオ抽出物のドーパオキシダーゼ活性抑制効果を示す図である。
【図２−１】シラカンバ、ユカン、ヒガンバナおよびイ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−２】カシニュウコウジュ及びゴカ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−３】イヌカラマツ及びタイワンコマツナギ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【図２−４】チョウセンアサガオ抽出物の細胞増殖活性抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の美白剤は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤および細胞増殖活性抑制剤は、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明の化粧料組成物は、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ、及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を有効成分として含有する。本発明の皮膚外用組成物は、チョウセンアサガオの抽出物を有効成分として含有する。
前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、ドーパオキシダーゼ活性抑制効果を有する。したがって、前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、皮膚におけるメラニンの産生を抑制することができ、美白効果を奏する。また、前記植物の抽出物を含有する本発明の剤は、細胞(典型的にはメラノサイト等の表皮細胞)増殖活性抑制効果も有する。したがって、前記植物の抽出物を含有する本発明の美白剤は、皮膚の表皮細胞(例えばメラノサイト)の異常増殖を抑制することができる。さらに、前記植物の抽出物を含有する本発明の化粧料組成物および皮膚外用組成物は、老化防止用化粧料組成物および皮膚外用組成物として有用である。
本発明の美白剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物は、メラニン産生抑制作用及びメラノサイト増殖抑制作用を有する。従って、本発明によれば、メラニン産生を抑制し、かつ、メラノサイト増殖を抑制することにより、皮膚の黒化、及び／又はシミ、ソバカス等の色素の沈着を防止、抑制することができる。
【００１１】
本発明におけるシラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）は、カバノキ科（Betulaceae）に属する植物である。
【００１２】
本発明におけるユカン（Phyllanthus emblica L.）は、別名でアンマロクともいい、トウダイグサ科（Euphorbiaceae）に属する植物である。
【００１３】
本発明におけるヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）は、ヒガンバナ科（Amaryllidaceae）に属する植物である。
【００１４】
本発明におけるイ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）は、別名でイグサともいい、イグサ科（Juncaseae）に属する植物である。
【００１５】
本発明におけるカシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）は、別名でフランキンセンスまたはニュウコウジュともいい、カンラン科（Burseraceae）に属する植物である。
【００１６】
本発明におけるゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）は、別名でウコギともいい、ウコギ科（Araliaceae）に属する植物である。
【００１７】
本発明におけるイヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）は、マツ科（Pinaceae）に属する植物である。
【００１８】
本発明におけるタイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）は、別名でキアイ、インド藍ともいい、マメ科（Leguminosae）に属する植物である。
【００１９】
本発明におけるチョウセンアサガオ（Datura metel L.）は、別名でマンダラゲ（曼陀羅華）ともいい、ナス科（Solanaceae）に属する植物である。
【００２０】
本発明において、前記植物の全ての任意の部分が使用可能である。例えば、上記植物の全木、または任意の部位（根、根茎、幹、枝、茎、葉、樹皮、樹液、樹脂、花、果実、種子等）、およびそれらの組み合わせのいずれか１つまたは複数を使用することができる。
【００２１】
本発明において、シラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）の抽出物を得るためには、前記植物の樹皮または木部を用いるのが好ましく、シラカンバ（Betula platyphylla Suk．var．japonica (Sieb.)Hara）を基原植物として得られた生薬（樺樹皮（カジュヒ）または樺木皮（カボク））を用いることもできる。
【００２２】
本発明において、ユカン（Phyllanthus emblica L.）の抽出物を得るためには、前記植物の果実を用いるのが好ましく、ユカン（Phyllanthus emblica L.）を基原植物として得られた生薬（余甘子(ヨカンシ)）を用いることもできる。
【００２３】
本発明において、ヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）の抽出物を得るためには、前記植物の球根(より好ましくは鱗茎)を用いるのが好ましく、ヒガンバナ（Lycoris radiata(L' Her.)Herb.）を基原植物として得られた生薬（石蒜（セキサン））を用いることもできる。
【００２４】
本発明において、イ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）の抽出物を得るためには、前記植物の全草、茎髄を用いるのが好ましく、イ（Juncus effuses L．var．decipeiens Bunchen.）を基原植物として得られた生薬（灯心草（トウシンソウ））を用いることもできる。
【００２５】
本発明において、カシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）の抽出物を得るためには、前記植物の樹液または樹脂を用いるのが好ましく、カシニュウコウジュ（Boswellia carterii Birdw.）を基原植物として得られた生薬（乳香（ニュウコウ））を用いることもできる。
【００２６】
本発明において、ゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）の抽出物を得るためには、前記植物の茎皮、根または根皮を用いるのが好ましく、ゴカ（Acanthopanax gracilistylus W．W．Smith）を基原植物として得られた生薬（五加皮（ゴカヒ））を用いることもできる。
【００２７】
本発明において、イヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）の抽出物を得るためには、前記植物の根皮または樹皮を用いるのが好ましく、イヌカラマツ（Pseudolarix amabilis (Nelson) Rehd.、Pseudolarix kaempferi Gord.）を基原植物として得られた生薬（土槿皮（ドキンピ）、土荊皮（ドケイヒ））を用いることもできる。
【００２８】
本発明において、タイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）の抽出物を得るためには、前記植物の葉、茎葉またはこれらより製造した色素を用いるのが好ましく、タイワンコマツナギ（Indigofera tinctoria L.）を基原植物として得られた生薬（青黛(セイタイ)）を用いることもできる。
【００２９】
本発明において、チョウセンアサガオ（Datura metel L.）の抽出物を得るためには、前記植物の花、果実、葉または根を用いるのが好ましく、チョウセンアサガオ（Datura metel L.）を基原植物として得られた生薬（洋金花(ヨウキンカ)）を用いることもできる。
【００３０】
本発明において用いる、前記植物の抽出物は、適当な溶媒を用いた常法の抽出方法によって調製することができる。
【００３１】
本発明において、前記植物の抽出物の調製に、上記植物をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることもできるが、その水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等、より精製したものを用いることもでき、また市販品を利用することもできる。上記植物又はその水蒸気蒸留物若しくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は２種以上を組み合わせて使用してもよい。
【００３２】
抽出に用いる溶媒としては、通常植物成分の抽出に用いられるもの、例えば水、石油エーテル、ｎ−ヘキサン、トルエン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられ、特に水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。これらは単独で又は２種以上を組み合わせて使用できる。また抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば上記植物を０〜１００℃で１時間〜７日間浸漬又は加熱還流すればよい。上記植物の抽出物は、そのまま使用できるが、さらに適当な分離手段、例えばゲル濾過、クロマトグラフィー、精密蒸留等により活性の高い画分を分画して用いることもできる。
【００３３】
本発明において、シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及び／またはチョウセンアサガオの抽出物はそのまま用いてもよい。または、当該抽出物を希釈、濃縮または凍結乾燥した後、粉末またはペースト状に調製して用いることもできる。
【００３４】
前記植物の抽出物は、ドーパオキシダーゼ活性抑制作用および細胞増殖活性抑制作用を奏する。これら植物の抽出物を含有させれば、美白剤、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、細胞増殖活性抑制剤、化粧料組成物および皮膚外用組成物が得られる。この場合、これら植物の抽出物の量は特に制限されないが、前記抽出物が固形分換算で0.00001〜5重量％含まれるのが好ましく、0.0001〜0.5重量％含まれるのが特に好ましい。
【００３５】
本発明の皮膚外用組成物又は化粧料組成物には、通常の皮膚化粧料に配合される薬効成分、例えば微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、パーソールＭＣＸ、パーソール１７８９等の紫外線吸収剤、アスコルビン酸等のビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤、ホルモン剤、及びコウジ酸、アルブチン、プラセンタエキス、ルシノール等の他の美白成分を添加配合することができる。
【００３６】
本発明の化粧料組成物は種々の形態の製剤とすることができるが、通常は、医薬品、医薬部外品、化粧品等の外用剤として用いることが好ましい。化粧料組成物を皮膚外用剤として用いる場合には、例えばクリーム、ローション、乳剤、軟膏、ゲル、パック、フォーム、エッセンス、スティック、パウダー等として用いることが好ましい。
【００３７】
本発明の皮膚外用組成物又は化粧料組成物には、化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイドシリカナトリウムポリアクリレート等の粉体；例えば鉱油、植物油、シリコーン油等の油又は油状物質；例えばソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノオレエート、高分子シリコーン界面活性剤等の乳化剤；パラ−ヒドロキシベンゾエートエステル等の防腐剤；ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤；グリセロール、ソルビトール、２−ピロリドン−５−カルボキシレート、ジブチルフタレート、ゼラチン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤；トリエタノールアミン又は水酸化ナトリウムのような塩基を伴う乳酸等の緩衝剤；グリセロールエーテル及び合成、動物性又は植物性セラミド等の界面活性剤；密ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックス等のワックス類；増粘剤；活性増強剤；着色料；香料等、を必要に応じ適宜組合せて用いることができる。
【００３８】
本発明の皮膚外用剤又は化粧料組成物の使用量は、有効成分の含有量により異なるが、例えばクリーム状、軟膏状の場合、皮膚面１cm2当たり0.1μｇ〜5μｇ、液状製剤の場合、同じく0.1μｇ〜10μｇ使用するのが好ましい。
【実施例】
【００３９】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００４０】
（製造例１）シラカンバの抽出物の調製
シラカンバを基原植物とする生薬カジュヒ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量７０ｍＬ、蒸発残分１．９ｗ／ｖ％）。
【００４１】
（製造例２）ユカン抽出物の調製
ユカンを基原植物とする生薬ヨカンシ（新和物産社製）１０ｇを細切し、水１００ｍＬを加え、７０℃で５時間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量８６ｍＬ、蒸発残分３．５ｗ／ｖ％）。
【００４２】
（製造例３）ヒガンバナ抽出物の調製
ヒガンバナを基原植物とする生薬セキサン（新和物産社製）１０ｇを細切し、５０％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量７９ｍＬ、蒸発残分２．９ｗ／ｖ％）。
【００４３】
（製造例４）イ抽出物の調製
イを基原植物とする生薬トウシンソウ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール１０ｍＬを加え、ろ過した（収量１２ｍＬ、蒸発残分０．５６ｗ／ｖ％）。
【００４４】
（製造例５）カシニュウコウジュ抽出物の調製
カシニュウコウジュを基原植物とする生薬ニュウコウ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量９１ｍＬ、蒸発残分５．６ｗ／ｖ％）。
【００４５】
（製造例６）ゴカ抽出物の調製
ゴカを基原植物とする生薬ゴカヒ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た（収量８６ｍＬ、蒸発残分１．１ｗ／ｖ％）。
【００４６】
（製造例７）イヌカラマツ抽出物の調製
イヌカラマツを基原植物とする生薬ドキンピ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール４０ｍＬを加え、ろ過した（収量４５ｍＬ、蒸発残分０．６ｗ／ｖ％）。
【００４７】
（製造例８）タイワンコマツナギ抽出物の調製
タイワンコマツナギを基原植物とする生薬セイタイ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール５ｍＬを加え、ろ過した（収量５ｍＬ、蒸発残分０．２ｗ／ｖ％）。
【００４８】
（製造例９）チョウセンアサガオ抽出物の調製
チョウセンアサガオを基原植物とする生薬ヨウキンカ（新和物産社製）１０ｇを細切し、９５％エタノール１００ｍＬを加え、２５℃で７日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮した後、９５％エタノール３５ｍＬを加え、ろ過した（収量３７ｍＬ、蒸発残分０．５ｗ／ｖ％）。
【００４９】
（実施例１）ドーパオキシダーゼ活性抑制効果
９６穴プレートにヒト表皮細胞由来のメラノサイト１００μｌを５×１０3ｃｅｌｌ／ｗｅｌｌの細胞密度となるように各穴に播種した。培地はＭｅｄｉｕｍ２５４にＰＭＡを除くＨＭＧＳ（Human Melanocyte Growth Supplement）（いずれもＣａｓｃａｄｅ Ｂｉｏｌｏｇｉｃｓ社）を添加したものを用いた。
２４時間の培養後、メラノサイト活性化因子エンドセリン−１（ＥＴ−１）、幹細胞増殖因子（ＳＣＦ）、αメラノサイト刺激ホルモン（α−ＭＳＨ）、ヒスタミンおよびプロスタグランジンＥ2（ＰＧＥ2）を、それぞれ培地中終濃度で１０×１０-7ｍｏｌ/ｍ3になるように添加した。
【００５０】
また、前記製造例１〜製造例９で調製した植物の抽出物を０．００１％、０．００５％、０．０１％、０．０５％、０．１０％となるように添加した。最終的に培地量は２００μｌ／ｗｅｌｌで、３７℃、５％ＣＯ2の条件下で培養を行った。３日後に培地１００μｌを除去後、新たな培地（メラノサイト活性化因子および各種抽出物含有）１００μｌを添加し、更に４日間培養した。
【００５１】
なお、培地には、以下の添加物も添加されている。
ｂＦＧＦ（塩基性線維芽細胞成長因子） ３ｎｇ／ｍｌ
ＢＰＥ（ウシ脳下垂体抽出液） ０．２体積％
ＦＢＳ（ウシ胎児血清） ０．５体積％
ハイドロコーチゾン ５×１０-4ｍｏｌ／ｍ3
インスリン ５μｇ／ｍｌ
トランスフェリン ５μｇ／ｍｌ
ヘパリン ５μｇ／ｍｌ
【００５２】
培養終了後、各ウェルにアラマーブルー（Alamar Blue、商品名、インビトロジェン社製）試薬２０μｌを添加し、３時間培養後、培地の蛍光強度を測定して細胞増殖活性抑制効果を測定した後、メラノサイトをＣａ2+およびＭｇ2+を除去したＰｈｏｓｐｈａｔｅ−ｂｕｆｆｅｒｅｄ ｓａｌｉｎｅ（ＰＢＳ）で洗浄し、抽出バッファー（０．１Ｍ Ｔｒｉｓ−ＨＣＬ（ｐＨ７．２）、１％Ｎｏｎｉｄｅｔ Ｐ−４０、０．０１％ＳＤＳ、１００μＭ ＰＭＳＦ（フェニルメチルスルホニルフルオライド）、１μｇ／ｍｌアプロチニン）を２０μｌ／ｗｅｌｌ、Ａｓｓａｙ ｂｕｆｆｅｒ（４％ジメチルホルムアミドを含有する１００ｍＭ Ｓｏｄｉｕｍ ｐｈｏｓｐｈａｔｅ−ｂｕｆｆｅｒｅｄ（ｐＨ７．１））を２０μＬ／ｗｅｌｌ添加し、０℃、３時間で細胞を可溶化し、ドーパオキシターゼ活性の測定を行った。ドーパオキシターゼ活性測定は、ＭＢＴＨ法（例えば、Ｗｉｎｄｅｒ Ａ．Ｊ．，Ｈａｒｒｉｓ Ｈ．，Ｅｕｒ．Ｊ．Ｂｉｏｃｈｅｍ．，１９８，３１７−３２６，１９９１参照）を参考に、以下のように行った。
可溶化した細胞溶液の各ｗｅｌｌに、Ａｓｓａｙ ｂｕｆｆｅｒを８０μＬ／ｗｅｌｌ、２０．７ｍＭ ＭＢＴＨ（３−メチル−２−ベンゾチアゾリノン ヒドラゾン）溶液を６０μＬ、基質として５ｍＭ Ｌ−ドーパ（Ｌ−ジヒドロキシフェニルアラニン）溶液を４０μｌ、それぞれ加え、３７℃３０〜６０分反応させた後、その呈色反応を４９０ｎｍの吸光度で測定した。
その結果を図１−１〜図１−４に示す。なお、図１−１〜図１−４は、各種植物の抽出物を添加しなかった場合の吸光度に対する相対値で示している。また、棒グラフ上の数値は、各試料の吸光度の相対値を示している。
【００５３】
図１−１〜図１−４に示したとおり、前記製造例１〜製造例９で調製した抽出物は、ドーパオキシダーゼ活性を抑制することが認められた。
【００５４】
（実施例２）細胞増殖活性抑制効果
９６穴プレートを用いてヒト表皮細胞由来のメラノサイトを実施例１と同様に培養した後、各ｗｅｌｌにアラマーブルー溶液２０μｌを添加し、さらに２〜３時間培養を行った。その後、培養液の蛍光強度（励起波長；５４４ｎｍ、蛍光波長；５９０ｎｍ）を測定した。
その結果を図２−１〜図２−４に示す。なお、図２−１〜図２−４は、各種植物の抽出物を添加しなかった場合の蛍光強度に対する相対値で示している。また、棒グラフ上の数値は、各試料の蛍光強度の相対値を示している。
【００５５】
図２−１〜図２−４に示したとおり、前記製造例１〜製造例９で調製した抽出物は、細胞増殖活性を抑制することが認められた。
【００５６】
（処方例）
前記製造例で得られた抽出物を有効成分として、下記に示す組成のローション、乳液、美容液、クリーム及びパックを常法により各々調製した。
【００５７】
１．ローションの調製
（組成） （配合：質量％）
１，３−ブチレングリコール ８．０
グリセリン ５．０
エタノール ３．０
カシニュウコウジュ抽出物 ３．０
カミツレエキス ３．０
キキョウエキス １．０
チョウジエキス １．０
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．１
リン酸二ナトリウム ０．１
リン酸二水素ナトリウム ０．１
アスコルビン酸２−グルコシド ２．０
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【００５８】
２．乳液の調製
（組成） （配合：質量％）
ゴカ抽出物 ５．０
カミツレエキス １．０
キキョウエキス １．０
アルテアエキス ２．０
スクワラン ３．０
オリブ油 ３．０
グリセリン ５．０
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（エチレンオキサイドの付加モル数：40） １．０
カルボキシビニルポリマー ０．２
水酸化カリウム ０．１
キサンタンガム ０．２
エデト酸二ナトリウム ０．０２
精製水 残部
防腐剤 適量
【００５９】
３．クリームの調製
（組成） （配合：質量％）
タイワンコマツナギ抽出物 ３．０
カミツレエキス ２．０
キキョウエキス ２．０
チョウジエキス ２．０
メチルポリシロキサン ３．０
スクワラン ２．０
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール ３．０
ステアリルアルコール １．５
セタノール １．０
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（エチレンオキサイドの付加モル数：60） ０．５
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 ０．３
水酸化カリウム ０．１５
キサンタンガム ０．１
エデト酸二ナトリウム ０．０５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６０】
４．美容液の調製
（組成） （配合：質量％）
ユカン抽出物 ５．０
カミツレエキス １．０
キキョウエキス １．０
チョウジエキス １．０
カルボキシビニルポリマー ０．２
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 ０．２
水酸化カリウム ０．２
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．２
クエン酸ナトリウム ０．１５
クエン酸 ０．０３
グリセリン １０．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
エデト酸二ナトリム ０．０５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６１】
５．美容液の調製
（組成） （配合：質量％）
イ抽出物 ３．０
カミツレエキス １．０
チョウジエキス １．０
キキョウエキス １．０
キサンタンガム ０．２
カルボキシメチルセルロース ０．２
カルボキシビニルポリマー ０．２
水酸化カリウム ０．１
クエン酸 ０．０３
クエン酸ナトリウム ０．１５
グリセリン ５．０
プロピレングリコール ３．０
ポリエチレングリコール（分子量１５００） １．０
モノステアリン酸ポリエチレングリコール ０．５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６２】
６．クリームの調製
（組成） （配合：質量％）
ヒガンバナ抽出物 ２．０
カミツレエキス ３．０
キキョウエキス ３．０
ポリオキシエチレンアルキルエーテル変性シリコーン ３．０
メチルポリシロキサン ５．０
デカメチルシクロペンタシロキサン １０
スクワラン ５．０
硫酸マグネシウム ０．５
グリセリン ５．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
【００６３】
７．パックの調製
（組成） （配合：質量％）
チョウセンアサガオ抽出物 ３．０
カミツレエキス ２．０
キキョウエキス １．０
ジプロピレングリコール ３．０
ポリエチレングリコール（平均分子量１５００） ２．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
グリセリン ５．０
クエン酸ナトリウム ０．５
ポリビニルアルコール １０
乳酸 ０．３
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル ０．５
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
８．ローションの調製
（組成） （配合：質量％）
イヌカラマツエキス ３．０
１，３−ブチレングリコール ５．０
グリセリン ３．０
プロピレングリコール ３．０
エタノール ３．０
カミツレエキス ２．０
キサンタンガム ０．１
ヒアルロン酸 ０．１
リン酸二ナトリウム ０．１
リン酸二水素ナトリウム ０．１
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
【特許請求の範囲】
【請求項１】
イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する美白剤。
【請求項２】
シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤。
【請求項３】
シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する細胞増殖活性抑制剤。
【請求項４】
イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する化粧料組成物。
【請求項５】
チョウセンアサガオの抽出物を含有する皮膚外用組成物。
【請求項１】
イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する美白剤。
【請求項２】
シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤。
【請求項３】
シラカンバ、ユカン、ヒガンバナ、イ、カシニュウコウジュ、ゴカ、イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する細胞増殖活性抑制剤。
【請求項４】
イヌカラマツ、タイワンコマツナギ及びチョウセンアサガオからなる群より選ばれる少なくとも１種の植物の抽出物を含有する化粧料組成物。
【請求項５】
チョウセンアサガオの抽出物を含有する皮膚外用組成物。
【図１−１】
【図１−２】
【図１−３】
【図１−４】
【図２−１】
【図２−２】
【図２−３】
【図２−４】
【図１−２】
【図１−３】
【図１−４】
【図２−１】
【図２−２】
【図２−３】
【図２−４】
【公開番号】特開２０１０−１５９２２１（Ｐ２０１０−１５９２２１Ａ）
【公開日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１８１３（Ｐ２００９−１８１３）
【出願日】平成２１年１月７日（２００９．１．７）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１月７日（２００９．１．７）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
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