説明

美白剤及び美白化粧料

【課題】ハトムギ種子を素材として得られ、ハトムギ種子或いは従来のハトムギ種子酵素処理物や発酵物よりもすぐれた皮膚生理活性、特に美白作用を具えると共に、ハトムギ種子にみられる保存安定性や流動特性に於ける難点の改善された新規なハトムギ種子発酵物を創出し、かかる発酵物を化粧料配合成分として用いることにより、優れた美白効果を有し、しかも品質安定性や使用感の良好な化粧料を提供すること。
【解決手段】ハトムギ種子を納豆菌及び/又は酵母で発酵して得られる発酵物を有効成分として化粧料中に配合すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハトムギ種子の加工物からなる化粧料配合剤並びに該配合剤を有効成分として含む化粧料に関し、詳しくは、ハトムギ種子の発酵物からなり、優れた美白作用を有する化粧料配合剤、並びに該配合剤を有効成分として含み、皮膚に特段の美白効果を付与すると共に、品質の保持・安定性にもすぐれた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen Stapf.)は、イネ科植物のジュズダマ属の一種で、古くから食用や薬用として利用されている。例えば、食品用途ではハトムギ種子を殻付きのまま焙煎して茶として飲用に利用され、また、その種子の殻や内皮を取り除いたハトムギ種子はヨクイニンと呼ばれ、炊飯物としての食用に用いられ或いは漢方薬として用いられている。その医療的効果としては、利尿作用、排膿作用、消炎、鎮痛作用、神経痛やリウマチなどの疼痛緩和作用を有することが知られている。
【0003】
ハトムギ種子の皮膚生理活性については、古くから報告がなされている。例えば、抗炎症・肌荒れ防止作用(特許文献1)、シミ防止作用(特許文献2)、線維芽細胞増殖作用(特許文献3)、過酸化脂質生成抑制作用或いはスーパーオキシド消去作用(特許文献4、5)、セラミド産生促進作用(特許文献6)、チロシナーゼ活性阻害効果(特許文献7)等を有することが明らかとなり、それらの作用を利用した皮膚化粧料が提案されている。またハトムギの加工物についても、ハトムギ種子に各種酵素や多糖類分解微生物による処理を施して得られる処理物或いはそれらの処理物に酵母、乳酸菌等を作用させてなる生成物が、肌の艶、ハリを改善する作用を(特許文献8)、また糸状菌を作用させて得られる紅麹の酵素処理抽出物が細胞賦活作用を(特許文献9)それぞれ有することが知られており、さらに発芽ハトムギの発酵処理物が紫外光吸収抑制効果、活性酸素消去効果、チロシナーゼ活性阻害効果等を示すこと(特許文献10)も知られている。
【0004】
【特許文献1】特開昭52−001042号
【特許文献2】特開昭60−214721号
【特許文献3】特開平10−036279号
【特許文献4】特開昭61−024522号
【特許文献5】特開平4−005237号
【特許文献6】特開平2000−319157号
【特許文献7】特開昭60−214721号
【特許文献8】特開平7−274914号
【特許文献9】特開平9−077634号
【特許文献10】特開2007−290998号
【0005】
しかしながら、ハトムギ種子或いはその公知処理物の有する上記の皮膚生理活性及びそれに基づく肌改善効果は、化粧料配合原料として見た場合必ずしも十分満足し得るものとは言い難い点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み、それらの問題点を解消し、改善する方法について鋭意研究、検討を重ねた結果、ハトムギ種子を納豆菌及び/又は酵母で発酵して得られる発酵物が、ハトムギ種子及び上記従来のハトムギ種子処理物よりも強い美白作用を有し、しかも長期保存中にも品質低下や性状変化を来すことがなく、又化粧料への配合性や配合後の使用感にもすぐれることを見出し本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち本発明は、ハトムギ種子を納豆菌及び/又は酵母で発酵させて得られる発酵物を配合したことを特徴とする美白剤、並びにかかる美白剤を配合してなる美白化粧料に関するものである。
なおここで、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
【発明の効果】
【0008】
ハトムギ種子を納豆菌及び/又は酵母で発酵させて得られる発酵物は、未加工のハトムギ種子或いは前記従来のハトムギ種子処理物よりも強い美白作用を有している。又、本発明のハトムギ種子発酵物は、長期間の保存中にも上記の皮膚生理活性が低下したり、或いは変色や着色、並びに濁りや沈殿(オリ)が生ずるなどの性状変化を来すことがなく品質安定性にすぐれると共に、未加工のハトムギ種子や従来のハトムギ種子処理物に比べて、化粧料への配合が容易でかつ高濃度配合時にも化粧料の使用感や展延性を低下させることがない。
従って、かかるハトムギ種子発酵物を配合してなる本発明の化粧料は、該発酵物の有する高い美白作用に基づき、従来のハトムギ種子或いは当該種子加工物配合化粧料にまさるすぐれた美白効果を奏すると共に、保存中における品質低下がなく、又使用感、肌への延びにも極めてすぐれたものとなる。
尚、本発明のハトムギ種子発酵物は、高い美白作用を有することに加えて、ハトムギ種子或いは公知のハトムギ種子加工物に比べてより増強された線維芽細胞賦活作用を有することに基づき皮膚老化防止の点でもすぐれた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で出発原料として用いるハトムギ種子は、殻付きのもの及び殻を除いたもののいずれもが使用可能であり、さらに粒のままでも、粉砕又は破砕して得た粉末、或いはハトムギ種子の粒、粉末の高温・高圧処理物等のいずれであってもよく、いずれの場合も同等でかつ元のハトムギ種子よりも強い皮膚生理活性を有する発酵物を与えるが、原料としての保存安定性や抽出・発酵効率の観点から、殻付き及び殻除去物のいずれの場合も、粉砕又は破砕して得た粉末或いはその高温・高圧処理物を用いることが好ましい。
尚、後に試験例に示す通り、ハトムギ種子として発芽ハトムギ種子を用いて得られる発酵物は、未発芽のハトムギ種子発酵物に比べて美白作用が十分でなく、所望の皮膚改善効果を得ることが困難であるので、本発明からは除外される。
【0010】
ハトムギ種子の発酵に用いる菌としては、納豆菌、酵母等が挙げられ、それらの菌のいずれを用いた場合であっても、すぐれた美白作用を有し、しかも高い保存安定性を示す発酵物が得られる。
【0011】
納豆菌としては、例えばバシルス ナットー(Bacillus natto)、バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス サーキュランス(Bacillus circulans)、バシルス プミルス(Bacillus pumilus)、バシルス リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バシルス ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシルス ブレビス(Bacillus brevis)、バシルス メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシルス マセランス(Bacillus macerans)、バシルス アルベイ(Bacillus alvei)、バシルス ファームス(Bacillus firmus)、バシルス ラービィ(Bacillus larvae)等のバシルス属の細菌などが挙げられる。なかでも、食品に広く使用されており、安全性が高い点でバシルス ナットー(Bacillus natto)又バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)が最も好ましい。
【0012】
ハトムギ種子の発酵に用いる酵母として、
(1)サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayo
nus)等のサッカロミセス属の酵母。
(2)トルラスポラ デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ ロゼイ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母。
(3)ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母。
(4)カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母。
など、いずれの酵母でも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が最も好ましい。
【0013】
それらの微生物を用いてハトムギ種子を発酵させる方法の好ましい具体例を挙げれば以下の通りである。
即ち、まずハトムギ種子或いはハトムギ種子を粉砕又は破砕して得た粉末、もしくはそれらの高温・高圧処理物を発酵媒体と混合して懸濁液を調製し、これに殺菌処理を施す。
ここで発酵媒体としては、水、水とエタノール、プロパノールなどの低級アルコール類との混合液、水とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどのグリコール類との混合液、水とソルビトール、グルコースなどの糖類との混合液等を用いることができるが、発酵に用いる菌が最も作用し易いことと、ハトムギ種子に含まれる成分以外に菌の栄養源となる成分を含まない点で、水単独の使用が最も好ましい。
【0014】
ハトムギ種子と上記の発酵媒体との混合比は、重量比で一般に2:1〜1:1000の範囲であり、好ましくは1:2〜1:100、より好ましくは1:5〜1:50の範囲である。ハトムギ種子の量比が大き過ぎると液が粘性を持つため、ろ過操作等が困難となって収量が低下する傾向にあり、一方少な過ぎると、発酵液の固形分濃度、ひいては単位容積当たりの生理活性が低くなり、濃縮工程を余儀なく必要とする場合もあり、使い勝手の悪いものとなっていずれも好ましくない。
【0015】
殺菌処理としては、ハトムギ種子懸濁液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
これに代えて、発酵素材のハトムギ種子それ自体を予め殺菌用エタノール等で洗浄殺菌しておき、これを無菌水等の無菌媒体に懸濁する方法を用いてもよく、また、懸濁液を調製した後に加熱殺菌しても良い。
【0016】
次に、この無菌化したハトムギ種子懸濁液を発酵タンクに入れ、これに微生物を植菌して発酵を行わしめる。
微生物の接種量は10〜10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了迄に長時間を要することとなって好ましくない。
【0017】
発酵温度は、5〜50℃の範囲であれば発酵が進行し目的の発酵物を得ることができるが、より好ましくは各菌の生育至適温度である30〜40℃の範囲である。
発酵日数は、上記の至適温度で発酵を行う場合で一般に1〜10日であり、より好ましくは2〜5日である。発酵日数が1日より短いと発酵が十分に行われず、目的とする高い皮膚生理活性を具えた発酵物を得ることが困難となる。一方、発酵日数が10日を越えて長くなり過ぎても、それ以上発酵は進行せず発酵物の有効性に向上が認められないだけでなく、かえって着色や発酵臭が強まるなどの不都合が生じ好ましくない。
【0018】
所定の発酵日数が経過したならば、次に発酵菌の殺菌と、後述の酵素分解処理を発酵と併せ行った場合であれば当該酵素の失活を兼ねて、発酵液を例えば80〜90℃で60〜120分間加熱する方法などを用いて殺菌し、発酵を停止せしめた後、ろ過或いは遠心分離などの固液分離手段を用いて不溶物を除去し、目的の発酵物を含む溶液を得る。
ここに得られる発酵物溶液は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料に配合するか、もしくは必要ならば減圧濃縮等により所定の濃度に調整した上化粧料に配合する。又場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化してもよい。
【0019】
なお、以上の発酵処理を行うに際して、発酵前及び/又は発酵と並行して、ハトムギ種子懸濁液に酵素による加水分解処理を施すようにしてもよく、これによってハトムギ種子の成分がより有効に微生物によって利用され発酵効率が上がるだけでなく、発酵液の流動特性や保存安定性も一段と良好なものとなることから好ましい。
【0020】
酵素加水分解処理を行う場合、酵素としては、蛋白分解酵素、糖質分解酵素の2種の酵素群のそれぞれから少なくとも1種以上の酵素を選び、それらを組み合わせ用いるようにするのが好ましい。
【0021】
ここで蛋白分解酵素としては、例えばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメラインなどを用いることができる。 それら酵素のうちでも、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類或いはブロメラインが特に好ましい。
【0022】
糖質分解酵素としては、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、β−グルカナーゼ、β−キシラナーゼ、デキストラナーゼ、ポリガラクチュロナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ペクチンデメトキシラーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、グルコアミラーゼ、ペクチンエステラーゼとポリガラクチュロナーゼが特に好ましい。
【0023】
酵素の使用量は、ハトムギ種子懸濁液中の固形分に対して、合計量で0.01〜10重量%の範囲とするのがよく、より好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。
pH、温度、時間などの処理条件は、発酵と同条件であって差し支えないが、発酵前に酵素加水分解処理を行う場合には、用いる酵素の至適pH、至適温度付近で1〜24時間処理を行うようにすることが好ましい。
【0024】
以上の如くして得られる本発明のハトムギ種子発酵物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0025】
本発明の化粧料中に於けるハトムギ種子発酵物の配合量は、固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜3.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲、清浄用化粧料の場合は、一般に0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%の範囲、又浴剤の場合は、一般に0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%の範囲である。
【0026】
本発明の化粧料には、上記の必須成分の他に、通常化粧料に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、抗酸化剤、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0027】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0028】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
【0029】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物等が挙げられる。
【0030】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
【0031】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノン等がある。
【0032】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0033】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0034】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液等がある。
【0035】
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の生理活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤等)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子抽出物、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、ヒカゲノツルニンジン(Codonopsis pilosula)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体(d,l−α−トコフェリルリン酸ナトリウムなど)、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、エルゴチオネイン、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米糠抽出物加水分解物、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インティギノーサ抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス発酵液、水ナス抽出物、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキス等が挙げられる。
【0036】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0037】
次に、製造例(美白・美肌化剤の実施例)、試験例及び処方例(化粧料の実施例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0038】
製造例1.
殻を除いたハトムギ種子50gを粉砕し、精製水950gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にグルコアミラーゼ0.5g及びパパイン0.5gを加えた後、納豆菌(バシルス サブチルス)を107 個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養終了後培養液を加熱殺菌し、室温まで冷却後ろ過して、ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液820gを得た(固形分濃度3.1%)。
【0039】
製造例2.
納豆菌に代えて酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を用いる他は製造例1と同様にして、ハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液800gを得た(固形分濃度0.8%)。
【0040】
製造例3.
殻を除いていないハトムギ種子50gを粉砕し、精製水950gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液に納豆菌(バシルス サブチルス)を107 個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養終了後培養液を加熱殺菌し、室温まで冷却後ろ過して、ハトムギ種子納豆菌発酵液660gを得た(固形分濃度2.1%)
【0041】
製造例4.
納豆菌に代えて酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を用いる他は製造例3と同様にして、ハトムギ種子酵母発酵液500gを得た(固形分濃度0.4%)。
【0042】
製造例5.
製造例1で得たハトムギ種子の納豆菌発酵液500gを凍結乾燥し、これを粉砕してハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵物粉末15.0gを得た。
【0043】
製造例6.
ハトムギ種子に替えて、高温高圧で処理し、膨化させたハトムギ種子を用いる他は製造例1と同様にしてハトムギ種子の納豆菌発酵液720gを得た(固形分2.7%)。
【0044】
製造例7.
殻を除いていないハトムギ種子50gを粉砕し、精製水950gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にグルコアミラーゼ0.5g及びパパイン0.5gを加えた後、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を107 個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養終了後培養液を加熱殺菌し、室温まで冷却後ろ過して、ハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液800gを得た(固形分濃度0.37%)。
【0045】
比較製造例1.
殻を除いていないハトムギ種子50gを粉砕し、水950gを加えて懸濁液を作り加熱殺菌した。この液にグルコアミラーゼ0.5g、パパイン0.5gを加えた後、37℃で3日間酵素加水分解を行った。 加水分解終了後、酵素を加熱失活させ、ろ過してハトムギ種子酵素加水分解液760gを得た(固形分3.3%)。
【0046】
比較製造例2.
殻を除いていないハトムギ種子50gを粉砕し、水950gを加えて懸濁液を作り加熱殺菌した。冷却後この液をろ過してハトムギ種子抽出液760gを得た(固形分2.3%)。
【0047】
比較製造例3.
殻を除いていないハトムギ種子50gを25℃で3〜5日間発芽処理を行い、発芽したものを集め、シリカゲルデシケーター内で3日間乾燥させた。ここに得られた発芽ハトムギ種子の発芽長は5〜50mmの範囲にあった。
製造例1の未発芽ハトムギ種子に代えて、この発芽ハトムギ種子を使用する他は、製造例1と同様にして発芽ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液810gを得た。(固形分3.2%)
【0048】
比較製造例4.
製造例7の未発芽ハトムギ種子に代えて、比較製造例3で調製した発芽ハトムギ種子を使用する他は、製造例7と同様にして発芽ハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液820gを得た。(固形分0.34%)
【0049】
処方例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1の発酵液 10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0050】
処方例2.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発酵液 5.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。こ
れを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0051】
処方例3.乳液
処方例2のB成分中製造例1の発酵液に代えて製造例2の発酵液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0052】
処方例4.乳液
処方例2のB成分中製造例1の発酵液に代えて製造例3の発酵液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0053】
処方例5.乳液
処方例2のB成分中製造例1の発酵液に代えて製造例4の発酵液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0054】
処方例6.乳液
処方例2のB成分中製造例1の発酵液に代えて製造例6の発酵液を用いるほかは処方例2と同様にして乳液を得た。
【0055】
処方例7.ローション
[成分] 部
製造例1の発酵液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0056】
処方例 8.ローション
処方例7の成分中製造例1の発酵液に代えて製造例2の発酵液を用いるほかは処方例7と同様にしてローションを得た。
【0057】
処方例9.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例1の発酵液 60.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
【0058】
処方例10.エッセンス
処方例9の成分中製造例1の発酵液に代えて製造例3の発酵液を用いるほかは処方例9と同様にしてエッセンスを得た。
【0059】
処方例11.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の発酵液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0060】
処方例12.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の発酵液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0061】
処方例13.乳液
処方例12のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは処方例12と同様にして乳液を得た。
【0062】
処方例14.乳液
処方例12のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは処方例12と同様にして乳液を得た。
【0063】
処方例15.乳液
処方例12のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは処方例12と同様にして乳液を得た。
【0064】
処方例16.乳液
処方例12のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例12と同様にして乳液を得た。
【0065】
処方例17.乳液
処方例12のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例12と同様にして乳液を得た。
【0066】
処方例18.プレスドパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例5の発酵物粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレスドパウダーを得た。
【0067】
実施例19.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例2の発酵液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0068】
処方例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例3の発酵液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0069】
処方例21.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例4の発酵液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0070】
処方例22.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例5の発酵物粉末 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0071】
比較処方例1
処方例9に於いて、製造例1のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液に代えて比較製造例1のハトムギ種子酵素加水分解液を用いるほかは処方例9と同様にしてエッセンスを得た。
【0072】
比較処方例2
処方例9に於いて、製造例1のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液に代えて比較製造例3の発芽ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液を用いるほかは処方例9と同様にしてエッセンスを得た。
【0073】
試験例1.線維芽細胞賦活作用
[試料]
(1)製造例1のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液
(2)製造例2のハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液
(3)製造例3のハトムギ種子納豆菌発酵液
(4)製造例4のハトムギ種子酵母発酵液
(5)比較製造例1のハトムギ種子酵素加水分解液
(6)比較製造例2のハトムギ種子抽出液
【0074】
[試験方法]
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGB(Lot.070512(6))を、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10 個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を5.0%の濃度(溶液として)となるように添加し、同条件でさらに3日間培養した。次に、培地を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンを酸性イソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用いて波長370−630nmでMTT値を測定した。
試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、線維芽細胞MTT活性率(%)とした。
また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりにグルコースを100mM添加した場合(陽性対照)についても、同様の試験を行った。
【0075】
[結果]
結果を表1に示す。
【表1】

【0076】
表1に示す通り、ハトムギ種子を発酵して得られる発酵液は、発酵時に酵素加水分解処理を併用した場合(試料(1)、試料(2))及び併用しなかった場合(試料(3)、試料(4))のいずれも、その対照品である発酵なしの試料(5)及び試料(6)と比べて遙かに高いMTT活性率を示しており、発酵処理によりハトムギ種子の細胞賦活能が大きく増強されることが判る。又、ハトムギ種子発酵液のMTT活性率、すなわち細胞賦活能は、発酵時に酵素加水分解処理を併用した場合に特に顕著となる。
【0077】
試験例2.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用(1)
[試料]
試験例1に同じ。
【0078】
[試験方法]
培養B16マウスメラノーマ細胞B16−F10(Lot.080327(12))を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%FBS含有イーグル最小必須培地中、37℃、5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、10%FBS含有イーグル最小必須培地で試料溶液を5.0%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換し、同条件で3日間培養した。
次に培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mML−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。
試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたドーパ値に対する各試料添加時のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。
なお、比較のため、試料溶液の代わりに、2mMのコウジ酸を添加した場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
【0079】
[結果]
結果を表2に示す。
【表2】

【0080】
表2に示す通り、ハトムギ種子を発酵して得られる発酵液は、発酵時に酵素加水分解処理を併用した場合(試料(1)、(2))及び併用しなかった場合(試料(3)、試料(4))のいずれも、その対照品である発酵なしの試料(5)及び試料(6)と比べて遙かに強く細胞内チロシナーゼ活性を抑制しており、発酵処理によりハトムギ種子の細胞内チロシナーゼ活性抑制作用が増強されることが判る。又、ハトムギ種子醗酵液の示す細胞内チロシナーゼ活性抑制作用は、発酵時に酵素加水分解処理を併用した場合に特に顕著となる。
【0081】
試験例3.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用(2)
[試料]
(1)製造例1のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液
(2)製造例7のハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液
(3)比較製造例3の発芽ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液
(4)比較製造例4の発芽ハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液
【0082】
[試験方法]
10%FBS含有イーグル最小必須培地で 試料溶液を5.0%、10.0%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換する他は、試験例1と同様にして行った。
【0083】
[結果]
結果を表3に示す。
【0084】
【表3】

【0085】
表3に示す通り、発芽ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液(試料(3))及び発芽ハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液(試料(4))と比べて、未発芽のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液(試料(1))及び未発芽のハトムギ種子酵素加水分解酵母発酵液(試料(2))は、遙かに強く細胞内チロシナーゼ活性を抑制しており、未発芽のハトムギ種子を使用した本発明の発酵液の方が、細胞内チロシナーゼ活性抑制作用が高いことが判る。
【0086】
試験例4.モニター試験(1)
製造例で製造したハトムギ種子発酵液並びに比較製造例で製造したハトムギ種子抽出液を各々含有するエッセンスを製造し、モニターテストによる保湿効果及び肌改善効果試験を実施した。
[試料]
本発明試料(1):処方例9のエッセンス
本発明試料(2):処方例10のエッセンス
比較試料(1) :比較処方例1のエッセンス
[試験方法]
無作為に抽出した20才から55才の女性40名を被験者とし、1グループ20名の2グループ(A,B)に分け、グループ毎に本発明試料(1)、(2)と比較試料(1)を顔面の左右に、別々に、1日2回(朝、晩)1ヶ月間塗布し、比較テストを行った。
各グループの使用試料と塗布部位は次のとおりである。
Aグループ:本発明試料(1)左顔面/比較試料(1)右顔面
Bグループ:比較試料(1)左顔面/本発明試料(2)右顔面
【0087】
[評価法]
左右顔面の肌の「つや」「滑らかさ」「キメ」「張り」「しっとり感」「くすみ」及び「しみ、そばかす」の7項目を自己判断により、以下の5段階の評価言語から該当すると思われる数値を選択し、評価点とした。
5:非常によい。(著しく改善された。)
4:良い。(かなり改善された。)
3:やや良い。(多少改善された。)
2:良くも悪くもない。(変化がない。)
1:悪い。(状態が悪くなった。)
また、モニターテスト終了後、各グループの被験者に、左右に塗布していた試料について、総合的にどちらの試料の方が保湿、肌質改善効果が高かったか(総合評価での優位判定)を自己評価により選択させた。
【0088】
[結果]
7項目の評価結果を表4及び表5に、又総合的評価の結果を表6に示した。その結果、本発明のハトムギ種子発酵液を含むエッセンスは、発酵時に酵素加水分解処理を併用しなかった発酵液の場合(本発明試料(2))及び併用した発酵液の場合(本発明試料(1))のいずれも、ハトムギ種子酵素加水分解液を含むエッセンス(比較試料(1))よりも、優れた保湿効果及び肌にキメや張りを与える肌改善効果を有することが認められた。
【0089】
【表4】

【0090】
【表5】

【0091】
【表6】

【0092】
試験例5.モニター試験(2)
[試料]
本発明試料(3):処方例9のエッセンス
比較試料(2) :比較処方例2のエッセンス
【0093】
[試験方法]
無作為に抽出した20才から50才の女性20名を被験者とし、本発明試料(3)と比較試料(2)を顔面の左右に、別々に、1日2回(朝、晩)1ヶ月間塗布し、比較テストを行った。
各グループの使用試料と塗布部位は次のとおりである。
本発明試料(3) 左顔面/比較試料(2) 右顔面
【0094】
[評価法]
試験例4と同じ。
【0095】
[結果]
7項目の評価結果を表7に、又総合的評価の結果を表8に示した。その結果、本発明のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液を含むエッセンス(本発明試料(3))は、発芽ハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液を含むエッセンス(比較試料(2))よりも、優れた保湿効果及び肌にキメや張りを与える肌改善効果を有することが認められた。
【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
試験例6.保存安定性
[試料]
(1)製造例1のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液
(2)製造例3のハトムギ種子納豆菌発酵液
(3)比較製造例1のハトムギ種子酵素加水分解液
(4)比較製造例2のハトムギ種子抽出液
[試験方法]
各試料を50mlスクリュー管に充填し、4℃、室温及び40℃の環境下に保管した。保管中に於ける沈殿や濁りの発生及び変色(着色)を目視で観察し保存安定性を判定した。
【0099】
結果を表9に示す。なお、表中の○は変化が認められず安定であることを示し、△は濁りや沈殿もしくは変色(着色)が僅かに、又×はそれらの変化が明らかにそれぞれ生じていることを示す。
【0100】
【表9】

【0101】
表9に示すとおり、ハトムギ種子酵素加水分解液やハトムギ種子抽出液の場合は、各保存条件下に於いて60日以内に濁り(オリ)や着色が発生したが、本発明のハトムギ種子発酵液の場合は、90日の保管後にも、40℃の条件下で僅かに着色が見られたほかは変化は認められなかった。この結果から、本発明の発酵処理により、ハトムギ種子処理液の保存安定性が顕著に向上することが明らかである。
【0102】
試験例7.流動特性
[試料]
(1)製造例1に於ける最終のろ過前のハトムギ種子酵素加水分解納豆菌発酵液
(2)製造例3に於ける最終のろ過前のハトムギ種子納豆菌発酵液
(3)比較製造例1に於ける最終のろ過前のハトムギ種子酵素加水分解液
(4)比較製造例2に於ける最終のろ過前のハトムギ種子抽出液
【0103】
[試験方法]
試料100mlをNo.1定性ろ紙(185mmφ:アト゛ウ゛ァンテック(ADVANTEC)製)で自然ろ過し、経時的にろ紙を通過した液量を測定した。
【0104】
結果を表10に示す。
【表10】

【0105】
表10に示す通り、発酵処理を行っていないハトムギ種子酵素加水分解液及びハトムギ種子抽出液は、いずれもろ過速度が極めて遅く、実質上ろ過が不可能な状況であった。このため、固液分離操作としては、ろ過ではなく遠心分離(3000rpm以上、30min.以上)を採用することが不可欠であるが、該操作は作業が非効率であるだけでなく、遠心分離後上澄み液を分取する工程が加わるため収率も悪くなる難点がある。
一方、ハトムギ種子酵素加水分解発酵液並びにハトムギ種子発酵液は、いずれもろ過が容易であり、製造実作業の効率は非常に良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハトムギ種子を納豆菌及び/又は酵母で発酵させて得られる発酵物を配合したことを特徴とする美白剤。
【請求項2】
ハトムギ種子に対し、その発酵前及び/又は発酵と同時に蛋白分解酵素及び糖質分解酵素から選ばれた1種以上の酵素で加水分解処理を行う請求項1に記載の美白剤。
【請求項3】
発酵に用いる微生物が納豆菌から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載の美白剤。
【請求項4】
納豆菌としてバシルス ナットー(Bacillus natto)及び/又はバシルス サブチルス(Bacillus subtilis)を用いる請求項3に記載の美白剤。
【請求項5】
発酵に用いる微生物が酵母から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載の美白剤。
【請求項6】
酵母としてサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いる請求項5に記載の美白剤。
【請求項7】
請求項1乃至6の美白剤を配合したことを特徴とする美白化粧料。

【公開番号】特開2010−138139(P2010−138139A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317897(P2008−317897)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】