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美肌促進剤及びその利用
説明

美肌促進剤及びその利用

【課題】
本発明は、肌の乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態の改善及び/又は美肌を促進する美肌促進剤、該美肌促進剤を配合してなる、美肌を促進するための経口用組成物、及び、肌状態を改善及び/又は美肌を促進するための美容方法を提供することを課題とした。
【解決手段】コラーゲンペプチドと血流改善剤とりわけツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上とからなる併用物を有効成分として含む美肌促進剤、前記美肌促進剤を配合してなる経口用組成物、又、前記美肌促進剤あるいは前記組成物を経口摂取する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンペプチドと血流改善剤とを有効成分として含有してなることを特徴とする、肌のシワ、潤い、ハリ、たるみ等の皮膚トラブルを改善するための及び/又はより美しい肌を作るための美肌促進剤、該美肌促進剤を配合してなる経口用組成物、及び、これらの利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は表皮、真皮、皮下組織から構成されている。表皮は角質層、顆粒層、有棘層及び基底層から構成され、ケラチノサイト、メラノサイト等の細胞を多く含み、外界から有害物質や病原体の侵入を防ぐ働きや、水分の蒸散を抑制する役割を果たしている。真皮では、表皮と異なり細胞は少なく、繊維芽細胞により産生されたコラーゲンやエラスチン等の蛋白質、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類といった細胞外成分で占められており、マトリックス構造を形成して、細胞及び皮膚組織の支持、細胞間隙における保水、皮膚の潤滑性と柔軟性の保持、紫外線、乾燥環境、機械的刺激や損傷、微生物感染等の外的因子から皮膚組織を保護する等の役割を果たしている(非特許文献1)。
【0003】
ところが、前記細胞外マトリックス成分は、加齢や日常的な紫外線の影響を受けて変性・分解されるとともに、繊維芽細胞の衰えによって、その合成量も低下する。前記細胞外マトリックスの分解及び合成量の低下により、皮膚は乾燥、肌荒れ、弾力性や柔軟性の低下、ハリや艶の減少、シワ、たるみ、くすみの増加等の様々な皮膚トラブルを引き起こすことが知られている。したがって、肌状態の改善及び/又は美肌を維持・増進するためには肌の細胞を活性化させ、加齢や紫外線により減少した成分を補い、さらには増強することが望ましいとされている。特にコラーゲンは皮膚組織の乾燥重量当たりで約70%を占め、皮膚の粘弾性に深く関与している。又、ヒアルロン酸は皮膚組織の保湿に大きな影響を与えている物質であることから、皮膚組織中のコラーゲン及びヒアルロン酸を維持・増強することが重要である。
【0004】
コラーゲンやヒアルロン酸をはじめとする皮膚組織中の成分を増強したり、肌の老化を抑制するために様々な成分が従来より検討され、これまでにゼラチン及び/又はコラーゲンの分解物(特許文献1)、N−アセチルグルコサミン(特許文献2)、スフィンゴミエリン(特許文献3)、ゲンクワニン(特許文献4)、オニイチゴ(特許文献5)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの素材が有する生理作用を生体内で発現させるためには、多量に摂取する必要があったり、長期に渡り摂取したとしても、個人によっては効果が明確でなかったり、一定の効果しか得られなかったりする場合もあり、実用的に有効性を発現し得るものは数少なかった。したがって、前記の美肌を促進するような実効性のある素材や組成物の開発が求められていた。
【0006】
ところで、血流改善剤とは生体の各組織に血液を運搬する機能を改善するものである。血液は末梢組織への酸素、栄養分、水分、ホルモン等の供給、免疫細胞の運搬、老廃物の排出、体温調節等を行い、生体組織の機能維持において非常に重要な役割を担っている。血流を改善することにより、動脈硬化症、高血圧症、免疫力の低下、脱毛症、疲労、むくみ、肩こり、冷え性、手足のしびれ、目の下のくまや肌のくすみ等の症状を緩和させることが知られている。
【0007】
血流を改善する物質としては、例えば、イチョウ葉エキス、紅花抽出物、プラセンタエキス、トウガラシ抽出物、カプサイシン、人参エキス、センブリエキス、フコイダン、ビタミンE及びその誘導体(酢酸トコフェロール等)、パントテン酸及びその塩(カルシウム塩、ナトリウム塩等)、グリチルリチン酸やグリチルレチン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、タヒボエキス、アルギニン及びその誘導体(アルギニングルタマート等)、ニコチン酸及びその誘導体(メチルエステル等)、ローズマリー抽出物、ショウガエキス、ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロン、イソフラボン、ビタミンB、ウコン抽出物、ブドウの種子・葉・茎等の抽出物、ルチン、米胚芽発酵エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、サンショウエキス等が提案されている。しかし、これらの血流改善物質と前記肌老化抑制成分との組み合わせが皮膚組織や肌状態に及ぼす影響について検討した報告は見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−123637号公報
【特許文献2】特開2001−48789号公報
【特許文献3】特開2005−281257号公報
【特許文献4】特開2004−137217号公報
【特許文献5】特開2003−137801号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】服部道広、「スキンケアの科学」、第6頁〜第14頁、(株)裳華房、1997年2月25日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかる現状に鑑み、本発明者らは、肌の乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態の改善及び/又は美肌を促進する美肌促進剤を開発し、該美肌促進剤を配合してなる、美肌を促進するための経口用組成物、及び、肌状態を改善及び/又は美肌を促進するための方法を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明者らは、各種多様な素材と美肌との関連性について鋭意検討を重ねた結果、コラーゲンペプチドと血流改善作用のあるものとの組み合わせが意外にも顕著な効果を奏すること、血流改善作用を有する物質の中でもとりわけ、ツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物から選択される少なくとも1種類をコラーゲンペプチドと併用することが極めて有効であることを見出した。更に、これを飲食品、飼料、医薬品、医薬部外品等の経口組成物に有効利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の特徴はコラーゲンペプチドと血流改善剤を有効成分として含有してなる美肌促進剤にある。この美肌促進剤において、コラーゲンペプチドは、コラーゲン、ゼラチン及びこれらの加水分解物からなる群から選択される1種又は2種以上であることが望ましく、前記加水分解物はその分子量(平均分子量。以下同様)が約200〜約10,000のものが好ましい。又、血流改善剤は、とりわけ、ツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上であることが望ましい。
【0013】
前記ツバキ種子抽出物は、ツバキ種子の脱脂粕を水及び/又は低級アルコールで抽出処理して得られる水性成分を含むものであり、サポニン類を含むものが好ましく、該サポニン類はとりわけカメリアサポニン(Camelliasaponin)A1、カメリアサポニンA2、カメリアサポニンB1、カメリアサポニンB2、カメリアサポニンC1及びカメリアサポニンC2のなかから選ばれる1種又は2種以上であることがより望ましい。
【0014】
又、チオクト酸類は、チオクト酸(ラセミ体を含む)、その還元体、それらの塩、それらのエステル、それらのアミド、及びそれらのシクロデキストリン包接物又は脂質被覆物からなる群から選ばれる1種又は2種以上のものであることが望ましい。
【0015】
更に、レスベラトロール類は、t−レスベラトロール(レスベラトロールの単量体)、又は、ε−ビニフェリン等の重合体及びこれらの異性体及び/又は配糖体からなる群から選択される1種又は2種以上を含むものであることが望ましく、その態様はブドウ科、タデ科又はマメ科の植物の抽出物がより望ましい。
【0016】
本発明の他の特徴は、前記美肌促進剤を経口的に摂取又は投与するものである経口用組成物であり、この経口用組成物は飲食品であることが望ましい。更に他の特徴は、コラーゲンペプチドと血流改善剤とを経口摂取する、肌の乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態の改善及び/又は美肌を促進するための方法、とりわけ美容方法にある。
【発明の効果】
【0017】
本発明の美肌促進剤は、コラーゲンペプチドと血流改善剤を含有してなり、品質などの安定性に優れ、皮膚細胞に作用してその増殖を顕著に高め、コラーゲンやヒアルロン酸等の皮膚成分の産生を促進し、皮膚組織中の成分を回復・維持・増強する。血流改善剤の中でもとりわけ、ツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物から選択される少なくとも1種類をコラーゲンペプチドと併用することでこの作用が増強される。これによって、肌の乾燥、荒れ、弾力性や柔軟性の低下、ハリや艶の減少、シワ、たるみ、くすみの増加等の皮膚トラブルを予防及び/又は改善し、更には美肌を促進する効果を奏する。かかる効果は、前記美肌促進剤を経口的に摂取又は投与することによって顕著に発現される。このため、前記美肌促進剤は、特に飲食品、飼料、医薬品、医薬部外品等の分野において、前記剤の態様のままで又は従来の各種製品に配合した形態で有効利用できる。又、本発明ではコラーゲンペプチドと血流改善剤とを経口摂取する、肌の乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態を改善及び/又は美肌を促進するための美容方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の美肌促進剤は、コラーゲンペプチドと血流改善剤とを有効成分として含有してなることを特徴とする。
【0019】
本発明の美肌促進剤に用いるコラーゲンペプチドは、牛、豚、鶏、七面鳥、ダチョウ等の畜類の皮、骨、軟骨又は腱等、イトヨリダイ、サケ、サメ、タラ、ティラピア、ナイルパーチ、コイ、メバル、マグロ、ナマズ、ウナギ等の魚類の皮、骨、軟骨又は鱗等を原料として常法により処理して得られるコラーゲン又は当該コラーゲンを熱変性させたゼラチンを酸、アルカリ又は酵素で加水分解したペプチドである。ここで、本発明におけるコラーゲンペプチドとは、コラーゲンペプチド、及び、これを含む抽出物を包含し、これらを任意に用いることができる。コラーゲンペプチドは市販品を利用するのが簡便である。
本発明においては、コラーゲン又はゼラチンを加水分解したコラーゲンペプチドを用いることが望ましく、その分子量は約200〜約10,000のもの、より好ましくは約200〜約5,000、更に好ましくは約200〜約1,000のものである。
【0020】
又、本発明の美肌促進剤に係わる血流改善剤は、例えば、ツバキの種子の抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類、レスベラトロール類を含有する植物抽出物、イチョウ葉エキス、紅花抽出物、プラセンタエキス、トウガラシ抽出物、カプサイシン、人参エキス、センブリエキス、フコイダン、ビタミンE及びその誘導体(酢酸トコフェロール等)、パントテン酸及びその塩(カルシウム塩、ナトリウム塩等)、グリチルリチン酸やグリチルレチン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、タヒボエキス、アルギニン及びその誘導体(アルギニングルタマート等)、ニコチン酸及びその誘導体(メチルエステル等)、ローズマリー抽出物、ショウガエキス、ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロン、イソフラボン、ビタミンB、ウコン抽出物、ブドウの種子・葉・茎等の抽出物、ルチン、米胚芽発酵エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、サンショウエキス等を使用することができるが、これらの例示に限定されることなく血流改善作用のあるものの1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
これに関連して、本発明者らは、コラーゲンペプチドと併用することによって、より一層強力な美肌促進効果を発揮し得る血流改善剤をさらに詳細に検討した結果、ツバキの種子の抽出物、チオクト酸類及びレスベラトロール類あるいはこれを含有する植物抽出物が極めて有効であることを見出した。すなわち、本発明の望ましい美肌促進剤は、前述のコラーゲンペプチドと、血流改善作用のあるツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上とを有効成分として含有してなることを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係るツバキ種子抽出物について以下に詳述する。ツバキはツバキ科(Theaceae)ツバキ属(Camellia)のツバキ節に属するツバキ(Camellia japonica)をいい、この例としてヤブツバキ(C.japonica var.japonica)、ユキツバキ(C.japonica subsp.rusticana)、リンゴツバキ(C.japonica var.macrocarpa)、ホウザンツバキ(C.japonica subsp.hozanensis)、ホンコンツバキ(C.hongkongenesis)、トウツバキ(C.reticulata)、サルウィンツバキ(C.saluenensis)、ピタールツバキのピタルディー種(C.pitardii var.pitardii)及びユンナン種(C.pitardii var.yunnanica)、金花茶(C.nitidissima)、ヤマツバキ(ヤブツバキと同種)、山茶花(ヤブツバキと同種)、ヤクシマツバキ(リンゴツバキと同種)等を挙げることができる。これらのツバキは日本列島、朝鮮半島、中国山東半島等で自生し又は栽培されているものを適宜に利用すればよい。
【0023】
本発明に係るツバキ種子抽出物を製造するためには、前記のツバキの実及び/又は種子を圧搾処理、ヘキサンやヘプタン等の疎水性有機溶媒又は液化二酸化炭素、液化プロパン等の液化ガスを用いた超臨界抽出処理等に供して、常法により油分を抽出して分離した残渣である脱脂物(以下、脱脂粕ということがある。)を原料とすることが望ましい。ここで、ツバキの実及び/又は種子は早熟実及び成熟実のいずれでもよく、これらの種子を用いてもよいが、成熟実又はその種子を用いると脱脂物又は/及び有効成分の収量が多くなり望ましい。より好ましくは種子を用いる。好適な態様として、成熟実から得られる種子を1〜2週間程度、天日等で乾燥させたものを用いる。
【0024】
本発明に係るツバキ種子抽出物の活性成分は望ましくは水性成分である。この水性成分は前記脱脂粕を原料として任意の方法で製造することが可能であるが、水及び/又は低級アルコールを用いて抽出処理するのが好ましい。低級アルコールは、その炭素数が大きくなると脱脂粕中の油性物質が抽出される傾向が大きくなるため、炭素数が5程度までのものが望ましく、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等を例示できる。炭素数が大きい低級アルコールを使用する場合は、脱脂粕中の油性成分の抽出を抑制するために含水率を高めるのがよい。例えば、プロパノールの場合の含水率は約20〜約50質量%とし、ブタノールの場合の含水率は約40〜約70質量%とする。望ましい抽出溶媒は水、メタノール及びエタノール、及び、これらの含水アルコールであり、より好適には水又は含水率が50質量%以上の含水メタノールあるいは含水エタノールであり、さらに望ましくは水である。
【0025】
脱脂粕を抽出するには、脱脂粕1質量部に対して前記抽出溶媒を約1〜約30質量倍加え、常圧下又は約1〜約5気圧の加圧下、常温〜約120℃で、約10分〜約3時間、必要に応じて撹拌して混合後、常温に冷却して濾過し、濾液を減圧乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等の適当な手段により濃縮、乾燥する。この乾燥物は適宜に粉砕処理してもよい。このようにして本発明に係るツバキ種子に含まれる水溶性成分である淡黄色ないし黄赤色の固体を得ることができる。前記抽出方法は、一旦抽出処理した抽出残渣を同様に繰り返し抽出処理したり、約1〜約3気圧の加圧下、約100〜約130℃で行うことによって、本発明に係る水溶性成分の収量を増やすことも可能であり、また、前記抽出物をさらに溶剤分別、イオン交換樹脂、シリカゲル、活性アルミナ等の吸着剤を充填したカラムによる分画、液体クロマトグラフィーによる分取等の公知の手段に供して活性成分を濃縮、精製することもできる。この水溶性成分はサポニン、タンニン等を含む。
【0026】
前記水溶性成分に含まれるサポニンとして、3β−[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシルオキシ]オレアナ−12−エン−16α,22α,28−トリオール22−[(Z)−2−メチル−2−ブテノアート]であるカメリアサポニン(Camelliasaponin)A1、3β−[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシルオキシ)オレアナ−12−エン−16α,22α,28−トリオール22−[(E)−2−メチル−2−ブテノアート]であるカメリアサポニン(Camelliasaponin)A2、3β−[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシルオキシ)−16α,28−ジヒドロキシ−22α−[[(Z)−2−メチル−2−ブテノイル]オキシ]オレアナ−12−エン−23−アールであるカメリアサポニン(Camelliasaponin)B1、3β−[[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−16α,28−ジヒドロキシ−22α−[[(E)−2−メチル−2−ブテノイル]オキシ]オレアナ−12−エン−23−アールであるカメリアサポニン(Camelliasaponin)B2、3β−[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシルオキシ]オレアナ−12−エン−16α,22α,23,28−テトラオール22−[(Z)−2−メチル−2−ブテノアート]であるカメリアサポニン(Camelliasaponin)C1、及び、3β−[2−O−β−D−ガラクトピラノシル−3−O−(2−O−β−D−グルコピラノシル−α−L−アラビノピラノシル)−β−D−グルコピラヌロノシルオキシ]オレアナ−12−エン−16α,22α,23,28−テトラオール22−[(E)−2−メチル−2−ブテノアート]であるカメリアサポニン(Camelliasaponin)C2等を例示することができる。これらのサポニン類はツバキに特異的に含まれている。
【0027】
また、本発明に係わるチオクト酸類は、その起源や種類は特に限定されるものではなく、牛や豚の肝臓等臓器の天然物抽出物や、例えば、エチレン及びアジピン酸エステルを出発原料とする化学的合成品等公知の方法で採取、製造されたものでよい。尚、チオクト酸は不斉炭素を有するため光学的性質が異なる鏡像異性体((R)−エナンチオマー及び(S)−エナンチオマー)が存在するが、本発明に係るチオクト酸はこれらのいずれか単独でも任意割合の混合物でもよく、又、ラセミ体(ラセミ混合物やラセミ化合物)((R),(S)−チオクト酸)でも差し支えない。工業生産レベルの実施においては、安価で容易に入手できる市販のラセミ体を利用するのが簡便である。ラセミ体を用いると本発明の所望の効果をより強力に発現する傾向が大きいので望ましい。
【0028】
本発明の美肌促進剤に使用するチオクト酸類は、前記のチオクト酸のほか各種誘導体を適宜に利用することができ、チオクト酸、その還元体、それらの塩、それらのエステル、それらのアミド、及びそれらのシクロデキストリン包接物からなる群から選択される1種又は2種以上のものであることが望ましい。
チオクト酸の還元体の具体例としては、ジヒドロチオクト酸、ジヒドロリポ酸、6,8−ジメルカプト−オクタン酸、(R),(S)−ジヒドロチオクト酸等を挙げることができる。
塩としては、(R)−チオクト酸、(S)−チオクト酸、(R),(S)−チオクト酸、(R)−ジヒドロチオクト酸、(S)−ジヒドロチオクト酸、(R),(S)−ジヒドロチオクト酸等のカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を挙げることができる。
エステルとしては、(R)−チオクト酸、(S)−チオクト酸、(R),(S)−チオクト酸、(R)−ジヒドロチオクト酸、(S)−ジヒドロチオクト酸、(R),(S)−ジヒドロチオクト酸等と多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エリスリトール、ポリグリセリン等のモノマーないしポリマー)との部分エステル若しくは完全エステル又はグリセリド類(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド)、あるいは炭素数10〜22の高級アルコール類(デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セクノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)とのモノエステル等を挙げることができる。
アミドとしては、(R)−チオクト酸、(S)−チオクト酸、(R),(S)−チオクト酸、(R)−ジヒドロチオクト酸、(S)−ジヒドロチオクト酸、(R),(S)−ジヒドロチオクト酸等のアミドを例示することができる。
シクロデキストリン包接物としては、α−、β−、γ−又はδ−シクロデキストリンと前記チオクト酸又はその誘導体との包接物を例示することができる。
尚、本発明はこれらの例示によって限定されるものではない。
【0029】
本発明では、チオクト酸類として前記のチオクト酸、その還元体、それらの塩、それらのエステル、それらのアミド、及びそれらのシクロデキストリン包接物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の結晶、粉末及び/又は粒子の外表面を脂質類で被覆してなるものも包含し、この態様はチオクト酸類の熱的変質(分解、重合、変色等)、吸湿あるいは酸化的変性を抑制するため実用的には一層望ましいものである。
【0030】
前記チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子の外表面を被覆する脂質類は、本発明が利用される産業分野において許容されるものであればよく、一般の食用油脂類又は工業用油脂類、脂肪酸グリセリド類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類、高級アルコール類、ワックス類、ステロール類、糖脂質類、リン脂質類等を単独で又は組合せて利用できる。これらのうち、被覆作業性及び被覆物の物性(安定性、固化性、流動性、溶融性、溶解性等)を考慮すると、融点が約30℃以上の脂質類がよい。より好ましい形態は融点が約40℃〜約70℃の脂質類であり、更に好ましい形態は融点が約40℃〜約60℃の脂質類である。融点が約30℃を下回ると、被覆物がその使用時に固形状態を維持できない場合があり、塊状物を形成することがあり、あるいは流動性を損なう場合がある。逆に、約70℃を上回ると、本発明に係る阻害剤や組成物を製造する際の加熱処理や機械的エネルギーの影響でチオクト酸類自体が劣化するおそれがある。
【0031】
このような脂質類の具体例として、大豆油、菜種油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、小麦胚芽油、米油、ゴマ油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、亜麻仁油、落花生油等の植物系油脂、牛脂、ラード、魚油等の動物系油脂、これらに分別、エステル交換、脱色、脱臭等の処理のうち1以上を施した加工油脂、これらを部分的又は完全に水素添加処理した各種硬化油、炭素数2〜22の飽和脂肪酸(酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等)若しくは不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸(EPA)、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)等)、これらの任意の脂肪酸の塩類(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)とのエステル類、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エリスリトール等のモノマーないしポリマー)との部分若しくは完全エステル類、又はグリセリド類(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド)、炭素数10〜22の高級アルコール類(デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)、ワックス類(カルナウバワックス、ライスワックス(米糠ロウ)、キャンデリラワックス等の植物由来ワックス、ミツロウ、鯨ロウ、セラックロウ等の動物由来ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油由来ワックス、モンタンロウ、オゾケライト等の鉱物由来ワックス、ポリエチレンワックス、前記脂肪酸類と前記高級アルコール類とのエステル等の合成ワックス)、ステロール類(動物性のコレステロール、植物性のカンペステロール、スチグマステロール、シトステロール等、菌類由来のエルゴステロール、これらの誘導体)、リン脂質類(動植物由来のレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン等)、糖脂質類(モノグルコシルジグリセリド、モノガラクトシルジグリセリド、ジグルコシルモノグリセリド、ジガラクトシルモノグリセリド、モノグルコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル等)を挙げることができる。尚、本発明はこれらの例示によって何ら限定されるものではない。
【0032】
本発明では前記各種脂質類のいずれか1種又は2種以上の混合物を使用できるが、好適な脂質類の種類は、前記の食用油脂類又は工業用油脂類、脂肪酸グリセリド類、脂肪酸エステル類及びワックス類であり、より好ましくは食用油脂類及び脂肪酸グリセリド類であり、又、これらと脂肪酸類、高級アルコール類、ステロール類、糖脂質類又はリン脂質類から選ばれる1種又は2種以上との組み合わせは被覆脂質の融点調整、被覆膜強化等の点からさらに望ましい態様である。
【0033】
チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子の外表面を脂質類で被膜するには、公知の方法を利用できる。すなわち、ボールミル、フラッシュブレンダー(粉粒体混合機)、V型混合機、高速ミキサー、高速パドルミキサー、加熱溶融混合機、超音波過湿加液型混合機、タンブラー混合機、加圧押出機等を用い、チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子と加熱溶融した脂質類とを均一に混合し、冷却して固化させた後これを粉砕する方法、前記形態のチオクト酸類に適宜加熱して液状化した脂質類を噴霧あるいは滴下して被覆する方法、前記形態のチオクト酸類と粒子状の脂質類とを高速攪拌して混合し、両者を接触又は衝突させることによってチオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子の表面全体に粒子状の脂質類を均一に付着させて被覆する方法等が可能である。本発明では、これらのうち、チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子と前述の特定融点以上の粒子状脂質類とを高速攪拌して混合し、両者を接触又は衝突させて、前記形態のチオクト酸類の表面全体に粒子状の脂質類を均一に被覆させる方法が望ましい。
【0034】
前述の被覆処理にあたり、チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子と脂質類との比率は、チオクト酸類の結晶、粉末及び粒子の形状やサイズ、脂質類の種類及び融点、被覆膜の厚みと性状等の要因によって一律に規定することは難しいが、概ね、チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子1質量部に対して脂質類約0.05〜約10質量部、好ましくは約0.1〜約5質量部である。脂質類が約0.05質量部未満であると被覆状態が十分でなく所望の効果を発現し難くなり、逆に約10質量部を超えると被覆物中のチオクト酸含量が少なく、被覆物を利用する場面において配合率等が制限され実用的価値を損なう場合がある。
【0035】
なお、前述したチオクト酸類の脂質類による被覆物は、これを飲料等の水系組成物に適用する場合の有無にかかわらず、更にその外表面を親水系物質で被覆してなる態様のものがより一層望ましい。ここで、親水系物質とは、脂質類による被覆物の外表面を更に被覆し、水性物質と親和性を有する被覆膜形成能のあるものをいい、具体例として多糖類(キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム等)、澱粉及び化工澱粉、酵母細胞壁成分、グルカン、マンナン、シェラック、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カラギーナン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、大豆たん白、ホエーたん白、ツェイン等を挙げることができる。より好適には多糖類、澱粉、酵母細胞壁成分、シェラック、ゼラチン、大豆たん白、ツェイン及びマンナンからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくは酵母細胞壁成分、シェラック及びゼラチンからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0036】
かかる親水系物質により被覆するには、前記の脂質類の被覆方法に準じた方法を採用すればよい。すなわち、前記親水系物質を適宜に水、エタノール、その他の溶媒に溶解させた液状物となし、これを予め脂質類で被覆したチオクト酸類の外表面に付着、乾燥して親水系物質の被覆膜を形成させることができる。かかる被覆物は親水系物質を最外層とする二重被覆構造体となり、これを飲食品、飼料、化粧品、医薬品等に利用する場合、水性の原料や成分との親和性が高まり、これらと水溶解性の低いチオクト酸類との均質な組成物を調製することが容易になる。
【0037】
前述したようなチオクト酸類の脂質類による被覆物及び該被覆物を更に親水系物質で被覆した二重被覆物においては、これらにガルシニア・カンボジア果皮、アカショウマ根茎、グアバ葉及びこれらの抽出物(水及び/又は親水性有機溶媒(エタノール等の低級1価アルコール、アセトン等)による抽出エキス、その分画物や溶剤分別物又は精製物等)、カルニチンからなる群から選択される1種又は2種以上、より好ましくはアカショウマ根茎抽出物及びカルニチン、最も好ましくはカルニチンを併用して共存させることにより、チオクト酸類の熱的及び/又は酸化的変性や劣化をより一層抑制でき安定性に優れたチオクト酸類含有被覆物が得られるため、かかる態様のチオクト酸類は本発明において更に望ましい。
【0038】
これらの併用原料を前述のチオクト酸類含有被覆物に含有せしめる態様は、(i)チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子に脂質類を被覆した被覆物に前記併用原料を混合する、(ii)チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子と前記併用原料とを混合したものに脂質類を被覆する、(iii)チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子に、前記併用原料の一部を分散ないし溶解させた脂質類を被覆する、(iv)チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子に脂質類を被覆した被覆物に、前記併用原料及び前記親水系物質を含む溶解液、分散液又は乳化液を付着、乾燥して被覆する、のいずれも可能であり、これらの態様を組み合せたものでも差し支えない。本発明では、(i)及び(iv)の態様が本発明の所望の効果を奏し、製造が簡便であり、被覆物の取扱い作業性もよいが、(i)及び(iii)の態様が所望の効果をより強力に発現しやすい。
【0039】
かかる態様において、チオクト酸類の結晶、粉末及び/又は粒子に脂質類又は脂質類及び親水系物質を被覆した被覆物と前記併用原料との混合比率は、該被覆物1質量部に対して前記併用原料が約0.01〜約10質量部、より好ましくは約0.1〜約1質量部である。約0.01質量部未満の場合は、併用原料の混合による所望の効果の向上が認められなくなり、約10質量部を超える量では前記被覆物中、更にはこれを使用する組成物中のチオクト酸含量が低下し、ひいてはチオクト酸類含有組成物を配合する各種製品中のチオクト酸含量を制限することになり、該製品段階においてチオクト酸自体の所望の効果が期待できなくなる。
【0040】
本発明に係るレスベラトロール類の起源や種類は特に限定されるものではなく、公知の有機化学的な方法、又は、微生物や酵母等を用いて採取・製造されたものでよいが、ブドウ科、タデ科又はマメ科等の植物の果皮、茎、葉、蔓、新芽、種子、花、実等の部位から抽出して得られるものであることが望ましい。
【0041】
本発明に係るレスベラトロール類の起源としてより望ましい植物は、ブドウ科(Vitaceae)ブドウ属(Vitis)の植物であり、その品種は特に限定されるものではないが、例えば、アイレン、アリゴテ、ヴァルディギエ、ヴィオニエ、ヴェルシュリースリング、オルテガ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ガメ、カリニャン、ガルガーネガ、カルメネール、クシノマヴロ、グリューナー・フェルトリナー、ゲヴュルツトラミネール、ケルナー、甲州、コロンバール、サンソー、サグランティーノ、サンジョヴェーゼ、サン・ローラン、シャスラ、シャルドネ、シュナン・ブラン、ショイレーベ、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、タナ、ツヴァイゲルト、テンプラニーリョ、トラミネール、ドルチェット、ドルンフェルダー、ピノ・ムニエ、プルサール、フルミント、ポルトギーザー、マスカット、マルヴァジーア、マルベック、ミュスカデル、ミュラー・トゥルガウ、ムールヴェードル、ムロン、モリオ・ムスカート、マスカダイン、アムールブドウ、安芸クイーン、ヴィダル・ブラン、巨峰、瀬戸ジャイアンツ、セイヴァル・ブラン、デラウェア、ナイアガラ、ネオマスカット、バコ・ノワール、バコ・ブラン、ピオーネ、マスカット・ベーリー、藤みのり、ルビーロマン、甲斐路、甲州三尺等を挙げることができる。これらは、日本、チリ、イタリア、フランス等で自生し又は栽培されているものを適宜に利用すればよく、前記例示した品種の各部位、より好ましくは茎、蔓、新芽又は花から抽出するのがよい。
【0042】
本発明に係るレスベラトロール類は、任意の方法で製造することが可能であるが、前記例示したブドウの茎、蔓、新芽又は花そのもの、あるいは、それらを乾燥、細断、粉砕処理したものを用い、これらを溶媒で一定期間浸漬するか、あるいは加熱還流している抽出溶媒と接触させて抽出液を得、該抽出液から溶媒を除いた抽出物、該抽出物にシリカゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した精製物及びこれらを凍結乾燥、噴霧乾燥等の方法で粉末化したもののいずれでもよい。食品用途に使用する場合は、前記植物の部位を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細断片や粉末を水又は親水性有機溶媒で抽出した抽出物とするのが利便性や製造コストの点から望ましい。また、医薬品用途に利用する場合は、前記の抽出液、抽出物あるいは高純度の精製物が望ましい。
【0043】
親水性有機溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級一価アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、石油エーテル、酢酸エチル及びこれらの含水物や混合物を例示することができる。本発明の所望の効果を奏するための抽出物を効率的に得るには、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びこれらの含水物を抽出用溶媒とすることが好ましい。含水物の水分含量は、例えば、エタノールの場合では約1〜約99質量%、より好ましくは約50質量%以下であり、アセトンの場合には約1〜約50質量%、より好ましくは約10〜約30質量%であり、酢酸エチルの場合は約80〜約99質量%、より好ましくは約85〜約95質量%である。これらの範囲を外れると本発明の所望の効果が減少し又は抽出物の収量が低下する。
【0044】
本発明に係るレスベラトロール類は、t−レスベラトロール(レスベラトロールの単量体)、ピセアタンノール(単量体)、又は、ε−ビニフェリン(二量体)、アンペロプシンA(二量体)、ミヤベノールC(三量体)、イソ−ε−ビニフェリン(三量体)、ホペアフェノール(四量体)、R−ビニフェリン(四量体)、R−2−ビニフェリン(四量体)等の重合体、及び、これらの異性体及び/又は配糖体等のスチルベン系化合物を対象とする。なお、前記植物から得られる抽出物の場合は前記スチルベン系化合物を主たる活性成分として、ケルセチン、エラジタンニン、エラグ酸、ミネラル類(例えば、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム)、ビタミン類を含むことがある。
【0045】
本発明の美肌促進剤において、コラーゲンペプチドと併用する血流改善剤の含有量は該剤全体の約0.01〜約50質量%であり、望ましくは約0.1〜約20質量%であり、更に望ましくは約0.5〜約10質量%である。約0.01質量%を下回ると併用による効果が小さく、逆に約50質量%を超える使用も更なる所望の効果は期待できない。なお、血流改善剤は前述の公知の物質や抽出物を単独又は複数で任意に用いることができるが、望ましいものはツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物の中から選択される1種又は2種以上であり、更に望ましいものはこれらを全て含有するものである。ツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物のうち2種類以上を併用する場合の比率(質量基準)は、概ね、ツバキ種子抽出物/チオクト酸類が20/80〜30/70、より好ましくは60/40〜40/60であり、ツバキ種子抽出物/レスベラトロール類が99/1〜30/70、より好ましくは80/20〜50/50であり、チオクト酸類/レスベラトロール類が99/1〜30/70、より好ましくは80/20〜50/50であり、又、ツバキ種子抽出物/チオクト酸類/レスベラトロール類は、それぞれの血流改善剤の割合が美肌促進剤全体の約1質量%以上、より好ましくは約10質量%以上含有することが望ましい。なお、レスベラトロール類を含有する植物抽出物の場合は、当該抽出物中のレスベラトロール類の含量を考慮して設定すればよい。
【0046】
前述の美肌促進剤は、コラーゲンペプチドと血流改善剤とりわけツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及びレスベラトロール類を含有する植物抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上との併用物を有効成分として、これをそのまま、すなわち、前記有効成分のみからなる粉末状、固形状、ペースト状又は液体状の形態となし、これを飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の用途に利用することが可能である。
【0047】
本発明の美肌促進剤は、また、これが利用され得る前記用途における公知の添加物を適宜に併用して、常法により含有せしめて経口用組成物として利用することもできる。ここで、公知の添加物は経口摂取するために通常利用されるものでよく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤、殺菌剤、防腐剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等の添加物質を使用できる。さらには、前記の先行技術文献に記載のものに限定されることなく、美肌作用及び/又は血流改善作用を有する既知成分やその含有素材を併用してもよい。本発明の美肌促進剤は、更に、飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料、その他の産業分野の各種製品の配合原料の一部として使用することもできる。とりわけ、美容等のための製品となすことが好ましい。
【0048】
本発明の美肌促進剤を公知の添加物と併用して経口用組成物とする場合の形態は、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等のタイプの経口用製剤となすことが可能である。かかる経口用組成物における前記有効成分の含有量は、併用する原料の種類や含有量等により一律に規定し難いが、概ね0.1〜100質量%程度、より望ましくは約10〜約100質量%である。前記含有量が約0.1質量%を下回ると本発明の所望の効果が認められなくなる。本発明の美肌促進剤は、これを経口的に摂取又は投与する方法で利用する。この場合の本発明の経口用組成物の好適な摂取量又は投与量の目安は、該剤に含まれる前記有効成分ベースで、ヒト成人(体重50kg)1日あたり約100mg〜約100,000mg、望ましくは約500mg〜約10,000mg、更に望ましくは約1,000mg〜約5,000mgである。
【0049】
本発明の美肌促進剤は、これを飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の公知の製品の配合原料の一部として利用することができる。実用的な製品の例を以下に述べるが、本発明はこの例示により何ら制限されるものではない。
【0050】
飲食品の具体例として、野菜ジュース、果汁飲料、清涼飲料、茶等の飲料類;ケーキプレミックス製品、パン、ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー、グミ、ガム等の菓子類;味噌、醤油、ソース、マヨネーズ、焼肉用たれや麺つゆ等の調味料;即席麺、うどん、蕎麦、スパゲッティ等の麺類;ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品;牛乳、ヨーグルト、クリーム、バター、スプレッドやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品;ふりかけ、ハンバーグ、コロッケ、佃煮、ジャム、スープ、ゼリー、プリン、ドレッシング、植物性クリーム、マーガリン、等の各種一般加工食品のほか、粉末状、顆粒状、丸剤状、錠剤状、ソフトカプセル状、ハードカプセル状、ペースト状又は液体状の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、濃厚流動食や嚥下障害用食品の治療食等を挙げることができる。
【0051】
これらの飲食品を製造するには、本発明の美肌促進剤と公知の原材料を用い、あるいは公知の原材料の一部を本発明の美肌促進剤で置き換え、常法によって製造すればよい。例えば、本発明の美肌促進剤を、必要に応じてグルコース、ブドウ糖、デキストリン、乳糖、澱粉又はその加工物、セルロース粉末等の賦形剤、ビタミン類、ミネラル類、動植物や魚介類の油脂、たん白(動植物や酵母由来の蛋白質、その加水分解物等を含む)、糖質、色素、香料、酸化防止剤、界面活性剤、その他の食用添加物、各種栄養機能成分を含む粉末やエキス類等の食用素材とともに混合して粉末、顆粒、ペレット、錠剤等の形状に加工したり、常法により前記例の一般加工食品の形態に加工したり、混合した粉末や液状物をゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等の被覆剤で被覆してカプセルに成形したり、飲料(ドリンク類)の形態に加工して、栄養補助食品や健康食品として利用することは好適である。とくに錠剤、カプセル剤やドリンク剤の形態が望ましい。なお、これらの飲食品に含まれる本発明の美肌促進剤の含量や摂取量は、前述の経口用組成物の場合とほぼ同様である。
【0052】
本発明の美肌促進剤を用いる医薬品及び医薬部外品は、前記の経口美肌促進剤に本発明の趣旨に反しない範囲で薬学的に許容される公知の賦形剤や添加物を適宜に加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等の製剤となすことができる。これを経口投与して、乾燥、弾力低下、肌荒れ等の予防又は治療のために適用する。なお、これらの医薬品及び医薬部外品に含まれる本発明の美肌促進剤の含量や摂取量は、前述の経口用組成物の場合に準ずる。
【0053】
又、本発明の美肌促進剤をペットフードや家畜用飼料に適用するには、前記飲食品の場合と同様に、公知の各種飼料や飲用水に配合したり、公知の原材料、添加物とともに錠剤状、顆粒状、カプセル状等の製剤形態のものに加工することができる。これらの飼料における本発明の美肌促進剤の含量や摂取量は前述の経口用組成物の場合とほぼ同様である。
【実施例】
【0054】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。各例において、%、部及び比率は特に表示しない限り質量基準である。
【0055】
製造例1(コラーゲンペプチド(1))
ナマズの身及び骨を除去した皮1kgに水5Lを加え、常圧下、85℃に加熱して1時間適宜に撹拌してゼラチンを抽出した。ゼラチン溶液を50℃まで冷却し、タンパク質分解酵素を添加し、2時間酵素反応させた。その後、酵素を失活させ、濾過して濾液を分離した。濾液を減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、コラーゲンペプチド(試料1)を192g得た。このコラーゲンペプチドを常法によりHPLC分析したところ、平均分子量は約1,000であった。
【0056】
製造例2(コラーゲンペプチド(2))
ティラピアの鱗を0.1Nの塩酸で処理した後、多量の水で洗浄し、天日乾燥させた。乾燥鱗1kgに水8Lを加え、常圧下、85℃に加熱して1時間適宜に撹拌してゼラチンを抽出した。ゼラチン溶液を50℃まで冷却し、タンパク質分解酵素を添加し、1時間酵素反応させた。その後、酵素を失活させ、濾過して濾液を分離した。濾液を減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、コラーゲンペプチド(試料2)を711g得た。このコラーゲンペプチドを常法によりHPLC分析したところ、平均分子量は約5,000であった。
【0057】
製造例3(ツバキ種子抽出物(1))
伊豆大島産ヤブツバキの乾燥種子を粗粉砕して蒸煮後、圧搾して圧搾油を分離した圧搾粕を得た。この脱脂物1kgに水3Lを加え、常圧下、85℃に加熱して1時間適宜に撹拌した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水1Lを加えて同様に加熱、攪拌、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、水溶性成分からなる粉末状のツバキ種子抽出物(試料3)170gを得た。この抽出物は、これを常法によりHPLC分析したところ、カメリアサポニンB2を7.5%、カメリアサポニンC2を5.8%、フラボノールの一種であるケンフェロールを2.4%含むものであった。
【0058】
製造例4(ツバキ種子抽出物(2))
製造例3と同様に処理して得た脱脂物1kgに含水エタノール(含水率35%)2Lを加え、80℃で1時間加熱還流した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度含水エタノール(含水率35%)2Lを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、水溶性成分を含む粉末(試料4)12.1gを得た。該粉末を製造例3と同様にHPLC分析した結果、カメリアサポニンB2を8.3%、カメリアサポニンC2を5.9%、フラボノールの一種であるケンフェロールを2.6%含むものであった。
【0059】
製造例5(チオクト酸の脂質被覆物)
結晶粉末のチオクト酸(ドイツ・アルツケム社製、商品名:ALIPURE(登録商標)、ラセミ体)330gに加熱溶融したナタネ硬化油(川研ファインケミカル(株)製、融点:67℃、フレーク状)200gを加え、よく混合して均一に分散させた後、室温で冷却固化させた。次いで、該固化物を高速ミキサーで粉砕し、100メッシュ(タイラーメッシュ。以下同じ)で篩過して粒子径が150μm以下のチオクト酸脂質被覆物(試料5)を得た。
【0060】
製造例6(チオクト酸のシクロデキストリン包接物)
結晶粉末のチオクト酸(ドイツ・アルツケム社製、商品名:ALIPURE(登録商標)、ラセミ体)100gを50%エタノール500mLに溶解させ、α−シクロデキストリン(ドイツ・ワッカーヘミー社製、商品名:CAVAMAX(登録商標)(R)W6)800gを加え、適宜に撹拌した後、濃縮、噴霧乾燥させて、チオクト酸シクロデキストリン包接物(試料6)を得た。
【0061】
製造例7(レスベラトロール抽出物)
ブドウ(カベルネ・ソーヴィニヨン種)の茎の天日乾燥物500gを2Lの70%エタノール溶液で還流抽出した後、濾過して濾液を分離した。この濾液残渣に再度70%エタノールを1L加えて還流抽出し、濾過して濾液を分離した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、そこにデキストリンを加えて噴霧乾燥し、レスベラトロール抽出粉末(試料7)を24g得た。該粉末を常法にてHPLC分析した結果、トランスレスベラトロールを6.2%、ε−ビニフェリンを6.0%含むものであった。
【0062】
試験例1(血流改善作用)
以下に述べる試験に参加することに同意が得られた被験者40名(24〜65歳、男性20名、女性20名)を1群5名に群分けして二重盲検法により血流測定試験を行った。まず、被験者を温度24±2℃、湿度50±10%に制御した恒温・恒湿の部屋に入室させ、10分間安静に待機させた。この後、試験試料を摂取する前の手の甲の血流量をレーザードップラー(Perimed社製、PeriScan PIMII)を用いて測定した。次に、対照群(プラセボ群)には、被験者が色で判別できないように着色したハードカプセル(ゼラチン製。以下同様)にデキストリンを充填したものを、その他の群には、前記同様に着色したハードカプセルに各試験試料を充填したものをそれぞれ水100mLとともに摂取してもらい、30分後、60分後に再び前記と同様に手の甲の血流量を測定した。尚、試験試料は、前記のツバキ種子抽出物(試料3、試料4)、市販のチオクト酸、チオクト酸脂質被覆物(試料5)、レスベラトロール抽出物(試料7)、市販のイチョウ葉抽出物(ビーエイチエヌ(株)製)及び人参エキス(丸善製薬(株)製)とした。
【0063】
この結果を表1に示す。同表において、数値はプラセボ及び被験物質を摂取する前の値を100としたときの相対値として、平均値±標準偏差で表わした(n=5、ANOVA解析)。表1のデータから、プラセボを摂取した被験者の手の甲及び頭皮の血流量には有意な変化は認められなかったが、試料3や試料4(ツバキ種子抽出物)、チオクト酸や試料5(チオクト酸脂質被覆物)及び試料7(レスベラトロール抽出物)を摂取した場合は、血流促進作用が公知のイチョウ葉抽出物や人参エキスを摂取した場合と同程度に、摂取30分後及び60分後の両時間ともに、手の甲の血流量の値が有意に高まることを確認した。
【0064】
【表1】

【0065】
試験例2(皮膚繊維芽細胞増殖促進作用)
皮膚繊維芽細胞の増殖に及ぼす影響を以下の方法で調べた。すなわち、ペトリディッシュ(φ10cm)を用い、正常ヒト成人皮膚繊維芽細胞(クラボウ(株)製、NHDF(NB)。以下、単に細胞という。)を10%ウシ胎児血清(第一化学薬品(株)製)添加D−MEM培地(シグマ社製、低グルコース)に2×10個播き、サブコンフルエント(約80%密度)になるまで4日間培養した。次いで、培地を除去し、細胞をPBS5mLで2回洗浄し、更に0.02%EDTA溶液5mLで洗浄した後、0.25%トリプシン溶液(ナカライテスク(株)製)5mLを用いて細胞を回収し、遠心分離(4℃、1,000rpm、5分)して上清を除き、PBSで2回洗浄して細胞を得た。この細胞を前記条件下で繰り返し培養して継代培養した。
【0066】
96穴細胞培養プレート(0.32cm、旭テクノグラス(株)製)を用いて、前記継代培養細胞をヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地(クラボウ(株)製、皮膚繊維芽細胞基礎培地(106S)500mLに低血清増殖添加剤(LSGS)10mLを添加した培地)中に1×10個/ウェル播種し、24時間培養した。次いで、培地を除去し、終濃度が5、10又は20μg/mLとなるように各試料を添加した前記ヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地中で更に48時間培養を続けた。この後、MTT溶液(チアゾリルブルーテトラゾリウムブロマイド(シグマ社製、試薬)を濃度5mg/mLで溶解したPBS)を25μL加えて1時間培養した。培地をデカンテーションで完全に除去した後、ホルマザン溶液(25%(v/v)0.45M酢酸緩衝液(pH4.5)、25%(v/v)N,N−ジメチルホルムアミド、10%(w/v)n−ドデシル硫酸ナトリウムを含む。pH4.5)を100μL加えて撹拌した。室温で1夜放置後、590nmにおける吸光度を測定し、細胞の増殖度合いを評価した。尚、上記方法において、D−MEM培地及びヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地はペニシリン(終濃度100IU/mL)及びストレプトマイシン(終濃度0.1mg/mL)を添加したものとし、細胞培養はすべてCOインキュベーター(37℃、5%CO強化気相下)で行った。尚、試験試料は、前記のコラーゲンペプチド(試料1、試料2)、ツバキ種子抽出物(試料3、試料4)、市販のチオクト酸、チオクト酸脂質被覆物(試料5)、チオクト酸シクロデキストリン包接物(試料6)、レスベラトロール抽出物(試料7)、市販のイチョウ葉抽出物(ビーエイチエヌ(株)製)、人参エキス(丸善製薬(株)製)及び試料1又は試料2と各試料との併用とした。
【0067】
この結果を表2、表3及び表4に示す。同表において、数値は同時に実施した対照試験(試料を添加しない場合)の値を100としたときの相対値で示した。表2において、試料1と試料2は終濃度が50及び100μg/mL、又、その他の試料は終濃度が5及び10μg/mLとなるように培地に添加した。表3及び表4において、試料1及び試料2は50μg/mLとし、その他の試料を5μg/mLずつ培地に添加した。
表2のデータから、各添加濃度において、各試料は皮膚繊維芽細胞を増殖させる作用が弱いながらも認められた。
又、表3のデータから、試料1に試料3〜7及びチオクト酸を併用した場合、相乗的に繊維芽細胞を増殖させる作用が明らかとなった。更に、試料1と試料3、試料7及びチオクト酸を併用することで、該増殖効果は増強された。しかしながら、イチョウ葉エキス及び人参エキスでは、繊維芽細胞の増殖を高める作用は確認できなかった。
表4のデータからも、繊維芽細胞の増殖を高める作用を確認したが、表3のデータの場合よりも当該増殖効果は低い傾向が認められた。
尚、試料1や試料2に代えて平均分子量が約300のコラーゲンペプチドを用いて同様に試験した結果、併用物による繊維芽細胞増殖促進効果は表3のデータの傾向と同等ないしはそれ以上であった(データ省略)。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
以上より、本発明に係るコラーゲンペプチドと血流改善剤との組み合わせ、特にツバキ抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類によってヒト皮膚繊維芽細胞の増殖を顕著に促進する作用があること明らかとなった。
なお、試験データは省略するが、本試験例において、試料1又は試料2と前記三種類の血流改善作用成分とを併用した場合には、それぞれを単独で用いた場合に比べて、ヒト皮膚繊維芽細胞によるコラーゲン産生能及びヒアルロン酸産生能が著しく高まることが確認された。
【0072】
試験例3(ヒトにおける美肌試験)
以下に述べる試験に参加することに同意が得られた、皮膚弾力性及び水分量が低下したボランティアの成人女性60名(35歳〜55歳、平均年齢:48.6歳)に、1群5名に分かれてもらい、それぞれの群に各試料を摂取してもらい、これを6週間続けた。試料を摂取する前後で、皮膚弾力性について皮膚粘弾性測定装置(ドイツ、Courage +Khazaka社、製品名:CUTOMETER MPA580(R))を用いて測定し、又、顔の一定部位の水分について水分測定装置(Corneometer(R)CM825)を用いて水分相対値を測定した。尚、本試験は、前記の試料1、試料3、試料7、チオクト酸及びこれらの組合せ、前記と同様のイチョウ葉エキスで行った。摂取量は、試料1が5g、それ以外の試料は200mgとし、試料1との組合せの場合、試料1が5g、それ以外の試料は200mgの併用とした。
【0073】
この結果を表5に示した。試料を摂取する前後での皮膚弾力性及び水分量は、イチョウ葉エキス以外の各試料を摂取した場合、摂取前と比較して、摂取後では若干の改善作用がみられたが、摂取前と大きな差はなかった。しかし、試料1とそれぞれを組み合わせた場合、皮膚弾力性及び水分量は、明らかに改善され、本発明に係るコラーゲンペプチドと血流改善剤との組み合わせ、特にツバキ抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類との併用によって、美肌作用を顕著に促進する作用があること明らかとなった。
【0074】
【表5】

【0075】
試作例1(ソフトカプセル)
前記の試料1及び試料3(混合比:10/1)、試料1及び試料7(混合比:10/1)、試料1及びチオクト酸(混合比:10/1)、試料1及び試料3及び試料7及びチオクト酸(混合比:10/1/1/1)のいずれか1種:200部に、ミツロウ:40部及び月見草油(英国エファモール社製):50部を加え、加熱混合して均質化後、カプセル充填機に供して、常法により1粒あたり内容量が250mgのゼラチン被覆ソフトカプセル製剤を試作した。このカプセル製剤は経口摂取可能な栄養補助食品、医薬品又は動物用飼料として利用することができる。
【0076】
試作例2(ハードカプセル)
試料1及び試料3(混合比:10/1)、試料1及び試料4及び試料6(混合比:10/3/1)、試料1及び試料4及び試料7(混合比:10/1/1)、試料1及び試料4及び試料5及び試料7(混合比:10/2/1/1)のいずれか1種をカプセル充填機に供して、常法により1粒あたり内容量が200mgのゼラチン被覆ハードカプセル製剤を試作した。このカプセル製剤は経口摂取可能な栄養補助食品、医薬品又は動物用飼料として利用することができる。
【0077】
試作例3(飲料)
市販の栄養ドリンク100mLに試料1及び試料3(混合比:10/1)、試料1及び試料7(混合比:10/1)、試料1及びチオクト酸(混合比:10/1)の各1,000mgをそれぞれ加えて十分に混合し飲料を試作した。これは冷蔵庫で6ヵ月間保存しても外観及び風味に異状及び違和感は認められなかった。本品は乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態の改善及び/又は美肌の促進のための飲料やドリンク剤として利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の、コラーゲンペプチドと、前記特定の血流改善剤から選択される1種又は2種以上とからなる併用物を有効成分として含む美肌促進剤は、これを経口で摂取又は投与することにより肌の乾燥、弾力低下、肌荒れの改善及び/又は美肌を促進する作用を有するため、飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野において有効利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラーゲンペプチドと血流改善剤を有効成分として含有することを特徴とする美肌促進剤。
【請求項2】
前記コラーゲンペプチドが、コラーゲンあるいはゼラチンの加水分解物であり、平均分子量が約200〜約10,000のものである請求項1に記載の美肌促進剤。
【請求項3】
前記血流改善剤が、ツバキ種子抽出物、チオクト酸類、レスベラトロール類及び前記レスベラトロール類を含有する植物抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の美肌促進剤。
【請求項4】
前記ツバキ種子抽出物が、ツバキの種子の脱脂粕を水及び/又は低級アルコールで抽出処理して得られる水性成分である請求項3に記載の美肌促進剤。
【請求項5】
前記ツバキ種子抽出物が、サポニン類を含有するものであり、前記サポニン類がカメリアサポニン(Camelliasaponin)A1、カメリアサポニン(Camelliasaponin)A2、カメリアサポニン(Camelliasaponin)B1、カメリアサポニン(Camelliasaponin)B2、カメリアサポニン(Camelliasaponin)C1及びカメリアサポニン(Camelliasaponin)C2からなる群から選択される1種又は2種以上を含むものである請求項3又は4に記載の美肌促進剤。
【請求項6】
前記チオクト酸類が、チオクト酸、ジヒドロチオクト酸、それらの塩、それらのエステル、それらのアミド、及びそれらのシクロデキストリン包接物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項3に記載の美肌促進剤。
【請求項7】
前記チオクト酸類が、チオクト酸、ジヒドロチオクト酸、それらの塩、それらのエステル、それらのアミド、及びそれらのシクロデキストリン包接物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の結晶,粉末及び/又は粒子の外表面を脂質類で被覆してなるものである請求項3又は6に記載の美肌促進剤。
【請求項8】
前記チオクト酸及び/又は前記ジヒドロチオクト酸が、ラセミ体である請求項6又は請求項7に記載の美肌促進剤。
【請求項9】
前記レスベラトロール類が、t−レスベラトロール、ε−ビニフェリン、及び、これらの異性体及び/又は配糖体からなる群から選択される1種又は2種以上を含む組成物である請求項3に記載の美肌促進剤。
【請求項10】
前記レスベラトロール類を含有する植物抽出物が、ブドウ科(Vitaceae)ブドウ属(Vitis)に属する植物の茎、蔓、新芽又は花を原料として得られるものである、請求項3に記載の美肌促進剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の美肌促進剤を含有するものである経口用組成物。
【請求項12】
前記経口用組成物が、飲食品である請求項11に記載の経口用組成物。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の美肌促進剤を経口摂取することを特徴とする、肌の乾燥、弾力低下、肌荒れ等の肌状態を改善及び/又は美肌を促進するための美容方法。

【公開番号】特開2012−236826(P2012−236826A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115029(P2012−115029)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(500081990)ビーエイチエヌ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】