説明

美肌用の経口摂取用組成物

【課題】 肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善し、肌荒れの改善や肌のうるおいの向上を達成することができる経口摂取用の組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】 ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類との配合割合が、質量比で1:4乃至4:1となる経口摂取用組成物により解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善する美肌用の経口摂取用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肌の弛み、シワ及びコジワを改善し、美しい肌を保つことは多くの人々が希望とするところであり、これらを目的とする種々の製品が開発されている。これらの製品は、一般には化粧品という形態で提供され皮膚に塗布されるものが多いが、他方においては経口的に摂取されることにより上記目的を達成しようとする製品もある。
【0003】
ヒアルロン酸は、真皮層に多く存在し、皮膚の保湿性や弾力性に関与していることが知られている。そのため、皮膚の保湿性や弾力性の維持を目的にした、ヒアルロン酸を含有させた食品が幾つか開発されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
L−アスコルビン酸類は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける抗酸化ビタミンとして、或いは、抗酸化剤として経口摂取用の組成物に利用されている(特許文献3)。また、L−アスコルビン酸類は、メラニンの生成を抑制することから、美白用の化粧料にも使用されている(特許文献4)。また、L−アスコルビン酸類を利用した、コラーゲン産生増強用の組成物も提案されている(特許文献5)。しながら、特定の割合で、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類とを経口的に摂取することにより、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善する美肌効果が顕著に発揮されることについての報告はない。
【0005】
【特許文献1】特開平10−165138号公報
【特許文献2】特開2005−80532号公報
【特許文献3】特開2003−339353号公報
【特許文献4】特開平3−139288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善し、肌荒れの改善や肌のうるおいの向上を達成することができる経口摂取用の組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、特定の割合でヒアルロン酸およびL−アスコルビン酸類を併せて経口的に摂取すると、効果的に美しい肌を保つことができることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類との配合割合が、質量比で1:4乃至4:1である経口摂取用組成物を提供することにより上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の経口摂取用組成物は経口摂取することにより、摂取した者の、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善すると共に、角層のバリア機能を改善し、皮膚の保水力を高め、肌荒れの改善、肌のうるおいが向上し、美しい肌が保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の経口摂取用組成物に使用するヒアルロン酸は、化学合成されたものでもよく、発酵法で製造したものや、動物の組織や微生物等から抽出したものであっても良い。ヒアルロン酸は、本発明の効果を妨げない限り、必ずしも精製または単離されたものを用いる必要はなく、未分離組成物としての形態、それらを部分精製、或いは、高度に精製したものであってもよい。また、本発明の経口摂取用組成物に含まれるヒアルロン酸は、その少なくとも一部がヒアルロン酸ナトリウムなどの塩の形態になっていてもよい。
【0010】
本発明の経口摂取用組成物に含まれるヒアルロン酸の含有量は、特に制限はなく、通常は、該組成物全質量に対して0.1質量%乃至25質量%であることが好ましい。
【0011】
本発明で使用するL−アスコルビン酸類としては、経口摂取が可能で、生体内において、ビタミンCとしての生理機能を発揮できるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、L−アスコルビン酸や、L−アスコルビン酸配糖体、L−アスコルビン酸脂肪酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルなどのL−アスコルビン酸の誘導体、ニコチン酸アミド−Lアスコルビン酸複合体、これらL−アスコルビン酸類のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の他、アンモニウム塩、アミノ酸塩等の塩も同様に使用することができる。なかでも、L−アスコルビン酸配糖体の1種であるL−アスコルビン酸2−グルコシドは、経口摂取用組成物に配合しても安定であるばかりでなく、経口摂取すると、生体内で徐々に分解されて、持続的にビタミンC作用を発揮し、ヒアルロン酸と組み合わせた場合には、他のL−アスコルビン酸類に比して、強い美肌作用を持続することができるので、特に望ましい。
【0012】
本発明の経口摂取用組成物に含まれるL−アスコルビン酸類の含有量は、特に制限はなく、通常は、L−アスコルビン酸に換算して、該組成物全質量に対して0.1質量%乃至25質量%であることが好ましい。
【0013】
本発明の経口摂取用組成物におけるヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類との配合割合は、本発明の所期の作用効果が達成できればよく、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類との配合割合が、質量比で1:4乃至4:1、望ましくは1:2乃至2:1のものが、美肌効果の点で優れている。
【0014】
また、このヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類との経口摂取は、これらの2成分を含む組成物を摂取することが望ましいが、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類との摂取割合が、質量比で1:4乃至4:1となるように、各々の成分を、別々に経口摂取する場合も、本発明に含まれる。
【0015】
本発明の経口摂取物組成物の成人1日当たりの摂取量は、所期の作用効果が達成できる限り、特に制限はないが、通常は、ヒアルロン酸の摂取量及びL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類の摂取量は、何れも、1日当たり60mg以上とするのが望ましく、90mg以上が好適であり、120mg以上とするのが特に望ましい。
【0016】
本発明の経口摂取用組成物は、本発明の作用効果を妨げない範囲で、ヒアルロン酸及びL−アスコルビン酸類以外の、通常経口摂取用組成物に加えられる成分を任意に含有させることができる。例えば、ブドウ糖、果糖、グルコサミン、ラクトース、蔗糖、α,α−トレハロース、α,β−トレハロース、β,β−トレハロース、ラクトスクロース、マルトオリゴ糖、水飴などの糖類、サイクロデキストリンや同じ出願人による国際公開WO 02/10361号明細書などに記載のサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}の構造を有する環状四糖、或いは、特開2005−95148号公報(特願2004−174880号明細書)などに記載のサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}の構造を有する環状四糖などの環状の糖類、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、還元水飴などの糖アルコール類、アスパルテーム、ステビア抽出物、スクラロース、アセスルファムKなどの高甘味度甘味料、プルラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖体やその塩類、天然ガム類、キチン、キトサン、カルボキシメチルセルロースをはじめとする合成高分子ポリマー、コラーゲン、ゼラチンなどの増粘剤の何れか1種又は2種以上を添加することができる。なかでも、コンドロイチン硫酸やグルコサミンを併用することにより、本発明の経口摂取用組成物の美肌効果を、より増強することができる。
【0017】
また、本発明の経口摂取用組成物には、上記以外にも、例えば、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンE、ルチン・ヘスペリジン・ナリンジンなどのバイオフラボノイド類或いは、これらビタミンやフラボノイドの誘導体など、アミノ酸類、CoQ10(コエンザイムQ10)、アデノシンやその誘導体、それらのモノフォスフェイト、ジフォスフェイト或いはトリフォスフェイトのような核酸関連物質、プロポリス、フラボノイド類などの成分、海洋深層水などのミネラル類、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、崩壊剤、増量剤、抗酸化剤、矯味矯臭剤、呈味剤、乳化・可溶化・分散剤、安定剤、pH調節剤、着色料、香料、甘味料、酸味料などから選ばれる何れか1種又は2種以上を含有させることも随意である。
【0018】
本発明の経口摂取用組成物は、ヒアルロン酸及びL−アスコルビン酸類を、該組成物が完成するまでの工程で、或いは、完成品に対して、含有せしめればよく、その具体的な方法としては、例えば、混和、混捏、溶解、融解、分散、懸濁、乳化、浸透、晶出、散布、塗布、付着、噴霧、被覆(コーティング)、注入、浸漬、固化、逆ミセル化などの、飲食品の製造に使用することのできる1種又は2種以上の方法の組み合わせが適宜に選ばれる。
【0019】
本発明の経口摂取用組成物は、その形状を問わず、例えば、液状、シラップ、マスキット、ペースト、粉末、固状、半固状、顆粒、錠剤、ゲルなどの何れの形状であってもよく、そのままで、又は、必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合して、液剤、乳剤、懸濁剤、シラップ剤、ペースト、顆粒剤、粉末剤、錠剤、カプセル剤など各種剤型で使用することもできる。
【0020】
以下、実験例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
<実験例1:ヒアルロン酸及び/又はL−アスコルビン酸類の経口摂取の肌に及ぼす影響>
ヒアルロン酸及び/又はL−アスコルビン酸類の経口摂取の肌に及ぼす影響を調べる試験を以下のように行った。すなわち、ヒアルロン酸と、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原商事販売、商品名「アスコフレッシュ」)、L−アスコルビン酸脂肪酸エステル、滑潤剤としてショ糖脂肪酸エステル、及び、賦形剤として精製マルトース(株式会社林原商事販売、商品名「サンマルトS」)を、表1に示す質量比で混合して、全量を10質量部として、これを常法により打錠して、各々0.3g/錠の錠剤を調製した。その各々の配合の錠剤につき、各々17名の被験者に、1日当たり6錠を、3ヶ月間経口摂取させた。各々の被験者について、肌の状態を、下記評価方法1乃至評価方法3を用いて評価し、その結果を表1に示す。なお、L−アスコルビン酸2−グルコシド及びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの配合量は、L−アスコルビン酸に換算した量を表1に示した。なお、陰性対照として、これらの錠剤を摂取しなかった被験者17名についても、同様に評価を行い、その結果を併せて表1に示す。
<評価方法1>
摂取前、摂取2ヵ月後及び3ヵ月後に頬の角層水分蒸散量をTEWAメーター(テヴァメーター)により測定した。配合例毎に被験者17名の頬からの角層水分蒸散量の平均値を求めた。
<評価方法2>
各々の被験者を、摂取前及び摂取3ヵ月後に、角層の重層剥離の程度について観察し、摂取前に比してどのような変化が認められたかを、5段階にスコア化した(1:減少した、2:少し減少した、3:変化無し、4:少し増加した、5:増加した)。各配合の錠剤を摂取した17名の被験者ごとにスコアの平均を求めた。
<評価方法3>
各々の被験者から、摂取3ヵ月後に肌のかさつきの程度と、肌の弛み、シワ及びコジワの変化についてのアンケート調査を行った。それぞれの項目に関して改善を自覚した者の割合を改善率とした。
【0022】
【表1】

【0023】
<結果>
表1から明らかなよう、ヒアルロン酸或いはL−アスコルビン酸類を単独で摂取した場合(配合No.1乃至配合No.4)には、頬からの水分蒸散量、角層の重層剥離の程度、肌のかさつきの程度、肌の弛み、シワ及びコジワを改善の程度の何れにおいても、摂取前に比して変化は認められなかった。これに対して、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類を等質量配合した錠剤を摂取した場合(配合No.5乃至配合No.7)には、評価に使用した何れの項目においても、摂取前に比して改善が認められた。また、ヒアルロン酸と組み合わせるL−アスコルビン酸類としては、L−アスコルビン酸2−グルコシドを使用した場合に最も強い改善効果が認められた。
【0024】
<実験例2:ヒアルロン酸及びL−アスコルビン酸類の摂取量の及ぼす肌への影響>
ヒアルロン酸及びL−アスコルビン酸類の摂取量の及ぼす肌への影響を調べる実験を以下のようにして行った。即ち、実験例1で調製した配合No.6のヒアルロン酸とL−アスコルビン酸2−グルコシドとを等質量配合した錠剤を使用して、1日当たり、1錠、2錠、3錠、4錠、5錠、或いは6錠の何れかを、各々17名の被験者に2ヶ月間摂取させた。各々の被験者について、実験終了時の、被験者の頬の皮膚の状態を、実験例1と同じ評価方法1乃至評価方法3を用いて評価し、その結果を表2に示す。なお、実験例2と実験例1とは、被験者が重複しないように実験を行った。
【0025】
【表2】

【0026】
表2から明らかなように、錠剤を1日当たり1錠摂取した場合には、評価に使用した何れの項目においても、摂取前に比して改善は認められなかった。これに対して、1日当たり、2錠を摂取した場合には、評価に使用した何れの項目においても、摂取前に比して改善が認められ、その改善は、1日当たり3錠以上の摂取で顕著であった。
【0027】
<実験例3:経口摂取用組成物中のヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類との配合割合の肌に及ぼす影響>
実験例1で、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類とを組み合わせて経口摂取することにより、肌の弛み、シワ及びコジワが改善されることが確認されたので、経口摂取用組成物中のヒアルロン酸とL−アスコルビン酸類との配合割合の肌に及ぼす影響を調べる試験を以下のように行った。すなわち、ヒアルロン酸と、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原商事販売、商品名「アスコフレッシュ」)、ショ糖脂肪酸エステル、賦形剤として精製マルトース(株式会社林原商事販売、商品名「サンマルトS」)を表3に示す質量比で混合して、全量を10質量部とし、これを常法により打錠して、各々0.3g/錠の錠剤を調製した。その各々の配合につき、各々17名の被験者に、1日当たり6錠、3ヶ月間経口摂取させた。各々の被験者について、実験終了時の被験者の肌の状態を、実験例1と同じ評価方法1乃至評価方法3を用いて評価し、その結果を表3に示す。なお、L−アスコルビン酸2−グルコシドの配合量は、L−アスコルビン酸に換算した量を表3に示した。なお、実験例3と、実験例1、実験例2とは、何れも被験者が重複しないように実験を行った。
【0028】
【表3】

【0029】
表3から明らかなように、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸を、質量比で1:4乃至4:1(配合No.3乃至配合No.9)の割合で、とりわけ1:2乃至2:1の割合で配合した錠剤を摂取した場合(配合No.5乃至配合No.7)には、評価に使用した角質の水分蒸散量、角層の重層剥離の程度、肌のかさつきの程度、肌の弛み、シワ及びコジワの改善の何れの項目においても、改善が認められた。これに対して、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸を、0.1:1.9(配合No.1)、0.2:1.8(配合No.2)、1.8:0.2(配合No.10)、或いは、1.9:0.1(配合No.11)の配合割合としたものでは、肌の弛み、シワ及びコジワについては、何れも摂取前に比して改善は認められなかった。
【0030】
これらの実験結果は、ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類とを、質量比で1:4乃至4:1の割合で、さらに望ましくは1:2乃至2:1の割合で配合した経口摂取用組成物が、肌の弛み、シワ及びコジワを改善し、潤いのある肌とする、優れた美肌作用を有していることを物語っている。
【0031】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0032】
<美肌用の経口摂取用組成物>
精製マルトース(株式会社林原商事販売、
商品名「サンマルトS」) 63.5質量部
含水結晶α,α−トレハロース(株式会社
林原商事販売、商品名「トレハ」) 25質量部
滑沢剤 5質量部
牡蠣殻カルシウム 2質量部
ヒアルロン酸 2質量部
L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社
林原商事販売、商品名「アスコフレッシユ」) 1質量部
糖転移ルチン(東洋精糖株式会社販売、商品名
「αGルチンP」) 0.5質量部
酸味料(有機酸類) 適 量
レモン及びライムのフレーバー 適 量
全量を100質量部とし、これらの成分を均質になるまで攪拌混合し、常法により、0.5gずつ打錠して、錠剤を調製した。
【0033】
本品は、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善することができる。また、本品は、角層のバリア機能を改善し、皮膚の保水力を高め、肌荒れの改善し、肌のうるおいの向上することができる。本品はこれらの作用効果を標榜して、美肌用の健康補助食品として販売することもできる。
【実施例2】
【0034】
<美肌用の経口摂取用組成物>
粉末マルチトール 500質量部
アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社
林原商事販売、商品名「アスコフレッシユ」) 50質量部
ヒアルロン酸 25質量部
粉末卵黄 190質量部
脱脂粉乳 200質量部
塩化ナトリウム 4.4質量部
塩化カリウム 1.85質量部
硫酸マグネシウム 4質量部
コンドロイチン硫酸 0.1質量部
グルコサミン 0.5質量部
チアミン 0.01質量部
ビタミンEアセテート 0.6質量部
ニコチン酸アミド 0.04質量部
コエンザイムQ10 0.03質量部
糖転移ヘスペリジン(東洋精糖株式会社販売、
商品名「αGヘスペリジンPS」) 0.02質量部
上記配合組成からなる配合物を調製した。この配合物25質量部を精製水150質量部に均一に分散・溶解させ、200gずつ褐色ガラス瓶に封入した。
【0035】
本品は、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善することができる。また、本品は、角層のバリア機能を改善し、皮膚の保水力を高め、肌荒れの改善し、肌のうるおいの向上することができる。本品はこれらの作用効果を標榜して、美肌用の健康補助食品として販売することもできる。なお、本品は、ヒトのみならず、家畜、ペットなどの動物のための経口摂取又は、胃や腸へゾンデ等を使用して直接投与する経管投与用の組成物としても有利に利用できる。また、本品は糖転移ヘスペリジンを含んでいるので、血中脂質や血中コレステロールなどの、血中脂質の低減のために用いられる旨を標榜することも随意である。
【実施例3】
【0036】
<美肌用の経口摂取用組成物>
粉末マルチトール 25質量部
含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事
販売、商品名「トレハ」) 54質量部
滑沢剤 3質量部
L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社
林原商事販売、商品名「アスコフレッシユ」) 10質量部
グルコサミン 2.5質量部
コンドロイチン硫酸ナトリウム 1.5質量部
ヒアルロン酸 4質量部
上記配合処方に基づき、これらの成分を均質になるまで攪拌混合し、常法により、0.5gずつ打錠して、錠剤を調製した。
【0037】
本品は、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善することができる。また、本品は、角層のバリア機能を改善し、皮膚の保水力を高め、肌荒れの改善し、肌のうるおいの向上することができる。本品はこれらの作用効果を標榜して、美肌用の健康補助食品として販売することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の経口摂取用組成物を摂取することにより、肌の弛み、シワ及び/又はコジワを改善することができるだけでなく、肌のバリア機能を高め、肌の保水力を高めることができるので、肌を美しく保つことができる。本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に多大の貢献をする、誠に意義のある発明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸とL−アスコルビン酸に換算したときのL−アスコルビン酸類との配合割合が、質量比で1:4乃至4:1であることを特徴とする美肌用の経口摂取用組成物。
【請求項2】
さらに、コンドロイチン硫酸及び/又はグルコサミンを含有することを特徴とする請求項1記載の美肌用の経口摂取用組成物。
【請求項3】
L−アスコルビン酸類が、L−アスコルビン酸2−グルコシドであることを特徴とする請求項1又は2記載の美肌用の経口摂取用組成物。
【請求項4】
美肌作用を有することを標榜してなる請求項1乃至3の何れかに記載の美肌用の経口摂取用組成物。
【請求項5】
肌の弛み、シワ及び/又はコジワの改善剤・抑制剤としての請求項1乃至4の何れかに記載の美肌用の経口摂取用組成物。

【公開番号】特開2007−63177(P2007−63177A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250453(P2005−250453)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000155908)株式会社林原生物化学研究所 (168)
【Fターム(参考)】