美肌用組成物
【課題】植物由来の抽出物からしわやたるみ等の改善、美白、にきびの予防や改善、育毛効果に対して有効に作用する美肌用組成物及び育毛剤を得ることである。
【解決手段】 本発明の美肌用組成物及び育毛剤は、クエルシトリン等を有効成分とする。更に、本発明の美肌用組成物及び育毛剤は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とする。また、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明の美肌用組成物及び育毛剤は、クエルシトリン等を有効成分とする。更に、本発明の美肌用組成物及び育毛剤は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とする。また、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキウイ種子由来の美肌用組成物及び育毛剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、老若男女問わず、美しく健康で若々しくありたいという願望は、ますます強くなってきている。しかし、加齢に伴い、老化の兆候は、体のいたるところに出てくるようになり、特に、見た目でもわかりやすい皮膚に、顕著に出てくる。ここで、美容の観点から特に忘れてならないものとして、しわやたるみ等の改善、美白等が挙げられる。
また、11〜25歳位の年齢層においては、美肌の観点から忘れてはならないものとして、にきびがある。
にきびは、正式には尋常性座瘡と呼ばれる。患者の70〜80%は11〜25歳の年齢層に集中しており、軽いにきびは皮膚病というより青年期の皮膚の特徴の一つであるともいえる。しかし、重症のにきびは、みた目にも悪く、治癒後にも痕跡を残すことが多く、また人によってはにきびができていることだけで精神的に憂鬱となり、日常生活や社会活動にまで影響を及ぼすことも少なくない。従って、美容的な見地からも早く適切な処置を行い、正常できれいな皮膚に回復させる必要がある。
【0003】
にきびの成因は、皮脂腺が肥大して皮脂の分泌が過剰になり毛嚢内に皮脂が溜まる,毛嚢孔の角化が亢進する,細菌の影響等の要素が絡み合うものとされている。にきびの治療は、にきびの発生を予防したり,炎症を伴う重篤なにきびへと症状を悪化させないための各種の手段が提供されることが望まれている。
【0004】
尚、にきびを防止するための技術として、例えば、特許文献1及び2等が挙げられる。
【0005】
また、脱毛、発毛に関する医学的な知見は未知の面が多く、これらに用いられる育毛成分の生理的な作用機序は不明な点が多い。現在、脱毛の原因と考えられているものには、内分泌異常、ヘヤサイクルの異常、自律神経の失調、血液循環の不良、栄養障害、その他(遺伝性、老化等)が挙げられる。従来の育毛成分には、たとえば卵胞ホルモン等のホルモン類、ビタミンE、B2 、B6 、ビオチン、パントテン酸等のビタミン類、その他アミノ酸類(ペプチドサブスタンス等)、センブリエキス等の生薬エキス、塩酸ジフェンヒドラミン等の消炎剤、グリセリン等の湿潤剤、感光素301号等の頭皮刺激剤、ヒノキチオール等の殺菌剤、エタノール等の清涼剤等がある。
【0006】
そして、育毛・養毛剤は、前記養毛成分を単独または複数組み合わせて局所での効果を期待して使用されており、育毛、発毛促進、ふけ、かゆみ、炎症の防止、薄毛・脱毛予防をはかり、これにより総合的な養毛・育毛効果をねらっている。
【0007】
最近、物質が有する特性たとえばテストステロン−5α−レダクターゼ阻害作用や毛母細胞賦活作用、血行促進作用に着目して、その物質を養毛・育毛剤として利用される傾向がある。
【0008】
【特許文献1】特開平11-071233号公報
【特許文献2】特開平10-087496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、キウイ種子の抽出物に着目するに至った。
そして、各種の実験を行った結果、この抽出物が、しわ、たるみ、くま等の改善、美白、にきびの予防や改善、育毛効果に対して有効に作用することを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の美肌用組成物は、下記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とすることを特徴とする。
【化1】

(但し、Rは、H、OH、OR1から選ばれる少なくとも1種であり、R1は、炭素数1〜3の低級アルキル基から選らばれる少なくとも1種である。)
また、本発明の美肌用組成物は、クエルシトリンを有効成分とすることを特徴とする。
また、本発明の美肌用組成物は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
更に、本発明の美肌用組成物は、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、美白作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、にきび予防剤として作用するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、にきび治療剤として作用するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、抗老化作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、くま防止・改善作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、下記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とすることを特徴とする。
【化2】

(但し、Rは、H、OH、OR1であり、R1は、炭素数1〜3の低級アルキル基である。)
本発明の育毛剤は、クエルシトリンを有効成分とすることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
本発明の薬品は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の薬品は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明のキウイ種子抽出物は、抽出物の全質量を100wt%とした場合において、クエルシトリンを0.02wt%以上含有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の美肌用組成物及び育毛剤について、詳細に説明する。
【0012】
〔1〕美肌用組成物
本発明の美肌用組成物は、下記化学式(1)にて示される化合物を有効成分とするものである。
【化3】

【0013】
このときRは、H、OH、OR1であり、ここでR1は炭素数1〜3の低級アルキル基である。
このような化合物としてクエルシトリン、及びケンフェロール3‐O‐ラムノシド等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、これらは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。ここで、クエルシトリンとは、上記化学式(1)においてRがHに置換された化合物である。更に、ケンフェロール3‐O‐ラムノシドとは化学式(1)において、RがOHに置換された化合物である。
これらの化合物のうち、クエルシトリンが好ましい。植物等からの抽出を容易に行うことができるからである。
【0014】
上記化学式(1)にて示される化合物を得る方法は、特に限定されず、例えば、植物から抽出する方法、合成により得る方法等があるが、植物から抽出する方法が好ましい。容易に上記化合物を得ることができるからである。
上記化合物を植物によって抽出する場合、その原料として例えば、どくだみ、キウイ、イチョウ等があげられるが、キウイを原料とすることが好ましい。上記化学式(1)にて示される化合物を容易に抽出することができるからである。
【0015】
キウイとは、キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)ともよばれ、中国の中・南部が原産であり。中国では彌猴桃(ビコウトウ)と呼ばれ、漢方薬として用いられている。その後、20世紀に入ってからニュージーランドに渡り、優れた品種が多く育成されている。果実の外観がニュージーランドの国鳥「KIWI」の幼鳥に似ていることからキウイフルーツと名付けられた。日本では、1966年に紹介された後、1970年代後半から栽培が始まり、現在は年間4万t前後の生産量がある。
キウイは雌雄異株のつる性植物であり、果実は卵状もしくはほぼ球形の液果である。開花期は4〜6月で、8〜10月に結実する。自生品は、山の斜面、林の周辺、あるいは低木の茂みの中に生えるものである。
本発明は、キウイの種子を用いる事に限定したものであり、キウイの種子を用いる方法で有れば全て効果を期待することができる。キウイ種子をそのまま用いても良いが、脱脂を行ったキウイ種子を用いることが好ましい。上記化学式(1)で示された化合物等の有効成分を容易に抽出することができるからである。
脱脂方法としては、例えば、キウイ種子を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、上記油分を分離した後、圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離しても良い。
このとき、好ましい脱脂用溶媒としては、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、脱脂用溶媒としてn−ヘキサンを用いることが好ましい。抽出油分を食用油として使用し得るとともに、脱脂キウイ種子の抽出物を食品素材等に利用しやすくなるからである。尚、これらの脱脂用の溶媒は、1種のみを用いても良いし2種以上併用しても良い。
【0016】
キウイ種子又は脱脂されたキウイ種子から有効成分を抽出する場合、極性有機溶媒を用いる方法がより良い方法である。用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン、二酸化炭素などをそのまま単一溶媒で用いるか、2種類以上を任意に混合して用いて、抽出物を作成する事も出来る。
【0017】
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは80〜100℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくいためである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。好ましくは、抽出溶媒として、深層水(海洋深層水)を使用するとよい。
【0018】
抽出溶媒として含水エタノールを使用する場合、エタノール濃度30〜90wt%であることが好ましい。30wt%程度よりも少ないか、90wt%を超えると、有効成分の抽出量が低下しやすくなるからである。また、抽出温度は、20〜80℃、好ましくは50〜80℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
【0019】
本発明の美肌用組成物の抽出方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0020】
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、30分〜5時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、美肌用組成物とする。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられるが、食品等に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままで使用してもよい。
【0021】
上記方法により製造されたキウイ種子抽出物は、キウイ種子抽出物の全質量を100wt%とした場合、ポリフェノールを2wt%以上、好ましくは5wt%以上、より好ましくは10wt%以上含有することができる。
また、キウイ種子抽出物の全質量を100wt%とした場合、クエルシトリンを0.02wt%以上、好ましくは0.04wt%以上、より好ましくは0.06wt%以上含有することができる。
【0022】
本発明の美肌用組成物は、美白作用を有する。即ち、本発明の美肌用組成物は、メラノーマ細胞がメラニンを産出することを効果的に抑制する。これにより、皮膚が黒色化することを効果的に防止することができる。
また、本発明の美肌用組成物は、にきび予防剤及び/又は治療剤として作用するものである。即ち、本発明の美肌用組成物は、テストステロンが5α-レダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に転換されることを阻害する。これにより、DHTが脂腺細胞にあるDHT受容体と結合し難くなるため、脂腺細胞を刺激することを防ぎ、これにより、細胞増殖および皮脂の分泌を減少させることができる。また、嫌気性菌であるP. acnes由来のリパーゼ阻害作用を有する。従って、効果的ににきびを予防及び/又は治療することができる。
【0023】
本発明の美肌用組成物は、線維芽細胞の増殖を促進し、皮膚細胞の増殖を促進する。これにより、皮膚の抗老化作用を有するものである。
本発明の美肌用組成物は、くま防止・改善作用を有するものである。
【0024】
本発明の美肌用組成物は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の美肌用組成物を適宜配合するとよい。
【0025】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本美肌用組成物には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン
、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ
、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、 EPA、 DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、生コーヒー豆エキス)なども配合することができる。
【0026】
具体的な製法としては、美肌用組成物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、美肌用組成物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0027】
本発明の美肌用組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、美容や健康を維持することが主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%であるのが好ましい。
【0028】
本発明の美肌用組成物は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の美肌用組成物を適宜配合して製造することができる。本発明の美肌用組成物に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0029】
本発明による美肌用組成物の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5〜1000mg、子供では通常0.5〜500mg程度投与することができる。
美肌用組成物の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0030】
本発明の本発明の美肌用組成物は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、美肌効果を期待することができる。
本発明の美肌用組成物を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、本発明の美肌用組成物を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0031】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による美肌用組成物の他に、その美肌効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0033】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0034】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0035】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
【0036】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0037】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0038】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0039】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0040】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0041】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
【0042】
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0043】
〔2〕育毛剤
次に、本発明の育毛剤について説明する。
本発明の育毛剤は、上記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とする。このときRは、H、OH、OR1であり、ここでR1は炭素数1〜3の低級アルキル基である。
このような化合物としてクエルシトリン、及びケンフェロール3‐O‐ラムノシド等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、これらは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの化合物のうち、クエルシトリンが好ましい。植物等からの抽出を容易に行うことができるからである。
【0044】
また本発明の育毛剤は、キウイ種子の抽出物を含有することを特徴とする。このとき、キウイ種子の抽出物の抽出方法は、上述した美肌用組成物と同様の方法にて、行うことができ、更に抽出溶媒においても上述した美肌用組成物のときと同様のものを用いることができる。
【0045】
本発明の育毛剤は、テストステロンが5α-レダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に転換されることを阻害する。これにより、DHTが脂腺細胞にあるDHT受容体と結合し難くなるため、脂腺細胞を刺激することを防ぐことができる。従って、脱毛を効果的に防ぐことができる。
さらに、本発明の育毛、養毛剤は他の公知の育毛、養毛剤とともに併用できるのは勿論であり、優れた相乗効果も期待できる。また、この発明の育毛、養毛剤は、各種界面活性剤、溶剤、色素、香料、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤等その他の各種添加剤に対して安定なことを確認のうえ、これらの各種添加剤等ともに併用適用することも可能である。
【実施例】
【0046】
実施例1;キウイ種子抽出物の製造
本実施例のキウイ種子抽出物を以下の方法にて製造した。
原料としてキウイ種子は、アメリカ合衆国産のものを用いた。まず、キウイを圧搾して油分を分離し、圧搾物1kgを得た。この圧搾物1kgを破砕し、N−ヘキサンで還流し、圧搾物に残存する油分を除いて脱脂物とした。次いで、この脱脂物をエタノール濃度70wt%の含水エタノール80℃で3時間抽出し、エタノール抽出液を乾固させてキウイ種子抽出物(実施例)20gを得た。なお、キウイ種子抽出物(実施例)の含有成分をHPLC分析したところ、クエルシトリンが0.28wt%含有されていた。
【0047】
実施例2;クエルシトリンの製造
上記キウイ種子抽出物から以下の条件にてHPLCでクエルシトリンを分離した。
(HPLC条件)
検出器:紫外分光光度計,測定波長 256 nm
カラム:GLサイエンス社イナートシルC18, φ9.0×250 mm
移動層:40%メタノール
【0048】
実施例3;ケンフェロール3‐O‐ラムノシドの製造
上記ケンフェロール3‐O‐ラムノシドは、上記クエルシトリンと同様にしてHPLCを用いて実施例1のキウイ種子抽出物から分離した。
【0049】
試験例1;B16メラノーマ細胞に及ぼす作用(美白)
B16メラノーマ細胞をテオフィリン含有α-MEM培地にサスペンド(5×104個/mL)し、48穴プレートに200μLずつ播種した。そして、本実施例のキウイ種子抽出物を添加して3日間培養後、培地を除去し、細胞を超音波破砕後、吸光度(測定波長:415nm)を測定した。その結果を図1に示す。
また、上記実施例2及び実施例3においても同様の試験を行った。その結果を図2及び図3に示す。
図1によれば、キウイ種子抽出物はメラニンの生成率が濃度依存的に減少させることがわかる。これにより、キウイ種子抽出物は、メラニン生成を濃度依存的に抑制し、美白作用を有することが判る。
また、図2及び図3によれば、クエルシトリンおよびケンフェロール3-Oラムノシドは、B16メラノーマ細胞のメラニン色素生成を減少させることが判る。更に、ケンフェロール3-Oラムノシドがよりメラニンの生成減少させることが判る。これにより、クエルシトリンおよびケンフェロール3-Oラムノシドはメラニン生成抑制作用があり、更に、ケンフェロール3-Oラムノシドにおけるメラニン生成抑制作用がより強いことが判る。
【0050】
試験例2;モルモットを用いた色素沈着抑制試験
実施例1のキウイ種子抽出物を被検サンプルとした。Weiser-Maples褐色モルモット,雄,4週齢を用いて,実験を行った。
方法:16匹の褐色モルモットをcontrol群,キウイ種子エキス200 mg/kg群,400 mg/kg群,800 mg/kg群の4群に分けて,8日間、水およびそれぞれの濃度のキウイ種子エキス水溶液をモルモットに経口投与した。その後、紫外線照射機(ソーラーシュミレーター、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線(UV−B、2000 mJ/cm2)を7日間照射した。照射前と照射開始後4,6,8,10,12,14および16日目に分光色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて、明度(L値)を測定した。
そして、8日目(即ち、紫外線照射を止めた翌日)から10,12,14および16日目までの各群明度変化量(ΔL値)を求めた。その結果を図4に示す。
control群と比べて,10日目に,400 mg/kg群は有意差が見られた(P<0.05、図4)。14日目に全ての投薬群は有意差が見られた。そのうち,200
mg/kg群は,P<0.05,400と800 mg/kg群は,P<0.01。16日目には,全ての投薬群はP<0.01である。
【0051】
試験例3;キウイ種子抽出物の線維芽細胞NB1RGB細胞に及ぼす作用
新生児真皮線維芽細胞(NB1RGB)をα-MEM培地(10%FCS、100units/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン含有)にサスペンド(2×105個/ml)し、96穴プレートに100μlずつ播種した。各濃度に調製した本実施例のキウイ種子抽出物(10μl)を添加して2日間培養後、細胞の増殖度をMTTアッセイ法を用いて評価した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、キウイ種子抽出物(1〜100μg/ml)は線維芽細胞の増殖を促進した。
従って、本発明のキウイ種子抽出物を細胞賦活成分として肌に適用することにより、極めて優れた抗老化作用を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚の皺、弛み等を効果的に改善することができることが判る。
【0052】
試験例4;健常人女性を対象とした継続摂取試験(抗シワ作用)
キウイ種子抽出物を摂取する前に肌用レプリカ剤(SKIN CAST)を用いて目尻付近のレプリカを採取した。そして、健常人女性(図6のA〜Jの10名,20〜42才)に本実施例のキウイ種子抽出物(50mg)を4週間自由摂取してもらい、摂取後に再度同じレプリカ剤を用いて目尻付近のレプリカを採取した。採取したレプリカをUSB Microscope M2を用いて一定条件で撮影した後、画像解析ソフト(NIH Image)を用いて摂取前後のシワ面積(NIH Image 解析面積値)を測定し、評価した。その結果を図6に示す。尚、図6において、「NIH Image解析面積」とは、本試験例にて用いた画像解析ソフトにおいて、しわの面積を示す値であり、この数値が大きいほどしわの面積が大きいことを示している。
図6によれば、キウイ種子抽出物の摂取前と4週間摂取後のシワの面積を比較すると、10名中7名のシワ面積(NIH Image解析面積値)が減少した。これにより、ヒトにおいて、目尻のシワ改善作用を有することが判る。
【0053】
試験例5;5α-レダクターゼ阻害作用試験
試験例5−1
試験サンプルとして、実施例1のキウイ種子抽出物を用いた。
テストステロン(3.0μmol)をプロピレングリコール10滴に溶解し、5mMTris-HCl緩衝液(pH 7.2)を加えて5mLとした。この調製溶液500μLに5mMTris-HCl緩衝液(pH 7.2)1mLに溶解したNADPH(5mg)を50μL ならびに1%DMSOに溶解したキウイ種子抽出物を70μL加え、予備加温(37℃)後、酵素液(S-9,オリエンタル酵母,100μL)を加えて1時間インキュベートを行った。その後、ジクロロメタン5mLを加えて反応を停止させた後、ジクロロメタン層を分取し、減圧乾燥を行った。乾燥物にMeOH(50μL)を加えて溶解し、ガスクロマトグラフィー(カラム:DB-17,J&W 移動相:He , 2mL/min カラム温度:250℃)で反応生成物(ジヒドロテストステロン)を定量した。そして、ジヒドロテストステロンの生成量に基づいて、キウイ種子抽出物を加えなかったもの(図7において濃度0μg/mL)のジヒドロテストステロン生成率を100%として、ジヒドロテストステロン生成率を算出した。その結果を図7に示す。
【0054】
試験例5−2
試験サンプルとして、実施例2のクエルシトリンを用いた。
試験は、上記試験例4−1と同様の方法にて行った。その結果を図8に示す。
【0055】
結果
図7によれば、キウイ種子抽出物にジヒドロテストステロンの生成が抑制され、これにより、5α-レダクターゼ阻害活性を有することが判る。これにより、過剰な皮脂の分泌が抑えられ、にきびや男性型脱毛症に効果があることが判る。
また、図8によれば、クエルシトリンにおいてもDHTの生成が抑制されたことが確認された。これにより、5α-レダクターゼ阻害活性を有することが判る。またキウイ種子エキスより活性は強く、IC50値は約30(μg/mL)であった。このことにより、過剰な皮脂の分泌が抑えられ、ニキビに効果があると考えられる。
【0056】
以上により、キウイ種子抽出物は、にきびの予防又は治療するための美肌用組成物として、用いることができ、更に、育毛剤として用いることもできる。特に、キウイ種子抽出物に含有しているクエルシトリンが上記にきび予防機能及び育毛機能を有することが確認された。
【0057】
試験例6;アクネ菌(P. acnes)由来リパーゼ阻害作用
(1)アクネ菌(P.acnes)由来粗リパーゼ分画の調製
P.acnes(岐阜大学から購入)をGAM液体培地で培養後、遠心分離(3000rpm、10min) をして菌体を回収した。その後、回収した菌体にPBSを加えて、超音波破砕をし、再び遠心分離をしてから、上清を回収した。そして、上清をPBSで3日間透析(4℃、1日おきにPBSの交換)後、凍結乾燥をして、アクネ菌由来の粗リパーゼ分画を得た。
【0058】
(2)タンパク定量
回収したアクネ菌由来リパーゼのタンパク質をBCA protein assayを用いて測定した。BCA protein assay reagent Aとreagent Bを10:0.2の割合で混合し、96穴プレートに200μL播種した。その後、粗リパーゼ分画を25μL加えて37℃で30分インキュベートし、吸光度(570nm)を測定した。
その結果、粗リパーゼ分画のタンパク質量は4%(1gあたり40.3mg)であった。
【0059】
(3)リパーゼ阻害作用の測定
リパーゼキットS(大日本製薬)を用いて行った。試験管に発色液390μL、各濃度のキウイ種子抽出物溶液25μL、粗リパーゼ分画(50mg/mL)25μL、エステラーゼ阻害剤10μL、を加え、30℃の恒温槽で5分間予備加温した。その後、基質液を50μL加え、遮光しながら30℃で30分反応させた後、反応停止液を500μL加え415nmの吸光度を測定した。その結果を図9に示す。
図9によれば、濃度依存的にアクネ菌由来リパーゼ阻害作用が確認された。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、にきびの予防や治療するための美肌用組成物として、用いることができる。
【0060】
試験例7;皮脂量に対する継続塗布試験
キウイ種子抽出物溶液のヒトにおける皮膚皮脂量に対する影響を検討した。健常人(図10のA〜Iの男性6名、女性3名、14〜37才)を対象として、キウイ種子抽出物溶液(キウイ種子抽出物1wt%、ブチレングリコール69wt%、水30wt%)1mLをカット綿に染み込ませ、皮膚に直接1日1回2週間塗布してもらい、塗布前後における額付近の指定部位の皮脂量をSEBUMETER SM810で測定した。その結果を図10に示す。
図10によれば、キウイ種子抽出物溶液の摂取前と2週間摂取後の額の指定部位の皮膚皮脂量を比較すると、9名中7名の皮膚皮脂量が顕著に減少した。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトの皮膚に塗布すると、にきびに対する改善効果を有することが判る。
【0061】
試験例8;皮脂量に対する継続経口試験
キウイ種子抽出物のヒトにおける皮膚皮脂量に対する影響を検討した。健常人女性(図11のA〜Dの4名、24〜52才)を対象として、キウイ種子抽出物(50 mg)を2週間継続して経口摂取してもらい、摂取前後における目尻付近の指定部位の皮脂量をSEBUMETER SM810で測定した。その結果を図7に示す。
図11によれば、キウイ種子抽出物摂取前と2週間摂取後の目尻の指定部位の皮膚皮脂量を比較すると、4名中3名の皮膚皮脂量が減少した。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトに経口摂取を行った場合も、にきびに対する改善効果を有することが判る。
【0062】
試験例9;肌pHに対する継続摂取試験
弊社健常人女性(図12のA〜Jの10名)にキウイ種子抽出物(50 mg)を経口にて4週間自由摂取してもらい、摂取前後に上腕内側部の指定部位の皮膚のpHを測定した。キウイ種子抽出物摂取前後に、商品名;SKIN-pH-METER PH900(Courage+Khazaka Electronics GmbH社製)を用いて肌のpHを測定した。その結果を図12に示す。
図12に示されるように、キウイ種子抽出物を4週間服用後の皮膚pHは、服用前に比べて、健康な肌pHであるpH 4.5〜6.0に収束された。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、肌を正常な状態に改善する効果のあることが判る。
【0063】
試験例10;保湿作用試験(外用)
キウイ種子抽出物を蒸留水に溶解し、1wt%水溶液を作製した。この溶液を、ヒトの左上腕内側に1滴塗布し、2センチメートル四方の範囲に延ばし、1分間皮膚に吸い込ませた。1分後皮膚の表面部分に浮いている水溶液をペーパーで吸い取った。1分後から保湿計CORNEOMETER SM 825(Courage+Khazaka Electronics GmbH社製)を用いて表皮水分量(保湿計計測値)を測定した。このとき、表皮水分量の測定は、温度27℃、湿度47%の室内にて行った。その結果を図13に示す。尚、比較例として、蒸留水のみからなる液体についても上述した方法と同様の方法にて実験を行った。尚、図13の「保湿計計測値」とは、本試験例で用いた保湿計で測定された表皮の水分量を示す数値であり、この数値が大きいほど表皮に存在している水分量が多いことを示している。
その結果、図13に示されるように、蒸留水のみを塗布した場合、ほぼ40分で塗布前の水分量に戻っているのに対し、キウイ種子抽出物溶液では、120分以上水分を保持していることがわかる。これにより、キウイ種子抽出物溶液は、保湿効果があることが判る。
【0064】
試験例11;くまに対する継続摂取試験
健常人女性(図14のA〜Fの6名,25〜41才)にキウイ種子抽出物(50 mg)を4週間自由経口摂取してもらい、キウイ種子抽出物摂取前後にSpectro Color Meter SE 2000を用いて目元付近の色差を測定した。その結果を図14に示す。
図14によれば、キウイ種子抽出物摂取前と4週間摂取後の目元の明度(L*値)を比較すると、6名中4名のL*値が上昇し、肌の色調が明るくなる方向に近づいていることが判る。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトにおいて、目元のくまの改善作用があることが判る。
【0065】
以下に本発明の美肌用組成物(キウイ種子抽出物)の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
キウイ種子抽出物 0.5
100.0wt%
【0066】
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
キウイ果汁 4.0
キウイフレーバー 0.6
色素 0.02
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0067】
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
キウイ種子抽出物 0.4
100.0wt%
【0068】
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
キウイ種子抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0069】
配合例5:ソフトカプセル
キウイ種子油 87.0wt%
乳化剤 12.0
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0070】
配合例6:コーヒー飲料(液状)
焙煎コーヒー豆 6.0wt%
砂糖 6.0
重曹 0.2
乳化剤 0.15
キウイ種子抽出物 1.0
水 残余
100.0wt%
【0071】
配合例7:コーヒー飲料(粉末)
インスタントコーヒー 90.0wt%
脱脂乳 7.0
キウイ種子抽出物 3.0
100.0wt%
【0072】
配合例8:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
キウイ種子抽出物 0.05
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0073】
配合例9:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0074】
配合例10:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
キウイ種子抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
【0075】
配合例11:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
キウイ種子抽出物 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0076】
配合例12:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
キウイ種子抽出物 0.1
精製水 残余
100.0wt%
【0077】
配合例13:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
キウイ種子抽出物 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
【0078】
配合例14:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
キウイ種子抽出物 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0079】
配合例15:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
キウイ種子抽出物 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
【0080】
次に本発明の育毛剤(キウイ種子抽出物)の配合例を示す。尚、本発明の育毛剤は、下記配合例に限定されない。
配合例16:育毛剤(医薬品グレード)
キウイ種子抽出物 5.5wt%
酢酸トコフェロール 0.1
パントテニルアルコール 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ポリオキシエチレン(EO60)硬化ヒマシ油 0.3
香料 0.1
プロピレングリコール 2.0
エタノール 60.0
精製水 残部
合 計 100.0wt%
【0081】
配合例17:ヘヤートニック
エタノール 60.0wt%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (E.O60モル) 0.5
グリセリン 3.0
メントール 0.2
キウイ種子抽出物 0.3
香料及び色素 適量
イオン交換水 残余
全体量 100wt%
【0082】
配合例18:シャンプー
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(E.O 2モル) 15.0
ヤシ油脂肪族ジエタノールアミド 5.0
グリセリン 3.0
キウイ種子抽出物 0.4
エタノール 5.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
全体 100wt%
【0083】
配合例19:ヘヤークリーム
流動パラフィン 20.0wt%
固形パラフィン 3.0
ポリオキシエチレンセチル エーテル(E.O 15モル) 2.0
ソルビタンセスキオレート 1.0
キウイ種子抽出物 0.2
エタノール 10.0
水酸化カリウム 0.1
グリセリン 3.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
全体 100wt%
【0084】
配合例20:軟膏剤
サラシミツロウ 5.0wt%
精製ラノリン 5.0
キウイ種子抽出物 1.0
香料 0.1
ワセリン 残余
全体 100wt%
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上、説明したように、本発明の美肌用組成物は、上述した化学式(1)に示された化合物(例えば、クエルシトリン等)を有効成分として含有することにより、しわ、くま、たるみ等を改善することができ、更に、美白効果を有するものである。また、本発明の美肌用組成物は、にきびの予防、治療等に効果のあるものである。更に、本発明の育毛剤は、育毛効果の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施例1のキウイ種子抽出物の濃度とB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2のクエルシトリンの濃度とB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3のケンフェロール3‐O‐ラムノシドとB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図4】キウイ種子エキス200 mg/kg群,400 mg/kg群,800 mg/kg群の4群における紫外線照射日数とモルモットの色素沈着抑制作用との関係を示すグラフである。
【図5】キウイ種子抽出物の濃度と線維芽細胞NB1RGB細胞に及ぼす作用の関係を示すグラフである。
【図6】キウイ種子抽出物の摂取前と4週間摂取後のシワの面積を比較したグラフである。
【図7】キウイ種子抽出物濃度とジヒドロテストステロン生成率との関係を示すグラフである。
【図8】クエルシトリン濃度とジヒドロテストステロン生成率との関係を示すグラフである。
【図9】キウイ種子抽出物濃度とアクネ菌(P. acnes)由来リパーゼ阻害作用との関係を示すグラフである。
【図10】キウイ種子抽出物溶液の塗布前と2週間塗布後の額の指定部位の皮膚皮脂量を比較したグラフである。
【図11】キウイ種子抽出物の摂取前と2週間摂取後の目尻の指定部位の皮膚皮脂量を比較したグラフである。
【図12】キウイ種子抽出物を摂取前と4週間摂取後の皮膚pHを比較したグラフである。
【図13】キウイ種子抽出物1分間皮膚に吸い込ませた場合における表皮水分量の時間経過と、蒸留水を1分間皮膚に吸い込ませた場合における表皮水分量の時間経過とを示すグラフである。
【図14】キウイ種子抽出物の経口摂取前と4週間経口摂取後の目元の明度(L*値)を比較したグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明はキウイ種子由来の美肌用組成物及び育毛剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、老若男女問わず、美しく健康で若々しくありたいという願望は、ますます強くなってきている。しかし、加齢に伴い、老化の兆候は、体のいたるところに出てくるようになり、特に、見た目でもわかりやすい皮膚に、顕著に出てくる。ここで、美容の観点から特に忘れてならないものとして、しわやたるみ等の改善、美白等が挙げられる。
また、11〜25歳位の年齢層においては、美肌の観点から忘れてはならないものとして、にきびがある。
にきびは、正式には尋常性座瘡と呼ばれる。患者の70〜80%は11〜25歳の年齢層に集中しており、軽いにきびは皮膚病というより青年期の皮膚の特徴の一つであるともいえる。しかし、重症のにきびは、みた目にも悪く、治癒後にも痕跡を残すことが多く、また人によってはにきびができていることだけで精神的に憂鬱となり、日常生活や社会活動にまで影響を及ぼすことも少なくない。従って、美容的な見地からも早く適切な処置を行い、正常できれいな皮膚に回復させる必要がある。
【0003】
にきびの成因は、皮脂腺が肥大して皮脂の分泌が過剰になり毛嚢内に皮脂が溜まる,毛嚢孔の角化が亢進する,細菌の影響等の要素が絡み合うものとされている。にきびの治療は、にきびの発生を予防したり,炎症を伴う重篤なにきびへと症状を悪化させないための各種の手段が提供されることが望まれている。
【0004】
尚、にきびを防止するための技術として、例えば、特許文献1及び2等が挙げられる。
【0005】
また、脱毛、発毛に関する医学的な知見は未知の面が多く、これらに用いられる育毛成分の生理的な作用機序は不明な点が多い。現在、脱毛の原因と考えられているものには、内分泌異常、ヘヤサイクルの異常、自律神経の失調、血液循環の不良、栄養障害、その他(遺伝性、老化等)が挙げられる。従来の育毛成分には、たとえば卵胞ホルモン等のホルモン類、ビタミンE、B2 、B6 、ビオチン、パントテン酸等のビタミン類、その他アミノ酸類(ペプチドサブスタンス等)、センブリエキス等の生薬エキス、塩酸ジフェンヒドラミン等の消炎剤、グリセリン等の湿潤剤、感光素301号等の頭皮刺激剤、ヒノキチオール等の殺菌剤、エタノール等の清涼剤等がある。
【0006】
そして、育毛・養毛剤は、前記養毛成分を単独または複数組み合わせて局所での効果を期待して使用されており、育毛、発毛促進、ふけ、かゆみ、炎症の防止、薄毛・脱毛予防をはかり、これにより総合的な養毛・育毛効果をねらっている。
【0007】
最近、物質が有する特性たとえばテストステロン−5α−レダクターゼ阻害作用や毛母細胞賦活作用、血行促進作用に着目して、その物質を養毛・育毛剤として利用される傾向がある。
【0008】
【特許文献1】特開平11-071233号公報
【特許文献2】特開平10-087496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような背景の下、本発明者らは、種々の植物由来の抽出物について、キウイ種子の抽出物に着目するに至った。
そして、各種の実験を行った結果、この抽出物が、しわ、たるみ、くま等の改善、美白、にきびの予防や改善、育毛効果に対して有効に作用することを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の美肌用組成物は、下記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とすることを特徴とする。
【化1】

(但し、Rは、H、OH、OR1から選ばれる少なくとも1種であり、R1は、炭素数1〜3の低級アルキル基から選らばれる少なくとも1種である。)
また、本発明の美肌用組成物は、クエルシトリンを有効成分とすることを特徴とする。
また、本発明の美肌用組成物は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
更に、本発明の美肌用組成物は、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、美白作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、にきび予防剤として作用するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、にきび治療剤として作用するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、抗老化作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の美肌用組成物は、くま防止・改善作用を有するものであることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、下記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とすることを特徴とする。
【化2】

(但し、Rは、H、OH、OR1であり、R1は、炭素数1〜3の低級アルキル基である。)
本発明の育毛剤は、クエルシトリンを有効成分とすることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、キウイ種子の極性溶媒抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の育毛剤は、キウイ種子を脱脂し、その後、極性溶媒にて抽出したキウイ種子抽出物を含有することを特徴とする。
本発明の薬品は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、上記美肌用組成物を含有することを特徴とする。
本発明の薬品は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明の飲食品は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、上記育毛剤を含有することを特徴とする。
本発明のキウイ種子抽出物は、抽出物の全質量を100wt%とした場合において、クエルシトリンを0.02wt%以上含有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の美肌用組成物及び育毛剤について、詳細に説明する。
【0012】
〔1〕美肌用組成物
本発明の美肌用組成物は、下記化学式(1)にて示される化合物を有効成分とするものである。
【化3】

【0013】
このときRは、H、OH、OR1であり、ここでR1は炭素数1〜3の低級アルキル基である。
このような化合物としてクエルシトリン、及びケンフェロール3‐O‐ラムノシド等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、これらは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。ここで、クエルシトリンとは、上記化学式(1)においてRがHに置換された化合物である。更に、ケンフェロール3‐O‐ラムノシドとは化学式(1)において、RがOHに置換された化合物である。
これらの化合物のうち、クエルシトリンが好ましい。植物等からの抽出を容易に行うことができるからである。
【0014】
上記化学式(1)にて示される化合物を得る方法は、特に限定されず、例えば、植物から抽出する方法、合成により得る方法等があるが、植物から抽出する方法が好ましい。容易に上記化合物を得ることができるからである。
上記化合物を植物によって抽出する場合、その原料として例えば、どくだみ、キウイ、イチョウ等があげられるが、キウイを原料とすることが好ましい。上記化学式(1)にて示される化合物を容易に抽出することができるからである。
【0015】
キウイとは、キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)ともよばれ、中国の中・南部が原産であり。中国では彌猴桃(ビコウトウ)と呼ばれ、漢方薬として用いられている。その後、20世紀に入ってからニュージーランドに渡り、優れた品種が多く育成されている。果実の外観がニュージーランドの国鳥「KIWI」の幼鳥に似ていることからキウイフルーツと名付けられた。日本では、1966年に紹介された後、1970年代後半から栽培が始まり、現在は年間4万t前後の生産量がある。
キウイは雌雄異株のつる性植物であり、果実は卵状もしくはほぼ球形の液果である。開花期は4〜6月で、8〜10月に結実する。自生品は、山の斜面、林の周辺、あるいは低木の茂みの中に生えるものである。
本発明は、キウイの種子を用いる事に限定したものであり、キウイの種子を用いる方法で有れば全て効果を期待することができる。キウイ種子をそのまま用いても良いが、脱脂を行ったキウイ種子を用いることが好ましい。上記化学式(1)で示された化合物等の有効成分を容易に抽出することができるからである。
脱脂方法としては、例えば、キウイ種子を圧搾して油分を分離するだけでも良いし、上記油分を分離した後、圧搾物の残留油分を脱脂用溶媒(脂溶性有機溶媒)により抽出分離しても良い。
このとき、好ましい脱脂用溶媒としては、n−ヘキサン、アセトン等が挙げられる。特に、脱脂用溶媒としてn−ヘキサンを用いることが好ましい。抽出油分を食用油として使用し得るとともに、脱脂キウイ種子の抽出物を食品素材等に利用しやすくなるからである。尚、これらの脱脂用の溶媒は、1種のみを用いても良いし2種以上併用しても良い。
【0016】
キウイ種子又は脱脂されたキウイ種子から有効成分を抽出する場合、極性有機溶媒を用いる方法がより良い方法である。用いる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン、二酸化炭素などをそのまま単一溶媒で用いるか、2種類以上を任意に混合して用いて、抽出物を作成する事も出来る。
【0017】
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは80〜100℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくいためである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。好ましくは、抽出溶媒として、深層水(海洋深層水)を使用するとよい。
【0018】
抽出溶媒として含水エタノールを使用する場合、エタノール濃度30〜90wt%であることが好ましい。30wt%程度よりも少ないか、90wt%を超えると、有効成分の抽出量が低下しやすくなるからである。また、抽出温度は、20〜80℃、好ましくは50〜80℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
【0019】
本発明の美肌用組成物の抽出方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0020】
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、30分〜5時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、美肌用組成物とする。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられるが、食品等に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままで使用してもよい。
【0021】
上記方法により製造されたキウイ種子抽出物は、キウイ種子抽出物の全質量を100wt%とした場合、ポリフェノールを2wt%以上、好ましくは5wt%以上、より好ましくは10wt%以上含有することができる。
また、キウイ種子抽出物の全質量を100wt%とした場合、クエルシトリンを0.02wt%以上、好ましくは0.04wt%以上、より好ましくは0.06wt%以上含有することができる。
【0022】
本発明の美肌用組成物は、美白作用を有する。即ち、本発明の美肌用組成物は、メラノーマ細胞がメラニンを産出することを効果的に抑制する。これにより、皮膚が黒色化することを効果的に防止することができる。
また、本発明の美肌用組成物は、にきび予防剤及び/又は治療剤として作用するものである。即ち、本発明の美肌用組成物は、テストステロンが5α-レダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に転換されることを阻害する。これにより、DHTが脂腺細胞にあるDHT受容体と結合し難くなるため、脂腺細胞を刺激することを防ぎ、これにより、細胞増殖および皮脂の分泌を減少させることができる。また、嫌気性菌であるP. acnes由来のリパーゼ阻害作用を有する。従って、効果的ににきびを予防及び/又は治療することができる。
【0023】
本発明の美肌用組成物は、線維芽細胞の増殖を促進し、皮膚細胞の増殖を促進する。これにより、皮膚の抗老化作用を有するものである。
本発明の美肌用組成物は、くま防止・改善作用を有するものである。
【0024】
本発明の美肌用組成物は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の美肌用組成物を適宜配合するとよい。
【0025】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本美肌用組成物には、他の抗酸化物質や健康食品素材などの配剤、例えば、抗酸化物質(還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス)、健康食品素材(V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン
、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ
、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、 EPA、 DPA、 甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、コンドロイチン硫酸、亜鉛、鉄、セラミド、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、L-システイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、ローズマリー、カテキン、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、シナモン、韃靼ソバ、ココア、ユズ種子エキス、シソの実エキス、ライチ種子エキス、月見草エキス、黒米エキス、α−リポ酸、生コーヒー豆エキス)なども配合することができる。
【0026】
具体的な製法としては、美肌用組成物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、美肌用組成物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0027】
本発明の美肌用組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、美容や健康を維持することが主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%であるのが好ましい。
【0028】
本発明の美肌用組成物は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の美肌用組成物を適宜配合して製造することができる。本発明の美肌用組成物に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0029】
本発明による美肌用組成物の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5〜1000mg、子供では通常0.5〜500mg程度投与することができる。
美肌用組成物の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0030】
本発明の本発明の美肌用組成物は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、美肌効果を期待することができる。
本発明の美肌用組成物を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。
また、本発明の美肌用組成物を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0031】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による美肌用組成物の他に、その美肌効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0033】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0034】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0035】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
【0036】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0037】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0038】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0039】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0040】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0041】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
【0042】
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0043】
〔2〕育毛剤
次に、本発明の育毛剤について説明する。
本発明の育毛剤は、上記化学式(1)にて示された化合物を有効成分とする。このときRは、H、OH、OR1であり、ここでR1は炭素数1〜3の低級アルキル基である。
このような化合物としてクエルシトリン、及びケンフェロール3‐O‐ラムノシド等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、これらは、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの化合物のうち、クエルシトリンが好ましい。植物等からの抽出を容易に行うことができるからである。
【0044】
また本発明の育毛剤は、キウイ種子の抽出物を含有することを特徴とする。このとき、キウイ種子の抽出物の抽出方法は、上述した美肌用組成物と同様の方法にて、行うことができ、更に抽出溶媒においても上述した美肌用組成物のときと同様のものを用いることができる。
【0045】
本発明の育毛剤は、テストステロンが5α-レダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に転換されることを阻害する。これにより、DHTが脂腺細胞にあるDHT受容体と結合し難くなるため、脂腺細胞を刺激することを防ぐことができる。従って、脱毛を効果的に防ぐことができる。
さらに、本発明の育毛、養毛剤は他の公知の育毛、養毛剤とともに併用できるのは勿論であり、優れた相乗効果も期待できる。また、この発明の育毛、養毛剤は、各種界面活性剤、溶剤、色素、香料、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤等その他の各種添加剤に対して安定なことを確認のうえ、これらの各種添加剤等ともに併用適用することも可能である。
【実施例】
【0046】
実施例1;キウイ種子抽出物の製造
本実施例のキウイ種子抽出物を以下の方法にて製造した。
原料としてキウイ種子は、アメリカ合衆国産のものを用いた。まず、キウイを圧搾して油分を分離し、圧搾物1kgを得た。この圧搾物1kgを破砕し、N−ヘキサンで還流し、圧搾物に残存する油分を除いて脱脂物とした。次いで、この脱脂物をエタノール濃度70wt%の含水エタノール80℃で3時間抽出し、エタノール抽出液を乾固させてキウイ種子抽出物(実施例)20gを得た。なお、キウイ種子抽出物(実施例)の含有成分をHPLC分析したところ、クエルシトリンが0.28wt%含有されていた。
【0047】
実施例2;クエルシトリンの製造
上記キウイ種子抽出物から以下の条件にてHPLCでクエルシトリンを分離した。
(HPLC条件)
検出器:紫外分光光度計,測定波長 256 nm
カラム:GLサイエンス社イナートシルC18, φ9.0×250 mm
移動層:40%メタノール
【0048】
実施例3;ケンフェロール3‐O‐ラムノシドの製造
上記ケンフェロール3‐O‐ラムノシドは、上記クエルシトリンと同様にしてHPLCを用いて実施例1のキウイ種子抽出物から分離した。
【0049】
試験例1;B16メラノーマ細胞に及ぼす作用(美白)
B16メラノーマ細胞をテオフィリン含有α-MEM培地にサスペンド(5×104個/mL)し、48穴プレートに200μLずつ播種した。そして、本実施例のキウイ種子抽出物を添加して3日間培養後、培地を除去し、細胞を超音波破砕後、吸光度(測定波長:415nm)を測定した。その結果を図1に示す。
また、上記実施例2及び実施例3においても同様の試験を行った。その結果を図2及び図3に示す。
図1によれば、キウイ種子抽出物はメラニンの生成率が濃度依存的に減少させることがわかる。これにより、キウイ種子抽出物は、メラニン生成を濃度依存的に抑制し、美白作用を有することが判る。
また、図2及び図3によれば、クエルシトリンおよびケンフェロール3-Oラムノシドは、B16メラノーマ細胞のメラニン色素生成を減少させることが判る。更に、ケンフェロール3-Oラムノシドがよりメラニンの生成減少させることが判る。これにより、クエルシトリンおよびケンフェロール3-Oラムノシドはメラニン生成抑制作用があり、更に、ケンフェロール3-Oラムノシドにおけるメラニン生成抑制作用がより強いことが判る。
【0050】
試験例2;モルモットを用いた色素沈着抑制試験
実施例1のキウイ種子抽出物を被検サンプルとした。Weiser-Maples褐色モルモット,雄,4週齢を用いて,実験を行った。
方法:16匹の褐色モルモットをcontrol群,キウイ種子エキス200 mg/kg群,400 mg/kg群,800 mg/kg群の4群に分けて,8日間、水およびそれぞれの濃度のキウイ種子エキス水溶液をモルモットに経口投与した。その後、紫外線照射機(ソーラーシュミレーター、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線(UV−B、2000 mJ/cm2)を7日間照射した。照射前と照射開始後4,6,8,10,12,14および16日目に分光色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて、明度(L値)を測定した。
そして、8日目(即ち、紫外線照射を止めた翌日)から10,12,14および16日目までの各群明度変化量(ΔL値)を求めた。その結果を図4に示す。
control群と比べて,10日目に,400 mg/kg群は有意差が見られた(P<0.05、図4)。14日目に全ての投薬群は有意差が見られた。そのうち,200
mg/kg群は,P<0.05,400と800 mg/kg群は,P<0.01。16日目には,全ての投薬群はP<0.01である。
【0051】
試験例3;キウイ種子抽出物の線維芽細胞NB1RGB細胞に及ぼす作用
新生児真皮線維芽細胞(NB1RGB)をα-MEM培地(10%FCS、100units/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン含有)にサスペンド(2×105個/ml)し、96穴プレートに100μlずつ播種した。各濃度に調製した本実施例のキウイ種子抽出物(10μl)を添加して2日間培養後、細胞の増殖度をMTTアッセイ法を用いて評価した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、キウイ種子抽出物(1〜100μg/ml)は線維芽細胞の増殖を促進した。
従って、本発明のキウイ種子抽出物を細胞賦活成分として肌に適用することにより、極めて優れた抗老化作用を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚の皺、弛み等を効果的に改善することができることが判る。
【0052】
試験例4;健常人女性を対象とした継続摂取試験(抗シワ作用)
キウイ種子抽出物を摂取する前に肌用レプリカ剤(SKIN CAST)を用いて目尻付近のレプリカを採取した。そして、健常人女性(図6のA〜Jの10名,20〜42才)に本実施例のキウイ種子抽出物(50mg)を4週間自由摂取してもらい、摂取後に再度同じレプリカ剤を用いて目尻付近のレプリカを採取した。採取したレプリカをUSB Microscope M2を用いて一定条件で撮影した後、画像解析ソフト(NIH Image)を用いて摂取前後のシワ面積(NIH Image 解析面積値)を測定し、評価した。その結果を図6に示す。尚、図6において、「NIH Image解析面積」とは、本試験例にて用いた画像解析ソフトにおいて、しわの面積を示す値であり、この数値が大きいほどしわの面積が大きいことを示している。
図6によれば、キウイ種子抽出物の摂取前と4週間摂取後のシワの面積を比較すると、10名中7名のシワ面積(NIH Image解析面積値)が減少した。これにより、ヒトにおいて、目尻のシワ改善作用を有することが判る。
【0053】
試験例5;5α-レダクターゼ阻害作用試験
試験例5−1
試験サンプルとして、実施例1のキウイ種子抽出物を用いた。
テストステロン(3.0μmol)をプロピレングリコール10滴に溶解し、5mMTris-HCl緩衝液(pH 7.2)を加えて5mLとした。この調製溶液500μLに5mMTris-HCl緩衝液(pH 7.2)1mLに溶解したNADPH(5mg)を50μL ならびに1%DMSOに溶解したキウイ種子抽出物を70μL加え、予備加温(37℃)後、酵素液(S-9,オリエンタル酵母,100μL)を加えて1時間インキュベートを行った。その後、ジクロロメタン5mLを加えて反応を停止させた後、ジクロロメタン層を分取し、減圧乾燥を行った。乾燥物にMeOH(50μL)を加えて溶解し、ガスクロマトグラフィー(カラム:DB-17,J&W 移動相:He , 2mL/min カラム温度:250℃)で反応生成物(ジヒドロテストステロン)を定量した。そして、ジヒドロテストステロンの生成量に基づいて、キウイ種子抽出物を加えなかったもの(図7において濃度0μg/mL)のジヒドロテストステロン生成率を100%として、ジヒドロテストステロン生成率を算出した。その結果を図7に示す。
【0054】
試験例5−2
試験サンプルとして、実施例2のクエルシトリンを用いた。
試験は、上記試験例4−1と同様の方法にて行った。その結果を図8に示す。
【0055】
結果
図7によれば、キウイ種子抽出物にジヒドロテストステロンの生成が抑制され、これにより、5α-レダクターゼ阻害活性を有することが判る。これにより、過剰な皮脂の分泌が抑えられ、にきびや男性型脱毛症に効果があることが判る。
また、図8によれば、クエルシトリンにおいてもDHTの生成が抑制されたことが確認された。これにより、5α-レダクターゼ阻害活性を有することが判る。またキウイ種子エキスより活性は強く、IC50値は約30(μg/mL)であった。このことにより、過剰な皮脂の分泌が抑えられ、ニキビに効果があると考えられる。
【0056】
以上により、キウイ種子抽出物は、にきびの予防又は治療するための美肌用組成物として、用いることができ、更に、育毛剤として用いることもできる。特に、キウイ種子抽出物に含有しているクエルシトリンが上記にきび予防機能及び育毛機能を有することが確認された。
【0057】
試験例6;アクネ菌(P. acnes)由来リパーゼ阻害作用
(1)アクネ菌(P.acnes)由来粗リパーゼ分画の調製
P.acnes(岐阜大学から購入)をGAM液体培地で培養後、遠心分離(3000rpm、10min) をして菌体を回収した。その後、回収した菌体にPBSを加えて、超音波破砕をし、再び遠心分離をしてから、上清を回収した。そして、上清をPBSで3日間透析(4℃、1日おきにPBSの交換)後、凍結乾燥をして、アクネ菌由来の粗リパーゼ分画を得た。
【0058】
(2)タンパク定量
回収したアクネ菌由来リパーゼのタンパク質をBCA protein assayを用いて測定した。BCA protein assay reagent Aとreagent Bを10:0.2の割合で混合し、96穴プレートに200μL播種した。その後、粗リパーゼ分画を25μL加えて37℃で30分インキュベートし、吸光度(570nm)を測定した。
その結果、粗リパーゼ分画のタンパク質量は4%(1gあたり40.3mg)であった。
【0059】
(3)リパーゼ阻害作用の測定
リパーゼキットS(大日本製薬)を用いて行った。試験管に発色液390μL、各濃度のキウイ種子抽出物溶液25μL、粗リパーゼ分画(50mg/mL)25μL、エステラーゼ阻害剤10μL、を加え、30℃の恒温槽で5分間予備加温した。その後、基質液を50μL加え、遮光しながら30℃で30分反応させた後、反応停止液を500μL加え415nmの吸光度を測定した。その結果を図9に示す。
図9によれば、濃度依存的にアクネ菌由来リパーゼ阻害作用が確認された。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、にきびの予防や治療するための美肌用組成物として、用いることができる。
【0060】
試験例7;皮脂量に対する継続塗布試験
キウイ種子抽出物溶液のヒトにおける皮膚皮脂量に対する影響を検討した。健常人(図10のA〜Iの男性6名、女性3名、14〜37才)を対象として、キウイ種子抽出物溶液(キウイ種子抽出物1wt%、ブチレングリコール69wt%、水30wt%)1mLをカット綿に染み込ませ、皮膚に直接1日1回2週間塗布してもらい、塗布前後における額付近の指定部位の皮脂量をSEBUMETER SM810で測定した。その結果を図10に示す。
図10によれば、キウイ種子抽出物溶液の摂取前と2週間摂取後の額の指定部位の皮膚皮脂量を比較すると、9名中7名の皮膚皮脂量が顕著に減少した。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトの皮膚に塗布すると、にきびに対する改善効果を有することが判る。
【0061】
試験例8;皮脂量に対する継続経口試験
キウイ種子抽出物のヒトにおける皮膚皮脂量に対する影響を検討した。健常人女性(図11のA〜Dの4名、24〜52才)を対象として、キウイ種子抽出物(50 mg)を2週間継続して経口摂取してもらい、摂取前後における目尻付近の指定部位の皮脂量をSEBUMETER SM810で測定した。その結果を図7に示す。
図11によれば、キウイ種子抽出物摂取前と2週間摂取後の目尻の指定部位の皮膚皮脂量を比較すると、4名中3名の皮膚皮脂量が減少した。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトに経口摂取を行った場合も、にきびに対する改善効果を有することが判る。
【0062】
試験例9;肌pHに対する継続摂取試験
弊社健常人女性(図12のA〜Jの10名)にキウイ種子抽出物(50 mg)を経口にて4週間自由摂取してもらい、摂取前後に上腕内側部の指定部位の皮膚のpHを測定した。キウイ種子抽出物摂取前後に、商品名;SKIN-pH-METER PH900(Courage+Khazaka Electronics GmbH社製)を用いて肌のpHを測定した。その結果を図12に示す。
図12に示されるように、キウイ種子抽出物を4週間服用後の皮膚pHは、服用前に比べて、健康な肌pHであるpH 4.5〜6.0に収束された。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、肌を正常な状態に改善する効果のあることが判る。
【0063】
試験例10;保湿作用試験(外用)
キウイ種子抽出物を蒸留水に溶解し、1wt%水溶液を作製した。この溶液を、ヒトの左上腕内側に1滴塗布し、2センチメートル四方の範囲に延ばし、1分間皮膚に吸い込ませた。1分後皮膚の表面部分に浮いている水溶液をペーパーで吸い取った。1分後から保湿計CORNEOMETER SM 825(Courage+Khazaka Electronics GmbH社製)を用いて表皮水分量(保湿計計測値)を測定した。このとき、表皮水分量の測定は、温度27℃、湿度47%の室内にて行った。その結果を図13に示す。尚、比較例として、蒸留水のみからなる液体についても上述した方法と同様の方法にて実験を行った。尚、図13の「保湿計計測値」とは、本試験例で用いた保湿計で測定された表皮の水分量を示す数値であり、この数値が大きいほど表皮に存在している水分量が多いことを示している。
その結果、図13に示されるように、蒸留水のみを塗布した場合、ほぼ40分で塗布前の水分量に戻っているのに対し、キウイ種子抽出物溶液では、120分以上水分を保持していることがわかる。これにより、キウイ種子抽出物溶液は、保湿効果があることが判る。
【0064】
試験例11;くまに対する継続摂取試験
健常人女性(図14のA〜Fの6名,25〜41才)にキウイ種子抽出物(50 mg)を4週間自由経口摂取してもらい、キウイ種子抽出物摂取前後にSpectro Color Meter SE 2000を用いて目元付近の色差を測定した。その結果を図14に示す。
図14によれば、キウイ種子抽出物摂取前と4週間摂取後の目元の明度(L*値)を比較すると、6名中4名のL*値が上昇し、肌の色調が明るくなる方向に近づいていることが判る。これにより、本実施例のキウイ種子抽出物は、ヒトにおいて、目元のくまの改善作用があることが判る。
【0065】
以下に本発明の美肌用組成物(キウイ種子抽出物)の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
キウイ種子抽出物 0.5
100.0wt%
【0066】
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
キウイ果汁 4.0
キウイフレーバー 0.6
色素 0.02
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0067】
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
キウイ種子抽出物 0.4
100.0wt%
【0068】
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
キウイ種子抽出物 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0069】
配合例5:ソフトカプセル
キウイ種子油 87.0wt%
乳化剤 12.0
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0070】
配合例6:コーヒー飲料(液状)
焙煎コーヒー豆 6.0wt%
砂糖 6.0
重曹 0.2
乳化剤 0.15
キウイ種子抽出物 1.0
水 残余
100.0wt%
【0071】
配合例7:コーヒー飲料(粉末)
インスタントコーヒー 90.0wt%
脱脂乳 7.0
キウイ種子抽出物 3.0
100.0wt%
【0072】
配合例8:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
キウイ種子抽出物 0.05
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0073】
配合例9:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
キウイ種子抽出物 1.0
100.0wt%
【0074】
配合例10:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
キウイ種子抽出物 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
【0075】
配合例11:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
キウイ種子抽出物 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0076】
配合例12:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
キウイ種子抽出物 0.1
精製水 残余
100.0wt%
【0077】
配合例13:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
キウイ種子抽出物 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
【0078】
配合例14:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
キウイ種子抽出物 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0079】
配合例15:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
キウイ種子抽出物 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
【0080】
次に本発明の育毛剤(キウイ種子抽出物)の配合例を示す。尚、本発明の育毛剤は、下記配合例に限定されない。
配合例16:育毛剤(医薬品グレード)
キウイ種子抽出物 5.5wt%
酢酸トコフェロール 0.1
パントテニルアルコール 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ポリオキシエチレン(EO60)硬化ヒマシ油 0.3
香料 0.1
プロピレングリコール 2.0
エタノール 60.0
精製水 残部
合 計 100.0wt%
【0081】
配合例17:ヘヤートニック
エタノール 60.0wt%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (E.O60モル) 0.5
グリセリン 3.0
メントール 0.2
キウイ種子抽出物 0.3
香料及び色素 適量
イオン交換水 残余
全体量 100wt%
【0082】
配合例18:シャンプー
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(E.O 2モル) 15.0
ヤシ油脂肪族ジエタノールアミド 5.0
グリセリン 3.0
キウイ種子抽出物 0.4
エタノール 5.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
全体 100wt%
【0083】
配合例19:ヘヤークリーム
流動パラフィン 20.0wt%
固形パラフィン 3.0
ポリオキシエチレンセチル エーテル(E.O 15モル) 2.0
ソルビタンセスキオレート 1.0
キウイ種子抽出物 0.2
エタノール 10.0
水酸化カリウム 0.1
グリセリン 3.0
香料及び防腐剤 適量
イオン交換水 残余
全体 100wt%
【0084】
配合例20:軟膏剤
サラシミツロウ 5.0wt%
精製ラノリン 5.0
キウイ種子抽出物 1.0
香料 0.1
ワセリン 残余
全体 100wt%
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上、説明したように、本発明の美肌用組成物は、上述した化学式(1)に示された化合物(例えば、クエルシトリン等)を有効成分として含有することにより、しわ、くま、たるみ等を改善することができ、更に、美白効果を有するものである。また、本発明の美肌用組成物は、にきびの予防、治療等に効果のあるものである。更に、本発明の育毛剤は、育毛効果の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施例1のキウイ種子抽出物の濃度とB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2のクエルシトリンの濃度とB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3のケンフェロール3‐O‐ラムノシドとB16メラノーマ細胞によるメラニン生成率との関係を示すグラフである。
【図4】キウイ種子エキス200 mg/kg群,400 mg/kg群,800 mg/kg群の4群における紫外線照射日数とモルモットの色素沈着抑制作用との関係を示すグラフである。
【図5】キウイ種子抽出物の濃度と線維芽細胞NB1RGB細胞に及ぼす作用の関係を示すグラフである。
【図6】キウイ種子抽出物の摂取前と4週間摂取後のシワの面積を比較したグラフである。
【図7】キウイ種子抽出物濃度とジヒドロテストステロン生成率との関係を示すグラフである。
【図8】クエルシトリン濃度とジヒドロテストステロン生成率との関係を示すグラフである。
【図9】キウイ種子抽出物濃度とアクネ菌(P. acnes)由来リパーゼ阻害作用との関係を示すグラフである。
【図10】キウイ種子抽出物溶液の塗布前と2週間塗布後の額の指定部位の皮膚皮脂量を比較したグラフである。
【図11】キウイ種子抽出物の摂取前と2週間摂取後の目尻の指定部位の皮膚皮脂量を比較したグラフである。
【図12】キウイ種子抽出物を摂取前と4週間摂取後の皮膚pHを比較したグラフである。
【図13】キウイ種子抽出物1分間皮膚に吸い込ませた場合における表皮水分量の時間経過と、蒸留水を1分間皮膚に吸い込ませた場合における表皮水分量の時間経過とを示すグラフである。
【図14】キウイ種子抽出物の経口摂取前と4週間経口摂取後の目元の明度(L*値)を比較したグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出物の全質量を100wt%とした場合においてクエルシトリンを0.02wt%以上含有することを特徴とするキウイ種子抽出物。
【請求項1】
抽出物の全質量を100wt%とした場合においてクエルシトリンを0.02wt%以上含有することを特徴とするキウイ種子抽出物。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【公開番号】特開2012−51938(P2012−51938A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253286(P2011−253286)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2006−61719(P2006−61719)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2006−61719(P2006−61719)の分割
【原出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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