説明

美顔用マスク及びこれを用いた美容方法

【課題】本発明は顔に装着して美容効果を増進させるのに用いる美顔用マスク及びこれを用いた美容方法に関し、化粧料を有効に肌に浸透させることを課題とする。
【解決手段】美顔用マスク10を用いた美容方法において、化粧料を含浸しうる材料よりなる化粧料含浸用マスク30に化粧料を含浸させ、この化粧料含浸用マスク30を被装着者Aの顔に装着し、その後、化粧料含浸用マスク30が装着された被装着者Aの顔に、マスク本体11の内面10aが被装着者Aの個々の顔形状に一致した形状を有する美顔用マスク10を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美顔用マスク及びこれを用いた美容方法に係り、特に顔に装着して美容効果を増進させるのに用いる美顔用マスク及びこれを用いた美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキンケアの方法は多様化する傾向にある。このスキンケアの方法としては、肌上に化粧料を直接塗布し、この化粧料に含まれる有効成分の作用によりスキンケアを行う方法が一般的である。これに対し、他のスキンケアの方法としては、化粧料を含浸させたマスク(以下、化粧料含浸マスクという)を顔に被覆させ、これにより化粧料の美容成分を肌に有効に浸透させる方法が多用されるようになってきている。この際、化粧料含浸マスクの材料としては、不織布が用いられる。
【0003】
この化粧料含浸マスクを用いたスキンケアの方法では、化粧料を有効に肌に浸透させるには、化粧料含浸マスクを顔に密着させる必要がある。顔と化粧料含浸マスクとの間に隙間があった場合、化粧料含浸マスクに含浸された化粧料を肌に浸透させることはできない。
【0004】
そこで、従来より化粧料含浸マスクを構成する不織布よりなるマスク本体に、切り込みや孔を形成することが行われている(特許文献1,2参照)。マスク本体に切り込みや孔を形成することにより、この形成位置でマスク本体を折り曲げることができ、化粧料含浸マスクの形状を顔の凹凸に合わせて変形させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−113511号公報
【特許文献2】特開2004−262901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら顔の凹凸は複雑であり、単にマスク本体に切り込みや孔を形成しただけの構成では、顔の全面に隙間なく化粧料含浸マスクを装着することが困難であるという問題点があった。
【0007】
また、化粧料含浸マスクに含浸された化粧料が揮発性を有している場合、単にマスク本体に化粧料を含浸させた構成では、化粧料が揮発して飛散してしまう。このため、化粧料を効果的に肌に浸透させることができないという問題点もあった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、化粧料を有効に肌に浸透させることを可能とした美顔用マスク及びこれを用いた美容方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、第1の観点からは、
被装着者の顔を覆うように被せて使用される美顔用マスクであって、
マスク本体の内面が、前記被装着者の個々の顔形状に一致した形状を有してなることを特徴とする美顔用マスクにより解決することができる。
【0010】
また上記の課題は、第2の観点からは、
化粧料含浸用マスクに前記化粧料を含浸させ、該化粧料含浸用マスクを被装着者の顔に装着するステップと、
前記化粧料含浸用マスクが装着された前記被装着者の顔に、マスク本体の内面が前記被装着者の個々の顔形状に一致した形状を有する美顔用マスクを装着するステップとを有する美顔用マスクを用いた美容方法により解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
開示の美顔用マスクによれば、マスク本体の内面が被装着者の個々の顔形状に一致した形状を有しているため、被装着者の顔に隙間なく密着させることが可能となる。
【0012】
また、開示の美顔用マスクを用いた美容方法によれば、化粧料含浸用マスクを被装着者の顔に装着した後、マスク本体の内面が被装着者の顔形状に一致した形状の美顔用マスクを装着するため、化粧料含浸用マスクを被装着者の顔に密着させることができ、化粧料を顔に有効に浸透させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(A)は本発明の一実施形態である美顔用マスクを装着している状態を示す部分断面図であり、図1(B)本発明の一実施形態である美顔用マスクの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その1)。
【図3】図3は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その2)。
【図4】図4は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その3)。
【図5】図5は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの製造方法を説明するための図である(その4)。
【図6】図6は、本発明の一実施形態である美顔用マスクを用いた美容方法を説明するための図である(その1)。
【図7】図7は、本発明の一実施形態である美顔用マスクを用いた美容方法を説明するための図である(その2)。
【図8】図8は、本発明の一実施形態である美顔用マスクを用いた美容方法を説明するための図である(その3)。
【図9】図9は、本発明の一実施形態である美顔用マスクを用いた美容方法を説明するための図である(その3)。
【図10】図10は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの第1変形例である美顔用マスクの断面図である。
【図11】図11は、本発明の一実施形態である美顔用マスクの第2変形例である美顔用マスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0015】
図1(A)は、被装着者Aが本発明の一実施形態である美顔用マスク10を装着した状態を示しており、また図1(B)は美顔用マスク10の外観を示している。図1(A)に示すように、美顔用マスク10は被装着者Aの顔を覆うように被せて使用される美顔用のマスクである。
【0016】
美顔用マスク10は、アモルファス・ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリ塩化ビニル(PCV)、発泡ポリエチレン(発泡PE)等の樹脂によりなる樹脂成形品である。よって、美顔用マスク10は、外部に対して非通気性を有している。しかしながら、美顔用マスク10の被装着者Aの鼻及び口に対向する位置には通気孔(図示せず)が設けられており、美顔用マスク10の装着時に被装着者Aが息苦しくなるようなことはない。
【0017】
また、本実施形態に係る美顔用マスク10は、その内面10aが被装着者Aの顔形状に一致した形状を有するよう構成されている。即ち、個々の被装着者Aはそれぞれ異なる顔立ちを有しており、よって顔表面の形状(凹凸)も異なっている。本実施形態では美顔用マスク10をいわゆるオーダーメードで製造することにより、その内面10aを個々の被装着者Aの顔表面の形状に沿った形状としている。
【0018】
これにより、被装着者Aが美顔用マスク10を装着した際、美顔用マスク10は被装着者Aの顔にフィットした(密着した)状態となる。ここで、美顔用マスク10は被装着者Aの顔にフィットするとは、美顔用マスク10の内面10aと被装着者Aの顔表面とが接触した状態或いは一定の間隔以下(後述する化粧料含浸用マスク30の厚さにより異なるが、例えば1mm以下)である状態をいうものとする。
【0019】
尚、図1(A)において、符号30で示すのはマスク本体30aに化粧料を含浸させた化粧料含浸用マスクである。この化粧料含浸用マスク30については、後述するものとする。
【0020】
次に、上記構成とされた美顔用マスク10の製造方法について説明する。
【0021】
図2乃至図5は、美顔用マスク10の製造方法を製造手順に沿って示している。美顔用マスク10を製造するには、先ず被装着者Aの顔の三次元画像データを取り込む。この被装着者Aの顔の三次元画像データを取り込むには、図2に示す三次元計測ユニット20を用いる。三次元計測ユニット20は、大略するとカメラ21と画像生成装置22とを有している。
【0022】
カメラ21はCCDカメラであり、被装着者Aの顔を撮像する。撮像された被装着者Aの撮像データは、画像生成装置22に送信される。この際、カメラ21の解像度は高い方が望ましいが、市販されているデジタルカメラ程度の解像度であっても対応可能である。
【0023】
本実施形態では、パーソナルコンピュータにより画像生成装置22を実現している。パーソナルコンピュータには、三次元画像生成用のソフトウェアがインストールされている。そして、この三次元画像生成用ソフトウェアが実行されることにより、カメラ21から送信された撮像データに基づき被装着者Aの三次元画像データが生成される。
【0024】
この被装着者Aの三次元画像データは、図示しない三次元精密加工装置に送られる。この三次元精密加工装置は多軸(例えば5軸)のマシニングセンターであり、被装着者Aの三次元画像データに基づき基材を切削加工することにより、被装着者Aの顔形状に対応した顔モデルを作製する。
【0025】
図3は、このようにして作製された被装着者Aの顔モデルを示している。この顔モデルは、後述する美顔用マスク10を成形する工程において金型として機能するものである(以下,顔モデルを金型23という)。上記の説明から明らかなように、金型23の表面23aの形状は被装着者Aの顔形状と一致している。
【0026】
図4は、金型23を用いて美顔用マスク10の成形を行う工程を示している。この美顔用マスク10の成形処理は、真空成形装置35は、金型23、ヒータ24、マスク素材25、及び成形用基台27等により構成されている。
【0027】
金型23は、同図に示すように成形用基台27の上部に搭載される。成形用基台27は、金型23が搭載される面に多数の吸引孔28が形成されている。また、成形用基台27の内部には空間部27aが形成されており、吸引孔28はこの空間部27aに連通している。
【0028】
更に、成形用基台27の側部に形成された通路29は図示しない真空ポンプに接続されている。よって、真空ポンプが起動することにより空間部27a内は負圧となり、吸引孔28の形成位置では吸引処理が行われる。この吸引力により、金型23は成形用基台27に固定される。
【0029】
マスク素材25は、美顔用マスク10となる素材シートである。前記したように、マスク素材25の材質としては、A−PET、PCV、発泡PE等の樹脂を用いることができる。本実施形態では、マスク素材25として熱成形性(真空成形性)、ガスバリヤー性、衛生性、耐薬品性等に優れたA−PETを用いている。
【0030】
このマスク素材25の外周は、枠材26により保持されている。また、成形用基台27の空間部27a内及びマスク素材25の上部にはヒータ24が配設されている。即ち、金型23は、一対のヒータ24に挟まれた構成となっている。マスク素材25は、この一対のヒータ24により加熱されて軟化する。
【0031】
上記構成を有した真空成形装置35を用いて美顔用マスク10の成形を行うには、先ず金型23を成形用基台27に装着する。この際、まだ真空ポンプは停止された状態であり、よって吸引力は作用していない。次に、枠材26を下動させてマスク素材25を金型23の表面23a上に載置させる。尚、この時には、まだ表面23aとマスク素材25との間に間隙が形成されていてもよい。
【0032】
このように、成形用基台27に対する金型23及びマスク素材25の装着処理が終了すると、ヒータ24及び真空ポンプが起動される。ヒータ24が起動することにより、マスク素材25は加熱されて軟化した状態となる。
【0033】
尚、本実施形態では、マスク素材25に対する加熱をマスク素材25が金型23に当接した後に開始する構成を示した。しかしながら、マスク素材25が金型23上に載置する前から、上部に位置するヒータ24により予熱する構成としてもよい。また、金型23の表面に、予め離型材を塗布しておいてもよい。
【0034】
マスク素材25を保持する枠材26は、成形用基台27に吸着されることにより密着固定される。そして、マスク素材25は枠材26の内側で成形用基台27により真空吸引処理が行われるため、金型23の表面23aに密着する。この際、前記のようにマスク素材25はヒータ24により加熱されることにより軟化しているため、金型23の表面23aに隙間なく密着した状態となる。
【0035】
このようにマスク素材25を金型23の表面23aに密着させると、ヒータ24を停止させる。これによりマスク素材25の温度は低下し、マスク素材25は樹脂硬化する。マスク素材25の硬化が終了すると、図5に示すように、マスク素材25は金型23から離型され、これにより美顔用マスク10が製造される。このようにして製造された美顔用マスク10は、その内面10aが被装着者Aの顔形状に一致した形状となる。
【0036】
本実施形態による美顔用マスク10の製造方法では、被装着者Aの顔形状と一致した表面23aを有する金型23を用いると共に真空成形法により美顔用マスク10を製造するため、被装着者Aの顔形状と一致した内面10aを有する美顔用マスク10を容易かつ正確に製造することができる。
【0037】
また、三次元計測ユニット20を構成する画像生成装置22及び真空成形装置35は被装着者Aの自宅に設置することは困難であるため、美顔用マスク10の製造工場等(以下、マスク作製施設という)に設置される。しかしながら被装着者Aの顔の撮像処理は、上記のように市販されているデジタルカメラにより行うことが可能であるため、自宅で行うことが可能である。
【0038】
前記のように美顔用マスク10は個々の被装着者Aのオーダーメードで製造されるが、デジタルカメラにより撮像した被装着者Aの画像データ(写真データ)は、SDメモリカード(登録商標)等の記録媒体に記録することにより、又はインターネットを利用して送信することにより、容易にマスク作製施設に送付することができる。よって、オーダーメードの美顔用マスク10であっても、個々の被装着者に対して美顔用マスク10を容易かつ確実に提供することができる。
【0039】
次に、上記した美顔用マスク10を用いた美容方法について説明する。
【0040】
図1及び図6乃至図9は、本発明の一実施形態である美顔用マスク10を用いた美容方法を説明するための図である。本実施形態に係る美容方法は、美顔用マスク10と化粧料含浸用マスク30の二つのマスクを用いて被装着者Aの顔に化粧料を浸透させる美容方法である。
【0041】
また本実施形態に係る美容方法は、化粧料含浸用マスク30を被装着者Aの顔に装着する第1のステップと、更にその上に美顔用マスク10を装着する第2のステップを有している。図6乃至図8は第1のステップを示し、図9及び図1は第1のステップを示している。
【0042】
図6は、化粧料含浸用マスク30を被装着者Aの顔に装着する前の状態を示している。化粧料含浸用マスク30は、含水性を有する不織布よりなる。尚、化粧料含浸用マスク30の材質は不織布に限定されるものではなく、含水性を有する織布、コットン、紙類等を用いることも可能である。
【0043】
化粧料含浸用マスク30には、化粧料が含浸されている。化粧料含浸用マスク30に含浸される化粧料は、薬剤、保湿剤、美容成分などのマスクとしての有効成分に、精製水、防腐剤、エタノール等を添加したものであり、肌に密着させたとき有効成分が肌に浸透して美肌効果を発揮するものである。
【0044】
これらの成分は、例えば1.0〜30%の保湿剤、0.05〜5%の薬剤、0.1〜10%の高分子、適量の精製水及びエタノールの割合で配合される。尚、マスクとしての有効成分は、以上のものに限られず、化粧料に配合することが可能な肌への効果を期待できる全ての成分を使用することができる。
【0045】
図7は、化粧料含浸用マスク30の正面図である。化粧料含浸用マスク30のマスク本体30aは、同図に示すように略円形の形状を有している。しかしながら、単に円形状であると被装着者Aの肌との密着性が低下するため、マスク本体30aには複数のスリット31が形成されている。また、装着時に被装着者Aの目及び口と対向する位置には開口部32が形成され、鼻と対向する位置にはスリット36が形成されている。
【0046】
図8は、被装着者Aが化粧料含浸用マスク30を装着した状態を示している。上記の化粧料含浸用マスク30を装着しただけでも、一定の美容効果が期待できる。しかしながら、化粧料含浸用マスク30は円形状とされた不織布等にスリット31を設けた構成であるため、化粧料含浸用マスク30を装着しても、その全ての面を顔に密着させることができず、顔から離間した部位が必然的に発生してしまう。
【0047】
図8に示す例では、被装着者Aの顎の部分において化粧料含浸用マスク30が顔から離間した状態となっている(図8に、離間部分を矢印Pで示している)。この離間部Pは、顔形状が大きく変化する顎、鼻の近傍、唇近傍等で多く発生する。
【0048】
このように、化粧料含浸用マスク30の離間部Pでは、含浸した化粧料を被装着者Aの肌に浸透させることができず、美容効果が低減してしまう。また、化粧料含浸用マスク30に含浸させた化粧料が揮発性を有している場合、化粧料が化粧料含浸用マスク30から揮発してしまうため、化粧料を効果的に肌に浸透させることができないという問題点が生じることは前述した通りである。
【0049】
そこで、本実施形態に係る美容方法では、化粧料含浸用マスク30を被装着者Aの顔に装着した後、その上部に更に美顔用マスク10を装着することを特徴としている。前記のように、美顔用マスク10の内面10aは被装着者Aの顔形状に一致した形状を有している。よって、化粧料含浸用マスク30に離間部Pが発生していたとしても、この離間部Pは美顔用マスク10により被装着者Aの顔に向け押圧される。
【0050】
図1は、美顔用マスク10が装着された状態を示している。同図に示すように、美顔用マスク10を装着することにより、化粧料含浸用マスク30の全ての面を被装着者Aの顔に密着させることができる。これにより、化粧料含浸用マスク30に含浸された化粧料を被装着者Aの肌に有効に浸透させることができ、化粧料含浸用マスク30のみによる美容方法に比べ、美容効果を増大させることができる。
【0051】
また、前記のように化粧料含浸用マスク30は非通気性を有しているため、化粧料含浸用マスク30に含浸させた化粧料は美顔用マスク10を介して揮発、飛散するようなことはない。即ち、化粧料含浸用マスク30から揮発した化粧料の揮発成分(これを揮発化粧料成分という)は、美顔用マスク10の内部に留まることとなる。
【0052】
よって、従来では揮発してしまう揮発化粧料成分も被装着者Aの肌に作用することとなるため、これによっても美容効果を高めることができる。更に、従来に比べ、化粧料含浸用マスク30に含浸させる化粧料の含浸量を低減させることもできる。
【0053】
図10及び図11は、上記した美顔用マスク10の変形例を示している。
【0054】
図10は、美顔用マスク10の第1変形例である美顔用マスク40を示している。本変形例に係る美顔用マスク40は、マスク本体41の内側に変形可能部材42を設けたことを特徴としている。マスク本体41は、美顔用マスク10のマスク本体11と同様にA−PET、PCV、発泡PE等の樹脂成型品である。また、変形可能部材42はシリコンゴム、スポンジ等の変形が可能な材料により形成されている。この変形可能部材42は、接着剤によりマスク本体41に固定されている。
【0055】
上記構成とされた美顔用マスク40は、被装着者Aの顔に装着した場合に変形可能部材42が変形することにより、内面40aが被装着者Aの顔形状に対応した形状に変形する。よって、マスク本体41自体の内面形状を精度良く被装着者Aの顔形状に形成する必要がなくなり、マスク本体41の製造を容易化することができる。
【0056】
また、変形可能部材42をマスク本体41に対して装着可能な構成とすると共に、変形可能部材42自体に化粧料を含浸可能な構成とすることにより、化粧料含浸用マスク30を用いることなく、化粧料を被装着者Aの肌に浸透させることも可能となる。
【0057】
図11は、美顔用マスク10の第2変形例である美顔用マスク50を示している。本変形例に係る美顔用マスク50は、マスク本体51を変形可能な材料により形成したことを特徴とするものである。本変形例では、マスク本体51をシリコンゴムにより形成している。
【0058】
本変形例のように、マスク本体51全体を変形可能な材料により形成しても、美顔用マスク50を被装着者Aの顔に装着した際、マスク本体51が変形することにより内面50aが被装着者Aの顔形状に対応した形状に変形させることができる。また、マスク本体51の材質を含水性を有する材料とすることにより、マスク本体51自体に化粧料を含浸させることも可能となる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0060】
具体的には、美顔用マスク10の内面10aは必ずしも被装着者Aの顔形状に完全に一致させる必要はなく、部分的に被装着者Aの顔形状と異なる部位を設けてもよい。例えば、被装着者Aが顔の特定箇所の肌のたるみを気にしている場合、たるみの発生している箇所に対応する内面10aの形状を肌をリフトアップしうる形状とすることも可能である。この構成とすることにより、化粧料の肌への浸透により美容効果と、肌のリフトアップによる美容効果の双方を同時に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
10,40,50 美顔用マスク
10a 内面
11,41,51 マスク本体
20 三次元計測ユニット
21 カメラ
22 画像生成装置
23 金型
25 マスク素材
27 成形用基台
28 吸引孔
30 化粧料含浸用マスク
31 スリット
35 真空成形装置
32 開口部
42 変形可能部材
A 被装着者
P 離間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装着者の顔を覆うように被せて使用される美顔用マスクであって、
マスク本体の内面が、前記被装着者の個々の顔形状に一致した形状を有してなることを特徴とする美顔用マスク。
【請求項2】
前記マスク本体は、樹脂成形品である請求項1に記載の美顔用マスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、非通気性を有する請求項1又は2に記載の美顔用マスク。
【請求項4】
化粧料を含浸しうる材料よりなる化粧料含浸用マスクに化粧料を含浸させ、該化粧料含浸用マスクを被装着者の顔に装着するステップと、
前記化粧料含浸用マスクが装着された前記被装着者の顔に、マスク本体の内面が前記被装着者の個々の顔形状に一致した形状を有する美顔用マスクを装着するステップとを有する美顔用マスクを用いた美容方法。
【請求項5】
前記化粧料として揮発性を有する化粧料を用いた請求項4に記載の美顔用マスクを用いた美容方法。
【請求項6】
前記マスク本体は、樹脂成形品である請求項4又は5に記載の美顔用マスクを用いた美容方法。
【請求項7】
前記マスク本体は非通気性を有する材料よりなる請求項4乃至6のいずれか一項に記載の美顔用マスクを用いた美容方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−30745(P2011−30745A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179473(P2009−179473)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】