説明

翻訳装置及び方法

【課題】翻訳辞書にない未知語についても翻訳結果の理解を補助すること。
【解決手段】翻訳辞書にない未知語についても、画像検索結果を翻訳結果に加えて出力することにより、画像は言語に依存しない補助情報として誰でも内容が理解できることから、翻訳結果の理解を補助することが可能となる。検索結果の画像について、翻訳文のうち未知語の部分に置き換えて出力すれば、翻訳文の文脈に含まれる要素として自然に把握できるので、翻訳結果の理解をより効果的に補助することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動翻訳に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータを用いた自動翻訳が普及している。自動翻訳の概要は、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を用い、原文に含まれる語をそれぞれ対応する翻訳語に置き換え、原文を解析した構文や意味に応じた翻訳文として出力する技術である。このような自動翻訳の分野において、翻訳の質を改善する各種の工夫が提案されている。例えば、原文の語に翻訳先言語で対応する翻訳語の候補が複数ある場合、各候補ごとの画像検索結果を表示することで、ユーザの検索意図を反映した適切な翻訳語の選択を支援する工夫が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−198525号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】独立行政法人 情報通信研究機構、「EDR電子化辞書仕様説明書(章単位でのダウンロード)」、[online]、[2011年2月25日検索]、インターネット〈URL: http://www2.nict.go.jp/r/r312/EDR/JPN/TG/TG-View.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の例では、翻訳辞書に含まれる語については、翻訳語を選択する助けとなることが考えられる。しかしながら、実際には、著名人の愛称、作品上の固有名詞、各種の造語、略称、俗語など、新語だったり適切な訳語が無いなどの事情で翻訳辞書に含まれない語(本出願において「未知語」と呼ぶ)が原文に含まれる場合も多い。従来、このような未知語はそのまま、翻訳先言語に応じて例えばローマ字表記などとして、翻訳文のうち未知語に対応する部分に含めて出力するだけだったため、翻訳結果の理解に役立たないという問題があった。
【0006】
上記の課題に対し、本発明の目的は、翻訳辞書にない未知語についても翻訳結果の理解を補助することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)である翻訳装置は、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段と、翻訳元言語の原文を取得する原文取得手段と、取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳手段と、前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出手段と、検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索手段と、取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様(6)は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段を有する翻訳装置を用いる翻訳方法であって、翻訳元言語の原文を取得する原文取得処理と、取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳処理と、前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出処理と、検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索処理と、取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力処理と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(7)は、上記態様をコンピュータ・プログラムのカテゴリで捉えたもので、コンピュータの翻訳プログラムにおいて、翻訳元言語の原文を取得する原文取得処理と、取得された前記原文を、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳処理と、前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出処理と、検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索処理と、取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
このように、翻訳辞書にない未知語についても、画像検索結果を翻訳結果に加えて出力することにより、画像は言語に依存しない補助情報として誰でも内容が理解できることから、翻訳結果の理解を補助することが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記結果出力手段は、取得された前記画像検索結果として、前記画像検索結果である画像を、前記翻訳文の表示において前記未知語に置き換えて出力することを特徴とする。
【0012】
このように、検索結果の画像について、翻訳文のうち未知語の部分に置き換えて出力することにより、翻訳文の文脈に含まれる要素として自然に把握できるので、翻訳結果の理解をより効果的に補助することが可能となる。
【0013】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記画像検索手段は、前記未知語を検索語とした検索要求を、前記翻訳元言語の画像検索サーバに送信することを特徴とする。
【0014】
このように、未知語をキーワードとした画像検索を、翻訳元言語の画像検索サーバに行わせることにより、翻訳元言語の画像検索サーバは未知語に関する検索用インデックスなどの情報を多く持つはずであることから、未知語についてより充実した画像検索結果を得て翻訳結果の理解をより効果的に補助することが可能となる。
【0015】
本発明の他の態様(4)は、上記いずれかの態様において、前記結果出力手段は、前記翻訳文を画面に表示し、表示された翻訳文のうち前記未知語に対応する部分について所定の操作が入力されたときに、前記画像検索結果を出力することを特徴とする。
【0016】
このように、クリックなど所定の操作を経て画像検索結果を表示することにより、翻訳文中に最初から画像が表示されることがない。このため、当初から画像の高さで改行ピッチが広がって翻訳文の一覧性を損なう不便がなく、また、パケット通信料や人目を気にする場合もユーザが判断するタイミングで画像を表示できるので優れた使い勝手が得られる。
【0017】
本発明の他の態様(5)である翻訳装置は、上記いずれかの態様において、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段と、翻訳元言語の原文を取得する原文取得手段と、取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による第一の翻訳文に翻訳する翻訳手段と、前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出手段と、検出された前記未知語についてウェブ検索結果を取得するウェブ検索手段と、取得された前記ウェブ検索結果を前記翻訳先言語に翻訳した第二の翻訳文を、前記第一の翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
このように、翻訳辞書にない未知語についても、ウェブ検索結果を翻訳先言語に翻訳した第二の翻訳文を、翻訳結果に加えて出力することにより、翻訳先言語しか解さない人でも、翻訳元言語圏における未知語の検索結果の翻訳から未知語の位置付けなど内容が理解でき、翻訳結果の理解を補助することが可能となる。
【0019】
なお、上記の各態様と異なるカテゴリ(装置に対し方法、方法に対しプログラムなど)や、以下に説明するさらに具体的な各態様も本発明に含まれる。上記の各態様と異なるカテゴリについては、「手段」を「処理」又は「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの実行順序は上記のものに限定されず、適宜変更したりまとめて処理するなど、変更可能である。さらに、方法やプログラムのカテゴリにおいて、個々の処理を実行する「コンピュータ」は共通でもよいし処理ごとに異なってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、翻訳辞書にない未知語についても翻訳結果の理解を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態(第1実施形態)の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における情報(データ)を例示する図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態における画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の一例として、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0023】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1(構成図)に示す翻訳装置1(「本装置」又は「本装置1」とも呼ぶ)に関するもので、本装置1は、通信ネットワークN経由で端末Tに対し翻訳のサービスを提供するウェブサーバの例であるが、スタンドアロンのソフトウェアや装置として実現してもよい。また、図1の構成図は、その右側に破線の矩形で処理に関する情報などの内容例を併記したものである。
【0024】
まず、本装置1は、コンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークN(例えば、インターネット、携帯電話網、PHS網など)との通信手段8(通信ゲートウェイ装置、携帯電話網やPHS網との通信回路、無線LANアダプタなど)と、を有する。また、端末Tは、図示は省略するが、上記のようなコンピュータの構成に加え、液晶表示パネルやタッチパネル、押しボタンなどを用いた入出力部を有する電子情報機器で、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPC、モバイルPC、据置型PCなどであり、図1では少数を示すが実際にはユーザ数に応じ多数存在する。
【0025】
一方、本装置1では、記憶装置7に記憶(インストール)した所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(10,20など)を実現する。それら各要素のうち、情報の記憶手段は、記憶装置7において各種のデータベース(「DB」とも表す)やファイル、配列等の変数、各種スタックやレジスタ、システム設定値など任意の形式で実現できる。
【0026】
このような記憶手段のうち、翻訳辞書記憶手段25は、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している手段である。翻訳辞書の内容については、従来同様のデータでよいので図示は省略するが、基本的には(例えば、非特許文献1参照)、ある語(例えば「2月」)の表記、品詞、発音、意味属性と、対照(対訳)データである訳語(「February」)などを含み、さらに訳語についても表記、品詞、発音、意味属性などを含む。
【0027】
また、記憶手段以外の各手段は、以下のような情報処理の機能・作用を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0028】
〔2.作用と効果〕
〔2−1.概要〕
上記のように構成した本実施形態では、図3のフローチャートに示すように、まず、原文取得手段10が、翻訳元言語(日本語とする)の原文(例えば図1の内容例ex1)を取得すると(ステップS1)、翻訳手段20が、取得された原文を、翻訳辞書を用いて翻訳先言語(英語とする)による翻訳文(例えば内容例ex2)に翻訳する(ステップS2)。原文の取得について、入力欄へのタイプ入力、ファイルのアップロードなど態様は自由である。
【0029】
そして、未知語検出手段30が、原文から翻訳辞書に含まれない未知語を検出すると(ステップS3:「YES」)、画像検索手段40が、検出された未知語について画像検索結果を取得する(ステップS4)。例えば、図1の例において、原文である内容例ex1中の語「キムタク」について、翻訳辞書にない場合、翻訳文である内容例ex2中では「Kimutaku」(内容例ex3)とローマ字表記するしかない。この場合、画像検索手段40が、検出された未知語(原語である日本語で検索する場合は「キムタク」)に基づく画像検索結果を取得し(ステップS4)、結果出力手段50は、取得された画像検索結果を、翻訳文のうち未知語に対応する部分に関して出力する(ステップS5。例えば内容例ex5)。ここで、出力する画像検索結果は、検索でヒットした画像を複数含むような画像検索結果のウェブページ自体でもよいし、ヒットした個別の画像そのものでもよい。
【0030】
このように、翻訳辞書にない未知語についても、画像検索結果を翻訳結果に加えて出力することにより(例えばステップS5)、画像は言語に依存しない補助情報として誰でも内容が理解できることから、翻訳結果の理解を補助することが可能となる。
【0031】
〔2−2.画像の検索〕
特に、未知語について画像検索手段40が取得(ステップS4)する画像検索結果は、典型的には、いわゆるインターネットの検索エンジン(いわゆる検索サイト、ネット検索)による画像検索の結果であることが望ましい。この場合、画像検索手段40は、未知語(上記の例では「キムタク」という文字列)を検索語とした検索要求を、翻訳元言語(例えば日本語)の画像検索サービスを提供している、例えば画像検索サーバ2に送信する。
【0032】
このように、未知語をキーワードとした画像検索を、翻訳元言語の画像検索サーバ(例えば2)に行わせることにより、翻訳元言語の画像検索サーバは未知語に関する検索用インデックスなどの情報を多く持つはずであることから、未知語についてより充実した画像検索結果を得て翻訳結果の理解をより効果的に補助することが可能となる。
【0033】
但し、画像検索結果にいう「画像検索」は、検索エンジンによるものには限定されず、例えば、人名と画像の対照辞書(例えば図2)から、未知語をキーにマッチする人名を検索し、対応する画像を取得したなどの検索結果でもよく、こうすれば検索エンジンに依存せず、また検索エンジンで検索によりヒットする画像の有無や是非を問わず、予め適切と判断した画像を安定して使用可能となる。また、ネット検索による場合も含め、該当する画像が複数ある場合において、そのなかから取得する画像又は出力する画像を選ぶ基準については、最初の画像でもよいし、相互に類似の画像が多い画像など、選ぶ画像の数も含め、自由に定めることができる。
【0034】
〔2−3.出力の態様〕
なお、図1の例では、取得された画像検索結果として、翻訳文中に画像を最初から表示したが(図1の内容例ex5)、他の出力例として、所定の操作を経て画像検索結果を表示してもよい。この場合、図4(1)に例示するように結果出力手段50は、ウィンドウG1などに翻訳文T0を画面表示する際、例えば未知語部分にハイパーリンクLを表示したり、その近くの注意喚起アイコンMを表示する。そして、結果出力手段50は、表示された翻訳文T0のうち未知語に対応する部分であるハイパーリンクLや注意喚起アイコンMについて、マウスカーソルCでクリック操作するなど所定の操作が入力されたときに、図4(2)に例示するように、別のウィンドウG2などに画像検索結果を出力する。
【0035】
この際、画像検索結果の表示については、別のウィンドウG2に限らず、ウィンドウG1の内容が全面的に入れ替わる形で他のページへ遷移する形でもよいし、ページ遷移無しでウィンドウG1内にウィンドウG2を入れ子に表示してもよいし、ウィンドウG1とは別個独立の新規ウィンドウがポップアップするなどの形でもよいが、いずれにしても画像検索結果を別のウィンドウに表示することは必須ではないので、ウィンドウや表示領域などを特段明示的に区切ることなく、翻訳文T0の下方や傍などに画像が現れるようにしてもよい。
【0036】
このように、クリックなど所定の操作を経て画像検索結果を表示することにより、翻訳文中に最初から画像が表示されることがない。このため、当初から画像の高さで改行ピッチが広がって翻訳文の一覧性を損なう不便がなく、また、パケット通信料や人目を気にする場合もユーザが判断するタイミングで画像を表示できるので優れた使い勝手が得られる。なお、この場合、画像検索結果を取得するタイミングについては、操作の時点でリアルタイムに検索して出力するのでもよいし、予め得ておいた検索結果を、操作を待って出力するのでも、どちらでもよい。
【0037】
もちろん、典型的には、図1の内容例ex5に示すように、図1に画像検索結果である画像Gを、翻訳文の表示において未知語に置き換えて出力することが、ユーザに対して直観的に意味を把握してもらえる面においては望ましい。
【0038】
このように、検索結果の画像について、翻訳文のうち未知語の部分に置き換えて出力することにより、翻訳文の文脈に含まれる要素として自然に把握できるので、翻訳結果の理解をより効果的に補助することが可能となる。
【0039】
〔3.第2実施形態〕
上記実施形態(第1実施形態と呼ぶこととする)では、未知語の理解を画像で補助したが(例えば図1の内容例ex5)、翻訳先言語で未知語の理解を補助することもできる(第2実施形態)。第2実施形態の構成(図示は省略)については、第1実施形態と比べた場合、翻訳辞書記憶手段、原文取得手段及び未知語検出手段は同様でよいが、翻訳手段と結果出力手段は下記のように内容が異なり、画像検索手段は後述のウェブ検索手段に代る。
【0040】
すなわち、第2実施形態では、翻訳手段は、取得された原文を、翻訳辞書を用いて翻訳先言語による第一の翻訳文に翻訳し、ウェブ検索手段が、検出された未知語についてウェブ検索結果を取得し、結果出力手段が、取得されたウェブ検索結果を翻訳先言語に翻訳した第二の翻訳文を、第一の翻訳文のうち未知語に対応する部分に関して出力する。
【0041】
例えば、図5(1)は、第一の翻訳文T1を表示している画面例で、このうち未知語部分のハイパーリンクL又はその近くの注意喚起アイコンMをマウスカーソルCで操作すると、その未知語を原語「キムタク」でウェブ検索した結果(図5(2))を翻訳先言語である英語に翻訳した第二の翻訳文T2が画面表示される(図5(3))。この例において、図5(2)のウェブ検索結果TXは、原文中に含まれる未知語を原語「キムタク」で検索語とした結果で、画面表示の対象ではない。
【0042】
このように、翻訳辞書にない未知語についても、ウェブ検索結果を翻訳先言語に翻訳した第二の翻訳文を、翻訳結果に加えて出力することにより(例えば図5(3))、翻訳先言語しか解さない人でも、翻訳元言語圏における未知語の検索結果の翻訳から未知語の位置付けなど内容が理解でき、翻訳結果の理解を補助することが可能となる。
【0043】
また、上記のように第二の翻訳文として出力するのは用語集が最適である。この場合、ウェブ辞典の該当するURLなどを予め登録しておいて、そのような特定のURLに対応するウェブページをウェブ検索結果として選択して表示してもよいし、また、用語集の検索受付ページなど特定URLに、APIなどでパラメータとして未知語を引き渡すなどしてそれに対応する検索結果を表示してもよい。
【0044】
なお、図5(2)及び図5(3)では、ウェブ検索結果として用語集という個別のウェブページを例示したが、検索でヒットしたウェブページの一覧を、翻訳先言語に翻訳したものを第二の翻訳文としてもよい。このようなウェブページの一覧は、一般的に、検索キーワードの「キムタク」に関する要約(いわゆるスニペット)などを含むため、それが未知語の理解に役立つ。
【0045】
また、図5(3)で表示例を示した第二の翻訳文T2については、第一の翻訳文と同じ翻訳手段で翻訳してもよいし、他のシステムによる自動翻訳結果ページのURLなどを用いてもよい。さらに、図5(3)のような第二の翻訳文T2を表示するHTMLのソーステキストや、そのような第二の翻訳文T2に遷移するハイパーリンクLや注意喚起アイコンMなどを含む図4(1)のような表示を実現するHTMLのソーステキストなどを出力してユーザに提供する手段を設ければ、本発明による翻訳結果について、任意のウェブページに組み込むなど、活用態様を柔軟に広げることができる。
【0046】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における構成図、データの図、フローチャートなどは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。
【0047】
一例として、図1などに示した個々の手段を、相互に別個独立の設備で実現する構成も一般的であるし、サーバでも端末でも機能によっては、外部のプラットフォーム等をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 翻訳装置(本装置)
2 画像検索サーバ
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
10 原文取得手段
20 翻訳手段
25 翻訳辞書記憶手段
30 未知語検出手段
40 画像検索手段
50 結果出力手段
C マウスカーソル
ex1〜ex5 内容例
G1,G2 ウィンドウ
L ハイパーリンク
M 注意喚起アイコン
T 端末
T0,T1,T2 翻訳文
T2 翻訳文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段と、
翻訳元言語の原文を取得する原文取得手段と、
取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳手段と、
前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出手段と、
検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索手段と、
取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力手段と、
を有することを特徴とする翻訳装置。
【請求項2】
前記結果出力手段は、取得された前記画像検索結果として、前記画像検索結果である画像を、前記翻訳文の表示において前記未知語に置き換えて出力することを特徴とする請求項1記載の翻訳装置。
【請求項3】
前記画像検索手段は、前記未知語を検索語とした検索要求を、前記翻訳元言語の画像検索サーバに送信することを特徴とする請求項1又は2記載の翻訳装置。
【請求項4】
前記結果出力手段は、前記翻訳文を画面に表示し、表示された翻訳文のうち前記未知語に対応する部分について所定の操作が入力されたときに、前記画像検索結果を出力することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の翻訳装置。
【請求項5】
翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段と、
翻訳元言語の原文を取得する原文取得手段と、
取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による第一の翻訳文に翻訳する翻訳手段と、
前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出手段と、
検出された前記未知語についてウェブ検索結果を取得するウェブ検索手段と、
取得された前記ウェブ検索結果を前記翻訳先言語に翻訳した第二の翻訳文を、前記第一の翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力手段と、
を有することを特徴とする翻訳装置。
【請求項6】
翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を記憶している翻訳辞書記憶手段を有する翻訳装置を用いる翻訳方法であって、
翻訳元言語の原文を取得する原文取得処理と、
取得された前記原文を、前記翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳処理と、
前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出処理と、
検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索処理と、
取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力処理と、
をコンピュータが実行することを特徴とする翻訳方法。
【請求項7】
コンピュータの翻訳プログラムにおいて、
翻訳元言語の原文を取得する原文取得処理と、
取得された前記原文を、翻訳元言語を翻訳先言語に翻訳するためのデータである翻訳辞書を用いて翻訳先言語による翻訳文に翻訳する翻訳処理と、
前記原文から前記翻訳辞書に含まれない未知語を検出する未知語検出処理と、
検出された前記未知語について画像検索結果を取得する画像検索処理と、
取得された前記画像検索結果を、前記翻訳文のうち前記未知語に対応する部分に関して出力する結果出力処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする翻訳プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20459(P2013−20459A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153486(P2011−153486)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】