説明

翼形部及びそれを製造する方法

【課題】翼形部(204)が提供される。
【解決手段】翼形部は、前縁(212)、後縁(214)、前縁から後縁まで延びる一対の側面(208、210)、及び該側面間に形成され且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線(222)を有する内部冷却流路(220)を含む。翼形部はまた、内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角にて通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線(258、262、266、270、274、278、282、286、290)を有するように、側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路(256、260、264、268、272、276、280、284、288)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、総括的には翼形部に関し、より具体的には、ガスタービンエンジン翼形部及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殆どの公知のガスタービンエンジンは、圧縮機システム、燃焼システム、及びタービンシステムを有する。運転時には、圧縮機システムからの加圧空気は、燃焼システムに向けられ、加圧空気が燃焼システム内において燃料と混合されて点火され、燃焼ガスの流れを生成する。燃焼ガスの流れは、環状ロータが続く環状ステータを備えた少なくとも1つの段を含むタービンシステム内に導かれる。ステータは、ステータ翼形部(すなわち、ステータベーン)の列を有し、ロータは、ロータ翼形部(すなわち、ロータブレード)の列を有する。このようにして、燃焼ガスは、ステータベーンを通ってロータブレード上に流れてロータを回転させ、これにより圧縮機システム又は発電機用のシャフト出力を発生させる。
【0003】
燃焼プロセスに伴う温度が高くなることにより、燃焼ガス温度の上昇、従って、エンジン運転効率の向上をもたらすことができることは知られている。また、燃焼ガス温度の上昇は、タービンシステムの翼形部に大きな熱応力を誘起し、これによりタービン翼形部の有効寿命が短くなる可能性があることも知られている。その結果、少なくとも幾つかの公知のタービン翼形部は、該翼形部のアパーチャから冷却空気を吐出する冷却プロセスによって冷却され、このことにより翼形部は、燃焼ガス流の温度上昇に良好に耐えることができる。しかしながら、燃焼ガス流内への冷却空気の吐出は、燃焼ガスの温度を低下させ、これにより燃焼プロセスにおける温度上昇によって得られるはずの運転効率が低下する可能性があることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,484,928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、エンジン運転効率への影響を少なくしながら翼形部の有効寿命を延ばす方法で冷却することができる翼形部を提供すること有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、翼形部が提供される。翼形部は、前縁、後縁、及び前縁から後縁まで延びる一対の側面を含む。翼形部はまた、側面間に形成され且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線を有する内部冷却流路を含む。翼形部は更に、内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角にて通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線を有するように、側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路を含む。
【0007】
別の態様では、翼形部を製造する方法が提供される。本方法は、前縁、後縁、及び前縁から後縁まで延びる一対の側面を形成するステップを含む。本方法はまた、側面間に位置し且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線を有する内部冷却流路を形成するステップを含む。本方法は更に、内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角にて通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線を有するように、側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路を形成するステップを含む。
【0008】
更に別の態様では、ガスタービンエンジンが提供される。ガスタービンエンジンは、燃焼システム及び該燃焼システムの下流側に位置するタービンシステムを含む。タービンシステムは、前縁、後縁、前縁から後縁まで延びる一対の側面、及び該側面間に形成され、且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線を有する内部冷却流路を含む。翼形部はまた、内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角にて通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線を有するように、側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的なガスタービンエンジンの概略図。
【図2】図1に示すガスタービンエンジンのタービンシステムの例示的なロータブレードの斜視図。
【図3】図2に示すロータブレードの平面図。
【図4】線4−4に沿った図3に示すロータブレードの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、限定ではなく例証として、翼形部及びその製造方法を記載している。本明細書は、翼形部を当業者が実施し利用することを可能にするものであり、翼形部に関して現時点で最良の形態であると考えられるものを含む幾つかの実施形態、改良、変更、変形、及び使用法について記載している。本明細書では、翼形部は、ガスタービンエンジンの好ましい実施形態、すなわちタービンシステムに適用されるものとして記載されている。しかしながら、翼形部及びその製造方法は、広範囲に及ぶシステム及び/又は様々な他の商業、工業、及び/又は消費者用途において一般的な用途を有することが企図される。
【0011】
図1は、ファンシステム102、圧縮機システム104、燃焼システム106、高圧タービンシステム108、低圧タービンシステム110、及び排気システム112を含む、例示的なガスタービンエンジン100の概略図である。運転時には、空気は、ファンシステム102を通って流れ、圧縮機システム104に供給される。加圧された空気が圧縮機システム104から燃焼システム106に送給され、該燃焼システムにおいて、加圧空気は燃料と混合されて点火され、燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは、燃焼システム106からタービンシステム108、110に流れ、排気システム112を介してガスタービンエンジン100から流出する。他の実施形態では、ガスタービンエンジン100は、あらゆる好適な方法で配置された、あらゆる好適な数のファンシステム、圧縮機システム、燃焼システム、タービンシステム、及び/又は排気システムを含むことができる。
【0012】
図2及び図3は、高圧タービンシステム108の例示的なロータブレード200のそれぞれ斜視図と平面図である。例示的な実施形態では、ロータブレード200は、プラットフォームセグメント202と、該プラットフォームセグメント202と一体形に形成されてプラットフォームセグメント202から延びる翼形部204とを含む。他の実施形態では、翼形部204は、高圧タービンシステム108のステータベーンとして使用するよう構成することができる。代替として、翼形部204は、ガスタービンエンジン100のあらゆる好適なシステム(例えば、低圧タービンシステム110)で使用するように構成することができる。
【0013】
例示的な実施形態では、翼形部204は、ロータブレード200のプラットフォームセグメント202からロータブレード200のブレード先端206までスパン方向で延びる。翼形部204は、前縁212及び反対側の後縁214において収束する第1の輪郭側壁208及び第2の輪郭側壁210を含む。第1の輪郭側壁208は、凸面形であり、翼形部204の負圧側面を形成し、また第2の輪郭側壁210は、凹面形であり、翼形部204の正圧側面を形成する。下記でより詳細に説明するように、翼形部204は、後縁214の近傍の第2の輪郭側壁210上に冷却アパーチャのほぼスパン方向の構成218を有する。他の実施形態では、側壁208、210は、あらゆる好適な輪郭を有することができ、冷却アパーチャの構成218は、翼形部204上にあらゆる好適な配向及び配置を有することができる。
【0014】
図4は、図3の線4−4に沿った翼形部204の断面図である。例示的な実施形態では、下記でより詳細に説明するように、翼形部204は、第1及び第2の側壁208、210間に配置された内部冷却流路220を有し、内部冷却流路220は、該流路220が冷却アパーチャの構成218と流れ連通状態になるように、ほぼスパン方向に向けられた通過軸線222(すなわち、中心軸線)を有する。冷却アパーチャの構成218は、内側境界224、外側境界226、並びに第1の輪郭側壁208及び第2の輪郭側壁210と一体形に形成された複数の間隔を置いて配置されたガイドフィンガー、すなわち、第1のガイドフィンガー228、第2のガイドフィンガー230、第3のガイドフィンガー232、第4のガイドフィンガー234、第5のガイドフィンガー236、第6のガイドフィンガー238、第7のガイドフィンガー240、第8のガイドフィンガー242、第9のガイドフィンガー244、及び第10のガイドフィンガー246を含む。各ガイドフィンガー228、230、232、234、236、238、240、242、244、246は、ベース面252及びフィンガー先端254において共に接合され且つベース面252及びフィンガー先端254間に延びる内側輪郭248及び外側輪郭250を有する。例示的な実施形態では、ベース面252は、通過軸線222と実質的に平行になるように配向される。幾つかの実施形態では、ベース面252は、翼形部204が本明細書で説明するように機能するのを可能にするあらゆる好適な配向を有することができる。別の実施形態では、翼形部204は、あらゆる好適な数のガイドフィンガーを有することができる。本明細書で使用する用語「内側」とは、翼形部204のスパンに沿ってブレード先端206よりもプラットフォームセグメント202に近接して位置することを意味し、用語「外側」とは、翼形部204のスパンに沿ってプラットフォームセグメント202よりもブレード先端206に近接して位置することを意味する。同様に、用語「内側に面する」とは、ブレード先端206に向かって面するのではなく、プラットフォームセグメント202に向かって面することを意味し、また用語「外側に面する」とは、プラットフォームセグメント202に向かって面するのではなく、ブレード先端206に向かって面することを意味している。
【0015】
このようにして、第1の流路256は、第1の流路軸線258(すなわち、中心軸線)に沿って内側境界224及び第1のガイドフィンガー228の内側輪郭248間に形成され、第2の流路260は、第2の流路軸線262(すなわち、中心軸線)に沿って第1のガイドフィンガー228の外側輪郭250及び第2のガイドフィンガー230の内側輪郭248間に形成され、第3の流路264は、第3の流路軸線266(すなわち、中心軸線)に沿って第2のガイドフィンガー230の外側輪郭250及び第3のガイドフィンガー232の内側輪郭248間に形成され、第4の流路268は、第4の流路軸線270(すなわち、中心軸線)に沿って第3のガイドフィンガー232の外側輪郭250及び第4のガイドフィンガー234の内側輪郭248間に形成され、第5の流路272は、第5の流路軸線274(すなわち、中心軸線)に沿って第4のガイドフィンガー234の外側輪郭250及び第5のガイドフィンガー236の内側輪郭248間に形成され、第6の流路276は、第6の流路軸線278(すなわち、中心軸線)に沿って第5のガイドフィンガー236の外側輪郭250及び第6のガイドフィンガー238の内側輪郭248間に形成され、第7の流路280は、第7の流路軸線282(すなわち、中心軸線)に沿って第6のガイドフィンガー238の外側輪郭250及び第7のガイドフィンガー240の内側輪郭248間に形成され、第8の流路284は、第8の流路軸線286(すなわち、中心軸線)に沿って第7のガイドフィンガー240の外側輪郭250及び第8のガイドフィンガー242の内側輪郭248間に形成され、第9の流路288は、第9の流路軸線290(すなわち、中心軸線)に沿って第8のガイドフィンガー242の外側輪郭250及び第9のガイドフィンガー244の内側輪郭248間に形成され、第10の流路292は、第10の流路軸線294(すなわち、中心軸線)に沿って第9のガイドフィンガー244の外側輪郭250及び第10のガイドフィンガー246の内側輪郭248間に形成され、及び第11の流路296は、第11の流路軸線298(すなわち、中心軸線)に沿って第10のガイドフィンガー246の外側輪郭250及び外側境界226間に形成される。
【0016】
第1の流路256は、第1のチャンネルセグメント300及び第1のデルタセグメント302を含み、第1のチャンネルセグメント300は、第1の流路軸線258が第1の内側に面する鋭角304にて通過軸線222と交差し、第1の実質的な直角306で後縁214と交差するように輪郭形成される。第2の流路260は、第2のチャンネルセグメント308及び第2のデルタセグメント310を含み、第2のチャンネルセグメント308は、第2の内側に面する鋭角312にて通過軸線222と交差し、第2の実質的な直角314で後縁214と交差するように輪郭形成される。第3の流路264は、第3のチャンネルセグメント316及び第3のデルタセグメント318を含み、第3のチャンネルセグメント316は、第3の流路軸線266が第3の内側に面する鋭角320にて通過軸線222と交差し、第3の実質的な直角322で後縁214と交差するように輪郭形成される。第4の流路268は、第4のチャンネルセグメント324及び第4のデルタセグメント326を含み、第4のチャンネルセグメント324は、第4の流路軸線270が第4の内側に面する鋭角328にて通過軸線222と交差し、第4の実質的な直角330で後縁214と交差するように輪郭形成される。第5の流路272は、第5のチャンネルセグメント332及び第5のデルタセグメント334を含み、第5のチャンネルセグメント332は、第5の流路軸線274が第5の内側に面する鋭角336にて通過軸線222と交差し、第5の実質的な直角338で後縁214と交差するように輪郭形成される。
【0017】
同様に、第6の流路276は、第6のチャンネルセグメント340及び第6のデルタセグメント342を含み、第6のチャンネルセグメント340は、第6の流路軸線278が第6の内側に面する鋭角344にて通過軸線222と交差し、第6の実質的な直角346で後縁214と交差するように輪郭形成される。第7の流路280は、第7のチャンネルセグメント348及び第7のデルタセグメント350を含み、第7のチャンネルセグメント348は、第7の流路軸線282が第7の内側に面する鋭角352にて通過軸線222と交差し、第7の実質的な直角354で後縁214と交差するように輪郭形成される。第8の流路284は、第8のチャンネルセグメント356及び第8のデルタセグメント358を含み、第8のチャンネルセグメント356は、第8の流路軸線286が第8の内側に面する鋭角360にて通過軸線222と交差し、第8の実質的な直角362で後縁214と交差するように輪郭形成される。第9の流路288は、第9のチャンネルセグメント364及び第9のデルタセグメント366を含み、第9のチャンネルセグメント364は、第9の流路軸線290が第9の内側に面する鋭角368にて通過軸線222と交差し、第9の実質的な直角370で後縁214と交差するように輪郭形成される。
【0018】
このようにして、各軸線258、262、266、270、274、278、282、286、290は、そのそれぞれの流路256、260、264、268、272、276、280、284、288の中間セグメントで折れている(例えば、角度を付けられる、又は方向が変化している)。例示的な実施形態では、流路256、260、264、268、272、276、280、284、288は、通過軸線222に対して鋭角である第1の方向に冷却空気を受けて、第1の方向とは異なり後縁214に対して実質的に垂直である第2の方向に冷却空気を吐出する。1つの実施形態では、鋭角304、312、320、328、336、344、352、360、368は、実質的に同じものであり、約20°と約70°の間にある。別の実施形態では、鋭角304、312、320、328、336、344、352、360、368は、実質的に同じものであり、約35°である。例示的な実施形態では、各チャンネルセグメント300、308、316、324、332、340、348、356、364は、ほぼL字形状である。別の実施形態では、チャンネルセグメント300、308、316、324、332、340、348、356、364は、流路256、260、264、268、272、276、280、284、288が本明細書で説明するように冷却空気を受けて吐出可能にするあらゆる好適な形状を有することができる。
【0019】
例示的な実施形態では、第10の流路292は、第10のチャンネルセグメント372及び第10のデルタセグメント374を含み、第10のチャンネルセグメント372は、第10の流路軸線294が第10の実質的な直角376、378にて通過軸線222及び後縁214と交差するように輪郭形成される。更に、第11の流路296は、第11のチャンネルセグメント382及び第11のデルタセグメント384を含み、第11のチャンネルセグメント382は、第11の流路軸線298が第11の外側に面する鋭角386にて通過軸線222と交差するように輪郭形成される。
【0020】
例示的な実施形態の作動時には、冷却空気の流れ394は、通過軸線222に沿って内部冷却流路220を通して導かれ、該内部冷却流路220から流路256、260、264、268、272、276、280、284、288、292、296を介して吐出される。流路256、260、264、268、272、276、280、284、288は、内側に面する鋭角304、312、320、328、336、344、352、360、368で配向される流路軸線258、262、266、270、274、278、282、286、290を有するので、内部冷却通路220における冷却空気の流れ394は、流路256、260、264、268、272、276、280、284、288内への流入時には減速される。より具体的には、通過軸線222に対するチャンネルセグメント300、308、316、324、332、340、348、356、364の鋭角の配向により、冷却空気用のより蛇行した流路が形成され、その結果、内部冷却流路220から流路256、260、264、268、272、276、280、284、288内への流入時に冷却空気が減速し、これにより冷却空気が流路256、260、264、268、272、276、280、284、288から吐出される流量を低減させることが可能になる。更に、第10の流路軸線294は、第10の実質的な直角376にて通過軸線222と交差するので、冷却空気は、該冷却空気が流路256、260、264、268、272、276、280、284、288に流入する流量よりも大きな流量で第10の流路292に流入する。同様に、第11の流路軸線298は、第11の外側に面する鋭角386にて通過軸線222と交差するので、冷却空気は、該冷却空気が第10の流路292に流入する流量よりも大きな流量で第11の流路296に流入する。更に、デルタセグメント302、310、318、326、334、342、350、358、366、374、384は、冷却空気が後縁214の全体に沿って構成218から吐出されて後縁214において翼形部204を冷却可能になるように、チャンネルセグメント300、308、316、324、332、340、348、356、364、372、382から流出する冷却空気を拡散させることができる。そのうえ、冷却アパーチャの構成218は、例示的な実施形態では後縁冷却アパーチャの構成であるが、本明細書で説明する方法及びシステムは、ガスタービンエンジン100のあらゆる好適なセグメントに設置される冷却アパーチャのあらゆる好適な構成に対して有用である点に留意されたい。
【0021】
本明細書で説明した方法及びシステムにより、翼形部から冷却空気を吐出するためのタービン翼形部後縁冷却スロット幾何形状の改善をもたらすことが可能になる。更に、本明細書で説明した方法及びシステムにより、後縁金属温度及び温度勾配が低下し寄生翼形部冷却流れの低減及び/又は翼形部の耐久性の向上をもたらすのを可能にする冷却流れスロットを提供することができる。本明細書で説明した方法及びシステムはまた、スロット入口角度に起因したスロット入口での流れ剥離の結果として、冷却スロット有効流れの低減及び高いスロットフィルム冷却効率の維持を可能にする。更に、本明細書で説明した方法及びシステムにより、翼形部翼弦に沿った主流高温ガス流れと整列した望ましいスロット流れ出口角度配向がもたらされ、これにより翼形部上のスロットブレイクアウトの下流側に高いフィルム冷却効率を維持することが可能になる。従って、本明細書で説明した方法及びシステムにより、より低い冷却流れ吐出流量で低温の翼形部金属温度を得る正味の効果がもたらされる。
【0022】
更に、本方法で説明した方法及びシステムにより、ランド部寸法及び金属温度の低下を可能にする冷却スロット構成をもたらすことができ、これは、ランド部温度が制限される極めて高いタービン入口温度で運転する最新のエンジンにとって望ましいことである。更に、本明細書で説明した方法及びシステムにより、結果として起るスロット領域の増加及びランド部領域の減少により冷却上の利点をもたらすことが可能になる。従って、本明細書で説明した方法及びシステムにより、所与の翼形部耐久性で寄生冷却流れレベルを低下させることによって燃料消費率(SFC)上の利点を達成するのに用いることができ、或いは、所与のSFCレベルを維持しながら翼形部耐久性を向上させるのに用いることができる。従って、冷却空気の全体の使用を低減し、より低い金属温度に伴う翼形部耐久性を向上させ、所望の翼形部冷却流れ吐出レベルを維持しながら、SFCの改善を達成することができる。
【0023】
翼形部及びその製造方法の例示的な実施形態を上記で詳細に説明した。本方法及びシステムは、本明細書で説明した特定の実施形態に限定されるものでなく、むしろ、本方法及びシステムの構成部品は、本明細書で説明した他の構成部品から独立して別個に利用することができる。例えば、本明細書で説明した方法及びシステムは、他の工業及び/又は消費者用途を有することができ、本明細書で説明したガスタービンエンジンのみで実施することに限定されない。むしろ、本発明は、多くの他の産業界と関連して実施し且つ利用することができる。
【0024】
種々の特定の実施形態について本発明を説明してきたが、請求項の技術的思想及び範囲内にある修正により本発明を実施することができる点は、当業者であれば理解されるであろう。
【符号の説明】
【0025】
100 ガスタービンエンジン
102 ファンシステム
104 圧縮機システム
106 燃焼システム
108 高圧タービンシステム
110 低圧タービンシステム
112 排気システム
200 ロータブレード
202 プラットフォームセグメント
204 翼形部
206 ブレード先端
208 第1の輪郭側壁
210 第2の輪郭側壁
212 前縁
214 後縁
218 冷却アパーチャの構成
220 内部冷却流路
222 通過軸線
224 内側境界
226 外側境界
228 第1のガイドフィンガー
230 第2のガイドフィンガー
232 第3のガイドフィンガー
234 第4のガイドフィンガー
236 第5のガイドフィンガー
238 第6のガイドフィンガー
240 第7のガイドフィンガー
242 第8のガイドフィンガー
244 第9のガイドフィンガー
246 第10のガイドフィンガー
248 内側輪郭
250 外側輪郭
252 ベース面
254 フィンガー先端
256 第1の流路
258 第1の流路軸線
260 第2の流路
262 第2の流路軸線
264 第3の流路
266 第3の流路軸線
268 第4の流路
270 第4の流路軸線
272 第5の流路
274 第5の流路軸線
276 第6の流路
278 第6の流路軸線
280 第7の流路
282 第7の流路軸線
284 第8の流路
286 第8の流路軸線
288 第9の流路
290 第9の流路軸線
292 第10の流路
294 第10の流路軸線
296 第11の流路
298 第11の流路軸線
300 第1のチャンネルセグメント
302 第1のデルタセグメント
304 第1の内側に面する鋭角
306 第1の実質的な直角
308 第2のチャンネルセグメント
310 第2のデルタセグメント
312 第2の内側に面する鋭角
314 第2の実質的な直角
316 第3のチャンネルセグメント
318 第3のデルタセグメント
320 第3の内側に面する鋭角
322 第3の実質的な直角
324 第4のチャンネルセグメント
326 第4のデルタセグメント
328 第4の内側に面する鋭角
330 第4の実質的な直角
332 第5のチャンネルセグメント
334 第5のデルタセグメント
336 第5の内側に面する鋭角
338 第5の実質的な直角
340 第6のチャンネルセグメント
342 第6のデルタセグメント
344 第6の内側に面する鋭角
346 第6の実質的な直角
348 第7のチャンネルセグメント
350 第7のデルタセグメント
352 第7の内側に面する鋭角
354 第7の実質的な直角
356 第8のチャンネルセグメント
358 第8のデルタセグメント
360 第8の内側に面する鋭角
362 第8の実質的な直角
364 第9のチャンネルセグメント
366 第9のデルタセグメント
368 第9の内側に面する鋭角
370 第9の実質的な直角
372 第10のチャンネルセグメント
374 第10のデルタセグメント
376 第10の実質的な直角
378 第10の実質的な直角
382 第11のチャンネルセグメント
384 第11のデルタセグメント
386 第11の外側に面する鋭角
394 流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
翼形部(204)であって、
前縁(212)と、
後縁(214)と、
前記前縁から前記後縁まで延びる一対の側面(208、210)と、
前記側面間に形成され且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線(222)を有する内部冷却流路(220)と、
前記内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角で前記通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線(258、262、266、270、274、278、282、286、290)を有するように、前記側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路(256、260、264、268、272、276、280、284、288)と、
を備える、翼形部(204)。
【請求項2】
前記流路(256、260、264、268、272、276、280、284、288)の各々が、チャンネルセグメント(300、308、316、324、332、340、348、356、364)及びデルタセグメント(302、310、318、326、334、342、350、358、366)を含む、請求項1記載の翼形部(204)。
【請求項3】
前記チャンネルセグメント(300、308、316、324、332、340、348、356、364)の各々が、ほぼL字形状である、請求項2記載の翼形部(204)。
【請求項4】
前記内部冷却流路(220)が、前記鋭角が内側に面する鋭角(304、312、320、328、336、344、352、360、368)となるように、前記後縁(214)の近傍で前記翼形部の実質的スパン方向に配向される、請求項1記載の翼形部(204)。
【請求項5】
前記内側に面する鋭角(304、312、320、328、336、344、352、360、368)の各々が、約20°と約70°の間にある、請求項4記載の翼形部(204)。
【請求項6】
前記内側に面する鋭角(304、312、320、328、336、344、352、360、368)の各々が約35°である、請求項4記載の翼形部(204)。
【請求項7】
前記流路軸線(258、262、266、270、274、278、282、286、290)が、実質的に直角(306、314、322、330、338、346、354、362,370)で前記後縁(214)と交差するように配向される、請求項4記載の翼形部(204)。
【請求項8】
ガスタービンエンジン(100)であって、
燃焼システム(106)と、
前記燃焼システムの下流側に位置するタービンシステム(108、110)と、
を備え、前記タービンシステムが、
前縁(212)と、
後縁(214)と、
前記前縁から前記後縁まで延びる一対の側面(208、210)と、
前記側面間に形成され且つそれに沿って冷却空気が流れる通過軸線(222)を有する内部冷却流路(220)と、
前記内部冷却流路から冷却空気を吐出するように構成され且つその各々が鋭角にて通過軸線と交差するように配向された折れた流路軸線(258、262、266、270、274、278、282、286、290)を有するように、前記側面の少なくとも1つを貫通して延びる複数の流路(256、260、264、268、272、276、280、284、288)と、
を含む翼形部(204)を含む、ガスタービンエンジン(100)。
【請求項9】
前記流路(256、260、264、268、272、276、280、284、288)の各々が、チャンネルセグメント(300、308、316、324、332、340、348、356、364)及びデルタセグメント(302、310、318、326、334、342、350、358、366)を含む、請求項8記載のガスタービンエンジン(100)。
【請求項10】
前記チャンネルセグメント(300、308、316、324、332、340、348、356、364)の各々が、ほぼL字形状である、請求項9記載のガスタービンエンジン(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−96408(P2013−96408A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233354(P2012−233354)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】