説明

老化防止剤

【課題】高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に有する優れた老化防止剤、及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)ハイドロキノン及びその誘導体、(b)レゾルシノール及びその誘導体、及び(c)コウジ酸及びその誘導体からなる群から選択される水酸基含有化合物を有効成分として老化防止剤とし、これを好ましくは0.01〜10.0重量%となるように配合し、皮膚外用剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に備える水酸基含有化合物を有効成分とする、老化防止剤に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)老化防止効果
従来より、加齢、紫外線暴露等により生じる皮膚のしわやたるみ、あるいは色素沈着などの老化現象の進行を抑制し、あるいは改善するために、老化防止効果の高い皮膚外用剤の開発が求められている。
【0003】
例えば、乳剤、クリーム、化粧水、軟膏等の皮膚外用剤に、薬効成分としてビタミンAや大豆抽出物、改装抽出物等を配合したり、とうもろこし由来、コーヒー由来、ブドウ由来等の植物由来の抗酸化物質を配合したりする方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
(2)ペルオキシナイトライト
皮膚のしわやたるみ、色素沈着等の老化現象に対し、ペルオキシナイトライトが深く関与していることが知られるようになり、各種の植物抽出物等からなるペルオキシナイトライト阻害剤を老化防止成分として、あるいは美白成分として配合した皮膚外用剤が提案されている(特許文献2)。
【0005】
ペルオキシナイトライトは、生体内で一酸化窒素とスーパーオキサイドが反応することで生成し、生体成分との反応性が極めて高い。特に、蛋白質中のチロシン残基をニトロ化したり、細胞外マトリックスを溶解するMMP−8等を活性させたりして皺やたるみの原因となるなどの悪影響を及ぼす。一方で、近年の研究では、このチロシン残基のニトロ化が生体内反応のシグナルとして働いていることが徐々に明らかにされつつある。
【0006】
(3)セラミド
一方、セラミドは皮膚細胞間脂質の重要な成分で、これが酸化すると皮膚の弾力性が失われたり細胞が老化したりするなど、皮膚へ悪影響を及ぼす。したがって、セラミドの酸化を抑制することは、皮膚の老化防止効果を向上させる上で重要となるが、優れたセラミド酸化抑制効果を有する物質を見いだすことは容易ではない。
【0007】
より優れた老化防止効果を有する皮膚外用剤を開発する上で、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に備えた物質を見いだすことが求められている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−265387号公報
【特許文献2】特開2002−326922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況下になされたものであって、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド参加抑制作用とを同時に有する優れた老化防止剤、及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ある種の水酸基含有化合物が、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に有することを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、以下に示す老化防止剤及び皮膚外用剤に関する。
(1)分子内に2個の水酸基を有する化合物であって、下記(a)〜(c)からなる群から選択される水酸基含有化合物を有効成分とする、老化防止剤。
(a)ハイドロキノン及びその誘導体
(b)レゾルシノール及びその誘導体
(c)コウジ酸及びその誘導体
【0012】
(2)前記(a)ハイドロキノン及びその誘導体が、ハイドロキノン又はアルブチンである、(1)記載の老化防止剤。
(3)前記(b)レゾルシノール及びその誘導体が、レゾルシノールである、(1)記載の老化防止剤。
(4)前記(c)コウジ酸及びその誘導体が、コウジ酸である、(1)記載の老化防止剤。
(5)前記水酸基含有化合物が、ペルオキシナイトライト消去剤である、(1)〜(4)のいずれかに記載の老化防止剤。
(6)前記水酸基含有化合物が、セラミド酸化抑制剤である、(1)〜(4)のいずれかに記載の老化防止剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の老化防止剤を含有する皮膚外用剤であって、前記水酸基含有化合物が0.01〜10.0重量%配合されていることを特徴とする、皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明の老化防止剤の有効成分である水酸基含有化合物は、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に備えており、老化防止効果が極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
1.老化防止剤
(1)有効成分
本発明の老化防止剤は、(a)ハイドロキノン及びその誘導体、(b)レゾルシノール及びその誘導体、及び(c)コウジ酸及びその誘導体からなる群から選択される水酸基含有化合物を有効成分として含有する。
【0015】
(a)ハイドロキノン及びその誘導体としては、好ましくはハイドロキノン、アルブチン等が挙げられる。
ハイドロキノン(p−ベンゼンジオール)は、天然(イチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶、細菌類、海洋生物種の副産物など)にも存在する成分である。シミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きを有することが知られており、「肌の漂白剤」とも言われる強力な作用を持っている。これも従来美白剤として使用されてきたが、ペルオキシナイトライト消去作用及びセラミド酸化抑制作用を同時に備えていることは知られていなかった。
【0016】
アルブチン(arbutin)は、ハイドロキノンにブドウ糖が結合した化合物であり、下記化学式で表される化学構造を有する。コケモモ、梨、ウワウルシなどの植物に含まれている天然型フェノール性配糖体である。β型とα型があり、両者共に有効である。β−アルブチンは、医薬部外品の主剤(有効成分)として市販されている。
【0017】
【化1】

【0018】
アルブチンは、チロシナーゼ活性阻害活性やメラノーマ培養細胞系によるメラニン生成抑制活性を有していることが知られており、従来美白剤として使用されてきたが、ペルオキシナイトライト消去作用及びセラミド酸化抑制作用を同時に備えていることは知られていなかった。
【0019】
(b)レゾルシノール及びその誘導体としては、レゾルシノール、レゾルシン酸(α、β、γ体)、2−メチルレゾルシノール等が挙げられる。これらのうちで好ましいものはレゾルシノールである。
【0020】
(c)コウジ酸及びその誘導体としては、コウジ酸が挙げられる。コウジ酸(Kojic acid)は下記化学式を有する複素環化合物(C664;5-hydroxy-2-hydroxymethyl-4-pyrone)である。
【0021】
【化2】

【0022】
コウジ酸は麹菌がグルコース等の糖を発酵させることによって生成されることが知られている。また、メラノサイトに作用し、チロシナーゼの活性や合成を阻害し、メラニンの生成を抑えるという活性を持つことが知られており、従来美白剤として使用されてきたが、ペルオキシナイトライト消去作用及びセラミド酸化抑制作用を同時に備えていることは知られていなかった。
【0023】
上記(a)ハイドロキノン及びその誘導体、(b)レゾルシノール及びその誘導体、及び(c)コウジ酸及びその誘導体からなる群から選択される水酸基含有化合物を有効成分とする老化防止剤は、ペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを有する。したがって、上記水酸基含有化合物は、ペルオキシナイトライト消去剤として使用することができる。また、セラミド酸化抑制剤として使用することができる。
【0024】
2.皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記水酸基含有化合物を有効成分とする老化防止剤を配合したものである。皮膚外用剤としては、乳液、化粧水、クリーム、パック、洗浄料、分散剤、軟膏、外用液剤等の化粧料や外用医薬品が挙げられる。
【0025】
皮膚外用剤におけるハイドロキノン及びその誘導体(a)の含有量は、アルブチンを用いる場合、乾燥固形分として好ましくは0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%である。レゾルシノール及びその誘導体(b)を用いる場合、乾燥固形分として好ましくは0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%である。コウジ酸及びその誘導体(c)を用いる場合、乾燥固形分として好ましくは0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%である。
【0026】
この範囲であれば、安定に配合することができ、かつ高い老化防止効果を発揮することができる。また、上記水酸基含有化合物は、各々単独でもまた2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0027】
また、本発明の皮膚外用剤においては、上記水酸基含有化合物と共に、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、抗菌剤、紫外線防止剤等の薬効成分の1種以上を、皮膚外用剤に配合することができる。この併用によって、いっそう老化防止効果を高めることができる。
【0028】
美白剤としては、アスコルビン酸及びその誘導体、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE、カロチノイド、グルタチオン、タウリン、ヒポタウリン、ルチン、ケルセチン、エラグ酸、カテキン、没食子酸、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、胎盤抽出物、タイソウ抽出物、プルーン果実酵素分解物、ゲンチアナ抽出物、ボタンピ抽出物、カンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ビャクレン抽出物、センプクカ抽出物、コムギ抽出物、トマト抽出物、アガロース、オリゴサッカライド、ネオアガロビオース、システイン及びその誘導体、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、ノイバラ(エイジツ)抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物、カミツレ抽出物、ケイケットウ抽出物、オレンジ抽出物、キイチゴ抽出物、キウイ抽出物、クララ(クジン)抽出物、ゴマ油、エゴマ油、ゴカヒ(エゾウコギ)抽出物、コメ抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、シャクヤク抽出物、シラユリ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出液、トウキ抽出液、ブナ抽出物、ブラックカラント抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、ユキノシタ抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、大豆抽出物、糖蜜抽出物、羅漢果抽出物等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらの美白剤のうち、特に好ましいものとしては、アスコルビン酸及びその誘導体、カンゾウ抽出物、ゲンチアナ抽出物、タイソウ抽出物、オウゴン抽出物、プルーン果実酵素分解物が挙げられる。
【0029】
また抗酸化剤としては、アスコルビン酸及びその誘導体、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、カロチノイド、グルタチオン、タウリン、ヒポタウリン、ルチン、ケルセチン、エラグ酸、カテキン、没食子酸、カンゾウ抽出物、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、コレステロール及びその誘導体、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、羅漢果抽出物等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、アスコルビン酸及びその誘導体、ビタミンA、ビタミンE、ヤシャジツ抽出物、ユキノシタ抽出物、マイカイカ抽出物、イチョウ抽出物が挙げられる。
【0030】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アロエ抽出物、アシタバ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、イオウ及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ(カワラヨモギ)抽出物、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クレソン抽出物、サルビア(セージ)抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、シコン(ムラサキ)抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、酸化亜鉛等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらの抗炎症剤のうち、特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体が挙げられる。
【0031】
細胞賦活剤としては、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、痾−及び繃−リノレン酸、キサンチン及びその誘導体(カフェイン等)、アーモンド抽出物、アスパラガス抽出物、アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、アンズ(キョウニン)抽出物、イチョウ抽出物、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、キハダ(オウバク)抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、キウイ抽出物、キュウリ抽出物、クエン酸、コハク酸、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、ダイズ抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ツボクサ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トマト抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ヒノキチオール、ブクリョウ抽出物、ブドウ種子油、ブナ抽出物、モモ抽出物、ユーカリ抽出物、ユリ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、シルクプロテイン及びその分解物、血清除蛋白抽出物、ローヤルゼリー、ラクトフェリン又はその分解物等)、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ピロリドンカルボン酸、鶏冠抽出物、血清除蛋白抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物などの微生物由来の抽出物或いは発酵代謝産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。
【0032】
血行促進剤としては、アルニカ抽出液、トウガラシチンキ、イチョウ抽出物、羆オリザノール等が挙げられる。これらの血行促進剤のうち、特に好ましいものとしては、アルニカ抽出液、イチョウ抽出物が挙げられる。
【0033】
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、キシロース、果糖、蔗糖およびそれらの誘導体;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィブロネクチン等のタンパク質またはそれらの誘導体及びそれらの加水分解物並びにそれらの塩;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸等のムコ多糖類及びその誘導体またはそれらの塩;セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アスパラギン、アルギニン、アラニン、バリン、イソロイシン、スレオニン、リジン、ヒドロキシリジン、システイン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、ピロリドンカルボン酸等のアミノ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;デキストリン及びその誘導体;ハチミツ等の糖類;糖脂質、セラミド、ムチン、尿素が挙げられる。
【0034】
保湿剤として、更に、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、温泉水、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クインスシード抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、ゴマ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、セイヨウハッカ(ペパーミント)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出液、トウチュウカソウ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハッカ抽出物、ハトムギ抽出物、ハマメリス抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、ピロリドンカルボン酸及びその塩、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、プルーン抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂、マツ抽出物、マルメロ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムラサキ(シコン)抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、茶抽出物(烏龍茶、緑茶、紅茶等)、羅漢果抽出物等が挙げられる(尚、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらの保湿剤のうち、特に好ましいものとしては、アミノ酸及びその誘導体並びにそれらの塩、グリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
【0035】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、チアントール等が挙げられる。
【0036】
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。また、粉体は微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。
【0037】
これらの美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、血行促進剤、保湿剤、抗菌剤、紫外線防止剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、必須成分及び必要に応じて用いられる任意成分を通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができる。皮膚外用剤の配合形態の例としては特に限定されず、例えば乳液、クリーム、美容液、化粧水、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏などの化粧料や外用医薬品等とすることができる。
【0038】
また、皮膚外用剤の形態に応じ、上記必須成分以外に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、水(精製水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、被膜形成剤、樹脂、包摂化合物、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン、ビタミン類等を加えることができる。
【0039】
好適な成分の具体例としてはそれぞれ以下に示すものが挙げられる。ここで、「誘導体」には形成可能な塩が含まれる。
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等いずれの油剤も使用することができる。
【0040】
例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコールが挙げられる。
【0041】
油剤としては更に、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等のシリコーン油;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
【0042】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤が用いられる。アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン;アルキルエーテルカルボン酸及びその塩;アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩;アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩等のスルホン酸塩;アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩;アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩等のリン酸塩;N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0043】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0044】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0045】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0046】
金属セッケンとしては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0047】
ゲル化剤としては、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0048】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。
【0049】
例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等が挙げられる。
【0050】
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0051】
有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等、パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等、その他金属粉末顔料が挙げられ、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なったりしてもよい。
【0052】
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
【0053】
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子や樹脂、包接化合物等が挙げられる。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0054】
pH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム等が挙げられる。清涼剤としては、L−メントール、カンフル及びその誘導体等が挙げられる。
【0055】
皮膚収斂剤としてはタンニン酸等、抗脂漏剤としてはチアントロール等、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。
【0056】
ホルモン類としてはメラトニンおよびその誘導体、副腎皮質ホルモンおよびその誘導体、植物ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、カイネチン、アブシジン酸、エチレン等)およびその誘導体等が挙げられる。
【0057】
角質溶解剤としてはクエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸等の有機酸が挙げられる。
【実施例】
【0058】
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0059】
<実施例1>
本実施例では、水酸基含有化合物としてアルブチンを用い、以下の評価を行った。
(1)ペルオキシナイトライト消去率の測定
チロシンとペルオキシナイトライトの反応により生成するニトロチロシンについて、試料添加によるニトロチロシン生成量の減少をHPLCを用いて測定し、ペルオキシナイトライト消去率を算出した。
【0060】
具体的には、0.1%トリフルオロ酢酸−0.2Mリン酸バッファー(pH7.0)溶液98μLに、50%−エタノール水にて10mg/mL濃度に調製したアルブチン(終濃度0.07mM)を2μL添加し試料溶液を調製した。
【0061】
この溶液に、10mMペルオキシナイトライト−0.3M水酸化ナトリウム溶液(終濃度1mM)を100μL、続けて150μMチロシン−0.2Mリン酸バッファー(pH7.0)溶液を800μL(終濃度0.12mM)添加し、タッチミキサーにて30秒間攪拌した後、HPLC(カラム:STR ODS−II(SHINWA CHEMICAL INC.)、溶媒:1%アセトニトリル−50mMリン酸バッファー(pH7.0)、検出:280nm)を用いて反応液中に生成したニトロチロシン量を定量した。
【0062】
ペルオキシナイトライトがチロシンと反応してニトロチロシンが生成する反応系において、アルブチン添加による競争反応によりどれだけニトロチロシン生成が阻害されたかを、アルブチン無添加時生成するニトロチロシン量とアルブチン添加時生成するニトロチロシン量を定量することで、下記数式(1)によりペルオキシナイトライト消去率(単位;%)を算出した。その結果、アルブチンのペルオキシナイトライト消去率は77.6%であった。
【0063】
なお、下記数式(1)中、「P」はペルオキシナイトライト消去率(%)を、「A1」はアルブチン添加時のニトロチロシン量を、「A2」はアルブチン無添加時のニトロチロシン量をそれぞれ表す。
【0064】
(数1)
P=100−(A1/A2)×100 ・・・(1)
【0065】
(2)ペルオキシナイトライト消去活性(IC50値)の測定
上記(1)と同様の方法で、種々の終濃度となるようにアルブチンを添加して反応させ、HPLCを用いて反応溶液中のニトロチロシン濃度を測定し、ペルオキシナイトライト消去活性を測定した。この結果をもとに、ペルオキシナイトライト量を半減させるアルブチン濃度(IC50値;単位「μM」)を求め、ペルオキシナイトライト消去活性を評価した。
【0066】
(3)セラミド酸化抑制活性
水溶性ラジカル発生剤AAPH(2,2'-azobis(2-amindinopropane)hydrochloride)により誘発させるセラミドIII過酸化実験系において、試料添加により抑制されるセラミドIII過酸化物量を、TBA法を用いて測定してセラミドIII酸化抑制率(単位;%)を算出し、セラミド酸化抑制活性を評価した。
【0067】
具体的には、5%TritonX−100−0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)溶液にて分散させた1%濃度のセラミドIII分散液4.85mLに、50%−エタノール水にて10mg/mL濃度に調製したアルブチン(終濃度5.68mM)を50μL添加し、スターラーにて攪拌しながら37℃ウォーターバス中30分間インキュベーションした。その後、終濃度で5mMとなるようAAPH水溶液100μLを加え、24時間インキュベートした。24時間後試料を一定量取り、下記TBA法にて過酸化脂質量を測定した。
【0068】
[TBA法]
上記試料2mLを量り取り、TBA試薬(0.375%−チオバルビツール酸、15%−トリクロロ酢酸、0.04%−BHT、2%−エタノール、0.25N−HClになるよう調製した水溶液)4mLを加えて沸騰水浴中で30分間インキュベートした。30分後氷冷したのち、3000rpmで10分間遠心し、分光光度計にて535nmでの吸光度を測定した。
【0069】
セラミドIII酸化抑制率(%)は、下記数式(2)により算出した。なお、下記数式(2)中、「S]はセラミドIII酸化抑制率(%)を、「B1」はアルブチン添加時の吸光度を、「B2」はアルブチン無添加時の吸光度を、それぞれ表す。
上記各評価の結果を表1に示す。
【0070】
(数2)
S=100−(B1/B2)×100 ・・・(2)
【0071】
<実施例2>
アルブチンに代えて、コウジ酸を用いた以外は、実施例1と同様にペルオキシナイトライト消去率、ペルオキシナイトライト消去活性IC50値、及びセラミド酸化抑制率を測定した。なお、コウジ酸の試料溶液への添加量は20μg(溶液中の濃度が0.14mMとなる量)である。評価結果を表1に示す。
【0072】
<実施例3>
アルブチンに代えて、ハイドロキノンを用いた以外は、実施例1と同様にペルオキシナイトライト消去率、ペルオキシナイトライト消去活性IC50値、及びセラミド酸化抑制率を測定した。なお、ハイドロキノンの試料溶液への添加量は20μg(溶液中の濃度が0.18mMとなる量)である。評価結果を表1に示す。
【0073】
<実施例4>
アルブチンに代えて、レゾルシノールを用いた以外は、実施例1と同様にペルオキシナイトライト消去率、ペルオキシナイトライト消去活性IC50値、及びセラミド酸化抑制率を測定した。なお、レゾルシノールの試料溶液への添加量は20μg(溶液中の濃度が0.18mMとなる量)である。評価結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の水酸基含有化合物を有効成分とする老化防止剤は、高いペルオキシナイトライト消去作用とセラミド酸化抑制作用とを同時に備えており、老化防止効果が極めて高い。したがって、これを皮膚外用剤に配合することによって、加齢、紫外線暴露等により生じる皮膚のしわやたるみ、あるいは色素沈着などの老化現象の進行を抑制し、あるいは改善する効果の高い皮膚外用剤を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に2個の水酸基を有する化合物であって、下記(a)〜(c)からなる群から選択される水酸基含有化合物を有効成分とする、老化防止剤。
(a)ハイドロキノン及びその誘導体
(b)レゾルシノール及びその誘導体
(c)コウジ酸及びその誘導体
【請求項2】
前記(a)ハイドロキノン及びその誘導体が、ハイドロキノン又はアルブチンである、請求項1記載の老化防止剤。
【請求項3】
前記(b)レゾルシノール及びその誘導体が、レゾルシノールである、請求項1記載の老化防止剤。
【請求項4】
前記(c)コウジ酸及びその誘導体が、コウジ酸である、請求項1記載の老化防止剤。
【請求項5】
前記水酸基含有化合物が、ペルオキシナイトライト消去剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の老化防止剤。
【請求項6】
前記水酸基含有化合物が、セラミド酸化抑制剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の老化防止剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の老化防止剤を含有する皮膚外用剤であって、前記水酸基含有化合物が0.01〜10.0重量%配合されていることを特徴とする、皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−84164(P2009−84164A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252773(P2007−252773)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年3月28日 社団法人 日本薬学会主催の「日本薬学会第127年会」に文書をもって発表
【出願人】(504401994)株式会社セプテム総研 (11)
【Fターム(参考)】