説明

耐チッピング性塗料組成物

【課題】耐チッピング性および耐水性に優れた塗膜を形成することができる耐チッピング性塗料組成物を提供すること。また、該耐チッピング性塗料組成物が塗装された物品を提供すること。
【解決手段】ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有することを特徴とする耐チッピング性塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐チッピング性塗料組成物および該耐チッピング性塗料組成物を用いた塗膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車が高速走行すると、自動車車体外板の塗装面に小石が衝突し、衝突部分の塗膜が剥離する現象、いわゆるチッピング現象が発生する。該チッピング現象が発生すると、自動車の外観が低下し、さらに、塗膜が剥離した部分において、塗膜の下の鋼板が露出して錆が発生し、腐食が進行するため、大きな問題となる。一般に、自動車の走行中における小石の衝突は、タイヤハウス等の足まわり部、フードの先端部およびルーフの先端部等に多く、チッピング現象は当該部分で発生しやすい。
【0003】
このため、自動車の塗装においては、上記のようなチッピング現象が生じやすい部分に耐チッピング性塗料を塗装することが行なわれている。なかでも、フードの先端部やルーフの先端部は車体外観への影響が大きく、また、降雨にさらされたり、雨滴が残ったりする場合があるため、当該部分に塗装される耐チッピング性塗料は、平滑性等の塗膜外観、および耐水性等の塗膜性能にも優れることが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、長径が3〜50μm、短径が0.3〜2.0μmで、アスペクト比(長径/短径)が5〜50であるウィスカー状炭酸カルシウムを含有する耐チッピング性塗料組成物が、優れた耐チッピング性を有する塗膜を形成できることが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、(A)ジイソシアネート化合物と1分子あたり平均2〜3個の水酸基を有するポリオールとの付加物で、数平均分子量が10,000〜100,000である有機溶剤可溶性のウレタンポリマー、(B)数平均分子量が400〜5000の水酸基含有樹脂および(C)ブロックポリイソシアネート化合物を主成分とし、上記(A)成分と(B)成分との合計固形分重量に基づいて、(A)成分が30〜90重量%、(B)成分が10〜70重量%であり、(C)成分の再生イソシアネート基が(A)および(B)成分中の合計水酸基1当量あたり、0.3〜1.5当量であって、しかも加熱硬化塗膜のガラス転移温度が10℃以下である耐チッピング性塗料が記載されている。また、該耐チッピング性塗料が、スプレー作業性に優れ、さらに、優れた平滑性、鮮映性、耐チッピング性および耐湿性を有する塗膜を形成できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−323193号公報
【特許文献2】特開昭63−43967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の耐チッピング性塗料組成物によって形成される塗膜は、平滑性および耐水性が不十分であった。
【0008】
また、特許文献2に記載の耐チッピング塗料組成物によって形成される塗膜は、耐水性が不十分であった。さらに、形成される硬化塗膜の膜厚が比較的薄い場合に、該塗膜の耐チッピング性および耐水性が不十分な場合があった。
【0009】
したがって、本発明は、耐チッピング性および耐水性に優れた塗膜を形成することができる耐チッピング性塗料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物を含有するポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂および硬化剤を含有する塗料組成物が、耐チッピング性および耐水性に優れた塗膜を形成することができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の耐チッピング性塗料組成物、該耐チッピング性塗料組成物を用いた塗膜形成方法および該耐チッピング性塗料組成物が塗装された物品を提供するものである。
【0012】
1.ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有することを特徴とする耐チッピング性塗料組成物。
2.ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)が、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートである前項1に記載の耐チッピング性塗料組成物。
3.その他のポリオール化合物(a2)が、下記一般式(1)で示されるポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)および下記一般式(2)で示されるポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の少なくとも一方のジオール化合物(a2−1)を含有する前項1又は2に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【0013】
【化1】

【0014】
〔式(1)中、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表し、mは2〜100の整数を表す。m個の繰り返し単位中の各Rは同一であっても互いに異なっていてもよい。〕
【0015】
【化2】

【0016】
〔式(2)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数3以上のアルキレン基を表し、nは2〜100の整数を表す。〕
4.ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1が1〜75mol%の範囲内であり、かつポリオール成分(a)の総量に対するジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1が10〜99mol%の範囲内であり、かつ上記Ca1とCa2−1との比Ca1/Ca2−1が1/99〜75/25の範囲内である前項3に記載の耐チッピング性塗料組成物。
5.ポリイソシアネート化合物(b)が、脂環族ジイソシアネートである前項1〜4のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
6.水酸基含有ウレタン樹脂(A)の水酸基価が1〜100mgKOH/gの範囲内である前項1〜5のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
7.硬化剤(B)が、ブロック化ポリイソシアネート化合物である前項1〜6のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
8.さらに、エポキシ樹脂を含有する前項1〜7のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
9.前項1〜8のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物を塗装して得られる塗膜を含む物品。
【発明の効果】
【0017】
本発明の耐チッピング性塗料組成物は、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物を含有するポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂および硬化剤を含有することにより、耐チッピング性および耐水性に優れた塗膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の耐チッピング性塗料組成物について詳細に説明する。本発明の耐チッピング性塗料組成物は、(A)ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂並びに(B)硬化剤を含有する。
【0019】
〔水酸基含有ウレタン樹脂(A)〕
水酸基含有ウレタン樹脂(A)は、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)と、ポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる。
【0020】
〔ポリオール成分(a)〕
ポリオール成分(a)は、下記ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなる。
【0021】
〔ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)〕
ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)としては、例えば、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートおよびトリス(ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、該トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートのε−カプロラクトン変性体、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジオール化合物およびジカルボン酸を、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートおよびジオール化合物の中の水酸基がジカルボン酸中のカルボキシル基に対し過剰な状態で反応させて得られるトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのエステル化物並びにヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物とジオール化合物とを、ジオール化合物中の水酸基がヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基に対し過剰な状態で反応させて得られる反応生成物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
これらのなかでも、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートおよびトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのε−カプロラクトン変性体が好ましく、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートがさらに好ましい。
【0023】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1は、1〜75mol%の範囲内であることが好ましく、10〜65mol%の範囲内であることがより好ましく、20〜60mol%の範囲内であることがさらに好ましく、40〜50mol%の範囲内であることが特に好ましい。
【0024】
〔その他のポリオール化合物(a2)〕
その他のポリオール化合物(a2)は、上記ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)以外のポリオール化合物である。
【0025】
その他のポリオール化合物(a2)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリアルキレンポリオールおよびポリアクリルポリオール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0026】
これらのなかでも、得られる塗膜の耐水性の観点から、ポリエーテルポリオールおよび/又はポリカーボネートポリオールを使用することが好ましい。
【0027】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイド等)の重合体又は共重合体、複素環式エーテル(例えば、テトラヒドロフラン等)の重合体又は共重合体並びにアルキレンオキサイドおよび複素環式エーテルの共重合体等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
前記ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール(ブロック又はランダム共重合体)、ポリエチレン−テトラメチレングリコール(ブロック又はランダム共重合体)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレングリコール並びにグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオールおよび1,2,4−ブタントリオール等の多価アルコールを開始剤とし、該開始剤にアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイド等)を付加してなる化合物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートおよびホスゲン等の炭酸誘導体と、ポリオールとの反応により得られるポリカーボネートポリオールを使用することができる。
【0030】
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパンおよびシクロヘキサンジメタノール等のジオール並びにトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、シクロヘキサン−1,2,3−トリメタノール、シクロヘキサン−1,2,4−トリメタノール、シクロヘキサン−1,3,5−トリメタノール、モノエタノールアミンとグリシドールとの反応生成物およびペンタエリスリトール等のトリオール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
前記ポリオールとしては、ジオールを使用することが好ましい。ジオールとしては、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、例えば、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび2−メチル−1,5−ペンタンジオールが好適に挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
【0032】
上記ポリカーボネートポリオールとしては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製の「T−5650J」(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオールおよび1,5−ペンタンジオール)、「T−4671」および「T−4672」(いずれもジオール成分:1,6−ヘキサンジオールおよび1,4−ブタンジオール)並びに宇部興産社製の「UM−CARB90」(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール)および「UH−CARB200」(ジオール成分:1,6−ヘキサンジオール)等を挙げることができる。
【0033】
なかでも、得られる塗膜の耐水性の観点から、前記その他のポリオール化合物(a2)が、下記一般式(1)で示されるポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)および下記一般式(2)で示されるポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の少なくとも一方のジオール化合物(a2−1)を含有することが好ましい。なかでも、形成される塗膜の耐チッピング性の観点から、上記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)がより好ましい。
【0034】
【化3】

【0035】
式(1)中、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表す。Rの炭素数は3以上であり、3〜6が好ましく、4〜5がより好ましい。mは2〜100の整数を表し、4〜80が好ましく、8〜40がより好ましい。m個の繰り返し単位中の各Rは、同一であっても互いに異なっていてもよい。
【0036】
【化4】

【0037】
式(2)中、複数個のRはそれぞれ独立に、炭素数3以上のアルキレン基を表す。Rの炭素数は3以上であり、3〜22が好ましく、4〜9がより好ましく、6〜9がさらに好ましい。nは2〜100の整数を表し、4〜80が好ましく、8〜40がより好ましい。
【0038】
前記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)としては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリペンタメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
【0039】
前記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、三洋化成社製の「ニューポールPP−1000」および「ニューポールPP−2000」、三菱化学社製の「PTMG650」、「PTMG1000」、「PTMG1500」、「PTMG2000」および「PTMG3000」並びにBASF−Japan社製の「POLYTHF1000S」等を挙げることができる。
【0040】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)の含有割合Ca2−1−1は、10〜99mol%の範囲内であることが好ましく、20〜90mol%の範囲内であることがより好ましく、30〜80mol%の範囲内であることがさらに好ましく、40〜70mol%の範囲内であることが特に好ましい。
【0041】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、前記ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1と、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)の含有割合Ca2−1−1との比Ca1/Ca2−1−1が、1/99〜75/25の範囲内であることが好ましく、10/90〜70/30の範囲内であることがより好ましく、15/85〜60/40の範囲内であることがさらに好ましく、30/70〜45/55の範囲内であることが特に好ましい。
【0042】
上記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)の水酸基価は、得られる塗膜の耐水性の観点から、10〜180mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、30〜150mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、50〜120mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0043】
また、上記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)の数平均分子量は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、400〜10,000の範囲内であることが好ましく、500〜5,000の範囲内であることがより好ましく、700〜2,500の範囲内であることがさらに好ましく、800〜1,500の範囲内であることが特に好ましい。
【0044】
なお、本明細書において、数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
【0045】
具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」および「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:ジメチルスルホキシド、測定温度:40℃、流速:1mL/分の条件下で測定することができる。
【0046】
前記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)としては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートおよびホスゲン等の炭酸誘導体と、炭素数3以上のアルキレン基を有するジオールとの反応により得られるポリカーボネートジオールを使用することができる。
【0047】
該炭素数3以上のアルキレン基を有するジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0048】
なかでも、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび2−メチル−1,5−ペンタンジオールが好ましく、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
【0049】
上記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)としては、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社製の「T−5650J」、「T−4671」および「T−4672」並びに宇部興産社製の「UH−CARB50」、「UH−CARB100」、「UH−CARB200」および「UH−CARB300」等を挙げることができる。
【0050】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の含有割合Ca2−1−2は、10〜99mol%の範囲内であることが好ましく、20〜90mol%の範囲内であることがより好ましく、30〜80mol%の範囲内であることがさらに好ましく、40〜70mol%の範囲内であることが特に好ましい。
【0051】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、前記ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1とポリオール成分(a)の総量に対する上記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の含有割合Ca2−1−2との比Ca1/Ca2−1−2は、1/99〜75/25の範囲内であることが好ましく、10/90〜70/30の範囲内であることがより好ましく、15/85〜60/40の範囲内であることがさらに好ましく、30/70〜45/55の範囲内であることが特に好ましい。
【0052】
前記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の水酸基価は、得られる塗膜の耐水性の観点から、10〜240mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、30〜150mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、50〜120mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0053】
また、上記ポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の数平均分子量は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、400〜10,000の範囲内であることが好ましく、500〜5,000の範囲内であることがより好ましく、800〜3,500の範囲内であることがさらに好ましく、1,500〜2,500の範囲内であることが特に好ましい。
【0054】
また、ジオール化合物(a2−1)として、前記ポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)およびポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)を併用する場合、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1は、10〜99mol%の範囲内であることが好ましく、20〜90mol%の範囲内であることがより好ましく、30〜80mol%の範囲内であることがさらに好ましく、40〜70mol%の範囲内であることが特に好ましい。
【0055】
また、得られる塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)の総量に対する前記ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1と、ポリオール成分(a)の総量に対する上記ジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1との比Ca1/Ca2−1が、1/99〜75/25の範囲内であることが好ましく、10/90〜70/30の範囲内であることがより好ましく、15/85〜60/40の範囲内であることがさらに好ましく、30/70〜45/55の範囲内であることが特に好ましい。
【0056】
〔ポリイソシアネート化合物(b)〕
ポリイソシアネート化合物(b)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネート並びにこれらのポリイソシアネートの誘導体等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0057】
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートおよび2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)などの脂肪族ジイソシアネート並びに2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサンおよび2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0058】
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)またはその混合物、メチレンビス(1,4−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)およびノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート並びに1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタンおよび6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0059】
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(1,4−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼンおよび1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)又はその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート並びに1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0060】
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネートまたはその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネートおよび4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼンおよび2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート並びに4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどを挙げることができる。
【0061】
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記ポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)およびクルードTDIなどを挙げることができる。
【0062】
上記ポリイソシアネート化合物(b)としては、得られる塗膜の耐チッピング性、耐水性、平滑性および鮮映性の観点から、脂環族ジイソシアネートおよび該脂環族ジイソシアネートの誘導体が好ましく、脂環族ジイソシアネートがより好ましい。
【0063】
〔水酸基含有ウレタン樹脂(A)の製造方法〕
水酸基含有ウレタン樹脂(A)は、前記ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)と、ポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる。
【0064】
具体的には、例えば、上記ポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)とを、ポリイソシアネート化合物(b)中のイソシアネート基に対して、ポリオール成分(a)中の水酸基が過剰となるようにして反応させることにより得ることができる。
【0065】
上記ポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との配合割合は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、ポリオール成分(a)中の水酸基のモル数とポリイソシアネート化合物(b)中のイソシアネート基のモル数との比OH/NCOが、51/49〜80/20の範囲内になるように調整することが好ましく、53/47〜70/30の範囲内がより好ましく、55/45〜65/35の範囲内がさらに好ましい。
【0066】
上記ポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応は、従来から公知の方法によって行なうことができる。具体的には、例えば、水酸基およびイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を反応溶媒として、上記ポリオール成分(a)およびポリイソシアネート化合物(b)を、好ましくは10〜170℃、より好ましくは20〜150℃の範囲内の温度で、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜8時間の範囲内で反応させることによって行なうことができる。
【0067】
前記反応溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、トルエンおよびキシレン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0068】
また、上記の反応においては、必要に応じて、触媒、反応停止剤および鎖延長剤等を使用することができる。
【0069】
前記触媒としては、例えば、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレート、オクチル酸鉛およびテトラn−ブチルチタネート等の金属と有機および無機酸との塩、有機金属誘導体、トリエチルアミン等の有機アミン並びにジアザビシクロウンデセン系触媒等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0070】
前記反応停止剤としては、例えば、モノアルコールおよびモノアミン等の単官能性の化合物並びにイソシアネートに対して異なる反応性を持つ2種の官能基を有する化合物等を使用することができる。
【0071】
前記反応停止剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールおよびtert−ブチルアルコール等のモノアルコール、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンおよびジ−n−ブチルアミン等のモノアミン並びにモノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0072】
なかでも、アルカノールアミン類が反応制御し易いという点で好ましい。また、前記反応停止剤は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)の数平均分子量を調整するために使用できることができる。
【0073】
前記鎖延長剤としては、例えば、水およびポリアミン等を使用することができる。
【0074】
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンおよびイソホロンジアミン等の脂環族ポリアミン、キシリレンジアミンおよびテトラメチルキシリレンジアミン等の芳香環を有する脂肪族ポリアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミンおよびフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン並びにヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジドおよびフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン類等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0075】
また、水酸基含有ウレタン樹脂(A)は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、水酸基価が1〜100mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、10〜80mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、20〜50mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0076】
また、水酸基含有ウレタン樹脂(A)は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、重量平均分子量が、5,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、20,000〜70,000の範囲内であることがより好ましく、30,000〜50,000の範囲内であることがさらに好ましい。
【0077】
また、水酸基含有ウレタン樹脂(A)は、得られる塗膜の耐チッピング性、平滑性および耐水性の観点から、数平均分子量が、2,000〜20,000の範囲内であることが好ましく、4,000〜16,000の範囲内であることがより好ましく、5,000〜12,000の範囲内であることがさらに好ましく、6,000〜9,900の範囲内であることが特に好ましい。
【0078】
〔硬化剤(B)〕
硬化剤(B)は、前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)中の官能基と反応して、本発明の塗料組成物を硬化し得る化合物である。硬化剤(B)と反応する該水酸基含有ウレタン樹脂(A)中の官能基としては、水酸基が好ましい。
【0079】
硬化剤(B)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物およびカルボジイミド基含有化合物等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0080】
なかでも、水酸基含有ウレタン樹脂(A)中の水酸基と反応し得るポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物およびアミノ樹脂が好ましく、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、ポリイソシアネート化合物および/又はブロック化ポリイソシアネート化合物がさらに好ましく、塗料の貯蔵安定性および塗装作業の容易性の観点から、ブロック化ポリイソシアネート化合物がさらに特に好ましい。
【0081】
前記ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物である。具体的には、例えば、上記ポリイソシアネート化合物(b)の説明において記載したポリイソシアネート化合物を使用することができる。なかでも、得られる塗膜の平滑性の観点から、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0082】
前記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ブロック剤でブロックした化合物である。該ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物を、ブロック剤でブロックした化合物が好ましい。
【0083】
前記ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノールおよびヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタムなどのラクタム系、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコールおよびラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびメトキシメタノールなどのエーテル系、ベンジルアルコール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシムおよびシクロヘキサンオキシムなどのオキシム系、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチルおよびアセチルアセトンなどの活性メチレン系、ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノールおよびエチルチオフェノールなどのメルカプタン系、アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミドおよびベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミドおよびマレイン酸イミドなどのイミド系、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミンおよびブチルフェニルアミンなどアミン系、イミダゾールおよび2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素およびジフェニル尿素などの尿素系、N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系、エチレンイミンおよびプロピレンイミンなどのイミン系、重亜硫酸ソーダおよび重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系並びにアゾール系の化合物等が挙げられる。
【0084】
前記アゾール系の化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ベンジル−3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾールおよび3−メチル−5−フェニルピラゾール等のピラゾール又はピラゾール誘導体、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾールおよび2−フェニルイミダゾール等のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体並びに2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン誘導体等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0085】
前記ブロック剤としては、得られる塗膜の耐チッピング性および平滑性向上の観点から、オキシム系のブロック剤、活性メチレン系のブロック剤およびピラゾール又はピラゾール誘導体が好ましく、活性メチレン系のブロック剤が特に好ましい。
【0086】
また、前記ブロック剤としては、1個以上のヒドロキシル基と1個以上のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、ヒドロキシピバリン酸およびジメチロールプロピオン酸なども挙げられる。
【0087】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、硬化剤(B)として、前記ポリイソシアネート化合物および/又はブロック化ポリイソシアネート化合物を使用する場合に、耐チッピング性に優れた塗膜を形成できる理由としては、以下の理由が推察される。
【0088】
ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)中のヌレート構造と、該ポリイソシアネート化合物およびブロック化ポリイソシアネート化合物との親和性が高いため、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)を含むポリオール成分(a)を用いて製造される水酸基含有ウレタン樹脂(A)とポリイソシアネート化合物および/又はブロック化ポリイソシアネート化合物からなる硬化剤(B)との相溶性が高く、該水酸基含有ウレタン樹脂(A)と硬化剤(B)との反応によって形成されるウレタン結合が硬化塗膜中に比較的均一に存在するため、硬化塗膜全体に柔軟性が付与され、耐チッピング性に優れた塗膜が形成されると推察される。
【0089】
また、前記アミノ樹脂としては、例えば、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分メチロール化アミノ樹脂又は完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。
【0090】
アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミンおよびジシアンジアミド等が挙げられる。
【0091】
アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドおよびベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0092】
また、前記部分メチロール化アミノ樹脂のメチロール基を、適当なアルコールによって、部分的に又は完全にエーテル化したものも使用することができる。
【0093】
当該エーテル化に用いるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノールおよび2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
【0094】
アミノ樹脂としては、メラミン樹脂が好ましい。特に、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂並びに部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコールおよびブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂が好ましく、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂がより好ましい。
【0095】
また、上記メラミン樹脂は、重量平均分子量が400〜6,000であるのが好ましく、800〜5,000であるのがより好ましく、1,000〜4,000であるのがさらに好ましく、1,200〜3,000であるのが最も好ましい。
【0096】
メラミン樹脂としては市販品を使用できる。市販品の商品名としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル203」、「サイメル238」、「サイメル251」、「サイメル303」、「サイメル323」、「サイメル324」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル385」、「サイメル1156」、「サイメル1158」、「サイメル1116」、「サイメル1130」(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン20SE60」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」および「ユーバン28−60」(以上、三井化学社製)等が挙げられる。
【0097】
また、硬化剤(B)としてメラミン樹脂を使用する場合は、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびジノニルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸、モノブチルリン酸、ジブチルリン酸、モノ2−エチルヘキシルリン酸およびジ2−エチルヘキシルリン酸等のアルキルリン酸エステル並びにこれらの酸とアミン化合物との塩等を触媒として使用することができる。
【0098】
本発明に係る耐チッピング性塗料組成物における水酸基含有ウレタン樹脂(A)と硬化剤(B)との配合割合は、塗膜の耐チッピング性および耐水性向上の観点から、両者の合計量に基づいて、水酸基含有ウレタン樹脂(A)が30〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。また、硬化剤(B)が5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%程度であることがさらに好ましい。
【0099】
また、本発明の耐チッピング性塗料組成物は、さらに、顔料を含有することが好ましい。
【0100】
前記顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料および光輝性顔料等を挙げることができる。該顔料は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0101】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、顔料を含有する場合、顔料の配合量は、前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、10〜120質量部の範囲内であることが好ましく、30〜90質量部の範囲内であることがより好ましく、40〜75質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0102】
前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック(導電性カーボンブラックを含む)、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料およびジケトピロロピロール系顔料などが挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、酸化チタンおよびカーボンブラックが好ましい。
【0103】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、着色顔料を含有する場合、着色顔料の配合量は、前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.01〜120質量部の範囲内であることが好ましく、1〜90質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜75質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0104】
また、前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカおよびアルミナホワイト等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、硫酸バリウムおよびタルクが好ましく、タルクがより好ましい。
【0105】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、体質顔料を含有する場合、体質顔料の配合量は、前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0106】
また、前記光輝性顔料としては、具体的には、例えば、ノンリーフィング型もしくはリーフィング型アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンまたは酸化鉄で被覆された酸化アルミニウムおよび酸化チタンまたは酸化鉄で被覆された雲母等が挙げられる。なかでも、アルミニウムが好ましい。
【0107】
前記光輝性顔料はりん片状であることが好ましい。また、光輝性顔料の長手方向寸法は、1〜100μmの範囲内であることが好ましく、5〜40μmの範囲内であることがより好ましい。光輝性顔料の厚さは、0.001〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.01〜2μmの範囲内であることがより好ましい。
【0108】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、光輝性顔料を含有する場合、光輝性顔料の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、3〜20質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜15質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0109】
本発明の耐チッピング性塗料組成物は、必要に応じて、さらに、硬化触媒、水酸基含有ウレタン樹脂(A)以外の樹脂、中空粒子、エラストマー粒子およびその他の塗料用添加剤等を配合することができる。
【0110】
前記硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2−エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅およびテトラ(2−エチルヘキシル)チタネートなどの有機金属化合物、第三級アミン並びにりん酸化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0111】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、硬化触媒を含有する場合、硬化触媒の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.001〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.003〜3質量部の範囲内であることがより好ましく、0.005〜1質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0112】
前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)以外の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリオレフィン樹脂等を使用することができる。
【0113】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂並びにエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテルおよびポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の脂肪族型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0114】
本発明の耐チッピング性塗料組成物は、形成される塗膜の耐水性および耐チッピング性の観点から、前記エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
【0115】
前記エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER827」、「jER828」、「jER828EL」、「jER828XA」、「jER834」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON840」、「EPICLON840−S」、「EPICLON850」、「EPICLON850−S」、「EPICLON850−CRP」、「EPICLON850−LC」(以上、DIC社製)、「エポトートYD−127」、「エポトートYD−128」(以上、東都化成社製)、「リカレジンBPO−20E」および「リカレジンBEO−60E」(以上、新日本理化社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、「jER806」、「jER807」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON830」、「EPICLON830−S」、「EPICLON835」(以上、DIC社製)および「エポトートYDF−170」(東都化成社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;「jER152」(ジャパンエポキシレジン社製)等のノボラック型エポキシ樹脂、「jERYX8000」、「jERYX8034」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートST−3000」(東都化成社製)、「リカレジンHBE−100」(新日本理化社製)「デナコールEX−252」(以上、ナガセケムテックス社製)および「SR−HBA」(阪元薬品工業社製)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂並びに「YED205」、「YED216M」、「YED216D」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートYH−300」、「エポトートYH−301」、「エポトートYH−315」、「エポトートYH−324」、「エポトートYH−325」(以上、東都化成社製)、「デナコールEX−211」、「デナコールEX−212」、「デナコールEX−212L」、「デナコールEX−214L」、「デナコールEX−216L」、「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」、「デナコールEX−321」、「デナコールEX−321L」、「デナコールEX−411」、「デナコールEX−421」、「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」、「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」、「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」、「デナコールEX−850」、「デナコールEX−850L」、「デナコールEX−851」、「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」「デナコールEX−911」、「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」(以上、ナガセケムテックス社製)、「SR−NPG」、「SR−16H」、「SR−16HL」、「SR−TMP」、「SR−PG」、「SR−TPG」、「SR−4PG」、「SR−2EG」、「SR−8EG」、「SR−8EGS」、「SR−GLG」、「SR−DGE」、「SR−DGE」、「SR−4GL」、「SR−4GLS」および「SR−SEP」(以上、阪元薬品工業社製)等の脂肪族型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0116】
また、前記エポキシ樹脂は、形成される塗膜の耐チッピング性、耐水性および平滑性の観点から、エポキシ当量が110〜500の範囲内であることが好ましく、130〜350の範囲内であることがより好ましく、150〜250の範囲内であることがさらに好ましい。
【0117】
また、前記エポキシ樹脂は、形成される塗膜の耐チッピング性、耐水性および平滑性の観点から、数平均分子量が170〜2,800の範囲内であることが好ましく、200〜800の範囲内であることがより好ましく、300〜500の範囲内であることがさらに好ましくは好ましい。また、該エポキシ樹脂は、形成される塗膜の耐チッピング性および耐水性の観点から、水酸基を有することが好ましい。
【0118】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、前記エポキシ樹脂を含有する場合、エポキシ樹脂の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、2〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0119】
前記アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーおよびその他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合開始剤の存在下に共重合して得られるアクリル樹脂等を挙げることができる。
【0120】
前記アクリル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜100,000の範囲内であることがより好ましい。また、酸価は、5〜150mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、10〜75mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。さらに、水酸基価は10〜160mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、30〜120mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。
【0121】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、アクリル樹脂を含有する場合、アクリル樹脂の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、2〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0122】
また、前記ポリエステル樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどの多価アルコールと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸および無水トリメリット酸などの多価カルボン酸成分との縮合反応によって得られるポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0123】
前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜70,000の範囲内であることがより好ましい。また、酸価は1〜100mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、5〜50mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。さらに、水酸基価は10〜160mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、30〜120mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。
【0124】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、ポリエステル樹脂を含有する場合、ポリエステル樹脂の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、2〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0125】
また、前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテンおよびイソプレン等から選ばれる少なくとも1種のオレフィン類のラジカル単独重合体又は共重合体並びに該オレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどの重合性不飽和単量体とのラジカル共重合体が挙げられる。
【0126】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、ポリオレフィン樹脂を含有する場合、ポリオレフィン樹脂の配合量は、水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.1〜50質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、2〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0127】
前記塗料用添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤および顔料分散剤等を使用することができる。
【0128】
本発明に係る耐チッピング性塗料組成物は、前記水酸基含有ウレタン樹脂(A)および硬化剤(B)、並びに、必要に応じて、顔料、硬化触媒、水酸基含有ウレタン樹脂(A)以外の樹脂およびその他の塗料用添加剤等を、公知の方法により、溶媒中で混合し、分散せしめることによって調整することができる。
【0129】
上記溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用することができる。該有機溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ペンタン、イソプロパノール、1−ブタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上混合して使用することができる。
【0130】
本発明の耐チッピング性塗料組成物の固形分は、通常5〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましく、15〜50質量%であるのが更に好ましい。
【0131】
本発明の耐チッピング性塗料組成物が、耐チッピング性および耐水性に優れた塗膜を形成できる理由としては、ポリオール化合物(a1)中のヌレート構造を有する環状構造によって、形成される塗膜中への水の浸透が抑制されるため、耐水性に優れた塗膜が形成されることが推察される。さらに、前記ポリオール成分(a)として、比較的長いアルキレン鎖を有するジオール化合物(a2−1)を使用する場合には、該ジオール化合物(a2−1)によって、形成される塗膜に柔軟性が付与されるため、上記耐水性に加え、さらに耐チッピング性にも優れた塗膜が形成されることが推察される。
【0132】
〔塗膜形成方法〕
本発明の耐チッピング性塗料組成物を種々の被塗物に塗装することにより、優れた耐水性および耐チッピング性を有する塗膜を形成することができる。
【0133】
〔被塗物〕
本発明の耐チッピング性塗料組成物を適用する被塗物としては、特に限定されないが、例えば、乗用車、トラック、オートバイおよびバス等の自動車車体の外板部、自動車部品、鉄道車両の外板部、道路標識並びにガードレール等を挙げることができる。これらのうち、自動車車体の外板部および自動車部品が好ましい。なかでも、優れた平滑性および耐水性が要求される自動車車体のフード部およびルーフ部が好ましい。
【0134】
これらの被塗物の材質としては、特に限定されるものではない。例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼および亜鉛合金(例えば、Zn−Al、Zn−NiおよびZn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂およびエポキシ樹脂等の樹脂類並びに各種のFRP等のプラスチック材料;セメントおよびコンクリート等の無機材料等を挙げることができる。これらのうち、金属材料およびプラスチック材料が好ましく、金属材料が特に好ましい。
【0135】
上記被塗物は、上記金属材料やそれから成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理および複合酸化物処理等の表面処理を施したものであってもよく、さらに、その上に塗膜を形成したものであってもよい。
【0136】
塗膜形成を施した被塗物としては、基材に必要に応じて表面処理を施し、その上に下塗り塗膜を形成したもの、および該下塗り塗膜の上に中塗り塗膜を形成したもの等を挙げることができる。なかでも、基材に必要に応じて表面処理を施し、その上に電着塗料を塗装して下塗り塗膜を形成したものが好適である。電着塗料としては、カチオン性電着塗料が好ましい。
【0137】
〔塗装方法〕
本発明の耐チッピング性塗料組成物を被塗物に塗装することによりウェット塗膜(未硬化の塗膜)を形成した後、該ウェット塗膜を硬化させることにより、目的の塗膜を形成できる。
【0138】
本発明の耐チッピング性塗料組成物の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装およびカーテンコート塗装などが挙げられ、これらの塗装方法でウェット塗膜を形成することができる。これらのうち、エアスプレー塗装およびエアレススプレー塗装が好ましい。また、塗装に際して、必要に応じて、静電印加してもよい。
【0139】
本発明の耐チッピング性塗料組成物の塗布量は、硬化膜厚として、通常0.5〜20μmとなる量であることが好ましく、2〜10μmとなる量であることがより好ましく、4〜8μmとなる量であることがさらに好ましい。
【0140】
ウェット塗膜の硬化は、被塗物に本発明の耐チッピング性塗料組成物を塗装後、加熱することにより行うことができる。加熱は、公知の加熱手段により行うことができる。加熱手段としては、例えば、熱風炉、電気炉および赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉が挙げられる。
【0141】
加熱温度は、60〜180℃が好ましく、80〜170℃がより好ましく、100〜160℃が更に好ましい。加熱時間は、特に制限されるものではないが、通常10〜60分間程度が好ましく、20〜40分間程度がより好ましい。
【0142】
本発明の耐チッピング性塗料組成物の塗装後は、上記加熱硬化を行なう前に、ワキ等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒートおよびエアブロー等を行うことができる。また、加熱を行なわず、室温で1〜60分間程度のインターバルをおいてもよい。
【0143】
前記プレヒートの温度は、40〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間〜15分間が好ましく、1〜10分間がより好ましく、2〜5分間が更に好ましい。
【0144】
また、前記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃程度の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間吹き付けることにより行うことが好ましい。
【0145】
一般に、自動車車体の金属基材部分は、必要に応じて表面処理が施された後、該金属基材上に下塗り塗料、中塗り塗料および上塗り塗料が順次塗装され、下塗り塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜からなる複層塗膜が形成される。
【0146】
前記下塗り塗料は、一般に、被塗物に防食性を付与することを目的として塗装される。また、前記中塗り塗料は、通常、被塗物に平滑性、耐チッピング性および塗膜間の密着性を付与することを目的として塗装される。
【0147】
また、前記上塗り塗料は、一般に、被塗物に優れたデザイン性(例えば、色、金属感および光沢等)を付与することを目的として塗装される。上塗り塗料の塗装方法としては、例えば、1種類の上塗り塗料を塗装して単層の上塗り塗膜を形成する方法、着色ベースコート塗料およびクリヤーコート塗料からなる2種類の上塗り塗料を塗装して2層構造を有する上塗り塗膜を形成する方法並びに白色ベースコート塗料、パール色ベースコート塗料およびクリヤーコートからなる3種類の上塗り塗料を塗装して3層構造を有する上塗り塗膜を形成する方法等が挙げられる。
【0148】
これらのなかでも、得られる塗膜のデザイン性向上および塗装工数低減の観点から、上塗り塗料として、着色ベースコート塗料およびクリヤーコート塗料からなる2種類の上塗り塗料を塗装し、2層構造を有する上塗り塗膜を形成することが好ましい。
【0149】
本発明の耐チッピング性塗料組成物は、前記下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料、ベースコート塗料およびクリヤーコート塗料のうちの少なくとも1つとして使用することができる。また、本発明の耐チッピング性塗料組成物を、前記金属基材と下塗り塗膜との間、下塗り塗膜と中塗り塗膜との間、中塗り塗膜と上塗り塗膜との間、ベースコート塗膜とクリヤーコート塗膜との間等に塗装することにより、これらの塗膜間に耐チッピング性塗膜を形成することもできる。
【0150】
なかでも、得られる塗膜の耐チッピング性、耐水性および平滑性の観点から、下塗り塗料の塗装と中塗り塗料の塗装との間に、本発明の耐チッピング性塗料組成物を塗装することにより、下塗り塗膜と中塗り塗膜との間に、耐チッピング性塗膜を形成することが好ましい。この場合の塗膜形成方法としては、例えば、下記工程(1)〜(8)を含む方法Iが挙げられる。
【0151】
〔方法I〕
(1)被塗物に、下塗り塗料組成物を塗装して未硬化の下塗り塗膜を形成する工程、
(2)前記の未硬化の下塗り塗膜を加熱硬化させる工程、
(3)前記の加熱硬化した下塗り塗膜上に、本発明の耐チッピング性塗料組成物を塗装して未硬化の耐チッピング性塗膜を形成する工程、
(4)前記の未硬化の耐チッピング性塗膜上に、中塗り塗料組成物を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
(5)前記の未硬化の耐チッピング性塗膜および未硬化の中塗り塗膜を、同時に加熱硬化させる工程、
(6)前記の硬化した中塗り塗膜上に、ベースコート塗料組成物を塗装して未硬化のベースコートを形成する工程、
(7)前記の未硬化のベースコート塗面上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装して未硬化のクリヤーコートを形成する工程、並びに
(8)前記の未硬化のベースコートおよび未硬化のクリヤーコートを同時に加熱硬化させる工程。
【0152】
上記下塗り塗料は、電着塗料であることが好ましく、カチオン電着塗料であることがさらに好ましい。また、上記未硬化塗膜には、指触乾燥状態の塗膜および半硬化乾燥状態の塗膜が含まれる。
【0153】
本発明の耐チッピング性塗料組成物を、上記方法Iの方式で塗装する場合、その塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常0.5〜20μmの範囲内であることが好ましく、2〜10μmの範囲内であることがより好ましく、4〜8μmの範囲内であることがさらに好ましい。
【0154】
方法Iにおいて、中塗り塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常10〜60μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。また、ベースコート塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましく、10〜20μmが更に好ましい。また、クリヤーコート塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常、10〜80μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。
【0155】
また、本発明の耐チッピング性塗料組成物は、自動車車体等の被塗物に、中塗り塗膜、ベースコートおよびクリヤーコートからなる複層塗膜を、3コート1ベーク方式で形成する場合においても、好適に用いることができる。この場合の塗膜形成方法としては、下記工程(1)〜(7)を含む方法IIが挙げられる。
【0156】
〔方法II〕
(1)被塗物に、下塗り塗料組成物を塗装して未硬化の下塗り塗膜を形成する工程、
(2)前記の未硬化の下塗り塗膜を加熱硬化させる工程、
(3)前記の硬化した下塗り塗膜上に、本発明の耐チッピング性塗料組成物を塗装して未硬化の耐チッピング性塗膜を形成する工程、
(4)前記の未硬化の耐チッピング性塗膜上に、中塗り塗料組成物を塗装して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
(5)前記の未硬化の中塗り塗膜上に、ベースコート塗料組成物を塗装して未硬化のベースコートを形成する工程、
(6)前記の未硬化のベースコート塗面上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装して未硬化のクリヤーコートを形成する工程、並びに
(7)前記の未硬化の耐チッピング性塗膜、未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコートおよび未硬化のクリヤーコートを同時に加熱硬化させる工程。
【0157】
上記方法IIは、前記方法Iの塗膜形成方法において、中塗り塗料塗装後の耐チッピング性塗膜および中塗り塗膜の硬化工程を省略し、クリヤーコート塗料組成物を塗装した後に、該耐チッピング性塗膜、中塗り塗膜、ベースコートおよびクリヤーコートを同時に加熱硬化するものである。
【0158】
本発明の耐チッピング性塗料組成物を、上記方法IIの方式で塗装する場合、その塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常0.5〜20μmの範囲内であることが好ましく、2〜10μmの範囲内であることがより好ましく、4〜8μm程度の範囲内であることがさらに好ましい。
【0159】
方法IIにおいて、中塗り塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常10〜60μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。また、本発明のベースコート塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましく、10〜20μmが更に好ましい。また、クリヤーコート塗料組成物の塗装膜厚は、硬化膜厚として、通常10〜80μmが好ましく、15〜60μmとするのがより好ましい。
【0160】
上記方法IおよびIIで用いられる中塗り塗料組成物としては、公知の熱硬化性中塗り塗料組成物をいずれも使用できる。例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂、架橋剤、着色顔料および体質顔料を含有する熱硬化性塗料組成物を、好適に使用できる。
【0161】
前記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基およびエポキシ基等を挙げることができる。
【0162】
前記基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂およびウレタン樹脂などを挙げることができる。
【0163】
前記架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物およびブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
【0164】
前記中塗り塗料組成物としては、有機溶剤型塗料組成物、水性塗料組成物および粉体塗料組成物のいずれを用いてもよい。
【0165】
上記方法IおよびIIで用いられるベースコート塗料組成物としては、公知の熱硬化性ベースコート塗料組成物をいずれも使用できる。例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂、架橋剤、着色顔料および体質顔料を含有する熱硬化性塗料組成物を、好適に使用できる。
【0166】
前記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基およびエポキシ基等を挙げることができる。
【0167】
前記基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂およびウレタン樹脂などを挙げることができる。
【0168】
前記架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物およびブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
【0169】
前記ベースコート塗料組成物としては、有機溶剤型塗料組成物、水性塗料組成物および粉体塗料組成物のいずれを用いてもよい。
【0170】
上記方法IおよびIIで用いられるクリヤー塗料組成物としては、自動車車体等の塗装用として公知の熱硬化性クリヤー塗料組成物をいずれも使用できる。例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂および架橋剤を含有する有機溶剤型熱硬化性塗料組成物、水性熱硬化性塗料組成物および粉体熱硬化性塗料組成物等を挙げることができる。
【0171】
前記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基およびシラノール基等を挙げることができる。
【0172】
前記基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびフッ素樹脂などを挙げることができる。
【0173】
前記架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルボキシル基含有化合物、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂およびエポキシ基含有化合物などを挙げることができる。
【0174】
また、前記クリヤー塗料としては、一液型塗料であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等の多液型塗料であってもよい。
【0175】
また、前記記クリヤー塗料組成物には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、光輝性顔料および染料等を含有させることができ、さらに体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤および表面調整剤等を適宜含有せしめることができる。
【0176】
クリヤー塗料組成物の基体樹脂/架橋剤の組み合わせとしては、カルボキシル基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/メラミン樹脂等の組み合わせが好ましい。
【0177】
上記方法IおよびIIにおいて、中塗り塗料組成物およびクリヤー塗料組成物の塗装は、公知の方法、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装等の方法によって塗装することができる。
【実施例】
【0178】
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明を一層具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されない。各例において、「部」および「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づく。
【0179】
〔トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのε−カプロラクトン変性体の製造〕
(製造例1)
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管および滴下装置を備えた4つ口の反応容器に、「PLACCEL−M」(商品名、ダイセル化学工業社製、ε−カプロラクトン)456部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート261部およびテトラブチルチタネート0.03部を仕込み、攪拌しながら160℃まで加熱昇温した。同温度にておよそ4時間反応させて、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのε−カプロラクトン変性体を得た。
【0180】
〔水酸基含有ウレタン樹脂(A)の製造〕
(製造例2)
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管および滴下装置を備えた4つ口の反応容器に、メチルイソブチルケトン243部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(分子量261)20部、「ニューポールPP−1000」(商品名、三洋化成社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g)102部、N−メチル−2−ピロリドン24部およびジブチル錫ジラウレート0.016部を仕込み、攪拌しながら110℃まで加熱昇温した。次いで、液体の温度を110℃に維持しながら、メチレンビス(1,4−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート40部を添加し、イソシアネート価が樹脂固形分基準で1.0mgNCO/g以下になるまで反応させた。次いで、メチルイソブチルケトン111部を添加し、固形分30%の水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)を得た。得られた水酸基含有ウレタン樹脂の水酸基価は44mgKOH/g、重量平均分子量は20,000、数平均分子量は5,000であった。
【0181】
また、得られた水酸基含有ウレタン樹脂の、ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1は、以下のように計算した。
【0182】
ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)のモル数
=20/261(トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート)
≒0.0766[mol]
【0183】
ポリオール成分(a)のモル数
=20/261(トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート)+102/1000(「ニューポールPP−1000」)
≒0.0766+0.102
=0.1786[mol]
【0184】
ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1
=0.0766/0.1786×100
≒43[mol%]
【0185】
また、得られた水酸基含有ウレタン樹脂の、ポリオール成分(a)の総量に対するジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1は、以下のように計算した。
【0186】
ジオール化合物(a2−1)の合計モル数
=102/1000(「ニューポールPP−1000」)
=0.102[mol]
【0187】
ポリオール成分(a)の総量に対するジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1
=0.102/0.1786×100
≒57[mol%]
【0188】
また、得られた水酸基含有ウレタン樹脂の、上記Ca1とCa2−1との比Ca1/Ca2−1は、上記の計算値より、43/57であった。
【0189】
(製造例3〜29)
下記表1〜3に示す配合とする以外、製造例1と同様にして合成し、固形分30%の水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−2)〜(A−28)を得た。
【0190】
表1〜3に、水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)〜(A−28)の原料組成(部)、ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1、ポリオール成分(a)の総量に対するジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1、該Ca1とCa2−1との比Ca1/Ca2−1、水酸基価、酸価、重量平均分子量および数平均分子量を示す。
【0191】
【表1】

【0192】
【表2】

【0193】
【表3】

【0194】
(注1)「PTMG−650」:商品名、三菱化学社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量650、水酸基価172mgKOH/g
(注2)「PTMG−1000」:商品名、三菱化学社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g
(注3)「PTMG−2000」:商品名、三菱化学社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量2,000、水酸基価56mgKOH/g
(注4)「UH−CARB50」:商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量500、水酸基価224mgKOH/g
(注5)「UH−CARB100」:商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g
(注6)「UH−CARB200」:商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量2,000、水酸基価56mgKOH/g
(注7)「UH−CARB300」:商品名、宇部興産社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量3,000、水酸基価37mgKOH/g
(注8)「クラレポリオールP−510」:商品名、クラレ社製、ポリエステルジオール、数平均分子量500、水酸基価224mgKOH/g
(注9)「クラレポリオールP−1011」:商品名、クラレ社製、ポリエステルジオール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g
(注10)「PEG−1000」:商品名、三洋化成社製、ポリエチレングリコール、数平均分子量1,000、水酸基価112mgKOH/g
【0195】
表1〜3において、水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)〜(A−28)のうち、水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)〜(A−25)は、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)に該当する。
【0196】
〔塗料組成物の製造〕
(実施例1)
製造例1で得た水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)83部(樹脂固形分25部)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、二酸化チタン顔料)50部、「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック顔料)1部、「MICRO ACE S−3」(商品名、日本タルク社製、タルク)5部およびメチルイソブチルケトン15部を混合した後、ペイントシェーカーで30分間分散させて顔料分散ペーストを得た。
【0197】
次に、得られた顔料分散ペースト154部、製造例2で得た水酸基含有ウレタン樹脂溶液(A−1)117部(樹脂固形分35部)、「デスモジュール BL3370MPA」(商品名、住化バイエルウレタン社製、活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物、固形分70%)43部(樹脂固形分30部)および「デナコールEX−252」(商品名、ナガセケムテックス社製、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量213)10部を均一に混合した。
【0198】
次いで、得られた混合物に、メチルイソブチルケトンを添加し、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度15秒の塗料組成物(X−1)を得た。
【0199】
(実施例2〜30および比較例1〜3)
実施例1において、配合組成を下記表4〜6に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物(X−2)〜(X−33)を得た。
【0200】
【表4】

【0201】
【表5】

【0202】
【表6】

【0203】
(注11)「デスモジュール BL3175」(商品名、住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムブロック化ポリイソシアネート化合物、固形分75%)
(注12)「スミジュール N3300」(商品名、住化バイエルウレタン社製、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物、固形分100%)
(注13)「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)
(注14)「デナコールEX−931」(商品名、ナガセケムテックス社製、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量471)
【0204】
〔試験用被塗物の作製〕
30cm×45cmのリン酸亜鉛処理された冷延鋼板に、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料組成物(商品名「エレクロンGT−10」、関西ペイント社製)を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で30分加熱して硬化させて、試験用被塗物を作製した。
【0205】
〔塗膜形成方法〕
実施例31
前記試験用被塗物に、塗料組成物(X−1)を、エアスプレー型塗装機を用いて、膜厚6μmとなるように塗装し、2分間放置した。次いで、その未硬化塗面上に、中塗り塗料組成物(商品名「TP−65−2」、関西ペイント社製、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型塗料組成物)を膜厚35μmになるように塗装し、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を同時に硬化させた。次いで、上塗り着色ベースコート塗料組成物(商品名「WBC−713T」、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系水性塗料組成物)を、回転霧化型のベル型塗装機を用いて、膜厚15μmとなるように塗装し、2分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった。次いで、その未硬化塗面上に上塗りクリヤーコート塗料組成物(商品名「マジクロンKINO−1210」、関西ペイント社製、アクリル樹脂系有機溶剤型塗料組成物)を膜厚40μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を同時に硬化させた。かくして、試験用被塗物上に塗料組成物(X−1)による塗膜、中塗り塗膜、ベースコートおよびクリヤーコートからなる複層塗膜が形成された試験板を得た。
【0206】
実施例32〜60および比較例4〜6
実施例31において、塗料組成物(X−1)に代えて、表7に示した塗料組成物を用いる以外は、実施例31と同様にして、実施例32〜60および比較例4〜6の試験板を得た。
【0207】
〔評価試験〕
上記実施例31〜60および比較例4〜6で得られた各試験板について、耐チッピング性、平滑性および耐水性の塗膜性能を調べた。試験方法は、下記の通りである。
【0208】
耐チッピング性:飛石試験機「JA−400型」(商品名、スガ試験機社製、耐チッピング性試験装置)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃において、30cmの距離から0.392MPa(4kgf/cm)の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを試験板に45度の角度で衝突させた。その後、得られた試験板を水洗して、乾燥し、塗面に布粘着テープ(ニチバン社製)を貼着して、それを剥離した後、塗膜のキズの発生程度等を目視で観察し、下記基準により評価した。
【0209】
◎:キズの大きさが極めて小さく、電着面や素地の鋼板が露出していない
○:キズの大きさが小さく、電着面や素地の鋼板が露出していない
△:キズの大きさは小さいが、電着面や素地の鋼板が露出している
×:キズの大きさはかなり大きく、素地の鋼板も大きく露出している
【0210】
耐水性:試験板を、40℃の温水に240時間浸漬後引き上げ、20℃で12時間乾燥した後、試験板上の複層塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込み、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作る。続いて、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存状態を調べた。耐水性の評価基準は、次の通りである。
【0211】
◎:ゴバン目塗膜が100個残存し、且つフチカケが生じていない
○:ゴバン目塗膜が100個残存しているが、フチカケが生じている
△:ゴバン目塗膜が90〜99個残存している
×:ゴバン目塗膜の残存数が89個以下である
【0212】
平滑性:各試験板について、「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるWd値に基づいて、平滑性を評価した。Wd値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。
【0213】
鮮映性:各試験板について、「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるWb値に基づいて、鮮映性を評価した。Wb値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。
【0214】
表7に、塗膜性能の試験結果を示す。
【表7】

【0215】
表7の実施例31〜60に示すように、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)を含むポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有する塗料組成物X−1〜X−30によって形成された塗膜は、耐チッピング性および耐水性に優れるとともに、平滑性および鮮映性に優れていた。
【0216】
一方、比較例4に示すように、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)を含まないポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有する塗料組成物X−31によって形成された塗膜は、耐水性に劣っていた。また、比較例6に示すように、塗料組成物X−33によって形成された塗膜は、耐チッピング性および耐水性が劣っていた。
【0217】
さらに、比較例5に示すように、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびジオール化合物(a2−1)を含まないポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有する塗料組成物X−32によって形成された塗膜は耐水性、平滑性および鮮映性に劣っていた。
【0218】
これらの結果から、ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)を含むポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)を含有する塗料組成物により、耐チッピング性および耐水性に優れるとともに、平滑性および鮮映性に優れた塗膜を形成できることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)およびその他のポリオール化合物(a2)からなるポリオール成分(a)とポリイソシアネート化合物(b)との反応によって得られる水酸基含有ウレタン樹脂(A)並びに硬化剤(B)を含有することを特徴とする耐チッピング性塗料組成物。
【請求項2】
ヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)が、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートである請求項1に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項3】
その他のポリオール化合物(a2)が、下記一般式(1)で示されるポリエーテルジオール化合物(a2−1−1)および下記一般式(2)で示されるポリカーボネートジオール化合物(a2−1−2)の少なくとも一方のジオール化合物(a2−1)を含有する請求項1又は2に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【化1】

〔式(1)中、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表し、mは2〜100の整数を表す。m個の繰り返し単位中の各Rは同一であっても互いに異なっていてもよい。〕
【化2】

〔式(2)中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数3以上のアルキレン基を表し、nは2〜100の整数を表す。〕
【請求項4】
ポリオール成分(a)の総量に対するヌレート構造を有する環状ポリオール化合物(a1)の含有割合Ca1が1〜75mol%の範囲内であり、かつポリオール成分(a)の総量に対するジオール化合物(a2−1)の含有割合Ca2−1が10〜99mol%の範囲内であり、かつ上記Ca1とCa2−1との比Ca1/Ca2−1が1/99〜75/25の範囲内である請求項3に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項5】
ポリイソシアネート化合物(b)が、脂環族ジイソシアネートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項6】
水酸基含有ウレタン樹脂(A)の水酸基価が1〜100mgKOH/gの範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項7】
硬化剤(B)が、ブロック化ポリイソシアネート化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項8】
さらに、エポキシ樹脂を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐チッピング性塗料組成物を塗装して得られる塗膜を含む物品。

【公開番号】特開2011−137145(P2011−137145A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267371(P2010−267371)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】