説明

耐ブリード性着色微粒子

【課題】耐ブリード性着色微粒子を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子、その製造方法、それを含む組成物及び、自然なキメのある色調効果を生じさせるための化粧品用途におけるその使用を記載している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子、その製造方法、それを含む組成物及びその使用に関するものである。より具体的には、本発明は、少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子を製造するための独特な方法、得られた耐ブリード性微粒子自体、それを含む組成物並びに化粧品及び家庭用途におけるその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔用化粧品工業に属する種々の製品における微細に破砕された着色材料の使用は周知である。顔用ファンデーション及びとりわけ目の周囲領域のための化粧品のような分野においては、使用される着色剤は、その低い溶解性が皮膚又は衣服に対する色の放出を制限するところの顔料(通常、無機金属酸化物)である。しかしながら、これらの顔料の使用は、化粧品に利用可能なカラーパレットを制限し、そして世界的規模の市場における種々の民族性に対処するために要求されるカラーパレット全体を網羅しない。
カラー化粧品市場のこのような分野における有機染料の使用は、遥かに大きい色選択幅を与えるけれども、このような使用は、調節された着色剤の固定及び持続可能性の問題を解決することを必要とする。これを達成するために多くの方法が試みられてきた。
一つの方法は、顔料の溶解性を示す染料を作ることである。商業的には、これは、染料を“レーキ化”すること、従って染料の水不溶性塩を形成することにより行なわれる。しかしながら、有効ではあるもののこのプロセスは可逆的であり、そして可溶性染料が染料レーキから再形成され得る。
様々な環境及び条件に付された場合に、長時間に渡って着色剤を恒久的に保持することは一般的に困難である。
【0003】
シリコーンの作用により変性された顔料及び他の着色剤は周知である。有機硅素化合物を用いて化粧品パウダーをコーティングすることは、反応性アルキルポリシロキサンを化粧品パウダー粒子表面と反応させて、改良された分散性、安定性及びパウダー触感を与え、そして広範な化粧品パウダーに適する多目的のコーティング方法を提供するところの、国際公開第03/043567号明細書及び米国特許出願公開第2003/0161805号明細書において議論されている。
上述の国際公開第03/043567号明細書において、着色剤は、シリコーン処理剤(30%活性溶液)と比率5.7:1(質量:質量)で室温でブレンドされる。これは、オーブン中110℃で4時間加熱され、そして室温に冷却された後、粉砕される。
しかしながら、これらの刊行物は、着色剤放出の調節を教示しないばかりか、それらは前記処理のマイクロカプセル表面への適用性を開示していない。更に、それらはパウダー自体の処理を教示するのみであり、他方、本発明において処理された粒子は、油中水エマルジョン中のエマルジョン液滴であり、これは、続く脱水の後に初めて固体粒子になる。
別の方法は、可溶性染料をマイクロカプセル化のプロセスに付すことにより、着色剤を不溶化する。
【0004】
米国特許第5,234,711号明細書は、インク製剤において用いられる顔料粒子のカプセル化方法及び更に、アイライナーペンシルのような化粧品のためのその使用を記載している。この文献は、顔料粒子の湿潤性、分散性及び耐熱性を向上させるためにカプセル化方法を用いている。カプセル化方法は、ポリビニルピロリドンホモ−又はコポリマーでカプセル化された顔料を形成するための、水性媒体中での酸化還元又は遊離基ビニル重合を含む。
米国特許第5,382,433号明細書及び公開されたPCT出願である国際公開第9
8/5002号明細書は、マイクロカプセル化された顔料粒子を含む化粧品製剤の使用を記載している。前記米国特許第5,382,433号明細書におけるカプセル化された顔料は、液滴形成重合により作られる。
カプセル化された又は捕捉された着色剤を提供するための種々の技術が知られている。例えば、公開されたPCT出願である国際公開第91/06277明細書は、無水の基剤又はビヒクル中に分散された、活性化可能な休眠顔料を有する化粧品配合物を記載している。粉砕された顔料又は液体キャリヤ分散物はマイクロカプセル化されて、ミクロン寸法粒子の安定で、乾燥した、自由流動性パウダーを形成する。カプセル化のための好ましい方法は、液滴形成、例えば液体分散物を連続的な外側の水性相に乳化してミクロン寸法粒子の液滴を形成することによる。錯体を含むコロイド状材料をその後、前記外側の相が各液滴の上又は周囲に堆積物を形成し、それにより、外壁又はシェルを形成するように、該相に添加する。マイクロカプセルは、物理的な力が加えられた場合に破裂し、そして休眠顔料を放出することを意図している。
公開された欧州特許出願公開第225,799号明細書は、ポリマーシェル内にカプセル化されている、液体、ゲル、ワックス又は低温溶融性固体キャリヤ相中の、マイクロカプセル化された固体の非磁性着色材料を記載している。シェルに吸着されるのは、固体着色材料表面の親油性を向上させるシラン又はチタネートカップリング剤である。
【0005】
米国特許第5,143,723号明細書は、溶媒和された染料を樹脂に配合し、そして化粧品キャリヤと混合することにより形成された顔料を含む化粧品組成物に関するものである。溶媒和された染料は、弾性化された又は溶融された樹脂にそれを添加することにより、或いは染料を、未重合樹脂と染料及び樹脂に対する共通の溶剤との溶液に溶解し、その後樹脂を重合することにより、或いは染料を樹脂と接触させることにより、樹脂に配合し得る。従って、溶媒和された染料が樹脂全体に分散される。それは、ポリマーシェル内にカプセル化されていない。含浸された樹脂パウダーは、種々の化粧品組成物において使用可能であると言われている。
国際公開第02/090445号明細書は、マトリックスポリマー及びそれ全体に分散された着色剤を含むポリマー粒子を提供する。マトリックスポリマーは、揮発性対イオンの塩であるエチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー及び50℃を越えるガラス転移温度のホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマーを含むモノマーブレンドから形成される。典型的なマトリックスポリマーは、スチレンとアクリル酸アンモニウムとから形成されたコポリマーを含む。ポリマー粒子は良好な保持特性を示し、そして種々の条件下で着色剤を保持することが可能であることが教示されている。しかしながら、これらの粒子は、これらが機械的剪断下で破砕され且つ粉砕さえもされ得、そしてこれが着色剤の放出を導き得る欠点を与える傾向がある。
【0006】
国際公開第04/075679号明細書及び関連する同時継続の米国特許出願公開第2005/0031558号明細書は、化粧品組成物について上記国際公開第02/090445号明細書に記載された方法と同じ方法で製造された、マイクロカプセル化された着色剤のブレンドの使用を記載している。前記ブレンドは、適用された場合に、キメのある自然な色調を生じさせるか、又は、化粧品自体上で又は化粧品自体において同様の効果を生じる。しかしながら、上記のように、マイクロカプセルは機械的剪断下で破砕され且つ粉砕さえもされる傾向を有する。粒子における破砕又は壊れた粒子は、着色剤の目視上の損傷に導く。
国際公開第05/123009号明細書及び関連する同時継続の米国特許出願公開第2005/0276774号明細書は、エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー及び50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマーを含むモノマーブレンドから形成されたマトリックスポリマーに着色剤を捕捉することにより、上記のごとく製造されたマイクロ
カプセル化された着色剤であって、ここで、二次粒子が該マトリックス全体に分散されており、該二次粒子は、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマー及び所望により他のモノマーから形成された疎水性ポリマーを含み、該疎水性ポリマーは前記マトリックスポリマーのものと異なるところのマイクロカプセル化された着色剤の、耐粉砕性を改良する問題に取り組んでいる。これらのマイクロカプセル化された着色剤は改良された耐粉砕性を有するが、それらの耐ブリード性は、特に化粧品用途において、必ずしも満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第03/043567号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2003/0161805号明細書
【特許文献3】米国特許第5,234,711号明細書
【特許文献4】米国特許第5,382,433号明細書
【特許文献5】国際公開第98/5002号明細書
【特許文献6】国際公開第91/06277明細書
【特許文献7】公開された欧州特許出願第225,799号明細書
【特許文献8】米国特許第5,143,723号明細書
【特許文献9】国際公開第02/090445号明細書
【特許文献10】国際公開第04/075679号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0031558号明細書
【特許文献12】国際公開第05/123009号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0276774号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、低ブリード性を主張しているように、上記特許及び刊行物により包含されたマイクロカプセルは、高められた温度で長期間に渡り試験された場合に、経時的に着色剤を徐々に放出するか、又は、“ブリード(滲出)”することが見出された。色のブリードは、水分及び/又は、化粧品配合物中に典型的に見出される組成中の他の成分、例えばアルコール又はグリコール、界面活性剤、シリコーン、油、防腐剤、塩及び他の成分との接触を通して、染料又は顔料が微小球を通って又は微小球外に移動する場合に起こる。化粧品組成物中の着色剤のリーチング又はブリードは、容器内及び基材上の両方において、化粧品の長期間の視覚効果を損ない得る。
従って、種々の用途のために使用され得る改良された色耐ブリード性を持つマイクロカプセルを提供する必要性がある。とりわけ、捕捉されるか、又は、カプセル化された着色剤を含み、良好な耐粉砕性を保持し、そして様々な環境に置かれた場合に、改良された耐ブリード性を示す製品を提供する必要性がある。これは、染料を恒久的に保持することが一般的に困難な油溶性及び水溶性の有機染料を用いる場合に、特に問題である。化粧品組成物において、染料が恒久的に保持されない場合には、これは、化粧品の長期間の視覚効果を損ない得る。
本発明のマイクロカプセルは、良好な耐粉砕性を保持しながらブリード問題を克服する。従って、これらを含む解は、高められた温度において長期貯蔵された後でさえも、実質的に着色されないままである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一面において、本発明は、
(a)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形
成されたポリマーA5質量%ないし95質量%、
(b)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成されたポリマーB5質量%ないし95質量%、
から形成された本質的に無色のポリマーマトリックスであって、その内に、ポリマーAにおけるものと同一又は異なるエチレン系不飽和疎水性モノマー1種又はそれより多くから形成されたポリマー二次粒子が分散されているポリマーマトリックス中に、少なくとも1種の着色剤の有効着色量を含む、耐ブリード性微粒子を提供する。
【0010】
着色剤は好ましくは有機のものである。
微粒子は未架橋であり得るが、しかし、使用中に構造をより効果的に維持するためには、好ましくは架橋されている。
代わりの実施態様において、微粒子は、それらの表面に油溶性添加剤C及び/又はポリマーの両親媒性安定剤Dを更に有し得る。好ましくは、それらは両方を有する。
個々の耐ブリード性着色剤微粒子は、1ミクロンないし60ミクロンの典型的な粒径を有する。
他面において、本発明は、上記の耐ブリード性着色剤微粒子中に捕捉されている着色剤少なくとも1種と、化粧品として許容され得る助剤少なくとも1種とのブレンドの有効着色量を含む化粧品組成物を提供する。
一実施態様において、少なくとも2種の着色剤が同一又は異なる耐ブリード性着色剤微粒子中に捕捉されており、前記少なくとも2種の着色剤は互いに区別される。一実施態様において、原色黄、赤及び青の少なくとも2種のブレンドが用いられる。
本発明は更に、少なくとも1種の微粒子着色剤、好ましくは、上記の少なくとも2種の微粒子着色剤のブレンドの有効着色量を有する液体又は固体化粧品配合物を、体の少なくとも一部に適用することを含む、体の着色方法を提供する。
【0011】
他面において、本発明は、
A)少なくとも1種のポリマーAの塩を含む水相を用意すること、
B)前記水相を、高剪断下で、少なくとも1種のポリマーB、二次ポリマー粒子及び所望により架橋剤を含む第二水相と混合する(ここで、水相A)及び/又は水相B)は少なくとも1種の微細に破砕された着色剤を含む。)こと、
C)高剪断下で、水不混和性液相中に、段階B)からの混合された水相を含み、所望により、油溶性添加剤、両親媒性ポリマー安定剤又はそれらの混合物を含む油中水エマルジョンを形成すること、並びに
D)前記エマルジョンを脱水すること、該脱水においては、水を水性粒子から蒸発させ、それにより、マトリックスポリマー中に少なくとも1種の着色剤を含み、且つ該マトリックスポリマー全体に分散された二次粒子を有する固体微粒子を形成する、
を含む、少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子の製造方法を提供する。
一実施態様において、微細に破砕された着色剤少なくとも1種を含むのは水性相A)である。着色剤は水性相Bに添加され得るが、しかし、着色剤をポリマーAに添加し、続いて着色されたポリマーA溶液をポリマーBに添加するのが好ましい。別の実施態様において、段階B)からの混合された水相を含む油中水エマルジョンはまた、油溶性添加剤及び/又は両親媒性ポリマー安定剤をも含む。
本発明の微粒子着色剤ブレンドは、それらが自然な、キメのある色調効果を生じさせるので、向上した視覚的性能、例えばより自然な皮膚外観を有する。更に、マトリックスポリマーは非常に低い水準のカラーブリードを有し、そして更に、厳しい生成又は取り扱い条件下で粉砕されず、従って、貯蔵及び使用の間、望ましい美的効果を保持する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、
(a)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成されたポリマーA5質量%ないし95質量%、
(b)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成されたポリマーB5質量%ないし95質量%、
から形成された本質的に無色のポリマーマトリックスであって、その内に、ポリマーAにおけるものと同一又は異なるエチレン系不飽和疎水性モノマー1種又はそれより多くから形成されたポリマー二次粒子が分散されているポリマーマトリックス中に、少なくとも1種の着色剤の有効着色量を含む、耐ブリード性微粒子を提供する。
着色剤は好ましくは有機のものである。
微粒子は未架橋であり得るが、しかし好ましくは架橋されている。
一実施態様において、無色のポリマーマトリックスは、少なくとも1種のポリマーA5質量%ないし45質量%及び少なくとも1種のポリマーB55質量%ないし95質量%、例えば少なくとも1種のポリマーA5質量%ないし25質量%及び少なくとも1種のポリマーB75質量%ないし95質量%から形成されている。
【0013】
本発明の少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子は、
A)少なくとも1種のポリマーAの塩を含む水相を用意すること、
B)前記水相を、高剪断下で、少なくとも1種のポリマーB、二次ポリマー粒子及び所望により架橋剤を含む第二水相と混合する(ここで、水相A)及び/又は水相B)は少なくとも1種の微細に破砕された着色剤を含む。)こと、
C)高剪断下で、水不混和性液相中に、段階B)からの混合された水相を含み、所望により、油溶性添加剤、両親媒性ポリマー安定剤又はそれらの混合物を含む油中水エマルジョンを形成すること、並びに
D)前記エマルジョンを脱水すること、該脱水においては、水を水性粒子から蒸発させ、それにより、マトリックスポリマー中に少なくとも1種の着色剤を含み、且つ該マトリックスポリマー全体に分散された二次粒子を有する固体微粒子を形成する、
を含む方法により製造され得る。
ポリマー粒子は少なくとも1種のポリマーA及び少なくとも1種のポリマーBを含み、これら両方は、エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種及びエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種を含むモノマーブレンドから形成される。
【0014】
前記少なくとも1種のイオン性モノマーは、アニオン性基又はカチオン性基の何れかを含み得るか、又はその代わりに、潜在的にイオン性、例えば酸無水物の形態であり得る。ポリマーA及びポリマーBのために選択された少なくとも1種のイオン性モノマーは、同一であってもよいし、又は、異なっていてもよいが、しかし両方とも、アニオン性又はカチオン性の何れかであるべきである。好ましくは、前記少なくとも1種のイオン性モノマーは、エチレン系不飽和アニオン性又は潜在的にアニオン性モノマーである。適するアニオン性又は潜在的にアニオン性モノマーの非限定的な例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、イタコン酸無水物、クロトン酸、ビニル酢酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。好ましいアニオン性モノマーは、カルボン酸又は酸無水物である。
前記少なくとも1種のイオン性モノマーがアニオン性、例えばカルボン酸又は無水物である場合は、それは好ましくは、少なくとも1種の揮発性対イオンにより部分的に又は完
全に中和されている。揮発性対イオンは、アンモニア又は揮発性アミン成分であり得る。一般的に、揮発性アミン成分は、低温ないし中程度の温度、例えば200℃までの温度で蒸発させることができる液体である。好ましくは、減圧下、100℃より低い温度で、揮発性アミンを蒸発させることが可能である。従って、ポリマーは、遊離酸形態で製造され、その後、水酸化アンモニウム又は揮発性アミン、例えばエタノールアミン、メタノールアミン、1−プロパノールアミン、2−プロパノールアミン、ジメタノールアミン又はジエタノールアミンの水溶液を用いて中和され得る。あるいは、ポリマーは、アニオン性モノマーのアンモニウム又は揮発性アミン塩を疎水性モノマーと共重合させることによっても製造され得る。
【0015】
脱水段階(D)の間、塩の少なくとも1種の揮発性対イオン成分の少なくとも一部は、望ましくは蒸発する。例えば、ポリマー対イオンがアンモニウムイオンの場合は、揮発性成分アンモニアの少なくとも一部が蒸発する。その結果、蒸発段階の間に、ポリマーはその遊離酸又は遊離塩基形態に変換される。
ポリマーA及びポリマーBの両方とも、エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種及びエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種を含むモノマーブレンドから形成されたコポリマーである。それらポリマーは疎水性モノマーに関して異なる。従って、ポリマーAにおいて、エチレン系不飽和疎水性モノマーは、−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なものから選択され、他方、ポリマーBにおいて、エチレン系不飽和疎水性モノマーは、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なものから選択される。そのガラス転移温度は好ましくは、少なくとも60℃又は少なくとも80℃でさえある。
−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能な疎水性モノマーの非限定的な具体例は、アクリル酸炭素原子数1ないし8のアルキル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル並びに、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル及びアクリル酸オクチルの種々の異性体、例えばアクリル酸2−エチルヘキシルを含む。他の例は、メタクリル酸炭素原子数4ないし8のアルキル、例えばメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、並びにアルケン例えばプロピレン及びn−ブチレンを含む。
50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能な疎水性モノマーの非限定的な具体例は、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸第三ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル及びメタクリル酸イソボルニルを含む。他の可能性としては、変性されたスチレン類又は他のメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルを使用することを含むが、但し、前記モノマーは、50℃を越えるガラス転移温度(Tg )を有するポリマーを形成する。
【0016】
一般的に、ポリマーA及びポリマーBは、適する如何なる重合方法によっても製造され得る。例えば、ポリマーは、例えば欧州特許出願公開第A−697423号明細書又は米国特許第5,070,136号明細書に記載された水性乳化重合により、都合良く製造することができる。ポリマーは、その後、水酸化アンモニウム又は揮発性アミンの水溶液を添加することにより、中和することができる。
典型的な重合方法において、少なくとも1種の疎水性モノマーと少なくとも1種のイオン性モノマーとのブレンドは、少なくとも1種の乳化剤を適量含む水相に乳化される。典型的には、少なくとも1種の乳化剤は、水性エマルジョンを形成するために適する、商業的に入手可能な如何なる乳化剤であってもよい。望ましくは、これらの乳化剤は、水不混和性モノマーに対するよりも水相に対して、より溶解性である傾向を有し、従って、高い親水性親油性均衡(HLB)を示す傾向を有する。モノマー混合物の乳化は、モノマー/
水相を激しく撹拌するか、又は、剪断するか、又は、代わりにモノマー/水相を篩又はメッシュを通過させることを含む公知乳化技術により達成され得る。その後、重合は、適する開始剤系、例えば少なくとも1種の紫外線開始剤又は熱開始剤を使用することにより達成され得る。重合を開始するために適する技術は、モノマーの水性エマルジョンの温度を70℃又は80℃より上に高め、その後、モノマーの質量に対して過硫酸アンモニウム50ppmないし1000ppmを添加することである。
【0017】
一般的に、ポリマーAは100000(標準工業パラメーターを使用するGPCにより決定された。)までの分子量を有する。好ましくは、前記ポリマーは50000より小さい、例えば10000ないし30000の分子量を有する。特に、ポリマーAの分子量は、約5000ないし15000である。
特に好ましいポリマーAは、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチルとアクリル酸アンモニウム塩とのターポリマーである。好ましくは、このポリマーは、前記方法が架橋剤、とりわけ酸化亜鉛又は炭酸アンモニウムジルコニウムを用いる場合にも使用される。
典型的には、ポリマーAを作るためのモノマーブレンドは、少なくとも1種の疎水性モノマー少なくとも70質量%を含み得、残部は少なくとも1種のイオン性モノマーから形成される。しかしながら、一般的に、疎水性モノマーは少なくとも80質量%の量存在する。好ましい組成物は、少なくとも1種の疎水性モノマー70質量%ないし95質量%、例えば80質量%ないし90質量%を含む。
【0018】
一般的に、マトリックスポリマーBは300000(標準工業パラメーターを使用するGPCにより決定された。)までの分子量を有する。好ましくは、前記ポリマーは50000より小さい、例えば2000ないし20000の分子量を有する。特に、マトリックスポリマーの分子量は、約4000ないし12000である。
特に好ましいマトリックスポリマーBは、スチレンとアクリル酸アンモニウム塩とのコポリマーである。より好ましくは、このポリマーは、前記方法が架橋剤、とりわけ酸化亜鉛又は炭酸アンモニウムジルコニウムを用いる場合に使用される。
典型的には、マトリックスポリマーBを作るためのモノマーブレンドは、少なくとも1種の疎水性モノマー少なくとも50質量%を含み得、残部は少なくとも1種のイオン性モノマーから形成される。しかしながら、一般的に、疎水性モノマーは少なくとも60質量%の量存在する。好ましい組成物は、少なくとも1種の疎水性モノマー65質量%ないし90質量%、例えば70質量%ないし75質量%を含む。
【0019】
前記方法の代替案において、少なくとも1種のイオン性モノマーは、カチオン性又は潜在的カチオン性、例えばエチレン系不飽和アミンであってよい。本発明のこの形態において、揮発性対イオン成分は、少なくとも1種の揮発性酸成分である。従って、本発明のこの形態において、ポリマーA及びポリマーBは、アニオン性モノマーがカチオン性又は潜在的カチオン性モノマーに置き換えられること以外は、前述のアニオン性ポリマーに対する方法と同様の方法で形成することができる。一般的に、ポリマーが少なくとも1種の遊離アミンと少なくとも1種の疎水性モノマーとのコポリマーの形態で製造される場合には、それは、少なくとも1種の適する揮発性酸、例えば酢酸、蟻酸、プロパン酸、ブタン酸を又はカルボン酸であっても、添加することにより中和される。好ましくはポリマーは、酢酸、蟻酸、酸又はカルボン酸により中和される。
【0020】
カチオン性又は潜在的カチオン性モノマーの非限定的な適する例は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド又はアリルアミン及び他のエチレン系不飽和アミン及びその酸付加塩を含む。典型的には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノアミノブチルアクリレート及びジエチルアミノアミノブチルメタクリレートを含む。典型的には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドは、ジメチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノブチルアクリルアミド、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノブチルアクリレート及びジエチルアミノブチルメタクリルアミドを含む。典型的には、アリルアミンはジアリルアミン及びトリアリルアミンを含む。
【0021】
二次粒子は、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマー及び所望により他のモノマーから形成された疎水性ポリマーを含み、該疎水性ポリマーはポリマーA及びマトリックスポリマーBと異なる。少なくとも1種のエチレン系不飽和疎水性モノマーは、マトリックスポリマーBを形成するために使用される第二モノマーに対して上記において定義されたモノマーの何れであってもよい。一実施態様において、疎水性モノマーは、マトリックスポリマーを形成するために使用される第二モノマーと同一である。前記疎水性モノマーの具体的な非限定的例は、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸第三ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸イソボルニルを含む。一実施態様において、疎水性モノマーはスチレンである。
疎水性モノマーは単独で重合されてもよいし、又はその代わりに所望により、上記において定義された他の疎水性モノマー少なくとも1種と共に重合されてもよい。50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能な疎水性モノマーでは無いが、但し、如何なる悪影響ももたらさない、他のモノマーを含むことも可能である。他のモノマーは、疎水性モノマー、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のより長鎖アルキルのエステル、例えばアクリル酸2−エチルヘキシル又はアクリル酸ステアリルであり得る。典型的には、このようなモノマーが含まれる場合には、それらは、二次粒子のために使用されるモノマーの質量に基づいて20質量%以下の量で存在すべきである。好ましくは、これらのモノマーは、10質量%未満、例えば5質量%未満の量で存在する。
【0022】
あるいは、少なくとも1種の他のモノマーは、親水性モノマーであってもよい。親水性モノマーは非イオン性の、例えばアクリルアミドであり得、或いはそれはイオン性の、例えば、ポリマーA及びポリマーBを形成するために使用されるところの、第一モノマーに対して定義されたものであり得る。一般的に、このようなモノマーは、ポリマーが疎水性を残すように、なるベく少ない比率で使用される傾向がある。このようなモノマーが含まれる場合には、それらは、二次粒子のために使用されるモノマーの質量に基づいて20質量%以下の量で存在すべきである。好ましくは、これらのモノマーは、10質量%未満、例えば5質量%未満の量で存在する。
二次粒子が、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマー(類)からもっぱら形成された疎水性ポリマーを含むことが特に好ましい。特に適する疎水性ポリマーは、スチレンとメタクリル酸メチルとのコポリマー又はスチレンのホモポリマーである。一般的に、スチレンとメタクリル酸メチルとのコポリマーは、少なくとも40質量%のスチレン及び60質量%までのメタクリル酸メチルから一般的に形成される。好ましくは、コポリマーは、スチレン部分対メタクリル酸メチル部分の質量比50:50ないし95:5、より好ましくは60:40ないし80:20、例えば70:30ないし75:25を有する。
【0023】
一般的に、二次粒子は、1ミクロンより小さい、通常750nm以下の平均粒径を有する。好ましくは、二次粒子は、50nmないし500nmの範囲内の平均粒径を有する。これらの二次粒子は、如何なる慣用手段によっても製造され得る。典型的には、前記粒子は、水性乳化重合により製造され得る。好ましくは、前記粒子は、例えば欧州特許出願公開第A−531005号明細書又は欧州特許出願公開第A−449450号明細書に記載されたところの、先行技術において実証された典型的な如何なる水性マイクロ乳化重合によっても製造される。
典型的には、二次粒子は、連続水性相(20質量%ないし80質量%)、少なくとも1種のモノマーを含む分散された油相(10質量%ないし30質量%)及び少なくとも1種の界面活性剤及び/又は安定剤(10質量%ないし70質量%)を含むマイクロエマルジョンを形成することにより製造され得る。一般的には、界面活性剤及び/又は安定剤は、主に水相に存在する。好ましい界面活性剤及び/又は安定剤は、ポリマーマトリックスを形成するために使用されたポリマーの水溶液である。特に好ましい界面活性剤及び/又は安定剤は、マトリックスポリマーBに対して上記において定義されたところのアクリル酸アンモニウムとスチレンとのコポリマーである。
【0024】
マイクロエマルジョン中の少なくとも1種のモノマーの重合は、適する開始系、例えば紫外線開始剤又は熱開始剤を使用することにより達成され得る。重合を開始するために適する技術は、例えば、モノマーの水性エマルジョンの温度を70℃又は80℃以上に高め、その後、モノマーの質量に対して過硫酸アンモニウム又はアゾ化合物例えばアゾジイソブチロニトリルを50ppmないし1000ppm添加することである。あるいは、適する過酸化物、例えば室温硬化性過酸化物又は光開始剤を使用し得る。重合がほぼ室温で、例えば光開始剤を用いて行われることが好ましい。
一般的に、二次粒子は、2000000までの分子量(標準工業パラメーターを使用するGPCにより決定された。)までの分子量を有する。好ましくは、前記ポリマーは500000より小さい、例えば5000ないし300000の分子量を有する。通常、ポリマー二次粒子の分子量は、100000ないし200000である。
二次粒子は、コアがポリマーシェルにより取り巻かれた疎水性ポリマーを含む、コアシェル構造を有することが好ましい。より好ましくは、二次粒子は、疎水性ポリマーを含むコアと、ポリマーA及びポリマーBを含むシェルとを含む。ポリマーのシェルが、疎水性ポリマーのコアの周囲に、重合中に形成されることが特に好ましい。
【0025】
ポリマー生成物は、マトリックスポリマーが架橋される場合には、更に強化され得る。この架橋は、プロセス中に架橋段階を含む結果としてであり得る。これは、ポリマー中に自己架橋性基、例えばメチロール官能性を持つモノマー繰り返し単位を含むことにより達成され得る。しかしながら、好ましくは、架橋は、水相ポリマーを持つ架橋剤を含むことにより達成される。架橋剤は一般的に、ポリマー鎖の官能性基と反応する化合物である。例えば、ポリマー鎖がアニオン性基を含む場合には、適する有機架橋剤は、アジリジン、ジエポキシド、カルボジアミド及びシランを含む。好ましい種類の有機架橋剤は、ポリマー鎖、例えばシラン又はジエポキシドの間に共有結合を形成する化合物を含む。適する架橋剤は更に、酸化亜鉛、炭酸亜鉛アンモニウム、酢酸亜鉛、及び例えば炭酸アンモニウムジルコニウムのようなジルコニウム塩を含む。特に好ましい架橋剤は、着色顔料及び架橋剤の両方である酸化亜鉛である。
架橋剤は一般的に、カプセル化された粒子の1質量%ないし50質量%、好ましくは2質量%ないし40質量%、そして最も好ましくは5質量%ないし30質量%を構成する。架橋プロセスは望ましくは、主に脱水段階の間に起こる。従って、架橋剤が含まれる場合には、架橋は一般的に、脱水段階D)及び揮発性対イオンの除去が始まるまでは、ゆっくりとのみ進行する。
一実施態様において、マイクロ粒子は、脱水及び油中水エマルジョンの架橋を経由する
粒子の形成の間にその場で、油溶性又は分散性添加剤でコートされる。添加剤は望ましくは、乳化段階の間存在する。添加剤は粒子表面に接着する。
本発明における油溶性又は分散性添加剤の選択及び存在量は、組成物の意図された用途及び化合物の効果に依存する。パーソナルケア用途においては、選択された油溶性又は分散性添加剤は、当業の配合者に周知であるように、皮膚接触が許容される。適する油溶性又は分散性添加剤は、マトリックスビーズ(着色剤の質量に対して90質量%ないし300質量%に等しい。)の質量に基づいて、一般的に1質量%ないし20質量%の水準で配合される。好ましくは、油溶性又は分散性添加剤5質量%ないし15質量%が用いられる。
【0026】
油溶性又は分散性添加剤は、下記の非限定的な物質の群から選択することができる。
脂肪アルコール:
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、炭素原子数12ないし15のアルコールのベンゾエート、アセチル化されたラノリンアルコール等を含む、6個ないし30個、好ましくは10個ないし20個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくガーベット(GUERBET)アルコール。とりわけ適するのはステアリルアルコールである。
【0027】
脂肪酸:
炭素原子数6ないし24の線状脂肪酸、分岐された炭素原子数6ないし13のカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸及びそれらの工業級混合物(例えば、天然脂肪及び油の圧縮除去により、ローレン(Roelen)のオキソ合成からのアルデヒドの還元により、又は不飽和脂肪酸の二量化により、得られる)。
使用することができる別の成分は、炭素原子数2ないし12のジカルボン酸、例えばアジピン酸、コハク酸及びマレイン酸である。飽和及び/又は不飽和芳香族カルボン酸、とりわけ安息香酸を使用することができる。
油溶性又は分散性添加剤として使用することができる更なる成分は、カルボン酸塩、例えば炭素原子数8ないし24の、好ましくは炭素原子数14ないし20の飽和又は不飽和脂肪酸の塩、炭素原子数8ないし22の第一及び第二アルキルスルホネート、アルキルグリセロールスルホネート、公開された英国特許第1,082,179号明細書に記載されたスルホン化されたポリカルボン酸、パラフィンスルホネート、N−アシルタウレート、N’−アルキルタウレート、アルキルホスフェート、アルキルイセチオネート、アルキルスクシンアミド、アルキルスルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル又はジエステル、N−アシルサルコソイネート、アルキルグリコシドスルフェート、ポリエトキシカルボキシレート、アルキル金属(ナトリウム、カリウム、リチウム)のカチオン、未置換の又は置換されたアンモニウム残基(メチル,ジメチル,トリメチル,テトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)或いはアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)の誘導体;ナトリウム、カリウム及びアンモニウムのアルカリ石鹸;カルシウム又はマグネシウムの金属石鹸;有機ベース石鹸、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等の石鹸、アルキルホスフェート又はリン酸エステル;酸ホスフェート、ジエタノールアミンホスフェート、セチルリン酸ナトリウムを含む。
【0028】
ワックス:
これは、長鎖酸とアルコールとのエステル並びにワックス様の性質を有する化合物、例えばカルナバワックス[ブラジルロウヤシ(Copernicia Cerifera)
]、ミツロウ(白色又は黄色)、ラノリンワックス、キャンデリラワックス[白蝋キリン(Euphorbia Cerifera)]、オゾケライト、木ろう、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、セレシン、セテアリルエステルワックス、合成ミツロウ等;更に、セテアリルアルコール又は部分的グリセリドのような親水性ワックスを含むが、しかし、これらに限定されない。
【0029】
シリコーン又はシロキサン(有機置換されたポリシロキサン):
これは、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、及び更に、室温において、液体又は樹脂形態の何れかであり得るアミノ−,脂肪酸−,アルコール−,ポリエーテル−,エポキシ−,フルオリン−,グリコシド−及び/又はアルキル−変性シリコーン化合物;線状ポリシロキサン;ジメチコーン、例えばダウ コーニング(Dow Corning)(登録商標)200液、ミラシル(Mirasil)(登録商標)DM[ローディア(Rhodia)社製]、ジメチコノール;環状シリコーン液;シクロペンタシロキサン、揮発物、例えばダウ コーニング(登録商標)345液、シルビオン(Silbione)(登録商標)等級、アビル(Abil)(登録商標)等級;フェニルトリメチコーン;ダウ コーニング(登録商標)556液を含むが、しかし、これらに限定されない。更に適するものは、水素化されたシリケートとの、200ないし300ジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンの混合物であるシメチコーンである。適する揮発性シリコーンのトッド(Todd)らによる詳細な調査は、Cosm.Toil.91.27(1976)に更に見出され得る。とりわけ適するのは、エトキシ化されプロポキシル化されたジメチコーン(例えば、ダウ コーニング5225C製剤助剤)及びアミノプロピルジメチコーン[例えば、チバ スペシャルティ ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社製のチノケア(Tinocare)SiAl]である。
【0030】
弗素化又は完全弗素化されたアルコール及び酸:
これは、ペルフルオルドデカン酸、ペルフルオルデカン酸、ペルフルオロ−第三ブチルアルコール、ペルフルオロアジピン酸、2−(ペルフルオロアルキル)エタノール[ゾニル(ZONYL)(登録商標)BA−L]を含むが、しかし、これらに限定されない。
油溶性又は分散性添加剤は、アニオン性界面活性剤であってよい。このようなアニオン性界面活性剤の例は、次式:
100 −CH(SO3 M)−COOR200
[式中、R100 は炭素原子数8ないし20、好ましくは炭素原子数10ないし16のアルキル基を表わし、R200 は炭素原子数1ないし16、好ましくは炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、そしてMはアルカリカチオン(ナトリウム、カリウム、リチウム)、置換された又は非置換のアンモニウム(メチル,ジメチル,トリメチル,タトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)或いはアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)の誘導体を表わす。]で表わされるアルキルエステルスルホネート;
次式:
300 OSO3
[式中、R300 は炭素原子数5ないし24、好ましくは炭素原子数10ないし18のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表わし、そしてMは水素原子又は上記において定義されたカチオン及び、平均0.5ないし30、好ましくは0.5ないし10のEO及び/又はPO単位を有するそれらのエチレンオキシ(EO)及び/又はプロピレンオキシ(PO)誘導体を表わす。]で表わされる硫酸アルキル、
次式:
400 CONHR500 OSO3
[式中、R400 は炭素原子数2ないし22、好ましくは炭素原子数6ないし20のアルキル基を表わし、R500 は炭素原子数2又は3のアルキル基を表わし、そしてMは水素原子
又は上記において定義されたカチオン及び、平均0.5ないし60のEO及び/又はPO単位を有するそれらのエチレンオキシ(EO)及び/又はプロピレンオキシ(PO)誘導体を表わす。]で表わされる硫酸アルキルアミド、
を含む。
油溶性又は分散性添加剤は、非イオン性界面活性剤であってよい。使用され得る非イオン性界面活性剤は、第一及び第二アルコールエトキシレート、とりわけ、アルコールのモル当たり平均して1モルないし20モルのエチレンオキシドでエトキシ化された炭素原子数8ないし20の脂肪族アルコール、そしてより特別には、アルコールのモル当たり平均して1モルないし10モルのエチレンオキシドでエトキシ化された炭素原子数10ないし15の第一及び第二脂肪族アルコールを含む。エトキシ化されていない非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、グリセロールモノエーテル及びポリヒドロキシアミド(グルカミド)を含む。
【0031】
このような非イオン性界面活性剤の幾つかの特定の例は下記のものを含む:
アルキル置換基が6個ないし12個の炭素原子を有し、そして5個ないし25個のアルコキシレン化単位を含む、ポリアルコキシレン化された(即ち、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、ポリブチレンオキシ)アルキルフェノール;例えば、ローム アンド ハース カンパニー(Rohm & Haas Co.)により販売されたトリトン(TRITON)X−45、X−114、X−100及びX−102並びに、ローディア(Rhodia)社により製造されたイゲパル(IGEPAL)NP2ないしNP17;
1個ないし25個のアルコキシレン化された(エチレンオキシ、プロピレンオキシ)単位を含む炭素原子数8ないし22のポリアルコキシレン化された脂肪族アルコール;この例は、ダウ(DOW)社により販売されたタージトール(TERGITOL)15−S−9、タージトール24−L−6NMW、シェル ケミカル カンパニー(Shell Chemical Co.)により販売されたネオドール(NEODOL)45−9、ネオドール23−65、ネオドール45−7及びネオドール45−4、ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー(The Proctor & Gamble Co.)により販売されたキロ(KYRO)EOB、アイシーアイ(ICI)社により製造されたシンペロニック(SYNPERONIC)A3ないしA9、ローディア社製により製造されたローダサーフ(RHODASURF)IT、DB及びB;
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとプロピレングリコール及び/又はエチレングリコールとの縮合から得られ、2000ないし10000程度の分子量を持つ生成物、例えばBASFにより販売されたプルロニック(PLURONIC)製品;
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとエチレンジアミンとの縮合から得られた生成物、例えばBASFにより販売されたテトロニック(TETRONIC)製品;
5個ないし25個のエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ単位を含む炭素原子数8ないし18のエトキシ及び/又はプロポキシ脂肪酸;
5個ないし30個のエチレンオキシ単位を含む炭素原子数8ないし20の脂肪酸アミド;
5個ないし30個のエチレンオキシ単位を含むエトキシ化されたアミン;
1個ないし50個、好ましくは1個ないし25個、そして特に2個ないし20個のアルキレンオキシ(好ましくは、エチレンオキシ)単位を含むアルコキシル化されたアミドアミン;
アミンオキシド、例えばアルキル炭素原子数10ないし18ジメチルアミンのオキシド、アルコキシ炭素原子数8ないし22エチルジヒドロキシエチルアミンのオキシド;
1個ないし30個のエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ単位を含む、アルコキシル化されたテルペン炭化水素、例えばエトキシ化された及び/又はプロポキシル化されたα−又はβ−ピネン;
ブドウ糖と、炭素原子数4ないし20、好ましくは炭素原子数8ないし18のアルキル基及びアルキルポリグリコシド(APG)のモル当たり0.5ないし3程度の、好ましく
は1.1ないし1.8程度の平均ブドウ糖単位数を有する第一脂肪アルコール(例えば、米国特許第3,598,865号明細書及び同第4,565,647号明細書;並びに欧州特許出願公開第A−132043号明細書及び欧州特許出願公開第A−132046号明細書に記載のもの)、特に、ヘンケル(Henkel)社により製造され、そしてグルコポン(GLUCOPON)600EC、グルコポン600CSUP、グルコポン650EC及びグルコポン225CSUPの名称の下にそれぞれ販売された、炭素原子数8ないし14のアルキル基及びモル当たり平均1.4ブドウ糖単位、炭素原子数12ないし14のアルキル基及びモル当たり平均1.4ブドウ糖単位、炭素原子数8ないし14のアルキル基及びモル当たり平均1.5ブドウ糖単位又は炭素原子数8ないし10のアルキル基及びモル当たり平均1.6ブドウ糖単位を有するもの、との縮合(例えば、酸触媒による)により得られるアルキルポリグリコシド; を含む。
【0032】
他の種類の適する界面活性剤は、一定のモノ−長鎖−アルキルカチオン界面活性剤を含む。この種のカチオン界面活性剤は、一般式R10203040+ - (式中、R基類は長鎖又は短鎖炭化水素、典型的にはアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はエトキシ化されたアルキル基を表わし、そしてXは対イオンを表わす)で表わされる第四級アンモニウム塩(例えば、式中、R10が炭素原子数8ないし22のアルキル基、好ましくは炭素原子数8ないし10又は炭素原子数12ないし14のアルキル基を表わし、R20がメチル基を表わし、そして同一又は異なっていてよいR30及びR40がメチル基又はヒドロキシエチル基を表わす化合物)、及びカチオン性エステル(例えば、コリンエステル)を含む。
更に有用なものは、エトキシ化されたカルボン酸又はポリエチレングリコールエステル(PEG−nアクリレート);8個ないし22個の炭素原子を有する線状脂肪アルコール;エチレンオキシド2モルないし30モル及び/又はプロピレンオキシド0モルないし5モルと、12個ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸と、アルキル基中に8個ないし15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとからの生成物;脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えばラウレス−n、セテアレス−n、ステアレス−n及びオレス−n;脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えばPEG−nステアレート、PEG−nオレエート及びPEG−nココエート;
ポリエトキシ化された又はアクリル化されたラノリン;モノグリセリド及びポリオールエステル;エチレンオキシド1モルないし30モルとポリオールとの付加生成物の炭素原子数12ないし22の脂肪酸モノ−及びジ−エステル;脂肪酸及びポリグリセロールエステル、例えばモノステアレートグリセロール、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアレート、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル−2−セスキイソステアレート又はポリグリセリルジメレートである。複数のこれらの物質からの化合物の混合物も適する。脂肪酸ポリグリコールエステル、例えばモノステアレートジエチレングリコール、脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル;脂肪酸と蔗糖とのエステル、例えばスクロエステル、グリセロールと蔗糖とのエステル、例えばスクログリセリド;
ソルビトール及びソルビタン:6個ないし22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸とエチレンオキシドとの付加生成物のソルビタンモノ−及びジ−エステル;
ポリソルベート−n系列、ソルビタンエステル、例えばセスキイソステアレート、ソルビタン、PEG−(6)−イソステアレートソルビタン、PEG−(10)−ラウレートソルビタン、PEG−(17)−ジオレエートソルビタン;ブドウ糖誘導体;
炭素原子数8ないし22のアルキル−アミノ及びオリゴ−グリコシド並びに、好ましくは砂糖成分としてブドウ糖が好ましい、エトキシ化された同族体;O/W乳化剤、例えばメチルグルセス−20セスキステアレート、ソルビタンステアレート/蔗糖ココエート、メチルブドウ糖セスキステアレート、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド;更にO/W乳化剤、例えばメチルブドウ糖ジオレエート/メチルブドウ糖イソステアレートである。
【0033】
油溶性又は分散性添加剤は更に、スルフェート及びスルホネート誘導体:例えば、ジアルキルスルホスクシネート(例えば、DOSS、ジオクチルスルホスクシネート)、アルキルラウリルスルホネート、線状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロピレンスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム及びエタノールアミン、硫酸ラウリルエーテル、ラウレス硫酸ナトリウム、アセチルイソチオネート、硫酸アルカノールアミド、例えばタウリン、メチルタウリン、及び硫酸イミダゾール;及び
アミン誘導体;これは、アミン塩、エトキシ化されたアミン塩、例えばアミンオキシド、ヘテロ環を含むアミン、例えばアルキルイミダゾール、ピリジン誘導体、イソキノリン、セチルピリジニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、第四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド、及びステアリルアルコニウム塩を含む;
アミド誘導体;アルカノールアミド、例えばアクリルアミドDEA、エトキシ化されたアミド、例えばPEG−nアシルアミド、オキシドアミド;
ポリシロポキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び誘導体;ジメチコン、コポリオール、シリコーンポリエチレンオキシドコポリマー及びシリコーングリコールコポリマー;
プロポキシル化された又はPOE−nエーテル(メロキサポール)、ポラキサマー又はポリ(オキシエチレン)m −ブロック−ポリ(オキシプロピレン)n −ブロック(オキシエチレン)コポリマー;
分子中に少なくとも一つの第四級アンモニウム基及び少なくとも一つのカルボキシレート基及び/又はスルホネート基を持つ両イオン性界面活性剤。とりわけ適する両イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中にそれぞれ8個ないし18個の炭素原子を有するN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及び更にココアシルアミノエチルヒドロキシエチル−カルボキシ−メチルグリシネート、N−アルキルベタイン及びN−アルキルアミノベタイン;
アルキルイミダゾリン、アルキロペプチド及びリポアミノ酸;
自己乳化性基剤[ケイ.エフ.デポロ(K.F.Depolo)−美容術のショートテキスト(A Short Textbook Of Cosmetology)、第8章、表8−7、第250〜251頁を参照];
非イオン性基剤、例えばPEG−6ミツロウ(及び)PEG−6ステアレート(及び)ポリグリセリル−2−イソステアレート[アピファック(Apifac)]、グリセリルステアレート(及び)PEG−100ステアレート[アルラセル(Arlacel)165]、PEG−5グリセリルステアレート[アルラトン(Arlatone)983S]、ソルビタンオレエート(及び)ポリグリセリル−3−リシノレート[アルラセル1689]、ソルビタンステアレート及びスクロースココエート[アルラトン2121]、グリセリルステアレート及びラウレス−23[セラシンス(Cerasynth)945]、セテアリルアルコール及びセレス−20[セトマクロゴール ワックス(Cetomacrogol Wax)]、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG−150及びステアレート−20[ポラワックス(Polawax)GP200、ポラワックスNF]、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド[エマルゲード(Emulgade)PL1618]、セテアリルアルコール及びセテアレス−20[エマルゲード1000NI、コスモワックス(Cosmowax)]、セテアリルアルコール及びPEG−40ひまし油[エマルゲードFスペシャル]、セテアリルアルコール及びPEG−40ひまし油及びセテアリル硫酸ナトリウム[エマルゲードF]、ステアリルアルコール及びステアレス−7及びステアレス−10[エマルゲードE2155]、セテアリルアルコール及びステアレス−7及びステアレス−10[乳化剤ワックスU.S.N.F]、グ
リセリルステアレート及びPEG−75ステアレート[ゲロット(Gelot)64]、プロピレングリコールセテス−3アセテート[ヘテスター(Hetester)PCS]、プロピレングリコールイソセス−3アセテート[ヘテスターPHA]、セテアリルアルコール及びセテス−12及びオレス−12[ランブリトールワックス(Lanbritol Wax)N21]、PEG−6ステアレート及びPEG−32ステアレート[テフォス(Tefose)1500]、PEG−6ステアレート及びセテス−20及びステアレス−20[テフォス2000]、PEG−6ステアレート及びセテス−20及びグリセリルステアレート及びステアレス−20[テフォス2561]、グリセリルステアレート及びセテアレス−20[テジナシド(Tejinacid)H,C,X];
アニオン性アルカリ基剤、例えばPEG−2ステアレートSE、グリセリルステアレートSE[モネルジン(Monelgine)、クチナ(Cutina)KD]及びプロピレングリコールステアレート[テジン(Tegin)P];
アニオン性酸基剤、例えばセテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム[ラネッテ(Lanette)N、クチナLE、クロダコール(Crodacol)GP]、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム[ラネッテW]、トリラネス−4ホスフェート及びグリコールステアレート及びPEG−2ステアレート[セデフォス(Sedefos)75]、グリセリルステアレート及びラウリル硫酸ナトリウム[テジナシドスペシャル];並びに
カチオン性酸基剤、例えばセテアリルアルコール及びセトリモニウムブロミド、
を含む。
【0034】
他の有用な油溶性又は分散性添加剤は、穏和な界面活性剤、過脂肪剤、稠度調節剤、更なる増粘剤、ポリマー、安定剤、生活性成分、脱臭活性成分、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨張剤、紫外線保護剤、酸化防止剤、防腐剤、防虫剤、可溶化剤、着色剤、バクテリア抑制薬などを含む。更なる添加剤の具体的な、非限定的な例は以下のものを含む:
無機塩及び錯体:
カプセル化された粒子をコートするために油相を通して分散され得る無機塩又は顔料の典型的な例は、例えば亜鉛及びその誘導体(例えば、酸化亜鉛、炭酸亜鉛アンモニウム、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛)、ジルコニウム及びその誘導体(例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム)を含む。
【0035】
微粒子は更に、ポリマー両親媒性安定剤Dもその表面に有し得る。このような安定剤は、それが疎水性基及び親水性基の両方を含むので両親媒性である。この構造の特徴により、幾つかの両親媒性材料は、分散物を安定化するために使用することができる。親水性基は本来はイオン性又は極性である。
一般的に、安定化のために適する両親媒性ポリマーは、約−110℃ないし20℃のTg 値を有するモノマー又はその混合物、例えば炭素原子数1ないし30のアルキルアクリレート、例えばアクリル酸メチル(Tg 9℃)、アクリル酸エチル(Tg −23℃)、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル(Tg −49℃)等から製造される疎水性ポリマー並びに、ステアリルメタクリレートを含むが、しかしこれに限定されない他のものである。
g 値は、例えば、ポリマーハンドブック(第3版)、編集:ブランドラップ アンド
イマーゲット(Brandrup & immergut)、出版:ウィリー インターサイエンス(Wiley Interscience)、1989 ISBN:0−471−81244−7、に見出される。
機能し得る他の物質は、潜在的にアニオン性のモノマー、即ち、高いpH環境においてアニオン性になるモノマー、及び更に、潜在的にカチオン性のモノマー、即ち、低いpH環境においてカチオン性になるモノマー、例えばアミン型分子からなる油溶性ポリマーを含む。アニオン性のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸無水物、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、クロトン酸、ビニル酢
酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含む。好ましいアニオン性のモノマーは、カルボン酸又は酸無水物である。特に好ましい両親媒性安定剤は、国際公開第2005−123009号明細書第15頁第17行ないし第22行及び国際公開第2005−123796号明細書第20頁第19行ないし第26行に記載されたものを含む。
ポリマー両親媒性安定剤Dの好ましい種類は、アルキル(メタ)アクリレートとカルボキシル官能性モノマーとのコポリマーであり、これは下記のように製造され得る。
アルキル(メタ)アクリレート、カルボキシル官能性モノマー及び適する油溶性熱開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を不活性溶剤、例えば脂肪族又は芳香族炭化水素溶剤例えばイソパーG(ISOPAR G)(登録商標)に溶解する。この混合物を、更なる溶剤及び熱開始剤を含む容器に、反応温度80℃ないし90℃で2時間ないし6時間かけて供給する。冷却しそして排出する前に、この温度で更に2時間、反応を維持する。
【0036】
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、如何なる適するアルキル基であってもよいが、しかしながら、炭素原子数1ないし22のアルキル基が好ましい。
カルボキシル官能性モノマーは、前に記載されたものから選択される。
アルキル(メタ)アクリレート:カルボキシル官能性モノマー比は、モルに基づいて0.5ないし8.0:1、好ましくは0.75ないし6.0:1、そして最も好ましくは、モルに基づいて1.0ないし4.0:1であってよい。
本発明の一実施態様において、好ましい安定剤は、チバ スペシャルティ ケミカルズ社から入手可能なEMI−759である。
分子量は、当業者に周知の慣用のクロマトグラフィー技術により決定され得る。典型的な分子量は、10000ないし60000の範囲内、最も典型的には15000ないし40000の範囲内にある。
一般的に、約400ミクロンまでの、耐ブリード性着色剤微粒子の平均粒径が本発明により達成される。好ましくは、耐ブリード性着色剤微粒子の平均粒径は、化粧品用途については約100ミクロン未満である。都合良くは、平均粒径は、約1ミクロンないし60ミクロン、例えば1ミクロンないし40ミクロン、そしてとりわけ1ミクロンないし30ミクロンの範囲内にある。平均粒径は、文献においてよく実証された標準法に従いコールター粒径分析器により決定される。
粒子は1種又はそれより多くの着色剤を捕捉し、そして該着色剤は、如何なる着色剤、例えば染料、顔料又はレーキであってもよい。化粧品のための典型的な適する着色剤は、CTFA及びFDAにより化粧品において使用するために承認された如何なる有機又は無機顔料或いは着色剤、例えばレーキ、酸化鉄、二酸化チタン、硫化鉄又は、化粧品配合物において使用される他の慣用の顔料をも含む。有機着色剤が好ましい。
【0037】
顔料の例は、無機顔料、例えばカーボンブラック、D&Dレッド7、カルシウムレーキ、D&Dレッド30、タルクレーキ、D&Dレッド6、バリウムレーキ、あずき色酸化鉄、黄色酸化鉄、褐色酸化鉄、タルク、カオリン、雲母、雲母チタン、赤色酸化鉄、珪酸マグネシウム及び酸化チタン;並びに有機顔料、例えばレッドNo.202、レッドNo.204、レッドNo.205、レッドNo.206、レッドNo.219、レッドNo.228、レッドNo.404、イエローNo.205、イエローNo.401、オレンジNo.401及びブルーNo.404を含む。建染め染料の例は、レッドNo.226、ブルーNo.204及びブルーNo.201である。レーキ染料の例は、アルミニウム、カルシウム又はバリウムを用いてレーキ化された種々の酸性染料を含む。
一実施態様において、着色剤は水溶性染料の水溶液である。このような染料は、FD&CブルーNo.11、FD&CブルーNo.12、FD&CグリーンNo.13、FD&CレッドNo.13、FD&CレッドNo.140、FD&CイエローNo.15、FD&CイエローNo.16、D&CブルーNo.14、D&CブルーNo.19、D&Cグ
リーンNo.15、D&CグリーンNo.16、D&CグリーンNo.18、D&CオレンジNo.14、D&CオレンジNo.15、D&CオレンジNo.110、D&CオレンジNo.111、D&CオレンジNo.117、FD&CレッドNo.14、D&CレッドNo.16、D&CレッドNo.17、D&CレッドNo.18、D&CレッドNo.19、D&CレッドNo.117、D&CレッドNo.119、D&CレッドNo.121、D&CレッドNo.122、D&CレッドNo.127、D&CレッドNo.128、D&CレッドNo.130、D&CレッドNo.131、D&CレッドNo.134、D&CレッドNo.139、FD&CレッドNo.140、D&CバイオレットNo.12、D&CイエローNo.17、エクストラD&CイエローNo.17、D&CイエローNo.18、D&CイエローNo.111、D&CブラウンNo.11、エクストラD&CバイオレットNo.12、D&CブルーNo.16及びD&CイエローNo.110を含み得る。
【0038】
上記染料は周知であり、商業的に入手可能な物質であり、その化学構造は、例えば、21C.F.R,パート74(1988年4月1日に改訂されたもの)及び、コスメチクス,トイレトリー アンド フラグランシズ アソシエーション,インコーポレイテッド(Cosmetics,Toiletry and Fragrances Association,Inc.)により公開(1988年)されたCTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)に記載されている。これらの刊行物は、参照により本明細書中に取り込まれている。
認定された染料は水溶性であり得、又は好ましくは、そのレーキであり得る。レーキは、基本的に顔料成分の一部である反応性又は吸収性層上に溶解性染料を沈澱させることにより製造された有機顔料である。殆どのレーキは、アルミニウム、バリウム又はカルシウムに由来する。これらの不溶性顔料は、皮膚を染色しない(油溶性染料がそのような傾向であるように)一時的な色が望まれる場合は、パウダー又はリキッドの何れかで、メーキャップ製品において主に使用される。レーキは、無機着色剤、例えば酸化鉄、酸化亜鉛及び二酸化チタン(真っ白な顔料)と同様に、これらの製品中で使用される。
下記表に、食品、薬剤及び/又は化粧品における使用が承認された、現在利用可能な染料及び着色剤を列挙する。本明細書において使用するために選択された着色剤は、好ましくは、下記の例示的一覧表から選択される。
【0039】
表1−食品、薬剤、化粧品における使用が認定された染料(FDC色)
┌───────────┬───────────┬───────────┐
│FD&CブルーNo.1│FD&CグリーンNo.│FD&CレッドNo.4│
│ │3 │ │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│FD&CレッドNo.4│FD&CイエローNo.│FD&CイエローNo.│
│0 │5 │6 │
└───────────┴───────────┴───────────┘
表2−局所的に適用される薬剤及び化粧品に対して認定された染料(FDC色)
┌───────────┬───────────┬───────────┐
│エクストラDCバイオレ│エクストラD&Cイエロ│エクストラD&Cバイオ│
│ット#2 │ーNo.7 │レットNo.2 │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CブラウンNo.1│FD&CレッドNo.4│D&CレッドNo.17│
│ │0 │ │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CレッドNo.31│D&CレッドNo.34│D&CレッドNo.39│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CバイオレットNo│D&CブルーNo.4 │D&CグリーンNo.6│
│.2 │ │ │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CバイオレットNo│D&CイエローNo.7│D&CイエローNo.8│
│.8 │ │ │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CイエローNo.1│D&CオレンジNo.4│D&CオレンジNo.1│
│1 │ │0 │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CオレンジNo.1│ │ │
│1 │ │ │
└───────────┴───────────┴───────────┘
表3−薬剤及び食品のみに認定された染料
┌───────────┬───────────┬───────────┐
│D&CブルーNo.4 │D&CブラウンNo.1│D&CグリーンNo.5│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CグリーンNo.6│D&CグリーンNo.8│D&CオレンジNo.4│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CオレンジNo.5│D&CオレンジNo.1│D&CオレンジNo.1│
│ │0 │1 │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CレッドNo.6 │D&CレッドNo.7 │D&CレッドNo.17│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CレッドNo.21│D&CレッドNo.22│D&CレッドNo.27│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CレッドNo.28│D&CレッドNo.30│D&CレッドNo.31│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CレッドNo.33│D&CレッドNo.34│D&CレッドNo.36│
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CバイオレットNo│D&CイエローNo.7│D&CイエローNo.8│
│.2 │ │ │
├───────────┼───────────┼───────────┤
│D&CイエローNo.1│D&CイエローNo.1│ │
│0 │1 │ │
└───────────┴───────────┴───────────┘
【0040】
アルミニウム粉末、アンナット、ビスマスオキシクロリド、ブロンズ粉末、キャラメル、カルミン、β−カロテン、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン銅(金属粉末)、ジヒドロキシアセトン、EDTA−銅2ナトリウム、フェロシアン化鉄アンモニウム、フェロシアン化鉄、グアニン(パールエッセンス)、グアイアズレン(アズレン)、酸化鉄、発光性硫化亜鉛、マンガンバイオレット、雲母、パイロフィライト、銀(着色性指爪つや出し用)、二酸化チタン、ウルトラマリーン(青色、緑色、桃色、赤色及び紫色)並びに酸化亜鉛を含む幾つかの着色添加剤が認証を免除されており、そして化粧品用途のためのリストに恒久的に記載されている。
本発明の着色された微粒子を製造する方法は、着色剤を含むマトリックスポリマーの水溶液を水不混和性液体に分散させることを含む。典型的には、水不混和性液体は有機液体又は有機液体ブレンドである。好ましい有機液体は揮発性パラフィン油であるが、しかし、揮発性及び非揮発性パラフィン油の混合物も使用され得る。揮発性と非揮発性パラフィン油との混合物はほぼ等しい質量比率で使用され得るが、しかし一般的には、非揮発性油を過剰に、例えば揮発性油25質量%ないし50質量%未満に対して非揮発性油50質量%ないし75質量%より多くを使用することが好ましい。
この方法において、水不混和性液体中にポリマー両親媒性安定剤を含むことが好ましい。両親媒性安定剤は、商業的に入手可能な適する両親媒性安定剤の何れか、例えば、ハイパーマー(HYPERMER)(登録商標)(ICIから入手可能)であってよい。適する安定剤は更に、国際公開第A−97/24179号明細書に記載された安定剤を含む。
【0041】
両親媒性安定剤に加えて他の安定化物質、例えば界面活性剤を含むことも可能であるけれども、一般的に、唯一の安定化物質が両親媒性安定剤であることが好ましい。
本方法において、脱水段階は簡便な手段により達成される。望ましくは、油中水分散物を真空蒸溜することにより、脱水を行なうことができる。一般的に、これは、高められた温度、例えば25℃又はそれより高い温度を必要とする。遥かに高い温度、例えば80℃ないし90℃を使用することも可能であるけれども、一般的に、70℃以下の温度、例えば30℃ないし60℃を使用することが好ましい。
真空蒸溜の代わりに、噴霧乾燥により脱水を行なうのが望ましいことであり得る。好適には、これは、国際公開第A−97/34945号明細書に記載された噴霧乾燥プロセスにより達成され得る。
脱水段階は、マトリックスポリマー中の水溶液から水を、そして更に揮発性対イオン成分を除去し、その結果、ポリマーマトリックス全体に分散されている着色剤をその中に含む、水に不溶性で且つ非膨潤性の乾燥マトリックスポリマーを得る。
平均直径0.1ミクロンないし60ミクロン、例えば1ミクロンないし40ミクロン、そしてとりわけ1ミクロンないし30ミクロンを有するカプセル化された着色剤微粒子が、化粧品用途用に好ましい。
カプセル化された着色剤微粒子は、少なくとも1種の着色剤1質量%ないし60質量%、例えば5質量%ないし40質量%、そしてとりわけ7質量%ないし25質量%を含み得る。
意図された使用に応じて、好ましい平均直径は変わる。例えば、本発明の一実施態様は、少なくとも2種のカプセル化された着色剤を含み、そして10ミクロンないし30ミクロンの好ましい粒径範囲を有する液体顔用化粧品配合物であり得る。他の実施態様は、1ミクロンないし10ミクロンの好ましい粒径を有する少なくとも2種のカプセル化された着色剤を含む口紅配合物であり得る。
【0042】
その中に配合された少なくとも1種のカプセル化された着色剤を有する微粒子を含む化粧品配合物組成物を適用することは、適用すると望ましい効果を生じることが見出された。特に、独特且つ固有の色を有する少なくとも2種のカプセル化された着色剤のブレンド、特に一つより多くの原色のブレンドを含む組成物は、自然な、キメのある肌の色調効果を生じるための有効な手段である。原色は、赤、黄及び青を意味すると理解される。本発明の微粒子の更なる特徴は、カプセル化されていない着色剤が直面する粉砕又は破砕の撤廃である。前記着色剤は好ましくは有機系である。
他の化粧品用途、例えばルージュ又はほお紅において、前記配合物は唯一のカプセル化された着色剤を含み得る。
一実施態様において、化粧品組成物は、少なくとも2種の別々のマトリックスポリマー材料中に個別に供給されているマイクロカプセル化された着色剤のブレンドを含む。他の実施態様において、少なくとも2種の着色剤は、単一のポリマーマトリックス材料内に存在する。
【0043】
本発明のパーソナルケア又は化粧品組成物は、組成物の全質量に基づいて、少なくとも1種のカプセル化された着色剤0.1質量%ないし70質量%、例えば1質量%ないし50質量%、そしてとりわけ5質量%ないし35質量%、並びに化粧品において許容され得るキャリヤ又は助剤を含む。水は化粧品において許容され得、そして殆どの場合には存在もするが、表現“化粧品において許容され得るキャリヤ又は助剤”は、パーソナルケア又は化粧品組成物において慣用的に用いられる水以外の少なくとも1種の物質について言及
することを意図されている。
本発明のパーソナルケア又は化粧品製剤は、油中水又は水中油エマルジョンとして、イオン性又は非イオン性の両親媒性脂質の小胞状分散物として、ゲルとして、或いは固体スティック又はパウダーとして作成され得る。好ましくは、化粧品製剤は液体の形態にある。
油中水又は水中油エマルジョンの場合には、パーソナルケア又は化粧品製剤は、油相5質量%ないし50質量%、エマルジョン5質量%ないし20質量%及び水30質量%ないし90質量%を含む。油相は、化粧品配合物に適する如何なる油をも、例えば1種又はそれより多くの炭化水素油、ワックス、天然油、シリコーン油、脂肪酸エステル又は脂肪アルコールをも含み得る。
【0044】
化粧品液は微量、例えば10質量%までのモノ−又はポリオール、例えばエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール又はソルビトールを含み得る。
本発明の化粧品配合物は、広範な化粧品製剤に含まれ得る。とりわけ、例えば下記の製剤が考慮される:
−スキンケア製剤、例えばスキンエマルジョン、マルチエマルジョン又はスキンオイル及びボディパウダー;
−化粧品パーソナルケア製剤、例えばリップスティックの形態の顔用メーキャップ、リップグロス、アイシャドー、液体メーキャップ、デイクリーム又はパウダー、顔用ローション、クリーム及びパウダー(ルーズ及び圧縮した);並びに
−光保護製剤、例えばサンタンローション、クリーム及びオイル、日焼け止め及びプレタニング製剤。
パーソナルケア製剤の形態に応じて、それは、微粒子着色剤に加えて、更なる成分、例えば金属イオン封鎖剤、更なる着色剤及びエフェクト顔料例えば真珠光沢顔料、香料、増粘及び凝固(稠度調節)剤、皮膚軟化剤、紫外線吸収剤、皮膚保護剤、酸化防止剤、防腐剤、皮膚美白剤及び/又はセルフタニング剤を含む。
本発明の組成物は、当該分野で良く知られた方法により、適する微粒子着色剤をパーソナルケア配合物に物理的にブレンドすることにより製造され得る。実施例にそのような方法の幾つかを記載する。
【0045】
本発明は更に、上述の少なくとも1種のカプセル化された着色剤のブレンドの有効着色量を有する液体又は固体パーソナルケア又は化粧品配合物を、ボディの少なくとも一部に適用することからなる、ボディを着色する方法を提供する。
前記方法の一実施態様において、パーソナルケア又は化粧品配合物は、該配合物の全質量に基づいて、上述の少なくとも1種のマイクロカプセル化された着色剤0.1質量%ないし70質量%、例えば1質量%ないし50質量%、そしてとりわけ5質量%ないし35質量%を含む。
前記方法の一実施態様において、パーソナルケア又は化粧品組成物は、別々のマトリックスポリマー材料中に個別に供給されている少なくとも2種のマイクロカプセル化された着色剤のブレンドを含む。他の実施態様において、少なくとも2種の着色剤は、単一のポリマーマトリックス材料内にカプセル化されている。
前記方法の一実施態様において、パーソナルケア又は化粧品製剤は、油中水又は水中油エマルジョンとして、アルコール性又はアルコール含有配合物として、イオン性又は非イオン性の両親媒性脂質の小胞状分散物として、ゲルとして、或いはソリッドスティックとして作成される。
前記方法の種々の実施態様において、パーソナルケア又は化粧品組成物は、スキンケア製剤、化粧品パーソナルケア製剤又は光保護製剤の形態にある。
本発明の微粒子は家庭用品、テキスタイル又はファブリックにおいて有用である。家庭用品は、例えば水又は溶剤ベースの塗料、ファブリック柔軟剤、ファブリック洗剤、食器
洗い洗剤、キッチンクリーナー、ワックス、クリーニング配合物などである。例えば、工業用塗料は、自動車塗料又は装飾塗料などである。例えば、靴用つや出し剤、つや出しワックス、床クリーナー、テキスタイルケア製品、敷物クリーナー、革及びビニルドレッシング剤又は消臭スプレーである。例えば、自動車ケア製品、例えばクロムクリーナー、革クリーナー、ビニルクリーナー又はタイヤクリーナーである。例えば、木材、金属、ガラス、セラミック、大理石、御影石、タイル、革などのためのつや出し剤である。
【実施例】
【0046】
下記の実施例は本発明の特定の実施態様を記載しているが、しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に基づいて、開示された実施態様に対する多数の変化が成され得ることを理解すべきである。従って、これらの実施例は、本発明の範囲を制限することを意味しない。むしろ、本発明の範囲は、添付された請求項及びそれらの均等物によってのみ決定されるものである。これらの実施例において、全ての部は、特記しない限り質量による。
【0047】
実施例1:シリコーン表面変性剤及びポリマーブレンドを使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5アルミニウム染料レーキ[FD&Cイエロー5Alレーキ(サンクロマ(SunCROMA)(登録商標))、サン ケミカル(Sun Chemical)社から供給されたままのもの。]7.5gを、メタクリレートコポリマー[ポリマーA−メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル−アクリル酸メチル−アクリル酸35/27/27/11質量%モノマー比であり、約10000の分子量を有する。]の約30%水溶液30gに添加し、そしてこの混合物を、着色剤が良く分散するまで高剪断下で撹拌することにより、水性着色剤相を製造した。
着色剤相を続いて、約46質量%メタクリレートマイクロエマルジョンポリマー[ポリマーB−スチレン−メタクリル酸メチルコポリマー(70/30質量%モノマー比であり、約200000の分子量を有する。)32質量%及びスチレン−アクリル酸コポリマー(65/35質量%モノマー比であり、約6000の分子量を有する。)14質量%を含むマイクロエマルジョン。]100g及び水40gからなる第二水溶液に添加した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル(Multisol)社製イソパー(Isopar)G]400g、両親媒性ポリマー安定剤[ポリマーD−メタクリル酸ステアリル/アクリル酸ブチル/アクリル酸60/21/19質量%モノマー比であり、約10000の分子量を有するコポリマー。]の25質量%炭化水素溶液40g及びチバ チノケア(Ciba TINOCARE)(登録商標)SiAl[チバ スペシャルティ ケミカルズ コーポレイション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)製のアミノ官能性シリコーン]4gを混合することにより製造した。
シルバーソン(Silverson)L4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
油中水エマルジョンを2000mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
得られたマイクロカプセルは、平均粒径25μm[シンパテック(Sympatec)粒径分析器を使用して測定された。]で、8質量%までの乾燥レーキ荷重を有していた。
【0048】
実施例2:代わりの表面変性剤及びポリマーブレンドを使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5レーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートコポリマー[ポリマーA−実施例1のものと同じ]の約30%水溶液30gに添加し、そしてこの混合物を、着色剤が良く分散するまで高剪断下で撹拌することにより、水性着色剤相を製造した。着色剤相を続いて、約46質量%メタクリレートエマルジョンポリマー[ポリマーB−実施例1のものと同じ]100g及び水40gからなる第二水溶液に添加した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル社製イソパーG]400g、両親媒性ポリマー安定剤[実施例1のものと同じポリマーD]の25質量%炭化水素溶液40g及びオクタデカノール8gを混合することにより製造した。
シルバーソンL4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
得られた油中水エマルジョンを700mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
得られたマイクロカプセルは、平均粒径25μm[シンパテック粒径分析器を使用して測定された。]で、8質量%までの乾燥レーキ荷重を有していた。
【0049】
比較例1a:単一ポリマーを使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5レーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートコポリマー[実施例1のものと同じポリマーA]の約30%溶液180g及び水50gに添加することにより、水性着色剤相を製造した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル社製イソパーG]400g、両親媒性ポリマー安定剤[実施例1のものと同じポリマーD]の25質量%炭化水素溶液40g及びチバ チノケア(登録商標)SiAl 4gを混合することにより製造した。 シルバーソンL4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
得られた油中水エマルジョンを700mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
【0050】
比較例1b:単一ポリマーを使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5レーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートエマルジョンコポリマー[実施例1のものと同じポリマーB]の約45%溶液120g及び水50gに添加することにより、水性着色剤相を製造した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル社製イソパーG]400g、両親媒性ポリマー安定剤[実施例1のものと同じポリマーD]の25質量%炭化水素溶液40g及びチバ チノケア(登録商標)SiAl 4gを混合することにより製造した。 シルバーソンL4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
得られた油中水エマルジョンを700mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
【0051】
比較例1c:単一ポリマーを使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5レーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートエマルジョンコポリマー[実施例1のものと同じポリマーB]の約45%溶液120g及び水50gに添加することにより、水性着色剤相を製造した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル社製イソパーG]400g、両親媒性ポリマー安定剤[実施例1のものと同じポリマーD]の25質量%炭化水素溶液40gを混合することにより製造した。
シルバーソンL4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
得られた油中水エマルジョンを700mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
【0052】
比較例2:ポリマーブレンドを使用し、そして変性剤を使用せずに製造された微粒子着色剤
チバ チノケアSiAlを油相製剤から除いたこと以外は、実施例1の方法を行なった。
【0053】
比較例3:最適でないポリマーブレンド及びシリコーン表面変性剤を使用して製造された微粒子着色剤
水相を下記のように製造したこと以外は、実施例1の方法を行なった。
イエロー#5Alレーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートコポリマー[ポリマーA−実施例1のものと同じ]の約30%溶液90gに添加し、そしてこの混合物を、着色剤が良く分散するまで高剪断下で混合することにより、水性着色剤相を製造した。着色剤相を続いて、約46質量%メタクリレートエマルジョンポリマー[実施例1のものと同じポリマーB]60g及び水20gからなる第二水溶液に添加した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
【0054】
比較例4:ポリマーブレンド及び蒸溜後に添加されたシリコーン表面変性剤を使用して製造された微粒子着色剤
イエロー#5Alレーキ[サン ケミカル社から供給されたままのサンクロマ(登録商標)]7.5gを、メタクリレートコポリマー[ポリマーA−実施例1のものと同じ]の約30%溶液30gに添加し、そしてこの混合物を、着色剤が良く分散するまで高剪断下で混合することにより、水性着色剤相を製造した。着色剤相を続いて、約46質量%メタクリレートエマルジョンポリマー[実施例1のものと同じポリマーB]100g及び水40gからなる第二水溶液に添加した。初期混合の後、酸化亜鉛16gを添加し、そして水相を、全ての成分が良く分散するまで高剪断下で混合した。
油相を、炭化水素溶剤[英国、チェスターのマルチソル社製イソパーG]400g、両親媒性ポリマー安定剤[実施例1のものと同じポリマーD]の25質量%炭化水素溶液40gを混合することにより製造した。
シルバーソンL4R高剪断実験室ミキサーを用いて混合しながら、水相を油相に添加した。温度を30℃より低く維持しながら、エマルジョンを20分間均質化した。
得られたこの油中水エマルジョンを700mL反応フラスコに移し、そしてマイクロカプセルから水を除去するために、真空蒸溜を行なった。蒸溜後、チバ チノケア(登録商標)SiAl 4gを添加し、そして混合物を90℃で1時間保持した。
一端冷却し、炭化水素溶剤中のマイクロカプセルスラリーをろ過して溶剤を除去した。ろ過ケーキを水で洗浄し、そして90℃でオーブン乾燥して、自由流動性粉末を得た。
【0055】
ブリード試験手順
ブリード試験溶液:1)pH4クエン酸緩衝液[フィクサナール(FIXANAL)]、2)pH7リン酸緩衝液[フィクサナール]、3)5質量%プロピレングリコール(pg)水溶液、及び4)5質量%トゥイーン80水溶液、を製造した。微粒子着色剤1gを各試験溶媒99gに添加することにより、試験を行なった。この試験溶液を振震し、そして40℃で24時間、オーブン中に置いた。一端冷却し、百万当たりの部(ppm)における既知濃度の同一染料の溶液の漸次希釈により製造された着色剤標準物に対して視覚的に評価する前に、この水性リカーを、サブミクロンミリポアフィルターを通過させて、如何なるカプセル破片をも除去した。あるいは、水性リカーにおける染料濃度を、当業者に周知の手法である、ベールの法則のキャリブレーションを使用することにより、注目され且つ適宜決定された対応する波長における吸収スペクトルにより分析してもよい。以下の表中の全ての生成物は、着色剤としてFD&Cイエロー#5を使用した。
【表1】

上記表における結果は、本発明の利点を表わしている。
・ポリマーブレンド導入のみの中程度の効果が、比較例CEX1cと比較例CEX2とのブリード結果の比較により判る。
・添加剤のみの制限された効果が、比較例CEX1cと比較例CEX1bとのブリード結果の比較により判る。
・反応スキーム内へのポリマーブレンド及び添加剤の両方の導入(即ち、本発明の実施態様)の効果が、実施例EX1及び実施例EX2と比較例CEX2とのブリード結果の比較により判る。
・添加剤の種類の効果が、実施例EX1と実施例EX2とのブリード結果の比較により判る。これらの実施例は、表面変性剤の選択が僅かな相違を与えることを示す:両方とも、ポリマーブレンドのみに比較して十分な改良である。
・後処理と比較した加工スキームの間の添加剤の導入効果が、実施例EX1と比較例CEX4とのブリード結果の比較により判る。シリコーン表面変性剤を用いる粉末の後処理は、実質的に殆ど効果がなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成されたポリマーA5質量%ないし95質量%、
(b)エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成されたポリマーB5質量%ないし95質量%、
から形成された本質的に無色のポリマーマトリックスであって、その内に、ポリマーAにおけるものと同一又は異なるエチレン系不飽和疎水性モノマー1種又はそれより多くから形成されたポリマー二次粒子が分散されているポリマーマトリックス中に、少なくとも1種の着色剤の有効着色量を含む、耐ブリード性微粒子。
【請求項2】
前記本質的に無色のポリマーマトリックスが、少なくとも1種のポリマーA5質量%ないし25質量%と、少なくとも1種のポリマーB75質量%ないし95質量%とから形成されている、請求項1記載の微粒子。
【請求項3】
前記着色剤が、少なくとも1種の有機顔料、染料又はレーキ、或いはそれらの混合物である、請求項1記載の微粒子。
【請求項4】
前記ポリマーマトリックスが架橋されている、請求項1記載の微粒子。
【請求項5】
油溶性添加剤C及び/又はポリマー両親媒性安定剤Dをその表面に更に含む、請求項1記載の微粒子。
【請求項6】
少なくとも1種の着色剤1質量%ないし60質量%を含む、請求項1記載の微粒子。
【請求項7】
A)少なくとも1種のポリマーAの塩を含む水相を用意すること、
B)前記水相を、高剪断下で、少なくとも1種のポリマーB、二次ポリマー粒子及び所望により架橋剤を含む第二水相と混合する(ここで、水相A)及び/又は水相B)は少なくとも1種の微細に破砕された着色剤を含む。)こと、
C)高剪断下で、水不混和性液相中に、段階B)からの混合された水相を含み、所望により、油溶性添加剤、両親媒性ポリマー安定剤又はそれらの混合物を含む油中水エマルジョンを形成すること、並びに
D)前記エマルジョンを脱水すること、該脱水においては、水を水性粒子から蒸発させ、それにより、マトリックスポリマー中に少なくとも1種の着色剤を含み、且つ該マトリックスポリマー全体に分散された二次粒子を有する固体微粒子を形成する、
を含む、請求項1記載の少なくとも1種の着色剤を含む耐ブリード性微粒子の製造方法。
【請求項8】
有効着色量の少なくとも1種の着色剤を含む家庭用品、テキスタイル又はファブリック組成物であって、ここで、前記着色剤は、
エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、−40℃ないし50℃のガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成された少なくとも1種のポリマー、及び、エチレン系不飽和イオン性モノマーである第一モノマー少なくとも1種と、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマーである第二モノマー少なくとも1種とを含むモノマー混合物から形成された少なくとも1種のポリマー、を含む1種以上の微粒子マ
トリックスポリマーに、捕捉されており、
ここで、二次粒子が該マトリックス全体に分散されており、該二次粒子は、50℃を越えるガラス転移温度を持つホモポリマーを形成することが可能なエチレン系不飽和疎水性モノマー少なくとも1種及び所望により他のモノマーから形成された疎水性ポリマーを含み、該疎水性ポリマーは前記マトリックスポリマーのものと異なる、ところの家庭用品、テキスタイル又はファブリック組成物。
【請求項9】
少なくとも2種のマイクロカプセル化された着色剤を含む、請求項8記載の組成物であって、前記組成物中の前記着色剤が、互いに区別される少なくとも2種の色から選択されている組成物。
【請求項10】
前記組成物中の前記捕捉された着色剤が、原色赤、黄及び青の少なくとも2種から選択されている、請求項8記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物中の前記捕捉された着色剤が、少なくとも2種の別々のマトリックスポリマー材料において提供されている、請求項9記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも2種の捕捉された着色剤が、単一マトリックスポリマー材料内に存在する、請求項9記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物の全質量に基づいて、少なくとも1種の捕捉された着色剤0.1質量%ないし70質量%を含む、請求項8記載の組成物。
【請求項14】
油中水又は水中油エマルジョンとして、イオン性又は非イオン性の両親媒性脂質の小胞状分散物として、ゲルとして、又は固体スティックとして製剤化されている、請求項8記載の組成物。
【請求項15】
光保護性製剤の形態にある、請求項8記載の組成物。
【請求項16】
金属イオン封鎖剤、非カプセル化着色剤、香料、増粘剤又は凝固剤、皮膚軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び防腐剤からなる群から選択された更なる成分少なくとも1種を含む、請求項8記載の組成物。

【公表番号】特表2009−540030(P2009−540030A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513649(P2009−513649)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055233
【国際公開番号】WO2007/141169
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】