説明

耐久性評価試験機

【課題】高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる耐久性評価試験機を提供すること。
【解決手段】厚さ方向に貫通する保持孔66を有する保持治具60の耐久性を評価する試験機1であって、外径が保持孔66の内径に対して1.1〜1.5倍である先端部21を有する挿脱ピン3と、保持治具60を載置するステージ4と、ステージ4上に載置された保持治具60の保持孔66の軸線Ch方向にステージ4から離れて配置され、挿脱ピン3の軸線Cpと保持孔66の軸線Chとが並行になるように挿脱ピン3を保持する保持部材5と、保持部材5に接続され、保持部材5を軸線Ch方向に沿って往復運動させる運動機構6とを備えて成る保持治具の耐久性評価試験機1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、耐久性評価試験機に関し、さらに詳しくは、高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる耐久性評価試験機に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、電話機、ゲーム機、自動車電装機器等の電子機器に用いられる集積回路等には、例えば、積層セラミックチップコンデンサ(単に、チップコンデンサと称することがある。)等の小型部品が搭載されている。このような小型部品を製造する際等には、通常、小型部品を製造可能な小型部品用部材等を保持する保持孔が形成された保持治具が用いられる。このような保持治具は、通常、厚さ方向に貫通する保持孔が形成された弾性部材を有している。例えば、特許文献1には、「(a)多数の並列状貫通通路を有するプレート体を備えること。(b)前記通路は弾性壁を有して電気用小型パーツが該通路内に位置可能となっており、かつ該通路の寸法は対応するパーツの寸法よりも小さく、パーツが前記通路内位置で弾発的に把持されること。以上(a)および(b)の構成から成るを特徴とする多数の電気用小型パーツ端部のコーティング用装置」が記載されている(請求項4)。
【0003】
このような保持治具においては、電気用小型パーツ等の小型部品よりも小さな寸法の前記保持孔内に圧入された小型部品を弾性力で保持した状態で種々の用途に使用された後、小型部品が保持孔から抜取られ、次いで、新たな小型部品を保持して前記用途に使用される。このように保持治具は小型部品の保持及び抜取りが繰り返し実施される。このようにして小型部品の保持及び抜取りが多数回にわたって繰り返し実施されると、弾性部材特に保持孔が劣化して所望のように小型部品を保持できなくなる。
【0004】
保持孔が劣化しているか否かは、従来、手動による小型部品の保持及び抜取りを多数回実施して評価する方法がほとんどであり、場合によっては、実際の使用状況例えば小型部品の保持姿勢の均一性から評価することもある。ところが、手動による耐久性評価においては小型部品の挿入の向きの問題や挿入量が均一に保てないことにより、一定の再現性が得られないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭62−20685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる耐久性評価試験機を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、厚さ方向に貫通する保持孔を有する保持治具の耐久性を評価する試験機であって、外径が前記保持孔の内径に対して1.1〜1.5倍である先端部を有する挿脱ピンと、前記保持治具を載置するステージと、前記ステージ上に載置された前記保持治具の保持孔の軸線方向に前記ステージから離れて配置され、前記挿脱ピンの軸線と前記保持孔の軸線とが並行になるように前記挿脱ピンを保持する保持部材と、前記保持部材に接続され、前記保持部材を前記軸線方向に沿って往復運動させる運動機構とを備えて成る保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項2は、前記運動機構は、クランク機構、カム機構又は往復機構である請求項1に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項3は、前記クランク機構は、前記軸線方向に配置されたクランク軸と、前記クランク軸の自由端側に前記クランク軸と同軸となるように設けられた回転体と、一端が前記クランク軸の中心軸と偏心するように前記回転体に接続され、他端が前記保持部材に接続された接続棒とを有して成る請求項2に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項4は、前記ステージ及び/又は前記保持部材に装着され、前記挿脱ピンの軸線と前記保持孔の軸線とが同一線上になるように前記挿脱ピンと前記保持孔の相対位置を調整する位置調整手段を備えて成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項5は、前記位置調整手段は、前記軸線方向に垂直な平面においてX方向及びY方向に独立に前記ステージを移動させる移動手段である請求項4に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項6は、前記保持部材は、前記先端部の端部に連設された基部を、狭圧保持する一対の保持凹部を有して成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項7は、前記保持部材の往復運動を案内する案内部材を備えて成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機であり、
請求項8は、一端が前記保持部材に接続され、前記保持部材を前記軸線方向に付勢する付勢部材を備えて成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機である。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機は、前記挿脱ピンと前記ステージと前記保持部材と前記運動機構とを備えているから、前記挿脱ピンを多数回連続して保持治具の保持孔に挿入し抜脱して保持治具の耐久性を評価するにあたって、前記挿脱ピンの軸線を保持孔の軸線と一致させた状態を維持しつつ一定の間隔で前記挿脱ピンを挿脱させることができ、その結果、高い再現性を実現することができる。したがって、この発明によれば、高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる耐久性評価試験機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機を示す概略側面図である。
【図2】図2は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機を示す概略正面図である。
【図3】図3は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機における保持部材を示す概略底面図である。
【図4】図4は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機における挿脱ピンの挿脱状態を説明する概略説明図であり、図4(a)はこの発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機において挿脱ピンが上死点にある状態を示す概略図であり、図4(b)はこの発明に係る保持治具の耐久性評価試験機の一例である保持治具の耐久性評価試験機において挿脱ピンが下死点にある状態を示す概略図である。
【図5】図5は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機において評価され得る保持治具の一例である保持治具を示す概略上面図である。
【図6】図6は、図5のA−A線で切断した保持治具における断面の一部を示す概略断面図である。
【図7】図7は、この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機において評価され得る保持治具の一例である保持治具を構成する補強部材の一例である補強部材を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明に係る保持治具の耐久性評価試験機(以下、この発明に係る試験機と称することがある。)は、保持治具特に保持孔の耐久性を評価する試験機であり、例えば、保持孔の耐久性試験を実施する際の挿脱ピンを抜脱する抜脱機と称することもできる。
【0011】
この発明に係る試験機によって耐久性を評価され得る保持治具について説明する。この保持治具は、厚さ方向に貫通する保持孔を有する保持治具であればよく、例えば、特許文献1に記載された「コーティング用装置」、図5〜図7に示される保持治具60等が挙げられる。前記保持治具60は、図5及び図6等に示されるように、支持孔65を有する補強部材61と保持孔66を有する弾性部材62とを備え、前記保持孔66それぞれが前記支持孔65それぞれの内部を通るように前記補強部材61の一部が弾性部材62に埋設されて成る。そして、この保持治具60は弾性部材62の弾性力で保持孔66に挿入された小型部品を弾発的に保持することができる。この保持治具60は、後述する小型部品の保持用として好適であり、例えば、少なくとも二箇所に電極形成用の導電性ペーストを塗布する必要のある小型部品の保持用としてさらに好適である。
【0012】
前記補強部材61は、図6によく示されるように、支持孔65が形成された平坦部63が少なくとも後述する弾性部材62に埋設され、弾性部材62が平坦になるように弾性部材62を補強支持する。この補強部材61は、図6及び図7に示されるように、多数の支持孔65が穿設された矩形の平坦部63と、平坦部63の周囲に平坦部63の厚さ方向すなわち上面方向及び下面方向に突出した鍔部64とを備えている。前記鍔部64は、フランジ部とも称され、平坦部63を囲繞するように形成され、平坦部63の上面方向及び下面方向における突出量が一定になるように調整されている。鍔部64の厚さは、適宜に調整され、例えば、8.9〜10.0mmの範囲内に設定される。前記平坦部63は、図6及び図7に示されるように、鍔部64よりも薄く薄板部とも称され、厚さ方向に貫通する支持孔65が形成される領域であり、その厚さが一定で平坦に形成されている。平坦部63の厚さは、適宜に調整され、例えば、5.9〜7mmの範囲内に設定される。前記支持孔65は、前記平坦部63内のほぼ全域に、その厚さ方向に貫通するように、多数、例えば5000個以上が形成されている(図7において、支持孔65の一部を図示していない。)。支持孔65は、通常、後述する保持孔66が形成されるパターンと同一のパターンで形成され、この例においては碁盤目状に穿孔されている。支持孔65の開口は円形であるが多角形等であってもよい。なお、この支持孔65の内径は保持孔66よりも大きくなっている。
【0013】
前記弾性部材62は、図5及び図6に示されるように、多数の保持孔66が穿孔され、前記平坦部63を内部に収容可能な空隙を有している。そして、図6に示されるように、弾性部材62は、補強部材61の平坦部63を埋設し、換言すると、平坦部63の両面を被覆すると共に補強部材61の支持孔65に貫入し、補強部材61の鍔部64と面一になるように、形成されている。すなわち、弾性部材62は、平坦部63の表面に配置され、補強部材61の鍔部64によって囲繞されている。ここで、前記弾性部材62は、図6に示されるように、その保持孔66が支持孔65の内部を通るように平坦部63を埋設し、好ましくは保持孔66が支持孔65の軸線C60と共通する軸線C60を有するように平坦部63を埋設している。図5及び図6に示されるように、弾性部材62は、その厚さ方向に貫通し、自身に挿入又は貫入された小型部品をその弾性力で弾発的に保持する多数の保持孔66を有している。弾性部材62は、保持孔66を多数、例えば、5000個以上が形成されている(図5において、保持孔66の一部を図示していない。)。弾性部材62の厚さ(両外表面間の距離)は、保持治具60の厚さと同じ厚さに調整され、通常、8.9〜10.0mmに調整される。保持孔66は、所定のパターンに配列され、この例においては縦横に整列された碁盤目状に穿孔されている。保持孔66の配列間隔すなわち隣接する軸線C60間距離は、支持孔65の配列間隔と同じであり、保持治具60に挿入保持する小型部品のサイズ等によって任意に調整することができる。保持孔66の開口は円形になっているが多角形等であってもよい。この保持孔66は、小型部品の、保持孔66に挿入される部分の、軸線に垂直な断面形状に外接する仮想外接円の直径よりの小さな内径、すなわち、保持孔66の軸線C60に垂直な断面形状に外接する仮想外接円の直径を有している。
【0014】
この弾性部材62は、小型部品を挿入及び/又は抜取る際に弾性変形し、かつ、破損しないように、所定の伸び、引張強さ及び硬度を有しているのが好ましい。例えば、JIS K6249に規定の切断時伸び(引張速度500mm/min)は、200〜1000%であるのが好ましく、400〜900%であるのが特に好ましく、JIS K6249に規定の引張強さ(引張速度500mm/min)は、5〜15MPaであるのが好ましく、7〜14MPaであるのが特に好ましく、JIS K6253に規定の硬度(JIS A)は、20〜80であるのが好ましく、40〜60であるのが特に好ましい。前記JIS K6249に規定の切断時伸び及び引張強さは、23℃、湿度50%の環境下で、3号ダンベル形状の試験片を作製して、切断時伸びはつかみ具間隔を標線距離で20mmに設定して、実施する。
【0015】
補強部材61は、弾性部材62を平坦な形状に維持することのできる材料で形成されていればよく、このような材料として金属及び樹脂等が挙げられる。弾性部材62は、弾性変形し、小型部品を挿入保持することのできる材料で形成される。このような材料として前記特性を満足するゴム及びエラストマー等が挙げられ、より具体的にはシリコーンゴムが挙げられる。
【0016】
保持治具60に保持される小型部品は、小型部品の製造工程、搬送工程等において保持される必要性のある、小型部品を製造可能な小型部品用部材、例えば、小型器具用部材、小型機械要素用部材及び小型電子部品用部材等が挙げられる。また、小型部品の製造には小型部品の搬送工程等も含まれるから、小型部品は、小型部品そのもの、例えば、小型器具、小型機械要素及び小型電子部品等も含まれる。したがって、この発明において、小型部品と小型部品用部材とは明確に区別される必要はなく、「小型部品」と称しても「小型部品及び小型部品用部材」を意味することがある。小型電子部品及び小型電子部品用部材としては、例えば、チップコンデンサ、インダクタチップ、抵抗体チップ等の完成品若しくは未完成品等、及び/又は、これらを製造可能な例えば、角柱体若しくは円柱体、一端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体、両端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体等が挙げられる。このような小型部品は、例えば、その軸線長さが1.0〜3.2mmで、保持孔に挿入される部分の、軸線に垂直な断面形状に外接する仮想外接円の直径が0.7〜2.3mmの寸法を有している。
【0017】
この発明に係る試験機は、外径が前記保持孔の内径に対して1.1〜1.5倍である先端部を有する挿脱ピンと、保持治具を載置するステージと、このステージ上に載置された保持治具の保持孔の軸線方向に前記ステージから離れて配置され、挿脱ピンの軸線と保持孔の軸線とが並行になるように挿脱ピンを保持する保持部材と、この保持部材に接続され、保持部材を軸線方向に沿って往復運動させる運動機構とを備えている。
【0018】
前記挿脱ピンは、前記運動機構によって保持部材と共に前記軸線方向に沿って往復運動し、ステージ上に載置された保持治具の保持孔に挿入され、抜き出されて、保持治具すなわち保持孔の耐久性を試験する。この挿脱ピンは、保持孔に挿入され抜き出される先端部を有している。この先端部は、その軸線長さが保持治具60の保持孔66の軸線長さよりも長く、かつ、外径(その軸線に垂直な断面形状が円でない場合には前記断面形状に外接する仮想外接円の直径)が、保持孔66の前記内径又は前記直径に対して1.1〜1.5倍になっている。挿脱ピンの外径がこのように設定されていると、換言すると、前記範囲の外径を有する1種の挿脱ピンを選択して用いると、実際の使用状況を勘案した耐久性を試験することができる。挿脱ピンは1本であっても複数本であってもよく、複数本である場合にはその配列及び配列間隔は保持孔の配列及び配列間隔と同一に調整される。
【0019】
この発明に係る試験機の一例(以下、この発明に係る一試験機と称することがある。)を、図面を参照して、具体的に説明する。この発明に係る一試験機1は、図1及び図2に示されるように、基台11と、基台11の端縁に略垂直に立設形成された背板12と、外径が保持孔の内径に対して1.1〜1.5倍である先端部21を有する1本の挿脱ピン3と、前記基台11上に配置され、保持治具を載置するステージ4と、ステージ4上に載置された保持治具における保持孔の軸線方向にステージ4から離れて配置され、挿脱ピン3の軸線Cpと保持孔の軸線Chとが並行になるように挿脱ピン3を保持する保持部材5と、保持部材5に接続され、この保持部材5を前記軸線Cp方向に沿って往復運動させる運動機構6と、ステージ4に装着され、挿脱ピン3の軸線Cpと保持孔66の軸線Chとが同一線上になるように挿脱ピン3の配置位置を調整する位置調整手段7と、背板12及び保持部材5に設けられ、保持部材5の往復運動を案内する案内部材8と、一端が保持部材5に接続されると共に他端が背板12に接続されて保持部材5を軸線Ch方向に付勢する付勢部材9とを備えている。
【0020】
そして、この発明に係る一試験機1において、前記運動機構6として回転運動を往復運動に変換するクランク機構が採用され、このクランク機構は往復スライダクランク機構とも称される。このクランク機構は、具体的には、図1及び図2に示されるように、保持孔の軸線Ch方向に配置されたクランク軸41と、クランク軸41の自由端42側にクランク軸41と同軸となるように設けられた回転体43と、一端44aがクランク軸41の中心軸と偏心するように前記回転体43に接続され、他端44bが保持部材5に接続された接続棒44とを有している。
【0021】
この発明に係る一試験機1において、前記軸線Cp及びCh方向であって基台11側を下方、その反対側すなわち運動機構6側を上方と称することがある。
【0022】
前記基台11及び背板12は、ステージ4、保持部材5、運動機構6、案内部材8等を支持可能に設けることができれば、その形状等は特に限定されない。
【0023】
前記挿脱ピン3は、図1〜図3に示されるように、角柱状の基部22とその一端面から軸線Cpを共有して延在する円筒状の先端部21とを有している。このように挿脱ピンは、円筒状の先端部21とその端部に連接された角柱状の基部22とを有している。前記基部22は保持部材5に保持される部分であり、具体的には、相対向する後述の第1保持凹部34及び第2保持凹部35に符合するように、前記軸線Cpに垂直な断面が正方形である角柱体をなしている。前記先端部21は保持孔66に挿脱される部分であり、その外径はその軸線Cpに沿って一様であり、保持孔66の前記内径に対して1.1〜1.5倍の範囲から選択された1点の値になっている。したがって、通常、この発明に係る一試験機1は、外径が前記範囲の異なる1点に調整された先端部21を有する複数の挿脱ピン3を備えており、評価内容又は評価条件等に応じて選択した挿脱ピン3を用いる。
【0024】
前記ステージ4は、図1及び図2に示されるように、基台11上に後述する位置調整手段7を介して配置され、保持治具60を載置して固定する。このステージ4は、周方向に一巡する側壁24とこの側壁24で囲繞され、保持治具60の弾性部材62と略同じ寸法の内部空間25とを有する有底の板状部材とされている。ステージ4は、保持治具60の寸法と略同一の寸法を有しており、側壁24上に保持治具60の鍔部64が載置される。前記内部空間25は、例えば図4(b)に示されるように、保持孔66を貫通した挿脱ピン3が一時的に進入する空間であり、挿脱ピン進入凹部と称することができる。このステージ4は、載置された保持治具60を固定する固定部材、例えば、クランプ(図1及び図2において図示しない。)等が備えられている。
【0025】
前記位置調整手段7は、図1及び図2に示されるように、ステージ4に装着されてこのステージ4と基台11との間に介装され、挿脱ピン3の軸線Cpと、ステージ4上に載置された保持治具60における保持孔66の軸線Chとが同一線上になるように、挿脱ピン3と保持孔66との相対位置すなわち挿脱ピン3の配置位置を調整する。したがって、位置調整手段7は、軸線Cpと軸線Chとが同一直線上になるように、保持治具60すなわちステージ4の相対的な位置を調整できるものであればよく、この例においては、前記軸線Ch方向に垂直な平面において基台11に対して背板12に近接する方向(Y方向と称することがある。)にステージ4の位置を調整するY方向調整ネジ51と、前記軸線Ch方向に垂直な平面において前記Y方向に垂直で図1において紙面に向かう方向(X方向と称することがある。)にステージ4の位置を前記調整するX方向調整ネジ52とを有している。Y方向調整ネジ51及びX方向調整ネジ52を有する位置調整手段7は、ステージ4をX方向及びY方向それぞれに独立に移動させる移動手段であり、前記Y方向調整ネジ51はねじ込むことによりステージ4をY方向に移動させ、前記X方向調整ネジ52はねじ込むことによりステージ4をX方向に移動させるように、それぞれ、ネジ穴(図示しない。)に螺合している。
【0026】
前記保持部材5は、図1及び図2に示されるように、前記保持孔66の軸線Ch方向にステージ4から離れて配置され、具体的には、後述する案内部材8を介して背板12に、前記軸線Ch方向に前後進すなわち往復直線運動するように、装着されている。この保持部材5は、後述するように、保持した挿脱ピン3の先端部21が保持孔66に貫通するまで挿入され、この先端部21が保持孔66から完全に抜き出るまで、前後進するように、なっている。
【0027】
この保持部材5は、図1及び図2に示されるように、基体部31と、基体部31の一端縁から垂直に延在する張出部32とを有し、前記軸線Ch方向に沿う断面がL字形の板状体となっている。この張出部32は、図3によく示されるように、その先端面に挿脱ピン3を所定の状態に保持する保持部33を有している。具体的には、保持部33は、厚さ方向に切欠された第1保持凹部34を有する張出部32の先端面と、一端面に厚さ方向に切欠された第2保持凹部35を有する保持板36と、この保持板36及び張出部32を締結する一対の締結具37とを有している。前記第1保持凹部34及び前記第2保持凹部35は、相対向するように保持部材5の中心線上に配置されるようになっている。第1保持凹部34及び第2保持凹部35は、それぞれ、挿脱ピン3における基部22の2つの側面に当接するように、張出部32又は保持板36の厚さ方向に垂直に延在する略三角柱状の切欠部であり、互いに略直角に交わる一対の切り欠き面はそれぞれ前記基部22の側面よりも小さくなっている。すなわち、張出部32及び保持板36で挿脱ピン3を挟持したときに、図3に示されるように、張出部32の先端面と保持板36の一端面とが当接しないように、なっている。前記締結具37は、張出部32に形成されたネジ穴37aと保持板36に穿孔されたネジ孔37bと前記ネジ穴37aに螺合するボルト37cとからなる。第1保持凹部34及び第2保持凹部35は、この発明に係る一対の保持凹部に相当し、図3によく示されるように、挿脱ピン3の基部22を狭圧保持する。このとき、第1保持凹部34及び第2保持凹部35で挟圧保持された挿脱ピン3、すなわち、前記保持部33で保持された挿脱ピン3は、図1〜図3に示されるように、その軸線Cpがステージ4上に載置された保持治具60における保持孔66の軸線Chと並行になり、前記位置調整手段7によって前記軸線Chと同一線上になっている。
【0028】
前記案内部材8は、図1及び図2に示されるように、背板12の表面に前記軸線Ch方向に略並行に設けられた軌条54と、保持部材5における基体部31の背面に前記軸線Ch方向に略並行に設けられ、前記軌条54上を走行する走行体55とを有している。この案内部材8は、走行体55が保持部材5と一体となって軌条54上を前記軸線Ch方向に並行に前後進運動すなわち往復直線運動して、挿脱ピン3及び保持部材5が所定の直線上を前後進運動するように、案内する。
【0029】
前記運動機構6は、保持部材5に接続され、保持部材5に保持された挿脱ピン3が保持孔66に繰り返して挿入され抜き出されるように、保持部材5を前記軸線Cp方向に沿って往復直線運動させる。したがって、この運動機構6は、保持部材5を前記のように往復直線運動させることができるように構成されていればよく、例えば、クランク機構、カム機構、シリンダー等の往復機関等が挙げられる。この発明に係る一試験機1において、運動機構6は、前記したようにクランク軸41と回転体43と接続棒44とを有している。
【0030】
前記クランク軸41は、図1及び図2に示されるように、前記軸線Ch方向の延長上であって前記案内部材8から離れて背板12内に装備された駆動源例えばモータ45の回転軸に接続されて、前記軸線Ch方向に保持部材5から離れた状態に配置されている。また、このクランク軸41は、その軸線が前記軸線Cpに垂直でステージ4に載置された保持治具と平行に配置されている。前記回転体43は、クランク軸41と同軸となるように前記自由端42に設けられ、円盤状をなしている。前記接続棒44は、図1及び図2に示されるように、棒状体を成し、その一端44aがクランク軸41の中心軸と偏心するように前記回転体43の周面にボルト44cで接続され、その他端44bが保持部材5の基体部31の自由端近傍にボルト44cで接続されている。この接続棒44は、このように回転体43と保持部材5とを接続して、回転体43の回転運動を往復直線運動に変換して保持部材5に伝達する。したがって、保持部材5、保持部材5に保持された挿脱ピン3、及び、保持部材5の基体部31に設けられた走行体55は、いずれも、運動機構6によって一定の間隔で前記軸線Ch方向に沿って前後進、すなわち、往復直線運動する。前記一定の間隔は、挿脱ピン3の往復直線運動における1往復の往復運動回数が1分間当り、好ましくは12〜60回となるように、設定されるのが好ましい。前記一定の間隔が前記範囲に設定されると、保持治具を実際に使用したときの耐久性に一致した耐久性評価をすることができる。
【0031】
この運動機構6において、回転体43の直径、接続棒44が接続される回転体43の周面位置及び基体部31の自由端近傍位置は、図4(a)に示されるように、挿脱ピン3が最も基台11から離間した状態すなわち上死点にあるときに挿脱ピン3が保持孔66から完全に抜き出され、図4(b)に示されるように、挿脱ピン3が最も基台11に接近した状態すなわち下死点にあるときに挿脱ピン3が保持孔66を完全に貫通するように、調整されている。
【0032】
前記付勢部材9は、図2によく示されるように、保持部材5の保持部33に一端が接続されると共に、保持部33に対して背板12における軸線Chの延長線上部に他端が接続され、保持部材5の往復運動と共に伸縮する。したがって、この付勢部材9は伸縮部材とも称される。この付勢部材9は保持部材5を軸線Ch方向に付勢又は引き寄せる。付勢部材9はコイルバネが好適であり、この例においては軸線Ch方向に伸縮するコイルバネが採用されている。この発明に係る一試験機1が付勢部材9を備えていると、案内部材8と共に保持部材5が前後進運動する際のがたつきを防止して前後進運動をより一層安定化する。この付勢部材9の復元力は前記運動機構6よりも弱く設定されている。
【0033】
この発明に係る試験機を用いて耐久性を評価する方法を、この発明に係る一試験機1を用いた評価方法(以下、この発明に係る一評価方法と称することがある。)を例に挙げて、説明する。
【0034】
この発明に係る一評価方法を実施するには、この発明に係る一試験機1(以下、試験機1と称することがある。)、保持治具、及び、保持治具の保持孔の状態を定量化する測定器等を準備する。この発明に係る一試験機1及び保持治具は前記した通りであり、例えば保持治具60を準備する。前記測定器として、例えば、保持孔66の保持力を測定できる「デジタルフォースアナライザーFA PLUS」及び「計測スタンド」(共に株式会社イマダ製)を準備する。
【0035】
この発明に係る一評価方法においては、まず、準備した保持治具60における保持孔66の初期保持力を前記測定器で測定しておく。
【0036】
この発明に係る一評価方法においては、評価対象の保持治具に適した前記外径の先端部21を有する挿脱ピン3を選択して、準備した一試験機1の保持部材5に挿脱ピン3を保持させる。具体的には、第1保持凹部34及び第2保持凹部35で挿脱ピン3の基部22を挟んだ状態で保持板36と張出部32とを一対の締結具37で締結する。
【0037】
この発明に係る一評価方法においては、挿脱ピン3を保持する前又は後に、準備した一試験機1の挿脱ピン3をステージ4上に載置された保持治具60に接触しない程度まで前記上方に退避させる。例えば、挿脱ピン3が前記上死点にある、図1、図2及び図4(a)に示される初期状態に、各部材を配置する。
【0038】
この発明に係る一評価方法においては、挿脱ピン3を保持する前又は退避させた後に、図1、図2及び図4(a)に示されるようにステージ4上に保持治具60を載置して図示しない固定具で固定する。
【0039】
このようにして、挿脱ピン3を保持部材5に保持すると共に保持治具60をステージ4に載置すると、保持部材5に保持された挿脱ピン3は、図1及び図2に示されるように、その軸線Cpがステージ4上に載置された保持治具60における保持孔66の軸線Chと並行になる。
【0040】
この発明に係る一評価方法においては、位置調整手段7のY方向調整ネジ51及びX方向調整ネジ52を操作して、図1及び図2に示されるように、ステージ4上に載置固定された保持治具60の保持孔66の軸線Chと保持部材5に保持された挿脱ピン3の軸線Cpとを同一線上に配置する。なお、この発明に係る一評価方法において、保持治具60をステージ4上に載置したときに前記軸線Chと前記軸線Cpとが同一線上に配置されている場合には、前記位置調整手段7の操作は不要である。
【0041】
この発明に係る一評価方法においては、次いで、運動機構6を稼動して保持部材5を前記軸線Ch方向に沿って往復運動させる。具体的には、運動機構6であるクランク機構の駆動源45を起動する。そうすると、駆動源45の回転軸が例えば図2の矢印Aで示す方向に回転し、この回転軸に接続されたクランク軸41、さらに、このクランク軸41に設けられた回転体43が共に同期して同方向に回転する。回転体43が矢印A方向に回転すると、回転体43の周面に接続された接続棒44の一端44aは回転体43の回転量に応じてその前記軸線Ch方向の高度が変化し、他端44bが接続した保持部材5を基台11側に押進する。保持部材5が押進されると、保持部材5に保持された挿脱ピン3、及び、保持部材5の基体部31に設けられた走行体55は保持部材5と同期して同方向に前進する。このときの保持部材5は、走行体55が案内部材5の軌条54上を走行すると共に前記付勢部材9の付勢力によって、前記軸線Chに沿って安定して前進する。回転体43が引き続き同方向に回転して保持部材5がさらに前進すると、挿脱ピン3の先端部21は、ステージ4に載置された保持治具60の保持孔66に到達してその内部に進入し、回転体43と接続棒33との接続部が最下点に到達すると、すなわち、挿脱ピン3が下死点に到達すると、図4(b)に示されるように、挿脱ピン3の先端部21は保持孔66を完全に貫通する。
【0042】
この発明に係る一評価方法において、さらに回転体43が回転して回転体43と接続棒33との接続部が最下点を超えると、保持部材5は一転して逆方向に牽引されて後進する。保持部材5が後進すると、挿脱ピン3及び走行体55は保持部材5と同期して同方向に後進し、このとき、保持部材5は前進時と同様に軸線Chに沿って安定して後進する。回転体43が引き続き同方向に回転して保持部材5がさらに後進すると、挿脱ピン3の先端部21は、ステージ4に載置された保持治具60の保持孔66内を後退して、回転体43と接続棒33との接続部が最上点すなわち前記初期状態に到達すると、換言すると、挿脱ピン3が上死点に到達すると、図1及び図4(a)に示されるように、挿脱ピン3の先端部21は保持孔66から完全に抜脱される。
【0043】
この発明に係る一評価方法において、さらに回転体43が同方向に回転すると、挿脱ピン3は前進して保持孔66内に進入する。このようにして、運動機構6の連続稼動、すなわち、回転体43の連続回転により、保持部材5、挿脱ピン3及び案内部材8が往復直線運動を繰り返し、挿脱ピン3の保持孔66への進入と挿脱ピン3の保持孔66からの抜脱とが連続して繰り返される。
【0044】
この発明に係る一評価方法においては、このようにして挿脱ピン3の保持孔66への進入及び保持孔66からの抜脱を1サイクルとして多数サイクル、例えば、1000サイクル連続して実施した後に、前記駆動源45を停止して保持治具60をステージ4から取り出す。この保持治具60において挿脱ピン3が挿脱した保持孔66の保持力を前記と同様にして測定する。挿脱ピン3の挿脱後の保持力が例えば前記初期保持力に対する低下率で保持孔66すなわち保持治具60の耐久性を評価できる。その基準は、例えば、初期保持力と比較した時の保持力が50%まで低下すると耐久性が劣るとすることができる。
【0045】
この発明に係る一評価方法において、挿脱ピン3の挿脱が連続して繰り返されるとき、挿脱ピン3の軸線Cpを66の軸線Chとを同一直線上に一致させた状態を維持しつつ一定の間隔で挿脱ピン3が繰り返し往復直線運動する。したがって、この発明に係る一試験機によれば、高い再現性を実現することができる。
【0046】
また、この発明に係る一試験機によれば、挿脱ピン3の挿入及び抜取りを比較的短時間で安易に行うことができる。したがって、この発明に係る一試験機によれば、比較的短時間で容易に実施できるにもかかわらず高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる。さらに、この発明に係る一試験機は、保持孔66の前記直径に応じて挿脱ピン3を交換することができ、その汎用性も高い。したがって、この発明に係る一試験機によれば、評価対象である保持治具によらずに汎用性が高いにもかかわらず高い再現性で保持治具の耐久性を評価できる。
【0047】
この発明に係る耐久性評価試験機は、前記した一例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
【0048】
この発明に係る一試験機1は、1本の挿脱ピン3が保持部材5に保持され、1つの保持孔66の耐久性を評価するように構成されているが、この発明に係る耐久性評価試験機は、複数の挿脱ピンが保持部材に保持され、複数の保持孔の耐久性を一挙に評価するように構成されてもよい。この発明に係る耐久性評価試験機が複数の挿脱ピンを備えている場合には、複数の挿脱ピンは保持治具の保持孔と同様の配列で同間隔となるように保持部材に保持される。
【0049】
この発明に係る一試験機1において、前記挿脱ピン3は基部22と先端部21とを有しているが、この発明において、挿脱ピンは保持部材に保持可能な形状であればよく、例えば、軸線に垂直な断面形状が円形、楕円形等の基部と先端部とを有していてもよく、また、基部を有してなく全体が先端部で構成されていてもよい。
【0050】
ステージ4は保持治具の弾性部材と略同じ寸法の内部空間を有しているが、この発明において、ステージは前記挿脱ピンの延長線上に挿脱ピンが進入する、挿脱ピンの前記外径より僅かに大きな内径を有する凹部、すなわち、穴又は孔を有していればよい。
【0051】
この発明に係る一試験機1において、前記保持部33は、第1保持凹部34を有する張出部32の先端面と、第2保持凹部35を有する保持板36と、保持板36及び張出部32を締結する一対の締結具37とを有しているが、この発明において、保持部は、挿脱ピンをその軸線と保持孔の軸線とが並行になるように保持することができればよく、例えば、張出部32にその厚さ方向に垂直に穿孔された挿通孔であってもよく、挿脱ピンを周方向から狭圧保持する管状クランプであってもよく、挿脱ピンを少なくとも2方向から狭圧保持するクランプ等であってもよい。
【0052】
この発明に係る一試験機1において、運動機構6は、前記クランク軸41と前記回転体43と前記接続棒44とを有するクランク機構が採用されているが、この発明に係る試験機において、運動機構は、軸線Ch方向に配置された回転軸と、この回転軸の自由端側にこの回転軸と同軸となるように設けられたカムと、一端が前記カムの周面に摺接し、他端が保持部材5に接続されたカムシャフトとを有して成る、接触伝動型のカム機構、又は、シリンダー等の往復機関等が採用されてもよい。
【0053】
前記位置調整手段7は、前記ステージ4に装着されているが、この発明において、位置調整手段は、保持部材に装着されてもよく、また、ステージ及び保持部材の双方に装着されてもよい。この発明に係る一試験機1は、位置調整手段7を備えているが、この発明において、挿脱ピンの軸線と保持孔の軸線とが同一線上になるように、保持治具をステージ上に載置できれば、又は、手動で挿脱ピンの配置位置を調整できれば、この発明に係る耐久性評価試験機は位置調整手段を備えていなくてもよい。
【0054】
この発明に係る一試験機1において、ステージ4、保持部材5及び運動機構6が垂直方向に配列された縦型装置であるが、この発明に係る耐久性評価試験機はステージ、保持部材及び運動機構が水平方向に配列された横型装置であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 保持治具の耐久性評価試験機(試験機)
3 挿脱ピン
4 ステージ
5 保持部材
6 運動機構
7 位置調整手段
8 案内部材
9 付勢部材
11 基台
12 背板
21 先端部
41 クランク軸
43 回転体
44 接続棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に貫通する保持孔を有する保持治具の耐久性を評価する試験機であって、
外径が前記保持孔の内径に対して1.1〜1.5倍である先端部を有する挿脱ピンと、
前記保持治具を載置するステージと、
前記ステージ上に載置された前記保持治具の保持孔の軸線方向に前記ステージから離れて配置され、前記挿脱ピンの軸線と前記保持孔の軸線とが並行になるように前記挿脱ピンを保持する保持部材と、
前記保持部材に接続され、前記保持部材を前記軸線方向に沿って往復運動させる運動機構と
を備えて成る保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項2】
前記運動機構は、クランク機構、カム機構又は往復機構である請求項1に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項3】
前記クランク機構は、
前記軸線方向に配置されたクランク軸と、
前記クランク軸の自由端側に前記クランク軸と同軸となるように設けられた回転体と、
一端が前記クランク軸の中心軸と偏心するように前記回転体に接続され、他端が前記保持部材に接続された接続棒と
を有して成る請求項2に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項4】
前記ステージ及び/又は前記保持部材に装着され、前記挿脱ピンの軸線と前記保持孔の軸線とが同一線上になるように前記挿脱ピンと前記保持孔の相対位置を調整する位置調整手段を備えて成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項5】
前記位置調整手段は、前記軸線方向に垂直な平面においてX方向及びY方向に独立に前記ステージを移動させる移動手段である請求項4に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項6】
前記保持部材は、前記先端部の端部に連設された基部を、狭圧保持する一対の保持凹部を有して成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項7】
前記保持部材の往復運動を案内する案内部材を備えて成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機。
【請求項8】
一端が前記保持部材に接続され、前記保持部材を前記軸線方向に付勢する付勢部材を備えて成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の保持治具の耐久性評価試験機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−258650(P2011−258650A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130159(P2010−130159)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】