説明

耐傷性、および意匠性に優れる難燃性熱可塑性樹脂組成物

【課題】ハロゲン系難燃剤を使用することなく、高い難燃性、意匠性、耐傷性を有する熱可塑性樹脂組成物、および成形品を提供する。
【解決手段】ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と、メタクリル酸メチル単量体80〜99.5質量%およびこれと共重合可能な一種または二種以上の単量体0.5〜20質量%を共重合してなる共重合体(C)からなり、共重合体(C)の含有量が40〜60質量%である熱可塑性樹脂(D)100質量部にホスフェート系難燃剤(E)を7〜25質量部配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン系難燃剤を用いることなく、耐傷性、機械的特性、意匠性に優れる難燃性熱可塑性樹脂組成物、およびその成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、難燃性を付与されたスチレン系樹脂は、成形加工性、良好な機械的特性バランスを有し、電気絶縁性に優れることから、電気・電子機器分野、OA機器分野等、広範な分野で用いられている。
近年、環境への配慮からハロゲンを含有した難燃剤の使用を自粛する傾向にあり、スチレン系樹脂の難燃化においては、ハロゲン系難燃剤に代わるものとして種々の燐系、あるいは窒素系難燃剤が提案されている。
【0003】
一方、樹脂製品に意匠を付与したり、使用時の製品の傷付きを防止する目的で、製品に全塗装、あるいは部分塗装を施す場合がある。しかしながら、塗装処理は塗装不良による生産の歩留まり低下を生じやすい。またVOC排出抑制の流れから、できるだけ塗装処理を施すことなく、鮮やかな色、あるいは深みのある色に着色したり、金属調やパール調の外観を持たせる等、意匠性を付与しやすく、且つ傷のつきにくい樹脂が望まれていた。
さらに、樹脂を成形して得られた成形品を、例えば組み立てラインまで輸送する際、細かな擦過傷を防止する目的で柔らかい不織布等で一つずつ梱包する場合があり、多大な手間とコストが必要であった。
【0004】
ハロゲン系難燃剤を使用することなくスチレン系樹脂を難燃化する方法として、特定構造を有する燐系難燃剤を添加する方法(例えば、特許文献1、2参照)等が提案されている。しかしながら、得られる組成物の意匠性、耐傷性については何ら言及されていない。
また、不飽和カルボン酸アルキルエステルを共重合したゴム強化スチレン系樹脂に燐酸エステル系難燃剤を添加する方法(例えば特許文献3〜7参照)は、透明性を有するため、着色性を含む意匠性には優れるものの、耐傷性に劣るものであった。
【特許文献1】特開昭59−24736号公報
【特許文献2】特開平7−26093号公報
【特許文献3】特開2000−344994号公報
【特許文献4】特開2001−200131号公報
【特許文献5】特開2002−201330号公報
【特許文献6】特開2002−206039号公報
【特許文献7】特開2003−201384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、難燃性、意匠性、耐傷性を同時に発現することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上述の問題を解決するために鋭意検討した結果、シアン化ビニル系単量体の含有量が特定の範囲にあるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、あるいはアクリロニトリル−スチレン樹脂にメチルメタクリレート単位を特定値以上含有する共重合体を特定量配合し、これに特定構造をもつ難燃剤を添加することにより、課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、
[1]ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と、メタクリル酸メチル単量体80〜99.5質量%およびこれと共重合可能な一種または二種以上の単量体0.5〜20質量%を共重合してなる共重合体(C)からなり、共重合体(C)の含有量が40〜60質量%である熱可塑性樹脂(D)100質量部に難燃剤(E)を7〜25質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、難燃剤(E)が下記一般式で表され、共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
【0008】
【化1】

【0009】
[2]芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と、メタクリル酸メチル単量体80〜99.5質量%およびこれと共重合可能な一種または二種以上の単量体0.5〜20質量%を共重合してなる共重合体(C)からなり、共重合体(C)の含有量が40〜60質量%である熱可塑性樹脂(D)100質量部に難燃剤(E)を7〜25質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、難燃剤(E)が下記一般式で表され、共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
【0010】
【化2】

【0011】
[3]グラフト共重合体(A)において、ゴム質重合体を除く単量体中のシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であり、ゴム質重合体の屈折率が1.51〜1.54であることを特徴とする[1]または[3]に記載の熱可塑性樹脂組成物、
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品、である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、高い難燃性、意匠性、耐傷性を有する熱可塑性樹脂組成物、および成形品を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明におけるグラフト共重合体(A)に用いられるゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系ゴム、およびこれらの水素添加物、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、シリコーン−アクリルゴム等が挙げられ、これらは単独または二種以上を組み合わせて使用することが出来る。この中で特に好ましいのは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、アクリル系ゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、シリコーン−アクリルゴムである。
【0014】
グラフト共重合体(A)、および共重合体(B)における芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレンが挙げられ、これらは単独または二種以上を組み合わせて使用することが出来る。この中で特に好ましいのは、スチレン、およびα−メチルスチレンである。
グラフト共重合体(A)、および共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルが挙げられ、この中で特に好ましいのはアクリロニトリルである。
【0015】
グラフト共重合体(A)、および共重合体(B)において、透明性を阻害しない範囲で芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の他に共重合可能な単量体を共重合することが出来る。共重合可能な単量体として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルや同様な置換体のメタクリル酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等のN−置換マレイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体等が挙げられ、この中で特に好ましいのは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、N−フェニルマレイミド、グリシジルメタクリレートである。これらの単量体のグラフト共重合体(A)、および共重合体(B)における含有量は、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%未満、特に好ましくは3質量%未満である。これがこの範囲にあると、難燃性、耐熱性、および意匠性に優れた組成物を得ることが出来る。
【0016】
共重合体(C)におけるメタクリル酸メチル単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が挙げられ、これらは単独または二種以上を組み合わせて使用することが出来る。この中で好ましいのは、スチレン、アクリル酸メチルであり、特に好ましいのはアクリル酸メチルである。
【0017】
本発明において、グラフト共重合体(A)におけるゴム質重合体の体積平均粒子径は、耐衝撃性等の機械的強度、成形加工性、成形品外観のバランスから、好ましくは0.1〜1.2μm、より好ましくは0.15〜0.8μm、さらに好ましくは0.15〜0.6μm、特に好ましくは0.2〜0.4μmである。
また、グラフト共重合体(A)におけるグラフト率は、好ましくは10〜150質量%、より好ましくは20〜110質量%、さらに好ましくは25〜60質量%である。グラフト率をこの範囲にすることで、耐衝撃性に優れ、成形加工性の良好な組成物を得ることが出来る。尚、グラフト率とは、ゴム質重合体にグラフト共重合した単量体の、ゴム質重合体に対する重量割合として定義される。その測定法は、重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム質重合体、およびゴム質重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム質重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。
【0018】
グラフト共重合体(A)において、ゴム質重合体を除く単量体のシアン化ビニル系単量体の含有量は17〜24質量%が好ましく、より好ましくは18〜23質量%、さらに好ましくは19〜22.5質量%、特に好ましくは19.5〜22質量%である。これがこの範囲にあると、特に意匠性、および耐衝撃性に優れ、また部分塗装を施した際にも優れた塗装外観を発現することが出来る組成物を得ることが出来る。
また、ゴム質重合体の屈折率は、20℃における屈折率が1.51〜1.54が好ましい。この範囲にあると、特に意匠性に優れた組成物を得ることが出来る。
共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の含有量は17〜24質量%、好ましくは18〜23質量%、さらに好ましくは19〜22.5質量%、特に好ましくは19.5〜22質量%である。これがこの範囲にあると、特に意匠性、および耐衝撃性に優れ、また部分塗装を施した際にも優れた塗装外観を発現することが出来る組成物を得ることが出来る。
【0019】
共重合体(B)の還元粘度(ηsp/c)は0.3〜1.0dl/gが好ましく、より好ましくは0.45〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.0dl/g、特に好ましくは0.7〜1.0dl/gである。これがこの範囲にあると耐衝撃性、および難燃性に優れた組成物を得ることが出来る。還元粘度は、共重合体(B)0.50gを2−ブタノン100mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
共重合体(C)におけるメタクリル酸メチル単量体の含有量は80〜99.5質量%、好ましくは83〜99.5質量%以上、さらに好ましくは85〜98質量%以上、最も好ましくは90〜98質量%以上である。これがこの範囲にあると、意匠性、耐傷性、および難燃性に優れた組成物を得ることが出来る。
【0020】
また、共重合体(C)の還元粘度は0.18〜0.63ml/gが好ましく、より好ましくは0.24〜0.57ml/g、さらに好ましくは0.27〜0.57ml/g、特に好ましくは0.30〜0.57ml/gである。これがこの範囲にあると、耐衝撃性、難燃性に優れた組成物を得ることが出来る。還元粘度は、共重合体(B)と同様に共重合体(C)0.50gを2−ブタノン100mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
グラフト共重合体(A)、共重合体(B)、および共重合体(C)は、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、懸濁塊状重合、溶液重合等、公知の方法によって製造することが出来る。
【0021】
本発明の樹脂組成物の2.5mm厚平板における23℃における全光線透過率は70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。また、ヘイズは30未満が好ましく、より好ましくは25未満、さらに好ましくは20未満である。これらがこの範囲にあると、鮮やかな色や深みのある色への着色も可能となり、意匠性に優れた組成物を得ることが出来る。
グラフト共重合体(A)/共重合体(B)/共重合体(C)、あるいは共重合体(B)/共重合体(C)からなる熱可塑性樹脂(D)中における共重合体(C)の含有量は、40〜60質量%、好ましくは40〜55質量%、さらに好ましくは45〜55質量%、特に好ましくは45〜53質量%である。これがこの範囲にあると、耐傷性、意匠性、および難燃性に優れた組成物を得ることが出来る。
難燃剤(E)は下記化学式で表される。
【0022】
【化3】

【0023】
式(1)で表される難燃剤を使用することにより、難燃性、耐衝撃性、耐熱性、意匠性のバランスに優れた組成物を得ることが出来る。
難燃剤(E)の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して7〜25質量部、好ましくは10〜25質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。これがこの範囲にあると、難燃性、耐熱性、および意匠性に優れた組成物を得ることが出来る。
本発明におけるグラフト共重合体(A)/共重合体(B)/共重合体(C)/難燃剤(E)、あるいは共重合体(B)/共重合体(C)/難燃剤(E)からなる組成物の混合方法に特に制限は無いが、公知の溶融混合法を用いることが出来る。具体的には、ミキシングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機、単軸押出機、2軸押出機、等の連続式混練機が挙げられる。
また、混練の順序に特に制限は無く、例えば全量を一括して混練する方法、難燃剤(E)を予め高濃度に含むマスターバッチを製造し、その後希釈する方法等が挙げられる。
【0024】
本発明の成形には、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられている公知の方法、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、真空成形、プレス成形等の方法を用いることが出来る。
特に射出成形においては、樹脂が金型キャビティに充填される直前のキャビティ表面温度は好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上であると、キャビティ表面への転写性が向上し、さらに意匠性に優れた成形品を得ることが出来る。一般に、キャビティ表面温度を高くすると冷却までの時間が長くなるため、成形サイクルが長くなるという問題があったが、キャビティ表面を短時間で加熱冷却するヒートサイクル成形法を用いることで、意匠性の向上と生産性を両立することが出来る。
【0025】
本発明において、その目的に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤(例えば、高級脂肪酸、およびその金属塩、高級脂肪酸アミド類等)、熱安定化剤、酸化防止剤(例えば、フェノール系、フォスファイト系、チオジブロプロピオン酸エステル型のチオエーテル等)、耐候剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系、蓚酸誘導体、ヒンダードアミン系等)、難燃助剤(例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等)、帯電防止剤(例えば、ポリアミドエラストマー、四級アンモニウム塩系、ピリジン誘導体、脂肪族スルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩共重合体、硫酸エステル塩、多価アルコール部分エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体、ベタイン系、イミダゾリン誘導体等)、抗菌剤、抗カビ剤、摺動性改良剤(例えば、低分子量ポリエチレン等の炭化水素系、高級アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステル、脂肪酸と多価アルコールとのフル、あるいは部分エステル、脂肪酸とポリグリコールとのフル、あるいは部分エステル、シリコーン系、フッ素樹脂系等)等をその目的に合わせて任意の割合で配合することが出来る。
【0026】
また、意匠性を付与する目的で、公知の着色剤、例えば無機顔料、有機系顔料、メタリック顔料、染料を添加することが出来る。
無機顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、クロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料などが挙げられる。
有機顔料としては、例えばアゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料などが挙げられる。
メタリック顔料としては、例えばリン片状のアルミのメタリック顔料、ウェルド外観を改良するために使用されている球状のアルミ顔料、パール調メタリック顔料用のマイカ粉、その他ガラス等の無機物の多面体粒子に金属をメッキやスパッタリングで被覆したものなどが含まれる。
【0027】
染料としては、例えばニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン/ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン/インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン/オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、等が挙げられる。
これらの着色剤は、単体、あるいは二種以上を組み合わせて使用することが出来る。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。また、実施例における評価は以下の方法に従って行った。
(1)ノッチ付シャルピー衝撃強さ
ISO179に準じて、評価した。
(2)曲げ弾性率
ISO178に準じて、評価した。
(3)荷重たわみ温度(1.8MPa荷重)
ISO75−1,2に準じて、評価した。
(4)メルトボリュームフローレート
ISO1133に準じて、220℃、荷重98Nで評価した。
(5)全光線透過率、ヘイズ
射出成形機を用いて、シリンダー温度=240℃、金型温度=60℃にて5cm×9cm、厚み2.5mmの平板を射出成形した。この平板を用いて、ASTM D1003に準じて評価した。
【0029】
(6)鉛筆硬度
(5)と同様にして平板を作成し、JIS K5400 鉛筆ひっかき値に準じて評価した。(鉛筆:JIS S6006規定、重り:1.0kg、試験片と鉛筆の芯の角度45°)
鉛筆硬度は、2B、B、HB、F、H、2H、3Hの順に硬くなり、傷付きにくくなる。鉛筆硬度がBよりも硬いものを合格とした。
(7)塗装外観
(5)と同様にして平板を作成し、これにウレタン塗料(関西ペイント製、レタンPG60改メタリック黒)の吹き付け塗装を行った。
(セッティング10分間、焼き付け75℃×30分間、膜厚30〜40μm)
これを、写像性測定装置ICM-ID(スガ試験機(株)製)を用いて、スリット幅1mm、反射角45°にて鮮映度の測定を行い、70%以上を○、それ以下を×とした。
【0030】
(8)難燃性
UL−94に準じて評価した。
難燃性の判定は、厚み1.2mm、1.6mm、3.0mm全てでV−2規格に適合していれば○、厚み1.2mmはV−2規格不適合であるが、1.6mmおよび3.0mmで適合であれば、△、厚み1.6mm、3.0mmの両方、あるいはいずれかでもV−2規格不適合であれば×とした。
【0031】
[参考例1]
グラフト共重合体(A−1)の製造
ポリブタジエンゴムラテックス(日機装(株)社製マイクロトラック粒度分析計「nanotrac150」にて測定した体積平均粒子径=0.25μm、固形分量=45質量%)100質量部に、ターシャリードデシルメルカプタン0.1質量部、および脱イオン水45質量部を加え、気相部を窒素置換した後、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル11質量部、スチレンを44質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.5質量部、クメンハイドロパーオキシド0.15質量部よりなる単量体混合液、および脱イオン水22質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2質量部、硫酸第一鉄0.004質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.04質量部を溶解してなる水溶液を4時間にわたり添加した。添加終了後1時間、反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。
このようにして得られたABSラテックスに、シリコーン樹脂製消泡剤、およびフェノール系酸化防止剤エマルジョンを添加した後、硫酸アルミニウム水溶液を加えて凝固させ、さらに、十分な脱水、水洗を行った後、乾燥させてグラフト共重合体(A−1)を得た。該共重合体の組成比は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル10.9質量%、ブタジエン45.5質量%、スチレン43.6質量%であった。またグラフト率は40質量%、非グラフト成分(アセトン可溶分)の還元粘度(0.50g/100ml、2−ブタノン溶液中、30℃測定)は0.33dl/gであった。
【0032】
[参考例2]
グラフト共重合体(A−2)の製造
ポリブタジエンゴムラテックス(体積平均粒子径=0.25μm、固形分量=50質量%)100質量部に、脱イオン水41質量部を加え、気相部を窒素置換した後、脱イオン水25質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.08質量部、硫酸第一鉄0.001質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.02質量部を溶解してなる水溶液を加えて、55℃に昇温した。続いて、1.5時間かけて70℃まで昇温しながら、アクリロニトリル13.5質量部、スチレンを36.5質量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.2質量部、クメンハイドロパーオキシド0.1質量部よりなる単量体混合液、および脱イオン水22質量部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.045質量部を溶解してなる水溶液を4時間にわたり添加した以外は参考例1と同様にしてグラフト共重合体(A−2)を得た。該グラフト共重合体の組成比は、組成分析の結果、アクリロニトリル13.3質量%、ブタジエン50.8質量%、スチレン35.9質量%であった。また、グラフト率は50質量%、非グラフト成分の還元粘度は0.38dl/gであった。
【0033】
[参考例3]
グラフト共重合体(A−3)の製造
アクリロニトリル7.5質量部、スチレンを42.5質量部とした以外は参考例2と同様にしてグラフト共重合体(A−3)を得た。該グラフト共重合体の組成比は、組成分析の結果、アクリロニトリル7.4質量%、ブタジエン50.8質量%、スチレン41.8質量%であった。また、グラフト率は40質量%、非グラフト成分の還元粘度は0.40dl/gであった。
【0034】
[参考例4]
グラフト共重合体(A−4)の製造
ポリブタジエンゴムラテックス(体積平均粒子径=0.30μm、固形分=50質量%)100質量部に、脱イオン水50質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.1質量部、硫酸第二鉄0.002質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3質量部を加え、気相部を窒素置換した後、60℃に昇温した。その後、アクリロニトリル3質量部、スチレンを12質量部、メタクリル酸メチル35質量部、クメンハイドロパーオキシド0.2質量部よりなる単量体混合液を3時間にわたり添加した。添加終了後2時間、反応槽を60℃に制御しながら重合反応を完結させた。
このようにして得られたラテックスを参考例1と同様に塩析・脱水・水洗を行った後、乾燥させてグラフト共重合体(A−3)を得た。該グラフト共重合体の組成比は、組成分析の結果、アクリロニトリル2.9質量%、ブタジエン50.8質量%、スチレン11.8質量%、メタクリル酸メチル34.5質量%であった。また、グラフト率は52質量%、非グラフト成分(アセトン可溶分)の還元粘度(0.5g/100ml、2−ブタノン溶液中、30℃測定)は0.67dl/gであった。
【0035】
[参考例5]
共重合体(B−1)の製造
特許1960531号公報実施例1に記載の方法にて、アクリロニトリル、およびスチレンを、溶媒としてセカンダリーブチルアルコールを用い、重合反応器に上記混合液を連続的に添加し、重合計の温度を140から160℃にコントロールして重合反応を行った。その後、未反応のモノマーを真空下にて除去し、共重合体(B−1)の固形粉末を得た。該共重合体の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル20.8質量%、スチレン79.2質量%であった。また、還元粘度は0.75dl/gであった。
【0036】
[参考例6]
共重合体(B−2)の製造
参考例4と同様にして共重合体(B−2)を得た。この共重合体のアクリロニトリル21.2質量%、スチレン78.8質量%であった。また、還元粘度は0.63dl/gであった。
【0037】
[参考例7]
共重合体(B−3)の製造
参考例4と同様にして共重合体(B−3)を得た。この共重合体のアクリロニトリル25.5質量%、スチレン74.5質量%であった。また、還元粘度は0.73dl/gであった。
【0038】
[参考例8]
共重合体(B−4)の製造
参考例4と同様にして共重合体(B−4)を得た。この共重合体のアクリロニトリル14.8質量%、スチレン75.2質量%であった。また、還元粘度は0.60dl/gであった。
【0039】
[参考例9]
共重合体(C−1)の製造
メタクリル酸メチル68.6質量%、アクリル酸メチル1.4質量%、エチルベンゼン30質量%からなる単量体混合物に、1,1-ジ-t-ブチルパ-オキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン150ppm、およびn-オクチルメルカプタン1500ppmを添加し、均一に交合した。この溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度135℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、減圧下に揮発分を除去し、さらに押出機に連続的に溶融状態で移送した。ここで、押出機に接続した添加剤投口からラウリン酸とステアリルアルコールを90℃で溶融した状態で定量的に供給して、共重合体(C−1)のペレットを得た。 この共重合体の還元粘度は、0.35dl/gであり、熱分解ガスクロ法を用いて組成分析したところ、メタクリル酸メチル単位/アクリル酸メチル単位=98.0/2.0(重量比)の結果を得た。さらに、樹脂組成物中のラウリン酸とステアリルアルコールを定量したところ、樹脂組成物100質量部当たり、それぞれ0.03および0.1質量部との結果を得た。
【0040】
[参考例10]
共重合体(C−2)の製造
メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、エチルベンゼン、1,1-ジ-t-ブチルパ-オキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、およびn-オクチルメルカプタンの量を変化させた以外は参考例4と同様に共重合体(C−2)を得た。この共重合体の還元粘度は、0.47dl/gであり、熱分解ガスクロ法を用いて組成分析したところ、メタクリル酸メチル単位/アクリル酸メチル単位=92.0/8.0(重量比)であった。
【0041】
[参考例11]
共重合体(C−3)の製造
メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、エチルベンゼン、1,1-ジ-t-ブチルパ-オキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、およびn-オクチルメルカプタンの量を変化させた以外は参考例4と同様に共重合体(C−2)を得た。この共重合体の還元粘度は、0.22dl/gであり、熱分解ガスクロ法を用いて組成分析したところ、メタクリル酸メチル単位/アクリル酸メチル単位=95.5/4.5(重量比)であった。
【0042】
[参考例12]
共重合体(C−4)の製造
窒素置換した反応器に、脱イオン水130質量部、および過硫酸カリウム0.3質量部を仕込んだ後、攪拌しながら65℃に昇温した。その後、アクリロニトリル10質量部、スチレン30質量部、メタクリル酸メチル60質量部、およびターシャリードデシルメルカプタン0.35質量部からなる混合モノマー溶液、および不均化ロジン酸カリウム2質量部を含む水溶液を各々4時間に亘って連続添加し、その後2時間反応槽を70℃に制御しながら重合反応を完結させた。このようにして得られたラテックスを参考例1と同様に塩析・脱水・水洗を行った後、乾燥させて共重合体(C−4)を得た。該共重合体の組成は、フーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)(日本分光(株)製)を用いた組成分析の結果、アクリロニトリル10.0質量%、スチレン30.0質量%、メタクリル酸メチル60.0質量%であった。この共重合体の還元粘度は0.42dl/gであった。
【0043】
[難燃剤E]
燐系難燃剤として以下を使用した。
難燃剤(E−1):大八化学社製「PX200」
(1,3-フェニレンビス(2,6-ジメチルフェニル=ホスファート))
【0044】
【化4】

【0045】
難燃剤(E−2):大八化学社製「CR−733S」
(テトラフェニル−m−フェニレンビスホスファート)
【0046】
【化5】

【0047】
難燃剤(E−3):大八化学社製「CR−741」
α-ジフェノキシホスホリル-ω-フェノキシポリ(n=1〜3)[オキシ-1,4−フェニレンイソプロピリデン-1,4-フェニレンオキシ(フェノキシホスホリル)]
【0048】
【化6】

【0049】
難燃剤(E−4):フェノキシホスファゼン
特開2004−155802号公報の実施例中のFR1に相当。
【0050】
[実施例1]
充分に乾燥し、水分除去を行ったグラフト共重合体(A−1)25質量部、共重合体(B−1)25質量部、共重合体(C−1)50質量部を混合した後、これをホッパーに投入し、難燃剤(E−1)は定量フィーダーを用いて定量的に投入しながら、二軸押出機(PCM-30、L/D=28、池貝鉄工(株)製)を使用して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数150rpm、混練樹脂の吐出速度15kg/hrの条件で混練して樹脂ペレットを得、各特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2〜7、比較例1、3〜6]
実施例1と同様にして樹脂ペレットを得、評価を行った。
【0052】
[比較例2]
難燃剤(E−2)を80℃に加温したものを、二軸押出機のダイ先端よりスクリュー長の2/3の位置からギアポンプを用いて圧入し、混練した以外は実施例1と同様にして各特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

実施例1、2、6、7、および8は、機械的物性と鉛筆硬度のバランス、および難燃性に優れ、さらに高い透明性を有していることから鮮やかな色や深みのある色への着色も可能である。さらに、これらは塗装後の鮮映性も高いことから、部分塗装を施した際にも美しい塗膜が得られ、無塗装部分との光沢むらのない効果的な意匠を得ることが出来る。実施例3、4、および5は、薄肉(厚み1.2mm)でV−2規格に適合しなかったものの、厚み1.6mmでは該規格に適合しており、また他の項目においては実施例1と同等の性能を有している。
【0055】
一方、比較例1は、難燃剤の量が範囲外であるため、1.2mm、1.6mm、3.0mmの全ての厚みにおいてV−2規格に適合しない。比較例2、3および4は難燃剤の化学構造が異なるために、燐元素の含有量は実施例1と同等以上であるにも拘わらず難燃性が低く、透明性が低く意匠性に劣るばかりか、機械的強度と鉛筆硬度のバランスの劣ったものとなる。比較例5は、共重合体(C)中におけるメタクリル酸メチルの含有量が範囲外であるために、全組成物中におけるメタクリル酸メチル単位の含有量が実施例とほぼ同量であり、また機械的強度は実施例1と同等であるにも拘わらず、鉛筆硬度が低く耐傷性の劣ったものとなる。比較例6は、共重合体(C)の含有量が少ないため、透明性が低く意匠性に劣るばかりか鉛筆硬度にも劣ったものとなる。比較例7は、共重合体(C)の含有量が多いために、透明性が低く意匠性に劣るばかりか、難燃剤の量が多いにも拘わらず難燃性の劣ったものとなる。同時に難燃剤を多量に添加したことで耐熱性が低下し、成形品が塗装時の焼き付け温度に耐えられずに樹脂と塗膜との界面に凹凸が出来たため、塗装後の鮮映性の極めて劣ったものであった。また、比較例8、および9は、共重合体(B)におけるシアン化ビニル化合物の含有量が範囲外であるために、透明性が低く、さらに塗装後の鮮映性に劣るものであり、部分塗装を施した場合には無塗装部との差異が目立ってしまい、意図した意匠を得難くなる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の組成物を用いることで、機械的物性と耐傷性のバランスに優れ、高い意匠性、および難燃性を有する成形品を得ることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と、メタクリル酸メチル単量体80〜99.5質量%およびこれと共重合可能な一種または二種以上の単量体0.5〜20質量%を共重合してなる共重合体(C)からなり、共重合体(C)の含有量が40〜60質量%である熱可塑性樹脂(D)100質量部に難燃剤(E)を7〜25質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、難燃剤(E)が下記一般式で表され、共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】
芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体を共重合してなる共重合体(B)と、メタクリル酸メチル単量体80〜99.5質量%およびこれと共重合可能な一種または二種以上の単量体0.5〜20質量%を共重合してなる共重合体(C)からなり、共重合体(C)の含有量が40〜60質量%である熱可塑性樹脂(D)100質量部に難燃剤(E)を7〜25質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、難燃剤(E)が下記一般式で表され、共重合体(B)におけるシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【化2】

【請求項3】
グラフト共重合体(A)において、ゴム質重合体を除く単量体中のシアン化ビニル系単量体の平均含有量が17〜24質量%であり、ゴム質重合体の屈折率が1.51〜1.54であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。

【公開番号】特開2008−179730(P2008−179730A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15566(P2007−15566)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】