説明

耐切裂・摩耗性のモジュール式保護服および保護服システム

モジュール式保護服が第1および第2保護構成要素を含んでいる。第1保護構成要素は、保護服の装着者の体の一部分を保護するように構成されている。第1保護構成要素は、複合材料から製造された布を含んでおり、この布は通気性および通水性があり、軽量である。第2保護構成要素も装着者の体の一部分を保護するように構成されている。連結部が第1構成要素と第2構成要素を開放可能に接続する。
【代表図】 図1

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護衣類、モジュール式衣服システムに関し、さらに詳しくはモジュール式保護服システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業および職業で、切裂および/または摩耗に対して耐久性があり、しかも軽量で装着者にとって着心地の良い保護衣類が求められている。冷暖房空調設備の通気シャフトを這い進む維持管理作業者から様々なスポーツイベントに参加する週末戦士まで、多くの人々が、彼らの日常の活動の中で切り裂けおよび擦れに対する保護を必要としている。
【0003】
過去のこうした衣服およびモジュール式衣服システムの典型的な例が、Gillenの米国特許出願第2004/0199983号明細書、Cryeの米国特許第6892392号明細書、Gravesの米国特許第6698024号明細書、Bowenの米国特許第6263509号明細書、Algerの米国特許第6185745号明細書、Kibbeeの米国特許第6182288号明細書、Rileyの米国特許第6158056号明細書、Ostの米国特許第6029270号明細書、Chenefrontの米国特許第5894600号明細書、Gainerの米国特許第5754982号明細書、Ostの米国特許第5718000号明細書、Lurryの米国特許第5717999号明細書、Bushの米国特許第5673836号明細書、Luhtalaの米国特許第5584737号明細書、Kibbeeの米国特許第5495621号明細書、Widderの米国特許第5072453号明細書、Lewisの米国特許第5060314号明細書、Braunhutの米国特許第4497069号明細書、Herbertの米国特許第4467476号明細書に開示されている。これらの開示内容の全体を参照により本明細書の一部とする。
【0004】
しかし、これらおよび他の公知のこのような衣服には多数の欠点がある。これらの衣服は、衣服の装着者に対して満足のいくレベルの保護を提供することが可能ではない場合が多く、破損を受けやすく、扱いにくく、装着者にとって着心地が悪く、通気性がなく、装着者の皮膚から出た過剰な水分を逃すことができない。さらに、専用の上着または下着を使用しなければならない場合が多い。これらの特許のモジュール式システムの大部分は、システムの他の部分を接続するために、中央チョッキ部分が存在することが必要である。
【0005】
したがって、余分な中央チョッキ部分、または他の形で不必要な衣服のセクションを用いることなく、装着者が、保護を必要とする体のこれらの領域を選択的に覆うことを可能にする、真にモジュール式の保護衣類システムが求められている。さらに、このような衣服は下着用衣服として柔軟であり、着心地が良く、便利であって、よそ目には見えないものであることが求められている。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、公知のモジュール式衣服のこれらまたは他の欠点を克服することである。
【0007】
本発明の他の目的は、モジュール式衣服システムであって、再構成し易い、装着者に対して満足のゆくレベルの切裂および/または摩耗に対する耐久性の保護を提供することが可能である、耐破損性である、軽量である、着心地が良い、通気性がある、装着者の皮膚から出る過剰の水分を逃すことが可能である、下着として直接肌に装着することが可能である、専用の上着または下着を使用せずに外出着または制服の下に装着することが可能であるということのうちの1つまたは複数に該当することができるモジュール式衣服システムを提供することにある。
【0008】
本発明のこれらおよび他の目的は、第1保護構成要素と第2保護構成要素を含むモジュール式保護服によって実現することができる。第1保護構成要素は、この衣服の装着者の体の一部分を保護するように構成されている。第2保護構成要素も装着者の体の一部分を保護するように構成されている。第1および第2保護構成要素はそれぞれ、耐切裂・摩耗性の複合織糸から製造された布を備えており、この布は通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量である。第1と第2保護構成要素同士を連結部が取り外し可能に接続する。
【0009】
好ましい実施形態では、第1保護構成要素は、装着者の胸を覆うように構成された前部構成要素を含み、第2構成要素は、装着者の背中を覆うように構成された背部構成要素を含んでいる。
【0010】
他の好ましい実施形態では、第1構成要素は、装着者の左腕を保護するように構成された左腕部構成要素を含み、第2構成要素は、装着者の右腕を保護するように構成された右腕部構成要素を含んでいる。
【0011】
本発明は、人を保護する方法をさらに提供することができる。この方法は、装着者の体の一部分を保護するように構成された第1保護構成要素であって、複合織糸から製造された、通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量である布を含む第1保護構成要素を装着者に配設することと、装着者の体の一部分を保護するように構成された第2保護構成要素を装着者に配設することと、第1と第2保護構成要素同士を接続することを含んでいる。
【0012】
本発明およびこれに付随する多数の利点に対するより完全な認識が、以下の詳しい説明を参照し、添付図面と併せて検討することによってこれがより充分に理解されることから、直ちに確認され、獲得されるであろう。
【詳細な説明】
【0013】
次に本発明の好ましい実施形態の非制限的な実施例について、図面を参照して記述する。図面では、幾つかある図の全てを通して、同様の参照番号は同様または類似の要素を指している。
【0014】
本発明は、衣服を提供することができ、より詳しくはモジュール式保護服を提供することができる。このモジュール式保護服は、再構成し易い、装着者に満足のゆくレベルの怪我に対する保護を提供することが可能である、耐破損性である、通気性がある、装着者の皮膚から出る過剰の水分を逃すことが可能である、軽量である、着心地が良い、下着として直接肌に装着することが可能である、専用の上着または下着を使用せずに外出着または制服の下に装着することが可能であるということのうちの1つまたは複数に該当することができる。
【0015】
このモジュール式保護服は、個々のモジュール式保護構成要素が製造される材料の結果としての、装着者の怪我の防止または軽減と、耐破損性と、軽量構造と、通気性および通水性とを含む上述の利点を提供することができる。本発明の好ましい実施形態では、モジュール式保護構成要素は、切裂および/または摩耗に対して耐久性がある織糸から製造された布を含んでいる。本発明の文脈では、「複合織糸」という用語は、同一または異なったものであることができる2本以上の織糸(または「たて糸」)から製造された織糸を指している。複合織糸は、2本以上のたて糸が互いに異なった配向となる多様な形態に製造することができる。但し2本以上のたて糸を含む最終的な複合織糸は安定して合わされていなければならない(即ち、強制的に離され、ばらばらにされない限り元の状態のままでなければならない)。2本以上のたて糸を、必要な複合織糸の特性によって、例えば平行にすること、一方を他方(複数)に巻き付けること、一緒に縒ること、これらのいずれかまたは全てを組み合わせること、ならびにこの他の配向にすることが可能である。任意の所望のプロセスによって、好ましくは布に編み、または織ることによってこの布に形成することができる適切な複合織糸には、以下に限らないが、以下全てKolmesの米国特許第4777789号明細書、米国特許第4838017号明細書、米国特許第4936085号明細書、米国特許第5177948号明細書、米国特許第5628172号明細書、米国特許第5632137号明細書、米国特許第5644907号明細書、米国特許第5655358号明細書、米国特許第5845476号明細書、米国特許第6212914号明細書、米国特許第6230524号明細書、米国特許第6341483号明細書、米国特許第6349531号明細書、米国特許第6363703号明細書、米国特許第6367290号明細書、米国特許第6381940号明細書で述べられているものが含まれる。これらそれぞれの内容を参照により本明細書の一部とする。この布は、1本または複数本の複合織糸を単独で、あるいは他の任意の天然布または合成布と組み合わせて含むことができる。このような天然布または合成布には、以下に限らないが、綿、毛、ナイロン、ポリステル、レーヨン、セルロースアセテート等が含まれる。上述の特許はそれぞれ、本明細書で開示しているモジュール式保護服の保護構成要素に用いるのに適した複合織糸および布を開示している。これらの材料はそれぞれ、強靭である、軽量である、布に織り易い、耐破損性がある、通気性および通水性がある、布に覆われた装着者の体の一部分に対する切裂または磨耗による怪我の深刻さを防止または軽減することが可能であるということのうちの1つまたは複数に該当する。
【0016】
より詳しくは、本発明は、衣服の装着者の手、腕、肩、上半身、下半身、脚、脛、および足のうちの1つまたは複数を保護することができるモジュール式保護服を提供することができる。装着者の体の1つまたは複数の特定部分を保護するために、この保護服の任意の以下のモジュール式構成要素を単独で使用することができ、あるいはこれを他の1つまたは複数の構成要素と併せて使用することもできることを理解されたい。
【0017】
図1は本発明による上半身保護構成要素を示す正面分解図であり、図2aは、図1の上半身構成要素の背部構成要素の内側を示す正面詳細図であり、図2bは、図1の上半身構成要素の前部構成要素の外側を示す正面詳細図である。上半身構成要素を使用して、装着者の上半身の少なくとも一部分を怪我に対して保護することができる。
【0018】
これらの図に示している特定の実施形態では、上半身保護構成要素10は、背部構成要素11と少なくとも1つの前部構成要素12とを含むことができる。上半身構成要素10には少なくとも2つの前部構成要素12が含まれていることが好ましい。前部構成要素12を複数使用することによって、装着者がより簡単に上半身構成要素10を着脱するこが可能になる。さらに、前部構成要素12を複数使用することによって、装着者が、上半身構成要素10を全て脱ぐことなく、自身の上半身によりうまくアクセスすることが可能になる。
【0019】
好ましい実施形態では、前部構成要素12は、取り外し可能に背部構成要素11に接続されて、前部構成要素12を、上半身構成要素10のうちのいずれの構成要素も破損することなく背部構成要素11から離すことができる。この構成によって、上半身構成要素10の装着者はより良いフィット感を得ることができる。具体的には、上半身構成要素10の装着者の着心地の良さを増すために、異なった寸法の背部構成要素11と前部構成要素12を互いに使用することができる。さらに、背部構成要素11と前部構成要素12が上半身構成要素10から別々に取り外せることから、背部構成要素11と前部構成要素12の全てより小さな部分しか破損していない場合に、上半身構成要素10の全体を交換する必要がない。そうではなく、破損した構成要素だけを交換して上半身構成要素10を補修することができる。
【0020】
背部構成要素11と前部構成要素12は、公知の締着具またはたは接続装置および接続方法を含むいくつかの締着具またはたは接続装置および接続方法のうちの任意のものによって、取り外し可能に互いに連結することができる。好ましい実施形態では、対応し合い、協働するフック・ループ締着具(例えばVELCRO(登録商標))が背部構成要素11と前部構成要素12に配設される。別法として、背部構成要素11と前部構成要素12を、1セットの互いに噛み合う歯(即ちチャック)、ボタン、スナップ、または類似物によって互いに連結することができる。
【0021】
これらの図面は、背部構成要素11と前部構成要素12が互いに取り外し可能に連結される上半身構成要素10の好ましい実施形態を示しているが、背部構成要素11と前部構成要素12は互いに取り外し可能、分離可能である必要はないことを理解されたい。例えば、背部構成要素11と前部構成要素12を互いに取り外し不可能に接続して、背部構成要素11と前部構成要素12を故意に離すとこれらの構成要素に破損が生じるようにすることができる。この構成によって、背部構成要素11と前部構成要素12の偶発的な分離、誤配置、または損失を最小限に抑えることができる。
【0022】
図3は、図1の上半身保護構成要素と共に使用し、またはこれとは離すことができる左右腕部保護構成要素の正面図であり、図4は、図3の右腕部保護構成要素の正面詳細図である。この腕部構成要素を使用して、これらの構成要素の一方が装着されているか両方が装着されているかによって、装着者の片腕または両腕の少なくとも一部分を怪我に対して保護することができる。
【0023】
これらの図面に示している特定の実施形態では、左右腕部保護構成要素21はそれぞれ、手首から肩までのような装着者の腕の全体を覆うことができる。しかし、腕部構成要素21の片方または両方が、装着者の必要に応じて、装着者の手首の上または下の位置から装着者の肩の上または下の位置まで延在できることを理解されたい。左右腕部保護構成要素21は実質的に互いの鏡像であることが好ましい。しかし、装着者の必要に応じて、左右腕部保護構成要素21が同じである必要はないことも理解されたい。さらに、以下に論じるように、腕部保護構成要素21の一方または両方を、上半身構成要素10に接続して、またはこれとは離して装着することができる。
【0024】
腕部保護構成要素21のうちの1つしか装着しないようにすることができ、また腕部保護構成要素21の一方または両方を上半身構成要素10に取り外し可能または不可能に接続して装着することができるが、好ましい実施形態では、腕部保護構成要素21は、これら双方を互いに接続して、このいずれも上半身構成要素10には接続しないで装着する。具体的には、腕部保護構成要素21を連結部91によって互いに取り外し可能に接続することができるが、この詳細は以下に論じる。連結部91は、装着者の背中と肩甲骨付近、首の下に配設することができる。この構成によって、腕部保護構成要素21を装着者の腕にしっかりと保持することができ、容易に着脱することができる。さらに、装着者は両腕の保護しか必要でない場合に、余分の保護服の使用を避けることができる。
【0025】
これらの図面は、連結部91の腕部分21を互いに接続する使い方を示しているが、腕部分21を、任意の先に論じた締着具または接続方法によって互いに、あるいは他の保護構成要素または衣服に取り外し可能または不可能に連結することもできることを理解されたい。互いに取り外し不可能に連結された場合、腕部分21の少なくとも1つを故意に取り外すと、腕部分21または連結部に破損を生じさせることができる。
【0026】
図5は、本発明による下半身保護構成要素の等角図である。この下半身構成要素を使用して、装着者の下半身の少なくとも一部分、即ち腰、臀部、大腿部、膝、および/または脚などを怪我に対して保護することができる。
【0027】
図に示している実施形態では、下半身保護構成要素31は、装着者の腰から膝の下までのような、装着者の腰、臀部、大腿部、膝、および上方脚のほぼ全体を覆うことができる。しかし、下半身構成要素31は、装着者の必要に応じて、装着者の腰の上または下の位置から、下方脚の上または下の位置まで延在できることを理解されたい。
【0028】
下半身構成要素31を、上半身構成要素10に、あるいは他の保護構成要素または衣服に取り外し可能または不可能に接続することができるが、好ましい実施形態では、下半身構成要素31は連結されたままであることができる。この構成によって、装着者は下半身の保護しか必要でない場合に、余分の保護服の使用を避けることができる。
【0029】
図6は、本発明による足/下方脚部保護構成要素の等角図である。足/下方脚部構成要素を使用して、装着者の足または下方脚の少なくとも一部分を怪我に対して保護することができる。装着者は、例えば下方脚両方の保護が必要な場合、保護構成要素を2つ使用することができる。
【0030】
図に示しているように、足/下方脚部構成要素41は、装着者の脛からつま先端部までのような装着者の足および下方脚部のほぼ全体を覆うことができる。しかし、足/下方脚部構成要素41は、装着者の必要に応じて、装着者の脛の上または下の位置からつま先端部手前の位置まで延在できることを理解されたい。
【0031】
足/下方脚部構成要素41の上部分43は、怪我に対する保護を提供し、または破損に抵抗する先に論じた材料から製造することができる。底部分45は異なった材料から製造することができる。例えば、底部分45を、ナイロン、ポリエステル、または綿などの使用者の足に快適な材料から製造することができる。
【0032】
足/下方脚部構成要素41を、下半身構成要素31に、あるいは他の保護構成要素または衣服に取り外し可能または不可能に接続することができるが、好ましい実施形態では、足/下方脚部構成要素41は連結されないままであることができる。この構成によって、装着者は、足または下方脚の保護しか必要でない場合に、余分の保護服の使用を避けることができる。
【0033】
図7は本発明による脛部保護構成要素の等角図である。脛部構成要素を使用して、装着者の脛の少なくとも一部分を怪我に対して保護することができる。装着者は、両脛の保護が必要な場合、保護構成要素を2つ使用することができる。
【0034】
図に示しているように、脛部保護構成要素51は、装着者の上方脛から下方脛までのような装着者の脛のほぼ全体を覆うことができる。しかし、脛部保護構成要素51は、装着者の必要に応じて、装着者の上方脛の上または下の位置から下方脛の上または下の位置まで延在できることを理解されたい。
【0035】
脛部構成要素51は、装着者の脛を覆うことができる上部分53を含むことができ、構成要素51を装着者に固定するのに使用する底部分55を含むことができる。具体的には、底部分55は脛部構成要素51を装着者に固定するための鐙部分を含むことができる。
【0036】
脛部構成要素51を下半身構成要素31、足/下方脚部構成要素41、あるいは他の保護構成要素または保護服に取り外し可能または不可能に接続することができるが、好ましい実施形態では、脛部構成要素51は連結されないままであることができる。この構成によって、装着者は脛の保護しか必要でない場合に、余分の保護服の使用を避けることができる。本明細書で開示している全ての保護構成要素および保護服と同様に、脛部構成要素51を、下半身構成要素31および足/下方脚部構成要素41を含む他の保護構成要素のいずれかまたは全てと共に、またはこれらなしで装着することができる。
【0037】
図8は、本発明による下半身保護下着構成要素の等角図である。この下着を使用して、装着者の下半身の少なくとも一部分を、即ち腰、臀部、大腿部、膝、または脚の少なくとも一部分などを怪我に対して保護することができる。
【0038】
図に示している実施形態で、下半身保護下着構成要素61は、下半身保護構成要素31と同様であることができる。しかし、好ましい実施形態では、下着61は、怪我に対する保護を提供し、または耐破損性である先に論じた材料から製造された外部層と、異なった材料から製造された内部層とを含むことができる。例えば、内部層を、ナイロン、ポリエステル、または綿などの、使用者の肌に快適な材料から製造することができる。この構成によって、下着61は、直接肌に装着する下着として使用するのにより適することができる。さらに、他の保護構成要素をそれぞれ、外出着または制服の下に着るものとして充分に薄く製造することができるが、下着61は、これらの構成要素と比較してより小さな厚みしか有さないことができる。
【0039】
図9は、保護構成要素同士を互いに接続する連結部の等角図である。連結部91は、1つまたは複数の接続部分93と被連結部分95とを含むことができ、また被連結部分95を、各複数の接続部分93の間に含むことができる。図で示しているように、接続部分93は保護構成要素(例えば腕部構成要素21)に接続することができ、被連結部分95を使用して接続部分93同士を連結し、保持することができる。好ましい実施形態では、接続部分93は保護構成要素に取り外し可能に接続することができ、被連結部分95は、力が加えられることに応答して伸長し、力の引加が止まることに応答して収縮するように構成された弾性材料から製造することができる。しかし、連結部91は、保護構成要素に取り外し可能には接続しない1つまたは複数の接続部分93を含むことができること、または被連結部分95を非弾性材料から製造できることを理解されたい。
【0040】
1つまたは複数の連結部91を使用して、様々な保護構成要素を互いに相互連結し、またはこのモジュール式保護服の装着者によって使用されている他の保護服に連結することができる。これらの既に公知の先に論じたものを含む、多様な取り外し可能または不可能な締着具または接続方法の任意のものを、連結部91の代わりに使用することができることも理解されたい。
【0041】
図10は連結部101の代替的実施形態を示している。これは、本発明のシステムを形成する別々の保護服にそれぞれ連結された雄型部分103と雌型部分102を備えている。雄型部分103は2つのセクション104および105を備えており、これらの一方はフックセクションであり、他方はループセクションである。この2つのセクションは一緒にフック・ループタイプのクロージャ(即ちVELCRO(登録商標)型)を形成している。雌型部分102は、保護服への接続箇所に対して遠位のこの端部に、雄型部分103が通過できるループ、グロメット、または他の開口部106を有している。クロージャを形成するために、セクション104がセクション105の上に折り返されてフック・ループ式クロージャに係合する形で、雄型部分103が開口部106に通される。
【0042】
本発明の追加の修正形態および変化形態が、上述の教示を踏まえて多数可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で、本発明を、本明細書で具体的に述べたものとは別の形で実施できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による上半身の保護構成要素を示す正面分解図である。
【図2a】図1の上半身構成要素の背部構成要素の内側を示す正面詳細図である。
【図2b】図1の上半身構成要素の前部構成要素の外側を示す正面詳細図である。
【図3】図1の上半身構成要素と共に、またはこれとは別に使用することができる、左腕部保護構成要素と右腕部保護構成要素の正面図である。
【図4】図3の右腕部保護構成要素の正面詳細図である。
【図5】本発明による下半身保護構成要素の等角図である。
【図6】本発明による足/下方脚部保護構成要素の等角図である。
【図7】本発明による脛部保護構成要素の等角図である。
【図8】本発明による下半身保護下着構成要素の等角図である。
【図9】本発明による保護構成要素を接続するための連結部の等角図である。
【図10】本発明による保護構成要素を接続するための連結部の他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式保護服であって、
前記保護服の装着者の体の一部分を保護するように構成された第1保護構成要素と、
前記装着者の体の一部分を保護するように構成された第2保護構成要素と、
前記第1と第2保護構成要素を開放可能に接続する連結部であって、前記第1および第2保護構成要素はそれぞれ、個別に、1つまたは複数の耐切裂・磨耗性の複合織糸から製造された布を備えており、前記布は通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量である連結部とを備える保護服。
【請求項2】
前記第1保護構成要素は、前記第2保護構成要素をなしている布とは異なった布から製造されている、請求項1に記載の保護服。
【請求項3】
前記第1と第2保護構成要素は同じ布から製造されている、請求項1に記載の保護服。
【請求項4】
前記第1保護構成要素は装着者の胸を覆うように構成された前部構成要素を備え、前記第2構成要素は、装着者の背中を覆うように構成された背部構成要素を備える、請求項1に記載の保護服。
【請求項5】
前記第1構成要素は複数の前記前部構成要素を備える、請求項4に記載の保護服。
【請求項6】
前記第1構成要素は、使用者の左側の胸を覆うように構成された左前部構成要素と、右側の胸を覆うように構成された右前部構成要素とを備える、請求項5に記載の保護服。
【請求項7】
前記連結部は、前記左前部および右前部構成要素の一方を前記背部構成要素に固定する1セットのフック・ループ式締着具を備える、請求項6に記載の保護服。
【請求項8】
前記連結部は、前記前部構成要素を前記背部構成要素に固定する1セットのフック・ループ式締着具を備える、請求項4に記載の保護服。
【請求項9】
前記第1構成要素は、装着者の左腕を保護するように構成された左腕部構成要素を備え、前記第2構成要素は、装着者の右腕を保護するように構成された右腕部構成要素を備える、請求項1に記載の保護服。
【請求項10】
前記連結部は弾性の部分を備える、請求項9に記載の保護服。
【請求項11】
前記連結部は2つの締着具をさらに備え、前記締着具の一方は前記右腕部構成要素に開放可能に連結するように構成され、前記締着具の他方は前記左腕部構成要素に開放可能に連結されるように構成されている、請求項10に記載の保護服。
【請求項12】
前記連結具は、前記保護服が装着者によって装着されたときに、前記連結部が装着者の背中と肩甲骨付近、首の下に配設されるように前記左右腕部構成要素に連結されている、請求項11に記載の保護服。
【請求項13】
モジュール式保護服であって、
前記保護服の装着者の右腕を保護するように構成された第1保護構成要素であって、通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量である第1保護構成要素と、
前記保護服の装着者の左腕を保護するように構成された第2保護構成要素であって、通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量である第2保護構成要素と、
前記第1と第2構成要素を接続する連結部であって、装着者の背中の付近および首の下に配設されるように構成された連結部とを備える保護服。
【請求項14】
前記第1と第2構成要素は同じ保護材料を備える、請求項13に記載の保護服。
【請求項15】
前記保護材料は、1つまたは複数の耐切裂・磨耗性の複合織糸から製造された布を備える、請求項14に記載の保護服。
【請求項16】
人を保護する方法であって、
前記装着者に、装着者の体の一部分を保護するように構成された第1保護構成要素と、装着者の体の一部分を保護するように構成された第2保護構成要素とを配設することを備え、
前記第1および第2保護構成要素はそれぞれ、個別に、1つまたは複数の耐切裂・磨耗性の複合織糸から製造された布を備え、前記布は通気性があり、水蒸気を通すことができ、軽量であって、前記第1および第2保護構成要素を接続することを備える、人を保護する方法。
【請求項17】
前記接続された第1と第2構成要素を、いずれの構成要素も破損せずに分離することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1構成要素は装着者の背中を保護するように構成され、前記第2構成要素は装着者の胸を保護するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記装着者に、装着者の左右腕に対する第3および第4保護構成要素を配設することと、
前記第3および第4保護構成要素を前記第1および第2構成要素に連結せずに、前記第3と第4保護構成要素を互いにに連結することであって、前記第3および第4保護構成要素はそれぞれ、個別に1つまたは複数の耐切裂・磨耗性の複合織糸から形成された布を備えることとをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第3と第4保護構成要素は、弾性の部分を含む連結部によって互いに開放可能に連結される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記連結部は装着者の首の下、肩先付近に配設される、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−511770(P2009−511770A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536599(P2008−536599)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/038703
【国際公開番号】WO2007/047101
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(506148361)スプリーム・エラスティック・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】