説明

耐寒性キーウィの抽出物を含む食品添加物

【課題】抗アレルギー作用および抗炎症作用を有する食品を提供する。
【解決手段】炎症作用を減少させることによる、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害することによる、および血清中のTh1サイトカイン、IgG2aの濃度を増大させて、血清中のTh2サイトカインおよびIgEの濃度を低下させることによる、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防または緩和するために、耐寒性キーウィの抽出物を含む食品添加物および食品、また、耐寒性キーウィの抽出物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチニジアアルグータ(Actinidia arguta)および近縁種の抽出物、およびこの抽出物を含む、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患に対して予防活性ならびに治療活性を有している組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、抗アレルギー活性および抗炎症活性を有しているハーブ抽出物を含む組成物、具体的には、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防ならびに治療のための耐寒性キーウィ抽出物を含む組成物に関する。
【0003】
多くの国において人口の20%に達する人々が、過敏症、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、およびじんま疹のようなアレルギー性疾患に悩まされており、罹患率は増大している(非特許文献1)。
【0004】
アレルギー性疾患は免疫グロブリンE(IgE)によって媒介され、一方で、2型ヘルパーT(Th2)細胞、肥満細胞、および好酸球はその過程において重要な役割を担っていることが証明されている(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。
【0005】
蠕虫感染または他の刺激がなくても、IgEは通常はヒトの血清、ならびに数種の実験用動物において見られる、豊富な免疫グロブリンアイソタイプの1つである(非特許文献2、非特許文献5)。「Th2仮説」によると、IgEの生産には、Th2細胞ならびにIL-4、IL-5、およびIL-13のような類縁のサイトカインによって媒介される体液性免疫が優勢に行われている免疫学的条件が有利である(非特許文献2)。アレルギー性疾患の進行についての現在の見解は、遺伝的および環境的要因が互いに影響し合い、Stat6媒介性シグナル伝達経路、そして体内のT細胞中でのc-Maf、GATA3、NIP45、およびNFATcのような特異的な転写因子の活性化を通じてIL-4の生産を誘導し、最終的に、アレルギー誘発物質特異的Tヘルパー2 CD4+細胞の発生をもたらすとされている。一旦発生すると、アレルギー誘発物質活性化Th2細胞はIL-4、IL-5、およびIL-13を分泌する。IL-4とIL-5はB細胞によるIgEおよびIgG1の生産を誘導し、さらには骨髄中での好酸球の発生を刺激し、それらを炎症した組織へと動員する(非特許文献6、非特許文献7)。IL-13はIL-4に非常に近い関係にあるサイトカインであり、IL-4受容体のα鎖に結合して、IL-4、IgE、または好酸球とは無関係に、アレルギー性表現形を誘導する(非特許文献8、非特許文献9)。
【0006】
循環しているIgEはIgE受容体の2つのアイソタイプ:肥満細胞および好塩基球の表面上に存在する高親和性IgE受容体(FcεRI)、およびリンパ球、好酸球、血小板、およびマクロファージの表面上に存在する低親和性IgE受容体(FcεRII、すなわちCD23)に結合する。アレルギー性の疾病の病因を支配している最も重要な要因は、アレルギー誘発物質との遭遇、およびその結果である肥満細胞の脱顆粒後の、肥満細胞上のIgE受容体の架橋であると考えられている。肥満細胞によって放出された分子には、ヒスタミン、ヘパリン、プロテアーゼ、およびフリーラジカルが含まれ、これらは、血管拡張、腸および/または気管支の平滑筋の収縮、粘液質の分泌、および局所的なタンパク質分解を含む種々の生物学的作用を媒介する。肥満細胞の最初の迅速な反応の後、好酸球、好塩基球、およびリンパ球の流入が6〜24時間後に生じる。この後期応答は、抗原に持続的にさらされた慢性的な組織の炎症を導きうる。
【0007】
アレルギー性の疾病の治療のための従来の薬剤としては、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、または非ステロイド系抗炎症薬、およびロイコトリエン拮抗薬が挙げられる。これらの薬剤は主に対症効果に有用であり、過剰な体液性免疫の緩和、またはIgE生産の抑制のようなアレルギー性疾患の根本的な治癒が必要とされる治療を提供することはできない。血清IgE濃度を低下させることによりアレルギー性の症状を改善することができるという仮説は、キメラ抗IgE抗体(CGP-51901)および組み換えのヒト化モノクローナル抗体(rhuMAB-E25)の臨床試験によって実証された(非特許文献10)。IgEの合成および分泌を阻害するジアシルベンズイミダゾール類似体および細菌の多糖類は、それぞれ、米国特許第6,369,091号(特許文献1)および米国特許出願第20020041885号(特許文献2)に記載されている。
【0008】
アレルギーの根本的な治療のための唯一の方法は、免疫療法または減感作療法を行うことである。免疫療法とは、精製されたアレルギー誘発物質を長期間にわたってアレルギーのある患者に対して段階的にその用量を増やしながら投与することにより、アレルギーの原因に対する過敏性を低下させてアレルギー性の症状を改善する治療方法である。1911年に導入された後、免疫療法は、抗原特異的IgE抗体を使用することによって、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、ミツバチの毒による中毒などのようなアレルギー疾患の治療に使用されてきた。過敏性を低下させる主なメカニズムは未だ明らかにはされていないが、IgE濃度を低下させながらIgG濃度を増大させることにより正常な免疫反応が誘導されることが知られている。
【0009】
アクチニジアアルグータ(Actinidia arguta)、アクチニジアポリガマ(A.polygama)、およびアクチニジアコロミクタ(A.kolomikta)はマタタビ科に属し、シベリア、中国北部、北朝鮮および韓国に分布している。マタタビ科に属する30を超える種が報告されている。これらの中でも、アクチニジアチネンシス(A.chinensis)とアクチニジアデリシオウス(A.delicious)の果実はキーウィと呼ばれており、アクチニジアアルグータと他の同属の果実は、肝疾患、消化器疾患、および毒性のない泌尿器生殖器の結石症を治療するための、「ミフド(mihudo)」と呼ばれる漢方薬の材料として使用されている(非特許文献11)。しかし、そこにはマタタビの果実を用いることによるアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防についての報告または示唆はない。
【0010】
これに対して、有効な抗アレルギー性および抗炎症性の天然産物を研究することに集中的な努力がなされてきた。
【0011】
韓国特許出願第92-11752号(特許文献3)には、スイカズラ(Lonicera japonica)から単離された、種々のアレルギーまたは炎症治療活性を示す4'-O-メチルオクナフラボンのようなビフラボノイドを含む抗炎症薬、抗アレルギー薬、および抗リウマチ薬が開示されている。韓国特許第100744号(特許文献4)には、イチョウ(Ginko biloba)の葉から単離された数種のビフラボノイド化合物を含む抗炎症薬、抗アレルギー薬、および抗リウマチ薬が開示されている。コメナモミ(Siegesbeckia glabrescens)を含むいくつかの漢方薬の処方箋は、IgEを低下させる活性を有することが報告されている(非特許文献12)。さらに、多数の薬草は、ヒスタミン放出阻害剤または抗炎症薬の豊富な供給源であることが明らかにされている。
【0012】
しかし、上記の文献のいずれにも耐寒性キーウィ抽出物の抗アレルギー、および抗炎症作用については報告または開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,369,091号
【特許文献2】米国特許出願第20020041885号
【特許文献3】韓国特許出願第92-11752号
【特許文献4】韓国特許第100744号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Wuthrich B.,Int.Arch.Allergy.Appl.Immunol.,90,3-10頁,1989
【非特許文献2】Maggi E.,mmunotechnology,3,233-244頁,1998
【非特許文献3】Pawankar R.,Curr.Opin.Allergy Clin.Immunol.,1,3-6頁,2001
【非特許文献4】Vercelli D.,Clin.Allergy Immunol.,16,179-196頁,2002
【非特許文献5】Coffman RL and Carty J.,J.Immunotechnology,136,949-954頁,1986
【非特許文献6】Erb K.J.;Immunol.Today,20,317-322頁,1999
【非特許文献7】Rothenberg ME.,Engl.J.Med.,338,1592-1600頁,1998
【非特許文献8】Wills-Karp M.等,Science,282,2258-2261頁,1998
【非特許文献9】Grunig G.等,Science,282,2261-2263頁,1998
【非特許文献10】Fahy JV等,Am.J.Respir.Crit.Care.Med.,155,1828-1834頁,1997
【非特許文献11】Seoul National University Natural Products Science,Tradi-Medi DataBase,dongbang media Co.Ltd.1999
【非特許文献12】Kim H.M.等,Phytother.Res.,15,572-576頁,2001
【発明の概要】
【0015】
漢方薬の中で抗アレルギー薬および抗炎症薬を研究するために、本発明の発明者らは、ヒトの血清中でのTh1/Th2サイトカイン、およびIgE、IgGサブタイプの変化に対する耐寒性キーウィ抽出物の作用に関する生体内ならびに生体外での実験、さらにはマウスの腹膜肥満細胞からのヒスタミン放出の阻害試験、およびラットの足の浮腫の試験を徹底的に行った。
【0016】
本発明は、炎症作用を減少させることにより、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害することにより、および血清中のTh1サイトカイン、IgG2aの濃度を増大させ、血清中のTh2サイトカインおよびIgEの濃度を低下させることによりアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患を治療ならびに予防するために有効成分として耐寒性キーウィの抽出物を有効な量で含む医薬組成物を提供する。
【0017】
本発明はまた、哺乳動物またはヒトのアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患を治療ならびに予防するための医薬組成物を調製するための、上記抽出物の使用を提供する。
【0018】
本発明はまた、炎症作用を減少させることによる、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害することによる、および血清中のTh1サイトカイン、IgG2aの濃度を増大させ、血清中のTh2サイトカインおよびIgEの濃度を低下させることによる、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防または緩和のための上記抽出物を含む健康食品または食品添加物を提供する。
【0019】
本発明はまた、炎症作用を減少させることによる、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害することによる、および血清中のTh1サイトカイン、IgG2aの濃度を増大させ、血清中のTh2サイトカインおよびIgEの濃度を低下させることによる、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための上記抽出物を含む飼料または飼料添加物を提供する。
【0020】
本発明はまた、炎症作用を減少させることによる、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害することによる、および血清中のTh1サイトカイン、IgG2aの濃度を増大させ、血清中のTh2サイトカインおよびIgEの濃度を低下させることによる、アレルギー性の皮膚疾患および非アレルギー性の炎症性皮膚疾患を治療、予防、および改善するための有効成分として上記抽出物を有効な量で含む化粧品組成物を提供する。
【0021】
(発明の開示)
したがって、本発明の1つの目的は、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療ならびに予防のための、有効成分として耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物を含む医薬組成物を提供することである。
【0022】
本発明の1つの目的は、ヒトまたは哺乳動物のアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療ならびに予防用治療薬を調製するための、耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物の使用を提供することである。
【0023】
本発明の1つの目的は、哺乳動物に対して、有効量の耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物を、その薬学的に許容可能な担体とともに投与することを含む、哺乳動物のアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療または予防方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防ならびに改善のための、食品学的に許容される添加物とともに上記抽出物を含む健康食品または食品添加物を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、アレルギー性疾患および非アレルギー性の皮膚の炎症性疾患の治療、予防、ならびに改善のための、必須成分としての上記抽出物を含む動物用飼料または飼料添加物を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防ならびに改善のための、上記抽出物を含む化粧品組成物を提供することである。
【0027】
上記アレルギー性疾患またはアレルギー性の皮膚疾患には、過敏症、アレルギー性鼻炎、喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、じんま疹、昆虫アレルギー、食物アレルギー、および薬物アレルギーが含まれる。
【0028】
上記非アレルギー性の皮膚の炎症性疾患には、吹き出物、にきびなどのような炎症によって引き起こされる種々の皮膚の不調が含まれる。
【0029】
上記化粧品組成物は、皮膚の炎症を予防および改善する活性を有する耐寒性キーウィの抽出物を含む。
【0030】
アレルギー性疾患の治療および予防のための上記医薬組成物は、アレルギーの免疫療法の効率を増大させる目的のために使用することができる。
【0031】
したがって、本発明はまた、アレルギーの免疫療法のヘルパー(helper)のための有効成分として耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物を含む医薬組成物を提供する。
【0032】
また、本発明はさらに、非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための、有効量の耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物を含む医薬組成物を提供する。
【0033】
上記の非アレルギー性炎症性疾患には、種々の皮膚炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、網膜炎症、胃炎、網膜症、肝炎、腸炎、膵炎、腎炎などが含まれる。
【0034】
上記耐寒性キーウィには、アクチニジアアルグータ、アクチニジアコロミクタ、アクチニジアポリガマ、または/および同属植物が含まれ、その果実、茎、根を使用してもよい。
【0035】
上記耐寒性キーウィの粗抽出物は、水、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、またはそれらの混合物を使用して得ることができ、好ましくは、蒸留水または70%エタノールに可溶性の抽出物であり、上記非極性溶媒に可溶性であるそれらの抽出物は、ヘキサン、酢酸エチル、またはジクロロメタン溶媒のような非極性溶媒を使用することにより得ることができる。
【0036】
本発明の医薬組成物は、組成物の全重量に対して約0.01〜50重量%の上記抽出物を含むことができる。
【0037】
本発明の健康食品は、組成物の全重量に対して0.01〜80重量%、好ましくは1〜50重量%として、上記抽出物を含む。
【0038】
上記健康食品は、健康食品、健康飲料などに含ませることができ、粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット、カプセル、飲料などとして使用してもよい。
【0039】
耐寒性キーウィ由来の本発明の抽出物は、以下の好ましい実施形態にしたがって調製してもよい。
【0040】
以下に本発明を詳細に記載する。
【0041】
本発明の耐寒性キーウィの抽出物は詳細には以下の手順により調製することができる。
【0042】
本発明の耐寒性キーウィの粗抽出物は以下によって調製することができる;耐寒性キーウィを乾燥させ、そして粉砕する;粉砕した耐寒性キーウィを5倍から25倍、好ましくはおよそ10倍容量の蒸留水、メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール、あるいはそれらの混合物、好ましくは、水または70%エタノールと混合する;溶液を20から100℃、好ましくは60から100℃の範囲の温度の熱水で、1から24時間の範囲の時間、熱水、冷水での抽出、還流抽出、または超音波処理による抽出方法を用いて、1から5回、好ましくは2から3回連続して処理する;残渣を濾過して上清を回収し、回転式エバポレーターで、20から100℃、好ましくは50から70℃の範囲の温度で濃縮した後、真空凍結乾燥、熱風乾燥、または噴霧乾燥させると、水、低級アルコール、またはそれらの混合物に可溶性であり得る耐寒性キーウィの乾燥粗抽出物粉末が得られる。
【0043】
上記の耐寒性キーウィの粗抽出物は、蒸留水中に溶解させて一定の濃度に調節することにより試料として使用するために、-20℃で保存する。
【0044】
さらに、本発明の、非極性溶媒に可溶性の抽出物は以下の手順によって調製することができる;上記段階により調製した粗抽出物を水で懸濁し、その後、1から100倍、好ましくは1から5倍容量の酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサンなどのような非極性溶媒で混合する;非極性溶媒に可溶性である層を回収して、本発明の非極性溶媒に可溶性の抽出物を得る。
【0045】
また、上記の手順は、当該分野で周知である手順、例えば、文献(Harborne J.B., 植物の分析のための現代技術の指針(A guide to modern techniques of plant analysis),第3版,6-7頁,1998)に開示されている手順によって、さらに有効な画分または化合物を得るために分画または単離を行うよう修正することができ、またそのためのさらなる工程に供することもできる。
【0046】
上記手順によって調製された耐寒性キーウィ抽出物の抗アレルギー活性および抗炎症活性を調べるために、血清中のTh1/Th2サイトカイン、およびIgE、IgGサブタイプの濃度を決定するELISA法のような生体内および生体外での実験、肥満細胞からのヒスタミン放出の阻害試験、ならびに本発明の抽出物の効果を試験するための抗炎症検定を行い、その結果、本発明の抽出物が優れた抗アレルギー効果および抗炎症効果を示すことを確認している。
【0047】
具体的には、アレルギー誘発物質特異的IgEの減少と、アレルギー誘発物質特異的IgG2aの増加が、アレルギー性疾患の現在の唯一の根本的な治療である免疫療法の分野での主な目的であり、したがって、上記の実験を通じて、耐寒性キーウィをアレルギーの免疫療法の補助として免疫療法とともに使用した場合に、治療効率を高めることができることが確認される。
【0048】
本発明の別の態様によると、有効成分として、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための上記調製方法によって調製される耐寒性キーウィの抽出物を含む医薬組成物が提供される。
【0049】
本発明の別の態様は、ヒトを含む哺乳動物のアレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患に、上記調製方法によって調製される上記抽出物を含む医薬組成物を投与することを含む治療および予防方法を提供することである。
【0050】
アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための組成物は、組成物の全重量に対して0.01〜50重量%として上記抽出物を含むことができる。
【0051】
本発明の組成物はさらに、当該分野で周知の方法を形式どおり使用して、従来の担体、アジュバント、または希釈剤を含むこともできる。
【0052】
以後、以下の製剤方法および賦形剤は単なる例であり、決して本発明を限定するものではない。
【0053】
本発明の組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、または希釈剤、例えば、乳糖、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシメチル安息香酸、ヒドロキシプロピル安息香酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、およびミネラルオイルを含む医薬組成物として提供することができる。製剤はさらに、増量剤、抗凝固剤、潤滑剤、湿潤剤、香料添加剤、乳化剤、保存料などを含むことができる。本発明の組成物は、当該分野で周知の任意の手順を用いることにより、それらが患者に投与された後に有効成分の迅速な放出、徐放、または遅延放出を提供するように処方することもできる。
【0054】
例えば、本発明の組成物は、油、プロピレングリコール、または注射液を生産するために一般的に使用される他の溶媒中に溶解させることができる。担体の適切な例として、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。外用投与のためには、本発明の化合物を軟膏およびクリーム剤の形態に製剤化することができる。
【0055】
本発明の組成物を含む医薬製剤は、経口投薬形態(散剤、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、散剤、丸剤、顆粒)、または外用調製品(クリーム剤、軟膏、ローション、ゲル、芳香のある軟膏、絆創膏、泥膏、噴霧用液剤、噴霧剤など)、または注射用調製品(溶液、懸濁液、乳剤)のような任意の形態に調製することができる。
【0056】
薬学的用量の形態の本発明の組成物は、その薬学的に許容される塩の形態で使用することができ、また単独で、もしくは適切な組み合わせで、さらには他の薬学的に活性のある化合物と組み合わせて使用することもできる。
【0057】
本発明の抽出物または組成物の望ましい投与量は、被験体の状態および体重、重篤度、剤型、投与経路および期間に応じて異なり、当業者が選択することができる。しかし、望ましい効果を得るためには、一般的には、体重/日で10g/kg、好ましくは1から3g/kgの範囲の量の本発明の抽出物を投与することが推奨される。この投与量は1日あたり1回または数回に分けて投与することができる。組成物に関して、本発明の抽出物の量は、組成物の全重量に対して0.01から95重量%、好ましくは0.5から80重量%の間であるべきである。
【0058】
本発明の医薬組成物は、種々の経路を通じて哺乳動物(ラット、マウス、家畜、またはヒト)のような被験動物に投与することができる。全ての投与形式が想定され、例えば、投与は、経口、直腸から、または静脈内、筋肉内、皮下、皮内、髄腔内、硬膜外、もしくは脳室内への注射によって行うことができる。
【0059】
また、本発明は、0.01から20重量%の耐寒性キーウィ、0.001から5重量%のアミノ酸、0.001から2重量%のビタミン、0.001から20重量%の糖、0.001から10重量%の有機酸、適切な量の甘味料および香味剤が添加されている、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防ならびに改善のための健康食品飲料の組成物を提供する。
【0060】
上記耐寒性キーウィの抽出物は、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患の予防ならびに改善のための食品および飲料に添加することができる。
【0061】
健康食品を開発するために、上記の本発明の抽出物を含む添加できる食品の例として、例えば、種々の食品、飲料、ガム、複合ビタミン剤、健康改善食品などが挙げられ、粉末、顆粒、錠剤、チューイングタブレット、カプセル、または飲料などとして使用することができる。
【0062】
また、本発明の抽出物は、粉末調製乳、成長期用粉末調製乳、成長期用調製食品のような幼児食および乳児食に含ませることにより、アレルギー性疾患および非アレルギー性炎症性疾患を予防および改善することができる。
【0063】
上記の組成物は、食品、添加物、または飲料の中に添加することができる。その際、食品または飲料中の上記の抽出物の量は、一般的には、健康食品組成物については食品の全重量の約0.1から95w/w%、好ましくは1から80w/w%の範囲であり、健康飲料組成物については100mlあたり1から30g、好ましくは3から10gの範囲である。
【0064】
本発明の健康飲料組成物が、必須の成分として上記抽出物を示された割合で含む限りは、他の液体成分についての特別な限定はなく、他の成分は従来の飲料のように、種々の脱臭剤、または天然の糖類などであり得る。上記天然の糖類の例として、グルコース、フルクトースなどの単糖;マルトース、スクロースなどの二糖;デキストリン、シクロデキストリンなどの従来型の糖;キシリトールおよびエリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。上記のもの以外の他の脱臭剤として、タウマチン、レバウデイオサイドAやグリシリジンなどのステビア抽出物のような天然の脱臭剤、およびサッカリン、アスパルテームなどのような合成の脱臭剤を使用することが好ましい。上記の天然の糖類の量は、一般的には、本発明の飲料組成物100mlあたり約1から20g、好ましくは5から12gの範囲である。
【0065】
上記の組成物以外の他の成分は種々の栄養分、ビタミン、ミネラル、または電解質、合成の香料添加剤、着色剤、およびチーズ、チョコレートなどの場合には品質改良剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護的なコロイド状粘着剤、pH調節剤、安定剤、保存料、グリセリン、アルコール、炭酸飲料などに使用される炭酸化剤(carbonizing agent)である。上記のもの以外の他の成分としては、天然の果実ジュース、果実ジュース飲料、野菜飲料を調製するための果実ジュースが挙げられ、この成分は単独で使用することができ、また組み合わせて使用することもできる。この成分の割合はそれほど重要ではないが、一般的には、本発明の組成物100w/w%あたり約0から20w/w%の範囲である。上記抽出物を含むように加えることができる食品の例は、種々の食品、飲料、ガム、複合ビタミン剤、健康改善食品などである。
【0066】
本発明の組成物はさらに、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸のような有機酸;リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酸性ピロリン酸、ポリリン酸のようなリン酸;ポリフェノール、カテキン、α−トコフェロール、ローズマリー抽出物、ビタミンC、緑茶抽出物、甘草根抽出物、キトサン、タンニン酸、フィチン酸などのような天然の抗酸化物質の1つまたはそれ以上を含むことができる。
【0067】
上記耐寒性キーウィの抽出物は、20から90%の高濃縮液、粉末、または顆粒であってもよい。
【0068】
同様に、上記耐寒性キーウィの抽出物は、乳糖、カゼイン、デキストロース、グルコース、スクロース、およびソルビトールの1つまたはそれ以上をさらに含むことができる。
【0069】
また、本発明においては、滅菌剤、スパイス、調味料、種々の栄養分、ビタミン、ミネラル、または電解質、合成の香味添加剤、着色剤、およびチーズ、チョコレートなどの場合には品質改良剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド状粘着剤、pH調節剤、安定剤、保存料、グリセリン、アルコール、炭酸飲料などに使用される炭酸化剤などの食品添加物を使用する、または食品材料の必須成分として使用する方法も提供される。
【0070】
食品添加物が沈澱、噴霧、または混合によって食品に添加することができる場合、添加物の割合はそれほど重要ではないが、一般的には、本発明の組成物100w/w%あたり約0.01から20w/w%の範囲である。その中に上記抽出物を含むように添加することができる食品の例は、以下である。
【0071】
食品添加物は、果実、野菜、果実、野菜などの食物乾燥食品または小さく切った製品;果実ジュース、野菜ジュース、またはそれらの混合ジュース;酸性飲料を含む飲み物;クッキー、飴、キャラメル、ガムなどの菓子;パン;アイスクリーム、茶、ヨーグルトのような発酵乳;酪農製品、スパイス、アルコール飲料、缶詰、瓶詰め、麺、畜産加工品、水産加工品、発酵食品、豆類食品、穀類食品、食肉加工品、甘草、または、ハーブのような1つまたは1つ以上の食品に対して添加することができる。
【0072】
本発明の別の態様にしたがって、アレルギー性疾患および非アレルギー性疾患を予防および改善するための、上記調製方法によって調製された上記抽出物を本質的に含む飼料または飼料添加物が提供される。
【0073】
上記食品添加物は、飼料の全乾燥重量を基準として1kgあたり5から100gの混合量を特徴とする。
【0074】
さらに、本発明は上記飼料添加物を含む飼料組成物を提供する。
【0075】
加えて、本発明はまた、アレルギー性の疾患または非アレルギー性の炎症性疾患の予防および改善のための、有効量の耐寒性キーウィの粗抽出物または非極性溶媒に可溶性の抽出物を含む化粧品組成物を提供する。
【0076】
本発明の化粧品組成物は、アレルギー性の皮膚疾患および非アレルギー性の皮膚の炎症性疾患の治療、予防および改善のために、組成物の全重量に対して0.01から30%、より好ましくは0.01から5重量%の本発明の組成物を有している、上記抽出物を含む化粧品組成物を提供する。
【0077】
他の成分は、当該分野で周知の従来の化粧品組成物の成分の混合物であり得る。
【0078】
上記組成物を含む化粧品製剤は、膜、ローション、クリーム、エッセンス、化粧水、乳液、パック、ソープ、シャンプー、リンス、クレンザー、全身用洗浄溶液、洗浄溶液、トリートメント、ゲル、芳香のある軟膏、噴霧溶液などの形態に調製することができる。
【0079】
本発明の化粧品組成物は、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ペプチドポリマー、多糖ポリマー、スフィンゴ脂質、および海草抽出物からなる群より選択されるさらなる添加物を含むことができる。
【0080】
好ましい水溶性ビタミンは、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、ビタミンB1、B2、B6、ピリドキシン、ピリドキシンHCl、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチンアミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどのような種々のビタミン、チアミンHCl塩、アスコルビン酸のNa塩などのそれらの塩、またはアスコルビン酸-2-リン酸のNa塩、アスコルビン酸-2-リン酸のMg塩のようなそれらの誘導体が好ましく、これらは微生物による物質転換方法、微生物の培養による精製方法、酵素的方法、または化学合成方法のような従来の方法によって得ることができる。
【0081】
好ましい脂溶性ビタミンは、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、本発明の実施例において使用した脂溶性ビタミンを含む、ビタミンA、D2、D3、E(dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、d-δ-トコフェロール)のような種々のビタミン、およびパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、酢酸-dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロールビタミンE、dl-パントテニルアルコール、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなどのそれらの誘導体が好ましく、これらは微生物による物質転換方法、微生物の培養による精製方法、酵素的方法、または化学合成方法のような従来の方法によって得ることができる。
【0082】
好ましいペプチドポリマーは、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、本発明の実施例で使用したペプチドポリマーを含む、コラーゲン、加水分解されるコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解されるゼラチン、ケラチンなどが好ましい。
【0083】
好ましい多糖ポリマーは、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、ヒドロキシエチルセルロース、キサンチンガム、ヒアルロン酸Na、コンドロイチン硫酸、またはそれらの塩(Na塩など)などが好ましい。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩などを、通常は、哺乳動物または魚類から精製することによって使用することができる。
【0084】
好ましいスフィンゴ脂質は、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、セラミド、スフィンゴシン、スフィンゴ-リポ多糖などが好ましい。スフィンゴ脂質は、哺乳動物、魚類、貝類、酵母、または植物などから従来の方法で精製することによって得ることができる。
【0085】
好ましい海草抽出物は、化粧品と混合することができるものであればいずれであってもよいが、褐藻類、紅藻類、緑藻類などの抽出物、またはそれらから単離された、精製されたカラギーナン、アルギン酸、アルギン酸Na、Kが好ましい。藻類の抽出物は、従来の方法で海草から精製することによって得ることができる。
【0086】
本発明の化粧品組成物は、必要に応じて、上記必須の成分とともに従来の化粧品組成物と組み合わせた他の成分と組み合わせてもよい。
【0087】
好ましい上記の他の成分としては、油成分、保湿剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、有機または無機色素、有機粉末、紫外線吸収剤、保存料、防腐剤、酸化防止剤、植物の抽出物、pH調節剤、アルコール、顔料、香料、冷却剤、血液循環物質、汗止め、蒸留水などを挙げることができる。
【0088】
好ましい油成分としては、エステル油、炭化水素油、シリコン油、フッ素油、動物性油、植物性油などを挙げることができる。
【0089】
上記の好ましいエステル油としては、グリセリルトリ-2-エチルヘキサン酸、セチル2-エチルヘキサン酸、イソプロピルミリスチン酸、ブチルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、エチルステアリン酸、オクチルパルミチン酸、イソセチルイソステアリン酸、ブチルステアリン酸、エチルリノレン酸、イソプロピルリノレン酸、エチルオレイン酸、イソセチルミリスチン酸、イソステアリルミリスチン酸、イソステアリルパルミチン酸、オクチルドデシルミリスチン酸、イソセチルイソステアリン酸、ジエチルセバシン酸、イソプロピルアジピン酸、イソアルキルネオペンタン酸、グリセリルトリ(カプリル、カプリン酸)、トリメチロプロパントリ-2-エチルヘキサン酸、トリメチロプロパントリイソステアリン酸、ペンタエリスリトールテトラ-2エチルヘキサン酸、セチルカプリル酸、デシルラウリン酸、ヘキシルラウリン酸、デシルミリスチン酸、ミリスチルミリスチン酸、セチルミリスチン酸、ステアリルステアリン酸、デシルオレイン酸、セチルリシノレイン酸、イソステアリルラウリン酸、イソトリデシルミリスチン酸、イソセチルパルミチン酸、オクチルステアリン酸、イソセチルステアリン酸、イソデシルオレイン酸、オクチルドデシルオレイン酸、オクチルドデシルリノレン酸、イソプロピルイソステアリン酸、セトステアリル2-エチルヘキサン酸、ステアリル2-エチルヘキサン酸、ヘキシルイソステアリン酸、エチレングリコールジオクタン酸、エチレングリコールジオレイン酸、プロピレングリコールジカプリン酸、プロピレングリコールジ(カプリル、カプリン酸)、プロピレングリコールジカプリル酸、ネオペンチルグリコールジカプリン酸、ネオペンチルグリコールジオクタン酸、グリセリルトリカプリル酸、グリセリルトリウンデシル酸、グリセリルトリイソパルミチン酸、グリセリルトリイソステアリン酸、オクチルドデシルネオペンタン酸、イソステアリルオクタン酸、オクチルイソノナン酸、ヘキシルデシルネオデカン酸、オクチルドデシルネオデカン酸、イソセチルイソステアリン酸、イソステアリルイソステアリン酸、オクチルデシルイソステアリン酸、ポリグリセリンオレアノン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、トリイソセチルクエン酸、トリイソアルキルクエン酸、トリイソオクチルクエン酸、ラウリル乳酸、ミリスチル乳酸、セチル乳酸、オクチルデシル乳酸、トリエチルクエン酸、アセチルトリエチルクエン酸、アセチルトリブチルクエン酸、トリオクチルクエン酸、ジイソステアリルマレイン酸、ジ2-エチルヘキシルヒドロキシステアリン酸、2-エチルヘキシルコハク酸、ジイソブチルアジピン酸、ジイソプロピルセバシン酸、ジオクチルセバシン酸、コレステリルステアリン酸、コレステリルイソステアリン酸、コレステリルヒドロキシステアリン酸、コレステリルヒドロキシステアリン酸、コレステリルオレイン酸、ジヒドロコレステリルオレイン酸、ステリルイソステアリン酸、ステリルオレイン酸、イソセチル12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸、ステアリル12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸、イソステアリル12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸を挙げることができる。
【0090】
好ましい上記の炭化水素油としては、スクアレン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン(ポリブテン)、微結晶性ワックス、ワセリンなどを挙げることができる。
【0091】
好ましいシリコン油としては、ポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルセチルオキシシロキサンコポリマー、ジメチルシロキサン−メチルステアロキシシロキサン(ステアロキシロサン)コポリマー、アルキル修飾シリコン油、アミノ修飾シリコン油などを挙げることができる。
【0092】
好ましいフッ素油としては、パーフルオロポリエーテルなどを挙げることができる。
【0093】
好ましい動物性油または植物性油としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、籾殻油、紅花油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、アミグダリン油、パーム核油、パーム油、ピマジャ油、ヒマワリ油、果実種の油、綿実油、ココナッツパーム油、クキナッツ(ココアナッツ)油、小麦の胚芽油、米の胚芽油、シーアバター、月見草油、マカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、ラノリン、麻実油、ミンクオイル、オレンジラフィー油、ホホバ油、カルナバワックス、液状ラノリン、固形ピマジャ油(硬化ヒマシ油)などを挙げることができる。
【0094】
好ましい保湿剤としては、水溶性の低分子保湿剤、親油性の低分子保湿剤、水溶性ポリマー、および脂溶性ポリマーを挙げることができる。
【0095】
具体的には、好ましい水溶性の低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン-カルボン酸Na、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度>2)、ポリプロピレングリコール(重合度>2)、乳酸、乳酸塩などを挙げることができる。
【0096】
好ましい脂溶性の低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどを挙げることができる。
【0097】
好ましい水溶性ポリマーとしては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンチンガム、HMC(ヒドロキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどを挙げることができる。
【0098】
好ましい脂溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン−エイコセンコポリマー、ポリビニルピロリドン−ヘキサデセンコポリマー、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、シリコンポリマーなどを挙げることができる。
【0099】
好ましい皮膚軟化剤としては、長鎖のアシルグルタミン酸コレステリルエステル、コレステリルヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどを挙げることができる。
【0100】
好ましい界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。
【0101】
具体的には、好ましい非イオン性界面活性剤としては、自己乳化型のモノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE固形ピマジャ油、POEピマジャ油、POE-POPコポリマー、POE-POPアルキルエーテル、ポリエーテル修飾シリコン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、水素添加大豆リン脂質などを挙げることができる。
【0102】
好ましい陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシル-アミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ-酢酸塩、アシル化された加水分解可能なコラーゲンのペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどを挙げることができる。
【0103】
好ましい陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セトステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンズアルコニウムクロライド、ジエチルアミノエチルアミドステアリン酸、ジメチルアミノプロピルアミドステアリン酸、ラノリン誘導体第4級アンモニウムなどを挙げることができる。
【0104】
好ましい両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などを挙げることができる。
【0105】
好ましい有機および無機色素としては、無機色素として、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セラサイト(巻雲母)、雲母、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタンフィルム雲母、オキシクロリンビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化第一鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック、およびそれらの組み合わせ;有機色素として、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボン酸樹脂、ジビニルベンゼン-スチレンコポリマー、絹の粉末、セルロース、CI顔料黄色、CI顔料オレンジ、ならびにそれらの組み合わせなどを挙げることができる。
【0106】
好ましい有機粉末としては、ステアリン酸カルシウムのような金属石鹸;セチル酸ナトリウム亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸カルシウムのようなアルキルホスホン酸金属塩;N-ラウロイル-β-アラニンカルシウム、N-ラウロイル-β-アラニン亜鉛、N-ラウロイル-グリシンカルシウムなどのようなアシルアミノ酸の多価金属塩;N-ラウロイル-タウリンカルシウム、N-パルミトイル-タウリンカルシウムのようなアミドスルホン酸の多価金属塩;Nε-ラウロイル-L-リジン、Nε-パルミトイル-リジン、Nα-パルミトイルオルニチン、Nα-ラウロイルアルギニン、硬化ラノリン脂肪酸アシルアルギニンなどのようなN-アシル塩基性アミノ酸;N-ラウロイルグリシルグリシンのようなN-アシルポリペプチド;α-アミノカプリル酸、α-アミノラウリン酸などのようなα-アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼン-スチレンコポリマー、四フッ化エチレンなどを挙げることができる。
【0107】
好ましい紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、パラアミノアミル安息香酸、パラアミノオクチル安息香酸、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸パラメトキシ2-エトキシエチル、桂皮酸パラメトキシオクチル、桂皮酸ジパラメトキシモノ-2-エチルへキサングリセリル、桂皮酸パラメトキシイソプロピル、ジイソプロピル-ジイソプロピル桂皮酸エステル混合物、ウロカン酸、ウロカン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、スルホン酸ヒドロキシメトキシベンゾフェノンおよびそれらの塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸Na、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
【0108】
好ましい保存料としては、ヒノキチオール、トリクロロ酸、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、グルクロン酸クロロヘキシジン(クロルヘキシジン)、フェノキシエタノール、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ピリチオン亜鉛、ベザルコニウム(ベンザルコニウム)HCl、光増感剤301、モノニトログアイアコールNa、ウンデシレン酸などを挙げることができる。
【0109】
好ましい酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、ソルビン酸塩などを挙げることができる。
【0110】
好ましいpH調節剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどを挙げることができる。
【0111】
好ましいアルコールとしては、セチルアルコールなどを挙げることができる。
【0112】
さらに、上記の構成材に対して添加することができる他の成分およびその量は、本発明の目的および効果の範囲内において限定されないが、他の成分の量が組成物全体の量に対して0.01から5%、より好ましくは0.01から3%の範囲にあることが好ましい。
【0113】
本発明の化粧品組成物は、溶液、乳液、粘着性のある混合物などとして変性することができる。
【0114】
水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ペプチドポリマー、多糖ポリマー、スフィンゴ脂質、海草抽出物のような上記成分、および必要に応じて、上記成分以外に添加することができる添加可能な成分は、文献(Matsumoto Mithio, 経皮塗布する製剤の開発の手引き(Manual forthe development of transdermal applied preparation.)Seisi Press、第1版、1985)に開示されている従来法によって得ることができる。
【0115】
したがって、本発明はまた、アレルギー性疾患および非アレルギー性疾患の予防または改善のための、必須の成分として上記抽出物を含む化粧品添加物を提供する。
【0116】
上記化粧品添加物は、アレルギー性疾患および非アレルギー性の皮膚疾患を予防、改善、または治療するために、既存の化粧品および洗浄溶液に添加することによって使用することができる。
【0117】
さらに、上記化粧品添加物は、クリーム、ローション、マッサージ用パック、全身用洗浄溶液、石鹸、シャンプーなどに使用することができる。
【0118】
本発明の抽出物は無毒で、したがって副作用はない。これらは安全に使用することができる。
【0119】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく本発明の組成物、使用、および調製において種々の変更ならびに変形をなし得ることは、当業者に明らかであろう。
【0120】
本発明は以下の実施例によってさらに具体的に説明される。しかし本発明がいかなる方法によってもこれらの実施例に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0121】
本発明の上記および他の目的、特徴、およびその他の利点は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
【図1a】図1aは、耐寒性キーウィの抽出物および画分のTLC写真を示す。
【図1b】図1bは、部分画分[1]の2D-TLC写真を示す。
【図1c】図1cは、部分画分[2]の2D-TLC写真を示す。
【図2a】図2aは、皮膚の痒み症状についての結果を示し、アトピー性皮膚炎を有しているNc/Ngaマウスにおける耐寒性キーウィ抽出物の投与後12週間で調べたものである。
【図2b】図2bは、皮膚の痒み症状についての結果を示し、アトピー性皮膚炎を有しているNc/Ngaマウスにおける耐寒性キーウィ抽出物の投与後14週間で調べたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0122】
以下の実施例および実験例は、その範囲を限定することなく本発明をさらに説明するように意図される。
【0123】
実施例1.耐寒性キーウィ抽出物の調製
1−1.耐寒性キーウィの水抽出物の調製
ソウル市にある京東(キョンドン)市場から購入した、100gの乾燥させた耐寒性キーウィおよび耐寒性キーウィ(アクチニジアアルグータ)の乾燥させた茎、アクチニジアコロミクタおよびアクチニジアポリガマの乾燥果実を粉砕し、1Lの蒸留水と混合し、90〜95℃で3時間の還流抽出を3回行い、抽出物を濾紙で濾過し、回転式エバポレーター(N-1000,Eyela Co. 日本)を使用することによって55〜60℃で減圧下で濃縮し、凍結乾燥機で乾燥させて、15.6gの乾燥果実抽出物、10.4gのキーウィ(アクチニジアアルグータ)の乾燥茎抽出物、16.2gおよび17.0gのそれぞれアクチニジアコロミクタおよびアクチニジアポリガマの乾燥果実抽出物を得た。乾燥粉末を蒸留水中に溶解させた(100mg/ml)。
【0124】
1−2.水−アルコールに可溶性である耐寒性キーウィの抽出物の調製
30%、50%、および70%のエタノール溶媒のような種々の割合の水−アルコール溶媒を抽出溶媒として使用したことを除いて、全ての手順は実施例1−1の手順と同じであった。結果として、11〜13gの耐寒性キーウィの乾燥粉末がそれぞれの割合の溶媒混合物で得られ、乾燥粉末を蒸留水中に溶解させた(100mg/ml)。
【0125】
実施例2.極性溶媒および非極性溶媒に可溶性の耐寒性キーウィ抽出物の調製
実施例1−1で調製した水抽出物を以下の手順によって分画した。
【0126】
2−1.クロロホルムに可溶性である画分の調製
50mlの蒸留水を、実施例1−1で得た5gの耐寒性キーウィ抽出物に添加した。分液漏斗中で50mlのクロロホルムをこれに添加し、激しく振ってクロロホルムに可溶性の層と水溶性の層を分離させた。
【0127】
2−2.酢酸エチルに可溶性である画分の調製
実施例1−1で得た上記水溶性の層に50mlの酢酸エチルを混合し、その後、酢酸エチルに可溶性の層と水溶性の層とに分離させた。
【0128】
上記クロロホルムに可溶性の層、酢酸エチルに可溶性の層、および水層を回転式エバポレーターによって濃縮し、凍結乾燥機で乾燥させて、0.34gのクロロホルムに可溶性の画分、0.05gの酢酸エチルに可溶性の画分、および4.61gの水画分の粉末をそれぞれ得た。
【0129】
実施例3.シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる耐寒性キーウィ抽出物の分画
実施例2−2の酢酸エチルに可溶性の画分2784mgをさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Daiso gel IR-60-W-40: 63mm)に供した。展開溶媒は、クロロホルム:メタノール:水([1]90:11:1、[2]60:10:1、[3]60:20:2)溶媒混合物で開始し、メタノール[4]で終わり、溶出速度を300ml/hrとして、4つの部分画分([1]2381mg、[2]135mg、[3]148mg、[4]98mg)を得た。
【0130】
上記水抽出物、酢酸エチルに可溶性の画分、および4つの部分画分をTLCに供した(TLCプレート:Merck Co.Ltd.,展開溶媒;クロロホルム:メタノール:水=9:5:1)。結果を図1aに示す。図1aに示すように、レーン1は水抽出物、レーン2は酢酸エチルに可溶性の画分、レーン3は部分画分[4]、レーン4は部分画分[3]、レーン5は部分画分[2]、およびレーン6は部分画分[1]である。
【0131】
上記[1]および[2]の部分画分を、クロロホルム:メタノール:水(9:5:1)溶媒混合物を第1展開液とし、クロロホルム:アセトン:水(3:8:0.5)溶媒混合物を第2展開液として使用した、2D-TLCに供した(図1bおよび図1cを参照)。
【0132】
実験例1.耐寒性キーウィ抽出物によるIgE生産U266B1細胞株の阻害
1−1.IgE生産に対する耐寒性キーウィ抽出物の効果
IgE生産に対する耐寒性キーウィ抽出物の阻害効果を確認するために、U266B1細胞(リンパ芽球細胞株)を使用した。U266B1は、IgEを生産するヒトB細胞の細胞株である。
【0133】
U266B1細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション,マナッサス,バージニア州)を37℃、5%CO2環境下で、RPMI-1640培地(15%FBS、2mMのL-グルタミン、10mMのHEPES、1mMのピルビン酸ナトリウム、50μgのストレプトマイシン、および100U/mlのペニシリン)を含む24ウェル培養プレート中で培養した。細胞を2×105細胞/ウェルの濃度に調整し、LPS(2μg/ml)と、実施例1−1および1−2で調製した100μg/mlの耐寒性キーウィ抽出物で処理した。対照を2μMのデキサメタゾンまたは培地(RPMI-1640)で処理した。処理後、細胞を7日間培養し、培地のIgE濃度をELISAキット(PharMingen;サンディエゴ、カリフォルニア州)によって測定した。
【0134】
表1に示すように、耐寒性キーウィであるアクチニジアコロミクタおよびアクチニジアポリガマの全ての水抽出物が、デキサメタゾン(対照)と同程度のIgE生産に対する阻害効果を示した。また、耐寒性キーウィの70%エタノール抽出物は、本発明の全3種の耐寒性キーウィのアルコール抽出物のうちで最も強い活性を示した。耐寒性キーウィの茎抽出物は、上記耐寒性キーウィ抽出物の効果と同様の効果を示した。
【0135】
【表1】

【0136】
1−2.IgE生産に対する耐寒性キーウィの酢酸エチルに可溶性の画分の効果
U266B1細胞のIgE生産に対する阻害効果を比較するために、上記実施例2で調製したクロロホルムに可溶性の画分、酢酸エチルに可溶性の画分、および水溶性画分を、上記実験例1−1に開示した実験と同じ実験に供した。
【0137】
クロロホルムに可溶性の画分、酢酸エチルに可溶性の画分、および水溶性画分で、U266B1細胞株を処理した(30μg/mlで)。
【0138】
表2に示すように、酢酸エチルに可溶性の画分は、デキサメタゾン(対照)の阻害効果よりも、IgE生産に対して強い阻害効果を示した。
【0139】
【表2】

【0140】
1−3.IgE生産に対するシリカゲルカラムクロマトグラフィー画分の効果
実施例3で調製したシリカゲルカラムクロマトグラフィー画分[1]、[2]、[3]、および[4]を、U266B1細胞に対するIgE生産の阻害効果を比較するために、実験例1−1に開示した実験と同じ実験に供した。
【0141】
シリカゲルカラムクロマトグラフィー画分[1]、[2]、[3]、および[4]で(10μg/mlで)、U266B1細胞株を処理した。
【0142】
表3の結果として、シリカゲルカラムクロマトグラフィー画分[1]、[2]は、IgE生産に対して阻害活性を示した。
【0143】
【表3】

【0144】
実験例2.オボアルブミンで感作したマウスモデルにおける耐寒性キーウィ抽出物の抗アレルギー効果
2−1.オボアルブミンで感作したマウスモデルの調製
オボアルブミンで感作したマウスモデルは一般的に、アレルギーの動物モデルとして使用されている。6週齢の雌性BALB/cマウス(ソウル国際大学動物実験センター)を、7日間、環境に適応させた。生後7週に、25μgのオボアルブミン(ニワトリの卵白アルブミン、粗製等級V、Sigma Co.,Ltd.)を2.25mgの水酸化アルミニウム(Imuject Alum, Pierce Co., Ltd)と混合した100μlの乳濁液をマウスの腹腔に注射し、14日後に効果を高める(boosting)ためにこれをもう1回注射した。
【0145】
30匹のマウスを3つの群に分けた後、各群に、実施例1−1の耐寒性キーウィの水抽出物(300μg/マウス/日)、デキサメタゾン(10μg/マウス/日)、または飲料水(100μg/マウス/日)により、11日間にわたってそれぞれ経口投与した。25日目にマウスを屠殺し、マウスから血清および脾臓を回収した。
【0146】
2−2.血清中のオボアルブミン特異的IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bの濃度分析
実施例2−1で回収した血清中の、オボアルブミン特異的IgE、IgG1、IgG2a、およびIgG2bの血清濃度を、ELISAキット(PharMingen Co., Ltd)によって測定した。
【0147】
表4に示すように、これは、正常なマウスの濃度に対する、オボアルブミンで感作したマウスのそれぞれの抗体の相対的濃度示す。耐寒性キーウィの水抽出物を投与したマウスにおいては、オボアルブミン特異的IgE濃度は1/3未満に低下し、IgG1濃度は顕著に低下した。IgEおよびIgG1濃度は、デキサメタゾンを投与したマウスと同様に低下した。
【0148】
細胞性免疫に関係しているIgG2a濃度は、耐寒性キーウィの水抽出物を投与したマウスにおいては約2倍増大したが、これはデキサメタゾンを投与したマウスにおいては増大しなかった。
【0149】
耐寒性キーウィ抽出物は、アレルギー性の症状を導くIgEを減少させ、同時に正常な免疫に関係しているIgG2aを増加させることにより、根本的なアレルギー性の体質を改善できることが示された。アレルギー誘発物質特異的IgEの減少およびアレルギー誘発物質特異的IgG2aの増加が免疫療法の分野でのその主な目的であるので、アレルギーの免疫療法のヘルパーとして、耐寒性キーウィを免疫療法とともに使用すると、耐寒性キーウィは治療効率を高めることができることもまた明らかである。
【0150】
【表4】

【0151】
2−3.脾臓細胞によるサイトカインの発現分析
耐寒性キーウィ抽出物を投与したマウスの脾臓細胞によるサイトカインの発現を分析するために、脾臓細胞を以下のように実施例2−1で準備した脾臓から調製した。
【0152】
調製した脾臓細胞をそれぞれプールし、無菌条件下で均質化した。
【0153】
脾臓細胞をRPMI-1640培地で洗浄し、ナイロンメッシュ(60μmの孔の大きさ)を通して濾過して大きな塊を除き、遠心分離(1500rpm、5分)して沈殿した細胞を分離し、その後、細胞を10%のFBSを補充したRPMI-1640培地に添加した。
【0154】
上記のように調製した脾臓細胞を24ウェルプレート(5×106細胞/ml/ウェル)に接種し、100μg/mlのオボアルブミンで処理し、37℃で5%のCO2を含む雰囲気下で3日間インキュベートした。培養が終了した後、培養液を集め、その後、アレルギーに関係しているサイトカイン(IL-4、IL-5、IL-12、およびインターフェロン-γ)の濃度を、市販のELISAキットによって測定した。
【0155】
表5に示すように、耐寒性キーウィ抽出物を投与したマウスの脾臓細胞では、IL-4およびIL-5(これらは結果として、アレルギーを誘導するTh2サイトカインとなる)の濃度が低下しており、IL-12およびインターフェロン-γ(これは結果として、アレルギーを抑制するTh1サイトカインとなる)の濃度が増大していた。デキサメタゾンで処理したマウスの場合においては、Th1およびTh2サイトカインのいずれもが低下していた。
【0156】
【表5】

【0157】
デキサメタゾンは全免疫系を抑制するのに対して、耐寒性キーウィ抽出物はTh1サイトカインを増加させ、さらにはTh2サイトカインを特異的に減少させることによって、アレルギー性疾患を予防および改善できることが確認された。
【0158】
実験例3.ヒトPBMC中でのTh1/Th2サイトカインのダウンレギュレーション
ヒトの抹消血単核細胞(PBMC)を、元々の高い血清IgE濃度を有しているアレルギー患者の全血からFicoll-hypaqueを用いて調製し、10%のFBSを含むRPMI培地中で培養した。PBMCを、耐寒性キーウィ抽出物(100μg/mlで)および免疫刺激効果を有する一般的に使用されているレクチンであるフィトヘマグルチニン(PHA、5μg/mlで)で一緒に処理し、5%のCO2および37℃で培養した。48時間後に、細胞培養物の上清中のIL-5、IL-13、IL-10およびインターフェロン-γ濃度をELISAを使用して測定した。
【0159】
表6は、耐寒性キーウィ抽出物がTh2サイトカインの血清濃度を顕著に低下させたことを示している:IL-5およびIL-13の濃度はそれぞれ、52%および47%低下し、一方、インターフェロン-γ、Th1サイトカインの血清濃度は3.2倍増加した。この結果は、耐寒性キーウィ抽出物がTh1サイトカインの濃度を増大させることができ、それと同時に、Th2サイトカインの濃度を低下させることができることを示唆している。Th2サイトカインのダウンレギュレーションがIgE合成およびアレルギー性の炎症の緩和に寄与し得ることは、以前に報告されている。
【0160】
【表6】

【0161】
実験例4.ヒトの血清IgE濃度の低下
耐寒性キーウィ抽出物がヒトの血清IgE濃度を低下させるかどうかを試験するために、2人のアレルギー患者(元々の高い血清IgE濃度を示す、それぞれアレルギー性鼻炎およびアレルギー性皮膚炎の患者KおよびE)に、21日間にわたって毎日耐寒性キーウィ抽出物(乾燥重量で1g)を経口投与し、彼らの血清IgE濃度をELISA法によって2週間ごとに測定した。
【0162】
実験の結果として、2人の患者の血清IgE濃度は連続的に、42日後に2/3低下し、患者Eの皮膚炎の症状も実験期間の間に改善した(表7を参照)。
【0163】
【表7】

【0164】
実験例5.マウスの腹膜肥満細胞からのヒスタミン放出の阻害
肥満細胞からのヒスタミン放出はアレルギー性の反応の主要な原因の1つである。したがって、肥満細胞からのヒスタミンの放出に対する耐寒性キーウィ抽出物の効果を試験した。
【0165】
それぞれのマウスをエーテルで麻酔し、0.1%のゼラチンを含む20mlのTyrode緩衝液B(NaCl、グルコース、NaHCO3、KCl、NaH2PO4)を腹腔に注射した;その後、腹部を穏やかに約90秒間揉んだ。腹腔を注意深く開き、腹膜細胞を含む液体をパスツールピペットで吸引した。その後、腹膜細胞を150×gで10分間、室温で沈澱させ、Tyrode緩衝液B中に再懸濁した。肥満細胞を、文献に記載されているようにして(Yurt等,J Exp Med.,1;146(5),1405-19頁,1977)ラットの腹膜細胞の主成分から分離した。1mlのTyrode緩衝液B中に懸濁した腹膜細胞を2mlの0.225g/mlのメトリザミド(密度1.120g/ml)上に積層し、室温で15分間、400×gで遠心分離した。緩衝液−メトリザミド界面に残っている細胞を吸引し、廃棄した;沈澱物中の細胞を洗浄し、カルシウムを含む1mlのTyrode緩衝液A中に再懸濁した。脾臓細胞を、24ウェル培養プレートに(2×105細胞/ウェル)、各ウェルにつき0.4mlの培地中に播種した。細胞を一晩37℃でインキュベートし、0.5μg/mlの抗DNP24-BSA IgEで感作した。IgEで細胞を感作した後、培地を除去し、細胞を0.5mlのPIPES緩衝液で2回洗浄し、200μlのPIPES緩衝液(対照として)、クロモリン(10-4M)、または耐寒性キーウィ抽出物(100μg/ml)のいずれかとともに37℃で10分間予備インキュベートした。肥満細胞を、抗原としての20ng/mlのDNP24-BSAを用いて30分間刺激し、培地中に放出されたヒスタミンをELISA(ALerCHEK)によって測定した。ヒスタミン放出の阻害を以下の式1として計算した。
【0166】
[実験式1]
%阻害=100×(A−B)/(A−C)
A:刺激されたレベル(IgEで刺激した場合のヒスタミンの放出)
B:抑制されたレベル(IgEで刺激および薬剤処理した場合のヒスタミンの放出)
C:基底レベル(IgEで刺激をしていない場合のヒスタミンの放出)
【0167】
表8は、耐寒性キーウィ抽出物が100μg/mlではおよそ44%ヒスタミンの放出を阻害したことを示しており、これは、陽性対照として使用したクロモリンと同程度有効であった。
【0168】
【表8】

【0169】
実験例6.マウスの耳におけるアラキドン酸によって誘導された浮腫に対する抗炎症効果
15匹のマウス(8週齢の雄性BALB/c)を、水は自由に摂取できるようにして18時間絶食させ、3つの群に分けた。それぞれのマウスの右耳へのアラキドン酸(0.5mg/20μlアセトン)の局所適用により炎症を誘導した。左耳を陰性対照として使用し、媒体(20μlのアセトン)を投与した。耐寒性キーウィ抽出物(水中200mg/kg)を、アラキドン酸の適用の1時間前に経口投与した。陽性対照の群には、アラキドン酸の適用の1時間前にインドメタシン(10mg/kg、経口)を投与した。炎症を1時間経過観察し、その後、動物を屠殺した。それぞれの耳から直径6mmの円盤状の切片を得、重量を測定した。浮腫指数を、未処理の左耳の重量に関する右耳のパンチ生検の重量の増大を使用して評価した。全く処理しなかった対照マウスの浮腫指数は、7.2±1.1mgであった。しかし、耐寒性キーウィ抽出物で動物を処理した場合には、指数は62.5%減少して2.7±0.8mgとなった。陽性対照としてインドメタシンで処理した耳は、未処理の耳と比較して浮腫指数の81.9%の低下を示した(表9を参照)。
【0170】
このデータは、この実験モデルにおいて、耐寒性キーウィがインドメタシンに匹敵する抗炎症活性を有していることを示唆していた。
【0171】
【表9】

【0172】
実験例7.アレルギー性皮膚炎を有しているマウスモデルの実験
動物における耐寒性キーウィの抗アレルギー効果を確認するために、ヒトのアトピー性皮膚炎の研究用の動物モデルとして広く使用されているNc/Ngaマウスモデルを使用した。Nc/Ngaマウスは、その遺伝形質に起因してTh1免疫が抑制されている、すなわち、インターフェロン−γ生産のレベルが低い。その結果、Th2免疫が優性であり、これにより、Nc/Ngaマウスはアレルギー性疾患、特に、通常の環境下でアトピー性皮膚炎にかかりやすい(Vestergaar CH等,J.Clin.Invest.,104,1097-1105頁,1999)。
【0173】
実験のために、15匹のNc/Ngaマウス(生後7週、雌性)を3つの群に分け、1週間、新しい環境に適応させた。生後8週間に、実施例1−1で調製した耐寒性キーウィ抽出物(300μg/マウス/日)を、治療群として経口投与し、そしてデキサメタゾン(10μg/マウス/日)または飲料水(100μg/マウス/日)を対照群として、8週間にわたって経口投与した。皮膚炎の症状の進行を比較するために、マウスの掻く頻度(20分間の観察の間に掻くことに費やす時間)を、12週齢および14週齢に成長した時点で測定した。16週齢のマウスを屠殺し、血清中のIgE、IgG1、およびIgG2a濃度をELISA法によって測定した。また、Th1/Th2サイトカインの生産を比較するために、脾臓細胞をそれぞれのマウスから従来法によって調製し、24ウェルプレートに移し(5×106細胞/ml/ウェル)、ConA(1μg/ml)とともに3日間インキュベートし、その後、IL-4、IL-5、IL-12、およびインターフェロン-γの濃度をELISA法によって測定した。
【0174】
掻く頻度を測定した際に、耐寒性キーウィ抽出物が、ステロイド系消炎剤であるデキサメタゾンと同程度、痒みの症状を抑えたことが確認された(図2a:生後12週齢の結果、図2b:生後14週齢の結果を参照)。
【0175】
表10は、耐寒性キーウィ抽出物を投与したマウスの血清IgE濃度が顕著に低下したことを示す。
【0176】
表11では、耐寒性キーウィ抽出物を投与したマウスから調製した脾臓細胞において、IL-4およびIL-5の生産が減少し、インターフェロン-γおよびIL-12の生産が明らかに増大した。耐寒性キーウィ抽出物は痒みの症状を改善し、血清中のIgE濃度を低下させ、そして(デキサメタゾンと同様に)脾臓細胞によるTh2サイトカインの生産を抑制したが、デキサメタゾンとは異なり、耐寒性キーウィ抽出物は、アレルギー性疾患の緩和に寄与することが周知であるIL-12およびインターフェロン−γの濃度を有意に増大させた。
【0177】
【表10】

【0178】
【表11】

【0179】
実験例8.毒性試験
耐寒性キーウィ抽出物の毒性を試験するために、マウスに対して繰り返し毒性試験を行った。
【0180】
10匹の雌性Balb/cマウスを2つの群に分け、本発明の耐寒性キーウィ抽出物(150mg/kg)を4週間にわたって150mg/kgでマウスに投与し、対照の群には水を投与した。体重の変化、血液検査による分析、および組織学的試験のような毒性の症状を、4週間にわたって観察した。
【0181】
実験の結果として、150mg/kgの本発明の耐寒性キーウィを投与したマウスには死亡例はなく、体重の増加、飼料のカロリー摂取量、血液検査による分析、または組織学的試験などにおいて有意な異常は認められなかった。上記の結果から、耐寒性キーウィが安全であることを確認した。
(1)体重および行動の観察:体重または行動の異常な変化は観察されなかった。
(2)血液検査による分析:WBC、リンパ球、単球、好中球、好酸球、好塩基球、RBC、ヘモグロビン、または血小板の数において異常な症状は観察されなかった。
(3)血清の生化学的試験:血清のAST、ALT、LDH、ビリルビン、クレアチニン、グルコース、コレステロール、ミネラル、アルブミン、BUN、リパーゼ、またはアミラーゼのレベルには異常な症状は観察されなかった。
(4)組織学的試験:腎臓、脾臓、肝臓、または胸腺の組織に異常な症状は観察されなかった。
【0182】
以後、賦形剤の処方方法および種類について記載するが、本発明はこれらに限定されない。代表的な調製例を以下に記載する。
【0183】
注射液の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 50mg
メタ二亜硫酸ナトリウム 3.0mg
メチルパラベン 0.8mg
プロピルパラベン 0.1mg
注射用蒸留水 最適量
【0184】
注射用調製物は、上記成分を混合し、従来法によって2mlとし、その後全ての成分を2mlのアンプルに充填し、そして従来の注射液の調製方法によって滅菌することによって調製した。
【0185】
錠剤の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 50mg
トウモロコシデンプン 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0186】
錠剤調製物は、上記成分を混合し、そして錠剤に成型することによって調製した。
【0187】
カプセル剤の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 100mg
トウモロコシデンプン 100mg
乳糖 100mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 最適量
【0188】
カプセル剤調製物は、上記成分を混合し、従来のゼラチン調製法によってゼラチンカプセルに充填することによって調製した。
【0189】
液体の調製
耐寒性キーウィの70%エタノール抽出物 100mg
糖 20g
フルクトース 20g
レモン香料 最適量
蒸留水 100ml
【0190】
液体調製物は、上記成分を混合し、100mlの褐色瓶に充填し、その後従来の液体の調製法によって滅菌することによって調製した。
【0191】
保健医療食品の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 1000mg
ビタミン混合物 20g
酢酸ビタミンA 70μg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンB 0.13mg
ビタミンB 0.15mg
ビタミンB6 0.5mg
ビタミンB12 0.2μg
ビタミンC 10mg
ビオチン 10μg
ニコチン酸アミド 1.7mg
葉酸 50μg
パントテン酸カルシウム 0.5mg
ミネラル混合物 最適量
硫酸第一鉄 1.75mg
酸化亜鉛 0.82mg
炭酸マグネシウム 25.3mg
リン酸一カリウム 15mg
第二リン酸カルシウム 55mg
クエン酸カリウム 90mg
炭酸カルシウム 100mg
塩化マグネシウム 24.8mg
【0192】
上記ビタミンおよびミネラル混合物は多様に変化させることができる。このような変更は、本発明の精神および範囲からの逸脱とはみなされない。
【0193】
健康飲料の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 1000mg
クエン酸 100mg
オリゴ糖 100g
杏濃縮物 2g
タウリン 1g
蒸留水 900ml
【0194】
健康飲料調製物は、有効成分を溶解させ、混合し、85℃で1時間攪拌し、濾過し、その後すべての成分を2000mlのアンプルに充填して、従来の健康飲料の調製方法によって滅菌することによって調製した。
【0195】
皮膚用ローションの調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 1.00(%)
グリセロール 3.00
エタノール 1.00
プロピレングリコール 0.10
香料 微量
蒸留水 100%になるように
【0196】
皮膚用調製物は、有効成分を従来のローション調製方法にしたがって溶解させることによって調製した。
【0197】
ローションの調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 3.00(%)
L-アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム 1.00
可溶性コラーゲン(1%溶液) 1.00
クエン酸ナトリウム 0.10
クエン酸 0.05
1,3-ブチレングリコール 3.00
蒸留水 100%になるように
【0198】
ローション調製物は、有効成分を従来のローション調製方法にしたがって溶解させることによって調製した。
【0199】
クリームの調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 3.00(%)
ポリエチレングリコモノステアレート 2.00
モノステアリン酸グリセリン 1.00
セチルアルコール 4.00
スクアレン 6.00
トリ2-グリセリルエチルヘキサノエート 6.00
スフィンゴ−糖脂質 1.00
1,3-ブチレングリコール 7.00
蒸留水 100%になるように
【0200】
パックの調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 5.00(%)
ポリビニルアルコール 13.00
L-アスコルビン酸-2-リン酸マグネシウム 1.00
ラウロイルヒドロキシプロリン 1.00
可溶性コラーゲン(1%溶液) 2.00
1,3-ブチレングリコール 3.00
エタノール 5.00
蒸留水 100%になるように
【0201】
パック調製物は、従来のパックの調製方法にしたがって有効成分を溶解させることによって調製した。
【0202】
美容液の調製
実施例1の耐寒性キーウィの水抽出物 2.00(%)
ヒドロキシエチレンセルロース(2%溶液) 12.00
キサンチンガム(2%溶液) 2.00
1,3-ブチレングリコール 3.00
濃グリセリン 4.00
ヒアルロン酸ナトリウム 5.00
蒸留水 100%になるように
【0203】
美容液調製物は、従来の美容液調製方法にしたがって有効成分を溶解させることによって調製した。
【0204】
このように本発明を記載してきたが、本発明を多様に変形することができることは明らかであろう。このような変形は本発明の精神および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、当業者に明らかであろう全てのこのような改変は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0205】
本発明において記載したように、本発明の調製によって調製した耐寒性キーウィ抽出物は、血清Th1サイトカインおよびIgG2a濃度を増大させ、血清Th2サイトカインおよびIgE濃度を低下させ、肥満細胞からのヒスタミンの放出を阻害し、そして炎症反応を抑制する。これにより、耐寒性キーウィは、過敏症、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、およびじんま疹のようなアレルギー性疾患、ならびに、非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための医薬組成物として使用することができる。
【0206】
さらに、耐寒性キーウィ抽出物は、過敏症、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、およびじんま疹のようなアレルギー性疾患、ならびに、非アレルギー性炎症性疾患の治療および予防のための健康食品の組成物として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐寒性キーウィを乾燥させ、これを水または低級アルコールで60〜100℃の温度で抽出した後、上清を減圧濃縮して得られた耐寒性キーウィ抽出物を含む食品添加物。
【請求項2】
前記耐寒性キーウィ抽出物0.01〜50重量%及び糖0.001〜50重量%を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品添加物。
【請求項3】
前記耐寒性キーウィ抽出物に微結晶セルロースを混合して攪拌、乾燥して固形化したことを特徴とする、請求項1に記載の食品添加物。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の食品添加物を含む食品。
【請求項5】
前記食品が健康機能食品であることを特徴とする請求項4に記載の食品。
【請求項6】
前記食品が飲み物または固形物であることを特徴とする請求項4または5に記載の食品。
【請求項7】
耐寒性キーウィを乾燥させ、これを水または低級アルコールで60〜100℃の温度で抽出した後、上清を減圧濃縮することを特徴とする、耐寒性キーウィ抽出物の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の製造方法で製造した耐寒性キーウィ抽出物にセルロース及び糖を添加し、打錠して製造された錠剤。

【図2a】
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【図2b】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【公開番号】特開2010−213717(P2010−213717A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112968(P2010−112968)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2004−530639(P2004−530639)の分割
【原出願日】平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願人】(510183109)バイロメッド カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】