説明

耐摩耗性の低摩擦抵抗電着塗膜

【課題】耐高荷重性と潤滑性がバランスよく両立する電着塗膜を提供する。
【解決手段】電着塗料に二硫化モリブデン(MoS)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との重量比が5:95〜70:30の混合物よりなる固体潤滑剤を、電着塗料樹脂固形分と前記固体潤滑剤との重量比が95:5〜50:50になるように分散させてなる耐高荷重性潤滑塗膜形成用電着塗料、およびその電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性皮膜を形成する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいる潤滑性電着塗膜の高荷重条件下での塗膜の耐摩耗性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
電着塗装は複雑な形状を有する被塗物にも均一の膜厚で塗装できること、水系塗料を使用するのでVOCの削減が可能なことなどの理由で静電塗装を含む伝統的なスプレー塗装に代って普及している。他方フッ素樹脂、特にPTFEは粘着性および摩擦抵抗が低く、耐熱性にもすぐれていることで知られている。フッ素樹脂のこの特性を利用して電着塗料にフッ素樹脂の微粉末を分散し、低摩擦抵抗の電着塗膜を形成することや、電着塗料に固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS)を分散し、低摩擦抵抗性の塗膜を形成することが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平1−201373号公報
【特許文献2】特開平5−117556号公報
【特許文献3】特開2001−19897号公報
【特許文献4】特開2002−38078号公報
【特許文献5】特開2002−275393号公報
【特許文献6】特開2004−277565号公報
【特許文献7】特開平6−287485号公報
【特許文献8】特開2005−154579号公報
【0004】
このうち特許文献5および6は、フッ素樹脂に加え、チタン酸アルカリ金属塩などの層状無機化合物を配合しており、同じプローブを用いて塗膜の静摩擦係数および耐摩耗性を測定している。しかしながら、例えば特許文献7に列挙されているような自動車部品の摺動部には静摩擦係数測定のためのプローブに加えられる荷重よりも遥かに高い荷重条件下での耐摩耗性が求められる。
【0005】
特許文献8は、電着塗料にフッ素樹脂微粉末とグラファイトを配合し、この塗料をカードリーダーに電着し、カードのすべりと帯電防止性能の向上を図っている。比較としてグラファイトの代りに二硫化モリブデンをPTFEと併用した電着塗膜も開示されているが、試験はカードをカードリーダーを通過させる時に鳴き(きしみ音)が発生し始めるパス回数をもって評価している。しかしながらこのような試験条件ではカードリーダーのカード通路に直角に加えられる荷重は殆ど無視し得る。
【0006】
カードリーダーと違って、エンジンピストン、コンプレッサーピストン、インターミディエイトシャフト、ステアリングジョイント、ドアヒンジ、ウインドレギュレーター、シートアジャスト、シートベルト金具のような自動車部品、さらにこれと同様な一般機械部品や金型等のための潤滑性電着塗膜には一層高い荷重条件下での耐摩耗性が求められる。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、電着塗料に二硫化モリブデン(MoS)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との重量比が5:95〜70:30の混合物よりなる固体潤滑剤を、電着塗料樹脂固形分と前記固体潤滑剤との重量比が95:5〜50:50になるように分散させてなる耐高荷重性潤滑塗膜形成用電着塗料、およびその電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性皮膜を形成する方法に関する。
【0008】
また、本発明は、アルキド樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン(MoS)0.3〜15wt%およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)3〜23.8wt%を配合した電着塗料、およびその電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性皮膜を形成する方法に関する。
【0009】
さらに、本発明は、ポリブタジエン樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン(MoS)2.5〜33.3wt%およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5.3〜95.0wt%を配合した電着塗料、およびその電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性皮膜を形成する方法に関する。
【0010】
PTFEは固体潤滑剤の中で最も低い摩擦係数を有するが、使用可能温度は約260℃までであって、高温になると耐荷重性が低下する。MoSは摩擦係数においてPTFEより劣るが無機物であるため使用可能温度はPTFEより高く、高温において耐荷重性は低下しない。そのため両者の併用によりできるだけ摩擦係数が低く、耐荷重性の大きい塗膜を得ようとすると、PTFEに対するMoSの比が決定的に重要である。またこれら固体潤滑剤ができるだけ多く塗膜中に存在することも重要である。本発明は低い摩擦係数と耐荷重性とが満足にバランスするPTFEに対するMoSの比を有し、バランスした摩擦係数と耐荷重性が発揮される割合でPTFEとMoSを含んでいる電着塗膜を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に使用する塗料は、固体潤滑剤のマトリッスとなる電着塗料と、これに添加される固体潤滑剤としてPTFEとMoSの微粉末よりなる。電着塗料およびその塗装法は塗料分野でよく知られており、かつそれ自体が本発明を構成するものではないので、ここでは詳細な説明は不要であろう。電着塗料にはアニオン型とカチオン型とがあり、それぞれ負または正に帯電した水溶性または水分散性ビヒクル樹脂と、場合によりその硬化剤を含んでいる。電着塗料は固体潤滑剤のマトリッスとなるのであるから、アニオン型でもカチオン型のいずれでも良い。本発明において「樹脂固形分」と称するのは、このビヒクル樹脂と、もし存在すれば硬化剤との合計量のことである。
【0012】
塗料は一般に慣用の添加成分を含んでいる。それらの例は着色および防錆顔料、中和剤、水混和性有機溶剤、界面活性剤などであるが、本発明に使用する電着塗料も勿論これらの慣用の添加成分を含むことができる。
【0013】
PTFEおよびMoSは固体潤滑剤として周知のものであり、市販されている。塗料への分散のし易さから、それらの平均粒径は0.2〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
【0014】
先に述べたとおり、相対的に低い摩擦係数を有するPTFEと、相対的に高い耐荷重性を有するMoSとの間には、低摩擦係数と耐荷重性を満足させる一定の配合比が存在する。本発明によれば、耐高荷重性潤滑塗膜を得るために、電着塗料に二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンとの重量比が5:95〜70:30の混合物よりなる固体潤滑剤を、電着塗料樹脂固形分と前記固体潤滑剤との重量比が95:5〜50:50になるように分散させる必要がある。
【0015】
また、本発明によれば、アルキド樹脂からなる塗料の場合、樹脂固形分を基準にして、MoS0.3〜15wt%と、PTFE3〜23.8wt%を含み、さらに好ましくは、MoS3〜7.5wt%と、PTFE5.0〜23.8wt%を含ませることが必要である。そしてその時は、両者の合計量が固形分の5.3〜25wt%の範囲内に調整することが好ましい。換言すると耐高荷重性を満足させるためにはMoSは樹脂固形分の少なくとも0.3wt%以上必要であり、低摩擦性を満足させるためにはPTFEは樹脂固形分に対し少なくとも3wt%以上であることを要する。しかしながら、これら固体潤滑剤の合計があまりに多いと分散性、造膜性などに悪影響するので50wt%、好ましくは25wt%をこえないことが好ましい。この範囲のPTFEとMoSに加えグラファイトを併用してもよい。
【0016】
さらに、本発明によれば、ポリブタジエン樹脂からなる塗料の場合、樹脂固形分を基準にして、MoS2.5〜33.3wt%と、PTFE5.3〜95.0wt%を含み、さらに好ましくは、MoS4.3〜21.4wt%と、PTFE8.8〜90.0wt%を含ませることが必要である。そして、その時は、両者の合計量が固形分の17.6〜100wt%の範囲内に調整することが好ましい。換言すると耐高荷重性を満足させるためにはMoSは樹脂固形分の少なくとも2.5wt%以上必要であり、低摩擦性を満足させるためにはPTFEは樹脂固形分に対し少なくとも5.3wt%以上であることを要する。しかしながら、これら固体潤滑剤の合計があまりに多いと分散性、造膜性などに悪影響するので、好ましくは100wt%をこえないことが好ましい。また、アルキド樹脂からなる塗料と同様、この範囲のPTFEとMoSに加えグラファイトを併用してもよい。
【0017】
基材、すなわち電着塗料の被塗物は表面潤滑性が要求される鋼鉄製の機械部品や金型等である。これら基材をカチオン電着塗料の場合は陰極、アニオン電着塗料の場合は陽極として電着塗装し、水洗後加熱硬化することにより本発明の電着塗膜を形成することができる。塗膜の乾燥膜厚は一般に5〜30μmである。
【実施例】
【0018】
以下の実施例は本発明の例証であり、限定を意図しない。これらにおいて「部」および「%」は特記しない限り重量基準による。
【0019】
[第I部]
実施例1
大日本インキ化学工業(株)製の商品名S−161−LPのアニオン型アルキド樹脂に、樹脂固形分80部に対しMoS10部(固形分の12.5%)およびPTFE10部(固形分に対し12.5%)を添加し、これをブラスト鋼板に乾燥塗膜10μmとなるように電着塗装し、水洗後230℃で20分間加熱して試験塗膜を得た。
【0020】
実施例2
実施例1においてMoSを6部(固形分の7.5%)およびPTFEを14部(固形分の17.5%)に変更し、同じ条件で乾燥膜厚10μmの試験塗膜を得た。
【0021】
実施例3
実施例1において樹脂固形分90部に対してMoS5部(固形分に対して5.6%)およびPTFE5部(固形分に対して5.6%)に変更し、同じ条件で電着塗装し、乾燥膜厚10μmの試験塗膜を得た。
【0022】
実施例4
実施例1においてMoSを3部(固形分に対して3.3%)、PTFEを7部(固形分の7.8%)に変更し、実施例1と同じ条件で電着塗装し、乾燥膜厚10μmの試験塗膜を得た。
【0023】
比較例1
実施例1においてMoSを添加せず、PTFEを20部(固形分に対して25%)に変更し、実施例1と同じ条件で電着塗装し、乾燥膜厚10μmの試験塗膜を得た。
【0024】
比較例2
実施例1においてMoSを14部(固形分の17.5%)、PTFEを6部(固形分の7.5%)に変更し、同じ条件で電着塗装して試験塗板を得た。
【0025】
比較例3
実施例1においてMoSを7部(固形分の7.8%)、PTFEを3部(固形分の3.3%)に変更し、同じ条件で電着塗装し、乾燥膜厚10μmの試験塗板を得た。
【0026】
静摩擦係数の測定
直径5mmのSUS304製のボールを先端に取付けたプローブを備えた表面試験機(新東科学(株)製トライボギア type HEIDON 14FW)を用い、荷重1kg(9.8N)でボールを一方向に600mm/minの速度で10mmスライドさせることにより塗膜の静摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
高荷重条件下での摩耗試験
外径25.6mm,半径方向幅2.8mmの鋼鉄製リングを先端に有するプローブを備えた摩擦試験機(神鋼造機(株)製SFWT−PD(RD)−SM5000−N2000−P5.5−OB150(D300)−L1000−SS)を用い、荷重350Nおよび3,500Nでリングを500rpmの速度で一方向に回転させ、膜厚が初期値の50%になるまでの総回転数をもって耐摩耗性を評価した。結果を表2に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
考察
表1および2に示されているように、一般に静摩擦係数はMoS/PTFE比に反比例し、耐摩耗性はMoS/PTFEに正比例する傾向が見られるが、両者の最適バランスは樹脂固形分に対しMoSが3〜15wt%,PTFEが3〜20wt%の範囲にあるときに得られることがわかる。また、この時の樹脂固形分に対するMoSとPTFEの合計量は、10〜25wt%の範囲内にあることが好ましいことがわかった。
【0031】
[第II部]
実施例5
MoS微粉末とPTFE微粉末とを重量で0/100,5/95,10/90,30/70,50/50,70/30,90/10および100/0の比で混合し、種々の割合の固体潤滑剤混合物を用意した。
【0032】
大日本インキ化学工業(株)製の商品名S−161−LPのアニオン型アルキド樹脂に、樹脂固形分対固体潤滑剤の重量比が95/5,90/10,80/20,70/30および60/40となるように各潤滑剤混合物を添加し、この塗料を溶剤による脱脂を施した鋼板に乾燥膜厚10μmに電着塗装し、水洗後230℃で20分間焼付けし、試験塗膜を得た。
【0033】
実施例6
実施例5で用意した固体潤滑剤混合物を、日本曹達(株)製の商品名BN−1015のアニオン型ポリブタジエン樹脂に、樹脂固形分対固体潤滑剤の重量比が95/5,90/10,85/15,80/20,70/30,60/40および50/50となるように各潤滑剤混合物を添加し、この塗料を溶剤による脱脂を施した鋼板に乾燥膜厚10μmに電着塗装し、水洗後230℃で20分間焼付けし、試験塗膜を得た。
【0034】
実施例5および6において、塗料樹脂固形分と、MoSと、PTFEとの重量比は表3に示されている。
【0035】
【表3】

【0036】
耐摩擦試験
直径5mmのSUS304製のボールを先端に取付けたプローブを備えた表面試験機(新東科学(株)製トライボギア type HEIDON 14FW)を用い、荷重1kg(9.8N)でボールを一方向に3000mm/min(50mm/s)の速度で10mmの距離を往復動させ、試験塗膜の静摩擦係数が0.4に達した時点で自動的に停止するように試験機をあらかじめセットした。耐摩擦性の持続性は、静摩擦係数が0.4に達するまでの往復摺動回数をもって評価した。結果は、実施例5については表4に、実施例6については表5にそれぞれ示す。
【0037】
また、表6には、樹脂に対するMoSの配合割合(wt%)を示し、さらに、その中には表4および表5の試験結果より、実施例5のアルキド樹脂ベースで摺動回数が1800回以上の領域を太線枠内で示し、実施例6のポリブタジエン樹脂ベースで摺動回数が3200回以上の領域を点線で示した。また、表7には、樹脂に対するPTFEの配合割合(wt%)を示し、さらに、その中には表6と同様に、実施例5のアルキド樹脂ベースで摺動回数が1800回以上の領域を太線枠内で示し、実施例6のポリブタジエン樹脂ベースで摺動回数が3200回以上の領域を点線で示した。
【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
【表6】

【0041】
【表7】

【0042】
考察
表6および表7から、アルキド樹脂ベース及び/又はポリブタジエン樹脂ベースのいずれの電着塗料においても、所望の耐高荷重性潤滑塗膜を得るためには、電着塗料にMoSとPTFEとの重量比が5:95〜70:30の混合物よりなる固体潤滑剤を、電着塗料樹脂固形分と前記固体潤滑剤(MoS+PTFE)との重量比が95:5〜50:50になるように分散させることが効果的であること分かった。
【0043】
また、電着塗料の基材となる樹脂の種類を分けて考察すると、表4および表6,表7から、アルキド樹脂ベースで摺動回数が1800回以上の高い耐摩擦性を示すMoS及びPTFEからなる固体潤滑剤の配合割合は、樹脂固形分に対してMoSが0.3〜12.5wt%範囲内, PTFEが4.7〜23.8wt%の範囲内であり(太線枠内参照)、また、摺動回数が2000回以上のさらに高い耐摩擦性を示す固体潤滑剤の配合割合は、樹脂固形分に対してMoSが0.3〜7.5wt%の範囲内, PTFEが5.0〜23.8wt%の範囲内であることが分かった。また、この時の樹脂固形分に対するMoSとPTFEの合計量は、5.3〜12.5wt%の範囲内に調整することが好ましい(表4参照)。
【0044】
したがって、上記の結果に第I部の結果を照らし合わせて考察すると、アルキド樹脂ベースで高い耐摩擦性を示す固体潤滑剤の配合割合は、樹脂固形分に対してMoSが0.3〜15wt%範囲内,PTFEが3〜23.8wt%の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは、MoSが3〜7.5wt%の範囲内, PTFEが4.7〜23.8wt%の範囲内に調整することである。また、この時の樹脂固形分に対するMoSとPTFEの合計量は、5.3〜25wt%の範囲内に調整することが好ましい。
【0045】
また、表5および表6,表7から、ポリブタジエン樹脂ベースで摺動回数が3200回以上の高い耐摩擦性を示すMoS及びPTFEからなる固体潤滑剤の配合割合は、樹脂固形分に対してMoSが2.5〜33.3wt%の範囲内, PTFEが5.3〜95.0wt%の範囲内であり(1点鎖線枠内参照)、また、摺動回数が5800回以上のさらに高い耐摩擦性を示す固体潤滑剤の配合割合は、樹脂固形分に対してMoSが4.3〜21.4wt%の範囲内, PTFEが8.8〜90.0wt%の範囲内にあることが分かった。また、この時の樹脂固形分に対するMoSとPTFEの合計量は、17.6〜100wt%の範囲内に調整することが好ましい(表5参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電着塗料に二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンとの重量比が5:95〜70:30の混合物よりなる固体潤滑剤を、電着塗料樹脂固形分と前記固体潤滑剤との重量比が95:5〜50:50になるように分散させてなる耐高荷重性潤滑塗膜形成用電着塗料。
【請求項2】
樹脂が電着可能なアルキド樹脂である請求項1の電着塗料。
【請求項3】
樹脂が電着可能なポリブタジエン樹脂である請求項1の電着塗料。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性塗膜を形成する方法。
【請求項5】
アルキド樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン0.3〜15wt%およびポリテトラフルオロエチレン3〜23.8wt%を含む電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性塗膜を形成する方法。
【請求項6】
前記電着塗料が、塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン3〜7.5wt%およびポリテトラフルオロエチレン5.0〜23.8wt%を含んでいる請求項5の方法。
【請求項7】
アルキド樹脂からなる塗料の樹脂固形分に対し、二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンの合計量が5.3〜25wt%である請求項5の方法。
【請求項8】
アルキド樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン0.3〜15wt%およびポリテトラフルオロエチレン3〜23.8wt%を添加してなる耐高荷重性潤滑塗膜形成用電着塗料。
【請求項9】
前記電着塗料が、塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン3〜7.5wt%およびポリテトラフルオロエチレン5.0〜23.8wt%を含んでいる請求項8の電着塗料。
【請求項10】
アルキド樹脂からなる塗料の樹脂固形分に対し、二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンの合計量が5〜25wt%である請求項8の電着塗料。
【請求項11】
ポリブタジエン樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン2.5〜33.3wt%およびポリテトラフルオロエチレン5.3〜95.0wt%を含む電着塗料を基材に対して電着塗装することを特徴とする高荷重条件下で耐摩耗性を発揮する潤滑性塗膜を形成する方法。
【請求項12】
前記電着塗料が、塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン4.3〜21.4wt%およびポリテトラフルオロエチレン8.8〜90.0wt%を含んでいる請求項11の方法。
【請求項13】
ポリブタジエン樹脂からなる塗料の樹脂固形分に対し、二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンの合計量が17.6〜100wt%である請求項11の方法。
【請求項14】
ポリブタジエン樹脂からなる塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン2.5〜33.3wt%およびポリテトラフルオロエチレン5.3〜95.0wt%を添加してなる耐高荷重性潤滑塗膜形成用電着塗料。
【請求項15】
前記電着塗料が、塗料の樹脂固形分を基準にして、二硫化モリブデン4.3〜21.4wt%およびポリテトラフルオロエチレン8.8〜90.0wt%を含んでいる請求項14の電着塗料。
【請求項16】
ポリブタジエン樹脂からなる塗料の樹脂固形分に対し、二硫化モリブデンとポリテトラフルオロエチレンの合計量が17.6〜100wt%である請求項14の電着塗料。

【公開番号】特開2008−88416(P2008−88416A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220622(P2007−220622)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000103677)オキツモ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】