説明

耐摩耗性部材の取付構造及び耐摩耗性部材の製造方法

【課題】耐摩耗性部材の取付孔を閉じる蓋部材の着脱を簡単にし、その蓋部材のコストダウンを図る。
【解決手段】耐摩耗性部材Pの本体部1に取付孔3が穿孔して設けられ、台座2に取付部4が設けられ、取付孔3と取付部4との間に台座2側から本体部1側に向かってボルト5を挿通し、ナット6をねじ込んで締め付けることにより台座2に本体部1を取付ける。取付孔3を塞ぐ蓋部材20の素材には、本体部1に取付孔3を穿孔する際に切り離された切出部材21が用いられ、その切出部材21に雌ネジ穴22が形成される。その蓋部材20の雌ネジ穴22にボルト5がねじ込まれることにより、蓋部材20は、取付孔3を塞いだ状態に本体部1に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製鉄所や、焼結金属その他金属の製造工場、発電所、廃棄物処理工場等の各種設備において、その設備で扱う原料や処理物が触れる部分に設けられる耐摩耗性部材であり、特に、その設備に対して簡単に取付け、取外しできる耐摩耗性部材の取付構造、及び、その耐摩耗性部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所や、焼結金属その他金属の製造工場、発電所、廃棄物処理工場等の各種設備において、原料やその処理物、その他各種素材(以下、「処理物」という)の受入れ、加工、移送、搬出等の各工程で、種々の耐摩耗性部材が用いられる。
【0003】
この耐摩耗性部材として、例えば、焼結鉱、コークス、石炭、セメント、アスファルト、あるいは砕石等の各種処理物を載せて、それらを粒度別に篩い分ける振動スクリーンがある(例えば、特許文献1参照)。また、高炉原料として用いられる焼結鉱の製造工程において、原料である鉄鉱石、石灰石、コークス等の処理物を載せて移送する焼結機用グレートバー等もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
これらの耐摩耗性部材Pは、例えば、図6(a)(b)に示すように、主たる部材となる本体部1の少なくとも上記処理物が触れる面に、超硬合金やセラミック、高クロム鋳鉄などからなる耐摩耗性能の高い素材からなる強化層7が設けられている場合が多い。また、硬化肉盛材によって強化層7を形成したものも広く使用されている。これらの強化層7により、処理物との衝突や摺動による部材の摩耗抑制が図られている。
【0005】
また、これらの耐摩耗性部材Pは、その本体部1が、その設備が備える台座2に対して、ボルト5及びナット6を介して、取付け及び取外し可能とされる。ナット6を緩めてボルト5を抜き取れば、耐摩耗性部材Pの本体部1を容易に台座2から取り外しでき、取付け時には逆に、本体部1と台座2の取付孔3,4同士を位置合わせし、ボルト5を挿通してナット6を締め付ける。このように、耐摩耗性部材Pの本体部1を台座2に対して取付け、取外し可能とするのは、処理物に触れる部分の部材が摩耗、損傷した際に、その本体部1全体の交換を前提とするためである。
【0006】
しかし、本体部1を台座2に対して取付け及び取外し可能とすると、本体部1の台座2に対する取付部(前記取付孔3の部分)をどのように処理するかが問題である。取付孔3が開放された状態のまま本体部1を使用すると、その取付孔3内のボルト5やナット6に処理物が衝突してネジ部を変形させ、ナット6を緩めることが困難になってしまう。また、取付孔3を硬化肉盛材で覆ってしまうと、その後の本体部1の着脱の際に、硬化肉盛材を除去せねばならず、多大な手間を要するからである。
【0007】
そこで、その取付孔3を塞ぐために、本体部1の上面側からその取付孔3内に、蓋部材10を着脱自在に嵌め込んで固定する技術がある。
例えば、特許文献3には、撹拌反応槽内で用いられるパドルタイプの撹拌翼において、そのチタン製の撹拌翼の翼板(本体部1)表面側にセラミック製の強化層7を設けた技術が開示されている。強化層7は、図6(c)に示すように、ボルト5及びナット6を介して撹拌翼の翼板に固定され、そのボルト5及びナット6を挿通するための取付孔3に、蓋部材10が嵌め込み固定されている。その蓋部材10は、強化層7と同一の素材であるセラミックで製作されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平6−48866号公報
【特許文献2】特開平9−26265号公報
【特許文献3】特開2010−94646号公報(第9頁第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記図6(c)に示す蓋部材10は、強化層7と同一の素材であるセラミックで製作されている。このため、強化層7を備えた本体部1とは全く別の工程で、耐摩耗性の高い素材を用いて蓋部材10を製作しなければならず、部品が高価である。また、その蓋部材10は、取付孔3内に嵌め込み固定であるので、その取付孔3からの取り外しが難しいという問題もある。
【0010】
そこで、この発明は、耐摩耗性部材の本体部を台座へ固定するためのボルト・ナットを収容する取付孔を蓋部材で閉じる構成において、その蓋部材の取付孔への着脱を簡単にすることを第一の課題とし、その蓋部材のコストダウンを図ることを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記第一の課題を解決するために、この発明は、耐摩耗性部材の本体部に取付孔が設けられ、その本体部に対向する台座に取付部が設けられ、前記取付孔は、前記台座側に向く面とその反対側の面との間を貫通して設けられ、前記取付孔と前記取付部との間に前記台座側から前記本体部側に向かってボルトを挿通し、そのボルトに前記反対側の面側からナットをねじ込んで締め付けることにより前記台座に前記本体部が取付けられ、前記取付孔を前記反対側の面側から蓋部材で塞いだ耐摩耗性部材の取付構造において、前記蓋部材は前記本体部と同一の材質からなる素材で形成され、その蓋部材に設けた雌ネジ穴に前記ボルトがねじ込まれることにより、前記蓋部材は前記取付孔を塞いだ状態に固定されていることを特徴とする耐摩耗性部材の取付構造を採用した。
【0012】
蓋部材を本体部と同一の材質からなる素材で形成したので、取付孔内のボルト・ナットは保護される。また、その蓋部材は、本体部を台座に固定するためのボルトが取付孔内に臨んでいることを活用して、そのボルトにねじ込み固定されるので、その着脱が簡単である。
【0013】
この構成において、前記蓋部材は、前記反対側の面側から前記ボルトへのねじ込みの操作及びそれを緩める操作を可能とするための操作部を備える構成を採用することができる。
蓋部材に操作部を設けたことにより、その操作部に指や治具を掛けて簡単に回転操作(ボルトへのねじ込み、及びそれを緩める操作)をすることができる。
この操作部は、耐摩耗性部材の処理物に対する処理性能を阻害しないよう、本体部の前記反対側の面側に突出しないことが望ましい。操作部として、例えば、蓋部材の前記反対側の面に設けられた凹部、溝、あるいは、その蓋部材を表裏方向に貫通する孔、蓋部材の側面を同表裏方向に伸びる切欠きなどを採用することができる。
特に、前記操作部を、前記蓋部材の前記反対側の面に形成された凹部とすれば、異物が取付孔内に入り込むことを防止でき、ボルトやナットの保護に効果的である。
【0014】
また、上記第二の課題を解決するために、この発明は、上記の各構成において、前記取付孔は前記本体部に穿孔により設けられ、前記蓋部材は、前記本体部に取付孔を穿孔した際にその本体部から切り離された切出部材が用いられている構成を採用することができる。
蓋部材が本体部から切り出されたものとすれば、蓋部材は、本体部と同等の耐摩耗性能を発揮でき、且つ、その切り出された部材を有効活用することにより、蓋部材のコストダウンを図ることができる。
【0015】
また、この構成において、前記本体部及び前記蓋部材は、前記反対側の面側に他の部分よりも耐摩耗性能が高い素材からなる強化層を有し、前記蓋部材の前記雌ネジ穴は、前記強化層に至らない範囲に設けられている構成を採用することができる。
耐摩耗性部材の本体部が強化層を備える場合、その耐摩耗性部材から切り出された部材を用いた蓋部材も強化層を備える。雌ネジ穴が強化層に至らない範囲であれば、その加工が容易であるし、強化層の強度を低下させない。
【0016】
また、蓋部材を本体部から切り出した構成からなる上記耐摩耗性部材の取付構造に用いられる耐摩耗性部材の製造方法として、以下の構成を採用することができる。
すなわち、前記耐摩耗性部材の前記本体部に前記取付孔を穿孔し、前記蓋部材は、前記本体部に取付孔を穿孔した際にその本体部から切り離された切出部材を用い、その切出部材に前記雌ネジ穴を形成することにより、前記本体部を前記ボルト及び前記ナットを介して前記台座に固定した状態で、前記蓋部材を前記ボルトにねじ込んで前記取付孔を塞いだ状態に固定できるように形成する耐摩耗性部材の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、耐摩耗性部材を台座へ固定するためのボルト・ナットを収容する取付孔を蓋部材で閉じる構成において、その蓋部材のコストダウンを図るとともに、蓋部材の取付孔への着脱を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面側面図、(d)は(c)の要部拡大図
【図2】(a)は図1(a)の要部拡大図、(b)は(a)のB−B断面図
【図3】同実施形態の蓋部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は蓋部材に加工する前の切出部材の斜視図
【図4】他の実施形態を示し、(a)は要部拡大平面図、(b)は(a)のB−B断面図
【図5】他の実施形態の蓋部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は蓋部材に加工する前の切出部材の斜視図
【図6】従来例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は蓋部材の取付構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態の耐摩耗性部材Pは、例えば、焼結鉱、コークス、石炭等の処理物を載せて、それらを粒度別に篩い分ける振動スクリーンである。
【0020】
図1に示すように、耐摩耗性部材Pの主たる部材である本体部1は平面視長方形のプレート状を成し、その表面1bは上向きのフラット面である。また、その本体部1の長手方向に沿って多数のスリットSが設けられている。
この本体部1は台座2に固定され、図示しない加振装置によって振動が付与され、表面(台座2側に向く面の反対側の面)1bに載せられた処理物のうち細かいものをスリットSを通じて落下させ、他は、適宜の移動手段やあるいは重力等によってその上面に沿って横方向へ移送される。
【0021】
本体部1の台座2への取付構造について説明すると、まず、図1(b)に示すように、本体部1に、その本体部1の表裏を貫通する取付孔3が設けられている。取付孔3は、その本体部1の裏面(台座2側に向く面)1aと表面(前記反対側の面)1bとの間を穿孔して設けられる穿孔部3aと、その本体部1の裏面1a側に備えた受け部8の内面とで構成されている。受け部8は、筒状部材3dを閉じる底部3bにボルト挿通孔3cを備え、本体部1に対して溶接で固定されている。
【0022】
また、その本体部1に対向する台座2には取付部4が設けられている。この実施形態では、取付部4は、台座2の表裏を貫通する貫通孔となっており、その貫通孔にボルト5のネジ軸5aが挿通可能となっている。また、この実施形態では、対応する本体部1の取付孔3と台座2の取付部4とは、合計4組設けられている(図1(a)参照)。
【0023】
対応する本体部1の取付孔3と台座2の取付部4との位置を合わせ、その取付孔3と台座2の取付部4との間に、台座2側から本体部1側に向かってボルト5を挿通する。ボルト5のネジ軸5aは、取付孔3内において、本体部1の穿孔部3a側に向かって突出した状態となる。
【0024】
そのボルト5のネジ軸5aに、本体部1の表面1b側からナット6をねじ込んで締め付けることにより、台座2に本体部1を取付ける。ナット6の締め付けは、本体部1の表面1b側から所定のレンチ等を差し入れて、そのレンチ等を通じてナット6を回転させることにより行うことができる。
【0025】
つぎに、その取付孔3を、本体部1の表面1b側から塞ぐ蓋部材20を取付ける。この蓋部材20には、本体部1に取付孔3を穿孔した際にその本体部1から切り離された切出部材21が用いられる。
【0026】
切出部材21を図3(d)に示す。図に示す切出部材21の鎖線部分をカットするとともに、その裏面20b側に表裏方向の雌ネジ穴22を設けることにより蓋部材20が形成される。
これにより、本体部1をボルト5及びナット6を介して台座2に固定した状態で、蓋部材20をボルト5のネジ軸にねじ込みでき、そのねじ込みにより、取付孔3を塞いだ状態に蓋部材20を本体部1に固定できる。すなわち、蓋部材20は、本体部1を台座2に固定するためのボルト5が、取付孔3内に臨んでいることを活用して、そのボルト5にねじ込み固定されるので、その着脱が簡単である。
【0027】
このとき、蓋部材20の表面20aは、本体部1の表面1bと面一であることが望ましい。また、蓋部材20の裏面20bは、ボルト5のネジ軸5aに設けたバネ座金6bに当接し、緩み止めされていることが望ましい。図中の符号6aは平座金を、符号6bはバネ座金を示している。
【0028】
また、蓋部材20が本体部1から切り出されたものであるから、蓋部材20は、強化層7を備えた本体部1と同等の耐摩耗性能を発揮できる。すなわち、蓋部材20は本体部1と同一の材質からなる素材で形成され、下層部26の表面1b側(表面20a側)に強化層27を有しているからである。このため、蓋部材20の摩耗は抑えられ、取付孔3内のボルト5・ナット6は、処理物に触れることなく傷まないように保護される。また、その切り出された部材を有効活用することにより、蓋部材20のコストダウンを図ることができる。
【0029】
この実施形態では、蓋部材20の雌ネジ穴22は、強化層27に至らない下層部26の範囲内に設けられている。雌ネジ穴22が強化層27に至らない範囲であれば、その加工が容易であるし、強化層27の強度を低下させない。
【0030】
また、蓋部材20は、本体部1の表面1b側からボルト5のネジ軸5aへのねじ込みの操作及びそれを緩める操作を可能とするための操作部23を備える。
この実施形態では、操作部23は、図3(a)〜(c)に示すように、その蓋部材20の側面20cに設けた2箇所のフラット面(切出部材21からカットした部分)で構成される。この操作部23は、雌ネジ穴22を形成した後に加工してもよいし、雌ネジ穴22を形成する前に加工してもよい。
【0031】
蓋部材20に操作部23を設けたことにより、その操作部23に指や治具を掛けて簡単に回転操作(ボルト5のネジ軸5aへのねじ込み、及びそれを緩める操作)をすることができる。
この実施形態では、図2(a)に示すように、操作部23を設けた2箇所の部分の取付孔3の内面との隙間w1が、他の部分の隙間w0よりも大きくなっているので、ここへ、治具を挿入して蓋部材20を回転させることができる。治具は、この隙間w1の部分にぴったりと入り込む断面を有することが望ましいが、蓋部材20を回転させることができるよう、操作部23のフラット面に密着できるものであればその構成は問わない。
【0032】
図4及び図5に、他の実施形態の蓋部材20を示す。この実施形態の蓋部材20は、操作部23を、その蓋部材20の側面20cの周方向に沿って4箇所設けたものである。各操作部23は、蓋部材20の側面20cを表裏方向に伸びる溝であり、図4(a)に示すように、操作部23を設けた2箇所の部分の取付孔3の内面との隙間w2が、他の部分の隙間w0よりも大きくなっているので、ここへ、治具を挿入して蓋部材20を回転させることができる。
【0033】
なお、この操作部23の形状及び位置は、これらの実施形態には限定されない。例えば、蓋部材20の表面20aに設けられた凹部、溝、あるいは、その蓋部材20を表裏方向に貫通する孔、蓋部材20の側面20cを表裏方向に伸びる切欠きなどを採用することができる。ただし、耐摩耗性部材Pの処理物に対する処理性能を阻害しないよう、操作部23は、本体部1の表面1b側(蓋部材20の表面20a側)に突出しないことが望ましい。
【0034】
この実施形態では、耐摩耗性部材Pとして、焼結鉱、コークス、石炭等の処理物を載せて、それらを粒度別に篩い分ける振動スクリーンを採用したが、製鉄所や金属の製造工場、発電所、廃棄物処理工場等の各種設備において、処理物の受入れ、加工、移送、搬出等の各工程で、その処理物が触れる種々の耐摩耗性部材Pとして用いることができる。例えば、焼結機用グレートバー、ハンマー、ライナー等が考えられる。
【0035】
また、その耐摩耗性部材Pの本体部1全体が、超硬合金やセラミック、高クロム鋳鉄等からなる強化層7になっている構成や、あるいは、本体部1全体が普通鋼等によって形成され、相対的に耐摩耗性能が高い強化層7が設けられていない構成においても、本発明の構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 本体部
2 台座
3 取付孔
3a 穿孔部
3b 底部
3c ボルト挿通孔
3d 筒状部材
4 取付部
5 ボルト
5a ネジ軸
6 ナット
6a 平座金
6b バネ座金
7,27 強化層
8 受部
10,20 蓋部材
20a 表面
20b 裏面
20c 側面
21 切出部材
22 雌ネジ穴
23 操作部
26 下部層
P 耐摩耗性部材
S スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐摩耗性部材(P)の本体部(1)に取付孔(3)が設けられ、その本体部(1)に対向する台座(2)に取付部(4)が設けられ、前記取付孔(3)は、前記台座(2)側に向く面(1a)とその反対側の面(1b)との間を貫通して設けられ、前記取付孔(3)と前記取付部(4)との間に前記台座(2)側から前記本体部(1)側に向かってボルト(5)を挿通し、そのボルト(5)に前記反対側の面(1b)側からナット(6)をねじ込んで締め付けることにより前記台座(2)に前記本体部(1)が取付けられ、前記取付孔(3)を前記反対側の面(1b)側から蓋部材(20)で塞いだ耐摩耗性部材の取付構造において、
前記蓋部材(20)は前記本体部(1)と同一の材質からなる素材で形成され、その蓋部材(20)に設けた雌ネジ穴(22)に前記ボルト(5)がねじ込まれることにより、前記蓋部材(20)は前記取付孔(3)を塞いだ状態に固定されていることを特徴とする耐摩耗性部材の取付構造。
【請求項2】
前記蓋部材(20)は、前記反対側の面(1b)側から前記ボルト(5)へのねじ込みの操作及びそれを緩める操作を可能とするための操作部(23)を備えることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性部材の取付構造。
【請求項3】
前記操作部(23)は、前記蓋部材(20)の前記反対側の面(1b)に形成された凹部であることを特徴とする請求項2に記載の耐摩耗性部材の取付構造。
【請求項4】
前記取付孔(3)は前記本体部(1)に穿孔により設けられ、前記蓋部材(20)は、前記本体部(1)に取付孔(3)を穿孔した際にその本体部(1)から切り離された切出部材(21)が用いられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の耐摩耗性部材の取付構造。
【請求項5】
前記本体部(1)及び前記蓋部材(20)は、前記反対側の面(1b)側に他の部分よりも耐摩耗性能が高い素材からなる強化層(7,27)を有し、前記蓋部材(20)の前記雌ネジ穴(22)は、前記強化層(27)に至らない範囲に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性部材の取付構造。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の耐摩耗性部材の取付構造に用いられる耐摩耗性部材の製造方法において、
前記耐摩耗性部材(P)の前記本体部(1)に前記取付孔(3)を穿孔し、前記蓋部材(20)は、前記本体部(1)に取付孔(3)を穿孔した際にその本体部(1)から切り離された切出部材(21)を用い、その切出部材(21)に前記雌ネジ穴(22)を形成することにより、前記本体部(1)を前記ボルト(5)及び前記ナット(6)を介して前記台座(2)に固定した状態で、前記蓋部材(20)を前記ボルト(5)にねじ込んで前記取付孔(3)を塞いだ状態に固定できるように形成すること特徴とする耐摩耗性部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−172708(P2012−172708A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33072(P2011−33072)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】