説明

耐擦り傷性トップコート用オリゴカーボネートを含む塗料

【課題】耐擦り傷性トップコート材料、特に自動車のトップコート分野で使用されるポリイソシアネートを含有する塗料を提供する。
【解決手段】A) a) 200〜5000 g/molの数平均分子量Mnを有する脂肪族オリゴカーボネートポリオール1重量%〜50重量%およびb) ヒドロキシ官能ポリアクリレートポリオール50重量%〜99重量%からなるポリオール成分;およびB)平均NCO官能価≧2.0を有する一以上のOH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤を含有する塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連している出願に対する参照
本出願は2005年10月10日に提出されたドイツ出願10 2005 026863に対して35 U.S.C.§119 (a-e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明はポリイソシアネート、脂肪族オリゴカーボネートポリオールおよびポリアクリレートポリオールを含有する新しい塗料、それを製造する方法および塗膜を製造するためのその使用に関する。
【0003】
発明の背景
耐擦り傷性トップコート材料、特に自動車のトップコート分野のための、さらに自動車の再仕上げ用のトップコート材料は今まで長年大いに関心をもたれていた。そのようなトップコート材料は例えば洗車機の中で低い擦り傷性を示すべきであるという特性に加えて、これらの塗膜系は高い耐溶剤性および耐酸性を示さなければならないことが更に要求される。
【0004】
近年特に、2成分ポリウレタン系が広く上市されてきており、この系は有効な耐擦り傷性および素晴らしい耐候性と共に、溶媒および化学物質に関して良好な耐性を有している。
【0005】
ポリアクリレートは、要すればポリエステルとのブレンドの状態でもよいが、そのような系で、しばしばポリオール結合剤として用いられる。架橋剤として使用されるものは、主として、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートに基づく脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートである。
【0006】
これらの2K [二成分]ポリウレタン塗料は全般的な性質で優れたレベルを達成しているが、特にダーク系の色の場合、洗車機の中で何回も洗浄した後にクリアコートに擦り傷がしばしば観測される。塗料皮膜の弾性に依存して、擦り傷は時間が経てば直り、これはリフロー(reflow)と呼ばれている。しかしながら、もし、リフローを改良する意図で透明塗料膜の弾性を増加すると、仕上がりは表面の硬さを失い、特別に耐溶剤性および耐薬品性、特に耐酸性[Carl Hanser Verlag, Munich, MO Metalloberflaeche 54 (2000) 60-64]の低下が見られる。それゆえに先行技術で、もっぱらポリアクリレートと比較的弾性のあるポリエステルとの組み合わせにより弾性を高めることによって2K PU塗料の耐擦り傷性を増大させる努力が行われてきた。
【0007】
DE-A 198 24 118はポリエステルアクリレートに基づく低溶媒バインダーを開示し、それはジ-および/またはポリイソシアネートと共に、硬化して効果的な密着性を有する速乾性の塗膜を与え得る。しかしながら、高いポリエステル画分のために、これらの塗膜の耐酸性は不十分であり、自動車のトップコートでの使用には不適当である。
【0008】
WO 96/20968はアルキル-置換脂環式(メタ)アクリレートモノマーまたはアルキル-置換芳香族ビニルモノマーに基づくポリアクリレート、ポリヒドロキシ-官能性オリゴエステルおよびポリイソシアネートを含有する自動車およびトラック用塗料を開示する。しかしながら、それらの調製によれば、オリゴエステルは第一級ヒドロキシル基だけでなくかなり多くの第二級ヒドロキシル基も含有し、低粘度塗料(<3000 mPa・s/23℃)なので非常に大量のこれらのエステル(全部の配合物に基づいて60重量%より多い)を使用することが必要であり、塗料はもっぱら非常にゆっくりと比較的高温で硬化し、それゆえに感温性の支持体には適さない。
【0009】
EP-A 0 896 991はポリエステル画分≦10重量%およびヒドロキシル価40〜125 mg KOH/gを有するポリアクリレート/ポリエステル混合物に基づく塗料を開示する。結果として生じる低い架橋密度のおかげで、それらから製造されるPU塗料は十分な溶媒および薬品を欠く。さらに、70重量%の固体含量に関して3000〜5000 mPas/23℃の粘度はハイソリッドPU配合塗料に関して高すぎる。
【0010】
先行技術(例えばEP 1 101 780 A、EP 819 710 AおよびEP 778 298 A)では、しばしば2K PU塗料でポリオール結合剤およびポリイソシアネート架橋剤に対する反応パートナー(reaction partner)として、ポリアクリレートと他のポリオール(例えばポリエステルおよび/またはポリカーボネート)の混合物の使用への包括的な言及があるが、これらの特定の混合物の特有の利点の言及はない。さらに、そのようなハイブリッド系の量的な組成またはポリカーボネートポリオールの分子量およびOH官能価の詳細が与えられていない。
【0011】
それゆえに、トップコート系の耐酸性および耐溶剤性に悪影響を与えずに、耐擦り傷性の改善を示す新しい塗料を与えることが本発明の目的である。
【0012】
発明の要旨
*オリゴカーボネートポリオールのポリアクリレートポリオールおよびポリイソシアネートとの特定の組み合わせでの使用を通じて、著しく改良された耐擦り傷性を示すと同時に耐溶剤性および耐酸性の改良を示す塗料を製造することが可能であることが解った。
【0013】
従って、本発明は
A) a) 200〜5000 g/molの数平均分子量Mnを有する脂肪族オリゴカーボネートポリオール1重量%〜50重量%および
b) ヒドロキシ官能ポリアクリレートポリオール50重量%〜99重量%
からなるポリオール成分および
B) 平均NCO官能価≧2.0を有する一以上のOH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤
を含有する塗料を提供する。
【0014】
成分a)およびb)の量は合わせて合計100重量%になる。
【0015】
好ましい態様の詳細な説明
実施例で用いられるのを含んで、明細書および請求項で用いられ、かつ別途明示しないでも「約」という言葉がはっきりと表れていなくても全ての数は「約」という言葉を前に置いたように読んでよい。また、ここで説明される全ての数で表した範囲は全てのサブ範囲(sub-ranges)をそこに含むことを意図されている。
【0016】
成分a)において、200〜2000 g/mol、より好ましくは200〜1000 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
【0017】
成分a)において、1.5〜5、より好ましくは1.7〜3、非常に好ましくは1.9〜2.5のOH官能価を有する前述の種類の脂肪族オリゴカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
【0018】
好ましくは成分a)の量は1重量%〜20重量%であり、成分b)のそれは80重量%〜99重量%であり、特に好ましくは成分a)は1重量%〜10重量%の量で用いられ、成分b)は90重量%〜99重量%の量で用いられる。
【0019】
成分a)で用いられる脂肪族オリゴカーボネートポリオールはモノマー状ジアルキルカーボネート(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)とOH官能価≧2.0を有するポリオール(例えば1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,12-ドデカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン等)をエステル交換することによって製造されてもよく、具体的にはEP 1 404 740 B1例1〜5、EP 1 477 508 A1例3に開示される。
【0020】
本発明の塗料に関して、脂肪族オリゴカーボネートジオールおよびより好ましくは1,4-ブタンジオール、1-6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノールまたはそれらの混合物に基づく200〜2000 g/molの分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールを用いることが好ましい。
【0021】
使用されるポリアクリレートポリオールb)は当業者に知られている方法を用いて
b1) 500〜10000 g/molの数平均分子量を有し、ポリブタジエン中に存在するビニル性二重結合の全てに基づいて少なくとも10 mol%の1,2-ペンダントビニル性二重結合部分を有する、一以上の任意に官能性でもよいポリブタジエン0〜10重量%、
b2) スチレン、α-メチルスチレンおよびビニルトルエン基から選択される一以上の不飽和芳香族モノマー1重量%〜30重量%、
b3) 第一級ヒドロキシル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸の一以上のヒドロキシアルキルエステル20重量%〜80重量%、
b4) アクリル酸またはメタクリル酸とC3〜C12モノアルコールの一以上の脂環式エステル0〜30重量%、
b5) アクリル酸またはメタクリル酸とC1〜C8モノアルコールの一以上の脂肪族エステル10重量%〜60重量%、
b6) 一以上のα,β-不飽和C3〜C7モノカルボン酸またはジカルボン酸、またはマレイン酸またはフマル酸とC1〜C14モノアルコールの一以上のモノエステル0.1重量%〜5重量%、および
b7) 成分b1)〜b6)の化合物以外のさらなる共重合性化合物0〜30重量%
を互いに共重合させることによって得られ、成分b1)〜b7)の重量百分率の合計は100重量%である。
【0022】
好ましくは成分b)の共重合体は
b1) 500〜5000 g/molの数平均分子量を有し、ポリブタジエン中に存在する全てのビニル性二重結合に基づいて少なくとも20mol%の1,2-ペンダントビニル性二重結合部分を有する、一以上の任意に官能性でもよいポリブタジエン0.1重量%〜8重量%、
b2) スチレン2重量%〜28重量%、
b3) ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびブタン-1,4-ジオールモノアクリレートからなる群からの一以上の化合物25重量%〜70重量%
b4) アクリル酸またはメタクリル酸とC3〜C12モノアルコールの一以上の脂環式エステル0〜25重量%、
b5) アクリル酸またはメタクリル酸と脂肪族C1〜C8モノアルコールの一以上のエステル15重量%〜60重量%、
b6) アクリル酸、メタクリル酸、対応する酸とC1〜C8モノアルコールから形成されるマレイン酸モノエステルおよびフマル酸モノエステルからなる群からの一以上の化合物0.3重量%〜4重量%、および
b7) アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、脂肪族、任意に枝分かれしたC1〜C10モノカルボン酸のビニルエステル、マレイン酸またはフマル酸とC3〜C8モノアルコールのジアルキルまたはジシクロアルキルエステルからなる群からの一以上の化合物0〜25重量%
からなり、成分b1)〜b7)の重量百分率の合計は100重量%である。
【0023】
特に好ましくは成分b)の共重合体は
b1) 500〜3000 g/molの数平均分子量を有し、ポリブタジエン中に存在する全てのビニル性二重結合に基づいて少なくとも30 mol%の1,2-ペンダントビニル性二重結合画分を有する一以上の任意に官能性でもよいポリブタジエン0.2重量%〜6.0重量%、
b2) スチレン5重量%〜25重量%、
b3) ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはそれらの混合物30重量%〜65重量%、
b4) イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、および4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群からの一以上の化合物0〜20重量%、
b5) アクリル酸またはメタクリル酸と脂肪族C1〜C8モノアルコールの一以上のエステル20重量%〜50重量%、
b6) アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物0.5重量%〜3重量%、
b7) アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、脂肪族、任意に枝分かれしたC1〜C10モノカルボン酸のビニルエステルおよびマレイン酸またはフマル酸とC3〜C8モノアルコールのジアルキルまたはジシクロアルキルエステルからなる群からの一以上の化合物0〜20重量%
からなり、成分b1)〜b7)の重量百分率の合計は100重量%である。
【0024】
より特に好ましくは成分b)の共重合体は
b1) 500〜2000 g/molの数平均分子量を有し、ポリブタジエン中に存在する全てのビニル性二重結合に基づいて少なくとも40 mol%の1,2-ペンダントビニル性二重結合画分を有する一以上の任意に官能性でもよいポリブタジエン0.4重量%〜5重量%、
b2) スチレン5重量%〜20重量%、
b3) ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはそれらの混合物30重量%〜60重量%、
b4) イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群からの一以上の化合物0〜15重量%、
b5) アクリル酸またはメタクリル酸とC1〜C8モノアルコールの一以上のエステル25重量%〜45重量%、
b6) アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物0.5重量%〜2重量%および
b7) ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、脂肪族、任意に枝分かれしたC1〜C9モノカルボン酸のビニルエステル、マレイン酸またはフマル酸とC3〜C6モノアルコールのジアルキルまたはジシクロアルキルエステルからなる群からの一以上の化合物0〜15重量%、
からなり、成分b1)〜b7)の重量百分率の合計は100重量%である。
【0025】
成分b)の樹脂の製造は成分b1)〜b7)を当業者によく知られている通例の方法[Houben-Weyl (eds.): Methods of Organic Chemistry, 4th ed., E 20/2. Thieme, Stuttgart 1987, p. 1156]によって共重合することによって行われ、140〜240℃の温度でラジカル開始剤の存在下での成分a1)〜b7)のラジカル溶液重合が好まれる。
【0026】
モノマーおよび/またはオリゴマーb1)〜b7)は一般的に重合に用いられるのと同じ割合で共重合体に組み込まれる。組み込まれるユニットの分布は実質的にランダムである。
【0027】
本発明にきわめて重要な共重合体b)に関する好適な開始ポリマーb1)は原則としてペンダント1,2-位(1,2-position)にポリブタジエンに存在する全てのビニル性二重結合に基づいて少なくとも10 mol%、好ましくは少なくとも20 mol%、より好ましくは少なくとも40 mol%のビニル性二重結合部分を有する500〜10 000 g/molの数平均分子量を有する全てのポリブタジエンを含む。
【0028】
成分b1)の化合物として、ビニル性二重結合の10〜90 mol%が1,2-位にあり、10〜70%が1,4-cisおよび/または1,4-trans位にあり、0〜30 mol%が環状構造中に存在するポリブタジエン異性体混合物を用いることが一般的である。
【0029】
使用されるポリブタジエンは更に任意に官能基(例えばヒドロキシル基またはカルボキシル基)も含んでもよい。
【0030】
上述の種類の好適なポリブタジエンの概要は"Makromolekuele" by H. G. Elias, 4th Edition, Huethig and Wepf-Verlag, Basle, Heidelberg, New York, pages 676 and 744 to 746 and 1012 ff.に記載されている。
【0031】
共重合体b)は溶媒存在下で製造されてもよい。この目的に好適なそれらの実施例は脂肪族、脂環式および/または芳香族炭化水素(例えばアルキルベンゼン、例えばトルエン、キシレン;エステル、例えばエチルアセテート、n-プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n-ブチルアセテート、n-ヘキシルアセテート、2-エチルヘキシルアセテート、エチルプロピオネート、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、対応するメチルエーテルアセテート;エーテル例えばエチレングリコールアセテートモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル;ケトン例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-アミルケトンまたはそのような溶媒の混合物)を含む。
【0032】
共重合体b)は連続的にまたは回分式に製造されてもよい。
【0033】
連続製造の場合、モノマー混合物および開始剤が一様に計量され、連続的に重合反応器に入れられ、同時に対応する量のポリマーが連続的に除かれ、非常に均質な共重合体が得られる。
【0034】
回分式の製造の場合、モノマー混合物および開始剤が重合反応器に計量添加され、ポリマーは反応器の中にとどまる。できるだけ均質な構造で共重合体が得られるように、モノマー混合物および開始剤が一定の速度で反応器の中に計量添加される。
【0035】
本発明の意味で「均質の共重合体」は狭い分子量分布および好ましくは低い多分散性(Mw/Mn)2.5以下および更に実質的には全く同じ分子鎖のモノマー組成を有する共重合体を意味する。
【0036】
一般的に共重合は140〜240℃、好ましくは145〜220℃およびより好ましくは150〜200℃の温度範囲で行う。
【0037】
共重合は15 barまでの圧力のもとで行われてもよい。
【0038】
開始剤は成分b1)〜b7)の総量に基づいて0.05重量%〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に2〜8重量%の量で用いられる。
【0039】
共重合体b)を製造することに関して好適な開始剤は、通例のアゾ化合物または過酸化物に基づいたラジカル開始剤であるが、上述の温度範囲で重合に関して十分に長い半減期、即ちおおよそ5秒〜おおよそ30分の半減期を有するもののみである。好適な実施例は2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシジエチルアセテート、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ-tert-ブチルペルオキシシクロヘキサン、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルペルオキシアセテート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシドおよびジ-tert-アミルペルオキシドを含む。
【0040】
一つの特定の態様において、ポリアクリレートポリオールは、少なくとも一つのオリゴカーボネートポリオールa)の存在下で上述の方法に従って製造される。この重合は有機溶媒の不存在下(この場合オリゴカーボネートポリオールがラジカル重合の反応媒体を構成する)、または有機溶媒とオリゴカーボネートポリオールa)の混合物中で行ってもよい。
【0041】
OH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤B)は、具体例として、例えば、J. Prakt. Chem. 336 (1994) 185-200、テキストでDE-A 16 70 666、19 54 093、24 14 413、24 52 532、26 41 380、37 00 209、39 00 053および39 28 503またはEP-A 336 205、339 396および798 299に開示されるように、単純な脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族ジイソシアネートを変性することによって調製され、少なくとも二つのジイソシアネートから組み立てられ、ウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレト、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を有する全ての所望されるポリイソシアネートである。
【0042】
そのようなポリイソシアネートを製造するのに好適なジイソシアネートは、ホスゲン化によってまたはホスゲンフリーの過程によって(例えば熱ウレタン開裂によって)得られ、脂肪族的に、脂環式的に、芳香脂肪族的におよび/または芳香族的に結合したイソシアネート基を有する140〜400 g/molの分子量範囲の全ての所望されるジイソシアネート(例えば1,4-ジイソシアナトブタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(HDI)、2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,3-および1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)-イソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、1,3-および1,4-ビス(2-イソシアナトプロプ-2-イル)ベンゼン (TMXDI)、2,4-および2,6-ジイソシアナトトルエン(TDI)、2,4'-および4,4'-ジイソシアナトジフェニルメタン(DMI)、1,5-ジイソシアナトナフタレンまたはそのようなジイソシアネートの所望の混合物)である。
【0043】
ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物は好ましくはもっぱら脂肪族的におよび/または脂環式的に結合したイソシアネート基を含む定まったものである。
【0044】
HDI、IPDIおよび/または4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくイソシアヌレート構造を持つポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物がより特に好ましい。
【0045】
加えて更にブロックトポリイソシアネートおよび/またはイソシアネート、好ましくはブロックトポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物、より好ましくはイソシアヌレート構造をもちHDI、IPDIおよび/または4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくブロックトポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物と呼ばれているものを用いることも可能である。
【0046】
イソシアネート基の一時的保護のための(ポリ)イソシアネートのブロッキングはよく確立された実施方法であり、例えばHouben Weyl, Methoden der organischen Chemie XIV/2, pp. 61-70に開示される。
【0047】
好適なブロッキング剤はブロックト(ポリ)イソシアネートが加熱されるとき(任意に触媒の存在下でもよい)に脱離され得る全ての化合物を含む。好適なブロッキング剤の実施例は立体的に嵩高いアミン(例えばジシクロヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、N-tert-ブチル-N-ベンジルアミン、カプロラクタム、ブタノンオキシム、種々の可能な置換型のイミダゾール、ピラゾール(例えば3,5-ジメチルピラゾール)、トリアゾールおよびテトラゾール)、およびアルコール(例えばイソプロパノールおよびエタノール)を含む。さらなる可能性は連続反応で脱離されたブロッキング剤を除いて、形成される中間体が反応によって消費される様な方法でイソシアネート基をブロックすることである。これは特に熱架橋反応が反応によって完全にポリマーの網目構造に結合され、再び脱離しないシクロペンタノン2-カルボキシエチルエステルに関する事例である。
【0048】
特にブロックトポリイソシアネートの使用で同様にさらに付加的な架橋剤として成分B)と一緒にOHまたはNH基に対して反応性である基を有する反応性化合物を用いることが可能である。これらの実施例はアミノ樹脂である。
【0049】
アミノ樹脂と見なされる樹脂は塗料技術によく知られている、メラミンとホルムアルデヒド、または尿素とホルムアルデヒドの縮合物である。エーテル化されない、または1〜4の炭素原子を有する飽和モノアルコールでエーテル化される全ての常套のメラミン-ホルムアルデヒド縮合物が好適である。他の架橋剤が用いられる場合、NCO-反応性ヒドロキシル基を含有する結合剤の量を調整する必要がある。
【0050】
本発明の塗料を製造するための成分A)と成分B)の反応に用いられてもよい触媒は例えば商業的に通例の、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、マンガン、鉄、ビスマス、またはジルコニウム元素を含む有機金属化合物(例えばジブチル錫ラウレート、オクタン酸亜鉛およびチタンテトライソプロポキシド)である。しかしながら、第三級アミン(例えば1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)もまた好適である。
【0051】
20と200℃の間、好ましくは60と180℃の間、より好ましくは70と150℃の間の温度で硬化を行うことによって成分B)と成分A)の反応を加速することも可能である。
【0052】
本発明にきわめて重要なポリオール混合物A)に加えて、さらに有機ポリヒドロキシル化合物またはポリウレタン塗料技術の当業者に知られているアミン反応性希釈剤を用いることも可能である。
【0053】
これらの他のポリヒドロキシル化合物は通例のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオールまたはさらに、今まで記述されなかったポリカーボネートポリオールおよびポリアクリレートポリオールでもよい。さらなる有機ポリヒドロキシル化合物として、もしそのような化合物が全く本発明にきわめて重要なポリオール成分A)といっしょに用いられるとすると、常套の、先行技術のポリアクリレートポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを用いることが好ましい。アミン反応性希釈剤はブロックトアミノ基(例えばアルジミンまたはケチミン)を含む化合物、またはまだフリーであるが反応性が弱くなったアミノ基(例えばアスパラギン酸エステル)を含む化合物であってもよい。一般法則のようにアミン反応性希釈剤は一つより多くの(ブロックト)アミノ基を有し、それゆえに架橋反応の中で高分子塗料膜網状構造に関与する。
【0054】
本発明のポリオール成分A)と並んでさらに前述のポリヒドロキシル化合物またはアミン反応性希釈剤が使用されるなら、これらの付加的なイソシアネート-反応性化合物の画分は、本発明にきわめて重要な成分A)の量に基づいて50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。しかしながら、特に好ましくは、発明にきわめて重要なポリオール成分A)が本発明の塗料において唯一のポリオールとして使用される。
【0055】
成分B)対成分A) (および、任意に、さらに架橋剤および硬化剤でもよい)の比は例えば0.3対2、好ましくは0.4対1.5、より好ましくは0.5対1.2のフリーのNCO/OH比(および任意にブロックトNCO基対イソシアネート-反応基でもよい)になるようにする。
【0056】
本発明にきわめて重要な塗料において、本発明にきわめて重要な成分A)およびB)に加えて、塗料技術で通例の添加剤(例えば有機または無機顔料、さらに有機光安定剤、遊離基掃去剤(free-radical scavengers)、塗料添加剤(例えば分散剤、流れ調整剤、増粘剤、脱泡剤および他の添加剤)、接着剤(adhesion agents)、殺カビ剤、殺菌剤、安定剤または阻害剤および別の触媒)を用いることが可能である。
【0057】
本発明の塗料は好ましくはプラスチック塗料、一般工業塗料、大型自動車塗料(large-vehicle coating)、自動車の表面再仕上げ(automotive refinish)、オリジナル自動車塗料(original automotive coating)、床面塗料(floor coating)および/または木材/家具塗料(wood/furniture coating)の分野で用いられる。
【0058】
従って、本発明の塗料を用いることにより得られる塗膜および塗装された基材もまた提供される。
【0059】
実施例
Desmophen(登録商標) A 870:ドイツ国、レーフエルクーゼンのBayer MaterialScience AGからのヒドロキシル-含有ポリアクリレート;ブチルアセテート中で約70%の強度、DIN 53 240/2に対してヒドロキシル分:およそ2.95%。
Desmophen(登録商標) VP LS 2971:ドイツ国、レーフエルクーゼンのBayer MaterialScience AGからの弾性を持たせているヒドロキシル-含有ポリエステルDesmophen;ブチルアセテート中約80%の強度、DIN 53 240/2に対してヒドロキシル分;およそ3.8%。
Desmodur(登録商標) N 3600:ドイツ国、レーフエルクーゼンのBayer MaterialScience AGからの脂肪族ポリイソシアヌレート; 100重量%、DIN EN ISO 11909に対して23重量%のNCO含量を有する
Desmodur(登録商標) N 3390 BA:ドイツ国、レーフエルクーゼンのBayer MaterialScience AGからの脂肪族ポリイソシアヌレート; n-ブチルアセテート中で90重量%、DIN EN ISO 11909に対して19.6重量%のNCO含量を有する
ヒドロキシル価(OH価)はDIN 53240-2に従って測定した。
粘度はDIN EN ISO 3219に従ってドイツ国Haakeからの"Roto Viscol"回転粘度計を用いて測定した。
酸価はDIN EN ISO 2114に従って測定した。
色数(APHA)はDIN EN 1557に従って測定した。
【0060】
実施例1
1,6-ヘキサンジオールに基づき、1000 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールの調製
トップマウンテッド蒸留ユニット(top-mounted distillation unit)、スターラーおよび受け器を有する5 lの圧力容器に、0.7 gのアセチルアセトンイッテルビウム(III)(ytterbium(III) acetylacetonate)を含む2943 gの1,6-ヘキサンジオールと1051 gのジメチルカーボネートを80℃で仕込んだ。次いでこの反応混合物を窒素雰囲気下2時間にわたって150℃に加熱し、攪拌しながら還流下2時間、150℃に保ち、圧力を3.9 bar(絶対圧力)に上げた。次いで、脱離生成物、メタノールをジメチルカーボネートとの混合物として蒸留により除去し、圧力を4時間かけて連続的に全部で2.2 barまで下げた。続いて蒸留手順を終え、さらに150℃で1051 gのジメチルカーボネートを反応混合物に入れ、この反応混合物を攪拌しながら還流下2時間、150℃に保ち、圧力を3.9 bar(絶対圧力)に上げた。その後、メタノール脱離生成物を再びジメチルカーボネートとの混合物として蒸留により除去し、圧力を4時間かけて連続的に全部で2.2 barまで下げた。次に、蒸留手順を終え、さらに150℃で841 gのジメチルカーボネートを反応混合物に入れ、この反応混合物を攪拌しながら還流下2時間、150℃に保ち、圧力を3.5 bar(絶対圧力)に上げた。その後、メタノール脱離生成物を再びジメチルカーボネートとの混合物として蒸留により除去し、圧力を4時間かけて大気圧まで下げた。続いて反応混合物を2時間かけて180℃まで加熱し、攪拌しながら2時間にわたってその温度を保った。その後、温度を130℃まで下げ、窒素の流れ(5 l/h)を反応混合物を通し、その間、圧力を20 mbarまで下げた。その後、温度を4時間にわたって180℃まで上げ、6時間保持した。次いで反応混合物からジメチルカーボネートとの混合物としてメタノールのさらなる除去を行った。空気を導入し、反応槽を室温まで冷却した後、以下の特性:
Mn = 1035 g/mol; OH価 = 108.2 mg KOH/g;粘度: 75℃で510 mPas
を有する無色のワックス状オリゴカーボネートジオールが得られた。
【0061】
実施例2
3-メチル-1,5-ペンタンジオールに基づき、650 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールの調製
最初に1,6-ヘキサンジオールの代わりに34092 gの3-メチル-1,5-ペンタンジオールおよび8.0 gのアセチルアセトンイッテルビウム(III)を60 lの圧力容器に入れ、ジメチルカーボネートを三段階(10223 g二回および7147 g一回)で添加する以外は実施例1と同じように行った。
これは以下の特性:Mn = 675 g/mol; OH価 = 166.0 mg KOH/g;粘度: 23℃で4146 mPasを有する無色の液状オリゴカーボネートジオールを与えた。
【0062】
実施例3
シクロヘキサンジメタノールに基づき、500 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールの調製
1,6-ヘキサンジオールの代わりに3119 gのシクロヘキサンジメタノールおよびジメチルカーボネートを三段階(659 g二回および527 g一回)で加える以外は実施例1と同じように行った。
これは以下の特性:Mn = 518 g/mol; OH価 = 216.4 mg KOH/g;粘度: 75℃で5700 mPasを有する無色の液状オリゴカーボネートジオールを与えた。
【0063】
実施例4
シクロヘキサンジメタノールに基づき、650 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールの調製
1,6-ヘキサンジオールの代わりに2018 gのシクロヘキサンジメタノールおよびジメチルカーボネートを三段階(1101 g二回および881 g一回)で加える以外は実施例1と同じように行った。
これは以下の特性:Mn = 625 g/mol; OH価 = 179.3 mg KOH/g;粘度: 75℃で14000 mPasを有する無色の液状オリゴカーボネートジオールを与えた。
【0064】
実施例5
3-メチル-1,5-ペンタンジオールに基づき、500 g/molの数平均分子量を有する脂肪族オリゴカーボネートジオールの調製
最初に1,6-ヘキサンジオールの代わりに3018 gの3-メチル-1,5-ペンタンジオールを加え、ジメチルカーボネートを三段階(835 g二回および668 g一回)で加える以外は実施例1と同じように行った。
これは以下の特性:Mn = 539 g/mol; OH価 = 207.7 mg KOH/g;粘度: 23℃で2500 mPasを有する無色の液状オリゴカーボネートジオールを与えた。
【0065】
実施例6
トリメチロールプロパンに基づく脂肪族オリゴエステルの調製
実施例7の反応器に3155 gのトリメチロールプロパン、1345 gのε-カプロラクトンおよび2.2 gのジブチル錫ジラウレート(DBTL)を仕込んだ。容器の内容物を160℃に加熱し、160℃で6時間攪拌し、次に20℃に冷却し、以下の特性:固形分: 99.5重量%, 23℃での粘度: 4100 mPa・s,酸価: 0.5 mg KOH/g,ヒドロキシル価: 881 mg KOH/g,ヒドロキシル分: 26.7重量%,ハーゼン色数: 44 APHAを有する透明の樹脂を得た。
【0066】
実施例7
本発明にきわめて重要なコポリマーA1〜A7の調製指示
スターラー、蒸留装置、モノマー混合物および開始剤のための溜め容器(計量型ポンプを含む)および自動温度調節器を持つ5-lステンレス鋼加圧反応器にパート1を仕込み、次に所望の重合温度に加熱した。次に、同時に始め、分離した供給を通して、パート2(モノマー混合物)を3時間にわたって計量添加し、パート3(開始剤溶液)を3.5時間にわたって計量添加し、重合温度を一定(±2℃)に保った。次に重合温度で60分間攪拌した。その後、さらにパート4が用いられる場合、このバッチを80℃に冷却し、上述のパート4を計量添加し、混合物を80℃で30分間攪拌した。バッチをそれから室温に冷却し、その固形分を測定した。このコポリマーは70±1%の固形分を有するはずである。固形分≦68%の場合、反応を開始剤の下の量の5%と150℃で30分間行った。固形分が68%と69%の間の場合、蒸留を70±1%まで行った。その後コポリマーを濾過装置(Supra T5500、ポアサイズ25〜72μm、ドイツ国、バッドクロイツナーのSeitz-Filter-Werke GmbH)を通して濾過した。パート1〜4の組成物および得られた生成物の特性を表1に記述した。
【0067】
【表1】



【0068】
性能例:
実施例8
ミルベース(millbase)(成分8A)の調製
112.2 gのポリオールA7を8.7 gの実施例2の脂肪族オリゴカーボネートジオール、1.34 gのBaysilone(登録商標) OL 17 (MPA中の10%濃度溶液; Borchers GmbH, Langenfeld)、2.69 gのTinuvin(登録商標) 292 (MPA中の50%濃度溶液、Ciba Spezialitaetenchemie Lampertheim GmbH, Lampertheim)、4.03 gのTinuvin(登録商標) 382/4 (MPA中の50%濃度溶液、Ciba Spezialitaetenchemie Lampertheim GmbH, Lampertheim)、1.34 gのModaflow(登録商標) (MPA中の1%濃度溶液; Brenntag AG, Muelheim/R)、26.21 gの1-メトキシプロピルアセテート-2とソルベントナフサ100の1:1混合物と混合し、この成分を共に均質にした。
【0069】
硬化剤溶液(成分8B)の調製
47.2 gのDesmodur(登録商標) N 3600を26.21 gの1-メトキシプロピルアセテート-2とソルベントナフサ100の1:1混合物と混合し、この成分を共に均質に攪拌した。
【0070】
実施例9〜13
表2に記載されている原材料を用いることを除いて実施例8Aまたは8Bと同じ手順。
【0071】
【表2】



【0072】
ミルベースと硬化剤の混合、および適用:
上に記述された成分A(ミルベース)およびB(硬化剤)をそれぞれ互いに混合し、共に均質に攪拌した。その後、この混合物をそれぞれ黒いベースコートで予備塗装された金属コイル被膜パネルにエアガンを用いて適用し、適用された混合物を室温で10分間蒸発分離し、それから強制通風炉(forced-air oven)の中で140℃で30分間焼き付けた。このことは約40 μmの乾燥塗膜厚を有する、輝く高光沢塗膜を与えた。この塗膜に関して解った塗料の技術的ペイント特性の検討を表3に記述する。
【0073】
【表3】

【0074】
試験方法:
振り子硬度:
振り子硬度はDIN EN ISO 1522に従って測定した。
耐ガソリン性:
FAM試験燃料でDIN 51 635に対してVDA 621-412に基づく方法(試験 A 4.1.1 Yおよび4.1.3 Y)およびキシレン中で試験をする;暴露時間10分:
【0075】
耐擦り傷性:
耐擦り傷性はDIN 55668「実験室洗浄ユニットで塗膜の耐擦り傷性を試験する」方法に従って測定した。光沢の度合いを反射率計の値としてDIN 67 530に従って10往復ストロークの前後および、さらに、60℃で2時間の貯蔵(リフロー)の後にも測定した。
耐薬品性:
耐薬品性はDIN EN ISO 2812/5(ドラフト)に従って温度勾配炉で測定した。
実施例8〜13に従って本発明の塗膜は比較例1および2と比較して−リフローの前後両方で−改善した耐擦り傷性を示す。本発明の塗膜の耐薬品性および特に耐酸性は、全体で記述された比較例のそれよりも良い。
【0076】
本発明を説明の目的で上記に詳細に説明したが、そのような詳細は、請求項によって規定されるものを除いて、もっぱら説明の目的のためであって、変更が発明の精神および範囲から逸脱しない限り当業者によってなされ得ると解釈されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A) a) 200〜5000 g/molの数平均分子量Mnを有する脂肪族オリゴカーボネートポリオール1重量%〜50重量%および
b) ヒドロキシ官能ポリアクリレートポリーオール50重量%〜99重量%
を含有するポリオール成分
および
B) 平均NCO官能価≧2.0を有する一以上のOH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤
を含有する塗料。
【請求項2】
成分a)の量が1重量%〜10重量%および成分b)の量が90重量%〜99重量%の請求項1記載の塗料。
【請求項3】
成分a)において、200〜2000 g/molの分子量を有し、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノールまたはそれらの混合物から誘導される脂肪族オリゴカーボネートポリオールが用いられる請求項1記載の塗料。
【請求項4】
成分b)において、
b1) 500〜2000 g/molの数平均分子量を有し、少なくとも40 mol%の1,2-ペンダントビニル性二重結合部分を有し、全てのビニル性二重結合がポリブタジエン中にあることに基づく、0.4重量%〜5重量%の一以上の任意に官能性でもよいポリブタジエン、
b2) スチレン5重量%〜20重量%、
b3) ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはそれらの混合物30重量%〜60重量%、
b4) イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、および4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートからなる群からの一以上の化合物0〜15重量%、
b5) アクリル酸またはメタクリル酸と脂肪族C1〜C4モノアルコールの一以上のエステル25重量%〜45重量%、
b6) アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物0.5重量%〜2重量%および
b7) ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、脂肪族、任意に枝分かれしたC1〜C9モノカルボン酸のビニルエステル、マレイン酸またはフマル酸とC3〜C6モノアルコールのジアルキルエステルまたはジ(シクロ)アルキルエステルからなる群からの一以上の化合物0重量%〜15重量%
のコポリマーが用いられ、成分b1)〜b7)の重量百分率の合計が100重量%である請求項1記載の塗料。
【請求項5】
成分b)において用いられるコポリマーが多分散性(Mw/Mn)≦2.5を有する請求項4記載の塗料。
【請求項6】
ポリオール成分A)が脂肪族オリゴカーボネートポリオールa)の中でコポリマーb)の対応するモノマーを重合することによって調製される請求項1記載の塗料。
【請求項7】
成分B)においてHDI、IPDI、および/または4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンから誘導されるイソシアネート構造をもつポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物が用いられる請求項1記載の塗料。
【請求項8】
フリーのNCO/OH比および任意にブロックトNCO基対イソシアネート反応性基でもよい、が0.5〜1.2である請求項1記載の塗料。
【請求項9】
請求項1記載の塗料から作られる塗膜。
【請求項10】
請求項9記載の塗膜で被覆された支持体。

【公開番号】特開2007−16231(P2007−16231A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−162292(P2006−162292)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】