説明

耐水性インクジェット印刷可能シート

インクジェット記録可能基材のための、7未満のpHを有する耐水性コーティング組成物であって、このコーティング組成物は、(a)水性ポリウレタン分散液;および(b)窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液を含む。適切な基材に塗布された場合に、このコーティング組成物は、鮮明で、水で剥げない画像の記録を可能にする。コーティングされたインクジェット記録可能基材もまた開示され、その基材は、少なくとも1つの側を有する基材を含み、そしてその基材の少なくとも1つの側は、上記のコーティング組成物から誘導されるコーティング層を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、インクジェット記録可能基材に関する。特に、本発明は、実質的に耐水性の、少なくとも部分的にコーティングされたインクジェット記録可能基材に関する。本発明はさらに、実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続されたインクジェット記録可能基材を含む多層品に関する。さらに、本発明は、この多層品を作製するためのプロセスに関する。本出願は、10/654,377(2003年9月3日出願);10/654,119(2003年9月3日出願);および10/654,433(2003年9月3日出願)への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
構造への液体の浸透を遅らせるかまたは防止するために、種々のサイジング成分で紙にサイズ処理することは、当該分野で周知である。例えば、「内部サイジング(internal sizing)」は、製紙操作の間に、サイジング材料をパルプに導入することからなる。このサイジング材料は、主として最終の乾燥紙への液体の浸透を制御するために、その繊維の上に沈殿される。さらに、「表面サイジング(surface sizing)」は、前もって形成された紙への、膜形成性物質(例えば、加工デンプン、ゴム、および変性ポリマー)の分散液の塗布を包含する。表面サイジングは、その紙に強度を賦与する。
【0003】
インクジェットプリンタ(主として、水ベースのインクを含む)で印刷するためのサイジングされた紙の使用は、筒状に巻き上がる傾向がある、印刷された紙を与え得る。アンサイズペーパー(サイジングしない紙)の使用は、その印刷されたシートの一方の側が水と接触した状態になる場合には、そのシートを通る画像の移行および他の側の画像との干渉を生じ得る。
【0004】
当該分野で、上記の問題を克服するための種々の試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,709,976号は、疎水性バリア材料および画像受容層でコーティングされた紙基材を開示する。米国特許第6,140,412号は、水性カチオン性ポリウレタン樹脂溶液で紙をコーティングするためのプロセスを教示する。日本国特許(JP)第11216945号は、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン樹脂乳化剤、ポリビニルアルコールおよびカチオン性樹脂を含む組成物で紙をコーティングするためのプロセスを開示する。さらに、米国特許第6,020,058号は、アクリル組成物を開示し、そして米国特許第6,025,068号は、ウレタン−アクリルコポリマーを開示する。
【0005】
米国特許第4,861,644号および同第5,196,262号は、直鎖超高分子量ポリオレフィン、大部分の微粉砕された水不溶性シリカ質充填剤、および相互接続する細孔のマトリクスを含む細孔性材料シートを開示する。米国特許第6,025,068号は、揮発性水性液体媒体中に溶解または分散した結合剤を含むコーティング組成物で細孔性ポリオレフィン基材をコーティングする方法を教示する。
【0006】
インクジェット記録材料のための別のコーティング組成物が、日本国特許(JP)第2001−184881号に開示されている。この参考文献は、非イオン性ポリウレタンまたはアニオン性ポリウレタン、およびモノマー状の第2級アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物を含むコーティング組成物を開示する。日本国特許(JP)第11268406号および同(JP)2000153667号は、インクジェット印刷基材のための防水コーティングにおいて有用なカチオン性ポリウレタンを開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
長持ちし、耐水性であり、そしてインクジェット印刷用インクが塗布された際に、鮮明な画像を記録し得るインクジェット記録媒体に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、インクジェット記録可能基材のための実質的に耐水性のコーティング組成物に関する。このコーティング組成物は、7未満のpHを有し、以下:
(a)水性ポリウレタン分散液;および
(b)窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液、
を含む。
【0009】
非限定的な実施形態では、本発明のコーティング組成物は、さらにアクリルポリマーを含み得る。
【0010】
本発明はまた、インクジェット記録可能基材を少なくとも部分的にコーティングする方法をに関し、この方法では、上記のコーティング組成物がその基材に塗布される。
【0011】
本発明はさらに、インクジェット記録可能基材の少なくとも一方の側が、上記のコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティング層を有する、インクジェット記録可能基材に関する。
【0012】
本発明はまた、実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続された細孔性基材を含む多層品に関し、この細孔性基材は、上記のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
そうではないと示されない限り、本明細書で使用される成分の量、反応条件などに言及するすべての数または表現は、すべての例において、用語「約」で修飾されていると理解されるべきである。
【0014】
そうではないと示されない限り、(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリレートモノマー、および(メタ)アクリルアミドモノマーへのすべての言及は、メタクリル化学種およびアクリル化学種の両方を含むことを意味する。
【0015】
種々の数値範囲が、本特許出願において開示される。これらの範囲は連続的であるので、それらは最小値と最大値との間のあらゆる値を含む。そうではないと明示的に示されない限り、本出願中で特定される種々の数値範囲は、近似値である。
【0016】
本発明のコーティング組成物は、水性ポリウレタン分散液、および窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液を含む。
【0017】
本発明における使用のための適切なポリウレタンとしては、実質的に水に分散可能な任意のポリウレタンが挙げられ得る。本発明における使用のための水性ポリウレタン分散液の非限定的な例としては、任意の公知の水分散可能な非イオン性ポリウレタン、アニオン性ポリウレタン、カチオン性ポリウレタンおよびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0018】
アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとの混合は、たいていは水および他の溶媒に不溶なポリ塩をもたらし得る。本発明では、水性アニオン性ポリウレタン分散液へのカチオン性窒素含有ポリマーの水溶液の添加が、インクジェット記録可能基材のためのコーティング組成物として有用な安定な分散液をもたらすことが見出されている。しかし、このアニオン性ポリウレタン分散液がこのカチオン性窒素含有ポリマーの水溶液へ添加されるように添加順序を逆にすると、この水溶液からポリ塩の形成および沈殿が生じ得る。
【0019】
本発明の非限定的な実施形態では、水性媒体中に分散したポリウレタンポリマーの粒子を含むポリウレタン樹脂の水性分散液が、本発明において使用され得る。
【0020】
本発明における使用のためのポリウレタンは、当該分野で公知の種々の方法により調製され得る。例えば、ポリイソシアネートがポリオールと反応され得、プレポリマー(例えば、末端イソシアネート化プレポリマー)が形成され得る。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基を有する化合物(例えば、ジイソシアネートであるが、これに限定されない)をいう。本発明における使用のための適切なジイソシアネートの非限定的な例としては、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられ得るが、これらに限定されない。適切な三官能性イソシアネートまたはより多官能性のイソシアネートの非限定的な例としては、ジイソシアネートとポリオール(例えば、トリメチロールプロパン、グリセロールおよびペンタエリトリトール)との反応生成物が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態では、本発明における使用のためのポリイソシアネートとしては、Bayer Corporationより市販されるDesmodurが挙げられ得る。
【0021】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「ポリオール」とは、1つより多いヒドロキシル基を有する化合物をいう。本発明における使用のための適切なポリオールの非限定的な例としては、上記ポリイソシアネートが調製され得るポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリエーテルポリオール(これらに限定されない)のようなポリオールが挙げられ得る。
【0022】
このポリイソシアネートとポリオールとの反応は、有機溶媒の存在下で実施され得る。適切な有機溶媒としては、n−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、およびグリコールエーテルが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0023】
非限定的な実施形態では、このプレポリマーは、酸基を有するジヒドロキシル化合物(例えば、ジメチロールプロピオン酸)と反応し、少なくとも1つのペンダント酸基を有するポリウレタンを生成し得る。この酸基としては、カルボン酸基またはスルホン酸基が挙げられ得る。ペンダント酸基を有するポリウレタンは、次いで塩基と反応され、アニオン性ポリウレタンを生成し得る。
【0024】
本発明における使用のためのアニオン性ポリウレタン樹脂の水性分散液は、水性媒体に分散されたアニオン性ポリウレタンポリマーの粒子を含み得る。このポリウレタンポリマーは、少なくとも1つのペンダント酸基を含み得、このペンダント酸基は、塩基の存在下で中和されてアニオン性基を生成し得、このことが上記分散液を安定化し得る。この塩基は、無機塩基、アンモニア、アミン、およびこれらの混合物からなる群より選択され得る。
【0025】
本発明における使用のためのアニオン性ポリウレタンは、当該分野で公知の方法により調製され得る。非限定的な実施形態では、(i)ポリイソシアネート、(ii)ポリオール、(iii)酸基を有する化合物、および必要に応じて(iv)鎖延長化合物(例えば、ポリアミンまたはヒドラジン)が反応されアニオン性ポリウレタンを生成し得る。
【0026】
非限定的な実施形態では、末端イソシアネート化プレポリマーは、塩基の存在下で水中に分散され得、次いでポリアミンを添加することにより鎖延長され得る。さらなる非限定的な実施形態では、このプレポリマーは、有機溶媒溶液中で鎖延長され、次いでこのポリウレタンプレポリマーは、この塩基の存在下で水に分散される。
【0027】
本発明における使用のための適切なアニオン性ポリウレタンとしては、芳香族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、芳香族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエステルポリウレタン、芳香族ポリカプロラクタムポリウレタン、および/または脂肪族ポリカプロラクタムポリウレタンに基づくアニオン性ポリウレタンが挙げられ得る。非限定的な実施形態では、本発明における使用のためのアニオン性ポリウレタン分散液は、WitcoBond(登録商標)の商標名でCrompton Corporationから商業的に入手され得る。
【0028】
別の非限定的な実施形態では、本発明の水性アニオン性ポリウレタン分散液は、70重量%まで、または65重量%まで、または60重量%まで、または50重量%までのこのアニオン性ポリウレタンを含み得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、この水性アニオン性ポリウレタン分散液は、少なくとも1重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%の上記アニオン性ポリウレタンを含む。この水性アニオン性ポリウレタン分散液中のアニオン性ポリウレタンの量は、重要ではない。一般に、この量は、この分散液自体または上記窒素含有ポリマーとの混合物を不安定にさせるほどに多くあるべきでも、上記コーティング組成物が十分な耐水性および耐こすり性を提供しないか、またはこの分散液自体を不安定にするほどに少なくあるべきでもない。このアニオン性ポリウレタンは、上に示された値を含む値の任意の範囲で、この水性アニオン性ポリウレタン分散液中に存在し得る。
【0029】
本発明における使用のためのカチオン性ポリウレタン分散液としては、非常に様々な公知の水分散可能カチオン性ポリウレタンが挙げられ得る。非限定的な例としては、Witcobondの商標名でCrompton Corporationから市販されているカチオン性ポリウレタン(例えば、Witcobond W−213およびWitcobond W−215処方物)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0030】
このカチオン性ポリウレタンは、当該分野で公知の種々の方法により調製され得る。米国特許第3,470,310号は、ポリウレタンに結合した塩型基を含むポリウレタンの水分散液の調製を開示する。米国特許第3,837,484号は、アルコキシ化ジオール、N−アルキルジアルカノールアミン、有機ジイソシアネートを反応させ、そして硫酸ジアルキル第4級化剤で第4級化することにより調製された第4級化ポリウレタンプレポリマーから調製されたポリウレタンの水性分散液を開示する。米国特許第6,221,954号は、ポリウレタンプレポリマーを作製するための方法を教示するが、そこではN−モノアルカノール第3級アミンが、強酸の存在下でアルキレンオキシドと反応してポリオール塩を形成し、このポリオール塩が、過剰量の有機ポリイソシアネートとさらに反応し、そして活性水素含有化合物で鎖延長されている。
【0031】
別の非限定的な実施形態では、本発明における使用のための水性カチオン性ポリウレタン分散液は、70重量%まで、または65重量%まで、または60重量%まで、または50重量%までのこのカチオン性ポリウレタンを含み得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、この水性カチオン性ポリウレタン分散液は、少なくとも1重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%の上記カチオン性ポリウレタンを含み得る。この水性カチオン性ポリウレタン分散液中のカチオン性ポリウレタンの量は、重要ではない。一般に、この量は、この分散液自体または上記窒素含有ポリマーとの混合物を不安定にさせるほどに多くあるべきでも、上記コーティング組成物が十分な耐水性および耐こすり性を提供しないか、またはこの分散液自体を不安定にするほどに少なくあるべきでもない。このカチオン性ポリウレタンは、上に示された値を含む値の任意の範囲で、この水性カチオン性ポリウレタン分散液中に存在し得る。
【0032】
本発明における使用のための非イオン性ポリウレタン分散液は、種々の公知の水分散可能非イオン性ポリウレタンより選択され得る。この非イオン性ポリウレタンは、当該分野で公知の種々の方法により調製され得る。例えば、Szycher(すなわち、Michael Szycherによる「Szycher’s Book of Polyurethanes」、CRC Press、New York、NY、1999、14ページ10行〜14ページ15行)は、ポリウレタン(このポリウレタンは、そのポリウレタン主鎖から分岐するかまたはその主鎖の末端に位置するかのいずれかの親水性ポリエーテル型基を含む)の水分散液の調製を記載する。ポリエチレンオキシド単位(200〜4,000の分子量(MW)を有する)が、分散性部位として使用され得る。別の非限定的な実施形態では、非イオン性ポリウレタンは、ペンダントポリエチレンオキシド鎖を有するジオールまたはジイソシアネートコモノマーを使用して調製され得る。
【0033】
別の非限定的な実施形態では、本発明における使用のための水性非イオン性ポリウレタン分散液は、70重量%まで、または65重量%まで、または60重量%まで、または50重量%までのこの非イオン性ポリウレタンを含み得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、この水性非イオン性ポリウレタン分散液は、少なくとも1重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%の上記非イオン性ポリウレタンを含み得る。この水性非イオン性ポリウレタン分散液中に存在する非イオン性ポリウレタンの量は、重要ではない。一般に、この量は、この分散液自体または上記窒素含有ポリマーとの混合物を不安定にさせるほどに多くあるべきでも、上記コーティング組成物が十分な耐水性および耐こすり性を提供しないか、またはこの分散液自体を不安定にするほどに少なくあるべきでもない。この非イオン性ポリウレタンは、上に示された値を含む値の任意の範囲で、この水性非イオン性ポリウレタン分散液中に存在し得る。
【0034】
本発明の別の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物における色止め剤としての使用のための窒素含有ポリマーの水溶液は、7未満、または6未満、または5未満のpHを有し得る。この範囲内のpH値によって、この窒素原子の少なくとも一部分が少なくとも一部の電荷を保有し得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、得られるコーティング組成物は、7未満、または6未満、または5未満のpHを有し得る。さらに、pHが上記の範囲内である場合に、選択された基材上で、上記コーティング組成物の濡れ作用が、改善され得る。非限定的な実施形態では、商業的な用途における使用のためのコーティング組成物は、2より大きいpHを有し得る。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「水溶液」は、上記窒素含有ポリマーが、液体媒体(例えば、水)に少なくとも部分的に可溶であることを意味する。
【0036】
色止め剤は、一般に、色素を基材に固定するために使用され、その基材が水と接触した場合に、その色素がその基材から滲み出すかまたは移行することを防ぐ。
【0037】
窒素原子の少なくとも一部が、上記コーティング組成物の上記のpH範囲内で、少なくとも一部のカチオン性電荷を有する、公知のカチオン性窒素含有ポリマーが、本発明において色止め剤として使用され得る。適切なカチオン性窒素含有ポリマーとしては、以下:
【0038】
【化4】

の窒素含有モノマーの1つ以上から誘導される1つ以上のモノマー残基を有するカチオン性ポリマーが挙げられ得、ここでRは、独立に、各構造における各出現について、HまたはC〜C脂肪族を表し;Rは、独立に、各構造について、C〜C20脂肪族炭化水素、ポリエチレングルコールおよびポリプロピレングリコールより選択される二価結合基を表し;Rは、独立に、各構造における各出現について、H、C〜C22脂肪族炭化水素、またはこの窒素のエピクロロヒドリンとの反応からの残基を表し;Zは、−O−、または−NR−より選択され、ここでRは、HまたはCHであり;そしてXは、ハライドおよびメチルスルフェートである。
【0039】
本発明における使用のための窒素含有モノマーまたは得られるモノマー残基の非限定的な例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムハライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムハライド、アミンがエピクロロヒドリンと反応したアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、およびジアリルジメチルアンモニウムハライドが挙げられ得る。
【0040】
非限定的な実施形態では、この窒素含有ポリマーは、さらなるモノマー残基を含み得る。このさらなるモノマー残基は、上記窒素含有モノマーと共重合された場合に、得られるポリマーが少なくとも部分的に水に可溶であることを可能にする種々の重合可能なエチレン性不飽和モノマーから獲得され得る。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「部分的に可溶」とは、10グラムのそのポリマーが1リットルの水に添加され、24時間の間、混合された場合に、少なくとも0.1グラムのポリマーが水に溶解することをいう。
【0041】
上記窒素含有モノマーと共重合され得るモノマーの非限定的な例としては、(メタ)アクリルアミド、n−アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレートのアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のグリコールエステル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、イタコン酸、イタコン酸のアルキルエーテル、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、無水マレイン酸、マレイミド、アコニット酸、アコニット酸のアルキルエステル、アリルアルコールおよびアリルアルコールのアルキルエーテルが挙げられる。
【0042】
別の非限定的な実施形態では、この窒素含有ポリマーは、窒素含有モノマーのホモポリマーまたは1つ以上の窒素含有ポリマーのコポリマーであり得る。別の実施形態では、この窒素含有ポリマーは、1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和モノマーと1つ以上の窒素含有モノマーとのコポリマーであり得る。この窒素含有ポリマーが、上記のさらなる重合可能なエチレン性不飽和コモノマーのいずれかを含む場合には、この窒素含有ポリマーは、70mol%以下、または50mol%以下、または25mol%以下、または10mol%以下の上記窒素含有モノマーを含み得る。窒素含有モノマーの量は、本コーティング組成物で使用されるポリウレタンに依存し得る。一般に、上記窒素含有ポリマーで使用される窒素含有モノマーの量が多すぎる場合、上記窒素含有ポリマーとポリウレタン分散液との不安定な混合物が生じ得る。不安定な混合物をインクジェット記録可能基材に適切に塗布することは困難なことがあり得る。
【0043】
別の非限定的な実施形態では、上記窒素含有ポリマーが、上記のさらなる重合可能なエチレン性不飽和コモノマーのいずれかを含む場合には、この窒素含有ポリマーは、少なくとも0.1mol%、または少なくとも1.0mol%、または少なくとも2.5mol%、または少なくとも5.0mol%の上記窒素含有モノマーを含み得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、上記窒素含有ポリマー中の窒素含有モノマーの量が少なすぎる場合には、上記窒素含有ポリマーは、十分な色留め特性を提供し得ず、コーティングされた基材上の記録されたインク画像が、十分な耐水性および耐こすり性を欠き得る。
【0044】
上記窒素含有モノマーは、上に示された値を含む値の任意の範囲で、上記窒素含有ポリマー中に存在し得る。上記さらなる重合可能なエチレン性不飽和モノマーは、全百分率が100mol%であるような量で存在し得る。
【0045】
本発明の別の非限定的な実施形態では、この窒素含有ポリマー色止め剤の水溶液は、少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%の上記窒素含有ポリマー;および50重量%以下、または45重量%以下、または40重量%以下の上記窒素含有ポリマーを含み得る。一般に、この窒素含有ポリマーの濃度が低すぎる場合、商業的な塗布のためには経済的ではないかもしれず、そしてあまりに希薄すぎて上記ポリウレタンとの最適比を提供し得ないことがあり得る。一般に、この濃度が高すぎる場合、この溶液は、あまりに粘度が高すぎて、商業的環境において容易に取り扱い得ないことがあり得る。本発明において有用なカチオン性窒素含有ポリマーの非限定的な例としては、エピクロロヒドリンと反応したポリアミドアミンの溶液が挙げられ得、このポリアミドアミンの溶液は、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyから、CinFixの商標名で市販されている。
【0046】
別の非限定的な実施形態では、本発明のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物は、10重量%〜70重量%の、または20重量%〜60重量%の、または30重量%〜50重量%の、水性ポリウレタン分散液;および30重量%〜90重量%の、または40重量%〜80重量%の、または50重量%〜70重量%の、窒素含有ポリマーの水溶液を含み得る。上記重量%は、インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の総重量に基づく。
【0047】
本発明の非限定的な実施形態では、本発明のコーティング組成物は、アクリルポリマーを含有し得る。上記アクリルポリマーは、当業者に公知の、広い種類のアニオン性アクリルポリマー、カチオン性アクリルポリマーおよび非イオン性アクリルポリマーから選択され得る。
【0048】
適切なカチオン性アクリルポリマーの非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ならびに、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリルアミドおよびそれらの混合物から選択されるモノマー型を有するポリマー。
【0049】
上記カチオン性アクリルポリマーは、当該分野で公知の種々の方法によって調製され得る。非限定的な実施形態では、カチオン性アクリルポリマーは、フリーラジカル溶液重合によって、以下のモノマー型:アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよび2−(t−ブチルアミノ)エチルメタクリレートから合成され得る。アクリル酸ブチルのモル当量は、0.10〜0.95、または0.15〜0.75であり得;メタクリル酸メチルのモル当量は、0.10〜0.85、または0.15〜0.70であり得;そして2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレートのモル当量は、0.10〜0.25、または0.12〜0.20であり得る。その反応混合物は、pHが4.0〜7.0の範囲内になるように、酸で処理され得る。次いで、上記混合物は、ストリッピングされた水および溶媒で希釈され得る。上記処理工程での使用に適切な酸の非限定的な例としては、カチオン性ポリマーの安定な分散液を生じるための溶解剤または分散液として機能し得る、広い範囲の種々の酸が挙げられる。ストリッピング工程での使用に適切な溶媒の非限定的な例としては、イソプロパノールおよびメチルイソブチルケトン(MIBK)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0050】
本発明の別の非限定的な実施形態では、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよび2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレートのモル当量は、それぞれ、0.200〜0.250:0.600〜0.630:0.150〜0.170であり得るか、またはそれぞれ、2.19:0.621:0.160であり得る。
【0051】
さらなる別の非限定的な実施形態では、本発明で使用されるためのカチオン性アクリルポリマーは、少なくとも1500もしくは8000未満の;または1500〜8150の、または2900〜7125の数平均分子量を有し得る。
【0052】
本発明の別の非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材コーティング組成物は、20重量%〜75重量%の、または25重量%〜70重量%の、または30重量%〜60重量%の、水性ポリウレタン分散液;5重量%〜75重量%の、または15重量%〜70重量%の、または30重量%〜65重量%の、窒素含有ポリマーの水溶液;および1重量%〜75重量%の、または20重量%〜60重量%の、または25重量%〜50重量%のアクリルポリマーを含み得る。上記重量%は、インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の総重量に基づく。
【0053】
本発明の別の非限定的な実施形態では、水は、上記窒素含有ポリマー、ポリウレタンおよびアクリルポリマーと一緒に存在し得る。水が存在する場合、得られたインクジェット記録可能な基材コーティング組成物は、インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の総重量に基づいて、5重量%〜35重量%の、または5重量%〜20重量%の、または5重量%〜15重量%の、総樹脂固形物を有し得る。一般的に、高濃度すぎる総樹脂固形物は、コーティング組成物の粘度を増加させ、その結果生じた、基材へのコーティング組成物の浸透は、決して所望され得ない。一般的に、低濃度すぎる総樹脂固形物は、コーティング組成物の粘度を減少させ、その結果生じた、基材へのコーティング組成物の浸透は、決して所望され得ない。別の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物の粘度は、Brookfield粘度計を使用して25℃で測定される場合、500cps未満、または400cps未満および少なくとも10cps、または少なくとも25cpsであり得る。
【0054】
さらなる非限定的な実施形態では、本発明のコーティング組成物は、共溶媒を含有し得る。適切な共溶媒としては、当業者に公知の広範な種類が挙げられ得る。非限定的な例としては、低級アルキルアルコール、n−メチルピロリドン、Dowanol PM、トルエン、およびグリコールエーテルが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0055】
本発明のコーティング組成物はまた、代表的に当該分野で公知のほかの添加剤を含有し得る。そのような添加剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤および両性イオン面活性剤;レオロジーモディファイヤ(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、天然ゴムおよび合成ゴム;殺虫剤(例えば、Rohm and Haas Co.から商標名Kathonで市販されている、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとのブレンド、2−ヒドロキシプロピルメタンチオスルホネート、およびジチオカルバメート);ならびにカップリング剤(例えば、チタン、シラン型、ピロリン酸三ナトリウム)。
【0056】
本発明はまた、上記インクジェット記録可能な基材コーティング組成物を調製する方法に関する。非限定的な実施形態では、窒素含有ポリマーの水溶液は、水性ポリウレタン分散液に添加され得る。別の非限定的な実施形態では、アクリルポリマーが添加され得る。十分な混合が、均一な混合が得られるように、添加の間に維持され得る。
【0057】
本発明はさらに、インクジェット記録可能な基材をコーティングする方法に関する。上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)頂部表面および底部表面を有するインクジェット記録可能な基材を提供する工程;
(b)上記のコーティング組成物を提供する工程;ならびに
(c)上記コーティング組成物を、上記インクジェット記録可能な基材の少なくとも一方の表面に塗布する工程。
【0058】
当該分野で公知の、種々のインクジェット記録可能な基材が、本発明で使用され得る。非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、セルロースベースの紙を含み得る。米国特許第4,861,644号および同第5,196,262号は、本発明での使用に適切な細孔性基材を記載する。
【0059】
別の非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、細孔性基材であり得る。適切な細孔性基材の非限定的な例としては、頂部表面および底部表面を有するインクジェット記録可能な基材が挙げられ得、このインクジェット記録可能な基材は、以下:
(a)ポリオレフィンを含むマトリクス;
(b)上記マトリクス全体に分布する、粒子状シリカ充填剤;および
(c)細孔のネットワークであって、その細孔が、上記細孔性基材の少なくとも約35体積%を構成する、細孔のネットワーク、
を含む。
【0060】
当該分野で公知の、広い範囲のポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンであるが、これらに限定されない)は、微細孔基材に使用され得る。非限定的な実施形態では、ポリエチレンは、少なくとも10dL/gの固有粘度を有する直鎖状高分子量ポリエチレンであり得、ポリプロピレンは、少なくとも5dL/gの固有粘度を有する直鎖状高分子量ポリプロピレンであり得る。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、「高分子量」とは、20,000〜2,000,000の重量平均分子量をいう。
【0061】
固有粘度は、種々の従来技術を使用して決定され得る。本明細書中および特許請求の範囲中で記載される場合、固有粘度は、ポリオレフィンのいくつかの希釈溶液の還元粘度またはインヘレント粘度(inherent viscosity)を濃度0に外挿することによって決定され、ここで、上記溶媒は、0.2重量%の3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸ネオペンタンテトライルエステル[CAS登録番号6683−19−8]が添加されている、蒸留されたデカヒドロナフタレンである。ポリオレフィンの還元粘度またはインヘレント粘度は、135℃で、ウベローデ(Ubbelohde)No.1粘度計を使用して得られた相対粘度から確認される。
【0062】
コーティングを含まず、印刷インクを含まず、含浸材を含まず、そして事前結合されることに基づいて、細孔は、上記細孔性基材の少なくとも35体制%を構成する。別の非限定的な実施形態では、上記細孔は、上記細孔性基材の少なくとも60体積%、または上記細孔性基材の35体積%〜80体積%、または上記細孔性基材の60体積%〜75体積%を構成し得る。
【0063】
別の非限定的な実施形態では、シリカ質粒子は、究極粒子、究極粒子の凝集体、または両方の組み合わせの形態であり得る。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「究極粒子」とは、無定形シリカを作製する、コロイド状重合化ケイ酸単位の小さな分散性の粒子をいう。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「凝集体」とは、究極粒子が凝縮して、開口しているが、基本的に連続的な鎖の構造または実質的に相互接続している細孔の固体構造を生成する構造をいう。
【0064】
1つの実施形態では、シリカ質粒子は、微細に分離される。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、「微細に分離された」とは、40メッシュの篩い目での篩いかけで最大保持率が0.01重量%のことをいう。
【0065】
さらなる非限定的な実施形態では、上記シリカ質粒子は、実質的に不溶性であり得る。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「実質的に不溶性」とは、水への再現可能な平衡溶解度を示す無定形シリカをいい、この溶解度は、25℃の温度の水において、70ppm〜150ppmより大きくあり得る。溶解度の変動は、粒子サイズ、内部水和の状態、およびシリカ中またはその表面に吸着したわずかな不純物の存在に起因し得ると考えられる。上記シリカの溶解度はまた、水のpHに依存し得る。pHが中性(すなわち、pHが7)からアルカリ性(すなわち、pHが9より大きい)に増大するにつれて、シリカの溶解度もまた増大し得る。(「The Chemistry of Silica”、R. K. Iler、Wiley−Interscience、NY(1979)、pp.40−58」を参照のこと)。
【0066】
本発明の非限定的な実施形態では、細孔性基材の調製に使用される、少なくとも90重量%のシリカ質粒子は、5〜40μmの範囲の粒子サイズを有し得る。上記粒子サイズは、種々の従来技術によって決定され得る。本発明では、Model TaII Coulter Multisizer Particle Size Analyzer (Coulter Electronics,Inc.)を使用し、ここで、Coulter Analyzerでの分析の前に、上記充填剤を、4枚羽の4.445cm直径プロペラ撹拌器を使用して、Isoton II電解質溶液(Curtin Matheson Scientific,Inc.)に10分間撹拌した。非限定的な実施形態では、少なくとも90重量%のシリカ質粒子は、10〜30μmの範囲の粒子サイズを有し得る。充填剤集塊のサイズは、細孔性基材を調製するための成分の加工の間に減少され得ると考えられる。
【0067】
適切なシリカ質粒子は、当業者に公知の広い種類を含み得る。非限定的な例としては、以下の粒子が挙げられ得るが、これらに限定されない:シリカ粒子、雲母粒子、モンモリロナイト粒子、カオリナイト粒子、アスベスト粒子、滑石粒子、珪藻土粒子、バーミキュライト粒子、天然ゼオライト粒子および合成ゼオライト粒子、セメント粒子、ケイ酸カルシウム粒子、ケイ酸アルミニウム粒子、ケイ酸アルミニウムナトリウム粒子、アルミニウムポリシリケート粒子、アルミナシリカゲル粒子、ならびにガラス粒子。非限定的な実施形態では、シリカおよび粘土は、シリカ質粒子として使用され得る。さらなる非限定的な実施形態では、沈降シリカ、シリカゲルまたはヒュームドシリカが使用され得る。
【0068】
一般的に、シリカは、可溶性金属シリケートの水溶液と酸とを合わせることによって調製され得る。上記可溶性金属シリケートは、アルカリ金属シリケート(例えば、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム)であり得る。上記酸は、鉱酸、有機酸、および二酸化炭素からなる群より選択され得る。次いで、シリケート/酸スラリーは、熟成され得る。酸または塩基は、上記シリケート/酸スラリーに添加され得る。得られたシリカ粒子は、上記混合物の液体部分から分離され得る;その分離されたシリカは、従来の洗浄方法を使用して、水で洗浄され得る;その湿潤シリカ生成物は、従来の乾燥方法を使用して、乾燥され得る;そしてその乾燥されたシリカは、従来の洗浄方法、乾燥方法および分離方法を使用して、他の反応生成物の残留物から分離され得る。
【0069】
非限定的な実施形態では、上記シリカ質粒子は、細孔性基材への組込みの前に、上記のコーティング組成物を使用してコーティングされ得る。当該分野で公知の種々の方法が、上記粒子を少なくとも部分的にコーティングするために使用され得る。選択されたコーティング方法は、重要ではない。さらなる非限定的な実施形態では、上記コーティング成分は、当該分野で公知の従来技術を使用して、事前洗浄されたシリカ充填剤ケークの水性スラリーに、上記成分の実質的に完全な混合を可能にするのに十分な撹拌下で添加され得、続いて乾燥され得る。
【0070】
米国特許出願番号第09/636,711号;同第09/636,312号;同第09/636,310号;同第09/636,308号;同第09/636,311号;および同第10/041,114号は、本発明で使用され得る適切なコーティング組成物およびシリカ粒子をコーティングする方法を開示する。
【0071】
別の非限定的な実施形態では、上記粒子状シリカ質充填剤は、上記細孔性基材の50重量%〜90重量%、または55重量%〜85重量%、または60重量%〜80重量%を構成し得る。
【0072】
非限定的な実施形態では、上記シリカ質粒子に加えて、実質的に水不溶性非シリカ質充填剤粒子もまた、細孔性基材に使用され得る。そのような任意の非シリカ質充填剤粒子の非限定的な例としては、以下の粒子が挙げられ得るが、これらに限定されない:酸化チタン粒子、酸化鉄粒子、酸化銅粒子、酸化亜鉛粒子、酸化アンチモン粒子、ジルコニア粒子、マグネシア粒子、アルミナ粒子、二硫化モリブデン粒子、硫化亜鉛粒子、硫酸バリウム粒子、硫酸ストロンチウム粒子、炭酸カルシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、水酸化マグネシウム粒子、および微細に分離された実質的に水不溶性の難燃性充填剤粒子(例えば、エチレンビス(テトラ−ブロモフタルイミド)粒子、酸化オクタブロモジフェニルオキシド粒子、酸化デカブロモジフェニルオキシド粒子、およびエチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド粒子であるが、これらに限定されない)。
【0073】
本発明の非限定的な実施形態では、上記基材は高度に多孔性であり得る。用語「高度に多孔性」とは、20,000秒/100cc空気未満の、または10,000秒/100cc空気未満の、または7,500秒/100cc空気未満の空隙率を有する基材をいう。さらなる非限定的な実施形態では、上記空隙率は、少なくとも50秒/100cc空気であり得る。これらの空隙率の値は、ASTM D726に記載された方法(そのASTM方法の第8節に関連する以下の例外を除く)に従って、定量される。本発明において、上記シートサンプルは、ASTM D685に従う条件付けをすることなく試験され、そして所定のサンプル型について3つの試料のみが、ASTM D726で述べられたような所定のサンプルについての最少10個の試料よりも所定の試料型について、合計で6回の測定(2つの表面あたり3回の測定)について試験される。一般的に、秒/cc空気の値が小さくなるにつれて、基材はより多孔性になる。高度に多孔性の基材は、当該分野で公知の種々の方法によって(例えば、基材を熱処理することによって、配向することによって、組成に関して充填剤含量を増加することによって、フィルムをマイクロボイド(microvoid)することによって、またはエッチングすることによって)生成され得る。高度に多孔性のフィルムの非限定的な例としては、熱処理された細孔性基材(例えば、PPG Industries,Inc.,Pittsburgh,PAから市販されているTeslin(登録商標)TS−1000)が挙げられ得るが、これに限定されない。
【0074】
本発明の別の非限定的な実施形態では、上記のコーティングされた細孔性基材は、少なくとも0.1ミルの厚さ、または0.5〜100ミルの厚さ、または1〜50ミルの厚さ、または4〜14ミルの厚さを有し得る。一般的に、上記コーティングされた細孔性基材の厚さが上記の範囲を超える厚さを有する場合、それは、インクジェットプリンタから適切に供給され得ない。一般的に、コーティングされた細孔性基材の厚さが上述の範囲未満である場合、それは、その意図された使用に十分な強度を有し得ない。
【0075】
当該分野で公知の広い種類の方法は、本発明のコーティング組成物をインクジェット記録可能な基材に少なくとも部分的に塗布するために使用され得る。適切な方法の非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:フレキソ印刷、スプレー、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、浸漬、ロッドコーティング、ブレードコーティング、グラビア印刷、リバースロール、ローラー塗布、吸収(imbibing)、サイズプレス、印刷、ブラッシング、延伸(drawing)、スロットダイコーティング、および押出し成型。
【0076】
本発明の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物は、エアナイフコーティング技術を使用して基材に少なくとも部分的に塗布され得、ここで、過剰なコーティングの少なくとも一部が、エアナイフからの強力なジェットによって「吹き出され」得る。別の非限定的な実施形態では、リバースロールコーティング方法が使用され得る。この手順において、上記コーティング組成物は、上側の計量ローラー(metering roller)とその下の塗布ローラーとの間のギャップを精密に設定することによって塗布ローラーの上に測りとられ得る。上記コーティングは、それが底の支持ローラー周囲を通過するにつれて、基材によって塗布ローラーから少なくとも部分的に取り去られ得る。
【0077】
本発明の別の非限定的な実施形態では、グラビアコーティングは、上記コーティング組成物を少なくとも部分的に塗布するために使用され得る。グラビアコーティング方法において、エングレーブドローラーはコーティング浴中で作動し、これは、上記ローラーのエングレーブドドットまたはエングレーブドラインに上記コーティング組成物を少なくとも部分的に充填する。上記ローラー上の過剰なコーティングの少なくとも一部は、ドクターブレードによって少なくとも部分的に取り去られ得、そして上記コーティングは、それがエングレーブドローラーと加圧ローラーとの間を通過するにつれて、上記基材上に堆積され得る。リバースグラビアコーティング方法もまた使用され得る。この方法において、上記コーティング組成物は、従来のリバースロールコーティングプロセスのように、少なくとも部分的に取り去られる前に、ローラー上に彫りこむことによって計量され得る。
【0078】
さらなる非限定的な実施形態では、計量ロッドは、上記コーティング組成物を少なくとも部分的に塗布するために使用され得る。計量ロッドが使用される場合、過剰なコーティングの少なくとも一部は、それがバスローラーの上を通過するにつれて、上記基材上に堆積され得る。巻き線型計量ロッド(時々Meyer Barとして公知)は、コーティングの所望の量が基材上に残存することを可能にする。その量は、上記ロッド上で使用されるワイヤの直径によって決定される。
【0079】
基材に塗布される実質的に乾燥したコーティングの量、すなわち「コート重量」は、コーティングされた領域あたりのコーティング重量として測られ得る。上記コート重量は、広範に変化し得る。別の非限定的な実施形態では、上記コート重量は、少なくとも0.001g/m、または少なくとも0.01g/m、または少なくとも0.1g/m;あるいは50g/m未満、または40g/m未満、または35g/mであり得る。上記コート重量は、いずれの上記の量の間で変化し得る。
【0080】
基材へのコーティング組成物の塗布の後に、溶媒は、塗布されたコーティングから従来の乾燥技術によって除去され得る。非限定的な実施形態では、上記コーティングは、コーティングされた基材を周囲温度〜350°Fの範囲の温度に曝露することによって乾燥され得る。
【0081】
上記コーティング組成物は、少なくとも1回、基材の少なくとも1つの表面に少なくとも部分的に塗布され得る。非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物は、1回より多く塗布され得る。本実施形態では、塗布されたコーティングは、コーティング塗布の間に少なくとも部分的に乾燥され得る。
【0082】
上記コーティング組成物が細孔性基材に塗布される場合、上記コーティング組成物は、少なくとも部分的に上記基材中を浸透し得る。上記コーティングが細孔性基材を浸透することにより、コーティングされた基材上のインクジェットプリント品質が改良され得る。別の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物は、少なくとも最初の1ミクロン、または少なくとも最初の10ミクロン、または少なくとも最初の20ミクロンまたは少なくとも最初の30ミクロンの細孔性基材中を浸透し得る。
【0083】
本発明はまた、コーティングされた細孔性基材に関する。上記コーティングされた細孔性基材は、少なくとも1つのコーティングされた表面を含み得る。その表面は、上記のコーティング技術を使用して上述のコーティング組成物でコーティングされ得る。
【0084】
別の非限定的な実施形態では、実質的に乾燥されたコーティング層は、上記コーティング層の10〜70重量%の量で、または20〜60重量%の量で、または30〜55重量%の量で、ポリウレタンを含み得;そして上記コーティング層の30〜90重量%の量で、または40〜80重量%の量で、または45〜70重量%の量で、窒素含有ポリマーを含み得る。上記実質的に乾燥されたコーティング層中の各成分の量は、上記コーティング組成物を調製するために使用された各々の量によって決定され得る。
【0085】
本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、「実質的に乾燥」は、触って乾燥していると感じるコーティング層を指すために使用される。
【0086】
インクジェット記録可能な基材は、広い範囲の種々の印刷プロセスを使用して広い範囲の印刷インクで印刷され得る。印刷インクおよび印刷プロセスの両方はそれら自体、従来的であり当該分野で公知である。非限定的な実施形態では、本発明の基材は、インクジェット印刷用のインクジェット記録可能な基材として使用され得る。別の非限定的な実施形態では、印刷は、インクジェット記録可能な基材を本発明の多層品中に成形する前か、そのような多層品の成形の後に、達成され得る。
【0087】
本発明において、実質的に耐水性の少なくとも部分的にコーティングされたインクジェット記録可能な基材は、少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料に接続され得る。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「〜に接続される」とは、直接的または間接的のいずれかで、1つ以上の介在材料を介して、一緒に接続するか、または関連付けて配置することを意味する。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「実質的に非多孔性の物質」とは、液体、気体および細菌を一般的に通さない材料をいう。巨視的なスケールで、実質的に非多孔性の材料は、例えあるとしても細孔はほとんどないことを示す。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「細孔」とは、物質が通過し得る微細な開口をいう。本発明で使用されるための実質的に非多孔性の材料は、広範に変化し得、それらの公知のバリア特性について慣習的に認識されて使用される材料を含み得る。それらの適切な材料の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る:実質的に非多孔性の熱可塑性ポリマー、実質的に非多孔性の金属含有熱可塑性ポリマー、実質的に非多孔性の熱硬化性ポリマー、実質的に非多孔性のエラストマー系物質、および実質的に非多孔性の金属。実質的に非多孔性の材料は、シート、フィルムまたはホイルの形態であり得るか、あるいは他の形状(例えば、プレート、棒、ロッド、チューブ、およびより複雑な形状の形態)が所望される場合に使用され得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、本発明で使用されるための実質的に非多孔性の材料は、シート、フィルムまたはホイルの形態であり得る。
【0088】
本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「熱可塑性ポリマー」とは、熱によって軟化され得、次いで冷却するとそのもともとの特性を回復し得るポリマーをいう。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「熱硬化性ポリマー」は、加熱すると固化または硬化し、再溶融され得ないポリマーをいう。
【0089】
適切な熱可塑性ポリマー材料の非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、サラン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、エチレンとアクリル酸とのコポリマー、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー、およびそれらの混合物。さらなる別の非限定的な実施形態では、カルボキシル基含有コポリマーのカルボキシル基の全てまたは一部は、ナトリウム、亜鉛などで中和され得る。金属含有熱可塑性ポリマー材料の非限定的な例は、アルミニウム処理されたポリ(エチレンテレフタレート)であり得る。
【0090】
適切な熱硬化性ポリマー材料の非限定的な例としては、熱硬化性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、熱硬化性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、およびそれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0091】
適切なエラストマー系材料の非限定的な例としては、天然ゴム、ネオプレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、エラストマー系ポリウレタン、およびエチレンとプロピレンとのエラストマー系コポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0092】
適切な金属の非限定的な例としては、鉄鋼、銅、黄銅、青銅、クロム、亜鉛、ダイ金属(die metal)、アルミニウム、およびカドミウムが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0093】
本発明の多層品は、インクジェット記録可能な基材の少なくとも1つの層と実質的に非多孔性の材料の少なくとも1つの層とを少なくとも部分的に接続するための、広範な種類の公知の方法を使用して構築され得る。非限定的な実施形態では、実質的に耐水性の少なくとも部分的にコーティングされたインクジェット記録可能な基材の少なくとも1つの層は、実質的に非多孔性の材料の少なくとも1つの層に溶融接着(fusion bond)され得る。上記インクジェット記録可能な基材は一般的に、シート、フィルム、ホイルおよびプレートに特有の対向型の主要表面を含む。得られた多層品は、1層以上のインクジェット記録可能な基材、1層以上の実質的に非多孔性の材料を含み得る。非限定的な実施形態では、少なくとも1つの外層は、インクジェット記録可能な基材であり得る。別の非限定的な実施形態では、インクジェット記録可能な基材は、細孔性基材であり得る。
【0094】
非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、接着剤の非存在下で溶融接着によって製造され得る。溶融接着は、従来技術(例えば、加熱したローラー、加熱したバー、加熱したプレート、加熱したバンド、加熱したワイヤの使用によるシール、フレーム結合、高周波(RF)シール、および超音波シール)を使用して達成され得る。溶媒接着法は、実質的に非多孔性の材料が、その表面が粘着性になる程度まで適用溶媒中に少なくとも部分的に溶解され得る場合に使用され得る。インクジェット記録可能な基材は、上記粘着性表面と接着され得、次いで溶媒が除去されて溶融接着を形成し得る。非限定的な実施形態では、泡立ち可能な組成物は、インクジェット記録可能な基材と少なくとも部分的に接触する際に泡立ち、泡と基材との間に溶融接着し得る。非多孔性基材のフィルムまたはシートは、押し出され得、そしてさらに熱く粘着性になりながら、インクジェット記録可能な基材と接触されて溶融接着し得る。溶融接着は、公知の接着技術および/または使用される実質的に非多孔性の材料の性質に依存して、永久的であり得るかまたは剥離可能であり得る。
【0095】
非限定的な実施形態では、加熱シールは、インクジェット記録可能な基材を実質的に非多孔性の材料に溶融接着させるために使用され得る。一般的に、加熱シールは、インクジェット記録可能な基材を当該分野で公知の標準的な加熱シール装置中に挿入する工程を包含する。非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性ポリマーであり得る実質的に非多孔性の材料とともに挿入され得る。加熱および/または加圧は、基材/ポリマー構築物に一定の時間適用され得る。加熱および/または加圧の量ならびに時間の長さは、広範に変化し得る。一般的に、温度、圧力および時間は、基材およびポリマーが少なくとも部分的に互いに接続して多層品を形成し得るように選択される。非限定的な実施形態では、上記温度は100°F〜400°Fの範囲内であり得る。別の非限定的な実施形態では、上記圧力は5psi〜250psiの範囲内であり得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記時間は、1秒〜30分の範囲であり得る。上記多層品は、次いで、一定時間(例えば、30分であるが、これに限定されない)加圧下で冷却され得る。基材とポリマーとの間に形成された接着の強度は変化し得るが、その強度は一般的に、上記基材単独の引張り特性を超過し得るような強度である。
【0096】
非限定的な実施形態では、上記実質的に非多孔性の材料はポリ塩化ビニルであり得る。
【0097】
非限定的な実施形態では、本発明で使用されるインクジェット記録可能な基材は、外部接着剤の非存在下での加熱シールによって、非多孔性基材(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)に少なくとも部分的に接続され得る。生じた溶融接着は、ポリオレフィンへの材料の積層は代表的に、特殊な接着剤を使用しない限り困難であるので、驚くべきほど十分に強力であり得る。
【0098】
別の非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、実質的に非多孔性の材料に実質的に連続して少なくとも部分的に接続され得るか、あるいは上記インクジェット記録可能な基材は、実質的に非多孔性の材料に実質的に不連続で少なくとも部分的に接続され得る。不連続接着の非限定的な例としては、以下の形態の接着領域が挙げられ得る:1つ以上のスポット、パッチ、細長い片、縞、山形、波状の縞、ジグザグの縞、オープンカーブの(open−curved)縞、クローズドカーブの(closed−curved)縞、不規則性領域など。別の非限定的な実施形態では、接着のパターンが存在する場合、そのパターンは、ランダム、反復性、または両方の組み合わせであり得る。
【0099】
別の非限定的な実施形態では、インクジェット記録可能な基材は、接着剤の存在下で実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。本発明での使用のための接着剤は、当該分野で公知の広い種類の接着剤から選択され得る。適切な接着剤としては、接着剤がインクジェット記録可能な基材に実質的に移動するかまたは実質的に浸透しないように、十分な分子量および粘度を有する接着剤が挙げられ得る。基材への接着剤の移動または浸透は、接着剤の粘着性および接着強度を低下し得る。本発明での使用に適切な接着剤の非限定的な例としては、ポリ酢酸ビニル、デンプン、ガム、ポリビニルアルコール、動物性にかわ、アクリル系物質、エポキシ、ポリエチレン含有接着剤、およびゴム含有接着剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。別の非限定的な実施形態では、上記接着剤は、基材、または実質的に非多孔性の材料、または基材および実質的に非多孔性の材料の両方に塗布され得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記接着剤は、タイ担体コーティングの使用を介して導入され得る。
【0100】
接着剤の存在下で基材と実質的に非多孔性の材料とを接着させるプロセスは、当該分野で公知の種々の従来技術を使用して達成され得る。非限定的な実施形態では、基材/接着剤/材料の構築物は、標準的な加工装置中に挿入され得る。加熱および/または加圧は、基材/接着剤/材料の構築物に一定時間適用され得る。加熱および/または加圧の量ならびに時間の長さは、広範に変化し得る。一般的に、温度、圧力および時間は、基材および実質的に非多孔性の材料が少なくとも部分的に互いに接続して多層品を形成し得るように選択される。非限定的な実施形態では、温度は100°F〜400°Fの範囲内であり得る。別の非限定的な実施形態では、圧力は5psi〜250psiの範囲内であり得る。さらなる非限定的な実施形態では、時間は、1秒〜30分の範囲であり得る。上記多層品は、次いで、一定時間(例えば、30分)加圧下で冷却され得る。インクジェット記録可能な基材と実質的に非多孔性の材料との間に形成された結合の強度は変化し得るが、その接着は一般的に、上記基材単独の引張り特性を超過し得るような結合である。
【0101】
本発明のインクジェット記録可能な基材は、当該分野で公知の、従来の成型技術を使用して成型され得る。別の非限定的な実施形態では、上記基材は、実質的に非多孔性の材料(例えば、熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性ポリマーであるが、これらに限定されない)の存在下またはそれらの非存在下で、成型され得る。一般的に、上記インクジェット記録可能な基材は、標準的な成型装置中に挿入され得る。非限定的な実施形態では、熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性ポリマーは、上記基材上に導入され得、次いでその基材/ポリマーの構築物は、モールドキャビティ中に挿入され得る。別の非限定的な実施形態では、上記基材は、モールドキャビティ中に配置され得、次いで熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性ポリマーは、基材上に導入され得る。加熱および/または加圧は、基材/ポリマーの構築物に一定時間適用され得る。加熱および/または加圧の量ならびに時間の長さは、広範に変化し得る。一般的に、温度、圧力および時間は、基材およびポリマーが少なくとも部分的に互いに接続して多層品を形成し得るように選択される。代表的な温度は、100°F〜400°Fの範囲内であり得る。非限定的な実施形態では、ポリマーが熱可塑性ポリマーを含む場合、上記基材/ポリマーの構築物は、その熱可塑性ポリマーの溶融温度に等しいかそれを越える温度まで加熱され得る。別の非限定的な実施形態では、上記熱可塑性ポリマーが非晶性であり得る場合、上記基材/ポリマーの構築物は、ビカット(Vicat)温度に等しいかそれを越える温度まで加熱され得る。さらなる別の非限定的な実施形態では、ポリマーが熱硬化性ポリマーを含む場合、上記温度は、そのポリマーの硬化温度または架橋温度の下であり得る。代表的な圧力は、5psi〜250psiの範囲内であり得、代表的な時間は、1秒〜15分の範囲であり得る。成型プロセスの代表的な結果は、もともとの物品の再成形(re−shaping)であり得る。上記再成形は一般的に、モールドキャビティの設計によって規定される。従って、標準的な成型プロセスにおいて、二次元のフラットシートは、3次元の物品に再成形され得る。
【0102】
本発明の非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、Pittsburgh、PAにおけるPPG Industries,Incorporatedから市販されているTeslin(登録商標)を含み得る。本発明のインクジェット記録可能な基材の厚さは、その用途または使用に依存して広範に変化し得る。非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、厚さが5〜20ミルであり得る。
【0103】
一般的に、本発明の多層品は、当該分野で公知の種々の成型手順および積層手順を使用して製造され得る。それらの手順としては、圧縮成型、回転成型、射出成型、カレンダー加工、ロール/ニップ積層、熱成形、真空成形、押出しコーティング、連続ベルト積層、および押出し積層が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
非限定的な実施形態では、他の当該分野で公知のタイコーティングは、基材および実質的に非多孔性の材料とともに使用され得る。
【0105】
別の非限定的な実施形態では、摩擦低減コーティング組成物は、インクジェット記録可能な基材および実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に塗布され得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、少なくとも1つの滑沢剤および少なくとも1つの樹脂を含み得る。当業者に公知の、使用され得る広い種類の滑沢剤および樹脂が存在する。
【0106】
そのような適切な滑沢剤の非限定的な例としては、天然ワックスおよび合成ワックス、天然油および合成油、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、シリコン油およびシリコンワックス、ポリエステル、ポリシロキサン、炭化水素ワックス、カルナウバワックス、微結晶性ワックスおよび微結晶性脂肪酸、ならびにそれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態では、本発明での使用のための滑沢剤としては、ポリシロキサン(例えば、シリコーンであるが、これに限定されない)が挙げられ得る。
【0107】
適切な樹脂の非限定的な例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エポキシ、ポリアミド、ポリアミン、ポリアルキレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリケトン、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態では、本発明での使用のための樹脂としては、スチレンアクリルポリマー(例えば、スチレンアクリル酸含有ポリウレタンであるが、これに限定されない)、ポリエポキシ、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエーテル、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が挙げられ得る。
【0108】
さらなる非限定的な実施形態では、本発明での使用のための摩擦低減コーティング組成物としては、Wikoff Industries,Incorporatedから市販されている、ポリボードアクアコート製品としての、Wikoff SCW 4890およびWikoff SCW 2295が挙げられ得る。
【0109】
いずれの特定の理論によって制約されることを意図しないが、摩擦低減コーティングの樹脂成分の分子は、インクジェット記録可能な基材および/または実質的に非多孔性の材料と相互接続または相互架橋され得、その結果、シリコーンは基本的に、上記基材および/または上記材料の表面に固定され得ると考えられる。非限定的な実施形態では、熱可塑性樹脂成分の分子は、インクジェット記録可能な基材および/または実質的に非多孔性の材料に溶融によって少なくとも部分的に相互接続され得る。別の非限定的な実施形態では、熱硬化性樹脂成分の分子は、インクジェット記録可能な基材および/または実質的に非多孔性の材料に架橋によって少なくとも部分的に相互接続され得る。
【0110】
さらなる非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、水および/または有機溶媒を含み得る。当業者に公知の広い範囲の有機溶媒が使用され得る。そのような適切な有機溶媒の非限定的な例としては、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルエーテル、トルエン、Dowanol PM、ブチルセロソルブ、およびそれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、水および有機溶媒を含み得、ここで上記有機溶媒は、水と少なくとも部分的に混和性である。
【0111】
非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、本発明のインクジェット記録可能な基材および実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に塗布され得る。上記基材および/または上記材料への上記摩擦低減コーティング組成物の塗布は、広い範囲の公知技術を使用し得る。別の非限定的な実施形態では、実質的に耐水性のコーティングをインクジェット記録可能な基材へ塗布するための、本明細書中で上記した技術は、上記摩擦低減コーティング組成物をインクジェット記録可能な基材および/または実質的に非多孔性の材料へ塗布するために使用され得る。
【0112】
基材/材料に塗布された、実質的に乾燥した摩擦低減コーティングの量、または「コート重量」は代表的に、コーティングされた領域あたりのコーティング重量として測定される。上記コート重量は、広範に変化し得る。別の非限定的な実施形態では、実質的に乾燥した摩擦低減コーティングのコート重量は、1mあたり少なくとも0.1グラム、または1mあたり0〜50グラム、または1mあたり1グラム〜15グラムであり得る。
【0113】
非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、基本的に耐水性のコーティング組成物を含む厚さが10ミルのTeslin(登録商標)のシート、ポリ塩化ビニルの10ミルのシート、ポリ塩化ビニルの厚さが10ミルのシート、および摩擦低減コーティング組成物を含むポリ塩化ビニルの厚さが2ミルのシートを含み得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、ポリシロキサンおよびスチレンアクリルポリマーを含み得る。
【0114】
非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、磁化可能な材料を含み得る。本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「磁化可能な材料」とは、磁気特性が伝達され得る材料を意味する。広い範囲の種々の磁化可能な材料は、当業者に公知である。公知の磁化可能な材料は、種々の形態(例えば、シート、フィルム、テープまたはストライプ)で利用可能である。
【0115】
本発明での使用のための磁化可能な材料は、磁場によって磁化可能な、種々の材料から選択され得る。適切な磁化可能な材料としては、オキシド材料が挙げられ得るが、これに限定されない。適切なオキシド材料の非限定的な例としては、酸化鉄(II)、酸化鉄、およびそれらの混合物が挙げられ得る。非限定的な実施形態では、オキシド粒子は、スラリー処方物中に存在し得る。
【0116】
本発明での使用のための適切な磁化可能な材料としては、十分容易にコード化される能力、十分量の情報をコード化する能力、および十分な耐性で消去されない能力のような性能特性(しかし、それらに限定されない)を示す、当該分野で公知の材料が挙げられ得る。非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料上にコード化された情報の量は、ステージまたはトラックの数として称され得る。ステージまたはトラックの数は、変化し得る。別の非限定的な実施形態では、本発明での使用のための磁化可能な材料は、少なくとも1のトラック、または6未満のトラック、または3〜4のトラックを有し得る。
【0117】
非限定的な実施形態では、消去への耐性は、「保磁度」として称され得る。一般的に、保磁度値がより大きくなるにつれて、消去に対する耐性がより大きくなる。上記保磁度値は変化し得る。別の非限定的な実施形態では、本発明での使用のための磁化可能な材料は、少なくとも200、または5000未満、または500〜2500、または100〜1500の保磁度を有し得る。
【0118】
本発明での使用のための適切な磁化可能な材料の非限定的な例としては、JCP、Kurz、EMTECおよびDuPontから市販されている磁気ホイルが挙げられ得るが、これらに限定されない
非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、保護材料、担体材料または接着材料から選択される少なくとも1つ以上の材料に少なくとも部分的に接続され得る。上記保護材料、担体材料または接着材料は、各機能について当該分野で公知の、広い範囲の種々の材料から選択され得る。適切な保護材料の非限定的な例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルおよびそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。担体材料の非限定的な例としては、PET、ポリエステルおよびそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。適切な接着材料の非限定的な例としては、本明細書中で列挙されたものが挙げられ得るが、これに限定されない。
【0119】
別の非限定的な実施形態では、上記保護材料は、上記磁化可能な材料に少なくとも部分的に接続され得、その磁化可能な材料は上記担体材料の少なくとも部分的に接続され得、そしてその担体材料は、上記接着材料の少なくとも部分的に接続され得る。
【0120】
別の非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、インクジェット記録可能な基材および/または少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。インクジェット記録可能な基材の非限定的な例としては、本明細書中で列挙されたものが挙げられ得るが、これに限定されない。非限定的な実施形態では、上記インクジェット記録可能な基材は、本明細書中で上記されたような細孔性基材であり得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記細孔性基材は、PPG Industries,Incorporatedから市販されているTeslin(登録商標)印刷シートであり得る。適切な実質的に非多孔性の材料の非限定的な例としては、本明細書中で上記されたものが挙げられ得るが、これに限定されない。非限定的な実施形態では、実質的に非多孔性の材料は、ポリ塩化ビニルであり得る。
【0121】
本発明の磁化可能な材料含有多層品は、当該分野で公知の種々の方法によって製造され得る。非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。磁化可能な材料を実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続させるのに適切な種々の塗布技術は、当業者に公知である。非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、接着材料を使用して少なくとも部分的に接続され得る。適切な接着材料の非限定的な例としては、当業者に公知の広い範囲の接着剤(例えば、本明細書中で上記された接着剤であるが、これに限定されない)が挙げられ得るが、これに限定されない。非限定的な実施形態では、上記接着材料は、感熱性接着剤または感圧性接着剤から選択され得る。
【0122】
さらなる非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、接着材料に少なくとも部分的に接続され得、その接着材料は、細孔性基材および/または実質的に非多孔性の材料の表面に少なくとも部分的に接続され得る。
【0123】
別の非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は、従来の積層プロセス(例えば、本明細書中で上記された積層プロセスであるが、これに限定されない)の前、その間、またはその後に、細孔性基材および/または少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。
【0124】
別の非限定的な実施形態では、上記磁化可能な材料は基本的に、接続され得る細孔性基材および/または実質的に非多孔性の材料の表面と密着され得る。
【0125】
非限定的な実施形態では、実質的に耐水性のコーティング組成物は、上記磁化可能な材料に少なくとも部分的に塗布され得る。別の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物は、上記磁化可能な材料を細孔性基材または実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続する前、またはその後のいずれかに、磁化可能な材料に少なくとも部分的に塗布され得る。さらなる非限定的な実施形態では、接着材料は、上記磁化可能な材料のコーティングされていない表面に少なくとも部分的に塗布され得、そしてその接着剤含有表面は、細孔性基材または実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。別の非限定的な実施形態では、上記実質的に耐水性のコーティング組成物は、上記磁化可能な材料、上記細孔性基材および上記実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に塗布され得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記実質的に耐水性のコーティング組成物としては、本明細書中で記載されたものが挙げられ得る。
【0126】
非限定的な実施形態では、摩擦低減コーティング組成物は、磁化可能な材料に少なくとも部分的に塗布され得る。別の非限定的な実施形態では、コーティング組成物は、上記磁化可能な材料を細孔性基材または実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続する前、またはその後のいずれかに、磁化可能な材料に少なくとも部分的に塗布され得る。さらなる非限定的な実施形態では、接着材料は、上記磁化可能な材料のコーティングされていない表面に少なくとも部分的に塗布され得、そしてその接着剤含有表面は、細孔性基材または実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。別の非限定的な実施形態では、上記摩擦低減コーティング組成物は、上記磁化可能な材料、上記細孔性基材および上記実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に塗布され得る。なおさらなる非限定的な実施形態では、上記実質的に摩擦を低減するコーティング組成物としては、本明細書中で記載されたものが挙げられ得る。
【0127】
上記コーティング組成物は、当該分野で公知の種々の方法によって塗布され得る。別の非限定的な実施形態では、上記コーティング組成物は、本明細書中で上記された方法によって塗布され得る。
【0128】
さらなる非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、第1の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続された細孔性基材を含み得;その第1の実質的に非多孔性の材料は、第2の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得;その第2の実質的に非多孔性の材料は、第3の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得;その第3の実質的に非多孔性の材料は、磁化可能な材料を含み得る。さらなる非限定的な実施形態では、上記細孔性基材および/または実質的に非多孔性の材料は、接着材料を使用して少なくとも部分的に接続され得、その接着材料は、上記基材および/または材料の少なくとも1つの表面に少なくとも部分的に塗布され得る。
【0129】
別の非限定的な実施形態では、剥離ライナーは、本発明の多層品の少なくとも1つの表面に少なくとも部分的に接続され得る。上記剥離ライナーは、製造過程の間に上記物品の損傷を基本的に防御または最小限化するためのバリアとして機能し得る。非限定的な実施形態では、コーティング残留物は、積層プロセスの間にプリントオフ(print−off)の結果としてステンレス鋼装置上に堆積され得る。上記装置上へのコーティングの堆積は、上記多層品のコーティングされた表面に対する少なくとも部分的な損傷をもたらし得る。別の非限定的な実施形態では、剥離ライナーは、コーティングされたかまたはコーティングされていない磁化可能な材料、コーティングされたかまたはコーティングされていない実質的に非多孔性の材料、および/あるいはコーティングされたかまたはコーティングされていない細孔性基材に、少なくとも部分的に接続され得る。
【0130】
上記剥離ライナーは、上述の機能を行う、当該分野で公知の広い範囲の種々の材料から選択され得る。一般的に、剥離ライナーとして本発明での使用に適切な材料は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有し得る:積層温度を超える溶融温度、上記材料中に基本的に入り込まない能力、および受容可能な引裂き強度。その結果、上記剥離ライナーは、十分容易に剥がされ得る。
【0131】
さらなる非限定的な実施形態では、上記細孔性基材、上記実質的に非多孔性の材料、および磁化可能な材料を含有する実質的に非多孔性の材料は、基本的に平行な構成で並べられ、積層物品を形成し得る。
【0132】
別の非限定的な実施形態では、上記細孔性基材は、接着剤に非存在下で実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。別の非限定的な実施形態では、上記実質的に非多孔性の材料は、接着剤に非存在下で別の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され得る。
【0133】
別の非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、データ伝送/保存デバイスを含み得る。そのようなデバイスは、広範に変化し得る。本発明での使用に適切なデバイスとしては、当該分野で公知のデバイスが挙げられ得る。非限定的な実施形態では、上記デバイスは、アンテナ、電子チップおよび/または他の関連回路を含み得る。さらなる実施形態では、上記デバイスは、担体材料を含み得る。上記担体材料は、当該分野で公知の広い範囲の材料から選択され得る。非限定的な実施形態では、上記担体材料は、実質的に非多孔性の材料であり得る。適切な実質的に非多孔性の材料としては、本明細書中で上記されたものが挙げられ得る。非限定的な実施形態では、上記担体材料は、ポリ塩化ビニルであり得る。
【0134】
また、さらなる実施形態では、上記デバイスは、上記回路網の少なくとも一つの側にバリア材料を含み得る。バリア材料の機能は、上記回路網を包含し得、かつ上記デバイスの外側に実質的に平らな表面を提供し得る。上記バリア材料は、当該分野で公知の幅広い種々の材料より選択され得る。非限定的な実施形態では、上記バリア材料は、実質的に非多孔性の材料であり得る。適切な実質的に非多孔性材料は、本明細書で、以前に引用した非多孔性材料を含み得る。非限定的な実施形態では、上記バリア材料は、ポリ塩化ビニルであり得る。
【0135】
非限定的な実施形態では、本発明の多層品は、インクジェット記録可能な基材、データ転送/保存デバイスおよび少なくとも1種の実質的に非多孔性材料を含み得る。インクジェット記録可能な基材は、当該分野で公知の幅広い種々の材料より選択され得る。適切な非限定的な例としては、本明細書に前に記載されている材料を含み得る。非限定的な実施形態では、インクジェット記録可能な基材は、本明細書で前に記載されている基材のような細孔性基材であり得る。さらなる非限定的な実施形態では、PPG Industries、Incorporatedから市販されているTeslin(登録商標)印刷シートであり得る。本明細書で、前に記載されているように、上記インクジェット記録可能な基材は、少なくとも一つの表面が、少なくとも部分的にコーティングされ得るか、またはコーティングされ得ない。適切なコーティング組成物としては、本明細書に前に記載されている組成物を含み得る。非限定的な実施形態では実質的耐水性コーティング組成物は、少なくとも部分的にインクジェット記録可能な基材に塗布され得る。
【0136】
上記実質的に非多孔性材料としては、当該分野で公知の幅広い種々のそのような材料より選択され得る。適切な実質的に非多孔性材料の非限定的な例としては、本明細書で、以前に記載されている材料を含み得る。非限定的な実施形態では、実質的に非多孔性材料は、ポリ塩化ビニルであり得る。本明細書で、以前に記載されているように、上記実質的に非多孔性材料は、少なくとも一つの表面が、少なくとも部分的にコーティングされ得るか、またはコーティングされ得ない。適切なコーティング組成物は、本明細書で、以前に記載されている組成物を含み得る。非限定的な実施形態では、摩擦低減コーティング組成物は、上記実質的に非多孔性材料に、少なくとも部分的に塗布され得る。
【0137】
さらなる非限定的な実施形態では、上記データ転送/保存デバイスは、接着性材料を使用して、少なくとも部分的にバリア材料に接続され得る。幅広い種々の適切な接着性材料および塗布の方法が、当該分野で公知である。非限定的な例としては、本明細書で、以前に記載されている接着性材料および方法を含む。
【0138】
別の非限定的な実施形態では、上記バリア材料は、少なくとも一つの表面が、少なくとも部分的にコーティング組成物でコーティングされ得る。適切なコーティング組成物としては、本明細書で、以前に記載されている組成物を含み得る。非限定的な実施形態では、摩擦低減コーティング組成物が、少なくとも部分的に上記バリア材料に塗布され得る。
【0139】
非限定的な実施形態では、磁化可能材料および転送/保存デバイスを有する上記多層品は、広く変化し得る厚さを有する。別の非限定的な実施形態では、上記物品の厚さは、少なくとも10ミルもしくは60ミル未満、または30〜50ミルであり得る。
【0140】
磁化可能材料またはデータ転送/保存デバイスを有する上記多層品は、幅広い種々の用途に有用であり得る。別の非限定的な実施形態では、セキュリティアクセス、アクセス制御、データ保存およびデータ転送に関連する用途に使用され得る。
【0141】
本発明の多層品は、限定されないが、ガスケット、クッションアセンブリー、署名、カード、印刷基材、ペンおよびインクの描画の基材、地図(特に海洋図)、ブックカバー、読書欄、壁紙ならびに通気性包装の継ぎ目、接合およびシールを含む、多くの種々の用途がある。
【0142】
本発明の多層品は、実質的に非多孔性材料を装飾もしくは同定することか、または基材表面の特異な性質を、実質的に非多孔性材料に賦与する目的のために有用であり得る。上記インクジェット記録可能な基材は、限定されないが、以下の種々の方法で装飾され得る:オフセット印刷/リソグラフ印刷、フレキソ印刷、描画、グラビア印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷、昇華型印刷、熱転写印刷、およびスクリーン印刷。装飾はまた、当該分野で公知の通常のコーティング方法により、単層または多層のコーティング組成物をインクジェット記録可能な基材に、少なくとも部分的に塗布することを含む得る。一般に、インクジェット記録可能な基材が、実質的に非多孔性材料に賦与し得る特異な性質は、限定されないが、以下の内の1以上を含む:改善された表面エネルギー、増加した空隙率、減少した空隙率、ポストコーティング層の増加した結合強度、上記ポリマーの表面生地または表面パターンの改変。
【0143】
ポリマープロセシング技術は、米国特許第4,892,779号に開示されている。
【0144】
本発明は以下の実施例で、より詳細に記載されるが、ここでは、単に説明のみであって、当業者には本発明における多くの改変および変化は、明らかである。特に他に特定されない限り、全ての部数および百分率は重量により、そして水に対する全ての言及は、脱イオン水であることを意味する。
【実施例】
【0145】
(実施例)
(実施例1)
本発明のコーティング組成物を、ステンレス鋼製混合タンクにおいて、Crompton Corporation、Greenwich、Connecticutから入手可能で、商品名WitcoBond(登録商標)234で販売されている、61.5重量%固形物のアニオン性ポリウレタン分散液を、9.22重量%の固形物まで、オーバーヘッドミキサーで、高速混合して希釈することにより調製した。別の供給タンクにおいて、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyにより、商品名がCinFix NFで販売されている、エピクロロヒドリンと反応させた55重量%固形物のポリアミドアミンの溶液を、5.78重量%の固形物に希釈し、続いて上記希釈したアニオン性ポリウレタン分散液に添加し、そしてその混合物を15分間混合した。そのpHを、氷酢酸で5.0±0.5に調整した。上記混合物の全樹脂固形物は、7.5%で、その混合物の粘度は、Brookfield粘度計、RVT、スピンドル1号、50rpm、25℃で測定すると46cpsであった。
【0146】
(実施例2〜5)
コーティング組成物を、実施例1に記載のように調製し、そしてTeslin(登録商標)細孔性基材に塗布した。二つの基材(実施例2および実施例4)を、計測棒を使用して塗布した。計測棒を、Teslin(登録商標)シートの上1〜2インチのところに、上端に平行に置いた。ディスポーザブルのプラスチックシリンジに、10〜20mlの量のコーティング組成物を引き込んだ。そのコーティング組成物を、計測棒の直接隣に、そして接触するようにビード片(幅ほぼ1/8インチ)として置いた。その棒を、Teslin(登録商標)シートを完全に横切って、連続的に、そして一定の速さを試みながら引いた。得られたウェットシートを強制空気乾燥器に入れて、保持し、95℃で2分間乾燥した。乾燥したシートを乾燥器から取り除き、そのシートの反対側について同じコーティング手順を、繰り返した。そのシートを印刷し、そして試験した。全樹脂固形物7.5%を有する、コーティング組成物について、その粘度は、46cpsであり;10.0%固形物については、その粘度は63cpsであった。上記粘度の値は、Brookfield粘度計、RVT、スピンドル1号、50rpm、25℃で測定した。
【0147】
二つの基材(実施例3および実施例5)を、コーティング組成物を塗布するフレキソコーティング法またはグラビアコーティング法を使用してコーティングした。このコーティング法において、各々強制空気乾燥器を有する二つのコーティングステーションからなるラインを使用した。各々のコーティングステーションは、コーティング組成物供給チャンバ、アニロックスロール(anilox roll)およびゴム塗布ロールからなる。上記コーティング組成物供給チャンバは、コーティング組成物貯蔵タンクおよびポンプから供給される。Teslin(登録商標)シートの両側をコーティングした。上記装置を、7BCM(10億立方μm)のアニックスロールに備え付け、ライン速度は180fpm、乾燥器温度は105℃(220°F)であり、1ロールあたり8回の通過がなされ、それは1表面あたり4回の通過と言い換えられる。
【0148】
上記コーティング組成物を、ほぼ0.73g/m(全前面および裏面)のコーティング重量で、塗布した。コーティング重量を以下の方法で決定した:「Y」平方メートルのTeslin(登録商標)をコーティングする際に消費された「X」グラムのコーティング組成物(乾燥固形物として)のコーティング重量は、平方メートルあたり「XをYで割ったもの」である。
【0149】
表1は、生産されたシートの特性を示す。
【0150】
【表1】

得られたコーティングされたシートを、Model HP970(Hewlett Packard Company)インクジェットプリンターで、試験印刷パターンで印刷した。試験印刷パターンからのカラー縞を、脱イオン水に、室温で15分間浸漬し、水から取り出し1時間風乾し光学密度の各々の色を測定して光学密度を測定した。水浸漬前後に、Kolimorgen Instrument Corporationにより製造されたModel RD922、MacBeth ANSWER II濃度計を使用して、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色、黒(K)および複合黒(CMY)の光学密度を測定した。結果を表2に示す。
【0151】
【表2】

9.22重量%固形物のWitcoBond234溶液を、実施例2〜5に記載のように、計測棒を使用してTeslin(登録商標)TS1000基材に塗布した。その直後に、5.78重量%の固形物のCinFix NFを、同様に上記基材に塗布した。上記コーティングしたTeslin(登録商標)TS1000を、その後95℃で2分間乾燥した。乾燥したシートを乾燥器から取り出し、上記と同じコーティング手順をシートの反対側で繰り返した。実施例2〜5に記載したように、HP970 Inkjet Printerを使用して、コーティングしたTeslin(登録商標)上に、試験印刷パターンを印刷した。視覚的検査では、インクのにじみがひどく、かつ乾燥性が悪いことを示した。
【0152】
(実施例7)
本発明のコーティング組成物は、ステンレス鋼製混合タンクにおいて、Crompton Corporation、Greenwich、Connecticutから入手した商品名WitcoBond(登録商標)234で販売されている、61.5重量%固形物のアニオン性ポリウレタン分散液を、9.22重量%の固形物まで、オーバーヘッドミキサーで、高速混合して希釈することにより調製した。別の供給タンクにおいて、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyにより、商品名がCinFix NFで販売されている、エピクロロヒドリンと反応させた55重量%固形物のポリアミドアミンの溶液を、5.78重量%の固形物に希釈した。上記WitcoBond 234分散液を、希釈したCinFix NF溶液に添加した。得られた分散液は、CinFix NFとWitcoBond234のポリ塩である、許容できないくらい大量の沈殿を例証した。
【0153】
(実施例8〜10)
コーティング組成物を、実施例1のように調製し、絹繊維(0.10lb/sq yd、5ミル 厚さ)、綿繊維(0.34lb/sq yd、13.6ミル厚さ)およびポリプロピレン/セルロースの不織材料(0.14lb/sq yd、9.5ミル厚さ)に塗布した。コーティングした各々の材料について、シート(8.5”×11”)を15”×20”×20ミルの支持シートに固定した。計測棒を、Teslin(登録商標)シートの上1〜2インチのところに、上端に平行に置いた。ディスポーザルのプラスチックシリンジに、10〜20mlの量のコーティング組成物を引き込んだ。そのコーティング組成物を、計測棒の直接隣に、そして接触するようにビード片(幅ほぼ1/8インチ)として置いた。その棒を、そのシートを完全に横切って、連続的に、そして一定の速さで引いた。得られたウェットシートを強制空気乾燥器に入れて、保持し、95℃で2分間乾燥した。乾燥したシートを乾燥器から除き、そのシートの反対側について同じコーティング手順を、繰り返した。そのシートを、それから、硬さを提供する透明なシートにテープで貼り付け、そして印刷および試験できる状態にした。そのコーティング組成物を、ほぼコーティング重量を0.73g/m(前面と裏面全部で)として塗布した。コーティング重量を、実施例2〜5に記載したように決定した。
【0154】
実施例8〜10を、インクジェットプリンター,Model HP970(Hewlett Packard Company、Palo Alto、California)で印刷し、そしてコーティングのない同じ基材と比較した。印刷後、各々のシートを硬い透明のシートから取り除いた。コーティングした印刷シートタイプと、コーティングしていない印刷シートタイプを、水の中に室温で、5日間浸漬した。光学密度を5日間浸漬の後に測定した。シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、黒(K)、および複合黒(CMY)の光学密度を、水浸漬前後に、Kolimorgen Instrument Corporationにより製造されたModel RD922、MacBeth ANSWER II Densitometerで測定した。
【0155】
コーティングした基材の記録された画像は、15分間元のままであった。即ち、インクは、にじまなかったし、画像の光学密度は、各サンプルの間で有意に減少することはなかった。コーティングしていなかったシートは直ちににじみ15分間の浸漬時間内に完全に印刷画像を洗い流した。コーティングした基材の各々の印刷画像は、光学密度値に見られるように、5日間の水浸漬曝露後に、インクのにじみが出た。得られた印刷画像は、退色したが、良い線の鮮明さ、かつ読み易い文字を有した。
【0156】
【表3】

(実施例11)
本明細書で「01」として示されたコーティング組成物を、以下のようにして調製した。オーバーヘッドミキサーで高速混合下の混合容器において、61.5重量%の固形物のアニオン性ポリウレタン分散液(Crompton Corporation、Greenwich、Connecticutから入手し得るWitcobond W−234という商品名で販売されている)を脱イオン水で10.0重量%の固形物の分散液に希釈した。別の容器において、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyにより、商品名がCinFix NFで販売されている、エピクロロヒドリンと反応させた55重量%固形物のポリアミドアミンの溶液を、10.0重量%の固形物に希釈し、続いて上記希釈したアニオン性ポリウレタン分散液に添加した。その混合物を、添加完了後、15分間混合した。得られた混合物は、40重量部の固形物のCinFix NFと60重量部の固形物のWticobond W−234を含有した。
【0157】
第2コーティング組成物を、CinFix NFを、等価な乾燥固体ベースでCinFix RDFで置き換えた以外は、上述と同じように調製した。この第2コーティング組成物を、本明細書では、01/RDFという。CinFix RDFは、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyにより市販されている31%固形物のポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)水溶液である。上記CinFix RDFを、Witcobond W−234へ添加する前に10.0重量%固形物に希釈した。
【0158】
第3コーティング組成物を、CinFix NFを、等価な乾燥固体ベースで塩化ジアリルジメチルアンモニウムで置き換えた以外は、「01」組成物について上述されているように調製した。この第3コーティング組成物を、本明細書では、「01/DADMAC」という。ジアリルジメチル塩化アンモニウムは、Aldrich Chemical Company of Milwaukee、WIから、65%水溶液として市販されている。それを、Witcobond W−234へ添加する前に10.0重量%固形物に希釈した。
【0159】
第4コーティング組成物を、CinFix NFを、等価な乾燥固体ベースで等モル量のジエチルアミンとエピクロロヒドリンと水中で30%固形物で反応させた生成物で置き換えた以外は、「01」組成物について上述されているように調製した。この第4コーティング組成物を、本明細書では、「01/DEA−EPI」という。上記反応生成物は、30%固形物に必要な30/70重量部混合物においては水と完全に混合しうるものではなく、従ってコーティング組成物の使用のために水に可溶になるように酢酸を用いてpHを5まで酸性にした。それを、Witcobond W−234へ添加する前に10.0重量%固形物に希釈した。
【0160】
Teslin(登録商標)TS1000シートおよびSP1000シートを、9号ロッドを使用して、上述のコーティング組成物のそれぞれで、両面コーティングした。上記コーティング組成物を、前面に塗布し2分間95℃の温度で乾燥し、そしてその後裏面に塗布し2分間95℃で乾燥した。その仕上がったシートを、その後Hewlett−Packard 960C プリンターの「HP Premium Photo Paper−Glossy」設定で、パターンを印刷した。上記パターンの印刷されたカラー縞区分の色濃度をX−Rite Model 418濃度計を使用して測定し、白タイル標準で較正した。その印刷されたカラー縞区分を、各シートから切り出し脱イオン水のビーカーの中に一晩(即ち14時間)漬けた。その切片を、その後、水浴から取り出し、4時間風乾した。浸漬後の色濃度を測定した。
【0161】
その結果が、以下の表に示される。
【0162】
【表4】

いずれの基材の「01」コーティングも、許容可能な色濃度および耐水性を示し、そして色のにじみの視覚的な証拠は無かった。視覚的検査に基づくと、上記印刷された画像は、鮮明で、かつ明瞭であった。上記「01/RDF」もまた、許容可能な色濃度および耐水性を示し、視覚的なにじみも示さなかった。しかしながら視覚的な検査に基づくとSP1000基材については、画像の僅かな「インクのにじみ」および僅かなぼやけがあった。上記「01/DADMAC」コーティング組成物は、浸漬前は高い色濃度を有していたが、視覚的検査に基づくとインクが表面上で完全には乾燥せず、浸漬の間に基材の両方からほぼ完全にインクは、除去されていた。さらに視覚的検査に基づくと、その画像は、明確ではなく、顕著な色のにじみがあり、その画像は、明瞭ではなかった。上記「01/DEA−EPI」コーティング組成物は、両方の基材で低い色濃度を有し、耐水性は、あまりなかった。視覚的検査に基づくと、色のにじみは、無かったし、画像も明瞭であったが、退色したようであった。
【0163】
(実施例12)
1枚のコーティングされたTeslin(登録商標)シートを、Empire Plasticsにより供給されている0.10インチのポリ塩化ビニルの1枚の20インチ×25インチのシートの上に載せた。そのPVCシートを、長紙目方向にカットした。そのPVC層の下に、短紙目方向にカットされた20インチ×25インチ×10ミルの第2のPVC層がある。その10ミルのPVC短紙目層の下に、20インチ×25インチ×2ミルの長紙目カットのKlockner ZE84のPVCシートがある。21インチ×26インチの2ミルの透明ポリエステルシートを、Teslin(登録商標)シートの上に剥離ライナーとして作用するように、載せた。この構築物を、2枚の21”×26”×30ミルの研磨されたステンレス鋼製金属プレートの間に入れた。同一のポリエステル/処理されたTeslin(登録商標)シート/PVC/PVC/PVC積層を、既にある構成物由来のステンレス鋼製プレートの上に載せた。研磨された金属プレートを、曝露されているポリエステル剥離ライナー上に載せた。上記パターンを、12の予めプレスされた多重層が、積層体の中に存在するように10回を越えて繰り返した。得られた積層体を、緩衝パッドに入れた。その緩衝パッドは、ポリアミド繊維とYamauchi Corporationにより製造供給される工業用ゴムの組合せであり、熱ラミネート化の間、温度をより一様に分布させ、より一様にプレスするように設計されている。得られた積層体+緩衝パッドを、2つの僅かにより大きい125ミルの未研磨で非腐食性の金属プレートの間においた。この構築物全体を、ブックといい、TMPラミネート化プレスにおいて300°Fまで予備加熱した。複合構築物を、203psiで圧縮ラミネート化した。上記ブック全体を、この条件で、ブックの真中の層が261°Fに達するまで保持した。その後、プレス中であるが、そのダイプレートを、同じ中央層が100°Fに到達するように十分長く冷却した。そのプレスから取り出した後、12の全ての複合シートを、ブックから取り出した。12の全ての多層シートを、pvc表面上で静的ガードを用いて、局所的に処理した。12の全ての仕上げた複合シートは、優良な完全性を有した;剥離する全ての試みは、Teslin(登録商標)層を破壊したが、それは、Teslin(登録商標)とPVCの間の優良な接着剤であり、かつ継ぎ目のない接着性であることを例証した。ISO7910 ID−1カードを、Teslin(登録商標)表面が、そのダイの切断刃に面している、高額のPMCダイ装置を使用して、打ち抜いた。各複合シートからの仕上げ品カードは、優良な完全性および良好な側面平坦性を有した。得られたカードは僅かにくっ付き合って、必要な滑り性能を示さなかった。
【0164】
(実施例13)
Wikoff Industriesにより製造され、かつ供給されるコーティング組成物Wikoff SCW 4890を、フレキソ印刷コーティング法またはグラビア印刷コーティング法を使用して、300ftの2ミルのKlockner ZE84 pvcに塗布した。一つのコーティングステーションを、6bcm アニロックスロールおよび不織ゴム塗布ロールで定着させた。上記コーティング組成物供給チャンバを、コーティング組成物保持タンクおよびポンプから供給した。連続ロールストックを、コーティングされたシートが乾燥器の中をコーティングされた面が熱風源に面して通過するように、その装置の中を通した。線速は、200fpmで、乾燥器温度は105℃(220°F)で、単回のコーティング通過を適用した。上記コーティング組成物を、ほぼ6.1mg/sqinのコーティング重量で塗布した。得られたコーティングされたロールを、20”×25”のシート、長紙目に変換した。
【0165】
(実施例14)
実施例13で記載したように調製した2ミルのコーティングpvcシートを、以下の手順を使用してカードの形に製造した。1枚のコーティングされたTeslin(登録商標)を、Empire Plasticsにより供給される0.10インチのポリ塩化ビニル(PVC)の20インチ×25インチの1枚のシートの上に置いた。上記PVCシートを、長紙目方向にカットした。上記PVC層の下は、20インチ×25インチ×10ミルの短紙目にカットしたPVCの第2層であった。その10ミルの短紙目のPVC層の下に、長紙目にカットしたコーティングされた20インチ×25インチ×2ミルのPVCシートを、コーティングされた面が、隣接する10ミルのpvc層から離れて面するように置いた。21インチ×26インチ×2ミルの透明ポリエステルを、剥離ライナーとして作用するようにTeslin(登録商標)シートの上に置いた。この構築物を、2枚の21”×26”×30ミルの研磨されたステンレス金属プレートの間に置いた。同一のポリエステル/処理されたTeslin(登録商標)シート/PVC/PVC/PVCの積層を、既にある構築物のステンレス鋼製プレートの上に置いた。研磨された金属プレートを、曝露されているポリエステル剥離ライナーの上に置いた。そのパターンを、積層体に12の予備圧縮された多重層が存在するように10回より多く繰り返した。得られた積層体を、緩衝パッドの間に置いた。その緩衝パッドは、Yamauchi Corporationにより製造および供給されているポリアミド繊維および工業用ゴムの組合せであって、熱ラミネート化の間に、より一様に温度を分布し、そして圧縮するように設計されている。得られた積層体と緩衝パッドを、2枚の僅かにより大きな125ミルの非研磨、非腐食性のプレートの間に置いた。この構築物全体をブックといい、300°Fに予め加熱したTMPラミネート化プレスに置いた。その複合構築物を、203psiの圧力で圧縮ラミネート化した。ブック全体を、そのブックの中間層が261°Fの温度に達するまで、その条件下で保持した。その後、まだプレスをしたままで、そのダイプレートを、同じ中央の層が100°Fに到達することができる様に十分長い時間冷却した。そのプレスから取り除いた後に、全ての12の複合シートを、上記ブックから取り除いた。全ての12の仕上がった複合シートは、優良な完全性を有した;剥離するいずれの試みも、Teslin(登録商標)層を破壊したが、それはTeslin(登録商標)と上記PVCの間の良好な接着性と継ぎ目なしの接着性を示した。ISO7910のID−1カードを、20インチ×25インチ×30.5ミルの複合シートの各々から、打ち抜いた。各複合シートからの仕上がったカードは、優良な完全性および優良な側面平坦性を有した。得られたカードは、非ブロッキング性の挙動および必要な滑り性能を示した。
【0166】
(摩擦力試験法)
カードを、滑らかな平面基板に固定した。
【0167】
第2カードを、上記基底のカードの上に、長縁上1/2インチ外して置いた。
【0168】
第2カードを、ケーブルとプーリー系を通してフォースゲージと連結した。そのフォースゲージをインストロンの移動アームに固定した。
【0169】
均整の取れたおもしを、そのおもしの後縁を中央にして、そして第2カードの後縁と同じ高さにして、第2カードの上に置いた。
【0170】
上記カード対を、引っ張る1分前に載せた
その上のカードを、下のカードに対して、ほぼ1.5インチ滑らせ、フォースゲージで測定した最大引っ張り強度を記録した。
【0171】
その手順を、それぞれの回で異なるカード対で、5回繰り返した。
全ての6回の測定の平均、標準偏差および変動係数%(%COV)を計算し、そして報告した。
【0172】
【表5】

(実施例15)
一枚のコーティングされたTeslin(登録商標)シートを、Empire Plasticsにより供給される1枚の20インチ×25インチの0.10インチのポリ塩化ビニル(PVC)シートの上に置いた。そのPVCシートを、長紙目方向にカットした。上記PVC層の下に、短紙目にカットされた20インチ×25インチ×10ミルのPVC、第2層があった。10ミルのPVCのその短紙目層の下は、長紙目にカットされたKlockner ZE84の20インチ×25インチ×2ミルのPVCシートであった。2ミルの透明ポリエステルの21インチ×26インチのシートを剥離ライナーとして作用するようにTeslin(登録商標)シートの上に、置いた。この構築物を2枚の21”×26”×30ミルの研磨されたステンレス鋼製金属プレートの間に置いた。同一のポリエステル/処理されたTeslin(登録商標)シート/PVC/PVC/PVC積層体を、既にある構築物からのステンレスプレートの上に置いた。研磨された金属プレートを、曝露されたポリエステル剥離ライナーの上に置いた。そのパターンを12の予備圧縮した多重層が積層体に存在するように、もう10回繰り返した。得られた積層体を、緩衝パッドの間に置いた。その緩衝パッドは、Yamauchi Corporationにより製造され、供給されるポリアミド繊維と工業ゴムの組合せであって、熱ラミネート化の間、一様に温度を分布しそしてプレスするように設計されている。得られた積層体+緩衝パッドを、その後2枚の僅かにより大きい125ミルの未研磨、非腐食性金属プレートの間に置いた。この構築物全体を、ブックというが、予め300°F に加熱されたTMPラミネート化プレスに入れた。上記複合構築物を、203psiの圧力で、圧縮ラミネート化した。そのブック全体を、そのブックの中間層が261Fの温度に到達するまで、この条件下に保持した。その後、まだプレスしたままで、上記ダイプレートを同じ中央の層が100°Fに到達することが可能なように十分長い時間冷却した。そのプレスから取り除いた後に、全ての12の複合シートを上記ブックから取り除いた。全ての12の複合シートのPVC表面上を、局所的に静的ガードで処理した。全ての12の仕上がった複合シートは優良な完全性を有し;剥離するいかなる試みも、そのTeslin(登録商標)層を破壊したが、それはTeslin(登録商標)とPVCの間の良好な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。ISO7910 ID−1カードを、20インチ×25インチ×30.5ミルの複合シートの各々から打ち抜いた。各々の複合シートからの仕上がったカードは、優良な完全性を有し、かつ良好な側面平坦性を有した。得られたカードは、非ブロッキング挙動および必要な滑り性能を有した。しかしながら、これらのカードは、1kg負荷のもとで24時間、85%相対湿度、55℃に曝露されると、100カード積層体に入れられるとブロックした。剥離するいかなる試みも、そのTeslin(登録商標)層を破壊したが、それはTeslin(登録商標)とPVCの間の良好な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。
【0173】
【表6】

【0174】
【表7】

混合手順
特定量のCinFix RFDを、主要混合容器に添加し、そして攪拌した。
【0175】
特定のDI水を、CinFix RFDに添加し、そして次の予備混合添加の前10分稈攪拌した。全体の混合手順の間中、攪拌を続けた。
【0176】
特定量のPPG WC−71−2134を、予備混合容器に添加し、そして攪拌した。
【0177】
特定量DI水を、PPG WC−71−2134に添加し、そして10分間攪拌した。
【0178】
PPG WC−71−2134予備混合物を、上記主要混合容器に添加した。
【0179】
特定量のWitcobond W240を、予備混合容器に添加し、そして攪拌した。
【0180】
特定の量のDI水を、上記PPG WC−71−2134に添加し、そして10分間攪拌した。
【0181】
Witcobond W240予備混合物を、上記主要混合容器に添加した。
【0182】
最終混合物を15分間攪拌した。
【0183】
固形物、pHおよび粘度を測定し、モニターし、そして必要に応じて調整を行った。
【0184】
説明書きに与えられたコーティング組成物:
コーティング説明書:40活性部のCinFix RDF
30活性部のPPG WC−71−2134
30活性部のWitcobond W240
12.5%の全混合固形物
(実施例16)
Wikoff industriesにより製造され、かつ供給されるWikoff SCW 4890のコーティングを、フレキソコーティング法およびグラビアコーティング法を使用して、JCPにより製造、かつ供給される3,660フィートの2ミルのゲージMagnetic Stripe Master Rollに塗布した。単一のコーティングステーションを、5bcmのアニックスロールおよび不織ゴム塗布ロールで備え付けた。上記コーティング組成物供給チャンバを、コーティング組成物保持タンクおよびポンプから提供する。連続ロールストックを、上記磁気を帯びた縞模様テープを含む表面が上記コーティング組成物を受け取れるようにその装置の中を通した。またこのコーティングされたシートを、コーティングされたシートが乾燥器の中をコーティングされた面が熱風源に面して通過するように通した。線速は、300fpmで、乾燥器温度は105℃(220°F)で、単回のコーティング通過を適用した。折畳みおよび継ぎ目を除去するために巻き上げステーションの丁度前に、連続コーティングシートに対して、穏やかな空気カーテンが向けられていた。上記コーティング組成物を、ほぼ5mg/sqinのコーティング重量で塗布した。得られたコーティングロールを、25”×20”のシート、短紙目に変換した。
【0185】
(実施例17)
実施例16に記載のように調製した上記2ミルのコーティングされたManetic Stripe Master Sheetを、以下の手順を使用してカードの形に製造した。一枚のコーティングされたTeslin(登録商標)シートを、Empire Plasticsにより供給される1枚の20インチ×25インチの0.10インチのポリ塩化ビニル(PVC)シートの上に置いた。そのPVCシートを、長紙目方向にカットした。上記PVC層の下に、短紙目にカットされた20インチ×25インチ×10ミルの、第2層があった。10ミルのその長紙目層の下は、短紙目にカットされた20インチ×25インチ×2ミルのMagnetic Stripe Master Sheetであり、これをコーティングされた面が、隣接する10ミルのPVC層から離れて面するように置いた。2ミルの透明ポリエステルの21インチ×26インチのシートを剥離ライナーとして作用するようにTeslin(登録商標)シートの上に、置いた。この構築物を2枚の21”×26”×30ミルの研磨されたステンレス鋼製金属プレートの間に置いた。同一のポリエステル/処理されたTeslin(登録商標)シート/PVC/PVC/Magnetic Stripe Master Sheet積層体を、既にある構築物からのステンレスプレートの上に置いた。研磨された金属プレートを、曝露されたポリエステル剥離ライナーの上に置いた。そのパターンを12の予備圧縮した多重層が積層体に存在するように、もう10回繰り返した。得られた積層体を、緩衝パッドの間に置いた。その緩衝パッドは、Yamauchi Corporationにより製造され、供給されるポリアミド繊維と工業ゴムの組合せであって、熱ラミネート化の間、一様に温度を分布し、そしてプレスするように設計されている。得られた積層体+緩衝パッドを、その後2枚の僅かにより大きい125ミルの未研磨、非腐食性金属プレートの間に置いた。この構築物全体を、ブックというが、予め300°F に加熱されたTMPラミネート化プレスに入れた。上記複合構築物を、203psiの圧力で、圧縮ラミネート化した。そのブック全体を、そのブックの中間層が261°Fの温度に到達するまで、この条件下に保持した。その後、熱いうちであるが、上記プレスを1分間全てのブックから解除し、その後圧力を再導入した。そのダイプレートを同じ中央の層が100°Fに到達することが可能なように十分長い時間冷却した。そのプレスから取り除いた後に、全ての12の複合シートを、上記ブックから取り除いた。上記マイラー剥離ライナーをTeslin(登録商標)シートから取り除いた。その磁気縞表面は、ラミネート化プレート上へのWikoffコーティングの焼付け(print−off)から生じる欠陥を示した。全ての12の仕上がった複合シートは優良な完全性を有し;剥離するいかなる試みも、そのTeslin(登録商標)層を破壊したが、それはTeslin(登録商標)とPVCの間で良好な接着性、かつ本質的に継ぎ目の無い接着性を示した。ISO7910 ID−1カードを、20インチ×25インチ×30.5ミルの複合シートの各々から打ち抜いた。各々の複合シートからの仕上がったカードは、優良な完全性を有し、かつ良好な側面平坦性を有した。得られたカードは、非ブロッキング挙動および必要な滑り性能を有した。
【0186】
(実施例18−熱ラミネート化)
8.5×11インチの寸法のTS 1000シート(PPG Industries、Incorporatedから、商品名Teslinで入手可能であった)を、マスターロールから切り取った。そのTeslinシートを各側4回通過させてコーティングした。そのTeslinをコーティングするのに使用したコーティング組成物を、最初にWitcobond 234(Crompton Corporation、Greenwich、Connecticutから入手可能)という商品名で販売されている31%固形物のアニオン性ポリウレタンを、オーバーヘッドミキサーによる高速混合下、ステンレス鋼混合タンクの中で12.3%まで希釈することにより調製した。別の供給タンクの中で、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンと反応させたポリアミドアミンの55%固形物溶液(商品名CinFix NFという名前で、Stockhausen GmbH & Co.KG、Drefeld、Germanyから入手可能である)を、7.7%固形物にまで希釈し、続いて上記の希釈されたアニオン性ポリウレタン分散液に50/50容量比で添加し、そしてその混合物を15分間混合した。上記pHを、5.0+/−0.5に調整した。上記混合物の全樹脂固形物は、10%であった。
【0187】
上記コーティング組成物を、強制空気乾燥器を備える2つのコーティングステーションを含むフレキソ印刷コーティング技術を使用して、Teslin(10ミル厚さ)のシートに塗布した。各コーティングステーションを、コーティング組成物供給チャンバ、アニロックスロールおよびゴムロールで構成した。そのコーティング組成物供給チャンバを、コーティング組成物保持タンクおよびポンプから、供給した。この材料を調製するのに、1つのコーティングステーションのみを使用した。その装置に7bcm(10億立方ミクロン)のアニロックスロールを備え付け、線速は180fpm(フィート/分)であり、そして乾燥器温度は105℃(220°F)であった。1ロールにつき8回、通過させた。これは1表面あたり、4回の通過に相当する。
【0188】
試験印刷を、HP1220Cカラーインクジェットプリンターを使用して、そのシートに印刷した。その印刷したシートを、以下のラミネート剥離強さ試験法を使用してラミネート化した。Teslinの8.5×11インチのシートを、8.5×11インチのSealtran3/2ラミネート化フィルムで被覆した。20lb.のボンド紙の2×11インチの小片を、Teslin上の中央線(11インチ方向)に沿って置いた。試験されるべきフィルムを、8.5インチ×11インチにカットして、上記の構造物の上に直接置いた。ラミネート化したシートを4.25インチ×11インチの小片にカットした。小片をその後、JDC Precision Sample Cutter(Thwing Albert Instruments)を使用して、切った(1インチ/4.25インチ)。各小片を、シリコンコーティングした「ラミネート化小袋」に入れた。上記小袋を、その小袋を収容できるのに十分な大きさの小袋ラミネータを通して供給した。ラミネート化ロール温度は275〜300°F(120〜135℃)の範囲で変動した。ラミネート化サンプルを、その後、剥離試験の前、少なくとも24時間室温で貯蔵した。ラミネート化フィルムを、Teslinから剥離し、そして引張試験機の上顎に置いた。下の部分を引張試験機の下顎に置いた。180°剥離を、サンプリング速度4.0pt./秒で、0.5インチ/分で実施した。その試験結果は、初期剥離強度が、9.6lbs./インチであることを示し、得られた基材は、24時間水に浸漬後も完全性を維持したことを示した。
【0189】
(実施例19)
本発明のコーティング組成物を調製するのに、Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyから入手可能な商品名CinFix RDFという名前で販売されている31%ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウムを、穏やかな攪拌下で、ステンレス鋼またはポリエチレンの混合容器の中で、脱イオン水で10%まで希釈した。穏やかな攪拌とは、混合容器の直径の3分の1の混合へッドで、その混合ヘッドは600〜1000rpmで回転し、適切に配置された、中程度の羽根角の3頭混合へッドで特定する。別の混合容器で、PPG Industries、Inc.から入手可能な商品名WC−71−2143で販売されている、29%カチオン性アクリル酸水溶液を、脱イオン水で10%まで希釈して、予め希釈したCinFix RDFを含有する主混合容器に添加する。別の混合容器で、Crompton Corporationから入手可能な商品名Witcobond W240で販売されている、30%水性カチオン性ポリウレタン分散液を、脱イオン水で10%まで希釈し、そしてCinFix RDFおよびPPG WC−71−2143を含有する主混合容器に添加する。得られたコーティング組成物を、15分間攪拌する。得られたpHは、5.5+/−0.5であった。上記組成物の全固形物は10%であり、Brookfield粘度計、RVT、スピンドル1号を使用し、50rpmおよび25℃で測定すると56cpsであった。
比較のために、他のコーティング組成物を、別のCinFix添加物およびWC−71−2143を有するかまたは有しないポリウレタン分散液を使用して調製した。
【0190】
【表8】

(成分:)
CinFix NF−Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyからの50〜60%ポリ(4級アミン)ポリマー(CAS No.68583−79−9)の活性水溶液。
【0191】
CinFix 167−Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyからの50〜60%ポリ(4級アミン)(組成物−企業秘密)の活性水溶液。
【0192】
CinFix RDF−Stockhausen GmbH & Co.KG、Krefeld、Germanyからの30〜35%ポリ(4級アミン)ポリマー(CAS No.26062−79−3)の活性水溶液。
【0193】
WitcoBond W−234−Uniroyal Chemical of Middlebury、CTからのアニオン性脂肪族ウレタンの30〜35%固形物水ベースの分散液。
【0194】
WitcoBond X−051−Uniroyal Chemical of Middlebury、CTからのカチオン性ウレタンの30〜35%固形物水ベースの分散液。
【0195】
WitcoBond W−240−Uniroyal Chemical of Middlebury、CTからの自己架橋型アニオン性ポリウレタンの30〜35%固形物水ベースの分散液。
【0196】
WC−71−2143−PPG Industries of Pittsburgh、PAからの25〜30%固体のカチオン性アクリル酸ポリマーの水性分散液。
【0197】
PPG処方物番号WC−71−2143は、溶液重合により調製された水性2級アミンおよびヒドロキシル官能のアクリル酸ポリマーである。また、カチオン性アクリル酸ポリマー水性分散液として記載される。WC−71−2143を、以下のように調製した。
【0198】
【表9】

最初の投入物を、反応器で攪拌しながら還流温度(80℃)まで加熱した。フィード1を、3時間かけて連続的な様式で添加した。フィード1の添加が終了した時点で、その反応混合物を、3時間還流を続けた。得られたアクリル酸ポリマー溶液は、61.7%の全固形分(110℃で、1時間加熱する前後のサンプルの重量差により決定した)およびポリスチレンを標準としてゲル透過クロマトグラフィーにより決定した4792の数平均分子量を有した。その後、フィード2を、攪拌しながら室温で5分間にわたり添加した。フィード2の添加が終了した後、フィード3を、その反応混合物をイソプロパノールの共沸蒸留のために加熱しながら、30分に渡り添加した。その蒸留温度が、99℃に達した時に、蒸留をさらに約1時間続け、その後その反応混合物を室温まで冷却した。収集された蒸留物は550.6グラムであった。その生成物は、カチオン性アクリル酸ポリマー水溶液であり、32.6重量%の固形分(110℃で1時間加熱前後のサンプルの重量差で決定された)およびpH5.25を有した。
【0199】
全ての固形物%値は、重量による。
【0200】
コーティング組成物を、黒地の81/2”×11”Teslin(登録商標)TS1000シートに塗布した。コーティング組成物重量を、電子天秤を使用して差により測定した。
【0201】
その黒地シートの重量を測る。
【0202】
9番ワイヤで包まれたロッドを使用して、コーティングを前側に塗布する。
【0203】
そのシートを、織物乾燥器(Werner Mathis AG,Zurich,SwitzerlandからのModel LTF)で、2分間、95℃で焼く。
【0204】
そのシートを乾燥器から取り出し、9番ワイヤで包まれたロッドを使用して、コーティングを裏側に塗布する。
【0205】
そのシートを織物乾燥器で2分間、95℃で再び焼く。
【0206】
そのシートを取り出し、触れられる様になるまで冷却し、再び測る。
【0207】
コーティングされた面積でミリグラム単位の重量差を割ることにより、コーティング重量ミリグラム/平方インチを決定する。
【0208】
上記混合コーティング組成物の動的粘度を、2番のZahnカップを使用して測定し、そして静的粘度を、2番のスピンドルを使用して、100rpmで、Brookfield Model DV−1+粘度計を使用して測定した。
【0209】
【表10】

コーティングしたTeslinシートからの試験印刷物を、HP960Cプリンターを通常のデフォルト印刷モードにセットして、打ち出した。光学密度値を、Macbeth(登録商標)黒/白標準プレートに対して標準化したX−Rite(登録商標)濃度計、モデル418型を使用して測定した。試験印刷物をまた、比較のために、コーティングしていないTeslin TS1000シートを使用して打ち出した。光学密度値を、以下の表に列挙する。
【0210】
【表11−1】

【0211】
【表11−2】

上記09コーティング組成物を、81/2”×11”のシートTeslin(登録商標)TS1000およびSP1000に塗布し、上述のように硬化した。コーティングしたTeslinシートからの試験印刷物を、HP960Cプリンターを通常のデフォルト印刷モードにセットして、打ち出した。光学密度値を、Macbeth(登録商標)黒/白標準プレートに対して基準化したX−Rite(登録商標)濃度計、モデル418型を使用して測定した。光学密度値を、以下の表に列挙する。
【0212】
【表12】

(実施例20)
10.5ミル Teslin TS1000の6600ftロールのいくつかを、実施例19に記載されている技術に従って、実施例19に記載されているコーティング組成物で、寸法を合わせた。得られたロールを、長紙目の8.5”×11”シートに変換した。試験印刷物を、HP960Cプリンターを、最良のインクジェット写真グレードつや消し仕上げにセットして打ち出した。基材の両側を印刷した。5種類の主要なカラーインクのタイプ:複合黒、シアン、マゼンタ、黄、色素性黒のカラー縞の光学密度を測定した。印刷されたカラー縞を水道水に15分間浸漬し、そして得られた光学密度を測定した。上記手順を全部で24時間連続的に浸漬した後に繰り返した。その光学密度値を以下の表に示す。
【0213】
【表13】

【0214】
【表14】

全てのカラー縞は、水道水に24時間浸漬した後でも、しっかり残っていた。上記の色のいずれからも滲み出しは見られなかった。複合黒で印刷された、試験印刷サンプルの一部であるボールドの10ポイントのフォントは、良好な光学的明瞭さを維持していた。
【0215】
(実施例21)
10.5ミル厚さの26インチ×38インチの処理されたTeslin TS1000シート基材を、長紙目方向にマスターロールからカットした。そのTeslinを、実施例19に記載されたコーティング組成物と同じ組成物および実施例19に記載されたフレキソコーティング技術を使用して、それぞれの側、3回通過(3×3)によりコーティングした。一枚のコーティングしたTeslinシートを、Empire Plasticsから供給される、一枚の26インチ×38インチ、0.21インチのポリ塩化ビニル(PVC)シートの上に置いた。そのPVCシートを、長紙目方向にカットした。27インチ×39インチ、2ミルの透明ポリエステルシートを剥離ライナーとして作用するようにTeslinシートの上に置いた。この剥離ライナーを、ラミネート化した後に複合シートから除去し、そしてそれは、最終複合シートの完全体の部分ではない。この構築物を、2つの27”×39”×30ミルの研磨されたステンレス鋼金属プレートの間に置いた。得られた積層体を、その後2つの27”×39”×125ミル非研磨、非腐食性の金属プレートの間に置いた。この構築物全体を、200−Ton Wabashラミネートプレスに入れて220Fまで予備加熱した。上記複合構築物を、200psiの圧力、220Fの温度で、8分間圧縮ラミネート化した。プレスしながら、ダイプレートを100°Fより低く冷却した(ほぼ22分かかった)。プレスから取り除いた後、得られた複合シートを、上記積層体構築物より取り除いた。仕上がった複合体シートは、優良な完全性および良好な側面平坦性を有した;剥離するいかなる試みも上記Teslin層を破壊し、それは、TeslinとPVCの間の良好な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。ISO7910 ID−1カードを、得られた26インチ×38インチ×30.5ミルの複合シートからダイカットした。仕上がった複合シートは、良好な完全性を有した;剥離するいかなる試みも上記Teslin層を破壊し、それは、TeslinとPVCの間の良好な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。
【0216】
(実施例22)
10.5ミル厚さの20インチ×25インチの処理されたTeslin基材を、長紙目方向に、マスターロールからカットした。上記Teslinを実施例1に記載のものと同じコーティング組成物および実施例2に記載のものと同じフレキソコーティング技術を使用して、各側3回(3×3)の通過によりコーティングした。一枚のコーティングされたTeslinシートを、Empire Plasticsにより供給される1枚の20インチ×25インチの0.10インチのポリ塩化ビニル(PVC)シートの上に置いた。そのPVCシートを、長紙目方向にカットした。上記PVC層の下は、短紙目にカットされた20インチ×25インチ×10ミルのPVCの、第2層であった。10ミルのその短紙目層の下は、長紙目にカットされた20インチ×25インチ×2ミルのPVCシートであった。2ミルの透明ポリエステルの21インチ×26インチのシートを剥離ライナーとして作用するように上記Teslinシートの上に、置いた。この構築物を2枚の21”×26”×30ミルの研磨されたステンレス鋼製金属プレートの間に置いた。同一のポリエステル/処理されたTeslinシート/PVC/PVC/PVC積層体を、既にある構築物からのステンレスプレートの上に置いた。研磨された金属プレートを、曝露されたポリエステル剥離ライナーの上に置いた。そのパターンを12の予備圧縮した多重層が積層体に存在するように、もう10回繰り返した。得られた積層体を、緩衝パッドの間に置いた。その緩衝パッドは、Yamauchi Corporationにより製造され、供給されるポリアミド繊維と工業ゴムの組合せであって、熱ラミネート化の間、一様に温度を分布し、そしてプレスするように設計されている。得られた積層体+緩衝パッドを、その後2枚の僅かにより大きい125ミルの未研磨、非腐食性金属プレートの間に置いた。この構築物全体を、ブックというが、予め300°F に加熱されたTMPラミネートプレスに入れた。上記複合構築物を、203psiの圧力で、18分間、300°Fの温度で、圧縮ラミネートした。その後プレスしながら、ダイプレートを100°Fより低くなるまで冷却した(ほぼ19分かかった)。そのプレスから取り除いた後に、全ての12の複合シートをブックより取り除いた。全ての12の仕上がった複合シートは優良な完全性を有し;剥離するいかなる試みも、そのTeslin層を破壊したが、それはTeslinとPVCの間の優良な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。ISO7910 ID−1カードを、20インチ×25インチ×30.5ミルの複合シートの各々から打ち抜いた。各々の複合シートからの仕上がったカードは、優良な完全性を有し、かつ優良な側面平坦性を有した。剥離するいかなる試みも、そのTeslin層を破壊したが、それはTeslinとPVCの間の優良な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。
【0217】
前述の実施例はまた、Teslin TS1000と同じ結果を生じるTeslin SP1000を使用して行った。
【0218】
(実施例23)
実施例19に従って製造された複合シートを、個別に脱イオン水に15分間浸漬し、そして風乾を24時間行った。ISO7910 ID−1カードを、20インチ×25インチ×30.5ミルの複合シートのそれぞれから打ち抜いた。各複合シートからの仕上がったカードは優良な完全性および良好な側面平坦性を有した。剥離するいかなる試みも、そのTeslin層を破壊したが、それはTeslinとPVCの間の良好な接着性、かつ継ぎ目の無い接着性を示した。得られた調整されたカードは、調整されないバージョンと比較して、積層体からのより容易な分離および滑り特性を示した。
【0219】
以下の表は、新しい申請物(8181−67−09レシピ)の光学密度保持性能を、標準IJ1000WP(2成分レシピ)と比較する。この研究で使用された試験印刷パターンは、最良品質で写真グレードインクジェット用光沢紙をセットしたHP970カラーインクジェットプリンターにより打ち出した。
【0220】
【表15】

本発明は、特定の実施形態に言及して記載されている。明らかな改変および変化は本発明の詳細を読みそして理解する時に、他者も思いつく。本発明は、本発明の範囲またはその等価物に入る範囲内で、全てのそのような改変および変化は含むものと解釈されるよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
7未満のpHを有するインクジェット記録可能な基材コーティング組成物であって、該組成物は、以下:
(a)水性ポリウレタン分散液;および
(b)窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液、
を含む、インクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項2】
前記ポリウレタンが、アニオン性ポリウレタン、カチオン性ポリウレタン、非イオン性ポリウレタンおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項3】
前記水性アニオン性ポリウレタン分散液が、芳香族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、芳香族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエステルポリウレタン、芳香族ポリカプロラクタムポリウレタン、および脂肪族ポリカプロラクタムポリウレタンからなる群より選択される1つ以上のアニオン性ポリウレタンを含む、請求項2に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項4】
前記水性アニオン性ポリウレタンが、カルボン酸、スルホン酸およびこれらの混合物からなる群より選択される1つ以上の酸基を有する、請求項2に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項5】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液が、以下:
【化1】

からなる群より選択される、1つ以上の窒素含有モノマーから誘導されるモノマー残基を含むポリマーを含み、
ここでRは、独立に、各構造における各出現について、HおよびC〜C脂肪族からなる群より選択され;Rは、独立に、各構造について、C〜C20脂肪族炭化水素、ポリエチレングルコールおよびポリプロピレングリコールからなる群より選択される二価結合基であり;Rは、独立に、各構造における各出現について、H、C〜C22脂肪族炭化水素、および該窒素のエピクロロヒドリンとの反応からの残基からなる群より選択され;Zは、−O−、および−NR−からなる群より選択され、ここでRは、HおよびCHからなる群より選択され;そしてXは、ハライドおよびメチルスルフェートからなる群より選択される、請求項1に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項6】
前記水性ポリウレタン分散液が、前記インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の10〜70重量%で存在し、そして前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液が、該インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の30重量%〜90重量%で存在する、請求項1に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項7】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物(b)を前記水性ポリウレタン分散液(a)に混合することにより調製される、請求項1に記載のインクジェット記録可能な基材コーティング組成物。
【請求項8】
インクジェット記録可能な基材をコーティングする方法であって、該方法は、以下:
(a)頂部表面および底部表面を有するインクジェット記録可能な基材を提供する工程;
(b)7未満のpHを有するコーティング組成物を提供する工程であって、該コーティング組成物は、以下:
(i)水性ポリウレタン分散液;および
(ii)窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液、
を含む、工程;
(c)該インクジェット記録可能な基材の少なくとも一方の側に、該コーティング組成物を塗布する工程、
を包含する、方法。
【請求項9】
前記インクジェット記録可能な基材が、上部表面および底部表面を有する細孔性基材を含み、該細孔性基材は、以下:
(a)ポリオレフィンを含むマトリクス;
(b)該マトリクス全体に分布する、微粉砕粒子状シリカ質充填剤;および
(c)該細孔性基材全体に連通する相互接続する細孔のネットワークであって、該細孔が、該細孔性基材の少なくとも約35体積%を構成する、細孔のネットワーク、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、少なくとも10デシリットル/グラムの固有粘度を有する直鎖高分子量ポリエチレンおよび少なくとも5デシリットル/グラムの固有粘度を有する直鎖高分子量ポリプロピレンからなる群より選択される1つまたは両方を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シリカ質充填剤が、前記細孔性基材の50重量%〜90重量%を構成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
(b)(i)における前記水性ポリウレタン分散液が、アニオン性ポリウレタン、カチオン性ポリウレタン、非イオン性ポリウレタン、およびこれらの混合物からなる群より選択されるポリウレタンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記アニオン性ポリウレタンが、芳香族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、芳香族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエステルポリウレタン、芳香族ポリカプロラクタムポリウレタン、および脂肪族ポリカプロラクタムポリウレタンからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記水性アニオン性ポリウレタンが、カルボン酸、スルホン酸およびこれらの混合物からなる群より選択される1つ以上の酸基を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液が、以下:
【化2】

からなる群より選択される、1つ以上の窒素含有モノマーから誘導されるモノマー残基を含むポリマーを含み、
ここでRは、独立に、各構造における各出現について、HおよびC〜C脂肪族からなる群より選択され;Rは、独立に、各構造について、C〜C20脂肪族炭化水素、ポリエチレングルコールおよびポリプロピレングリコールからなる群より選択される二価結合基であり;Rは、独立に、各構造における各出現について、H、C〜C22脂肪族炭化水素、および該窒素のエピクロロヒドリンとの反応からの残基からなる群より選択され;Zは、−O−、および−NR−からなる群より選択され、ここでRは、HおよびCHからなる群より選択され;そしてXは、ハライドおよびメチルスルフェートからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記水性ポリウレタン分散液が、前記インクジェット記録可能な基材コーティング組成物の10重量%〜70重量%で存在し、そして前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液が、該コーティング組成物の30重量%〜90重量%で存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物が、エピクロロヒドリンと反応したポリアミドアミンである、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記コーティング組成物が、該コーティング組成物の総重量に基づき1〜35重量%の総樹脂固形物を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
(b)(i)における前記水性ポリウレタン分散液が、アニオン性ポリウレタンを含み、前記コーティング組成物が、前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物(b)(ii)を、該水性ポリウレタン分散液(b)(i)に混合することにより調製される、請求項8に記載の方法。
【請求項20】
前記コーティング組成物が、前記インクジェット記録可能な基材の両側に塗布される、請求項8に記載の方法。
【請求項21】
請求項8に記載の方法によりコーティングされた、コーティングされたインクジェット記録可能な基材。
【請求項22】
コーティングされた細孔性基材であって、該コーティングされた細孔性基材は、以下:
(a)頂部表面および底部表面を有する細孔性基材であって、以下:
(i)ポリオレフィンを含むマトリクス;
(ii)該マトリクス全体に分布する、微粉砕粒子状シリカ質充填剤;および
(iii)該細孔性基材全体に連通する相互接続する細孔のネットワークであって、該細孔が、該細孔性基材の少なくとも約35体積%を構成する、細孔のネットワーク、
を含む、細孔性基材;ならびに
(b)該細孔性基材の少なくとも1つの表面上のコーティング層であって、以下、
(i)窒素含有ポリマー色止め剤化合物;および
(ii)アニオン性ポリウレタン、カチオン性ポリウレタン、非イオン性ポリウレタン、およびこれらの混合物からなる群より選択される、1つ以上のポリウレタン、
を含むコーティング層、
を含む、コーティングされた細孔性基材。
【請求項23】
前記ポリウレタンがアニオン性ポリウレタンであり、そして前記水性アニオン性ポリウレタンが、カルボン酸、スルホン酸およびこれらの混合物からなる群より選択される1つ以上の酸基を有する、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項24】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物が、以下:
【化3】

からなる群より選択される、1つ以上の窒素含有モノマーから誘導されるモノマー残基を含むポリマーを含み、
ここでRは、独立に、各構造における各出現について、HおよびC〜C脂肪族からなる群より選択され;Rは、独立に、各構造について、C〜C20脂肪族炭化水素、ポリエチレングルコールおよびポリプロピレングリコールからなる群より選択される二価結合基であり;Rは、独立に、各構造における各出現について、H、C〜C22脂肪族炭化水素、および該窒素のエピクロロヒドリンとの反応からの残基からなる群より選択され;Zは、−O−、および−NR−からなる群より選択され、ここでRは、HおよびCHからなる群より選択され;そしてXは、ハライドおよびメチルスルフェートからなる群より選択される、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項25】
前記ポリウレタンが、前記コーティング層の10重量%〜70重量%で存在し、そして前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物が、該コーティング層の30重量%〜90重量%で存在する、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項26】
前記窒素含有ポリマー色止め剤化合物が、エピクロロヒドリンと反応したポリアミドアミンである、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項27】
前記ポリオレフィンが、少なくとも約10デシリットル/グラムの固有粘度を有する直鎖高分子量ポリエチレンおよび少なくとも約5デシリットル/グラムの固有粘度を有する直鎖高分子量ポリプロピレンからなる群より選択される1つまたは両方を含む、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項28】
前記シリカ質充填剤が、前記細孔性基材の50重量%〜90重量%を構成する、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項29】
前記コーティング層が、前記細孔性基材の前記表面の少なくとも第1の1ミクロンへ浸透する、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項30】
前記細孔性基材が、0.5〜100ミルの厚みを有する、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項31】
前記コーティング重量が、0.001g/m〜50g/mである、請求項22に記載のコーティングされた細孔性基材。
【請求項32】
実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続されたインクジェット記録可能な基材を含む多層品であって、該インクジェット記録可能な基材は、実質的に耐水性コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、そして該インクジェット記録可能な基材および実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つが、摩擦低減コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、多層品。
【請求項33】
前記実質的耐水性コーティング組成物が、以下:
(a)水性ポリウレタン分散液;および
(b)水性媒体に少なくとも部分的に溶解したカチオン性窒素含有ポリマー色止め剤物質、
を含む、請求項32に記載の多層品。
【請求項34】
前記摩擦低減コーティング組成物が、潤滑剤および樹脂を含む、請求項32に記載の多層品。
【請求項35】
前記潤滑剤が、ポリシロキサンを含む、請求項32に記載の多層品。
【請求項36】
前記樹脂が、スチレンアクリルポリマーを含む、請求項32に記載の多層品。
【請求項37】
多層品を作製するための方法であって、該方法は、以下:
(a)頂部表面および底部表面を有するインクジェット記録可能な基材を提供する工程;
(b)実質的に耐水性のコーティング組成物を提供する工程であって、該コーティング組成物は、以下の工程:
(i)水性ポリウレタン分散液;および
(ii)水性媒体に少なくとも部分的に溶解したカチオン性窒素含有ポリマー色止め剤物質、
の安定な分散液を含む、工程;
(c)該インクジェット記録可能な基材の少なくとも1つの表面に、該コーティング組成物を少なくとも部分的に塗布する工程、
(d)(c)の該インクジェット記録可能な基材を、頂部表面および底部表面を有する実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続する工程;
(e)摩擦低減コーティング組成物を提供する工程;ならびに
(f)該摩擦低減コーティング組成物を、該インクジェット記録可能な基材および該実質的に非多孔性の材料のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの表面に少なくとも部分的に塗布する工程、
を包含する、方法。
【請求項38】
インクジェット記録可能な基材、少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料および磁化可能材料を含む、多層品。
【請求項39】
前記磁化可能材料が、酸化物材料である、請求項38に記載の多層品。
【請求項40】
前記酸化物材料が、酸化鉄(II)、酸化鉄およびこれらの混合物より選択される、請求項39に記載の多層品。
【請求項41】
前記磁化可能材料が、スラリーである、請求項38に記載の多層品。
【請求項42】
前記磁化可能材料が、200〜5000の保磁度を有する、請求項38に記載の多層品。
【請求項43】
前記磁化可能材料が、保護材料、担体材料、または接着性材料より選択される少なくとも1つの材料に少なくとも部分的に接続される、請求項38に記載の多層品。
【請求項44】
前記保護材料が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、およびこれらの組合せより選択される、請求項43に記載の多層品。
【請求項45】
前記担体材料が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、およびこれらの組合せより選択される、請求項43に記載の多層品。
【請求項46】
前記接着性材料が、ポリ酢酸ビニル、デンプン、ゴム、ポリビニルアルコール、動物性にかわ、アクリル、エポキシ、ポリエチレン含有接着剤、およびゴム含有接着剤より選択される、請求項43に記載の多層品。
【請求項47】
前記保護材料が、前記磁化可能材料に少なくとも部分的に接続され、該磁化可能材料が、前記担体材料に少なくとも部分的に接続され、そして該担体材料が、前記接着性材料に少なくとも部分的に接続される、請求項43に記載の多層品。
【請求項48】
前記磁化可能材料が、前記インクジェット記録可能基材に少なくとも部分的に接続される、請求項38に記載の多層品。
【請求項49】
前記磁化可能材料が、前記実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続される、請求項38に記載の多層品。
【請求項50】
前記インクジェット記録可能基材が、細孔性基材である、請求項38に記載の多層品。
【請求項51】
前記実質的に非多孔性の材料が、ポリ塩化ビニルである、請求項38に記載の多層品。
【請求項52】
前記磁化可能材料が、実質的に耐水性のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項38に記載の多層品。
【請求項53】
前記実質的に耐水性のコーティング組成物が、請求項1に記載のコーティング組成物である、請求項52に記載の多層品。
【請求項54】
前記インクジェット記録可能基材の少なくとも1つの表面が、実質的に耐水性のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項52に記載の多層品。
【請求項55】
前記実質的に非多孔性の材料の少なくとも1つの表面が、実質的に耐水性のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項52に記載の多層品。
【請求項56】
前記磁化可能材料の少なくとも1つの表面が、摩擦低減コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項38に記載の多層品。
【請求項57】
前記摩擦低減コーティング組成物が、さらに、少なくとも1つの潤滑剤および少なくとも1つの樹脂を含む、請求項56に記載の多層品。
【請求項58】
前記インクジェット記録可能基材が、摩擦低減コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項38に記載の多層品。
【請求項59】
前記実質的に非多孔性の材料が、摩擦低減コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項38に記載の多層品。
【請求項60】
さらに、前記多層品の少なくとも1つの表面に少なくとも部分的に接続される剥離ライナーを備える、請求項38に記載の多層品。
【請求項61】
第1の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続される細孔性基材を含む多層品であって;該第1の実質的に非多孔性の材料が、第2の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され;該第2の実質的に非多孔性の材料が、第3の実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続され;該第3の実質的に非多孔性の材料が、磁化可能材料を含む、多層品。
【請求項62】
接着性材料に少なくとも部分的に接続される磁化可能材料を含み、該接着性材料が、実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続される、多層品。
【請求項63】
接着性材料に少なくとも部分的に接続される磁化可能材料を含み、該接着性材料が、インクジェット記録可能材料に少なくとも部分的に接続される、多層品。
【請求項64】
磁化可能材料、インクジェット記録可能基材、および実質的に非多孔性の材料を含む多層品であって、ここで該インクジェット記録可能基材が、実質的に耐水性のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、そして該インクジェット記録可能基材および実質的に非多孔性の材料の少なくとも1つが、摩擦低減コーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、多層品。
【請求項65】
インクジェット記録可能基材、少なくとも1つの実質的に非多孔性の材料およびデータ転送/保存デバイスを含む、多層品。
【請求項66】
前記データ転送/保存デバイスが、担体材料を含む、請求項65に記載の多層品。
【請求項67】
前記担体材料が、ポリ塩化ビニルである、請求項66に記載の多層品。
【請求項68】
前記データ転送/保存デバイスが、バリア材料を含む、請求項65に記載の多層品。
【請求項69】
前記データ転送/保存デバイスが、接着性材料を用いて、少なくとも部分的に前記バリア材料に接続され得る、請求項68に記載の多層品。
【請求項70】
前記バリア材料の少なくとも1つの表面が、実質的に耐水性のコーティング組成物、もしくは摩擦低減コーティング組成物、またはこれらの組合せより選択されるコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項68に記載の多層品。
【請求項71】
前記バリア材料が、実質的に非多孔性の材料を含む、請求項68に記載の多層品。
【請求項72】
実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続される細孔性基材を含む多層品であって、該細孔性基材は、実質的に耐水性のコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、該コーティング組成物が、
(a)水性ポリウレタン分散液;および
(b)水性媒体に少なくとも部分的に溶解したカチオン性窒素含有ポリマー色止め剤物質、
の安定な分散液を含む、多層品。
【請求項73】
前記細孔性基材が、以下:
(a)ポリオレフィン;
(b)粒子状シリカ材料;および
(c)細孔が該細孔性基材の少なくとも35体積%を構成する多孔度、
を含む、請求項72に記載の多層品。
【請求項74】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびこれらの混合物より選択される、請求項73に記載の多層品。
【請求項75】
前記ポリエチレンが、少なくとも10デシリットル/グラムの固有粘度を有する本質的に直鎖の高分子量ポリエチレンを含み、そして前記ポリプロピレンが、少なくとも5デシリットル/グラムの固有粘度を有する本質的に直鎖の高分子量ポリプロピレンを含む、請求項74に記載の多層品。
【請求項76】
前記粒子状シリカ材料が、沈降シリカを含む、請求項73に記載の多層品。
【請求項77】
前記水性ポリウレタン分散液が、アニオン性ポリウレタン、カチオン性ポリウレタン、非イオン性ポリウレタン、およびこれらの混合物の水性分散液より選択される、請求項72に記載の多層品。
【請求項78】
前記アニオン性ポリウレタンが、芳香族ポリエーテルポリウレタン、脂肪族ポリエーテルポリウレタン、芳香族ポリエステルポリウレタン、脂肪族ポリエステルポリウレタン、芳香族ポリカプロラクタムポリウレタン、脂肪族ポリカプロラクタムポリウレタンおよびこれらの混合物より選択される、請求項77に記載の多層品。
【請求項79】
前記実質的に非多孔性の材料が、実質的に非多孔性の熱可塑性ポリマー、実質的に非多孔性金属含有熱可塑性ポリマー、実質的に非多孔性熱硬化性ポリマー、実質的に非多孔性のエラストマー、実質的に非多孔性の金属およびこれらの混合物より選択される、請求項72に記載の多層品。
【請求項80】
多層品を製造するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)頂部表面および底部表面を有する細孔性基材を提供する工程;
(b)実質的に耐水性のコーティング組成物を提供する工程であって、該コーティング組成物は、以下:
a.水性ポリウレタン分散液;および
b.水性媒体に少なくとも部分的に溶解したカチオン性窒素含有ポリマー色止め剤物質、
の安定な分散液を含む、工程;
(c)該細孔性基材の少なくとも1つの表面に、該コーティング組成物を少なくとも部分的に塗布する工程、
(d)(c)の該細孔性基材を、実質的に非多孔性の材料に少なくとも部分的に接続する工程、
を包含する、方法。
【請求項81】
実質的に耐水性のインクジェット記録可能基材コーティング組成物であって、該組成物は、
a.水性ポリウレタン分散液;
b.カチオン性窒素含有ポリマー色止め剤物質;および
c.アクリルポリマー、
を含み、ここで該コーティング組成物が7以下のpHを有する、コーティング組成物。
【請求項82】
前記ポリウレタン分散液が、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリウレタン、水に分散可能な非イオン性ポリウレタン、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項81に記載のコーティング組成物。
【請求項83】
前記ポリウレタン分散液が、ポリイソシアネートおよびポリオールを含む、請求項81に記載のコーティング組成物。
【請求項84】
前記カチオン性窒素含有ポリマー色止め剤化合物が、ポリアミンおよびエピクロロヒドリンを含む、請求項81に記載のコーティング組成物。
【請求項85】
前記アクリルポリマーが、カチオン性アクリルポリマーを含む、請求項81に記載のコーティング組成物。
【請求項86】
前記カチオン性アクリルポリマーが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ならびにアクリロニトリル、アクリル酸、アクリルアミドおよびこれらの混合物より選択されるモノマータイプを有するポリマーより選択される、請求項85に記載のコーティング組成物。
【請求項87】
実質的に耐水性のインクジェット記録可能基材コーティング組成物を調製する方法であって、該方法は、窒素含有ポリマー色止め剤化合物を、水性ポリウレタン分散液およびアクリルポリマーと混合し、7以下のpHを有する実質的に均一な混合物を生成する工程を包含する、方法。
【請求項88】
実質的に耐水性のインクジェット記録可能基材であって、該インクジェット記録可能基材は、以下:
a.水性ポリウレタン分散液;
b.カチオン性窒素含有ポリマー色止め剤化合物の水溶液;および
c.アクリルポリマー、
を含むコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされており、ここで該コーティング組成物は、7以下のpHを有する、インクジェット記録可能基材。
【請求項89】
さらに、前記基材を、実質的に非多孔性の材料の少なくとも1つの層に結合する工程を包含する、請求項88に記載のインクジェット記録可能基材。

【公表番号】特表2007−534514(P2007−534514A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520422(P2006−520422)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/026892
【国際公開番号】WO2005/023543
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】