説明

耐油紙

【課題】非フッ素系材料を用い、生産性の高い製造方法にて、折り部で高い耐油性を発現させた耐油紙を提供する。
【解決手段】坪量が20〜70g/m、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が70秒以上である紙支持体の少なくとも片面に耐油層を設けた耐油紙であって、耐油層を構成する耐油剤が重量平均分子量5万〜200万、ガラス転移温度30℃未満のアクリル系樹脂であり、かつ折り目部分におけるJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.41:2000に準じて測定したキット法による耐油度が4級以上である耐油紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動植物油等の油分の浸透を抑制する耐油紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より耐油紙は、洗剤、菓子、乾燥食品等の包装容器用素材として広く使用されていた。その用途としては様々なものがあるが、耐油性を付与した板紙については菓子等の食品用の箱、とりわけ油脂分を大量に含むチョコレート菓子等の箱としてや、薄葉紙に耐油性を付与したものについてはハンバーガーや揚げ物等のファーストフードを包装する容器やデパート、コンビニエンスストアなどでのテイクアウト食材の包装容器等に多く使用されている。
【0003】
紙に耐油性を付与する手段としては、優れた耐油性を有するフッ素樹脂系の耐油剤が従来使用されており、例えば、紙、板紙の表面にフッ素樹脂系耐油剤を塗工して耐油層を設けたクッキングシートまたは紙層間にフッ素樹脂系耐油剤層を設けた菓子箱用の耐油板紙等が存在した。しかし、フッ素樹脂系耐油剤を使用した紙は、100〜180℃の食品調理温度で加熱した場合、C8〜C10のフッ素系アルコール化合物等、長期に残留しやすい成分が生成することが確認されている。また、これらフッ素樹脂系耐油剤を使用した紙を使用後焼却した際には、前記フッ素樹脂が熱分解してパーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸等のフッ素化合物が生成し、健康または環境に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、フッ素樹脂系耐油剤を使用しない耐油紙が求められている。
【0004】
前記した熱分解するフッ素系樹脂代替の耐油紙としては紙基材にアクリル樹脂系耐油剤を塗布したもの、ポリエチレンフィルム貼合紙、及びポリエチレン樹脂を塗布したもの、シリコーン系、ワックス系耐油剤を使用したもの、熱を加えても不活性ガスを発生させないように製法が改良されたフッ素系樹脂を使用したもの等々の耐油紙ならびに製造技術が開示されるに至っているが、それぞれ長短所があるため一部実用化されてはいるものの依然として使用者からの改善要望は根強い。
【0005】
ところで、耐油紙の中でも比較的低坪量の耐油紙については、ファーストフードハンバーガーの包装紙、揚げ物を包装する容器やデパート、コンビニエンスストアなどでのテイクアウト食材の包装容器等に多く使用されている。しかし、前記耐油紙は製袋時に生じる折り目部分の耐油性が低下し、油脂成分の滲出が生じる現象が生じやすい。また、包装時に生じるシワの部分も耐油性低下を引き起こす要因となる。
【0006】
耐油紙の中でも、撥油性によって外部への油脂成分の滲出を防止していたフッ素系樹脂を用いた耐油紙では、製袋時に生じる折り目部分の耐油性は比較的高く保つことが可能である。
【0007】
一方、アクリル系樹脂エマルジョンの塗工により製造した耐油紙は、耐油層をピンホールなく成膜させることで外部への油脂成分の滲出を防止することにより耐油性を発現させているため、フッ素系樹脂と比較すると、折り目部分では成膜した耐油塗工層の割れが生じる場合があり、前記折り目部分の耐油性が低下し易い傾向にあった。
【0008】
特に、アクリル系樹脂エマルジョン耐油剤に顔料を添加し、耐油層のブロッキング性能を向上させた耐油紙は、顔料成分が耐油層の耐折強度を低下させ、割れが生じやすくなることから、折部の耐油性が著しく低下することが知られている。
そこで、従来は耐油剤単独、もしくは樹脂成分のみで耐油層で構成し、折り部の耐油性を向上させる方法が採られてきた。
ただし、アクリル系樹脂エマルジョン耐油剤は成膜性の観点から、ガラス転移温度(以下Tgと略記する)が低い化合物が多用されており、Tgが低い耐油剤単独では、耐油層の耐ブロッキング性能が劣り、実用上重送などの問題が生じる可能性があった。
【0009】
一方、Tgが高いアクリル系樹脂エマルジョン耐油剤は、層自体が硬くなってしまうことから、耐油層自体の耐折強度が低下してしまう問題点があった。
【0010】
前記問題点を解決するために、先行技術文献に示す方法が知られているが、アクリル系樹脂エマルジョン耐油剤を使用した際、耐油層の耐折強度を保ちつつ、実用上効果的に耐油性を発現させることが困難であるというのが現状である。
【0011】
例えば、特許文献1にはアクリル系樹脂のTgについて、比較的低いTgの樹脂をアンダーコート層に用いることで製函時の罫線割れを防ぎ、比較的高いTgの樹脂をオーバーコート層に用いることで、ブロッキングを防止する技術が開示されているが、幾層にもわたり塗布することにより耐油性は確保できるもののその手間の多さからコストが極端に高くなる。
【0012】
また、特許文献2にはアクリル樹脂系エマルジョンの耐油剤と浸透剤を混合し、塗布する技術が開示されているが、単独塗工の場合は、耐油剤として比較的Tgの低い耐油剤を塗布することで、ブロッキングが生じやすくなるため好ましくない。また、原紙に浸透させて耐油性を発現させていることから、耐油剤の塗布量が増加してしまう。
すなわち、アクリル系樹脂エマルジョン耐油剤を使用した場合、耐油層の耐折強度を適正に保ちつつ、効果的に耐油性を発現させることが困難であるというのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−028697号公報
【特許文献2】特許3792605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、耐油性樹脂層としてアクリル樹脂系エマルジョンを使用した際、紙支持体の透気度を高く制御することにより、フッ素系化合物を用いないで環境面での問題が少なく、折り部の耐油性を向上させた耐油紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)坪量が20〜70g/m、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が70秒以上である紙支持体の少なくとも片面に耐油層を設けた耐油紙であって、耐油層を構成する耐油剤が重量平均分子量5万〜200万、ガラス転移温度30℃未満のアクリル系樹脂であり、かつ折り目部分におけるJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.41:2000に準じて測定したキット法による耐油度が4級以上である耐油紙。
【0016】
(2)前記紙支持体を構成する原料パルプのJIS P 8121−1995に準じて測定した叩解度(カナダ標準フリーネス)が300ml以下である(1)に記載の耐油紙。
【0017】
(3)前記紙支持体の密度が0.8〜1.2g/cmである(1)または(2)に記載の耐油紙。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、製袋時や、包装時に生じる折り目、およびシワ部の耐油性の低下を抑制した耐油紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の耐油紙において、紙支持体を構成する木材パルプとしては、通常製紙用として使用されるあらゆるものが使用できる。例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の未晒、半晒、あるいは晒パルプ、亜硫酸パルプ、古紙パルプ等が使用できる。
紙支持体のパルプ配合においては、寸法安定性に優れるLBKPを多く配合することが好ましく、全パルプ100質量%のうち60〜100質量%配合するのが好ましい。
【0020】
本発明における紙支持体について、坪量が20g/m〜70g/mであり、かつ王研式透気度が70秒以上であれば、各種の紙が使用できる。すなわち、本発明に用いる紙支持体としては、少なくとも一方の表面に後述する特定のアクリル系樹脂層を設けることができるものであれば良く、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、晒または未晒クラフト紙、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、片艶紙、セミグラシン紙、グラシン紙、パーチメント紙等が挙げられる。紙支持体の坪量が20g/m未満になると、耐油剤の塗工時に紙支持体に必要な強度を保持させることが難しく、70g/mを超えると、折り目部分で紙支持体の座屈が生じやすくなるため、紙支持体の割れを生じ、折り目の耐油性が低下し易くなる。
また、紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が70秒未満になると、原紙の折り部の伸びが小さくなり、折り目の耐油性が低下しやすくなる。前記王研式透気度の好ましい範囲としては、75〜400mlである。
【0021】
さらに、紙支持体の透気度を高めるため、使用するパルプの叩解度をJIS P 8121−1995に準じて測定したカナダ標準フリーネスが300ml以下とすることが好ましい。叩解度のより好ましい範囲は80〜250mlである。叩解度が300mlを超えると、紙支持体の透気度を高く保つことが困難となるほか、折り目の座屈が生じやすくなり、折り目の耐油性が低下しやすくなるおそれがある。
【0022】
なお、使用するパルプは、例えばビーター、ジョルダン、シングルディスク・リファイナー、コニカルリファイナー、円筒型リファイナー、デラックス・ファイナー、ダブル・ディスク・リファイナー(DDR)、媒体攪拌ミル、振動式ミル等の叩解機により前記叩解度となるように調整される。叩解の条件は特に限定されないが、各種リファイナーの刃の形状、回転数、パルプの濃度、パルプの繊維長、パルプの粗度等が叩解後のパルプ物性に影響するので、前記所望の叩解度が得られるように適宜叩解条件が選択される。
【0023】
また、紙支持体の透気度を高める方法として、密度を上げ、0.8〜1.2g/cmとすることが好ましく、より好ましくは0.85〜1.1g/cmである。紙支持体の密度を上げる具体的方法としては、紙支持体の抄造時に湿紙時に使用するブレーカースタックなど、乾燥後にマシンカレンダーやソフトニップカレンダー、グロスカレンダーを使用すること、あるいは紙支持体抄造後にスーパーカレンダーを使用することができる。その中でも、湿紙時に使用するブレーカースタックは乾燥後のカレンダー処理と比較しても、紙水分が高い状態で圧力を与えることが可能であり、効率的に密度を上げることができるため、特に好ましい。
ここで、本発明において使用される抄紙機としては、エアクッションヘッドボックスあるいはハイドロリックヘッドボックスを有する長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ型ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
【0024】
次に、耐油層を構成するアクリル系樹脂について説明する。本発明でいうアクリル系樹脂とは、(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーを必須成分として含み、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーから選択される少なくとも1種のモノマーからなる共重合体である。
【0025】
本発明において用いられる(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルフマル酸、モノアルキルイタコン酸等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることが必要である。
【0026】
本発明において用いられる(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることができる。
【0027】
本発明において用いられる(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、酸ホスホキシエチル(メタ)アクリレートエタノールアミンハーフ塩、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニル硫酸ナトリウム、グリセリンモノアリルエーテルモノスルホコハク酸ナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリルアミドステアリン酸ナトリウム、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリロオキシアルキルプロペナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることができる。
【0028】
本発明において用いられるアクリル系樹脂は公知の乳化重合法によって得ることができる。例えば、所定の反応容器に前記の各種モノマー類、乳化剤および水を仕込み、ラジカル重合開始剤を加え、攪拌下、加温することにより得られる。
【0029】
ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合速度の促進や低温反応を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホオキシレート塩等の還元剤を前記ラジカル重合開始剤と組合せて(レドックス系重合開始剤)用いることができる。
【0030】
重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、通常0.02〜3質量部であるが、好ましくは0.05〜1質量部である。
【0031】
使用する乳化剤としては、特に限定しないが、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、反応性乳化剤が挙げられる。
アニオン性乳化剤としては、オレイン酸カリウム等の脂肪酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
反応性乳化剤としては、種々の分子量(EO付加モル数の異なる)のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、ポリエチレングリコールのモノマレイン酸エステルおよびその誘導体、(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0032】
乳化剤の使用量は、通常、モノマー成分100質量部に対して、0.1〜10質量部程度使用すればよく、好ましくは0.2〜5質量部である。乳化剤の使用量がこの範囲にあることによって、凝固物を生じることなく、適度な粒子径のアクリル系樹脂エマルジョンが得られる。
【0033】
本発明において用いられるアクリル系樹脂は前記のように水媒体中で乳化重合法により得られるが、アクリル系樹脂エマルジョンの固形分濃度を30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%程度として行うことができる。重合反応は単一重合開始剤の場合では通常40〜95℃、好ましくは60〜90℃程度の反応温度で、1〜10時間、好ましくは4〜8時間程度行えばよい。また、レドックス系重合開始剤の場合では反応温度はより低く、通常5〜90℃、好ましくは20〜70℃程度である。モノマーの添加方法としては、一括添加法、分割添加法、連続添加法等で、モノマータップ法、モノマープレ乳化タップ法等の方法で行うことができる。好ましくは連続添加法で、モノマープレ乳化タップ法である。
【0034】
本発明において用いられるアクリル系樹脂は、平均粒子径が0.01〜1.0μmであるものが好ましい。平均粒子径がこの範囲にあれば水分散性が良好となる。平均粒子径が0.01μm未満であると、塗工時の機械的安定性が悪くなるおそれがあり、1.0μmを超えるとハイシェア粘度が低く、所望の塗布量が得られなかったり、塗工面にストリーク等の塗工むらが発生するおそれがある。なお、平均粒子径については、乳化剤や重合開始剤の種類および添加量、添加方法、添加速度、攪拌条件等を適宜設定することにより容易に調整することができる。ここで、エマルジョンの平均粒子径は光散乱法粒子径分布測定機(HORIBA社製、商品名:LB−550)で測定したものである。
【0035】
本発明においては種々の塗工方式での塗工適性を確保するため、耐油層塗液の粘度を制御する必要がある。そこで、アクリル系樹脂を乳化重合する際に分子量(重量平均分子量)を反応温度、反応時間、平均粒子径、酸価の制御により適宜調節する。さらに、公知の連鎖移動剤を用いることは好ましい実施態様である。このような連鎖移動剤としては、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル、イソプロピルアルコール、メタノール、四塩化炭素等が挙げられる。その使用量は、モノマー成分100質量部に対して0.001〜2.0質量部であり、好ましくは0.05〜1.0質量部である。
【0036】
本発明において用いられるアクリル系樹脂はモノマー組成が異なる複数のモノマー成分の個々が重合する過程で一体化してなる樹脂複合体、すなわち、モノマーが異なる複数のモノマー成分を各段で用いた多段の乳化重合により容易に得られるものであり、いわゆるコアシェル型のエマルションであることが好ましい(以下コア部を構成する重合体をコア部、シェル部を構成する重合体をシェル部と略す場合がある)。さらに好ましくは、前記コアシェル型のエマルションはそのコア部には低いTgの樹脂を配置することが可能で、それにより塗膜形成が容易になり、皮膜自体が強靭になる。また、シェル部に高いTgの水溶性樹脂を配置することにより硬度を持たせることが可能になり、耐ブロッキング性が向上する。このようなコアシェル型のエマルジョンは以下のようにして容易に得ることができる。
【0037】
アクリル系樹脂をコアシェル型エマルジョンとする場合、モノマー組成の異なる複数のモノマー成分を各段で用いた多段の乳化重合工程を経て製造する。ここで、多段の乳化重合とは、前段までに用いたモノマー成分の80質量%以上、好ましくは90質量%以上が重合してから、新たにモノマー成分を加えて次の段の重合を行う重合方法をいう。乳化重合の段数は、特に限定されないが、製造工程を簡略化するためには、2段または3段が好ましい。
本発明のアクリル系樹脂の製造においては、第一段の乳化重合工程ではTgが低いモノマー成分を用い、最終段の乳化重合工程ではTgが高いモノマー成分を用いる。
【0038】
いずれにしても、前記したような適切な粒子径と適切な酸価を有することでハイシェア粘度を高く保ちつつ、かつ、皮膜になった時に、各種成分が分離することなく、均質なポリマーに近い状態で製膜されることが好ましい。そのことは、皮膜のTgを測定した時に、モノマーの違いに由来する複数のTgが観測されないで、一つのTgが観測されることが望ましいということである。
【0039】
本発明においてTgは、JIS K 7121−1987 プラスチックの転移温度測定方法に準じて示差走査熱量測定(DSC)により得られるものである。
【0040】
コア部に適する樹脂としては、概ねTgが−50〜+25℃程度とすることが好ましい。重合に使用するモノマーとしては、単独であれば、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレートなどが使用できるが、前記した好ましいTgを有するコア部を重合するためには、低Tgのポリマーを形成できる低Tgモノマーと、高いTg(ここでは25℃以上)のポリマーを形成できる高Tgモノマーの共重合体が好ましい。
【0041】
シェル部にはTgが40〜140℃ものもが好ましい。前記範囲に調整するためには、メチルメタクリレート(MMA)を主成分とする共重合体が好ましく使用できる。共重合の相手のモノマーとしては、前記した各種アクリルモノマーが使用できる。また、シェル部には、後述するように、酸価を有することが好ましく、そのため、アクリル酸またはメタクリル酸を共重合することが好ましい。シェル部を構成する(共)重合体には高いTgが好ましいので、酸としてはメタクリル酸が最適である。メタクリル酸は耐油性の向上にも寄与する。さらに、前記した好ましいTgを有するシェル部を重合するために、上記以外のモノマー使用することは可能である。
【0042】
前記Tg範囲となるモノマー組成:
(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー:10〜60質量%、
(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー:10〜80質量%、
(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜70質量%、が好ましい。
【0043】
本発明において用いられるアクリル系樹脂は重量平均分子量が5万〜200万である必要がある。重量平均分子量が5万未満になると耐油剤自体の耐油性能が低下し、耐油性が悪化する。逆に、重量平均分子量が200万を超えると樹脂の成膜性が低下するため、塗工むらが発生し、耐油性が悪化する。ここで、アクリル系樹脂の重量平均分子量はポリスチレン換算(分析装置:TOSOH社製の「HLC−8120GPC」、カラム:「TSKgel GMH−H(S)」)で測定したものである。
【0044】
さらに、本発明の耐油層塗液には前記アクリル系樹脂エマルジョンの他に、さらにバインダー樹脂、顔料などを含んでもよい。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。
本発明に使用できるバインダー樹脂としては、カゼイン、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子、または、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の水分散液が使用できる。
【0045】
本発明に使用できる顔料としては、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、合成マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料、さらにはポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン等のポリアルケン類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系モノマーの重合体や共重合体類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等の各種の密実型、中空型、あるいは貫通孔型粒子等の有機顔料1種又は2種以上を使用することができる。
【0046】
本発明の耐油層を形成する塗工方法としては、ロール塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工など、必要に応じて任意の方法を採用することができる。オフマシン塗工では特にバー塗工が好適に用いられる。バー塗工によれば、少量の塗工量でも欠点部が少なく、耐油性に優れた皮膜が形成しやすい。また、オンマシン塗工ではゲートロール方式での塗工が好適に用いられる。ゲートロール方式での塗工は高速塗工が可能であり、安価に塗布を行う手段として少ない塗工量で均一な塗膜を形成させることが可能である。
【0047】
本発明の耐油層の層構成としては、前記紙支持体の少なくとも片面に少なくとも1層の耐油層を設けるものであるが、同じ塗工量を塗工する場合、多層構成とした方が単層構成よりも耐油性は得られやすい。多層構成の場合、各層は同じ構成(組成)でもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
本発明の耐油層の塗工量は(多層の場合はその合計)2.0〜20.0g/m2の範囲であることが好ましい。塗工量が2.0g/m2未満の場合は、満足な耐油性能が得られない。また、20.0g/m2を超える場合は、耐油性能は得られるものの、コストの面で好ましくない。より好ましい範囲は2.3〜15.0g/m2である。
耐油性樹脂層の耐油度は、キット耐油度で6級以上であることが特徴ではあるが、キット耐油度で12級以上になっている事がさらに好ましい。
また、高い折り目の耐油性を有する耐油紙としては、キット耐油度で4以上であることが特徴である。
【0049】
平面部の耐油度:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.41:2000(キット法)によって塗工面を測定した。耐油紙として使用可能なキット耐油度は6級以上であるが、高い耐油性を有する耐油紙としてはキット耐油度で12級以上である。
【0050】
折り部の耐油度:塗工後の耐油紙を折り、折り目部分にキット液を滴下し、平面部耐油度測定と同様に耐油度を測定した。高い折り目の耐油性を有する耐油紙としては、キット耐油度で4級以上である。
【実施例】
【0051】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例および比較例中の%および部数はそれぞれ質量%、質量部を示す。また、紙支持体上の塗工量は絶乾質量を示す。
【0052】
<耐油層塗料1>
UW−Y(カオリン、EC社製)100部、ハイドラグロス90(カオリン、ヒューバー社製)50部、耐油剤としてPDX7326(コアシェル型スチレン−アクリル樹脂系エマルジョン、BASF社製)(Tg:9℃、重量平均分子量:20万)41.2部、接着剤として顔料100部あたりPN−700S(リン酸エステル化変性でん粉、三和澱粉社製)2.6部、X300B(スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、JSR社製)20.7部を混合し、塗料濃度43%の耐油層塗料を調製した。
【0053】
<耐油層塗料2>
耐油剤としてXP8808(コアシェル型スチレン−アクリル樹脂系エマルジョン、星光PMC社製)(Tg:25℃、重量平均分子量:15万)100部に対し、SNデフォーマーJK(消泡剤、サンノプコ社製)0.5部塗料を混合し、塗料濃度45%の耐油層塗料を調製した。
【0054】
<実施例1>
坪量50g/m2、密度0.97g/cmのセミグラシン原紙(カナダ標準フリーネス195ml、LBKP100%、ブレーカースタック30kgf/cm、マシンカレンダー40kgf/cm) の抄造パート後のコーターにて、PVA117K(ポリビニルアルコール、クラレ社製)0.5g/m2を塗布し、目止め層を設けた紙支持体に、オフコーターで上記耐油層塗料1を片面に8.0g/m2をバーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は12であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は313秒であった。
【0055】
<実施例2>
坪量55g/m2、密度0.94g/cmのセミグラシン原紙(カナダ標準フリーネス295ml、LBKP100%、マシンカレンダー40kgf/cm) に、オフコーターで上記耐油層塗料1を片面に8.1g/m2をバーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は10であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は114秒であった。
【0056】
<実施例3>
坪量30g/m2、密度0.82g/cmの片艶原紙(カナダ標準フリーネス270ml、LBKP100%、ソフトニップカレンダー40kgf/cm)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を非艶面に8.2g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は10であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は95秒であった。
【0057】
<実施例4>
坪量30g/m2、密度0.84g/cmの片艶原紙(カナダ標準フリーネス290ml、LBKP100%、ソフトニップカレンダー30kgf/cm)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を非艶面に8.7g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は10であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は79秒であった。
【0058】
<実施例5>
坪量21g/m2、密度0.80g/cmの片艶原紙(カナダ標準フリーネス162ml、LBKP100%、ソフトニップカレンダー40kgf/cm)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を非艶面に8.7g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は10であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は94秒であった。
【0059】
<実施例6>
坪量50g/m2、密度0.82g/cmセミグラシン原紙(カナダ標準フリーネス195ml、LBKP100%、ブレーカースタック30kgf/cm) に、オンマシンゲートロールで、上記耐油層塗料2を片面に4.5g/m2で塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は11であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は157秒であった。
【0060】
<実施例7>
坪量50g/m2、密度0.82g/cmのセミグラシン原紙(カナダ標準フリーネス170ml、LBKP100%、ブレーカースタック30kg/cm)に、オンマシンゲートロールで、上記耐油層塗料2を片面に3.5g/m2で塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は11であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は246秒であった。
【0061】
<比較例1>
坪量50g/m2、密度0.80g/cmの上質紙(カナダ標準フリーネス400ml、LBKP100%)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を8.5g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は1であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は22秒であった。
【0062】
<比較例2>
坪量30g/m2、密度0.77g/cmの片艶原紙(カナダ標準フリーネス380ml、LBKP100%)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を非艶面に10.3g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は3であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は31秒であった。
【0063】
<比較例3>
坪量21g/m2、密度0.70g/cmの片艶原紙(カナダ標準フリーネス300ml、LBKP100%)に、オフコーターで上記耐油層塗料1を非艶面に8.7g/m2バーで塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は2であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は42秒であった。
【0064】
<比較例4>
坪量50g/m2、密度0.80g/cmの上質紙(カナダ標準フリーネス400ml、LBKP100%)に、オンマシンゲートロールで、上記耐油層塗料2を片面に8.5g/m2で塗工後、乾燥して耐油紙を得た。塗工平面部のKitは12、折り目の耐油性は3であった。なお、使用した紙支持体の王研式透気度は22秒であった。
【0065】
前記実施例、比較例を評価したものを以下表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
本発明により、平面部の同一耐油性であっても、原紙の透気度を高めることで、塗工層の伸びを改善し、塗工層の割れを防ぐことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明による耐油紙は食品用途にも使用可能であり、実用上極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
坪量が20〜70g/m、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が70秒以上である紙支持体の少なくとも片面に耐油層を設けた耐油紙であって、耐油層を構成する耐油剤が重量平均分子量5万〜200万、ガラス転移温度30℃未満のアクリル系樹脂であり、かつ折り目部分におけるJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.41:2000に準じて測定したキット法による耐油度が4級以上であることを特徴とする耐油紙。
【請求項2】
前記紙支持体を構成する原料パルプのJIS P 8121−1995に準じて測定した叩解度(カナダ標準フリーネス)が300ml以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
【請求項3】
前記紙支持体の密度が0.8〜1.2g/cmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐油紙。

【公開番号】特開2012−172277(P2012−172277A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35119(P2011−35119)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(000191320)王子特殊紙株式会社 (79)
【Fターム(参考)】