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耐流出性抗生物質製剤
説明

耐流出性抗生物質製剤

【課題】耐流出性組成物に優れた医薬品キットを提供する。
【解決手段】第一成分セット、第二成分セット及び第三成分セットを有する。第一成分セットとして水性ビヒクル中のカルボマー、第二成分セットとして抗生物質、第三成分セットとして中和剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
服薬に関する医師の助言に対しての患者のコンプライアンスが医療現場において特に問題となっている。投薬指示に患者が従わないと治療の失敗、患者の健康の悪化、更なる診察及び直接的及び間接的な健康管理コストの増大につながる可能性がある。医師の指示を守るという患者の意欲が高いはずの急性疾患の場合であっても、かなりの割合の患者が指示に従わない。投与計画へのコンプライアンスは治療の簡便さと関連している。特に小児集団の場合は、薬剤を与える人間が抱く薬剤投与の容易さ又は困難さの印象がコンプライアンスの向上に関連している。コンプライアンスに加え、不完全な投与が特に液状の経口製剤で問題となっている。不正確な計量器具、計量器具への入れすぎ又は不足、投与前に振り混ぜないことによる製品の均一性の不足、及びボトルから患者に投与する最中に起こる製品のこぼれといった全てが患者への不正確な投与の原因となる。
【背景技術】
【0002】
抗生物質は通例、細菌性疾患の治療又は予防のために投与される。多くの場合、抗生物質は10日以下の短い治療単位で与えられる。錠剤、カプセル及び液体製剤が抗生物質投与の一般的な投与形態である。小児用の組成物の場合は、抗生物質を乾燥粉末の形態で供給し、患者への投与の際、水で再構成することが多い。得られる水溶液又は懸濁液は液状形態となる。コンプライアンスと正確な投与は抗生物質の投与と特に関連性が高く、これは患者の健康の悪化に加え、医療サービス提供者への訪問回数の上昇、失職、及びコストと資源の全体的な上昇、医療上の指示への不完全なコンプライアンスが抗生物質の耐性菌の蔓延につながる恐れがあるからである。
【0003】
耐流出性(spill-resistant)医薬製剤が米国特許第6102254号明細書、米国特許第6071523号明細書、及び米国特許第6399079号明細書に記載されており、参考として本願に組み込まれる。これらの耐流出性製剤は(a)スクイーズ性(squeezable)容器又は代用品(例えば、5mmの口を備えた注射器)から手で軽く圧力を加えた際の押し出し性、及び(b)製剤をスプーンの窪みに押し出して、製剤がスプーンの窪みの縁と水平になる又は縁にまで広がるか否かを求めることで測定する、スプーンの窪みにおける広がり性の物理特性によって説明されている。耐流出性製剤の押し出し性と広がり性により、投与が容易になる。計量の正確さと耐流出性溶液中での有効医薬成分の均質な拡散により、医薬品の送達の正確さが確保される。
【0004】
ベース成分(base component)は非スクイーズ性容器からは簡単には流出しないことから、耐流出性医薬製剤の送達には独創的な容器が必要である。耐流出性医薬製剤用の容器は米国特許第6745919号明細書で開示、請求されており、参考として本願に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
耐流出性製剤における問題は、2年までの期間流出しにくい特性を劣化させることなく有効成分とその他の成分を溶液又は懸濁液中で保持する保存可能な組成物を調製する必要があることであった。本願にて、安全で正確な抗生物質の送達系を必要とする患者に液状抗生物質製剤を調製及び送達するための準備と使用の容易なキットについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は第一成分セット、第二成分セット及び第三成分セットを含む医薬キットを提供することである。第一成分セットは水性ビヒクル中にカルボマーを含み、第二成分セットは抗生物質又はその混合物を含み、第三セットは中和剤を含有し、前記第一、第二及び第三成分セットを混合するとpH約4.6から約7.0の耐流出性組成物が生成される。
【0007】
キットはセファラスポリン、β−ラクタマーゼ阻害剤、モノバクタム、β−ラクタム、キノロン、マクロライド、アミノグリコシド、バンコマイシン、ストレプトグラミン、オキサゾリンジノンの単体又は組み合わせから成る薬物群から選択された抗生物質を有していてもよい。
【0008】
本発明の一態様において、キットはアモキシシリン、セフジニル、アジスロマイシン、エリスロマイシン、クレルスロマイシン、シプロフロキサシン、セファレキシン及びその組み合わせから成る薬物群から選択された抗生物質を含有する。
【0009】
流出しにくい特性は、刻み目(indentation)のない側面が滑らかなスクイーズ性容器内に水性ビヒクルを含んでいてもよい。
【0010】
キットの水性ビヒクル成分はスクラロース、ソルビトール、カルボマー、グリセリン、プロピレングリコール、ブチルパラベン及びその他の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいてもよい。
【0011】
本発明は、更に抗生物質、ベース成分及び中和溶液を含む耐流出性医薬品組成物を調製するための方法を提供するものであり、本方法は抗生物質をベース成分に添加して懸濁液又は水溶液を生成し、pHが約4.6から約7.0になるまで中和溶液を添加する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について記載するにあたって、明確にするために特殊な専門用語を用いる。しかしながら、本発明は選択したこの特殊な専門用語に制限されることを意図するものではない。当然のことながら、各特定の要素は技術的に同等なもの全てを含み、同様のやり方で機能して同様の目的を完遂するものである。本発明の上記の実施形態は、上記の教示を踏まえて当業者によって認められるように、本発明から逸脱することなく改変又は変形、要素の追加及び省略を行ってもよい。本願で引用の各参考文献はそれぞれが参照により個々に組み込まれたかのように参照により組み込まれる。
【0013】
本発明は3つの成分を含有するキットを含む。本発明の成分Aは希釈剤であり、容器内に供給される。希釈剤は増粘剤又は担体から構成され、水溶液中に官能成分を含んでいてもよい。カルボマー(Merck Index 12th ed., no. 1878)を半固形医薬製剤において増粘剤として用いることが可能である(Mehtaらの米国特許第6071523号を参照のこと)。カルボマー934P(Carbopol(登録商標)974P)が適した増粘剤又はゲル化剤である。適した濃度は約0.01から約1.0%であり、より具体的には約0.40から約0.45%w/wである。カルボマーのレオロジーが高い降伏値を支えている(Handbook of Pharmaceutical Excipients Third Ed., A.H. Kibbe (Ed.),Pharmaceutial Press, London, UK, 2000, Pg.442, 79, 53(“Handbook of Pharm. Excipients”)。カルボマーは若干酸性であり、例えば約6.2から約7.3の好ましいpH範囲でもって水酸化ナトリウムで中和して、最大粘度安定状態としなくてはならない(必要に応じて特定の製剤においては最高約0.08%までカルボマーを中和する)。ビヒクル担体成分はプロピレングリコールを最高約20%、又は約3から約10%含む。最高約50%のグリセリンが存在してもよい。加えて、最高10%のソルビトールをビヒクルと安定剤として添加してもよい。精製水が製剤の約29%から約64%を構成する担体成分の大半を占めている。
【0014】
医薬溶液及び懸濁液は賦形剤、界面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、造粒剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、着香料、着色剤、保存料、油性ビヒクル、溶媒、懸濁化剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、粘滑剤(demulcent)、緩衝剤、塩、充填剤、酸化防止剤、抗生物質、抗真菌剤及び安定剤から成る群から選択した少なくとも1つの追加成分を含んでいてもよい。
【0015】
官能成分は味や外観を向上するが、溶液、安定性に悪影響を及ぼさない。以下の実施例における官能剤には着色料及び着香料、甘味剤及びマスキング剤が含まれる。
【0016】
希釈剤はキット独自のディスペンサ内に収容される。特定の実施形態において、スクイーズ性容器には肩部がなく、型の逆転(inversion)がないことから混合が容易であり、最終仕上げされた薬品における有効医薬品成分の均質な分配が確保される。
【0017】
成分Bは抗生物質に分類される薬剤の有効医薬品成分である。どんな抗生物質も本発明で利用し得ることが予測される。抗生物質はセファラスポリン、β−ラクタマーゼ阻害剤、モノバクタム、β−ラクタム、キノロン、マクロライド、アミノグリコシド、バンコマイシン、ストレプトグラミン、オキサゾリンジノンの単体又は組み合わせの薬剤から成る群から選択してもよい。本発明で使用する抗生物質の具体例はアモキシシリン、セフジニル、アジスロマイシン、エリスロマイシン、クレルスロマイシン、シプロフロキサシン、セファレキシン及びその組み合わせであってもよい。抗生物質は乾燥粉末としての固形状であっても、液状媒体中にあってもよい。成分Bの抗生物質粉末は有効成分の塩基又は塩の形態であってもよい。粉末はコーティングした又はコーティングしていない抗生物質を含有してもよい。乾燥抗生物質組成物の粒子は著しい分解を伴うことなく約48ヶ月にわたって安定した状態を保持する。
【0018】
成分Bは更に分散剤、界面活性剤又は湿潤剤を賦形剤として含んでもよい。本発明のような治療用組成物の製造においては、界面活性剤及び分散剤が抗生物質等の粒子と共に存在する又はいずれの適切な組み合わせでもって組み合わされており、これらの添加物のいずれの1つ以上を加えることは本発明の範囲内であり、本願で記載されるように摂取及び利用した抗生物質のより迅速な溶解又は懸濁をある程度促進する。界面活性剤はいくつかのタイプの界面活性剤のいずれの1つから選択してもよく、いずれも抗生物質粒子の湿潤と溶解を促進する。こういった界面活性剤の例にはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン非イオン剤;アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール又はエトキシル化アルキルフェノール;エトキシル化脂肪族アルコール又はアルキルポリ(エチレンオキシ)エタノール;有機リン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘導体;レシチン;及びその他が含まれる。これらは全て抗生物質成分を湿潤及び溶解させる目的に有益だと判明している。
【0019】
“耐流出性製剤”という用語はここでは販売の時点で特定の範囲(例えば5000から15000cps)の粘度を有し、半固形であり、正確に投与し易く、流出しにくい稠度を有し、保存安定性があり、成分が相互適合性である製品のことであり、Mehtaらによる米国特許第6071523号明細書に記載されているとおりであり、参考として本願に組み込まれる。粘度は‘T−C’スピンドルを用いたブルックフィールド粘度測定装置により20RPM、20から25℃、又は同等の条件で測定可能である。粘度は温度が上昇すると若干低下する。
【0020】
本発明は経口投与用の医薬製剤に関し、薬学的に許容可能な水性ビヒクル中に有効量の水溶性又は非水溶性の抗生物質粒子を含む。本発明の製剤は以下の特質の一部又は全てを有している。第一に、懸濁液は抗生物質がビヒクル中に均一に分散又は溶解された均質性を有していてもよい。又、製剤は有効成分が攪拌がなくとも、つまりかき混ぜたり振り混ぜなくともいつまでもその状態であるような安定性を有していてもよい。投与量あたりの抗生物質は均一に留まり、溶液から流出しない。本発明の半固形製剤は簡単には振り混ぜることができないため、活性薬剤は振り混ぜなくとも懸濁されたまま又は溶液中に留まらなくてはならない。本発明の組成物は振り混ぜる必要がなく、有利である。製剤は、組成物が容器からスプーンへと軽く手で圧力をかけることで押し出され、正確な計量に十分なほどにすばやく(典型的には室温で約1から5秒)スプーンの窪みに広がって水平となり、特には子供に与える又は老人が取り出す際に遭遇するような困難な状況下でこぼすことなく投与が可能なほどに長くスプーンの窪みに留まることを可能とする流出しにくい稠度を有していてもよい。
【0021】
流出しにくいとは、製品の流出耐性を評価するために開発された一連の試験に耐え得る製品の能力を示す。大抵の製剤の場合、耐流出性とは製剤が一定時間、例えばスプーンを反転させた場合に少なくとも約30から60秒、スプーンを振動させた際に最高60秒、スプーンを傾けた際に約10、20又は30秒にわたってティースプーンからこぼれないことを意味している。流出しにくい性質は粘度と相関関係にあるが、必ずしも直接には関係していないため、ターゲットとする粘度範囲の組成物がこぼれにくさを有していないこともある。振り混ぜ、傾斜及び反転試験は米国特許第6071523号明細書に記載されているような実験プラットフォームで行われる。耐流出性は製剤が流れ試験に合格するか否かに関連しており、5.0mLのティースプーンに分注及び投与しやすく十分に正確であることを確保している。
【0022】
せん断速度が上昇すると製剤は非固形ゲルの粘度が低下し、挙動が完全に可逆性であり、ビンガム挙動を示す非ニュートン性の、擬似塑性及び時間非依存性の流動性を有する流れ特性を有していてもよい。本発明の耐流出性製剤は非ニュートン性であり時間非依存型流体である。非ニュートン性とはその挙動が理想ニュートン性流体の挙動から逸脱している流体を意味している。これらの流体は異なるせん断速度で異なる粘度を有しており、時間非依存性と時間依存性の2つの群に分けられる。対照的に、ニュートン性流体の場合、等温条件下の流体におけるせん断速度は対象となる時点での対応する応力に比例している。時間非依存性流体とは流体におけるどの時点でのせん断速度もその時点でのせん断応力のある関数であり、他のことに依存しないものである。これらの流体は所定のせん断速度で一定の粘度値を有している。粘度は時間の経過と共に変化しない(McGraw−Hill Encyclopedia of Science & Technology, 6th edition,1987,Volume12, pages57−60)。
【0023】
本発明の医薬製剤は有効成分として抗生物質又は薬学的に許容可能なその塩又はエステルを1つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤と共に含む。本発明の製剤は魅力的な外観と、適切なテクスチャ及び官能特性を有している。成分は相互適合性をもち、医薬品の対生物作用又はビヒクルの物理特性を阻害することがなく、成分は分離せず、その特性を保持する。
【0024】
実施例:再構成された耐流出性抗生物質
【実施例1】
【0025】
成分A:希釈剤
以下の成分を混合しポリエチレン容器内に保存した。
【0026】
【表1】

【実施例2】
【0027】
再構成された耐流出性組成物の調製
i.アジスロマイシン一水和物100mg/5mL;200mL/5mL
1.82又は3.64グラムのアジスロマイシン一水和物(Taro Pharmaceutical社)を100mlの成分Aに添加し、強く振り混ぜた。0.30mlの水酸化ナトリウム10%溶液を添加して、最終pHにし、製品の耐流出特性を確保した。 このpHは耐流出性製品の化学安定性も保証する。
【0028】
得られた懸濁液は耐流出性製剤の振り混ぜ、流出及び充填試験にかなうことが判明した。
【0029】
エリスロマイシン125mg/5ml
2.27グラムのエリスロマイシン(Alembic社。インド、グジャラート)を100mlの成分Aに添加して、強く振り混ぜた。0.30mlの水酸化ナトリウムの10%溶液を添加して最終pHにした。このpHは耐流出性製品の化学安定性も保証する。
【0030】
得られた懸濁液は耐流出性製剤の振り混ぜ、流出及び充填試験にかなうことが判明した。
【0031】
クラリトロマイシン114mg/5mL
2.28グラムのクラリスロマイシン(Matrix Laboratories社、インド、セクンデラバード)を100mlの成分Aに添加し、強く振り混ぜた。0.30mlの水酸化ナトリウムの10%溶液を添加して最終pHにした。このpHは耐流出性製品の化学安定性も保証する。
【0032】
得られた懸濁液は耐流出性製剤の振り混ぜ、流出及び充填試験にかなうことが判明した。
【0033】
(その他の実施例)
市販のアモキシリン、オウグメンチン及びオムニセフ乾燥製品を用いて上述の手順により、耐流出性バージョンが成功裏に得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分セット、第二成分セット及び第三成分セットを含む医薬品キットであって、前記第一成分セットが、水性ビヒクル中にカルボマーを含み、前記第二成分セットが、抗生物質を含み、前記第三セットが、中和剤を含有し、前記第一、第二及び第三成分セットを一緒に混合すると、pH約4.6から約7.0の耐流出性組成物を生成することを特徴とするキット。
【請求項2】
抗生物質が、セファラスポリン、β−ラクタマーゼ阻害剤、モノバクタム、β−ラクタム、キノロン、マクロライド、アミノグリコシド、バンコマイシン、ストレプトグラミン、オキサゾリンジノンの単体又は組み合わせから成る薬物群から選択される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
抗生物質が、アモキシシリン、セフジニル、アジスロマイシン、エリスロマイシン、クレルスロマイシン、シプロフロキサシン、セファレキシン及びその組み合わせから成る薬物群から選択される、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
第一成分セットが、刻み目のない側面が滑らかなスクイーズ性容器内にある請求項1に記載のキット。
【請求項5】
第一成分セットが、スクラロース、ソルビトール、カルボマー、グリセリン、プロピレングリコール及びブチルパラベンを含む水性ビヒクルである、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
抗生物質と、ベース成分と、中和溶液とを含む耐流出性医薬組成物を調製するための方法であって、抗生物質をベース成分に添加して懸濁液又は溶液を生成し、pH約4.6から約7.0になるまで中和溶液を添加する工程を含むことを特徴とする方法。

【公開番号】特開2013−32401(P2013−32401A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252187(P2012−252187)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【分割の表示】特願2008−554281(P2008−554281)の分割
【原出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(508006182)ターロ ファーマシューティカルズ ノース アメリカ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】