説明

耐火断熱材及びその製造方法

【課題】 可燃性の気孔付与剤や無機質結合剤を添加せずに製造することができ、しかも気孔径を小さく制御することで、かさ比重が小さく且つ優れた熱伝導率を有する耐火断熱材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末に、泡剤としての界面活性剤、成形助剤及び水を加えて混練し、得られた混練物を成形した後、乾燥及び焼成する。得られる耐火断熱材は三次元的に絡み合った耐火性無機繊維が焼結した耐火性無機粒子で補強され且つ内部に界面活性剤により形成された微細な気泡を含む網目状構造又は格子状構造を有し、かさ比重が0.40〜0.90、熱伝導率が0.20〜0.90W/(m・K)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に工業炉の炉壁材などとして使用される耐火断熱材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業炉の炉壁材として市販されている耐火断熱煉瓦は、例えば特許文献1に記載されているように、粘土やシャモットなどの耐火原料に、アルミナセメントなどのバインダー、可燃性の気孔付与剤及び水を添加し、そのスラリーを成形して焼成することにより、気孔付与剤を焼失させて気孔を形成すると共に無機質粒子を焼結させる方法により製造されている。
【0003】
しかし、上記方法で製造された従来の耐火断熱煉瓦は、粘土やシャモットなどの無機質粒子のみからなる系であるため、乾燥・焼成時の収縮による応力で亀裂欠陥を生じやすいという問題があった。また、連続した同質の固体で構成されるため、熱伝達が一様であり、熱伝導率の低下に限界があった。更に、発泡ビーズや大鋸屑などの可燃性の気孔付与剤を焼失させて気孔を形成する必要があることから、気孔付与剤の焼失に伴い二酸化炭素が発生するなどの問題があった。
【0004】
一方、セラミックファイバーを含む耐火断熱材も知られており、例えば特許文献2には、アルミナ−シリカ系セラミック繊維などの耐火繊維70〜90重量%、アルミナやムライトなどの粉末からなる無機質充填剤とアルミナゾルやシリカゾルなどの無機質結合剤を合せて10〜25重量%、メチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどの成形助剤0.5〜10重量%からなり、かさ比重が0.5〜0.9の耐火繊維成形体が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、ガス浸炭炉用の耐火断熱煉瓦として、耐熱性無機繊維30〜70重量%、鉄分を含まない耐火性無機質粉体0〜50重量%、コロイダルシリカ10〜30重量%からなる混合物に、水を加えて成形し、1200〜1400℃で焼成してなる、かさ比重0.7〜0.9の無機繊維質耐火断熱煉瓦が記載されている。
【0006】
上記特許文献2及び特許文献3に記載されたような耐火性無機繊維と無機質粒子を組み合わせる系では、焼結による繊維と粒子の結びつきが弱く、強度を発現し難いという問題があった。そのため、上記特許文献2及び3のように、アルミナゾルやシリカゾルなどの無機質結合剤を添加することにより、必要な強度を付与することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−132572号公報
【特許文献2】特開昭60−186452号公報
【特許文献3】実開平06−014895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、従来の耐火断熱煉瓦は、粘土やシャモットなどの無機質粒子のみの系からなる場合は、乾燥・焼成時の収縮による応力で亀裂欠陥を生じやすいこと、及び可燃性の気孔付与剤の焼失に伴い二酸化炭素が発生することなどの問題があった。また、耐火性無機繊維と無機質粒子を組み合わせた系では、強度付与のために無機質結合剤を添加する必要があった。
【0009】
また、一般に耐火断熱煉瓦では内部の気孔径が小さいほど、熱伝導率が低下することが知られているが、気孔径が小さくなるほど構造壁の厚さが薄くなって強度低下や寸法変化が起きやすくなるため、従来の方法では気孔径を小さくすることに限界があった。このような事情から、従来の耐火断熱煉瓦では気孔径が比較的大きく、そのため耐火断熱煉瓦の熱伝導率の低減には限界があった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、乾燥・焼成時に亀裂欠陥を生じることがなく、可燃性の気孔付与剤や無機質結合剤を添加せずに製造することが可能であり、しかも気孔径を小さく制御することができ、かさ比重が小さく且つ優れた熱伝導率を有する耐火断熱材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明が提供する耐火断熱材は、耐火性無機繊維と耐火性無機粒子とからなり、三次元的に絡み合った耐火性無機繊維が焼結した耐火性無機粒子で補強され且つ内部に界面活性剤により形成された微細な気泡を含む網目状構造又は格子状構造を有し、かさ比重が0.40〜0.90であり、熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法により測定)が0.20〜0.90W/(m・K)であることを特徴とする。
【0012】
上記本発明による耐火断熱材においては、AlとSiOの合計が50〜100質量%の組成を有し、平均気孔径が5〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0013】
また、本発明が提供する耐火断熱材の製造方法は、固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末に、泡剤としての界面活性剤と、成形助剤及び水を加えて混練し、得られた混練物を成形した後、乾燥及び焼成することを特徴とする。
【0014】
上記本発明による耐火断熱材の製造方法においては、前記界面活性剤がアルキルベタイン型又はアルキルアミンオキサイド型などの両性界面活性剤であることが好ましい。また、前記固体原料の添加量は、耐火性無機繊維が5〜40質量%及び前記無機質粉末が60〜95質量%であり、前記泡剤の添加量が前記固体原料の合計に対する外割りで0.1〜3.0質量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可燃性の気孔付与剤や無機質結合剤を添加せずに、界面活性剤を泡剤として用いることで微細な気孔を付与することができ、且つ焼結した耐火性無機粒子で三次元的に絡み合った耐火性無機繊維が補強された網目状構造又は格子状構造を有する耐火断熱材を提供することができる。従って、本発明の耐火断熱材は、収縮応力が緩和されて乾燥・焼成時に亀裂欠陥を生じることなく、各種の形状や大型化が可能であって、かさ比重が小さく且つ優れた熱伝導率を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による耐火断熱材の一具体例を拡大して示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による耐火断熱材の製造方法では、従来から使用されていた可燃性の気孔付与剤を使用する代わりに、撹拌により泡立つ界面活性剤を泡剤として添加する。即ち、固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末に、泡剤としての界面活性剤を添加し、更に成形助剤及び水を加えて混練する。引き続き、得られた混練物を成形した後、乾燥及び焼成することによって、耐火性無機繊維が三次元的に絡み合い且つその耐火性無機繊維が焼結した耐火性無機粒子で補強され、内部に界面活性剤により形成された微細な気泡を含む網目状構造又は格子状構造を有する耐火断熱材が得られる。
【0018】
上記本発明の耐火断熱材の製造方法によれば、耐火性無機繊維同士の絡み合いにより気孔が保持されるため泡消えし難くなり、泡剤として添加した界面活性剤の泡立ちのみによって気孔を形成することができる。界面活性剤の泡立ちにより形成される気孔は微細であるため、従来に比べて熱伝導率の低下を図ることができる。しかも、泡剤として添加する界面活性剤は、従来の気孔付与剤に比べて添加量が極めて少なく、焼成時に二酸化炭素をほとんど発生させない。
【0019】
また、耐火性無機繊維による網目状又は格子状の構造が形成され、その耐火性無機繊維に付着した無機質粉末の粒子が焼成時に焼結することで、繊維同士の接点を結合して固定する。その結果、耐火性無機繊維が三次元的に絡み合った網目状構造又は格子状構造が補強され、繊維同士の接点を中心として乾燥や焼成による収縮応力を緩和することができる。そのため、亀裂欠陥などが生じ難くなり、矩形のほか円筒形など各種の形状とすることができ、また従来に比べて大型の耐火断熱材の製造が可能となる。
【0020】
泡剤として添加する界面活性剤としては、水溶性であって且つ撹拌により泡立つものであれば種類に制限はないが、泡径が小さく且つ乾燥硬化までの間に泡消えし難いものが好ましい。このような界面活性剤として、両性界面活性剤が好ましく、特にアルキルベタイン型やアルキルアミンオキサイド型などの両性界面活性剤が好ましい。具体的には、花王(株)製のアンヒトール(商品名)、川研ファシンケミカル(株)製のソフタゾリン(商品名)、第一工業製薬(株)製のアモーゲン(商品名)などを好適に用いることができる。
【0021】
また、泡剤として添加する界面活性剤の添加量は、固体原料(耐火性無機繊維及び無機質粉末)の合計に対する外割りで、0.1〜3.0質量%の範囲が好ましく、0.5〜2.0質量%の範囲が更に好ましい。上記界面活性剤の添加量が0.1質量%未満では、気泡の形成が不十分となり、十分な熱伝導率の低下が得られない。逆に添加量が3.0質量%を超えると、泡同士が結合して粗大化するため好ましくない。
【0022】
耐火性無機繊維としては、アルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、アルミナシリカジルコニア繊維、アルミナシリカクロミア繊維、生体溶解性繊維から選ばれた少なくとも1種を好適に用いることができる。具体的には、アルミナ繊維としては(株)ITM製のFMX(商品名)やFMX95HA(商品名)などがあり、アルミナシリカ繊維としてはイソライト工業(株)製のイソウール1260(商品名)などがある。また、アルミナシリカジルコニア繊維としてはイソライト工業(株)製のイソウール1400(商品名)など、アルミナシリカクロミア繊維としてはイソライト工業(株)製のイソウール1500(商品名)などがあり、生体溶解性繊維としてはUnifrax Co.,Ltd製のIsofrax(商品名)などを使用することができる。また、無機質粉末としては、粘土、シャモット、アルミナ、ムライトから選ばれた少なくとも1種を好適に用いることができる。
【0023】
上記した耐火性無機繊維の添加量は5〜40質量%の範囲が好ましく、また無機質粉末の添加量は60〜95質量%の範囲が好ましい。耐火性無機繊維の添加量が5質量%未満では泡の保持が困難であり、逆に40質量%を超えると耐火断熱材が低強度となるため好ましくない。また、無機質粉末の添加量が60質量%未満では耐火断熱材の強度が発現しがたく、95質量%を超えるとかさ比重の肥大化を伴う熱伝導率の上昇や、乾燥・焼成時の収縮増大による亀裂が発生し易くなるため好ましくない。
【0024】
尚、固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末に、泡剤としての界面活性剤を添加して水と混練すると、得られる混練物には微細な泡が含まれるため、成形した形状の保持が難しい場合がある。そこで、好ましい成形性を保持するため、混練物に成形助剤を添加含有させることが好ましい。成形助剤としては、従来から耐火断熱材の製造に通常使用されているものでよく、その中でもカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリルアミドなどが好ましい。
【0025】
次に、本発明による耐火断熱材の製造方法を更に具体的に説明する。まず、固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末を所定割合で混合し、泡剤としての界面活性剤と成形助剤及び水を加えて混練する。混練には万能撹拌機、レーディゲミキサーなど通常の撹拌機を使用できるが、界面活性剤により混練物が十分に泡立つまで撹拌することが望ましい。
【0026】
この原料の混練工程において、耐火性無機繊維及び無機質粒子の種類を選定することにより、得られる耐火断熱材の耐火度(耐熱温度)を任意に設定することができる。例えば、耐火性無機繊維としてアルミナ繊維を使用すれば、あるいは無機質粒子としてアルミナを使用すれば、1500℃程度の耐熱温度の耐火断熱材とすることができる。
【0027】
また、耐火性無機繊維と無機質粒子の配合比を変えることにより、得られる耐火断熱材のかさ比重、強度、熱伝導率を調整することが可能である。例えば、耐火性無機繊維を増やすことによって、網目状構造又は格子状構造が複雑化して繊維同士の接点が増えることから、気孔径が小さくなり且つ気孔率が増大し、かさ比重が軽くなるが、構造補強材である無機質粒子が減少するため、耐火断熱材の強度が低下する。
【0028】
更に、泡剤としての界面活性剤の種類を変えることによって、付与する気孔の大きさを調整することが可能である。例えば、形成する気孔径を大きくしたい場合には、アルキルベタイン型などの両性界面活性剤を使用することが望ましい。逆に、小さな気孔径を望む場合には、アルキルアミンオキサイド型などの両性界面活性剤の使用が好適である。
【0029】
得られた混練物を所定形状の成形型に流し込むことにより成形し、そのまま乾燥する。乾燥方法については、特に制限されないが、乾燥時間を短縮するために送風乾燥や加熱乾燥することが好ましい。成形体を十分乾燥させた後、成形型から脱型して焼成する。焼成は大気中で行うことができ、温度は1000〜1550℃の範囲が好ましい。焼成温度が1000℃未満では焼結不十分による耐火度の低下を招き、逆に1550℃を超えると繊維の結晶化による強度低下が起こるため好ましくない。
【0030】
このようにして製造される本発明の耐火断熱材は、耐火性無機繊維と耐火性無機粒子とからなり、三次元的に絡み合った耐火性無機繊維が焼結した耐火性無機粒子で補強され且つ内部に界面活性剤により形成された微細な気泡を含む網目状構造又は格子状構造を有している。耐火断熱材の組成としては、AlとSiOの合計が50〜100質量%の範囲が好ましく、平均気孔径は5〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0031】
また、本発明の耐火断熱材では、微細な気孔を含む網目状構造又は格子状構造により、熱伝達の経路が複雑化すると共に、気孔内には空気が保持され且つ気孔径も小さいため、かさ比重が小さく、優れた熱伝導率を有する耐火断熱材を得ることができる。具体的には、本発明の耐火断熱材においては、かさ比重を0.40〜0.90の範囲とし、熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法により測定)は0.20〜0.90W/(m・K)の範囲とすることができる。
【実施例】
【0032】
[実施例1]
アルミナシリカジルコニア繊維(イソライト工業(株)製、商品名イソウール1400)30質量%、粘土30質量%及びシャモット40質量%を混合し、この混合物100質量%に対しカルボキシメチルセルロース0.4質量%と、泡剤として界面活性剤(花王(株)製、商品名アンヒトール20AB)1.0質量%とを加え、更に固形分100kgあたり90リットルの水を加えて湿式混練した。得られた混練物を成形型に流し込み、常温にて半日間送風乾燥した後、脱型した。この成形体を80℃で乾燥した後、1350℃で焼成することにより耐火断熱材を得た。
【0033】
得られた耐火断熱材の顕微鏡写真を図1に示した。この耐火断熱材は、かさ比重(JIS R2614により測定)が0.55であり、気孔径(JIS R1655により測定)は平均10μmであって、熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法により測定)は1000℃で0.37W/(m・K)であった。また、この耐火断熱材は、圧縮強さ(JIS R2615により測定)が1.8MPa、再加熱収縮率(JIS R2613により測定;1300℃で8時間保持)が0.3%あり、1300℃級耐火断熱煉瓦として使用可能であった。
【0034】
尚、従来の粘土質耐火断熱煉瓦(イソライト(株)製、商品名LBK−23)は、かさ比重が0.55のものは1000℃での熱伝導率が0.46W/(m・K)であり、本実施例における耐火断熱材は上記従来の粘土質耐火断熱煉瓦よりも熱伝導率が約20%低いことが分かった。
【0035】
[実施例2]
アルミナ繊維((株)ITM製、商品名FMX95HA)20質量%、粘土10質量%及びアルミナ粉末70質量%を混合し、この混合物100質量%に対しカルボキシメチルセルロース0.6質量%と、泡剤として界面活性剤(川研ファインケミカル(株)製、商品名ソフタゾリンLSB)2.0質量%とを加え、更に固形分100kgあたり70リットルの水を加えて湿式混練した。得られた混練物を成形型に流し込み、常温にて半日間送風乾燥した後、脱型した。この成形体を80℃で乾燥した後、1500℃で焼成することにより耐火断熱材を得た。
【0036】
得られた耐火断熱材は、かさ比重(JIS R2614)が0.75であり、気孔径(JIS R1655)は平均20μmであった。また、この耐火断熱材の熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法)は、1000℃で0.38W/(m・K)であった。
【0037】
尚、従来の粘土質耐火断熱煉瓦(イソライト工業(株)製、商品名LBK−28)では、かさ比重が0.75のものは1000℃での熱伝導率が0.43W/(m・K)であることから、本実施例における耐火断熱材は上記従来の粘土質耐火断熱煉瓦よりも熱伝導率が約12%低いことが分かった。
【0038】
[実施例3]
生体溶解性繊維(Unifrax Co.,Ltd製、商品名Isofrax)10質量%と粘土90質量%を混合し、この混合物100質量%に対しカルボキシメチルセルロース0.6質量%と、泡剤として界面活性剤(第一工業製薬(株)製、商品名アモーゲンS)2.0質量%とを加え、更に固形分100kgあたり55リットルの水を加えて湿式混練した。得られた混練物を成形型に流し込み、常温にて半日間送風乾燥した後、脱型した。この成形体を80℃で乾燥した後、1200℃で焼成することにより耐火断熱材を得た。
【0039】
得られた耐火断熱材は、かさ比重(JIS R2614)が0.55であり、気孔径(JIS R1655)は平均10μmであった。また、この耐火断熱材の熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法)は、1000℃で0.35W/(m・K)であった。
【0040】
尚、従来の粘土質耐火断熱煉瓦(イソライト工業(株)製、商品名LBK−23)では、かさ比重が0.55のものは1000℃での熱伝導率が0.46W/(m・K)であることから、本実施例における耐火断熱材は上記従来の粘土質耐火断熱煉瓦よりも熱伝導率が約24%低いことが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性無機繊維と耐火性無機粒子とからなり、三次元的に絡み合った耐火性無機繊維が焼結した耐火性無機粒子で補強され且つ内部に界面活性剤により形成された微細な気泡を含む網目状構造又は格子状構造を有し、かさ比重が0.40〜0.90であって、熱伝導率(JIS R2616に規定の熱線法により測定)が0.20〜0.90W/(m・K)であることを特徴とする耐火断熱材。
【請求項2】
AlとSiOの合計が50〜100質量%の組成を有し、平均気孔径が5〜100μmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の耐火断熱材。
【請求項3】
固体原料である耐火性無機繊維と無機質粉末に、泡剤としての界面活性剤と、成形助剤及び水を加えて混練し、得られた混練物を成形した後、乾燥及び焼成することを特徴とする耐火断熱材の製造方法。
【請求項4】
前記界面活性剤がアルキルベタイン型又はアルキルアミンオキサイド型の両性界面活性剤であることを特徴とする、請求項3に記載の耐火断熱材の製造方法。
【請求項5】
前記固体原料の添加量は耐火性無機繊維が5〜40質量%及び無機質粉末が60〜95質量%であり、前記泡剤としての界面活性剤の添加量が前記固体原料の合計に対する外割りで0.1〜3.0質量%であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の耐火断熱材の製造方法。
【請求項6】
前記耐火性無機繊維がアルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、アルミナシリカジルコニア繊維、アルミナシリカクロミア繊維、生体溶解性繊維から選ばれた少なくとも1種であり、前記無機質粉末が粘土、シャモット及びアルミナから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の耐火断熱材の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−95614(P2013−95614A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237168(P2011−237168)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(391029509)イソライト工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】