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耐火閉塞用複合材、耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置、及び耐火閉塞用複合材を設けた管継手又はスリーブ
説明

耐火閉塞用複合材、耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置、及び耐火閉塞用複合材を設けた管継手又はスリーブ

【課題】火災時に熱膨張材を膨張させて閉塞する装置はあるが、塩ビ管の残焼物を巻き込んで閉塞するため、十分に閉塞することが困難である。
【解決手段】筒状の熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シートにて被覆され、該耐火性シートが熱膨張性部材の該外面および該内面を1枚のシートを折り曲げて被覆されている耐火閉塞用複合材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物内に設置された給排水管やケーブルが床及び天井を貫通する箇所において、該箇所に設置するための耐火閉塞用複合材、耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置、及び耐火閉塞用複合材を設けた管継手又はスリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、熱可塑性の合成樹脂材料よりなる管路部材を接続するよう防火区画貫通部に穿設された管路の貫通孔に配設される防火区画貫通部の継手において、非金属の不燃材料より成る外被層を有し、前記管路部材が嵌合する接続端部に、火災の熱で膨張し管路を閉塞して火炎が伝達しないようにする耐火性の熱膨張部材を装着して成ることを特徴とする防火区画貫通部の継手、及び嵌合する接続端部に中心向きのリング状溝形の膨張保持部を設けること、さらに使い勝手が悪いものの管路部材に後付する熱膨張材とその膨張保持部材は公知である。
【0003】
特許文献2に記載されているように、パイプの一部分の周りに熱膨張材料を支持するカラーを有し、熱膨張材料が十分に加熱されるようになった時に膨張してパイプの前記部分を閉塞しパイプに沿って火災防止障壁を形成するようにしている熱膨張可能火災防止装置であって、カラーの周りに配設された複数の熱伝導タブを具備し、前記タブがパイプに向って熱膨張材料の中に突出し熱を熱膨張材料の内部に導き、熱膨張材料が迅速かつ均一に膨張するようにし、カラーが第1及び第2の連結端部を含み、第1の連結端部が第2の連結端部と共働してカラーをパイプの前記部分の周りに固定するようにし、カラーが十分な可撓性を有し第1及び第2の連結端部が離間するよう拡げられカラーをパイプの前記部分の周りに取付けることができるようにしている、熱膨張可能火災防止装置は公知である。
【0004】
特許文献3に記載されているように、建築物の床や壁等の防火区画体に開けられた貫通孔内を貫通する電線、樹脂製パイプ等の可燃性長尺物の外周に防火措置を施してなる可燃性長尺物貫通部の防火構造において、可燃性長尺物が貫通する防火区画体の表側と裏側の少なくとも一方に、複数の絞り片が円周上に放射状に形成され且つそれらの絞り片の中心部1を可燃性長尺物が貫通できるようにした閉塞板を取り付け、この絞り片の外周に、火災発生時に発泡して同絞り片を可燃性長尺物側に押し曲げる熱発泡性耐火材を同絞り片及び可燃性長尺物を包むように取り付け、同熱発泡性耐火材の外側を金属製固定部材で包んだことを特徴とする防火区画体における可燃性長尺物貫通部の防火構造も公知である。
【0005】
特許文献4に記載されているように、プラスチックパイプが貫通配置されている防火区画体の貫通孔の下方で且つプラスチックパイプの外周に熱発泡性耐火材を配置し、貫通孔とプラスチックパイプとの間には耐熱性発泡体5を常圧状態よりも体積を少なくとも20%圧縮して充填配置させてなることを特徴とするプラスチックパイプの防火区画体貫通部の防火措置構造も公知である。
【0006】
特許文献5に記載されているように、建築物内で床スラブを貫通して配管される立管継ぎ手部材と、この立管継ぎ手部材の上部及び下部に接続される立管部材とを備えており、少なくとも上記立管継ぎ手部材は耐火性を有して形成されており、立管継ぎ手部材又は立管部材の少なくとも一方に対して、立管継ぎ手部材の高さ領域内において、所定の温度で膨張する熱膨張性耐火材が設けられていることを特徴とする排水配管構造、及び建築物内で床スラブを貫通して配管される立管継ぎ手用の主要管材とこの主要管材の上下方向に接続される立管部材との接続部分に付設される排水管用耐火性付属部材であって、上記主要管材に接近した位置付けで立管部材の外周部を取り囲む耐火性材料製の立管外装部と、この立管外装部の内周面と立管部材の外周面との周間に設けられた、所定の温度で膨張する熱膨張性耐火材とを有していることを特徴とする排水管用耐火性付属部材は公知である。
【0007】
特許文献6に記載されているように、床または壁の開口部を貫通するプラスチック管と、プラスチック管の外周に設けられ、火災時の熱で発泡してプラスチック管外周面と開口部内周面との間の空隙を塞ぐ熱発泡性耐火材と、プラスチック管の外周に設けられ、火災時の熱で収縮して火災時の熱で軟化したプラスチック管を閉塞する環状の形状記憶合金製スプリングとを備え、前記形状記憶合金製スプリングが、火災時の熱がそのスプリングに伝わるのを遅らせる熱伝達遅延部材で包囲されていることを特徴とするプラスチック管貫通部の防火処理構造は公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平09−152065号公報
【特許文献2】実開平06−046749号公報
【特許文献3】実開平05−037251号公報
【特許文献4】実開平05−081582号公報
【特許文献5】特開2007−056536号公報
【特許文献6】特開平09−178052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1〜5に記載されている、樹脂管の周囲に配置され、熱により膨張する耐火部材は、火災時における加熱により予め配置した箇所において膨張するので、樹脂管が軟化、溶解して発生した空間に向けてその膨張は進展するとしても、特に床スラブ等のように樹脂の立管に採用した場合には、耐火部材が膨張する過程においてそのうちの多くの量が配置した箇所から落下することにより、その落下した耐火部材は耐火には寄与しないことになる。
【0010】
また、落下しなかった耐火部材は、そもそも、当初配置された箇所から膨張するので、膨張後の状態をみると、当初の配置箇所付近においては耐火機能を発揮出来る程度の密度となるように膨張が可能であるが、当初樹脂管が存在していた箇所の特に管の中心軸付近では、膨張が開始した点から離れることとなり、膨張後の状態をみると、耐火性能を十分に発揮できる程度の密度で耐火部材が存在しているとまではいえない。
さらに、上記特許文献6に記載されているような、熱発泡性耐火材に形状記憶合金製スプリングを埋め込むことにより、軟化するまたは軟化されたプラスチック管を形状記憶スプリングの縮径する力により閉塞させる手段によれば、確かにプラスチック管は縮径するかもしれないが、その縮径により生じた空間に向けて熱発泡性耐火材の発泡が進むとしても、やはり、熱発泡性耐火材は当初設けられた箇所を起点にして発泡を開始するので、プラスチック管の縮径により発生した空間を確実に発泡した耐火材で充填することは困難であり、結果的に十分な耐火性能を発揮できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.筒状の熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シートにて被覆され、該耐火性シートが熱膨張性部材の該外面および該内面を1枚のシートを折り曲げて被覆されている耐火閉塞用複合材。
2.該筒状の熱膨張性部材の端部を被覆する折り曲げ部が、下に位置するように設置されるための1に記載の耐火閉塞用複合材。
3.該筒状の熱膨張性部材が、その内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆され、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆され、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる1又は2に記載の耐火閉塞用複合材。
4.該筒状の熱膨張性部材の他端部を被覆する折り曲げ部が、熱膨張性部材の上に位置するように設置されるための2又は3のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
5.該熱膨張性部材は熱膨張性材料と樹脂、ゴムを含有してなる1〜4のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
6.熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シート及び被覆シートにて被覆されている1〜5のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
7.さらに筒状の熱膨張性部材の外面を被覆してなる耐火性シートの外面に収縮材層を設けてなる1〜6のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
8.上記収縮材層は熱収縮性を有する樹脂、ゴム、又は形状記憶合金からなる円筒状シートである7に記載の耐火閉塞用複合材。
9.上記収縮材層のシートは、孔が形成されてないシート、孔が形成されたシート、又は網状シートからなる7又は8に記載の耐火閉塞用複合材。
10.熱膨張性部材層は内側表面からV字状又はU字状の溝が形成されてなる1〜9のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
11.樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始するようにした1〜10のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
12.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入された管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ、該開口部を形成する床又は天井に接続するための耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置であって、該管継手、該スリーブ、床又は天井に接続するための耐火性の固定具を備え、かつ1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を固定具内に収納して、該固定具と耐火閉塞用複合材を一体化してなる耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
13.筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性の固定具との間に断熱材層を設けてなる12記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
14.固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆してなる12又は13に記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
15.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブであって、該樹脂管用不燃性管継手又は該樹脂管用不燃性スリーブに、1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂管を挿入するようにした樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
16.樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐熱性繊維シートを被覆してなる15に記載の樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
17.建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブであって、該樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブに、1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂ケーブルを挿入するようにした樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
18.樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐火性繊維シートを被覆してなる17に記載の樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
【発明の効果】
【0012】
本発明は耐火性固定具内の筒状の熱膨張性部材を基礎とする発明であり、その筒状の熱膨張性部材の外面及び内面を1枚の耐火性シートを折り曲げて被覆することにより、火災時において該熱膨張性部材が加熱されることにより膨張し、それと共に膨張する際の押圧力によって、該耐火性シートの折り曲げ部が開くことになる。
その結果、該熱膨張性部材が膨張した後には、該耐火性シートが筒状の中央部に向けて開いた構造となり、その該耐火性シート上に膨張した熱膨張性部材が乗るような状態を示す。
このような状態では、熱膨張性部材が有効に筒状の内面を封鎖するに必要な量の熱膨張済みの部材を発生すると共に、折り曲げられていた耐火性シートが開くことで、該筒状内の空間を埋めるように熱膨張済みの部材が開いた耐火性シート上に乗ることにより筒状内の空間を封鎖することになる。
【0013】
特に該折り曲げ部が設けられた該耐火性シートの折り曲げ部が下方を向くように設置することで、膨張した熱膨張性部材がより確実に筒状内を充填することができる。
また、筒状の熱膨張性部材の内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆し、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆し、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる構造とした場合には、集合管やそれに接続される直管等に該熱膨張性部材を有する耐火性固定具を固定した場合においても、使用する耐火性シートにより被覆された熱膨張性部材の上下をどのように設置しても、熱膨張性部材の膨張による押圧力により該耐火性シートはそれぞれの折り曲げ部が開くことになり、いずれの折り曲げ部からも筒状内の中央部に向けて耐火性シートが開くことになる。
このため、より確実に膨張済みの該膨張性部材を耐火性固定具内に位置させることが容易である。
【0014】
筒状の熱膨張性部材の外面を被覆してなる耐火性シートのさらに外面に、任意の収縮材を配置して、該筒状物全体が加熱された際には、熱膨張と共に筒状の熱膨張性部材に、その中心方向に押圧させるように力を加えて、熱膨張してなる熱膨張性部材をより筒状物の中心部、かつ耐火性固定具の中心部により寄せることができ、それによる封止をより確実なものとすることが可能である。
具体的には、樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始することにより、より効果的に該樹脂管や該樹脂被覆ケーブルが減容して生成する空間を埋めることができる。
さらに筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性固定具との間に断熱材層を設けること、あるいは耐火性固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆することで、熱膨張性部材が膨張を開始する時期を調整することができ、それにより、より適切に耐火性固定部が固定されている樹脂管や樹脂被覆ケーブル等が溶融する時期に対して、熱膨張性部材が熱膨張を開始する時期を正確に合わせることができる。
その結果、火災の炎、熱、有毒ガスが元の樹脂管があった空間や樹脂ケーブル部分を通って、他の階や隣室などに移動することを防止できる。
【0015】
さらにこのような複合材を、建造物の天井又は壁に設けた開口部に挿入された管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ又は該開口部を形成する床、天井又は壁に設けると、該建造物が火災に見舞われた際にも、加熱により膨張し、開口部全体を確実に封鎖する膨張体により該開口部が封鎖されるので、該開口部を介して火災がさらに延焼することや煙や有毒ガスが広がることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】・・・耐火閉塞用複合材の斜視図
【図2】・・・耐火閉塞用複合材の斜視図
【図3】・・・耐火閉塞用複合材の断面図
【図4】・・・耐火閉塞用複合材の断面図
【図5a】・・熱膨張性部材と耐火性シートを重ねた図
【図5b】・・図5aの断面図
【図6】・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の断面図
【図7】・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の断面図
【図8】・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の斜視図
【図9】・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の使用態様
【図10】・・図9の拡大図
【図11】・・従来の装置の熱膨張時の状態
【図12】・・本発明による熱膨張時の状態
【図13】・・本発明による熱膨張時の状態
【発明を実施するための形態】
【0017】
熱膨張性部材層に使用される熱膨張性部材としては、熱膨張性黒鉛、ひる石、リン酸塩と炭化水素や糖等の有機物質又はそれらの混合物、硼素含有化合物、窒素含有有機化合物、加熱により発泡する発泡剤と無機化合物の混合物等の公知の物質から任意に選択した耐火や防火に使用される膨張性の耐熱物質と、バインダー成分としての樹脂或いはゴムを含有してなり、その樹脂としてはシリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエステル等、ゴムとしてはブチルゴム、NBR、IIR、NR等の合成ゴム及び天然ゴムの有機化合物などを使用できる。
そして、熱膨張性部材の幅(筒形の高さ方向)は5〜50mm、厚さが10mm以下でもよく、耐火材層を熱膨張性部材層とした場合の熱膨張性部材の含有比率は10〜50wt%であり、上記のバインダー成分の他に含有させることができる成分として可塑剤、安定剤、体質顔料等が挙げられる。
【0018】
本発明において、筒状の熱膨張性部材層を採用する際に、火災時においてこれらの熱膨張性部材層の膨張により、上記の効果を達成できる程度に膨張後の部材が樹脂管や樹脂被覆ケーブルの減容部を埋めることができるように、膨張倍率や膨張開始温度を考慮して、その材料を選択することが必要である。
耐火性シートとしては、火災時の熱により溶融することがない材料からなるシートであることが必要であり、日本グラスファイバー社製等のシリカ繊維布、シリカクロス、アルミナ繊維布、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維からなるシートが好ましい。中でも、シリカ繊維布は、加熱された後において、若干柔軟性が低下して硬さを増すので、膨張した熱膨張性材料を確実に保持して落下させないようにすることが可能となる。
また、このような耐火性シートは0.3〜20mm、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは0.6〜5mmの厚さを備えることが必要である。この厚さの範囲であれば、熱によって、熱膨張性材料が膨張した際において、膨張した熱膨張性材料が延焼防止装置から落下することを確実に防止することができる。そして、この耐火性シートの厚さは、火災時において樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の溶融や、それによる減容の時期と、耐火性シートにて被覆された熱膨張性部材層が熱膨張する時期が適切にコントロールされるように選択される。
【0019】
このような熱膨張性材料は通常シート状物であり、これを筒状となるように加工することが必要である。筒状とするための加工は、シート状物を丸めるようにしてその両端を突き合わせ、金具で止めたり、接着する等の公知の固定手段によることができる。
【0020】
本発明は筒状の熱膨張性部材の外面及び内面を耐火性シートにて被覆してなることを基本とする。そのためには、筒状とした熱膨張性材料を耐火性シートによって被覆する方法があるが、より効率的な被覆方法として、予め耐火性シートによって被覆して成る熱膨張性材料を筒状に加工する方法が好ましい。
【0021】
上記のように耐火性シートの主な目的は、火災時の熱によって熱膨張性材料が膨張した場合において、その膨張した熱膨張性材料が落下することを防止することにある。そのため、耐火性シートを折り曲げて熱膨張性材料を被覆する際には、その折り曲げ部が下方に向いて位置するように、耐火閉塞用複合材を使用することが必要である。
また、熱膨張性部材の両端に耐火性シートの折り曲げ部が形成されるように被覆された場合には、筒状とすることによりその内側に2層の耐火性シートからなる層が形成される。その最も内面側にある耐火性シートの一部が下方に展開されるように、つまり、その一部が折り曲げられている箇所が下方に向いている耐火閉塞用複合材を使用することが必要である。
【0022】
本発明の耐火閉塞用複合材を製造する方法としては、必要とする厚さと幅を備えたシート状の熱膨張性部材層を準備し、これを少なくとも1枚の耐火性シートによって被覆する。
その後、被覆された熱膨張性部材を筒状となるように丸め、突き合わされた両端を固定する。
【0023】
収縮材層としては、熱によって収縮する性質を有する樹脂を含むもので良い。
その材料として、熱収縮性樹脂、ゴムのチューブ及びシートや形状記憶合金のシートを使用することができ、該熱収縮性樹脂、ゴムのチューブ及びシートとしては、ブロー成形により延伸されてなるポリ塩化ビニルシート、2軸延伸ポリエステルフィルムを巻いたもの、延伸された網状物、孔が形成された延伸シート、延伸された繊維を多重に巻いたもの等が使用できる。
耐火閉塞用複合材に樹脂管等を挿入した際に、火災時に十分に機能させるために必要なことは、火災時における収縮材は、収縮により熱膨張性部材を確実に内径方向に移動させることができる程度の押圧力を発生させることである。そのために、収縮材層の厚さは0.1〜10mmで、幅は熱膨張性部材層の幅に合わせて切断する。
その収縮材層の形状としては、耐火閉塞用複合材の外面を覆うことが可能な大きさや形状であればよく、耐火閉塞用複合材を被覆できればよく、収縮材層は孔が形成されていても良く、網状であっても良い。
この収縮材層は下記に示す被覆シートが使用された熱膨張性部材を使用する場合には、その被覆シートの外面に設けられる。
【0024】
さらに熱膨張性部材層は内側表面にV字状又はU字状の複数の溝が形成されていてもよく、このような溝を形成させることによって、火災時に収縮材層が収縮することにより、筒状の熱膨張性部材が内径方向の力を受けて、該溝の幅が小さくなるようにして熱膨張性部材層が円筒の中心部に向けて移動又は変形する。
このため、本発明においては、火災時において樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、かつ、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始するようにすることが望ましい。
【0025】
これらの時期がずれて、樹脂管又は樹脂被覆ケーブル等の軟化開始前に収縮材の収縮が開始されても、樹脂管外面の耐火性シートや熱膨張性材料からなる部材に対して収縮力により変形または移動することはなく、収縮材を使用した意義が弱くなる。
また熱による収縮材の収縮よりも熱膨張性部材層の膨張が早いと膨張してなる熱膨張性部材層が互いに干渉して十分に熱膨張性部材層を中央部に変位させることが困難になる。
【0026】
さらに本発明は、建築物の床、天井に設けた開口部に挿入される樹脂管用管継手、樹脂管用スリーブ又は樹脂被覆ケーブル用スリーブに、上記の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂管又は樹脂被覆ケーブルを挿入するようにした樹脂管用管継手又は樹脂管用スリーブでもよく、具体的には、樹脂管用管継手の樹脂管が挿入される継手端部の管継手内面に耐火閉塞用複合材を挿入・設置しておくことにより、建築物への設置後の該継手端部は、外側より、管継手の不燃性材料部分、該耐火閉塞用複合材、樹脂管又は樹脂被覆ケーブルが順に重なり合う状態となっている。
【0027】
また、耐火閉塞用複合材の筒形の形状を覆う形状を有し、樹脂管や樹脂被覆ケーブルを通すための開口部を、筒形の耐火閉塞用複合材の穴に対応するように設けられた耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置としてもよい。この耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置は固定具である外層が金属等の耐火性の物質からなり、耐火閉塞用複合材の上下面及び周面を包み、筒形の耐火閉塞用複合材の穴に対応する開口部を有するように成形されている。
耐火閉塞用複合材を設置するその固定具の内部には、耐火閉塞用複合材の上下面、外周面と耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の外層の内面との間に空間を設け、その空間に耐火性シートと同様の材料からなる断熱材層を設けてもよい。
断熱材層は特に熱膨張性部材層及び収縮材層の温度の上昇を遅らせる作用を備えるので、上記のように熱膨張性材料の膨張開始温度の選択や収縮材の収縮温度を合わせることにより、熱膨張性材料の膨張開始時期や収縮材の収縮時期を調整することが可能である。このような調整の結果によっても、樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の軟化後に、熱収縮材が設けられていれば熱収縮材が収縮し、次いで熱膨張性材料が膨張するようにすると、樹脂管や樹脂被覆ケーブルがあった場所にて熱膨張性材料が膨張できる。
【0028】
耐火閉塞用複合材は建築物の床、天井に設けた開口部に挿入された排水管等用の管継手、管用スリーブ、樹脂被覆ケーブル用スリーブ等の内面に設けても良い。さらに管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブの室内への開口部であって、樹脂管や樹脂被覆ケーブルと、上記管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブが接続される箇所を被覆するように、該管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブの端部に、例えばフランジを介して接続したり、またはこの端部と樹脂管や樹脂被覆ケーブルのすき間を用いて固定しても良い。
【0029】
さらに、本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置の固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆することも可能である。その耐火性繊維シートとしては、本発明において耐火性シートとして使用可能な材料や、一般に耐火性を有してなるシート材料とされる材料を採用することができる。このような構造とすることによって、上記の断熱材層による、熱膨張性部材層及び収縮材層の温度の上昇を遅らせる作用を補完、又は代替できる。
上記のように耐火性繊維シートで被覆することと、熱膨張性材料の膨張開始温度の選択や収縮材の収縮温度を総合して調整することにより、熱膨張性材料の膨張開始時期や収縮材の収縮時期を調整することが可能である。このような調整の結果によっても、樹脂管や樹脂被覆ケーブルの樹脂の軟化後に、熱収縮材が設けられていれば熱収縮材が収縮し、次いで熱膨張性材料が膨張するようにすると、樹脂管や樹脂被覆ケーブルがあった場所にて熱膨張性材料が膨張できる。
【0030】
筒状の該耐火閉塞用複合材の大きさについて、その複合材の内径はその内部に例えば塩化ビニル樹脂管や樹脂被覆ケーブルを挿入できる程度の内径であり、外径は挿入された塩化ビニルパイプの径に必要な耐火性を付与できる程度の耐火材の量を反映した厚さを考慮した径である。また高さは確実に耐火や防火ができるため、つまり、熱膨張性部材が膨張して確実に閉塞できるような量となるように、該耐火閉塞用複合材の高さは十分な高さであることが必要である。
該耐火閉塞用複合材は筒形であってその内部には樹脂管や樹脂被覆ケーブルを挿入するものであり、筒形の形状は円筒状が最も一般的ではあるが、その外面及び内面は6角や8角等の多角形の筒状や、楕円、その他の形状のものでもよく、挿入された樹脂管や樹脂被覆ケーブルの周囲を囲むことができる筒形の形状であればよい。
例えば樹脂被覆ケーブル3本が3角形状に束ねられているときには、その3角形状に対応するように筒形の内面は3角形状とすると、熱膨張性部材層をより樹脂ケーブルに密着させることができるので、火災時に確実に耐火性を発揮させる上で望ましい。
【0031】
本発明の例について図を基に説明する。
図1及び2は本発明の耐火閉塞用複合材A及びBであり、筒状にされた熱膨張性部材1は内面側、及び外面側を有している。
この筒状の熱膨張性部材1は耐火性シート2によって被覆されており、その折り曲げ部3によって折り曲げられることにより、1枚の耐火性シート2が筒状の熱膨張性部材の内外面を被覆するようになっている。
突き合わせ部4は、耐火性シート2によって被覆された熱膨張性部材1が筒状を形成する際に該熱膨張性部材1の両端を突き合わせてなる箇所であり、図示はしないが金具や接着剤等の任意の固定手段によって固定されることにより形成される。
また内面側の耐火性シートには切れ目5が設けられており、この切れ目5により、熱膨張性部材1が膨張することによって、内側の耐火性シート2がより確実に折り曲げ部で開くことが可能となる。
図1に示す耐火閉塞用複合材Aの線Cにより切断された断面図を図3に、図2に示す複合材Bの線Cにより切断された断面図を図4に示し、図3及び4共に図の右側を筒状の耐火閉塞用複合材の内側とする。
【0032】
図3は熱膨張性部材1を耐火性シート2にて被覆した状態を示しており、かつ耐火性シート2は熱膨張性部材1に対して折り曲げ部3にて一回折り曲げた状態で被覆したものである。
同様に図4は熱膨張性部材1を耐火性シート2にて被覆してなるが、耐火性シートは熱膨張性部材1を一周半するようにして被覆しているものである。そのため折り曲げ部3にて耐火性シートを折り返している他に上部にも折り曲げ部3が形成されている。
【0033】
しかしながら、本発明においては耐火閉塞用複合材A及びBを使用する態様において、折り曲げ部3が下方に位置することが必要であり、上記のように、熱によって熱膨張性部材が膨張し、その膨張による押圧によって、図3及び4に示す矢印の方向、つまり筒状の耐火閉塞用複合材の内側に向けて、筒状の耐火閉塞用複合材の内部に位置する耐火性シート2が倒れることになる。
もちろん図4においては、内側の耐火性シート2’も熱膨張性部材の膨張によって上方に向けて開くように動くが、この場合であっても上記のように耐火性シート2が倒れることにより膨張した熱膨張性部材が落下することを防止できる。
【0034】
図5aは図2及び図4にて示す耐火閉塞用複合材Bを得る際の段階の一つであり、熱膨張性部材1の下に耐火性シート2を敷いた状態である。この図においては耐火性シート2の内側に位置する部分には切れ目5が設けられている。図5bは図5aの矢印部分の断面図である。
図5aにおいて熱膨張性部材1の下方にある耐火性シート2の、該熱膨張性部材から2方向にはみ出した部分の内の一方を上方向に折り曲げて、熱膨張性部材1の表面を覆うようにし、次いで熱膨張性部材1の下方にある耐火性シート2の、該熱膨張性部材から2方向にはみ出した部分の内の他方を矢印の方向に折り曲げて、熱膨張性部材1の表面を覆う上方にあった耐火性シート上に重ねるようにして被覆する。
その後、耐火性シート2により被覆された熱膨張性部材1の両端部を合わせるようにして筒状物を形成する。この際には、耐火性シート2に複数の切れ目5を設けておくことによって、筒状物とするときに、不規則に耐火性シート2にシワが発生することを防止し、耐火性シート2がより均一にこのようにして耐火閉塞用複合材の内面に位置することができるし、上記のように熱膨張性材料が膨張する際には、耐火性シートが互いに干渉することなく、より円滑に折り曲げ部を開くことが可能となる。
図5aは耐火性シートの下に被覆シートを設けて耐火性シートと共に熱膨張性部材1を被覆するようにした場合の図であり、図5bに示すように、被覆シートは耐火性シートと同程度の大きさであっても良い。
図5a及びbに示す段階において、特に上記において被覆シートは耐火性シートがほつれやすい等、取り扱いや、その後の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を製造する工程、施工等の段階での取り扱い性を考慮して使用される。このため、被覆シートを使用しなくてもこれらの取り扱い性に問題がなければ、あえて使用しなくてもよい。
この被覆シートとしては、ポリプロピレンやポリエチレンを使用することができる。ポリ塩化ビニリデンシート状とした際には互いに一旦付着すると、剥離することが困難となる等の取り扱い性が難しいので適切に使用することが困難である。
この被覆シートの厚さは、上記の作用を発揮できる程度であれば良く、10〜300μm、好ましくは30〜100μmである。
【0035】
図6及び7は、図3及び4に示す耐火閉塞用複合材を、断熱材層7を内部に備えた固定具6内に設けた、例えば図8に示すような耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置8の断面図である。この図において、断熱材層7は耐火閉塞用複合材の側部、上面及び下面に位置している。
そしてこの耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置8は図8に示す固定具9によって、集合管等のフランジ等に固定することができる。また、もちろん他の固定手段を採用して、集合管やスリーブ、天井等に設けた穴に固定することもが可能でなる。
このように設置することによって、耐火閉塞用複合材より天井もしくは壁までの間は樹脂管が露出せず、火災時には膨張した耐火閉塞用複合材1によって樹脂管の溶融により生じた減容部分の空間を封鎖して、樹脂管を通じて炎やガス等が天井や壁に設けた開口部を通じて拡大することを防止する。
図6及び7に記載された7’も7と同様に断熱材層であり、固定具6の外面に設置して、火災時における熱膨張性部材1の加熱温度や加熱速度を制御することにより、正確に樹脂管の溶融により生じた減容部分の空間を封鎖できるようにする。そのため、断熱材層7及び7’はその材料や厚さを調整することにより、熱膨張性部材の加熱温度や加熱速度を調整する。
このため図示はしないが、この断熱材層7及び7’と耐火閉塞用複合材との間に収縮材層を設けることができ、それにより、断熱材層7や7’により収縮材層が加熱される程度も調整されることになる。
これらの断熱材層7及び7’は共に、耐火性を備えた断熱材であれば良く、また耐火性シート2と同じ材料からなっても良い。
【0036】
また、これらの図に限定されず、管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブが設けられた周囲の壁面に、耐火閉塞用複合材を設けてなる耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を固定することも好ましい。
図6及び7において、固定具はその内部に設けた断熱材層7や耐火閉塞用複合材を対象とする非耐熱性の管やケーブル等に固定させるための部材であると共に、これらの形状を長期にわたって固定させる機能を有する。このような固定具により、配管時、配線時もしくはリフォーム時において樹脂管や樹脂被覆ケーブルに設置させる。
【0037】
図9は本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置8を床スラブ11に設置した集合管10に設けた使用の態様を示す図である。集合管10の下部に接続した樹脂等の非耐熱性の直管12の接続部近くに、集合管10のフランジを用いて耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置8を固定している。
その拡大図が図10であり、矢印の箇所の断面も示すが、火災等が発生せず熱膨張性部材1が膨張していない状態においては、直管12は通常の状態を保っている。
図11では、本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を採用しない場合の図であり、火災等において熱膨張性部材1が膨張するものの、多くの熱膨張性部材1が落下しているので、直管12の減容した空間を熱膨張性部材で充填するには不十分であったり、より多くの量の熱膨張性部材を要することになる。
【0038】
ところが、図12に示すように、本発明の耐火閉塞用複合材を採用すると、熱により収縮した直管により生じた空間を埋めるように、熱膨張性部材が熱膨張すると同時にその膨張に押されるようにして、耐火閉塞用複合材の折り曲げ部が開くことによって、その耐火性シートが回動する。それは図3や図4に示すように、内側に位置する耐火性シートが矢印の方向に回動することにより達成できる。
その結果、回動してなる耐火性シートによって、熱膨張した熱膨張性部材を下から支える状態となる。そして、図12に示す例においては、膨張した熱膨張性部材が落下することを防止できるので、直管が減容してなる空間を効率よく熱膨張性部材の膨張によって封鎖することが可能になる。
図12においては、回動してなる耐火性シートが熱膨張した熱膨張性部材全てを下から支えていないが、例えば図3における折り曲げられた耐火性シートの長さを長くすることによって、熱膨張した熱膨張性部材全てを下から支えることも可能である。
図12の左側の図における矢印部分の断面を右側の図で示す。直管12は火災時の熱によって溶融し熱膨張しながら減容する。その時期に合わせるように熱膨張性部材も加熱されて熱膨張することによって、溶融した直管12をさらに周囲から圧縮して閉じるようにすることにより、元々直管が存在していた空間を膨張した熱膨張性部材が封鎖することによって密閉することができる。
【0039】
図13に示す図も、図7に示す本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置であり、筒状の熱膨張性部材の内面側に2層の耐火性シートが重ねられてなる場合の例である。
この場合には、図12に示す状態と同様に、耐火性シートが折り曲げ部から下方に回動することで、膨張した熱膨張性部材が落下することのないように支えるように位置する。それと共に、筒状の熱膨張性部材の内側にその上部から曲げられていた耐火性シートも同様に、熱膨張性部材が膨張する力によって上方に開かれる。この上部から曲げられていた耐火性シートの部分は、図13では熱膨張した熱膨張性部材の上部を完全に覆う程ではないが、その長さを調整することにより、熱膨張した熱膨張性部材の上部を完全に覆うことも可能である。
このような構造とした場合、膨張した熱膨張性材料の多くは、上下に位置する耐火性シートの間にあり、より強い力によって、軟化した直管を押すことができ、より確実に直管が減容してなる空間を封鎖することが可能となる。
【0040】
他の固定手段としては、本発明の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を該管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ、該開口部を形成する床、天井又は壁に、直接ビス等により密着して固定する手段や、該管継手やスリーブに設けたフランジに接続することが可能である。また、直接該管継手やスリーブに内挿又は外挿することも可能であり、何らかの手段により床、天井又は壁に設けた開口部を耐火閉塞用複合材が囲うようにして設けることが必要である。
このような手段を採用することにより、既設樹脂管や既設樹脂被覆ケーブル等に対しても耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置を簡易に設けることが可能となり、既存の建築物の耐火性が向上する。
【符号の説明】
【0041】
1・・・熱膨張性部材
2・・・耐火性シート
3・・・折り曲げ部
4・・・突き合わせ部
5・・・切れ目
6・・・固定具
7・・・断熱材層
7’・・断熱材層
8・・・耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置
9・・・固定具
10・・集合管
11・・床スラブ
12・・直管
13・・被覆シート
A・・・耐火閉塞用複合材
B・・・耐火閉塞用複合材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シートにて被覆され、該耐火性シートが熱膨張性部材の該外面および該内面を1枚のシートを折り曲げて被覆されている耐火閉塞用複合材。
【請求項2】
該筒状の熱膨張性部材の端部を被覆する折り曲げ部が、該熱膨張性部材の下に位置するように設置されるための請求項1に記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項3】
該筒状の熱膨張性部材が、その内面に1枚の耐火性シートを合わせ、該熱膨張性部材の一端部にて折り曲げて外面を被覆され、次いで熱膨張性部材の他端部にて折り曲部を設けて該他端部を被覆され、さらに該筒状の熱膨張性部材の内面に合わされている耐火性シートの上に耐火性シートを重ねてなる請求項1又は2に記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項4】
該筒状の熱膨張性部材の他端部を被覆する折り曲げ部が、熱膨張性部材の上に位置するように設置されるための請求項2又は3に記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項5】
該熱膨張性部材は熱膨張性材料と樹脂、ゴムを含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項6】
熱膨張性部材の外面及び内面が耐火性シート及び被覆シートにて被覆されている請求項1〜5のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項7】
さらに筒状の熱膨張性部材の外面を被覆してなる耐火性シートの外面に収縮材層を設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項8】
上記収縮材層は熱収縮性を有する樹脂、ゴム、又は形状記憶合金からなる円筒状シートである請求項7に記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項9】
上記収縮材層のシートは、孔が形成されてないシート、孔が形成されたシート、又は網状シートからなる請求項7又は8に記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項10】
熱膨張性部材層は内側表面にV字状又はU字状の溝が形成されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項11】
樹脂管又は樹脂被覆ケーブルの軟化開始と同時又は軟化開始に遅れて、前記収縮材層が収縮を開始し、前記収縮材層の収縮と同時又は収縮に遅れて熱膨張性部材層が膨張を開始するようにした請求項1〜10のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材。
【請求項12】
建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入された管継手、管用スリーブ、ケーブル用スリーブ、該開口部を形成する床又は天井に接続するための耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置であって、該管継手、該スリーブ、床又は天井に接続するための耐火性の固定具を備え、かつ請求項1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を固定具内に収納して、該固定具と耐火閉塞用複合材を一体化してなる耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
【請求項13】
筒状の耐火閉塞用複合材の上下の端部、及び耐火閉塞用複合材の外面と、耐火性の固定具との間に断熱材層を設けてなる請求項12記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
【請求項14】
固定具の外面に耐火性繊維シートを被覆してなる請求項12又は13に記載の耐火閉塞用複合材内蔵延焼防止装置。
【請求項15】
建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブであって、該樹脂管用不燃性管継手又は該樹脂管用不燃性スリーブに、請求項1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂管を挿入するようにした樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
【請求項16】
樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐熱性繊維シートを被覆してなる請求項15に記載の樹脂管用不燃性管継手又は樹脂管用不燃性スリーブ。
【請求項17】
建築物の床又は天井に設けた開口部に挿入される樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブであって、該樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブに、請求項1〜11のいずれかに記載の耐火閉塞用複合材を挿入し、該耐火閉塞用複合材の内部に該樹脂ケーブルを挿入するようにした樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。
【請求項18】
樹脂被覆ケーブル用不燃性スリーブの耐火閉塞用複合材を挿入した箇所に対応する外面を含む部分に耐火性繊維シートを被覆してなる請求項17に記載の樹脂ケーブル用不燃性スリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−96501(P2013−96501A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239747(P2011−239747)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000106771)シーシーアイ株式会社 (245)
【Fターム(参考)】