説明

耐熱性高水蒸気透過熱可塑性ポリウレタン

高水蒸気透過、高融点および静電気散逸性質を有する熱可塑性ポリエーテルポリウレタンが開示される。この熱可塑性ポリエーテルポリウレタンは、ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体、芳香族鎖伸長剤グリコール、およびポリソイシアネートを反応することにより調製される。形成されたポリマーは、溶融紡糸繊維、通気性衣服のための織物被覆、ハウスラップ、屋根メンブレン、および高い蒸気透過および高融点を必要とするその他の適用のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本特許出願は、2002年11月18日に出願された仮出願第60/424,884号に従って出願されている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、液体の水には不透過性であるが、高い水蒸気透過率を有する耐熱性熱可塑性ポリウレタン(TPU)に関する。本発明のTPU組成物はまた、静電気散逸性質を有する。このTPU組成物は、ハウスラップ、屋根下張り、種々の織物被覆、および溶融紡糸繊維のような高水蒸気透過を必要とする適用で有用である。本発明はまた、このTPU組成物およびこのTPU組成物を含むエンドユース物品を生成するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
TPU組成物は、代表的には、ヒドロキシル末端ポリエーテルまたはポリエステル、鎖伸長剤およびイソシアネート化合物を反応することにより作製される。これら3つの反応体の各々について種々のタイプの化合物が文献中に開示されている。これら3つの反応体から作製されるTPUポリマーは、種々の分野での使用を見出し、そこでは、製品は、このTPUを溶融処理すること、および押し出しおよび成形のようなプロセスによって種々の形態に形成することによって作製される。TPUの重要な使用は、Spandexとして知られる、溶融紡糸弾性繊維を作製する領域にある。このTPU繊維は、その他の天然および合成繊維と組み合わせて、衣類およびいくつかのその他の消費製品および産業製品を作製し得る。
【0004】
TPUは、軟セグメントおよび硬セグメントを有するセグメント化ポリマーである。この特徴は、TPUの優れた弾性性質の原因である。この軟セグメントは、通常、ポリエーテルまたはポリエステルであるヒドロキシル末端中間体から作製される。硬セグメントは、鎖伸長剤およびイソシアネートから作製される。
【0005】
米国特許第5,959,059号は、ヒドロキシル末端ポリエーテル、グリコール鎖伸長剤およびジイソシアネートから作製されるTPUを開示している。このTPUは、繊維、ゴルフボールコア、レクリエーションホイールおよびその他の使用を作製するために有用である。
【0006】
従前の公知のTPU繊維の欠点の1つは、それらの低い耐熱性である。耐熱性は、TPU繊維を、ポリエステル繊維のような合成繊維と組み合わせることにより衣類のような物品を作製することを望む場合に重要である。これらの合成繊維は、染色されなければならず、そして衣類を高温で熱硬化されて洗濯および乾燥サイクルの間に収縮することからそれらを防がなければならない。この理由のため、より低い温度のTPU繊維は、高温熱硬化処理を必要としない綿のような天然繊維と組み合わせた用途を見出している。
【0007】
高温耐性TPUはまた、織物被覆適用で所望され得る。1つの織物被覆適用は、TPUライナーが、フルロ(fluro)ポリマー被覆とともに用いられ得、織物への付与後通常加熱されて、このフルロポリマーを乾燥かつ架橋する衣類にある。このTPUは、この加熱プロセスに耐える必要がある。
【0008】
TPUポリマーはまた、感受性電子部品のためのパッケージングのような、抗静電性質が重要である適用に用いられ得る。
【0009】
米国特許第6,140,405号;同第5,863,466号;同第6,284,839号;同第5,574,104号;同第5,159,053号;同第6,207,361号および同第6,197,486号はすべて、抗静電または静電気散逸性質をもつ物品を作製することにおける使用のためのTPUを開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の適用のためのTPUの別の重要な性質は、その水蒸気透過(MVT)性質である。TPUのMVT性質は、織物被覆、繊維、屋根メンブレン、ハウスラップおよびその他の適用のような適用で重要である。高いMVTのTPUは水蒸気を逃すことを可能にするが、液体の水を透過することは許容しない。この特徴は、衣類がより心地よいことをお能にし、そして建物構造を乾燥して維持する。
【0011】
高温耐性、高MVTおよび抗静電性質の性質を有するTPUは、高度に望ましく、そして繊維、織物被覆、ハウスラップ、屋根用製品、および衣類のような製品で高められた性能を可能にし得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
耐熱性高水蒸気透過(MVT)熱可塑性ポリウレタン(TPU)ポリマーは:(1)少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体であって、式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含む中間体、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である;(2)少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤;および少なくとも1つのポリソイシアネートを反応することに由来する。このポリエーテル中間体中のアルキレンオキシド単位は、骨格中または分岐中または側鎖中に存在し得る。
【0013】
本発明のTPUポリマーは、約150℃〜約220℃、好ましくは約160℃〜約200℃、そしてより好ましくは約165℃〜約180℃の融点を有する。本発明のTPUポリマーは、0.1ミル厚みサンプルに対して測定されるとき、約4500g/m日より大きい、そして好ましくは約5500g/m日より大きいMVTを有している。また、本発明のTPUポリマーは、約1.0×1011オーム/平方より小さい表面抵抗率を有する。
【0014】
本発明の目的は、溶融紡糸弾性繊維、被覆された織物、および上記TPUを含むその他のエンドユース物品を作製するために上記に記載のTPUを用いることである。
【0015】
本発明の別の目的は、本発明のTPUを生成するプロセスである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、ポリエステル繊維のような合成繊維と織られ得る溶融紡糸繊維を作製することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のTPUポリマーは、少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体、少なくとも1つの芳香族グリコール鎖伸長剤、および少なくとも1つのポリイソシアネートから作製される。
【0018】
このTPUを作製するために必要な第1の成分は、少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体である。このヒドロキシル末端ポリエーテル中間体は、式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含み、ここで、xは1〜10、好ましくは2〜6の整数であり、そしてyは、11〜115、好ましくは20〜80の整数である。最も好ましい実施形態は、xが2であり、かつyが約28〜38の整数である。このポリエーテル中間体中のアルキレンオキシド単位は、骨格中または分岐中または側鎖中に存在し得るか、または骨格および側鎖の両方中に存在し得る。このヒドロキシル末端ポリエーテル中間体は、合計1〜10の炭素原子を有するジオールまたはポリオール、好ましくは2〜6の炭素原子を有するアルキレンオキシド、代表的にはエチレンオキシドまたはトテラヒドロフランまたはそれらの混合物を含むエーテルと反応されるアルキルジオールまたはグリコール由来であるポリエーテルポリオールである。例えば、ヒドロキシル官能ポリエーテルは、最初、ポリエチレングリコールをポリプロピレンオキシドと反応し、次いで、エチレンオキシドとの次の反応により生成され得る。エチレンオキシドから生じる一級ヒドロキシル基は、二級ヒドロキシル基よりも反応性であり、そしてそれ故、好適である。有用な市販のポリエーテルポリオールは、エチレングリコールと反応したエチレンオキシドを含むポリ(エチレングリコール)、ポリプロピレングリコールと反応したプロピレンオキシドを含むポリ(プロピレングリコール)を含む。コポリエーテルもまた、本発明中で利用され得る。これらコポリエーテルは、プロックコポリマーまたはランダムコポリマーであり得る。ポリ(エチレングリコール)は、好ましいポリエーテル中間体である。種々のポリエーテル中間体は、一般に、末端官能基のアッセイによって決定されるとき、約350〜約10,000、望ましくは約500〜約5,000、そして好ましくは約700〜約3,000、そして最も好ましくは約1,000〜約2,000の数平均分子量(Mn)を有する。2つ以上のヒドロキシ末端ポリエーテル中間体のブレンドもまた、本発明のTPUを作製するために用いられ得る。
【0019】
本発明のTPUを作成するための第2の必要な成分は、芳香族鎖伸長剤グリコールである。ベンゼングリコールおよびキシレネングリコール(xylenene glycol)は、本発明のTPUを作製する際の使用のために適切な鎖伸長剤である。キシレネングリコールは、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンと1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンとの混合物である。ベンゼングリコールは、好ましい鎖伸長剤であり、そして特にヒドロキノン、すなわち、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとしても知られるビス(β−ヒドロキシエチル)エテール;レゾルシノール、すなわち、1,3−ジ(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンとしてもまた知られるビス(β−ヒドロキシエチル);カテコール、すなわち、1,2−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとしてもまた知られるビス(β−ヒドロキシエチル);およびそれらの組み合わせを含む。2つ以上の芳香族グリコール鎖伸長剤のブレンドもまた用いられ得る。
【0020】
上記TPUを作製することで用いられる芳香族グリコール鎖伸長剤の量は、一般に、ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体1モルあたり、約1.0〜約2.0、好ましくは約1.2〜約1.8モルである。
【0021】
本発明のTPUを作製するための第3に必要な成分は、少なくとも1つのポリイソシアネートである。好ましくは、このポリイソシアネートは、ジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートが利用され得るが、芳香族ジイソシアネートが高度に好ましい。さらに、架橋を引き起こす多官能性イソシアネート化合物、すなわち、トリイソシアネートなどの使用は、一般に避けられ、そしてそれ故、用いられる量は、存在する場合でも、用いられる種々のイソシアネートのすべての合計モルを基に4モル%未満、そして好ましくは2モル%未満である。適切なジイソシアネートは、4,4’−メチレンビス−(フェニルイソシアネート)(MDI);m−キシレンジイソシアネート(XDI)、フェニレン−1−4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート、およびトルエンジイソシアネート(TDI)のような芳香族ジイソシアネート;ならびにイソフォロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン−1,10−ジイソシアネート、およびジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネートを含む。上記ジイソシアネートのダイマーおよびトリマーもまた用いられ得、そして2つ以上のジイソシアネートのブレンドが用いられ得る。
【0022】
本発明で用いられるポリイソシアネートは、イソシアネートで末端キャップされる低分子量ポリマーまたはオリゴマーの形態であり得る。例えば、上記に記載のヒドロキシル末端ポリエーテル中間体は、イソシアネート含有化合物と反応され得、イソシアネートで末端キャップされた低分子量ポリマーを生成する。TPU技術では、このような材料は、通常、プレポリマーと称される。このようなプレポリマーは、通常、約500〜約10,000の数平均分子量(Mn)を有する。
【0023】
1つ以上のジイソシアネートのモル比は、一般に、上記1つ以上のヒドロキシル末端ポリエーテル中間体および1つ以上の芳香族グリコール鎖伸長剤の合計モルの1モルあたり約0.95〜約1.05、そして好ましくは約0.98〜約1.03モルである。
【0024】
本発明のTPUポリマーは、硬セグメントおよび軟セグメントから構成される。軟セグメントは上記ヒドロキシル末端ポリエーテルを含み、そして硬セグメントは上記芳香族グリコールおよびジイソシアネートを含む。軟セグメントは、硬セグメント中で制限された溶解度を有することが重要であり、TPUが形成されるとき、軟セグメントは、TPUの表面上でより高く濃縮される。軟セグメントは、水蒸気を通過するTPUの能力の原因であるので、上記表面上の軟セグメントのより高い濃度はより高いMVTを与える。
【0025】
上記TPUが、1,4−ブタンジオールのような従来の直鎖グリコールに対立する芳香族グリコール鎖伸長剤を含むこともまた重要である。この芳香族グリコール鎖伸長剤は、より高い温度のTPUを生じ、そして軟セグメントを硬セグメント中でより不溶にし、従ってMVTを増加する。
【0026】
本発明のTPUポリマーを生成するプロセスは、従来のTPU製造設備を利用し得る。ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体、ジイソシアネートおよび芳香族鎖伸長剤は、上記のように、一般に、一緒に添加され、そして任意の従来のウレタン反応方法に従って反応される。好ましくは、本発明の上記TPU形成成分は、Banburyミキサーとして知られる内部ミキサーのような適切なミキサー中、または好ましくは押し出し機中で溶融重合される。好ましいプロセスでは、上記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体は、芳香族グリコール鎖伸長剤とブレンドされ、そしてブレンドとして押し出し機に添加される。ジイソシアネートは、押し出し機に別個に添加される。このジイソシアネートの適切な処理または重合開始温度は、約100℃〜約200℃、そして好ましくは約100℃〜約150℃である。ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体と芳香族鎖伸長剤とのブレンドの適切な処理または重合開始温度は、約100℃〜約220℃、そして好ましくは約150℃〜200℃である。種々の成分を反応させ、そして本発明のTPUポリマーを形成するために適切な混合時間は、一般に、約2〜約10分、そして好ましくは約3〜約5分である。
【0027】
本発明のTPUを生成するための好ましいプロセスは、1ショット重合プロセスと称されるプロセスである。一般にインサイチュ(in situ)で生じるこの1ショット重合プロセスでは、3つの成分、すなわち、1つ以上のヒドロキシル末端ポリエーテル中間体、芳香族グリコール、およびジイソシアネート間の同時の反応が起こる。この反応は、一般に、約100℃〜約120℃の温度で開始される。この反応は発熱性であるので、反応温度は、約220℃〜250℃まで徐々に増加する。TPUポリマーは、反応押し出し機を出て、そしてペレット化される。TPUのペレットは、通常、加熱された容器中に貯蔵され、上記反応を継続し、そしてTPUペレットを乾燥する。
【0028】
スズおよびその他の金属カルボキシレートならびに三級アミンのような触媒を利用することがしばしば所望される。金属カルボキシレート触媒の例は、スズオクトエート、ジブチルスズジラウレート、フェニル水銀プロピオネート、鉛オクトエート、鉄アセチルアセトネート、マグネシウムアセチルアセトネートなどを含む。三級アミン触媒の例は、トリエチレンジアミンなどを含む。1つ以上の触媒の量は低く、一般に、形成される最終TPUポリマーの百万重量部あたり、約50〜約100重量部である。
【0029】
本発明のTPUポリマーの重量平均分子量(Mw)は、約100,000〜約500,000ダルトン、好ましくは約150,000〜約400,000ダルトン、そしてより好ましくは約175,000〜約300,000ダルトンの範囲である。このTPUポリマーのMwは、ポリスチレン標準に対し、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)に従って測定される。
【0030】
本発明のTPUポリマーは、充填剤、増量剤、色素、可塑剤、滑沢剤、UV吸収剤などのような種々の従来の添加剤または配合剤と混合され得る。充填剤は、タルク、ケイ酸、クレイ、炭酸カルシウムなどを含む。従来の添加剤のレベルは、TPUを配合する分野の当業者に周知のように、所望のエンドユース適用の最終性質およびコストに依存する。これら添加剤は、TPUを形成する反応の間に添加され得るが、通常、第2の配合ステップで添加される。
【0031】
本発明のTPUポリマーは、示差走査熱量計(DSC)を用いてASTM D−3417−99に従って測定されるとき、約150℃〜約220℃、好ましくは約160℃〜約200℃、そしてより好ましくは約165℃〜約180℃の高融点を有している。この高融点は、ポリエステルのようなその他の合成繊維との溶融紡糸繊維を用いる適用で重要である。特定の溶融被覆適用もまた、製造プロセス、特に、フルロポリマーの使用を必要とするような適用に耐えるために高融点TPUを必要とする。
【0032】
本発明のTPUポリマーはまた、高い水蒸気透過(MVT)速度を有する。この特徴は、TPUを通って湿度を移すが、また液体の水に対する障壁であるTPUを有することが重要である適用で重要である。本発明のTPUポリマーのMVTは、約1.0ミル厚さサンプルに対して測定されるとき、4500g/cm日より大きく、そして好ましくは約5500g/cm日より大きい。この高いMVTは、より心地よいTPUで被覆された繊維を生じる。また、衣類においてTPUから作製され、そしてその他の繊維と組み合わせた溶融紡糸繊維は、このような衣類の着用者にとってより心地よい。高MVTはまた、屋根メンブレンおよびハウスラップのような適用に所望され、そこでは、湿度が建物構造から大気に移される必要がある。
【0033】
MVT値は、MocanによるPermatran−W Model 100K器具を用いて決定される。用いられる試験サンプルは、1インチ押し出し機上で生成された平坦フィルムサンプルの1ミル厚さである。この試験フィルムは、24時間の間50%の相対湿度で調製される。このフィルムサンプルは、2インチ×2インチ平方に切断される。サンプルを、Permatran−W Model 100K中の試験セル中に配置した後、一般的試験パラメータをMocanコンピューターシステム中に入力する。コンピューターは、調製期間を開始し、そしてこの期間が終了した後、試験が自動的に始まる。統計学的試験情報が試験の間に図に示され、そして試験データのプリントされた報告が、任意の時間で得られ得る。コンピューターは、試験が終了するときを自動的に決定する。
【0034】
高MVTを有するTPUは、通気性繊維を生成し、これは、液体の水に対する障壁を提供しながら、水蒸気が逃げることを可能にする。熱可塑性層を有する先行技術の通気性織物は、通常、湿度を逃すためにプラスチックフィルム中に小ポアまたは穴を有している。本発明の通気性織物中のTPU層は、穴またはポアを有さず、これらは、MTV性質によって湿度を逃す心地よさを提供しながら、液体の水の貫通に対する完全な障壁を生じる中実である。
【0035】
通気性織物は、通常、少なくとも1つの織物の層を有し、これは、不織布または織布のいずれかであり得る。この織物層に用いられる繊維は、任意の公知の天然または合成繊維であり得る。天然繊維の例は、綿およびウールである。合成繊維の例は、ナイロン、レーヨンおよびアラミド繊維である。通気性織物はまた、本発明のTPUポリマーの1つ以上の層を有している。TPUポリマーは、TPUの薄いシートを押し出すまたは艶出しすること、および織物に熱シートを付与することを含む、溶融被覆プロセスによって織物に付与される。このTPUシートはまた、押し出されるか、または艶出しされ、ロール中で巻き上げられ、そして後に、織物に積層され得る。この溶融被覆および積層のプロセスは、当該分野で周知である。接着層がしばしば用いられ、通気性織物中の種々の層の接着を得る。この通気性織物はまた、通常、付与され、かつ加熱されて乾燥および架橋するフルロポリマー層を有し得る。
【0036】
通気性織物は、種々の衣服にされ得、そして特に、スポーツ衣類、コート、および産業工場で働く保安力および人々によって着用される保護衣服のような衣服で特に所望される。全体の衣服は、通気性織物から作製され得るか、またはこの通気性織物は、これら衣服の一部でのみ用いられ得る。
【0037】
本発明のTPUから溶融紡糸繊維を作製するとき、TPUをわずかに架橋する添加剤を用いることが好ましい。好ましい添加剤は、ジフェニルメタンジイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーまたはジフェニルメタンジイソシアネート末端ポリエステルプレポリマーである。これらの材料は、ポリエーテルまたはポリエステルグリコールであって、ここで、ヒドロキシル基がイソシアネート基に変換されてイソシアネート末端を提供する。架橋性添加剤は、Hyperlast Limited、U.K.から、ポリエーテルプレポリマーについてはHyperlat(登録商標)5130として、そしてポリエステルプレポリマーについてはDiprane(登録商標)5128およびDiprane(登録商標)5184として入手可能である。好ましい添加剤は、Hyperlat(登録商標)5130であり、これは、約2000の数平均分子量およびMDIを有するポリ(テトラメチレンエーテル)由来のジフェニルメタンジイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーである。好ましい溶融紡糸繊維を作製することで用いられる架橋性添加剤の量は、繊維の約5wt%〜約20wt%、そして好ましくは約10wt%〜約15wt%である。溶融紡糸繊維は、架橋性添加剤の使用なしに本発明のTPUポリマーから作製され得る。しかし、この架橋性添加剤は、繊維の性能を増大することが見出された。
【0038】
繊維は、上記架橋性添加剤と混合されたTPUを溶融紡糸することにより作製される。溶融紡糸は周知のプロセスであって、そこでは、ポリマーは押し出しによって溶融され、紡糸ノズルを空中に通過し、冷却により固化し、そして回収デバイス上に繊維を巻くことにより回収される。代表的には、これら繊維は、約150℃〜約300℃のポリマー温度で好ましく溶融紡糸される。
【0039】
本発明のTPUから作製される溶融紡糸繊維は、その他の繊維と組み合わせるか、または織られ得、そして衣類アパレル中で用いられる。先行技術の溶融紡糸TPUは、通常、綿繊維と組み合わされるが、ポリエステル繊維とは組み合わせられない。本発明のTPUはまた、先行技術のTPUとは異なり綿と組み合わせられ得、それはまた、TPUの高融点に起因してポリエステルと組み合わせられ得る。
【0040】
本発明のTPUはまた、静電気散逸性質を示す。このTPUは、ASTM D−257に従って測定したとき、1.0×1011オーム/平方より小さい表面抵抗率を有する。好ましくは、この表面抵抗率は、3.0×1011オーム/平方より小さい。静電気散逸性質は、本発明のTPUのいくつかの適用で重要である。静電気散逸性質をもつ溶融紡糸繊維は、着用プロセスでより少ない静電気電荷が提示されるという点でより良好に処理され、そしてそれらの最終適用における繊維は、誘引する埃粒子はより少ない。この特徴は、衣類をより清浄に維持することを可能にする。
【0041】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより良好に理解され、この実施例は、本発明を例示するが、その範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0042】
実施例1、2、および3、ならびに比較例1および2で作製されるTPUは、そこでは、同じ手順によって作製された。用いられた手順は、ポリエーテル中間体および鎖伸長剤およびジイソシアネートのブレンドを約150℃まで別個に加熱し、そして次にこれら成分を混合することを含んだ。この反応は発熱性であり、そして温度は、約1〜5分で約200℃〜250℃まで増加し、この時間の間に、粘度の増加によって証明されるように重合が起こる。形成されたTPUの物理的性質を測定し、そして表1および2に示される。表1は、MVT値および表面抵抗率を示し、その一方、表2は、ガラス転移温度、溶融点、硬度、弾性率、最大張力、および曲げ弾性率を示す。
【0043】
実施例4は、実施例2で生成されたTPUから作製された溶融紡糸繊維を示す。表3は、繊維処理条件を示す。
【0044】
(実施例1)
0.17モル(241.61グラム)の分子量1450をもつポリエチレングリコール(PEG)を、90℃で、0.29モル(58.39グラム)のヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル(HQEE)鎖伸長剤とブレンドした。このブレンドまたは物理的混合物を、次に、0.460モル(115グラム)のメチレンビスジフェニルジイソシアネート(MDI)と、上記のような標準的な高温ランダム溶融重合手順によって反応させ、実施例1と称されるTPUポリマーを得た。
【0045】
(実施例2)
0.173モル(250.67グラム)の分子量1450をもつポリエチレングリコール(PEG)を、90℃で、0.257モル(50.83グラム)のヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル(HQEE)鎖伸長剤とブレンドした。このブレンドまたは物理的混合物を、次に、0.427モル(106.78グラム)のメチレンビスジフェニルジイソシアネート(MDI)と、上記のような標準的な高温ランダム溶融重合手順によって反応させ、実施例2と称されるTPUポリマーを得た。
【0046】
(実施例3)
0.176モル(255.72グラム)の分子量1450をもつポリエチレングリコール(PEG)を、90℃で、0.224モル(44.28グラム)のヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル(HQEE)鎖伸長剤とブレンドした。このブレンドまたは物理的混合物を、次に、0.399モル(99.65グラム)のメチレンビスジフェニルジイソシアネート(MDI)と、上記のような標準的な高温ランダム溶融重合手順によって反応させ、実施例3と称されるTPUポリマーを得た。
【0047】
(比較例1)
0.178モル(257.95グラム)の分子量1450をもつポリエチレングリコール(PEG)を、60℃で、0.467モル(40.25グラム)の1,4−ブタンジオール(BDO)鎖伸長剤とブレンドした。このブレンドまたは物理的混合物を、次に、0.666モル(166.41グラム)のメチレンビスジフェニルジイソシアネート(MDI)と、上記のような標準的な高温ランダム溶融重合手順によって反応させ、比較例1と称されるTPUポリマーを得た。
【0048】
(比較例2)
0.246モル(245.62グラム)の分子量1000をもつポリエチレングリコール(PEG)を、60℃で、0.604モル(54.38グラム)の1,4−ブタンジオール(BDO)鎖伸長剤とブレンドした。このブレンドまたは物理的混合物を、次に、0.850モル(212.46グラム)のメチレンビスジフェニルジイソシアネート(MDI)と、上記のような標準的な高温ランダム溶融重合手順によって反応させ、比較例2と称されるTPUポリマーを得た。
【0049】
(実施例4)
実施例2で生成されたTPUからのペレットを、6時間の間80℃で乾燥し、水分含量を0.03重量%未満に減少させた。繊維が、単一スクリュー押し出し機を通じて、0.5mmのオリフィス直径をもつ出糸突起に押し出し成形された。これら繊維は、200メートル/分の速度で巻いた。帯電防止/通気性繊維を紡糸するために用いた条件は表3に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

溶融紡糸繊維は、高伸長、良好な処理、通気性、および高温耐性の優れた性質を示した。
【0053】
表1中のデータから、芳香族鎖伸長剤(HQEE)を用いる本発明のTPUのMVTは、脂肪族鎖伸長剤(BDO)を用いる比較例で作製されたTPUよりかなり大きい(2〜3の係数)。通常、MVTを制御するのは、ポリエーテル中間体(PEG)である。なぜなら、PEGは、水蒸気と結合し、そしてこの水蒸気をTPUを通じて移す酸素基を有しているからである。実施例中の同じポリエーテル中間体(PEG)を有するTPUが、芳香族鎖伸長剤(HQEE)の使用でMVTにおけるこのような劇的な改善を示であろうことは全く予期できなかった。この結果は、PEGが、それがBDO中であるよりもHQEE中でより可溶性でないため、そしてそれ故、PEGがTPUの表面上でより高度に濃縮されるために生じると考えられる。表面上のPEGのより高い表面濃度は、より多くの水蒸気と結合し、そしてそれを移すその能力を説明し得る。表1のデータはまた、本発明のTPUが、低表面抵抗率を有し、それ故、それに静電気散逸性質を与えることを示す。
【0054】
表2中のデータは、本発明のTPUが、比較例より10〜20℃高い融点を有することを示す。融点におけるこの増加は、それが、TPU溶融紡糸繊維を、衣服製造プロセスでより高い温度を必要とするポリエステルのような合成繊維と織られるようにする点で重要である。より高い融点はまた、織物がまた、この織物が、乾燥およびフルロポリマーを架橋するためにより高い温度に曝されるフルロポリマー被覆を有する場合に、TPUで被覆されることを可能にする。これは、スポーツ衣類および冬のコートのような通気性衣服について特に重要である。この高いMVTはまた、このような衣服が着用者により心地よいことを生じる。
【0055】
特許法に従って、ベストモードおよび好ましい実施形態が提示されているが、本発明の範囲はそれに制限されず、むしろ添付の請求項の範囲による。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリウレタンポリマーであって:
少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤、および式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含む少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体と反応した、少なくとも1つのポリソイシアネート由来のポリエーテルポリウレタンを含み、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である、熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項2】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、ポリエチレングリコールである、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項3】
前記ポリエチレングリコールが、約1,000〜約2,000の数平均分子量を有する、請求項2に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項4】
前記ヒドロキシル末端芳香族グリコールが、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルである、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項5】
前記ポリイソシアネートがジイソシアネートである、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項6】
前記ジイソシアネートが、メチレンビスジフェニルジイソシアネートである、請求項5に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項7】
xが2〜6の整数であり、そしてyが20〜80の整数である、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項8】
xが2であり、そしてyが28〜38の整数である、請求項7に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項9】
1.0ミル厚さのサンプルに対して測定したとき、約4500g/mより大きい水蒸気透過値を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項10】
1.0ミル厚さのサンプルに対して測定したとき、約5500g/mより大きい水蒸気透過値を有する、請求項9に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項11】
ASTM D−257に従って測定したとき、約1.0×1011オーム/平方より小さい表面抵抗率を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項12】
ASTM D−257に従って測定したとき、約3.0×1010オーム/平方より小さい表面抵抗率を有する、請求項11に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項13】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約350〜約10,000の数平均分子量を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項14】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約500〜約5,000の数平均分子量を有する、請求項13に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項15】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約700〜約3,000の数平均分子量を有する、請求項14に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項16】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約1,000〜約2,000の数平均分子量を有する、請求項15に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項17】
ASTM D−3417−99に従って決定したとき、約150℃〜約220℃の融点を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項18】
ASTM D−3417−99に従って決定したとき、約160℃〜約200℃の融点を有する、請求項17に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項19】
ASTM D−3417−99に従って決定したとき、約165℃〜約180℃の融点を有する、請求項18に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項20】
前記芳香族グリコール鎖伸長剤の量が、前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体1モルあたり、約1.0〜約2.0モルである、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項21】
前記芳香族グリコール鎖伸長剤の量が、前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体1モルあたり、約1.2〜約1.8モルである、請求項20に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマー。
【請求項22】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が約1,000〜約2,000の数平均分子量を有するポリエチレングリコールであり、前記ポリイソシアネートがメチレンビスジフェニルジイソシアネートであり、前記芳香族グリコール鎖伸長剤がヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルである、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタンポリマーであって、そしてここで、該ポリウレタンポリマーが、1.0ミル厚さのサンプルに対して測定したとき、約5500g/m日より大きい水蒸気透過速度、およびASTM D−3417−99に従って測定したとき約165℃〜約180℃の融点を有する、ポリウレタンポリマー。
【請求項23】
熱可塑性ポリウレタンポリマーを生成する方法であって:
少なくとも1つのポリイソシアネート、少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤、および少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体を混合し、反応させる工程を包含し、ここで、該ポリエーテル中間体が、式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含み、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である、方法。
【請求項24】
前記鎖伸長剤の前記ポリエーテル中間体に対するモル比が、該ポリエーテル中間体1モルあたり約1.0〜約2.0モルの該鎖伸長剤である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリイソシアネートの、前記ポリエーテル中間体および芳香族鎖伸長剤の総モルに対するモル比が、該ポリエーテル中間体および芳香族鎖伸長剤の1モルあたり約0.98〜約1.03モルの該ポリイソシアネートである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、ポリエチレングリコールである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記芳香族グリコール鎖伸長剤が、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリイソシアネートがジイソシアネートである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ジイソシアネートが、メチレンビスジフェニルジイソシアネートである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
xが2〜6の整数であり、そしてyが20〜80の整数である、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
xが2であり、そしてyが28〜38の整数である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約350〜約10,000の数平均分子量を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約700〜約3,000の数平均分子量を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が、約1,000〜約2,000の数平均分子量を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記反応が、約100℃〜約220℃の温度で約2分〜約10分の反応時間の間、押し出し機中で実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記反応時間が、約3分〜約5分である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
通気性物品であって:(a)少なくとも1つの織物の層、および(b)少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンポリマーの層を備え、ここで、該ポリウレタンポリマーが、少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤、および式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含む少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体と反応した、少なくとも1つのポリソイシアネート由来のポリエーテルポリウレタンであり、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である、物品。
【請求項38】
前記少なくとも1つの織物の層が、不織布を含む、請求項37に記載の物品。
【請求項39】
前記少なくとも1つの織物の層が、織布を含む、請求項37に記載の物品。
【請求項40】
前記物品が、前記少なくとも1つの織物の層および少なくとも1つの熱可塑性ポリウレタンポリマーの層に加え、少なくとも1つのフルロポリマーの層を備える、請求項37に記載の物品。
【請求項41】
前記物品が、衣料品の物品である、請求項40に記載の物品。
【請求項42】
前記物品が、ハウスラップである、請求項37に記載の物品。
【請求項43】
前記物品が、屋根メンブレンの物品である、請求項37に記載の物品。
【請求項44】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体が約1,000〜約2,000の数平均分子量を有するポリエチレングリコールであり、前記ポリイソシアネートがメチレンビスジフェニルジイソシアネートであり、前記芳香族グリコール鎖伸長剤がヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルである、請求項37に記載の物品であって、そしてここで、前記ポリウレタンポリマーが、1.0ミル厚さのサンプルに対して測定したとき、約5500g/m日より大きい水蒸気透過速度、およびASTM D−3417−99に従って測定したとき約165℃〜約180℃の融点を有する、物品。
【請求項45】
熱可塑性ポリウレタンポリマーを含む、溶融紡糸繊維であって、ここで、該熱可塑性ポリウレタンポリマーが、少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤、および式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含む少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体と反応した、少なくとも1つのポリソイシアネート由来のポリエーテルポリウレタンであり、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である、溶融紡糸繊維。
【請求項46】
前記ポリウレタンポリマーを架橋するための添加剤を含む、請求項45に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項47】
前記ポリウレタンポリマーを架橋するための添加剤がジフェニルメタンジイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーであり、該プレポリマーが、メチレンビスジフェニルジイソシアネートと反応したポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールに由来する、請求項46に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項48】
使用される前記添加剤のレベルが、前記繊維の約5重量%〜約20重量%である、請求項47に記載の溶融紡糸繊維。
【請求項49】
溶融紡糸繊維を含む衣料品衣服であって、該繊維が、少なくとも1つのヒドロキシル末端芳香族グリコール鎖伸長剤、および式−[(CH−O]−を有するアルキレンオキシドを含む少なくとも1つのヒドロキシル末端ポリエーテル中間体と反応した、少なくとも1つのポリソイシアネート由来の熱可塑性ポリウレタンポリマー繊維であり、ここで、xが1〜10の整数であり、そしてyが11〜115の整数である、衣料品衣服。
【請求項50】
前記溶融紡糸熱可塑性ポリウレタンポリマー繊維と一緒に織られたポリエステル繊維を含む、請求項49に記載の衣料品衣服。
【請求項51】
前記ヒドロキシル末端ポリエーテル中間体がポリエチレングリコールであり、前記ポリイソシアネートがメチレンビスジフェニルジイソシアネートであり、前記芳香族グリコール鎖伸長剤がヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルである請求項50に記載の衣料品衣服であって、そしてここで、前記ポリウレタンポリマーが、1.0ミル厚さのサンプルに対して測定したとき、約5500g/m日より大きい水蒸気透過速度、およびASTM D−3417−99に従って測定したとき約165℃〜約180℃の融点を有する、衣料品衣服。

【公表番号】特表2006−505672(P2006−505672A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551586(P2004−551586)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/034131
【国際公開番号】WO2004/044028
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505026538)ノベオン アイピー ホールディングス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】