説明

耐燃料性樹脂成形体

【課題】長期間、高温の燃料油に浸漬しても、ほとんど劣化しない耐燃料性樹脂成形体を提供する。
【解決手段】ポリアセタール樹脂と、特定の一般式で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含み、ポリアセタール樹脂組成物におけるヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量がポリアセタール樹脂100質量部に対して0.05質量部以上1.0質量部以下であり、ポリアセタール樹脂組成物における脂肪酸カルシウム塩の含有量がポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01質量部以上2.0質量部以下であるポリアセタール樹脂組成物を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物から構成される耐燃料性樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた特性を持っており、主に構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、要求特性は益々高度化、複合化、特殊化する傾向にある。
【0003】
例えば、自動車部品の分野においては、優れた耐燃料性が求められる場合がある。ポリアセタール樹脂は、熱可塑性樹脂の中でも耐燃料性に優れた樹脂であり、燃料油と直接接触する部品、例えば燃料ポンプモジュール等に代表される燃料搬送ユニット等の大型部品にも用いられている。
【0004】
また、ポリアセタール樹脂を用いて製造された樹脂成形体の耐燃料性をさらに向上させる方法が検討されている。例えば、特許文献1には、過酷な環境でも耐燃料性に優れるポリアセタール樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−515539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1における耐燃料性の高さは、100℃の燃料油に1000時間浸漬させても問題が無い程度である。
【0007】
しかし、ポリアセタール樹脂組成物から構成される樹脂成形体の耐燃料性は、さらに高い方が望ましく、引用文献1に記載の条件よりも高温の燃料油に、より長時間浸漬しても劣化しない耐燃料性樹脂成形体が求められる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、長期間、高温の燃料油に浸漬しても、ほとんど劣化しない耐燃料性樹脂成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ポリアセタール樹脂と、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩を含むポリアセタール樹脂組成物から構成される樹脂成形体であれば、長期間、高温の燃料油に浸漬しても、ほとんど劣化しない耐燃料性樹脂成形体になることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) 使用時に燃料油に直接接触する耐燃料性樹脂成形体であって、ポリアセタール樹脂と、下記一般式(I)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含むポリアセタール樹脂組成物から構成され、前記ポリアセタール樹脂組成物における、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下であり、前記ポリアセタール樹脂組成物における、前記脂肪酸カルシウム塩の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上2.0質量部以下である耐燃料性樹脂成形体。
【化1】

(一般式(I)におけるR、R及びRは炭素数1〜4のアルキレン基であり、
、R、R、R及びRは水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基であり、
、R10、R11、R12及びR13は水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基であり、
14、R15、R16、R17及びR18は水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基である。)
【0011】
(2) 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト又は1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸である(1)に記載の耐燃料性樹脂成形体。
【発明の効果】
【0012】
本発明の耐燃料性樹脂成形体は、長期間、高温の燃料油に浸漬しても、ほとんど劣化しない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0014】
本発明の耐燃料性樹脂成形体は、ポリアセタール樹脂と、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含むポリアセタール樹脂組成物から構成される。ポリアセタール樹脂と、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを組み合わせることで、ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体の耐燃料性を飛躍的に向上させることができる。
【0015】
<ポリアセタール樹脂>
ポリアセタール樹脂の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されず、従来、種々の用途に使用されるポリアセタール樹脂から適宜選択して使用することができる。
【0016】
ポリアセタール樹脂には、オキシメチレン基(−CHO−)のみを構成単位とするポリアセタールホモポリマー、及びオキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を構成単位として含有するポリアセタールコポリマーが含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、オキシC2−6アルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基等のオキシC2−4アルキレン単位)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、特に限定されないが、ポリアセタール樹脂の構成単位全体に対して、例えば、0.01〜30モル%、好ましくは0.03〜20モル%、さらに好ましくは0.03〜15モル%程度の範囲から選択できる。
【0017】
ポリアセタール樹脂がポリアセタールコポリマーである場合は、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマー等であってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー等であってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化等により安定化してもよい。
【0018】
ポリアセタール樹脂のメルトインデックスは、特に限定されないが、2g/10min以上30g/10min以下であることが好ましい。2g/10min以上であれば成形体が良好に成形出来るという理由で好ましく、30g/10min以下であれば燃料に接触する成形体がクリープ等で破壊しにくいという理由で好ましい。なお、メルトインデックスとは、190℃における荷重2160gの条件で測定されるメルトインデックスを指す。
【0019】
ポリアセタール樹脂製造法としては次のものがある。ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマー(例えばトリオキサン)をモノマーとし、その重合によりホモポリマーが製造できる。また、それを主モノマーとし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール等の環状エーテルや環状ホルマールをコモノマーとして共重合することによりコポリマーが製造できる。
【0020】
ポリアセタール樹脂組成物はポリアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物であり、ポリアセタール樹脂組成物中のポリアセタール樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
【0021】
<ヒンダードフェノール系酸化防止剤>
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、下記の一般式(I)で表される。
【化2】

【0022】
一般式(I)におけるR、R及びRは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、i−プロピレン基、ブチレン基、i−ブチレン基を挙げることができる。本発明においては、R、R及びRは比較的短く、エステル結合を持たないことが特徴である。エステル結合を持つと、充分な耐燃料性を樹脂成形体に付与できなくなる。なお、これらのアルキレン基の中でもメチレン基が好ましく、R、R及びRは全てメチレン基であることが最も好ましい。
【0023】
、R、R、R及びRは水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、環状(シクロアルキル基)でもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0024】
、R、R、R及びRにおいて、水酸基に隣接する基は、立体障害の大きな基であることが好ましい。立体障害の大きな基としては、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、3−メチルブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0025】
、R10、R11、R12及びR13、並びにR14、R15、R16、R17及びR18については、R、R、R、R及びRと同様であるため説明を省略する。
【0026】
本発明においては、上記一般式(I)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤の中でも、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト又は1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸を使用することが最も好ましい。
【0027】
ポリアセタール樹脂組成物中のヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下である。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が0.05質量部以上であれば、成形体製造時の樹脂の分解を抑制する、また、成形体の耐熱性、耐燃料性が向上するという理由で好ましく、1.0質量部以下であれば成形体からの染み出しが抑制されるという理由で好ましい。より好ましい含有量は、0.1質量部以上0.6質量部以下である。
【0028】
<脂肪酸カルシウム塩>
脂肪酸カルシウム塩を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、炭素数10以上の1価の飽和脂肪酸[カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸等のC10−34飽和脂肪酸(好ましくはC10−30飽和脂肪酸)等]、炭素数10以上の1価の不飽和脂肪酸[オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸等のC10−34不飽和脂肪酸(好ましくはC10−30不飽和脂肪酸)等]、炭素数10以上の2価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)[セバシン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、タプシア酸等の2価のC10−30飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20飽和脂肪酸)、デセン二酸、ドデセン二酸等の2価のC10−30不飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20不飽和脂肪酸)等]が例示できる。また、上記の脂肪酸には、その一部の水素原子がヒドロキシル基等の置換基で置換され、分子内に1又は複数のヒドロキシル基等を有する脂肪酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ飽和C10−26脂肪酸等)も含まれる。本発明において、特に好ましい脂肪酸カルシウム塩は、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである。
【0029】
ポリアセタール樹脂組成物中の脂肪酸カルシウム塩の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上2.0質量部以下である。脂肪酸カルシウム塩の含有量が0.01質量部以上であれば成形体の耐熱性、耐燃料性が向上するという理由で好ましく、2.0質量部以下であれば成形体の変色が少ないという理由で好ましい。好ましい脂肪酸カルシウム塩の上記含有量は、0.3質量部以上1.2質量部以下である。
【0030】
<その他の成分>
ポリアセタール樹脂組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲であれば、公知の各種安定剤や添加剤をさらに配合することができる。例えば、各種の着色剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー等を挙げることができる。
【0031】
<ポリアセタール樹脂組成物の調製方法>
ポリアセタール樹脂組成物の調製方法は、特に限定されず、上記の成分を上記の特定の配合割合で含むようにできればどのような方法も採用可能である。例えば、樹脂組成物の調製法として知られ一般に用いられる方法により容易に調製することができる。具体的には、組成物を構成する各成分を混合した後、一軸又は二軸の押出機により溶融混練して押出し、これを切断してペレット状組成物を調製する方法が挙げられる。
【0032】
また、組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、複数種のペレット全体として、ポリアセタール樹脂と上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤と上記脂肪酸カルシウム塩とを、上記の特定の配合割合で含むように調整してもよい。
【0033】
<耐燃料性樹脂成形体の製造方法>
本発明の耐燃料性樹脂成形体は、上記ポリアセタール樹脂組成物を、一般的な成形方法で成形してなる。一般的な成形方法としては、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等を挙げることができる。成形条件や成形方法は材料の性質や成形体の形状等に応じて適宜設定される。
【0034】
<耐燃料性樹脂成形体>
耐燃料性樹脂成形体は、使用時に燃料油に直接接触する成形体である。例えば、燃料配管用チューブ、燃料配管用コネクタ、燃料タンクセンターシール、燃料タンクキャップシール、キャニスター、タンク及びインジェクター等が例示される。
【0035】
また、燃料油としては、ガソリン、軽油、重油、灯油、GTL軽油等が例示される。本発明の耐燃料性樹脂成形体は、軽油に対して特に高い耐燃料性を有する。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0037】
<材料>
[ポリアセタール樹脂]
ポリアセタール樹脂:トリオキサン96.7質量%と1,3−ジオキソラン3.3質量%を共重合させてなるポリアセタール共重合体、メルトインデックス(190℃、荷重2160gで測定)が9g/10min
[ヒンダードフェノール系酸化防止剤]
ヒンダードフェノール系酸化防止剤1:トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(BASF社製 Irganox3114)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤2:1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸(サイテック社製 サイアノックスCY−1790)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤3:テトラキス[メチレン3(3,5ジ−t−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASF社製 Irganox1010)
[アルカリ土類金属化合物]
アルカリ土類金属化合物1:ステアリン酸カルシウム
アルカリ土類金属化合物2:12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
アルカリ土類金属化合物3:炭酸カルシウム
アルカリ土類金属化合物4:水酸化マグネシウム
【0038】
<ポリアセタール樹脂組成物の調製>
表1に記載の割合(数値の単位は質量部)で、ポリアセタール樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アルカリ土類金属化合物を添加混合し、二軸の押出機で溶融混練してペレット状の組成物を調製した。
【0039】
<成形体の製造>
次いで、このペレットを用いて射出成形によりASTM 1号ダンベル試験片を作製した。成形した試験片の引張物性を測定した。具体的には、ASTM D−638に準じて、引張伸び、引張強さを測定した。測定結果を表1に示した。
【0040】
<耐燃料性評価>
耐燃料性評価としてはダンベル試験片を120℃のJIS 2号軽油中に浸漬し、70日経過後に試験片を取り出し、試験片の引張物性を測定し、物性保持率を計算した。軽油浸漬により試験片表層から劣化が始まっていくため、引張伸びが最も敏感に変化する。処理後の引張伸び保持率が高いものほど、耐燃料性が良好であるといえる。
【0041】
【表1】

【0042】
表1から、ポリアセタール樹脂と、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを組み合わせることで、ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形体の耐燃料性を飛躍的に向上させられることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に燃料油に直接接触する耐燃料性樹脂成形体であって、
ポリアセタール樹脂と、下記一般式(I)で表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤と、脂肪酸カルシウム塩とを含むポリアセタール樹脂組成物から構成され、
前記ポリアセタール樹脂組成物における、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上1.0質量部以下であり、
前記ポリアセタール樹脂組成物における、前記脂肪酸カルシウム塩の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上2.0質量部以下である耐燃料性樹脂成形体。
【化1】

(一般式(I)におけるR、R及びRは炭素数1〜4のアルキレン基であり、
、R、R、R及びRは水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基であり、
、R10、R11、R12及びR13は水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基であり、
14、R15、R16、R17及びR18は水酸基、炭素数1〜7のアルキル基、水素原子のいずれかであって、少なくとも1つは水酸基、少なくとも1つは炭素数3〜7のアルキル基である。)
【請求項2】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト又は1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸である請求項1に記載の耐燃料性樹脂成形体。

【公開番号】特開2013−112728(P2013−112728A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258992(P2011−258992)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(390006323)ポリプラスチックス株式会社 (302)
【Fターム(参考)】