説明

耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法および耐真空用可撓性複合ケーブル

【課題】高真空環境下での高周波信号を含む複数種の信号伝送を容易に可能にした、経済的に有利で、かつ任意長に加工できる汎用性に富む耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法および耐真空用可撓性複合ケーブルを提供する。
【解決手段】耐真空用可撓性複合ケーブル20は、真空中において線間および芯線に空気溜まりが生じないよう、また不要ガスが放出されないよう線材および製法を考慮して製造されるもので、編組シールドを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体21aの絶縁材とした同軸芯線21と、フッ素系樹脂を導体の絶縁材および外皮とした他の芯線22とを撚り合わせて編組管23に通した後、編組管23内で同軸芯線21と、他の芯線22との撚りを戻して各芯線間を粗密にし、ベーキング処理を施すことにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高真空環境下で複数の回路配線を必要とする場合、例えば真空環境に置かれた筐体内に設けられ大気環境で動作するCCDを前記真空環境で回路接続する場合に用いて好適な耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法および耐真空用可撓性複合ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
真空雰囲気中で使用されるケーブルに対しては、ケーブルの被覆材や構造等に起因して発生し残留するガスを極力抑制することが要求される。
【0003】
従来、高真空環境下で複数の回路配線を必要とする場合、例えばカブトンチューブ(カブトンは登録商標)に銀メッキ銅線を通した構造のケーブルを各配線毎に個別に用意して用いていた。しかしながら、この種、耐真空用ケーブルは、経済性の面で問題があるとともに、ケーブルの長さが規定され、可撓性に難があることから汎用性に乏しいという問題があった。さらに、真空環境下に置かれた高周波信号を扱う電子機器類、例えば真空環境に置かれた筐体内に設けられ大気環境で動作するCCDを上記真空環境で回路接続する耐真空用カメラ機器に於いて、CCDを駆動する高周波信号、出力映像信号等の伝送路上に於ける周波数特性(特性インピーダンス)を精確に管理できないという電気特性上の問題もあった。
【特許文献1】特開2004−63371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の耐真空用ケーブルは、経済性の面で問題があるとともに、ケーブルの長さが規定され、可撓性に難があることから汎用性に乏しいという問題があった。さらに、真空環境下に置かれた高周波信号を扱う耐真空用カメラ等の電子機器類への適用に対して電気特性上の問題があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、高真空環境下での高周波信号を含む複数種の信号伝送を容易に可能にした、経済的に有利で、かつ任意長に加工できる汎用性に富む耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法および耐真空用可撓性複合ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高真空環境で用いられる可撓性複合ケーブルの製造方法であって、編組シールドを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とした同軸芯線と、フッ素系樹脂を導体の絶縁材および外皮とした他の芯線とを撚り合わせて編組管に通した後、前記編組管内で前記同軸芯線と他の芯線とを撚り戻して、ベーキング処理を施すことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、編組シールドを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とした同軸芯線と、フッ素系樹脂を導体の絶縁材および外皮とした他の芯線とを撚り合わせ、編組管で引き揃えた耐真空用可撓性複合ケーブルを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、高真空環境下に置かれた耐真空カメラを大気側に設けた機器に回路接続するための可撓性を有する耐真空用可撓性複合ケーブルであって、シールド編組管と、前記シールド編組管に緩挿され、撚り線を中心導体とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とし、編組シールドを外皮とした複数本の同軸芯線と、前記シールド編組管に緩挿され、撚り線を導体とし、フッ素系樹脂を導体の絶縁材とした複数本の他の芯線とを具備したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、真空環境に置かれた筐体内に設けられ大気環境で動作するCCDを前記真空環境で回路接続する耐真空用可撓性複合ケーブルであって、前記CCDの高周波信号伝送に用いる、フッ素系樹脂を絶縁材とし編組シールドを外皮とした同軸芯線と、前記CCDの他の信号伝送に用いる、フッ素系樹脂を外皮とした複数の信号線とをシールド編組管に緩挿し、真空ベーキング処理を施したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
高真空環境下での高周波信号を含む複数種の信号伝送を容易に可能にした、経済的に有利で、かつ任意長に加工できる汎用性に富んだ耐真空用可撓性複合ケーブルが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いたカメラ装置全体の構成を図1に示す。
本発明の実施形態に係る耐真空用カメラ10は、10−6[Pa]程度の高真空環境にある真空チャンバー(例えば真空室)1の内部に於いて、耐真空用可撓性複合ケーブル20を用いることにより、真空室1内で任意の位置および姿勢制御による被検査体(被写体)2の観察(監視)が可能な構造としている。上記耐真空用カメラ10と、耐真空用可撓性複合ケーブル20との接続インタフェースに耐真空用多極貫通コネクタが用いられる。
【0012】
この耐真空用可撓性複合ケーブル20を用いた耐真空用カメラ10により、真空室1内に於いて、被検査体(被写体)2の位置合わせ、アライメント調整等、被検査体近傍での自由な位置取り、角度設定を可能にした観察用テレビカメラを実現可能にしている。また、電気的特性は一般用カメラと同等でありながら、10−6[Pa]程度の高真空環境下に於いても真空環境へのガス放出がほぼゼロのカメラケーブル付耐真空用カメラを実現している。この耐真空用カメラを実現するため、耐真空用カメラ10、および耐真空用可撓性複合ケーブル20は、それぞれ真空度10−6[Pa]の高真空に晒されても安定に動作し、かつ真空空間への不純物放出(不要ガス放出)を最小限に抑えた構造および材料構成としている。
【0013】
真空室1には、耐真空用可撓性複合ケーブル20の接続インタフェースをもつ貫通コネクタ30を備えた密閉構造のフランジ40が設けられる。真空室1内に置かれた耐真空用カメラ10は、耐真空用可撓性複合ケーブル20、およびフランジ40に設けられた貫通コネクタ30を介して真空室1の外部(大気側)に設けられた制御器50に回路接続される。フランジ40は真空室1の規格および寸法に準じた形状および強度とする。貫通コネクタ30は気密性の高い構造とする。制御器50は、耐真空用カメラ10に設けられた撮像素子に駆動信号を送出し、撮像素子の出力信号に従う映像信号を外部へ出力する。
【0014】
真空室1内に設けられる耐真空用カメラ10は、撮像素子を収容したカメラ筐体と、撮像素子に結像するレンズを装着するレンズマウントと、撮像素子を回路接続する耐真空用多極貫通コネクタおよびこのコネクタを覆うジャケットとを有し、レンズマウントおよびコネクタジャケットを隔壁にカメラ筐体を密閉した構造としている。これにより真空域内に於いてカメラ筐体に収容された撮像素子は大気側の環境に置かれる。
【0015】
耐真空用カメラ10の真空中に晒される外筐は、真空中に於いてガス放出が非常に少ない金属材料を用いて構成される。ここでは耐真空用カメラ10の外筐を構成する、カメラ筐体、レンズマウント、ジャケットをすべてステンレス鋼を用いて構成している。この耐真空用カメラ10の具体的な構造については図4乃至図11を参照して後述する。
【0016】
真空室1内に設けられる耐真空用可撓性複合ケーブル20は、本発明の実施形態に係る耐真空用多極貫通コネクタ(図7乃至図11の符号14参照)に接続される信号ケーブルを構成するもので、真空中での不純物放出を最小限に抑える材料と構造を採用し、定インピーダンスの信号線(同軸芯線)を含んだ多芯ケーブル構造により高周波信号を含んだカメラ信号(CCD直接駆動信号)の理想的伝送を可能にしている。
【0017】
この耐真空用可撓性複合ケーブル20の断面構造を図2および図3に示し、ケーブルコネクタを設けた同ケーブルを図8に示している。
【0018】
耐真空用可撓性複合ケーブル20は、真空中において線間および芯線に空気溜まりが生じないよう、また不要ガスが放出されないよう線材および製法を考慮して製造されるもので、図2および図3に示すように、編組シールド21cを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体21aの絶縁材21bとした同軸芯線21,21,…と、フッ素系樹脂を導体22aの絶縁材および外皮22bとした他の芯線22,22,…とを撚り合わせて編組管23に通した後、前記編組管23内で前記同軸芯線21,21,…と、他の芯線22,22,…との撚りを戻して各芯線間を粗密にし、ベーキング処理を施すことにより製造される。
【0019】
なお、上記各芯線21,22は、柔軟性を保ち、かつ長期間の使用に耐えるよう、内部導体21a,22aに撚り線を用いた可撓性ケーブル構造であり、大気中で用いられる通常の可撓性ケーブルとほぼ同様の可撓性を有している。
【0020】
また、上記各芯線21,22の絶縁材21b,22bにフッ素系樹脂を用い、各芯線21,22の導体21a,22a、編組シールド21c、編組管23に銀メッキ線を用いて真空中に不要ガスを放出しない材料構成としている。上記ベーキングの処理では、約200℃で十数時間乃至数十時間の真空ベーキングを行い、樹脂内の不要なガス成分を除去している。
【0021】
このようにして製造した耐真空用可撓性複合ケーブル20は、樹脂絶縁のケーブルであり、ケーブル自体が非常に柔らかに撓ることから、大気中において使用される一般的なカメラケーブルと同様な可撓性を実現でき、被写体に合わせた真空室1内でのカメラの移動、ハンドリングが自由に行える。また上記各芯線21,22を編組管23により収束することで電磁遮蔽効果を向上させている。このようなケーブル構造により、経済的に有利な構成で、電気的特性は、一般用のカメラケーブルと同等でありながら、10−6[Pa]に於いても真空環境へのガス放出がほぼゼロの耐真空用可撓性カメラケーブルが実現できる。
【0022】
上記した耐真空用可撓性複合ケーブル20の一端には、図4および図8に示すように、耐真空用カメラ10の筐体に設けられた耐真空用多極貫通コネクタ(図7乃至図11の符号14参照)に結合するケーブルコネクタ28が設けられ、他端には、フランジ40の貫通コネクタ30に結合するケーブルコネクタが設けられる。
【0023】
上記した耐真空用可撓性複合ケーブル20とともに真空室1内に設けられる耐真空用カメラ10の各部の組み立て構造を図4乃至図11に示している。耐真空用カメラ10全体の外観構造を図4に示し、耐真空用カメラ10のカメラヘッド部の組み立て構造を図5および図6に示し、耐真空用多極貫通コネクタおよびこのコネクタを覆うジャケット部の取付構造を図7および図8に示し、上記コネクタ嵌着されるケーブルコネクタ28を設けた耐真空用可撓性複合ケーブル20を図8に示し、耐真空用多極貫通コネクタの組み立て構造を図9乃至図11に示している。
【0024】
真空室1内に設けられる耐真空用カメラ10は、図4乃至図8に示すように、撮像素子(この実施形態ではCCD)で構成したカメラ本体11を収容するカメラ筐体12と、撮像素子に結像するレンズを装着するレンズマウント13と、撮像素子を回路接続する耐真空用多極貫通コネクタ14およびこの貫通コネクタ14を覆うコネクタジャケット(コネクタケース)15とを有して構成される。
【0025】
さらにカメラ筐体12の外周部には、図4に示すように、真空室1内において、耐真空用カメラ10を図示しないカメラ移動機構(マニピュレータ)に装着するためのクランプ金具18が取り付けられる。この図4では、コネクタジャケット15内に設けられた耐真空用多極貫通コネクタ14に、耐真空用可撓性複合ケーブル20の一端に設けたケーブルコネクタ28が嵌着された状態を例示している。
【0026】
これら耐真空用カメラ10の外筐を構成するカメラ筐体12、レンズマウント13、およびコネクタジャケット15と、クランプ金具18、およびケーブルコネクタ28の外筐等、真空域に晒される金属材部分は、それぞれステンレス鋼により構成される。なお、図ではレンズマウント13に装着されるレンズおよびレンズケースを示していないが、レンズマウント13に装着されるレンズケースについてもステンレス鋼により構成される。
【0027】
図5および図6に示すように、レンズマウント13の撮像面部13bに、機密保持用のOリング133、フロントガラス134、スリップ板135を配置してガラス押さえ132を撮像面部13bに螺合することで、レンズマウント13にフロントガラス134が取着される。さらにレンズマウント13の撮像面部13bに、図6に示すように、レンズケース(図示せず)を装着するためのマウントアダプタ136を螺合し締め付けねじで固定することにより、レンズマウント13にマウントアダプタ136が取着される。このレンズマウント13を撮像面側からみた取付状態を図6(b)に示している。
【0028】
図5及び図6に示すように、カメラ本体11をレンズマウント13のカメラ装着部13aに嵌挿し、カメラ押さえ131をレンズマウント13に螺合して、レンズマウント13のカメラ装着部13aにカメラ本体11を装着した後、図7に示すように、レンズマウント13の筐体接合部13cに、機密保持用のOリング137を介在して、筒状カメラ筐体12の一端をねじ止めし、カメラ本体11の周囲にカメラ筐体12を取り付けることにより、耐真空用カメラ10のカメラヘッド部が構成される。さらに、図7および図8に示すように、カメラ筐体12の他端に、機密保持用のOリング151を介在して、耐真空用多極貫通コネクタ14を設けたコネクタジャケット15をねじ止めし、カメラ筐体12にコネクタジャケット15を取着することにより、カメラ筐体12を密閉構造にした耐真空用カメラ10が構成される。なお、図7に示す符号19は、耐真空用カメラ10内でカメラ本体11と耐真空用多極貫通コネクタ14とを回路接続する内部配線である。
【0029】
コネクタジャケット15に設けられる耐真空用多極貫通コネクタ14は、図9乃至図11に示すように、複数の孔a,…を有する一対のインシュレータ141,142と、このインシュレータ141,142の孔a,…を貫通した複数のピンコンタクト143,…と、インシュレータ141,142の相互の間に充填された接着剤145とにより構成される。インシュレータ141,142は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)樹脂により成形される。ピンコンタクト143,…には、金メッキ若しくはSn、Zn成分を含まない無電解ニッケルメッキが施されている。接着剤145には二液混合型エポキシ系接着剤が用いられる。インシュレータ141には、インシュレータ142と接合する面側に凹陥部Aが形成され、この凹陥部Aの底部にピンコンタクト取付用の複数の孔a,…が設けられている。凹陥部Aには高い鍔部Bと、低い鍔部Cが形成され、鍔部Cが、上記凹陥部Aに塗布した接着剤145の余剰分の逃げ溝となっている。
【0030】
この耐真空用多極貫通コネクタ14は、複数のピンコンタクトが貫通する孔を有した一対のインシュレータ141,142のうち、カメラ本体側の一方のインシュレータ141にエポキシ系接着剤145を塗布した後、インシュレータ141の孔a,…に、鍔つきのピンコンタクト143,…を嵌挿し、さらにインシュレータ141の孔a,…に嵌挿されたピンコンタクト143,…を他方のインシュレータ142の孔a,…に嵌挿して、一対のインシュレータ141,142を密着させ、一対のインシュレータ141,142の間、およびピンコンタクト143,…とインシュレータ141,142との間にエポキシ系接着剤145を充填して硬化させることによって製造される。接着剤145を硬化させる工程では、後のコネクタ接続の馴致性を考慮して、図11に示すように、後に耐真空用可撓性複合ケーブル20に接続して用いるケーブルコネクタ28に仮嵌着して硬化させている。
【0031】
この耐真空用多極貫通コネクタ14のインシュレータ周部にエポキシ系接着剤を塗布し、耐真空用多極貫通コネクタ14を、図7および図8に示すように、コネクタジャケット15のコネクタ装着部15aに嵌挿して、コネクタ押さえ153をコネクタ装着部15aに螺合することにより、耐真空用多極貫通コネクタ14とコネクタ装着部15aとの間隙にエポキシ系接着剤が充填された状態で耐真空用多極貫通コネクタ14がコネクタジャケット15に取着される。
【0032】
これにより真空側と大気側とを耐真空用多極貫通コネクタ14で隔離したコネクタジャケット15が構成される。なお、上記した耐真空用多極貫通コネクタ14の構造は、耐真空用カメラ10の貫通コネクタだけでなく、例えば密閉構造のフランジ40に設けられた貫通コネクタ30にも適用することができる。
【0033】
上記した本発明の実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブル20を耐真空用カメラ10に適用することにより、真空域内における被検査体(被写体)の位置合わせ、アライメント調整等、被検査体近傍での自由な位置取り、角度設定を可能にした、経済的に有利な構成の監視・観察用テレビカメラを実現することができる。この耐真空用可撓性複合ケーブル20を用いた耐真空用カメラ10は、例えば、真空成膜装置(成膜蒸着、スパッタリングなど)やその他の真空設備など各種の産業用真空装置に適用できる。
【0034】
また、上記耐真空用可撓性複合ケーブル20に、照明用配線を設け、上記耐真空用多極貫通コネクタ14に照明用配線のピンコンタクトを設け、上記レンズマウント13にLED設けることで、照明機能をもつ耐真空用カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラの構成を示すブロック図。
【図2】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルの断面構造を示す図。
【図3】上記図2に示す耐真空用可撓性複合ケーブルに含まれる同軸芯線の断面構造を示す図。
【図4】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラの外観構造を示す図。
【図5】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラの組立構造を示す図。
【図6】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラの組立構造を示す図。
【図7】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラの組立構造を示す図。
【図8】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルと同ケーブル端に設けたケーブルコネクタの組立構造を示す図。
【図9】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラのコネクタ組立構造を示す図。
【図10】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラのコネクタ組立構造を示す図。
【図11】上記実施形態に係る耐真空用可撓性複合ケーブルを用いた耐真空用カメラのコネクタ組立構造を示す図。
【符号の説明】
【0036】
1…真空チャンバー(例えば真空室)、2…被検査体(被写体)、10…耐真空用カメラ、11…カメラ本体(CCDユニット)、12…カメラ筐体、13…レンズマウント、14…耐真空用多極貫通コネクタ、15…コネクタジャケット(コネクタケース)、18…クランプ金具、20…耐真空用可撓性複合ケーブル、21…同軸芯線、21a…中心導体、21b…絶縁材、21c…編組シールド、22…他の芯線、22a…導体、22b…絶縁材、23…編組管、28…ケーブルコネクタ、30…貫通コネクタ、40…フランジ、50…制御器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高真空環境で用いられる可撓性複合ケーブルの製造方法であって、
編組シールドを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とした同軸芯線と、フッ素系樹脂を導体の絶縁材および外皮とした他の芯線とを撚り合わせて編組管に通した後、前記編組管内で前記同軸芯線と他の芯線とを撚り戻して、ベーキング処理を施すことを特徴とする耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法。
【請求項2】
前記各芯線は、撚り線を導体とした可撓性ケーブルであることを特徴とする請求項1記載の耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法。
【請求項3】
前記各芯線の導体、編組シールド、編組管の少なくともいずれかを銀メッキ線にしたことを特徴とする請求項1または2記載の耐真空用可撓性複合ケーブルの製造方法。
【請求項4】
編組シールドを外皮とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とした同軸芯線と、フッ素系樹脂を導体の絶縁材および外皮とした他の芯線とを撚り合わせ、編組管で引き揃えたことを特徴とする耐真空用可撓性複合ケーブル。
【請求項5】
前記同軸芯線と前記他の芯線とをそれぞれ複数本設けた請求項4記載の耐真空用可撓性複合ケーブル。
【請求項6】
高真空環境下に置かれた耐真空カメラを大気側に設けた機器に回路接続するための可撓性を有する耐真空用可撓性複合ケーブルであって、
シールド編組管と、
前記シールド編組管に緩挿され、撚り線を中心導体とし、フッ素系樹脂を中心導体の絶縁材とし、編組シールドを外皮とした複数本の同軸芯線と、
前記シールド編組管に緩挿され、撚り線を導体とし、フッ素系樹脂を導体の絶縁材とした複数本の他の芯線と
を具備したことを特徴とする耐真空複合ケーブル。
【請求項7】
真空環境に置かれた筐体内に設けられ大気環境で動作するCCDを前記真空環境で回路接続する耐真空用可撓性複合ケーブルであって、
前記CCDの高周波信号伝送に用いる、フッ素系樹脂を絶縁材とし編組シールドを外皮とした同軸芯線と、前記CCDの他の信号伝送に用いる、フッ素系樹脂を外皮とした複数の信号線とをシールド編組管に緩挿し、真空ベーキング処理を施したことを特徴とする耐真空用可撓性複合ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−194029(P2007−194029A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9956(P2006−9956)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】