説明

耐衝撃性、高剛性ポリケトン樹脂組成物およびその成形体

【課題】ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、著しく優れた耐衝撃性と高い剛性、および帯電防止性を有するポリケトン樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂、(C)ポリアミド樹脂及び(D)無機フィラーからなり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の配合量が次の要件を満たすことを特徴とするポリケトン樹脂組成物。
(A)成分の配合量:40〜99.5重量部
(B)成分の配合量+(C)成分の配合量:0.5〜60重量部
(B)成分の配合量/(C)成分の配合量(重量比):10/90〜90/10
(D)成分の配合量:(A)+(B)+(C)の合計量50〜95重量部に対して、5〜50重量部

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリケトン樹脂組成物に関し、より詳細には、ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、優れた耐衝撃性、及び高剛性を兼ね備え、更に帯電防止性能を有するポリケトン樹脂組成物に関する。本発明の組成物は精密機器、家電・OA機器、自動車、工業材料及び雑貨などにおける部品に好適である。
【背景技術】
【0002】
ポリケトン樹脂はバランスのとれた機械的性質をもち、また耐熱性、耐薬品性にも優れたエンジニアリング樹脂として、各種の機構部品をはじめ、OA機器などに用いることができる。しかしながら、ポリケトン樹脂は適用する用途によっては耐衝撃性、及び剛性が充分なレベルではない。このため、耐衝撃性向上に関し、ポリケトン樹脂に柔軟性を付与する成分として、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマー等を添加した組成物とする試みが、また、剛性向上に関し、ポリケトン樹脂に無機フィラー等を添加した組成物とする試みがなされている。
【0003】
例えば特許文献1には、ポリケトン樹脂にポリアミド樹脂を配合する技術が、特許文献2には、ポリケトン樹脂にポリエーテルエステルアミド樹脂およびポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを配合する技術が、特許文献3には、ポリケトン樹脂にポリスチレン系熱可塑性エラストマーを配合する技術が、特許文献4には、ポリケトン樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物に芳香族系熱可塑性エラストマーを配合する技術が開示されている。しかしながらこれらの組成物は耐衝撃性、剛性、双方において満足出来るレベルには至っていない。
【0004】
特許文献5には、ポリケトン樹脂にガラス繊維強化ポリマーを配合する技術が開示されているが、この組成物は剛性においては満足出来るレベルであるが、耐衝撃性において満足出来るレベルには至っていない。
また、耐衝撃性、剛性向上、双方に関して、ポリケトン樹脂に柔軟成分および無機フィラー、等を添加した組成物とする試みがなされている。
例えば特許文献2にはポリケトン樹脂にポリエーテルエステルアミド樹脂および無機フィラー、および所望により変性αオレフィン樹脂を配合する技術が開示されているが、この組成物は耐衝撃性、剛性、双方において満足出来るレベルには至っていない。
これらの現状から、ポリケトン樹脂の更なる耐衝撃性、剛性の向上が望まれている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−256027号公報
【特許文献2】特許第3015108号公報
【特許文献3】特開平2−38452号公報
【特許文献4】特開平10−1601号公報
【特許文献5】特許第3067044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、優れた耐衝撃性、高い剛性を兼ね備え、さらに帯電防止性能を有する組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ポリケトン樹脂の耐衝撃性及び剛性を改良するために各種の耐衝撃改良材及び高剛性化改良材を検討した結果、(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂と(C)ポリアミド樹脂、(D)無機フィラーからなり、(B)/(C)の割合が特定の範囲である樹脂からなる組成物が、ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、優れた耐衝撃性及び高い剛性を有することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下に記載する通りの、ポリケトン樹脂組成物及びその成形体である。
【0008】
(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂、(C)ポリアミド樹脂及び(D)無機フィラーからなり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の配合量が次の要件を満たすことを特徴とするポリケトン樹脂組成物。
(A)成分の配合量:40〜99.5重量部
(B)成分の配合量+(C)成分の配合量:0.5〜60重量部
(B)成分の配合量/(C)成分の配合量(重量比):10/90〜90/10
(D)成分の配合量:(A)+(B)+(C)の合計量50〜95重量部に対して、5〜50重量部
(2)(A)ポリケトン樹脂が下記一般式で表されるポリケトン重合体からなることを特徴とする1に記載のポリケトン樹脂組成物、
【0009】
【化1】

【0010】
(3)(D)無機フィラーが、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、ウオラストナイト、セピオライト、ガラス繊維、及び炭素繊維よりなる群から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリケトン樹脂組成物、
(4)(D)無機フィラーが、タルク、マイカ、セピオライトよりなる群から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリケトン樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリケトン樹脂組成物を成形して得られる成形体。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組成物は、従来の組成物に比較して、ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、著しく優れた耐衝撃性、高い剛性を有し、さらに帯電防止性能を有する樹脂組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の(A)ポリケトン樹脂とは、一酸化炭素から誘導される単位とオレフィンから誘導される単位とが交互に配列されている交互共重合体ユニットを含むものを言う。好適には下記一般式で表される繰り返し単位からなるものが採用される。
【0013】
【化1】

【0014】
上記式中、x、yはポリマー中のそれぞれの繰り返し単位のモル比を表し、R1が水素でR2がメチル基である重合体が好ましく採用される。共重合比率は好ましくはy/xは0.01〜0.10であり、より好ましくは0.03〜0.10、特に好ましくは0.05〜0.10である。かかる範囲とすることで得られる樹脂構造体の機械特性、衝撃強度が一層良好なものとなる。
また、本発明のポリケトン樹脂としては、公知のポリケトン誘導体、例えば特開2005−146000号公報に示されるポリケトン−ポリアルキレングリコール共重合体等、を使用することができる。
【0015】
本発明に用いるポリケトン樹脂の分子量には特に制限はないが、成形性と衝撃性をより良好なものとするため、標準細管粘度測定装置で、m−クレゾール中、60℃で測定したポリマーの極限粘度(LVN)として、好ましくは0.5〜10.0であり、より好ましくは0.8〜4.0、特に好ましくは1.0〜2.0である。
ポリケトン樹脂の融点は好ましくは175℃〜300℃であり、より好ましくは210℃〜270℃である。
【0016】
ポリケトン樹脂の製造方法としては公知の重合法が採用でき、例えば一酸化炭素とオレフィンとを、パラジウム化合物、18℃の水溶液中で測定されるpKaが6以下のハロゲン化水素酸でない酸および燐の二座配位子化合物からなる触媒組成物の存在下で接触させる製造方法が挙げられ、実質的に反応希釈剤を含まない気相中、またはアルカノール(例えばメタノールまたはエタノール)などの反応希釈剤を含む液相中で重合を行う方法が採用できる。また、モノマーを触媒組成物と振盪または撹拌するなどの方法で接触させて重合する方法が例示できる。
【0017】
好適な反応温度は20〜150℃、好ましくは50〜135℃である。好適な反応圧力は100〜10000kPaであり、好ましくは1000〜10000kPaである。重合後ポリマーをデカンテーションまたは濾過により回収する。ポリマーは触媒組成物残さを含んでいてもよいが、必要により、溶媒または残さに対して選択的な錯化剤で処理し除去する。
【0018】
ここでパラジウム化合物としては、パラジウムを含有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトネートを使用することができる。またこれらのパラジウム化合物は、炭素上に担持させて用いてもよく、イオン交換体、例えばスルホン酸基を有するイオン交換体に結合させたものも使用することができる。パラジウム化合物の使用量は特に制限はないが、通常重合すべきモノマー総モル数に対して、10-8〜10-1倍モルであることが好ましい。
【0019】
pKaが6以下(18℃の水溶液中で測定)のハロゲン化水素酸でない酸の具体例として、スルホン酸のアニオン、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ならびにカルボン酸、例えば、トリクロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジフルオロプロピオン酸、酢酸、酒石酸および2,5−ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これらの中で、特にp−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸を好ましく使用することができる。pKaが6以下の酸の量は触媒組成物中、パラジウム金属1g原子当たり、0.5〜200当量、特に1.0〜100当量が好ましい。
【0020】
また、用いるリンの二座配位子化合物としては、特に制限はないが、例えば1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス[ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ]プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3−ジメチル−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(メチル−フェニル−ホスフィノ)ペンタン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ナフチルホスフィノ)ペンタン、1,3−ビス(ジp−トリルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(フェニルホスフィノ)エテン、2,3−ビス(フェニルホスフィノ)−2−オキサプロパン、2−メチル,2−(メチルジフェニルホスフィノ)−1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、0,07−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ナフタレン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)シクロヘキサン、2,2−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ジオキソラン等が挙げられる。好ましくは1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス[ジ(2−メトキシフェニル)ホスフィノ]プロパンが用いられる。リンの二座配位子化合物の使用量は特に制限はないが、通常、パラジウム化合物1モル当たり、0.1〜10モル使用することができ、好ましくは0.2〜5モル、特に好ましくは0.33〜3モルである。
【0021】
本発明のポリケトン樹脂には、従来のポリケトン樹脂に使用することが知られている安定剤、例えば熱安定剤、耐候(光)安定剤、加工助剤等を単独、またはこれらを組み合わせて用いることが出来る。熱安定剤としては酸化防止剤、重金属不活性化剤およびこれらの併用が効果を発揮する。
【0022】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。
【0023】
重金属不活性化剤としては、構造中に不対電子を持つキレート形成能を有する化合物、例えば、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、オキサリックビス(ベンジリデンヒドラジド)、1,2,3−ベンゾトリアゾール、その他アデカスタブCDA−1(旭電化(株)製)、アデカスタブCDA−6(旭電化(株)製)、Qunox(三井東圧ファイン(株)製)、NaugardXL−1(ユニロイヤルケミカル(株)製)等が挙げられる。
【0024】
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質、(ハ)トリアジン系物質及び、(ニ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。
(イ)ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0025】
(ロ)シュウ酸アニリド系物質としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。
【0026】
(ハ)トリアジン系物質としては、例えば、2−(4、6−ジフェニル−1、3、5、トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4、6−ビス(2、4−ジメチルフェニル)−1、3、5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール等が挙げられる。
これらの物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0027】
(ニ)ヒンダードアミン系物質としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。
また、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレートが挙げられる。さらにまた、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。
【0028】
上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また上記ベンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質、およびトリアジン系物質の少なくとも一種とヒンダードアミン系物質の組合せが最も好ましい。
【0029】
加工助剤としては、式:M10(PO(OH)[式中、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)またはカルシウム(Ca)である]のヒドロキシアパタイトが挙げられ、好ましいヒドロキシアパタイトは、カルシウムヒドロキシアパタイト[Ca10(PO46(OH)2]、即ち天然のリン酸カルシウムであり且つ、骨及び歯の無機質の主構成成分である。また、カルシウムヒドロキシアパタイトは、三塩基リン酸カルシウムとも呼称される。
本発明におけるポリケトン樹脂としては、市販の一般的な材料を使用することが出来る。
【0030】
本発明の(B)成分に用いられるポリエーテルエステルアミド樹脂は、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとポリエーテルまたはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物とからなるブロック共重合体である。
【0031】
両末端にカルボキシル基を有するポリアミドは(1)ラクタムの開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体若しくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体である。(1)のラクタムとしてはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としてはω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。(3)のジカルボン酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、またジアミンとしてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。
上記ポリアミド形成用モノマーとして例示したものは2種以上を併用しても良い。
【0032】
両末端にカルボキシル基を有するポリアミドは、炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記ポリアミド形成モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、3−スルホイソフタルナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等のイソフタル酸アルカリ金属塩である。かかるポリアミドの数平均分子量は、300〜15000、好ましくは500〜5000である。
【0033】
一方ポリエーテルブロック単位は、(1)炭素数2〜4の開環されたアルキレンオキサイドを構成単位とするポリアルキレンオキサイドまたは(2)ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物である。
(1)炭素数2〜4の開環されたアルキレンオキサイドを構成単位とするポリアルキレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリ(1,2−ブチレンオキサイド)、ポリ(1,3−ブチレンオキサイド)、ポリ(1,4−ブチレンオキサイド)またはこれらの混合物若しくは共重合体である。
(2)ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物は、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等のビスフェノール類にアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。またアルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドが好ましく、他のアルキレンオキサイドを併用することも出来るが、他のアルキレンオキサイドはエチレンオキサイドの10重量%以下が好ましい。かかるポリエーテルまたはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物ポリエーテルブロック単位の分子量は200〜8000、好ましくは500〜3000である。
この(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂は、特公平2−57583号公報および特許2565846号公報に示される方法で製造することが出来る。
【0034】
上記のようにして得られるポリエーテルエステルアミド樹脂の分子量は、本発明の目的からは特に制限されるものではないが、一般的には1000〜100000、好ましくは5000〜50000である。さらに、ポリエーテルエステルアミド樹脂中のポリエーテル成分/ラクタム成分またはポリアミド成分の構成比率は重量比で、10/90〜90/10の範囲、好ましくは20/80〜80/20である。また、上記ポリエーテルエステルアミド樹脂は2種類以上を併用してもかまわない。本発明のポリエーテルエステルアミド樹脂は、市販の一般的な材料を使用することが出来る。
【0035】
本発明の(C)成分に用いられるポリアミド樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12等及びこれらの共重合物、例えば、ナイロン6/66、ナイロン6/66/610、ナイロン6/612等が挙げられる。この中で特にナイロン6、ナイロン12、ナイロン6/66が好ましく、更にナイロン6が最も好ましい。上記ポリアミド樹脂は2種類以上を併用してもかまわない。本発明のポリアミド樹脂は、市販の一般的な材料を使用することが出来る。
【0036】
本発明の(D)成分に用いられる無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、ウオラストナイト、セピオライト、ガラス繊維、炭素繊維、等が挙げられる。この中で特にタルク、マイカ、セピオライトが好ましい。また上記無機フィラーは単独で用いても良く、2種以上を併用してもかまわない。本発明の無機フィラーは、その表面に通常知られているカップリング剤を付着させたものを用いても良い。シラン系表面処理剤としては、アミノシラン系、ビニルシラン系がある。本発明の無機フィラーは、市販の一般的な材料を使用することが出来る。
【0037】
本発明においては、(A)+(B)+(C)の合計量を100重量部として、(A)成分の量を40〜99.5重量部とすることが好ましく、より好ましくは50〜99.0重量部である。また、(B)成分および(C)成分の合計量は、(A)+(B)+(C)の合計量を100重量部として、0.5〜60重量部とすることが好ましく、より好ましくは1.0〜50重量部である。また、本発明においては(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂と(C)ポリアミド樹脂との割合は重量比で、(B)/(C)が10/90〜90/10の範囲であり、好ましくは15/85〜85/15の範囲である。
(B)が10未満では、組成物とした場合に耐衝撃性が低下するため好ましくなく、(C)が10未満ではポリケトン樹脂との相溶性が著しく悪くなり、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
(D)成分の量は、(A)+(B)+(C)合計量50〜95重量部に対して、5〜50重量部とすることが好ましく、より好ましくは、(A)+(B)+(C)合計量70〜90重量部に対して10〜30重量部である。更に好ましくは、(A)+(B)+(C)合計量75〜85重量部に対して15〜25重量部である
【0038】
なお、本発明の(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂、(C)ポリアミド樹脂及び(D)無機フィラーの混合方法としては、特に制限されないが、(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂、(C)ポリアミド樹脂と(D)無機フィラーをまとめて混合する方法、または、あらかじめ(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂と(C)ポリアミド樹脂を混合し、溶融混練して混合品のペレットを作製後、該混合品と(D)無機フィラーを混合する方法等が挙げられる。
【0039】
<ポリケトン樹脂組成物の製造>
本発明の樹脂組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いることができる。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。このときの加工温度は180〜270℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
【0040】
<成形方法>
本発明の成形体は、射出成形法、ホットランナー射出成形法、アウトサート成形法、インサート成形法、中空射出成形法(ガスインジェクション成形法)、金型の高周波加熱射出成形法、圧縮成形法、インフレーション成形、ブロー成形、押出成形或いは押出成形品の切削加工等の成形法で成形される。
【0041】
斯かる成形体用途としては、特に限定されるものではないが、例えばギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受けおよびガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンターおよび複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR(Video Tape Recorder)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラおよびデジタルカメラに代表されるカメラまたはビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk )、CD(Compact Disk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD(Digital Versatile Disk)〔DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM(Random Access Memory)、DVD−Audioを含む〕、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステムおよびモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像または情報機器、携帯電話およびファクシミリに代表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品、自動車用の部品としてガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類およびクリップ類の部品、さらにシャープペンシルのペン先およびシャープペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台および排水口、排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部ロック機構および商品排出機構部品、衣料用のコードストッパー、アジャスターおよびボタン、散水用のノズルおよび散水ホース接続ジョイント、階段手すり部および床材の支持具である建築用品、使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器および住宅設備機器に代表される工業部品、等として好適に使用できる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。実施例および比較例で使用する成分の内容と評価方法を以下に示す。
【0043】
[参考例1]
(A)ポリケトン樹脂の製造
一酸化炭素、エチレン及びプロピレンを、メタノール中で、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸および1,3−ビス[ビス(2ーメトキシフェニル)ホスフィノ]プロパンに接触させることにより、線状交互共重合体のポリケトン樹脂を製造した。
このポリケトン樹脂の融点は220℃、LVNは1.78dl/g(m−クレゾール中、60℃で測定)であった。
ここで得られた粗ポリケトン樹脂に各種安定剤(酸化防止剤、耐候安定剤、重金属不活性化剤、加工助剤)を所定量配合し、ミキサーで混合後、ベント付き2軸スクリュー式押出機を用いて溶融押出しペレタイズすることにより、安定剤入りポリケトン樹脂ペレットを得た。
【0044】
[参考例2]
(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂の製造
3Lのステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム105重量部、アジピン酸17.1重量部、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)0.3重量部および水6重量部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉化4時間加熱撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマーを117部得た。
次にこれに数平均分子量2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物113重量部および酢酸ジルコニル0.5重量部を加え、245℃、133Pa以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘ちょうなポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状に取り出し、ペレタイズして、ポリエーテルエステルアミド樹脂を得た。
このものの相対粘度は2.2(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)であり、NMRによる共重合組成は以下の通りであった。
ε−カプロラクタムの残基 48.1重量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の残基 50.0重量部
アジピン酸の残基 1.9重量部
【0045】
(C)ポリアミド樹脂
市販のナイロン6樹脂(東レ(株)製、アミランCM1017)を使用した。
(D)無機フィラー
(D−1)タルク:市販のタルク(勝光山鉱業所(株)製、SK−C2)を使用した。
(D−2)マイカ:市販のマイカ(コープケミカル(株)製)を使用した。
(D−3)セピオライト:市販のセピオライト((株)セピオジャパン製)を使用した。
【0046】
[評価方法]
(1)物性評価
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度250℃、金型温度70℃に設定された1オンス射出成形機(ファナック(株)製;FAS−15A)を用いて、射出時間10秒、冷却時間15秒の条件で物性評価用試験片を作製した。
この試験片を用いて下記の試験を行った。
a.引張強度、伸度;ASTM−D638に従って測定を行った。
b.曲げ強度、弾性率;ASTM−D790に従って測定を行った。
c.アイゾッド衝撃強度;ASTM−D256に従って測定を行った。
(2)熱変形温度(HDT)
上記(1)で使用する試験片を用い、ASTM D648(荷重:1.82MPa)に従って測定を行った。
(3)体積抵抗率
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度250℃に設定された3オンス成形機(ファナック(株)製;FAS50D)を用いて、金型温度70℃、射出時間10秒、冷却時間20秒の条件で、100×100×3mmの平板を作製した。
この平板を温度23℃、湿度50%の恒温室で48時間放置した後、JIS−K−6911に従って測定を行った。
【0047】
[実施例1]
参考例1で作製した(A)成分のポリケトン樹脂60重量部、参考例2で作製した(B)成分のポリエーテルエステルアミド樹脂10重量部および(C)成分のポリアミド樹脂30重量部をブレンダーで均一にブレンドした後、240℃に設定されたL/D:42の30mmφ二軸押出機(日本製鋼所(株)製;TEX30α)を用いて、窒素気流下、スクリュー回転数150rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された溶融樹脂ストランドをウオーターバス内で冷却固化させ、ストランドカッターで該ストランドをカットしペレットとした。この(A)+(B)+(C)の混合物ペレット90重量部と(D)成分のタルク10重量部をブレンダーで均一にブレンドした後、240℃に設定されたL/D:42の30mmφ二軸押出機(日本製鋼所(株)製;TEX30α)を用いて、窒素気流下、スクリュー回転数150rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された溶融樹脂ストランドをウオーターバス内で冷却固化させ、ストランドカッターで該ストランドをカットしペレットとした。該ペレットを用いて上記評価方法に従って評価を行い、その結果を表1に示した。
【0048】
[実施例2〜6]
表1に示す成分および量で、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例1〜4]
表1に示す成分および量で、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。なお、比較例1では実施例1での溶融混練は行わず、参考例1で作製したペレットをそのまま評価に用いた。
【0049】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の組成物は、従来の組成物に比較して、ポリケトン樹脂のより好ましい特性は保持し、著しく優れた耐衝撃性と高い剛性、および帯電防止性能を有するため、精密機器、家電・OA機器、自動車、工業材料及び雑貨などにおける部品に、好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリケトン樹脂、(B)ポリエーテルエステルアミド樹脂、(C)ポリアミド樹脂及び(D)無機フィラーからなり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の配合量が次の要件を満たすことを特徴とするポリケトン樹脂組成物。
(A)成分の配合量:40〜99.5重量部
(B)成分の配合量+(C)成分の配合量:0.5〜60重量部
(B)成分の配合量/(C)成分の配合量(重量比):10/90〜90/10
(D)成分の配合量:(A)+(B)+(C)の合計量50〜95重量部に対して、5〜50重量部
【請求項2】
(A)ポリケトン樹脂が下記一般式で表されるポリケトン重合体からなることを特徴とする請求項1に記載のポリケトン樹脂組成物。
【化1】

(x、yはポリマー中のモル比を表す正数。)
【請求項3】
(D)無機フィラーが、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、ウオラストナイト、セピオライト、ガラス繊維、及び炭素繊維よりなる群から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリケトン樹脂組成物。
【請求項4】
(D)無機フィラーが、タルク、マイカ、セピオライトよりなる群から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリケトン樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリケトン樹脂組成物を成形して得られる成形体。

【公開番号】特開2008−7582(P2008−7582A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177504(P2006−177504)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】