説明

耐衝撃性の改善されたポリアミド中空体

【課題】耐衝撃性の改善されたポリアミドから作られた中空体、例えば、液体燃料放出および燃料蒸気回収両者用の燃料ライン用ホース等を提供する。
【解決手段】(1)芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含有する少なくとも一つの層L1、および(2)脂肪族ポリアミドを含有する少なくとも一つの層L2を含み、該層L1に耐衝撃性改良剤が層L1の全質量に基づいて5〜40質量%含まれる中空体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は、本明細書に参考文献として組み入れる、2003年8月19日付で出願された、U.S.仮特許出願第60/496,011号に係る優先権を主張する。
本発明は、耐衝撃性の改善された、ポリアミド製の中空体に関するものである。本発明による中空体は、単独層として、(1) 芳香族ポリアミドと耐衝撃性改良剤とを含有する、少なくとも一つの層L1、および場合により(2) 脂肪族ポリアミドを含有する、少なくとも一つの層L2を含む。
開示する好ましい中空体は、チュービング(tubing)、例えばガソリン、エンジン内蒸気等の流体を移動するために、例えば自動車工業において有用なチュービングを包含する。
本発明の付随的な利点並びに他の特徴は、一部には、以下の説明において提示され、また一部は、当業者が以下の記載を検討した際に明らかとなり、あるいは本発明の実施を通して知ることができる。本発明の利点は、特に添付した特許請求の範囲において指摘されているように具体化し、かつ得ることができる。認識されるように、本発明は、他のおよび異なる態様で実現することも可能であり、またその幾つかの細部は、全て本発明から逸脱すること無しに、様々な明らかな点において変更することができる。本説明は、全く例示的なものと考えるべきであり、限定的なものと考えるべきではない。
【背景技術】
【0002】
ポリマー製中空体物品は、液体の取扱いおよび保存用の容器、ホース、チュービングおよびパイプを包含する、多くの用途を持つ。ポリマー製中空体、例えばチュービングおよびホースの用途は、増え続けている。このような応用の一つは、モータービークルの燃料輸送ラインチュービングおよびパイプである。現在、これらの用途は、単層および多層両方の脂肪族ポリアミド(PA)、耐熱性(high-heat)ゴム複合材料、および編組ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の使用を含む。同時に、ディーゼルおよび乗用両者の、自動車ボンネット下部の用途における、より高温度下で使用する傾向もある。編組PTFEおよび耐熱性ゴム複合材料は、これらの高温環境下で使用できるが、その構造は、しばしば複雑であり、また経費のかかるものとなる。脂肪族ポリアミドの利用も、これらの高温用途においては制限がある。特に、PA12は、燃料の透過性およびより新しい自動車において見られる、より高い温度下での、長期熱老化両者の点で限界がある。多層構造は、しばしば、特にフルオロポリマー層が存在する場合に、離層を被り、また一般的に、米国特許第6,524,671号におけるように、層間に特別な化学的結合を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
今日の燃料系においては、蒸気戻りラインおよび液体燃料輸送ラインに対する様々な要求がある。該蒸気ラインにおける、主な要件の一つは、蒸気の環境内への逃散を防止するバリヤー特性、並びに長期に及ぶ熱並びに機械的要件である。該機械的な要件には、十分な可撓性、および製造並びに安全性両者に係る衝撃強さが含まれる。該蒸気ラインに関する要件に加えて、液体ラインに関しても、該燃料ライン中の本質的に如何なる成分も、燃料を汚染してはならないという要件があり、該汚染は、燃料噴射装置を閉塞する等の問題を引起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術の問題点を扱うものであり、また中空体を提供するものであり、該中空体は、単独層として、(1) 芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含有する、少なくとも一つの層L1、および場合により(2) 脂肪族ポリアミドを含有する、少なくとも一つの層L2を含む。好ましい態様においては、L1が本発明の中空体の該単独層である。他の好ましい態様において、層L1およびL2が、相互に直接接触した状態にあり、しかも本発明の中空体に含まれる該単独層である。更なる好ましい態様において、該中空体は、L1/L2/L1なる順序で、3層の、しかも3層のみの連続層を含む。更に別の好ましい態様において、本発明の中空体は、2層またはそれ以上の連続するL1層を含む。更に好ましい態様において、該中空体は、[(L1)n/(L2)m]x (ここで、xは1またはそれ以上の任意の整数であり、nは1またはそれ以上の任意の整数であり、またmは任意の整数(例えば、0、1、2等)である)なる順序の、任意の数の連続層によって構成される。別の好ましい態様では、本発明の中空体は、フルオロポリマー層を含まない。本発明の中空体が、多層構造を持つ場合、該L1およびL2層各々は、同一であっても、相互に異なっていても良い。
本発明の中空体は、層L1およびL2を製造するために確認された材料から、望ましいと思われる任意の方法、例えば押出法によって製造することができ、このような製造技術は当業者には周知である。好ましくは、本発明の中空体は、チューブまたはホースの形状にあり、これらの用語は、ここでは互換性あるものとして使用する。本発明の中空体のサイズ、形状、壁厚(肉厚)、表面組織等には、何等制限はない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の単層ホースを押出すのに有用な、押出機の構成を示す図である。
【図2】本発明の多層ホースを押出すのに使用する、押出機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
〔発明の詳細な説明〕
ここで使用する用語「中空体(hollow body)」とは、空のまたは凹形部分を含む任意の構造を意味するものと理解される。特に、この中空体は、チューブ、ホースまたはパイプ、容器等の形状を持つことができる。用語「内側層(inner layer)」とは、該中空体の上記空部分または凹形部分と同一の側における、該中空体の最も内側の層を意味するものと理解される。典型的には、該内側層は、本発明の中空体を満たし、これを流通させるための「内容物」と接触する。用語「外側層(outer layer)」とは、該中空体の上記空部分または凹形部分とは離れた側における、該中空体の最も外側の層を意味するものと理解され、即ちこの外側層と直に隣接する、その外側には、他の層が存在しない。勿論、これらの用語「内側層」および「外側層」は、本発明の多層式の態様のみに使用される。該中空体が単一の層で構成される場合に、これは「単層(monolayer)」と呼ばれる。本発明の範囲内の中空体は、液体の貯蔵および取扱い用の容器、チュービング、パイプ、およびホースを含む。特に、本発明の幾つかの態様は、液体燃料放出ラインおよび蒸気回収ライン両者を含む、モータービークル、飛行機、船舶、娯楽用のビークル、および農業用および工業用装置の、燃料および蒸気輸送ライン用のホースである。
【0007】
ポリアミド
ポリアミドは、一般的に言えば、反復するアミド(CONH)官能基を含むポリマーである。典型的に、ポリアミドは、ジアミンおよび二酸モノマー単位の反応によって(例えば、ナイロン6,6)、あるいはアミノカルボン酸またはカプロラクタムを重合することにより(例えば、ナイロン6)生成される。ポリアミドは周知の材料である。本発明において有用なポリアミドは、米国特許第6,531,529号、同第6,359,055号、同第5,665,815号、同第5,436,294号、同第5,447,980号、RE34,447、同第6,524,671号(デュポン(DuPont)社)、同第6,306,951号(BP社(BP Corp.))および同第5,416,189号に記載されているもの、並びにアモデル(AmodelTM)およびイグゼフ(IXEFTM)なる商品名でソルベーアドバンストポリマーズ(Solvay Advanced Polymers)社によって販売されているものを含む。本発明は、芳香族および脂肪族ポリアミド両者に関連する。その芳香族繰返し単位の芳香族性は、重縮合により生成したポリアミドについては、二酸および/またはジアミンに起因するものであり得る。好ましくは、ここで使用するポリアミド、特に芳香族ポリアミドは、重縮合により製造する。
【0008】
ポリアミド組成物L1
本発明において有用な中空体用の、上記L1ポリアミド組成物は、芳香族ポリアミドと耐衝撃性改良剤とを含む。
芳香族ポリアミド
芳香族ポリアミドは、該ポリマー中の繰返し単位100モル%を基準として、50モル%を越える「タイプ1」繰返し単位を含むポリマーである。該タイプ1繰返し単位は、該ポリマー鎖中に少なくとも一つのCONH基を持つ。更に、このタイプ1の繰返し単位は、その少なくとも30モル%が、芳香族基を含むことによって特徴付けられる。従って、本発明の芳香族ポリアミドにおける、芳香族基-含有繰返し単位の最低含有率は、該ポリマー中の繰返し単位100モル%を基準として、15モル%を越える。好ましくは、本発明の芳香族ポリアミドは、このポリアミドを構成するモノマー100モル%を基準として、芳香族基を含むモノマーを、少なくとも20モル%含む。必須ではないが、このような芳香族基は、典型的に二酸とジアミンモノマーとの間の重縮合反応に起因する。芳香族基は、該二酸および/またはジアミンモノマーに由来するものであり得る。二酸モノマーは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸(1,2-ベンゼンカルボン酸)等を包含する。好ましい態様において、該芳香族ポリアミドは、このポリアミドを構成するモノマー100モル%を基準として、少なくとも30モル%の芳香族基を含むモノマーを含み、具体的には35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85モル%等である。
【0009】
一組の好ましい芳香族ポリアミドは、PMXDA、即ち少なくとも1種の脂肪族二酸とメタキシリレンジアミンとの間の重縮合反応によって生成される繰返し単位を、50モル%を越える量で含有する芳香族ポリアミドである。
該脂肪族二酸は、特にアジピン酸であり得る。
適当なPMXDAは、特にソルベーアドバンストポリマーズ社からIXEFTM PMXDAとして入手できるものである。
もう一つの組の好ましい芳香族ポリアミドは、ポリフタルアミド(PPA)、即ち少なくとも1種のテレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸から選択される二酸と少なくとも1種の脂肪族ジアミンとの間の重縮合反応によって生成される繰返し単位を、50モル%を越える量で含有する芳香族ポリアミドである。
この脂肪族ジアミンは、特にヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタジアミン、および1,4-ジアミノブタンであり得る。
適当なポリフタルアミドは、特に、ソルベーアドバンストポリマーズ, L.L.C.から、AMODELTMポリフタルアミドとして入手できるものである。
【0010】
ポリフタルアミドとしては、特にポリテレフタルアミドが好ましい。ポリテレフタルアミドは、テレフタル酸と少なくとも1種のジアミンとの重縮合反応によって生成される繰返し単位を、50モル%を越える量で含有する芳香族ポリアミドとして定義される。
一群の好ましいポリテレフタルアミドは、テレフタル酸と少なくとも1種の脂肪族ジアミンとの重縮合反応によって生成される繰返し単位から本質的になる、ポリテレフタルアミドである。この群のポリテレフタルアミドにおいて、該脂肪族ジアミンは、好ましくは3〜9個の炭素原子を含み、また極めて好ましくは、該ジアミンは6個の炭素原子を含む。炭素原子数6の脂肪族ジアミンの例は、ヘキサメチレンジアミンである。
第二の群の好ましいポリテレフタルアミドは、テレフタル酸、イソフタル酸および少なくとも1種の脂肪族ジアミンの重縮合反応によって生成される繰返し単位から本質的になる、ポリテレフタルアミドである。この態様において、テレフタル酸とイソフタル酸との間のモル比は、テレフタル酸については、50〜80(55、60、65、70および75を含む)であり、またイソフタル酸については、10〜40(15、20、25および35を含む)であり得る。他の態様では、このモル比は、テレフタル酸については35〜65であり、またイソフタル酸については20以下であり得る。
【0011】
第三の群の好ましいポリテレフタルアミドは、テレフタル酸、少なくとも1種の脂肪族二酸および少なくとも1種の脂肪族ジアミンの重縮合反応によって生成される繰返し単位から本質的になる、ポリテレフタルアミドである。この態様において、テレフタル酸と脂肪族二酸との間のモル比は、テレフタル酸については、50〜80(55、60、65、70および75を含む)であり、また脂肪族二酸については、25以下(5、10、15、および20を含む)であり得る。他の態様では、このモル比は、テレフタル酸については35〜65であり、また脂肪族二酸については30〜60であり得る。
第四の群の好ましいポリテレフタルアミドは、テレフタル酸、イソフタル酸、少なくとも1種の脂肪族二酸および少なくとも1種の脂肪族ジアミンの重縮合反応によって生成される繰返し単位から本質的になる、ポリテレフタルアミドである。この態様において、テレフタル酸と脂肪族二酸との間のモル比は、テレフタル酸については、50〜80(55、60、65、70および75を含む)であり、イソフタル酸については、10〜40(15、20、25および35を含む)であり、また脂肪族二酸については、25以下(5、10、15、および20を含む)であり得る。他の態様では、このモル比は、テレフタル酸については35〜65、イソフタル酸については20以下であり、また脂肪族二酸については30〜60であり得る。
【0012】
本発明において有用な、他の好ましい芳香族ポリアミドは、テレフタル酸、アジピン酸、場合によってはイソフタル酸、およびヘキサメチレンジアミンから作られるものである。
もう一つの好ましい態様において、該芳香族ポリアミドは、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、および少なくとも1種のジアミン、好ましくは脂肪族ジアミンの重縮合反応によって生成される繰返し単位を、少なくとも50モル%であって、100モル%までの量で含むポリルアミドである。この群において、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸のモル比は、(50〜80)/(10〜40)/(25以下)であり得る。他の態様では、このモル比:テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸は、(35〜65)/(20以下)/(30〜60)であり得る。好ましい態様において、これら酸混合物に対する該ジアミン成分は、HMDAである。
【0013】
本発明の幾つかの態様において、該ポリフタルアミドを製造する際に使用する、上記ジカルボン酸成分は、少なくとも約50モル%の芳香族基から、約100%の芳香族基までの範囲内の、芳香族ジカルボン酸基のモル比で含まれる。本発明の好ましい態様において、該ポリフタルアミドポリマーは、約50モル%〜約95モル%なる範囲のヘキサメチレンテレフタルアミド単位、約25モル%〜約0モル%なる範囲のヘキサメチレンイソフタルアミド単位、および約50モル%〜約5モル%なる範囲のヘキサメチレンアジパミド単位を含む。他の有用な芳香族ポリアミドは、テレフタル酸、イソフタル酸およびHMDA等の脂肪族アミンから、例えば70/30なるTA/IA比を用いて製造したものである。本発明において使用するのに特に適したポリフタルアミドは、ソルベーアドバンストポリマーズ, L.L.C.から、AMODELTMA-1000、A-4000、A-5000およびA-6000ポリフタルアミドとして入手できる。発明において使用するのに適したポリフタルアミドは、前に引用した、Poppe等の米国特許第5,436,294号、同第5,447,980号、およびRe34,447に記載されている。
勿論、2種以上の芳香族ポリアミドを、ポリアミド組成物L1において使用することも可能である。
【0014】
耐衝撃性改良剤
本発明において有用な耐衝撃性改良剤は、本発明のL1層の該芳香族ポリアミド成分に、有用な諸特性、例えば降伏点および破断点における十分な引張伸びを付与する限りにおいて、特に制限されない。例えば、0℃未満のガラス転移点を持つ、任意のゴム状低モジュラス官能化ポリオレフィン耐衝撃性改良剤が、本発明にとって適しており、米国特許第5,436,294号および同第5,447,980号に記載されている、官能化耐衝撃性改良剤を含む。有用な耐衝撃性改良剤は、ポリオレフィン、好ましくは官能化ポリオレフィン、および特にエラストマー、例えばSEBSおよびEPDMを含む。
【0015】
有用な官能化ポリオレフィン耐衝撃性改良剤は、販売元から入手可能であり、例えばエクソンモービルケミカル社(Exxon Mobil Chemical Company)から、EXXELORTM POとして入手できるマレイン酸で官能化したポリプロピレンおよびエチレン-プロピレンコポリマー、およびEXXELORTM RTM. VA 1801等の、約0.6質量%のペンダント無水琥珀酸基を含む、無水マレイン酸で官能化したエチレン-プロピレンコポリマーゴム;デュポン社(DuPont Company)からの、SURLYNTM、例えばSURLYNTM 9920として入手できるアクリレート-変性ポリエチレン、メタクリル酸-変性ポリエチレン;およびダウケミカル(Dow Chemical Company)社からの、PRIMACORTM、例えばPRIMACORTM 1410 XT、アクリル酸-変性ポリエチレン;クラトンポリマーズ(Kraton Polymers)社から入手できる、無水マレイン酸-変性スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、例えばKRATONTM FG1901X、ここでSEBSは、約2質量%の無水マレイン酸でグラフトされている;クロンプトンコーポレーション(Crompton Corporation)から入手できる、無水マレイン酸で官能化したエチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)ターポリマーゴム、例えば1%の無水マレイン酸で官能化したEPDMである、ROYALTUFTM 498を包含する。本発明の中空体は、これら耐衝撃性改良剤を用いて製造したもののみに制限されない。該耐衝撃性改良剤上の適当な官能基は、該ポリアミドの末端基と反応して、高温マトリックスに対して高い接着性を与えることのできる、任意の化学的部分を含む。
【0016】
同様に本発明の実施に際して使用することのできる、他の官能化された耐衝撃性改良剤は、エチレン-高級α-オレフィンポリマーおよびエチレン-高級α-オレフィン-ジエンポリマーを含み、これらは、適当な反応性のカルボン酸またはその誘導体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水またはレイン酸またはそのエステルをグラフトするか、あるいはこれらと共重合することによって、反応性の官能基が与えられており、またASTM D-638に従って測定した如き、約344MPa(約50,000 psi)までの引張弾性率を持つであろう。適当な高級α-オレフィンは、C3〜C8α-オレフィン、例えばプロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1およびスチレンを包含する。あるいはまた、このような単位を含む構造を持つコポリマーは、重合した1,3-ジエンモノマーの、適当なホモポリマーおよびコポリマーを水素化することによって得ることもできる。例えば、変動するレベルのペンダントビニル単位を含むポリブタジエンは、容易に得られ、またこれらを水素化して、エチレン-ブテンコポリマー構造を与えることができる。同様に、ポリイソプレンの水素化を利用して、等価なエチレン-イソブチレンコポリマーを得ることができる。本発明において使用できる、該官能化されたポリオレフィンは、約0.5〜約200g/10分なる範囲のメルトインデックスを持つものを包含する。
【0017】
エチレン-α-オレフィン-ジエンターポリマーの製造において使用する適当なジエンは、4〜約24個の炭素原子を持つ非-共役ジエンであり、その例は、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンおよびアルキリデンノルボルネン、例えば5-エチリデン-2-ノルボルネンを含む。上記のエチレン-高級α-オレフィンコポリマーゴム中のエチレン単位および高級α-オレフィン単位のモル分率は、一般的に約40:60〜約95:5なる範囲内にある。これらの中には、約50〜約95モル%なる範囲のエチレン単位と、約5〜約50モル%なる範囲のプロピレン単位を含む、エチレン-プロピレンコポリマーが含まれる。重合されたジエンモノマーを含むターポリマーにおいて、そのジエン単位の含有率は、約10モル%までであり、また幾つかの態様においては、この含有率は、約1〜約5モル%なる範囲であり得る。同様に適当なものは、2またはそれ以上のポリマーブロックを含む対応するブロックコポリマーであり、該ブロック各々は、エチレンおよび高級α-オレフィンから選択される1種またはそれ以上のモノマーから生成される。上記の官能化されたポリオレフィンは、一般的に、更に約0.1〜約10質量%なる範囲の官能基を含むであろう。
本発明において有用な他の耐衝撃性改良剤は、米国特許第6,765,062号(チバスペシャルティーケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation))およびEP 901 507 B1(デュポン(DuPont)社)に記載されているものを含む。
【0018】
更に他の本発明において有用な耐衝撃性改良剤は、パラロイド(ParaloidTM)耐衝撃性改良剤として、ローム&ハース(Rohm & Haas)社により市販されている、アクリル系耐衝撃性改良剤を含む。
該組成物L1内に存在する耐衝撃性改良剤の量は、制限されず、好ましくは十分な降伏点および破断点引張伸びを付与するのに十分な量である。一般的に、該ポリアミド組成物L1は、この組成物L1の全質量を基準として、約2質量%〜約40質量%なる範囲の耐衝撃性改良剤、例えば5、10、15、20、25、30および35質量%の該改良剤を含むであろう。しかし、この耐衝撃性改良剤は、0.1質量%程度の低い量で存在することも可能である。
該耐衝撃性改良剤および芳香族ポリアミドは、任意の方法で一緒に混合することができ、また混合は予め、例えば押出しにより行うことができ、あるいは該材料を、使用する押出機内で混合することも可能である。
勿論、2種以上の耐衝撃性改良剤を、該ポリアミド組成物L1内で使用することも可能である。
【0019】
ポリアミド組成物L2
本発明において有用な上記のポリアミド組成物L2は、本発明の中空体の随意の層を形成し、また脂肪族ポリアミドを含有する。脂肪族ポリアミドは、このポリマー内の繰返し単位100モル%を基準として、50モル%を越える「タイプ2」の繰返し単位を含むポリマーである。タイプ2の繰返し単位は、該ポリマー鎖中に少なくとも一つのCONH基を持つ。更に、このタイプ2繰返し単位は、その30モル%未満が、芳香族基を含むことを特徴とする。従って、本発明における、芳香族基-含有繰返し単位の、脂肪族ポリアミドにおける最大の含有率は、このポリマー中の繰返し単位100モル%を基準として、15モル%未満である。好ましくは、該脂肪族ポリアミドは、このポリアミドを構成するモノマー100モル%を基準として、85モル%を越え、例えば90%等の量で、脂肪族基を含みかつ芳香族基を含まないモノマーを含む。このような脂肪族基は、重縮合反応における、二酸およびジアミンモノマー両者に由来する。好ましい脂肪族ジアミンは、4〜12個の炭素原子を含むもの、例えばヘキサメチレンジアミン(HMDA)、ノナンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタジアミンおよび1,4-ジアミノブタン等を包含する。脂肪族単位の有用な二酸源の一つは、アジピン酸である。本発明の脂肪族L2ポリアミド組成物の有用な例は、脂肪族ポリアミド、例えばPA6、PA6,6、PA4,6、PA11、PA12、およびPA6,12を含む。
勿論、1種以上の脂肪族ポリアミドを、該ポリアミド組成物L2において使用することができる。更に、必要ならば、上記の耐衝撃性改良剤を、このポリアミド組成物L2において使用することができる。
【0020】
添加剤
該ポリアミド組成物L1およびL2は、各々独立に、場合により、更に1種またはそれ以上の添加剤を含むことができる。有用な添加剤は、例えば、押出しを容易にするためのPTFEまたは低密度ポリエチレン(LDPE)等の表面滑剤を含む。適当な粉末化したPTFEは、ソルベーソレクシス(Solvay Solexis)から入手できるPOLYMISTTMF5Aを含む。
【0021】
もう一つの有用な添加剤は、熱安定剤である。適当な熱安定剤は、このポリアミドに可溶性の銅化合物およびアルカリ金属ハライドを含む銅-含有安定剤を含む。より具体的には、幾つかの態様において、この安定剤は、酢酸第一銅、ステアリン酸第一銅、銅アセチルアセトネート等の第一銅有機錯体化合物、ハロゲン化第一銅等の銅(I)塩、およびアルカリ金属ハライドを含む。本発明の幾つかの態様においては、この安定剤は、ヨウ化銅および臭化銅から選択されるハロゲン化銅と、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのヨウ化物および臭化物から選択されるアルカリ金属ハライドとを含む。銅(I)ハライド、アルカリ金属ハライドおよびリン化合物を含む処方物も、長時間に渡り約140℃を越える温度に暴露した際の、ポリフタルアミド組成物から製造した中空体の安定性を改善するために使用できる。使用するこの安定剤の量は、約50ppm〜約1000ppmの銅濃度を与えるのに十分な量であることが好ましい。本発明の好ましい組成物は、アルカリ金属ハライドと銅(I)ハライドとを、約2.5〜約10なる範囲、および最も好ましくは約8〜約10なる範囲の質量比で含む。一般的に、銅およびアルカリ金属ハライド化合物の、安定化されたポリアミド組成物における総質量は、約0.01質量%〜約2.5質量%なる範囲内にある。本発明の中空体を製造するのに使用される、幾つかの他の安定化されたポリアミド組成物において、該安定剤は、約0.1質量%〜約1.5質量%なる範囲の量で存在する。
【0022】
本発明によるポリアミド組成物にとって特に適した安定剤は、ステアリン酸マグネシウムをバインダとする、ヨウ化カリウムとヨウ化第一銅とを10:1なる質量比で含有する混合物のペレットを含む。このヨウ化カリウム/ヨウ化第一銅熱安定剤は、長期熱老化性、例えばボンネット内での自動車の温度への暴露に対する防御をもたらす。
もう一つの有用な添加剤は、強化フィラー等のフィラー、または構造用繊維である。充填物品および複合製品の製造に際して有用な構造用繊維は、ガラス繊維、炭素繊維またはグラファイト繊維、および炭化珪素、アルミナ、チタニア、ホウ素等から製造した繊維、並びに高温エンジニアリングレジン、例えばポリ(ベンゾチアゾール)、ポリ(ベンズイミダゾール)、ポリアリーレート、ポリ(ベンゾキサゾール)、芳香族ポリアミド、ポリアリールエーテル等から製造した繊維を含み、また2種またはそれ以上のこのような繊維を含有する混合物を含むこともできる。本発明において有用かつ適当な繊維は、ガラス繊維、炭素繊維および芳香族ポリアミド繊維、例えばデュポン社(DuPont Company)からケブラー(KEVLARTM)なる名称の下で市販されている繊維を包含する。
もう一つの有用な添加剤は、酸化防止剤である。有用な酸化防止剤は、ノーガード(Nauguard) 445、フェノール(例えば、チバ(Ciba)社からのイルガノックス(Irganox) 1010、イルガノックス1098)、ホスフィット、ホスホナイト(例えば、チバ社からのイルガフォス(Irgafos) 168、クラリアント(Clariant)またはチバ社からのP-EQP)、チオ相乗剤(thio-synergists)(例えば、グレートレイクス(Great Lakes)社からのロウイノックス(Lowinox) DSTDP)、ヒンダードアミン安定剤(例えば、チバ社からのチマソーブ(Chimasorb) 944)、ヒドロキシアミン、ベンゾフラノン誘導体、アクリロイル変性フェノール等を包含する。
【0023】
本発明によるポリアミド組成物において、同様に使用できる他のフィラーは、帯電防止添加剤、例えば炭素粉末、多重壁炭素ナノチューブおよび単壁ナノチューブ並びにフレーク状、球状および繊維状の粒状フィラー強化材、および成核剤、例えばタルク、マイカ、二酸化チタン、チタン酸カリウム、シリカ、カオリン、チョーク、アルミナ、無機繊維等を含む。これらフィラーおよび構造用繊維は、単独でまたは任意の組合せで使用することができる。
更に有用な添加剤は、制限無しに、顔料、染料、難燃剤等を含み、これらは樹脂の分野において通常使用されている添加剤を含む。これらの添加剤は、必要により、単独でまたは任意の組合せで使用することができる。特別な用途に対しては、該ポリアミド組成物は、また可塑剤、潤滑剤、および離型剤、並びに熱、酸化および光安定剤等を含むこともできる。このような添加剤の濃度は、本明細書の開示に照らして、当業者がもくろんだ特定の用途に応じて決定することができる。
【0024】
方法
本発明の中空体は、当分野において公知の、あるいは最近開発された任意の方法、特に押出しによって製造できる。この点に関連して、当業者は、本明細書の開示に照らして、上記ポリアミド組成物L1およびL2を用いて、ここに記載したようにして、本発明の中空体を製造することができる。
本発明の中空体の物理的な寸法に制限は無い。本発明の中空体がチューブまたはホースである場合、好ましいその内径は、例えば2mm〜20mmなる範囲、好ましくは3mm〜18mmなる範囲にある。好ましいその外径は、3mm〜26mmなる範囲、より好ましくは5mm〜22mmなる範囲にある。好ましい全壁厚は、0.5mm〜2.5mmなる範囲、より好ましくは1mm〜2mmなる範囲にある。本発明の中空体が、2層即ち2層のみ、L1/L2を含む場合、好ましいその厚みの比L1/L2は、9〜0.1、より好ましくは4〜0.25なる範囲にある。L1およびL2各々は、本発明において内側層および外側層を構成するが、このような2層構成において、耐熱性または耐薬品性が必要とされる場合には、該組成物L1は外側層であることが好ましい。このような2層構成において、バリア耐性(低透過性)が要件となる場合には、該組成物L1は内側層であることが好ましい。
3層構成において、該組成物L1は内側層および外側層両者であり得るが、このような構成において該内側層および外側層組成物は、同一である必要はない。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を与えるが、これらは本発明を例示するものであり、何等これを限定するものではない。
以下の表1において、4種の組成物を説明する。更にコントロール組成物C1は、未変性のアモデル(AMODELTM) A-1006 PPAから製造した。
【0026】
【表1】

【0027】
実施例1、2およびC1の組成物のフィルムを、押出しにより製造した。ISO 1BA引張試験片を、これらのフィルムから打抜いた。これらの試験片を、クロスヘッド速度0.5mm/分にて伸し、ISO 527の条件下でテストした。以下の表2に示すように、耐衝撃性の改善は、未変性のコントロールC1を凌駕する、降伏点および破断点引張伸びの高い平均値を持つ、ポリマー組成物を与える。事実、耐衝撃性改良剤を含む本発明のPPA組成物は、該コントロールの値の2倍を越える、高い降伏点および破断点引張伸びを持つ。この高い降伏点および破断点引張伸びは、本発明の中空体の加工パラメータにおける、より大きな寛容度を与える。
【0028】
【表2】

【0029】
燃料透過性テスト
燃料透過性テストを、実施例の組成物、コントロール、および比較用の組成物について行った。これら燃料透過性テストの結果を、以下の表3に示す。これら燃料透過性テストは、上記表2に掲載したものと同一の試験片由来のフィルムについて行った。
実施例1および2の耐衝撃性の改善されたPPA組成物に加えて、液晶ポリマー(LCP)であるベクトラ(VectraTM) A950、PA12および以下の未変性PPA組成物:アモデル(AMODELTM) A-1006-C、A-4000およびA-6000についても、透過性の測定を行った。これらのフィルム状検体を、2枚の剥離性高密度ポリエチレン(HDPE)層間での、同時押出しにより製造した。
【0030】
【表3】

【0031】
テストした燃料はCTF1、即ち容積比45/45/10のイソオクタン/トルエン/エタノールブレンドである。標準SAE J1681(2000年1月改定)を参照のこと。
測定した燃料透過性は、厚み1mmおよび表面積1 m2のシートを、1日の期間内に透過した、透過物質のグラム数で表されている。優れたバリア特性を示す、あるグレードのLCP(液晶ポリマー)ベクトラ(登録商標)A950について得た結果を、基準として与え、かつ該結果はこの方法の検出限界を示す。
変性PPA、実施例1および2の透過率は、脂肪族PAよりも優れている。PA12は、高度に透過性であり、定常状態には到達しなかった。エタノールおよびトルエンは、このテストを開始した後に、迅速に滲出し、セルは、急速にこれら種について枯渇状態に至った。仮の透過性の値は、クロマトグラフィーにより、このテストの開始時点において行った、物質移動測定から算出した。
【0032】
以下の表4は、様々なフルオロポリマーについて60℃にて測定した、透過性に関する結果をまとめたものである。表3および4から理解できるように、本発明のPPA組成物全て(165℃にてアニール処理、あるいは成形の際に乾燥)は、該フルオロポリマーに匹敵し、かつポリアミドよりも優れた燃料透過性を有している。本発明のポリアミド組成物へのエラストマーの配合は、一般的にPPAの、特に該燃料中のアルコールおよび芳香族性分に対するバリア特性にとって有害であると考えられるという事実にも拘らず、極めて良好なバリア特性が維持されている。トルエンおよびイソオクタンの透過率に関連して、エラストマーで変性されたポリフタルアミド組成物は、少なくとも表4に掲載されたフルオロポリマーと同程度に良好であり、かつPAよりも優れている。60℃におけるCTF1燃料のエタノール成分について検討すると、該変性ポリフタルアミドは、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)ホモポリマーおよびエチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)よりも、有効性においてほんの僅かに低く、表4に掲載された他のフルオロポリマーと同程度に良好であり、かつPAよりも優れている。
【0033】
【表4】

*:燃料としては、何れの場合もCTF1を使用した。
【0034】
抽出データ
ポリマー製の燃料ライン成分の、成分抽出は、上記ラインにおいては余り重要ではないが、液体燃料ラインにおけるこのような不純物の存在は、インゼクタファウリングに導く可能性がある。この抽出研究のために使用する溶液は、15%のメタノール、および85%の、容積比50/50のトルエン/イソオクタン混合物からなっていた(CM 15燃料)。抽出手順は、15gのペレットを80mLの撹拌した液体中に、40℃にて168時間配置させ、デカンテーションにより回収した溶液の、乾燥残渣を測定する工程を含んでいた。実施例1および2に関する抽出性物質の百分率を測定したところ、夫々0.17および0.20%であることが分かった。零ではないが、これら抽出性物質の値は、単層ホースとして一般的に使用されている可塑化されたPA12について予想される、8~12%なる範囲の抽出性物質の値に比して、驚くほど低い。
【0035】
PA12との、熱老化に関する比較
長期熱老化耐性は、自動車において絶えず増大する温度要件に伴う、燃料ラインにおけるポリマー使用の実施可能性にとって極めて重要であると考えられる。熱安定化された態様の実施例3および4と、熱安定化されたPA12との比較を、以下の表5に与える。
【0036】
【表5】

【0037】
理解されるように、PA12は、熱老化後にアイゾッド衝撃強さにおける破滅的な喪失を受ける。結局、部分的に芳香性の、耐衝撃性が改善されたポリアミドの使用は、空気の存在下における、長期間に渡る高温への暴露後に、耐衝撃性を保持するための、より安全な選択である。
【0038】
耐衝撃性が改善されたポリフタルアミドからの、ホースの製造
単層チュービング
単層チュービングの押出し用構成を図1に示す。材料は、溶融加工前に乾燥させた。このチュービングの押出しは、30mmの一軸スクリュー押出機を用いて行った。使用したスクリューは、標準的なポリアミドまたはポリエチレンスクリューであった。較正および冷却は、標準的な装置を用いて行った。該冷却タンクは、減圧下にあり、かつ噴霧モードにある。
実施例1-4に関するデータを、以下に示す(表6)。表6において、Z1、Z2およびZ3(後方から前方)により明示した3つのゾーンは、該押出機に温度制御を適用できるゾーンである。Z4はダイアダプタ温度制御であり、Zc1、Zc2およびZc3は、該ダイ用の制御ゾーンである。このダイは、該チューブの寸法が、OD:8mmおよびID:6mmとなるように設定した。
【0039】
【表6】

【0040】
実施例1-4およびベスタミド(VestamideTM) L2140から製造したPA12コントロールチュービングを、SAE J2260「1またはそれ以上の層を含む、非-金属燃料系チュービング(NONMETALLIC FUEL SYSTEM TUBING WITH ONE OR MORE LAYERS)」における幾つかのテストにかけた。これは、該PPAチュービングの、意図した用途に対する適応性を確立するために行った。結果を、以下の表7にまとめた。
【0041】
【表7】

【0042】
実施例2の組成物から製造したホースを、分割すること無しに、標準的な9mmのコネクタを押込んだ。これは燃料ラインコネクタホースに関する標準的な要件である。このホースは、該コネクタを押込むためには、約50%伸ばす必要がある。これは、更に燃料ホースとしての利用性をも示す。
実施例1-4およびPA12コントロールのチュービングを、ISO 527-2に従って、引張特性テストにかけた。結果を以下の表8に示す。実施例1-4は、PA12よりも高い(22〜35%)強度を示す。
【0043】
【表8】

【0044】
多層チュービング
図2に示した図は、3機の押出機が、多層チューブを製造するために、どのように3層ダイを配置するかを示している。押出機はE1、E2およびE3として明示されている。E1は、材料L1を保持し、E2は材料L2を保持し、かつE3は、2層または3層チューブの何れを製造するかに依存して、L2またはL1を保持する。全ての押出機は、径20mmであり、また標準的なポリエチレンまたはポリアミドスクリューを使用している。
2層構成については、該L2材料(PA 6、PA 12等)材料を、押出機E2およびE3両者に導入した。実施例2のPPA処方物は、常に押出機E1(内側層)に導入した。
3層構成については、該L2ポリアミド(PA 6等)を、押出機E2に導入した。該L1ポリアミド(実施例2のPPA処方物)は、押出機E1(内側層)およびE3(外側層) に導入した。
較正および冷却は、標準的な装置を用いて行った。該冷却タンクは、減圧下にあり、かつ噴霧モードにある。
該内側層(層#1)に対応する材料は、該ダイの後ろ側から供給され、一方該外側層(層#3)に対応する入口は、該ダイの下流側に位置する。
この押出しを実行する前に、全てのPPAおよびPAグレードを乾燥させた。
実施例5-8に関するデータを、以下に示す(表9)。表9において、Z1、Z2およびZ3(後方から前方)により明示した3つのゾーンは、該押出機に温度制御を適用できるゾーンである。アダプタ、エルボウ-ダイ入口、フローディストリビュータおよびダイ温度制御も、表9に示してある。各押出機(E1、E2、E3)は、独立に制御される。
【0045】
【表9】

【0046】
実施例5:PPA(L1)/PA 6(L2)の2層同時押出
押出実験を、内側層(1)においてHDPEを、また2つの外側層(2、3)においてグリロン(GrilonTM) F50 PA6を用いて開始した。280℃なる中間温度を用いて、ダイの設定を調節した。この温度において、これら両材料は、良好に押出され、精妙なチューブが作られた。該PA6とPEとの間の接着は観測されなかった。
温度を上げた(表9を参照のこと)後、内側層(1)においてHDPEを、PPA(実施例2の処方物)で置換えて、多層チューブ構造体を得た。
該同時押出ししたチューブの、該L1(実施例2のPPA処方物)の内側層とL2(PA 6)の外側層との間の接着は、このチューブを縦方向に半分に、様々な長さに切断し、生成する該チューブの半分を撓ませ、かつ湾曲させることによって証明される。これらの層は分離しなかった。
【0047】
実施例6:PPA(L1)/PA 12U(L2)の2層同時押出
実施例5におけるPA6の同時押出しと同一の設定を用いて、グリロン(GrilonTM) F50 PA6を、非-可塑化PA12(PA12U)である、ベスタミド(VestamideTM) L2140に代えた。較正装置における冷却は、より低温に調節する必要があり、また許容し得るチュービングを得ることができた。上記のような方法でテストした、これら2つの層(実施例2のPPA処方物およびPA12U)間の接着性は優れたものであった。これらの層は分離しなかった。
【0048】
実施例7:PPA(L1)/PA 12P(L2)の2層同時押出
ベスタミド(VestamideTM) L2140(PA12P)を、ベスタミド(VestamideTM) LX9013(高度に可塑化されたPA12(PA12P))に代えた。実施例5に置けるように、チュービングを製造した。上記のような方法でテストした、これら2つの層(実施例2のPPA処方物およびPA12P)間の接着性は優れたものであった。これらの層は分離しなかった。
【0049】
実施例8:PPA(L1)/PA 6(L2)/PPA(L1)の3層同時押出
この試みでは、内側層(1)においてHDPEを、また中間層(2)においてグリロン(GrilonTM) F50 PA6を、および外側層(3)においてHDPEを用いて開始した。280℃なる中間温度を用いて、ダイの設定を調節した。この温度において、これら両材料は、良好に押出され、精妙なチューブが作られた。該PA6とPEとの間の接着は観測されなかった。
内側層(1)および外側層(3)におけるHDPEの温度を上げた後、PPA(実施例2の処方物)を導入した。3層構成を得た。上記のような方法でテストした、この同時押出しチュービングの、これら3層(L1=実施例2のPPA処方物;L2=PA &;L3=実施例2のPPA処方物)間の接着性は優れたものであった。これらの層は分離しなかった。
【0050】
ここで説明するように、本発明の幾つかの態様では、該中空体は、該L1組成物の単層構造を含む。ここで使用する「単層(monolayer)」とは、ポリマー組成物の単層から形成され、ここで該ポリマー組成物は、この層の厚み全体を横切って実質的に同一である。本発明の幾つかの態様では、この単層の厚みは、約500μm〜約12.5mmなる範囲にある。本発明の幾つかの態様において、この単層の厚みは、約750μm〜約7mmなる範囲にある。
【0051】
本発明の中空体は、任意数の製造物品、装置等、例えば化石燃料駆動モータデバイス等において使用できる。ここで使用するような化石燃料駆動モータデバイスは、モータービークル、例えば自動車、モーターサイクル、バス、トラック、航空機、船舶、娯楽用ビークル、および農業並びに工業用の装置を包含する。該中空体は、荒い、平滑な、波型等の表面を有し、全体を通して一定の厚み、または変動する厚み等を持つ。更に、本発明の中空体は、内容物を密閉し、または封入するのに使用でき、また該内容物は、広範囲に渡るものであり得る。例えば、本発明の中空体は、ケーブル保護系として使用できる。この点に関して、本発明は、また意図した内容物を実際に収容し、あるいは保持するものとして説明され、例えば本発明は、燃料ラインとしての中空体を記載し、かつ中空体の燃料ラインとしての使用を可能とし、ここで該燃料ラインは、場合により燃料を含む。
【0052】
上記本発明の説明は、当業者が本発明の中空体を製造し、また使用できるように、その製造並びに使用方法を与えており、この可能性は、特に添付した特許請求の範囲の主題として与えられており、該特許請求の範囲は、この説明の一部を構成し、かつ単独層として、(1) 芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含有する、少なくとも一つの層L1、および場合により(2) 脂肪族ポリアミドを含有する、少なくとも一つの層L2を含むことを特徴とする中空体を含む。
【0053】
同様に可能な、本発明の好ましい態様は、以下の様な中空体を含む:該芳香族ポリアミドはポリフタルアミドである;該脂肪族ポリアミドは、脂肪族ナイロンである;該耐衝撃性改良剤はEPDM、SEBS、およびこれらの混合物からなる群から選択される;該芳香族ポリアミドはフタル酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のジカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族ジアミンとの間の重縮合反応によって得られる繰返し単位を少なくとも50モル%含有するポリアミドである;該ポリフタルアミドは、約50モル%〜約95モル%なる範囲のヘキサメチレンテレフタルアミド単位、約25モル%〜約0モル%なる範囲のヘキサメチレンイソフタルアミド単位、および約50モル%〜約5モル%なる範囲のヘキサメチレンアジパミド単位を含む;該耐衝撃性改良剤はゴムである;該ゴムは、官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムである;該官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムは、マレイン酸無水物で官能化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーである;該官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムは、マレイン酸無水物で官能化されたエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴムである;該層は、[(L1)n/(L2)m]x (ここで、xは1またはそれ以上の任意の整数であり、nは1またはそれ以上の任意の整数であり、またmは任意の整数である)なる順序の連続層である;該層L1は更に表面滑剤をも含む;該表面滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン、低密度ポリエチレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される;該層L1は、更に少なくとも1種の銅(I)塩および少なくとも1種のアルカリ金属ハライドを含有する、熱安定剤をも含む;該熱安定剤は、ヨウ化銅および臭化銅からなる群から選択される少なくとも1種の銅ハライドおよびリチウム、ナトリウム、およびカリウムのヨウ化物および臭化物からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属ハライドを含む;該中空体は、単独層として、芳香族ポリアミドと耐衝撃性改良剤とを含む単層からなる;該中空体はホースである;該ホースは、蒸気戻りラインまたは液体燃料輸送ラインの全体または一部を含む;
【0054】
また本発明は、上記本発明のホースを含む、自動車等の化石燃料駆動デバイス;および単独層として、(1) 芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含む、少なくとも一つの層L1、および場合により(2) 脂肪族ポリアミドを含む、少なくとも一つの層L2を含む、中空体の製造方法であって、単一のダイを通して、芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を押出し、場合により脂肪族ポリアミドを押出すことを特徴とする該方法を提供する。
ここで使用するように、あるポリマーが、1またはそれ以上のモノマー(またはモノマー単位)「から得られる」または「を含む」等として指示されている場合、この記載は、最終的なポリマー材料それ自体、またはこの最終製品を、全体的にまたは部分的に構成する、その中の繰返し単位を説明するものである。当業者は、正確に言えば、ポリマーが個々の、未反応の「モノマー」含まないが、逆に反応したモノマー由来の繰返し単位で構成されるものであることを理解するはずである。
【0055】
本明細書において述べた全ての参考文献、特許、出願、テスト、標準規格、文書、刊行物、パンフレット、テキスト、論文等を、参考として、本明細書に組み入れる。同様に、全ての市販品として入手できる物質に関する、あらゆるパンフレット、技術情報を含むシート等も、参考として、本明細書に組み入れる。数値的限定または範囲が述べられている場合には、その終点をも含む。また、数値的限定または範囲内の全ての値および小領域は、具体的に、明瞭に書き出されているものとして含まれる。
上記説明は、当業者が本発明を理解し、かつその利用を可能とするように、提示されており、特定の用途およびその要件と関連して与えられている。これらの好ましい態様に対する様々な改良は、当業者には容易に理解されるものであり、ここに定義した一般的な原理は、本発明の精神並びに範囲から逸脱すること無しに、他の態様および用途に適用できるものである。従って、本発明は、本明細書に示した態様に限定されるものではなく、ここに記載した原理並びに特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0056】
本発明の態様として、例えば以下のものがある。
1.単独層として、
(1) 芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含有する、少なくとも一つの層L1、および場合により
(2) 脂肪族ポリアミドを含有する、少なくとも一つの層L2
を含むことを特徴とする、中空体。
2.該芳香族ポリアミドがポリフタルアミドである、上記1に記載の中空体。
3.該中空体が少なくとも一つの層L2を含む、上記2に記載の中空体。
4.該耐衝撃性改良剤が、EPDM、SEBS、およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記1に記載の中空体。
5.少なくとも一つの層L1が、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸組成物との間の重縮合反応によって得られる、芳香族ポリアミドを含み、該酸組成物におけるテレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸のモル比が、50〜80/10〜40/25以下である、上記1に記載の中空体。
6.該ポリフタルアミドが、約50モル%〜約95モル%なる範囲のヘキサメチレンテレフタルアミド単位、約25モル%〜約0モル%なる範囲のヘキサメチレンイソフタルアミド単位、および約50モル%〜約5モル%なる範囲のヘキサメチレンアジパミド単位を含む、上記2に記載の中空体。
7.該耐衝撃性改良剤がゴムである、上記1に記載の中空体。
8.該ゴムが、官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムである、上記7に記載の中空体。
9.該官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムが、マレイン酸無水物で官能化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマーである、上記8に記載の中空体。
10.該官能化されたポリオレフィンを主成分とするゴムが、マレイン酸無水物で官能化されたエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴムである、上記8に記載の中空体。
【0057】
11.該耐衝撃性改良剤が、マレイン酸無水物で官能化されたエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム、マレイン酸無水物で官能化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記6に記載の中空体。
12.該層が、[(L1)n/(L2)m]x (ここで、xは1またはそれ以上の任意の整数であり、nは1またはそれ以上の任意の整数であり、またmは任意の整数である)なる順序の連続層である、上記1に記載の中空体。
13.該層L1が更に表面滑剤をも含む、上記1に記載の中空体。
14.該表面滑剤が、ポリテトラフルオロエチレン、低密度ポリエチレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記13に記載の中空体。
15.該層L1が、更に少なくとも1種の銅(I)塩および少なくとも1種のアルカリ金属ハライドを含有する、熱安定剤をも含む、上記1に記載の中空体。
16.該熱安定剤が、ヨウ化銅および臭化銅からなる群から選択される少なくとも1種の銅ハライドおよびリチウム、ナトリウム、およびカリウムのヨウ化物および臭化物からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属ハライドを含む、上記15に記載の中空体。
17.単独層として、少なくとも一つの層L1を含む、上記1に記載の中空体。
18.単独層として、一つの層L1を含む、上記17に記載の中空体。
19.単独層として、少なくとも2つのL1層を含む、上記17に記載の中空体。
20.該中空体がホースである、上記1に記載の中空体。
【0058】
21.該ホースが、蒸気戻りラインまたは液体燃料輸送ラインの全体または一部を含む、上記20に記載の中空体。
22.該層L1が、更に酸化防止剤をも含む、上記1に記載の中空体。
23.該酸化防止剤が、ヒンダードフェノール、アミンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、上記22に記載の中空体。
24.単独層として、少なくとも一つの層L1および少なくとも一つの層L2を含む、上記1に記載の中空体。
25.単独層として、一つのL1層および一つのL2層を含む、上記1に記載の中空体。
26.上記20に記載のホースを含むことを特徴とする、化石燃料駆動デバイス。
27.該化石燃料駆動デバイスが、自動車である、上記26に記載の化石燃料粉末化デバイス。
28.単独層として、
(1) 芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を含有する、少なくとも一つの層L1、および場合により
(2) 脂肪族ポリアミドを含有する、少なくとも一つの層L2
を含む、中空体の製造方法であって、
単一のダイを通して、芳香族ポリアミドおよび耐衝撃性改良剤を押出し、場合により脂肪族ポリアミドを押出すことを特徴とする、上記方法。
29.少なくとも一つの層L1が、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸組成物との間の重縮合反応によって得られる、芳香族ポリアミドを含み、該酸組成物におけるテレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸のモル比が、50〜80/10〜40/25以下であり、
該耐衝撃性改良剤が、マレイン酸無水物で官能化されたエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム、マレイン酸無水物で官能化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ
該中空体がホースである、上記1に記載の中空体。
30.単独層として、L1/L2/L1の3層を含み、ここで該層L1が、内側および外側層両者であり、かつ該層L2が中間層である、上記1に記載の中空体。
31.単独層として、L1/L2の2層を含み、該層L1が内側層である、上記1に記載の中空体。
32.単独層として、L2/L1の2層を含み、該層L1が外側層である、上記1に記載の中空体。
【符号の説明】
【0059】
Z1、Z2、Z3・・・押出機の温度制御ゾーン
Z4・・・ダイアダプタの温度制御ゾーン
Zc1、Zc2、Zc3・・・ダイ用の温度制御ゾーン
E1、E2、E3・・・押出機
1・・・内側層
2・・・外側または中間層
3・・・外側層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[(L1)n/(L2)m]xなる順序及び数の連続層であって、xが1またはそれ以上の整数であり、nが1またはそれ以上の整数であり、mが1又は2であり、
(1) 層L1が、芳香族ポリアミドおよび官能化耐衝撃性改良剤を含み、
(2) 層L2が、脂肪族ポリアミドを含む、
前記連続層によって構成される、液体の取扱いおよび保存用の容器、チュービング、パイプ並びにホースからなる群から選ばれる、中空体であり、
該芳香族ポリアミドが、
少なくとも1種の脂肪族二酸とメタキシリレンジアミンとの間の重縮合反応によって生成される繰返し単位を、50モル%を越える量で含有する芳香族ポリアミド、及び
少なくとも1種のテレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸から選択される二酸と少なくとも1種の脂肪族ジアミンとの間の重縮合反応によって生成される繰返し単位を、50モル%を越える量で含有し、該脂肪族ジアミンがヘキサメチレンジアミンである、芳香族ポリアミド、
からなる群から選ばれ、該層L1に該耐衝撃性改良剤が層L1の全質量に基づいて5〜40質量%含まれる、前記中空体。
【請求項2】
該耐衝撃性改良剤が、EPDM、SEBS、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の中空体。
【請求項3】
該ポリフタルアミドが、50モル%〜95モル%なる範囲のヘキサメチレンテレフタルアミド単位、25モル%〜0モル%なる範囲のヘキサメチレンイソフタルアミド単位、および50モル%〜5モル%なる範囲のヘキサメチレンアジパミド単位を含む、請求項1記載の中空体。
【請求項4】
該耐衝撃性改良剤が、マレイン酸無水物で官能化されたエチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム、マレイン酸無水物で官能化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の中空体。
【請求項5】
該層L1が、更に少なくとも1種の銅(I)塩および少なくとも1種のアルカリ金属ハライドを含有する、熱安定剤を含む、請求項1記載の中空体。
【請求項6】
該中空体がホースである、請求項1記載の中空体。
【請求項7】
該ホースが、蒸気戻りラインまたは液体燃料輸送ラインの全体または一部を含む、請求項6記載の中空体。
【請求項8】
請求項6記載のホースを含むことを特徴とする、化石燃料駆動デバイス。
【請求項9】
該化石燃料駆動デバイスが、自動車である、請求項8記載の化石燃料駆動デバイス。
【請求項10】
請求項1記載の中空体の製造方法であって、
単一のダイを通して、該芳香族ポリアミドと、該耐衝撃性改良剤と、該脂肪族ポリアミドとを押出すことを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−60014(P2013−60014A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235545(P2012−235545)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2006−523863(P2006−523863)の分割
【原出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(502030880)ソルヴェイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (39)
【Fターム(参考)】