説明

耐酸性水酸化マグネシウム粒子難燃剤および難燃性樹脂組成物

【課題】 樹脂に配合した場合、耐酸性並びに分散性が良く、成形加工時に発泡が抑えられる水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤およびそれを含む難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 水酸化マグネシウム粒子の表面に、水酸化マグネシウム粒子に対してAl23に換算して0.05〜5重量%に相当する量の水酸化アルミニウムが被覆層として形成された耐酸性水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤およびその難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂に配合した場合耐酸性並びに分散性に優れ、かつ樹脂の加工時に発泡が抑えた加工特性を有する水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤およびそれを含有した難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】人の多く集まる公共施設や排気が不十分な地下施設等の火災時における有毒な燃焼ガスの発生は問題視されており、この問題を軽減するため、非ハロゲン系合成樹脂が使われ、またその難燃剤または難燃性充填剤として水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を利用することは従来からよく知られている。
【0003】水酸化マグネシウムの場合、基本的にはアルカリ物質であり、酸と反応し易く、そのため多量に配合した樹脂成型体が長期間炭酸含有水、酸性雨等にさらされると水酸化マグネシウム粒子が溶解してその跡にサブミクロンの大きさのくぼみができ、可視光を散乱して成型物表面が白く見えたり、または成型物表面に酸と反応して生成した炭酸マグネシウム等が析出して白く見える(白化減少)という問題が起こる。
【0004】難燃剤グレイドとして現状使われている水酸化マグネシウムは結晶欠陥を少なくし、結晶粒子サイズを樹脂組成物の難燃性および物性を低下させない限度で大きくし、酸反応性を小さくしており、さらに高級脂肪酸塩やリン酸で表面処理して耐水性および耐酸性を付与して実用に供されている。
【0005】しかしながら、炭酸ガスが存在する高温多湿雰囲気下での用途や酸性雨にさらされる場所での用途では、またより高難燃レベルが各用途分野から要求があり、これに対応するため配合量を多くすると、それだけ樹脂組成物の耐酸性は低下するので、さらに耐酸性の強化された水酸化マグネシウム粒子が望まれている。
【0006】白化現象を解決する方法として特開平1−234493号公報には、水酸化マグネシウム粒子表面をポリ塩化アルミニウム、ケイ酸ソーダおよびヘキサメタリン酸ソーダから選ばれる無機高分子組成物との混合物にし、その無機系高分子はAl23,SiO2、P25として合計で1から10重量%とすることを特徴とした難燃剤を提供している。しかしながらこの方法では粒子が凝集しやすく、付着水分も多くなるため、加工性、外観および物性において十分満足のいく樹脂組成物が得られない。
【0007】また、特開平1−245039号公報には、水酸基を有する金属化合物100重量部の粒子表面に高級脂肪酸のアルカリ金属塩を0.5から10重量部添加し、なお被覆されていない部分にホウ酸またはケイ酸の水不溶性塩を形成させることを特徴とした難燃化剤を開示している。しかしながらこの方法でも表面に親水性の無機化合物が存在し、樹脂への分散性が十分満足を得ていない。
【0008】一方、水酸化アルミニウムは、水酸化マグネシウムに比較して分解温度が低く、大気圧で加熱すると約180℃から分解が始まり、300℃までに結晶構造の約80%の水分が放出される。水酸化アルミニウムを難燃剤として用いて200℃以上の温度で加工すると発泡現象を起こしたり、インジェクション加工時にはシルバーストリークが発生する欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したように水酸化マグネシウムを難燃剤とした樹脂組成物は、耐酸性、耐炭酸ガス性に劣る。具体的には樹脂組成物中の水酸化マグネシウムが空気中の炭酸ガスと反応し成型物表面に炭酸マグネシウムを析出させ、いわゆる白化現象を起こしたり、また酸性雨による水酸化マグネシウムの溶出による樹脂組成の変化等を起こし難燃性を低下させるという問題点がある。近年、水酸化マグネシウムの耐酸性、耐炭酸ガス性を改良する試みがなされているが、凝集性が強くなり樹脂への分散性が悪いため、機械的物性、外観ともに実用に耐えられない。本発明の目的は、これらの問題点を改善できる難燃化剤および難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、水酸化マグネシウム粒子の表面に、水酸化マグネシウム粒子に対してAl23に換算して0.05〜5重量%に相当する量の水酸化アルミニウムが被覆層として形成された耐酸性水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤およびその難燃剤の一定割合を含有した難燃性樹脂組成物によって達成されることが見出された。
【0011】本発明で用いられる水酸化マグネシウム粒子としては、1.酸化マグネシウムを水和させて徐々に水酸化マグネシウムを生成させる。
2.マグネシウム塩の水溶液とアルカリとの反応で合成された物3.天然に産するブルース石を粉砕した物等の方法で得られる。これらは特別限定されるものではなく、従来の公知の方法で得られたものでよい。例えば特開昭52−115799号公報に開示された、塩化マグネシウムもしくは硝酸マグネシウムとアルカリ性物質を反応させマグネシウムの塩基性塩を得た後、加圧条件下に加熱して水酸化マグネシウムを得る方法を例示することができる。このようにして得られた水酸化マグネシウムはBET比表面積が20m2/g以下、好ましくは3〜15m2/g、平均粒径5ミクロン(μm)以下、好ましくは平均粒径0.1〜4ミクロン(μm)の難燃剤として用いられる水酸化マグネシウムであればよく、そのものに例えば下記の方法により水酸化アルミニウム被覆を形成すればよい。
【0012】本発明の水酸化マグネシウム粒子の表面における水酸化アルミニウム被覆層は次のようにして形成される。その被覆方法としては、特別限定されるものではなく、水酸化マグネシウム粒子スラリー中で水酸化アルミニウム化合物をその粒子表面に中和析出させればよく、例えば上記水酸化マグネシウムの水性スラリーに水酸化ナトリウムを、後から添加する水溶性アルミニウム塩の全部または一部を中和析出に要する必要量をあらかじめ加えておき、徐々にアルミニウム塩水溶液を攪拌しながら添加する方法もしくは水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウム塩水溶液を定量ポンプを使って、水酸化マグネシウムスラリー中に同時に注下する方法が好ましい。ここで用いるアルカリは、水酸化ナトリウムに限らず、アンモニア水または消石灰等を用いてもよい。また、アルミニウム塩は塩化物、硝酸塩、硫酸塩を用いることができる。またアルミン酸ナトリウムを用いることもできるが、この場合は水酸化マグネシウムスラリー中に必要量のアルミン酸ナトリウムを添加し、さらに攪拌下に塩酸、硝酸、硫酸等の希薄水溶液または酢酸などの弱酸性の水溶液を徐々に添加する、またはそれらを別々に同時注下する。水酸化アルミニウム被覆層形成条件としては、注下終了時のpHが約5〜11好ましくは約6〜10、温度0〜100℃の範囲であれば問題ないが通常は約20〜50℃が好適である。
【0013】被覆量としては、水酸化アルミニウム化合物を水酸化マグネシウム表面に単分子層吸着させれば十分効果を発揮でき、例えば、BET比表面積が7m2/gの水酸化マグネシウムであれば、水酸化アルミニウムとして計算して、水酸化マグネシウム1モルに対して約7ミリモル添加すればよいことになる。しかしながら耐酸性、耐炭酸ガス性を向上させるためには、必ずしも単分子層でなくても、ある一定の範囲であれば十分効果を発揮できる。すなわち水酸化マグネシウム粒子表面に、水酸化アルミニウムをAl23換算で0.05重量%から5.0重量%、好ましくは0.3重量%から1.0重量%の被覆層を形成させればよく、0.05重量%より少ないと耐酸性の改善効果が小さく、一方5重量%より多いとBET比表面積が高くなり凝集するため、加工性が悪く、発泡等による成型物の外観等が悪くなる。
【0014】次に得られた水酸化アルミニウムを被覆した水酸化マグネシウムは、そのまま利用することもできるが、高級脂肪酸、リン酸エステルまたはそれらのアルカリ金属塩で表面処理して用いることにより、さらに耐酸性が向上できかつ樹脂との相溶性、分散性をさらに向上することができ、成形加工性が改良され、さらに成形品の物理的性質の向上により好ましい結果を与えることができる。例えば、ステアリン酸ナトリウムの水溶液に、上記水酸化マグネシウム粒子粉末を、十分な攪拌条件下に添加したり、あるいはまた、上記水酸化マグネシウム粒子粉末の懸濁液にステアリン酸ナトリウム水溶液を十分な攪拌条件下に添加したりする手段で、本発明で用いる水酸化マグネシウム難燃剤の表面上に、界面活性剤を化学的に吸着させることができる。吸着させる界面活性剤の量は、該水酸化マグネシウム難燃剤の重量に基づいて約0.1〜約10重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度がよい。高級脂肪酸またはそのアルカリ塩の具体例としてはステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ベヘン酸カリウム等を挙げることができる。リン酸エステルの具体例としては、オレイルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩、ステアリルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩、エルカアルコールリン酸エステルのナトリウム塩等のモノエステルまたはジエステルおよびこれらの混合物等を挙げることができる。また樹脂組成物のさらなる物性向上のため、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤で処理して用いることもできる。
【0015】本発明の前記水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤は、合成樹脂中に配合して難燃性樹脂組成物として使用される。合成樹脂としては特に制限されないが、ポリオレフィン類、ポリアミド類、エポキシ樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれでもよく、特に前者であるのが適当である。配合割合は、合成樹脂100重量部に対して、本発明の水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤が20〜250重量部、好ましくは50〜200重量部の範囲である。
【0016】合成樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合、その例としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1その他のα−オレフィン類の重合体もしくは共重合体;このようなαオレフィンの1種もしくは複数種と共役もしくは非共役ジエン類との共重合体等のオレフィン系樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー、エチレン−酢酸エチルコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー等を挙げることができ、単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0017】樹脂と水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤との配合方法には、特別な制約はなく、これら添加剤を樹脂に均一に混合しうる任意の手段、例えば押し出し混合、ロール混合、バンバリー混合等の公知の装置を用いて加熱溶融・混練することができる。成形は、射出成形、押し出し成形、カレンダーロール成形などの手段で行なうことができる。
【0018】かくして得られた本発明の難燃性樹脂組成物は、さらに他の慣用の添加剤類を含有することができる。その例としては、例えば、酸化防止剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、分散剤、充填剤、着色剤、難燃助剤、帯電防止剤、光安定剤および紫外線吸収等の耐候性改善剤等を挙げることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、水酸化マグネシウム粒子の表面上に、水酸化アルミニウムの被覆層を形成させることにより、耐酸性、耐炭酸ガス性が著しく改善され、樹脂成型品の炭酸ガスおよび酸性雨による白化現象を起こさず、かつ少量の水酸化アルミニウム化合物の被覆であるため発泡も起きず、表面外観の優れた難燃性樹脂成型物が得られる。またアニオン性化合物で被覆処理したものと比較して表面が水酸化アルミニウム層であるため、高級脂肪酸アルカリ塩による表面処理が容易に行われ、樹脂に対する分散性をさらに優れたものにすることができる。
【0020】
【実施例】次に実施例および比較例をあげ本発明をさらに詳述する。
実施例11−a〜1−e;BET比表面積6.7m2/g、平均粒子径0.8ミクロンの水酸化マグネシウム粉末1.0kgを含む懸濁液15L中に、必要量のNaOHを加え攪拌分散させた試料液を調整し、十分な攪拌下、室温で、濃度10g/Lの塩化アルミニウム・6水塩水溶液の必要量を約10〜30分かけて徐々に注下した後、安定化させるためさらに30分間攪拌保持させ、水酸化アルミニウムの被覆層形成処理を行った。得られた固形分を濾別、洗浄後再び15Lの水に分散させ、約80℃まで加熱し、十分な攪拌下に20gのオレイン酸ナトリウムを含む約80℃の溶液1Lを加え約30分攪拌した。その後、脱水、乾燥、粉砕し難燃剤を作成した。耐酸性は、サンプル0.1gの懸濁液のpH4を維持するために消費した0.1N塩酸量が5.15mlに至る時間(分)の測定、および耐熱性は200℃までの水分放出量を示差熱天秤で測定し、表1に表した。
【0021】1−g;1−gにおいてはBET比表面積12.2m2/gの水酸化マグネシウムを用いたほかは、実施例1−dと同じように処理した。
1−h;1−hは公知の方法で得られた、BET6.7m2/g、平均粒子径1.0ミクロンの実施例1−aに共した水酸化アルミニウム化合物で被覆処理する前の水酸化マグネシウムを実施例1−aと同様にオレイン酸ナトリウムで表面処理し、耐酸性および耐熱性を測定した。
1−i;1−iはBET55m2/gの水酸化マグネシウムを実施例1−aと同様に水酸化アルミニウム化合物で被覆処理後、オレイン酸ナトリウム20gで同様に表面処理したものを例示した。
【0022】
【表1】


【0023】実施例2実施例2−a、2−bおよび2−cはそれぞれ、実施例1−c、1−dおよび1−hにおいて、オレイン酸ナトリウムをステアリン酸ナトリウム30gに変更したほかは、全て同じように処理した。
【0024】
【表2】


【0025】実施例3実施例1−a〜1−iで得られたそれぞれの難燃剤900gと、エチレンプロピレンコポリマー(MI=2.7、比重0.9)600gとを、ポリエチレン製袋中で混合した後、温度230℃、回転数80rpmに設定された2軸混練押し出し機にて混練し樹脂組成物を得た。このペレットを120℃、2時間熱風乾燥後、230℃に設定した射出成型機にて成形し各試験片を作成した。JISK7113の引っ張り試験片1号ダンベルにて、引っ張り速度50mm/分における引っ張り強さ、伸びを測定。JISK7110の2号Aアイゾット試験片および8分の1インチUL94垂直法試験片を作成し、アイゾット衝撃強度、難燃性UL試験、表面外観および耐炭酸ガス性を調べた。結果を表3に示す。
【0026】評価方法は、JIS、UL規格にそって測定し、表面外観および耐炭酸ガス性は次の方法で行った。
表面外観: 良好:シルバーストリークがなく、表面がつややかなもの。
ほぼ良好:僅かにシルバーストリークが発生しているが商品価 値を損なわない程度のもの。
不良:発泡や分散不良によるシルバーストリークが顕著に認め られる。
耐炭酸ガス性:UL94法難燃試験の1/8インチのテストピースをイオン 交換水500mlの入ったビーカに浸漬して、24℃48時 間、炭酸ガスを100ml/分の流量で導入した。イオン交 換水に溶出したマグネシウムの濃度をICP発光分析法にて 定量し耐炭酸ガス性とした。
【0027】
【表3】


【0028】実施例4実施例2において得られた2−a、2−bおよび2−cのの難燃剤に変えたほかは実施例3と同様にテストピースの作成および測定を行った。結果を表4に表した。
【0029】
【表4】


【0030】実施例5BET比表面積6.4m2/g、平均粒子径0.8μmの水酸化マグネシウム粉末1.0Kgを含む懸濁液15L中に、アルミン酸ナトリウム(NaAl3)2.0モル/L水溶液を100ml加え、十分混合した後、攪拌下に1モル/Lの塩酸200mlを徐々に加え、水酸化アルミニウム被覆処理を行った。その後、その懸濁液を80℃に加温した。別に準備していた80℃の温水1Lにステアリルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩の30gを溶解した水溶液を、上記懸濁液に攪拌下に加えた後、さらに30分間攪拌し表面処理した。その後脱水、乾燥、粉砕し、難燃剤を作成した。このものを分析した結果Al23として1.0%含まれていた。
【0031】この難燃剤を900gとポリプロピレンホモポリマー(MI=5、比重0.9)600gとを混合し、温度230、回転数800r.p.m.に調整された2軸混練押出機にて混練し樹脂組成物を得た。このペレットを120℃、2時間熱風乾燥後、230℃に設定した射出成形機にてテストピースを作成し、耐炭酸ガス性を実施例3と同様に調べた。一方水酸化アルミニウム被覆処理をしていない水酸化マグネシウムについても同様にステアリルアルコールリン酸エステル処理を行い比較例とした。結果を表5に示す。
【0032】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】 水酸化マグネシウム粒子の表面に、水酸化マグネシウム粒子に対してAl23に換算して0.05〜5重量%に相当する量の水酸化アルミニウムが被覆層として形成された耐酸性水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤。
【請求項2】 BET法比表面積が20m2/g以下でありかつ平均粒子径が5μm以下である耐酸性マグネシウム粒子である請求項1記載の難燃剤。
【請求項3】 水酸化マグネシウム粒子に対してAl23に換算して0.3〜1重量%に相当する量の水酸化アルミニウムが被覆層として形成された水酸化マグネシウム粒子よりなる請求項1記載の難燃剤。
【請求項4】 水酸化アルミニウムの被覆層の表面が、高級脂肪酸、リン酸エステルまたはそれらのアルカリ金属塩によりさらに表面処理された耐酸性水酸化マグネシウム粒子よりなる請求項1記載の難燃剤。
【請求項5】 塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムまたはアルミン酸ソーダを使用することにより、水酸化マグネシウム粒子の表面に水酸化アルミニウムの被覆層を形成させた耐酸性水酸化アルミニウム粒子よりなる請求項1記載の難燃剤。
【請求項6】 (a)合成樹脂100重量部および(b)請求項1記載の難燃剤50〜250重量部より実質的になる難燃性樹脂組成物。
【請求項7】 水酸化マグネシウム粒子スラリー中、水可溶性アルミニウム化合物の水溶液を中和し、該水酸化マグネシウム粒子表面に水酸化アルミニウムを析出せしめることを特徴とする請求項1記載の耐酸性水酸化マグネシウム粒子よりなる難燃剤の製造法。