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耐食性に優れる原油タンク用鋼材、溶接継手および原油タンク
説明

耐食性に優れる原油タンク用鋼材、溶接継手および原油タンク

【課題】原油タンクに発生する全面腐食や局部腐食を大幅に軽減できる原油タンク用鋼材と、溶接継手および原油タンクを提供する。
【解決手段】mass%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.05〜1.50%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.008%以下、Ge:0.001〜0.5%、Cu:0.03〜0.4%を含有し、かつ、W:0.01〜1.0%、Mo:0.01〜0.5%、Sn:0.005〜0.2%およびSb:0.005〜0.4%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼材を溶接して原油タンクを製造するに際して、溶接金属部が、1<(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)≦50、および、0.25≦(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)≦3、の関係を満たす溶接継手を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材を溶接して構成される原油タンカーの油槽や原油を輸送あるいは貯蔵するためのタンク(以下、「原油タンク」と総称する)に関するものであり、具体的には、原油タンクの天井部や側壁部、底部に発生する全面腐食および原油タンクの底板に発生する局部腐食を軽減することができる耐食性に優れる原油タンク用鋼材と、その鋼材を溶接した溶接継手と、それらの鋼材と溶接継手から構成される原油タンクに関するものである。なお、本発明の原油タンクに用いられる鋼材には、厚鋼板、薄鋼板および形鋼が含まれる。
【背景技術】
【0002】
タンカーの原油タンクの内面、特に上甲板裏面および側壁上部に用いられている鋼材には、全面腐食が生じることが知られている。この全面腐食が起こる原因としては、2.5年毎に行われる実船のドック検査で、強酸性の結露水中に、硫酸イオンや塩化物イオンが検出されていることから、
(1)昼夜の温度差による鋼板表面への結露と乾燥(乾湿)の繰り返し、
(2)原油タンク内に防爆用に封入されるイナートガス(O約4vol%、CO約13vol%、SO約0.01vol%、残部Nを代表組成とするボイラあるいはエンジンの排ガス等)中のO,CO,SOの結露水への溶け込み、
(3)原油から揮発するHS等腐食性ガスの結露水への溶け込み、
(4)原油タンクの洗浄に使用された海水の残留、
などが考えられている。
【0003】
さらに、腐食によって生成した鉄錆を触媒としてHSが酸化されると、固体Sが鉄錆中に層状に生成するが、これらの腐食生成物は、容易に剥離して脱落し、原油タンクの底部に堆積する。そのため、ドック検査では、多大な費用をかけて、タンク上部の補修やタンク底部の堆積物の回収が行われているのが現状である。
【0004】
一方、タンカーの原油タンク等の底板に用いられる鋼材には、原油そのものの腐食抑制作用や原油タンク内面に形成される原油由来の保護性コート(オイルコート)の腐食抑制作用によって、腐食は生じないものと考えられていた。しかし、最近の研究によって、タンク底板の鋼材には、お椀型の局部腐食(孔食)が発生することが明らかになってきている。この局部腐食が起こる原因としては、
(1)塩化ナトリウムを代表とする塩類が高濃度に溶解した凝集水の存在、
(2)過剰な洗浄によるオイルコートの離脱、
(3)原油中に含まれる硫化物の高濃度化、
(4)結露水に溶け込んだ防爆用イナートガス中のO、CO、SO等の高濃度化、
などが考えられている。実際、実船のドック検査時では、原油タンク内に滞留した水を分析すると、高濃度の塩化物イオンと硫酸イオンが検出されている。
【0005】
ところで、上記のような全面腐食や局部腐食を防止する最も簡便で有効な方法は、鋼材表面に重塗装を施し、鋼材を腐食環境から遮断することである。しかし、原油タンクの塗装作業は、その塗布する面積が膨大であること、また、塗膜の劣化により、約10年に1度は塗り替えが必要となるため、検査や塗装に膨大な費用が発生する。さらに、重塗装した塗膜が損傷を受けた部分は、原油タンクの腐食環境下では、却って腐食が助長されることが指摘されている。
【0006】
上記のような腐食問題に対しては、鋼材自体の耐食性を改善して、原油タンクの腐食環境下における耐食性を改善する技術が幾つか提案されている。例えば特許文献1には、質量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Cu:0.01〜1.5%、Al:0.001〜0.3%、N:0.001〜0.01%を含有し、さらに、Mo:0.01〜0.5%およびW:0.01〜1%の1種または2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材同士を溶接して溶接継手を形成するに際して、溶接金属中のCu,Mo,Wの含有量が下記3式を満たすよう溶接継手を形成する技術が開示されている。
0.15≦溶接金属のCu含有量(質量%)/鋼材のCu含有量(質量%)≦3
0.15≦(溶接金属のMo含有量+W含有量(質量%))/(鋼材のMo含有量+W含有量(質量%))≦3
−0.3≦(溶接金属のCu含有量(質量%)−鋼材のCu含有量(質量%))≦0.5
【0007】
また、特許文献2には、質量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Cu:0.01〜1.5%、Al:0.001〜0.3%、N:0.001〜0.01%を含有し、さらに、Mo:0.01〜0.5%およびW:0.01〜1%の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材同士を溶接して原油油槽を形成するに際して、溶接金属中のCu,Mo,Wの含有量が下記の2式を満たすよう溶接継手を形成する技術が開示されている。
0.15≦溶接金属のCu含有量(質量%)/鋼材のCu含有量(質量%)≦3
0.15≦(溶接金属のMo含有量+W含有量(質量%))/(鋼材のMo含有量+W含有量(質量%))≦3
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−21981号公報
【特許文献2】特開2005−23421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、タンカー底板および溶接継手に発生する局部腐食(孔食)を、2.5年間で4mm以下に抑制することは困難である。というのは、近年における実船の腐食調査では、タンカー底板および溶接部に発生する孔食内部の溶液のpHは1.0以下であることが判明している。一般に、酸性液中における鋼材の腐食速度は、水素還元反応に律速され、pHの低下と共に飛躍的に増大することが知られている。したがって、上記特許文献1および2の実施例に記載されているようなpH2.0での浸漬試験では、実船における腐食環境を十分に反映できていないからである。
【0010】
そこで、本発明の目的は、タンカー油槽部等の原油タンクの上板における耐全面腐食性と、原油タンクの底板における耐局部腐食性が共に優れる原油タンク用鋼材と、その鋼材を溶接した溶接継手、およびそれらの鋼材と溶接継手から構成される原油タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ねた。その結果、鋼の成分組成を適正範囲に制御することで、鋼材の耐食性を向上できること、また、その成分組成の鋼材を溶接して原油タンクを形成するに際して、溶接継手の溶接金属中に含まれるCu,MoおよびWの含有量を適正範囲に制御することによって、原油タンクを構成する鋼材のみならず、溶接継手に発生する全面腐食や局部腐食をも軽減でき、ひいては原油タンク全体の耐食性を著しく向上し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明は、C:0.03〜0.16mass%、Si:0.05〜1.50mass%、Mn:0.1〜2.0mass%、P:0.025mass%以下、S:0.010mass%以下、Al:0.005〜0.10mass%、N:0.008mass%以下、Ge:0.001〜0.5mass%、Cu:0.03〜0.4mass%を含有し、かつ、W:0.01〜1.0mass%、Mo:0.01〜0.5mass%、Sn:0.005〜0.2mass%およびSb:0.005〜0.4mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる原油タンク用鋼材である。
【0013】
本発明の原油タンク用鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、下記のA〜E群のうちから選ばれる少なくとも1つの成分を含有することを特徴とする。

A群;Ni:0.005〜0.4mass%、Co:0.01〜0.4mass%およびCr:0.01〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
B群;Ta:0.001〜0.1mass%、Nb:0.001〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%、Zr:0.001〜0.1mass%およびV:0.002〜0.2mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
C群;Ca:0.0002〜0.01mass%、REM:0.0002〜0.015mass%、Y:0.0001〜0.1mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
D群;B:0.0002〜0.003mass%
E群;Bi:0.001〜0.1mass%
【0014】
また、本発明は、上記のいずれかの鋼材を母材とする溶接継手であって、溶接金属部の成分組成が下記(1)式および(2)式;
1<(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)≦5 ・・・(1)
0.25≦(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)≦3
・・・(2)
を満たすことを特徴とする溶接継手である。
【0015】
また、本発明は、上記の溶接継手を有することを特徴とする原油タンクである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、原油タンカーの油槽や原油を輸送あるいは貯蔵するタンク等、溶接して形成される原油タンクに発生する全面腐食や局部腐食を、鋼板のみならず溶接継手を含むすべての部位において抑制することができる。したがって、本発明によれば、船舶の補修負荷の軽減や補修期間の延長が可能となり、ひいては、船舶の耐用年数の大幅な延長を図ることができるので、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例で、全面腐食試験に用いた試験装置を説明する図である。
【図2】本発明の実施例で、孔食試験に用いた試験装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明の原油タンクに用いる鋼材の成分組成について説明する。
C:0.03〜0.16mass%
Cは、鋼の強度を高める元素であり、本発明では、所望の強度を確保するため、0.03mass%以上添加する。一方、0.16mass%を超える添加は、溶接性および溶接熱影響部の靭性を低下させる。よって、Cは0.03〜0.16mass%の範囲とする。
【0019】
Si:0.05〜1.50mass%
Siは、脱酸剤として添加される元素であるが、鋼の強度を高めるのに有効な元素でもある。そこで、本発明では、所望の強度を確保するため、0.05mass%以上添加する。しかし、1.50mass%を超える添加は、鋼の靭性を低下させる。よって、Siは0.05〜1.50mass%の範囲とする。
【0020】
Mn:0.1〜2.0mass%
Mnは、鋼の強度を高める元素であり、本発明では、所望の強度を得るため、0.1mass%以上添加する。一方、2.0mass%を超える添加は、鋼の靭性および溶接性を低下させる。よって、Mnは0.1〜2.0mass%の範囲とする。
【0021】
P:0.025mass%以下
Pは、粒界に偏析して鋼の靭性を低下させる有害な元素であり、できる限り低減するのが望ましい。特に、0.025mass%を超えて添加すると、靭性が大きく低下する。また、Pは0.025mass%を超えて添加すると、タンク油槽内の耐食性にも悪影響を及ぼす。よって、Pは0.025mass%以下とする。好ましくは0.015mass%以下である。
【0022】
S:0.010mass%以下
Sは、非金属介在物であるMnSを形成して局部腐食の起点となり、耐局部腐食性を低下させる有害な元素であり、できる限り低減するのが望ましい。特に、0.010mass%を超える添加は、耐局部腐食性の顕著な低下を招く。よって、Sの上限は0.010mass%とする。好ましくは、0.005mass%以下である。
【0023】
Al:0.005〜0.10mass%
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、本発明では0.005mass%以上添加する。しかし、0.10mass%を超えて添加すると、鋼の靭性が低下するので、Alの上限は0.10mass%とする。
【0024】
N:0.008mass%以下
Nは、靭性を低下させる有害な元素であり、できる限り低減するのが望ましい。特に、0.008mass%を超えて添加すると、靭性の低下が大きくなるので、上限は0.008mass%とする。
【0025】
Ge:0.001〜0.5mass%
Geは、腐食により生成する錆層中に取り込まれ、緻密な錆層を形成して鋼材の全面腐食を抑制する効果のある元素である。このような効果は、0.001mass%以上の添加で得られる。一方、0.5mass%を超える添加は、低温靭性の低下を招くため好ましくない。よって、Geは0.001〜0.5mass%の範囲で添加する。
【0026】
Cu:0.03〜0.4mass%
Cuは、鋼の強度を高める元素であるとともに、鋼の腐食によって生成した錆中に存在して耐食性を高める効果がある。これらの効果は、0.03mass%未満の添加では十分に得られず、一方、0.4mass%を超えて添加すると、耐食性向上効果が飽和するほか、熱間加工時に表面割れなどの問題を引き起こす。よって、本発明の鋼材を安定して製造する観点から、Cuは0.03〜0.4mass%の範囲で添加する必要がある。
【0027】
本発明の鋼材は、上記成分の他に、W,Mo,SnおよびSbのうちから選ばれる1種または2種以上を下記の範囲で含有する必要がある。
W:0.01〜1.0mass%
Wは、タンカー油槽部底板における孔食を抑制する効果があるほか、タンカー上甲板部の全面腐食を抑制する効果がある。上記効果は、0.01mass%以上の添加で発現する。しかし、1.0mass%を超えると、その効果が飽和する。よって、Wは0.01〜1.0mass%の範囲で添加する。好ましくは0.01〜0.5mass%、より好ましくは0.02〜0.3mass%の範囲である。
【0028】
なお、Wが上記のような耐食性向上効果を有する理由は、鋼板が腐食するのに伴って生成する錆中にWO2−が生成し、このWO2−の存在によって、塩化物イオンが鋼板表面に侵入するのが抑制され、さらに、鋼板表面のアノード部などのpHが下がった部位では、FeWOが生成し、このFeWOの存在によっても塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されるからである。また、WO2−の鋼材表面への吸着によるインヒビター作用によっても、鋼材の腐食が抑制されると考えられる。
【0029】
Mo:0.01〜0.5mass%
Moは、タンカー油槽部底板における孔食を抑制するだけでなく、タンカー上甲板裏面部の耐全面腐食性や、バラストタンクのように塩水浸漬と高湿潤を繰り返す腐食環境における塗装後の耐食性を向上させる効果がある。上記Moの効果は0.01mass%以上の添加で発現するが、0.5mass%を超えると、その効果は飽和する。よって、Moは0.01〜0.5mass%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.5mass%、より好ましくは0.03〜0.4mass%の範囲である。
なお、Moが上記のような耐食性向上効果を有する理由は、Wと同様、鋼板の腐食に伴い生成する錆中にMoO2−が生成し、このMoO2−の存在によって、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されるからと考えられる。
【0030】
Sn:0.005〜0.2mass%、Sb:0.005〜0.4mass%
SnおよびSbは、タンカー油槽部底板における孔食を抑制する効果を有する他、タンカー上甲板部の全面腐食を抑制する効果がある。上記効果は、Sn:0.005mass%以上、Sb:0.005mass%以上の添加で発現する。一方、Sn:0.2mass%超えおよびSb:0.4mass%超え添加しても、その効果は飽和する。さらに、Snの多量の添加は、Cuによる熱間加工時の表面割れを助長する。よって、SnおよびSbは、それぞれ上記範囲で添加するのが好ましい。
【0031】
また、本発明の鋼材は、上記必須とする成分の他に、Ni,CoおよびCrのうちから選ばれる1種または2種以上を下記の範囲で含有することが好ましい。
Ni:0.005〜0.4mass%、Co:0.01〜0.4mass%
NiおよびCoは、生成した錆粒子を微細化して、裸状態での耐食性およびジンクプライマーにエポキシ系塗装が施された状態での耐食性を少なからず向上する効果を有する。したがって、これらの元素は、耐食性をより向上したい場合に、補助的に添加するのが好ましい。上記効果は、Ni:0.005mass%以上、Co:0.01mass%以上の添加で発現する。一方、Ni:0.4mass%超え、Co:0.4mass%超え添加しても、その効果が飽和する。また、Niは、CuやSnを含有する鋼において発生する熱間加工時の表面割れを抑制する効果がある。よって、NiおよびCoは、それぞれ上記の範囲で添加するのが好ましい。
【0032】
Cr:0.01〜0.3mass%
Crは、腐食の進行に伴って錆層中に移行し、Clの錆層への侵入を遮断することによって、錆層と地鉄の界面へのClの濃縮を抑制する。また、Zn含有プライマーを塗布したときには、Feを中心としたCrやZnの複合酸化物を形成して、長期間にわたり鋼板表面にZnを存続させることができるため、飛躍的に耐食性を向上することができる。上記効果は、特に、タンカー油槽の底板部のように、原油油分から分離された高濃度の塩分を含む液と接触する部分において顕著であり、Crを含有した上記部分の鋼材にZn含有プライマー処理を施すことにより、Crを含有しない鋼材と比較して、格段に耐食性を向上することができる。上記Crの効果は、0.01mass%未満の添加では十分ではなく、一方、0.3mass%を超える添加は、溶接部の靭性を劣化させる。よって、Crは0.01〜0.3mass%の範囲で添加するのが好ましい。
【0033】
また、本発明の鋼材は、鋼の強度を高める目的で、上記成分に加えてさらに、Ta,Nb,Ti,VおよびZrを下記の範囲で添加することができる。
Ta:0.001〜0.1mass%、Nb:0.001〜0.1mass%、Ti:0.001〜0.1mass%、Zr:0.001〜0.1mass%およびV:0.002〜0.2mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
Ta,Nb,Ti,ZrおよびVは、いずれも鋼材強度を高める元素であり、必要とする強度に応じて適宜選択して添加することができる。上記効果を得るためには、Ta,Nb,Ti,Zrはそれぞれ0.001mass%以上、Vは0.002mass%以上添加するのが好ましい。しかし、Ta,Nb,Ti,Zrは0.1mass%を超えて、Vは0.2mass%を超えて添加すると、靭性が低下するため、Ta,Nb,Ti,Zr,Vは、それぞれ上記範囲で添加するのが好ましい。
【0034】
さらに、本発明の鋼材は、強度を高めたり、靭性を向上させたりするために、上記成分に加えてさらに、Ca,REMおよびYを下記の範囲で添加することができる。
Ca:0.0002〜0.01mass%、REM:0.0002〜0.015mass%およびY:0.0001〜0.1mass%のうちから選ばれる1種または2種以上
Ca,REMおよびYは、いずれも、溶接熱影響部の靭性向上に効果があり、必要に応じて添加することができる。上記効果は、Ca:0.0002mass%以上、REM:0.0002mass%以上、Y:0.0001mass%以上の添加で得られるが、Ca:0.01mass%、REM:0.015mass%、Y:0.1mass%を超えて添加すると、却って靭性の低下を招くので、Ca,REM,Yは、それぞれ上記範囲で添加するのが好ましい。
【0035】
さらに、本発明の鋼材は、上記成分に加えてさらに、Bを下記の範囲で含有することができる。
B:0.0002〜0.003mass%
Bは、鋼材の強度を高める元素であり、必要に応じて添加することができる。上記効果を得るためには、0.0002mass%以上添加するのが好ましい。しかし、0.003mass%を超えて添加すると、靭性が低下する。よって、Bは0.0002〜0.003mass%の範囲で添加するのが好ましい。
【0036】
さらに、本発明の鋼材は、上記成分に加えてさらに、Biを下記の範囲で含有することができる。
Bi:0.001〜0.1mass%
Biは、鋼材の耐局部腐食性を高める元素であり、必要に応じて添加することができる。上記効果を得るためには、0.001mass%以上添加するのが好ましい。しかし、0.1mass%を超えて添加すると、靭性が低下する。よって、Biは0.001〜0.1mass%の範囲で添加するのが好ましい。
【0037】
次に、本発明の原油タンクに用いる鋼材は、以下の方法で製造するのが好ましい。
本発明の鋼材は、本発明に適合する成分組成に調整した鋼を、転炉や電気炉、真空脱ガス等、公知の精錬プロセスを用いて溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼素材(鋼スラブ)とし、次いで、この素材を再加熱してから熱間圧延し、厚鋼板、薄鋼板および形鋼等の鋼材とするのが好ましい。
【0038】
上記熱間圧延前の再加熱温度は、900〜1200℃の温度とするのが好ましい。加熱温度が900℃未満では、変形抵抗が大きく、熱間圧延することが難しくなる。一方、加熱温度が1200℃を超えると、オーステナイト粒が粗大化し、靭性の低下を招くほか、酸化によるスケールロスが顕著となって歩留まりが低下するからである。より好ましい加熱温度は1000〜1150℃である。
【0039】
また、熱間圧延で所望の形状、寸法の鋼材に圧延するに当たっては、仕上圧延終了温度は750℃以上とするのが好ましい。750℃未満では、鋼の変形抵抗が大きくなって圧延負荷が増大し、圧延することが難しくなったり、圧延材が所定の圧延温度に達するまでの待ち時間が発生するため、圧延能率が低下したりするからである。
【0040】
熱間圧延後の鋼材の冷却は、空冷、加速冷却のいずれの方法でもよいが、より高強度を得たい場合には、加速冷却するのが好ましい。なお、加速冷却を行う場合には、冷却速度を2〜80℃/sec、冷却停止温度を650〜300℃の範囲とするのが好ましい。冷却速度が2℃/sec未満、冷却停止温度が650℃超えでは、加速冷却の効果が小さく、十分な高強度化が達成されない。一方、冷却速度が80℃/sec超え、冷却停止温度が300℃未満では、得られる鋼材の靭性が低下したり、鋼材の形状に歪が発生したりすることがあるからである。
【0041】
次に、本発明の鋼材を溶接して形成した原油タンクの溶接継手について説明する。
上記適正成分に調整して製造した鋼板同士を溶接して形成した原油タンクの溶接継手は、溶接金属中のCuおよび母材(鋼材)中のCuが下記(1)式;
1<(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)≦5 ・・・(1)
を満たして含有していることが好ましい。
溶接金属の耐食性が母材(鋼材)の耐食性より劣る場合には、後述するタンカー底板の孔食内部を模擬した酸浸漬試験では、溶接部の金属の溶解が促進されてしまう。ここで、溶接金属の耐食性を母材(鋼材)並みに高めるため、溶接金属中にSnやSbを添加すると、溶接継手の低温靭性を確保できなくなる。そのため、溶接金属にSnやSbを含有させることなく、溶接金属の耐食性を母材(鋼材)並みに向上させることが必要となる。そこで、本発明は、溶接金属の耐食性向上手段として、(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)の値を上記(1)式で規定した範囲に制限することが好ましい。
【0042】
(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)が1以下の場合には、溶接金属の耐食性が母材(鋼材)のそれより劣るため、後述するタンカー底板の孔食内部を模擬した酸浸漬試験において、溶接部の金属の溶解が促進されてしまう。一方、(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)が5を超える場合には、必要以上のCu添加によって、溶接材料(溶接ワイヤ)のコストが上昇するだけでなく、溶接金属の耐食性が母材のそれを大きく上回るようになるため、実腐食環境下において母材の選択腐食が生ずるようになる。よって、溶接金属中のCuおよび母材(鋼材)中のCuは上記(1)式を満たすことが好ましい。
【0043】
また、本発明の原油タンクの溶接継手は、溶接金属中のCu,MoおよびWが下記(2)式;
0.25≦(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)≦3
・・・(2)
を満たして含有していることが好ましい。
発明者らは、CuとMoあるいはWを併用して添加すると、それらの元素の相乗効果によって、溶接継手の耐食性が大幅に向上することを見出した。しかし、(2)式中の(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)が0.25未満の場合には、溶接金属中のMoあるいはWの含有量に比してCuの含有量が低すぎて上記相乗効果が期待できないため、溶接継手の耐食性が低下する。一方、(2)式中の(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)が3を超える場合には、溶接金属中のCu含有量に比してMoあるいはWの含有量が低すぎて、やはり上記相乗効果が期待できないため、溶接継手の耐食性が低下してしまう。よって、溶接金属中のCu,MoおよびWは上記(2)式を満たすことが好ましい。なお、溶接金属中におけるMoおよびWの含有量は、その合計含有量が上記式を満たす範囲内であれば、MoおよびWのうちのいずれか一方を含まなくても構わない。
【0044】
なお、上記溶接金属中のCu,MoおよびWの含有量を上記範囲に制御するには、鋼材(母材)の成分組成および溶接条件に応じて、溶接に用いる溶接材料(溶接ワイヤ)を適宜選択するのが好ましい。例えば、溶接金属中のCu,MoおよびWの目標組成を母材希釈率で割り戻して求めた組成を有する溶接ワイヤを作製し、これを用いて溶接する方法である。
【0045】
また、本発明の原油タンクの溶接に用いる溶接方法は、片面1パスのサブマージアーク溶接法であるFAB溶接やFCB溶接、RF溶接のような大入熱溶接や、炭酸ガスアーク溶接(CO溶接)のような小入熱溶接などを用いることができるが、溶接金属の化学成分組成を適正範囲に制御する場合には、溶接ワイヤを用いる溶接方法であることが好ましい。
【実施例1】
【0046】
表1−1、表1−2に示したNo.1〜41の異なる成分組成を有する鋼を真空溶解炉で溶製して鋼塊とし、または転炉で溶製し、連続鋳造して鋼スラブとし、これらを1150℃に再加熱後、仕上圧延終了温度を800℃とする熱間圧延を施して、板厚25mmの厚鋼板とした。
【0047】
【表1−1】

【0048】
【表1−2】

【0049】
斯くして得られたNo.1〜41の厚鋼板を、下記の上甲板裏を模擬した全面腐食試験(結露試験)と、タンカー底板環境を模擬した局部耐食試験(耐酸試験)に供した。
(1)タンカー上甲板環境を模擬した全面腐食試験(結露試験)
タンカー上甲板裏面における全面腐食に対する耐食性を評価するため、上記No.1〜41の厚鋼板から、幅25mm×長さ60mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その表面を600番手のエメリー紙で研磨し、裏面および端面は腐食しないよう、テープでシールして耐食性試験片を作製し、図1に示した腐食試験装置を用いて全面腐食試験を行った。
この腐食試験装置は、腐食試験槽2と温度制御プレート3とから構成されており、腐食試験槽2には温度が36℃に保持された水6が注入されており、また、その水6中には、12vol%CO、4vol%O、0.01vol%SO、0.05vol%HS、残部Nからなる混合ガス(導入ガス4)を導入して腐食試験槽2内を過飽和の水蒸気で充満し、原油タンク上甲板裏の腐食環境を再現したものである。そして、この試験槽の上裏面にセットした腐食試験片1に、ヒーターと冷却装置を内蔵した温度制御プレート3を介して25℃×3時間+50℃×21時間を1サイクルとする温度変化を180日間繰り返して付与し、試験片1の表面に結露水を生じさせて、全面腐食を起こさせるようにしたものである。図1中、5は試験槽からの排出ガスを示す。
上記試験後、各試験片表面の錆を除去し、試験前後の質量変化から、腐食による質量の減少量を求め、この値から1年当たりの板厚減量(片面の腐食速度)に換算した。その結果、腐食速度が0.08mm/y以下でかつ母材部および溶接部のいずれにも局部腐食が認められない場合を耐全面腐食性が良好(○)、0.08mm/y超、あるいは、母材部か溶接部のいずれか一方にでも局部腐食が目視で認められる場合を耐全面腐食性が不良(×)と評価した。
【0050】
(2)タンカー油槽部底板環境を模擬した局部腐食試験(耐酸試験)
タンカー油槽部底板における孔食に対する耐孔食性を評価するため、上記No.1〜41の厚鋼板から、溶接金属が試験片の幅方向と並行かつ中央に位置するよう、幅25mm×長さ60mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その全面を600番手のエメリー紙で研磨して耐食性試験片を作製した。
次いで、10mass%NaCl水溶液を、濃塩酸を用いてClイオン濃度10mass%、pH0.85に調製した試験溶液を作製し、試験片の上部に開けた3mmφの孔にテグスを通して吊るし、1試験片につき2Lの試験溶液中に168時間浸漬する腐食試験を行った。なお、試験溶液は、予め30℃に加温・保持し、24時間毎に新しい試験溶液と交換した。
上記腐食試験に用いた装置を図2に示す。この腐食試験装置は、腐食試験槽8、恒温槽9の二重型の装置で、腐食試験槽8には上記試験溶液10が入れられ、その中に試験片7がテグス11で吊るされて浸漬されている。試験溶液10の温度は、恒温槽9に入れた水12の温度を調整することで保持している。
上記腐食試験後、試験片表面に生成した錆を除去した後、試験前後の質量差を求め、この差を全表面積で割り戻し、1年当たりの板厚減少量(両面の腐食速度)を求めた。その結果、腐食速度が1.0mm/y以下でかつ母材部および溶接部に局部腐食が目視で認められない場合を耐局部腐食性が良好(○)、腐食速度が1.0mm/y超え、あるいは、母材部および溶接部のいずれかにでも局部腐食が目視で認められる場合を耐局部腐食性が不良(×)と評価した。
【0051】
上記磁粉探傷試験の結果および耐食性試験の結果を、表1−1,表1−2中に併記した。これらの表から、本発明の条件を満たすNo.1〜33の厚鋼板は、上甲板裏を模擬した結露試験およびタンカー底板環境を模擬した耐酸試験のいずれにおいても良好な耐食性を示しているのに対し、本発明の条件を満たさないNo.34〜41の厚鋼板は、いずれの耐食性試験においても良好な結果が得られていないことがわかる。
【実施例2】
【0052】
表1−1に記載されたNo.2の厚鋼板同士および表2−2に記載されたNo.22の厚鋼板同士を、表2に記載の各種溶接方法で溶接してNo.1〜10の溶接継手を作製した。なお、各溶接方法の入熱量は、FCB溶接は146kJ/cm、FAB溶接は180kJ/cm、CO溶接は1.5kJ/cmとし、開先は全てV開先とした。また、各溶接継手の溶接金属中のCu,MoおよびWの組成制御は、Cu,MoおよびWの目標組成を母材希釈率(CO溶接11%程度、FAB溶接47%程度、FCB溶接67%程度)で割り戻して求めた組成を有する溶接ワイヤを作製し、これを用いて溶接することで行った。また、FCB溶接には、フラックス(PF−I55E/(株)神戸製鋼所製)と裏フラックス(PF−I50R/(株)神戸製鋼所製)、FAB溶接には、フラックス(PF−I52E/(株)神戸製鋼所製)、充填剤(RR−2/(株)神戸製鋼所製)および裏当て材(FA−B1/(株)神戸製鋼所製)をそれぞれ用いた。
【0053】
【表2】

【0054】
上記ようにして作製した溶接継手について、溶接金属中のCu,MoおよびWの含有量を、原子吸光分析法を用いて測定した後、下記の、上甲板裏を模擬した全面腐食試験(結露試験)と、タンカー底板環境を模擬した局部耐食試験(耐酸試験)に供した。
(1)タンカー上甲板環境を模擬した全面腐食試験(結露試験)
No.1〜10の厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置から、溶接金属が試験片の幅方向と平行かつ中央に位置するよう、幅25mm×長さ60mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その表面を600番手のエメリー紙で研磨した後、裏面および端面は腐食しないよう、テープでシールして試験片を作製し、図1に示した腐食試験装置を用いて、実施例1と同じ条件で全面腐食試験(結露試験)を行い、同じ基準で耐食性を評価した。
(2)タンカー油槽部底板環境を模擬した局部腐食試験(耐酸試験)
No.1〜10の厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置から、溶接金属が試験片の幅方向と並行かつ中央に位置するよう、幅25mm×長さ60mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その全面を600番手のエメリー紙で研磨して試験片を作製し、図2に示した腐食試験装置を用いて、実施例1と同じ条件で局部腐食試験(耐酸試験)を行い、同じ基準で耐食性を評価した。
【0055】
上記耐食性試験の結果を、表2中に併記した。表2から、本発明の条件を満たすNo.1〜4,7および8の溶接継手は、上甲板裏を模擬した結露試験およびタンカー底板環境を模擬した耐酸試験のいずれにおいても良好な耐食性を示しているのに対し、本発明の条件を満たさないNo.5,6,9および10の厚鋼板は、いずれの耐食性試験においても良好な結果が得られていないことがわかる。
【符号の説明】
【0056】
1、7:試験片
2、8:腐食試験槽
3:温度制御プレート
4:導入ガス
5:排出ガス
6、12:水
9:恒温槽
10:試験液
11:テグス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C:0.03〜0.16mass%、
Si:0.05〜1.50mass%、
Mn:0.1〜2.0mass%、
P:0.025mass%以下、
S:0.010mass%以下、
Al:0.005〜0.10mass%、
N:0.008mass%以下、
Ge:0.001〜0.5mass%、
Cu:0.03〜0.4mass%を含有し、かつ、
W:0.01〜1.0mass%、
Mo:0.01〜0.5mass%、
Sn:0.005〜0.2mass%および
Sb:0.005〜0.4mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる原油タンク用鋼材。
【請求項2】
上記鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、
Ni:0.005〜0.4mass%、
Co:0.01〜0.4mass%および
Cr:0.01〜0.3mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の原油タンク用鋼材。
【請求項3】
上記鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、
Ta:0.001〜0.1mass%、
Nb:0.001〜0.1mass%、
Ti:0.001〜0.1mass%、
Zr:0.001〜0.1mass%および
V:0.002〜0.2mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の原油タンク用鋼材。
【請求項4】
上記鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、
Ca:0.0002〜0.01mass%、
REM:0.0002〜0.015mass%、
Y:0.0001〜0.1mass%、
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
【請求項5】
上記鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、B:0.0002〜0.003mass%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
【請求項6】
上記鋼材は、上記成分組成に加えてさらに、Bi:0.001〜0.1mass%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原油タンク用鋼材。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼材を母材とする溶接継手であって、溶接金属部の成分組成が下記(1)式および(2)式を満たすことを特徴とする溶接継手。

1<(溶接金属中のCu含有量/母材中のCu含有量)≦5 ・・・(1)
0.25≦(溶接金属中のCu含有量/溶接金属中のMo,Wの合計含有量)≦3
・・・(2)
【請求項8】
請求項7に記載の溶接継手を有することを特徴とする原油タンク。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−117139(P2012−117139A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270561(P2010−270561)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】