説明

耐食性のバイポーラプレートを製造する方法

燃料電池のための、耐食性で安価なバイポーラプレートを製造する方法が開示される。この方法は、バイポーラプレート支持体を用意することと、動力学的スプレー法を用いてバイポーラプレート支持体の上に耐食性コーティングを被覆することを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、電気自動車またはその他の機械類のための電気を発生させる燃料電池に関する。特に本発明は、動力学的(kinetic)スプレー法またはコールド(cold)スプレー法を用いてバイポーラプレートを高級ステンレス鋼で被覆することによって耐食性のバイポーラプレートを製造する方法であって、高分子電解質膜(PEM)燃料電池において用いられるときにこのバイポーラプレートにフッ化物イオン耐性が付与されるものに関する。
【0002】
発明の背景
燃料電池は、水素と酸素を結合させて水と最終生成物を生成させることによってエネルギーを生み出す。高分子電解質膜(PEM)燃料電池においては、カソードとアノードの間の電解質として高分子膜が用いられる。PEM燃料電池においては、しばしば複数の燃料電池が連続して積層されて、燃料電池積層体が形成される。燃料電池積層体においては、流れ領域のプレートの一方の側が一つの燃料電池のためのアノードとしての役割をして、流れ領域のプレートの反対側が隣接する燃料電池のためのカソードとしての役割をする。流れ領域のプレートの各々がアノードとカソードの両方の役割をするので、流れ領域のプレートはバイポーラプレートとしても知られている。
【0003】
一般に、燃料電池の製造業者らはポコグラファイト(Poco graphite)のバイポーラプレートを用いてきたが、これは電気伝導性で、燃料電池の環境中で耐食性である。しかし、グラファイトのプレートは脆く、従って機械加工するのが困難である。これにより、バイポーラプレートのコストが増大し、また燃料電池積層体の容積電力密度が増大する。金属のバイポーラプレートを使用することが有利であるが、チタンや316Lステンレス鋼などの金属(これらは容易に機械加工することができる)は、燃料電池の環境中でフッ化物イオンによって容易に侵蝕される。
【0004】
316Lステンレス鋼はフッ化物イオンに対してかなりの耐食性を示すが、その腐食速度はフッ化物イオンの浸出速度が増大するのに伴って増大する。さらに、フッ化物に対する耐食性はステンレス鋼合金のモリブデン含有量が増大するのに伴って増大することが、良く知られている。この問題は、燃料電池の環境からフッ化水素を除去するか、あるいはフッ化物イオンによる腐食に対して316Lステンレス鋼よりも高い耐性を有する高級なステンレス鋼を用いることによって、幾分か軽減することができる。しかし、バイポーラプレートのために高級なステンレス鋼を用いることにより、バイポーラプレートのコストが増大することになりやすい。さらに、必要な厚さを有するバイポーラプレートに高級ステンレス鋼を組み入れることはバイポーラプレートにかなりのコストを加算させ、これがステンレス鋼そのもののコストを超過する可能性がある。
【0005】
腐食感受性の高い支持体の耐食性を増大させるための様々な方法が知られている。例えばUS20030228512 A1は、ステンレス鋼の支持体の表面の接触抵抗を改善して、同時に支持体の上に金のコーティングを付着させることによって支持体の最適な耐食性を維持する方法を開示している。US20040091768 A1は、支持体の上に高分子の伝導性コーティングを付与することによって支持体の耐食性を増大させる方法を開示している。米国特許6,372,376 B1は、多数の導電性で耐食性の充填剤粒子を含有する導電性で耐食性のポリマーを支持体の上に付与することによって、支持体の耐食性を増大させる方法を開示している。
【0006】
例えば304Lまたは316Lステンレス鋼のバイポーラプレートなどの低級ステンレス鋼のバイポーラプレートの表面を動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いて高級ステンレス鋼または合金の薄い層で被覆することによって、バイポーラプレートに高度のフッ化物イオン耐食性が付与され、同時にバイポーラプレートのコストが許容できるレベルに維持される。さらに、動力学的スプレー法またはコールドスプレー法は、25ミクロンに及ぶかあるいはそれ以上の厚さを有する耐食性の層を付着させるために用いることができる。
【0007】
発明の概要
本発明は、概して、燃料電池の中での高い安定性とフッ化物イオンによる腐食に対する耐性によって特徴づけられるバイポーラプレートを製造する新規な方法を対象とする。本発明のバイポーラプレートの製造方法は、例えば304Lまたは316Lなどの典型的に低級なステンレス鋼であるステンレス鋼バイポーラプレート支持体を用意することと、動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いてバイポーラプレート支持体の上に高級ステンレス鋼または合金である耐食性コーティングを形成することを含む。耐食性コーティングは、例えばC-276などの高級ステンレス鋼とすることができる。例えば904L、254SMOおよびCarp-20などのその他の合金をコーティング材料として用いてもよい。従って耐食性コーティングは、低級ステンレス鋼のバイポーラプレート支持体を燃料電池の環境中でフッ化物イオンに対して実質的に耐性の高いものにする。これによりバイポーラプレートの寿命は実質的に長くなる。耐食性コーティングの接触抵抗を低下させるために、被覆層(これは例えば金または有機物のコーティングであってもよい)を耐食性コーティングの上に設けてもよい。
【0008】
好ましい態様の説明
本発明によれば、フッ化水素に対して改善された耐食性を有するバイポーラプレートを製造するために、バイポーラプレート支持体(これは例えば304Lまたは316Lステンレス鋼などの低級ステンレス鋼である)は、動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いてもっと高級なステンレス鋼で被覆される。好ましくは、バイポーラプレート支持体のカソード側が動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いて耐食性コーティングで被覆され、それにより燃料電池が動作する間のフッ化物イオンによる腐食に対するバイポーラプレートのカソード側の耐性を増大させる。低級ステンレス鋼のバイポーラプレート支持体の表面を、例えばもっと高級なC-276からなる(0.1〜2μmの)薄い耐食性コーティングで被覆することにより、フッ化物イオンの環境中でのバイポーラプレートの腐食速度がかなり低下し、しかるにバイポーラプレートに著しいコストは付加されない。バイポーラプレート支持体の上に耐食性コーティングとして被覆することのできる合金としては、例えば904L、254SMOまたはCarp-20ステンレス鋼がある。
【0009】
スプレーされたステンレス鋼コーティングの接触抵抗は、このステンレス鋼コーティングの上に被覆層を付与することによって最小にすることができる。被覆層は、例えば金(Au)または有機物コーティングの薄い層(<10nm)であってもよい。被覆層のためのその他の適当な材料としては、白金およびその合金、ロジウム、ルテニウムおよびその合金、およびパラジウムおよびその合金がある。本発明による動力学的コールドスプレー法を用いて高級ステンレス鋼または材料で低級なステンレス鋼または材料を被覆することは、費用対効果が高い。というのは、高級ステンレス鋼または材料を用いてバイポーラプレートを製造すると費用が極めて高くつくからである。
【0010】
動力学的スプレー法またはコールドスプレー法は、支持体へ向けて極めて高い速度(500〜1500m/s)で微細な粉末粒子を推進し、それによって支持体の上に材料の層を付着させるために、高圧の圧縮ガスの中に貯めたエネルギーを用いる。この方法においては、圧縮されたガス(典型的にはヘリウム)が加熱装置を通して供給され、次にガンに送られ、そこでガスは特別に設計されたノズル(例えばラバル型(laval-type)のノズル(中細ノズル))を通して高速度のガスのジェットとして出ていく。同時に、この高速度のガスジェットの中に粉末粒子を導入するために、圧縮ガスが高圧粉末の供給装置を通して供給され、そしてそれぞれがガンの中に送られる。粉末粒子は特定の速度と温度まで加速かつ適度に加熱され、それが支持体と衝突すると、粒子は変形して結合し、それにより支持体上にコーティングが形成される。
【0011】
加速された粒子は固体状態のままであり、また比較的低温であるので、衝突するときの支持体との粒子の大部分の反応は固体状態だけのものである。このプロセスはスプレー材料をほとんどあるいは全く酸化させないので、表面は清浄なままであり、このことが結合を容易にする。プロセスが行われる間に溶融がないことと比較的低温を用いる結果、冷却したときに粒子の収縮は非常に少ない。さらに、支持体と衝突したときに粒子に誘起される高いひずみのために、コーティングは圧縮の応力を受けやすく、これは大部分の他の溶射法(熱スプレー法)の液体/固体状態の反応における場合のように引張りの応力を受けるのとは異なる。低温であることはまた、コーティングにおいて初期の粉末の化学成分と相が保持されることにも寄与する。
【0012】
粒子が支持体と結合することは、粒子と支持体との著しい塑性変形が生じるのに十分なエネルギーを必要とする。高い衝撃応力と衝突のひずみの下では、粒子の表面と支持体の表面の相互作用により酸化膜の破壊が起こるかもしれず、これにより化学的に清浄な表面の接触が促進され、また大きな摩擦が発生する。これは極めて高い度合いの局部加熱を発生させ、これにより摩擦圧接または爆発圧接に類似する結合が促進される。
【0013】
最初に図1を参照すると、本発明に従う高い安定性を有するバイポーラプレート10(以下、バイポーラプレートという)の断面図が示されている。バイポーラプレート10はバイポーラプレート支持体12を有していて、これは例えば304Lまたは316Lステンレス鋼などの典型的に低級なステンレス鋼である。耐食性コーティング14(これはバイポーラプレート支持体12の等級よりも高い等級のステンレス鋼または合金とすることができる)が、動力学的スプレー法またはコールドスプレー法(これについては後にさらに説明する)を用いてバイポーラプレート支持体12の外側表面13の上に形成されている。耐食性コーティング14は好ましくは、典型的におよそ0.1〜2μmの厚さを有する。しかしながら、所望により、25μmを超える厚さを有する耐食性コーティング14を、本発明に従う動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いてバイポーラプレート支持体12の上に形成してもよいことが理解されよう。耐食性コーティング14のために適したステンレス鋼の等級としては、例えばC-276 ssがある。あるいは耐食性コーティング14は、例えば904L、254SMOあるいはCarp-20などの合金であってもよい。
【0014】
被覆層16(これは例えば金(Au)または有機材料とすることができる)が、耐食性コーティング14の上に設けられてもよく、これにより耐食性コーティング14の接触抵抗が低く維持される。被覆層16のためのその他の適当な材料としては、白金およびその合金、ロジウム、ルテニウムおよびその合金、およびパラジウムおよびその合金がある。被覆層16の厚さは好ましくは、金の被覆の場合は典型的に約10nm未満であり、そして高分子の被覆の場合は典型的におよそ10〜28マイクロメートルである。
【0015】
図2は、本発明に従う動力学的スプレー法またはコールドスプレー法を用いて高い安定性を有するバイポーラプレートを製造するために実施される連続した加工処理工程を示す流れ図である。工程1において、バイポーラプレート支持体が用意される。バイポーラプレート支持体は、例えば304Lまたは316Lなどの典型的に低級なステンレス鋼であり、燃料電池の燃料電池積層体において用いるのに適した大きさと形状を有する。バイポーラプレート支持体は、ランド部(land)と、組立てられた燃料電池の中で反応物質ガスと生成物ガスの流れを促進するガス流路を有していて、このことは当業者に周知である。
【0016】
工程2において、バイポーラプレート支持体の外側表面の上に耐食性コーティングが形成される。耐食性コーティングの厚さは好ましくは、典型的におよそ0.1〜2μmの範囲である。しかしながら、所望により、耐食性コーティングは25μmを超える厚さを有していてもよいことが理解されよう。耐食性コーティングはバイポーラプレート支持体の等級よりも高い等級のステンレス鋼または合金とすることができて、これには例えばC-276ステンレス鋼がある。あるいは耐食性コーティングは、例えば904L、254SMOまたはCarp-20などの耐食性合金であってもよい。耐食性コーティングは、動力学的スプレー法またはコールドスプレー法(これについては後にさらに説明する)を用いてバイポーラプレート支持体の外側表面の上に被覆される。
【0017】
工程3において、耐食性の層の接触抵抗を最小化するために、この耐食性コーティングの上に被覆層が付着される。被覆層は好ましくは、典型的に約10nm未満の厚さを有する。被覆層は、例えば金(Au)または有機材料とすることができて、好ましくは、金の被覆の場合は典型的に約10nm未満の厚さを有し、そして高分子の被覆の場合は典型的におよそ10〜28マイクロメートルの厚さを有する。被覆層のためのその他の適当な材料としては、白金およびその合金、ロジウム、ルテニウムおよびその合金、およびパラジウムおよびその合金がある。被覆層は、例えば慣用の物理蒸着法(PVD)を用いて耐食性の層の上に形成することができる。
【0018】
下の表Iは、様々な等級のステンレス鋼、合金およびチタンについての実際の腐食速度と正規化した腐食速度を示している。各々の試料の腐食速度と正規化した腐食速度は、試料をエッチング溶液(1M H2SO4+0.1M HF)に80℃で1時間浸すことによって得られた。
【0019】
【表1】

【0020】
上の表Iは、ステンレス鋼または合金の等級が高くなるほど、硫酸とフッ化水素の混合物中でのステンレス鋼または合金の耐食性が良いことを示す。同じ溶液中でのチタンの耐食性は304Lステンレス鋼の耐食性に匹敵する。図3の棒グラフは、様々な等級のステンレス鋼と様々な合金の腐食速度の視覚による比較を示している。
【0021】
次に図4を参照すると、本発明に従ってバイポーラプレート支持体12の上に耐食性コーティング14を形成するために用いられる動力学的スプレー法またはコールドスプレー法は、動力学的スプレー装置20を用いて実施することができるが、この装置は一般的なものであってもよい。動力学的スプレー装置20は典型的にはガン36を有し、このガンはチャンバーの内部40を有する混合チャンバー38を含む。ノズル43(例えばラバル型(laval-type)のノズル(中細ノズル))を有する細長いバレル42が混合チャンバー38から延びている。支持体の支え52が、ガンノズル43と距離をおいた関係をもって配置される。
【0022】
例えばステンレス鋼の粉末粒子の供給物(図示せず)を収容している粉末供給装置24が、ガス/粉末供給管32を介してガン36の混合チャンバー38と流体的に連通して配置される。同様の形で、ガスヒーター26が、加熱されたガスの供給管34を介してガン36の混合チャンバー38と流体的に連通して配置される。例えばヘリウムなどの加圧不活性ガスを含む圧縮ガスの供給物22が、ガス供給管28を介して粉末供給装置24と流体的に連通して配置され、また別のガス供給管30を介してガスヒーター26と流体的に連通して配置される。
【0023】
本発明の方法に従う動力学的スプレー装置20を使用する際には、最初にバイポーラプレート支持体12が支持体の支え52の上に装着され、このときバイポーラプレート支持体12の外側表面13はガンノズル43に対面している。耐食性コーティング14として用いられるべきステンレス鋼または合金の粉末粒子は、最初に粉末供給装置24の中に置かれる。粉末粒子は、例えばC-276の等級のステンレス鋼の粒子あるいは904L、254SMOまたはCarp-20などの合金の粒子とすることができる。好ましくは、粉末粒子は1〜50μmの大きさを有する。
【0024】
次いで、例えばヘリウムなどの圧縮ガス44が圧縮ガスの供給物22からガス供給管30を介してヒーター26へ断続的に供給され、そこで圧縮ガス44は好ましくはおよそ0〜700℃の温度まで加熱される。加熱ガスの供給管34を介して、加熱されたガス48はガスヒーター26から断続的に供給され、そしてガン36の混合チャンバー38におけるチャンバーの内部40の中へ供給される。
【0025】
圧縮ガス44がガスヒーター26を介してガン36の混合チャンバー38へ供給されるとき、圧縮ガス44はまた、圧縮ガスの供給物22からガス供給管28を介して粉末供給装置24へ供給される。圧縮ガス44は粉末供給装置24の中で粉末粒子と混合し、そしてガス/粉末混合物46はガス/粉末供給管32を介してガン36の混合チャンバー38におけるチャンバーの内部40の中へ供給される。
【0026】
加熱されたガス48は、ガン36の混合チャンバー38の中でガス/粉末混合物46と混合する。生じたガス/粒子の流れ50は、ガンノズル43からバイポーラプレート支持体12の外側表面13に対して、典型的におよそ500〜1500m/sの速度で射出される。バイポーラプレート支持体12の外側表面13と衝突すると、粉末粒子は変形して外側表面13と結合するとともに互いに結合し、それにより耐食性コーティング14が形成される。以後の加工処理工程において、PVD(物理蒸着法)または当業者に知られているその他の付着方法を用いて、耐食性コーティング14の上に被覆層16(図1)を被覆してもよい。
【0027】
以上において本発明の好ましい態様を説明したが、本発明においては様々な変更がなされうるものであり、添付の特許請求の範囲は本発明の精神と範囲内に入るであろう全てのそのような変更に及ぶことが意図されていることが認められ、そして理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明に従って動力学的またはコールドスプレー法によって製造された高い安定性を有するバイポーラプレートの一部の断面である。
【図2】図2は本発明の高い安定性を有するバイポーラプレートを製造する動力学的またはコールドスプレー法に従って実施される連続した加工処理工程を示す流れ図である。
【図3】図3は様々なステンレス鋼合金(X軸に沿ってプロットしている)の腐食速度(Y軸に沿ってプロットしている)を比較した棒グラフである。
【図4】図4は本発明に従って高い安定性を有するバイポーラプレートを製造するために動力学的またはコールドスプレー法において用いられる動力学的コールドスプレー装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイポーラプレートの耐食性を向上させるための方法であって:
バイポーラプレート支持体を用意すること;および
動力学的またはコールドスプレー法を用いて前記バイポーラプレート支持体の上に耐食性コーティングを被覆すること;
を含む前記方法。
【請求項2】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記耐食性コーティングはC-276の等級のステンレス鋼を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記耐食性コーティングは904L合金、254SMO合金およびCarp-20合金からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記耐食性コーティングの接触抵抗を最小化するために前記耐食性コーティングの上に被覆層を設けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被覆層は、金、有機材料、白金、白金の合金、ロジウム、ルテニウム、ルテニウムの合金、パラジウムおよびパラジウムの合金からなる群から選択される材料である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記被覆層はスパッターされた層を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記耐食性コーティングはC-276の等級のステンレス鋼を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記耐食性コーティングは904L合金、254SMO合金およびCarp-20合金からなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
バイポーラプレートの耐食性を向上させるための方法であって:
バイポーラプレート支持体を用意すること;
金属粉末の粒子を含むガス/粉末混合物を用意すること;
加熱されたガスの流れを用意すること;
前記ガス/粉末混合物を前記加熱されたガスの流れと混合することによって、ガス/粒子の流れを形成させること;
前記バイポーラプレート支持体に向けて前記ガス/粒子の流れを射出することによって、前記バイポーラプレート支持体の上に耐食性コーティングを設けること;
を含む前記方法。
【請求項12】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属粉末の粒子はC-276の等級のステンレス鋼の粉末粒子を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記金属粉末の粒子は904L合金、254SMO合金およびCarp-20合金からなる群から選択される金属粉末の粒子を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記バイポーラプレート支持体に向けて前記ガス/粒子の流れを射出することは、前記バイポーラプレートに向けて前記ガス/粒子の流れをおよそ500〜1500メートル/秒の速度で射出することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記耐食性コーティングの接触抵抗を最小化するために前記耐食性コーティングの上に被覆層を設けることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記被覆層は、金、有機材料、白金、白金の合金、ロジウム、ルテニウム、ルテニウムの合金、パラジウムおよびパラジウムの合金からなる群から選択される材料を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記被覆層はスパッターされた層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
燃料電池におけるバイポーラプレートのカソード側のフッ化物に対する耐食性を向上させるための方法であって:
カソード側を有するバイポーラプレート支持体を用意すること;および
金属粉末の粒子を含むガス/粉末混合物を用意し、加熱されたガスの流れを用意し、前記ガス/粉末混合物を前記加熱されたガスの流れと混合することによってガス/粒子の流れを形成させ、そして前記バイポーラプレート支持体の前記カソード側に向けて前記ガス/粒子の流れを射出することによって、前記バイポーラプレート支持体の前記カソード側の上に耐食性コーティングを動力学的にスプレーすること;
を含む前記方法。
【請求項20】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記金属粉末の粒子はC-276の等級のステンレス鋼を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記金属粉末の粒子は904L合金、254SMO合金およびCarp-20合金からなる群から選択される金属粉末の粒子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記耐食性コーティングの接触抵抗を最小化するために前記耐食性コーティングの上に被覆層を設けることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記被覆層は、金、有機材料、白金、白金の合金、ロジウム、ルテニウム、ルテニウムの合金、パラジウムおよびパラジウムの合金からなる群から選択される材料を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記被覆層はスパッターされた層を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
燃料電池のための高い安定性を有するバイポーラプレートであって:
バイポーラプレート支持体;および
金属粉末の粒子を含むガス/粉末混合物を用意し、加熱されたガスの流れを用意し、前記ガス/粉末混合物を前記加熱されたガスの流れと混合することによってガス/粒子の流れを形成させ、そして前記バイポーラプレート支持体の前記カソード側に向けて前記ガス/粒子の流れを射出することによって前記バイポーラプレート支持体の上に形成された耐食性コーティング;
を含む前記バイポーラプレート。
【請求項27】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項26に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項28】
前記耐食性コーティングはC-276の等級のステンレス鋼を含む、請求項26に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項29】
前記耐食性コーティングは904L合金、254SMO合金またはCarp-20合金を含む、請求項26に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項30】
前記耐食性コーティングの接触抵抗を最小化するために前記耐食性コーティングの上に設けられた被覆層をさらに含む、請求項26に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項31】
前記バイポーラプレート支持体は304Lまたは316Lの等級のステンレス鋼を含む、請求項30に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項32】
前記耐食性コーティングはC-276の等級のステンレス鋼を含む、請求項31に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。
【請求項33】
前記耐食性コーティングは904L合金、254SMO合金またはCarp-20合金を含む、請求項31に記載の高い安定性を有するバイポーラプレート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−518110(P2008−518110A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538973(P2007−538973)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/037142
【国際公開番号】WO2006/049850
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(590001407)ゼネラル・モーターズ・コーポレーション (118)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL MOTORS CORPORATION
【Fターム(参考)】