説明

耐食性エアゾール容器の製造方法、耐食性エアゾール容器およびエアゾール容器の製造装置

【課題】内袋と金属容器との密着度が高く、金属容器と内袋との間にプロペラントが存在しない耐食性エアゾール容器の製造方法において、内袋の挿入時に、内袋を変形させずに、皺の発生やクラックの発生等による品質低下を防止する。
【解決手段】胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器1と、その内部に挿入される内袋2とからなり、前記胴部と底部とからなる有底筒状の容器1z内に合成樹脂製の内袋2を自動的に容器内に向かって前後する挿入杆で挿入し、その後、容器1zの開口部に絞り金型4でネッキング加工を施して、容器1zの開口部を内袋2の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性エアゾール容器の製造方法、耐食性エアゾール容器およびエアゾール容器の製造装置に関し、さらに詳しくは内袋への負荷及び品質低下を防止した耐食性エアゾール容器の製造方法、耐食性エアゾール容器および前記製造方法に用いるエアゾール容器の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアゾール容器内に金属腐食性の強い材料、例えば染毛剤、パーマネントウエイブ液等が収納されている。そして、このような金属腐食性の強い強アルカリ性、強酸性、硫化物、ハロゲン化物等を収納できる耐食性エアゾール容器としては、金属容器の内面が腐食しないように、内面にポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニール系等の合成樹脂をスプレー塗装あるいは粉体塗装等の方法で塗装した耐食性エアゾール容器や、金属容器の内面に完全に密着するポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニール系等の合成樹脂製の内袋を装着した耐食性エアゾール容器が提供されている。又、金属容器と内袋の間にプロペラントを充填するタイプの二重エアゾール容器(バリアパック)も知られている。
【0003】
上記耐食性エアゾール容器の製造方法として、図16に示すように、エアゾール容器100を成形してから、内袋を挿入して製造する方法が知られている。詳しくは、インパクト成形等により胴部および底部が一体成形される有底筒状の容器を形成し、絞り金型でその有底筒状の容器の開口部101を段階的に絞り込み、さらにカーリング加工工程において開口部101にカール部102を形成してエアゾール容器100が成形される。このように製造されたエアゾール容器100内に、図16(a)に示すように、小さく折り畳まれた内袋103を手作業で挿入し、その後、エアゾール容器のカール部102にバルブ104をクリンチし、内容物を充填して製造される(図16(b)参照)。
【0004】
又、図17に示すように、バリアパックタイプの二重エアゾール容器の製造方法であって、内袋を有底筒状の容器内に挿入した後、容器の開口部を絞る方法が知られている(特許文献1、参照)。図17(a)はアルミニウム等の金属製の内袋201を、金属容器200内に挿入した状態を示す図面であり、図17(b)は、金属容器200の開口部202と金属製の内袋201を、同時に絞り金型203でネッキング加工している状態を示す図面である。さらに、図17(c)は、開口部202にカール加工によりカール部204を成形した図面、図17(d)は、カール部204に、バルブ205をクリンチする状態を示す図面である。この製造方法は、予め内袋の開口部を低く縮めた状態で、金属容器内に手作業で挿入し、金属容器のネッキング加工後に、引き出し装置を用いて、内袋の開口部を上方に引き出す工程を行うものである。
さらに、耐食性エアゾール容器の製造方法であって、内袋を金属容器に挿入した後、金属容器の開口部を絞る製造方法も知られている(特許文献2、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3879049号
【特許文献2】実開平5−51783号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図16に示すように、従来のエアゾール容器100内に、小さく折り畳まれた
内袋が、専用機でエアゾール容器内に挿入される耐食性エアゾール容器の製造方法においては、内袋の挿入時に内袋を折り畳むことにより、内袋に負荷がかかり、内袋の変形、皺の発生又はクラックの発生により品質低下が生じると共に、折り畳んだ内袋を元の形状に戻す作業が必要であるという問題があり、またその作業は手作業で行われていたため、非効率的なものであった。
又図17に示すように、特許文献1の製造方法では、内袋を金属容器に挿入した後、金属容器の開口部を同時に絞る二重エアゾール容器の製造方法は、内袋の素材が金属でなければ同時ネッキングできないという特徴があり、仮に合成樹脂製の内袋を同時ネッキングした場合、内袋に多大な負荷が掛かり、そのため内袋の変形及びクラックの発生等により品質低下が生じるという問題があった。さらに、引出し装置を用いて、ネッキング加工後に内袋を、上方に引き出す場合にあっては、内袋の品質低下が著しいという問題があった。
【0007】
本発明は、内袋の挿入時に、内袋の変形、皺の発生及びクラックの発生を防止することにより、内袋の品質低下が生じず、優れた生産性を有し、かつ、製造コストが安価な耐食性エアゾール容器の製造方法、耐食性エアゾール容器、および、前記製造方法に用いるエアゾール容器の製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の耐食性エアゾール容器の製造方法は、胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなり、前記内袋と金属容器との密着度が高く、金属容器と内袋との間にプロペラントが存在しない耐食性エアゾール容器の製造方法であって、胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に合成樹脂製の内袋を自動的に容器内に向かって前後する挿入杆または自動的に容器内に向かって吹き込まれるエアーで挿入し、その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成することを特徴としている。このような製造方法であって、前記内袋を容器内に挿入するとき、内袋は通常の形状を保持しながら挿入するものが好ましい。また、前記容器の中心と前記内袋の中心とが一直線状となるように、容器の開口部を支持しながら内袋を挿入するものが好ましい。
本発明の耐食性エアゾール容器の製造方法の第2の態様は、胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなり、前記内袋と金属容器との密着度が高く、金属容器と内袋との間にプロペラントが存在しない耐食性エアゾール容器の製造方法であって、胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に、合成樹脂製の内袋を、内袋を容器内に誘導する内袋誘導装置を介して挿入し、その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成することを特徴としている。
【0009】
本発明の耐食性エアゾール容器の製造方法で前記容器の開口部を絞り、金属容器を成形した後、その金属容器の開口部内にバルブを挿入し、金属容器先端部をバルブ天面で内側にカシメてバルブを固定してもよい。また、前記容器の開口部を絞り、金属容器を成形した後、その金属容器の開口部内にバルブを挿入し、さらに上蓋を被せ、その上蓋の先端部を金属容器の一部にカシメてバルブを固定してもよい。
【0010】
本発明の耐食性エアゾール容器の製造方法であって、前記有底筒状の容器内への合成樹脂製の内袋の挿入工程を、容器を内袋挿入の専用機に固定して行い、前記容器を内袋挿入の専用機からネッキングマシンに移して、前記容器の開口部を絞る工程を、容器をネッキングマシンに固定して行ってもよい。また、前記有底筒状の容器内への合成樹脂製の内袋の挿入工程、および、前記容器の開口部を絞る工程を、容器を一台のネッキングマシンに固定して行ってもよい。
さらに、前記金属容器を成形した後、金属容器の首部または肩部外周に、ロールを当接
させ、開口部に環状の括部を内袋の外形に合わせて形成してもよい。
【0011】
本発明の耐食性エアゾール容器は、本発明の耐食性エアゾール容器の製造方法にバルブを固定することによって製造されたことを特徴としている。そのような耐食性エアゾール容器を2本組み合わせ、前記耐食性エアゾール容器の各々のバルブのステムが、カバー部材の連結部に連結されて2連式耐食性エアゾール容器としてもよい。
【0012】
本発明のエアゾール容器の製造装置は、有底筒状の容器を保持して間歇的に回転運動する回転盤と、その回転盤に対して接近、隔離し、容器への加工のための工具が取付けられた往復盤とからなるネッキングマシンベースの製造装置であって、前記回転盤は、金属容器保持する複数の容器ホルダーを有しており、前記往復盤は、連続的に供給される内袋を前記容器内に挿入する内袋挿入ステーションと、前記容器の開口部を絞る複数の絞り金型を有するネッキング加工ステーションとを少なくとも備え、前記回転盤は、間歇的に回転することにより、前記容器を内袋挿入ステーションからネッキング加工ステーションに順次移送することを特徴としている。
【0013】
このようなエアゾール容器の製造装置であって、前記内袋挿入ステーションに、エアー圧で内袋を金属容器内に供給する内袋送給装置が設けられているもの、前記内袋挿入ステーションに、挿入杆で内袋を金属容器内に供給する内袋供給装置が設けられているものが好ましい。
【0014】
本発明の二重エアゾール容器の製造方法は、胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなる二重エアゾール容器(バリアパック)の製造方法であって、胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に合成樹脂製の内袋を通常の形状を保持しながら自動的に容器内に向かって前後する挿入杆または自動的に容器内に向かって吹き込まれるエアーで挿入し、その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成することを特徴としている。
【0015】
本発明の二重エアゾール容器の製造方法の第2の態様は、胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなる二重エアゾール容器(バリアパック)の製造方法であって、胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に、合成樹脂製の内袋を、内袋を容器内に誘導する内袋誘導装置を介して挿入し、その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法によれば、内袋の挿入時に、内袋の変形、皺の発生又はクラックの発生等を防止することができ、挿入された内袋の品質低下を防止することができる。また本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法で造られた耐食性エアゾール容器は、生産効率が高く、製造コストが安価であり生産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、内袋の挿入工程(a)及び有底筒状の容器の開口部へのネッキング加工工程(b)の実施例を示す正面断面図。
【図2】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、金属容器の開口部(首部)のロール加工工程の実施例を示す正面断面図。
【図3】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法に用いる、内袋の容器への挿入工程、容器の開口部のネッキング加工工程及び開口部のロール加工工程を行うネッキングマシンの略正面図。
【図4】図3のネッキングマシンの回転盤の略上面図。
【図5】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、内袋の挿入工程(a)及び有底筒状の容器の開口部へのネッキング加工工程(b)の他の実施例を示す正面断面図。
【図6】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法に用いる、内袋の容器への挿入工程、容器の開口部のネッキング加工工程及び開口部のロール加工工程を行うネッキングマシンの略正面図。
【図7】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、容器への内袋の挿入工程を示す概略図。
【図8】図6のネッキングマシンにおいて、内袋の容器への挿入工程(a)および有底筒状の容器の開口部へのネッキング加工工程(b)を示す正面断面図。
【図9】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、容器への内袋の挿入工程を示す他の実施例。
【図10】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、容器への内袋の挿入工程を示す他の実施例。
【図11】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法において、容器への内袋の挿入工程を示すさらに他の実施例の正面断面図およびその部分拡大図。
【図12】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法で造られた、内バメ式耐食性エアゾール容器を示す実施例を示す正面断面図。
【図13】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法で造られた、外バメ式耐食性エアゾール容器を示す実施例を示す正面断面図。
【図14】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法で造られた内バメ式耐食性エアゾール容器を、2本組み付けた実施例を示す2連式耐食性エアゾール容器の正面断面図。
【図15】本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法で造られた、外バメ式耐食性エアゾール容器を、2本組み付けた実施例を示す2連式耐食性エアゾール容器の正面断面図。
【図16】従来の耐食性エアゾール容器の製造方法を示す正面断面図。
【図17】従来の二重エアゾール容器の製造方法を示す正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例の一例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図3は、この発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法の実施例を示す図面である。
図1(b)の符号1は、金属容器であり、この金属容器1は、アルミニウムのスラグをインパクト成形等により胴部と底部とが一体成形で造られた有底筒状の容器1z(図1(a)に示す肩部、首部が未加工のもの。以下、同じ。)の開口部1aを絞り加工し、肩部1yおよび首部1xを形成して、製造される容器である。この実施例では、図2(b)に示すように、肩部1yおよび首部1xを形成した後、首部1xの外周にロールを当接して、環状の括部1bを形成している。
【0020】
符号2は合成樹脂製の内袋であり、内袋2は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂又はポリ塩化ビニール系樹脂等の材料を用いて製造され、単層又は多層に構成されている。多層にする場合、中間層、あるいは、いずれかの層に酢酸ビニルアルコール共重合体を用いるのが好ましい。この内袋2の外形は、金属容器1の胴部の内面と同じ形状(円形)をしている。
内袋2は、胴部2aと、その胴部の下端を閉じる底部2bと、胴部上端に設けられた縮径したテーパー状の肩部2cと、その肩部2cの上端に設けられた円筒状の首部2dとからなり、首部2dには、断面が台形状の環状凹部2eが形成されている。また、内袋外径
と金属容器内径との寸法差が小さいため、内袋2の外径は自重では簡単に金属容器内に挿入されないように構成されており、内袋外径は、金属容器の胴部の内径より1.0〜1.4mm小さい。この内袋2は、合成樹脂製であるため、内容物を充填することにより、その内容物の自重により内袋2が弾性的に膨張し、金属容器の胴部の内径と、内袋の外径とは実質的に同じとなる。内袋の厚みは、0.2〜0.6mm、特に0.4〜0.6mmが、挿入杆3を用いて挿入する場合、好ましい。
【0021】
図1は、内袋2が挿入杆3で金属容器1内に挿入されている状態を示す図面である。本発明に係る製造方法の特徴の一つは、開口部1aが絞り型でネッキング加工される前に、挿入杆3を用いて内袋2を通常の形状を保持した状態で金属容器1内に挿入することである。この内袋2が金属容器1内に挿入される工程は、図3に示すようにネッキングマシンの最初の作業工程で行われる。
【0022】
その後、図1(b)に示すように、複数のネッキング加工工程において、開口部1aは、絞り金型4により、徐々に絞り込まれる。図3において、1つのネッキング加工工程における、開口部1aの絞率は1〜5%程度であり、一台のネッキングマシンの複数のネッキング工程において、最終的には、絞率5〜25%にまで絞り込まれ、所望の口径に成形される。このネッキング加工は、内袋の外形、つまり、内袋の肩部2cおよび首部2dに合わせて絞る。さらに、図2(b)に示すように、開口部1aの下側に括部1bを形成するために、ロール5によりロール加工が施される。このロール加工も内袋の環状凹部2eに合わせて施される。
【0023】
図3は、実際にネッキングマシン15の各加工工程を示した図面であり、内袋2の挿入工程及び開口部1aのネッキング加工工程を示す正面図である。本発明に係る製造方法の他の特徴は、これらの作業及び加工を一台のネッキングマシン15で行うことである。
【0024】
ネッキングマシン15は、金属容器を保持し、間歇的に回転運動する回転盤12と、その回転盤に対して水平方向に接近、隔離し、金属容器を加工等するための工具が取り付けられた往復盤11とからなる。ここで往復盤11は、回転盤12に対して垂直方向に接近、隔離してもよい。
回転盤12には、金属容器を垂直に保持する複数の容器ホルダー13が環状に等間隔で設けられている。
往復盤11は、挿入杆3を用いて内袋を金属容器に挿入する内袋挿入ステーション11aと、金属容器の開口部を絞る複数の絞り金型を有するネッキング加工ステーション11bとからなる。また、往復盤11はクランク軸14に支持されて水平方向に接近、隔離する。
内袋挿入ステーション11aは、内袋2を金属容器内に挿入するための挿入杆3と、その挿入杆3へ内袋を供給する供給装置(図示せず)とからなる。
ネッキング加工ステーション11bは、絞り金型4からなる。
なお、挿入杆3と絞り金型4は、間歇的に回転する回転盤12に合わせて往復盤11へ環状に設けられている。また、図2(b)に示すようにロール加工を行う場合は、絞り金型4の前後にロール5を往復盤11に取りつけて行う。
【0025】
このように構成されているため、図4に示すように、この回転盤12の容器ホルダー13に、回転盤12が間歇的に回転するごとに有底筒状の容器1zが供給ライン12aから送られる。送られてきた容器1zを容器ホルダー13で保持し、回転盤12が回転することにより、内袋が挿入される位置に送られる。図3に戻って、その後、内袋が挿入される位置に送られた容器1zに対して、クランク軸14により支持された往復盤11が回転盤12に接近し、内袋挿入ステーション11aの挿入杆3により内袋2が容器1zの開口部1aから挿入される。さらに、内袋2が挿入された金属容器1は、次の回転盤12の回転
によりネッキング加工する位置に送られる。そして、この位置で往復盤11が再度回転盤12に接近し、ネッキング加工ステーション11bの絞り金型4によりネッキング加工が行われる。さらに、回転盤12は回転、そして、往復盤11は下降運動を繰り返すことにより、この容器1zの開口部1aに複数回のネッキング加工を施し、金属容器1は所定の形状に加工される。最後に、成形された金属容器1は回転盤12に接するように設けられた搬出ライン12bから搬出される(図4参照)。
なお、内袋挿入ステーション11aに、容器1zの中心と内袋2の中心とが一直線状となるように、容器1zの開口部を支持する装置を設けても良い。
【0026】
このように本発明は、内袋を通常の形状を保持した状態でネッキング加工が施される前の容器1zに挿入するため、内袋への損傷を抑えることができる。また、ネッキングマシン15に内袋挿入ステーション11aを設けることにより、その一連の工程を連続的に、かつ、短時間で行うことができ、生産性が大きく向上される。
【0027】
図5〜図7は、この発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法の実施例2を示す図面である。図1〜図4との違いは、内袋2の挿入方法であり、エアーAによって内袋2を金属容器1内に挿入する方法である。図5aのようにエアー圧を用いて内袋2を容器1z内に挿入しているため、一層内袋への損傷を防止することができる。また、エアー圧を用いる場合、挿入する際の内袋の強度を考慮する必要がなく、内袋を内容物に応じて一層薄くすることができる。
【0028】
図6のネッキングマシン15は、金属容器を保持し、間歇的に回転運動する回転盤12と、その回転盤12に対して水平方向に接近、隔離し、金属容器を加工等するための工具が取り付けられた往復盤11とからなる。回転盤12は、図3の回転盤12と実質的に同じである。往復盤11は、エアー圧を用いて内袋を金属容器に挿入する内袋挿入ステーション11aと、金属容器の開口部を複数回絞るため、複数の絞り金型を有するネッキング加工ステーション11bとからなり、ネッキング加工ステーション11bは、図3のものと実質的に同じである。
【0029】
内袋挿入ステーション11aは、図7に示すように、往復盤11の貫通穴11dに固定された筒状の内袋挿入装置20からなる。内袋挿入装置20は、水平方向に延びる筒状の内袋保持部21と、その内袋保持部21の上端に連続的に内袋2を供給する内袋供給部(図示せず)と、その内袋保持部21に供給された内袋を、容器1z内に挿入するために内袋保持部内に向かってエアーAを吹き付ける送風部(図示せず)と、内袋保持部21の先端に設けられる内袋挿入部22とからなる。内袋挿入部22は、内袋2を供給するときに容器1zを支持し、内袋が通る内袋保持部21(内袋2)の中心と、容器1zの中心とが略一直線状に並ぶように調整する容器支持部23と、容器支持部23の側面に設けられ、内袋2を供給するときに内袋2と容器1zの間の空気を逃がす空気穴24と、側面に設けられ、内袋を供給しないときに内袋が先端から落ちるのを防ぐストッパー25とを備えている。ストッパー25は、間歇的に回る回転盤12に同調して、通路内に送り出すように構成されており、内袋2の容器1zへの送給を間歇的に止めるものである。本実施例では、ストッパー25を送り出す手段としてエアシリンダー25aが用いられている。しかし、バネ等を用いてもよい。内袋挿入装置20の内袋挿入部22に、内袋が保持される内袋保持部21の内面と容器1zの内面とが略一直線状に並ぶように調整する容器支持部23を備えているため、内袋2の挿入を確実に行うことができ、内袋を容器1zの開口部で傷つけることを防止する。さらに、空気穴24を備えているため、内袋2の挿入をスムースに行うことができる。
【0030】
このように構成されているため、常時間歇的に回転される回転盤12に保持された容器1zに、クランク軸14に支持された往復盤11が回転盤12に接近することにより、常
時エアーAで容器1z方向に押圧された内袋2が内袋挿入部22から容器1z内に挿入される(図8(a))。この際、ストッパー25が間歇的に作動するため、次の内袋2が内袋送給装置20から落ちることがない。なお、内袋供給部には順次内袋が供給されるようになっておれば、どのタイミングで供給されてもよい。また、次工程において、図3と同様に、金属容器1の開口部1aはネッキング加工により絞り込まれる(図8(b))。
この図6のネッキングマシン15によって製造される耐食性エアゾール容器も、内袋への損傷を抑えることができ、また、その一連の加工工程を連続的に、かつ、短時間で行うことができ、生産性が大きく向上される。さらに、エアー圧を用いて内袋を容器内に挿入しているため、その効果は一層高い。
【0031】
これまでの実施例は、この発明に係る内袋の挿入工程およびネッキング加工工程を一台のネッキングマシンで行ってきた。本発明の製造方法は、金属容器内への内袋の挿入工程と、金属容器の開口部のネッキング加工を2つの装置を用いて、連続に行っても良い。例えば、図9の内袋挿入機を用いて内袋を挿入した金属容器を、一般的な複数の絞り金型を備えたネッキングマシン(例えば、図3で内袋挿入ステーションを備えていないもの)に供給し、金属容器の開口部を絞り加工してもよい。
【0032】
図9の内袋挿入機26は、容器1zを保持する容器保持具27と、供給される内袋を支持する内袋支持具29と、内袋2を容器1z内へ挿入する挿入具30とからなる。
容器保持具27は、間歇的に回転する外周に複数の凹部31aが形成されたスターホイル31と、そのスターホイル31の下端ないし先端部に設けられた缶ストッパー32とからなる。このスターホイル31の凹部31a内に、アルミニウムのスラグからインパクト成形等により胴部と底部が一体成形された有底筒状の容器1zがスターホイル31の回転と同調して順次供給される。
内袋支持具29は、内袋1が供給される凹部29aを上面に備えたものであり、内袋2は順次供給されるように構成されている。
【0033】
挿入具30は、水平に移動する挿入杆3と、その基部を保持し、挿入杆3を駆動するカム機構33とからなる。カム機構33は、円柱状の回転軸(ドラムカム)33aと、その回転軸が回転することにより上下に往復する作動軸33bとからなり、作動軸33bと挿入杆3とが連結されている。回転軸33aの表面には、一回転することにより両端近辺を往復するように形成された溝部33cが形成されている。作動軸33bには、回転軸33aの溝部33cを回転軸33aの回転と共に移動する移動子33dを備えている。これにより回転軸33aが一回転することにより、移動子33dは回転軸33aを水平に移動し、それに伴い作動軸33bも水平に動く。カム機構33は特に限定されるものではなく、挿入杆3を上下に駆動させるものであれば、例えば、モーター等の動力を用いても良い。
【0034】
図10の内袋挿入機35は、容器1zを保持する容器保持具36と、供給される内袋2を容器内に挿入する内袋挿入装置37とからなる。
容器保持具36は、容器1zの下部を保持する凹部36aを備えたものである。このような容器保持具36としては、複数の凹部36aを環状に備え、間歇的に回転する円板状のものが、容器1zを順次供給することができるため好ましい。
内袋挿入装置37は、上下に延びる筒状体である。この内袋挿入装置37の上端には、連続的に内袋2を供給する内袋供給部(図示せず)、および、供給された内袋2を下方に押し下げるためのエアーAを吹き付ける送風部(図示せず)が設けられている。内袋挿入装置37の下端開口部は、容器1zの内面と略一直線状に並ぶように調整されている。また、内袋2を保持するシール部材を内面に設けるのが好ましい。この場合、容器1zが供給されてくるのに合わせてエアーAを吹き付けるようにするのが好ましい。一方、エアーAを常に作動させ、図7のストッパー25のように、容器1zが供給されてくるのに合わせて内袋2を開放するようにしてもよい。この内袋挿入装置は、エアー圧を用いて内袋を
容器内に挿入するため、内袋の損傷を最低限に抑えることができる。
この図10の内袋挿入機35について、上記説明では内袋2を下方に移動させながら容器1z内に挿入するように説明しているが、水平方向に延びる内袋挿入装置37を用い、内袋2を水平方向に移動させながら容器1z内に挿入するようにしてもよい。
【0035】
図11は、本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法における、胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に合成樹脂製の内袋を挿入させる工程の他の実施形態を示す。図11の内袋挿入の専用機55は、固定された有底筒状の容器開口部近辺に内袋誘導装置56を配置したものである。他の構成は図9と実質的に同じである(例えば、挿入杆3の作動方法(たとえば、図9のカム機構33)、あるいは、容器1zの保持方法(たとえば、図9の容器保持部27)など)。
【0036】
この内袋誘導装置56は、円筒状のものであり、中心孔57が縮径するようにテーパー状になっている。このように構成されているため、挿入杆3によって有底筒状の容器内に押し出される内袋2は、内袋誘導装置56を通る際に、その中心が容器1zの中心と、ほぼ同心になるように誘導されると同時に、袋の外径が若干縮径させられるので無理なくスムースに容器1z内に挿入される。また、内袋2は、テーパー状に形成された中心孔57を通るため、内袋2に折り目をつけずに縮径することができる。その縮径度を、8〜12%、特に10%程度とすることにより、内袋へのダメージを最小限にすることができる。特に、テーパー部の傾斜は緩やかに形成されており、内袋を徐々に縮径できるようにするのが好ましい。そして、内袋2が縮径される状態は一瞬であるため、容器1z内で内袋2は元の形状に戻る。なお、この実施形態では、テーパー部はテーパー角度が急な第1テーパ部57a、それよりテーパー角度が緩い第2テーパー部57b、円筒部57cが連続する形状となっている。
【0037】
この内袋挿入の専用機55は、挿入杆3を用いて内袋を容器内に挿入しているが、他の手段、たとえば、図10の内袋挿入装置37の下端に設けるなどしてエアー圧で内袋を挿入する場合に用いてもよい。さらに、図3、図6のネッキングマシンの内袋挿入ステーションに設けてもよい。
【0038】
図12は、本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法により製造された耐食性エアゾール容器(以下「内バメ式耐食性エアゾール容器」という)の実施例を示す図面である。この内バメ式耐食性エアゾール容器は、金属容器1の開口部1aを絞るネッキング加工及び括部1bを形成するロール加工が施された後、開口部1aからバルブ6が金属容器1内に挿入される。バルブ6の天面には、板状のパッキン7及び天板8が被せられ、図12(b)に示すように、バルブ6が、口部1aの括部1b上に載置され、開口部1aの先端部が、バルブ6の天板8上で、内側に折曲げられてカシメられる。このカシメにより、バルブ6が開口部1a内に確実に固定されると共に、金属容器1の開口部1aが封鎖される。そして、バルブ6のステム9から内袋2内に、染毛剤等の内容物(プロペラントを含む)10が充填される。
【0039】
図13は、本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法により製造された耐食性エアゾール容器(以下「外バメ式耐食性エアゾール容器」という)の実施例を示す図面である。同様に、この外バメ式耐食性エアゾール容器は、金属容器16の開口部16aを絞るネッキング加工及び括部16bを形成するロール加工が施された後、開口部16aからバルブ17が金属容器16内に挿入される。そして、バルブ17の天面には、パッキン18が載せられ、バルブ17は、口部16aの括部16b上に載置される。次に上蓋19がバルブ17に被せられ、図13(b)に示すように、上蓋19の先端部19aが、金属容器16の括部16bに外側からカシメられる。このカシメにより、バルブ17が開口部16a内に確実に固定されると共に、金属容器16の開口部16aが封鎖される。そして、バル
ブ17のステム17aから内袋2内に、染毛剤等の内容物10が充填される。
【0040】
図14は、この発明に係る実施例を示す図面であり、本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法により製造された内バメ式耐食性エアゾール容器を、2本組み合わせて製造される2連式耐食性エアゾール容器40を示す実施例である。この2連式耐食性エアゾール容器40は、例えば染毛1剤10aが充填された金属容器1と、染毛2剤10bが充填された金属容器1を組み合わせ、カバー部材41に連結されている。すなわち、カバー部材41の連通孔42には、2本の金属容器1のバルブ6のステム9が各々嵌合され、押しボタン43を押圧することにより、染毛1剤10aと染毛2剤10bは、カバー部材41の吐出口44から外に混合状態で吐出される。
【0041】
図15は、この発明に係る実施例を示す図面であり、本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法により製造された外バメ式耐食性エアゾール容器を、2本組み合わせて製造される2連式耐食性エアゾール容器50を示す実施例である。この2連式耐食性エアゾール容器50は、例えば染毛1剤10aが充填された金属容器16と、染毛剤2剤10bが充填された金属容器16を組み合わせ、カバー部材51に連結されている。すなわち、カバー部材51の連通孔52には、2本の金属容器16のバルブ17のステム17aが各々嵌合され、押しボタン53を押圧することにより、染毛1剤10aと染毛2剤10bは、カバー部材51の吐出口54から外に混合状態で吐出される。
【0042】
図3のネッキングマシン15および図6のネッキングマシン15は、バリアパックタイプの二重エアゾール容器の製造にも用いられる。この場合、内袋2と容器1zとは、耐食性エアゾール容器のように密着度が高くないため、内袋挿入ステーション11aを簡易にしてもよい。つまり、内袋2は容器1zに簡単に自重で入るため、挿入杆やエアーを用いないようにしてもよい。しかし、同様の構造のネッキングマシン15を二重エアゾール容器にも併用することにより設備の節約になる。内袋2は、金属容器の底面に載置した状態で収容するタイプが好ましい。その場合は内袋2の位置決めが容易である。金属容器の上端や括り部に内袋を吊すタイプの内袋の場合は、内袋を位置決めした後、開口部の肩絞り加工を行うか、加工後に内袋を所定の位置まで引き出す。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る耐食性エアゾール容器の製造方法によれば、生産効率が良いだけでなく、挿入時において、内袋が品質低下しないので、アルカリ性又は酸性の内容物を、長時間にわたり充填しても、金属容器内に安定的に保存することができる。したがって、染毛剤、化粧品、食品、接着剤等の内容物を保存する用途の金属容器として、広く利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
A エアー
1 金属容器
1a 開口部
1b 括部
1x 首部
1y 肩部
1z 容器
2 内袋
2a 胴部
2b 底部
2c 肩部
2d 首部
2e 環状凹部
3 挿入杆
4 絞り型
5 ロール
6 バルブ
7 パッキン
8 天板
9 ステム
10 内容物
10a 染毛1剤
10b 染毛2剤
11 往復盤
11a 内袋挿入ステーション
11b ネッキング加工ステーション
11d 貫通穴
12 回転盤
12a 供給ライン
12b 搬出ライン
13 容器ホルダー
14 クランク軸
15 ネッキングマシン
16 金属容器
16a 開口部
17 バルブ
17a ステム
20 内袋挿入装置
21 内袋保持部
22 内袋挿入部
23 容器支持部
24 空気穴
25 ストッパー
25a エアシリンダー
26 内袋挿入機
27 容器保持具
29 内袋支持具
29a 凹部
30 挿入具
31 スターホイル
31a 凹部
32 缶ストッパー
33 カム機構
33a 回転軸
33b 作動軸
33c 溝部
33d 移動子
35 内袋挿入機
36 容器保持具
36a 凹部
37 内袋挿入装置
40 2連式耐食性エアゾール容器
41 カバー部材
42 連通孔
43 押しボタン
44 吐出口
50 2連式耐食性エアゾール容器
51 カバー部材
52 連通孔
53 押しボタン
54 吐出口
55 内袋挿入の専用機
56 内袋誘導装置
57 中心孔
57a 第1テーパー部
57b 第2テーパー部
57c 円筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなり、前記内袋と金属容器との密着度が高く、金属容器と内袋との間にプロペラントが存在しない耐食性エアゾール容器の製造方法であって、
胴部と底部とからなる有底筒状の容器を形成し、
胴部、底部、肩部、首部を備えた合成樹脂性の内袋を形成し、
その容器内に前記内袋を自動的に容器内方向に向かって前後する挿入杆で挿入し、
その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成する、耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項2】
前記内袋を容器内に挿入するとき、内袋は通常の形状を保持しながら挿入する請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項3】
前記内袋を容器内に誘導するために、中心孔が内袋の進行方向に向かって縮径するようにテーパーとなっている円筒状の内袋誘導装置を介して挿入する、請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項4】
前記内袋を、容器と内袋の中心が略一直線上に並ぶように調整する円筒状の内袋保持部内を通らせて容器内に挿入する、請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項5】
前記内袋保持部によって、容器の開口部を支持させ、内袋を内袋保持部内を通らせる、請求項4記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項6】
前記容器の開口部を絞り、首部および/または肩部を備えた金属容器に成形した後、
その金属容器の開口部内にバルブを挿入し、
金属容器先端部をバルブ天面に向かって内側にカシメてバルブを固定する、
請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項7】
前記容器の開口部を絞り、首部および/または肩部を備えた金属容器に成形した後、
その金属容器の開口部内にバルブを挿入し、
さらに上蓋を被せ、
その上蓋の先端部を金属容器の一部にカシメてバルブを固定する、
請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項8】
前記有底筒状の容器内への合成樹脂製の内袋の挿入工程を、容器を内袋挿入の専用機に固定して行い、
前記容器を内袋挿入の専用機からネッキングマシンに移して、
前記容器の開口部を絞る工程を、容器をネッキングマシンに固定して行う、
請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項9】
前記有底筒状の容器内への合成樹脂製の内袋の挿入工程、および、前記容器の開口部を絞る工程を、容器を一台のネッキングマシンに固定して行う、
請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項10】
前記金属容器の首部または肩部外周に、ロールを当接させ、開口部に環状の括部を内袋の外形に合わせて形成する、請求項1記載の耐食性エアゾール容器の製造方法。
【請求項11】
請求項6または7記載の耐食性エアゾール容器の製造方法によって製造された、耐食性エ
アゾール容器。
【請求項12】
請求項11記載の耐食性エアゾール容器を2本組み合わせ、
前記耐食性エアゾール容器の各々のバルブのステムが、カバー部材の連結部に連結された、2連式耐食性エアゾール容器。
【請求項13】
胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなる二重エアゾール容器の製造方法であって、
胴部と底部とからなる有底筒状の容器を形成し、
胴部、底部、肩部、首部を備えた合成樹脂製の内袋を形成し、
その容器内に前記内袋を自動的に容器内に向かって前後する挿入杆で挿入し、
その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成する、二重エアゾール容器の製造方法。
【請求項14】
胴部と、その胴部より縮径された首部および/または肩部とを備えた金属容器と、その内部に挿入される内袋とからなる二重エアゾール容器の製造方法であって、
胴部と底部とからなる有底筒状の容器内に、合成樹脂製の内袋を、内袋を容器内に誘導する内袋誘導装置を介して挿入し、
その後、容器の開口部に絞り金型でネッキング加工を施して、容器の開口部を内袋の開口部の外径に合わせて絞り、首部または肩部を形成する、二重エアゾール容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−67866(P2011−67866A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166355(P2010−166355)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2009−296248(P2009−296248)の分割
【原出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】