説明

耳栓ケース

【課題】水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねることなく、耳栓の紛失を防止することができる耳栓ケースを提供すること。
【解決手段】本発明の耳栓ケース10は、内部に耳栓を収納するための収納部1と、収納部1を覆う蓋部2と、収納部1及び蓋部2に接続され、収納部1に対して蓋部2を開閉可能にするための連結部3A、3Bと、収納部1及び蓋部2の連結部3A、3B以外の部分に設けられ、蓋部2が閉じられたときに蓋部2を収納部1にロックするためのロック部4A、4Bと、収納部1に設けられ、ゴーグルのバンドに脱着可能な取付部5とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水泳で使用される耳栓を収納する耳栓ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
海水浴場やプールなどの場所で泳ぐ場合、耳に水が入ることがある。それを気にする人は耳栓を装着することがある。
【0003】
一方、そのような場所で泳がないときは耳栓を装着する必要がない。あるいは、泳いでいなくても水上で頭を出しているときに会話をするために耳栓を外すこともある。
【0004】
ところが、耳栓を装着しないで手で持っているうちに、どこかに置き忘れてしまったり落としたりしてしまうことがある。その結果、耳栓を紛失してしまう。
【0005】
耳栓を紛失してしまう理由として、泳ぐときは水着姿であるため、上記の場所で泳いでいないときには耳栓の所持に困るからである。耳栓はケースに入れられて販売されていることが多いが、泳ぐときにはケースが邪魔になってしまう。
【0006】
そこで、耳栓を入れるための袋などを水着に縫い付けたり、それを自身に紐などを使って身に付けたりすることにより、耳栓の紛失を防止することができる。しかし、水着を体型に合わせて使用しているにも関わらず、袋のようなものを水着や体に身に付けることは、水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねてしまう。
【0007】
ここで、耳栓ケースに関連する技術を紹介する。
【0008】
非特許文献1には、携帯用耳栓ケースが記載されている。この携帯用耳栓ケースにはストラップなどが通せるリングが設けられている。これにより、耳栓の紛失を防止することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“携帯用耳栓ケース”、[online]、耳せん屋.com、[平成23年2月23日検索]、インターネット<URL:http://mimisen−ya.com/?pid=13198921>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献1に記載された技術では、耳栓ケースにリングが付いているが、そのリングにストラップ、即ち、紐を通すことになる。この場合、紐を水着に縫い付けたり自身に身に付けたりすることになる。そのため、水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねてしまう。
【0011】
従って、本発明の課題は、水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねることなく、耳栓の紛失を防止することができる耳栓ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下に、発明を実施するための形態で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために付加されたものである。
【0013】
本発明の耳栓ケース(10)は、内部に耳栓(21、22)を収納するための収納部(1)と、前記収納部(1)を覆う蓋部(2)と、前記収納部(1)及び前記蓋部(2)に接続され、前記収納部(1)に対して前記蓋部(2)を開閉可能にするための連結部(3A、3B)と、前記収納部(1)及び前記蓋部(2)の前記連結部(3A、3B)以外の部分に設けられ、前記蓋部(2)が閉じられたときに前記蓋部(2)を前記収納部(1)にロックするためのロック部(4A、4B)と、前記収納部(1)に設けられ、ゴーグル(100)のバンド(103)に脱着可能な取付部(5)とを具備している。
【0014】
本発明の耳栓ケース(10)において、前記取付部(5)は、突起部(5A)と、前記収納部(1)の底面部に対面して設けられ、一端に前記突起部(5A)が接続されたバンド支持部(5B)と、前記収納部(1)の底面部に対して垂直に設けられ、一端が前記バンド支持部(5B)の他端に接続され、他端が前記収納部(1)の底面部に接続された取付支持部(5C)とを有している。前記バンド支持部(5B)と前記収納部(1)の底面部との距離は、前記ゴーグル(100)の前記バンド(103)の厚みに対応し、前記バンド支持部(5B)の長さは、前記バンド(103)の幅に対応している。前記突起部(5A)と前記収納部(1)の底面部との距離は、前記バンド支持部(5B)と前記収納部(1)の底面部との距離よりも短い。
【0015】
本発明の耳栓ケース(10)において、前記収納部(1)及び前記蓋部(2)には、水上で前記収納部(1)内の水を流し落とすための貫通孔(6、7、8)が設けられている。
【0016】
本発明の耳栓ケース(10)において、前記バンド支持部(5B)は、互いに離れて前記収納部(1)の底面部に対面して複数設けられている。前記収納部(1)の底面部の前記突起部(5A)と前記バンド支持部(5B)とに対面する部分には、前記貫通孔として、利用者が前記バンド(103)を前記突起部(5A)と前記収納部(1)の底面部との間から前記バンド支持部(5B)と前記収納部(1)の底面部との間にスライドさせて誘導するためのスライド誘導用貫通孔(8)が設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、耳栓ケース(10)に取付部(5)を設けていることにより、耳栓ケース(10)をゴーグル(100)のバンド(103)に脱着可能であり、水着に縫い付けたり自身に身に付けたりする必要はない。これにより、本発明は、耳栓ケース(10)をゴーグル(100)のバンド(103)に装着することにより、水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねることなく、耳栓(21、22)の紛失を防止することができる。
【0018】
また、本発明によれば、耳栓ケース(10)をゴーグル(100)のバンド(103)に脱着可能であるため、利用者が耳栓(21、22)を耳栓ケース(10)に収納した状態で、耳栓ケース(10)をゴーグル(100)に取り付けたまま、移動することができる。
【0019】
また、本発明によれば、耳栓ケース(10)に貫通孔(6〜8)を設けていることにより、利用者が泳いだ後に水上で収納部(1)内の水を流し落とすことができる。
【0020】
また、本発明によれば、耳栓ケース(10)を水着に縫い付けたり自身に身に付けたりする必要はない上に、耳栓ケース(10)に貫通孔(6〜8)を設けていることにより、利用者が泳ぐときに水の抵抗を受けにくい。
【0021】
本発明によれば、耳栓ケース(10)に取付部(5)とスライド誘導用貫通孔(8)とを設けていることにより、ゴーグル(100)のバンド(103)を耳栓ケース(10)にスライドさせて脱着することができる。これにより、本発明は、耳栓ケース(10)をゴーグル(100)のバンド(103)に容易に脱着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の実施形態による耳栓ケース10とそれに使用されるゴーグル100を示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、本発明の実施形態による耳栓ケース10の構成を示し、蓋部2が閉じられた状態を示す正面図である。
【図2B】図2Bは、図2AをA方向からみたときの側面図である。
【図2C】図2Cは、本発明の実施形態による耳栓ケース10の構成を示し、蓋部2が閉じられた状態を示す上面図である。
【図2D】図2Dは、本発明の実施形態による耳栓ケース10の構成を示し、蓋部2が閉じられた状態を示す底面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態による耳栓ケース10の構成を示し、蓋部2が開けられた状態を示す上面図である。
【図3B】図3Bは、図3AをA方向からみたときの側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の実施形態による耳栓ケース10をゴーグル100に脱着するときの側面図である。
【図4B】図4Bは、本発明の実施形態による耳栓ケース10をゴーグル100に脱着するときの側面図である。
【図4C】図4Cは、本発明の実施形態による耳栓ケース10をゴーグル100に脱着するときの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施形態による耳栓ケースについて詳細に説明する。
【0024】
図1に示されるように、本発明の耳栓ケース10は、水泳用のゴーグル100に使用される。
【0025】
そのゴーグル100は、左右のレンズを有するレンズ部101、102と、バンド103とを備えている。
【0026】
レンズ部101、102は、利用者が水中で目視可能であり、利用者の目を水から保護するために用いられる。
【0027】
バンド103は、レンズ部101、102を固定している。また、バンド103は、利用者の頭に装着できるように、例えば、ゴムのような伸び縮み自在な材料が用いられている。
【0028】
耳栓ケース10は樹脂又はゴムにより形成されている。
【0029】
図2A〜2D、3A、3Bに示されるように、耳栓ケース10は、収納部1と、蓋部2と、連結部3A、3Bと、ロック部4A、4Bと、取付部5とを具備している。
【0030】
収納部1は、図2A〜2Dに示されるように、底面部と底面部に接続された側面部とを有している。この構成により、収納部1は、図3A、3Bに示されるように、内部に耳栓21、22を収納可能である。
【0031】
蓋部2は、図2A〜2Dに示されるように、底面部と底面部に接続された側面部とを有している。この構成により、蓋部2は、耳栓21、22と共に、収納部1を覆うことができる。
【0032】
連結部3A、3Bは、図2B〜2D、3A、3Bに示されるように、収納部1の側面部及び蓋部2の側面部に接続され、収納部1に対して蓋部2を開閉可能にする。
【0033】
連結部3A、3Bは、例えば、折り畳み携帯電話機で用いられるようなヒンジ構造である。具体的には、連結部3Bは、収納部1の側面部に接続され、連結部3Aは、蓋部2の側面部に接続されている。連結部3A、3Bは軸線により連結され、連結部3Aは連結部3Bを軸にして回転する。
【0034】
しかし、ヒンジ構造に限らず、収納部1に対して蓋部2を開閉可能にすることができれば、どのような構造でもよい。
【0035】
ロック部4A、4Bは、図2A〜2D、3A、3Bに示されるように、収納部1及び蓋部2の側面部の連結部3が接続された部分以外の部分に設けられ、蓋部2が閉じられたときに蓋部2を収納部1にロックする。
【0036】
具体的には、ロック部4Aは、収納部1の側面部の連結部3が接続された面に接しない面に設けられた突起形状である。ロック部4Bは、蓋部2の側面部の連結部3が接続された面に接しない面に設けられ、ロック部4Aを引っ掛けて蓋部2を収納部1にロックするための開口部が設けられている。
【0037】
しかし、これに限定されず、ボタン形状でもよく、蓋部2が閉じられたときに蓋部2を収納部1にロックすることができれば、連結部3A、3Bはどのような構造でもよい。
【0038】
取付部5は、収納部1の底面部に設けられ、ゴーグル100のバンド103に脱着可能である。例えば、取付部5は、図2A、2B、2D、3Bに示されるように、収納部1の底面部の中央部分に設けられている。
【0039】
具体的には、取付部5は、突起部5Aと2つのバンド支持部5Bと取付支持部5Cとを有している。2つのバンド支持部5Bは、互いに離れて収納部1の底面部に対面して設けられ、一端に突起部5Aが接続されている。支持部5Cは、収納部1の底面部に対して垂直に設けられ、一端が2つのバンド支持部5Bの他端に接続され、他端が収納部1の底面部に接続されている。
【0040】
2つのバンド支持部5Bと収納部1の底面部との距離は、ゴーグル100のバンド103の厚みに対応し、2つのバンド支持部5Bの各々の長さは、バンド103の幅に対応している。突起部5Aと収納部1の底面部との距離は、2つのバンド支持部5Bと収納部1の底面部との距離よりも短い。
【0041】
収納部1及び蓋部2には、水上で収納部1内の水を流し落とすための貫通孔が設けられている。例えば、蓋部2には、第1の貫通孔6が設けられ、収納部1には、第2の貫通孔7と第3の貫通孔8とが設けられている。
【0042】
具体的には、図2A〜2C、3A、3Bに示されるように、蓋部2の底面部には、第1の貫通孔6が複数設けられている。図2D、3Aに示されるように、収納部1の底面部の取付部5の2つのバンド支持部5Bに対面しない部分には、第2の貫通孔7が複数設けられている。収納部1の底面部の突起部5Aと2つのバンド支持部5Bとに対面する部分には、第3の貫通孔8が設けられている。
【0043】
突起部5Aと収納部1の底面部との距離がバンド103の厚みよりも短いにも関わらず、収納部1の底面部に第3の貫通孔8が設けられていることにより、図4A、4B、4Cに示されるように、利用者がバンド103を、突起部5Aと収納部1の底面部との間から、2つのバンド支持部5Bと収納部1の底面部との間にスライドさせて誘導することができる。同様に、図4C、4B、4Aに示されるように、利用者がバンド103を、2つのバンド支持部5Bと収納部1の底面部との間から、突起部5Aと収納部1の底面部との間にスライドさせて誘導することができる。
【0044】
また、収納部1の底面部に貫通孔8が設けられているにも関わらず、収納部1の底面部の2つのバンド支持部5B間の部分が設けられていることにより、図1、4A〜4Cに示されるように、利用者がバンド103を2つのバンド支持部5Bと収納部1の底面部との間に誘導したときに、収納部1の底面部の2つのバンド支持部5B間の部分と、突起部5Aと、取付支持部5Cとがバンド103を固定することができる。
【0045】
しかし、これに限定されず、ゴーグル100のバンド103に脱着可能であれば、取付部5はどのような構造でもよい。
【0046】
本発明の実施形態による耳栓ケース10の効果について説明する。
【0047】
本発明によれば、耳栓ケース10に取付部5を設けていることにより、耳栓ケース10をゴーグル100のバンド103に脱着可能であり、水着に縫い付けたり自身に身に付けたりする必要はない。これにより、本発明は、耳栓ケース10をゴーグル100のバンド103に装着することにより、水着のデザイン性や利用者の容姿を損ねることなく、耳栓21、22の紛失を防止することができる。
【0048】
また、本発明によれば、耳栓ケース10をゴーグル100のバンド103に脱着可能であるため、利用者が耳栓21、22を耳栓ケース10に収納した状態で、耳栓ケース10をゴーグル100に取り付けたまま、移動することができる。
【0049】
また、本発明によれば、耳栓ケース10に第1〜3の貫通孔6〜8を設けていることにより、利用者が泳いだ後に水上で収納部1内の水を流し落とすことができる。
【0050】
また、本発明によれば、耳栓ケース10を水着に縫い付けたり自身に身に付けたりする必要はない上に、耳栓ケース10に第1〜3の貫通孔6〜8を設けていることにより、利用者が泳ぐときに水の抵抗を受けにくい。
【0051】
本発明によれば、耳栓ケース10に取付部5と第3の貫通孔8とを設けていることにより、ゴーグル100のバンド103を耳栓ケース10にスライドさせて脱着することができる。これにより、本発明は、耳栓ケース10をゴーグル100のバンド103に容易に脱着することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 収納部、
2 蓋部、
3A、3B 連結部、
4A、4B ロック部、
5 取付部、
5A 突起部、
5B バンド支持部、
5C 取付支持部、
6 第1の貫通孔、
7 第2の貫通孔、
8 第3の貫通孔、
10 耳栓ケース、
21、22 耳栓、
100 ゴーグル、
101、102 レンズ部、
103 バンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に耳栓を収納するための収納部と、
前記収納部を覆う蓋部と、
前記収納部及び前記蓋部に接続され、前記収納部に対して前記蓋部を開閉可能にするための連結部と、
前記収納部及び前記蓋部の前記連結部以外の部分に設けられ、前記蓋部が閉じられたときに前記蓋部を前記収納部にロックするためのロック部と、
前記収納部に設けられ、ゴーグルのバンドに脱着可能な取付部と
を具備する耳栓ケース。
【請求項2】
前記取付部は、
突起部と、
前記収納部の底面部に対面して設けられ、一端に前記突起部が接続されたバンド支持部と、
前記収納部の底面部に対して垂直に設けられ、一端が前記バンド支持部の他端に接続され、他端が前記収納部の底面部に接続された取付支持部と
を有し、
前記バンド支持部と前記収納部の底面部との距離は、前記ゴーグルの前記バンドの厚みに対応し、前記バンド支持部の長さは、前記バンドの幅に対応し、
前記突起部と前記収納部の底面部との距離は、前記バンド支持部と前記収納部の底面部との距離よりも短い
請求項1に記載の耳栓ケース。
【請求項3】
前記収納部及び前記蓋部には、水上で前記収納部内の水を流し落とすための貫通孔が設けられている
請求項2に記載の耳栓ケース。
【請求項4】
前記バンド支持部は、互いに離れて前記収納部の底面部に対面して複数設けられ、
前記収納部の底面部の前記突起部と前記バンド支持部とに対面する部分には、前記貫通孔として、利用者が前記バンドを前記突起部と前記収納部の底面部との間から前記バンド支持部と前記収納部の底面部との間にスライドさせて誘導するためのスライド誘導用貫通孔が設けられている
請求項3に記載の耳栓ケース。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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