説明

職人が巧みに作ったような外見を示す、押出しされた多相棒状体、製造方法、および使用方法

【課題】職人が巧みに作ったような外見を有する、多相の身体洗浄用棒状体を提供する。
【解決手段】このような棒状体において、不連続相の硬度は、連続相の硬度の2倍超である。高処理能力押出し方法によるこれらの製造方法(例えば少なくとも約200バール/分、好ましくは300バール/分を超える)であって、これらの棒状体は、クレンジングベースを含有する連続相中に分散された、その最大寸法約3から約75mmを有する不連続相を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、職人が巧みに作ったような外見を有する、多相の身体洗浄用棒状体、および高処理能力押出し方法によるこれらの製造方法であって、日常使用に適した方法に関する。これらの棒状体は、クレンジングベースを含有する連続相中に分散された、その最大寸法約3から約75mmを有する不連続相を含んでいる。
【0002】
確実にこの連続相の硬度をある範囲内に入れ、特定温度において測定された2つの相の硬度の比を臨界値よりも大きくすることによって、視覚弁別パネル試験によって測定された場合、この棒状体の表面において空間的に識別可能な区域を維持しつつ、この組成物を高速で(例えば少なくとも約200バール/分、好ましくは300バール/分を超えて)押出すことが可能である。これらの制約に合わせるために、これらの相のレオロジーを変更するために用いることができる可塑剤および硬化剤も記載される。
【0003】
本発明はまた、様々な皮膚栄養素、皮膚コンディショナー、および/または皮膚効果剤を含んでいる、記載されているような棒状体を用いた、皮膚のクレンジング、保湿、および/またはリフレッシング方法にも関する。
【0004】
多色または多相石鹸は、まだら、大理石模様、線入り、およびストライプを包含する様々な用語によって記載されてきた。先行技術は主として、多重相を含んでいるように見える棒状体の主要な発生手段として、染料または顔料濃度における空間的バリエーションを再現可能に達成する経路に焦点を当ててきた。
【0005】
このような棒状体の商業的開発において早期に認識された重要な技術的問題は、一貫性のあるパターン、特に棒状体表面における異なる色彩間の明確な対比を有する効率的製造、および保存および使用中の亀裂、ひびわれ、および色彩移動(「ブリード」)の除去であった。商業的方法および機械は今や、非常に一貫性のある外見を有する多色石鹸の製造に利用できる。
【0006】
先行技術の棒状体の多色性は、これらの棒状体が、異なる成分または機能を有する別個の相を含むという印象を与える。しかしながら、当分野において開示され、大量市場において販売されている多色棒状体の大多数は、事実上均質な組成を有し、着色剤におけるグラディエント以外の異なる特性をほとんど有していない。棒状体の製造の間の不完全な混合が、本質的にこれらの染料グラディエントを生じる。
【0007】
専門的石鹸市場の再興によって、消費者には、はるかに多くのハンドクラフト様の(すなわち「職人が巧みに作った」)「ユニークな」外見を有する、多色/多相棒状体が提供されている。技術的にはこのような棒状体は、これらの独特の外見に寄与する少なくとも次の3つの特徴を有する。i)これらの相間の境界の明確さ;ii)色彩を凌ぐ、光学的テクスチャーおよび/またはパターンにおける容易に認識可能な差、およびiii)ある程度の棒状体ごとの不均一性である。光学的テクスチャーおよびパターンにおける差は、この相に関連する感覚的期待の集合を伝えるのに特に重要である。これらの例には、透明性、輝き、およびゲルを伝えるための鋭い縁部;円形の暗いパターン、または果物を伝えるための反復テクスチャーなどが含まれる。
【0008】
職人技のような石鹸は優勢的に、注型溶融プロセス、すなわち単一注型または連続多重注型によって製造されている。これらの注型溶融プロセスは、速度が遅く、労働集約的であるので、職人技のような多相石鹸は、比較的費用がかかり、高級専門店およびアウトレットに限定されている。さらには、注型溶融石鹸は、高い摩耗率およびドロドロになる特徴を有することが公知であり、これによって、これらは日常的な使用にはあまり好ましくなくなる。
【0009】
本発明の1つの目的は、職人が巧みに作ったような外見を有するが、小さい設備の変更を行なうだけで、従来の高速(例えば少なくとも約200バール/分)押出し方法によって生産することができかつ整形を最小限(好ましくはなし)にできる多相石鹸棒状体である。
【0010】
第二の目的は、押出しされた多相石鹸であって、これらの相が明確な境界、光学的テクスチャーおよびパターンにおける認識しうる差、および異なる組成を有する石鹸である。
【0011】
第三の目的は、大量市場に適するようにさせる使用中特性および単価を有する、職人が巧みに作ったような外見を有する多相石鹸である。
【0012】
さらにもう1つの目的は、識別性を伝えるのに適切な棒状体毎の可変性を有する、押出しされた多相石鹸棒状体の生産である。
【0013】
本発明のもう1つの具体的な目的は、このような棒状体の製造方法である。
【0014】
この発明のもう1つの目的は、皮膚栄養素、皮膚コンディショナー、および/または皮膚効果剤を含んでいる本発明の棒状体を用いた、皮膚のクレンジング、保湿、および/またはリフレッシング方法を提供することである。
【0015】
示されるように、これらの目的およびほかの目的は、本発明の教示にしたがうことによって達成することができる。
【0016】
Matthaeiらの米国特許第3,673,294号は、同じ粘度および本質的に同じ硬度(針入度値)を有することが要求される2つのヌードルの混合物を押出すことによって、多色棒状体を形成する方法を教示している。
【0017】
D’Arcangeliの米国特許第3,940,220号は、不連続相が主石鹸よりも柔らかくなること(より低い針入度値)が必要とされる、2つのヌードルの混合物の押出しを教示している。本発明においては、不連続相の方が硬い。
【0018】
Borcherらの米国特許第3,993,722号およびLewisの米国特許第4,092,388号は、大理石模様の石鹸を形成するために、異なる色彩のヌードルを組み合わせる方法を教示している。これら2つのヌードルは本質的に、着色料以外、同じ組成(例えば硬度)を有し、これら2つの異なる色彩のヌードルは本質的に、押出しの時に同じ温度を有する。
【0019】
Oomsらの米国特許第4,310,479号は、少量の不透明なヌードルと透明なヌードルとを組み合わせて、透明な大理石模様の棒状体を形成する方法を教示している。これらのヌードルは、水含量が3%以下しか異なるべきでなく、押出しの間は同じ温度にある。したがって、ヌードルおよび棒状体の硬度はほぼ同じである。
【0020】
Meyersの米国特許第6,390,797号は、特定の時点での最終段階プロッダー(plodder)の内部中への着色石鹸ペレットの第二流の添加による、大理石模様または小さい斑点のある石鹸の製造方法を教示している。これらの2つの相の硬度、またはこれらの必要とされる特性についても、発明の棒状体の製造方法または使用方法についても、言及がない。
【0021】
Grelonの米国特許第3,884,605号は、2つの石鹸が、色彩以外の本質的に同一の材料特性、例えば硬度を有することが望ましい場合、同時押出しによって製造された、線入り石鹸の製造装置について教示している。
【0022】
Coyleらの米国特許第6,383,999号は、これらの相がエモリエントのレベルにおいて異なるが、押出しプロセス条件下に同様な流動特性を有していなければならない、同時押出しされた多相棒状体を教示している。
【0023】
Farrellらの米国特許第5,935,917号、Farrellらの米国特許第5,972,859号、およびHeらの米国特許第5,981,464号は、優勢的にポリエーテルからなり、および乳化効果剤を含有する第二チップと混合された界面活性剤チップからなる棒状組成物について教示している。これらのポリエーテルチップは、設計上脆く、したがって石鹸チップと混合された時に分散する。
【0024】
これらの特許のどれも、設計された多相棒状体の不連続相が、これら2つの相がまず、最終押出し前に接触した時にこの棒状体の連続相になる石鹸塊体の少なくとも2倍硬いものであるべきであることを教示していない。例えば多くの特許は、2段階精製機−プロッダーの真空室において異なる色彩のヌードルの組合わせを教示している。しかしながらこれらの特許のどれも、これらのヌードルが当初組合わされたとき、他方の着色ヌードルの少なくとも2倍硬いものであるべきであることを教示していない。
【0025】
また、当分野はさらに、これらのレオロジー必要条件を満たすことができる適切な可塑剤および硬化剤を教示していない。事実、先行技術の大部分は、着色剤以外均一組成の石鹸を用いて、許容しうる多色石鹸の製造における問題を克服するための技術的方法(装置およびプロセス)を強調している。
【0026】
本発明は、職人が巧みに作ったような外見を有する身体洗浄用多相棒状体であって、押出しの間に過度に変形しないように、確実に不連続相の硬度が連続相よりも十分に大きくなるようにすることによって、高速押出しプロセスにおいて製造することができる棒状体について記載する。
【0027】
より具体的には第一実施態様において、本発明は、
a)最終棒状体組成物の約65から99重量%をカバーし、および皮膚をクレンジングするのに適した界面活性剤ベースの連続相組成物の25から90%を構成する連続固相、
b)最終棒状体組成物の約1から約35%を構成し、および少なくとも1重量%の界面活性剤を含んでいる水溶性または水分散性固体マトリックスを含む不連続相(連続相中に、不連続相の1つまたはそれ以上の「領域」として存在するもの)であって、最長寸法約3から約75mmを有する不連続相
を含み、連続相の硬度が、33から50℃、好ましくは33から42℃の温度において測定されたとき、1.9から2.5バール(1バールは100,000パスカルに等しい)の範囲内にあり;25℃の温度において測定された不連続相の硬度を、33℃の温度において測定された連続相の硬度で割ったものとして規定された比λは、2.0より大きく;前記硬度値が、シリンダー・インパクション・テストによって測定され、
この不連続相が、この棒状体の1から約25重量%を構成し、および
この棒状体は、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有する。
【0028】
上に記載された温度は、押出し時間の間、各相の熱的条件をほぼ反映し、理論によって縛られないが、これらの条件が満たされたとき、不連続相は、せん断下に過度に変形せず、したがって職人技型の棒状体の形成を可能にすると考えられる。
【0029】
本発明の第二実施態様は、押出しによって、職人が巧みに作ったような外見を有する棒状体の製造方法であって、
1)約33から50℃の温度にある化粧室用棒状塊体の連続相を形成するヌードルに、混合物を形成するための、3mm超の少なくとも1つの寸法を有する離散粒子の形態にある第二固体塊体を添加する工程であって、添加のとき、前記第二固体塊体の硬度が、連続相化粧室用棒状塊体を形成するヌードルの硬度の少なくとも2倍であり、前記硬度値が、シリンダー・インパクション・テストによって測定される工程;
2)工程1)においてこのように形成された混合物を押出して、連続化粧室用棒状塊体および第二固体塊体の不連続相を含んでいる、押出しされた複合材料塊体を形成する工程;
3)この押出しされた塊体を棒状体としてカットおよび成形する工程
を含み、この不連続相が、この棒状体の1から約25重量%を構成し、および
この棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有する。
【0030】
第三実施態様において、本発明は、皮膚のクレンジングおよび保湿方法であって、
a)押出しされた多相石鹸棒状体で皮膚を洗浄する工程であって、この棒状体が、記載されているような連続相および不連続相を有し、さらには皮膚栄養分(例えばビタミン、リポソーム)および皮膚コンディショナー(例えばシルクタンパク質)からなる群から選択される皮膚効果剤も含む工程(前記方法はディープクレンジング皮膚効果剤、例えば抗にきび薬、油制御剤、および/または抗菌薬を含んでいる棒状体を用いる工程を含んでいてもよい。);および
b)皮膚を水で濯ぎ洗いする工程
を含む方法を含んでなる。
【0031】
この発明の棒状体は、連続相および不連続相を含んでいる。本発明の決定的側面は、これらの相の硬度が特定の必要条件に合致するということである。第二実施態様において、本発明は、連続相および不連続相固体塊体(硬度の差によって規定される)の調製工程、規定された温度範囲においてミキサー中でともに添加する工程、押出しおよびカットして最終棒状体を形成する工程を含む。これらの棒状体および成分相は、下でより詳細に考察される。
【0032】
連続相は、この棒状組成物の65から約99重量%、好ましくは75から95重量%、最も好ましくは80から90重量%を構成する。重要な必要条件は、下記のシリンダー・インパクション・テストによって測定された硬度が、33から42℃の温度で測定されたとき、1.9から2.5バールの範囲内に入る値を有するということである。連続相の硬度が、この範囲内に入っているとき、高速での押出しによって形成することが可能であることが、経験から発見された。「高速」とは、1分あたり200バーを超えること、好ましくは1分あたり300バー超であることを意味する。
【0033】
連続相は、皮膚を洗浄するのに適した界面活性剤または洗剤ベース、および場合により、そのコンシステンシーを制御するために用いられる可塑剤を含む。
【0034】
同様に、連続相が不連続相によく接着するように、ある程度の可塑性を有することが好ましいことも発見された。テスト方法セクションにおいて記載された3点曲げ試験によって測定された可塑性ゾーンサイズのrは、可塑性または脆性の関連測定値を提供する。連続相は、2.0mm超、好ましくは2.5mm超の可塑性ゾーン半径を有すべきである。可塑性ゾーンサイズの低い方の値は、より脆性である連続相サンプルを表わし、大きい方の値は、より可塑性のサンプルを表わす。
【0035】
連続相の可塑性ゾーン半径が2.0mm超であるとき、連続相と不連続相との間の凝集性棒状体接合部が有利であること、すなわちこれらの棒状体にひびが入らないことが発見された。
【0036】
連続相の主要成分は、皮膚をクレンジングするのに適した界面活性剤ベースである。一般的に界面活性剤ベースは、連続相の25から90重量%、好ましくは50から80重量%を構成する。
【0037】
1つの有用な界面活性剤ベースは、脂肪酸石鹸を含んでいる。「石鹸」という用語は、本明細書において、一般的な意味で用いられている。すなわち、脂肪族、アルカン、またはアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属またはアルカノールアンモニウム塩である。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、モノ−、ジ−、およびトリ−エタノールアンモニウムカチオン、またはこれらの組合わせは、この発明の目的に適している。一般に、ナトリウム石鹸が、この発明の組成物中に用いられるが、石鹸の約1から約25%が、カリウムまたはマグネシウム石鹸であってもよい。本発明において有用な石鹸は、約8から22個の炭素原子、好ましくは約8から約18個の炭素原子を有する、天然または合成脂肪族(アルカン酸(alkanoic acid)またはアルケン酸(alkenoic acid))の周知のアルカリ金属塩である。これらは、約8から約22個の炭素原子を有するアクリル炭化水素のアルカリ金属カルボキシレートとして記載されてもよい。
【0038】
ココナッツ油の脂肪酸分布を有する石鹸は、広い分子量範囲の下端を与えうる。ピーナッツ油または菜種油、またはこれらの水素化誘導体の脂肪酸分布を有するこれらの石鹸は、広い分子量範囲の上端を与えうる。
【0039】
ココナッツ油または獣脂、またはこれらの混合物の脂肪酸分布を有する石鹸を用いることが好ましい。その理由は、これらが比較的容易に入手しうる脂肪に属すからである。ココナッツ油石鹸における少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸の割合は、約85%である。この割合は、ココナッツ油と脂肪、例えば獣脂、パーム油、または非トロピカルナッツ油または脂肪の混合物であって、主鎖長がC16およびそれ以上であるものが用いられるとき、より大きくなるであろう。この発明の組成物への使用に好ましい石鹸は、約12から18個の炭素原子を有する脂肪酸を、少なくとも約85%有する。
【0040】
この石鹸に用いられるココナッツ油は、全部または一部分がほかの「高ラウリン」油、すなわち、総脂肪酸の少なくとも50%が、ラウリン酸またはミリスチン酸およびこれらの混合物から構成されている油または脂肪によって置換されていてもよい。これらの油の例は一般に、ココナッツ油の種類のトロピカルナッツ油である。例えばこれらには、パーム核油、ババス油、オウリクリ(ouricuri)油、ホシダネヤシ油、コフネヤシナッツ油、ムルムル(murumuru)油、ジャボチ(jaboty)核油、ハカン(khakan)核油、ディカ(dika)ナッツ油、およびウクフバ(ucuhuba)バターが含まれる。
【0041】
好ましい石鹸は、約30%から約40%ココナッツ油と約60%から約70%獣脂との混合物である。混合物はまた、より高量の獣脂、例えば15%から20%ココナッツ、および80%から85%獣脂を含有してもよい。
【0042】
これらの石鹸は、商業的に許容しうる標準にしたがって不飽和を含有してもよい。過剰な不飽和は通常、排除される。
【0043】
石鹸は、従来のケトル煮沸方法、または近代の連続石鹸製造方法であって、天然脂肪および油、例えば獣脂またはココナッツ油またはこれらの同等物が、当業者に周知である手順を用いて、アルカリ金属水酸化物で鹸化される方法によって製造することができる。あるいはまた、これらの石鹸は、脂肪酸、例えばラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、またはステアリン酸(C18)を、アルカリ金属水酸化物または炭酸塩で中和することによって製造することもできる。
【0044】
この発明の実施において有用な界面活性剤ベースの第二の型は、非石鹸合成型洗剤−いわゆる合成洗剤ベースを含んでいる。
【0045】
アニオン性界面活性剤は例えば、脂肪族スルホネート、例えば第一アルカン(例えばC〜C22)スルホネート、第一アルカン(例えばC〜C22)ジスルホネート、C〜C22アルケンスルホネート、C〜C22ヒドロキシアルカンスルホネート、またはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);または芳香族スルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートであってもよい。
【0046】
アニオン性物質(anionic)はまた、アルキルスルフェート(例えばC12〜C18アルキルスルフェート)またはアルキルエーテルスルフェート(アルキルグリセリルエーテルスルフェートを包含する)であってもよい。アルキルエーテルスルフェートの中には、式:
RO(CHCHO)SO
(式中、Rは、8から18個の炭素、好ましくは12から18個の炭素を有するアルキルまたはアルケニルであり、nは、1.0超、好ましくは2から3の平均値を有し;Mは、可溶化性カチオン、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、または置換アンモニウムである。アンモニウムおよびナトリウムラウリルエーテルスルフェートが好ましい)
を有するものが含まれる。
【0047】
アニオン性物質はまた、アルキルスルホスクシネート(モノ−およびジアルキル、例えばC〜C22スルホスクシネートを包含する);アルキルおよびアシルタウレート、アルキルおよびアシルサルコシネート、スルホアセテート、C〜C22アルキルホスフェートおよびホスフェート、アルキルホスフェートエステルおよびアルコキシルアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、C〜C22モノアルキルスクシネートおよびマレエート、スルホアセテート、およびアシルイセチオネートであってもよい。
【0048】
スルホスクシネートは、式:
CCHCH(SOM)CO
を有するモノアルキルスルホスクシネート、式:
CONHCHCHCCHCH(SOM)CO
(式中、Rが、C〜C22アルキルであり、Mが可溶化性カチオンである)
のアミド−MEAスルホスクシネート;および式:
RCONH(CH)CH(CH)(SOM)CO
(式中、Mは、上記と同じである)
のアミド−MIPAスルホスクシネートであってもよい。
【0049】
同様に、アルコキシル化スルホスクシネート(式中、n=1から20であり;Mは上記と同じである)も含まれる。
【0050】
サルコシネートは一般に、式:
RCON(CH)CHCO
(式中、RがC〜C20アルキルであり、Mが可溶化性カチオンである)によって示される。
【0051】
タウレートは一般に、式:
CONRCHCHSO
(式中、Rが、C〜C20アルキルであり、Rが、C〜Cアルキルであり、Mが可溶化性カチオンである)によって同定される。
【0052】
別の種類のアニオン性物質は、次のようなカルボキシレート:
R−(CHCHO)CO
(式中、RがC〜C20アルキルであり;nが0から20であり;Mは上記と同じである)である。
【0053】
用いることができるもう1つのカルボキシレートは、アミドアルキルポリペプチドカルボキシレート、例えばセピック(Seppic)によるモンテイン(Monteine)LCQ(登録商標)である。
【0054】
用いることができる別の界面活性剤は、C〜C18アシルイセチオネートである。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオネートと、6から18個の炭素原子、および20未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との間の反応によって調製される。混合脂肪酸の少なくとも75%は、12から18個の炭素原子を有し、25%までが6から10個の炭素原子を有する。
【0055】
アシルイセチオネートが存在するとき、これは一般に、総組成物の約0.5から15重量%であろう。好ましくはこの成分は、約1%から約10%存在する。
【0056】
アシルイセチオネートは、Ilardiらの米国特許第5,393,466号に記載されているようなアルコキシル化イセチオネートであってもよく、この特許は本明細書中に参考として援用されている。
【0057】
用いることができる別の界面活性剤は、C〜C22中和脂肪酸(石鹸)である。好ましくは、用いられる石鹸は、直鎖飽和C12〜C18中和脂肪酸である。
【0058】
一般に、アニオン性成分は、この組成物の約1から20重量%、好ましくは2から15%、最も好ましくはこの組成物の5から12重量%を構成する。
【0059】
双性イオン性界面活性剤の例は、次のものである。すなわち、脂肪族基が直鎖または分岐鎖であってもよく、および脂肪族置換基の1つが約8から約18個の炭素原子を含有し、1つが、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを含有する、脂肪族第四アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体として大雑把に記載することができるものである。これらの化合物の一般式は、
【0060】
【化1】

(式中、Rが、約8から約18個の炭素原子、0から約10個の酸化エチレン部分、および0から約1個のグリセリル部分のアルキル、アルケニル、またはヒドロキシアルキル基を含有し;Yは、窒素、リン、および硫黄原子からなる群から選択され;Rは、約1から約3個の炭素原子を含有するアルキルまたはモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yが硫黄原子である時は1であり、Yが窒素またはリン原子である時は2であり;Rは、約1から約4個の炭素原子のアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり;Zは、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、およびホスフェート基からなる群から選択される基である)である。
【0061】
このような界面活性剤の例には、次のものが含まれる。
【0062】
4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−オクタデシルアンモニオ]−ブタン−1−カルボキシレート;
5−[S−3−ヒドロキシプロピル−S−ヘキサデシルスルホニオ]−3−ヒドロキシペンタン−1−スルフェート;
3−[P,P−ジエチル−P−3,6,9−トリオキサテトラデキソシルホスホニオ]−2−ヒドロキシプロパン−1−ホスフェート;
3−[N,N−ジプロピル−N−3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルアンモニオ]−プロパン−1−ホスホネート;
3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート;
3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロパン−1−スルホネート;
4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロキシドデシル)アンモニオ]−ブタン−1−カルボキシレート;
3−[S−エチル−S−(3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル)スルホニオ]−プロパン−1−ホスフェート;
3−[P,P−ジメチル−P−ドデシルホスホニオ]−プロパン−1−ホスホネート;および
5−[N,N−ジ(3−ヒドロキシプロピル)−N−ヘキサデシルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−ペンタン−1−スルフェート。
【0063】
この発明に用いることができる両性洗剤は、少なくとも1つの酸基を含んでいる。これは、カルボン酸基またはスルホン酸基であってもよい。これらは第四級窒素を含み、したがって第四級アミド酸である。これらは一般に、7から18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニル基を含むべきである。これらは通常、全体的な構造式:
【0064】
【化2】

(式中、Rは、7から18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり;
およびRは各々独立して、1から3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル、またはカルボキシアルキルであり、
nは2から4であり、
mは0から1であり、
xは、場合によりヒドロキシルで置換された1から3個の炭素原子のアルキレンであり、
Yは、−CO−または−SO−である)
にしたがう。
【0065】
上記一般式中の適切な両性洗剤には、式:
【0066】
【化3】

の単純ベタイン、および式:
【0067】
【化4】

(式中、mは2または3である)
のアミドベタインが含まれる。
【0068】
どちらの式においても、R、R、およびRは、既に規定されているものと同じである。Rは特に、ココナッツに由来するC12アルキル基とC14アルキル基との混合物であってもよく、したがってこれらの基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも3/4は、10から14個の炭素原子を有する。RおよびRは、好ましくはメチルである。
【0069】
もう1つの可能性は、両性洗剤が、式:
【0070】
【化5】

または
【0071】
【化6】

(式中、mは2または3であるか、または−(CHSOが、
【0072】
【化7】

によって置換されている、これらのものの変形例である)のスルホベタインである。
【0073】
これらの式において、R、R、およびRは、既に規定されているものと同じである。
【0074】
アンフォアセテートおよびジアンフォアセテートもまた、用いることができる可能な双性および/または両性化合物に包含されるものとする。
【0075】
両性/双性界面活性剤は、用いられる場合は一般に、この組成物の0から25重量%、好ましくは0.1から20重量%、より好ましくは5から15%である。
【0076】
1つまたはそれ以上のアニオン性および任意の両性および/または双性に加えて、この界面活性剤系は場合により、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0077】
用いることができる非イオン性物質には、特に、疎水基および反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド、またはアルキルフェノールと、酸化アルキレン、特に単独でのまたは酸化プロピレンをともなう酸化エチレンとの反応生成物が含まれる。具体的な非イオン性洗剤化合物は、アルキル(C〜C22)フェノール−酸化エチレン縮合物、脂肪族(C〜C18)第一または第二線状または枝分かれアルコールと酸化エチレンとの縮合生成物、および酸化プロピレンとエチレンジアミンとの反応生成物と、酸化エチレンとの縮合によって製造された生成物である。ほかのいわゆる非イオン性洗剤化合物には、長鎖第三アミン酸化物、長鎖第三ホスフィン酸化物、およびジアルキルスルホキシドが含まれる。
【0078】
非イオン性物質はまた、糖アミド、例えば多糖類アミドであってもよい。具体的にはこの界面活性剤は、Auらの米国特許第5,389,279号(この特許は本明細書中に参考として援用されている)に記載されているラクトビオナミドの1つであってもよく、またはこれは、Kelkenbergの特許第5,009,814号に記載されている糖アミドの1つであってもよい。この特許は、本明細書中に参考として援用されている。
【0079】
用いることができるほかの界面活性剤は、Parran Jr.の米国特許第3,723,325号に記載されており、Llenadoの米国特許第4,565,647号に開示されているアルキル多糖類非イオン性界面活性剤もこれに含まれる。これらの特許のどちらも同様に、本明細書中に参考として援用されている。
【0080】
好ましいアルキル多糖類は、式:
O(C2nO)(グリコシル)
(式中、Rは、アルキル基が約10から約18個、好ましくは約12から約14個の炭素原子を含有するアルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、およびこれらの混合物からなる群から選択され;nは、0から3、好ましくは2であり;tは0から約10、好ましくは0であり;xは1.3から約10、好ましくは1.3から約2.7である)のアルキルポリグリコシドである。グリコシルは好ましくは、グルコースに由来する。これらの化合物を調製するために、アルコールまたはアルキルポリエトキシアルコールがまず最初に形成され、ついでグルコースまたはグルコース源と反応させて、グルコシドが形成される(1位における結合)。ついで追加のグリコシル単位を、これらの1位と、先行グリコシル単位2−、3−、4−、および/または6位間に、好ましくは優勢的に2位に結合させることができる。
【0081】
カチオン性洗剤の例は、第四アンモニウム化合物、例えばアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物である。
【0082】
用いることができるほかの界面活性剤は、Parran Jr.の米国特許第3,723,325号、およびSchwartz、Perry & Berchによる「界面活性剤および洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第IおよびII巻)に記載されている。これらの文献のどちらも、本明細書中に参考として援用されている。
【0083】
界面活性剤は、純粋な石鹸ベースまたは純粋な合成洗剤ベースであってもよいが、石鹸と合成洗剤との組合わせを用いることが好ましい場合もある。組合わせベースの例は、Caswellらの米国特許第4,695,395号に開示されている。
【0084】
例えば、石鹸の場合は、脂肪負荷(fat charge)の滴定量(軟化)または水含量を調節することによって、その硬度が要求された範囲内に入るように界面活性剤ベースをテーラーメードすることも、おそらく可能である。しかしながら、このことは多くの場合、ユーザーの特性と妥協し、コストに衝撃を与えることがある。したがって連続相の非常に有用な第二成分が、可塑剤である。ここにおいて本発明者らは、可塑剤を、特に、多相棒状体が押出され、打ち抜き(stamp)される温度において、連続相の硬度およびコンシステンシー(例えば可塑性半径)の両方を変えることができる材料として規定する。
【0085】
理論によって縛られることなく、これらの材料は、最終押出しおよび圧縮の間に、分散相の周りで連続半固体塊体の流れを容易にすると考えられ、したがってこれらの相間の強い結合が形成される。これらの作用物質はまた、使用中に亀裂またはピッティングを生じることがある、これら2つの相の脱接着(debonding)を減少させるのを補助する。
【0086】
多様な材料を可塑剤として用いることができる。重要な特性は、連続相塊体が不連続相と組合わされたとき、これらが連続相塊体のコンシステンシーを変えるということである。
【0087】
油は、特に有用な可塑剤である。1つの有用な油の種類は、エステル油;分子中に少なくとも1つのエステル基を有する油、特に脂肪酸モノおよびポリエステル、例えばセチルオクタノエート、オクチルイソナノアネート(isonanoanate)、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルアジペート、ブチルステアレート、デシルオレエート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテート、アルキルシトレートおよびアルキルタルトレート;スクロースエステル、ソルビトールエステルなどである。
【0088】
トリグリセリドおよび変性トリグリセリドが、特に有用なエステル油である。これらには、植物油、例えばホホバ油、大豆油、キャノーラ油、ひまわり油、パーム油、サフラワー油、米糠油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、ひまし油、ココナッツ油、およびミンク油が含まれる。これらの油はまた、不飽和を除去して、融点を変え、また硬化させることもできる。合成トリグリセリドも用いることができる。いくつかの変性トリグリセリドには、例えばエトキシル化およびマレエート化トリグリセリド誘導体などの材料が含まれる。自社独自のエステルブレンド、例えばFinetexによってフィンソルブ(Finsolv)(登録商標)として販売されているものも、エチルヘキサン酸グリセリドのように適切である。
【0089】
もう1つの型の有用なエステル油は、ジカルボン酸とジオールとの反応から形成された液体ポリエステルである。本発明に適したポリエステルの一例は、商品名ピュアシンエステル(PURESYN ESTER)(登録商標)としてエクソンモービル(ExxonMobil)より販売されているポリエステルである。
【0090】
本発明への使用に適した第二の種類の油は、炭化水素油である。これらには、線状および枝分かれ油、例えば液体パラフィン、スクアレン、スクアラン、鉱油、低粘度合成炭化水素、例えば商品名ピュアシンパオ(PureSyn PAO)(登録商標)としてエクソンモービルから販売されているポリアルファオレフィン、および商品名パナレイン(PANALANE)(登録商標)またはインドポール(INDOPOL)(登録商標)としてのポリブテンが含まれる。高度に枝分かれした炭化水素油もまた適切であろう。より適切にはグリースとして分類されるが、ペトロラタムもまた、有用な可塑剤として用いうる。
【0091】
適正な融点、および連続相との可溶特性を有するならば、可塑剤(plasticer)として用いることができる天然および合成ワックスもある。
【0092】
可塑剤として機能しうる第三の型の材料は、C〜C22脂肪酸、好ましくはC12〜C18の、好ましくは飽和直鎖脂肪酸である。しかしながら、いくつかの不飽和脂肪酸も用いることができる。当然ながら、遊離脂肪酸は、より短い(例えばC10〜C14)鎖の脂肪酸とより長い(例えばC16〜C18)鎖の脂肪酸との混合物であってもよい。ただし、長い方の鎖の脂肪酸が、短い方の鎖の脂肪酸よりも優勢であることが好ましい。
【0093】
脂肪酸は、直接組み込むこともでき、またはプロトン酸の添加によって現場で発生させることもできる。適切なプロトン酸の例には、HCL、アジピン酸、クエン酸、グリコール酸、酢酸、蟻酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、およびポリアクリル酸が含まれる。ほかのプロトン酸は、鉱酸、例えば塩酸、リン酸、硫酸などである。
【0094】
非イオン性界面活性剤はまた、連続相のための可塑剤として用いることもできる。本発明の状況における非イオン性界面活性剤は、極性基が装入されていない両親媒性材料である。適切な非イオン性界面活性剤の例には、長鎖(12から22個の炭素原子)脂肪アルコール(エーテルエトキシレート)および脂肪酸のエトキシレート(6から25モルの酸化エチレン);アルキルポリヒドロキシアミド、例えばアルキルグルカミド;アルキルポリグリコシド;脂肪酸とポリヒドロキシ化合物、例えばグリセロールおよびソルビトールとのエステル;エトキシル化モノ−、ジ−、およびトリグリセリド、特により低い融点を有するもの;および脂肪アミドが含まれる。
【0095】
有機塩基、特にアルコキシアミン、例えばトリエタノールアミンもまたは、界面活性剤ベースが石鹸であるとき、有用な可塑剤である。
【0096】
硬度の調節に加えて、可塑剤はまた、このプロセスにおける押出しおよび圧縮工程において、連続塊体のコンシステンシーを低下させるのを補助し、これによって不連続相への接着、ならびに表面における不連続相の周りの流れを改良する。
【0097】
不連続相は、この棒状体の1%から約35%、好ましくは5%から25%、最も好ましくは10%から20%を構成する。この棒状体に、職人が巧みに作ったような品質を与えるのは、一般にこの不連続相の形状、分布、および表面品質(例えばどのように視覚的に識別的であるか)である。
【0098】
不連続相は、この棒状体中に離散領域を形成し、水溶性または水分散性マトリックス、および場合によっては硬化剤を含んでいる。水溶性または水分散性とは、このマトリックスが、使用中、水の存在下に皮膚に対してこすられたとき、分解して分散する能力を意味する。
【0099】
この特性の便利な尺度は、テスト方法セクションに記載されているように、マトリックス材料が、制御された摩擦(rubbing)条件下に示す固有摩耗率(intrinsic wear rate)である。適切なマトリックスは、制御された摩擦テストによって測定されたとき、0.012から0.05g/cm、好ましくは0.02から0.03g/cmの固有摩耗率を有すべきである。したがって例えば、ポリエチレンなどの材料は、マトリックスの成分として、例えば小さいビーズとして用いることができるであろうが、マトリックスとしてはそれ自体適切でない。その理由は、この固有摩耗率が本質的にゼロだからである。
【0100】
不連続相領域は、多様な形状を有しうる。例えばこれらの領域は、横断面が扁球または扁長球、ディスク、円柱、プリズム、菱形、立方体、または三日月形に近いように見える。これらはまた、不規則な形状を有していてもよい。しかしながら、一体化的特徴は、これらの最長寸法が、長さ約3から約75ミリメートル、好ましくは5から50、最も好ましくは5から35ミリメートルであることである。
【0101】
重要な必要条件は、
λ=25℃における不連続相の硬度/33℃における連続相の硬度
として規定された比λが、2.0超であり、好ましくは2.5超であり、最も好ましくは3.0超であるということである。ここで、硬度は、下記のテスト方法セクションに記載されているシリンダー・インパクション・テストによって測定される。
【0102】
石鹸のような材料の硬度を測定するためのいくつかの方法は、当分野において公知である。シリンダー・インパクション・テストは、製造の状況における便利な尺度である。しかしながら、方法セクションに記載されている針入度計テストなどのほかの尺度も用いることができ、これらの値をシリンダー・インパクション・テストと相関させることができる。重要な点は、これらがまず棒状体の製造の間接触させられるとき、それぞれの相の各々の温度に近い温度において測定された2つの相の硬度比が、2超であるということである。例えば、不連続相粒子と連続相石鹸塊体のヌードルが、最終押出し前に2段階プロッダーの真空室において組合わされるならば、これら2つの相の硬度は、少なくとも係数2だけ異なるべきである。
【0103】
この必要条件が満たされたとき、不連続相は、高速押出しの間に十分に硬い固体として添加することができ、したがってこれは過剰な変形および均一化を受けないことが発見された。同様に、λ>2.0というこの必要条件もまた、不連続相が、打ち抜き後に、無駄の多いトリミングの必要もなく、棒状体の表面において際立っているのを補助する。
【0104】
この組成物はまた、水溶性または水分散性マトリックスを含んでいてもよい。
【0105】
不連続相の重要成分は、室温で固体の界面活性剤である。界面活性剤は、連続相に関連して上記されたもののいずれであってもよい。界面活性剤は、不連続相中に、1から約85重量%、好ましくは30から75重量%、より好ましくは50から75%のレベルで存在してもよい。
【0106】
多くの界面活性剤が、分散相マトリックスの成分として適切であり、上記のように、連続相について上記されたような界面活性剤の大部分を、ここでも同様に用いることができる。
【0107】
特に有用なマトリックス界面活性剤は、長鎖(C10〜C18)脂肪酸のナトリウム、カリウム、およびトリエタノールアミン石鹸、アシルイセチオネート、特にココイルイセチオネート、アルキルタウレート、アルキルスルフェート(suflate)およびスルホネート、アルキルエトキシスルフェート、長鎖アルキルエトキシレート、アルキルグリコシド、グリセロールおよびソルビトールの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物である。
【0108】
もう1つの有用なマトリックス形成材料は、30℃以上の融点を有するポリアルキレングリコールである。好ましくはポリアルキレングリコールは、4,000から約100,000、好ましくは4,000から20,000、最も好ましくは4,000から約10,000超の分子量を有すべきである。キャリヤーが室温で固体であるように、約4,000の最小分子量が必要とされると考えられる。特に好ましいキャリヤーは、ポリエチレングリコール、例えばユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのカーボワックス(Carbowax)PEG8000、RTM(登録商標)である。
【0109】
幅広い分子量、4,000から25,000、好ましくは4,000から15,000を有する、疎水的変性ポリアルキレングリコール(HMPAG)も用いることができる。一般的にこれらのポリマーは、疎水性部分によって化学的に末端が結合されているポリアルキレングリコールであって、この疎水性部分が、線状または枝分かれアルキル、アリール、アルキルアリール、アルキレン、アシル(例えば好ましくはC〜C40)の誘導体;アルキルグリセリル、グリセリル、ソルビトール、ラノリン油、ココナッツ油、ホホバ油、ヒマシ油、アーモンド油、ピーナッツ油、コムギの胚種油、糠油、亜麻仁油、アプリコットの種油、クルミ油、パームナッツ油、ピスタッチオナッツ油、ゴマ種子油、菜種油、カデ(cade)油、コーン油、モモの種油、ケシの実油、松根油、大豆油、アボカド油、ヒマワリ種子油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、ブドウ種子油、およびサフラワー油、シアバター、ババス油などの脂肪および油誘導体であってもよいものから選択されるであろう。疎水性部分の総含量は好ましくは、規定されたHMPAG1モルあたり3重量%から15重量%である。
【0110】
脂肪酸、脂肪酸エステル、および脂肪アルコールは、マトリックスが水溶性または水分散性にとどまるかぎり、不連続相を形成するマトリックスの一部として組み込むことができる。一般に脂肪基は、12から22個の炭素原子の鎖長を有する。特に適切な脂肪酸エステルは、グリセロールモノラウレートである。
【0111】
本発明におけるさらにほかの有用なマトリックス材料は、多糖類、特にデンプンに由来する。これらには、非変性デンプン;その水溶性、分散可能性、および膨潤を変えるために変性されたデンプン、および加水分解されたデンプン、例えばマルトデキストランが含まれる。
【0112】
連続相の場合のように、不連続相の界面活性剤ベースを、その硬度が職人が巧みに作ったような外見を有する多相棒状体を高速押出しによって大量生産するのに必要とされる範囲内に入るようにテーラーメードすることが可能であろう。これは例えば、より硬質な塊体を得るために、脂肪負荷の滴定量を調節することによって、例えば水素添加によって、または水含量を操作することによって実施することができる。しかしながらこれは、ユーザーの特性と妥協し、および/またはコストに衝撃を与えることがある。その結果、不連続相中に硬化剤を用いるのが有利であることが多い。
【0113】
ポリオールおよび無機電解質は、不連続相が優勢的に脂肪酸石鹸から構成されるとき、有用な硬化剤である。ポリオールはここでは、多重ヒドロキシル基を有する分子として規定される。好ましいポリオールには、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、およびポリビニルアルコールが含まれる。
【0114】
好ましい無機電解質には、一価の塩化物塩、特に塩化ナトリウム;一価および二価スルフェート塩、例えば硫酸ナトリウム;炭酸ナトリウム;一価アルミネート塩、一価ホスフェート、ホスホネート、ポリホスフェート塩;およびこれらの混合物が含まれる。さらには、本発明の棒状組成物は、結晶質または非晶質アルミニウム水酸化物0から25重量%を含んでいてもよい。前記アルミニウム水酸化物は、脂肪酸および/または非脂肪モノ−またはポリカルボン酸とナトリウムアルミネートとの反応によって現場で発生させることができるか、または脂肪酸および/または非脂肪モノ−またはポリカルボン酸とナトリウムアルミネートとの反応によって別に調整し、反応生成物を石鹸へ添加することができる。
【0115】
もう1つの種類の硬化剤は、網状構造の形成または空間充填によって、不連続相を構造化することができる不溶性無機または鉱物固体である。これらには、沈殿または変性フュームドシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、およびタルクが含まれる。アルミノ−シリケート粘土、特に合成または天然ヘクトライトも用いることができる。
【0116】
上記の成分に加えて、この棒状体はまた、その保存寿命、美観、または機能を増加させるために用いられる多様な任意成分を含有していてもよい。これらの成分は、連続または不連続相中に見ることができる。これらには、キレート剤、例えばEDTA、防腐剤、例えばジメチロールジメチルヒダントイン(グリダント(Glydant)XL1000)、パラベン、ソルビン酸酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、および多様な天然および合成香料成分が含まれる。特に有用な任意成分は、皮膚へいくつかの有用な最終効果を送達するために用いられる皮膚効果剤、および棒状体に独特の外見を与えるために用いられる光学的変性剤である。
【0117】
皮膚効果剤成分の第一の種類は、皮膚を保湿し、および強化するために用いられる栄養素である。これらには、次のものが含まれる:
a)ビタミン、例えばビタミンAおよびE、およびビタミンアルキルエステル、例えばビタミンCアルキルエステル;
b)脂質、例えばコレステロール、コレステロールエステル、ラノリンセリミド、スクロースエステル、および擬似セラミド;
c)リポソーム形成材料、例えばリン脂質、および2つの長い炭化水素鎖を有する適切な両親媒性分子;
d)必須脂肪酸、多不飽和脂肪酸、およびこれらの材料源;
e)不飽和脂肪酸のトリグリセリド、例えばヒマワリ油、サクラソウ油、アボカド油、アーモンド油;
f)飽和および不飽和脂肪酸の混合物から形成された植物バター、例えばシアバター;および
g)ミネラル、例えば亜鉛、マグネシウム、および鉄源。
【0118】
皮膚効果剤の第二の型は、皮膚に保湿感を与えるために用いられる皮膚コンディショナーである。適切な皮膚コンディショナーには、次のものが含まれる:
a)シリコーン油、ガム、およびこれらの変形例、例えば線状および環状ポリジメチルシロキサン、アミノ、アルキル、およびアルキルアリールシリコーン油;
b)炭化水素、例えば液体パラフィン、ペトロラタム、ワセリン、微晶質ワックス、セレシン、スクアレン、プリスタン、パラフィンワックス、および鉱物油;
c)コンディショニングタンパク質、例えばミルクタンパク質、シルクタンパク質、およびグルチン;
d)用いることができるコンディショナーとしてのカチオン性ポリマーには、クアトリソフト(Quatrisoft)LM−200ポリクオターニウム(Polyquaternium)−24、メルクアットプラス(Merquat Plus)3330−ポリクオターニウム39;およびジャガー(Jaguar)(登録商標)型コンディショナー;および
e)湿潤剤、例えばグリセロール、ソルビトール、およびウレアエモリエント、例えば長鎖脂肪酸のエステル、例えばイソプロピルパルミテート、およびセチルラクテート。
【0119】
効果剤の第三の型は、ディープクレンジング剤である。これらはここでは、クレンジングの直後にリフレッシュメントの感覚を増すことができるか、または不完全なクレンジングに関連した皮膚の問題に対して持続した効果を与えうる成分として規定される。ディープクレンジング剤には、次のものが含まれる:
a)抗菌薬、例えば2−ヒドロキシ−4,2’,4’−トリクロロジフェニルエーテル(DP300)、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシクロロベンゼン(PCMX)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TCC)、3−トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバニリド(TFC)、ベンゾイルペルオキシド、亜鉛塩、ティー・ツリー油;
b)抗にきび薬、例えばサリチル酸、乳酸、グリコール酸、およびクエン酸、およびベンゾイルペルオキシド(同様に抗菌薬でもある);
c)皮脂抑制剤を包含する油制御剤、マット化剤(mattifier)、例えばシリカ、二酸化チタン、油吸収剤、例えばマイクロスポンジ;
d)次のものを包含するアストリンゼント、すなわち、タンニン、亜鉛、およびアルミニウム塩、植物抽出物、例えば緑茶およびアメリカマンサク(Hammailes);
e)スクラブおよび剥離性粒子、例えばポリエチレン球、凝集シリカ、糖、粉砕された果物の種、種子、および殻、例えばクルミ、モモ、アボカド、およびカラスムギ、塩;
f)冷却剤、例えばメントールおよびその様々な誘導体、および低級アルコール;
g)果物およびハーブ抽出物;
h)皮膚沈静剤、例えばアロエベラ;および
i)精油、例えばハッカ油、ジャスミン油、樟脳油、ヌマヒノキ油、苦橙皮油、リュー油、テレピン油、シナモン油、ベルガモット油、温州みかん油、ショウブ油、パインラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、ユーカリ油、レモン油、スターフラワー油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール油、シネオール油、ユージノール油、シトラール油、シトロネル油、ボルネオール油、リナロール油、ゲラニオール油、月見草油、樟脳油、チモール油、スピラントール油、ペネン油、リモネン油、およびテルペノイド油。
【0120】
用いることができるほかの効果剤には、老化防止化合物、日焼け止め剤、および皮膚を明るくする(skin lightening)薬剤が含まれる。
【0121】
この効果剤が油、特に低粘度油であるとき、その送達を向上させるために、これを予め濃厚化することが有利であることがある。このような場合、Heらの米国特許第5,817,609号に記載されている型の疎水性ポリマーが用いられてもよい。これは、本明細書中に参考として援用されている。
【0122】
効果剤は一般に、この組成物の約0から25重量%、好ましくは5から10%、最も好ましくは2から10%を構成する。効果剤をこの棒状体のどちらの相に添加してもよいが、不連続相に効果剤を添加することが特に望ましい場合もある。
【0123】
任意成分の最後のグループは、これらの相の光学的テクスチャーまたは透明性を変えるか、またはこれらの相の1つまたは両方の識別性を増すためのパターンを導入する材料として規定される光学変性剤である。適切な光学変性剤の例には、次のものが含まれる。
【0124】
a)透明性向上用溶媒、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはトリエタノールアミン;
b)小さな斑点/ビット、例えば粉砕された果物の種、種子、ポリエチレンビーズ、無機凝集物、およびヘチマ(loofha);
c)反射板様粒子、例えば雲母;
d)真珠光沢剤、例えば被覆雲母、およびあるいくつかのワックス;
e)例えば果実スライスに似たワックス/プラスチック小片;
f)野菜または果物小片;
g)マット化剤、例えばTiO;および
h)上記のものの混合物。
【0125】
さらには、連続相または不連続相のどちらかは、当分野において周知であるように、染料の賢明な使用によって、多色にされてもよく、例えばストライプが付けられてもよい。
【0126】
上記のような連続相対不連続相の硬度の比λに加えて、この棒状体が、下記のような視覚弁別パネル試験によって測定された場合、少なくとも3.0の記述式視覚評点を有することも、本発明にとって決定的である。
【0127】
本発明の棒状体はまた好ましくは、ある可塑性を有すべきである。これは、連続相が、同様に下にも記載されている可塑性または脆性についての3点テストにおいて測定された可塑性半径を有するように規定される。連続相の可塑性半径は、このテストにおいて40℃の温度で測定されたとき、2mm超、好ましくは2.5超であるべきである。
【0128】
テスト方法
棒状体の硬度
柔らかい固体、例えば化粧石鹸の硬度を測定するための多様な方法が、当分野において公知である。ここでは2つの技術を用いた。すなわち、降伏前の最大力を測定するシリンダー・インパクション・テスト、および一定荷重下、針の侵入を測定する針入度試験である。本発明は、シリンダー・インパクション・テストによって測定されるパラメーターによって記載されるが、これは、便宜上、製造の観点から行なった。様々な硬度テストは、明らかに相互関連させることができる。
【0129】
硬度についてのシリンダー・インパクション・テスト
連続相および分散相の硬度は、カートン強度を測定するために用いられる修正クラッシュテストプロトコルを使用するシリンダー・インパクション・テストを用いて、押出し、圧縮されたサンプルに対して測定した。レグメド(Regmed)・クラッシュテスターを使用した。
【0130】
所望の温度におけるサンプル(一般的には8×5×2cm)を、圧力ゲージが取り付けられたテスターの下部プレートに載せ、温度プローブを、テスト区域から約4cmのところでサンプルに挿入した。89gのアイノックス(inox)金属シリンダー(cylander)(直径2.2cm(0.784インチ)および長さ3cm(1.18インチ))を、サンプルの上の中央位置に置いた。ついで上部プレートを、シリンダーにちょうど触れるまで下げた。
【0131】
ついで上部プレートを、0.635±0.13mm/s(0.025±0.005インチ/s)のプログラミングされた率で下げた。ある歪において、サンプルは降伏するか、曲がるか、または破砕されるであろうから、PSI(lbs/インチ)として表示された最大力および平均サンプル温度を記録する。サンプルの水含量を、マイクロ波分析によるテスト直後に測定した。硬度測定は、新鮮なサンプルを用いて全部で3回反復し、平均を求めた。サンプルの温度および水含量を制御することが重要であるが、その理由は、硬度がこれらの変数の両方に敏感だからである。
【0132】
針入度試験
ヒュア・ベルリン(FUR Berlin)によって製造されたモデルPNR10針入度計を使用した。
【0133】
3つの標準的円錐(ニードル)が利用可能である。すなわち、2.5g(18−0063)、直径:0.9から3.05mm、長さ:79mmである。測定は次のように実施した。円錐を、円錐粗調整つまみを用いて、所望の温度のテスト塊体の表面のより近くに移動させ、ついで円錐微調整つまみを用いて、テスト材料の表面にちょうど触れるように動かす。ついでスタートボタンを押し、100gの重さの円錐を60秒間解放する。この時点で、サンプル中で円錐が移動する針入距離を測定し、移動ゲージディスプレイ上に示す。リセットボタンを押し、円錐をそのゼロ位置まで上げて戻す。
【0134】
可塑性または脆性についての3点曲げ試験
連続および分散相の可塑性ゾーン半径または可塑性(脆性)を、標準的3点曲げ試験を用いて測定した。
【0135】
3点曲げリグアタッチメントを有するインストロン5567材料試験機を用いて、力および移動データを入手した。インストロン5567機械に取り付けられた3点曲げ試験リグは、1つの半球圧子および2つの固定半球支持体からなっていた。支持体間のスパン距離は、6インチであった。
【0136】
可塑性を得るために、各サンプルに対して、3つの型の3点曲げ試験測定が必要であった。すなわち、非ノッチ付棒状体、ノッチ付棒状体、および押込試験である。
【0137】
押出しされた石鹸サンプルを、プラスチックでラップし、オーブンで一晩40℃において平衡させた。ついでこれらを、固定支持体(static support)上に1つずつ置いた。非ノッチ付テストに関して、圧子を、サンプルの上の1つの位置にセットし、ついで5mm/分の速度で自動的に動くように設定した。
【0138】
ノッチ付テストは、圧子の反対側のサンプルの下側にノッチをいれること以外、同様に実施した。押込試験のために、石鹸サンプルを、平らな表面上に載せ、押込棒を、1mm/分の速度で下げた。テストは、力が非ノッチ付テストから得られたピーク力を超えた時に停止させた。これら3つのテストについての力および移動データは、それ以上の分析およびパラメーター計算のためにPCで3重に記録した。可塑性ゾーン半径rは、所望の可塑性の測定値を提供し、これはアーウィン(Irwin)の分析を用いて計算した。これは、T.L.Andersonの学術論文「破砕機構学の基礎および応用(Fracture Mechanics Fundamentals and Application)」、72−99ページ、CRCプレス(フロリダ州ボカ・ラトン(Boca Raton)、1995年)に見ることができ、これのコピーは、本明細書中に参考として援用されている。
【0139】
連続相の可塑性半径が2.0cm超であり、好ましくは2.5cm超であり、最も好ましくは3cm超であることが望ましい。
【0140】
制御された摩擦テスト
不連続相の固有摩耗率を、次の手順によって測定する。
【0141】
a)およその寸法:7.5cm長さ×5.5cm幅×2.3cm厚さの不連続相のサンプルを調製する;
b)各サンプルの表面の表面積(平方cm)を測定して記録する;
c)洗浄前に、各棒状体の重量を記録する;
d)蛇口の水を105°F(40℃)に調節し、これを容器(vessle)に流れ込むままにする;
e)棒状体および手をこの容器(vessle)中に浸漬する;
f)水から棒状体を取り出し、20回半回転させる;
g)工程dからfを繰り返す;
h)棒状体を3回目に浸漬し、石鹸皿の中に入れる;
i)水7.5mlを石鹸皿に加える;
j)第一日の間、さらに3回洗浄手順(工程cからg)を繰り返す。洗浄は、作業日全体にわたって等しい間隔をあける方がよい;
k)その日の最後の洗浄後に、水7.5mlを石鹸皿に加え、棒状体を一晩放置する;
l)翌朝、洗浄手順(工程iiからvi)を繰返し、ついで棒状体を乾燥ラックにはすかいに載せる;
m)棒状体を24時間放置し、ついで棒状体の重さを、0.01gのなるべく近くまで測る。
【0142】
これらの結果は、蓄積重量損失を、表面の表面積で割ったものとして表示される。
【0143】
石鹸の透明度テスト
透明度は、DMS−インストルメンタカオ・シエンティフィカ社(Instrumentacao Cientifica Ltd.)によって製造されている、光透過率テスターモデルEVT150を用いて測定した。この器具は、1.5cm円形ビームを生じる光源、アナログメーターに取り付けられた検出器、およびサンプルホルダーからなる。測定手順は次のとおりである。
【0144】
この器具をまず、空気中で100%透過率(すなわちテストサンプルなし)に設定する。3cmの厚さを有し、約90gの棒状材料のテストサンプルをサンプル室に入れ、空気に対する%透過率を測定する。通常の不透明石鹸は、0透過率を有するが、一方で、半透明棒状体は、約5%から約40%の透過率を有する。非常に透明な棒状体、例えば溶融注型プロセスによって製造されたものは、一般に45%超の透過率を有する。
【0145】
約5%超の連続相に対し、1%透過率差を有する不連続相組成物が、視覚的に識別的であるとして知覚されることが発見された。好ましくはこれらの相間の光透過率の差は、10%超である方がよい。
【0146】
視覚弁別パネル試験
単一テスト実験の異なる時点で取られた5つの棒状体サンプルを、従来のビューボックスのニュートラルグレーの背景に置いた。これらのテストサンプルの上に、「標準的棒状体」の高品質カラー写真を置く。これらは、5人の専門家パネルによって同意されたものであり、次の5点記述式視覚グレード付けスケールにおける各「グレード」を表わしている。
【0147】
記述式視覚グレード付けスケール
1−低い:2相が識別できない
2−普通:汚れた明確でない境界、いくつの細かい筋がある
3−平均以上:2相は明確であるが、いくらかの汚れがあり、対比不足
4−非常に良好:2相は明確であり、はっきりとした対比があるが、相境界のところにわずかな汚れがある
5−優良:2相は明確であり、はっきりした対比があり、ほとんどまたはまったく汚れがない。
【0148】
10人のパネリスト(専門家と素人との混合)が、5つのサンプルセットを評価し、強制的な選択の整数グレードを割り当てた。パネリストたちは、単一のグレートを割当てるにあたって、このセットの全体的な表面の外見、品質、および識別性を心理的に統合するよう指示された。5本の棒状体の各セットについて、パネリスト全体の平均値を取った。
【0149】
棒状体製造
連続石鹸相を、当分野において周知である加工技術および装置を用いて、標準的化粧石鹸仕上げラインにおいて生産する。
【0150】
このプロセスの第一工程は、貯蔵サイロからの乾燥石鹸ヌードルと微量成分とのバッチミキサーにおける混合を包含する。この操作の目的は、これらのヌードルの均一コーティングが発生するまで、石鹸バッチのバルク全体における微量成分の良好な分布を発生させることである。
【0151】
混合後、石鹸塊体を、一般に、精製機ついでロールミルに通し、マイクロ混合を達成し、組成物の均一性を改良する。
【0152】
最後に石鹸を、通常は真空下に、中間真空室を有する一軸または二軸スクリュー構成での2段階操作においてさらに精製し、プロッディングし、カットおよび打ち抜きのために棒状体として押出す。最終精製機およびプロッダー段階は、追加のマイクロ混合を与えることによって、混合プロセス全体の完了においてある役割を果たす。
【0153】
不連続相はまた、従来の化粧室用棒状体製造設備においてヌードルとして生産することができるが、硬度要件を満たすのに適した連続相とは異なる組成を有する。
【0154】
不連続相は、緩衝ホッパーに、一般に25℃で保存する。適切な調質後、これを連続石鹸相と組み合わせる(例えばこれの上に加える)。送り出し速度を制御する投与装置を用いて、一般的には精製段階と押出し段階との間にある真空室において33から42℃の温度にある連続相に合わせる。この目的のために、真空室を、不連続石鹸相ストリームを受け入れるように変更する。
【0155】
複合塊体(すなわち、連続相塊体と不連続相塊体との組合わせ)を、ついで圧縮し、ビレットとして押出し、ついでこれらを所望の形状にカットして打ち抜きする。
【0156】
真空下に実施されるならば、この真空は一般的には、混合および精製の間、組合わされた塊体が、例えばノーズコーンを通して押出されるまで加えられる。一般的には真空は、500から600mmの圧力(水銀すなわちHg圧として測定された場合)にある。
【0157】
操作例および比較例において以外、または明らかにほかの指摘がなければ、材料の量または比、条件または反応、材料の物理的性質および/または使用は、「約」という単語によって修飾されるものと理解すべきである。
【0158】
明細書において用いられている場合、「含んでいる(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、工程、成分の存在を包含するが、1つまたはそれ以上の特徴、整数、工程、成分、またはこれらの群の存在または追加を排除するものではない。
【0159】
次の実施例は、本発明をさらに例証するためのものであり、本発明を限定する意図はまったくない。
【0160】
用いられているすべてのパーセンテージは、ほかの指摘がなければ、重量パーセントであるものとする。
【0161】
(実施例)
【実施例1】
【0162】
この実施例は、棒状体の外見および製造可能性に対する連続相の硬度および可塑性の重要性について例証する。棒状体例1Aおよび1Bおよび比較例C1、C2、およびC3を調製するために用いられた不連続相の組成を、表1Aに示す。25℃において測定されたこの組成物の硬度は、6.55バールである。
【0163】
表1A.不連続相の組成
【0164】
【表1】

【0165】
実施例1Aおよび1Bおよび比較例C1、C2、およびC3についての連続相の組成を、表1Bに示す。棒状体は、棒状体製造セクションに記載された方法によって、100mmプロッダーを用いて、5kgスケールで調製した。
【0166】
連続相および分散相(硬度、可塑性半径、および硬度比)の重要な物理的性質、および結果として生じる棒状体の特徴(視覚的外見および評価された線速度)を、表1Cにまとめる。5つのサンプルのうち、実施例1Aおよび1Bのみが、本発明の範囲内の連続相の硬度および可塑性比と硬度比という3つのパラメーターを有する。これらのサンプルは実際、職人技のような外見(2つの識別的領域−亀裂および割れ目がない)と、高速製造(少なくとも200、好ましくは少なくとも300BPMの線速度)の可能性とを組み合わせる。
【0167】
【表2】

【0168】
【表3】

a)記述式視覚グレード付けスケール
1−低い:2相が識別できない
2−普通:汚れた明確でない境界、いくつの細かい筋がある
3−平均以上:2相は明確であるが、いくらかの汚れがあり、対比不足
4−非常に良好:2相は明確であり、はっきりとした対比があるが、相境界のところにわずかな汚れがある
5−優良:2相は明確であり、はっきりした対比があり、ほとんどまたはまったく汚れがない。
【実施例2】
【0169】
この実施例は、不連続相の硬度の変動によって制御された硬度比λの重要性について例証する。棒状体例2Aから2C、および比較例C4およびC5を、実施例1に用いられた方法によって調製した。すべてのサンプルに用いられた連続相の組成を、表2Aに示す。
【0170】
表2A.棒状体例2Aから2C、および比較棒状体例C4およびC5についての連続相の組成
【0171】
【表4】

【0172】
この実施例に用いられた不連続相の組成、関連硬度比、およびこれらの相から形成された棒状体の視覚的外見を、表2Bに示す。
【0173】
多相棒状体例2Aおよび2Bは、2.5超の硬度比λを有し、職人が巧みに作ったような識別的外見、および表面の外見に関して優れた品質を有する。対照的に、2.0未満の硬度比を有する比較サンプルC4、C5、およびC6は、これらの相間の鮮明度がより小さく、より普通の外見を有する。
【0174】
【表5】

a)記述式視覚グレード付けスケール
1−低い:2相が識別できない
2−普通:汚れた明確でない境界、いくつの細かい筋がある
3−平均以上:2相は明確であるが、いくらかの汚れがあり、対比不足
4−非常に良好:2相は明確であり、はっきりとした対比があるが、相境界のところにわずかな汚れがある
5−優良:2相は明確であり、はっきりした対比があり、ほとんどまたはまったく汚れがない。
【実施例3】
【0175】
この実施例は、いくつかの光学的テクスチャーおよびパターン調節剤を例証する。連続相は、実施例2に用いられているのと同じである。サンプル3Aから3Dに用いられている不連続相および外見調節剤を、表3Aに示す。棒状体は、実施例1に示されている方法によって調製した。
【0176】
【表6】

【0177】
この不連続相をともなって製造された棒状体の外見を、表3Bに記載する。すべては、職人が巧みに作ったような外見を有するが、異なるテクスチャーおよび印象を与える。
【0178】
【表7】

【実施例4】
【0179】
表4は、本明細書に記載された物理的性質を有するほかの不連続相の組成について例証する。
【0180】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)皮膚を洗浄するのに適した界面活性剤ベースを25%から85%を含んでいる固体連続相、
b)少なくとも1重量%の界面活性剤を含んでいる水溶性または水分散性固体マトリックスを含む不連続相の領域であって、前記不連続相が、最大寸法3から約70mmを有する領域
を含み、連続相の硬度が、33から50℃の温度において測定されたとき、1.9から2.5バールの範囲内にあり;25℃の温度において測定された不連続相の硬度を、33℃の温度において測定された連続相の硬度で割ったものとして規定された比λは、2.0超であり、硬度値が、シリンダー・インパクション・テストによって測定され、
前記不連続相が、前記棒状体の1から約25重量%を構成し、および
前記棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有し、記載された温度は、連続相と不連続相とが、複合塊体を形成するために最終押出し前に最初に組合わされたとき、各相の熱条件をほぼ反映する、職人が巧みに作ったような外見を有する、押出しされた多相石鹸棒状体。
【請求項2】
前記界面活性剤ベースが、脂肪酸石鹸、合成洗剤、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の多相棒状体。
【請求項3】
前記連続相が、可塑剤を0.1から15重量%含んでいる、請求項1または2に記載の多相棒状体。
【請求項4】
前記可塑剤が、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、脂肪酸、脂肪アルコール、ワックス、非イオン性界面活性剤、トリエタノールアミン、グリセロール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物から選択される、請求項3に記載の棒状体。
【請求項5】
エステル油が、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸ポリエステル、トリグリセリド、および変性トリグリセリド、および液体ポリエステルから選択される、請求項4に記載の多相棒状体。
【請求項6】
前記炭化水素油が、液体パラフィン、スクアレン、スクアラン、鉱物油、ポリアルファオレフィン、ポリブテン、およびペトロラタムから選択される、請求項4または5に記載の多相棒状体。
【請求項7】
前記脂肪酸可塑剤が、塩酸、リン酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、またはこれらの混合物から選択されるプロトン酸の連続相組成物中への組み込みによって現場で発生させられる、請求項4から6のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項8】
前記ワックスが、50℃未満の軟化点を有する合成または天然ワックスである、請求項4から7のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤が、アルキルエトキシレート、グリセロール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化モノ−、ジ−、またはトリグリセリド、ポリグリセロール脂肪エステル、脂肪アミド、およびこれらの混合物から選択される、請求項4から8のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項10】
不連続相を構成する界面活性剤が、脂肪酸石鹸、アシルイセチオネート、アシルタウレート、アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、アルキルエトキシレート、アルキルグリコシド、およびこれらの混合物から選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項11】
前記不連続相がさらに、ポリオール、ポリエーテル、無機電解質、シリカ、アルミナ、タルク、およびこれらの混合物から選択される硬化剤を、不連続相を基準にして0.1から15重量%含んでいる、請求項1から11のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項12】
ポリオールが、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、およびこれらの混合物から選択される、請求項11に記載の多相棒状体。
【請求項13】
前記電解質が、一価塩化物、一価および二価スルフェート、炭酸ナトリウム、一価アルミネート、一価ホスフェート、一価ポリホスフェート、およびこれらの混合物から選択される、請求項11または12に記載の多相棒状体。
【請求項14】
前記不連続相がさらに、30℃以上の融点を有するポリエーテル、脂肪酸、脂肪アルコール脂肪酸ポリオールエステル、デンプン、変性デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストラン、およびこれらの混合物から選択されるマトリックス形成材料を5から90重量%含んでいる、請求項1から14のいずれか1項に記載の多相棒状体。
【請求項15】
前記組成物が、0.5から3mmの平均サイズを有する不溶性着色粒子、雲母、および被覆雲母、透明性促進溶剤、真珠光沢剤、およびこれらの混合物から選択される、視覚識別性エンハンサーを含有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の多相石鹸。
【請求項16】
前記連続相および分散層が、石鹸透明度テストによって測定された場合、少なくとも5%の光透過率差を有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の多相石鹸。
【請求項17】
前記連続相が、3点曲げ試験において40℃の温度で測定された場合、2mm超の可塑性半径を有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の多相石鹸。
【請求項18】
皮膚栄養素および皮膚コンディショナーおよびこれらの混合物から選択される保湿効果剤もまた0.1から10重量%含有する、請求項1から17のいずれか1項に記載の多相石鹸。
【請求項19】
前記棒状体組成物がまた、抗菌薬、抗にきび薬、油制御剤、アストリンゼント、スクラブおよび剥離性粒子、冷却剤、果物およびハーブ抽出物、皮膚沈静剤、精油、およびこれらの混合物から選択される、ディープクレンジングを与える効果剤を0.1から10重量%含有する、請求項1から18のいずれか1項に記載の多相石鹸。
【請求項20】
a)
i)脂肪酸石鹸、合成洗剤、およびこれらの混合物からなる界面活性剤ベースを25%から85%;
ii)エステル油、炭化水素油、シリコーン油、脂肪酸、脂肪アルコール、ワックス、非イオン性界面活性剤、トリエタノールアミン、グリセロール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物から選択される可塑剤を0.1%から15%
を含む連続相、
b)最長寸法3から約45mmを有し、
i)少なくとも1重量%の界面活性剤、
ii)5から95重量%の、脂肪酸石鹸、35℃超の融点を有するポリエチレングリコール、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル、デンプン、マルトデキストラン、およびこれらの混合物から選択される水溶性または水分散性固体マトリックス、
iii)0.25から15重量%の、ポリオール、ポリエーテル、一価塩化物、一価および二価スルフェート、炭酸ナトリウム、一価アルミネート、一価ホスフェート、一価ポリホスフェート、シリカ、アルミナ、タルク、およびこれらの混合物から選択される硬化剤
からなる固体不連続相
を含み、連続相の硬度が、33から42℃の温度において測定されたとき、1.9から2.5バールの範囲内にあり、25℃の温度において測定された不連続相の硬度を、33℃の温度において測定された連続相の硬度で割ったものとして規定された比λは、2.0超であり;および
硬度値がシリンダー・インパクション・テストによって測定され、
前記不連続相が、前記棒状体の1から約25重量%を構成し;および
前記棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有し;記載された温度は、連続相と不連続相とが、複合塊体を形成するために最終押出し前に最初に組合されたとき、各相の熱条件をほぼ反映する、職人が巧みに作ったような外見を有する押出しされた多相石鹸棒状体。
【請求項21】
a)約33から50℃の温度にある化粧室用棒状塊体の連続相を形成するヌードルに、混合物を形成するための、3mm超の少なくとも1つの寸法を有する離散粒子の形態にある第二固体塊体を添加する工程であって、添加のとき、第二固体塊体の硬度が、連続相化粧室用棒状塊体を形成するヌードルの硬度の少なくとも2倍であり、硬度値が、シリンダー・インパクション・テストによって測定される工程;
b)工程a)においてこのように形成された混合物を押出して、連続化粧室用棒状塊体および第二固体塊体の不連続相を含んでいる、押出しされた複合塊体を形成する工程;
c)前記押出しされた塊体をカットして棒状体を形成する工程
を含み、前記不連続相が、前記棒状体の1から約25重量%を構成し、および
前記棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有する、職人技のような外見を有する多相石鹸棒状体の製造方法。
【請求項22】
工程a)およびb)が、500から600mmHgの真空下に実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
化粧室用棒状塊体が、33から50℃の温度において測定された場合、1.9から2.5バールの針入度計硬度値を有する、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
化粧室用棒状塊体が、3点曲げ試験において40℃の温度で測定された場合、2mm超の可塑性半径を有する、請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記棒状体の連続相と分散相とは、少なくとも5%の透明度の差を有する、請求項21から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記化粧室用棒状塊体が、
a)脂肪酸石鹸、合成洗剤、およびこれらの混合物から選択される界面活性剤ベース、25から85重量%;および
b)脂肪酸、グリセロール、プロピレングリコール、トリエタノールアミン、炭化水素油、植物油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、グリセロール誘導体、ソルビトール誘導体、非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物から選択される可塑剤を0.1から15重量%
含んでいる、請求項21から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記固体塊体が、
a)脂肪酸石鹸、アシルイセチオネート、アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、アルキルエトキシレート、アルキルグリコシド、およびこれらの混合物から選択される界面活性剤を1から70重量%;
b)ポリオール、無機電解質、シリカ、アルミナ、タルク、およびこれらの混合物から選択される硬化剤を0から15重量%;
c)30℃超の融点を有するポリエーテル、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸ポリオールエステル、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストラン、およびこれらの混合物から選択されるマトリックス形成材料を0から90重量%
含んでいる、請求項21から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
皮膚の洗浄および保湿方法であって、
a)i)皮膚をクレンジングするのに適した界面活性剤ベース25%から85%を含んでいる固体連続相;
ii)少なくとも1重量%の界面活性剤を含んでいる水溶性または水分散性固体マトリックスを含む不連続相であって、前記不連続相が、3から約70mmの最大寸法を有する相;
iii)皮膚栄養剤および皮膚コンディショナーから選択される皮膚効果剤
を含んでいる、職人が巧みに作ったような外見を有する押出しされた多相石鹸棒状体で皮膚を洗浄する工程であって、
前記連続相の硬度が、33から50℃の温度において測定されたとき、1.9から2.5バールの範囲内にあり、25℃の温度において測定された不連続相の硬度を、33℃の温度において測定された連続相の硬度で割ったものとして規定された比λは、2.0超であり、
前記硬度値がシリンダー・インパクション・テストによって測定され、前記不連続相が、前記棒状体の1から約25重量%を構成し;および
前記棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも2.6の記述式視覚グレード付け評点を有する工程;および
b)皮膚を水で濯ぎ洗いする工程
を含む方法。
【請求項29】
前記皮膚栄養剤が、ビタミン、脂質、リポソーム形成物質、必須脂肪酸、不飽和脂肪酸のトリグリセリド、植物性バター、ミネラル、およびこれらの組合わせから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記皮膚コンディショニング剤が、シルクタンパク質シリコーン油およびガム、炭化水素、コンディショニングタンパク質、カチオン性ポリマー、湿潤剤、エモリエント、およびこれらの混合物から選択される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
皮膚のディープクレンジング方法であって、
a)i)皮膚をクレンジングするのに適した界面活性剤ベース25から85%を含んでいる固体連続相;
ii)少なくとも1重量%の界面活性剤を含んでいる、水溶性または水分散性固体マトリックスを含む不連続相であって、前記不連続相が、3から約70mmの最大寸法を有する相;
iii)抗菌薬、抗にきび薬、油制御剤、アストリンゼント、スクラブおよび剥離性粒子、冷却剤、植物およびハーブ抽出物、皮膚沈静剤、精油、およびこれらの混合物から選択されるディープクレンジング皮膚効果剤
を含んでいる、職人が巧みに作ったような外見を有する、押出しされた多相石鹸棒状体で皮膚を洗浄する工程であって、
前記連続相の硬度が、33から50℃の温度において測定されたとき、1.9から2.5バールの範囲内にあり、25℃の温度において測定された不連続相の硬度を、33℃の温度において測定された連続相の硬度で割ったものとして規定された比λは、2.0超であり、前記硬度値がシリンダー・インパクション・テストによって測定され、前記不連続相が、前記棒状体の1から約25重量%を構成し;および
前記棒状体が、視覚弁別パネル試験によって測定されたとき、少なくとも3.0の記述式視覚グレード付け評点を有する工程;および
b)皮膚を水で濯ぎ洗いする工程
を含む方法。

【公開番号】特開2010−254703(P2010−254703A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−136040(P2010−136040)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2004−566027(P2004−566027)の分割
【原出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】