説明

肉処理システム

本発明は、肉処理システムに関し、この肉処理システムは、肉製品(8)を製造する製造ステーション(2)と、上記肉製品を処理するための処理ステーション(3)と、製造ステーションから処理ステーションまで搬送経路に沿って搬送方向(5)で上記肉製品を搬送するように構成された搬送システム(4)と、を備える。搬送システムは、供給コンベア(6)及び排出コンベア(7)を備える。供給コンベアは、肉製品を排出コンベアまで移送するように構成されており、これにより、肉製品が製造ステーションによって送達される排出向きは、肉製品が処理ステーションまで供給される向きとは異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、製造ステーションと、処理ステーションと、製造ステーションから処理ステーションまで肉製品を搬送する搬送システムと、を備える肉処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの肉処理システムは、従来から公知である。肉処理産業において、製造ラインは、製造ステーション、例えば鶏肉のササミを採取するためのステーションから例えばササミを計量するためのかつ/または仕分けるための処理ステーションまで、搬送システム、特にコンベアベルトを用いて、肉製品を搬送することに使用される。
【0003】
現在の肉処理システムに関連する問題は、製造ステーションと処理ステーションとが常には最適な様式で互いに結合されているのではない事実である。例えば、製造ステーションは、コンベアベルトに肉製品の流れを製造し、肉製品が、切断面をコンベアベルト上で下向きとなってコンベア上に位置するように構成されている。その後の処理ステーションは、切断面を視認検査するように構成されている。しかし、これを可能とするために、肉製品は、切断面を上向きにしてコンベアベルト上になければならない。例えば、製造ステーションが2つの流れの肉製品をもたらす一方で、処理ステーションが単一の流れの肉製品のみを処理する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】蘭国特許第1030671号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際には、このような適合性の問題は、しばしば、製造ラインに追加の処理ステーションを含ませることによって解消される。このような処理ステーションにおいて、肉製品は、供給コンベアから手で取り上げられ、正確な位置で排出コンベアに置かれる。また、複数の供給コンベアからの肉製品は、手で単一の排出コンベアにまたはその逆に移送される。このような公知の解決法は、人的資源を使用することが高コストを必要とし、処理中に発生するエラーが比較的高いので、望ましくない。
【0006】
本発明の目的は、改良した肉処理システムであって、肉製品の、好ましくはササミのような鶏肉などの鳥肉の食肉処理片の向きに関する問題を少なくとも部分的に解消する肉処理システムを提供することである。特に、本発明は、肉処理システムであって、所定の向きにある肉製品を製造するように構成された製造ステーションを、製造ステーションから送達された肉製品の向きとは向きが異なる肉製品の流れを処理するように構成された処理ステーションに結合することが可能な搬送システムを備える、肉処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、請求項1にかかる肉処理システムを提供する。このようなシステムは、製造ステーションと、処理ステーションと、製造ステーションから処理ステーションまでの搬送経路に沿う搬送方向で肉製品を搬送するように構成された搬送システムと、を備える。搬送経路は、供給部分と、下流側の排出部分と、を有する。供給部分は、供給コンベアを備え、排出部分は、排出コンベアを備える。
【0008】
搬送システムは、搬送経路の供給セクションに沿って肉製品を搬送するための少なくとも1つの供給コンベアと、搬送経路の排出セクションに沿って肉製品を搬送するための少なくとも1つの排出コンベアと、を備える。供給コンベアは、搬送方向に対して製造ステーションによって決定された供給向きで肉製品を供給する。供給コンベアは、排出コンベア及び搬送システム、好ましくは搬送システムの排出コンベアへ肉製品を移送するように構成され、さらに、排出向き、すなわち排出コンベアにおける搬送方向に対する肉製品の向きが供給向き、すなわち供給コンベアにおける搬送方向に対する肉製品の向きとは異なるように構成されている。
【0009】
このため、搬送システムは、搬送中に流れの肉製品の向きを変更するように構成されている。このようにして、肉製品が製造ステーションによって供給される向きが、肉製品が処理ステーションで処理される向きに適合するように修正される。
【0010】
例えば鶏肉などの食肉処理された鳥肉のササミを処理する工程は、ササミを包装トレイ内にパッケージする(そして選択的にトレイをシールする)工程と、ササミを細長片または立方体に切断する工程と、例えば骨細片及び/または打撲傷に関してササミを精査する工程と、ロボットアームを用いてササミを取り上げる工程と、ササミを包装トレイに配置する工程と、ササミをマリネする工程と、などを含む。処理ステーションによる処理を可能とするため、多くの場合において、ササミは、ある向きで処理ステーションへ供給されなければならない。ササミは、例えば、外側を上に向けてパッケージされ、そのため、外側は、包装トレイの透明シールフィルムを通して視認可能である。ササミのうち食肉処理前では皮を向く外側の色及び肌理は、ササミのうち食肉処理前では胸部を向く内側と比較して、比較的均一である。このため、ササミの外側は、ササミの内側よりも消費者に対してより魅力的である。
【0011】
骨細片及び打撲傷に関してササミを精査するために、ササミの内側が上を向くことが望ましい。計量するために、ササミが個別に供給されることが望ましい。ササミを切断するために、幅の広い側が先を行くようにしてササミが処理ステーションに搬送されることが望ましい。
【0012】
製造ステーションは、ある向きでササミを供給する。この向きは、次の処理ステーションで処理するためのササミの所望の向きに常には対応していない。本発明は、製造ステーションと処理ステーションとを備える肉処理システムであって、処理ステーションによって肉製品を処理する向きとは異なる向きで、製造ステーションが肉製品を供給する、肉処理システムを組み立てることが可能となる。
【0013】
したがって、本発明における肉処理システムは、流れの肉製品を手で調整する追加の処理ステーションを必要としない。このため、本発明における肉処理システムは、効率的な方法で、すなわち低コストでかつ処理エラーの危険性が小さい状態で、肉製品を処理する。
【0014】
好ましくは、本発明における肉処理システムは、供給コンベアであって、肉製品を反転させることによって、この供給コンベアにより供給された肉製品の向きを変更するように構成された、供給コンベアを備え、このため、肉製品のうち供給コンベア上で下を向く側は、排出コンベア上で上を向く。このようなシステムは、例えば食肉処理した鳥のササミを反転させるのに特に適している。ササミは、動物の骨格に接触して位置する内側と動物の皮を向く外側とを有する。いったん鳥の骨格からササミを分離する、同様に専門用語で「採取する」と称される、と、内側は、骨細片及び打撲傷について確認される。この操作のために、ササミの内側が上を向くことが望ましく、そのため、ササミの内側の視認検査が可能になる。多くの場合において、ササミは、その後、消費者に対してより魅力的である皮側を上に向けてパッケージされる。したがって、処理中に少なくとも一度ササミを反転する必要がある。ササミが細長く柔軟な形状でありかつ表面が若干粘着性を有することに起因して、迅速かつ正確な方法で手で実行することが難しいという課題がある。本発明の肉処理システムは、高速でササミを製造し、検査し、向きを変え、そして処理するのに特に適している。
【0015】
好ましくは、供給コンベアは、肉製品を支持するためのほぼ水平な位置から肉製品を横方向で排出コンベアへ移送するためのほぼ垂直な位置まで、供給コンベアの表面が下流方向で搬送方向に対して横方向で徐々に傾くように構成されており、このため、ササミ肉は、搬送方向と平行な軸回りで傾く。
【0016】
第1形態において、供給コンベアは、排出コンベアにほぼ沿って延在しており、排出コンベアとわずかに重なり合う。供給コンベアの傾いた終端部は、排出コンベアに隣接して延在する。このような形態は、搬送システムを配置するための空間が幅方向で制限されている場合に特に適している。供給コンベアが排出コンベアと重なり合っているので、供給コンベアのうち隣の排出コンベアまで延在する部分は、ほぼ垂直方向で延在し、組立体は、特に狭くなる。設置面積が小さいことは、面積が限定された例えば冷却されたなど調整された空間で作業を実行する例えば食肉処理場において特に有利である。
【0017】
別の形態において、供給コンベアは、排出コンベアと重なり合わないが、供給コンベアは、排出コンベアと部分的に隣接する。供給コンベアの表面は、肉製品を支持するためのほぼ水平な位置から搬送方向に対してほぼ横方向で肉製品を搬送方向へ移送するための傾いた、ほぼ垂直な位置まで、搬送経路の供給部分の終端部において搬送方向に対して横方向で徐々に傾く。この形態において搬送コンベアが排出コンベアと重なり合わないので、製品は、製品を供給コンベアから排出コンベアへ移送する点の上流において供給コンベア上に配置される。このため、このような形態は、2つの製品流れを1つの製品流れに組み合わせるのに特に適している。
【0018】
このため、本発明は、製造ステーションを処理ステーションに接続するための単純な搬送システムを備える。
【0019】
搬送システムにより、製造ステーションから処理ステーションまでの搬送処理中に、製造ステーションの排出向きを処理ステーションの入力向きに調整することが可能となる。このため、向きを例えば手で調整する別個の処理ステーションを必要としない。したがって、搬送システムは、単純であり、低コストで製造されかつ維持される。
【0020】
さらに好ましい形態において、本発明における肉処理システムには、第1肉製品流れと第2肉製品流れとをほぼ同時に製造するように構成された製造ステーションと、単一の肉製品流れを処理するための処理ステーションと、を備える。
【0021】
さらに、肉処理システムは、上記例示的な形態の1つにおける第1供給コンベアと最後に述べた例における第2供給コンベアとが設けられた搬送システムを備える。
【0022】
好ましい形態において、2つの供給コンベアは、共通の排出コンベアへ肉製品を移送する。共通の排出コンベアは、搬送経路の排出セクションに沿って供給コンベアによって供給された肉製品を搬送するための排出方向で延在する。排出ベルトによって単位時間当たりに排出される肉製品の数は、単一の供給ベルトによって単位時間当たりに供給される肉製品の数とは異なる。排出ベルトの排出頻度は、2つの供給ベルトを組み合わせた供給頻度に等しい。
【0023】
このような肉処理ユニットは、好ましくは搬送方向と平行な軸回りで肉製品を傾けることによって肉製品の向きを変更し、第1及び第2肉製品流れを単一の肉製品流れに組み合わせるのに特に適している。搬送システムは、比較的単純な構造の搬送ベルトから単純な方法で組み合わされ、その結果、このようなシステムの製造コストは、低くなる。
【0024】
さらに好ましい形態において、本発明は、食肉処理した鳥肉からササミを採取するための製造ステーションであって、製造ステーションが、左側ササミの第1流れと右側ササミの第2流れとをほぼ同時に製造するように構成された、製造ステーションを備える。
【0025】
肉処理システムは、左側及び右側ササミからなる単一流れを処理するための処理ステーションを備える。さらに、肉処理システムは、製造ステーションの搬送経路に沿う搬送方向で処理ステーションへササミを搬送するように構成された搬送システムを備える。このため、搬送システムは、第1及び第2供給コンベアと、共通の排出コンベアと、を備える。
【0026】
第1供給コンベアは、供給頻度でかつ搬送方向に対する供給向きで、搬送経路の第1供給セクションに沿って左側ササミを搬送するための第1供給経路で延在し、これら供給頻度及び供給向きは、製造ステーションによって決定される。
【0027】
第2供給コンベアは、供給頻度でかつ搬送方向に対する供給向きで、搬送経路の第2供給セクションに沿って右側ササミを搬送するための供給方向で延在し、これら供給頻度及び供給向きは、製造ステーションによって決定される。
【0028】
共通の排出コンベアは、搬送経路の排出セクションに沿う供給コンベアによって供給されたササミを搬送するための排出方向で延在する。
【0029】
第1及び第2供給コンベアそれぞれは、第1及び第2移送場所で共通の排出コンベアへササミを移送するように構成されており、この場合において、第2移送場所は、第1移送場所の下流側に位置する。ササミは、搬送方向に対して横方向で排出コンベアへ移送される。
【0030】
好ましくは、肉処理システムの少なくとも1つの供給コンベアは、輸送面が、ササミを支持するための傾いた、ほぼ水平な位置からササミを移送するためのほぼ垂直な位置まで、下流方向で、搬送方向に対する横方向で徐々に傾くように構成されている。ササミは、この場合において、搬送方向に対してほぼ横方向の方向で排出コンベアへ移送される。供給コンベアの輸送面が排出コンベアの搬送面に対して角度を形成し、この排出コンベアが水平方向で延在する結果、ササミは、移送中に、ほぼ搬送方向に延在する軸回りで傾く。この場合、肉製品は、ほぼ180度の角度で傾き、そのため、肉製品のうち供給コンベア上で下を向く側は、排出コンベア上で上を向く。
【0031】
供給コンベアに搬送方向で徐々に傾く輸送面を設けることにより、輸送中にササミを容易かつ効率的な方法で傾けることが可能になる。
【0032】
排出コンベアは、供給コンベアにおける供給向きとは異なる排出向きでかつ供給コンベアの供給頻度とは異なる排出頻度で、処理ステーションへササミを送達する。
【0033】
本発明において、第1及び第2ササミ流れをほぼ同時に製造するように構成された製造ステーションが設けられた肉処理システムには、好ましくは、採取したササミを第1の左側ササミ流れと第2の右側ササミ流れとに分離するための分流コンベアベルトが設けられている。分流コンベアベルトは、左側コンベアベルトと右側コンベアベルトとを備え、両コンベアベルトは、ササミが採取機械から落下する収集領域から左側及び右側コンベアベルトからのササミが搬送システムの第1及び第2供給コンベアそれぞれへ移送される移送領域まで延在する。収集領域において、左側及び右側コンベアベルトのうち互いに向かい合う側は、互いに寄せて配置されており、このため、互いにわずかに重なり合う左側及び右側ササミを収集するためのコンベアベルト間には空間がほとんどないまたはない。左側及び右側コンベアベルトは、収集領域の下流側において互いに分岐し、左側コンベアベルトは、左側ササミを搬送し、右側コンベアベルトは、右側ササミを搬送し、このため、重なり合うササミは、互いに分離される。
【0034】
好ましくは、本発明における肉処理システムの搬送システムは、モジュール式設計からなり、そのため、ステーション及び搬送システムは、あるタイプの製造ステーションを別の処理ステーションにまたはその逆で組み合わせるために、互いに独立して置換されてもよい。例えば、供給コンベア及び排出コンベアは、別個の構成部材であるので、これらは、別の構成に組み合わされてもよい。単一の排出コンベアは、使用する製造ステーションに基づいて、例えば1つまたは2つの供給コンベアと組み合わされてもよい。
【0035】
本発明における搬送システムは、搬送方向で肉製品を搬送するための搬送経路を備える。搬送経路は、製造ステーションと処理ステーションとの間に延在し、供給部分及びその後の排出部分を有する。供給部分は、供給コンベアを備え、排出部分は、排出コンベアを備える。供給コンベアは、肉製品を排出コンベアへ移送し、このため、搬送方向に対する肉製品の向きを修正する。供給コンベアは、肉製品を排出コンベアへ移送し、このため、搬送方向に対する肉製品の向きを修正する。
【0036】
搬送経路の供給部分に沿って肉製品に処理を実行することが可能である。このため、処理ステーションは、人の目またはカメラを用いて搬送ベルトでの輸送中に変色に関して肉製品を視覚検査するために、供給部分に沿って設けられてもよく、この場合において、変色した肉製品それぞれは、人またはロボットによって搬送ベルトから除去される。変色していない肉製品のみは、その後、供給コンベアによって排出コンベアまで移送される。
【0037】
本発明のさらに有利な形態は、従属請求項に示される。
【0038】
本発明は、図面で示される例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明における第1肉処理システムを示す上面図である。
【図2】図1の肉処理システムを示す側面図である。
【図3】本発明における第2肉処理システムを示す上面図である。
【図4】図3の肉処理システムを示す側面図である。
【図5】本発明における第3肉処理システムを示す上面図である。
【図6】図5の肉処理システムを示すAA線断面図であって矢印B方向を向く断面図である。
【図7】図5の肉処理システムを示すAA線断面図であって矢印C方向を向く断面図である。
【図8】本発明における肉処理システムのための別の搬送システムを示す上面図である。
【図9a】本発明における肉処理システムのためのさらに別の搬送システムを示す前面図である。
【図9b】図9aの搬送システムを示す上面図である。
【図10a】本発明における肉処理システムのためのさらに別の搬送システムを示す前面図である。
【図10b】図10aの搬送システムを示す上面図である。
【図11】本発明における肉処理システムのためのさらに別の搬送システムを示す側面図である。
【図12】本発明における肉処理システムのためのさらに別の搬送システムを示す上面図である。
【図13】本発明における肉処理システムのためのさらに別の搬送システムを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明における第1の例示的な実施形態の肉処理システム1を示す上面図である。図2は、同一の例示的な実施形態の側面図である。
【0041】
肉処理システム1は、肉製品8を製造するための製造ステーション2と、肉製品8を処理するための処理ステーション3と、を備える。さらに、肉処理システムは、製造ステーション2から処理ステーション3までの搬送経路に沿って搬送方向5で肉製品8を搬送するように構成された搬送システム4を備える。
【0042】
搬送システム4は、供給コンベア6を備え、この供給コンベアは、所定供給頻度で搬送経路の供給セクション10に沿ってかつ搬送方向5に対する特に供給コンベア6の輸送面に対する供給向きで肉製品8を搬送するために、供給方向で延在し、これら供給頻度及び供給向きは、製造ステーション2によって決定される。
【0043】
搬送システム4は、さらに、排出コンベア7を備え、この排出コンベアは、搬送方向5に対する排出向きで搬送経路の排出セクション11に沿って肉製品を搬送するために、排出方向で延在し、この排出向きは、搬送システム4によって決定される。
【0044】
このため、搬送システム4の搬送経路は、処理ステーション3の内側の範囲まで、製造ステーション2から延在し、両矢印10によって示される供給セクションと両矢印11によって示される排出セクションとに分割される。
【0045】
供給コンベア6は、搬送経路の供給セクション10に沿って製造ステーション2から肉製品8を搬送するように構成されている。搬送経路の供給セクション10の端部において、供給コンベア6は、肉製品8を排出コンベア7に移送する。
【0046】
排出コンベア7は、供給コンベア6によって供給された肉製品8を受けるようにかつ搬送経路の排出セクションに沿って肉製品8を搬送するように構成されている。排出コンベアの輸送面は、肉製品を収集してそれを傾けさせるために、ほぼ水平面に延在する。
【0047】
図示された好ましい実施形態において、供給コンベア及び排出コンベアは、それぞれ製造ステーション及び処理ステーションの一部を形成する。これは、システム全体が小型の設計となり、製造ステーションと処理ステーションとの間の搬送経路が小型のままとなる利点を有する。
【0048】
図示された好ましい実施形態において、供給コンベア6は、製造ステーション2内で開始し、排出コンベアは、処理ステーション3を越えて終了する。別の実施形態において、供給コンベアは、製造ステーションの前で開始する、かつ/または、排出コンベアは、処理ステーション内で終了する。
【0049】
さらに別の実施形態において、供給コンベア及び/または排出コンベアは、それぞれ製造ステーション及び処理ステーションの一部を形成しない。そして、供給コンベアは、製造ステーションを越えて開始し、製造ステーションのコンベアベルトのような供給手段から肉製品を受ける。そして、排出コンベアは、処理ステーションの前で終了し、例えば処理ステーションの一部を形成する第2コンベアベルトなどに肉製品を移送する。
【0050】
搬送経路の供給セクション10及び排出セクション11は、両矢印2で示される移送場所においてそれぞれ終了し開始する。移送場所12は、肉製品8を供給コンベア6から排出コンベア7に移送する領域である。コンベアベルトが重なり合うので、搬送経路の供給部分10及び排出部分11は、同様に、重なり合う。
【0051】
供給コンベア6は、排出向きが供給向きと異なるように肉製品8を排出コンベアに移送するように構成されている。図示された例示的な実施形態において、供給コンベア6は、搬送方向5と平行に延在する水平軸回りで肉製品を反転させることによって、上記供給コンベア6によって供給された肉製品8の向きを変更するように構成されている。肉製品は、この場合において、反転され、このため、肉製品のうち供給コンベア6上で下を向く側は、排出コンベア7において上を向く。
【0052】
肉製品8を傾けることを明確に図示するため、図中の肉製品8には、頂部及び底部側でコントラストが付けられている。供給コンベア6において、肉製品は、ハッチングされた側がコンベアベルトの輸送面にあるように配置される。
【0053】
排出コンベア7において、反転された肉製品8は、ハッチングされた側が上を向くように位置付けられる。
【0054】
図示された例示的な実施形態において、供給コンベア6は、実際には、排出コンベア7と重なり合っている。供給コンベア6は、排出コンベア7にほぼ沿って延在する。上面視において、供給コンベア6のうち排出コンベア7と重なり合う部分は、若干の湾曲部を形成し、その結果、供給コンベア6の供給方向は、排出コンベア7の排出方向と所定角度をなす。
【0055】
供給コンベア6のうち排出コンベア7と重なり合う部分は、供給コンベア6のうち排出コンベア7に沿って延在する部分と供給コンベア6のうち排出コンベア7に隣接して延在する下流部分との間を接続する。供給コンベア6のうち湾曲部の下流に延在する部分は、排出コンベアに隣接して延在する。ここで、供給コンベア6は、供給コンベアのうち排出コンベア7と重なり合う部分に対して傾いている。
【0056】
供給コンベアは、ほぼ垂直方向に延在する回転シャフト17を有する帰還ローラ14で反転される。コンベアベルトは、搬送経路の第1部分10の最初の部分にある帰還ローラ14まで帰還する。この帰還ローラの回転シャフトは、水平方向に延在する。供給コンベアのうち帰還ローラ間に位置し輸送中に供給方向で移動する部分は、図中において符号6Aで示される。供給コンベアのうち供給方向とは反対方向で移動する部分は、図中において符号6Bで示される。
【0057】
すでに上述したように、製造ステーション2は、肉製品8を製造する。肉製品8は、製造ステーションから供給コンベア6上に落下し、コンベアベルトによって搬送経路の供給部分10にわたって輸送される。搬送経路の供給部分10の端部において、コンベアベルトは、湾曲部を形成し、この場合において、排出コンベア7は、供給コンベア6の下から出現する。肉製品8は、供給コンベア6によって搬送され、輸送面は、搬送方向に対して横方向に徐々に傾く。その結果、輸送面への肉製品の噛み合い(grip)は、徐々に減少する。ある点において、輸送面への肉製品の噛み合いは、わずかになり、そのため、肉製品は、排出コンベアの方向に対して横方向に滑る。肉製品は、その側面で排出コンベアの輸送面に着陸し、したがって、搬送方向にほぼ平行に延在する軸回りで傾く。肉製品8は、このため、反転し、同時に排出コンベア7に移送される。排出コンベア7は、その後、反転した肉製品8を排出方向で処理ステーション3まで運搬する。処理ステーション3において、肉製品8のうち上を向く側は、その後、例えばスキャナを用いて、例えば骨の破片の存在に関して検査される。
【0058】
例えば内側を上に向けて所定位置にササミを送達する製造ステーションを、消費者に対してより魅力的である反対側の皮側を上に向けてササミをパッケージするパッケージステーションに組み込むために、このような肉処理システムを使用することがある。
【0059】
上述した供給コンベアであって排出コンベアにほぼ沿って延在しかつ排出コンベアとその端部において重なり合う供給コンベアの利点は、互いに沿う2つのコンベアベルトを使用する構造が非常に狭い配置を可能とすることである。
【0060】
図3は、本発明における別の肉処理システム101を示す上面図であり、この肉処理システムにおいて、少なくとも1つの供給コンベア106は、同様に、搬送方向105とほぼ平行に延在する水平軸回りで肉製品を反転させることによって、上記供給コンベアによって供給された肉製品108の向きを変更するように構成されている。図4は、同一の例示的な実施形態を示す側面図である。
【0061】
肉処理システムには、製造ステーション102、処理ステーション103及び肉製品108を製造ステーション102から処理ステーション103まで搬送するための搬送システム104が設けられている。図1及び図2に示す肉処理システムとは対照的に、図3及び図4に示す製造ステーションは、ほぼ同時に第1及び第2の流れの肉製品を製造するように構成されている。
【0062】
したがって、肉処理システム、特に搬送システムには、第1供給コンベア106及び第2供給コンベア206が設けられている。両供給コンベアは、第1の流れの肉製品と第2の流れの肉製品とを搬送するために、搬送経路110、210の供給方向に沿って、搬送方向105、205でそれぞれ延在する。肉製品は、所定供給頻度で、搬送方向に対するかつ供給コンベア106、206それぞれの輸送面に対する所定供給向きで、輸送され、これら供給頻度及び供給向きは、製造ステーション102によって決定される。
【0063】
2つのコンベアは、肉製品を共通の排出コンベア107へ移送し、この排出コンベアは、搬送経路の排出セクション109に沿って供給コンベア106、206によって供給される肉製品108、208を搬送システムによって決定される向きで搬送するために、排出方向に延在する。排出コンベア上の肉製品の排出向きは、供給コンベア上の供給向きとは異なる。同様に、排出コンベアの排出頻度は、供給コンベアの供給頻度とは異なる。排出コンベアの排出頻度は、供給コンベアの供給頻度を組み合わせたものと同等である。
【0064】
供給コンベアは、供給速度V1で製品を供給し、排出コンベアは、少なくとも供給速度V1の2倍である排出速度V2で製品を排出する。これにより、排出コンベアは、2つの流れで供給された肉製品を単一の流れで排出することが可能になる。2以上の肉製品流れを組み合わせることは、例えば処理ステーションが個別の肉製品を計量する計量ステーションである場合に、有利である。
【0065】
計量ステーションは、容量が高いが、製品を個別でのみ計量する。このため、計量ステーションは、単一の肉製品流れのみを処理する。2つの供給流れを組み合わせて単一の排出流れを形成することにより、肉製品は、単一の計量ステーションで計量され、互いに隣接する2つの計量ステーションを設ける必要がない。
【0066】
この解決法にしたがって明確なことは、2つの製品流れを共通の排出コンベアまで移送するために本明細書に開示された複数の供給コンベアが互いに組み合わされ、この排出コンベアが単一の肉製品流れで肉製品を排出することである。
【0067】
この場合において、供給コンベアの供給速度を共通の排出コンベアの排出速度と同等とすることが同様に可能である。このような実施形態において、供給コンベアの供給頻度は、肉製品が所定間隔で排出コンベアへ回送されるようになっている。そして、上記間隔の間において、他方の供給コンベアは、肉製品を排出コンベアに回送する。コンベアベルトの供給及び排出頻度に互いに適合させ、これにより2以上の肉製品流れを組み合わせて単一の製品流れを形成するために、供給及び排出速度並びに肉製品間の相互距離を決定することは、当業者の能力の範囲内であると思われる。
【0068】
図3及び図4に示す2つの供給コンベアは、以下で詳述される。
【0069】
第1供給コンベア106は、排出コンベア107に沿う搬送経路における供給セクション110の端部に延在する。このため、搬送経路の供給部分の終端部は、搬送経路の排出部分の最初の部分と重なり合う。この移送領域は、両矢印111で示される。
【0070】
搬送経路の供給セクションの終端部において、供給コンベア106の表面は、搬送方向に対して横方向に徐々に傾く。表面は、肉製品108を支持するためのほぼ水平な位置から、肉製品108を排出コンベア107に移送するための傾斜位置まで傾き、この傾斜位置は、搬送方向105に対してほぼ横方向において、図示された好ましい実施形態においてほぼ垂直である。供給コンベア106から排出コンベア107まで移送している間、肉製品108は、搬送方向105とほぼ平行な軸回りで傾く。
【0071】
肉製品を完全に傾けるため、供給コンベアの輸送面は、排出コンベアの輸送面に対して傾き、これにより、肉製品は、移送時にその側面で供給コンベア上に着陸し、そして、排出コンベアの方向で転倒し、このため、搬送方向と平行な軸回りに傾く。
【0072】
好ましくは、供給コンベアの表面と肉製品との間の摩擦係数は、輸送面が排出コンベアの輸送面に対して十分に傾いたときにのみ供給コンベアから滑り降りるようになっている。肉製品が滑り落ちる結果として生じる運動エネルギーは、肉製品が排出コンベアと接触するときに肉製品を傾けることを補助する。
【0073】
試験は、鶏肉及び七面鳥肉のような鳥肉からのササミのような所定の肉製品を用いて、比較的滑らかな表面が設けられたコンベアベルトを用いてこの効果が実現されることを示した。
【0074】
図示した例示的な実施形態において、第1供給コンベアには、選択的なスクレーパ113が設けられている。スクレーパの目的は、時間内に供給コンベアから剥がれない肉製品を離れさせ、供給コンベアから排出コンベアの方向で滑らせることであり、これにより、肉製品は、結局、排出コンベアの方向で滑る。スクレーパは、供給コンベアの表面を横断するように延在し、これにより、供給コンベアに「貼り付いた」ままである肉製品をスクレーパで移動させる。スクレーパは、供給コンベアから肉製品を引き離し、その結果、肉製品を排出コンベアに移送する。
【0075】
供給コンベアのうち帰還ローラ間に延在し輸送中に供給方向で移動する部分は、図中において符号106Aで示される。供給コンベアのうち供給方向とは反対方向で移動する部分は、図中において符号106Bで示される。
【0076】
上述した例示的な実施形態における供給コンベアであって排出コンベアと平行に延在する供給コンベアは、この原理が排出ベルトの両側に適用されるという利点を有する。したがって、解決法は、柔軟な様式で適用されてもよく、例えば第1及び第2供給流れを右側及び左側で共通の排出コンベアに追加するために使用されてもよい。
【0077】
第2供給コンベア206は、同様に、肉製品を反転させることによって、この供給コンベアによって供給された肉製品の向きを変更するように構成され、これにより、肉製品のうち供給コンベア上で下を向く側は、排出コンベア上で上を向く。しかし、上述した解決法によらず、肉製品は、搬送方向に対して横方向に延在する水平軸回りで傾く。
【0078】
搬送経路の供給セクション210の終端部において、供給コンベア205の輸送面は、供給搬送方向が搬送経路の排出部分の最初の部分において排出搬送方向に沿うように延在する。供給コンベア206の輸送面は、上記排出コンベア107の輸送面よりも上方の高さに位置付けられ、供給された肉製品208は、肉製品が供給コンベアベルトから排出コンベアベルトへ落下するときに搬送方向に対して横方向の軸回りで回転する。したがって、このような配置において、肉製品の先を行く部分及び後を追う部分は、変更する。
【0079】
この供給コンベアの利点は、その端部において互いに平行に延在する帰還ローラを有する単純なコンベアベルトを使用できる点である。このようなコンベアベルトは、製造が単純であり、したがって、安価である。また、供給コンベアを排出ベルトに沿って位置付けることにより、小型配置が可能となる。
【0080】
上記説明に基づいて、当業者に明確であることは、開示した供給コンベアがさまざまな組み合わせ及び構造で使用されることである。このため、例えば、図1及び図2に示す肉処理システムと同じように、図3及び図4に示す供給コンベアを別個に排出コンベアと共に使用することが可能である。
【0081】
また、例えば、図1及び図2に示す供給コンベアを図3及び図4に示す肉処理システムと組み合わせることが可能である。そして、このようなシステムは、3つの供給コンベアを共通の排出コンベアと組み合わせる。このようなシステムにおいて、第3供給コンベアは、第1及び第2供給コンベアの移送場所の下流にある場所で肉製品を送達する。好ましくは、第3供給コンベアの供給速度は、同じであり、排出コンベアの排出速度は、供給速度のほぼ3倍速い。
【0082】
このような組み合わせは、3つの製品流れを組み合わせて単一の製品流れを形成する点、及び、配置が非常に小型である点で利点を有する。このようにして、単一の肉製品流れを計量するための処理ステーションは、例えば3つの肉製品流れを同時に製造する製造ステーションと、または、例えば2つの製品流れを製造する第1製造ステーション及び単一の製品流れを製造する第2製造ステーションと、組み合わせて使用される。
【0083】
さらなる構造の搬送システムを図8から図13に示す。
【0084】
図8は、供給コンベア801、排出コンベア802及び移送コンベアベルト805を備える搬送システム800を示す。搬送システム800、特に移送コンベアベルト805は、排出向きが搬送方向に対する供給向きとは異なるように、供給コンベア801から排出コンベア802まで肉製品804を移送するように構成されている。搬送方向は、矢印803で示されている。
【0085】
移送コンベアベルト805には、肉製品を支持するため及び上記肉製品を搬送方向で搬送するための好ましくは駆動ローラで形成された輸送面が設けられている。移送コンベアベルト805の輸送面の最初の部分及び終端部は、搬送方向803に対して45度の角度をなしている。このため、図8に示すように、肉製品は、搬送方向803で移送コンベアベルト上を輸送され、この搬送方向は、供給コンベア801における搬送方向に対して45度の角度をなし、排出コンベア802における搬送方向に対して45度の角度をなしている。移送コンベアベルトのこの構造の結果、肉製品は、搬送システムによって垂直軸、すなわち輸送面に対して直角である軸回りで90度の角度にわたって回転される。図示の例において、供給コンベア801上の肉製品804は、搬送方向に対して横方向に延在し、排出コンベア802上の肉製品804は、搬送方向と平行に延在する。最初の部分及び終端部が上記移送コンベアベルト上の肉製品の搬送方向に対して所定角度をなす移送コンベアベルトにより、肉製品を垂直軸回りで回転させる搬送システムを製造することが可能となり、この場合において、コンベアベルトの輸送面は、同一高さに位置し、輸送面は、互いに重なり合わない。
【0086】
このような搬送システムは、例えば、鳥肉のササミを製造する製造ステーションとササミをその後に切断する処理ステーションとを接続するのに特に適している。
【0087】
多くの場合において、このような製造ステーションの出口は、このような処理ステーションの入口に結合されていない。鳥肉の左側及び右側ササミは、しばしば、同時に胴体から分離され、これらが搬送方向に対して横方向に延在する態様で、対になってコンベアベルトに回送される。
【0088】
ササミを切断するための処理ステーションは、しばしば、長手方向でササミを切断するように構成されており、この場合において、ナイフは、好ましくは、ササミのうち幅が最も広い部分に係合する。
【0089】
図8に示す搬送システムは、ササミを90度の角度で回転させて、製造ステーションから処理ステーションまでササミを搬送するように構成されている。供給向きを有するササミであってこれらが搬送方向に対して横方向に延在するササミは、幅が最も広い部分が先を行きながら、排出コンベアにあるササミが搬送方向と平行に延在するような態様で、システムによって回転される。このため、ササミは、最適な位置で処理ステーションに回送され、そこで切断される。
【0090】
図8に示す別の実施形態における搬送システムにおいて、輸送面は、45度とは異なる搬送方向に対する角度で始まるかつ/または終端する。例えば、肉製品を垂直軸回りで約45度の角度回転させるため、輸送面の始まる部分及び終端部は、それぞれ、搬送方向に対して22.5度及び22.5度の角度または45度及び0度の角度をなして延在してもよい。
【0091】
このような搬送システムは、2つの標準タイプのコンベアベルトと所望の搬送動作のために特に適合された搬送コンベアベルトとを組み合わせることから単純な様式で組み合わされる。搬送コンベアベルトの輸送面は、好ましくは、駆動ローラによって画成されるが、コンベアベルトによって画成されてもよい。
【0092】
図9aから図10bは、図3及び図4に示すさまざまな実施形態の原理を示し、供給コンベアの輸送面は、排出コンベアの輸送面よりも上方の高さに位置付けられ、このため、供給された肉製品は、供給コンベアから排出コンベアに落下する。この場合において、肉製品が落下する距離は、供給コンベアから排出コンベアに落下する間に、肉製品が搬送方向に対して横方向の軸回りで180度の角度回転するようになっている。
【0093】
図9aから図10bに示す搬送システム900、910は、供給コンベア901、911と、矢印903、913で示される搬送方向で肉製品904、914を搬送するための排出コンベア902、912と、を備える。供給コンベア及び排出コンベアは、互いに対して90度の角度をなして位置付けられている。供給コンベア及び排出コンベアの輸送面は、例えば、駆動ローラまたはコンベアベルトによって画成される。供給コンベアの輸送面は、排出コンベアの輸送面の上方で終端し、そのため、製品は、供給コンベアから排出コンベア上に落下する。供給コンベアは、排出コンベアに対して所定高さに配置されており、そのため、供給された肉製品は、供給コンベアから排出コンベア上に落下するときに反転する。
【0094】
供給コンベア上の肉製品の向きと比較すると、排出コンベア上の肉製品は、搬送方向に対して横方向の軸回りで180度の角度回転されるだけでなく、輸送面に対して直角である軸回りで180度の角度回転される。
【0095】
このようにコンベアベルトを配置することによって、単純な搬送システムは、標準的なタイプのコンベアベルトを用いて、搬送方向に対して製品を傾けて回転させるように構成することができる。
【0096】
本発明における好ましい実施形態の肉処理システムにおいて、センサと供給コンベアにあるササミの供給頻度に基づいて排出コンベアの排出速度を制御するための制御システムとを設ける。実際には、連続するササミが不規則な間隔で供給されることがある。
【0097】
これは、例えばササミを採取することによって引き起こされる。ササミは、胴体から分離され、その後、供給コンベア上に落下する。いくつかのササミが他のササミよりも早く落ちるので、ササミは、規則的な間隔で供給コンベア上に着陸しない。しかし、いくつかの処理ステーションにおいては、ササミを一定の間隔で送達させ、このため、これらを規則的な距離離間して供給することが好ましい。肉製品の供給頻度に応じて排出コンベアまたはパークベルトの搬送速度を調整することによって、肉製品をほぼ規則的な間隔で処理ステーションまで供給することが可能となる。
【0098】
好ましい実施形態において、比較的短いパークベルトは、連続的に供給される肉製品間の距離のバラツキを補償するために、比較的長い供給コンベアと比較的長い排出ベルトとの間に設けられている。パークベルトは、好ましくは、単一の肉製品を支持するのに十分な距離を有し、肉製品を受けるために供給コンベアの下流に位置する。排出コンベアは、肉製品がパークベルトから排出ベルトに移送されるように、パークベルトの終端部に配置されている。供給コンベア及び排出コンベアは、一定速度で移動され、パークベルトの速度は、制御システムによって制御される。
【0099】
好ましくは、パークベルトは、肉製品を排出コンベアに供給するために、一定の時間間隔で前進する。例えば、パークベルトが2秒ごとに前進する場合、肉製品を排出コンベアに回送するために使用される2秒の間隔がある。そして、肉製品は、2秒後とに排出コンベア上に回送され、このため、肉製品は、一定頻度で排出コンベア上を搬送される。
【0100】
さらなる実施形態において、制御システムには、供給頻度、ひいては供給コンベアにある肉製品間の相互距離を記録するために、例えばカメラまたは供給ベルトの輸送面の下側にある計量ユニットのようなセンサが設けられている。この場合において、制御システムは、連続する肉製品間の相互距離の差を低減するために、搬送速度を制御する、すなわち供給頻度に応じてパークベルトを加速及び減速する、場合によって一時停止するように構成されている。このような実施形態において、パークベルトは、好ましくは、複数の肉製品を支持するのに十分な長さを有する。
【0101】
さらなる実施形態において、移送コンベアベルトは、図8に示すように、パークベルトとして構成されている、すなわち、移送コンベアベルトの搬送速度は、制御システムによって制御される。このため、搬送方向に対する肉製品の向きは、変更され、排出コンベアにある肉製品間の相互距離は、同様に、供給コンベアにある連続する肉製品における相互距離と比較して均一化される。
【0102】
図11から図13は、例示的な実施形態における搬送システム1000〜1020を示しており、これら搬送システムは、本発明における肉処理システムと共に使用される。搬送システム1000〜1020は、変位可能素子1004、1014、1024が設けられた供給ベルト1011、1021と、2つの排出コンベア1002、1003、1012、1013、1022、1023と、を備える。供給コンベアの変位可能素子は、2つの排出コンベアにわたって供給された製品を分配することが可能なスイッチとして機能する。変位可能素子は、肉処理システムの一部を形成する制御システムによって制御される。製品は、矢印1006、1016、1026で示される搬送方向で搬送システムによって搬送される。
【0103】
図11において側面図で示される搬送システム1000において、供給コンベア1001は、2つの排出コンベア1002、1003と組み合わされる。2つの排出コンベアは、一方が他方の上方にあるように位置付けられている。供給コンベア1001には、搬送方向に対して横方向の水平軸回りでヒンジ回動するように取り付けられたヒンジ部分1004が設けられている。変位可能部分を介して、供給コンベアは、供給された製品を第1コンベアベルト1002または第2排出コンベア1003に移送する。
【0104】
図11に示すような搬送システムは、供給速度Vxで、Vxの半分の排出頻度を有する2つの排出コンベア上に製品流れを分配するのに適している。このため、搬送システムは、高速な製品ステーションを2つの低速な処理ステーションに接続する。
【0105】
図12及び図13は、搬送システム1010、1020を示す上面図であり、これら搬送システムは、単一の流れの製品を2つの排出流れに分割するように構成されている。図10に示す例示的な実施形態とは対照的に、排出コンベアは、互いに隣接して位置する。
【0106】
図12の供給コンベア1011には、輸送面に対して垂直なシャフトにヒンジ的に取り付けられた変位可能部分1014が設けられている。このため、供給コンベアは、スイッチとして機能する。
【0107】
図13に示す供給コンベア1021には、水平面で平行移動する部分1024が設けられている。このため、供給コンベアは、同様に、スイッチとして機能する。
【0108】
供給コンベアの変位可能部分は、制御システムによって制御される。このように、搬送システムは、単一の製品流れを2つの排出コンベア上に分配するように構成されている。
【0109】
図11から図13に示す例において搬送方向を反転させることによって、図示した原理は、第1及び第2の製品流れを組み合わせて単一の製品流れを形成するために使用されてもよい。
【0110】
上述した搬送システムは、製品を手で移送する及び/または向きを変えることなく、いくつかの処理ステーションであって排出頻度及び/または製品の向きが処理ステーションの排出頻度及び/または製品の向きとは互いに異なるいくつかの処理ステーションを結合するために、肉処理システムにおいて互いに組み合わされてもよい。
【0111】
本発明における好ましい実施形態の肉処理システムにおいて、搬送システムは、モジュール式設計からなり、そのため、ステーション及び搬送システムは、あるタイプの製品ステーションを別の処理ステーションに組み合わせるまたはその逆で組み合わせるために、互いに独立して配置されてもよい。
【0112】
例えば、さまざまなタイプの供給コンベアは、これらが一のタイプの排出コンベアと組み合わされるように構成されてもよい。そして、1以上の供給コンベアに基づいて搬送システムを上記排出コンベアと組み合わせることによって、製造ステーションを処理ステーションに接続するためのさまざまな解決法を提案することが可能である。例えば、肉製品を反転させるために、排出コンベアに沿って位置付けられた供給ステーションまたは排出コンベアと部分的に平行に位置付けられた供給ステーションを選択することが可能である。また、肉製品の所望の向きに応じて、特有の搬送システムを組み合わせることが可能である。
【0113】
また、供給コンベアは、肉製品を移送するために、標準的なタイプの供給コンベア及び排出コンベアから標準的なタイプのコンベアベルトまで肉製品を受けるように構成されてもよい。
【0114】
好ましい実施形態において、本発明における肉処理システムには、食肉処理した鳥肉のササミを採取するように構成された製造ステーションが設けられている。さらに好ましい実施形態において、本発明における肉処理システムには、鶏肉または七面鳥肉のような鶏肉のほぼ平行な第1左側ササミ流れと第2右側ササミ流れとを製造するように構成された製造ステーションが設けられている。肉処理システムには、左側ササミを搬送するための第1供給コンベアと右側ササミを搬送するための第2供給コンベアと左側及び右側ササミを搬送するための共通の排出コンベアとが設けられている。
【0115】
第1及び第2供給コンベアは、共通の排出コンベアに移送し、同時に第1及び第2移送場所それぞれにおいてササミを反転させるように構成されており、このため、排出コンベアは、排出向きであってそれぞれの供給コンベアにおける供給頻度とは異なる供給向きとは異なる排出向きで、処理ステーションにササミを供給する。
【0116】
供給コンベア及び排出コンベアは、例えば、図1及び図2に示す例示的な実施形態と同様に構成されてもよい。第2供給コンベアは、例えば、図3及び図4に示す第2供給コンベアのように構成されてもよく、この場合において、供給コンベアは、第1コンベアベルトと平行にかつ第1供給コンベアの上方に配置され、これにより、この供給コンベアの供給された肉製品は、第1供給ベルトが肉製品を排出コンベアに移送する移送場所の下流にある移送場所で排出コンベア上に落下する。
【0117】
図5は、本発明における好ましい実施形態の肉処理システムを示しており、この肉処理システムは、同時にササミを採取するためのシステムを備える。このようなシステムは、例えば、特許文献1から公知であり、「FHMシステム」の名所の下で商業的に入手可能である。
【0118】
このような肉処理システムは、鶏肉、七面鳥肉、鴨肉など食肉処理された鳥肉のササミを採取するように構成されている。製造ステーションにおいて、左側及び右側ササミは、同時に胴体から分離される。左側及び右側ササミは、処理ステーションに移送するために、コンベアベルト上に落下する。好ましくは、ササミは、スクレーパを用いて胴体から切り離されるが、同様に、胴体から引き裂くまたは切断されても良い。両ササミは、その後、パッケージステーションへ、さらなる処理のために、離間するようにササミを搬送するコンベアベルト上に落下し、このパッケージステーションでは、例えばササミを個別にまたは他のササミと共にトレイ状の容器内にパッケージし、この容器を透明フィルムを用いてシールする。
【0119】
パッケージする前に、ササミは、通常、骨細片の存在を検査されるまたは計量される。骨細片の検査は、検査ステーションで行われる。検査ステーションにおいて、ササミの内側面、すなわち胴体から分離されたササミの表面は、視認検査を受ける。検査は、人によってまたは例えばカメラを用いて実行される。これら未だに骨細片を含むササミは、製品流れから除去され、別個に処理される。
【0120】
通過したササミは、その後、ササミを計量する計量ステーションへ搬送される。この情報は、その後にパッケージに印刷されるかつ/またはササミを量り分けるために使用され、このため、ある重量に組み合わされた複数のササミ部分は、共にパッケージされる。
【0121】
図5は、このような肉処理システム301を概略的に示しており、この肉処理システムは、食肉処理された鳥肉のササミ308、408を採取するための製造ステーションを備え、製造ステーション302は、左側ササミ308からなる第1流れと右側ササミ408からなる第2流れとをほぼ同時に製造するように構成される。図6は、図5の肉処理システムにおける線AA断面図であって矢印B方向を見た断面図を示しており、図7は、線AA断面図であって矢印C方向を見た断面図を示す。
【0122】
肉処理システム301は、製造ステーション302から計量ステーション303までの搬送経路に沿う搬送方向305、405でササミ308、408を搬送するように構成された搬送システム304を備える。搬送システム304は、分流器500と、隣接する第1供給コンベア306及び第2供給コンベア406とを備え、これら第1及び第2供給コンベア双方は、共通の排出コンベア307に隣接する。
【0123】
第1供給コンベアは、図1及び図2に示す肉処理システムの供給コンベアに対応する。第2供給コンベアは、図3及び図4に示す肉処理システムの一方の供給コンベアに対応する。
【0124】
左側及び右側ササミは、分流器の左側及び右側コンベア上に落下する。下流において、コンベアベルトは、これによりササミを別個のコンベアベルトに供給するために、分離する。左側ササミは、分流器500から第1供給コンベア306に搬送され、右側ササミは、第2供給コンベア406に搬送される。これらコンベアベルトは、搬送経路の供給セクションに沿って左側及び右側ササミを搬送するために、第1供給方向及び第2供給方向それぞれに延在する。供給コンベアは、供給速度V1で及び供給頻度で並びに搬送方向に対する供給向きでササミを搬送し、これら供給速度、供給頻度及び供給向きは、製造ステーションによって決定される。
【0125】
共通の排出コンベア307は、別個の供給コンベアの供給速度の2倍に等しい排出速度V2で、搬送経路の排出セクションに沿って、供給コンベア306、406によって供給されたササミ308、408を搬送するための排出方向で延在する。
【0126】
さらに、供給コンベアは、ササミを反転するように構成されており、この場合において、排出コンベア307の搬送方向に対するササミの排出向きは、供給コンベア306、406の輸送面に対するササミの供給向きに対して変化する。
【0127】
さらに、本発明における肉処理システムにおいて、第1及び第2供給コンベア306、406は、第1及び第2移送場所それぞれにおいてササミを共通の排出コンベアに移送し、同時にササミを反転させるように構成されており、排出コンベアの排出速度V2は、供給コンベアの供給速度V1の2倍である。第2移送場所は、第1移送場所の下流に位置する。
【0128】
供給コンベア306に対して排出コンベア307の速度が速いことに起因して、左側ササミ308間の相互距離は、供給コンベア306において、排出コンベア307に移送された後よりも大きい。排出コンベアの搬送速度が速いことに起因して、左側ササミは、同様に、供給コンベアにあるササミに対して速く移動する。これにより、右側ササミを排出コンベアにある左側ササミ間に配置することが可能となる。
【0129】
右側ササミ408を排出コンベア307に移送するための移送場所は、右側ササミが左側ササミ間に配置されて左側及び右側ササミが交互になった単一の流れを形成するように位置付けられている。排出コンベアにあるササミの排出向きは、供給コンベアにおける供給向きとは異なり、排出頻度は、供給コンベアにおける供給頻度とは異なる。
【0130】
図5において、製造ステーション302は、左側ササミ308からなる第1流れと右側ササミ408からなる第2流れとを製造するように構成されている。採取された左側及び右側ササミは、内側を下に向けて、左側及び右側コンベアベルト501、502上に同時に垂直に落下する。ササミは、互いに物理的には接続されていないが、互いに近接して落下しており、このため、ササミは、いったんササミが例えばコンベアベルトにあると、通常、互いに部分的に重なり合う。ササミは、ササミが別個に移送されかつ処理されるように互いに分離されていなければならない。ササミに表面が高摩擦係数を有するという事実に起因して、重なり合うササミを互いに分離させることは容易ではない。しかし、分流コンベアは、採取した左側及び右側ササミを分離させるのに特に適している。
【0131】
明確性のため、ササミのうちもともと皮に面する側は、図においてハッチングされ、これに沿ってササミが切り離される内面は、ハッチングされていない。ササミは、皮側が上を向くと共に内面を下に向けて、FHFデバイスから落下する。
【0132】
ササミを同時に採取するので、ササミは、採取機械によって供給されることができ、このため、ササミは、わずかに重なり合う。ササミを別個に処理することを可能とするため、製造ステーションには、好ましくは、採取したササミを左側ササミ308からなる第1流れと右側ササミ408からなる第2流れとに分離させるための分流コンベアベルト500が設けられている。分流コンベアベルト500は、左側コンベアベルト501と右側コンベアベルト502とを備え、コンベアベルト双方は、収集領域から延在し、収集領域において、ササミは、採取機械からササミを搬送システムに移送する移送領域まで落下させる。
【0133】
採取機械の下方にある収集領域において、分流コンベアのコンベアベルトは、互いにわずかに重なり合う左側及び右側ササミを収集するためのコンベアベルト間にある空間がほとんどないまたはないように、互いを向く側が互いに寄せて配置されている。左側ササミ308は、左側コンベアベルト501上に落下し、右側ササミ408は、右側コンベアベルト502上に落下する。ササミは、通常、ササミが互いに部分的に重なり合うように着陸する。互いに重なり合うササミを分離させるために、コンベアベルトは、コンベアベルトが左側及び右側ササミを分けるように、下流方向で分離する。左側コンベアベルトは、左側ササミを搬送し、右側コンベアは、右側ササミを搬送し、これにより、2つのササミは、互いに分離される。ここで、ササミは、互いに別個に処理される。
【0134】
図示した好ましい実施形態において、互いを向く側において、分流器のコンベアベルトには、ササミと係合する選択的なピン503が設けられている。ピンは、コンベアベルトとササミとの間の摩擦を増大させ、このため、一方のまたは双方のササミが分離間中にコンベアベルトから、最終的には2つのコンベアベルト間を滑る危険性を低減する。また、さらに好ましい実施形態において、両コンベアベルトの輸送面には、輸送面に対して突出し、ササミの噛み合いを増大さえる構造体が設けられている。
【0135】
図5に示す例示的な実施形態において、分流器500のコンベアベルト501、502における左側及び右側ササミは、第1供給コンベア306及び第2供給コンベア406それぞれに移送される。
【0136】
分流器のコンベアベルトは、ササミが分流器から落下するように、第1及び第2供給コンベアの上方に位置付けられている。高さ及び搬送速度は、ササミがササミの落下中に反転してササミの内面を上に向けて第1及び第2供給コンベア上に着陸するようになっている。
【0137】
ササミは、その後、内面を上に向けて、第1及び第2供給コンベアによって搬送される。移送領域のすぐ下流の領域には、検査ステーションが配置されており、ササミの内面は、ササミが排出コンベア上を搬送される間に、視認検査を受ける。検査は、コンベアベルトに隣接して位置する人(図示略)によって実行される。この人が切断面において骨細片に気付くと、彼/彼女は、コンベアベルトからササミを取り上げ、さらなる処理のためにササミを離間して運搬するさらなるコンベアベルト(図示略)上に配置する。
【0138】
肉製品は、その後、検査ステーションから供給コンベアによって運搬され、共通の排出コンベアまで移送され、この場合において、肉製品は、搬送方向と平行な軸回りで傾き、排出コンベアは、肉製品を最終的な処理ステーションまで搬送する。
【0139】
このため、肉製品は、製造ステーションから供給コンベアまで移送する瞬間に及び供給コンベアから排出コンベアまで移送する瞬間に傾く。処理ステーションに到着すると、ササミは、分流コンベアと同様に同じ側を上に向けて向きが変わる。ササミのうち分流コンベアにおいて先を行く部分である部分は、排出コンベアにおいて後を追う部分となる。
【0140】
図5に示す例示的な実施形態において、第1供給コンベア306は、ササミ308の向きを変更するように構成されており、このササミは、搬送方向305と平行な軸回りでササミを反転させることによって、上記供給コンベア306によって供給され、このため、ササミ308のうち供給コンベア206上で下を向く側は、排出コンベア307上で上を向く。
【0141】
搬送経路の供給セクションの終端部において、供給コンベア306は、搬送経路の排出セクション311の最初の部分において排出コンベア307と重なり合い、この場合において、供給コンベア306の供給方向は、排出コンベア307の排出方向と所定角度をなす。
【0142】
さらに有利な実施形態において、第1供給コンベア306には、自動的には供給コンベアから滑り落ちないササミ308を押し込むための選択的なアンローダが設けられている。このようなアンローダは、供給コンベアをほぼ横方向に横断するように延在しており、このため、自動的には供給コンベアから滑り落ちないササミ308は、アンローダによって移動される。アンローダは、ササミをコンベアベルトから分離し、その結果、ササミは、供給コンベアから排出コンベア上に滑り落ち、その過程で、搬送方向と平行な軸回りで傾く。
【0143】
アンローダは、好ましくは、スチールまたはプラスチックのような容易に洗浄可能な材料で形成されたストリップ状素子であり、この材料は、好ましくは、低摩擦係数を有している、好ましくは、排出コンベアの摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する。さらに好ましい実施形態において、ササミと接触するアンローダの表面は、供給コンベアの表面と所定角度をなしており、このため、アンローダは、積極的に、ササミを供給コンベアから離間するように案内する。これは、肉製品を排出コンベア307上に押し込みながら肉製品308を反転させることを促進する。このようなアンローダは、他方の供給コンベア406に設けられており、後述される。
【0144】
第1供給コンベアは、排出コンベア307に沿って延在する。その下流側に位置する部分は、排出コンベアに沿って延在する。供給コンベア306のうち排出コンベア307と重なり合う部分は、湾曲部を形成し、このため、供給コンベア306のうち排出コンベア307に沿って延在する部分と供給コンベア306のうち排出コンベア307に隣接して延在する部分との間を接続する。
【0145】
第1供給コンベアは、第1帰還ローラ314であってその回転シャフトが水平面に延在する第1帰還ローラと、第2帰還ローラ315であってその回転シャフトがほぼ垂直方向に延在する第2帰還ローラと、を備える。
【0146】
図5に示す例示的な実施形態において、第2供給コンベア406は、搬送方向405と平行な軸回りでササミ408を反転させることによって、上記供給コンベア406によって供給されたササミ408の向きを変更するように構成されており、このため、ササミ408のうち供給コンベア406において下を向く側は、排出コンベア307において上を向く。
【0147】
搬送経路の供給セクションの終端部において、供給コンベア406は、排出コンベア307に沿って延在する。搬送経路の供給部分の終端部において、供給コンベア406の表面は、搬送方向405において、搬送方向に対して横方向に徐々に傾く。表面は、ササミ408を支持するためのほぼ水平な位置からササミ408を移送するためのほぼ垂直な位置まで傾く。
【0148】
供給コンベアの表面は、肉製品に適合されており、このため、相互の摩擦係数は、肉製品が供給コンベアから直接滑り落ちることを防止するのに十分である。輸送面を傾けることによって、重力によって引き起こされ、肉処理にかかる横方向の力は、徐々に増大する。ある時点において、力は、大きくなり、肉製品は、横方向に供給コンベアを滑り落ち、傾いて排出コンベア上に上下反転して着陸する。このため、ササミは、排出コンベア307上に移送され、この排出コンベアは、搬送方向405に対してほぼ横方向の方向で、そこでは供給コンベア406に沿って延在する。
【0149】
図示した有利な例示的な実施形態において、供給コンベア406には、移送場所の終端部において、供給コンベアの輸送面に沿ってほぼ垂直方向に延在する選択的なアンローダ413が設けられており、この移送場所において、ササミは、排出コンベアへ移送される。ササミが供給コンベアに不意に「貼り付く」場合に、ササミは、アンローダ413と接触し、このアンローダは、ササミを輸送面から引き離し、このため、ササミは、滑り落ちる。好ましい実施形態において、アンローダは、コンベアベルトの全幅を横断するように延在するストリップ状の素子である。好ましくは、接触シートは、傾けることを容易にするために、輸送面に対して若干の角度をなしている。
【0150】
アンローダは、好ましくは、例えば金属またはプラスチックなど低摩擦係数を有する材料から形成される。
【0151】
供給コンベア406には、第1帰還ローラ414であってその回転シャフトが水平面に延在する第1帰還ローラと、第2帰還ローラであってその回転シャフトがほぼ垂直方向に延在する第2帰還ローラと、が設けられている。
【0152】
このため、ササミは、ササミが製造ステーションから供給コンベアまで移送される時点とササミが供給コンベアから排出コンベアまで移送される時点とにおいて傾く。処理ステーションに到達すると、ササミは、製造ステーションの分流コンベアと同様に同じ側を上に向けて位置付けられる。ササミのうち分流コンベアにおいて先を行く部分である部分は、排出コンベアにおいて後を追う部分である。さらに、2つの左側及び右側ササミ流れは、組み合わされて左側及び右側ササミが交互にある単一の流れを形成する。図示した搬送システムは、特に、左側及び右側ササミを製造するための製造ステーションを例えば単一のササミ流れを計量するための計量ステーションに接続するのに適している。
【0153】
製造ステーションに分流コンベアを設けることにより、処理ステーションに移送するための製造ステーションまで採取した別個の第1及び第2ササミ流れを容易に供給することが可能になる。
【0154】
また、本発明は、肉製品、特に鶏肉、七面鳥肉、鴨肉などのような食肉処理された鳥肉のササミを製造する方法を提供し、その用途は、本発明における肉処理システムで用いられる。
【0155】
この方法は、製造ステーションから処理ステーションまで搬送方向で肉製品を搬送することを提供し、この場合において、肉製品の向きは、移送中に肉製品流れの搬送方向に対して調整される。このようにして、製造ステーションによって送達された肉製品流れは、処理ステーションのための肉製品の所望の入力位置に調整される。
【0156】
特に、本発明は、食肉処理された鳥の左側及び右側ササミを同時に採取し、左側及び右側ササミを第1及び第2搬送経路それぞれに沿って搬送し、搬送システムを用いて上記左側ササミ及び右側ササミ流れを組み合わせて交互の左側及び右側ササミが交互にある単一の流れを形成し、そして、組み合わせる操作を用いて、同時に上記ササミを反転させ、これにより、供給コンベアにおいて下を向く側を上に向けてササミを排出コンベア上に位置付けるための方法を提供する。
【0157】
有利な実施形態において、本発明における搬送システムの供給コンベアは、搬送方向に対して横方向に輸送面を傾けることによって、肉製品の方向を変えるように構成されている。このような供給コンベアは、ササミ及び大腿骨を未だに含む脚部のような平坦な肉製品を傾けるのに特に適している。これら肉製品は、平面にほぼ延在する。肉製品は、ほぼ平坦な底面側及び帳面側と、比較的狭い側面側と、を有する。このような肉製品は、肉製品のうち比較的大きい頂面部または底面部を下にする。
【0158】
概して、このような平坦な製品は、特定の側を上向きにしてパッケージされる。例えば、鶏肉の脚部及びササミは、主として、透明フィルムでシールされるトレイ状の容器内にパッケージされる。透明フィルムの結果、消費者は、肉製品を視認可能である。したがって、肉製品は、比較的滑らかな皮側を上に向けて比較的傷のある切断面である鳥肉の骨に接続される側を下に向ける。
【0159】
したがって、切断側を上に向けて肉製品が製造ステーションから出ると、肉製品は、反転されなければならない。さらに、ときどき望ましいことは、肉製品の処理中に、例えば内面の視認検査中または皮側をマリネにしている間に、ある側を上向きにすることである。
【0160】
搬送中に肉製品を反転するように構成された搬送システムにより、手でまたは例えばロボットを用いて肉製品の向きを変更するために別個の処理ステーションを必要としないので、効率的な肉処理システムとすることが可能となる。
【0161】
好ましい実施形態において、本発明における搬送システムには、製造ステーション及び処理ステーションそれぞれの一部を形成する供給コンベア及び排出コンベアが設けられている。このような構成において、製造ステーションと処理ステーションとの間の距離は、製品が例えば製造ステーションの搬送ベルトから供給コンベアまで移送される必要がないように、小さいままである。
【0162】
別の実施形態において、本発明における搬送システムには、製造ステーション及び処理ステーションそれぞれの一部を形成しない供給コンベア及び排出コンベアが設けられてもよい。このような実施形態において、ステーションには、例えば供給コンベアに肉製品を移送するためのまたは排出コンベアから肉製品を受けるための専用のコンベアベルトが設けられている。このような実施形態の利点は、搬送システムがモジュール式設計であり、このため、単純な態様で、ステーションとは独立して適合される、または別の製造ステーションもしくは別の処理ステーションと組み合わされる点である。
【0163】
本発明が本明細書で図示した好ましい実施形態に限定されないことは、明確である。このため、排出コンベア及び供給コンベアのさまざまな組合せを形成してもよい。また、搬送システムには、例えば単一の製品流れを2つの単一の製品流れに分割するために、供給コンベアと2つの排出コンベアとの間にスイッチが設けられてもよい。
【0164】
本発明における肉処理システムの製造ステーションは、好ましくは食肉処理された部分であって好ましくは鶏肉、七面鳥肉または鴨肉のような鳥肉のような食肉処理された動物のササミ、脚、手羽先または胴体のような部分を採取することによって、肉製品を製造するように構成されている。食肉処理された部分は、製造ステーションにおいて胴体から取り除かれ、その後、処理ステーションまで移送するために搬送システムに送達される。
【0165】
本願においてササミを述べているが、これは、左側または右側ササミに言及することを意図しており、このササミは、食肉処理される前に、胴体の左側または右側それぞれに取り付けられている。したがって、左側及び右側ササミの組み合わせに言及しない。
【0166】
コンベアベルトは、移送される製品を支持するための輸送面を備える。輸送面は、コンベアベルトの上側部分によって画成される。多くの場合において、発明に否定的な影響を与えることなく、コンベアベルトが一連の駆動移送ローラで置換されてもよいことは、明確である。
【0167】
さまざまな変形例は、当業者に明確であり、添付の特許請求の範囲で規定されるように発明の範囲が及ぶと判断される。
【符号の説明】
【0168】
1,101 肉処理システム、2,102,302 製造ステーション、3,103 処理ステーション、4,104,304 搬送システム、5,105,205,305,405,803 搬送方向、6 供給コンベア、7,107,802 排出コンベア、8,804 肉製品、10,110,210 供給セクション,供給部分,第1部分,搬送経路、11,109 排出セクション,第2排出部分、106,306 第1供給コンベア(供給コンベア)、108,308 左側ササミ,ササミ(肉製品)、206,406 第2供給コンベア(供給コンベア)、208,408 右側ササミ,ササミ(肉製品)、303 計量ステーション(処理ステーション)、500 分流コンベアベルト、501 左側コンベアベルト(コンベアベルト)、502 右側コンベアベルト(コンベアベルト)、503 ピン、805 移送コンベアベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉処理システム(1;101)であって、
肉製品(8;108、208)、好ましくは鶏肉または七面鳥肉のような鳥肉の食肉処理部分、好ましくはササミを製造する製造ステーション(2;102)と、
前記肉製品(8;108、208)を処理するための処理ステーション(3;103)と、
前記製造ステーション(2;102)から前記処理ステーション(3;103)まで搬送経路に沿う搬送方向(5;105、205)で前記肉製品(8;108、208)を搬送するように構成された搬送システム(4;104)と、
を備え、
前記搬送システムが、
搬送方向(5;105、205)に対する供給向きで前記搬送経路の供給セクション(10;110、210)に沿って前記肉製品を搬送するために、供給方向で延在する少なくとも1つの供給コンベア(6;106、206)であって、前記供給向きが、前記製造ステーション(2;102)によって決定される、少なくとも1つの供給コンベア(6;106、206)と、
搬送方向(5;105、205)に対する排出向きで前記搬送経路の排出セクション(11;109)に沿って前記肉製品を搬送するために、排出方向で延在する少なくとも1つの排出コンベア(7;107)であって、前記供給向きが、当該搬送システム(4;104)によって決定される、少なくとも1つの排出コンベア(7;107)と、
を備え、
前記供給コンベア(6;106、206)が、前記肉製品を前記排出コンベア(7;107)まで搬送するように構成され、
前記搬送システムが、前記排出コンベア(7;107)にある前記肉製品の向きが前記供給コンベア(6;106、206)にある前記肉製品の向きとは異なるように構成されていることを特徴とする肉処理システム。
【請求項2】
前記供給コンベア(6;106、206)の表面が、下流方向において、前記肉製品(8;108)を支持するためのほぼ水平な位置から、前記肉製品(8;108)を前記搬送方向(5;105)に対してほぼ横方向の方向で前記排出コンベア(7;107)に搬送するための傾いた、好ましくはほぼ垂直な位置まで、前記搬送方向(5;105)に対して横方向に徐々に傾き、
前記排出コンベア(7;107)が、移送場所において、前記供給コンベア(6;106)から当該排出コンベア(7;107)までの移送中に前記肉製品(8;108)が前記搬送方向(5;105)にほぼ延在する軸回りで回転し、かつ、前記肉製品のうち前記供給コンベア(6;106)上で下を向く側が前記排出コンベア(7;107)上で上を向くように、前記供給コンベア(6;106)に沿って延在することを特徴とする請求項1に記載の肉処理システム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記供給コンベア(6)が、垂直方向から見て、前記排出コンベア(7)と部分的に重なり合うことを特徴とする請求項2に記載の肉処理システム。
【請求項4】
前記供給コンベア(206)が、前記搬送経路の前記供給セクション(210)の終端部において、輸送面が前記排出コンベア(107)の輸送面よりも上方の高さにあるように位置付けられており、そのため、供給された前記肉製品(208)が、前記供給コンベア(206)から前記排出コンベア上に落下し、落下中に、前記搬送方向(205)に対してほぼ横方向の軸回りで回転することを特徴とする請求項1に記載の肉処理システム。
【請求項5】
前記供給コンベア(206)が、前記搬送経路の前記供給セクション(210)の終端部において、供給搬送方向が前記搬送経路の前記排出セクション(109)の最初の部分において前記排出コンベア(107)の排出搬送方向にほぼ沿って配置されていることを特徴とする請求項4に記載の肉処理システム。
【請求項6】
前記供給コンベアが、前記搬送経路の前記供給セクションの終端部において、前記搬送経路の前記排出セクションの最初の部分において供給搬送方向が前記排出コンベアの排出搬送方向に対してほぼ横方向となるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の肉処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の肉処理システム(104)であって、
前記肉製品(108、208)からなる第1及び第2流れをほぼ同時に製造するように構成された製造ステーション(102)と、
前記肉製品(108、208)からなる単一の流れを処理するための処理ステーション(103)と、
前記製造ステーション(102)から前記処理ステーション(103)まで搬送経路に沿う搬送方向で前記肉製品(108、208)を搬送するように構成された搬送システム(104)と、
を備え、
前記搬送システム(104)が、
請求項2から6のいずれか1項に記載の第1供給コンベア(106)であって、所定供給頻度でかつ前記搬送方向(105)に対する所定供給向きで、前記搬送経路の第1供給セクションに沿って肉製品(108)からなる前記第1流れを搬送するために供給方向で延在し、前記供給頻度及び前記供給向きが前記製造ステーション(102)によって決定される、第1供給コンベア(106)と、
請求項2、4、5及び6のいずれか1項に記載の第2供給コンベア(206)であって、所定供給頻度でかつ前記搬送方向に対する所定供給向きで、前記搬送経路の第2供給セクションに沿って肉製品(208)からなる前記第2流れを搬送するために供給方向で延在し、前記供給頻度及び前記供給向きが前記製造ステーション(102)によって決定される、第2供給コンベア(206)と、
所定排出頻度で前記搬送経路の排出セクションに沿って、第1及び第2供給コンベア(106、206)によって供給された前記肉製品(108、208)を搬送するために、排出方向で延在する共通の排出コンベアであって、前記排出頻度が、前記第1供給コンベア(106)の供給頻度と前記第2供給コンベア(206)の供給頻度との和に等しく、当該搬送システム(104)によって決定される、共通の排出コンベアと、
を備え、
前記第1及び第2供給コンベア(106、206)が、第1及び第2移送場所それぞれにおいて、前記肉製品(108、208)を共通の前記排出コンベア(107)に移送し、前記肉製品を同時に反転させるように構成され、この場合において、前記第2移送場所が、前記第1移送場所の下流にあるまたはその逆であることを特徴とする肉処理システム。
【請求項8】
前記製造ステーション(102)が、食肉処理した鳥肉の左側ササミ(108)からなる第1流れと右側ササミ(208)からなる第2流れとをほぼ同時に製造するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の肉処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の肉処理システム(301)であって、
食肉処理した鳥肉のササミ(308、408)を採取するための製造ステーション(302)であって、当該製造ステーション(302)が、左側ササミ(108)からなる第1流れと右側ササミ(208)からなる第2流れとをほぼ同時に製造するように構成されている、製造ステーション(302)と、
前記左側及び右側ササミ(308、408)を含む単一の流れを処理するための処理ステーション(303)と、
前記製造ステーション(302)から前記処理ステーション(302)まで搬送経路に沿って搬送方向(305、405)で前記ササミ(308、408)を搬送するための搬送システム(304)と、
を備え、
前記搬送システム(304)が、
所定供給頻度でかつ搬送方向(305)に対する所定供給向きで、前記搬送経路の第1供給セクションに沿って前記左側ササミ(308)を搬送するために供給方向で延在する第1供給コンベア(305)であって、前記供給頻度及び前記供給向きが前記製造ステーション(302)によって決定される、第1供給コンベア(306)と、
所定供給頻度でかつ搬送方向(405)に対する所定供給向きで、前記搬送経路の第2供給セクションに沿って前記右側ササミ(408)を搬送するために供給方向で延在する第2供給コンベア(406)であって、前記供給頻度及び前記供給向きが前記製造ステーション(302)によって決定される、第2供給コンベア(406)と、
所定排出速度でかつ搬送方向(305、405)に対する所定排出方向で前記搬送経路の排出セクションに沿って、前記第1及び第2供給コンベア(306、406)によって供給された前記ササミ(308、408)を搬送するために、排出方向で延在する共通の排出コンベア(307)であって、前記排出速度及び前記排出方向それぞれが前記第1及び第2供給コンベアにある前記ササミの供給速度及び供給向きとは異なる、共通の排出コンベア(307)と、
を備え、
前記第1及び第2供給コンベア(306、406)が、第1及び第2移送場所それぞれにおいて、前記ササミ(308、408)を共通の前記排出コンベア(307)へ移送し、同時に前記ササミを反転させるように構成され、
前記第2移送場所が、前記第1移送場所よりも下流に位置し、これにより、前記排出コンベア(307)が、前記第1及び第2供給コンベア(306、406)における前記供給向きとは異なる排出向きでかつ前記第1及び第2供給コンベア(306、406)における供給頻度とは異なる排出頻度で、前記処理ステーション(303)へ前記ササミ(308、408)を送達することを特徴とする肉処理システム。
【請求項10】
前記第1及び第2供給コンベア(306、406)のうちの少なくとも一方の表面が、下流方向で、前記ササミ(308、408)を支持するためのほぼ水平な位置から前記搬送方向(305、405)に対してほぼ横方向で、前記ササミ(308、408)を前記排出コンベア(307)へ移送するための傾いた、好ましくはほぼ垂直な位置まで、前記搬送方向(305、405)に対して横方向に徐々に傾き、
前記排出コンベアが、前記移送場所において、前記供給コンベア8306、406)に沿って延在し、このため、前記供給コンベア(306、406)から前記排出コンベア(307)まで移送する間に、前記ササミ(308、408)が、ほぼ前記搬送方向(305、405)に延在する軸回りで傾き、前記肉製品のうち前記供給コンベア(306、406)上で下を向く側が、前記排出コンベア(307)上で上を向くことを特徴とする請求項9に記載の肉処理システム。
【請求項11】
前記供給コンベア(306)であってその輸送面が前記搬送方向で徐々に傾く供給コンベアが、垂直方向で見て、前記排出コンベア(307)と部分的に重なり合うことを特徴とする請求項10に記載の肉処理システム。
【請求項12】
採取した前記ササミを前記左側ササミ(108)からなる第1流れと前記右側ササミ(208)からなる第2流れとに分離するための分流コンベアベルト(500)をさらに備え、
前記分流コンベアベルト(500)が、左側コンベアベルト(501)と右側コンベアベルト(502)とを備え、
前記左側及び右側コンベアベルト双方が、前記ササミが採取機械(302)から落下する収集領域から、前記左側及び右側コンベアベルト(501、502)からの前記ササミ(308、408)それぞれが前記搬送システムの前記第1及び第2供給コンベア(306、406)へ移送される移送領域まで、延在し、
前記収集領域において、前記左側及び右側コンベアベルト(501、502)のうち互いを向く側が、互いに寄せて配置され、このため、互いにわずかに重なり合う左側及び右側の前記ササミ(308、408)を収集するため搬送ベルト間に空間がわずかしかなく、またはなく、
前記左側及び右側コンベアベルト(501、502)が、前記収集領域の下流側において、互いに分岐し、前記左側コンベアベルト(501)が前記左側ササミ(308)を搬送し、前記右側コンベアベルト(502)が前記右側ササミ(408)を搬送し、このため、互いに重なり合う前記ササミが、互いに分離されることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の肉処理システム。
【請求項13】
前記左側及び右側コンベアベルト(501、502)には、ピン(503)が設けられ、
前記ピンが、前記ササミ(308、408)と噛み合うためのコンベアベルトの前記輸送面に対して延在し、好ましくは、互いを向く前記左側及び右側コンベアベルト(501、502)の少なくとも両側に沿って設けられていることを特徴とする請求項12に記載の肉処理システム。
【請求項14】
好ましくは駆動ローラで形成された輸送面であって前記肉製品(804)を支持するための輸送面が設けられた移送コンベアベルト(805)をさらに備え、
前記移送コンベアベルト(805)が、前記供給コンベアから前記排出コンベアまで前記肉製品(804)を移送するために、前記供給コンベア(801)と前記排出コンベア(802)との間を接続し、このため、前記搬送方向(803)に対して、前記肉製品の前記排出向きが、前記肉製品の前記供給向きとは異なり、
前記輸送面の最初の部分は、好ましくはほぼ等しい高さで、前記肉製品を受けるための前記供給コンベアの終端部に隣接し、
前記輸送面の終端部は、好ましくは同一高さで、前記肉製品を分配するための前記排出コンベアの最初の部分に隣接し、
前記移送コンベアベルトの前記輸送面における最初の部分及び終端部が、前記供給コンベアの前記搬送方向及び前記排出コンベアの前記排出方向と角度をなして搬送方向で前記肉製品を搬送するための前記移送コンベアベルトにある肉製品の搬送方向と角度をなすことを特徴とする請求項1に記載の肉処理システム。
【請求項15】
前記搬送システムが、モジュール式設計からなり、そのため、前記ステーション及び前記搬送システムが、あるタイプの製造ステーションを別のタイプの製造ステーションと及びその逆で組み合わせるために、互いに独立して置換可能であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の肉処理システム。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の肉処理システムを用いて、例えば食肉処理された鳥のササミなどの肉製品を処理することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−515478(P2013−515478A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545881(P2012−545881)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050863
【国際公開番号】WO2011/078664
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(509174255)
【Fターム(参考)】