肉厚監視システム

【課題】既に確立したガイド波による探傷技術を基盤として、遠隔でかつ必要な時に探傷計測するシステムを構築し、更に、これまでの減肉スピードと金属材料の特質を配慮した減肉速度から将来の減肉予想、また、配管の交換時期を予測することを可能とするものである。
【解決手段】超音波信号変換器から出力された超音波信号を配管に入射させ、前記配管中をガイド波として伝播して管壁で反射した反射波を前記超音波信号変換器にて測定することにより前記配管の肉厚を計測する肉厚監視システムにおいて、前記反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求め、該相関関係を利用して前記超音波信号変換器にて測定された反射波の高さから前記配管の減肉量を推定し、推定された減肉量が基準値を超えるときには、警告を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肉厚監視システムに関する。詳しくは、ガイド波により肉厚を計測する計測器を利用したシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
配管に超音波信号をガイド波として伝播させることにより、配管の肉厚を計測する計測器(以下、ガイド波計測器)として、図10に示す探傷技術が知られている(特許文献1参照)。
このガイド波計測器は、図10に示すように、圧力容器100内に配管であるサンプル110と共に超音波信号変換器120を配置し、超音波信号変換器120からサンプル110に向けて超音波信号Siを出力してサンプル110内で超音波信号Srをガイド波として伝播させるものであり、超音波信号Srは管壁で反射して、超音波信号変換器120で受信する。
【0003】
サンプル110に向けて出力される超音波信号Siがサンプル110の法線方向NPに対して入射角θiをなすときに、サンプル110内に入射した超音波信号Srがサンプル110の法線方向NPに対して屈折角θrをなすものとし、サンプル110の管壁にある垂直割れ111を検出するためには、入射角θiのアライメントを行って、屈折角θrが45゜になるように調整する。また、サンプル110の肉厚d2を測定するためには、入射角θi=屈折角θr=0゜となるように調整する。
【0004】
超音波信号変換器120により超音波信号を発生し、受信し、且つその条件設定を行うために、矩形波パルサ130、磁気ダイプレクサ回路140及び高入力インピーダンス受信機増幅器150が使用される。また、超音波信号変換器120で受信された信号波形を記録するためにデジタル蓄積オシロスコープ(DSO)160及びパーソナルコンピュータ170が使用される。また、図中、180プリアンプ、190はアンプ、200は並進運動段である。
【特許文献1】特許3055352号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
火力プラントにおける配管の肉厚計測は、プラントを停止し、配管保温を外した後に作業者がプラント内に立ち入り計測機器を取付けて計測するのが一般的である。
しかし、火力プラント内で配管噴破事故が発生することを想定すると、運転中にプラントに立ち入ることが非常に困難となり、遠隔でかつ必要な時に肉厚計測および亀裂計測できることが望まれる。
【0006】
本発明は、上記探傷技術を利用することにより、上述した問題点を解決することを目的とするものである。
即ち、既に確立したガイド波による探傷技術を基盤として、遠隔でかつ必要な時に探傷計測するシステムを構築するものである。
更に、これまでの減肉スピードと金属材料の特質を配慮した減肉速度から将来の減肉予想、また、配管の交換時期を予測することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成する本発明の請求項1に係る肉厚監視システムは、超音波信号変換器から出力された超音波信号を配管に入射させ、前記配管中をガイド波として伝播して管壁で反射した反射波を前記超音波信号変換器にて測定することにより前記配管の肉厚を計測する肉厚監視システムにおいて、前記反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求め、該相関関係を利用して前記超音波信号変換器にて測定された反射波の高さから前記配管の減肉量を推定し、推定された減肉量が基準値を超えるときには、警告を行うことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成する本発明の請求項2に係る肉厚監視システムは、超音波信号変換器から出力された超音波信号を配管に入射させ、前記配管中をガイド波として伝播して管壁で反射した反射波を前記超音波信号変換器にて測定することにより前記配管の肉厚を計測する肉厚監視システムにおいて、前記反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求めると共に前記断面減少率の時間的推移を予め求め、該相関関係及び時間的推移を利用して前記超音波信号変換器にて測定された反射波の高さから次の定期検査時における前記配管の肉厚を推定し、推定された前記配管の減肉が許容最小肉厚以下となるときには、停止計画及び対策手配を行うことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明の請求項3に係る肉厚監視システムは、請求項1又は2記載の肉厚監視システムにおいて、前記配管は火力プラントに配設されることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する本発明の請求項4に係る肉厚監視システムは、請求項3記載の肉厚監視システムにおいて、前記超音波信号変換器は、管内の流体温度が300℃以下の絞り要素において下流で渦を巻く可能性のある箇所に複数設置されることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明の請求項5に係る肉厚監視システムは、請求項3記載の肉厚監視システムにおいて、前記超音波信号変換器は、前記火力プラントの復水流量計下流側、高圧給水加熱器ドレンレベル調節弁下流側、給水流量調節弁下流側、給水流量計下流側、 過熱器スプレー制御弁下流側、過熱器スプレー流量計下流側、再熱器スプレー制御弁下流側、再熱器スプレー流量計下流側及び気水分離器ドレン弁下流側の少なくとも何れかに複数設置されることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成する本発明の請求項6に係る肉厚監視システムは、請求項1,2,3,4又は5記載の肉厚監視システムにおいて、前記超音波信号変換器にて測定された反射波から、前記配管の亀裂を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る肉厚監視システムでは、既に確立したガイド波による探傷技術を基盤として、反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求め、これを利用することにより、運転中に立ち入ることが非常に困難な個所において、遠隔でかつ必要な時に肉厚計測が可能となる。
【0014】
請求項2に係る肉厚監視システムでは、既に確立したガイド波による探傷技術を基盤として、反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係及び断面減少率の時間的推移を予め求め、これらを利用することにより、運転中に立ち入ることが非常に困難な個所において、遠隔でかつ必要な時に肉厚予測が可能となる。
【0015】
請求項3に係る肉厚監視システムでは、請求項1又は2の効果を奏する他、運転中に立ち入ることが非常に困難な火力プラントにおいて、遠隔でかつ必要な時に肉厚計測及び予測が可能となる。
【0016】
請求項4に係る肉厚監視システムでは、請求項3の効果を奏する他、火力プラントにおいて最も減肉が発生しやすい複数の個所を遠隔でかつ必要な時に肉厚計測及び予測が可能となる。
【0017】
請求項5に係る肉厚監視システムでは、請求項4の効果を奏する他、現在、大型火力プラントで減肉監視を最も必要とする9箇所において、遠隔でかつ必要な時に肉厚計測が可能となる。
【0018】
請求項6に係る肉厚監視システムでは、請求項1,2,3,4又は5の効果を奏する他、運転中に立ち入ることが非常に困難な個所において、遠隔でかつ必要な時に亀裂計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明について、火力プラントのガイド波によるマルチ探傷監視システムに適用した場合の最良の形態について、図1〜9を参照して説明する。
【0020】
<減肉量の時間推移予測>
上述したガイド波計測器(図10参照)を火力プラントの配管の複数箇所に設置し、ガイド波計測器から出力した超音波信号を配管にガイド波として伝播させ、管壁で反射した反射波をガイド波計測器で受信すると、図2に示す計測結果表示画面が得られる。
図2は、反射波のエコー高さと距離の関係を示すものである。
【0021】
反射波のエコー高さは、断面積減少率(S1/S0)に対して、例えば、図3に示す相関関係があり、このようなデータを予め取得してデータベースに蓄積しておく。
図3は、エコー高さが増大するに従って、多少の変動はあるものの、断面積減少率(S1/S0)が増大するような相関関係を示している。
ここで、断面積減少率(S1/S0)とは、当初の断面積S0に対する現在の断面積減少量S1の割合を言い、図4に示すように、時間の進行に従って増大するように変化するものと推定される。ここで、配管に使用される金属材料の特質を配慮して推定することが望ましい。
【0022】
また、図6に示す断面積減少量S1は、下式(1)のように配管1における減肉量dと減肉幅Wの積として概算できる。
断面積減少量S1≒d×W …(1)
但し、減肉量dと減肉幅Wとの関係について予め求めてデータベースに蓄積すると、図7に示すように、減肉幅Wが増えれば減肉量dが増えるように増大する分布となる。
つまり、減肉量dと減肉幅Wの関係を数式化すると、上式(1)のようになるが、その関係に分布の幅を持たせると図7に示す結果となる。
【0023】
このように、断面積減少率(S1/S0)は、図4に示すように、時間の進行に従って増大するように変化し、しかも、図7に示すように、減肉幅Wが増えれば減肉量dが増える分布となるのであるから、結局、滅肉量dは時間の進行に伴い、図5に示すように増大する分布となると推定される。
そこで、本実施の形態では、図5に示すように、減肉量dに対して二つの基準値1,2を設定する。
【0024】
<基準値の設定>
本実施の形態では、基準値1及び基準値2としては、以下のように設定する。
基準値1;X2がXcrに到達したとき(1%の確率で肉厚<tsr(許容最小肉厚)となる。)
基準値2;X3がXcrに到達したとき(50%の確率で肉厚<tsr(許容最小肉厚)となる。)
【0025】
上述したように、断面減少量S1≒d×Wであり、また、減肉幅Wと減肉量dの比(データベース)には一定の分布がある。
ここで、図8に示すように、減肉量dに対するその確率密度は左右対称であり、この分布は時間とともに右へ移動する(滅肉の進行)。
図8におけるX1,X2は、下式(2)で示すように、99%信頼区間の下限と上限である。
d=X1〜X2 …(2)
【0026】
信頼区間とは、探傷結果から滅肉と判断できる信号の下限値と上限値の間と定義する。
従って、X1とは信頼区間の下限値であり、これ以上の信号であれば滅肉と判断する値であり、X2とは信頼区間の上限値であり、これ以下の信号であれば減肉と判断する値である。
3とは、X1とX2の平均値を意味する。
cr=限界減肉量(tsrに到達するときの肉厚を言う)
tsr(Thickness shell required)とは配管の許容最少肉厚を言う。
【0027】
<減肉予測評価フロー>
火力プラントのガイド波によるマルチ探傷監視システムの減肉予測評価フローを図1に示す。
【0028】
先ず、火力プラントの設計温度、流速計算、材質、D0計測結果、Feイオン計測結果に基づいて、モニタリング個所の選定を行う(ステップS1)。
モニタリング個所とは、上述したガイド波計測器を設置して、肉厚を計測する配管の個所をいい、例えば、後述するように、火力プラントの配管のうち、流体温度が300℃以下の絞り要素において下流で渦をまく可能性のある箇所に複数設置すると良い。
【0029】
次に、上述したガイド波計測器を上記モニタリング個所に設置し、ガイド波によるモニタリングを行う(ステップS2)。
即ち、ガイド波計測器から出力した超音波信号を配管中にガイド波として伝播させ、管壁で反射した反射波をガイド波計測器で受信する。
【0030】
ここで、配管の肉厚を測定するためには、超音波信号の配管の法線方向に対する入射角及び屈折角を、入射角=屈折角=0゜となるように調整する。また、管壁にある垂直割れ(亀裂)を検出するためには、入射角のアライメントを行って、屈折角が法線方向に対して45゜になるように調整する。
このようにガイド波計測器で受信された反射波のエコー高さは、断面積減少率(S1/S0)に対して図3に示す相関関係があり、このような相関関係は予め取得してデータベースに蓄積されている。
【0031】
引き続き、データベースに蓄積された反射波のエコー高さと断面積減少率(S1/S0)の間の相関関係と、式(1)に示す断面積減少量S1≒d×Wの関係とを利用し、ガイド波計測器で受信された反射波のエコー高さから減肉量dを推定し、推定された減肉量dが基準値1を超えるか否か判定する(ステップS3)。
ここで、減肉量dが基準値1を超えるときとは、99%信頼区間の下限値X1がXcrに到達したとき、つまり、1%の確率で肉厚<tsr(許容最小肉厚)となることを意味する。
【0032】
そして、推定された減肉量dが基準値1を超えないと判定されたときはステップS2に戻る一方、推定された減肉量dが基準値1を超えると判定されたとき(減肉量>基準値1)は、アラームによる警告を行う(ステップS4)。
ここでのアラームによる警告は、1%の確率で肉厚が許容最小肉厚tsrとなることを考慮し、注意を喚起する軽度のものとする。
【0033】
更に、減肉量dが時間の経過と共に増大する図5に示す関係を利用し、次の定期検査のときまでの平均肉厚を推定し、推定された平均肉厚がtsr(許容最小肉厚)を超えるか否か余寿命評価を行う(ステップS5)。
そして、推定された平均肉厚がtsr(許容最小肉厚)より小さくなると余寿命評価したときには、プラント停止計画を実行し(ステップS6)、対策手配を行う(ステップS7)。
【0034】
ここでのプラント停止計画とは、次の定期点検までの間にプラントを停止する計画であり、また、そのときの対策手配とは配管の交換時期を早める手配とする。
一方、推定された平均肉厚がtsr(許容最小肉厚)以上であると余寿命評価したときは、モニタリングを継続する(ステップS8)。
【0035】
その後、データベースに蓄積された反射波のエコー高さと断面積減少率(S1/S0)の間の相関関係と、式(1)に示す断面積減少量S1≒d×Wの関係とを利用し、ガイド波計測器で受信された反射波のエコー高さから減肉量dを推定し、推定された減肉量dが基準値2を超えるか否か判定する(ステップS9)。
ここで、減肉量dが基準値2を超えるときとは、99%信頼区間の上限値X2がXcrに到達したとき、つまり、50%の確率で肉厚<tsr(許容最小肉厚)となることを意味する。
【0036】
そして、推定された減肉量dが基準値2を超えないと判定されたときはステップS8に戻る。
一方、推定された減肉量dが基準値2を超えると判定されたとき(減肉量>基準値2)は、アラームによる警告を行い(ステップS10)、プラント停止計画を実行し(ステップS11)、対策手配を行う(ステップS12)。
ここでのアラームによる警告は、50%の確率で肉厚が許容最小肉厚tsrとなることを考慮し、警戒させる重度のものとする。
また、ここでのプラント停止計画とは、速やかにプラントを停止する計画であり、また、そのときの対策手配とは速やかに配管を交換する手配とする。
【0037】
なお、図1に示すフローチャートでは省略したが、ガイド波計測器により配管に垂直割れ(亀裂)が検出されたときには、減肉量dが基準値1,2を超えたときと同様に、その程度に応じて、アラームによる警告、プラント停止計画及び対策手配を行う。
更に、図1に示すフローチャートに付随して、ガイド波による肉厚監視システム設置工事、上記システムを利用した探傷計測業務、配管減肉した場合の配管更新工事なども行う。
【実施例1】
【0038】
<ガイド波によるマルチ探傷監視システムの機能仕様>
火力プラントの配管減肉計測および亀裂計測を目的として設置する複数のセンサ(ガイド波計測器)からの信号を入力する「マルチ探傷検査システム」の機能仕様について以下に記載する。
【0039】
(1)検出点は50点まで可能
現在、大型火力プラントで減肉監視を必要とする箇所は、図9の系統図に示す通り9箇所が考えられる。
しかしながら、複数系統が存在するプラントがあることと将来の拡張性を配慮して50点まで可能とする。
【0040】
(2)常時監視を行うことによるシステム健全性維持
常時監視を行っていることで常にシステムの健全性が確認できているために、いざ監視が必要な際に確実に探傷計測を行うことが出来る。
また、異常時にはアラームを出すことで早期復旧を行える。
このことにより人間が現場に立ち入ることなく監視が可能になる。
【0041】
(3)所定のインターバルでスキャン
配管の減肉速度から考えると短時間のスキャンタイムを必要としない。
スキャンタイムは任意に設定できるものとする。例えば、1回/1日、1回/1週、1回/1月などとする。
【0042】
(4)入力されたデータの表示方法
現在値、過去のデータとの比較などを表形式で表示しても良いし、トレンド形式で傾向を監視する方法でも良い。
【0043】
(5)アラーム表示
予め設定したしきい値(基準値1,2)を超えた場合にはアラームを発信する。
【0044】
(6)減肉予測機能
<減肉予想評価フロー図>、<減肉量の時間推移予想>、<基準値の設定>に基づいて、入力されたデータの変化から減肉スピードを計算することで減肉予想を行う。
【0045】
(7)メンテナンスガイダンス
上記(6)減肉予測結果から、配管修理などのメンテナンスガイダンスを行う。
【0046】
<ガイド波によるマルチ探傷監視システムのガイド波計測器設置箇所>
火力プラントにおいて、以下(a) 〜(i)に示すような流体温度が300℃以下の絞り要素において下流で渦をまく可能性のある箇所に複数設置する。
【0047】
(a) 復水流量計下流側
復水流量計は復水系統に適正な流量が確保できているかを確認するために必要で設置している。
【0048】
(b) 高圧給水加熱器ドレンレベル調節弁下流側
高圧給水加熱器レベルコントロールを行うものがドレンベレル調節弁で、熱交換を適正に行うために調節弁は必要である。
【0049】
(c) 給水流量調節弁下流側
ボイラに必要な給水量を制御するために調節弁は必要である。
【0050】
(d) 給水流量計下流側
給水流量を適正量に制御するために給水流量計は必要である。
【0051】
(e) 過熱器(SH;superheater)スプレー制御弁下流側
過熱器出口の蒸気温度を適正な温度に制御するために過熱器スプレー制御弁は必要である。但し、変圧貫流ボイラでは300℃を超えるので対象外とする。
【0052】
(f) 過熱器スプレー流量計下流側
過熱器スプレー量が適正であるかを監視するために流量計は必要である。但し、変圧貫流ボイラでは300℃を超えるので対象外とする。
【0053】
(g) 再熱器(RH;reheater)スプレー制御弁下流側
再熱器出口の蒸気温度を適正な温度に制御するために再熱器スプレー制御弁は必要である。
【0054】
(h) 再熱器スプレー流量計下流側
再熱器スプレー量が適正であるかを監視するために流量計は必要である。
【0055】
(i) 気水分離器ドレン弁下流側
気水分離器を適正なレベルに制御するものがドレン弁であり必要な弁である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、火力プラントにおける複数箇所の配管の肉厚を監視するマルチ肉厚監視システムとして利用できるものであるが、火力プラントに限らず、運転中に立ち入ることが非常に困難な個所において、遠隔でかつ必要な時に肉厚計測及び肉厚予測を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】減肉予測評価を示すフローチャートである。
【図2】計測結果表示画面を示す説明図である。
【図3】エコー高さと断面減少率との関係を示すグラフである。
【図4】断面減少率の時間的変化を示すグラフである。
【図5】減肉量の時間的変化を示すグラフである。
【図6】配管の減肉量及び減肉幅を示す説明図である。
【図7】減肉量と減肉幅との関係を示すグラフである。
【図8】確率密度と減肉幅との関係を示すグラフである。
【図9】ガイド波計測器設置箇所を付した火力プラント系統図である。
【図10】従来のガイド波計測器を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 配管
120 超音波信号変換器
130 パルサ
140 ダイプレクサ
150 アンプ
160 オシロスコープ
170 パーソナルコンピュータ
180 プリアンプ
190 アンプ
200 並進運動段
d 減肉量
W 減肉幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号変換器から出力された超音波信号を配管に入射させ、前記配管中をガイド波として伝播して管壁で反射した反射波を前記超音波信号変換器にて測定することにより前記配管の肉厚を計測する肉厚監視システムにおいて、前記反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求め、該相関関係を利用して前記超音波信号変換器にて測定された反射波の高さから前記配管の減肉量を推定し、推定された減肉量が基準値を超えるときには、警告を行うことを特徴とする肉厚監視システム。
【請求項2】
超音波信号変換器から出力された超音波信号を配管に入射させ、前記配管中をガイド波として伝播して管壁で反射した反射波を前記超音波信号変換器にて測定することにより前記配管の肉厚を計測する肉厚監視システムにおいて、前記反射波の高さと前記配管の断面減少率との相関関係を予め求めると共に前記断面減少率の時間的推移を予め求め、該相関関係及び時間的推移を利用して前記超音波信号変換器にて測定された反射波の高さから次の定期検査時における前記配管の肉厚を推定し、推定された前記配管の減肉が許容最小肉厚以下となるときには、停止計画及び対策手配を行うことを特徴とする肉厚監視システム。
【請求項3】
前記配管は火力プラントに配設されることを特徴とする請求項1又は2記載の肉厚監視システム。
【請求項4】
前記超音波信号変換器は、管内の流体温度が300℃以下の絞り要素において下流で渦を巻く可能性のある箇所に複数設置されることを特徴とする請求項3記載の肉厚監視システム。
【請求項5】
前記超音波信号変換器は、前記火力プラントの復水流量計下流側、高圧給水加熱器ドレンレベル調節弁下流側、給水流量調節弁下流側、給水流量計下流側、 過熱器スプレー制御弁下流側、過熱器スプレー流量計下流側、再熱器スプレー制御弁下流側、再熱器スプレー流量計下流側及び気水分離器ドレン弁下流側の少なくとも何れかに複数設置されることを特徴とする請求項3記載の肉厚監視システム。
【請求項6】
前記超音波信号変換器にて測定された反射波から、前記配管の亀裂を検出することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の肉厚監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−170754(P2006−170754A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362527(P2004−362527)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,287)
【Fターム(参考)】