説明

肌改善皮膚化粧料

【課題】 肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現させ、また、安全性、安定性や感触的にも優れた肌荒れ改善用皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】 本発明は、(A)D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩の1種または2種以上と、(B)非乳化性架橋型シリコーンを常温で液状の油分で膨潤した膨潤物とを含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩の1種または2種以上と、非乳化性架橋型シリコーンを常温で液状の油分で膨潤した膨潤物とを配合することにより、肌荒れの防止あるいは改善に優れた効果を有する肌改善皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
肌荒れは、乾燥、紫外線、洗剤や化学物質などの刺激性物質などの外的要因や、ホルモンバランスの乱れなどの内的要因が原因となって生じる肌のトラブルであり、角層バリアー機能の低下、角層水分量の低下、表皮ターンオーバーの亢進、鱗屑の発生(スケーリング)による角質の粗造化などの現象を伴っている。特に、角質の粗造化は、化粧のりを悪化させることもあり、多くの女性の美容上の悩みとなっている。
【0003】
従来、肌荒れを改善する目的で、ワセリン軟膏や油中水型乳化製剤などの閉塞剤により角層バリアー機能を補う方法、ソルビトールやグリセリン、アルキレンオキシド誘導体などの保湿剤により角層水分量を補う方法、グリチルレチン酸などの抗炎症剤により皮膚炎症を鎮める方法、ビタミン、ホルモンなどにより皮膚細胞を活性化する方法が用いられてきた(特許文献1〜5参照)。
【0004】
しかしながら、前記のような従来法は、いずれも皮膚水分保持能力が充分なものとは言えず、角質改善効果が少ないばかりか、特に閉塞剤を用いた場合は油っぽく、ベタベタするなどの不快な感触を与える欠点がある。一方、保湿剤を用いた場合にも効果を高めるためには多量に配合しなければならず、その結果として、ベタベタ感やヌメリ感等の不快な感触を与えるという問題があった。さらに、胎盤などの動物組織の抽出物やビタミン、ホルモンなどを用いた場合には、副作用等に関わる安全性や経時安定性において問題があった。特に、角質の粗造化に関しては、角質の剥離がスムースに行われていないという状況は解明されつつあったが、適切な対応策がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−293625号公報
【特許文献2】特開平7−277943号公報
【特許文献3】特開平9−95432号公報
【特許文献4】特許第3660656号公報
【特許文献5】特開2009−227645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現させ、また、安全性、安定性や感触的にも優れた肌荒れ改善用皮膚化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩の1種または2種以上と、非乳化性架橋型シリコーンの1種または2種以上を常温で液状の油分で膨潤した膨潤物とを含有せしめることにより、上記課題を悉く解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち本発明は、(A)D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩の1種または2種以上と、(B)非乳化性架橋型シリコーンの1種または2種以上を常温で液状の油分で膨潤した膨潤物とを含有することを特徴とする皮膚化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現させ、また、安全性、安定性や感触的にも優れた肌荒れ改善用皮膚化粧料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳述する。
本発明の皮膚化粧料は、D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩((A)成分:以下「D−アミノ酸類」と略す場合がある)を必須に含有している。本明細書における「D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩(D−アミノ酸類)」とは、D−アミノ酸、その誘導体、塩、又はそれらの混合物を意味する。
【0011】
周知のように、アミノ酸には、光学異性体としてL体とD体とが存在し、天然のタンパク質はL−アミノ酸がペプチド結合したものである。細菌の細胞壁などの一部の例外を除き、ヒトを始めとする哺乳類の体内にはL−アミノ酸のみが存在し、生体はL−アミノ酸のみを利用していると考えられてきた。したがって従前は、学術的あるいは産業的に注目され研究されてきたアミノ酸はL−アミノ酸のみであった。
例外的にD−アミノ酸が使用されていたケースとしては、(1)細菌に産生させる抗生物質の原料とする場合、(2)アミノ酸を化学合成した際に等量得られるL−アミノ酸とD−アミノ酸混合物(ラセミ体)からL−アミノ酸のみを分取するコストを省くために、そのままDL−アミノ酸混合物として配合した食品添加物に含有される場合などが挙げられる。
【0012】
最近、ヒトにおいても、加齢に伴って眼の水晶体、脳、あるいは皮膚などに本来存在しないはずのD−アスパラギン酸(D−Asp)が増加することが明らかにされ、白内障やアルツハイマー病の発症との関係などが議論されるようになった(木野内忠稔 等、「蛋白質 核酸 酵素」第50巻、第5号(2005年)453−560頁)。皮膚においても、老化や紫外線照射によりD−Aspが蓄積することが見出され、D−Aspを老化や紫外線による皮膚ダメージを知るための分子マーカーとして応用することが提案されている(藤井紀子、コスメトロジー研究報告、第13号(2005年)。しかし、D−アミノ酸を生理活性物質として積極的に使用した例は知られていない。
本発明は、前記のような事情により、従来は化粧料、特に皮膚化粧料には配合されてこなかったD−アミノ酸を必須成分として配合した点に特徴を有している。
【0013】
本発明に用いられるD−アミノ酸類((A)成分)は、D体であれば特に限定されないが、それ自体に肌改善効果が認められるものが好ましい。具体的には、抗酸化効果、コラーゲン産生促進効果が認められるD−アスパラギン酸、ラミニン332産生促進効果、コラーゲン産生促進効果が認められるD−アラニン、バリア回復機能、しわ形成軽減効果、肌あれ軽減効果が認められるD−グルタミン酸、紫外線障害軽減効果が認められるD−セリン、ラミニン332産生促進効果が認められるD−ヒドロキシプロリン、紫外線障害軽減効果が認められるD−システイン、紫外線障害軽減効果が認められるD−メチオニン及びD−プロリン、メラニン生成抑制効果が認められるD−ヒドロキシプロリンなどを挙げることができる。
【0014】
本発明において用いられるD−アミノ酸類は、合成したものでも市販品でもよい。
D−アミノ酸の製造方法としては、例えば、アシル化アミノ酸に細菌由来のD−アミノアシラーゼを作用させて得る方法等が知られている(特開平11−113592号公報参照)。
本発明の皮膚化粧料におけるD−アミノ酸類の配合量は、皮膚化粧料全重量に対して0.1〜5.0質量%が好ましい。
【0015】
次に、本発明で用いられる成分(B)としての非乳化性架橋型シリコーンについて詳述する。本発明で用いられる非乳化性架橋型シリコーンは、シリコーン鎖の一部を架橋した架橋型シリコーンで、それ自体は油と水を乳化する機能を持たないもの(非乳化性)である。架橋型シリコーンが「非乳化性」であることは、水及び油と共に当該架橋型シリコーンを配合した組成物を、ホモミキサー等を用いて高速攪拌したときに、乳化しないか、乳化した場合でも乳化粒子径が50μm以上と大きく、乳化物をしばらく放置させたときに乳化状態が保たれないことにより確認できる。
【0016】
本発明に用いられる非乳化性の架橋型シリコーンとしては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」という)、部分長鎖アルキル化あるいは部分フェニル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマー」という)、メチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ジメチコンクロスポリマー」という)等が挙げられる。本発明では、上記3種のクロスポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上を用いるのが好ましい。
【0017】
前記架橋型シリコーンを構成するメチルビニルポリシロキサンとしては、分子中にビニル基を少なくとも2個有するものが好適に用いられ、これにより効果的にクロスポリマーが生成される。また、実際のクロスポリマー生成に際しては、通常は分子中にビニル基を1個有するメチルビニルポリシロキサンも用いられ、これはクロスポリマーの架橋率をコントロールする役割を果たす。
【0018】
部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンの長鎖アルキル基の炭素数は任意に設定できるが、本発明においては、炭素数10〜14のアルキル基、中でも炭素数12のラウリル基を持つ部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンが最適である。
一方、部分フェニル化メチルハイドロジェンポリシロキサンは、メチルハイドロジェンポリシロキサンのメチル基の一部がフェニル基に置換されたものである。
前記ジメチコンクロスポリマーを構成するアルケンとして、分子中にビニル基を少なくとも2個有するものが好適に用いられ、これにより効果的にクロスポリマーが生成される。また、実際のクロスポリマーの生成に際しては、通常は分子中にビニル基を1個有するアルケンも用いられ、これはクロスポリマーの架橋率をコントロールする役割を果たす。
【0019】
なお、前記ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは、表示名称(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーあるいはポリシリコーン−11と称されるものが該当する。ジメチコンクロスポリマーは、表示名称ジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。また、ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマーのうち、ラウリル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマーは、表示名称(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーと称されるものが該当し、フェニル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマーは、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーと称されるものが該当する。また、分岐シリコーン含有部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマーは、表示名称ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。
【0020】
本発明の皮膚化粧料における非乳化性架橋型シリコーン(実分)の含有量は、皮膚化粧料全重量に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満では本発明の充分な効果が得られにくく、5.0質量%を超えて配合しても効果の更なる向上はみられず、かえってべたつきを生じるようになる場合がある。
【0021】
本発明の皮膚化粧料においては、前記非乳化性架橋型シリコーン((B)成分)を、液状油で膨潤した膨潤物(ゲル組成物)の状態で配合することが好ましい。このような形態で配合することにより、優れた肌改善効果を有する皮膚化粧料を安定に調製することが可能となる。
【0022】
当該膨潤物を形成する液状油としては、特に、常温で低粘度、例えば、100mPa・s以下の液状油が好ましい。好ましい液状油の粘度の下限は特に限られないが、1mPa・s以上の粘度を有する液状油が好適に用いられる。具体例としては、前記粘度範囲のシクロメチコン、メチルトリメチコン、ジメチコン、イソドデカン等を挙げることができる。
【0023】
前記非乳化性架橋型シリコーン液状油膨潤物において、非乳化性架橋型シリコーンと液状油との混合比率は、質量比で5〜40:95〜60とするのが好適である。
前記非乳化性架橋型シリコーン液状油膨潤物としては、前記した非乳化性架橋型シリコーンと適当な液状油とを混合して調製してもよく、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0024】
表示名称ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーあるいはポリシリコーン−11の膨潤物としてKSG−15((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は約5%)、KSG−16((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコン6mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は約25%)、KSG−1610((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとメチルトリメチコンとの混合物で架橋物(実分)は約17.5%)(以上、信越化学工業株式会社製)、GRANSIL GCM(ポリシリコーン−11とオクタメチルシクロテトラシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は約6%)、GRANSIL GCM−5(ポリシリコーン−11とデカメチルシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は約6%)、GRANSIL IDS(ポリシリコーン−11とイソデカンとの混合物で架橋物(実分)は約7%)、GRANSIL DMG−6(ポリシリコーン−11とジメチコン6mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は約18%)、GRANSILDMG−20(ポリシリコーン−11とジメチコン20mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は約25%)、GRANSIL DMG−50(ポリシリコーン−11とジメチコン50mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は約26%)、GRANSIL PM(ポリシリコーン−11とフェニルトリメチコンとの混合物で架橋物(実分)は約20%)、GRANSIL ININ(ポリシリコーン−11とイソノナン酸イソノニルとの混合物で架橋物(実分)は約15%)(以上、GRANT社製)等が挙げられる。
【0025】
表示名称(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーの膨潤物としては、KSG−18((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとフェニルトリメチコンとの混合物で架橋物(実分)は約15%)(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
表示名称ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーの膨潤物としては、KSG−41((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーと流動パラフィンとの混合物で架橋物(実分)は約30%)、KSG−42((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーと軽質イソパラフィンとの混合物で架橋物(実分)は約25%)、KSG−43((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとトリ2−エチルヘキサン酸グリセリルとの混合物で架橋物(実分)は約30%)、KSG−44((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとスクワランとの混合物で架橋物(実分)は約5%)(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0026】
表示名称ジメチコンクロスポリマーの膨潤物としては、DC9040(ジメチコンクロスポリマーとデカメチルシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は12%)、DC9041(ジメチコンクロスポリマーとジメチコン5mPa・sとの混合物で架橋物(実分)は16%)、DC9045(ジメチコンクロスポリマーとデカメチルシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は12.5%)(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)等が挙げられる。
表示名称ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーの膨潤物としては、KSG−042Z(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーとイソドデカンとの混合物で架橋物(実分)は約20%)、KSG−045Z(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物で架橋物(実分)は約20%)(以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0027】
本発明の皮膚化粧料においては、前記膨潤物の配合量は、非乳化性架橋型シリコーン(実分)の配合量が皮膚化粧料全重量に対して0.1〜5.0質量%の範囲内となるように適宜調整される。この範囲を逸脱すると、本発明の効果が十分に得られなかったり、使用性の面でべたつきなどの問題を生じるようになる傾向がある。
【0028】
本発明に係る皮膚化粧料には、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる任意成分、例えば油分(前記の液状油を除く)、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤(抗酸化剤)、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、中和剤、pH調整剤等を、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて適宜配合することができる。
【0029】
上記任意成分のうち、油分(前記の液状油を除く)の具体的な例としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナバロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル等のエステル油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖、分岐高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル等を挙げることができる。
【0030】
界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン性界面活性剤;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)モノブチルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0031】
粉末としては、例えば、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト(絹雲母)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン(酸化チタンコーテッドマイカ)、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、赤色228号、赤色226号、青色404号、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、セルロース粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等を挙げることができる。
【0032】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;コレステロール、シトステロール、ラノステロール等を挙げることができる。
【0033】
増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガントカム、ガラクタン、キャロプガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POEポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等の水溶性高分子等を挙げることができる。
【0034】
キレート剤としては、例えば、シトラマル酸、アガル酸、グリセリン酸、シキミ酸、ヒノキチオール、没食子酸、タンニン酸、コーヒー酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ならびにこれらの類似体ならびにこれらのアルカリ金属塩及びカルボン酸エステル等を挙げることができる。
【0035】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等の紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸等を挙げることができる。
【0036】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(以下、PEGという。)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等を挙げることができる。
【0037】
薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン、4−メトキシサリチル酸、トラネキサム酸、エチルビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等の美白剤、エストラジオール等のホルモン類;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。さらに多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。すなわちドクダミエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ボタンピエキス、ヘチマエキス、ユキノシタエキス、ユーカリエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ヤグルマギクエキス、海藻エキス、タイムエキス等を挙げることができる。
【0038】
防腐剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等を挙げることができる。
【0039】
上記の他に、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の中和剤;乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸水素ナトリウム炭酸水素アンモニウム等のpH調整剤;アスコルビン酸、α−トコフェロール、カロチノイド等の抗酸化剤を配合することができる。
なお、上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
【0040】
本発明の皮膚化粧料の剤型としては、水溶液系,可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を取ることができる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。なお配合量は特記しない限りすべて質量%である。
まず、本発明に用いた評価方法について説明する。
【0042】
(1)肌荒れ改善効果
肌荒れに悩む20〜50代の女性を被検者とし、各群30名で、下記の表2〜5に示す処方の実施例あるいは比較例のクリームを顔面頬部に2週間連用してもらった。被験者自身の申告により、肌荒れ改善効果を評価した。評価は、下記に示す評価基準に従い、著効、有効、やや有効、効果なしの4段階により行い、著効、有効、やや有効を示す割合(有効率)により表示した。
<評価基準>
著効:肌のカサツキが全く無くなり、スベスベした感触が得られた。
有効:肌のカサツキが減少し、スベスベした感触が増した。
やや有効:肌のカサツキが減少した。
効果なし:肌のカサツキに変化がないか、悪化した。
【0043】
また、皮膚表面形態のレプリカを採取し、顕微鏡(17倍)にて観察し、下記の表1に示す基準にしたがって肌荒れ状態を評価した。
【表1】

【0044】
(2)使用性(使用時のべたつきのなさ)
<評価基準>
◎:べたつきがないと回答した人が25人以上
○:べたつきがないと回答した人が20〜24人
△:べたつきがないと回答した人が15〜19人
×:べたつきがないと回答した人が14人以下
【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
なお、表中の非乳化性架橋型シリコーン液状油膨潤物((B)成分)としては次のものを使用した。
(*1)ジメチコンクロスポリマー/ジメチコン混合物:
商品名:Dow Corning 9041 Silicone Elastomer Blend(非乳化性架橋型シリコーン純分16%),東レ・ダウ・コーニング株式会社製
(*2)ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー/イソドデカン混合物:
商品名:KSG−042Z(非乳化性架橋型シリコーン純分15%),信越化学工業株式会社製
【0050】
表2〜5から明らかなように、本発明の必須成分である成分(A)D−アミノ酸またはその誘導体及び/又はその塩の1種または2種以上と、成分(B)非乳化性架橋型シリコーンの1種または2種以上とを含有する本発明の実施例1〜10は、使用性に優れながらも、肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現させ、また、安全性、安定性や感触的にも優れた肌荒れ改善用皮膚化粧料を提供できるが、本発明の必須成分を欠いた比較例1〜10は、上記の肌改善効果と優れた使用性のいずれかを欠いたものとなることが明らかである。
【0051】
以下、さらに本発明の他の実施例を示す。
なお、以下の実施例についても前記と同様の効果試験を行ったところ、いずれも優れた結果が得られた。
【0052】
実施例11.エモリエントクリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)ステアリルアルコール 2.0
(2)ベヘニルアルコール 1.0
(3)水添ポリイソブテン 4.0
(4)スクワラン 7.0
(5)ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール 2.0
(6)1,3−ブチレングリコール 5.0
(7)ジプロピレングリコール 3.0
(8)[成分(B)]ジメチコンクロスポリマー/ジメチコン混合物 25.0
(架橋型シリコーン分3.0%)
商品名:Dow Corning 9045 Silicone Elastomer Blend(非乳化性架橋型シリコーン純分12%)東レ・ダウ・コーニング・シリコーン社製
(9)ポリエチレングリコール1500 1.0
(10)モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 3.0
商品名:NIKKOL TL−10V,日光ケミカルズ株式会社製
(11)モノステアリン酸グリセリル 2.0
(12)エチルパラベン 0.1
(13)ブチルパラベン 0.1
(14)トコフェロール 0.1
(15)[成分(A)]D−アラニン 2.0
(16)香料 適量
(17)イオン交換水 残余
【0053】
<製法>
(17)に(6)、(7)、(9)、(12)〜(15)を加え、70℃に加熱調製した。次いで、(1)〜(5)、(8)、(10)、(11)、(16)の油相を70℃に調製した。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にして、脱気、冷却、濾過を行い、目的のエモリエントクリーム(O/W型)を得た。
【0054】
実施例12.乳液
成分 配合量(質量%)
(1)ジメチコン5cs 3.0
(2)[成分(B)]ポリシリコーン−11/デカメチルシクロペンタシロキサン混合物
(非乳化性架橋型シリコーン分0.3%) 5.0
商品名:GRANCIL GCM−5
(非乳化性架橋型シリコーン純分6%,GRANT社製)
(3)スクワラン 2.0
(4)オレフィンオリゴマー 1.0
(5)イソノナン酸イソトリデシル 2.0
(6)ステアリン酸PEG−20 0.3
商品名:EMALEX 820,日本エマルジョン株式会社製
(7)セスキステアリン酸ソルビタン 0.1
商品名:NIKKOL SS−15V,日光ケミカルズ株式会社製
(8)モノステアリン酸グリセリル(自己乳化型) 0.3
商品名:NIKKOL MGS−ASEV,日光ケミカルズ株式会社製
(9)香料 適量
(10)ジプロピレングリコール 1.0
(11)1,3−ブチレングリコール 4.0
(12)グリセリン 2.0
(13)カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.05
(15)水酸化カリウム 適量
(16)[成分(A)]D−メチオニン 3.5
(17)スギナエキス 0.1
(18)ハマメリスエキス 0.1
(19)エタノール 5.0
(20)フェノキシエタノール 0.3
(21)イオン交換水 残余
【0055】
<製法>
(10)〜(21)を60℃で均一に溶解する(水相)。次いで、(1)、(3)〜(9)を60℃で均一に溶解し、先の水相に添加して、ホモミキサーで60℃で乳化する。さらに、この乳化物に(2)を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的の乳液を得た。
【0056】
実施例13.エモリエントクリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)ベヘニルアルコール 0.1
(2)バチルアルコール 0.5
(3)水添ポリイソブテン 4.0
(4)流動パラフィン 5.0
(5)エチルヘキサン酸セチル 1.0
(6)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
(7)[成分(B)](ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)
クロスポリマー/ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン混合物 5.0
(非乳化性架橋型シリコーン分0.75%)
商品名:KSG−18A(非乳化性架橋型シリコーン純分15%,
信越化学工業株式会社製)
(8)香料 0.1
(9)ポリエチレングリコール20000 1.0
(10)エチルパラベン 0.1
(11)ブチルパラベン 0.1
(12)トコフェロール 0.1
(13)(ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸共重合体 0.2
(14)[成分(A)]D−システイン 2.0
(15)サンザシエキス 0.1
(16)フトモモ葉エキス 0.1
(17)アロエエキス 0.1
(18)ワレモコウエキス 0.1
(19)チョウジエキス 0.1
(20)ジュウヤクエキス 0.1
(21)アルテア根エキス 0.1
(22)ムラサキ根エキス 0.1
(23)1,3−ブチレングリコール 3.0
(24)グリセリン 3.0
(25)イオン交換水 残余
【0057】
<製法>
(25)に、(9)〜(24)を加え、70℃に加熱調製した。次いで、(1)〜(6)、(8)の油相を70℃に調製した。これを水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした。さらに、(7)を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的エモリエントクリーム(O/W型)を得た。
【0058】
実施例14.エモリエントクリーム(W/O型)
成分 配合量(質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(2)流動パラフィン 25.0
(3)水添ナタネ種子油 5.0
(4)ジオレインポリグリセリル−2 5.0
商品名:NIKKOL DGDO,日光ケミカルズ株式会社製
(5)ブチルパラベン 0.1
(6)香料 0.1
(7)[成分(B)](ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/
メチルトリメチコン混合物
(非乳化性架橋型シリコーン分4.0%) 23.0
商品名:KSG−1610
(非乳化性架橋型シリコーン純分17.5%,信越化学工業株式会社製)
(8)グルタミン酸ナトリウム 1.6
(9)セリン 0.4
(10)イオン交換水 残余
(11)プロピレングリコール 3.0
(12)成分(A)D−プロリン 4.5
(13)カミツレエキス 0.1
(14)クララエキス 0.1
【0059】
<製法>
一部の(10)と(8)、(9)と(4)を50℃に加熱し、均一にする(アミノ酸ゲル)。次いで、(1)、(2)、(3)、(5)、(6)の油相を70℃に溶解したものの中に先のアミノ酸ゲルをディスパーで均一に分散する。さらに、残りの(10)と(11)〜(14)を70℃に加熱したものをこの分散液中に十分撹拌しながら添加し、ディスパーで均一に乳化した後、(7)を添加してディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的のエモリエントクリーム(W/O型)を得た。
【0060】
実施例15.抗老化・美白の効果のある総合クリーム(O/W型)
成分 配合量(質量%)
(1)パルミチン酸 2.0
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)スクワラン 5.0
(5)トリエチルヘキサノイン 2.0
(6)オレイン酸ソルビタン 2.0
商品名:EMALEX SPO−100,日本エマルジョン株式会社製
(7)香料 0.1
(8)[成分(B)](ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)
クロスポリマー/イソドデカン混合物 10.0
(非乳化性架橋型シリコーン分2.5%)
商品名:KSG−42
(非乳化性架橋型シリコーン純分25%,信越化学工業株式会社製)
(9)トラネキサム酸 2.0
(10)(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)
コポリマー 0.1
(11)メチルパラベン 0.1
(12)フェノキシエタノール 0.1
(13)(成分A)N−(1’−ピペリジン)−プロピオン酸 3.0
(14)オトギリソウエキス 0.1
(15)アセンヤクエキス 0.1
(16)メリロートエキス 0.1
(17)イオン交換水 残余
【0061】
<製法>
(17)に、(9)〜(16)を加え、70℃に加熱調製した。次いで、(1)〜(7)の油相を70℃に調製した。この油相を先に調製した水相に加え、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、(8)を添加して、ディスパーで均一に分散した。脱気、冷却、濾過を行い、目的の抗老化・美白の効果のある総合クリーム(O/W型)を得た。
【0062】
実施例16.エモリエントクリーム(W/O型)
成分 配合量(質量%)
(1)スクワラン 15.0
(2)エチルヘキサン酸セチル 5.0
(3)イソノナン酸イソノニル 3.5
(4)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(5)ジステアルジモニウムヘクトライト 1.5
(6)PEG−10ジメチコン 1.0
商品名:KF−6017,信越化学工業株式会社製
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(8)[成分(B)]ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/
ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー 25.0
(非乳化性架橋型シリコーン分5.0%)
商品名:KSG−045Z(非乳化性架橋型シリコーン純分20%),
信越化学工業株式会社製
(9)香料 0.1
(10)1,3−ブチレングリコール 5.0
(11)グリセリン 5.0
(12)[成分(A)]D−アスパラギン酸 1.0
(13)エチルパラベン 0.1
(14)フェノキシエタノール 0.2
(15)アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
(16)ワイルドタイムエキス 0.1
(17)チャ葉エキス 0.1
(18)イオン交換水 残余
【0063】
<製法>
(1)〜(7)、(9)を70℃に調製し、均一に分散・溶解して油性ゲルを得る。(18)に、(10)〜(17)を加え、均一に溶解させ、70℃に調製する(水相)。この水相を先に調製した油性ゲルの中へ十分に撹拌しながら徐添する。ディスパーで乳化粒子を均一に調製した後、(8)を添加して、ディスパーに均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的のエモリエントクリーム(W/O型)を得た。
【0064】
実施例17.ジェル状美容液
成分 配合量(質量%)
(1)ポリアクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸共重合体 2.0
(2)[成分(B)](ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー/
ジメチコン混合物 3.0
(非乳化性架橋型シリコーン分0.75%)
商品名:KSG−16(非乳化性架橋型シリコーン純分25%),
信越化学工業株式会社製
(3)ジメチコン5cs 5.0
(4)POE(20)ベヘニルエーテル 0.5
商品名:NIKKOL BB−20,日光ケミカルズ株式会社製
(5)エタノール 5.0
(6)フェノキシエタノール 0.1
(7)香料 0.1
(8)イオン交換水 残余
(9)グリセリン 5.0
(10)1,3−ブチレングリコール 3.0
(11)クチナシエキス 0.1
(12)トウキ根エキス 0.1
(13)マロニエエキス 0.1
(14)ショウキョウエキス 0.1
(15)ボタンエキス 0.1
(16)[成分(A)]D−アラニン 0.3
【0065】
<製法>
(1)、(5)〜(16)を均一に溶解した水相に、(2)〜(4)の混合物を添加して、ディスパーで均一に分散する。脱気、冷却、濾過を行い、目的のジェル状美容液を得た。
上記したように、実施例11〜17の化粧料は、いずれも優れた肌改善効果を有する安定な皮膚化粧料である。
【0066】
実施例18:W/O型ファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)シリコーン処理粉体 20.0
(2)流動パラフィン 3.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
(4)ジメチコンクロスポリマー/ジメチコン混合物 2.0
(商品名:Dow Corning 9041 Silicone Elastomer Blend(非乳化性架橋型シリコーン純分16%))
(5)POE変性ジメチルポリシロキサン 4.5
(6)イオン交換水 残余
(7)D−グルタミン酸 1.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 適量
【0067】
<製法>
(2)〜(5)を70〜80℃で加熱溶解した(これを油相とした)。また、(6)に(7)〜(9)を溶解した(これを水相とした)。(1)を先の油相に加え、ホモミキサーで混合した。(10)を加え混合した後、水相を加え乳化し、容器に充填した。
シリコーン処理粉末は、特開昭63−113081号公報、特開昭63−113082号公報に記載の方法に従い、セリサイト1.25部、酸化チタン7部、酸化鉄赤0.4部、酸化鉄黄1.25部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
【0068】
実施例19:O/W型乳化ファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)分散剤 0.1
(3)ジプロピレングリコール 5.0
(4)D−システイン 1.0
(5)防腐剤 0.1
(6)イソステアリン酸 2.0
(7)イソヘキサデシルアルコール 7.0
(8)モノステアリン酸グリセリル 2.0
(9)流動パラフィン 3.0
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 2.0
(11)GRANSIL ININ(ポリシリコーン−11と
イソノナン酸イソノニルとの混合物、架橋物(実分)約15%) 2.0
(12)セリサイト 8.0
(13)二酸化チタン 10.0
(14)酸化鉄黄 2.0
(15)酸化鉄赤 0.35
(16)酸化鉄黒 0.15
(17)香料 適量
【0069】
<製法>
成分(1)〜(5)を70℃に加熱溶解後、成分(12)〜(16)を添加し分散処理した(これを水相/粉末分散体とする)。別の容器に成分(6)〜(11)および(17)を80℃で加熱溶解し、70℃に保温した水相/粉末分散体中に添加して乳化分散した。その後室温まで冷却して目的の乳化ファンデーションを得た。
【0070】
実施例20:固形乳化W/Oファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
(2)ジメチルポリシロキサン 1.0
(3)2−エチルヘキサン酸セチル 4.0
(4)イソノナン酸イソノニル 7.0
(5)オクトクリレン 3.0
(6)ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/
ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー/イソドデカン混合物 3.0
商品名:KSG−042Z
(非乳化性架橋型シリコーン純分15%)
(7)トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル
イソペンチル 2.0
(8)12−ヒドロキシステアリン酸 2.0
(9)硬化ひまし油 2.0
(10)マイクロクリスタリンワックス 0.5
(11)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 2.0
(12)シリコーン処理粉末 20
(13)イオン交換水 残余
(14)D−ヒドロキシプロリン 1.0
(15)グリセリン 15
(16)1.3−ブチレングリコール 2.0
(17)防腐剤 0.1
(18)香料 適量
【0071】
<製法>
(1)〜(11)および(18)を80℃に加熱後、(12)を加え分散する。次にあらかじめ80℃に加熱した(13)〜(17)の混合物を添加し乳化分散する。その後流動性のある状態で中皿に充填し室温まで冷却して目的の固形乳化ファンデーションを得た。
シリコーン処理粉末は、特開昭63−113081号公報、特開昭63−113082号公報に記載の方法に従い、タルク3.65部、酸化チタン5部、酸化鉄赤0.25部、酸化鉄黄1部、酸化鉄黒0.1部を混合した後、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロシロキサンを反応させた後テトラデセンを付加反応させて得たものである。
【0072】
実施例21:乳化水中油型乳液ファンデーション
成分 配合量(質量%)
(1)シリコーン処理酸化チタン 8.0
(2)脂肪酸処理超微粒子酸化チタン 1.0
(3)シリコーン処理酸化鉄(赤) 0.5
(4)シリコーン処理酸化鉄(黄) 1.5
(5)シリコーン処理酸化鉄(黒) 0.2
(6)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 0.5
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(8)パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0
(9)GRANSIL ININ(ポリシリコーン−11と
イソノナン酸イソノニルとの混合物、架橋物(実分)約15%) 1.0
(10)アクリルシリコーン 4.0
(11)PEG−100水添ヒマシ油 2.0
(12)ダイナマイトグリセリン 6.0
(13)キサンタンガム 0.1
(14)カルボキシメチルセルロース 0.3
(15)アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/
アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(含有量:35〜40質量%)
(SIMULGEL NS:Seppic社製) 1.5
(16)エタノール 3.0
(17)D−グルタミン酸 1.0
(18)防腐剤 0.1
(19)イオン交換水 残余
【0073】
<製法>
(1)〜(10)をホモミキサーで混合分散した後、(11)〜(19)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)D−アミノ酸又はその誘導体あるいは塩の1種または2種以上と、
(B)非乳化性架橋型シリコーンの1種または2種以上を常温で液状の油分で膨潤した膨潤物とを含有することを特徴とする肌改善皮膚化粧料。
【請求項2】
前記D−アミノ酸が、D−グルタミン酸、D−アラニン、D−メチオニン、D−ヒドロキシプロリン、D−アスパラギン酸、D−システイン、D−プロリン、D−セリンからなる群から選択される、請求項1記載の肌改善皮膚化粧料。
【請求項3】
前記非乳化性架橋型シリコーンが、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス−ビニルジメチコンクロスポリマーの群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の肌改善皮膚化粧料。
【請求項4】
皮膚化粧料全重量に対して、成分(A)の配合量が0.1〜5.0質量%であり、成分(B)の配合量が0.1〜5.0質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の肌改善皮膚化粧料。

【公開番号】特開2012−20989(P2012−20989A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125121(P2011−125121)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】