説明

肌状態解析方法、肌状態解析装置、肌状態解析プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体

【課題】 被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行う。
【解決手段】 被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析方法において、前記画像から得られる毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、及び皮丘の形状のうち、少なくとも1つをパラメータ化するパラメータ生成ステップと、前記パラメータ生成ステップから得られるパラメータに基づいて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析ステップとを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌状態解析方法、肌状態解析装置、肌状態解析プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体に係り、特に被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うための肌状態解析方法、肌状態解析装置、肌状態解析プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被験者が肌の診断や美容カウンセリング等を受けたい場合には、専門家のいる場所まで出向いて直接肌の診断等を行っていた。しかしながら、被験者が専門家のいる場所まで行く面倒や専門家毎に異なるアドバイスをする場合もあるため、被験者が正しい対応が取れないことがあった。
【0003】
そこで、近年では、被験者の顔の撮像画像を用いて、予め蓄積された複数の基準画像と比較することで、専門家以外でも客観的に被験者の肌状態を評価する手法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、肌状態を解析する他の手法としては、予め肌のレプリカを作成し、作成したレプリカにより被験者の肌丘や毛穴の状態等を判断する手法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特許第3530523号公報
【特許文献2】特開平9−154832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、肌状態の診断する際には、特に肌のキメ又は毛穴の解析は重要な診断要素であり、そのような場合には、被験者の肌の毛穴や皮溝、皮丘等の微細な形状等について明確に把握する必要がある。
【0006】
しかしながら、上述したような従来の手法においては、解析前の入力画像において、上述したような部分の微細な形状を高精度に画像抽出する技術はない。また、レプリカを用いて肌の解析を行う場合には、レプリカを作成する手間がとコストがかかると共に、レプリカを介して間接的に被験者の肌の診断等を行うため、高精度な診断を行うことができない。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うための肌状態解析方法、肌状態解析装置、肌状態解析プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0009】
請求項1に記載された発明は、被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析方法において、前記画像から得られる毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、及び皮丘の形状のうち、少なくとも1つをパラメータ化するパラメータ生成ステップと、前記パラメータ生成ステップから得られるパラメータに基づいて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。これにより、専門家でなくても被験者に対して高精度な診断や美容カウンセリング等を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載された発明は、前記パラメータ生成ステップは、前記毛穴の大きさをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる毛穴の面積を用い、前記皮溝の鮮明さをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮溝の幅を用い、前記皮丘の細かさをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮丘の数又は平均面積を用い、前記皮丘の形状をパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮丘の円形度を用いることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、肌画像から得られる肌のキメ又は毛穴について、数値等により表現されたパラメータを用いて、容易に高精度な解析を実現することができる。
【0013】
請求項3に記載された発明は、被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析方法において、前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出ステップと、前記RGB成分抽出ステップにより得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出ステップと、前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成ステップと、前記RGB成分抽出ステップにより得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出ステップと、前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成ステップと、前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出ステップと、前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成ステップと、前記毛穴パラメータ生成ステップ、前記皮溝パラメータ生成ステップ、及び前記皮丘パラメータ生成ステップにより得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。これにより、専門家でなくても被験者に対して高精度な診断や美容カウンセリング等を行うことができる。
【0015】
請求項4に記載された発明は、前記毛穴画像抽出ステップは、前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから生成される差分画像を用いることにより、毛穴画像を高精度に抽出することができる。
【0017】
請求項5に記載された発明は、前記毛穴パラメータ生成ステップは、前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、毛穴に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0019】
請求項6に記載された発明は、前記皮溝画像抽出ステップは、前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリングを行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、G成分を用いて皮溝の形状を強調する微分フィルターによるフィルタリングを行うことにより、毛穴除去及び皮溝の強調を高精度に行うことができる。これにより、皮溝画像を高精度に取得することができる。
【0021】
請求項7に記載された発明は、前記皮溝パラメータ生成ステップは、前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、皮溝に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0023】
請求項8に記載された発明は、前記皮丘画像抽出ステップは、前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、連結している複数の皮丘が1つの皮丘として誤判断及び誤解析されることがなく、皮丘の数又は平均面積、形状を高精度に取得することができる。
【0025】
請求項9に記載された発明は、前記皮丘パラメータ生成ステップは、前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、皮丘の数又は平均面積あるいは皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた数、及び/又は皮丘の円形度により数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0027】
請求項10に記載された発明は、前記解析ステップは、前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させることができる。これにより、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。
【0029】
請求項11に記載された発明は、被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析装置において、前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出手段と、前記RGB成分抽出手段により得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出手段と、前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成手段と、前記RGB成分抽出手段により得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出手段と、前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成手段と、前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出手段と、前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成手段と、前記毛穴パラメータ生成手段、前記皮溝パラメータ生成手段、及び前記皮丘パラメータ生成手段により得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析手段とを有することを特徴とする。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。これにより、専門家でなくても被験者に対して高精度な診断や美容カウンセリング等を行うことができる。
【0031】
請求項12に記載された発明は、前記毛穴画像抽出手段は、前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、R成分及びB成分から生成される差分画像を用いることにより、毛穴画像を高精度に抽出することができる。
【0033】
請求項13に記載された発明は、前記毛穴パラメータ生成手段は、前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする。
【0034】
請求項13記載の発明によれば、毛穴に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0035】
請求項14に記載された発明は、前記皮溝画像抽出手段は、前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリングを行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする。
【0036】
請求項14記載の発明によれば、G成分を用いて皮溝の形状を強調する微分フィルターによるフィルタリングを行うことにより、毛穴除去及び皮溝の強調を高精度に行うことができる。これにより、皮溝画像を高精度に取得することができる。
【0037】
請求項15に記載された発明は、前記皮溝パラメータ生成手段は、前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする。
【0038】
請求項15記載の発明によれば、皮溝に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0039】
請求項16に記載された発明は、前記皮丘画像抽出手段は、前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする。
【0040】
請求項16記載の発明によれば、連結している複数の皮丘が1つの皮丘として誤判断及び誤解析されることがなく、皮丘の数又は平均面積、形状を高精度に取得することができる。
【0041】
請求項17に記載された発明は、前記皮丘パラメータ生成手段は、前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、皮丘の数又は平均面積あるいは皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた数、及び/又は皮丘の円形度により数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0043】
請求項18に記載された発明は、前記解析手段は、前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする。
【0044】
請求項18記載の発明によれば、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させることができる。これにより、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。
【0045】
請求項19に記載された発明は、被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析処理をコンピュータに実行させるための肌状態解析プログラムにおいて、前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出処理と、前記RGB成分抽出処理により得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出処理と、前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成処理と、前記RGB成分抽出処理により得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出処理と、前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成処理と、前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出処理と、前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成処理と、前記毛穴パラメータ生成処理、前記皮溝パラメータ生成処理、及び前記皮丘パラメータ生成処理により得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析処理とをコンピュータに実行させる。
【0046】
請求項19記載の発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。これにより、専門家でなくても被験者に対して高精度な診断や美容カウンセリング等を行うことができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における肌状態の解析を容易に実現することができる。
【0047】
請求項20に記載された発明は、前記毛穴画像抽出処理は、前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする。
【0048】
請求項20記載の発明によれば、R成分及びB成分から生成される差分画像を用いることにより、毛穴画像を高精度に抽出することができる。
【0049】
請求項21に記載された発明は、前記毛穴パラメータ生成処理は、前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする。
【0050】
請求項21記載の発明によれば、毛穴に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0051】
請求項22に記載された発明は、前記皮溝画像抽出処理は、前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリング行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする。
【0052】
請求項22記載の発明によれば、G成分を用いて前記皮溝の形状を強調する微分フィルターによるフィルタリングを行うことにより、毛穴除去及び皮溝の強調を高精度に行うことができる。これにより、皮溝画像を高精度に取得することができる。
【0053】
請求項23に記載された発明は、前記皮溝パラメータ生成処理は、前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする。
【0054】
請求項23記載の発明によれば、皮溝に基づく数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0055】
請求項24に記載された発明は、前記皮丘画像抽出処理は、前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする。
【0056】
請求項24記載の発明によれば、連結している複数の皮丘が1つの皮丘として誤判断及び誤解析されることがなく、皮丘の数又は平均面積、形状を高精度に取得することができる。
【0057】
請求項25に記載された発明は、前記皮丘パラメータ生成処理は、前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする。
【0058】
請求項25記載の発明によれば、皮丘の数又は平均面積あるいは皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた数、及び/又は皮丘の円形度により数値化されたパラメータを高精度に取得することができる。また、パラメータの内容から専門家でなくとも均一的な解析を行うことができる。
【0059】
請求項26に記載された発明は、前記解析処理は、前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする。
【0060】
請求項26記載の発明によれば、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させることができる。これにより、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。
【0061】
請求項27に記載された発明は、前記請求項19乃至前記請求項26の何れか1項に記載の肌状態解析プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0062】
請求項27記載の発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。これにより、専門家でなくても被験者に対して高精度な診断や美容カウンセリング等を行うことができる。また、記録媒体により他の複数のコンピュータに容易にインストールすることができ、これにより、本発明における肌状態の解析を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
<本発明の概要>
本発明は、肌に関するキメ又は毛穴の特徴を示す数値等を用いてパラメータ化することにより、高精度な肌状態の解析を実現する。具体的には、撮影した被験者の肌画像情報を三原色(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))のそれぞれの成分に分け、それぞれの成分情報を用いて肌の解析を行う。また、本発明では、キメ又は毛穴の解析を行うためのパラメータとしてキメ又は毛穴の特徴を現す4つの項目(毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、皮丘の形状)を用いる。これらの値を数値等によりパラメータ化し、そのパラメータ化された値の少なくとも1つを用いて肌の表面状態の解析を行う。
【0065】
以下に、本発明における肌状態解析方法、肌状態解析装置、肌状態解析プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0066】
<システム構成>
図1は、本発明における肌状態解析システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示す肌状態解析システム10は、肌観察装置11と、肌状態解析装置12とを有するよう構成されており、肌観察装置11及び肌状態解析装置12は、インターネットやLAN(Local Area Network)等に代表される通信ネットワーク13によりデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0067】
肌観察装置11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等を用いて被験者の撮像等を行い、顔全体や肌局部等の画像又は拡大画像等を取得する。なお、本発明において顔や肌を撮影するための手法としては、例えば特許第3410836号公報に示されている肌観察装置を用いることができるが、本発明においてはこれに限定されない。また、肌観察装置11は、撮影した画像を通信ネットワーク13を介して肌状態解析装置12に送信する。
【0068】
肌状態解析装置12は、肌観察装置11から送信された画像に基づいて、毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、及び皮丘の形状うち、少なくとも1つをパラメータ化する。また、肌状態解析装置12は、生成したパラメータのうち、少なくとも1つを用いて被験者のキメ又は毛穴の解析を行う。
【0069】
なお、図1に示すシステム構成は、概略的に肌観察装置11及び肌状態解析装置12をそれぞれ1台有する構成となっているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば肌観察装置11及び/又は肌状態解析装置12が複数台有するよう構成されていてもよい。また、肌観察装置11における被験者の肌を撮像するための各構成を肌状態解析装置12内に設けてもよく、肌状態を解析する元画像がすでに存在する場合には、肌観察装置11を設けなくてよい。
【0070】
<肌状態解析装置12>
次に、本発明に係る肌状態解析装置12の機能構成例について図を用いて説明する。図2は、本発明における肌状態解析装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示す肌状態解析装置12は、画像入力手段21と、RGB成分抽出手段22と、毛穴画像抽出手段23と、毛穴パラメータ生成手段24と、皮溝画像抽出手段25と、皮溝パラメータ生成手段26と、皮丘画像抽出手段27と、皮丘パラメータ生成手段28と、解析手段29と、表示出力手段30とを有するよう構成されている。
【0071】
画像入力手段21は、上述した肌観察装置11等からの画像を入力する。なお、入力される画像は、高画質カメラ等により撮影された画像でもよいが、例えばビデオマイクロスコープ(VMS:Video Micro Scope)等のような顕微鏡等により撮影された高画質画像が好ましい。なお、画像入力手段21は、取得した画像が肌の局部の画像である場合には入力した画像をそのまま、RGB成分抽出手段22に出力する。また、画像入力手段21は、取得した画像が顔全体の画像である場合は、予め設定された画像サイズ(領域)毎に分離し、分離した画像又は分離した画像の中からユーザ等により選択された画像をRGB成分抽出手段22に出力する。
【0072】
RGB成分抽出手段22は、入力画像を三原色であるR(Red)成分、G(Green)成分、B(Blue)成分の画像を抽出する。また、RGB成分抽出手段22は、それぞれのR、G、B成分のそれぞれの歪み補正を行う。ここで、各成分の歪み補正は、ガウシアンフィルター(Gaussian Filter)等の補正手法を用いることができる。また、RGB成分抽出手段22は、R成分、及び、B成分あるいはG成分の画像を毛穴画像抽出手段23に出力する。また、RGB成分抽出手段22は、皮溝の画像抽出に用いられる成分の画像(例えば、G画像)を皮溝画像抽出手段25に出力する。
【0073】
毛穴画像抽出手段23は、RGB成分抽出手段22により得られるR成分、及び、B成分あるいはG成分の画像から毛穴画像の抽出を行う。具体的には、毛穴画像抽出手段23は、例えばR成分及びB成分の差分画像を生成し、生成した差分画像を二値化して平滑化処理等を行い毛穴画像の抽出を行う。なお、差分画像は、R成分からB成分を差分した画像(R−B画像)を用いることが好ましいが、その逆であってもよい。
【0074】
また、毛穴画像抽出手段23は、R成分及びG成分の差分画像を生成し、生成した差分画像を二値化して平滑化処理等を行い毛穴画像の抽出を行ってもよい。なお、R成分及びB成分を用いた差分画像の方がコントラストがよく、抽出がしやすい。また、以下の説明では、主にR成分及びB成分による差分画像を用いた例について説明するが、本発明においてはこれに限定されず、上述したようにR成分及びG成分による差分画像を用いてもよい。毛穴画像抽出手段23は、抽出された画像を毛穴パラメータ生成手段24及び皮丘画像抽出手段27に出力する。
【0075】
毛穴パラメータ生成手段24は、毛穴抽出画像に基づいて毛穴の大きさを算出し、算出した結果に基づいてパラメータを生成する。なお、毛穴画像の抽出、毛穴パラメータの生成内容についての詳細は後述する。また、毛穴パラメータ生成手段24は、生成された毛穴パラメータを解析手段29に出力する。
【0076】
一方、皮溝画像抽出手段25は、入力されたG成分の画像のノイズ除去を行う。また、皮溝画像抽出手段25は、ノイズ除去したG成分についてガウシアンフィルターによる画像の微分処理や、微分した画像の二値化等を行い、皮溝画像の抽出を行う。なお、皮溝画像抽出手段25は、G成分の画像に限定されず、R成分の画像やB成分の画像、あるいはR,G,Bの各成分のうち複数の成分を合成した画像等を用いて皮溝画像を抽出してもよい。
【0077】
更に、皮溝画像抽出手段25は、皮溝画像を皮溝パラメータ生成手段26及び皮丘画像抽出手段27に出力する。皮溝パラメータ生成手段26は、皮溝の鮮明さについてのパラメータを算出する。また、皮溝パラメータ生成手段26は、生成した皮溝パラメータを解析手段29に出力する。なお、皮溝画像の抽出、皮溝パラメータの生成内容についての詳細は後述する。
【0078】
次に、皮丘画像抽出手段27は、毛穴画像抽出手段23及び皮溝画像抽出手段25により得られる画像に基づいて、皮丘画像を抽出する。具体的には、皮溝画像抽出手段25により得られる画像を白黒反転させ、更に毛穴画像抽出手段23により得られる画像も用いて画像中における毛穴部分を除去して、ノイズ除去処理等を行い、皮丘抽出画像を抽出する。更に、皮丘画像抽出手段27は、抽出された皮丘画像を皮丘パラメータ生成手段28に出力する。皮丘パラメータ生成手段28は、皮丘の細かさ、皮丘の形状におけるパラメータを生成する。また、皮丘パラメータ生成手段28は、生成したパラメータを解析手段29に出力する。
【0079】
解析手段29は、毛穴パラメータ生成手段24、皮溝パラメータ生成手段26、及び皮丘パラメータ生成手段28から得られるパラメータのうち、少なくとも1つのパラメータに基づいて肌状態の解析を行う。なお、解析手段29は、毛穴パラメータ、皮溝パラメータ、及び皮丘パラメータ、毛穴画像、皮溝画像、及び皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の毛穴、皮溝、及び皮丘を異ならせた色で表示する。これにより、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させることができる。したがって、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。また、色分けの他にも、斜線や網線等によりその場所が何を示すものかが容易に把握できるような表示処理が行われてもよい。
【0080】
これにより、被験者の肌の状態を、毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、皮丘の形状のうち少なくとも1つの情報(パラメータ)に基づいて、被験者の肌状態、特に肌のキメ又は毛穴を高精度に解析することができる。
【0081】
なお、上述した肌状態解析装置12は、上述した機能を有する専用の装置構成により制御を行うこともできるが、各機能をコンピュータに実行させることができる実行プログラムを生成し、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等にその実行プログラムをインストールすることにより、本発明における肌状態解析処理を実現することができる。
【0082】
<ハードウェア構成>
ここで、本発明における肌状態解析が実現可能なコンピュータのハードウェア構成例について図を用いて説明する。図3は、本発明における肌状態解析が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【0083】
図3におけるコンピュータ本体には、入力装置31と、出力装置32と、ドライブ装置33と、補助記憶装置34と、メモリ装置35と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)36と、ネットワーク接続装置37とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0084】
入力装置31は、ユーザが操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザからのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する。出力装置32は、本発明における処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するモニタを有し、CPU36が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
【0085】
ここで、本発明において、コンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、例えば、CD−ROM等の記録媒体38等により提供される。プログラムを記録した記録媒体38は、ドライブ装置33にセット可能であり、記録媒体38に含まれる実行プログラムが、記録媒体38からドライブ装置33を介して補助記憶装置34にインストールされる。
【0086】
補助記憶装置34は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム等を蓄積し必要に応じて入出力を行うことができる。
【0087】
CPU36は、OS(Operating System)等の制御プログラム、及びメモリ装置35により読み出され格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して、肌状態解析等における各処理を実現することができる。プログラムの実行中に必要な元画像等の各種情報等は、補助記憶装置34から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0088】
ネットワーク接続装置37は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワーク13に接続されている他の端末等から取得したり、プログラムを実行することで得られた実行結果又は本発明における実行プログラム自体を他の端末等に提供することができる。上述したようなハードウェア構成により、本発明における肌状態解析処理を実行することができる。また、プログラムをインストールすることにより、汎用のパーソナルコンピュータ等で本発明における肌画像の解析を容易に実現することができる。次に、肌状態解析処理の具体的な内容について説明する。
【0089】
<肌状態解析処理手順>
図4は、本発明における肌状態解析処理手順を示す一例のフローチャートである。図4に示すフローチャートにおいて、まず、肌画像を入力し(S01)、RGB成分の抽出を行う(S02)。ここで、元画像として入力される画像としては、例えば上述したVMS(Video Micro Scope)により取得される肌の局部画像を用いることとするが、被験者の顔の全体画像であってもよい。その場合には、所定の画像領域に分離して、分離された画像毎にS02の処理を行うようにすることができる。
【0090】
次に、S02において、抽出されたR成分、G成分、及びB成分の画像を用いて、毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、及び皮丘の形状うち、少なくとも1つをパラメータ化する(S03)。次に、S03にて生成されるパラメータのうち、少なくとも1つを用いてS01により入力した肌画像に対するキメ又は毛穴の解析を行う(S04)。
【0091】
なお、S03におけるパラメータの生成については、図4に示すように、S02から得られるR成分及びB成分の画像を用いて毛穴画像を抽出し(S11)、抽出された毛穴画像から毛穴の大きさを数値等を用いてパラメータ化して、毛穴パラメータを生成する(S12)。
【0092】
また、S02から得られるG成分の画像を用いて皮溝画像を抽出し(S13)、抽出された皮溝画像から皮溝の鮮明さを数値等を用いてパラメータ化して、皮溝パラメータを生成する(S14)。なお、皮溝の鮮明さは、所定の画像サイズ中に含まれる皮溝の幅等により表現される。
【0093】
更に、S11の処理により得られる毛穴画像及びS13の処理により得られる皮溝画像に基づいて、皮丘画像を抽出し(S15)、抽出した皮丘画像から皮丘の細かさ及び皮丘の形状を数値等を用いてパラメータ化して、皮丘パラメータを生成する(S16)。
【0094】
また、S04では、毛穴パラメータ、皮溝パラメータ、及び皮丘パラメータ、毛穴画像、皮溝画像、及び皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示する。これにより、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させることができる。したがって、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。また、色分けの他にも、斜線や網線等によりその場所が何を示すものかが容易に把握できるような表示処理が行われてもよい。
【0095】
<毛穴画像抽出、毛穴パラメータ生成>
次に、上述したS11、S12における毛穴画像抽出、及び毛穴パラメータ生成について、具体的に説明する。図5は、本発明における毛穴画像抽出及び毛穴パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図6は、毛穴画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【0096】
図5に示すフローチャートでは、上述したように、まず入力画像である元画像(図6における元画像41)からRGB成分を抽出することにより得られるR画像及びB画像を入力する(S21)。また、それぞれの画像の周辺部の歪みを取り除くため、ガウシアンフィルター等により歪み補正を行う(S22)。
【0097】
ここで、歪み補正は、例えば平滑化フィルターとしてガウシアンフィルターを用いる。なお、ガウシアンフィルター等の平滑化フィルターは、カットオフ周波数を大きめに設定すると歪みを補正することができず、またカットオフ周波数を小さめに設定すると、歪みを補正することができるが、本来キメである部分までもが補正により削除されてしまう。したがって、肌画像の倍率、解像度等に基づいて適切な値を設定する。例えば、入力画像が50倍のマイクロスコープを用いて640×480画素の8bitの画像を用いた場合、ガウシアンフィルターのカットオフ周波数は、1.6〜1.8mmとすることが好ましい。
【0098】
次に、歪み補正された画像(図6におけるR画像42、B画像43)について、R画像からB画像を差分演算して毛穴の強調を行う(S23)。ここで、差分演算は、画像内容により種々の演算方式があるが、R−B差分演算式の一例として、“R−B*R_ave/B_ave×a”を用いる。なお、R_aveは、R成分の平均値を示し、B_aveは、B成分の平均値を示す。また、aは、肌画像の画像サイズや解像度等により任意に設定される値を示すがaの値は1.3〜1.5であることが好ましい。
【0099】
また、算出されたR−B差分画像の2値化を行い(図6における画像44)、毛穴部分の抽出を行う(S24)。更に、S24により得られたR−B差分画像から細い皮溝を除去し、ノイズの除去を行った部分の穴埋め処理を行う(S25)。具体的には、例えばメディアンフィルター等を用いて平滑化を行う。この場合、フィルタリングとしては、例えば3×3画素の矩形画像について縮小及び拡大を1〜10回繰り返したり、5×5画素の矩形画像について縮小及び拡大を1〜5回繰り返すことにより細い皮溝のフィルタリングを行う。これにより、細い皮溝部分を除去する(S26)。なお、上述したR−B差分画像は、上述したようにR−G差分画像であってもよい。
【0100】
上述したような処理を行うことで、ある程度の大きさを有する皮溝を肌状態の解析の対象とすることにより、細い皮溝又はノイズによる誤差を無くして均一的に高精度な肌状態の解析を実現することができる。
【0101】
また、S26により抽出された細い皮溝を除去した画像を用いて、皮溝毎にラベリング処理を行うことによりノイズを除去し(S27)、更にS27により取得した画像(図6における画像45)から太い皮溝部分を削除することにより、毛穴抽出後の画像(図6における画像46)を抽出する(S28)。なお、S27におけるノイズ除去処理は、例えば、50〜400画素以下(0.005mm〜0.04mm以下)を基準として毛穴を抽出することにより、それ以外の毛穴部分や皮溝を削除することでノイズ除去を行う。
【0102】
次に、本発明における毛穴パラメータの生成において、毛穴パラメータとして用いられる毛穴の大きさは、毛穴の平均面積を指標とする。具体的には、所定画像領域中における毛穴平均面積又は毛穴の総面積を算出して(S29)、算出された面積を指標として毛穴の大きさのパラメータを生成して出力する(S30)。
【0103】
<皮溝画像抽出、皮溝パラメータ生成>
次に、上述したS13、S14における皮溝画像抽出、及び皮溝パラメータ生成について、具体的に説明する。図7は、本発明における皮溝抽出及び皮溝パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図8は、皮溝画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【0104】
図7に示すフローチャートにおいて、上述したように、まず入力画像である元画像(図8における元画像41)からRGB成分を抽出することにより得られるG画像を入力する(S31)。また、画像の周辺部の歪みを取り除くため、ガウシアンフィルター等により歪み補正を行う(S32)。例えば、50倍のマイクロスコープを用いて640×480画素の8bitの画像を用いた場合、ガウシアンフィルターのカットオフ周波数を1.6〜1.8mmとして画像のフィルタリングを行う。
【0105】
次に、歪み補正した画像(図8におけるG画像51)のノイズ除去を行う(S33)。なお、ここでのノイズ除去は、平滑化フィルターを用いる。ここで、例えば、平滑化フィルターとして、形は主に十字型で大きさは3×3画素(0.03×0.03mm)〜5×5画素(0.05×0.05mm)を用いる。
【0106】
次に、ノイズ除去された画像を用いて微分フィルターによる皮溝の強調を行う(S34)。なお、微分フィルターは、皮溝の幅や皮溝の分布の特徴を活かして、微分フィルターの最適なサイズを設定する。具体的には、各画素に対して適切な大きさ(例えば、5×5画素(0.05×0.05mm)〜45×45画素(0.45×0.45mm))の微分フィルター処理を行う。このため、サイズが小さすぎることによりノイズが多くなることなく、またサイズが大きすぎることにより皮溝の他に毛穴が抽出されてしまうことを防止することができる。これにより、皮溝を強調し毛穴を削除した画像(図8における画像52)を取得することができる。更に、S34の処理により得られる画像を二値化することにより、皮溝の画像(図8における画像53)を抽出する(S35)。
【0107】
また、S35により抽出された皮溝画像を用いて、皮溝毎にラベリング処理を行うことによりノイズを除去する(S36)。具体的には、50〜400画素以下(0.005mm〜0.04mm以下)を基準として毛穴や所定の幅の皮溝をノイズとして除去して、ノイズ除去された皮溝画像(図8における画像54)を抽出する(S37)。
【0108】
更に、S37により得られる皮溝画像について細線化処理を行い(S38)、細線化された皮溝解析画像(図8における画像55)を抽出する(S39)。
【0109】
次に、本発明における皮溝パラメータの生成において、皮溝パラメータとして用いられる皮溝の鮮明さは、所定画像中に含まれる皮溝の平均幅を指標とする。具体的には、S37により得られる皮溝の面積をS39により得られる皮溝細線化画像における皮溝の面積で除算(皮溝面積/皮溝細線化画像の面積)し(S40)、算出された値により皮溝の幅(太さ)をパラメータ化することにより、皮溝の鮮明さのパラメータを生成して出力する(S41)。
【0110】
<皮丘画像抽出、皮丘パラメータ生成>
次に、上述したS15、S16における皮丘画像抽出、及び皮丘パラメータ生成について、具体的に説明する。図9は、本発明における皮丘抽出及び皮丘パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図10は、皮丘画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【0111】
図9に示すフローチャートにおいて、上述したように、まずS37で得られる皮溝画像(図10における画像61)を入力する(S51)。また、入力した皮溝画像を白黒反転し、得られた反転画像のうち、皮丘毎にラベリング処理を行うことによりノイズを除去する(S52)。
【0112】
ここで、ラベリングされた皮丘のうち、複数の皮丘が連結していることにより1つの皮丘としてラベリングされている可能性がある。この場合には、後の処理で皮丘の数をパラメータの指標とするため、皮丘毎に正確にラベリングされている必要がある。そのため、S52により得られた画像(図10における画像62)を用いて皮丘離散を行う(S53)。
【0113】
具体的には、S52により得られた皮丘毎における各画像領域に対して画像を周辺部から所定の画素分(例えば、1〜2画素分)を縮小させた画像を生成することで、皮丘の分離を行う。図11は、画像中における皮丘を分離させる一例を説明するための図である。図11(a)に示すように、S52によりラベリングされた皮丘は、複数の皮丘が連結して1つの皮丘としてラベリングされる可能性がある。そこで、図11(b)に示すように、ラベリングされたそれぞれの皮丘画像の周辺を1画素分縮小して皮丘離散させた画像(図10における画像63)を抽出する。なお、画像の周辺部分を縮小させる画素数は、1画素に限定されるものではなく、例えば2画素や3画素等であってもよい。
【0114】
次に、上述したS28により得られる毛穴画像を入力し(S54)、入力した毛穴画像の毛穴部分の除去を行う(S55)。具体的には、S53の処理により抽出された皮丘離散と、S54により入力した毛穴画像の差分画像を求めて皮丘解析画像(図11において画像64)を生成する。
【0115】
次に、皮丘毎にラベリング処理によるノイズ除去を行い(S56)、ノイズ除去された画像を皮丘画像として出力する(S57)。ここで、ノイズ除去は、例えば1〜100画素以下(0.001mm〜0.01mm以下)を基準として所定の大きさの皮丘画像を取得する。
【0116】
次に、本発明における皮丘パラメータの生成において、皮丘パラメータとして用いられる皮丘の細かさは、顔の表面積や100cm等の所定の画像領域中に含まれる皮丘の数又は皮丘の平均面積を指標とする。具体的には、S57により得られる皮丘画像からラベル数の算出を行う(S58)。ここで、ラベル数は、上述したように画像中に含まれるラベリングされた皮丘の数を示す。この皮丘の数を皮丘の細かさの指標として数値等を用いてパラメータ化して出力する(S59)。なお、皮丘の数の算出手法としては、例えば4.8mm四方の画像領域中に皮丘が何個あるかをカウントしてもよく、その数値を顔の表面積に対応させて合計何個になるかを算出してもよい。なお、皮丘の数のカウント手法については、これに限定されるものではなく、例えば画像から手計算もしくは他の方法で皮丘をカウントして顔の表面積に対応させてもよい。
【0117】
また、所定の画像領域中に含まれる皮丘の平均面積を算出してその値を皮丘の細かさを表してもよい。その場合には、その平均面積を顔の表面積に対応させて皮丘の数が合計何個になるかを算出してもよい。
【0118】
また、本発明におけるパラメータの生成において、皮丘の細かさ以外の皮丘パラメータとして用いられる皮丘の形状は、所定画像中に含まれる皮丘の円形度を指標とする。具体的には、S57により得られる皮丘画像の形状から円形度を算出し(S60)、算出した円形度を数値等を用いてパラメータ化して出力する(S61)。ここで、S61における円形度は、例えば取得した皮丘画像について、“4π×皮丘の面積/(皮丘の周囲長×皮丘の周囲長)”により算出することができる。なお、算出手法については、これに限定されるものではない。
【0119】
このように、上述にて得られたパラメータに示すように、肌のキメ又は毛穴を解析するための条件(指標)として「毛穴の大きさ」、「皮溝の鮮明さ」、「皮丘の細かさ」、及び「皮丘の形状」の4つのパラメータを用いることにより数値化された肌状態の解析を高精度に行うことができる。
【0120】
また、本発明によれば、上述したパラメータについては、「毛穴の大きさ」を肌画像から得られる毛穴の面積に基づいて生成し、「皮溝の鮮明さ」を肌画像から得られる皮溝の平均幅に基づいてパラメータを生成し、「皮溝の鮮明さ」を肌画像から得られる皮丘のラベル数(皮丘の数)に基づいて生成し、「皮丘の形状」を肌画像から得られる皮丘の円形度に基づいて生成する。これにより、高精度なキメ又は毛穴の解析を実現することができる。
【0121】
ここで、上述した肌状態解析処理は、実行プログラムをPC等にインストールすることで、ソフトウェアとして容易に実現することができる。ここで、肌状態解析プログラムが実行されると、上述したCPU36によりメモリ装置35にプログラムが読み出され、ユーザが上述した肌状態解析処理を実行するための画面がモニタ上に表示され、ユーザがマウスやキーボード等の入力装置31により所定の操作を行うことにより、肌状態解析処理が実行される。ここで、本発明における肌状態解析処理を実行するための画面構成例について図を用いて説明する。
【0122】
<肌状態解析実行画面例>
図12は、本発明における肌状態解析実行画面の一例を示す図である。図12に示す肌状態解析実行画面70は、メイン操作ボタン領域71と、元画像表示領域72と、解析結果画像表示領域73と、解析結果画像設定領域74と、解析結果表示領域75とを有するよう構成されている。
【0123】
メイン操作ボタン領域71は、元画像の入力(Load)や、肌状態の解析の実行(Analyzed)等の操作を行う。なお、肌状態の解析処理は、上述した「毛穴の大きさ」、「皮溝の鮮明さ」、「皮溝の鮮明さ」、及び「皮丘の形状」に対応するそれぞれのパラメータのうち、少なくとも1つをパラメータ化する処理を実行させる。したがって、例えば、毛穴パラメータのみを生成したり、全てのパラメータを生成する処理を実行させることができる。
【0124】
また、画像の入力においては、フォルダ単位やドライブ単位等の所定の記憶領域を選択し、選択された記憶領域中に含まれる複数の画像について肌状態の解析を連続的に実行する(MaltiLoad)こともできる。
【0125】
また、元画像表示領域72には、処理対象の元画像が表示され、解析結果画像表示領域73には、上述した肌画像の解析結果の画像が表示される。ここで、解析結果の肌画像は、毛穴部分、皮溝部分、皮丘部分等がそれぞれ強調表示される。つまり、異なる毛穴部分や皮溝部分、皮丘部分においては、それぞれが個々に視覚上明確に表示させるために、複数の色を用いて色分けされて表示するようにする。特に、隣接間は異なる色で表示する。
【0126】
これにより、ユーザは、毛穴や皮丘等の形状や大きさ、数等を容易に把握することができる。つまり、例えば隣接する毛穴や皮溝、皮丘が1画素分しか離れていないような場合でも分離しているか否かを容易に把握することができる。また、色分けの他にも、斜線や網線等によりその場所が何を示すものかが容易に把握できるような表示処理が行われる。更に、パラメータの値によって色や斜線等の表示の仕方を変え、色と解析結果とを対応付けて表示させてもよい。これにより、例えば、所定の面積の大きさの場合には、その領域を赤色で表示する等の処理を行ってもよい。
【0127】
また、解析結果画像設定領域74は、解析結果画像の各部分(皮溝(Furrow)、皮丘(Ridge)、(毛穴)Pore、(それらの合成)Composition)のそれぞれを表示させることができる。なお、表示させる画像は、上述した図6、図8、図10に示すような各処理において抽出された画像を用いる。ここで、表示される画像は、上述したように強調表示させることができる。また、解析結果設定領域74は、解析結果画像のみの保存(Save)等を行う。
【0128】
また、解析結果表示領域75は、皮溝の鮮明さ(Furrow vividness)、皮丘の細かさ(Ridge Fineness)、皮丘の形状(Ridge Shape) 毛穴の大きさ(Pore Size)の結果(パラメータ)を表示する。なお、図12では、数値化された値が表示されているが、本発明におけるパラメータ表示はこれに限定されるものではなく、例えば数値に対応して予め設定された、「良い」、「普通」、「悪い」等の多数の区分を設けて、それぞれ対応する文字を表示させてもよい。また、20〜23才の肌、30代の肌等、予めパラメータに対応して設定された肌年齢等を表示させるようにしてもよい。また、解析結果表示領域75は、表示された結果(パラメータデータ)を保存する(Data Save)ことができる。
【0129】
ここで、図12に示す肌状態解析実行画面70は、終了ボタン(Exit)76を選択することにより画面を閉じて処理を終了する。なお、上述した肌状態解析実行画面70における各領域の大きさや配置は、図12に限定されるものではなく、例えば、それぞれの領域が別の画面(ウィンドウ)に表示させるような構成であってもよい。
【0130】
上述したように、本発明によれば、被験者の肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。具体的には、撮影した被験者の肌画像情報を三原色(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))のそれぞれの成分に分け、それぞれの成分情報を用いて肌の解析を行う。
【0131】
また、本発明では、キメ又は毛穴の解析を行うためのパラメータとしてキメ又は毛穴の特徴を現す4つの項目(毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、皮丘の形状)を用いる。これらの値を数値等によりパラメータ化し、そのパラメータ化された値の少なくとも1つを用いて肌の表面状態、特に肌のキメ又は毛穴の解析を高精度に行うことができる。
【0132】
なお、上述した肌状態解析システムは、特に肌のキメ又は毛穴を解析するものであるが、上述したパラメータを用いて肌のくすみやしわ、しみ等、キメ又は毛穴以外の解析を行ってもよい。また、肌の診断として、例えば皮脂量や、肌の弾力、肌色の分析、色素の沈着状態等を解析してこれらの解析結果と本発明における肌状態解析結果とを組み合わせて肌状態の診断等を行ってもよい。
【0133】
このように、本発明を適用することにより、例えば、医療や化粧品の販売等において、専門家に限らず、本発明における数値等で表現されたパラメータを用いて均一的に高精度な肌診断又は美容カウンセリング等を実現することができる。
【0134】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明における肌状態解析システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】本発明における肌状態解析装置の機能構成の一例を示す図である。
【図3】本発明における肌状態解析が実現可能なハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】本発明における肌状態解析処理手順を示す一例のフローチャートである。
【図5】本発明における毛穴画像抽出及び毛穴パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】毛穴画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【図7】本発明における皮溝抽出及び皮溝パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】皮溝画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【図9】本発明における皮丘抽出及び皮丘パラメータ生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】皮丘画像の抽出過程における各画像の一例を示す図である。
【図11】画像中における皮丘を分離させる一例を説明するための図である。
【図12】本発明における肌状態解析実行画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
10 肌状態解析システム
11 肌観察装置
12 肌状態解析装置
13 通信ネットワーク
21 画像入力手段
22 RGB成分抽出手段
23 毛穴画像抽出手段
24 毛穴パラメータ生成手段
25 皮溝画像抽出手段
26 皮溝パラメータ生成手段
27 皮丘画像抽出手段
28 皮丘パラメータ生成手段
29 解析手段
31 入力装置
32 出力装置
33 ドライブ装置
34 補助記憶装置
35 メモリ装置
36 CPU
37 ネットワーク接続装置
38 記録媒体
41 元画像
42 R画像
43 B画像
44〜46,52〜55,61〜64画像
51 G画像
70 肌状態解析実行画面
71 メイン操作ボタン領域
72 元画像表示領域
73 解析結果画像表示領域
74 解析結果画像設定領域
75 解析結果表示領域
76 終了ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析方法において、
前記画像から得られる毛穴の大きさ、皮溝の鮮明さ、皮丘の細かさ、及び皮丘の形状のうち、少なくとも1つをパラメータ化するパラメータ生成ステップと、
前記パラメータ生成ステップから得られるパラメータに基づいて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析ステップとを有することを特徴とする肌状態解析方法。
【請求項2】
前記パラメータ生成ステップは、
前記毛穴の大きさをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる毛穴の面積を用い、前記皮溝の鮮明さをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮溝の幅を用い、前記皮丘の細かさをパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮丘の数又は平均面積を用い、前記皮丘の形状をパラメータ化する場合には、前記画像から得られる皮丘の円形度を用いることを特徴とする請求項1に記載の肌状態解析方法。
【請求項3】
被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析方法において、
前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出ステップと、
前記RGB成分抽出ステップにより得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出ステップと、
前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成ステップと、
前記RGB成分抽出ステップにより得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出ステップと、
前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成ステップと、
前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出ステップと、
前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成ステップと、
前記毛穴パラメータ生成ステップ、前記皮溝パラメータ生成ステップ、及び前記皮丘パラメータ生成ステップにより得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析ステップとを有することを特徴とする肌状態解析方法。
【請求項4】
前記毛穴画像抽出ステップは、
前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする請求項3に記載の肌状態解析方法。
【請求項5】
前記毛穴パラメータ生成ステップは、
前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする請求項3又は4に記載の肌状態解析方法。
【請求項6】
前記皮溝画像抽出ステップは、
前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリングを行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の肌状態解析方法。
【請求項7】
前記皮溝パラメータ生成ステップは、
前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の肌状態解析方法。
【請求項8】
前記皮丘画像抽出ステップは、
前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項に記載の肌状態解析方法。
【請求項9】
前記皮丘パラメータ生成ステップは、
前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする請求項3乃至8の何れか1項に記載の肌状態解析方法。
【請求項10】
前記解析ステップは、
前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする請求項3乃至9の何れか1項に記載の肌状態解析方法。
【請求項11】
被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析装置において、
前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出手段と、
前記RGB成分抽出手段により得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出手段と、
前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成手段と、
前記RGB成分抽出手段により得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出手段と、
前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成手段と、
前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出手段と、
前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成手段と、
前記毛穴パラメータ生成手段、前記皮溝パラメータ生成手段、及び前記皮丘パラメータ生成手段により得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析手段とを有することを特徴とする肌状態解析装置。
【請求項12】
前記毛穴画像抽出手段は、
前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする請求項11に記載の肌状態解析装置。
【請求項13】
前記毛穴パラメータ生成手段は、
前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする請求項11又は12に記載の肌状態解析装置。
【請求項14】
前記皮溝画像抽出手段は、
前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリングを行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の肌状態解析装置。
【請求項15】
前記皮溝パラメータ生成手段は、
前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする請求項11乃至14の何れか1項に記載の肌状態解析装置。
【請求項16】
前記皮丘画像抽出手段は、
前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の肌状態解析装置。
【請求項17】
前記皮丘パラメータ生成手段は、
前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする請求項11乃至16の何れか1項に記載の肌状態解析装置。
【請求項18】
前記解析手段は、
前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする請求項11乃至17の何れか1項に記載の肌状態解析装置。
【請求項19】
被験者の肌が撮影された画像を用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行うための肌状態解析処理をコンピュータに実行させるための肌状態解析プログラムにおいて、
前記画像からR成分、G成分、及びB成分を抽出するRGB成分抽出処理と、
前記RGB成分抽出処理により得られるR成分と、B成分あるいはG成分とから毛穴画像を抽出する毛穴画像抽出処理と、
前記毛穴画像から毛穴の大きさをパラメータ化する毛穴パラメータ生成処理と、
前記RGB成分抽出処理により得られるG成分から皮溝画像を抽出する皮溝画像抽出処理と、
前記皮溝画像から皮溝の鮮明さをパラメータ化する皮溝パラメータ生成処理と、
前記毛穴画像及び前記皮溝画像から皮丘画像を抽出する皮丘画像抽出処理と、
前記皮丘画像から皮丘の細かさ及び/又は皮丘の形状をパラメータ化する皮丘パラメータ生成処理と、
前記毛穴パラメータ生成処理、前記皮溝パラメータ生成処理、及び前記皮丘パラメータ生成処理により得られるパラメータのうち、少なくとも1つを用いて肌のキメ又は毛穴の解析を行う解析処理とをコンピュータに実行させるための肌状態解析プログラム。
【請求項20】
前記毛穴画像抽出処理は、
前記R成分と、前記B成分あるいは前記G成分とから差分画像を生成し、生成した差分画像から皮溝の除去を行い、前記毛穴画像を抽出することを特徴とする請求項19に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項21】
前記毛穴パラメータ生成処理は、
前記毛穴画像における毛穴の平均面積及び/又は総面積を算出し、算出された面積に基づいて毛穴パラメータを生成することを特徴とする請求項19又は20に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項22】
前記皮溝画像抽出処理は、
前記G成分の画像について前記皮溝の形状を強調する微分フィルターを用いてフィルタリング行い、前記皮溝画像を抽出することを特徴とする請求項19乃至21の何れか1項に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項23】
前記皮溝パラメータ生成処理は、
前記皮溝画像から得られる皮溝の幅に基づいて、皮溝パラメータを生成することを特徴とする請求項19乃至22の何れか1項に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項24】
前記皮丘画像抽出処理は、
前記皮溝画像から皮丘部分を取得し、取得した複数の皮丘画像の周辺を所定の画素数分縮小させて画像を皮丘画像の離散を行い、離散した皮丘画像を前記毛穴画像に基づいて毛穴部分を除去することにより、皮丘画像を抽出することを特徴とする請求項19乃至23の何れか1項に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項25】
前記皮丘パラメータ生成処理は、
前記皮丘画像により得られる所定の画像領域中における皮丘の数又は平均面積、あるいは前記皮丘の数又は平均面積を前記被験者の顔の表面積に対応させた場合の数、及び/又は皮丘の円形度に基づいて皮丘パラメータを生成することを特徴とする請求項19乃至24の何れか1項に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項26】
前記解析処理は、
前記毛穴パラメータ、前記皮溝パラメータ、及び前記皮丘パラメータ、前記毛穴画像、前記皮溝画像、及び前記皮丘画像のうち、少なくとも1つを色分けして表示し、それぞれの隣接間の前記毛穴、前記皮溝、及び前記皮丘を異ならせた色で表示することを特徴とする請求項19乃至25の何れか1項に記載の肌状態解析プログラム。
【請求項27】
前記請求項19乃至前記請求項26の何れか1項に記載の肌状態解析プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−305184(P2006−305184A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133275(P2005−133275)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】