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肌荒れ予防又は改善剤
説明

肌荒れ予防又は改善剤

【課題】新規な肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容する塩をよりなる肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。


(1)[式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)に好適な肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該肌荒れ予防又は改善剤を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤に関し、詳しくは、1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【化1】

(1)
[式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【背景技術】
【0003】
皮膚は、物理的な衝撃、温度、紫外線又は化学物質の暴露などの外部刺激から生体を保護するバリア機能に加え、生体内部の水分蒸散を防ぐ保湿機能を発揮することにより、生体維持に重要な役割を果たしている。バリア及び保湿機能などの皮膚バリア機能の低下は、紫外線暴露等の長年に渡る物理的刺激の蓄積、遺伝的要因、加齢などの要因により常態化し、乾燥肌、角質細胞の剥離等の肌荒れ症状として顕在化する。また、この様な肌荒れ症状は、花粉症などのアレルギ−症状に伴って表われることもあり、自己免疫疾患の一発現形態であるとの説も存在する。この様に、多面的な側面を有する肌荒れ症状は、その発症要因及び発症過程の複雑さなどの理由により、これまで十分な治療効果が得られているとは言い難い。このため、肌荒れ症状は、難治性の疾患と言えなくもない。
【0004】
肌荒れ症状は、皮膚バリア機能の低下と密接に関係することが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。このため、肌荒れ症状と皮膚バリア機能との関連性に注目し、肌荒れ症状を皮膚バリア機能の指標を利用し定量的に解析評価する方法、更には、皮膚バリア機能を基にした肌荒れ症状の発症機序に関する研究も盛んに行われている。実際、肌荒れ症状は、皮膚生理学的には経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)(例えば、特許文献1を参照)、経上皮電気抵抗値(TER値:Transepitherial electrical resistance)(例えば、特許文献2を参照)等の皮膚バリア機能と関連する物性値を測定し評価することにより定量的な評価が可能となっている。この様な肌荒れ症状を定量的に評価する方法は、肌荒れ予防又は改善剤の開発のための有用な評価方法であり、広く利用されている。
【0005】
アミノ酸は、その分子構造中にアミノ基及びカルボキシル基を有する有機化合物の総称であり、特に、α−アミノ酸は、生体を構成する蛋白質であることに加え、多様な生理活性を有するため盛んに研究が行われている。この様なα−アミノ酸及びその誘導体には、化粧品分野だけでも、抗老化作用(例えば、特許文献3を参照)、保湿作用(例えば、特許文献4を参照)、美白作用(例えば、特許文献5を参照)及び界面活性化作用等が報告され、かかる薬理作用を期待し化粧料等への応用が図られている。前記のα−アミノ酸の内、特に、セリン及びその誘導体に関しては、セリンに美白作用(例えば、特許文献6を参照)が、N−メチルセリンに保湿作用(例えば、特許文献7を参照)が、N−ベンゾイルセリンに、しわ防止又は改善作用(例えば、特許文献8を参照)が存することが報告されている。しかしながら、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に、肌荒れ色素沈着予防又は改善作用が存することは、発明者の知る限り報告されていなかった。本発明者は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に、優れた肌荒れ色素沈着予防又は改善作用が存することを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−161612号公報
【特許文献2】特開2007−174931号公報
【特許文献3】特開2010−241734号公報
【特許文献4】特開2000−178118号公報
【特許文献5】特開2004−315384号公報
【特許文献6】特開平11−049630号公報
【特許文献7】特開平11−310510号公報
【特許文献8】再表2007−013662号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】老化防止・美白・保湿化粧料の開発技術、CMCテクニカルラ−ブラリ−、鈴木正人 監修
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この様な状況下において為されたものであり、新規な肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この様な状況を鑑みて、本発明者等は、新規な肌荒れ予防又は改善剤を求め鋭意努力、研究を重ねた結果、下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に、優れた肌荒れ予防又は改善作用が存することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤。
【0010】
【化1】

(1)
[式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【0011】
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【0012】
【化2】

(2)
[式中、R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R5は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。]
【0013】
<3> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【0014】
【化3】

(3)
[式中、R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【0015】
<4> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【0016】
【化4】

(4)
[式中、R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
【0017】
<5> 前記一般式(1)に表される化合物が、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<4>の何れかに記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【0018】
【化5】

N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)
【0019】
【化6】

N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)
【0020】
【化7】

N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)
【0021】
【化8】

N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)
【0022】
【化9】

N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)
【0023】
【化10】

N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)
【0024】
【化11】

N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)
【0025】
【化12】

N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)
【0026】
【化13】

N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)
【0027】
【化14】

N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)
【0028】
【化15】

N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)
【0029】
【化16】

N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)
【0030】
【化17】

N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)
【0031】
<6> 前記肌荒れ予防又は改善作用が、経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)亢進に対する抑制作用であることを特徴とする、<1>〜<5>の何れかに記載の肌荒れ予防又は改善剤。
<7> <1>〜<6>の何れかに記載の肌荒れ予防又は改善剤を含有することを特徴とする、肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
<8> <1>〜<6>の何れかに記載の肌荒れ予防又は改善剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項7に記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
<9> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<7>又は<8>に記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
<10> 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩より選択される1種又は2種以上を含有する、肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
<11> 更に、抗炎症成分を含有することを特徴とする、<7>〜<10>の何れかに記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、新規な肌荒れ予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<本発明の肌荒れ予防又は改善剤>
本発明の肌荒れ予防又は改善剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなることを特徴とする。本発明の肌荒れ予防又は改善剤が有する肌荒れ予防又は改善作用としては、通常の肌荒れ予防又は改善作用に加え、保湿作用も包含される。本発明の肌荒れ予防又は改善剤としては、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であり、肌荒れ予防又は改善作用であれば特段の限定なく適用することが出来る。本発明の肌荒れ予防又は改善剤が示す肌荒れ予防又は改善作用としては、皮膚バリア機能低下による経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)の亢進により生じる肌荒れ症状に対する肌荒れ予防又は改善作用が好適に例示出来、さらに好ましくは、経皮水分蒸散量の亢進の結果生じる肌表面形状の異常による肌荒れに対する肌荒れ予防又は改善作用が好適に例示出来る。前記の肌表面形状の異常による肌荒れとしては、痂皮形成、落屑等を伴うことのある肌荒れ等が好適に例示出来る。この様な肌荒れにおいては、皮膚微小循環の不全等により皮膚表面形態の維持が困難になるほか、インタ−ロイキン等の炎症因子が放出され、二次的炎症を生じる場合も存在する。かかる炎症は、皮膚表面形状の変化異常を改善させないままでは治癒し難いとされるため、この様な炎症症状を伴う肌荒れの予防又は改善の意味においても、肌荒れを予防又は改善することは重要である。また、前記の肌荒れは、経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)の亢進により生じる肌荒れと定義することが出来るため、本発明の肌荒れ改善剤は、経皮水分蒸散量の亢進により生じる肌荒れを対象とすることが好ましい。本発明における経皮水分蒸散量の亢進により生じる肌荒れとは、通常のTEWLの値に対し15%以上、より好ましくは、25%以上の経皮水分蒸散量の亢進を以て、本発明の経皮水分蒸散量の亢進により生じる肌荒れ状態にあると定義する。
本発明の肌荒れ予防又は改善剤の内、特に好ましいものを具体的に例示すれば、後述する実施例1に記載の「肌荒れ改善試験」において、5質量%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液処置による経皮水分蒸散量の亢進が、コントロ−ル群に比較し抑制される成分、即ち、五日目の被験サンプル投与群のTEWL測定値が、五日目のコントロ−ル群のTEWL測定値に比較し低い値を示す成分が好適に例示出来、さらに好ましくは、一日目のコントロ−ル群及び被験サンプル投与群の5質量%SDS水溶液処置前のTEWL値と、五日目のTEWL値の差に相当する△TEWL値を算出した場合に、被験物質投与群の△TEWL値が、コントロ−ル群の△TEWL値と比較し、90%以下に抑制される成分が好適に例示出来る。また、自然治癒による経皮水分蒸散量の抑制効果が肌荒れ予防又は改善作用評価に影響を及ぼさない時期であれば、肌荒れ予防又は改善作用評価のための試験期間及びTEWL測定日に付いては特段の限定はない。また、肌荒れの如何に関わらず、△TEWL値を低下させる作用を有する成分を肌荒れ改善作用と定義する。
【0034】
本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、新規な肌荒れ予防又は改善剤であり、皮膚外用剤に含有させることにより優れた肌荒れ予防又は改善効果を発揮する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、かかる化合物の内、特に好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
また、前記一般式(1)に表される化合物に付いては、その化学構造中に不斉炭素を有するため、(L)体、(D)体又はラセミ体、更には、(L)体及び(D)体が任意の混合比率であるラセミ混合物等の様々な存在形態が考えられる。本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、(D)体、(L)体、ラセミ体、ラセミ混合物等の存在可能な形態を全て包含する。また、前記一般式(1)に表される化合物及びその光学異性体の内、特に好ましいものとしては、(L)体が好適に例示出来る。これは、肌荒れ予防又は改善作用の薬効面、安全性面などの性質に優れるためである。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の1種又は2種以上を選択し、本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。
【0035】
ここで前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N−ブチルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、アセチルフェニル基、プロピオニルフェニル基、ブチリルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、プロピルオキシカルボニルフェニル基、ブチルオキシカルボニルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、プロピルピリジル基、ブチルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、プロピルオキシピリジル基、ブチルオキシピリジル基、N−メチルアミノピリジル基、N−エチルアミノピリジル基、N−プロピルアミノピリジル基、N−ブチルアミノピリジル基、N,N−ジメチルアミノピリジル基、N,N−ジエチルアミノピリジル基、N,N−ジプロピルアミノピリジル基、N,N−ジブチルアミノピリジル基、アセチルピリジル基、プロピオニルピリジル基、ブチリルピリジル基、メトキシカルボニルピリジル基、エトキシカルボニルピリジル基、プロピルオキシカルボニルピリジル基、ブチルオキシカルボニルピリジル基、フルオロピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ヒドロキシピリジル基、アミノピリジル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ブチルオキシナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N−ブチルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、N,N−ジブチルアミノナフチル基、アセチルナフチル基、プロピオニルナフチル基、ブチリルナフチル基、メトキシカルボニルナフチル基、エトキシカルボニルナフチル基、プロピルオキシカルボニルナフチル基、ブチルオキシカルボニルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、ビフェニル基、メチルビフェニル基、エチルビフェニル基、プロピルビフェニル基、ブチルビフェニル基、メトキシビフェニル基、エトキシビフェニル基、プロピルオキシビフェニル基、ブチルオキシビフェニル基、N−メチルアミノビフェニル基、N−エチルアミノビフェニル基、N−プロピルアミノビフェニル基、Nブチルアミノビフェニル基、N,N−ジメチルアミノビフェニル基、N,N−ジエチルアミノビフェニル基、N,N−ジプロピルアミノビフェニル基、N,N−ジブチルアミノビフェニル基、アセチルビフェニル基、プロピオニルビフェニル基、ブチリルビフェニル基、メトキシカルボニルビフェニル基、エトキシカルボニルビフェニル基、プロピルオキシカルボニルビフェニル基、ブチルオキシカルボニルビフェニル基、フルオロビフェニル基、クロロビフェニル基、ブロモビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ヒドロキシビフェニル基、アミノビフェニル基等が好適に例示出来、これらの内、好ましいものとしては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記R1がメチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基である化合物は、特に、肌荒れ予防又は改善効果に優れる。前記R1の芳香族環上の置換基の数は、0〜3が好適に例示出来、より好ましくは、0又は1であり、芳香族環上の置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。また、前記R1の芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、より好ましくは、芳香族環のセリン構造が結合したアミド結合に対し、パラ位が好ましい。前記R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記R2が水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基である化合物は、特に、肌荒れ予防又は改善効果に優れる。前記R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、前記R3が水素原子、メチル基である化合物は、特に、肌荒れ予防又は改善効果に優れる。
前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)、その光学異性体及び/又はそれの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、経皮水分蒸散量(TEWL値)測定により優れた肌荒れ予防又は改善作用、保湿作用が認められる。また、かかる化合物は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、皮膚外用剤の製剤化が容易である。さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、皮膚外用剤に配合した場合には、高い肌荒れ予防又は改善作用、保湿作用を発揮する。また、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物は、化合物自身が優れた安全性を有するほか、皮膚外用剤に含有させた場合にも、感作性、皮膚刺激性等に対する皮膚安全性が極めて高い。加えて、後述する抗炎症成分と共に皮膚外用剤に配合することにより、肌の肌表面形状の異常による肌荒れを対象とした肌荒れ予防又は改善に対し優れた効果を発揮する。
【0036】
ここで前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。前記R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、好ましいものとしては、前記一般式(1)に表される化合物の置換基R1と同様の置換基が好適に例示出来、より好ましい置換基を具体的に例示すれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R4の芳香族環上の置換基の数は、0〜3が好適に例示出来、より好ましくは、0又は1であり、芳香族環上の置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。また、前記R4の芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、より好ましくは、パラ位が好ましい。また、前記R5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、アセチル基が好適に例示出来る。ここで前記一般式(2)に表される化合物及びその光学異性体の内、前記一般式(4)に表される化合物及びその光学異性体に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−ベンゾイル−O−エチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(ナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−ベンゾイル−O−アセチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−ベンゾイル−O−プロピオニルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(ナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体の内、より好ましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0037】
ここで前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、好ましいものとしては、前記一般式(1)に表される化合物の置換基R1と同様の置換基が好適に例示出来、さらに好ましい置換基を具体的に例示すれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R6の芳香族環上の置換基の数は、0〜3が好適に例示出来、より好ましくは、0又は1であり、芳香族環上の置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。また、前記R6の芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、より好ましくは、パラ位が好ましい。また、前記R7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基が好適に例示出来る。
【0038】
前記一般式(3)に表される化合物及びその光学異性体の内、前記一般式(4)に表される化合物及びその光学異性体に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(ナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(ナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物及びその光学異性体の内、このましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0039】
ここで前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。前記R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、好ましいものとしては、前記一般式(1)に表される化合物の置換基R1と同様の置換基が好適に例示出来、さらに好ましい置換基を具体的に例示すれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R8の芳香族環上の置換基の数は、0〜3が好適に例示出来、より好ましくは、0又は1であり、芳香族環上の置換基は、それぞれ独立に存在することが出来る。また、前記R8の芳香族環上の置換基の置換位置としては、特段の限定はないが、より好ましくは、芳香族環上のセリン構造が結合したアミド結合に対しパラ位が好ましい。
【0040】
前記一般式(4)に表される化合物及びその光学異性体の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(プロピルベンゾイル)セリン、N−(ブチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(エトキシベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン、N−(ブチルオキシベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン、N−(アミノベンゾイル)セリン、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)セリン、N−(クロロベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ピリジンカルボニル)セリン、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルピリジンカルボニル)セリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルオキシピリジンカルボニル)セリン、N−(ヒドロキシピリジンカルボニル)セリン、N−(アミノピリジンカルボニル)セリン、N−(クロロピリジンカルボニル)セリン、N−(フルオロピリジンカルボニル)セリン、N−(トリフルオロメチルピリジンカルボニル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(メチルナフトイル)セリン、N−(エチルナフトイル)セリン、N−(プロピルナフトイル)セリン、N−(メトキシナフトイル)セリン、N−(エトキシナフトイル)セリン、N−(プロピルオキシナフトイル)セリン、N−(ヒドロキシナフトイル)セリン、N−(アミノナフトイル)セリン、N−(クロロナフトイル)セリン、N−(フルオロナフトイル)セリン、N−(トリフルオロメチルナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルフェニルベンゾイル)セリン、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(アミノフェニルベンゾイル)セリン、N−(クロロフェニルベンゾイル)セリン、N−(フルオロフェニルベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルフェニルベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0041】
前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されているセリン又はセリン誘導体を出発原料とし、下記の製造方法に従い合成することも出来るし、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の方法に従い、製造することも出来る。かかる化合物は、そのまま本発明の皮膚外用剤に含有させ使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
【0042】
斯くして得られた一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、経皮水分量の蒸散亢進を抑制することにより優れた肌荒れ予防又は改善作用、保湿作用を発揮する。かかる薬理学的な作用を奏するためには、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種乃至は2種以上を、皮膚外用剤全量に対して、総量で0.0001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.005〜5質量%含有することが好ましい。これは、皮膚外用剤全量に対する前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001質量%より少ないと色素沈着予防又は改善作用が低下する傾向があり、また20質量%を超える量を配合しても、効果が頭打ちになる傾向があるため、処方の自由度が低下する恐れがあり、前記の皮膚外用剤全量に対する前記の含有量が好ましい。
【0043】
【化18】

N−(p−メチルベンゾイル)−L−セリン (化合物1のL体)
【0044】
<製造例1: N−(p−メチルベンゾイル)−L−セリン(化合物1のL体)の製造方法>
[工程1] p−メチルベンゾイルクロリドの合成
十分に乾燥させたナスフラスコにp−トルイル酸(100g、0.734mol)(東京化成工業株式会社)とトルエン(500mL)(和光純薬工業株式会社)を入れ、p−トルイル酸を溶解させた。この溶液に塩化チオニル(132.4mL、 1.84mol)(和光純薬工業株式会社)を1時間掛け滴下した。滴下後、2時間加熱還流を行った。反応後、室温まで冷却した後、ロ−タリ−エバポレ−タで残存する塩化チオニル及びトルエンを留去した。濃縮液にトルエン(200mL)を添加し、濃縮を2回繰り返した。最終的に得られた残渣をテトラヒドロフラン(200mL)(和光純薬工業株式会社)に溶解し、次工程に付した。
[工程2] N−(p−メチルベンゾイル)−L−セリンの合成
ナスフラスコにL−セリン(100g、0.952mol)(和光純薬工業株式会社)、炭酸カリウム(131.5g、0.952mol)(和光純薬工業株式会社)、水(1L)を入れ、激しく撹拌した。この溶液に、工程1で調製したp−メチルベンゾイルクロリドをテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社)に溶解し、30分掛けて滴下した。途中、炭酸カリウムを追添加しながら、pH8付近を維持した。滴下終了後、1時間撹拌した。反応液を別容器に準備した水(1L)に添加後、塩酸にてpH3以下にし、4℃に冷却した。析出した結晶をろ過した後、エタノ−ル(和光純薬工業株式会社)/水=6/4の混合溶媒にて再結晶し、目的物を106.0g(収率 64.7%)で得た。
【0045】
<化合物1のL体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 2.36(3H、s)、3.80(2H、d)、4.47(1H、q)、7.29(2H、d)、7.80(2H、d)、8.29(1H、d).
【0046】
【化19】

N−(p−メチルベンゾイル)−DL−セリン (化合物1のラセミ体)
【0047】
<製造例2: N−(p−メチルベンゾイル)−DL−セリン(化合物1のラセミ体)の製造方法>
p−トルイル酸(東京化成工業株式会社)及びDL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物1のラセミ体を合成した。
【0048】
<化合物1のラセミ体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 2.36(3H、s)、3.68(2H、m)、4.19(1H、m)、7.26(2H、d)、7.76(2H、d)、8.07(1H、d).
【0049】
【化20】

N−(p−メチルベンゾイル)−D−セリン (化合物1のD体)
【0050】
<製造例3: N−(p−メチルベンゾイル)−D−セリン(化合物1のD体)の製造方法>
p−トルイル酸(東京化成工業株式会社)及びD−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物1のD体を合成した。
【0051】
<化合物1のD体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 2.36(3H、s)、3.80(2H、d)、4.47(1H、q)、7.29(2H、d)、7.80(2H、d)、8.29(1H、d).
【0052】
【化21】

N−(4−エチルベンゾイル)−L−セリン(化合物2のL体)
【0053】
<製造例4: 化合物2のL体の製造方法>
p−エチルベンゾイルクロリド(和光純薬工業株式会社)及びL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物2のL体を合成した。
【0054】
<化合物2のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 1.27(3H、t)、2.73(3H、q)、4.02(2H、m)、4.72(1H、m)、7.34(2H、d)、7.82(2H、d).
【0055】
【化22】

N−(4−メトキシベンゾイル)−L−セリン(化合物3のL体)
【0056】
<製造例5: 化合物3のL体の製造方法>
p−メトキシベンゾイルクロリド(東京化成工業株式会社)及びL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物3のL体を合成した。
【0057】
<化合物3のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 3.87(3H、s)、4.00(2H、m)、4.71(1H、m)、7.02(2H、d)、7.88(2H、d).
【0058】
【化23】

N−(4−フルオロベンゾイル)−L−セリン(化合物4のL体)
【0059】
<製造例6: 化合物4のL体の製造方法>
p−フルオロベンゾイルクロリド(和光樹若工業株式会社)及びL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物4のL体を合成した。
【0060】
<化合物4のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 4.01(2H、m)、4.71(1H、m)、7.22(2H、m)、7.96(2H、m).
【0061】
【化24】

N−(4−トリフルオロメチルベンゾイル)−L−セリン(化合物5のL体)
【0062】
<製造例7: 化合物5のL体の製造方法>
p−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(和光純薬工業株式会社)及びL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物5のL体を合成した。
【0063】
<化合物5のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 4.02(2H、m)、4.74(1H、m)、7.81(2H、d)、8.07(2H、d).
【0064】
【化25】

N−(2−ナフトイル)−L−セリン(化合物6のL体)
【0065】
<製造例8: 化合物6のL体の製造方法>
L−セリン(2.00g、19.0mmol)(株式会社ペプチド研究所)をテトラヒドロフラン(19mL)(和光純薬工業株式会社)に分散し、氷冷下、撹拌しながら、2N 水酸化ナトリウム水溶液(19mL)を加えた。ついで、2-ナフトイルクロリド(3.64g、19.1mmol)(東京化成工業株式会社)を加えた。水浴をはずし、室温に戻して16時間撹拌後、減圧下にてテトラヒドロフランを留去した。氷冷下、撹拌しながら、塩酸(4mL)(和光純薬工業株式会社)を加え、pH2以下にした。固体を濾取し、これを水にてよく洗浄した。tert−ブチルメチルエーテル(30mL)(東京化成工業株式会社)を加え、不溶物を濾取した。これをtert−ブチルメチルエ−テルにて徹底的に洗浄した。更に、tert−ブチルメチルエ−テル:酢酸エチル(=4:1)及びn−ヘキサンにて順次洗浄し、化合物6のL体を2.92g(収率 59.2%)で得た。
【0066】
<化合物6のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 4.04(2H、m)、4.77(1H、m)、7.59(2H、m)、7.94(4H、m)、8.46(1H、s).
【0067】
【化26】

N−(4−フェニルベンゾイル)−L−セリン(化合物7のL体)
【0068】
<製造例9: 化合物7のL体の製造方法>
4−フェニルベンゾイルクロリド(和光純薬工業株式会社)及びL−セリン(株式会社ペプチド研究所)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物7のL体を合成した。
【0069】
<化合物7のL体の物理恒数>
H−NMR(CDOD):δ 4.03(2H、m)、4.75(1H、m)、7.45(3H、m)、7.73(4H、m)、7.99(2H、s)、8.37(1H、d).
【0070】
【化27】

N−(4−メチルベンゾイル)−L−セリン メチルエステル(化合物8のL体)
【0071】
<製造例10: 化合物8のL体の製造方法>
L−セリンメチルエステル塩酸塩(1.55g、9.96mmol)(東京化成工業株式会社)をジクロロメタン(30mL)(和光純薬工業株式会社)に分散し、トリエチルアミン(2.25g、22.2mmol)(和光純薬工業株式会社)を加え、氷冷下、撹拌しながら、p−メトキシベンゾイルクロリド(1.78g、11.5mmol)(東京化成工業株式会社)/ジクロロメタン(5mL)溶液を3分掛けて滴下した。水浴をはずし、室温にて戻して6時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(100mL)(和光純薬工業株式会社)にて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)、1N塩酸(50mL)及び飽和食塩水(30mL、60mL×2)にて順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)にて乾燥後、濾過し、濾液を減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)に付し、目的物を含むフラクションを集め、減圧下にて濃縮し、化合物8のL体を1.88g(収率 79.5%)で得た。
【0072】
<化合物8のL体の物理恒数>
H−NMR(CDCl):δ 2.41(3H、s)、2.58(1H、brs)、3.83(3H、s)、4.07(2H、m)、4.88(1H、m)、7.06(1H、d)、7.25(2H、d)、7.73(2H、d).
【0073】
【化28】


N−(2−ナフトイル)−L−セリン メチルエステル(化合物9のL体)
【0074】
<製造例11: 化合物9のL体の製造方法>
2−ナフトイルクロリド(東京化成工業株式会社)及びL−セリン メチルエステル塩酸塩(東京化成工業株式会社)を用い、前記化合物8のL体と同様の方法に従い、化合物9のL体を合成した。
【0075】
<化合物9のL体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 3.67(3H、s)、3.84(2H、m)、4.61(1H、m)、5.12(1H、t)、7.62(2H、m)、8.02(4H、m)、8.53(1H、s)、8.75(1H、d).
【0076】
【化29】

N−ベンゾイル−DL−O−メチルセリン(化合物10のラセミ体)
【0077】
<製造例12: 化合物10のラセミ体の製造方法>
ベンゾイルクロリド(和光純薬工業株式会社)及びDL−O−メチルセリン(東京化成工業株式会社)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物10のラセミ体を合成した。
【0078】
<化合物10のラセミ体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 3.28(3H、s)、3.72(2H、m)、4.63(1H、m)、7.62(2H、m)、7.51(3H、m)、7.88(2H、s)、8.58(1H、d).
【0079】
【化30】

N−(4−メチルベンゾイル)−DL−O−メチルセリン(化合物11)
【0080】
<製造例13: 化合物11のラセミ体の製造方法>
p−メチルベンゾイルクロリド(シグマアルドリッチ社)及びDL−O−メチルセリン(東京化成工業株式会社)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物11のラセミ体を合成した。
【0081】
<化合物11のラセミ体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 2.36(3H、s)、3.28(3H、s)、3.71(2H、m)、4.63(1H、m)、7.28(2H、d)、7.80(2H、d)、8.49(1H、d).
【0082】
【化31】

N−(p−メチルベンゾイル)−0−アセチル−L−セリン (化合物12のL体)
【0083】
<製造例14: 化合物12のL体の製造方法>
p−メチルベンゾイルクロリド(シグマアルドリッチ社)及びO−アセチル−L−セリン塩酸塩(シグマアルドリッチ社)用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物12のL体を合成した。
【0084】
<化合物12のL体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 1.91(3H、s)、2.36(3H、s)、4.28(1H、dd)、4.46(1H、dd)、4.71(1H、m)、7.29(2H、q)、7.78(2H、q)、8.68(1H、d).
【0085】
【化32】

N−(2−ナフトイル)−DL−O−メチルセリン (化合物13のラセミ体)
【0086】
<製造例15: 化合物13のラセミ体の製造方法>
2−ナフトイルクロリド(東京化成工業株式会社)及びDL−O−メチルセリン(東京化成工業株式会社)を用い、前記化合物1のL体と同様の方法に従い、化合物13のラセミ体を合成した。
【0087】
<化合物13のラセミ体の物理恒数>
H−NMR(d−DMSO):δ 3.31(3H、s)、3.78(2H、m)、4.72(1H、m)、7.62(2H、m)、8.01(4H、m)、8.53(1H、s)、8.78(1H、d).
【0088】
<本発明の抗炎症成分>
本発明の肌荒れ予防又は改善剤は、前記一般式(1)で表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤である。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤は、皮膚外用剤に含有することにより優れた肌荒れ予防又は改善効果を発揮する。また、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する抗炎症成分と共に皮膚外用剤に含有させることにより、肌荒れ予防又は改善効果、取り分け、皮膚バリア機能の低下による肌表面形状の異常による肌荒れに対する予防又は改善効果が向上する。前記の肌表面形状の異常を伴う肌荒れとしては、痂皮形成、落屑等を伴うことのある肌荒れ等が好適に例示出来、この様な肌荒れにおいては、皮膚微小循環の不全等により皮膚表面形態の維持が困難になるほか、インタ−ロイキン等の炎症因子が放出され、二次的炎症を生じる場合も存する。かかる炎症は、皮膚表面形状の変化異常を改善させないままでは治癒し難いとされるため、この様な炎症症状を伴う肌荒れの予防又は改善の意味においても、肌荒れを予防又は改善することは重要である。また、本発明の抗炎症作用を有する成分としては、純粋な化学物質、動植物由来の抽出物等の形態が好適に例示出来る。ここで、動植物由来の抽出物とは、動物又は植物より抽出される抽出物自体、動物又は植物抽出物を分画、精製した分画、動物又は植物抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。かかる抗炎症作用を有する成分を本発明の皮膚外用剤に含有させる場合には、下記抗炎症作用を有する成分を唯1種のみを含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
【0089】
本発明の前記一般式(1)に表される化合物と共に皮膚外用剤に含有される抗炎症成分としては、抗炎症作用を有する成分であれば特段の限定なく適応出来る。かかる抗炎症作用を有する成分の内、好ましいものとしては、キク科カミツレ属カミツレ(カモミ−ル)の抽出物、キク科ゴボウ属ゴボウの抽出物、マメ科クララ属クジンの抽出物、カバノキ科カバノキ属シラカバの抽出物、クルミ科コウキの抽出物、マメ科カンゾウ属カンゾウの抽出物などの抗炎症作用を有する植物抽出物、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びその誘導体などの抗炎症植物抽出物の主要な成分などが好ましく例示出来、より好ましくは、キク科ゴボウ属ゴボウの抽出物、マメ科クララ属クジンの抽出物、カバノキ科カバノキ属シラカバの抽出物、クルミ科コウキの抽出物、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸誘導体及びその誘導体から選択されるものが好適に例示出来、さらに好ましくは、グリチルリチン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩、グリチルレチン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩、グリチルレチン酸アルキル及びその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
【0090】
また、本発明の抗炎症作用を有する成分の内、植物抽出物は、水やエタノ−ルなどの低級アルコ−ルを溶媒として、植物体乃至はその加工物に1〜20倍量加え、所望により攪拌を適宜加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、不溶物を濾過などで除去した後、所望により、減圧溜去等で溶媒を除去し、場合によっては「ダイアイオンHP20」等を担体としてカラムクロマトグラフィ−等で精製分画くし、使用することができる。植物抽出物を作製するのに好ましい部位としては、キク科カミツレ属カモミ−ルであれば、花蕾、キク科ゴボウであれば根部、マメ科クララ属クジンであれば、地下茎部、カバノキ科カバノキ属シラカバであれば樹皮、クルミ科コウキであれば葉部、マメ科カンゾウ属カンゾウであれば、地下茎が好ましく例示出来る。本発明の抗炎症作用を有する成分の内、植物抽出物である抗炎症成分は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた肌荒れ予防又は改善効果を発揮する。本発明の植物抽出物よりなる抗炎症成分が、前記効果を奏するためには、皮膚外用剤全量に対し、総量で0.00001質量%〜15質量%、より好ましくは、0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.01質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記薬理効果が低下する傾向にあり、多すぎても、効果が頭打ちになる傾向があるため、処方の自由度が低下する恐れがある。
【0091】
また、本発明の抗炎症作用を有する成分の内、グリチルリチン酸及びその薬理学的に許容される塩、グリチルレチン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩、グリチルレチン酸アルキル及びその薬理学的に許容される塩は、抗炎症作用のほかに、メラニン産生抑制作用等を有する。本発明の皮膚外用剤は、肌荒れ予防又は改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤に関するものであるが、この様な用途に対し皮膚外用剤を使用する際には、紫外線暴露等による炎症を惹起する可能性が高く、炎症反応及びそれに付随する種々の皮膚反応により、メラニン生成が亢進する。従って、この様な抗炎症作用を有する成分を含有させることにより、炎症が沈静化する又は更なる炎症を抑えると共に、経皮的水分蒸散量の増加が抑制される。即ち、炎症後の肌荒れの出現も抑制される。また、色素沈着も重篤化することを防ぐことが出来る。
【0092】
本発明のグリチルレチン酸及びその誘導体は、医薬部外品の有効成分として知られる成分であり、グリチルレチン酸アルキル及びその塩としては、例えば、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ラウリル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、グリチルリチン酸及びその塩としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等が好適に例示出来、かかるグリチルレチン酸及びその誘導体の内、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウムが好ましい。これは、使用実績が豊富で安全性が高いことが既に知られているからである。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対し0.01質量%〜3質量%であり、より好ましくは、0.03質量%〜1質量であり、さらに好ましくは、0.05〜0.5質量%である。これは少なすぎると前記効果が低下する傾向があり、多すぎても、効果が頭打ちになる傾向があり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。かかる成分は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に配合することにより、優れた肌荒れ予防又は改善作用を発現する。取り分け、皮膚バリア機能の低下による肌表面形状の異常による肌荒れに対する予防又は改善作用を発揮する。
【0093】
本発明の抗炎症成分は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた肌荒れ予防又は改善作用を発揮する。本発明の皮膚外用剤は、皮膚バリア機能低下による経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)の亢進の結果生じる肌荒れ症状に対する肌荒れ予防又は改善作用を有する成分であることが好ましく、より好ましくは、経皮水分蒸散量の亢進の結果生じる肌表面形状の異常による肌荒れに対する肌荒れ予防又は改善作用を有する成分であることがより好ましい。皮膚バリア機能の低下の結果生じる肌表面形状の異常による肌荒れとしては、痂皮形成、落屑等を伴うことのある肌荒れ等が好適に例示出来る。この様な肌荒れにおいては、皮膚微小循環の不全等により皮膚表面形態の維持が困難になるほか、インタ−ロイキン等の炎症因子が放出され、二次的炎症を生じる場合も存する。かかる炎症は、皮膚表面形状の変化異常を改善させないままでは治癒し難いとされるため、この様な炎症症状を伴う肌荒れの予防又は改善の意味においても、肌荒れを予防又は改善することは重要である。このため、本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に、抗炎症成分を含有することが好ましい。
【0094】
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができる。製造は、常法に従い、これらの成分を処理することにより、困難なく、為しうる。
【0095】
前記の任意成分の内、特に好ましい成分としては、肌荒れ予防又は改善に従前より使用されてきた、ヒアルロン酸及び/又はその薬理学的に許容される塩、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどの保湿性高分子類、トレハロ−ス、硫酸化トレハロ−ス、プルラン、マルト−ス、カルボキシメチルデキストランなどの糖類誘導体などが好適に例示出来る。前記(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとは、メタアクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとを統括した用語であり、この様な、(メタ)アクリル酸のアミノ酸乃至はアミン誘導体を構成モノマ−とする、ホモポリマ−乃至はコポリマ−としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンホモポリマ−、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸ブチルコポリマ−、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸ステアリルコポリマ−、ポリ(メタ)アクリロイルリジン、ポリ(メタ)アクリロイルグリシンなどが好適に例示できる。この様なものには、既に市販されているものが存し、この様な市販品を購入して利用することが出来る。好ましい市販品としては、例えば、リピジュアHM(メタアクリロイルオキシエチルホスホリルコリンホモポリマ−(分子量100000);日本油脂株式会社製)、リピジュアPMB(メタアクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・(メタ)アクリル酸ブチルコポリマ−(分子量600000);日本油脂株式会社製)、PMリジン(ポリメタアクリロイルリジン;岐阜シェラック株式会社製)等が好適に例示できる。かかる成分は、それぞれ0.001質量%〜3質量%、より好ましくは、0.05質量%〜1質量%、さらに好ましくは、0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。さらに、保湿性油剤、例えば、N−アシルグルタミン酸エステルなどを含有することも好ましい。かかる成分の含有量は、0.01質量%〜10質量%、より好ましくは、0.1質量%〜5質量%含有することが好ましい。
【0096】
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ロ−ション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に剤形が好適に例示出来、前記乳化剤形の形態としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、油中水乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していても良いし、水中油エマルションなどの乳化物を有していても良い。
【0097】
これらの必須成分、任意成分を常法に従って処理し、ロ−ション、乳液、エッセンス、クリ−ム、パック化粧料、洗浄料などに加工することにより、本発明の皮膚外用剤は製造できる。皮膚に適応させることの出来る剤型であれば、いずれの剤型でも可能であるが、有効成分が皮膚に浸透して効果を発揮することから、皮膚への馴染みの良い、ロ−ション、乳液、クリ−ム、エッセンスなどの剤型がより好ましい。
【0098】
以下に、本発明に付いて、実施例を挙げて更に詳しく説明を加えるが、本発明がかかる実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0099】
<試験例1: 肌荒れ改善試験1>
男子従業員(年齢25〜45歳)3名を用いて、5質量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液で誘発させた肌荒れモデルを用い、表1に示した被験サンプル(検体1〜2)及びコントロ−ル(40%PEG400水溶液)を表2に示すスケジュ−ルに従い投与し、本発明の肌荒れ予防又は改善剤の肌荒れ改善効果を評価した。即ち、前腕内側部に1.5cmφの部位を2つ設け、インテグラル社製の「テヴァメ−タ」で経皮的散逸水分量(TEWL)を測定した後、5質量%SLS水溶液を絆創膏にしみこませ1日目、2日目、3日目及び4日目に30分間貼付した。被験サンプル(1〜4回目)は、1日目から4日目の5質量%SLS水溶液貼付後にSLS水溶液と同じ部位に1日3回塗布した。5日目にTEWLを測定した。5日目のTEWL値から試験開始日のTEWL値を差し引いた値を「ΔTEWL」とし、この値を評価対象とした。表2に、前記の作業手順を、表3に、試験結果を示す。表3の結果より、本発明の前記一般式(1)に表される化合物よりなる肌荒れ予防又は改善剤は、顕著な肌荒れ予防又は改善効果を有することが判る。尚、表3中の△TEWL比(%)は、肌荒れ改善度合いを表し、具体的には、コントロ−ル群及び被験サンプル投与群の一日目の5質量%SLS水溶液処置前のTEWL測定値と、五日目の5質量%SDS水溶液処置後のTEWL値の差に相当する△TEWL値を算出し、コントロ−ル群の△TEWL値に対する被験サンプル投与群の△TEWL値として算出される。
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
表3の結果より、化粧料1〜2には、コントロ−ル(40%PEG400水溶液)に比較し、顕著な肌荒れ予防又は改善作用が認められた。表3の結果より、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤には、肌荒れ予防又は改善作用が存することが確認された。
【実施例2】
【0104】
<製造例16: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
以下の表4及び表5に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料1〜2)を作製した。即ち、ロの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた後、10%(質量%)の水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加し、総重量が524.5gとなるようにした(混合物Aとする)。また、イの成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させた(混合物Bとする)。80℃に加熱した混合物Aを混合物Bに徐々に攪拌しながら加え、乳化し、ホモジナイザ−で粒子を均一化した後、撹拌冷却し皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料1〜2)を作製した。同様の操作により表6の、「本発明の肌荒れ予防又は改善剤」を「水」に置換した比較例1を作製した。
【0105】
【表4】

【0106】
【表5】

【実施例3】
【0107】
<試験例2: 肌荒れ改善試験2>
前記の実施例2に記載の方法に従い作製した化粧料1〜2、比較例1に付いて、実施例1に記載の方法に従い
肌荒れ改善試験を実施した。結果を表6に示す。本発明の皮膚外用剤(化粧料1〜2)は、優れた肌荒れ予防又は改善作用を示した。かかる作用は、「前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤」を含有させた効果による。
【0108】
【表6】

【実施例4】
【0109】
<製造例17: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
下記の表7に記載の処方成分の本発明の皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料3)を作製し、実施例3に記載の方法に従い肌荒れ改善試験を実施した。化粧料3に関し△TEWL値を測定したところ、測定値は15.6であり、優れた肌荒れ予防又は改善作用を示した。かかる作用は、「前記一般式(1)に表される化合物(化合物1)」及び「抗炎症成分(グリチルレチン酸ステアリル)」を含有させた効果による。
【0110】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、肌荒れ予防又は改善用の化粧料等に応用することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる肌荒れ予防又は改善剤。
【化1】

(1)
[式中、R1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【化2】

(2)
[式中、R4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R5は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。]
【請求項3】
前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【化3】

(3)
[式中、R6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R7は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【請求項4】
前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【化4】

(4)
[式中、R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
【請求項5】
前記一般式(1)に表される化合物が、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【化5】

N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)
【化6】

N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)
【化7】

N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)
【化8】

N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)
【化9】

N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)
【化10】

N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)
【化11】

N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)
【化12】

N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物8)
【化13】

N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物9)
【化14】

N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物10)
【化15】

N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物11)
【化16】

N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物12)
【化17】

N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物13)
【請求項6】
前記肌荒れ予防又は改善作用が、経皮水分蒸散量(TEWL:Transepidermal water loss)亢進に対する抑制作用であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の肌荒れ予防又は改善剤。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の肌荒れ予防又は改善剤を含有することを特徴とする、肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか1項に記載の肌荒れ予防又は改善剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項7に記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
【請求項9】
化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
【請求項10】
前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩より選択される1種又は2種以上を含有する、肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。
【請求項11】
更に、抗炎症成分を含有することを特徴とする、請求項7〜10の何れか1項に記載の肌荒れ予防又は改善用の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2013−1658(P2013−1658A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131866(P2011−131866)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】