説明

肘掛内蔵式テーブル装置

【課題】テーブルが肘掛内に自重落下したときの衝撃緩和及び破損防止並びにテーブル収納時のがたつき防止を行いつつ、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じないようにヒンジ自体が大きくならない肘掛内蔵式テーブル装置を提供する
【解決手段】肘掛内蔵式テーブル装置は、不使用時に肘掛10の上面に開口11をもつ収納空間12に直立に収納され、小口方向及び面方向に回動するヒンジ31、32により使用時に水平に支持されるテーブル20を有し、収納空間においてテーブルの外縁に接触することでテーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアーム40並びにテーブルの小口方向の回動時に互いに摺接してテーブルを収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイド60をテーブル及び収納空間の開口部に有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物等の座席に設けられる肘掛内蔵式テーブル装置(インアームテーブル装置)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、乗り物等の座席は、不使用時には肘掛101内に収納され、使用時には肘掛101内から引き出され、水平に保持されるテーブル102が設けられることがある。このようなテーブル102は、ヒンジ103により回動可能に肘掛に具設されているため、誤ってテーブルが肘掛101内に自重落下したとき、衝撃音が発生したり、衝撃でテーブル102等が破損したりすることがあった。また、テーブル102収納時に、テーブル102が正規状態で収納されないときにもテーブル102等が破損したりすることがあった。
【0003】
そこで、テーブルが肘掛101内に自重落下したときの衝撃を緩和するものとして、特許文献1記載のように、ヒンジのピン構造に抵抗体を介装したものが提案されていた。
【0004】
特許文献2記載のように、ヒンジに付勢手段を設けたものが提案されていた。
【0005】
特許文献3記載のように、テーブルの外縁に回動緩慢部材を摺接させるものが提案されていた。
【0006】
一方、特許文献4記載のように、直線的に上下方向に移動するときのテーブルのがたつきを制止して、テーブルによるアームレスト等周辺の傷付きを防止するため、テーブル収納部の側面に当接するプロテクタを具備するものが提案されていた。
【特許文献1】特開平10−234514号公報
【特許文献2】特開2005−112062号公報
【特許文献3】特開2005−483号公報
【特許文献4】特開2001−171414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2記載のように、ヒンジのピン構造に抵抗体を介装したもの及びヒンジに付勢手段を設けたものは、ヒンジ自体に自重落下による衝撃を緩和する仕組みが設けられることから、ヒンジが大きくなり、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じていた。
【0008】
特許文献3記載のように、テーブルの外縁に回動緩慢部材を摺接させるものは、経年変化による摺動力の低下が生じ、回動緩慢部材の取り付け及び調整に習熟を要し、かつ、テーブル引出し時には回動緩慢部材との摺接が抵抗となり、引き出し難いものとなっていた。
【0009】
特許文献4記載のようなプロテクタは、テーブルを軸着している部分の面方向の回動によるテーブルのがたつきを制止するものではないため、面方向の回動によるテーブルのがたつきを制止することできなかった。
【0010】
そこで、テーブルが肘掛内に自重落下したときの衝撃緩和及び破損防止並びにテーブル収納時のがたつき防止を行いつつ、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じないようにヒンジ自体が大きくならない肘掛内蔵式テーブル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書において、テーブルの小口方向とは、テーブルの面と平行方向をいい、テーブルの面方向とは、テーブルの面と交わる方向をいう。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第一態様の肘掛内蔵式テーブル装置は、不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、使用時に小口方向及び面方向に回動するヒンジにより水平に支持されるテーブルを有し、収納空間においてテーブルの外縁に接触することでテーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアームを有している。
【0013】
本発明の第二態様の肘掛内蔵式テーブル装置は、不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、小口方向及び面方向に回動するヒンジにより使用時に水平に支持されるテーブルを有し、テーブルの小口方向の回動時に互いに摺接してテーブルを収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドをテーブル及び収納空間の開口部に有している。
【0014】
本発明の第三態様の肘掛内蔵式テーブル装置は、不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、小口方向及び面方向に回動するヒンジにより使用時に水平に支持されるテーブルを有し、収納空間においてテーブルの外縁に接触することでテーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアーム並びにテーブルの小口方向の回動時に互いに摺接してテーブルを収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドをテーブル及び収納空間の開口部に有している。
【0015】
前記アシストアームは、テーブルが収納位置の近傍にあるときにおいてテーブルの小口方向の回動を上方に付勢していないことが好ましい。具体的には、収納位置からの小口方向の角度γが25度までの間に、より好ましくは角度γが13度までの間にテーブルがあるとき、アシストアームは、テーブルの小口方向の回動を上方に付勢していないことである。
【0016】
前記テーブルは、肘掛の前端に軸着され、前記アシストアームは、前記収納空間内の後部に軸支されていることが好ましい。
【0017】
前記ガイドは、小口方向の回動時にテーブルの一端が収納空間内に達した時から互いに摺接するのが好ましい。テーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが15度に達するまでには、より好ましくは角度αが6度に達するまでにはガイドが互いに摺接していることである。なお、テーブルの一端が収納空間内に達する前からガイドが互いに摺接してもよいし、テーブルが収納位置にあってもなお摺接していてもよい。
【0018】
前記アシストアームは、小口方向の回動時にテーブルの外縁の中で最初にアシストアームと接触する部位が収納空間内に達した時からテーブルの外縁に接触するのが好ましい。テーブルの外縁の中で最初にアシストアームと接触する部位が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度βが15度に達するまでには、より好ましくは角度βが1度に達するまでにはアシストアームがテーブルの外縁に接触していることである。なお、テーブルの外縁の中で最初にアシストアームと接触する部位が収納空間内に達する前からアシストアームがテーブルの外縁に接触してもよい。
【0019】
前記アシストアームには、軸支部、テーブル外縁接触部及び上方向付勢手段取着部がある。軸支部は、アシストアームが揺動可能となるようアシストアームの基端に設けてもよいし、長手方向途中部に設けてもよい。
【0020】
テーブル外縁接触部は、アシストアームの先端に設けられるのが好ましいが、長手方向途中部に設けてもよい。また、テーブル外縁接触部には、ローラー等の回転部材を設けてもよいし、樹脂等の摺動部材を設けてもよい。なお、テーブル外縁接触部の外周面の形状を幅方向中央が凹陥となるようにし、該凹陥部にテーブルが外接することで、テーブルのがたつきをなくすようにしてもよいし、該凹陥部がテーブルを収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドであってもよい。
【0021】
上方向付勢手段取着部は、アシストアームの長手方向途中部であってもよいし、軸支部をはさんでテーブル外縁接触部と反対の端にあってもよい。上方向付勢手段、即ち、テーブルの外縁に接触するアシストアームがテーブルの小口方向の回動を上方に付勢するための手段としては、コイルばね等の弾性体又はエア圧、油圧等の流体圧によるシリンダー等が例示できる。
【0022】
前記ガイドは、テーブルの表裏両面及び開口部の長手方向の両辺に設けられるのが好ましいが、テーブルの表裏のうちの片面及びそれに摺接できるよう開口部の長手方向の一辺に設けてもよい。また、互いに摺接しやすいようガイドの端部にはテーパーを設けてもよい。ガイドの材質としては、樹脂又は金属等が例示でき、耐磨耗性及び滑性を考慮して、ナイロンが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
(a)本発明の第一態様によれば、テーブルが肘掛内に自重落下したときの衝撃緩和及び破損防止を行いつつ、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じないようにヒンジ自体が大きくならない肘掛内蔵式テーブル装置を提供することができる。(b)本発明の第二態様によれば、収納時の破損防止及びテーブルの収納位置でのがたつき防止を行いつつ、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じないようにヒンジ自体が大きくならない肘掛内蔵式テーブル装置を提供することができる。(c)本発明の第三態様によれば、テーブルが肘掛内に自重落下したときの衝撃緩和及び破損防止を行い、かつ、収納時の破損防止及びテーブルの収納位置でのがたつき防止を行いつつ、肘掛におけるヒンジ設置場所に制約が生じないようにヒンジ自体が大きくならない肘掛内蔵式テーブル装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の肘掛内蔵式テーブル装置は、不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、小口方向及び面方向に回動するヒンジにより使用時に水平に支持されるテーブルを有し、収納空間においてテーブルの外縁に接触することでテーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアーム並びにテーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが6〜15度の間の小口方向の回動時に互いに摺接してテーブルを収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドをテーブル及び収納空間の開口部に有している。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の肘掛内蔵式テーブル装置の実施例を図面に基づいて説明する。本発明の肘掛内蔵式テーブル装置は、鉄道の座席に用いられるものであり、図1に示すように、肘掛10、肘掛蓋51、ヒンジ31、32、テーブル20、ストッパー55、アシストアーム40及びガイドブロック60からなっている。
【0026】
肘掛10には、上面にテーブル20を挿通可能な開口部11が形成され、肘掛10の内には、テーブルの収納空間12が形成されている。
【0027】
肘掛10の上面には、肘掛10の開口部11を隠蔽して肘掛部となるよう肘掛蓋51が蝶番52を介して取着されている。
【0028】
肘掛10の開口部11の前端には、テーブル20の小口方向回動用のヒンジ31の一端が外部から見えないよう取着され、他端は、テーブル20の面方向回動用のヒンジ32の一端となっている。ヒンジ32の他端には、テーブル20が取着されている。
【0029】
テーブル20は、略扇状をしており、扇の要にあたる部分21にヒンジ32が取着されている。弧状側端22は、ヒンジ31の回動軸を中心とする略円弧となっている。ヒンジ32が取着されている側端23とほぼ平行となるような側端24を得るために、弧状側端22の一部は欠截している。扇の要にあたる部分21付近は、テーブルの表裏両面とも凸起し、テーブルの耳部25となっている。
【0030】
肘掛10内の下段やや前寄りには、ストッパー55が固着されている。ストッパー55は、ベース金具56とテーブル当りゴム57とからなり、テーブル20の破損を防止するため、テーブルの外縁には、テーブル当りゴム57が当接する。
【0031】
肘掛10内の後部ほぼ中段を軸支点として、アシストアーム40の基端は揺動可能に軸支されている。アシストアーム40には、アシストローラー41とアシストばね42とが装着されている。アシストローラー41は、外周面の幅方向中央が凹陥となり、アシストアーム40の先端に軸着している。アシストばね42は、一端がアシストアーム40の長手方向途中部に取着され、他端は、アシストアームの軸支点より上方の肘掛10内に軸着されている。
【0032】
ガイドブロック60は、テーブル側ガイドブロック61が一対と肘掛側ガイドブロック62が一対の合わせて四個となっている。一対のテーブル側ガイドブロック61は、テーブル20の耳部25の表裏両面に突設されている。一対の肘掛側ガイドブロック62は、テーブル20の小口方向の回動時にテーブル側ガイドブロック61と摺接するよう、開口部11の長辺と平行になるように開口部11のヒンジ31の取着部の後方に固着されている。
【0033】
図5(b)に示すように、不使用時においてテーブル20は、肘掛10内の収納空間12にヒンジ31を支持点として直立に収納されている。この時、テーブル20の側端24は、下端となってストッパー55に当接している。テーブル20の弧状側端22は、揺動下限までアシストアーム40を押し下げてアシストローラー41に外接している。肘掛蓋51は、開口部11を隠蔽し肘掛上面に載上されている。
【0034】
図4(a)に示すように、使用時においてテーブル20は、ヒンジ31、32を支持点として肘掛10の斜め前方において水平になるよう支持されている。この時、アシストアーム40は、揺動上限に位置している。肘掛蓋51は、開口部11を隠蔽し肘掛上面に載上されている。
【0035】
図2、4、5に示すように、使用状態から不使用状態への移行時においてテーブル20は、ヒンジ32の約90度の回動により水平状態から直立状態になる。その後、直立状態のまま、ヒンジ31の約180度の回動により肘掛内の収納空間12に直立に収納される。
【0036】
図3に示すように、使用状態からのテーブル20の小口方向の回動において、テーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが約6度となるようテーブル20が回動したとき、テーブル側ガイドブロック61と肘掛側ガイドブロック62とが摺接する。その後、テーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが約15度となるようテーブル20が回動するまでの間、テーブル側ガイドブロック61と肘掛側ガイドブロック62とは摺接する。
【0037】
図4、5に示すように、使用状態からのテーブル20の小口方向の回動において、テーブルの外縁の中で最初にアシストアームと接触する部位が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度βが約1度となるようテーブル20が回動したとき、テーブルの外縁は、アシストローラー41に外接する。テーブル20が収納空間12内を回動し、収納位置に達するまでの間、アシストローラー41は、テーブル20の外縁に接触し、テーブル20の回動に伴いテーブル20の外縁を回転移動する。アシストアーム40は、アシストローラー41の回転移動に応動して下方向に揺動する。アシストばね42は、アシストアーム40の下方向の揺動により延伸し、アシストアーム40が上方向に揺動するようにアシストアーム40を付勢する。
【0038】
但し、収納位置からの小口方向の角度γが約13度以下となるようテーブル20が回動したとき、即ち、アシストローラー41がテーブル20の外縁の弧状側端22に接しているときは、テーブル20の回動に伴ってアシストローラー41は回転するものの、アシストアーム40の下方向への揺動及びアシストばね42の延伸は生じない。なお、この間は、上方向に回動するようテーブル20は付勢されていない。図5(a)において、補助線xは、ヒンジ31の回動軸から収納位置における弧状側端22の端Aへの線である。
【0039】
図2、4、5に示すように、不使用状態から使用状態への移行時においてテーブル20は、直立状態のままヒンジ31の約180度の回動により肘掛内の収納位置から直立のまま肘掛前方のテーブル使用位置に回動し、その後、ヒンジ32の約90度の回動により直立状態から水平状態になり、肘掛10の斜め前方に水平に支持される。
【0040】
図3に示すように、不使用状態からのテーブル20の小口方向の回動において、テーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが約15度となるよう収納位置からテーブル20が回動したとき、テーブル側ガイドブロック61と肘掛側ガイドブロック62とが摺接する。その後、テーブルの一端が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度αが約6度となるようテーブル20が回動するまでの間、テーブル側ガイドブロック61と肘掛側ガイドブロック62とは摺接する。
【0041】
図4、5に示すように、不使用状態からのテーブル20の小口方向の回動において、テーブルの外縁の中で最初にアシストアームと接触する部位が収納空間内に達した位置からの小口方向の角度βが約1度となるよう収納位置からテーブル20が回動するまでの間、アシストローラー41は、アシストアーム40がアシストばね42により上方向に揺動するよう付勢されているため、テーブル20の外縁に接し、テーブル20の回動に伴ってテーブル20の外縁を回転移動する。アシストアーム40は、アシストばね42により上方向に揺動するよう付勢されているため、アシストローラー41のテーブル20の外縁の移動に応動して上方向に揺動する。アシストばね42は、アシストアーム40の上方向への揺動により収縮する。
【0042】
但し、収納位置からの小口方向の角度γが約13度となるようテーブル20が回動するまでの間、即ち、アシストローラー41がテーブル外縁の弧状側端22に接している間は、テーブル20の回動に伴ってアシストローラー41は回転するものの、アシストアーム40の上方向への揺動及びアシストばね42の収縮は生じない。なお、この間は、上方向に回動するようテーブル20は付勢されていない。
【0043】
本実施例によれば、以下の効果(a)〜(j)を得ることができる。
(a)肘掛10内において、アシストばね42で上方向への揺動を付勢されるアシストアーム40がアシストローラー41を介してテーブル20の外縁に接触することで、テーブル20の自重落下による衝撃の緩和及びテーブル20の破損の防止ができ、アシストローラー41の外周面の幅方向中央の凹陥部にテーブルが外接することで、テーブルのがたつきをなくすことができる。
(b)肘掛10内において、アシストばね42で上方向への揺動を付勢されるアシストアーム40がアシストローラー41を介してテーブル20の外縁に接触することで、テーブル20の自重だけでは収納位置まで下降しないため、収納には使用者の助力が必要となり、衝撃の緩和及びテーブル20の破損の防止ができる。
【0044】
(c)テーブル20及び開口部11に互いに摺接するガイドブロック60を設けることで、テーブル収納時の正規位置である直立状態でない限りテーブル20を肘掛10内に収納されず、テーブル20及び肘掛10の破損が防止できる。
(d)ヒンジ32が取着されたテーブル20の扇の要にあたる部分21付近にテーブル20の耳部25を設け、そこにテーブル側ガイドブロック61が突設されることで、使用状態から不使用状態への移行時において早期にテーブルが収納空間の開口部の長手方向と平行となるよう矯正ができる。
(e)ヒンジ32が取着されたテーブル20の扇の要にあたる部分21付近にテーブル側ガイドブロック61を設けることで、テーブル側ガイドブロック61が突設されるテーブル20の耳部25がテーブル20の使用時の障害にならない。
【0045】
(f)衝撃緩和部材であるアシストアーム40及びガイドブロック60が共にヒンジ31、32に直接設けられないことで、ヒンジ31、32が大きくなることがなく、テーブルと着座者との間に十分な離間を得られるような肘掛の位置にヒンジを取着できる。
(g)テーブル20の収納状態から使用状態への移行時において、アシストアーム40でテーブル20の小口方向の回動が一部アシストされることにより、使用者への利便が図れる。
(h)収納位置からの小口方向の角度γが約13度となるようテーブル20が回動する間は、アシストアーム40により上方向に回動するようテーブル20は付勢されていないことから、振動等によるテーブル20の飛び出しが防止できる。
(i)収納位置からの小口方向の角度γが約13度となるようテーブル20が回動する間は、アシストアーム40により上方向に回動するようテーブル20は付勢されていないことから、確実にテーブル20を収納位置に保持できる。
(j)テーブル20の不使用状態においては、アシストアーム40により上方向に回動するようテーブル20は付勢されていないことから、テーブル20の誤回動を防止するための手段を新たに設ける必要がない。
【0046】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で各部の構成を適宜変更して実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】肘掛内蔵式テーブル装置の斜視図である。
【図2】テーブル面方向の回動の斜視図である。
【図3】テーブル小口方向の回動におけるガイドブロックの摺接状態の図である。
【図4】テーブル小口方向の回動におけるテーブル及びアシストアームの状態の側面図である。
【図5】テーブル小口方向の回動におけるテーブル及びアシストアームの状態の側面図である。
【図6】肘掛内蔵式テーブル装置を有する座席の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
10 肘掛
11 開口部
12 収納空間
20 テーブル
31 ヒンジ(小口方向回動用)
32 ヒンジ(面方向回動用)
40 アシストアーム
42 アシストばね
61 テーブル側ガイドブロック
62 肘掛側ガイドブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、使用時に小口方向及び面方向に回動するヒンジにより水平に支持されるテーブルを有する肘掛内蔵式テーブル装置であって、
前記収納空間において前記テーブルの外縁に接触して該テーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアームを有する肘掛内蔵式テーブル装置。
【請求項2】
不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、使用時に小口方向及び面方向に回動するヒンジにより水平に支持されるテーブルを有する肘掛内蔵式テーブル装置であって、
前記テーブルの小口方向の回動時に互いに摺接して該テーブルを前記収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドを該テーブル及び該収納空間の開口部に有する肘掛内蔵式テーブル装置。
【請求項3】
不使用時に肘掛の上面に開口をもつ収納空間に直立に収納され、使用時に小口方向及び面方向に回動するヒンジにより水平に支持されるテーブルを有する肘掛内蔵式テーブル装置であって、
前記収納空間において前記テーブルの外縁に接触して該テーブルの小口方向の回動を上方に付勢するアシストアーム並びに該テーブルの小口方向の回動時に互いに摺接して該テーブルを該収納空間の開口部の長手方向と平行になるよう矯正するガイドを該テーブル及び該収納空間の開口部に有する肘掛内蔵式テーブル装置。
【請求項4】
前記アシストアームが、テーブルが収納位置の近傍にあるときにおいてテーブルの小口方向の回動を上方に付勢しない請求項1又は3記載の肘掛内蔵式テーブル装置。
【請求項5】
前記テーブルが肘掛の前端に軸着され、前記アシストアームが前記収納空間内の後部に軸支される請求項1、3又は4記載の肘掛内蔵式テーブル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−113791(P2008−113791A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298681(P2006−298681)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000003517)天龍工業株式会社 (17)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】