説明

肝癌関連遺伝子ファミリー

本発明は概括的に肝細胞癌での遺伝子発現変化に関するものである。本発明は、具体的に、非−腫瘍性肝組織と比較して肝癌組織及び腫瘍性新生物で差異を伴って発現されるmRNA種に相応するヒト遺伝子ファミリーに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的に、硬化または肝炎に患う癌患者からの肝組織における遺伝子発現の変化に関するものである。本発明は、具体的に、肝炎症または硬化組織と比較して肝癌組織及び他の悪性新生物で差異を伴って発現されるヒト遺伝子ファミリーに関するものである。
【0002】
背景技術
肝癌
一般に、肝臓疾患は肝の機能不全または機能中断を誘発する障害に分類されている。例えば、硬化は肝細胞が損傷された後、瘢痕組織に代替されることによって、正常肝組織の量が減少する慢性肝臓疾患群である。アルコール乱用によって殆どの場合誘発される一方、肝炎感染及び他の膽汁疾患を持った患者から硬化が発生することもある。関連メカニズムはまだ完全に明らかになっていないが、慢性B型肝炎感染、C型肝炎感染及び硬化はいずれも原発性肝癌と強い連関性を持っていることが示されている(Wu et al., (2001) Oncogene 20:3674-3682)。約10−20%の慢性B型肝炎感染が原発性肝癌を引き起こす。アルコール消費、栄養欠乏及びアフラトキシンのような他の因子も原発性肝癌と硬化の発病と関連している。
【0003】
肝の硬化は繊維化と結合された広範囲の結節によって特徴付けられている。損傷または死んだ肝細胞は繊維性瘢痕組織に代替され、繊維化を引き起こす。肝細胞は異常な方式で再生され、繊維組織により囲まれた結節を形成する。繊維化と結節形成は肝のねじれと構造成分の遮断を誘発し、血流と生化学的機能を損傷する。
【0004】
明白な兆候を示す患者において、普通硬化の診断は容易であるが、硬化は初期段階での検出が難しい。初期段階で起きる微妙な変化は手掌紅斑、青白くなった上体の赤色斑、耳下腺肥大、手掌の腱の繊維化と女性型乳房とを含む。レントゲン写真と放射性追跡物質試験が効果的であるが、診断は多くの場合肝生検によって行わなければならない。
【0005】
肝硬変の根本的な病理学とは対照的に、原発性肝癌で、肝細胞は異常となり、調節できずに増殖し、悪性腫瘍を形成する。また、この疾患は肝細胞癌 (HCC)または悪性肝細胞癌と呼ばれる。転移の結果、身体の他の部分から肝に広がった癌は同じ疾患でない。
【0006】
HCCは兆候が定かでないため、初期に検出することが難しい。これらは食欲及び体重減少、熱、疲労感、虚弱を含む。癌の進につれて、上部腹部で痛みが現れ、背中と右肩に広がりうる。黄疸と黒色尿と共に上部腹部で浮腫または触診できる塊が現れることもある。癌が転移する場合、普通、肺と脳を標的とする。
【0007】
HCCの診断は血液試験、特にα−フェトプロテインのような腫瘍マーカー試験によって行われ得る。約50−70%のHCC患者が上昇された水準のα−フェトプロテインを示す。付加的な診断方法は非放射性映像化(腹部または胸レントゲン写真、血管撮影、CT撮影及びMRI)、放射性物質を用いた肝撮影及び肝生検を含む。HCCの治療は多くの場合、検出が遅すぎて成功的でないが、方法は癌の外科的除去、化学療法及び放射線治療の単独または併用を含む。HCCは米国ではあまり一般的ではないが、殆どのばあい、高い発生率の肝炎ウイルス感染によって、アジアとアフリカの一部では非常に普及されている。(http://cis.nci.nih.gov/;http://cancer.med.upenn.edu/disease/liver/intro_liver.html)。
【0008】
肝癌の分子的変化
肝疾患の発病及び進行と関連した肝細胞での分子的変化については、ほとんど知られていない。従って、肝疾患の発病と進行と関連した新しい分子的マーカーの同定が必要なだけでなく、遺伝子発現水準での変化を調べる必要があった。さらに、仲裁(intervention)が肝疾患進行を中止するか、遅延させることに成功すると期待される場合、硬化またはHCCの初期兆候を正確に診断する手段を確立する必要がある。同様に、肝疾患進行を防止するか中断させる治療法の開発は肝細胞の癌への形質転換及び肝癌細胞の増殖または組織損傷及び硬化と関連した瘢痕形成の誘導を担当する遺伝子の確認に依存する。
【0009】
本発明は、肝硬変(LC)または慢性肝炎(CH)と比較して肝細胞癌(HCC)及び他の悪性新生物から差異的に発現されるそれぞれLBFL302及びLBFL303として命名された新しい遺伝子ファミリーの発見に基づいたものである。本発明は配列表の配列番号1、3、5または7を含む分離された核酸分子、配列表の配列番号6または8をコードする分離された核酸分子、配列表の配列番号5の全体連続配列にわたって少なくとも約95%のヌクレオチド配列相同性を示して肝癌で発現される蛋白質をコードする分離された核酸分子、配列表の配列番号7の全体連続配列にわたって少なくとも約75%のヌクレオチド配列相同性を示して肝癌で発現される蛋白質をコードする分離された核酸分子、及び上記核酸分子のいずれかの相補物を含む分離された核酸分子を含む。
【0010】
さらに、本発明は分離された核酸分子を含むベクターを含む、一つ以上の発現調節要素に作動可能に連結された核酸分子を含む。本発明は、さらに、本発明の核酸分子を含有するように形質転換された宿主細胞及び本発明の核酸分子で形質転換された宿主細胞を蛋白質が発現される条件下で培養する段階を含む蛋白質製造方法を含む。
【0011】
本発明は、さらに、配列表の配列番号2、4、6または8のアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド,配列表の配列番号2または4の少なくとも10個のアミノ酸の断片を含む分離されたポリペプチド、配列表の配列番号2または4の保存的アミノ酸置換を含む分離されたポリペプチド、及び配列表の配列番号2または4の自然発生アミノ酸配列変異体を含む分離されたポリペプチドからなる群より選択される分離されたポリペプチドを提供する.本発明のポリペプチドはまた配列表の配列番号2または4の配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%アミノ酸配列相同性、好ましくは配列表の配列番号2または4の配列と少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90−95%、最も好ましくは少なくとも約95−98%配列相同性を持つアミノ酸配列を持つポリペプチド、及び配列表の配列番号6または8と少なくとも約95%アミノ酸配列相同性を持つ蛋白質を含む。
【0012】
本発明は、さらに、モノクロナール及びポリクロナール抗体を含み、本発明のポリペプチドと特異的に結合する分離された抗体または抗原−結合抗体断片を提供する。
本発明は、さらに、核酸分子を発現する細胞を薬剤に露出させて;薬剤が上記核酸分子の発現を調節するのか否かを決定して蛋白質をコードする核酸分子の発現を調節する薬剤を同定することを含む本発明の蛋白質をコードする核酸分子の発現を調節する薬剤を同定する方法を提供する。
【0013】
本発明は、さらに、蛋白質を発現する細胞を薬剤に露出させて;薬剤が上記蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節するのか否かを決定して、蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定するのを含む,本発明の蛋白質の水準やまたは一つ以上の活性を調節する薬剤を同定する方法を提供する。
【0014】
本発明は、さらに、蛋白質を可能な結合相手に露出させて;可能な結合相手が上記蛋白質と結合するのか否かを決定して、蛋白質の結合相手を同定する段階を含む、本発明の蛋白質の結合相手を同定する方法を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、蛋白質をコードする核酸分子の発現を調節する有効量の薬剤を投与する段階を含む、本発明の蛋白質をコードする核酸分子の発現を調節する方法を提供する。また、本発明は本発明の蛋白質の少なくとも一つの活性を調節する有効量の薬剤を投与する段階を含む、本発明の蛋白質の少なくとも一つの活性を調節する方法を提供する。
【0016】
さらに、本発明を本発明の核酸分子を含有するように変形された非ヒトトランスジェニック動物、または本発明のコードポリペプチドの発現が防止されるように突然変異された核酸分子を含有するように変形された非ヒトトランスジェニック動物を含む。
【0017】
また、本発明は配列表の配列番号1、3、5、7または9の全部または一部を含む遺伝子の全部または一部がノック・アウトまたは動物ゲノムから欠失された非ヒトトランスジェニック動物を含む。
【0018】
本発明は、さらに、対象から組織、血液、尿または他のサンプルを得て、発明の核酸分子または本発明のポリペプチドの発現水準を決定する段階を含む、肝癌または別の癌を診断する方法を提供する。
【0019】
本発明は、さらに、希釈剤及び配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド、配列表の配列番号2、4、6、8または10の少なくとも10個のアミノ酸の断片を含む分離されたポリペプチド、配列表の配列番号2または4の保存的アミノ酸置換を含む分離されたポリペプチド、配列表の配列番号2または4の自然的に発生するアミノ酸配列変異体、配列表の配列番号2または4の配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%のアミノ酸配列相同性、好ましくは配列表の配列番号2または4の配列と少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90−95%、最も好ましくは少なくとも約95−98%配列相同性を持つアミノ酸配列を持つ分離されたポリペプチド、及び配列表の配列番号6、8または10と少なくとも約95%のアミノ酸配列相同性を持つポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドまたは蛋白質を含む組成物を含む。
【0020】
発明を遂行するための最良の形態
I.概括的記載
本発明はヒト肝炎症または硬化組織と比較してヒト肝癌組織及び他の悪性新生物から差異的に発現される新しい遺伝子ファミリー(LBFL302及びLBFL303)の同定に部分的に基づく。これら遺伝子ファミリーは配列表の配列番号1及び3(LBFL302)及び配列表の配列番号5、7及び9(LBFL303)のヒトcDNAに相応する。
本発明の遺伝子及び蛋白質はサンプルで肝癌を検出するか、肝癌を肝硬変組織と区別する診断剤またはマーカーとして用いられる。また、これらは遺伝子発現または活性を調節する薬剤の標的として用いられる。例えば、肝癌の過増殖過程を含み、腫瘍成長と関連した生物学的過程を調節する薬剤を同定することができる。
【0021】
II.具体的態様
A.肝癌と関連した蛋白質
本発明は分離された蛋白質、蛋白質のアレル変異体、及び蛋白質の保存的アミノ酸置換基を提供する。ここで使われるように、“蛋白質”または“ポリペプチド”とは、部分的に配列表の配列番号2、4、6、8または10に表すヒトアミノ酸配列を持つ蛋白質を指す。また、この用語は上記具体的に言及したものとは若干異なるアミノ酸配列を持つ自然的に発生するアレル変異体及び蛋白質を指す。アレル変異体は上記言及したものとは若干異なるアミノ酸配列を持っていても、依然として同一か、類似なこれら蛋白質と関連された生物学的機能を持っている。
【0022】
ここで使われるように、配列表の配列番号2、4、6、8または10のヒトアミノ酸配列と関連した蛋白質ファミリーはヒトだけでなく有機体から分離された蛋白質を含む。これら蛋白質と関連した蛋白質ファミリーの他の構成員を同定して分離するのに使われる方法は下記通りである。
【0023】
本発明の蛋白質は好ましくは分離された形態である。ここで使われるように、蛋白質は物理的、機械的または化学的方法を使用して普通蛋白質と関連された細胞成分から蛋白質を除去するとき、分離されると言われる。当業者は分離された蛋白質を得るための標準的な精製方法を容易に用いることができる。
【0024】
本発明の蛋白質は、さらに、配列表の配列番号2、4、6、8または10の挿入、欠失または保存的アミノ酸置換変異体を含む。ここで使われるように、保存的変異体は蛋白質の生物学的機能に否定的な影響を及ぼさないアミノ酸配列上の変化を指す。置換、挿入または欠失は変化された配列が蛋白質と関連した生物学的機能を防止するか破壊するとき、蛋白質に否定的な影響を及ぼすとされる。例えば、ある場合には蛋白質の全体電荷、構造または疎水性/親水性性質を生物学的活性に否定的な影響を及ぼさずに、変化させることができる。従って、アミノ酸配列を、例えば、蛋白質の生物学的活性に否定的な影響を及ぼさずに、ポリペプチドをより疎水性か親水性にするために変化させることができる。
【0025】
通例的に、LBFL302遺伝子によってコードされた蛋白質ファミリーのアレル変異体、保存的置換変異体、及び構成員は配列表の配列番号2または4の配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%のアミノ酸配列相同性、より好ましくは少なくとも約80%、さらに好ましくは少なくとも約90−95%、最も好ましくは少なくとも約99または99.5%の配列相同性を持つアミノ酸配列を持つ。さらに、LBFL303遺伝子によってコードされるものは配列表の配列番号6、8または10の配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%のアミノ酸配列相同性、より好ましくは少なくとも約80−90%、さらに好ましくは少なくとも約91−94%、最も好ましくは少なくとも約95または98%の配列相同性を持つアミノ酸配列を持つ。ここで、このような配列に関する相同性は配列を整列し、必要に応じて空間を導入して最大パーセント相同性を得るようにした後、保存的置換は配列相同性の一部と見なさずに、配列表の配列番号2、4、6、8または10と同一な候補配列上のアミノ酸残基のパーセントとして定義される(関連指数についてはB欄を参照したい)。融合蛋白質、またはペプチド配列へのN−末端、C−末端または内部延長、欠失または挿入は相同性への影響として解釈されないものとする。
【0026】
従って、本発明の蛋白質は配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を持つ分子;これらの蛋白質の少なくとも約3、4、5、6、10、15、20、25、30、35個以上のアミノ酸残基の連続的な配列を持つその断片;一つ以上のアミノ酸残基が上記コーディング配列内、または、そのN−またはC−末端に挿入されたアミノ酸配列変異体;及び少なくとも一つの残基によって置換された上記配列のアミノ酸配列変異体、または上記したようなその断片を含む。このような断片は、また、ペプチドまたはポリペプチドと言い、明らかな親水性部位だけでなく抗原性部位、公知の蛋白質領域に相応するアミノ酸配列部位として確認された蛋白質の機能的部位を含有することができる。これらの部位はいずれもMacVector(Oxford Molecular)のような普遍的に利用可能な蛋白質配列分析ソフトウェアを使用して容易に確認することができる。
【0027】
さらに、予想される変異体は、例えば、相同的組換え、部位−特異的またはPCR突然変異による予定された突然変異を含むものら、ウサギ、マウス、ラット、豚、牛、羊、馬及び非ヒト霊長類を含むが、これらに制限されない他の動物種の相応する蛋白質、及び蛋白質ファミリーの対立形質またはその他の自然的に発生する変異体;及び蛋白質が置換、化学的、酵素的、またはその他の適切な手段によって自然的に発生するアミノ酸以外の部位(例えば、酵素または放射性同位元素のような検出可能な部位)として共有的に変形された誘導体を含む。
【0028】
本発明は、さらに、本発明の蛋白質またはポリペプチド及び希釈剤を含む組成物を提供する。適当な希釈剤は水性または非水性溶媒またはこれらの配合物でありえ、蛋白質またはポリペプチドの安全性、溶解度、活性及び/または貯蔵性に寄与する付加的な成分、例えば、水溶性塩またはグリセロールを含むことができる。
【0029】
下記に示すように、蛋白質ファミリーの構成員は、(1)蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定して、(2)蛋白質の結合相手を同定して、(3)ポリクロナールまたはモノクロナール抗体を誘発するための抗原として、(4)治療薬剤または標的として、(5)肝癌及び他の過増殖性疾患の診断剤またはマーカーとして用いられる。
【0030】
B.核酸分子
さらに、本発明は好ましくは、分離された形態の、配列表の配列番号2、4、6、8または10を持つ蛋白質及びここに記載された関連した蛋白質をコードする核酸分子を提供する。ここに使われるように、“核酸”は上記定義のような蛋白質またはペプチドをコードするか;そのようなペプチドをコードする核酸に相補的か;適切にストリンジェントな条件下で配列表の配列番号1、3、5、7または9の核酸とハイブリダイズして安定に結合されているか;配列表の配列番号2または4のペプチド配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%、好ましくは配列表の配列番号2または4のペプチド配列と少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、最も好ましくは少なくとも約90%、95%、98%、99%、99.5%を共有するポリペプチドをコードするか;配列表の配列番号6または8のペプチド配列と少なくとも約50%、60%、70%または75%、好ましくは少なくとも約80−90%、より好ましくは少なくとも約91−92%、最も好ましくは少なくとも約93%、95%、98%、99%以上の相同性を共有するポリペプチドをコードしするか;配列表の配列番号1または3のオープン・リーディング・フレームにわたって少なくとも50%、60%、70%または75%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、さらに好ましくは少なくとも約90%、95%、98%、99%、99.5%以上のヌクレオチド配列相同性を示すか;配列表の配列番号5,7または9のオープン・リーディング・フレームにわたって少なくとも約50%、60%、70%または75%、好ましくは少なくとも約80−90%、より好ましくは少なくとも約91−92%、さらに好ましくは少なくとも約93%、95%、98%、99%以上のヌクレオチド配列相同性を示すRNAまたはDNAとして定義される。
【0031】
本発明は、さらに、配列表の配列番号1、3、5、7または9の相補物に特異的にハイブリダイズする分離された核酸分子、特にオープン・リーディング・フレームにわたって特異的にハイブリダイズする分子を含む。配列表の配列番号1、3、5、7または9の相補物に特異的にハイブリダイズする、そのような分子は典型的にストリンジェントなハイブリダイズ条件下でハイブリダイズする。
【0032】
ゲノムDNA、cDNA、mRNA及びアンチセンス分子、及び自然的なソースから由来するか、合成されたとしても、代替バックボーンに基づいたか、代替塩基を含む核酸が具体的に考案される。しかし、本発明に係る蛋白質をコードする核酸と適切にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか相補的なものを含む、そのようなハイブリダイズまたは相補的核酸は、さらに、どんな先行技術核酸に比べても新規で非自明なものと定義される。
【0033】
ヌクレオチドまたはアミノ酸配列水準での相同性は配列類似性サーチのために作られたプログラムblastp、blastn、blastx、tblastn及びtblastxにより使われるアルゴリズムを使用するBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)分析(Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res 25:3389-3402及びKarlin et al., (1990) Proc Natl Acad Sci USA 87:2264-2268, いずれも参照として全体を引用)によって決定される。BLASTプログラムによって使われる接近法は、まず、問題配列とデータベース配列と間に、空間があるか無いときに、類似な断片を考慮した後、確認されたすべてのマッチの統計学的有意性を評価し、最終的に、あらかじめ選ばれた有意性境界を満足させるマッチのみを要約するものである。配列データベースの類似性サーチにおける基本的な問題を議論するためには、参照として全体を引用するAltschul et al., (1994) Nature Genetics 6:119-129を参考にしたい。ヒストグラム、記載、配列、予測(即ち、データベースに対するマッチを報告するための統計学的有意性境界)、カットオフ、マトリックス及びフィルタ(低い複雑度)のためのサーチパラメーターが基本セッティングである。blastp、blastx、tblastn及びtblastxによって使われる基本採点マトリックスは、長さが85個ヌクレオチドまたはアミノ酸を越える問題配列のために推奨されるBLOSUM62マトリックスである(Henikoff et al., (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89:10915-10919, 全体を参照として引用)。
【0034】
Blastnのために、採点マトリックスはM(即ち、マッチされる残基対に対する補償点数)対N(即ち、ミスマッチされる残基に対する罰点)の比率によって設定され、M及びNの基本価格はそれぞれ5及び−4である。4個のblastn指数が下記のように調整された:Q=10(空間を作った罰点);R=10(空間を延長させた罰点);wink=1(問題に沿って毎wink番目位置で単語ヒットを作る);及びgapw=16(空間がある配列を作るWindows幅を設定する)。同等なBlastp指数セッティングはQ=9;R=2;wink=1;及びgapw=32であった。GCGパッケージバージョン10.0で利用できる配列間Bestfit比較はDNAパラメーターGAP=50(空間を作る罰点)及びLEN=3(空間を延長させる罰点)を使用し、蛋白質比較で同等なセッティングはGAP=8及びLEN=2である。
【0035】
“ストリンジェントな条件”は、(1)洗浄のために低いイオン強度と高い温度、例えば、50℃で0.015M NaCl/0.0015M クエン酸ナトリウム/0.1% SDSを使用するか、(2)ハイブリダイズ中のホルムアミドのような変性化剤、例えば、42℃で0.1%子牛血清アルブミンを持つ50%(vol/vol)ホルムアミド/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドン/750mM NaClを持つpH6.5の50mM リン酸ナトリウム緩衝液、75mM クエン酸ナトリウムを使用するものである。別の例は、42℃で50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理されたサケ精子DNA(50μg/mL)、0.1%SDS及び10%硫酸デキストランでハイブリダイズし、42℃、0.2×SSC及び0.1% SDSで洗浄するものである。当業者は清潔で検出可能なハイブリダイズ信号を得るために厳格度条件を適切に決定し、変化させることができる。好ましい分子は上記条件下で配列表の配列番号1、3、5または7の相補物とハイブリダイズし、機能的または全長蛋白質をコードするものである。より好ましいハイブリダイズ分子は上記条件下で配列表の配列番号1、3、5、7または9のオープン・リーディング・フレームの相補鎖とハイブリダイズするものである。
【0036】
ここで使われるように、核酸分子は核酸分子が異なるポリペプチドをコードする汚染核酸分子から実質的に分離されるとき、“分離された”という。
本発明は、さらに、開示された核酸分子の断片を提供する。ここで使われるように、核酸分子の断片はコーディングまたは非コーディング配列の小さな部分を指す。断片の大きさは意図する用途により決定される。例えば、断片を蛋白質の活性部分をコードするために選択される場合、その断片は蛋白質の機能的部位(ら)をコードするのに十分な大きさが必要である。例えば、予想される抗原性部位に相応するペプチドをコードする断片を製造することができる。断片を核酸プローブまたはPCRプローブとして使用しようとする場合、その断片の長さはプローブ/プライミング中に相対的に少ない偽陽性が得られるように選択する。(H欄での議論を参照したい。)。
【0037】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のためのプローブまたは特異的プライマーとして、または本発明の蛋白質をコードする遺伝子配列を合成するのに使われる本発明の核酸分子の断片(即ち、合成オリゴヌクレオチド)は、化学的技術,例えば、Matteucci et al., ((1981) J Am Chem Soc 103:3185-3191)のホスホラミダイト方法又は自動化された合成方法を利用して容易に製造することができる。また、さらに大きなDNA断片は遺伝子の様々なモジュール断片を決定した後、オリゴヌクレオチドを結紮して完全に変形された遺伝子を作るオリゴヌクレオチド基の合成のような、よく知らされた方法によって容易に製造することができる。
【0038】
本発明の核酸分子は、さらに、診断及びプローブ目的のために検出可能な標識を含有するように変形することができる。様々な標識が当業界に知られており、ここに記載されたコード分子と共に容易に用いられる。適当な標識はビオチン、放射性標識または蛍光標識ヌクレオチドなどを含むが、これらに制限されるものではない。当業者は本発明の核酸分子の標識された変異体を得るためにどんな標識も容易に使用することができる。
【0039】
C.他の関連する核酸分子の分離
上記したように、配列表の配列番号1、3、5、7または9を持つ核酸分子の同定及び特性糾明で当業者はここに記載された配列だけでなくその蛋白質ファミリーの他の構成員をコードする核酸分子を分離することができる。さらに、現在開示された核酸分子で当業者は配列表の配列番号2、4、6、8または10を持つ蛋白質だけでなくその蛋白質ファミリーの他の構成員をコードする核酸分子を分離することができる。
【0040】
例えば、当業者は容易に配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を利用して適切な細胞から製造された発現ライブラリーをスクリーニングするための抗体プローブを製造することができる。典型的には、精製された蛋白質(下記のような)で免疫化されたウサギのような哺乳動物からのポリクロナール抗血清またはモノクロナール抗体を用いて哺乳動物cDNAまたはラムダgtllライブラリーのようなゲノム発現ライブラリーをプローブして、蛋白質ファミリーの他の構成員に対する適切なコーディング配列を得ることができる。クローニングcDNA配列は融合蛋白質として発現されるか、それ自体の調節配列を利用して直接発現されるか、酵素発現のために使われる特定宿主に適切な調節配列を用いた制作物によって発現され得る。
【0041】
あるいは、ここに記載されたコーディング配列の一部を合成し、ある哺乳類有機体からの蛋白質ファミリーの構成員をコードするDNAを検索するためのプローブとして用いることができる。約18−20ヌクレオチドを含有する(6−7個のアミノ酸をコードする)オリゴマーを製造して、ゲノムDNAまたはcDNAライブラリーをスクリーニングして過度な水準の偽陽性を除去するためのストリンジェントな条件または十分な厳格度の条件下でハイブリダイズを得ることができる。
【0042】
さらに、オリゴヌクレオチドプライマー対をコードする核酸分子を選別的にクローニングするための重合酵素連鎖反応(PCR)で使用するために製造することができる。そのようなPCRプライマーを使用するためのPCR変性/アニーリング/延長サイクルは当業界によく知られ、他のコードする核酸分子を分離するのに使用するために容易に適合化することができる。
【0043】
蛋白質ファミリーの他の構成員をコードする核酸分子は、またPSI−BLAST(Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res 25:3389-3402); PHI−BLAST(Zhang et al., (1998) Nucleic Acids Res 26:3986-3990)、3D−PSSM(Kelly et al., (2000) J Mol Biol 299(2):499-520);及びその他のコンピュータ分析方法(Shi et al., (1999) Biochem Biophys Res Commun 262(1):132-138及びMatsunami et al., (2000) Nature 404(6778):601-604)を含むが、これらに制限されないどんな利用可能なコンピュータ方法を利用しても存在するゲノムまたは他の配列情報で確認され得る。
【0044】
D.核酸分子を含有するrDNA分子
本発明は、さらに、コーディング配列を含有する組換えDNA分子(rDNAs)を提供する。ここで使われるように、rDNA分子はin situで分子的に操作されたDNA分子である。rDNA分子を生成する方法は、当業界によく知られている。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning- A Laboratory Manual,Third Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001を参照したい。好ましいrDNA分子で、コードDNA配列は発現調節配列及び/またはベクター配列に作動可能に連結される。
【0045】
当業界によく知らされているように、本発明の配列をコードする蛋白質ファミリー中の一つに作動可能に連結されるベクター及び/または発現調節配列の選択は、所望の機能的性質、例えば、蛋白質発現及び形質転換される宿主細胞に直接的に依存する。本発明によって考案されたベクターは少なくとも複製または宿主染色体への挿入、好ましくはrDNA分子に含まれた構造遺伝子の発現も誘導することができる。
作動可能に連結された蛋白質コーディング配列の発現を調節するのに使われる発現調節要素が当業界に知られており、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、分泌信号及びその他の調節要素を含むが、これらに制限されるものではない。好ましくは、誘導性プロモーターは宿主細胞培地中の栄養素に反応するように、容易に調節される。
【0046】
一例で、コードする核酸分子を含有するベクターは、原核生物レプリコン(replicon)、即ち、それにより形質転換された細菌宿主細胞のような原核宿主細胞の染色体の以外に存在する組換えDNA分子の自己複製及び維持を誘導する能力を持つDNA配列を含む。そのようなレプリコンは当業界によく知られている。また、原核生物レプリコンを含むベクターは発現が薬物耐性のような検出可能なマーカーを付与する遺伝子を含むことができる。典型的な細菌薬物耐性はアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリンに対する耐性を付与するものである。
【0047】
原核生物レプリコンを含むベクターは、さらに、E.coliのような細菌宿主細胞でコード遺伝子配列の発現(転写及び解読)を誘導することができる原核生物またはバクテリオファージプロモーターを含むことができる。プロモーターはRNA重合酵素の結合と転写が起きるようにするDNA配列によって形成された発現調節要素である。細菌宿主と両立可能なプロモーター配列は典型的に本発明のDNA断片を挿入するための便利な制限位置を含有するプラスミドベクターで提供される。そのようなベクタープラスミドの典型的な例は、BioRad Laboratories(Richmond, CA)から入手可能なpUC8、pUC9、pBR322及びpBR329、及びPharmacia(Piscataway, NJ)から入手可能なpPL及びpKK223である。
【0048】
真核細胞、好ましくは胃細胞のような脊髄動物細胞と両立可能な発現ベクターが、コーディング配列を含有するrDNA分子を形成するのに使われることもできる。ウイルスベクターを含む真核細胞発現ベクターが当業界によく知られており、いくつかの商業的入手先から利用可能である。典型的には、所望のDNA断片を挿入するための便利な制限位置を含有する、そのようなベクターが提供されている。そのようなベクターの典型的な例は、pSVL及びpKSV−10(Pharmacia)、pBPV−1/pML2d(International Biotechnologies, Inc.)、pTDT1(ATCC, #31255)、ここに記載されたベクターpCDM8、その他の真核生物発現ベクターである。ベクターは必要な場合、胃細胞特異的プロモーターを含むように変形することができる。
【0049】
本発明のrDNA分子を製作するのに使われる真核細胞発現ベクターは、さらに、真核細胞で効果的な選別可能なマーカー、好ましくは薬物耐性選別マーカーを含むことができる。好ましい薬物耐性マーカーは、発現がネオマイシン耐性を引き起こす遺伝子、即ち、ネオマイシンホストトランスフェラーゼ(neo)遺伝子である(Southern et al., (1982) J Mol Anal Genet 1:327-341)。あるいは、選別可能なマーカーは別途のプラスミド上に存在でき、2つのベクターは宿主細胞の共同−形質感染によって導入され、選別マーカーに適当な薬物中で培養することによって選別される。
【0050】
E.外生的に供給されたコード核酸分子を含有する宿主細胞
本発明は、さらに、本発明の蛋白質をコードする核酸分子で形質転換された宿主細胞を提供する。宿主細胞は原核または真核細胞でありうる。本発明の蛋白質発現のための有用な真核細胞は、細胞株が細胞培養方法と両立可能で発現ベクターの増殖と遺伝子産物の発現と両立可能である限り、制限されない。好ましい真核宿主細胞は酵母、昆虫及び哺乳類細胞、好ましくはマウス、ラット、猿またはヒト細胞株のような脊髄動物細胞を含むが、これらに制限されるものではない。好ましい真核宿主細胞はATCCからCCL61として入手可能な中国ハムスター卵巣(CHO)細胞、ATCCからCRL1658として入手可能なNIHスイスマウス胚芽細胞(NIH/3T3)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)及びその他の真核組織培養細胞株を含む。
【0051】
どんな原核宿主も本発明の蛋白質をコードするrDNA分子を発現するのに使用することができる。好ましい原核宿主はE.coliである。
【0052】
本発明のrDNA分子への適切な宿主細胞の形質転換は使用するベクターの類型と使用する宿主システムに典型的に依存する、よく知られた方法によって達成される。原核宿主細胞の形質転換について、電気穿孔と塩処理方法とが典型的に使われる(例えば、Cohen et al., (1972) Proc Natl Acad Sci USA 69:2110;及び上記Sambrookらを参照したい。)。rDNAを含有するベクターへの脊髄動物細胞の形質転換に関して、電気穿孔、カチオン性脂質または塩処理方法が典型的に使われる。例えば、Graham et al., (1973) Virol 52:456;Wigler et al., (1979) Proc Natl Acad Sci USA 76;1373-1376を参照したい。
【0053】
成功的に形質転換された細胞、即ち、本発明のrDNAを含有する細胞は選別マーカーの選別をはじめとするよく知らされた技術によって確認することができる。例えば、本発明のrDNAの導入から生成された細胞は単一コロニーを形成するようにクローニングされ得る。これらのコロニーから細胞を収穫、溶菌し、そのDNA含量をSouthern, (1975) J MolBiol 98:503またはBerent et al., (1985) Biotech 3:208に記載されたような方法を利用してrDNAの存在に対して調べるか、免疫学的方法を通じて細胞から生産された蛋白質をアッセイする。
【0054】
F.rDNA分子を用いた組換え蛋白質の生産
本発明は、さらに、ここに記載された核酸分子を使用して本発明の蛋白質を製造する方法を提供する。一般的な用語で、組換え形態の蛋白質の生産は典型的に下記段階を含む:
第1に、最初に本発明の蛋白質をコードする核酸、例えば、配列表の配列番号1または配列表の配列番号3;配列表の配列番号1のヌクレオチド155−421または155−418;配列表の配列番号3のヌクレオチド139−405または139−402;配列表の配列番号5、配列表の配列番号7または配列表の配列番号9;配列表の配列番号5のヌクレオチド32−1387または32−1384;配列表の配列番号7のヌクレオチド41−1504または41−1501;配列表の配列番号9のヌクレオチド31−1554または31−1551を含むか、必須成分として構成されるか、構成される核酸分子を得る。コーディング配列がこれらのオープン・リーディング・フレームと共にイントロンによって妨害されない場合、これはどんな宿主での発現にも直接的に適合である。
【0055】
その後、好ましく核酸分子は上記したような適当な調節配列と作動可能に連結され、蛋白質オープン・リーディング・フレームを含有する発現単位を形成する。発現単位は適当な宿主を形質転換するのに使われ、形質転換された宿主は組換え蛋白質の生産を可能にする条件下で培養される。任意に組換え蛋白質は培地または細胞から分離され;蛋白質の回収及び精製は若干の不純物に耐えられる一部の場合、必要としないこともある。
【0056】
上記それぞれの段階は、様々な方法によって行われる。例えば、所望のコーディング配列をゲノム断片から得て適切な宿主で直接使用することができる。様々な宿主で作動可能な発現ベクターの製作は上記したような適当なレプリコンと調節配列を利用して達成される。調節配列、発現ベクター及び形質転換方法は遺伝子を発現するのに使われる宿主細胞の類型に依存されることは、既に詳細に議論したことがある。適当な制限位置は正常に利用可能でない場合、これらのベクターに挿入するための切断可能な遺伝子を提供するためにコーディング配列の端に添加される。当業者は組換え蛋白質を生産するための本発明の核酸分子の使用のために当業界に知られたいかなる宿主/発現システムも容易に適合化することができる。
【0057】
G.結合相手同定方法
本発明の他の態様は、本発明の蛋白質の結合相手を分離して同定する方法を提供する。一般に、可能な結合相手と本発明の蛋白質の結合を可能にする条件下で本発明の蛋白質を可能な結合相手または細胞抽出物または分画と混合する。混合後、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質または本発明の蛋白質と結合された他の分子を混合物から分離する。その後、本発明の蛋白質と結合された結合相手を除去して、さらに分析する。結合相手を確認して分離するために、全体蛋白質、例えば、配列表の配列番号2、4、6、8または10の全体アミノ酸配列を含む蛋白質を使用する。あるいは、その蛋白質の断片を使用することができる。
【0058】
ここで使われるように、細胞抽出物は溶菌または破砕された細胞から製造された調製物または分画を指す。細胞抽出物の好ましい出処はヒト肝癌から由来した細胞または形質転換された肝細胞、例えば、肝癌からの生検組織または組織培養細胞である。あるいは、細胞抽出物を正常組織または利用可能な細胞株、特に肝−由来細胞株から製造され得る。
様々な方法が細胞抽出物を得るのに用いられる。細胞を物理的または化学的破砕方法を利用して破砕できる。物理的破砕方法の例は、超音波及び機械的剪断(shearing)を含むが、これらに制限されるものではない。化学的溶菌方法の例は、界面活性剤溶菌及び酵素溶菌を含むが、これらに制限されるものではない。当業者は本方法に使用するための抽出物を得るため、細胞抽出物を製造する方法を容易に適合化することができる。
【0059】
一旦、細胞抽出物を製造すれば、蛋白質と結合相手の結合が起きられる条件下で抽出物を本発明の蛋白質と混合する。様々な条件を使用することができ、ヒト細胞の細胞質で発見される条件を近接に似た条件が最も好ましい。浸透圧、pH、温度、用いられた細胞抽出物の濃度のような特徴を蛋白質と結合相手の結合を最適化するために変化することができる。
【0060】
適切な条件下で混合した後、結合された複合体を混合物から分離する。様々な技術が混合物を分離するのに用いられる。例えば、本発明の蛋白質に特異的な抗体を使用して結合相手複合体を免疫沈殿させることができる。あるいは、クロマトグラフィー及び密度/沈降遠心分離のような標準化学的分離器術を使用することもできる。
【0061】
抽出物中で発見される非結合される細胞成分を除去した後、結合相手を複合体から通常的な方法を利用して解離することができる、例えば、解離は混合物の塩濃度やpHを変化することによって達成できる。
【0062】
混合抽出物から結合された結合相手を分離するのを助けるために、本発明の蛋白質を固相保持体上に固定することができる。例えば、蛋白質をニトロセルロースマトリックスまたはアクリルビーズに付着させることができる。蛋白質の固相保持体への付着は抽出物中に発見される他の成分からペプチド/結合相手対を分離することを手助けする。確認された結合相手は単一蛋白質であるか、2以上の蛋白質の複合体でありうる。あるいは、結合相手はTakayama et al., (1997) Methods Mol Biol 69:171-184またはSauder et al., (1996) J Gen Virol 77:991-996の方法によってファー・ウェスタン(Far-Western)アッセイを利用して確認するか、エピトープタグ蛋白質またはGST融合蛋白質を介して確認することができる。
【0063】
あるいは、本発明の核酸分子を酵母2−ハイブリッドシステムまたは他のin vivo蛋白質−蛋白質検出システムで使用することができる。酵母2−ハイブリッドシステムは他の蛋白質相手対を確認するのに使われており、ここに記載された核酸分子を使用するために容易に適合化することができる。
【0064】
H.肝癌関連遺伝子をコードする核酸発現を調節する薬剤の同定方法
本発明の他の態様は、配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を持つ蛋白質のような本発明の蛋白質をコードする核酸の発現を調節する薬剤を同定する方法を提供する。そのようなアッセイは本発明の核酸の発現水準変化をモニターリングするのに利用できるどんな手段も利用することができる。ここで使われるように、薬剤は細胞で核酸の発現をアップ−またはダウン−調節することができれば、本発明の核酸の発現を調節すると言う。
【0065】
あるアッセイ形態で、配列表の配列番号1のヌクレオチド155−421、または配列表の配列番号3のヌクレオチド139−405、配列表の配列番号5のヌクレオチド32−1387、配列表の配列番号7のヌクレオチド41−1504、配列表の配列番号9のヌクレオチド31−1554及び/または5’及び/または3’調節要素と、どのようなアッセイ可能な融合相手間のリポーター遺伝子融合を含有する細胞株を製造できる。ホタルがルシフェラーゼ遺伝子及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子をはじめとする数多くのアッセイ可能な融合相手が知られ、容易に利用可能である(Alam et al., (1990) Anal Biochem1 88:245-254)。その後、リポーター遺伝子融合を含有する細胞株を適切な条件及び時間下に試験しようとする薬剤に露出させる。薬剤に露出されたサンプルと対照サンプルと間にリポーター遺伝子の差異を伴う発現で本発明の核酸の発現を調節する薬剤を同定する。
【0066】
付加的なアッセイ形態を配列表の配列番号2、4、6、8または10を持つ蛋白質のような本発明の蛋白質をコードする核酸の発現を調節する薬剤の能力をモニターリングするために使用することができる。例えば、mRNA発現を本発明の核酸とのハイブリダイズによって直接モニターリングすることができる。細胞株を適切な条件及び時間下に試験しようとする薬剤に露出させ、総RNAまたはmRNAをSambrookら、Molecular Cloning- A Laboratory Manual, Third Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001に記載されたような標準方法によって分離する。
好ましい細胞はヒト肝組織、例えば、肝癌、または肝癌及び硬化、または肝癌及び肝炎患者からの肝生検組織または培養細胞から由来するものである。ATCC肝細胞癌細胞株カタログ番号HB−8064、HB−8065またはCRL−10741のような細胞株を使用することができる。あるいは、他の利用可能な細胞または細胞株を使用することができる。
【0067】
薬剤に露出された細胞と対照細胞間のRNA発現水準の差を検出するためのプローブを本発明の核酸から製造することができる。高厳格度の条件下で標的核酸のみとハイブリダイズするプローブを設計することが必須的ではないが、好ましい。高度に相補的な核酸ハイブリッドのみが高い厳格度の条件下で形成される。従って、アッセイ条件の厳格度はハイブリッドを形成するために2核酸鎖間に存在しなければならない相補性の量を決定する。厳格度はプローブ:標的ハイブリッドとプローブ:非標的ハイブリッド間の安全性の差を最大化するように選択しなければならない。
【0068】
本発明の核酸から当業界に知られた方法を通じてプローブを設計することができる。例えば、プローブのG+C含量とプローブ長さがプローブの標的配列への結合に影響を及ぼすことがある。プローブ特異性を最適化する方法は、上記SambrookらまたはAusubel et al., Short Protocols in Molecular Biology, Fourth Ed., John Wiley & Sons, Inc., NewYork, 1999から普遍的に利用可能である。
ハイブリダイズ条件はそれぞれのプローブのために要求されるように、sambrookら及びAusubelらの方法のような公知の方法を利用して変形できる。総細胞性RNAまたはポリA
【0069】
RNAが濃厚化されたRNAのハイブリダイズをどのような利用可能な形態でも遂行することができる。例えば、総細胞性RNAまたはポリA RNAが濃厚化されたRNAを固相保持体に固定し、固相保持体を本発明の配列の少なくとも一つ、または一つの一部を含む少なくとも一つのプローブにプローブが特異的にハイブリダイズする条件下で露出させる。あるいは、本発明の配列の少なくとも一つまたは一つの一部を含む核酸断片をシリコンチップ、多孔性ガラスウエハーまたは膜のような固相保持体に固定できる。その後、固相保持体を固定した配列が特異的にハイブリダイズする条件下でサンプルからの総細胞性RNAまたはポリA RNAに露出させることができる。そのような固相保持体及びハイブリダイズ方法は、例えば、Beattie, (1995) WO95/11755に開示されたように広く利用可能である。無処理された細胞集団及び薬剤に露出された細胞集団のRNAサンプルに特異的にハイブリダイズする特定プローブの能力を調べることによって、配列表の配列番号2、4、6、8または10の配列を持つ蛋白質をコードする核酸の発現をアップ−またはダウン−調節する薬剤を同定する。
【0070】
また、mRNAの定量及び定性分析のためのハイブリダイズをRNase保護アッセイ(即ち、RPA, Ma et al., (1996) Methods 10:273-238参照)を利用して遂行することができる。簡略には、遺伝子産物をコードするcDNA及びファージ特異的DNA依存的RNA重合酵素プロモーター(例えば、T7、T3またはSP6RNA重合酵素)を含む発現ビヒクルをファージプロモーター下流、cDNA分子の3’末端で線形化し、そのような線形化分子を、以後、in vitro転写によるcDNAの標識されたアンチセンス転写物の合成のための鋳型として使用する。その後、標識された転写物を80%ホルムアミド、40mM Pipes、pH6.4、0.4M NaCl及び1mM EDTAを含む緩衝液中で、一晩、45℃でインキュベートして分離されたRNAの混合物(即ち、総または分画化さらたmRNA)にハイブリダイズさせる。その後、生成されたハイブリッドを40μg/mLリボヌクレアーゼA及び2μg/mLリボヌクレアーゼを含む緩衝液で分解させる。外来蛋白質の不活性化及び抽出後、サンプルを分析用ウレア/ポリアクリルアミドゲル上にロードする。
【0071】
別のアッセイで、本遺伝子産物の発現に影響を及ぼす薬剤を同定するために、本発明の遺伝子産物を生理的に発現する細胞または細胞株を、まず、確認する。そのように同定された細胞及び/または細胞株は適切な表面伝達メカニズム及び/または細胞質カスゲードと薬剤の外生的接触に関して転写装置の調節の精巧性が維持されるように必要な細胞機構を含むと予想される。さらに、そのような細胞または細胞株は本遺伝子産物にユニークな一つ以上の抗原性断片に融合された本遺伝子産物をコードする構造遺伝子の作動可能な非−解読5’プロモーター−含有末端を含む発現ビヒクル(例えば、プラスミドまたはウイルスベクター)で形質導入または形質感染され、上記断片は上記プロモーターの転写調節下にあり、分子量が自然発生ポリペプチドと区別されるか、さらに免疫学的に区別されるタグまたは他の検出可能なマーカーを含むポリペプチドとして発現される。そのような方法は当業界によく知られている(上記Sambrookらを参照)。
【0072】
その後、上記概括したような形質導入または形質感染された細胞または細胞株を適切な条件下で薬剤と接触させる。例えば、薬剤学的に許容可能な賦形剤中の薬剤を生理学的pHのリン酸緩衝食塩水(PBS)、生理学的pHのイーグル平衡塩溶液(BSS)、PBSまたはBSS包含血清またはPBSまたはBSS包含調節培地のような水溶性生理学的緩衝液及び/または37℃でインキュベーション血清中の細胞と接触させる。上記条件は当業者によって必要に応じて調節することができる。細胞を薬剤と接触させた後、細胞を破砕し、溶菌物のポリペプチドを分画してポリペプチド分画をプリングし、免疫学的アッセイ(例えば、ELISA、免疫沈澱またはウェスタンブロット)によってさらに加工される抗体と接触させる。“薬剤−接触された”サンプルから分離された蛋白質プールを賦形剤のみを細胞と接触させた対照サンプルと比較して、“薬剤−接触された”サンプルから免疫学的に生成された信号の増加または減少を薬剤の有効性を識別するのに使用する。
【0073】
H.肝癌関連蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定する方法
本発明の他の太陽は、配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を持つ蛋白質と同じ本発明の蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定する方法を提供する。そのような方法またはアッセイは所望の活性をモニターリングするか検出する手段を利用できる。
【0074】
一つの形態で、非露出された対照細胞集団と比較して試験しようとする薬剤に露出された細胞集団間の本発明の蛋白質の相対的量をアッセイすることができる。この形態で、特異的抗体のようなプローブを異なる細胞集団で蛋白質の差異を伴う発現をモニターリングするのに用いる。適切な条件及び時間下で細胞株または集団を試験しようとする薬剤に露出させる。細胞溶菌物を露出された細胞株または集団及び対照、非露出された細胞株または集団から製造することができる。その後、細胞性溶菌物をプローブで分析する。
十分な長さの場合、または所望するか、免疫原性を増加させるために必要な場合、適切な担体に包接された本発明のペプチド、ポリペプチドまたは蛋白質を利用して適切な免疫化プロトコルで適切な哺乳類宿主を免疫化することによって抗体プローブを製造する。BSA、KLH、または他の担体蛋白質のような担体との免疫原性包接体を製造する方法は当業界によく知られている。ある状況では、例えば、カルボジイミド試薬を利用する直接的包接が効果的で;他の状況では、PierceChemicalCo.(Rockford,IL)により供給されるような結合試薬がハプテン(hapten)に対する接近可能性を提供するのに好ましいかも知れない。ハプテンペプチドは、例えば、担体に対する結合を容易にするためにシステイン残基でアミノまたはカルボキシル末端で伸張されるか、またはシステイン残基が散在しうる。一般に免疫原の投与は当業界に一般的に知られているように、適当なアジュバントを使用して適当な時間における注射によって行われる。免疫化一定の間、抗体力価を求めて抗体形成の適切性を決定する。
【0075】
このような方法により生産されたポリクロナール抗血清が一部用途には満足できる一方、薬剤学的組成物としては、モノクロナール調製物を使用するのが好ましい。所望のモノクロナール抗体を分泌する不滅化された細胞株を一般的に知られたように、KohlerとMilsteinの標準方法((1975) Nature 256:495497)またはリンパ球または脾臓細胞の不滅化を遂行する変形方法を利用して製造できる。所望の抗体を分泌する不滅化された細胞株を抗原がペプチドハプテン、ポリペプチドまたは蛋白質の免疫アッセイによってスクリーニングする。所望の抗体を分泌する適切な不滅化細胞培養物を同定すれば、細胞をin vitroまたは複数液での生産によって培養することができる。
その後、所望のモノクロナール抗体を培養上清または複数上清から回収する。完全な抗体だけでなく免疫学的に有意な(抗原−結合)部分を含有するモノクロナール抗体の断片またはポリクロナール抗血清を拮抗剤として使用することができる。Fab、Fab’またはF(ab’)断片のような、免疫学的に反応性(抗原−結合)の抗体断片の使用が、これらの断片が全体免疫グロブリンより免疫原的でないため、特に治療的次元で好ましい。
【0076】
また、抗体または抗原−結合断片を組換え手段によって現在の技術を利用して製造できる。また、所望の部位の蛋白質に特異的に結合する抗体部位をヒト化抗体のような、多重種起源を持つキメラコンテクストで製造することができる。
【0077】
上記方法でアッセイされる薬剤は任意に選別されるか、合理的に選別または設計される。ここでは、本発明の蛋白質単独またはその結合された基質、結合相手などとの結合に関与する特異的な配列を考慮せずに、任意に薬剤を選別したとき、薬剤を任意に選別したという。任意に選別された薬剤の例は、化学的ライブラリーまたはペプチド複合ライブラリー、または有機体の増殖ブロスを使用するものである。
【0078】
ここで、標的部位の配列及び/または薬剤の作用と関連したその形態を考慮して、非−任意的根拠として薬剤を選択するとき、薬剤を合理的に選別または設計したという。これらの部位を構成するペプチド配列を使用して薬剤を合理的に選別するか、合理的に設計できる。例えば、合理的に選別されたペプチド薬剤はアミノ酸配列が機能的コンセンサス部位と同一であるか、その誘導体であるペプチドでありうる。
【0079】
本発明の薬剤は、例えば、炭水化物のみだけでなくペプチド、小分子、ビタミン誘導体でありうる、優性陰性蛋白質、これらの蛋白質をコードするDNA、これらの蛋白質に対する抗体、これらの蛋白質のペプチド断片またはこれらの蛋白質の摸倣体(mimic)を細胞に導入して機能に影響を及ぼすことができる。本明細書で“摸倣体”とは親ペプチドと化学的に異なるか親ペプチドと形態的機能的に類似な構造を提供するためにペプチド分子の一つまたはいくつかの部位を変形させたものを指す(参照Grant, Molecular Biology and Biotechnology, Meyers, ed., pp.659-664, VCH Publishers, Inc., New York, 1995)。当業者は本発明の薬剤の構造的性質に関して制限が無いことを容易に認識できる。
【0080】
本発明のペプチド薬剤は、当業界に知られたように、標準固相(または溶液相)ペプチド合成方法を利用して製造され得る。また、これらのペプチドをコードするDNAは商業的に利用可能なオリゴヌクレオチド合成装置を利用して合成されるか、標準組換え生産システムを利用して組換え的に生産され得る。非−遺伝子−コードアミノ酸を含む場合、固相ペプチド合成を用いた生産が必要である。
【0081】
他の異なる部類の本発明の薬剤は、本発明の蛋白質の決定的な位置と免疫反応する抗体である。抗体薬剤は適当な哺乳類対象を抗原性部位として抗体により標的化しようとする蛋白質の部位を含有するペプチドで免疫化させることによって得られる。
【0082】
J.肝癌関連蛋白質の発現または少なくとも一つの活性を調節する薬剤の使用
実施例で提供されているように、本発明の配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を持つ蛋白質のような、本発明の蛋白質及び核酸は肝癌組織から差異的に発現される。アゴニストまたは拮抗剤のような、蛋白質の発現または蛋白質の少なくとも一つの活性をアップ−またはダウン−調節するか、変化させる薬剤が蛋白質の機能と活性関連した生物学的及び病理学的過程を調節するのに用いられる。
【0083】
本明細書で、対象は本発明の蛋白質によって媒介された病理学的または生物学的過程の調節が必要な任意の哺乳動物でもありうる。用語“哺乳動物”は哺乳類網に属する個体として定義される。本発明は特にヒト対象を治療するのに有用である。
【0084】
病理学的過程は有害な影響を及ぼす生物学的過程のカテゴリーを指す。例えば、本発明の蛋白質の発現は肝細胞の増殖または過形成と関連され得る。本明細書で、薬剤が上記過程の程度または重症度を減少させるとき、薬剤は病理学的過程を調節するという。例えば、本発明の蛋白質の発現または少なくとも一つの活性をアップ−またはダウン−調節するか、変化させる薬剤の投与によって肝癌を防止するか、疾患進行を調節することができる。
【0085】
本発明の薬剤は単独、または特定病理学的過程を調節する他の薬剤との配合物として提供され得る。例えば、本発明の薬剤は他の公知された薬物と併用投与できる。本明細書で、2薬剤を同時に投与するか、薬剤が同時に作用するようにする方式で独立的に投与する場合、2薬剤を併用投与するという。
【0086】
本発明の薬剤は非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮または口腔経路を通じて投与できる。あるいは、または同時に、投与は経口投与することができる。投与容量は受恵者の年齢、健康、体重、併用治療の種類、存在する場合、治療の頻度及び所望の効果の性質によって左右される。
【0087】
本発明は、さらに、本発明の蛋白質発現または少なくとも一つの活性を調節する一つ以上の薬剤を含有する組成物を提供する。個々の要求は変化し、各成分の有効量の最適の範囲の決定は当業界の技術範囲内にある。典型的な容量は0.1〜100μg/kg体重を含む。好ましい容量は0.1〜10μg/kg体重を含む。最も好ましい容量は0.1〜1μg/kg体重を含む。
【0088】
薬理学的に活性の薬剤と共に、本発明の組成物は活性化合物の作用部位への伝達のために薬剤学的に使うことができ、活性化合物の製剤への加工を容易にする賦形剤及び補助剤を含む適当な薬剤学的に許容される担体を含むことができる。非経口投与のための適当な製剤は水溶性形態、例えば、水溶性塩形態の活性化合物の水溶液を含む。また、適切な油状注射懸濁液としての活性化合物の懸濁液を投与できる。適当な親油性溶媒またはビヒクルは脂肪油、例えば、ゴマ油、合成脂肪酸エステル、例えば、エチルオールレートまたはトリグリセリドを含む。水性注射懸濁液は、例えば、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ソルビトール及び/またはデキストランを含む懸濁液の粘度を増加させる物質を含有することができる。任意に、懸濁液はまた安定化剤を含有できる。リポソームをまた薬剤を細胞に伝達するためにカプセル化するのに利用できる。
【0089】
本発明に係る全身投与用薬剤学的製剤は、腸内、非経口または局所投与のために製剤化することができる。実際に、3種類型の製剤のすべてを同時に使用して活性成分の全身投与を達成することができる。
【0090】
経口投与のために適当な製剤は硬質または軟質ゼラチンカプセル、丸剤、コーティング錠をはじめとする錠剤、エリキシル、懸濁剤、シロップまたは吸入剤及びそれらの放出制御形態を含む。
【0091】
本発明の方法を遂行するにあたって、本発明の化合物は単独または併用して、または他の治療または診断剤と併用して使用しうる。特定の好ましい態様で、本発明の化合物は一般的に許容される医療慣行によってこれらの状態のために典型的に処方される他の化合物らと共に共同投与できる。本発明の化合物はin vivoで、普通ヒト、羊、馬、牛、豚、犬、猫、ラットとマウスで、またはin vitroで使われ得る。
【0092】
K.形質転換動物
配列表の配列番号1、3、5、7または9のcDNA配列、配列表の配列番号2、4、6、8または10のポリペプチド配列をコードするオープン・リーディング・フレームまたは少なくとも約3、4、5、6、10、15、20、25、30、35個以上のアミノ酸残基の連続した配列を持つその断片に相応する突然変異、ノック・アウトまたは変形された遺伝子を含有する形質転換動物、また本発明に含まれる。形質転換動物は組換え、外生的またはクローニングされた遺伝物質が実験的に導入された遺伝的に変形された動物である。このような遺伝物質は、よく“トランスジーン”と言及される。トランスジーンの核酸配列、この場合、配列表の配列番号1、3、5、7または9形態は特定核酸配列が正常には発見されないゲノム位置またはトランスジーンの正常位置に導入できる。トランスジーンは標的動物の種と同一か、他の種のゲノムから由来した核酸配列から構成され得る。
【0093】
一部態様で、配列表の配列番号1、3、5、7または9を含む遺伝子の全部または一部が欠失された形質転換動物が製作され得る。配列表の配列番号1、3、5、7または9に相応する遺伝子が一つ以上のイントロンを含有する場合、全体遺伝子−すべてのエキソン、イントロン及び調節配列−が欠失され得る。あるいは、全体遺伝子より小さく欠失され得る。例えば、一つのエキソン及び/またはイントロンを欠失して、変形された形態の本発明の蛋白質を発現する動物を創製できる。
【0094】
用語“生殖細胞株形質転換動物”は遺伝子変形または遺伝的情報が生殖細胞株に導入され、形質転換動物が遺伝情報を子孫に伝達する能力を持つ形質転換動物を指す。そのような子孫が事実上、そのような変形または遺伝情報の一部または全部を持つならば、それらもやはり形質転換動物である。
【0095】
変形または遺伝情報は受恵者が属する動物種に対して外来であるか、特定受恵者個体のみが外来であるか、受恵者が既に所有している遺伝情報でありうる。最後の場合、変形されるか導入された遺伝子は元来遺伝子と異なるように発現され得る。
【0096】
形質転換動物は形質感染、電気穿孔、微細注射、胚芽茎細胞での遺伝子標的化及び組換えウイルス及びレトロウイルス感染を含む様々な異なる方法によって生産され得る(例えば、米国特許第4,736,866号;米国特許第5,602,307号;Mullins et al., (1993) Hypertension 22:630-633; Brenin et al., (1997) Surg Oncol 6:99-110; Recombinant Gene Expression Protocols (Methods in Molecular Biology, Vol. 62), Tuan, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 1997)。
【0097】
活性化された発癌遺伝子配列を発現するもの(米国特許第4,736,866号);猿SV40T−抗原を発現するもの(米国特許第5,728,915号);インターフェロン調節因子1(IRF−1)の発現が欠如されたもの(米国特許第5,731,490号);ドーパミン機能不全を示すもの(米国特許第5,723,719号);血圧調節に関与する少なくとも一つのヒト遺伝子を発現するもの(米国特許第5,731,489号);自然的に発生するアルツハイマー病を示す状態とより大きな類似性を示すもの(米国特許第5,720,936号);細胞付着を媒介する能力が減少されたもの(米国特許第5,602,307号);牛の成長ホルモン遺伝子を持つもの(Clutter et al., (1996) Genetics 143:1753-1760);または完全なヒト抗体反応を示すことができるもの(McCarthy (1997) Lancet 349:405)を含む数多くの組換えまたは形質転換マウスが生産されてきた。
【0098】
マウスとラットが大部分の形質転換実験で選択される動物として残っている反面、一部場合、他の動物種を使用することが好ましいか、必要な場合さえある。形質転換過程が羊、ヤギ、豚、犬、猫、猿、チンパンジー、ハムスター、ウサギ、牛及びテンジクネズミをはじめとする様々な非−ネズミ類の動物から成功的に使われてきた(例えば、Kim et al., (1997) Mol Reprod Dev 46:515-526; Houdebine, (1995) Reprod Nutr Dev 35:609-617; Petters(1994) Reprod Fertil Dev 6:643-645;Schnieke et al, (1997) Science 278:2130-2133; 及びAmoah, (1997) J Animal Science 75:578-585を参照したい。)。
核酸断片を組換え可能な哺乳類細胞に導入する方法は、多重核酸分子の同時−形質転換を好む方法が用いられる。形質転換動物を生産する詳細な過程は米国特許第5,489,743号及び米国特許第5,602,307号の開示内容をはじめとして、当業者に容易に利用可能である。
【0099】
L.診断方法
本発明の遺伝子及び蛋白質は非腫瘍組織と比較して肝癌組織(HCC)と他の悪性新生物から差異的に発現されるので、本発明の遺伝子と蛋白質を使用して肝癌を診断するか、モニターリングするか、疾患進行を追跡するか、HCC組織を硬化組織サンプルから区別するのに使われ得る。本発明の核酸分子または蛋白質を利用して肝癌を診断する一つの手段は肝組織を含み、生きている対象から組織を得るのを含む。
【0100】
分子生物学的道具の使用は法廷技術で普遍的なものとなった。例えば、配列表の配列番号1、3、5、7または9の配列の全部または少なくとも一部を含む核酸プローブを法廷/病理学的標本で核酸分子の発現を決定するのに使用することができる。さらに、転写プロファイル分析を遂行する手段によって核酸アッセイを遂行することができる。核酸分析に加えて、本発明の法廷医学的方法は本発明の蛋白質、特に配列表の配列番号2、4、6、8または10を含む蛋白質を標的化し、遺伝子のアップ−またはダウン−調節を決定することができる(Shiverick et al., (1975) Biochim Biophys Acta 393:124-133)。
本発明の方法は組織をコラゲナーゼまたは他のプロテアーゼで処理して組織を細胞溶菌がよく起きるようにするのを含む(Semenov et al., (1987) Biull Eksp Biol Med 104:113-116)。さらに、分析のために肝の異なる部分から生検サンプルを得ることが可能である。
【0101】
本発明の核酸または蛋白質分子を検出するアッセイは利用可能な形態でありうる。核酸分子の典型的なアッセイはハイブリダイズまたはPCR基礎形態を含む。本発明の蛋白質、ポリペプチドまたはペプチドの典型的なアッセイはin situ結合アッセイなどのようなすべての利用可能な形態の抗体プローブの使用を含む(Harlow & Lane, Antibodies- A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, ColdS pring Harbor, NY, 1988参照)。好ましい態様で、アッセイを適切な調節下で遂行する。
【0102】
上記方法はまた他の組織または器官、例えば、本発明の核酸分子の発現が検出される組織で疾患状態を探知するプロトコル及び方法を含む他の診断プロトコルに使われ得る。
それ以上の記載無しで、上記記載及び下記例示的実施例を利用して、当業界で通常的技術を持った者は本発明の化合物を製造して利用し、請求方法を遂行することができる。従って、下記実施例は本発明の好ましい態様を具体的に示すが、残りの開示内容を任意の方法で制限することとして解釈されない。
実施例
【0103】
実施例1a
肝癌で差異を伴って発現されるLBFL302mRNAの同定
患者組織サンプルはそれぞれ5名の患者の2群に分類された、10名の韓国人患者から由来した。一群は慢性B型肝炎(CH)として診断されたが、以後、肝癌(HCC)を発病した患者で構成された。この群の患者らは3人が男子、2人が女子で、34−63歳であった。2番目の群の患者らは肝硬変(LC)として診断された。この群も以後、肝癌(HCC)を発病した。4名の男子と1名の女のこの群での患者らは40−62歳であった。それぞれの患者に対して、組織を肝の2つの部分から得てワンセットの生検サンプルを作った。第1番目の患者群(癌/肝炎)で、サンプルは肝癌と炎症(肝炎による炎症)組織から構成された非腫瘍性周辺部位から除去した。第2番目の群(癌/硬化)で、肝組織は腫瘍と繊維(硬化による繊維化部位)組織から構成された非腫瘍性周辺部位から除去された。それぞれの組織サンプルの組織学的分析を遂行し、サンプルを非−腫瘍及び腫瘍カテゴリーに分離した。
【0104】
若干の変形と共に、サンプル製造プロトコルはアフィメトリクス遺伝子チップ(Affymetrix GeneChip)発現分析マニュアルに従った。まず、凍結組織をスペックSEセントリーフラップ(Spex Certiprep)6800プリーザーミル (Freezer Mill)を利用して粉末に粉砕した。その後、総RNAをトリゾール(Life Technologies)を使用して抽出した。各サンプルの総RNA収率(平均組織重量300mg)は200−500μgであった。次に、mRNAをオリゴテックスmRNAミディキット(Oligotex mRNA Midikit)(Qiagen)を利用して分離した。mRNAを最終体積400μLで溶出したので、エタノール沈澱段階が濃度を1μg/μLにするのに必要であった。1−5μgのmRNAを利用して、二本鎖cDNAをスーパースクリプトチョイスシステム(SuperScript Choice system)(Gibco-BRL)を利用して作った。第1鎖cDNA合成をT7−(dT24)オリゴヌクレオチドでプライミングした。その後、cDNAをフェノール−クロロホルム抽出し、最終濃度1μg/μLでエタノール沈殿した。
【0105】
2μgのcDNAから、cRNAを標準過程に従って合成した。cRNAをビオチン標識するために、ヌクレオチドBio−11−CTP及びBio−16−UTP(Enzo Diagnostics)を反応に添加した。37℃で6時間インキュベートした後、標識されたcRNAをRNeasyミニキットプロトコル(Qiagen)で洗浄した。その後、cRNAを94℃で35分間断片化した(5×断片化緩衝液:200mM トリス−アセテート(pH8.1)、500mM KOAc、150mM MgOAc)。
【0106】
55μgの断片化cRNAを45℃ハイブリダイズオーブンで、60rpmで24時間、アフィメトリクスヒトゲノムU95及びU133セットアレイ上でハイブリダイズした。チップを洗浄してアフィメトリクスフルイディクスステーションJE(Affymetrix fluidics stations)でストレプトアビジンフィコエリトリン(SAPE)(Molecular Probes)で染色した。染色を増幅するために、SAPE溶液を染色段階中間に抗−ストレプトアビジンビオチン化抗体(Vector Laboratories)と共に添加した。プローブアレイに対するハイブリダイズを蛍光スキャニング(Hewlett Packard Gene Array Scanner)によって検出した。ハイブリダイズとスキャニングに続けて、マイクロアレイ映像を品質管理のために分析し、ハイブリダイズ信号から主要チップ欠陥または異常を探し出した。あらゆるチップがQCを通過した後、データをU95に対しアフィメトリクスマイクロアレイスイート(v4.0)及びLIMS(v1.5)またはU133に対しアフィメトリクスマイクロアレイスイート(v5.0)及びLIMS(v3.0)を使用して分析した。
【0107】
腫瘍及び非腫瘍の肝サンプルら間の遺伝子の差異を伴う発現を、下記統計学的方法を使用してアフィメトリクスヒト遺伝子チップセット、U95及びU133を利用して決定した。(1)それぞれの遺伝子に対して、U95に対するアフィメトリクス遺伝子チップ平均差を、それぞれの遺伝子チップ要素に対して“不在”(=未検出)、“存在”(=検出)または“境界”(=不在なのか存在なのか不明確)コールを作るアフィメトリクスマイクロアレイスイート(v4.0)によって決定した。U133に対する信号値を不在、存在または境界コールを作るアフィメトリクスマイクロアレイスイート(v5.0)によって決定した。(2)腫瘍及び非腫瘍肝サンプルの両方から少なくとも10%の存在コール及び腫瘍または非腫瘍肝サンプル群で少なくとも40%の存在コールの基準を利用し、遺伝子セットを追加分析のために選別した。(3)U95データの平均差値に基づいて、遺伝子セットを高発現群と低発現群の2群に分けた。高発現群は腫瘍及び非腫瘍サンプルの両方で5以上の平均差値を持つ遺伝子を含んだ。残りの遺伝子は低発現群に含まれた。平均差値を高発現群に対してはログスケールに変換したが、低発現群に対しては変換しなかった。U133データに対しては、あらゆる信号値を、発現水準を問わずログスケールに変換させた。(4)分散分析(ANOVA)方法をデータ分析のために使用した(Steel et al., Principles and Procedures of Statistics: A Biometrical Approach, Third Ed., McGraw-Hill, 1997)。最終分析前に、leave−one−out接近法を外れ検出のために使用した。一度に一つのサンプルをANOVA分析から除外し、分析から特定サンプルの除去が最終結果に有意な影響を及ぼすのか否か決定した。そうだとすれば、その特定サンプルを最終分析から除いた。外れ検出後、0.05以下のp−値に差異的に発現される遺伝子リストをANOVAによって作成した。アフィメトリクス遺伝子チップU133チップセットからのデータを類似な過程により分析した。(5)二つの付加的な基準をU95から作られた遺伝子リストで遺伝子数を減少させるために使用した。第1に、幾何平均値を非腫瘍対照群サンプルと腫瘍疾患群サンプルと間に比較して発現水準で少なくとも2.0−倍増加または減少を示す遺伝子セットを得た。第2に、変化倍数とp−値の比率は400以上でなければならない。
【0108】
チップデータの分析結果、肝硬変組織からのサンプルと比較して肝癌サンプルでマーカーLBFL302の発現が有意するようにアップ−調節されるものと現れた(U95に対して6.26−倍;p=0.00116;U133に対して7.87−倍、p=0.000944)。アップ−調節(U95に対して2.76−倍、p>0.05;U133に対して4.64−倍、p=0.0115)は、また、肝炎症組織(慢性肝炎患者の炎症部位からの生検)からの組織サンプルと比較して肝癌サンプルで観察された。これらの結果は、LBFL302のアップ−調節が、硬化がある患者で肝癌が診断でき、また、慢性肝炎患者で肝癌が診断できることを示す。
【0109】
LBFL302(配列表の配列番号1または3)の発現水準は、それぞれアフィメトリクス GeneChips U95及びU133相談チップ配列断片番号51263_at及び226936_atによって測定できる。正常対照組織と比較した様々な悪性新生物での51263_at及び226936_atの発現水準を変化倍数と変化の方向(アップ−またはダウン−調節)をも表示されている表1aに示した。1.5超過の変化倍数が有意とみなされた。
【表1】

【0110】
表2は組織類型によるアフィメトリクス遺伝子チップを用いた実験から収集された差異を伴う分発現データを要約したものである。チップをスキャニングし、すべての名称が“An Automated Computer-based Algorithm for Organizing and Mining Gene Expression Data Derived from Biological Samples with Complex Clinical Attributes”であり、皆本明細書に参照として引用される関連した出願60 331 182、60/388,745及び60/390,608に記載されているGXスキャンアルゴリズムによってデータを分析した。
【表2】

【0111】
チップ配列断片番号51263_atに対するサンプル結合によって決定される遺伝子チップ発現結果を、Taqman(登録商標)アッセイ(Perkin-Elmer)を利用する定量的RT−PCR(Q−RT−PCR)によって検証した。特定アフィメトリクス断片(51263_at)の配列情報ファイルから設計されたPCRプライマーをアッセイに使用した。それぞれのRNAサンプルの標的遺伝子(10ngの総RNA)を外生的にスパイク参照遺伝子に相対的にアッセイした。この目的のために、テトラサイクリン耐性遺伝子を外生的に添加されたスパイクとして使用した。この接近法は一定の量のTetスパイクサイクル閾値(Ct)値に対して相対的な標的mRNAのCt値段によって測定される相対的発現を提供する。このサンプルパネルはU95遺伝子チップ上で分析される肝硬変(LC)、慢性肝炎(CH)及び肝癌(HCC)組織RNAを含む。また、遺伝子チップ上で分析されないいくつかの新しいサンプルをQ−RT−PCRによる発現検証のために使用した。Q−RT−PCRデータはLCまたはCH生検サンプルと比較してHCCで観察されたLBFL302アップ−調節が確認できた。
【0112】
実施例1b
肝癌で差異を伴って発現されるLBFL303mRNAの同定
患者組織サンプルは19名の韓国人患者から由来し、2群に分類された。一つの群は慢性B型ウイルス性肝炎(CH)に診断され、後で、肝癌(HCC)を発病した9名の患者から構成された。この群の患者、5名の男子と4名の女子は34−65歳であった。10名の患者である第2番目の群は肝硬変(LC)に診断され、後で、肝癌(HCC)を発病した。8名の男子と2人の女のこの群で、患者らは37−62歳であった。上記実施例1aのような同じ過程をそれぞれの患者に対して遂行した。
【0113】
U95チップデータの分析結果、配列表の配列番号5、7または9に相応するマーカーの発現が肝硬変組織からのサンプルと比較して肝癌サンプルから有意的にアップ−調節されるものと現れた(9.34−倍、p値=1.44×10−4)。U133チップからのデータは配列表の配列番号5または7の発現また肝硬変組織(2.60−倍、p値=3.63×10−2)及び肝炎症組織(慢性肝炎患者の炎症部位からの生検)(5.69−倍、p=8.9910−4)からのサンプルと比較して肝癌サンプルからアップ−調節されるものと現れた。これらのデータは配列表の配列番号5、7、及び9のアップ−調節がヒト、特に硬化または慢性肝炎患者で、肝癌を診断できることを示す。
【0114】
LBFL303クローンGE6、MB5またはIE4(配列表の配列番号5、7または9)の発現水準をアフィメトリクス GeneChips(登録商標)上のチップ配列断片番号46690_at(U95チップ)及び219175_at及び224931_at(U133チップ)により測定できる。差異を伴う分発現データを組織類型によるアフィメトリクスGeneChips(登録商標)を用いた実験らから収集し、皆名称が“An Automated Computer-based Algorithm for Organizing and Mining Gene Expression Data Derived from Biological Samples with Complex Clinical Attributes”であり、皆本明細書に参照として引用される関連した出願60/331,182、60/388,745及び60/390,608に記載されているGXスキャンアルゴリズムによってデータを分析した。正常対照組織と比較した様々な悪性新生物での46690_at、219175_at及び224931_atの発現水準を変化倍数と変化の方向(アップ−及びダウン−調節)をも表示されている表1に示した。1.5超過の変化倍数が有意とみなされた。

【表3】

【0115】
チップ配列断片番号46990_atに対するサンプル結合により決定される、GeneChip発現結果を、Taqman(登録商標)アッセイ(Perkin-Elmer)を利用する定量的RT−PCR(Q−RT−PCR)によって検証した。
Q−RT−PCRデータはLCまたはCH生検さんプルと比較してHCCで観察されたLBFL303クローンGE6、MB5及びIE4に相応する遺伝子のアップ−調節を確認することができた。
【0116】
実施例2
差異を伴う発現mRNA種に相応する全長ヒトcDNAのクローニング
配列表の配列番号1、3、5、7または9の全長cDNAをオリゴ−プリング方法によって得た。簡略には、遺伝子−特異的オリゴを配列表の配列番号1、3、5、7または9の配列に基づいて設計した。オリゴをビオチンで標識し、Sambrookらの過程に従って完全分化された胃アデノカルチノーマライブラリー(NCI CGAP Gas 4)から2μgの一本鎖プラスミドDNA(組換えcDNA)とハイブリダイズするのに使用した。ハイブリダイズcDNAをストレプトアビジン−包接されたビーズによって分離し、加熱して溶出した。溶出されたcDNAを二本鎖プラスミドDNAに転換し、E.coli細胞(DH10B)を形質転換するのに使用し、最長cDNAをスクリーニングした。陽性選別を遺伝子−特異的プライマーを利用するPCRによって確認した後、cDNAクローンをDNA配列分析した。
【0117】
上記検出さ差異を伴って調節されたmRNAに相応する全長ヒトcDNAのヌクレオチド配列を配列表の配列番号1、3、5、7及び9に示した。配列表の配列番号1のcDNAは578個塩基対(531個塩基対及びポリA 尾部)を含み、配列表の配列番号3のcDNAは531個塩基対(515個塩基対及びポリA 尾部)を含む。配列表の配列番号5のcDNAは2067個塩基対(2040個塩基対及びポリA 尾部)を含み、配列表の配列番号7のcDNAは2178個塩基対(2162個塩基対及びポリA 尾部)を含み、配列表の配列番号9のcDNAは1616個塩基対(1598個塩基対及びポリA尾部)を含む。
【0118】
配列表の配列番号1、ヌクレオチド155−418(終止コドンを含んで155−421)のcDNAヌクレオチド配列内のオープン・リーディング・フレームは88個アミノ酸の蛋白質をコードする。配列表の配列番号1によってコードされる予想される蛋白質に相応するアミノ酸配列は配列表の配列番号2に示した。
【0119】
配列表の配列番号3、ヌクレオチド139−402(終止コドンを含んで139−405)のcDNAヌクレオチド配列内のオープン・リーディング・フレームは88個アミノ酸の蛋白質をコードする。配列表の配列番号3によってコードされる予想される蛋白質に相応するアミノ酸配列は配列表の配列番号4に示した。配列表の配列番号4の蛋白質配列は配列表の配列番号2の蛋白質と、たとえこれらの蛋白質をコードする核酸配列がコード部位の上流で異なっても、28番位置のアミノ酸(配列表の配列番号1のヌクレオチド位置番号237及び配列表の配列番号3の位置番号221でのG−>T点突然変異により誘発された、配列表の配列番号2ではアルギニンであるが、配列表の配列番号4では(ロイシン)を除いては、配列表の配列番号2のものと同様である。
【0120】
配列表の配列番号2と4はヒストン様転写因子(CBF/NF−Y)及び古細菌ヒストン信号と若干似ている。また、これらのアミノ酸配列は細菌調節蛋白質lysRファミリー螺旋−回転−螺旋構造と若干似ている。この信号は3個のドメインを含む。配列表の配列番号2と配列表の配列番号4とのアミノ酸配列はC−末端で2個のドメインと22%と同様である。
【0121】
配列表の配列番号5(GE6)、ヌクレオチド32−1384(終止コドンを含む32−1387)のcDNAヌクレオチド配列内のオープン・リーディング・フレームは451個アミノ酸の蛋白質をコードする。配列表の配列番号5によってコードされる蛋白質に相応するアミノ酸配列は配列表の配列番号6に示した。
【0122】
配列表の配列番号7(MB5)、ヌクレオチド41−1501(終止コドンを含む41−1504)のcDNAヌクレオチド配列内のオープン・リーディング・フレームは487個アミノ酸の蛋白質をコードする。配列表の配列番号7によってコードされる蛋白質に相応するアミノ酸配列は配列表の配列番号8に示した。配列表の配列番号8の蛋白質配列は36個アミノ酸がアミノ末端に挿入されたことを除いては、配列表の配列番号6のものと同様である。(下記多重配列整列参照)。
配列表の配列番号9(IE4)、ヌクレオチド31−1551(終止コドンを含む31−1554)のcDNAヌクレオチド配列内のオープン・リーディング・フレームは507個アミノ酸の蛋白質をコードする。配列表の配列番号9によってコードされる予想される蛋白質に相応するアミノ酸配列は配列表の配列番号10に示した。配列表の配列番号10に相応する蛋白質は、蛋白質の残りは相同性を持たないが、最初456個アミノ酸に対して配列表の配列番号8のものと同様である(下記多重配列整列参照)。

【表4】

【0123】
LBFL303クローンはまたマウス同族体(ジーンバンク登録番号XM_132686)に対して部分的な相同性を示す。配列表の配列番号7が全体連続配列にわたって46%相同性、オープン・リーディング・フレーム内で69%相同性を示す反面、配列表の配列番号5は全体連続配列にわたって44%相同性、オープン・リーディング・フレーム内で68%相同性を示す。配列表の配列番号9はマウス核酸配列に対して全体連続配列にわたって61%相同性を、オープン・リーディング・フレーム内で64%の相同性を示す。
配列表の配列番号6、8、及び10は2個のドメインを持つ二価カチオン輸送体信号を含有する。配列表の配列番号10はN−末端ドメイン(アミノ酸残基105−241)のみを含有する反面、配列表の配列番号6及び8は2つドメインを皆含有する(配列表の配列番号6のアミノ酸位置85−205及び282−428、配列表の配列番号8のアミノ酸位置105−241及び318−464)。また、配列表の配列番号6、8及び10は配列表の配列番号6のアミノ酸位置390−401及び配列表の配列番号8及び10のアミノ酸位置426−437でペルオキシダーゼ−活性位置を含有する。
【0124】
図1、2、3、4及び5は配列表の配列番号2、4、6、8及び10のアミノ酸配列の疎水性分析結果を示す。親水性部位は上記したように、抗原性ペプチドを製造するのに使われ得る。
【0125】
ノーザンブロットによる分析を配列表の配列番号1、3、5、7及び9に相応するmRNA転写体の大きさを決定するために行った。様々なヒト組織からの総RNAを含有するノーザンブロット(ClonTech)を使用し、それぞれのクローンBC7(配列表の配列番号3)、クローンGE6(配列表の配列番号5)、クローンMB5(配列表の配列番号7)、クローンIE4(配列表の配列番号9)を任意プライマー方法によって放射性標識し、ブロットをプローブ化するのに用いた。ブロットを65℃で、Church and Gilbert緩衝液中でハイブリダイズし、室温で0.1%SDS含有0.1×SSCで洗浄した。ノーザンブロットはそれぞれのLBFL302及びLBFL303遺伝子に対して大きさが約0.65kb及び2.45kbである単一転写体を示す。これらはそれぞれ0.531kb及び0.578kbのクローンBC7及びBC4(配列表の配列番号3及び1)、それぞれ配列表の配列番号5、7及び9、GE6に対し2.2kb、MB5に対し2.3kb、IE4に対し1.8kbの挿入物の大きさに相応する。
【0126】
様々な正常組織で配列表の配列番号1、3、5、7または9の発現を調べるために、電子ノーザンブロット(e−ノーザン)を下記のように製造した。実施例1のチップと方法を利用して、表3に収録されたように、46個正常組織パネルからのmRNAをアフィメトリクスU95ヒト遺伝子チップとハイブリダイズした。実験結果を表3に示した。それぞれの組織類型に対して、存在または不在としてコールされたサンプルの数をサンプルセット中のサンプル総数と共に示した。また、各組織類型で中央値と25番目及び75番目百分位数を収録した。面白いことに、この遺伝子が肝癌でアップ−調節されるが、LBFL302及び303の発現は大部分の正常肝サンプルでは検出されなかった。この観察は下記のように、LBFL302及び303が肝癌を検出するか、肝硬変組織から肝細胞癌を区別する診断剤やマーカーとして使われ得ることを指す。LBFL302の発現水準は甲状腺に次いで生殖系器官(睾丸、子宮内膜、子宮筋層、子宮、子宮頸部及び乳房)及び消化系(食道、直腸、結腸及び虫垂)から最も高く現れた。LBFL303の発現水準は脳(小脳、皮質前頭葉、皮質側頭葉及び海馬)及び生殖系器官(睾丸、子宮内膜、子宮筋層、子宮頸部及び乳房)で最も高く現れたが、大部分の他の組織ではより低い水準に発現が検出された。肝での発現は最も低かった。

【表5】

【表6】

【0127】
実施例3
肝癌スクリーニングのためのLBFL302及びLBFL303mRNAの検出
配列表の配列番号1、3、5、7または9に相応するmRNAの発現水準を実施例1に記載されたように、即ち、遺伝子チップ上でmRNAサンプルをスクリーニングすることによって、または実施例2に記載されたように、即ち、ノーザンブロット上のmRNAサンプルをスクリーニングすることによって、肝組織生検サンプルで決定する。あるいは、悪性または陽性状態の非−肝過増殖組織からのサンプルも分析する。肝癌患者と健常人からの肝組織サンプルを陽性及び陰性対照として使用することができる。遺伝子発現を分析するどのような手段を使用しても、正常対照のものより高い発現水準は肝癌または肝癌発病可能性の指標である。
【0128】
本発明を、上記実施例を参照して詳細に記述したが、本発明の要旨を逸脱しなない限り、様々な変形が加えることができることを理解するべきである。従って、本発明は下記請求範囲によってのみ制限される。この出願に引用された特許、特許出願及び公開文献らは、いずれもその全体を参照としてここに引用される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】LBFL302、変異体BC4のオープン・リーディング・フレームによってコードされる蛋白質(配列表の配列番号2)の疎水性プロットである。Kyte−Doolittle及びGoldmanなどの方法によって分析を行った。
【図2】LBFL302、変異体BC7のオープン・リーディング・フレームによってコードされる蛋白質(配列表の配列番号4)の疎水性プロットである。Kyte−Doolittle及びGoldmanなどの方法によって分析を行った。
【図3】LBFL303、クローンGE6のオープン・リーディング・フレームによってコードされる蛋白質(配列表の配列番号6)の疎水性プロットである。Kyte−Doolittle及びGoldmanなどの方法によって分析を行った。
【図4】LBFL303、クローンMB5のオープン・リーディング・フレームによってコードされる蛋白質(配列表の配列番号8)の疎水性プロットである。Kyte−Doolittle及びGoldmanなどの方法によって分析を行った。
【図5】LBFL303、クローンIE4のオープン・リーディング・フレームによってコードされる蛋白質(配列表の配列番号10)の疎水性プロットである。Kyte−Doolittle及びGoldmanなどの方法によって分析を行った。
【配列表】
























【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列表の配列番号1、3、5または7を含む分離された核酸分子;
(b)配列表の配列番号6または8をコードする分離された核酸分子;
(c)配列表の配列番号5の全体連続配列にわたって少なくとも約95%のヌクレオチド配列相同性を有し、肝癌で発現される蛋白質をコードする分離された核酸分子;
(d)配列表の配列番号7の全体連続配列にわたって少なくとも約75%のヌクレオチド配列相同性を有し、肝癌で発現される蛋白質をコードする分離された核酸分子;及び
(e)(a)、(b)、(c)または(d)の核酸分子の相補物を含む分離された核酸分子;
からなる群より選択される分離された核酸分子。
【請求項2】
核酸分子が配列表の配列番号1のヌクレオチド155−418から構成されるものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項3】
核酸分子が配列表の配列番号3のヌクレオチド139−402から構成されるものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項4】
核酸分子が配列表の配列番号5のヌクレオチド32−1384を含むものである請求項1に記載の分離された核酸分子.
【請求項5】
核酸分子が配列表の配列番号5のヌクレオチド32−1387を含むものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項6】
核酸分子が配列表の配列番号5のヌクレオチド32−1384から構成されるものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項7】
核酸分子が配列表の配列番号7のヌクレオチド41−1501を含むものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項8】
核酸分子が配列表の配列番号7のヌクレオチド41−1504を含むものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項9】
核酸分子が配列表の配列番号7のヌクレオチド41−1501から構成されるものである請求項1に記載の分離された核酸分子。
【請求項10】
核酸分子が一つ以上の発現調節要素に作動可能に連結されている請求項1〜9のいずれか一つに記載の分離された核酸分子。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の分離された核酸を含むベクター。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の核酸分子を含有するように形質転換された宿主細胞。
【請求項13】
請求項11に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項14】
宿主細胞が原核宿主細胞と真核宿主細胞とからなる群より選択されるものである請求項13に記載の宿主細胞。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の核酸分子で形質転換された宿主細胞を上記核酸分子によってコードされる蛋白質が発現される条件の下で培養することを含むポリペプチドの製造方法。
【請求項16】
宿主細胞が原核宿主細胞と真核宿主細胞とからなる群より選択されるものである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法によって製造された分離されたポリペプチド。
【請求項18】
配列表の配列番号2、4、6または8のアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4の少なくとも10個のアミノ酸の断片を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4の保存的アミノ酸置換基を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4の自然発生アミノ酸配列変異体を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4と少なくとも約75%のアミノ酸配列相同性を示す分離されたポリペプチド;及び
配列表の配列番号6または8と少なくとも約95%のアミノ酸配列相同性を示す蛋白質;
からなる群より選択される分離されたポリペプチドまたは蛋白質。
【請求項19】
請求項18に記載のポリペプチドと結合する分離された抗体または抗原−結合抗体断片。
【請求項20】
抗体がモノクロナールまたはポリクロナール抗体である請求項19に記載の抗体。
【請求項21】
核酸を発現する細胞を薬剤に露出させて;及び
薬剤が核酸の発現を調節するのか可否を決定して、蛋白質をコードする核酸の発現を調節する薬剤を同定すること;
を含む第18項の蛋白質をコードする核酸の発現を調節する薬剤を同定する方法。
【請求項22】
蛋白質を発現する細胞を薬剤に露出させて;及び
薬剤が蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節するのか否かを決定して、蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定すること;
を含む請求項18に記載の蛋白質,または配列表の配列番号10を含む蛋白質の水準または少なくとも一つの活性を調節する薬剤を同定する方法。
【請求項23】
薬剤が蛋白質の一つの活性を調節するものである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
蛋白質を可能な結合相手に露出させて;及び
可能な結合相手が蛋白質と結合するのか否かを決定して、蛋白質に対する結合相手を同定すること;
を含む請求項18に記載の蛋白質または配列表の配列番号10のアミノ酸配列を含む蛋白質に対する結合相手を同定する方法。
【請求項25】
蛋白質をコードする核酸の発現を調節する有効量の薬剤を投与することを含む、請求項18に記載の蛋白質または配列表の配列番号10を含む蛋白質をコードする核酸の発現を調節する方法。
【請求項26】
蛋白質の少なくとも一つの活性を調節する有効量の薬剤を投与することを含む、請求項18に記載の蛋白質または配列表の配列番号10を含む蛋白質の少なくとも一つの活性を調節する方法。
【請求項27】
請求項1〜9のいずれか一つまたは配列表の配列番号10の核酸分子を含有するように変形された非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項28】
核酸分子がコード蛋白質の発現を防止する突然変異を含むものである請求項27に記載の形質転換動物。
【請求項29】
請求項1〜9のいずれか一つまたは請求項18に記載の核酸分子または蛋白質、配列表の配列番号9を含む核酸、または配列表の配列番号10の蛋白質分子の発現水準を決定することを含む、対象で疾患状態を診断する方法。
【請求項30】
疾患状態が肝癌である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
疾患状態が肝細胞癌である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
疾患状態が悪性新生物である請求項29に記載の方法。
【請求項33】
悪性新生物が膀胱、乳房、子宮頸部、結腸、腎臓、肺、子宮筋層、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、皮膚、小腸、軟質組織、脾臓、胃、睾丸または甲状腺で発生するものである請求項32に記載の方法。
【請求項34】
希釈剤、及び配列表の配列番号2、4、6、8または10のアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2、4、6、8または10中の少なくとも10個のアミノ酸の断片を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4の保存的アミノ酸置換基を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4の自然発生アミノ酸配列変異体を含む分離されたポリペプチド;
配列表の配列番号2または4と少なくとも約75%のアミノ酸配列相同性を示す分離されたポリペプチド;及び
配列表の配列番号6、8または10と少なくとも約95%のアミノ酸配列相同性を示す分離されたポリペプチド;
からなる基から選択されるポリペプチドまたは蛋白質を含む組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−512056(P2006−512056A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−528943(P2004−528943)
【出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001655
【国際公開番号】WO2004/016637
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(502345599)エルジー・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LG Life Sciences Ltd.
【Fターム(参考)】