説明

肝X受容体調節薬としてのピロール−2,5−ジオン誘導体

本発明は、特定の式(I)の新規化合物;それらの化合物を製造する方法;核内ホルモン受容体である肝X受容体(LXR)α(NR1H3)および/またはβ(NR1H2)の調節、ならびに心血管疾患、たとえばアテローム硬化症、炎症性疾患、アルツハイマー病、インスリン抵抗性関連または非関連の脂質障害(異脂肪血症)、2型糖尿病、および他のメタボリックシンドローム症状を含めた臨床状態の治療および/または予防におけるそれらの使用;療法におけるそれらの使用方法;ならびにそれらを含有する医薬組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定の新規な1-(置換アルキル)-3-アミノ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン誘導体;それらの化合物を製造する方法;核内ホルモン受容体である肝X受容体(LXR)α(NR1H3)および/またはβ(NR1H2)の調節、ならびに心血管疾患、たとえばアテローム硬化症、炎症性疾患、アルツハイマー病、インスリン抵抗性関連または非関連の脂質障害(異脂肪血症)、2型糖尿病、および他のメタボリックシンドローム症状を含めた臨床状態の治療および/または予防におけるそれらの使用;療法におけるそれらの使用方法;ならびにそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
多様な異脂肪血症として反映されるコレステロールおよび脂肪酸の恒常性の異常は、アテローム硬化症の原因であり、したがって心血管疾患(CVD)の原因となる。この疾患は先進国の主な健康問題のひとつであり、開発途上国の成人も同じ有病率に達しつつある。大部分の研究は、スタチン類が低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを25〜30%低下させ、冠動脈事象の相対リスクを約30%低下させることを示している。この有益な効果は重要であるが、処置したコホートのうち事実上70%は依然としてリスクが変わらない。このことから、効果的に処置できれば現在のCVD療法の結果を改善できるであろう他の共通の脂質代謝異常を同定するために、集中的な研究が促進された。
【0003】
核内ホルモン受容体LXRαおよびβは、オキシステロールを天然リガンドとして利用する。それらは、下記のものについてのコレステロールセンサーとして作用すると思われる:マクロファージからのコレステロール排出に必要なATP結合カセットトランスポーターA1(ABCA1)およびapoEなどの標的遺伝子、ならびにコレステロールエステルトランスフェラーゼタンパク質(CETP)およびリン脂質輸送タンパク質(PLTP)のように逆コレステロール輸送において高密度リポタンパク質(HDL)が機能するのに必要な遺伝子生成物。さらに、LXRは肝臓およびマクロファージにおいてリポタンパク質リパーゼをアップレギュレートする;これは、脂肪酸の取込みおよび超低密度リポタンパク質(VLDL)のリモデリングを刺激しうる機能である。肝臓においてLXRリガンドは、コレステロールの肝胆道分泌、すなわちABCG5およびABCG8により制御される経路を刺激すると思われる。同じコレステロールトランスポーターが、腸管細胞におけるコレステロール吸収を低下させ、したがって全身コレステロールバランスに影響を与えると思われる。これらのLXR刺激効果は、動物モデルでみられるその顕著な抗アテローム硬化特性を説明することができる。
【0004】
最近、合成LXRリガンドGW3965(Glaxo)およびT-0901317(Turarik)が脂肪給餌肥満症ラットにおいてグルコース耐性を高めることが報告され、これは肝グルコース新生の低下および脂肪細胞におけるグルコース取込み増加の結果であると解釈された;Lafitte BA et al. (Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 Apr 29;100(9):5419-24)。LXRの活性化は、肝臓と脂肪細胞におけるグルコース代謝の協調調節によりグルコース耐性を改善する。
【0005】
WO 00/21927にピロール-2,5-ジオン類が開示され、それらはGSK-3阻害薬であり、認知症(痴呆)、たとえばアルツハイマー病、躁うつ病および糖尿病の処置に有用であると主張されている。これらの化合物がLXR調節薬としての活性をもつことは示唆されていない。
【0006】
本明細書中で用いる用語”LXR調節薬”は、LXRαおよび/またはLXRβの生物活性を調節する小分子を意味する。より具体的には、そのようなLXR調節薬はLXRの生物活性を増強または阻害する。そのような調節薬がLXRの生物活性を部分的または完全に増強する場合、それはそれぞれ部分または完全LXRアゴニストである。本発明の目的は、LXR調節薬を提供することである。本発明の他の目的は、LXRアゴニストであるLXR調節化合物を提供することである。
【0007】
発明の説明
本発明の第1態様によれば、式Iの化合物:
【0008】
【化1】

【0009】
[式中:
R1は、下記のものから選択され:フェニル(1-4C)アルキル、これらにおいてフェニルは(1-4C)アルコキシカルボニルもしくは式NRaRbの基{RaおよびRbは、独立してHまたは(1-4C)アルキルを表わす}により置換されていてもよい;ヘテロアリール(1-4C)アルキル、これらにおいてヘテロアリールは(1-4C)アルキルもしくは式NRaRbの基{RaおよびRbは、独立してHまたは(1-4C)アルキルを表わす}により置換されていてもよい;または(1-4C)アルキル基、これらは1個以上の下記のものにより置換されていてもよい:フルオロ、(1-4C)アルコキシカルボニル、(1-3C)アルキルチオもしくは(1-3C)アルコキシ(1個以上のフルオロにより置換されていてもよい);
R2は、フェニルであり;
R3は、フェニル、インドリルまたはベンゾフラニルから選択され、これらはそれぞれ1個以上の下記のものにより置換されていてもよい:(1-3C)アルカノイル、(1-3C)アルコキシ(1個以上のフルオロにより置換されていてもよい)、(1-3C)アルキルチオ、または式NRaRbの基{RaおよびRbは独立してH、(1-3C)アルキルまたは(1-3C)アルカノイルを表わすか、あるいはRaおよびRbはそれらが結合している窒素原子と一緒にモルホリノを表わす}]
またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物が提供される。
【0010】
用語ヘテロアリールは、ピリジル、フリルまたはイソオキサゾリルを意味し、これらはそれぞれ1個以上の下記のものにより置換されていてもよい:(1-4C)アルキルもしくは式NRaRbの基{RaおよびRbは、独立してHまたは(1-4C)アルキルを表わす}。
【0011】
さらに、式Iの化合物中のR1、R2およびR3の意味を以下に示す。そのような意味を前記または後記の定義、特許請求の範囲または態様のいずれにおいても適宜使用できることは理解されるであろう。
【0012】
R1は、2-メトキシエチル、2-メチルチオエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3-メトキシプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、エトキシカルボニルメチル、4-N,N-ジメチルアミノベンジル、4-メトキシカルボニルベンジル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-フリルメチルまたは(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチルから選択される。
【0013】
R3は、フェニル、4-メトキシフェニル、4-メチルチオフェニル、4-モルホリノフェニル、4-アセチルアミノフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される。
【0014】
第1群の式Iの化合物において、
R1は、2-メトキシエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3-メトキシプロピル、エトキシカルボニルメチル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチルから選択され、
R2は、フェニルであり;
R3は、フェニル、4-メトキシフェニル、4-アセチルアミノフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは4-モルホリノフェニルから選択される。
【0015】
第2群の式Iの化合物において、
R1は、2-メトキシエチル、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-ピリジルメチルまたは2,2,2-トリフルオロエチルから選択され、
R2は、フェニルであり;
R3は、4-メトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニルまたは4-モルホリノフェニルから選択される。
【0016】
第3群の式Iの化合物において、
R1は、2,2,2-トリフルオロエチル、3-フリルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは3-ピリジルメチルから選択され、
R2は、フェニルであり;
R3は、4-メトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニル、4-モルホリノフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される。
【0017】
第4群の式Iの化合物において、
R1は、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは2-メトキシエチルから選択され、
R2は、フェニルであり;
R3は、4-モルホリノフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニルまたは4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される。
【0018】
第5群の式Iの化合物において、
R1は、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-フリルメチル、3-ピリジルメチル、2,2,2-トリフルオロエチルまたは2-メトキシエチルから選択され、
R2は、フェニルであり;
R3は、4-モルホリノフェニル、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される。
【0019】
式Iの化合物は、医薬としての有効性をもつ。式Iの化合物は、特にLXRアゴニストである。
本発明の具体的化合物は、下記のうち1以上である:
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
N-(4-{[2,5-ジヒドロ-1-(2-メトキシエチル)-2,5-ジオキソ-4-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アミノ}フェニル)-アセトアミド;
1-(2-メトキシエチル)-3-{[4(メチルチオ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-アニリノ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-(3メトキシプロピル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
4-({3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル}メチル)安息香酸メチル;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[2-(メチルチオ)エチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-(3-フリルメチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
{3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロル-1-イル}酢酸エチル;
3-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;および
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-H-ピロール-2,5-ジオン;
またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物。
【0020】
本発明の特定の化合物は互変異性体として存在する可能性がある。本発明はそのような互変異性体をすべて含むことを理解すべきである。
【0021】
製造方法
本発明化合物は、下記の概説に従って製造できる。ただし、本発明はこれらの方法に限定されない。本発明化合物は、構造関連化合物について先行技術に述べられたものに従って製造することもできる。これらの反応は標準法により、または実施例欄の記載に従って実施できる。
【0022】
式Iの化合物は、、式IIの化合物
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、R2およびR3は前記に定めたものである)と式IIIの化合物
R1OH
III
(式中、R1は前記に定めたものである)を、アゾジカルボン酸ジアルキル、たとえばアゾジカルボン酸ジエチル、およびホスフィン、たとえばトリフェニルホスフィンの存在下で、場合により不活性有機液体、たとえばテトラヒドロフランなどのエーテル類の存在下に、0〜200℃の温度で反応させることにより製造できる。
【0025】
式Iの化合物は、式IVの化合物
【0026】
【化3】

【0027】
(式中、R1およびR2は前記に定めたものであり、Yは脱離基、たとえばハロ、たとえばCl、BrまたはIである)と式Vの化合物
R3NH2
V
(式中、R3は前記に定めたものである)を、場合により不活性有機液体、たとえばジメチルホルムアミドの存在下で、場合により塩基、たとえば炭酸カリウムの存在下に、0〜250℃の温度で反応させることによっても製造できる。
【0028】
式IIの化合物は、式VIの化合物:
【0029】
【化4】

【0030】
(式中、R2は前記に定めたものであり、Yは脱離基、たとえばハロ、たとえばCl、BrまたはIである)と式Vの化合物
R3NH2
V
(式中、R3は前記に定めたものである)を、不活性有機液体、たとえばジメチルホルムアミドの存在下で、場合により塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下に、0〜250℃の温度で反応させることにより製造できる。
【0031】
式IIIおよびVの化合物は市販されているか、あるいは当業者に既知の方法により製造できる。
式IVの化合物は、式VIIの化合物
【0032】
【化5】

【0033】
(式中、R2は前記に定めたものであり、Yは脱離基、たとえばハロ、たとえばCl、BrまたはIである)と式VIIIの化合物
R1NH2
VIII
(式中、R1は前記に定めたものである)を、場合により不活性有機液体、たとえば氷酢酸の存在下に、0〜200℃の温度で反応させることにより製造できる。
【0034】
式IVの化合物は、式VIの化合物と式XIの化合物
R1L
XI
(式中、R1は前記に定めたものであり、Lは脱離基、たとえばハロ、たとえばCl、BrまたはIである)を、不活性有機液体、たとえばジメチルホルムアミドの存在下で、場合により塩基、たとえば炭酸カリウムの存在下に、-78〜200℃の温度で反応させることによっても製造できる。
【0035】
式VIの化合物は、式IXの化合物
【0036】
【化6】

【0037】
(式中、R2は前記に定めたものである)とハロゲン化剤、たとえば塩化オキサリルを、場合により不活性有機液体、たとえばジクロロメタンの存在下で、場合により触媒量のジメチルホルムアミドの存在下に、0〜200℃の温度で反応させることにより製造できる。
【0038】
式VIIの化合物は、式Xの化合物
【0039】
【化7】

【0040】
(式中、R2は前記に定めたものである)とハロゲン化剤、たとえば塩化チオニルを、場合により不活性有機液体、たとえばジクロロメタンの存在下で、場合により塩基、たとえばピリジンの存在下に、0〜200℃の温度で反応させることにより製造できる。
【0041】
式VIII、IX、XおよびXIの化合物は市販されているか、あるいは当業者に既知の方法により製造できる。
式IIおよびIVの特定の化合物は新規であると考えられ、式Iの化合物の製造に有用な中間体として特許請求する。
【0042】
本発明化合物はそれらの反応混合物から常法により単離できる。
本発明化合物を、別法で、場合によってはより簡便な方法で得るために、前記の各工程を異なる順序で実施でき、および/または各反応を全経路の異なる段階で実施できることは、当業者には自明であろう(すなわち、特定反応について前記に述べたものと異なる中間体について化学変換を実施できる)。
【0043】
”不活性有機液体”という表現は、目的生成物の収率に不都合な影響を与える様式で出発物質、試薬、中間体または生成物と反応することのない溶媒を表わす。
【0044】
医薬製剤
本発明化合物は、普通は、有効成分またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を含む、医薬的に許容できる剤形の製剤の形で、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下または他の注射法、口腔、直腸、膣、経皮および/または鼻腔経路で、および/または吸入により投与される。処置される障害および患者ならびに投与経路に応じて、本発明組成物を多様な用量で投与できる。
【0045】
ヒトの治療処置における本発明化合物の適切な1日量は、約0.0001〜100 mg/体重kg、好ましくは0.01〜10 mg/体重kgである。
経口配合物、特に錠剤またはカプセル剤が好ましく、これらは当業者に既知の方法により配合でき、約0.7〜700mg、たとえば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgの有効化合物量を供給する。
【0046】
本発明の他の態様によれば、本発明のいずれかの化合物またはその医薬的に許容できる誘導体を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合したものを含む、医薬配合物が提供される。
【0047】
薬理学的特性
式Iの化合物は、コレステロール恒常性の正常化、腸管コレステロール吸収の低下、コレステロール逆輸送の改善、HDL機能の改善、HDL-コレステロール濃度の上昇、LDL-コレステロール濃度の低下、apoB含有リポタンパク質のコレステロール含量の低下、血管細胞からのコレステロール排出の刺激、および/または血管細胞の炎症反応の軽減に有用である。これらの特性の結果、式Iの化合物は抗アテローム硬化作用をもつと期待される。
【0048】
式Iの化合物は、哺乳動物、特にヒトにおいて心血管疾患の予防または治療に有用である。式Iの化合物は、哺乳動物、特にヒトにおいてアテローム硬化症の予防または治療に有用である。心血管疾患には、アテローム硬化症、動脈硬化症、および心血管疾患のリスクを高める他の種類の異脂肪血症に関連する状態が含まれるが、これらに限定されない。特に、式Iの化合物は心血管疾患、殊にアテローム硬化症および高コレステロール血症を伴う疾患の治療または予防に有用である。
【0049】
式Iの化合物は、狭心症、跛行、血管性雑音などの臨床徴候を発現したアテローム硬化性疾患の患者、心筋梗塞もしくは一過性虚血性発作を発症したことがある患者、または血管造影法、断層撮影法もしくはMRIにより診断された患者において、脂質の蓄積を予防し、またはアテローム硬化斑もしくは黄色腫などの組織沈着物から脂質を除去するのにも使用できる。
【0050】
式Iの化合物は、アテローム硬化症を発症するリスクのある、または既にアテローム硬化性疾患を伴う哺乳動物、特にヒトに、適宜、予防または治療に有効な量の式Iの化合物を投与することにより、アテローム硬化症の発症を予防し、またはそのリスクを低下させ、またアテローム硬化性疾患が臨床顕性となっている場合にはその進行を停止もしくは遅延させるのにも使用できる。
【0051】
アテローム硬化症には、関連医療分野の専門医が認識および理解している血管疾患および血管状態が含まれる。アテローム硬化性心血管疾患、たとえば血管再生措置後の再狭窄、冠動脈性心疾患(冠動脈疾患または虚血性心疾患としても知られる)、脳血管疾患、たとえば多発梗塞性認知症、および末梢血管疾患、たとえば勃起機能不全は、すべてアテローム硬化症の臨床発現であり、したがって用語”アテローム硬化症”および”アテローム硬化性疾患”に含まれる。
【0052】
式Iの本発明化合物は、アテローム硬化症に関連する臨床状態、たとえば遺伝性または誘発性の高コレステロール血症、および遺伝性または誘発性のインスリン感受性低下(インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドロームとしても知られる)、および関連する代謝障害の予防および/または治療にも有用である。これらの臨床状態には、全身性肥満症、腹部肥満症、動脈性高血圧症、高インスリン血症、高血糖症、2型糖尿病、および特徴的にインスリン抵抗性を伴って発現する異脂肪血症が含まれるが、これらに限定されない。アテローム形成性リポタンパク質プロフィールとしても知られるこの異脂肪血症は、緻密なLDL小粒子(表現型B)の存在下で、非エステル化脂肪酸の中等度の増加、VLDLトリグリセリドに富む粒子の増加、高いapoB濃度、低いapoAI濃度に関連する低いHDL濃度を特色とする。
【0053】
式Iの化合物は、高脂血症と異脂肪血症(特に、他のメタボリックシンドローム発現を伴う、または伴わない低HDL濃度)が合併または混合した患者の処置に有用であると期待される。
【0054】
式Iの化合物による処置は、それらの異脂肪血症性および抗炎症性により、アテローム硬化症に関連する心血管疾患の罹患率および死亡率を低下させると期待される。心血管疾患には、心筋梗塞、うっ血性心不全、脳血管疾患の原因となる各種内臓の大血管障害、および下肢の末梢動脈不全が含まれる。式Iの化合物のインスリン増感効果は、メタボリックシンドロームおよび妊娠糖尿病からの2型糖尿病発症も予防または遅延させると期待される。したがって、糖尿病の慢性高血糖症に関連する長期合併症、たとえば腎疾患、腎傷害の原因となる大血管障害、および下肢の末梢血管疾患の発現が遅延すると期待される。
【0055】
式Iの化合物は、炎症および神経変性疾患または神経障害の予防または治療にも有用な可能性がある。したがって本発明は、CNSの炎症を予防または治療する方法、およびCNSのニューロン変性、ニューロン傷害、または可塑性損傷もしくは炎症を特色とする神経変性性の疾患または障害を予防または治療する方法をも提供する。ニューロンの変性および炎症を特色とする神経変性性の疾患または状態には、発作、アルツハイマー病、前頭側頭骨認知症(タウパシー(taupathies))、末梢神経障害、パーキンソン病、レーヴィ小体を伴う認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症および多発硬化症が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
式Iの化合物は、炎症性の状態または疾患の予防または治療にも有用である。これらの疾患または状態には、アテローム硬化性疾患、たとえば狭心症および心筋梗塞、ならびに炎症性腸疾患または状態、たとえばクローン病、潰瘍性大腸炎および遠位直腸炎が含まれるが、これらに限定されない。式Iの化合物はそのほか、肺の炎症状態、たとえば喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患および気管支炎性肺炎にも使用できる。
【0057】
さらに式Iの化合物は、心血管系以外のインスリン抵抗性関連または非関連の各種状態、たとえば多嚢胞卵巣症候群、肥満症および癌の処置にも有用な可能性がある。
本発明は、異脂肪血症、インスリン抵抗性症候群および/または代謝障害(前記に定めたもの)を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0058】
本発明は、2型糖尿病を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、心血管疾患を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0059】
本発明は、アテローム硬化症を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0060】
本発明は、高コレステロール血症を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0061】
本発明は、コレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明は、腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明は、HDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0064】
本発明は、LDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0065】
本発明は、炎症状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、アルツハイマー病を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0066】
本発明は、動脈硬化症を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、HDL機能を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含むを提供する。
【0067】
本発明は、高脂血症状態を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物(特にヒト)に有効量の式Iの化合物を投与することを含むを提供する。
他の態様において本発明は、医薬としての式Iの化合物の使用を提供する。
【0068】
他の態様において本発明は、異脂肪血症状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、インスリン抵抗性および/または代謝障害の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0069】
他の態様において本発明は、心血管疾患の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、アテローム性硬化症の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0070】
他の態様において本発明は、高コレステロール血症の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、コレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0071】
他の態様において本発明は、腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、HDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0072】
他の態様において本発明は、LDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、炎症状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0073】
他の態様において本発明は、アルツハイマー病の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、動脈硬化症の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0074】
他の態様において本発明は、2型糖尿病の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
他の態様において本発明は、HDL機能を改善する必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0075】
他の態様において本発明は、高脂血症状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0076】
併用療法
本発明化合物は、アテローム硬化症、たとえば高血圧症、高脂血症、異脂肪血症、糖尿病、炎症および肥満症の発症および進行に関連する状態または障害の処置に有用な他の療法薬と組み合わせることができる。本発明化合物は、LDL:HDL比を低下させる他の療法薬、またはLDL-コレステロールの循環濃度を低下させる薬剤と組み合わせることができる。糖尿病患者の場合、本発明化合物は微小血管障害に関連する合併症の処置に用いる療法薬とも組み合わせることができる。
【0077】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、コレステロール生合成阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。適切なコレステロール生合成阻害薬には、HMG CoAレダクターゼ阻害薬、スクアレン合成阻害薬およびスクアレンエポキシダーゼ阻害薬が含まれる。適切なスクアレン合成阻害薬はスクアレスタチン1(squalestatin 1)であり、適切なスクアレンエポキシダーゼ阻害薬はNB-598である。
【0078】
本発明のこの態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、HMG CoAレダクターゼ阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。適切なHMG CoAレダクターゼ阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグは、当技術分野で周知のスタチン類である。具体的なスタチン類は、アトルバスタチン(atorvastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ピタバスタチン(pitavastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、メバスタチン(mevastatin)、ニコスタチン(nicostatin)、ニバスタチン(nivastatin)、プラバスタチン(pravastatin)およびシンバスタチン(simvastatin)、あるいはその医薬的に許容できる塩、特にナトリウム塩もしくはカルシウム塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物またはプロドラッグである。スタチン類は、特にアトルバスタチンまたはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグである。さらに、スタチン類は特にアトルバスタチンカルシウム塩である。ただし、特に好ましいスタチン類はロスバスタチン(rosuvastatin)またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグである。好ましいスタチン類は、特にロスバスタチンカルシウム塩である。
【0079】
本明細書において、用語”コレステロール生合成阻害薬”には、HMG CoAレダクターゼ阻害薬、スクアレン合成阻害薬およびスクアレンエポキシダーゼ阻害薬の化学修飾体、たとえばエステル、プロドラッグ、および活性または不活性にかかわらず代謝産物も含まれる。
【0080】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、回腸胆汁酸輸送系の阻害薬(IBAT阻害薬)またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。IBAT阻害活性をもつ適切な化合物は記載されている;たとえば下記に記載の化合物を参照:WO 93/16055、WO 94/18183、WO 94/18184、WO 96/05188、WO 96 08484、WO 96/16051、WO 97/33882、WO 98/07449、WO 98/03818、WO 98/38182、WO 99/ 32478、WO 99/35135、WO 98/40375、WO 99/35153、WO 99/64409、WO 99/64410、WO 00/ 01687、WO 00/47568、WO 00/61568、WO 00/62810、WO 01/68906、DE 19825804、WO 00/ 38725、WO 00/38726、WO 00/38727、WO 00/38728、WO 00/38729、WO 01/68906、WO 01/ 66533、WO 02/32428、WO 02/50051、EP 864 582、EP 489 423、EP 549 967、EP 573 848、EP 624 593、EP 624 594、EP 624 595およびEP 624 596;これらの特許出願の内容を本明細書に援用する。
【0081】
IBAT阻害活性をもつ他の適切な化合物は、WO 94/24087、WO 98/56757、WO 00/20392、WO 00/20393、WO 00/20410、WO 00/20437、WO 01/34570、WO 00/35889、WO 01/68637、WO 02/08211、WO 03/020710、WO 03/022825、WO 03/022830、WO 03/022286、WO 03/091232、WO 03/106482、JP 10072371、US 5070103、EP 251 315、EP 417 725、EP 869 121、EP 1 070 703およびEP 597 107に記載されており、これらの特許出願の内容を本明細書に援用する。本発明に使用するのに適切なIBAT阻害薬の具体的なクラスは、ベンゾチアゼピン類であり、WO 00/01687、WO 96/08484およびWO 97/33882のクレーム、特にクレーム1に記載の化合物を本明細書に援用する。他の適切なクラスのIBAT阻害薬は、1,2-ベンゾチアゼピン類、1,4-ベンゾチアゼピン類および 1,5-ベンゾチアゼピン類である。他の適切なクラスのIBAT阻害薬は、1,2,5-ベンゾチアジアゼピン類である。
【0082】
IBAT阻害活性をもつ特に適切な化合物のひとつは、(3R,5R)-3-ブチル-3-エチル-1,1-ジオキシド-5-フェニル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-8-イル β-D-グルコピラノシドウロン酸(EP 864 582)である。IBAT阻害活性をもつ他の適切な化合物は、S-8921(EP 597 107)である。
【0083】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、コレステロール吸収アンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばアゼチジノン類、たとえばエゼトロール(ezetrol)(ゼチア(zetia)、エゼチミベ(ezetimibe))、およびUS 5,767,115(本明細書に援用する)に記載のものと共に投与することができる。コレステロール吸収アンタゴニスト活性をもつ適切な化合物は、WO 02/50027、WO 02/ 66464、WO 04/005247、WO 04/000803、WO 04/000804およびWO 04/000805に記載されており、これらを本明細書に援用する。
【0084】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、胆汁酸封鎖薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。適切な胆汁酸封鎖薬には、コレスチラミン(cholestyramine)、コレスチポール(cholestipol)および塩酸コセベラム(cosevelam hydrochloride)が含まれる。
【0085】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)調節薬と共に投与することができる。PPAR調節薬には、PPARαおよび/またはγおよび/またはδアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグが含まれるが、これらに限定されない。適切なPPARαおよび/またはγおよび/またはδアゴニストまたはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグは、当技術分野で周知である。これらには、WO 01/12187、WO 01/ 12612、WO 99/62870、WO 99/62872、WO 99/62871、WO 98/57941、WO 01/40170、WO 04/ 000790、WO 04/000295、WO 04/000294、WO 03/051822、WO 03/051821、WO 02/096863、WO 03/051826、WO 02/085844、WO 01/40172、J Med Chem, 1996, 39, 665、Expert Opinion on Therapeutic Patents, 10 (5), 623-634(特に634頁に挙げられた特許出願に記載の化合物)、およびJ Med Chem, 2000, 43, 527に記載の化合物が含まれる;これらすべてを本明細書に援用する。特に、PPARαおよび/またはγおよび/またはδアゴニストは下記のものを表わす:ムラグリタザール(muraglitazar)(BMS 298585)、リボグリタゾン(rivoglitazone)(CS-011)、ネトグリタゾン(netoglitazone)(MCC-555)、バラグリタゾン(balaglitazone)(DRF-2593、NN-2344)、クロフィブラート(clofibrate)、フェノフィブラート(fenofibrate)、ベザフィブラート(bezafibrate)、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、シプロフィブラート(ciprofibrate)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、AVE-0847、AVE-8134、CLX-0921、DRF-10945、DRF-4832、LY-518674、LY-818、LY-929、641597、GW-590735、GW-677954、GW-501516、MBX-102、ONO-5129、KRP-101、R-483 (BM131258)、TAK-559またはTAK-654。特に、PPARαおよび/またはγおよび/またはδアゴニストはテサグリタザール(tesaglitazar)((S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{4-メタンスルホニル-オキシフェニル}エトキシ)フェニル]プロパン酸)およびその医薬的に許容できる塩を表わす。
【0086】
本発明のさらに他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは核内受容体、たとえばレチノイドX受容体(RXR)調節薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。
【0087】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばWO 00/38725、7頁22行〜10頁17行(本明細書に援用する)に参照および記載されたものと共に投与することができる。
【0088】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、ミクロソーム輸送タンパク質(MTP)阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばインプリパチド(implipatide)ならびにWO 03/004020、WO 03/002533、WO 02/083658およびWO 00/242291(これらの特許出願の内容を本明細書に援用する)に記載のもの、またはScience, 282, 751-54, 1998(本明細書に援用する)に記載のものと共に投与することができる。
【0089】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、ニコチン酸誘導体またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。これには、徐放性製剤および組合わせ製剤、たとえばニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス(acipimox)、ニコフラノース(nicofuranose)、ニアスパン(NIASPAN、登録商標)およびニセリトール(niceritrol)が含まれる。
【0090】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、補酵素A:コレステロール O-アシルトランスフェラーゼ((ACAT)阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばCS-505、エフルシミベ(eflucimibe)(F-12511)およびSMP-797と共に投与することができる。
【0091】
本発明のさらに他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、核内受容体、たとえばファルネソイド(farnesoid)X受容体(FXR)またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。
【0092】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、フィトステロール化合物またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばスタノール類と共に投与することができる。
【0093】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、メタボリックシンドロームまたは2型糖尿病およびその関連合併症の処置のための他の療法薬と共に投与することができる。これらには、たとえばメトホルミン(metformin)、フェンホルミン(phenformin)およびブホルミン(buformin)、インスリン(合成インスリン類似体アミリン(amylin))、ならびに経口抗高血糖症薬(これらは食事グルコース調節薬およびα-グルコシダーゼ阻害薬に分類される)が含まれる。α-グルコシダーゼ阻害薬の例は、アカルボース(acarbose)またはボグリボース(voglibose)またはミグリトール(miglitol)である。食事グルコース調節薬の例は、レパグリニド(repaglinide)またはナテグリニド(nateglinide)である。
【0094】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、たとえば下記のスルホニル尿素と共に投与することができる:グリメピリド(glimepiride)、グリベンクラミド(glibenclamide)(グリブリド(glyburide))、グリクラジド(gliclazide)、グリピジド(glipizide)、グリキドン(gliquidone)、クロロプロパミド(chloropropamide)、トルブタミド(tolbutamide)、アセトヘキサミド(acetohexamide)、グリコピラミド(glycopyramide)、カルブタミド(carbutamide)、グリボヌリド(glibonuride)、グリソキセピド(glisoxepid)、グリブチアゾール(glybuthiazole)、グリブゾール(glibuzole)、グリヘキサミド(glyhexamide)、グリミジン(glymidine)、グリピナミド(glypinamide)、フェンブタミド(phenbutamide)、トルシラミド(tolcylamide)およびトラザミド(tolazamide)。好ましくは、スルホニル尿素はグリメピリドまたはグリベンクラミド(グリブリド)である。より好ましくは、スルホニル尿素はグリメピリドである。したがって本発明は、本発明化合物をこの節に記載した既存の療法薬1種類または2種類以上と共に投与することを含む。2型糖尿病およびその関連合併症の処置のための他の既存の療法薬の投与量は、当技術分野で既知であってFDAなどの規制当局が使用許可した量であり、FDAが刊行したOrange Bookに見ることができる。あるいは併用により生じる益の結果として、それより少量を使用できる。
【0095】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、たとえば下記の抗高血圧症化合物と共に投与することができる:アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断薬、αアドレナリン遮断薬、βアドレナリン遮断薬、混合α/βアドレナリン遮断薬、アドレナリン刺激薬、カルシウムチャンネル遮断薬、AT-1遮断薬、塩排泄利尿薬、利尿薬もしくは血管拡張薬、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ。式Iの化合物と併用できる具体的なACE阻害薬またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ(活性代謝産物を含む)には下記の化合物が含まれるが、これらに限定されない:アラセプリル(alacepril)、アラトリオプリル(alatriopril)、アンコベニン(ancovenin)、ベナゼプリル(benazepril)、塩酸ベナゼプリル、ベナゼプリラート(benazeprilat)、ベンゾイルカプトプリル(benzoylcaptopril)、カプトプリル(captopril)、カプトプリル-システイン、カプトプリル-グルタチオン、セラノプリル(ceranopril)、シラザプリル(cilazapril)、シラザプリラート(cilazaprilat)、デラプリル(delapril)、デラプリル-ジ酸、エナラプリル(enalapril)、エナラプリラート(enalaprilat)、エナプリル(enapril)、エピカトプリル(epicaptopril)、ホロキシミチン(foroxymithine)、ホスフェノプリル(fosfenopril)、ホセノプリル(fosenopril)、ホセノプリルナトリウム、ホシノプリル(fosinopril)、ホシノプリルナトリウム、ホシノプリラート(fosinoprilat)、ホシノプリル酸(fosinoprilic acid)、ヘモルフィン-4(hemorphin-4)、イミダプリル(imidapril)、インドラプリル(indolapril)、インドラプリラート(indolaprilat)、リシノプリル(lisinopril)、リシウミンA(lyciumin A)、リシウミンB、モエキシプリル(moexipril)、モエキシプリラート(moexiprilat)、ムラセインA(muracein A)、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル(pentopril)、ペリンドプリル(perindopril)、ペリンドプリラート(perindoprilat)、ピバロプリル(pivalopril)、ピボプリル(pivopril)、キナプリル(quinapril)、塩酸キナプリル、キナプリラート(quinaprilat)、ラミプリル(ramipril)、ラミプリラート(ramiprilat)、スピラプリル(spirapril)、塩酸スピラプリル、スピラプリラート(spiraprilat)、スピロプリル(spiropril)、塩酸スピロプリル、テモカプリル(temocapril)、塩酸テモカプリル、テプロチド(teprotide)、トランドラプリル(trandolapril)、トランドラプリラート(trandolaprilat)、ゾフェノプリル(zofenopril)およびゾフェノプリラート(zofenoprilat)。本発明に使用するのに好ましいACE阻害薬は、ラミプリル、ラミプリラート、リシノプリル、エナラプリルおよびエナラプリラートである。本発明に使用するのに、より好ましいACE阻害薬は、ラミプリル、ラミプリラートである。本発明に使用するための好ましいアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、その医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、またはプロドラッグには下記の化合物が含まれるが、これらに限定されない:カンデサルタン(candesartan)、カンデサルタンシレキセチル(candesartan cilexetil)、ロサルタン(losartan)、バルサルタン(valsartan)、イルベサルタン(irbesartan)、テルミサルタン(telmisartan)、エプロサルタン(eprosartan)。本発明に使用するための特に好ましいアンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその医薬的に許容できる誘導体は、カンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチルである。
【0096】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、たとえば下記の抗肥満症化合物またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる:膵リパーゼ阻害薬、たとえばオルリスタト(orlistat)(EP 129,748)、あるいは食欲(満腹感)制御物質、たとえばシブトラミン(sibutramine)(GB 2,184,122およびUS 4,929,629)、カンナビノイド1 (CB1)アンタゴニストもしくは逆アゴニスト、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばリモナバント(rimonabant)(EP 656354 )およびWO 01/70700に記載のもの、あるいはメラニン凝集ホルモン(MCH)アンタゴニストまたはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばWO 04/004726に記載のもの。
【0097】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、抗炎症薬、たとえばグルココルチコイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)もしくは腸管抗炎症薬、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと共に投与することができる。適切なグルココルチコイドには、ベタメタゾン(betametason)、デキサメタゾン(dexametason)、メチルプレドニソロン(methyl prednisolon)、プレドニソロン(prednisolon)、プレドニソン(prednison)、トリアムシノロン(triamcinolon)、ヒドロコルチゾン(hydrocortison)、コルチゾン(cortison)およびブデトニド(budesonid)が含まれるが、これらに限定されない。適切な非ステロイド系抗炎症薬には、インドメタシン(indometacin)、ジクロフェナク(diclofenac)、イブプロフェン(ibuprofen)およびアセチルサリチル酸が含まれるが、これらに限定されない。適切な腸管抗炎症薬には、アミノサリチレート、たとえばスルファサラジン(sulfasalazin)、メサラジン(mesalazin)、オルサラジン(olsalazin)およびバルサラジド(balsalazid)が含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、コリンエステラーゼ阻害薬またはN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ、たとえばドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmin)またはガランタミン(galantamin)またはメマンチン(memantin)と共に投与することができる。
【0099】
したがって本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて代謝障害を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0100】
したがって本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて2型糖尿病およびその関連合併症を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0101】
したがって本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて高脂血症状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0102】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて異脂肪血症を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0103】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてインスリン抵抗性症候群を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0104】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて心血管疾患を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0105】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてアテローム硬化症を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0106】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて高コレステロール血症を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0107】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてコレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0108】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0109】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてHDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0110】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてLDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0111】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて炎症状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0112】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてアルツハイマー病を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0113】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて動脈硬化症を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0114】
本発明の他の態様においては、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいてHDL機能を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグと、同時、逐次または別個に動物に投与することを含む方法を提供する。
【0115】
本発明の他の態様によれば、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグを、医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に含む、医薬組成物が提供される。
【0116】
本発明の他の態様によれば、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む、キットが提供される。
【0117】
本発明の他の態様によれば、下記のものを含むキットが提供される:
a)第1単位剤形の、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物;
b)第2単位剤形の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ;ならびに
c)第1単位剤形および第2単位剤形を収容するための容器部材。
【0118】
本発明の他の態様によれば、下記のものを含むキットが提供される:
a)第1単位剤形の、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤー;
b)第2単位剤形の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ;ならびに
c)第1単位剤形および第2単位剤形を収容するための容器部材。
【0119】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて代謝障害およびその合併症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0120】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてメタボリックシンドロームまたは2型糖尿病およびその合併症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0121】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて異脂肪血症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0122】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて高脂血症状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0123】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて心血管疾患を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0124】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてアテローム硬化症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0125】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて高コレステロール血症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0126】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてコレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0127】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0128】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてHDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0129】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてLDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0130】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて炎症状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0131】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてアルツハイマー病を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0132】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて動脈硬化症を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0133】
本発明の他の態様によれば、温血動物、たとえばヒトにおいてHDL機能を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防するための医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物、および本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0134】
本発明の他の態様によれば、有効量の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物(場合により医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に)を、有効量の、本明細書の併用療法の項に記載した他のいずれかの化合物、またはその医薬的に許容できる塩、溶媒和物、該塩の溶媒和物、もしくはプロドラッグ(場合により医薬的に許容できる希釈剤またはキャリヤーと共に)と、同時、逐次または別個に、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトに投与することを含む、併用療法を提供する。
【0135】
実施例
略号
DMF N,N'-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC-MS 液体クロマトグラフィー-質量分析
NMR 核磁気共鳴
THF テトラヒドロフラン
UV 紫外線
rt 室温
min. 分
b 幅広い
bs 幅広い一重線
d 二重線
dd 二重の二重線
m 多重線
s 一重線
t 三重線
【0136】
全般的な実験法
フラッシュクロマトグラフィーには、標準相シリカゲル60 (0.040〜0.063 mm, Merck)またはIST Isolute(登録商標)SPEカラム標準相シリカゲルを用いた。精製は、ACE C8 5 mmの250 mm x 20 mmカラムを備えたUVトリガー式フラクションコレクター付きGilson調製用HPLCシステム、またはKromasil C8 10 mmの250 mm x 21.2 mmカラムを備えたWaters調製用HPLCシステム、またはACE C8 5 mmの250 mm x 50 mmカラムもしくはACE C8 5 mmの250 mm x 20 mmカラムを備えたWaters調製用HPLCシステム、またはACE C8 5mmの100 mm x 21.2 mmカラムを備えた質量トリガー式フラクションコレクター付きWaters FractionLynx HPLCシステムにより行われた。1H NMRスペクトルは、内部X-コイル付きの5 mm切換え式プローブを備えた9.3 Tで作動するVarian Unity Plus, 400 MHzにより、CDCl3 [残留CHCl3H7.23 ppm)を内標準として]、CH3CN-d3 [残留CH3CN (δH1.94 ppm)を内標準として]、またはDMSO-d6 [残留DMSO H 2.50 ppm)を内標準として]中の溶液について、300Kで得られた。化学シフトをppmで示す。マイクロ波加熱は、Smith Creator(Personal Chemistryから、スウェーデン、ウプサラ)で単一ノード加熱により行われた。
【0137】
出発物質および中間体の合成
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン
無水フェニルマレイン酸(5.74 mmol, 1.0 g)の、塩化チオニル(6.0 mL)中における氷冷溶液に、ピリジン(11.4 mmol, 0.9 g)を滴加した。反応混合物を0℃で60分間撹拌し、続いて75℃で20分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、塩化チオニルを真空中で除去した。粗製残留物をトルエン(10mL)に懸濁し、10分間還流し、続いて高温混合物を濾過した。濾液を濃縮して、1.15 g (96%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.05 -8.00 (m, 2H), 7.59-7.51 (m, 3H)。
【0138】
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(0.20 mmol, 42 mg)および2-メトキシエチルアミン(0.20 mmol, 15 mg)の、氷酢酸(1mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに使用した。
【0139】
3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(1.00 mmol, 209 mg)および3-(アミノメチル)ピリジン(1.00 mmol, 26 mg)の、氷酢酸(4mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに使用した。
【0140】
3-クロロ-1-[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(0.20 mmol, 42 mg)および4-ジメチルアミノベンジルアミン・ジ塩酸塩(0.20 mmol, 45 mg)の、氷酢酸(1mL)中における溶液に、トリエチルアミン(0.40 mmol)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製した。
【0141】
3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(0.20 mmol, 42 mg)および2-アミノメチルピリジン(0.20 mmol, 22 mg)の、氷酢酸(1mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに使用した。
【0142】
3-クロロ-1-(3-メトキシプロピル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(0.20 mmol, 42 mg)および1-アミノ-3-メトキシプロパン(0.20 mmol, 18 mg)の、氷酢酸(1mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに使用した。
【0143】
4-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]安息香酸メチル
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(0.24 mmol, 50 mg)および4-(アミノメチル)安息香酸メチル(0.24 mmol, 40 mg)の、氷酢酸(1mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を精製せずに使用した。
【0144】
3-クロロ-1-[2-(メチルチオ)エチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニルフラン-2,5-ジオン(1.00 mmol, 209 mg)および硫化2-アミノエチルメチル(1.00 mmol, 91 mg)の、氷酢酸(2mL)中における溶液を、マイクロ波反応器内で120℃に2分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を水とCH2Cl2の間で分配した。有機相を蒸発させ、粗生成物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、152 mg (54%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.97-7.90 (m, 2H), 7.53-7.47 (m, 3H), 3.86 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.78 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.16 (s, 3H)。
【0145】
3-ヒドロキシ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
文献法に従って製造した:C. S. Rooney, et al; J. Med. Chem., Vol. 26 (1983) pp 700-714。
【0146】
3-クロロ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-ヒドロキシ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(25.0 g, 0.13 mol)の、ジクロロメタン(600mL)中における懸濁液に、窒素下でDMF(36mL)を添加した。懸濁液を氷温に冷却し、塩化オキサリル(40.0 g, 0.32 mol)で処理した。次いで反応混合物を一夜還流した。室温に冷却した後、シリカゲルを添加し、反応混合物を蒸発乾固し、フラッシュクロマトグラフィー処理した(ヘキサン: EtOAc 80:20)。ジクロロメタンで摩砕処理し、濾過し、乾燥させて、17.6 g (64%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.96-7.89 (m, 2H), 7.88-7.77 (bs, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H)。
【0147】
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(4.84 mmol, 1.0 g)の、乾燥DMF(5mL)中における溶液に、4-メトキシアニリン(4.87 mmol, 600 mg)を添加し、反応混合物を単一ノード150℃で15分間、続いて150℃で10分間、マイクロ波加熱した。溶媒を蒸発させ、粗製混合物をジクロロメタンと水の間で分配した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、残留物をSiO2上で精製して(ヘプタン: EtOAc, 3:1 → 2:1)、457 mg (32%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ 10.62 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 7.09-6.99 (m, 3H), 6.87-6.83 (m, 2H), 6.65-6.60 (m, 2H), 6.52-6.47 (m, 2H), 3.58 (s, 3H)。
【0148】
3-フェニル-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(2.00 mmol, 415 mg)、4-ジフルオロメトキシアニリン(2.00 mmol, 354 mg)およびトリエチルアミン(2.00 mmol, 202 mg)を、DMF(5mL)に溶解した。混合物を70℃で20時間撹拌した。冷却後、反応混合物を濾過し、HPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、320 mg (46%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.22 (bs, 1H), 7.22-7.09 (m, 3H), 7.02-6.97 (m, 2H), 6.91-6.85 (m, 2H), 6.69-6.63 (m, 2H)。
【0149】
[5-(ブロモメチル)ピリジン-2-イル]カルバミン酸t-ブチル
文献法に従って製造した:WO 0066557, Linschoten, M. et al, Astrazeneca AB, 2000年11月9日。
【0150】
{5-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}カルバミン酸t-ブチル
3-クロロ-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(1.55 g, 7.47 mmol)を、窒素雰囲気下でDMF(25 mL)に溶解し、氷浴で冷却した。[5-(ブロモメチル)ピリジン-2-イル]カルバミン酸t-ブチル(2.14 g, 7.46 mmol)、続いて無水炭酸カリウム(1.03 g, 7.47 mmol)を添加し、混合物を1.5時間撹拌した後、冷却浴を取り除いた。混合物をさらに2時間撹拌し、次いで1% HClで中和した。水(100mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (50 mL, 3回)で抽出した。抽出液を合わせて水(100 mL, 2回)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物(3.41 g)をさらに精製せずに使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 8.32 (d, J=2 Hz, 1H), 7.92-7.89 (m, 3H), 7.83 (bs, 1H), 7.72 (dd, J=9, 2 Hz, 1H), 7.49-7.47 (m, 3H), 4.71 (s, 2H), 1.52 (s, 9H)。
【0151】
実施例
実施例1
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.20 mmol, 53 mg)および4-メトキシアニリン(0.48 mmol, 59 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、15 mg (21%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.27 (bs, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.61-6.50 (m, 4H), 3.80 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.62 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.36 (s, 3H)。
【0152】
実施例2
3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.13 mmol, 36 mg)および4-ジフルオロメトキシアニリン(0.28 mmol, 45 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に20分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、13 mg (24%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.25 (bs, 1H), 7.19-7.08 (m, 3H), 7.02-6.97 (m, 2H), 6.81-6.75 (m, 2H), 6.66-6.60 (m, 2H), 6.36 (t, J=74.0 Hz, 1H), 3.83 (t, J=5.7 Hz, 2H), 3.63 (t, J=5.7 Hz, 2H), 3.38 (s, 3H)。
【0153】
実施例3
N-(4-{[2,5-ジヒドロ-1-(2-メトキシエチル)-2,5-ジオキソ-4-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アミノ}フェニル)-アセトアミド
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.26 mmol, 70 mg)および4-アミノアセトアニリド(0.53 mmol, 79 mg)を、乾燥CH3CN (2 mL)に溶解し、反応混合物を単一ノード140℃に10分間、2回、マイクロ波加熱した。0.3mLの水を添加し、反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、45 mg (45%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 8.17 (bs, 1H), 7.78 (bs, 1H), 7.24-7.09 (m, 5H), 7.04-7.00 (m, 2H), 6.73-6.68 (m, 2H), 3.73 (t, J=5.7 Hz, 2H), 3.59 (t, J=5.7 Hz, 2H), 3.33 (s, 3H), 2.01 (s, 3H)。
【0154】
実施例4
1-(2-メトキシエチル)-3-{[4-(メチルチオ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.26 mmol, 70 mg)および4-(メチルチオ)アニリン(0.53 mmol, 73 mg)を、乾燥CH3CN (2 mL)に溶解し、反応混合物を単一ノード140℃に10分間、140℃に10分間、および140℃に20分間、逐次マイクロ波加熱した。0.3mLの水を添加し、反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、49 mg (50%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 7.22 (bs, 1H), 7.19-7.10 (m, 3H), 7.06-7.00 (m, 2H), 6.95-6.90 (m, 2H), 6.58-6.53 (m, 2H), 3.82 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.63 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.38 (s, 3H), 2.38 (s, 3H)。
【0155】
実施例5
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.26 mmol, 70 mg)および1-(5-アミノベンゾ[b]フラン-2-イル)エタン-1-オン(0.53 mmol, 92 mg)を、乾燥CH3CN (2 mL)に溶解し、反応混合物を単一ノード150℃に15分間のマイクロ波加熱し、SiO2上で精製して(EtOAc: ヘプタン 1:1)、18 mg (15%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.53 (bs, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.24-7.09 (m, 5H), 7.06 (dd, 1H), 6.92 (d, 1H), 3.98 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.78 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.52 (s, 3H), 2.69 (s, 3H)。
【0156】
実施例6
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.26 mmol, 70 mg)および4-モルホリノアニリン(0.53 mmol, 94 mg)を、乾燥CH3CN (2 mL)に溶解し、反応混合物を単一ノード130℃に10分間のマイクロ波加熱し、SiO2上で精製して(EtOAc: ヘプタン 1:1)、96 mg (89%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 7.73 (bs, 1H), 7.17-7.04 (m, 3H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.70-6.64 (m, 2H), 6.59-6.54 (m, 2H), 3.75-3.70 (m, 6H), 3.58 (t, J=5.6 Hz, 2H), 3.33 (s, 3H), 2.98-2.95 (m, 4H)。
【0157】
実施例7
3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
乾燥CH3CN (2 mL)に溶解した4-モルホリノアニリン(0.94 mmol, 178 mg)を、粗製3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.47 mmol, 140 mg)に添加し、反応混合物を単一ノード130℃に10分間のマイクロ波加熱した。0.3mLの水を添加し、反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、56 mg (27%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 8.63 (d, 1H), 8.51 (dd, 1H), 7.81-7.73 (m, 1H), 7.36-7.31 (m, 1H), 7.16-7.11 (m,1H), 7.10-7.04 (m, 2H), 6.99-6.93 (m, 2H), 6.69-6.64 (m, 2H), 6.59-6.53 (m, 2H), 4.75 (s, 2H), 3.74 (t, J=4.8 Hz, 4H), 2.97 (t, J=4.8 Hz, 4H)。
【0158】
実施例8
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
乾燥CH3CN (2 mL)に溶解した1-(5-アミノベンゾ[b]フラン-2-イル)エタン-1-オン(0.94 mmol, 164 mg)を、粗製3-クロロ-4-フェニル-1-(2-メトキシエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.47 mmol, 140 mg)に添加し、反応混合物を単一ノード130℃に10分間のマイクロ波加熱した。0.3mLの水を添加し、反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、15 mg (7%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 8.64 (d, 1H), 8.52 (dd, 1H), 8.01 (bs, 1H), 7.80-7.75 (m, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.31-7.23 (m, 2H), 7.08-6.93 (m, 7H), 4.77 (s, 2H), 2.50 (s, 3H)。
【0159】
実施例9
3-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン
乾燥CH3CN (2 mL)に溶解した4-(トリフルオロメトキシ)アニリン(0.94 mmol, 177 mg)を、粗製3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.47 mmol, 140 mg)に添加し、反応混合物を単一ノード140℃に20分間、140℃に120分間、および140℃に120分間、逐次マイクロ波加熱した。0.3mLの水を添加し、反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、92 mg (45%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 8.63 (d, 1H), 8.52 (dd, 1H), 7.95 (bs, 1H), 7.80-7.74 (m, 1H), 7.37-7.32 (m, 1H), 7.19-7.08 (m, 3H), 7.01-6.95 (m, 2H), 6.94-6.88 (m, 2H), 6.84-7.78 (m, 2H), 4.77 (s, 2H)。
【0160】
実施例10
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.50 mmol, 149 mg)の、DMF(1 mL)中における溶液に、4-メトキシアニリン(1.10 mmol, 135 mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、77 mg (40%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.71 (d, J=1.8 Hz, 1H), 8.54 (dd, J1=4.7 Hz, J2=1.6 Hz, 1H), 7.80-7.75 (m, 1H), 7.35 (bs, 1H), 7.26 (dd, J1=7.8 Hz, J2=4.7 Hz, 1H), 7.15-7.05 (m, 3H), 6.98-6.94 (m, 2H), 6.62-6.50 (m, 4H), 4.78 (s, 2H), 3.68 (s, 3H)。
【0161】
実施例11
3-アニリノ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.25 mmol, 75 mg)の、DMF(0.5 mL)中における溶液に、アニリン(0.55 mmol, 51 mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、38 mg (43%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.72 (bs, 1H), 8.54 (d, br, 1H), 7.79-7.75 (m, 1H), 7.47 (bs, 1H), 7.29-7.23 (m, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 7.04-6.93 (m, 5H), 6.66-6.60 (m, 2H), 4.79 (s, 2H)。
【0162】
実施例12
3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
乾燥CH3CN (2.3 mL)に溶解した4-(ジフルオロメトキシ)アニリン(0.94 mmol, 149 mg)を、粗製3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.39 mmol, 115 mg)に添加し、反応混合物を単一ノード140℃に1時間のマイクロ波加熱した。反応混合物をHPLC (57% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 43% CH3CN → 100% CH3CN, 20 mL/分)により精製して、122 mg (75%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3CN)δ 8.63 (d, 1H), 8.51 (dd,1H), 7.92 (bs, 1H), 7.79-7.74 (m, 1H), 7.34 (dd, 1H), 7.20-7.07 (m, 3H), 7.00-6.94 (m, 2H), 6.78 (s, 4H), 6.59 (t, J=74.1 Hz, 1H), 4.76 (s, 2H)。
【0163】
実施例13
1-[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.20 mmol, 68 mg)および4-メトキシアニリン(0.48 mmol, 59 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、11 mg (13%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.38-7.34 (m, 2H), 7.15 (bs, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 6.97 (m, 2H), 6.70 (d, 2H), 6.60-6.51 (m, 4H), 4.67 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 2.93 (s, 6H)。
【0164】
実施例14
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.50 mmol, 147 mg)、4-ヒドロキシメチルピリジン(0.75 mmol, 82 mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.75 mmol, 131 mg)およびトリフェニルホスフィン(0.75 mmol, 197 mg)の、乾燥THF(2 mL)中における混合物を、マイクロ波反応器内で120℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、56 mg (29%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.59 (bs, 2H), 7.35-7.29 (m, br, 2H), 7.25 (s, br, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.63-6.53 (m, 4H), 4.77 (s, 2H), 3.70 (s, 3H)。
【0165】
実施例15
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-4-フェニル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(2.39 mmol, 714 mg)および4-メトキシアニリン(5.26 mmol, 648 mg)を、DMF(4 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、710 mg (77%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): 8.60-8.57 (m, 1H), 7.71-7.65 (m, 1H), 7.36-7.30 (m, 1H), 7.24 (bs, 1H), 7.23-7.19 (m, 1H), 7.13-7.05 (m, 3H), 7.04-6.99 (m, 2H), 6.64-6.53 (m, 4H), 4.95 (s, 2H), 3.70 (s, 3H)。
【0166】
実施例16
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-(3-メトキシプロピル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-(3-メトキシプロピル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.20 mmol, 56 mg)および4-メトキシアニリン(0.48 mmol, 59 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、11 mg (15%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.17 (bs, 1H), 7.14-7.05 (m, 3H), 7.01-6.95 (m, 2H), 6.63-6.52 (m, 4H), 3.71 (t, J=7.0 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.45 (t, J=6.2 Hz, 2H), 3.34 (s, 3H), 1.94 (m, 2H)。
【0167】
実施例17
4-({3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル}メチル)安息香酸メチル
4-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]安息香酸メチル(0.24 mmol, 85 mg)、4-メトキシアニリン(0.26 mmol, 33 mg)およびトリエチルアミン(0.29 mmol, 29 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に5分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、32 mg (30%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.03-7.99 (m, 2H), 7.52-7.46 (m, 2H), 7.21 (bs, 1H), 7.16-7.05 (m, 3H), 7.01-6.95 (m, 2H), 6.62-6.52 (m, 4H), 4.81 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.69 (s, 3H)。
【0168】
実施例18
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[2-(メチルチオ)エチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-クロロ-1-[2-(メチルチオ)エチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.40 mmol, 113 mg)および4-メトキシアニリン(0.88 mmol, 109 mg)を、DMF(1 mL)に溶解した。混合物をマイクロ波反応器内で150℃に10分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を水とCH2Cl2の間で分配した。有機相を蒸発させ、プレパック-シリカカラムを用いるフラッシュクロマトグラフィーより精製した。目的生成物をヘプタン/EtOAc 2:1で溶離した。収量118 mg (80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.26 (bs, 1H), 7.15-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.63-6.52 (m, 4H), 3.83 (t, J=7.0 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 2.79 (t, J=7.0 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H)。
【0169】
実施例19
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.17 mmol, 50 mg)、3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール(0.19 mmol, 21 mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.19 mmol, 33 mg) の、乾燥THF(1 mL)中における溶液に、乾燥THF(1 mL)中のトリフェニルホスフィン(0.19 mmol, 49 mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で130℃に6分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、51 mg (77%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.27 (bs, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 7.00-6.95 (m, 2H), 6.64-6.55 (m, 4H), 3.89 (t, J=7.3 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H), 2.61-2.48 (m, 2H)。
【0170】
実施例20
1-(3-フリルメチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.17 mmol, 50 mg)、3-フランメタノール(0.19 mmol, 18 mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.19 mmol, 33 mg) の、乾燥THF(1 mL)中における溶液に、乾燥THF(1 mL)中のトリフェニルホスフィン(0.19 mmol, 49 mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で130℃に6分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、17 mg (27%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.61 (bs, 1H), 7.35 (bs, 1H), 7.16 (bs, 1H), 7.15-7.05 (m, 3H), 7.00-6.95 (m, 2H), 6.62-6.51 (m, 4H), 6.48 (bs, 1H), 4.63 (s, 2H), 3.69 (s, 3H)。
【0171】
実施例21
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(2.11 mmol, 620 mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(2.11 mmol, 367 mg)およびトリフェニルホスフィン(2.11 mmol, 553 mg) の、乾燥THF(2 mL)中における溶液を、密閉反応器内で調製した。2,2,2-トリフルオロエタノール(2.11 mmol, 211 mg)を添加した。混合物を40℃で19時間撹拌した。若干のトリフェニルホスフィンオキシドが沈殿するまで、アセトニトリルを添加した。反応混合物を濾過し、HPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、260 mg (33%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.30 (bs, 1H), 7.18-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.64-6.52 (m, 4H), 4.23 (q, J=8.8 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H)。
【0172】
実施例22
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.17 mmol, 50 mg)、5-メチルイソオキサゾール-3-メタノール(0.19 mmol, 21 mg)およびアゾジカルボン酸ジエチル(0.19 mmol, 33 mg) の、乾燥THF(1 mL)中における溶液に、乾燥THF(1 mL)中のトリフェニルホスフィン(0.19 mmol, 49 mg)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で130℃に6分間加熱した。冷却後、反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、14 mg (21%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.23 (bs, 1H), 7.16-7.06 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.63-6.53 (m, 4H), 6.03 (d, J=0.7 Hz, 1H), 4.82 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 2.39 (d, J=0.7 Hz, 3H)。
【0173】
実施例23
{3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロル-1-イル}酢酸エチル
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.34 mmol, 100 mg)の、乾燥THF(1.0 mL)中における溶液に、N2雰囲気下に室温で、グリコール酸エチル(0.34 mmol, 35 mg)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、トリブチルホスフィン(0.17 mmol, 34 mg)、続いて1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン(0.36 mmol, 84 mg)を添加した。0℃で10分間撹拌した後、反応混合物を室温にし、撹拌を26時間続けた。反応混合物をCH3CN:水 1:1 (2mL)で希釈し、HPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN, 38.5分間, 25 mL/分)により精製して、53 mg (41%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.22-7.17 (bs, 1H), 7.15-7.05 (m, 3H), 7.01-6.96 (m, 2H), 6.63-6.52 (m, 4H), 4.36 (s, 2H), 4.24 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.30 (t, J=7.1 Hz, 3H)。
【0174】
実施例24
3-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン
3-フェニル-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.63 mmol, 220 mg)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.70 mmol, 121 mg)およびトリフェニルホスフィン(0.70 mmol, 182 mg)の、乾燥THF(4 mL)中における混合物を、密閉反応器内で調製した。2,2,2-トリフルオロエタノール(0.70 mmol, 70 mg)を添加した。混合物をまず室温で3日間、次いで40℃で2時間、最後に100℃で30分間、マイクロ波反応器内で撹拌した。反応混合物を濾過し、HPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、7 mg (3%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.45 (s, br, 1H), 7.22-7.09 (m, 3H), 7.02-6.97 (m, 2H), 6.92-6.84 (m, 2H), 6.70-6.65 (m, 2H), 4.24 (q, J=8.6 Hz, 2H)。
【0175】
実施例25
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
{5-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}カルバミン酸t-ブチル(0.86 mmol, 357 mg)の、乾燥DMF(1.0 mL)中における溶液に、4-メトキシアニリン(0.96 mmol, 118 mg)および無水炭酸カリウム(0.96 mmol, 133 mg)を添加し、反応混合物を単一ノード150℃に15分間のマイクロ波加熱した。反応混合物をHPLC (95% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 5% CH3CN → 5% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 95% CH3CN, 10分間, 25 mL/分)により精製して、102 mg (29%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.03 (s, 1H), 7.62 (dd, J=8.6 Hz, J=2.3 Hz, 1H), 7.21 (bs, 1H), 7.15-7.04 (m, 3H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.62-6.49 (m, 5H), 4.62 (s, 2H), 3.69 (s, 3H)。
【0176】
実施例26
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
{5-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}カルバミン酸t-ブチル(0.70 g, 1.7 mmol)および4-(ジフルオロメトキシ)-アニリン(0.54 g, 3.4 mmol)の、DMF(4 mL)中における混合物を、マイクロ波反応器内で150℃に8分間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物をカラム(Isolute(登録商標) SI, 10g/70 mL)でCH2Cl2、次いでCH3OH/ CH2Cl2(1:99、2:98、次いで5:95)を溶離剤として用いて精製して、0.4 g (54%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 7.99 (bs, 1H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.14-7.04 (m, 3H), 6.91 (d, J =8 Hz, 2H), 6.78 (d, J=8 Hz, 1H), 6.72 (d, J=9 Hz, 2H), 6.63 (d, J=9 Hz, 2H), 6.33 (t, J=74 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H)。
【0177】
実施例27
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン
{5-[(3-クロロ-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル]ピリジン-2-イル}カルバミン酸t-ブチル(0.85 g, 2.06 mmol)および4-モルホリノアニリン(0.73 g, 4.12 mmol)の、DMF(4 mL)中における混合物を、マイクロ波反応器内で150℃に10分間加熱した。調製用HPLC (C18, 50×250mm, 60% 0.1M酢酸アンモニウム緩衝液: 40% CH3CN → 100% CH3CN)により精製して、0.39 g (42%)の表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ 8.14 (bs, 1H), 7.55 (dd, J= 8, 2 Hz, 1H), 7.28-7.23 (br, 1H), 7.13-7.04 (m, 3H), 6.95 (dd, J = 8, 2 Hz, 2H), 6.57-6.51 (m, 4H), 6.44 (d, J= 8 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.62-4.53 (br, 2H), 3.81-3.79 (m, 4H), 3.01-2.98 (m, 4H)。
【0178】
生物活性
コアクチベーター補充現象アッセイ
ヒトLXRαのリガンド結合ドメイン(LBD)(アミノ酸205〜447)およびヒトLXRβのリガンド結合ドメイン(アミノ酸216〜461)を、大腸菌(E coli)における組換え法により製造した。ヒトステロイド受容体コアクチベーター-1(Steroid Receptor Co-Activator-1)(SRC-1)のフラグメントを合成ペプチドとして製造した。LXR--LBD上のHis-タグを認識するためにユーロピウム(Eu3+)と結合した抗-6His-抗体を使用し、ビオチニル化SRC-1を認識するためにストレプトアビジンに結合したアロフィコシアニン(APC)を使用した。LXRαまたはLXRβにアゴニストが結合すると、SRC-1に対するLXRの親和性が増強し、これによりEu3+とAPCが近接する。Eu3+は337 nmで励起され、620 nmで発光する。この発光により、APCが近接していると励起されて665 nmで発光する。
【0179】
DMSO中の化合物を含む希釈プレートを、DMSO濃度を0.5〜13.5 μlに低下させるために、さらに緩衝液{20mMの[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン] pH 7.5, 0.125%のCHAPS {3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート}, 2mMのDTT (ジチオトレイトール)および0.05%のBSA (ウシ血清アルブミン)}中に希釈した。これに、6 μlのアッセイミックスを添加し、プレート(384-ウェルV-溝プレート)を室温で60〜80分間インキュベートした。アッセイミックスは下記の最終濃度をもつ;LXRαミックス:0.06 μg/mLのEu-標識した抗-6xHis-抗体、1.15μg/mLのストレプトアビジンAPC、30 nMのSRC-1ペプチド、および0.9 μg//mLの緩衝液中LXRα、ならびにLXRβミックス:0.06 μg/mLのEu-標識した抗-6xHis-抗体、1.15μg/mLのストレプトアビジンAPC、90 nMのSRC-1ペプチド、および0.2 μg//mLの緩衝液中LXRβ。Wallac Victor読取器により、665 nm、続いて615 nmで、時間分解蛍光読取りを行った。LXRリガンド、22-Rヒドロキシコレステロールを50μMで100%対照として用いた。
【0180】
トランス活性化アッセイ
ヒトLXRαのリガンド結合ドメイン(アミノ酸205〜447)およびヒトLXRβのリガンド結合ドメイン(アミノ酸216〜461)のcDNA(相補的DNA)を、真核細胞発現ベクターpSG5 (Stratagene)において、酵母GAL4転写因子DNA結合ドメインおよびポリオーマウイルスT-抗原由来の核局在化シグナルの3´側に、読み枠を一致させて挿入することにより、発現ベクターを調製した。得られた発現ベクターpSGGAL-LXRαおよびpSGGAL-LXRβを、最小SV40プロモーターおよび5コピーのUAS GAL4認識部位を含むpGL3ルシフェラーゼレポータープラスミドと一緒に、同時トランスフェクション実験に使用した。2.5 μgのpSGGAL-LXRαまたはβと、25 μgのpGL3 5xUASおよび22.5 μgのpBluscriptを、0.95mLの氷冷PBS(約4-9 milj.のU2/OS骨肉腫細胞を含有)と混合した。氷上で5分間インキュベートした後、細胞/DNA混合物をBioRadエレクトロポレーターにより0.4 cmのキュベット中、960 μF、230 Vでエレクトロポレーションし、完全DMEM(ダルベッコの改変イーグル培地)(Gibco 31966-021)中に希釈して0.32 milj 細胞/mLにした。異なるエレクトロポレーション間の変動を避けるために、少なくとも2回のエレクトロポレーションからの細胞をプールした。25 μlの希釈したエレクトロポレーション細胞を384ウェルプレートに接種し(0.8 x 104 個/ウェル)、細胞培養インキュベーター内で、37℃、5% CO2で2時間、細胞を付着させた。DMSO濃度を低下させるために、10%のFBS (ウシ胎仔血清)、1%のPEST (ペニシリン-ストレプトマイシン)、20mMのHepes、2mMのL-グルタミンおよび0.36%のグルコースを含有するDMEM w/o フェノールレッド(Gibco 11880-028) (2.5〜97.5 μl)中に、DMSO中の化合物を含む希釈プレートをさらに希釈した。その7 μlを384ウェルプレート内のエレクトロポレーション細胞に添加し、細胞培養インキュベーター内で48時間、インキュベーションを続けた後、32 μl/ウェルのLucLiteルシフェラーゼ基質を添加することにより細胞を溶解した。室温で15分間のインキュベーション後、Wallac Victor読取器で”Luminescence 384 protocol”によりルシフェラーゼ活性を測定した。LXRリガンド、Tularik T0901317を1 μMで100%対照として用いた。
【0181】
式Iの化合物は、コアクチベーター補充現象アッセイおよび/またはレポーター遺伝子アッセイにおいて、LXRαおよび/またはβに対し50 mmol/l未満のEC50をもつ。たとえば実施例13および22の化合物は、コアクチベーター補充現象アッセイにおいてそれぞれ0.15 mmol/lおよび0.11 mmol/lのEC50であった。
【0182】
さらに、本発明化合物は改良された物理的および/または化学的および/またはDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を示し、たとえば改良されたインビトロ代謝安定性を示し、および/または好ましいインビボ薬理効果を示す。本発明化合物は、有望な毒性プロフィールをも備えている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中:
R1は、下記のものから選択され:フェニル(1-4C)アルキル、これらにおいてフェニルは(1-4C)アルコキシカルボニルもしくは式NRaRbの基{RaおよびRbは、独立してHまたは(1-4C)アルキルを表わす}により置換されていてもよい;ヘテロアリール(1-4C)アルキル、これらにおいてヘテロアリールは(1-4C)アルキルもしくは式NRaRbの基{RaおよびRbは、独立してHまたは(1-4C)アルキルを表わす}により置換されていてもよい;または(1-4C)アルキル基、これらは1個以上の下記のものにより置換されていてもよい:フルオロ、(1-4C)アルコキシカルボニル、(1-3C)アルキルチオもしくは(1-3C)アルコキシ(1個以上のフルオロにより置換されていてもよい);
R2は、フェニルであり;
R3は、フェニル、インドリルまたはベンゾフラニルから選択され、これらはそれぞれ1個以上の下記のものにより置換されていてもよい:(1-3C)アルカノイル、(1-3C)アルコキシ(1個以上のフルオロにより置換されていてもよい)、(1-3C)アルキルチオ、または式NRaRbの基{RaおよびRbは独立してH、(1-3C)アルキルまたは(1-3C)アルカノイルを表わすか、あるいはRaおよびRbはそれらが結合している窒素原子と一緒にモルホリノを表わす}]
またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物。
【請求項2】
R1が、2-メトキシエチル、2-メチルチオエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3-メトキシプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、エトキシカルボニルメチル、4-N,N-ジメチルアミノベンジル、4-メトキシカルボニルベンジル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-フリルメチルまたは(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R3が、フェニル、4-メトキシフェニル、4-メチルチオフェニル、4-モルホリノフェニル、4-アセチルアミノフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、2-メトキシエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3-メトキシプロピル、エトキシカルボニルメチル、2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチルから選択され、
R2が、フェニルであり;
R3が、フェニル、4-メトキシフェニル、4-アセチルアミノフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは4-モルホリノフェニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、2-メトキシエチル、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-ピリジルメチルまたは2,2,2-トリフルオロエチルから選択され、
R2が、フェニルであり;
R3が、4-メトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニルまたは4-モルホリノフェニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R1が、2,2,2-トリフルオロエチル、3-フリルメチル、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは3-ピリジルメチルから選択され、
R2が、フェニルであり;
R3が、4-メトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニル、4-モルホリノフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R1が、6-アミノ-3-ピリジルメチルまたは2-メトキシエチルから選択され、
R2が、フェニルであり;
R3が、4-モルホリノフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニルまたは4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、6-アミノ-3-ピリジルメチル、3-フリルメチル、3-ピリジルメチル、2,2,2-トリフルオロエチルまたは2-メトキシエチルから選択され、
R2が、フェニルであり;
R3が、4-モルホリノフェニル、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルまたは2-アセチル-5-ベンゾフラニルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
下記のうち1以上から選択される、請求項1に記載の化合物:
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
N-(4-{[2,5-ジヒドロ-1-(2-メトキシエチル)-2,5-ジオキソ-4-フェニル-1H-ピロール-3-イル]アミノ}フェニル)-アセトアミド;
1-(2-メトキシエチル)-3-{[4-(メチルチオ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-1-(2-メトキシエチル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-(2-メトキシエチル)-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(2-アセチル-5-ベンゾフラニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-アニリノ-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[4-(ジメチルアミノ)ベンジル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-4-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-(3-メトキシプロピル)-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
4-({3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル}メチル)安息香酸メチル;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[2-(メチルチオ)エチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-(3-フリルメチル)-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン;
3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-1-[(5-メチルイソオキサゾル-3-イル)メチル]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
{3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-2,5-ジオキソ-4-フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロル-1-イル}酢酸エチル;
3-フェニル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4-{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-メトキシフェニル)アミノ]-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-{[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}-4-フェニル-1H-ピロール-2,5-ジオン;および
1-[(6-アミノピリジン-3-イル)メチル]-3-[(4-モルホリン-4-イルフェニル)アミノ]-4-フェニル-1-H-ピロール-2,5-ジオン;
またはその医薬的に許容できる塩もしくは溶媒和物または該塩の溶媒和物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物(R1、R2およびR3は請求項1に定めたものである)を製造する方法であって、式IIの化合物
【化2】

(式中、R2およびR3は請求項1に定めたものである)と式IIIの化合物
R1OH (III)
(式中、R1は請求項1に定めたものである)を、アゾジカルボン酸ジアルキル、たとえばアゾジカルボン酸ジエチル、およびホスフィン、たとえばトリフェニルホスフィンの存在下で、場合により不活性有機液体、たとえばテトラヒドロフランなどのエーテル類の存在下に、0〜200℃の温度で反応させる工程を含む方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物(R1、R2およびR3は請求項1に定めたものである)を製造する方法であって、式IVの化合物
【化3】

[式中、R1およびR2は請求項1に定めたものであり、Yは脱離基、たとえばハロゲン(Cl、Br、I)である]と式Vの化合物
R3NH2 (V)
(式中、R3は請求項1に定めたものである)を、場合により不活性有機液体、たとえばジメチルホルムアミドの存在下で、場合により塩基、たとえば炭酸カリウムの存在下に、0〜250℃の温度で反応させる工程を含む方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合したものを含む、医薬配合物。
【請求項13】
療法における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
核内ホルモン受容体LXRαおよび/またはβの調節に用いる医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
心血管疾患の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
アテローム性硬化症の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
高コレステロール血症の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
コレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
HDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
LDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
炎症状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
アルツハイマー病の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
動脈硬化症の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
2型糖尿病の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
HDL機能を改善する必要性を伴う状態の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項27】
インスリン抵抗性関連または非関連の脂質障害(異脂肪血症)の治療および/または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
インスリン抵抗性関連または非関連の脂質障害(異脂肪血症)を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物に請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項29】
心血管疾患を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項30】
アテローム硬化症を治療および/または予防する方法であって、その必要がある哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することを含む方法。
【請求項31】
高コレステロール血症を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項32】
コレステロール逆輸送を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項33】
腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項34】
HDL-コレステロール濃度を上昇させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項35】
LDL-コレステロール濃度を低下させる必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項36】
炎症状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項37】
アルツハイマー病を治療および/または予防する方法であって、その必要処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項38】
動脈硬化症を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項39】
2型糖尿病を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項40】
HDL機能を改善する必要性を伴う状態を治療および/または予防する方法であって、その処置を必要とするヒトを含めた哺乳動物に、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項41】
有効成分としての請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合したものを含む、核内ホルモン受容体LXRαおよび/またはβを調節する必要性を伴う状態の治療および/または予防に使用するための医薬配合物。
【請求項42】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、高血圧症、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、2型糖尿病、炎症、肥満症などのアテローム硬化症、ならびにコレステロール逆輸送を改善する必要性および/または腸管コレステロール吸収を低下させる必要性を伴う状態の発症および進行に関連する状態または障害の処置に有用な他の療法薬と組み合わせたものを含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2007−521312(P2007−521312A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520138(P2006−520138)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001114
【国際公開番号】WO2005/005417
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】