説明

肥料組成物および使用方法

肥料組成物の様々な実施形態を提供する。この肥料組成物は、炭素対窒素原子比によって測定することができる高い窒素含有量を有する1種または複数種の化合物を含む。また土壌の窒素含有量を増加させる方法、作物生産を促進する方法および肥料を与える方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示の様々な非限定的な実施形態は肥料に関する。より具体的には、非限定的な実施形態は、肥料の単位価格を最小化しつつ、窒素を提供する肥料に関する。また土壌中の窒素含有量を増加させる方法、作物生産を促進する方法、および園芸作物または農作物に肥料を与える方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
例えば、果物、野菜、穀物、草、例えば、芝草、ならびに他の園芸産物および農産物のような商業用作物が植え付けられた土壌への養分肥料の適用は、かかる作物または草の生産および成長を高めるための1つの方法である。
【0003】
窒素、リン、カリウムおよび硫黄、ならびに鉄、亜鉛、銅およびマグネシウムのような微量元素のような土壌養分は、農業の発展および植物の成長を達成するために有用である。しかしながら、繰り返される作付けサイクルで、植物が養分を利用すると、土壌中のこれらの養分の量が消耗することがある。土壌中の養分濃度の消耗によって、植物成長が抑制され、そしてエーカーあたりの生産量が減少する場合がある。このような影響に対抗するため、最適な植物成長および高い産出が得られるように、土壌中の消耗した不可欠な養分を置換するのを補助する肥料が開発されている。
【0004】
肥料は、有機肥料または無機肥料のいずれかに分類することができる。本明細書で使用される場合、「有機」という用語は、生体由来の組成物中にあるような炭素骨格を含む分子骨格を有するものを含む。有機肥料は、生物由来材料から製造される。動物性肥料、堆肥、骨粉、羽毛粉および血粉は、一般的な有機肥料の例である。他方、無機肥料は、生体物質以外から製造され、例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素、塩化カリウム、カリ、リン酸アンモニウム、無水アンモニアおよび他のリン酸塩を含む。
【0005】
無機肥料は、市販品として容易に入手可能であり、また植物に直ちに利用可能である可溶性の形態で養分を含有する。無機肥料は一般的に安価であり、所望の成分に関して低い単位価格を有する。加えて、所与の成分の正確な量を計算し、植物または土壌に投与することもできる。しかしながら、無機肥料には不都合な点がある。第1に、無機肥料、特に窒素肥料は、植物の根の下のレベルまでの浸出の影響を受ける。この浸出は、雨または潅漑の結果としても生じ、また肥料成分によって地下水、地域の飲料水および/または井戸の汚染が生じることもある。このような浸出によって、植物の根に養分を利用することができなくなり、また浸出した肥料に使われる無駄な費用が発生する場合もある。第2に、無機肥料の過剰量の適用によって、特に若い植物で、植物組織の焼け(burning)(葉面の焼け)および根の焼けのような植物毒性が生じる場合がある。最後に、肥料の重度の、または非組織的な適用によって、無機肥料は土壌中で塩の毒物濃度の蓄積を導き得る。あるいは土壌養分含有量が厳密に監視されない場合、化学的不均衡が発達することもある。
【0006】
他方、有機肥料は、典型的に、植物に直ちに利用可能ではなく、そして植物による使用の前に、より単純な構造へと肥料成分を分解する土壌微生物を必要とする。この分解は、時間をかけて生じ、また養分のより遅い放出をもたらし得る。有機肥料は、通常低い塩指数を有し、植物への損傷を引き起こすことなく、より多くの量が一度に適用されてもよく、加えて、土壌中の毒物の蓄積は生じ難い。しかしながら、有機肥料の費用は、典型的に、養分基準の単位価格で無機肥料より高く、従来の有機肥料の商業的適用を費用的に困難にさせている。無機肥料と同様に、有機肥料の過剰量の適用によって、植物組織の焼け(葉面の焼け)および根の焼けがもたらされることもある。
【0007】
加えて、一般的な無機肥料でも観測されるように、有機肥料は植物の成長反応を誘発するのみならず、天然の有機肥料は、土壌微生物群成長および活性も刺激する。土壌微生物群の増加は、土壌の物理的および化学的特性に対して著しく有利な影響があり、また病害および有害生物抵抗が増加する。
【0008】
したがって、既知の肥料の不利な点を示さないが、これらの製品によって示される利点の多く、または全てを示す肥料が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
要約
本開示の様々な非限定的な実施形態は、肥料組成物、土壌の窒素含有量を増加させる方法、作物生産を促進する方法、ならびに園芸作物および農作物、例えば芝草に肥料を与える方法を意図する。
【0010】
1つの非限定的な実施形態に従って、本開示は、C対N比による測定において、高い窒素含有量を有する1種または複数種の有機化合物を含む肥料組成物を含む。1種または複数種の有機化合物は、リシン生成物、発酵細胞培養液、有機酸のアンモニウム塩、アミド化有機カルボン酸、可溶性植物性タンパク質およびそれらの混合物よりなる群から選択されてよい。
【0011】
他の非限定的な実施形態としては、土壌中の窒素含有量を増加させる手段と、分散剤とを含む肥料組成物が挙げられる。
【0012】
さらに他の非限定的な実施形態としては、土壌中の窒素含有量を増加させる方法が挙げられる。この方法は、肥料組成物が植物成長および/または生産を促進するように、本明細書に記載の肥料組成物を土壌に適用することを含む。
【0013】
さらなる非限定的な実施形態としては、作物生産を促進する方法が挙げられる。この方法は、本明細書に記載の肥料組成物を植物または土壌に適用することを含む。
【0014】
もう1つの非限定的な実施形態で、肥料組成物は、大豆粉末、乾燥リシン生成物、液体リシン生成物、リシン発酵副生成物、スレオニン発酵副生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される有機化合物を含む。この有機化合物を冬季休眠の前に芝草へ適用すると、有機化合物が適用されていない芝草と比較して、芝草の色が改善される。肥料組成物によって肥料を与える方法も開示される。
【0015】
なおさらなる非限定的な実施形態として、園芸作物または農作物に肥料を与える方法が挙げられる。この方法は、肥料組成物が園芸作物または農作物の成長および/または生産を促進するように、本明細書に記載の肥料組成物を園芸作物または農作物に適用することを含む。
【0016】
もう1つの非限定的な実施形態としては、第1の成分および第2の成分を含む組成物が挙げられる。第1の成分および第2の成分は、それぞれ独立して、リシン生成物、細胞培養液、タンパク質、農産物加工施設で発生する副生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択され、第1の成分および第2の成分は異なる。
【0017】
他の非限定的な実施形態としては、大豆粉末、大豆ミール、大豆フレーク、大豆フラワー、スレオニン発酵から得られる細胞集団、リシン発酵から得られる細胞集団、クエン酸発酵から得られる細胞集団、ポリヒドロキシアルカノエート単離プロセスから得られる細胞集団、エタノール発酵から得られる細胞集団、およびいずれかのそれらの組み合わせよりなる群から選択される顆粒状窒素含有材料を植物に適用することを含む方法が挙げられる。
【0018】
さらに他の非限定的な実施形態としては、少なくとも50重量%のリシンおよび8重量%と20重量%との間の窒素を含む顆粒状リシン生成物を、1アールあたり0.56キログラムと1アールあたり16.83キログラムとの間の率で植物に散布する方法が挙げられる。他の非限定的な実施形態としては、少なくとも50重量%のリシンおよび8重量%と20重量%との間の窒素を含む液体リシン生成物を含む溶液を、1アールあたり0.025リットルと1アールあたり98.84リットルとの間の率で植物に噴霧する方法が挙げられる。
【0019】
以下の図面と関連して読むと、本開示の様々な非限定的な実施形態をより良好に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
詳細な説明
本開示の様々な非限定的な実施形態は、高い窒素含有量を有する1種または複数種の有機化合物を含む肥料組成物を開示する。土壌中の窒素含有量を増加させる方法、作物生産を促進する方法ならびに園芸作物および農作物に肥料を与える方法も記載される。
【0021】
この作業例以外で、あるいは他に示される場合、成分の量、反応条件等を表すために本明細書に記述される全ての数は、全ての例で、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、以下の明細書および添付の請求の範囲で明示される数値パラメータは、得られるように求められる所望の特性に依存して変更可能な近似値である。少なくとも、そして請求の範囲の同等物の原則の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、また通常の四捨五入法の適用によって解釈されるべきである。
【0022】
本発明の幅広い範囲を明らかにする数値範囲およびパラメータが近似であるにもかかわらず、具体例で明らかにされる数値的な値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それらの各試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0023】
また本明細書に記述されるいずれの数値範囲も、その中に包含される全ての部分範囲を含むように意図されることは理解されるべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、記述された最小値1と記述された最大値10との間(それらを含む)の全ての部分範囲を含むように意図され、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有する。また他に示されない限り、組成物中の成分のパーセントは重量パーセントとして表される。
【0024】
全体または一部で、本明細書に参照として組み入れられると記載される、いかなる特許、出版物または他の開示資料も、組み入れられた資料が、既存の定義、記載または本開示において明らかにされる他の開示資料と対立しない範囲までのみ本明細書に組み入れられる。このように、そして必要な範囲まで、本明細書で明らかにされる開示は、本明細書に参照として組み入れられるいかなる対立する資料にも優先する。本明細書に参照により組み入れられるものとして記載されるが、既存の定義、記載または本開示において明らかにされる他の開示資料と対立するいかなる資料またはその一部も、組み入れられた資料と既存の開示資料との間で対立が生じない範囲までのみ組み入れられる。
【0025】
本開示は、様々な代表的な非限定的な実施形態に関して、本発明の種々の特徴および態様を記載する。しかしながら、本発明は、当業者が有用であることを見出すであろういずれかの組み合わせで、本明細書に記載の種々の特徴、態様および実施形態のいずれかを組み合わせることによって達成され得る多数の別の実施形態を包含することは理解される。
【0026】
本開示の様々な非限定的な実施形態は、1種または複数種の有機化合物を含む肥料組成物に関する。特定の非限定的な実施形態に従って、1種または複数種の化合物は、C対N比による測定において、高い窒素含有量を有してもよい。本明細書で使用される「高い窒素含有量を有する有機化合物」という用語は、主に炭素骨格から成り立つ分子構造を有し、炭素原子数と比較して窒素原子数が高い化合物を含む。炭素原子数との比較上の窒素原子数は、化合物の分子構造または組成物の構成において、炭素原子対窒素原子の比率によって表されてもよい(C対N比)。
【0027】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の有機化合物のC対N比は、1:1〜約12:1の範囲であってよく、すなわち、有機化合物の分子式は、全ての窒素1個に対して1個の炭素から全ての窒素1個に対して12個までの炭素を有する。
【0028】
他の非限定的な実施形態に従って、本開示の有機化合物のC対N比は、1:1から約8:1までの範囲であってよい。あるいは、窒素含有量は、1種または複数種の有機化合物中の窒素の重量パーセントで測定されてもよい。
【0029】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、5重量%より多い窒素、例えば、約5重量%〜約20重量%の範囲の窒素を有する1種または複数種の有機化合物を含む。他の非限定的な実施形態に従って、肥料は、約8重量%〜約20重量%の窒素を有する1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、この肥料は、10重量%より多い窒素、例えば、約10重量%〜約20重量%の範囲の窒素を有する1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。
【0030】
肥料は、次の成分:窒素、リンおよびカリウムのうちの1つ以上の含有量によって示されてもよい。肥料中のこれらの成分の含有量をN−P−K値によって示すことができる(ここで、N=重量パーセントによる窒素含有量、P=重量パーセントによるリン含有量およびK=重量パーセントによるカリウム含有量)。特定の非限定的な実施形態に従って、1種または複数種の化合物を含む本開示の肥料は、5〜20の範囲のN−P−K値のN成分を有してよい。他の非限定的な実施形態に従って、肥料のN−P−K値のN成分は、8〜20の範囲であってよい。さらに他の非限定的な実施形態に従って、肥料のN−P−K値のN成分は、10〜20の範囲であってよい。
【0031】
他の実施形態に従って、本開示は、本明細書で記載される1種または複数種の有機化合物または組成物を含む土壌回復をもたらす。特定の非限定的な実施形態に従って、1種または複数種の有機化合物または組成物を含む土壌回復は、8重量%未満の窒素、例えば、約2重量%の窒素〜約5重量%の窒素を含んでよい。
【0032】
本開示の様々な実施形態に従って、植物成長を促進し、有益な土壌微生物の成長を促進し、そして/または、例えば、繰り返された作付けサイクルの結果として、もしくは浸出によって消耗された、土壌から消耗した様々な養分を補充する量で、肥料を土壌または農作物もしくは園芸作物に適用してよい。あるいは、作物の効率的な農業生産を補助するため、例えば、現在のところ、農業または作物生産に不適当である土地のような、低いまたは不十分な養分濃度および/または土壌微生物レベルを有する土壌に肥料を適用してもよい。
【0033】
他の非限定的な実施形態において、本開示の肥料は、水耕システムまたは気耕システムで植物の成長を促進し得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「作物」という用語には、限定されないが、食品、審美性、工業用途、競技用途(すなわち、例えば芝草での競技イベントの実施)および販売に対する要求を満たすいずれかの農業植物または園芸植物が含まれる。本発明の肥料組成物が適用されてもよい潜在的可能性のある「作物」の例としては、限定されないが、果物、野菜、根および塊茎、穀物、花および他の園芸産物、木、低木、芝草および芝、室内植物および工業用作物、例えば、工業製品および食料製品の製造のためのコーン、小麦、大麦、ヒマワリ、カノーラ、亜麻、ルリジサ、豆類、砂糖大根および大豆が挙げられる。
【0035】
本開示の特定の非限定的な実施形態に従って、1種または複数種の有機化合物は、リシン生成物、発酵細胞培養液、有機酸のアンモニウム塩、アミド化有機カルボン酸、農産物加工施設で発生する生成物および/または副生成物、ならびにタンパク質、例えば植物由来タンパク質、細菌もしくは微生物由来タンパク質、または動物由来タンパク質、あるいはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本開示の特定の非限定的な実施形態に従って、タンパク質は水溶液中に実質的に可溶性であってよい。他の非限定的な実施形態に従って、タンパク質は水溶液中に実質的に不溶性であってよい。
【0036】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、固体顆粒または凝集製剤形態を有してもよい。特定の非限定的な実施形態に従って、顆粒または凝集製剤は、少なくとも5のメッシュサイズを有してもよい(すなわち、粒子は約4mm以下のサイズを有する)。他の非限定的な実施形態に従って、メッシュサイズは、約10メッシュ〜約5メッシュであってよい(すなわち、粒径は、約2mm〜約4mmの範囲である)。ペレットサイズは、特定の業界基準によって、粗くてもよい(200サイズガイド数(SGN)超)が、より小さなペレットサイズであることは、より広範囲で迅速な土壌微生物活性および養分の放出を可能にする、より大きな表面積であることと同等である。肥料が固体製剤形態を有する様々な実施形態に従って、肥料は、0℃(32°F)〜60℃(140°F)の温度の水中で、少なくとも実質的に可溶性であり得る。
【0037】
もう1つの非限定的な実施形態で、肥料を、界面活性剤、乳化剤、消泡剤および/または肥料を溶液中に分散可能にするための分散剤と混合してもよい。1つの非限定的な実施形態で、界面活性剤としては、限定されないが、農業用界面活性剤、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーンベースの界面活性剤、アルコールベースの界面活性剤およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。適切な界面活性剤としては、限定されないが、レシチンが挙げられる。
【0038】
他の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、水性均質溶液または水性不均質懸濁液の製剤形態を有してもよい。例えば、本明細書で定義される肥料の1種または複数種の有機化合物が、1種または複数種の有機化合物の水溶性塩、例えば、リシン一塩酸塩(「リシン(HCl)」)、リシン硫酸塩もしくは他の可溶性リシン塩、または有機酸のアンモニウム塩を含む場合、水溶性塩は、土壌または植物に分散および適用する前に水溶液に実質的に溶解されてよい。あるいは、可溶性リシン塩は、リシン結晶化/単離プロセス(例えばリシン(HCl)の結晶化)からの水性母液の形態であってもよい。特定の実施形態に従って、水性母液は、約20重量%〜約25重量%のリシンの水溶液を含んでよい。あるいは、肥料組成物の1種または複数種の有機化合物は、水中で実質的に可溶性であり、かつ水性均質溶液を形成し得るリシン遊離塩基を含んでよい。あるいは、有機化合物は、1つの非限定的な例で、発酵細胞培養液のような、土壌または植物に噴霧または他の方法で分散されてよい水性不均質懸濁液を含んでもよい。
【0039】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、1種または複数種のリシン生成物を含む1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。本明細書で使用される「リシン生成物」という用語は、アミノ酸リシン(C14)およびそれらの塩または誘導体を含む生成物を含み、そして「リシン」という用語は、リシンの全ての異性体(すなわち、L−リシン、D−リシン、ならびにL−およびD−リシンのいずれかの混合物)を含む。リシンは、3:1のC対N比を有する。様々な非限定的な実施形態によるリシン生成物は、製剤に依存して、約9%N〜約20%Nの範囲の窒素含有量を含む。特定の実施形態で、リシン生成物の窒素含有量は、約9%N〜約15%Nの範囲であってよい。
【0040】
本開示での使用に適切なリシン生成物の様々な非限定的な例としては、限定されないが、例えば、リシンの水溶性塩、例えば、リシン一塩酸塩(「リシン(HCl)」)、リシン水和物、リシン二塩化水素化物およびリシン硫酸塩;リシン遊離塩;リシン遊離塩の水溶液;顆粒状リシン;リシン細胞排出物;リシン細胞集団;リシンラフィネート;リシン母液またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。
【0041】
特定の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩基の水溶液は、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(商標)ブランドのリシン(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)の商標であり、そこから市販品として入手可能な製品)を含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩の水溶液は、約5重量%〜約95重量%のリシン遊離塩基を含む水溶液を含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩の水溶液は、約15重量%〜約85重量%のリシン遊離塩を含む水溶液を含んでもよい。さらに他の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩の水溶液は、約25重量%〜約75重量%のリシン遊離塩を含む水溶液を含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩の水溶液は、約35重量%〜約65重量%のリシン遊離塩を含む水溶液を含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン遊離塩の水溶液は、約45%重量%〜約55重量%のリシン遊離塩を含む水溶液を含んでもよい。他の非限定的な実施形態で、溶液中の水の除去またはその量を低下させることによって、あるいはリシンの可溶性塩、例えばリシンHClおよび/またはリシン硫酸塩のような追加的なリシン生成物の添加によって、リシン遊離塩の水溶液のリシン含有量を要望通りに増加させてもよい。あるいは、他の非限定的な実施形態に従って、溶液への水の添加によって、リシン遊離塩基の水溶液のリシン含有量を要望通りに減少させてもよい。
【0042】
リシン一塩酸塩(HCl)は、L−リシン(HCl)(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)から市販品として入手可能)の形態で市販品として入手可能である。L−リシン(HCl)は、例えば、限定されないが、塩酸塩の結晶化によるリシン発酵プロセスの生成物を精製することから得ることができる。
【0043】
本開示での1種または複数種の有機化合物としての使用のために、他のアミノ酸が適切であることも考えられる。例えば、本開示の非限定的な実施形態は、アルギニン生成物、メチオニン生成物、スレオニン生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択されるアミノ酸生成物を含む肥料組成物を含んでもよい。アミノ酸生成物としては、アミノ酸の水溶性塩、アミノ酸の遊離塩、アミノ酸塩の水溶液および/または遊離塩、ならびにそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。他の天然由来アミノ酸を含む肥料組成物も考えられる。
【0044】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料組成物は、限定されないが、リシンの一カリウムリン酸塩;リシン(HCl);リシン遊離塩;液体リシン;リシン二塩化水素化物;およびリシン硫酸塩、ならびにいずれかのリシン生成物の混合物を含むリシンの水溶性塩よりなる群から選択されるリシン生成物を含む1種または複数種の有機化合物を含んでよい。リシン(HCl)は、約15重量%の窒素含有量を有する。リシン硫酸塩は、約10重量%の窒素含有量を有する。リシン遊離塩基は、純粋基準で約19〜20重量%の窒素含有量を有し、これは、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシン中の50%水溶液に対して約9.5〜10%の窒素に相当する。約1重量%〜19重量%の窒素含有量(すなわち、5重量%〜95重量%のリシン遊離塩)を有するリシン遊離塩の水溶液は、本明細書に記載の通り調製されてよく、そして本明細書に開示される組成物の特定の非限定的な実施形態において利用されてよい。リシン(HCl)、リシン硫酸塩、リシンのカリウムリン酸塩のようなリシン遊離塩およびリシン塩は、一般的に水溶液に可溶性であり、そして水溶液中にリシン塩を溶解し、続いて所望の量の窒素が生じるように土壌および/または植物に十分な容積の溶液を適用することによって、土壌または植物に適用されてよい。リシン生成物の溶液は、直接的に、例えば、葉面への噴霧として、植物に適用されてもよく、また所望の量で溶液を土壌に噴霧することによって土壌に適用されてもよい。あるいは、本明細書で記載されるリシン塩を固体、顆粒または粉末状態で土壌および/または植物に適用してもよく、かかる適用の後、微生物分解のために土壌中にリシン生成物を分散するために、水が与えられてよい(すなわち、潅漑、降雨等によって)。
【0045】
本開示の特定の非限定的な実施形態に従って、有機化合物はリシン(HCl)を含み、そして肥料組成物は、約0.56キログラム/アール(kg/アール)(1エーカーあたり50ポンド(lbs/エーカー))〜約16.83kg/アール(1500lbs/エーカー)の量で土壌に適用されてよい。有機化合物がリキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシン(50%リシン遊離塩基水溶液)を含む他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、1アールあたり約0.025リットル(L/アール)(1エーカーあたり1.0リットル(L/エーカー))〜約12.26L/アール(496L/エーカー)の量の濃縮された形態で土壌に適用されてもよい。他の非限定的な実施形態に従って、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンを含む肥料組成物は、約0.025L/アール(1.0L/エーカー)〜約8.65L/アール(350L/エーカー)の量で適用される。他の非限定的な実施形態に従って、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンを含む肥料組成物は、約4.08L/アール(165L/エーカー)〜約12.26L/アール(496L/エーカー)の量で適用される。さらに他の非限定的な実施形態に従って、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンを含む肥料組成物は、土壌に適用される前に水で希釈されてよい。
【0046】
他の非限定的な実施形態に従って、本明細書で開示される肥料は、単位面積、単位時間あたりの窒素の重量によって測定される量(N−P−K値からN成分によって算出される)で、芝草のような植物、またはかかる植物を含有する土壌に適用されてよい。例えば、1つの非限定的な実施形態に従って、肥料は、1アール、2週あたり0.0305キログラムの窒素(kg N/アール/2週)(1000平方フィート、2週あたり0.0625ポンドの窒素(lb N/1000ft/2週))〜0.183kg N/アール/2週(0.375lb N/1000ft/2週)の量で適用されてよい。もう1つの非限定的な実施形態に従って、肥料は、0.122kg N/アール/月(0.25lb N/1000ft/月)〜1.47kg N/アール/月(3.0lbの窒素/1000ft/月)の量で適用されてよい。さらに他の非限定的な実施形態に従って、肥料は、0.244kg N/アール/年(0.5lb N/1000ft/年)〜3.91kg N/アール/年(8.0lb N/1000ft/年)の量で適用されてよい。
【0047】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、発酵細胞培養液、発酵プロセスの生成物および/または発酵プロセスの下流回収プロセスからの副生成物を含む1種または複数種の有機化合物を含んでよい。本明細書で使用される「発酵細胞培養液」という用語には、限定されないが、例えば、エタノールのようなアルコール;例えば乳酸のような有機酸;例えば、乳酸エステルのような有機酸のエステル;リシンまたはスレオニンのようなアミノ酸;菌類または細菌発酵のような発酵プロセスから発生する生成物が含まれる。培養液は、菌糸体、細胞集団または酵母菌または菌類発酵のバイオマス、ならびにその上またはその中でそれが成長し、そして生育可能な生物の酵素系、および発酵プロセス間に生じたその付随する代謝生成物および他の生成物を含み、そして1つ以上の分離プロセス間に除去されない媒体を含んでよい。培養液は、例えば、細胞集団またはバイオマス、ならびにその上またはその中でそれが成長し、そして生育可能な生物の酵素系、および発酵プロセス間に生じたその付随する代謝生成物を含み、そして1つ以上の分離プロセス間に除去されない媒体のような細菌の発酵集団をさらに、または代わりに含んでよい。
【0048】
1つの非限定的な実施形態に従って、発酵細胞培養液は、発酵媒体として酵母菌を利用するエタノール発酵培養液のようなアルコール発酵培養液であってよい。適切なアルコール発酵酵母菌の品種としては、醸造酵母、パン酵母およびサッカロミケス クレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のようなサッカロミケスの他の菌株が含まれる。
【0049】
なおさらに非限定的な実施形態で、肥料は、発酵用の工業用細胞集団の加水分解物を含んでもよい。例えば、酸(例えば、硫酸または塩酸)による加水分解の後、使用された酸に対して適切な塩基で加水分解物を中和し、そのようにして加水分解された材料および沈殿塩を含有するほぼ中性pHのスラリーを生じることができる。スラリーを直接的に土壌および/またはその中で成長している植物に適用してもよく、また乾燥させ、例えば、プリルへと変換することによって、顆粒状にしてもよく、そして場合により、他の土壌養分および/または担体と組み合わせてよい。酸および塩基の選択は、有機肥料の所望の組成に依存して実行される。例えば、一実施形態で、カリウムおよび/または硫酸塩強化肥料組成物が望ましい場合、硫酸が加水分解に使用され、続いて例えば水酸化カリウムのようなカリウム中和作用を有する塩基で中和を実行する。加水分解および中和された細胞集団は、土壌中の植物またはミクロフローラに対してより生物学的に利用可能となり、そして加水分解されていない細胞集団より低い率で使用されてよく、したがって、健康な植物の生産がもたらされることが予想される。
【0050】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、リシン発酵細胞培養液または細胞集団およびスレオニン発酵細胞培養液または細胞集団、あるいはそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される発酵細胞培養液または発酵細胞集団を含む1種または複数種の有機化合物を含んでよい。他の非限定的な実施形態に従って、発酵細胞培養液は、例えば噴霧乾燥によって乾燥された少なくとも1つの細胞培養液、例えば発酵培養液;細胞集団またはバイオマス、例えば約50重量%のタンパク質を有する細胞集団;およびバイオマスを含んでよい。発酵細胞培養液は、粉末、顆粒状ペレット、不均質スラリー、例えば、細胞培養液の水性スラリーまたはそれらのいずれかの組み合わせの形態であってよい。発酵細胞培養液は、乾燥形態(すなわち、粉末またはペレット)で土壌または植物に適用され、続いて、水が与えられ(例えば、灌漑または降雨)てよく、あるいは乾燥された細胞培養液ペレットまたは粉末を水中で混合し、そして場合により沈降を防止することによって適用され、また噴霧系または単純な散水によって土壌または植物に直接的に適用されてもよい。
【0051】
1種または複数種の化合物がリシン細胞培養液を含む特定の非限定的な実施形態に従って、リシン細胞培養液は、約8%〜約15%の範囲の窒素含有量を含んでよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン細胞培養液の窒素含有量は、約10%〜約15%の範囲であってよい。他の非限定的な実施形態に従って、リシン細胞培養液の窒素含有量は、約11%〜約12%であってもよい。リシン細胞培養液は、リシン硫酸塩(約50重量%)を含んでもよく、そして75.0重量%の粗製タンパク質含有量を有してよい。リシン発酵プロセスの1つの非限定的な実施形態を図8に明示する。リシン硫酸塩、リシン遊離塩、リシンHCl、リシン細胞集団、水性リシン遊離塩(リキッドリシン(LIQUID LYSINE)を含む)およびリシン母液のようなリシン生成物が生じ、そしてリシン細胞培養液から単離され、本開示の様々な非限定的な実施形態でリシン生成物として利用されてよい。
【0052】
1種または複数種の化合物がスレオニン細胞培養液または細胞集団を含む他の非限定的な実施形態に従って、スレオニン細胞培養液または細胞集団は、約7%〜約15%の範囲の窒素含有量を含んでよい。他の非限定的な実施形態に従って、スレオニン細胞培養液または細胞集団の窒素含有量は、約10%〜約15%であってよい。他の非限定的な実施形態に従って、スレオニン細胞培養液または細胞集団の窒素含有量は、約10%〜約13%であってよい。スレオニン発酵プロセスの1つの非限定的な実施形態を図9に明示する。
【0053】
他の非限定的な実施形態に従って、肥料は、有機酸発酵または他の発酵プロセスからの副生成物を含んでもよい。例えば、硫酸カルシウム、ならびにクエン酸のような様々な有機化合物を含むクエン酸発酵プロセスからの副生成物は、有機肥料の硫黄源として有用である。1つの非限定的な実施形態に従って、クエン酸発酵プロセスからの副生成物は、シトリスティム(CitriStim)(登録商標)ブランドのクエン酸発酵培養を含んでもよい(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.から市販品として入手可能)。シトリスティム(CitriStim)(登録商標)は、制御された好気性条件下で炭水化物基質上でカンジダ酵母菌を使用するクエン酸発酵プロセスの副生成物である。シトリスティム(CitriStim)(登録商標)は、約6.4重量%の窒素含有量を有する顆粒状生成物である。シトリスティム(CitriStim)(登録商標)生産プロセスの1つの非限定的な実施形態を図10に明示する。他の有機酸発酵副生成物は、例えば、乳酸発酵、ギ酸発酵、酢酸発酵、プロピオン酸発酵、ブタン酸発酵、シュウ酸発酵、リンゴ酸発酵、コハク酸発酵、フマル酸発酵、アスコルビン酸発酵、酒石酸発酵、グルコノデルタ−ラクトン発酵およびそれらのいずれかの組み合わせから得ることができる。
【0054】
なおさらに非限定的な実施形態で、肥料は、限定されないが、廃水処理施設またはラグーンの沈殿池から得られる沈殿池排出物;デキストリン;マルトデキストリン;コーンシロップ;大豆モラス;粒状スティープウォーター;蒸留廃液からのフィチン酸沈殿物;エタノール酵母菌;コーン胚芽ミール;ソルビトールおよび硫化物第一鉄の高pH混合物;限定されないが、リン酸を含む酸;加工B−澱粉;カルシウムまたはマグネシウムリシネート;乾燥された蒸留穀物(DDG);フィチン酸リシンまたはフィチン酸アンモニウムおよび塩化カリウム;糖およびアミノ酸マリアード(Malliard)反応生成物;ソルビトールおよび硫化第一鉄と組み合わせたリシン遊離塩基;モラス;ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産プロセスの副生成物(PHA単離プロセスからのバイオマスなど)、ならびにそれらのいずれかの組み合わせを含む農産物加工施設で発生する生成物および/または副生成物を含んでもよい。
【0055】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、有機酸のアンモニウム塩を含む1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。本明細書で使用される「有機酸のアンモニウム塩」という用語は、例えばカルボン酸のような有機酸またはスルホン酸の酸性水素が、例えば水酸化アンモニウム(NHOH)のような塩基性アンモニウムイオン供給源と反応する場合に製造されるイオン性化学生成物を含む。得られるイオン塩は、反対に荷電したイオン間のイオン引力によって結合した、1個または複数の負に荷電した酸素と、等しい数の正に荷電したアンモニウムイオン(NH)とを有する。特定の非限定的な実施形態による使用のために適切な有機酸としては、限定されないが、乳酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸、酒石酸、グルコノデルタ−ラクトンまたはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。有機酸のアンモニウム塩を形成することによって、有機化合物の窒素含有量は増加し得る。特定の非限定的な実施形態による酸から得られるアンモニウム塩としては、乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、ブタン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、フマル酸アンモニウム、アスコルビン酸アンモニウムおよび酒石酸アンモニウムまたはいずれかのそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
有機酸が2個、3個または複数の酸官能性基を含む特定の非限定的な実施形態に従って、有機酸の酸性官能性基の1個、2個、3個または全てが反応して、上記で定義された1種または複数種のアンモニウム塩を形成してよく、そして有機酸のアンモニウム塩という用語には、各有機酸に関して可能な全てのアンモニウム塩の組み合わせが含まれる。例えば、クエン酸は3つのカルボン酸官能基を有する。有機酸がクエン酸である特定の非限定的な実施形態に従って、有機酸のアンモニウム塩は、クエン酸のモノアンモニウム塩、ジアンモニウム塩またはトリアンモニウム塩、あるいはモノ、ジおよびトリアンモニウム塩の様々な混合物であってよい。
【0057】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、アミド化有機カルボン酸を含む1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。本明細書で使用される「アミド化有機カルボン酸」という用語には、化学的反応によってアミド官能性に変換されたカルボン酸官能性を有する有機化合物が含まれる。カルボン酸のアミドを形成することによって、有機化合物の窒素含有量は増加し得る。特定の非限定的な実施形態に従って、有機カルボン酸のアミドは、非置換のアミド、モノ置換アミドおよびジ置換アミドであってよく、各置換基は、独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基のようなアルキル基、または芳香族基であってよい。特定の非限定的な実施形態による使用のために適切な有機カルボン酸としては、限定されないが、例えば、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、ならびに天然および非天然アミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、セリン、バリン、リシン、アスパラギン、グルタミン、ヒスタジン、アルギニン、メチオニンおよびスレオニンのような必須アミノ酸のいずれか、ならびに非必須アミノ酸、またはこれらの有機カルボン酸のいずれかの混合物のような有機酸が挙げられる。有機化合物が必須アミノ酸のアミドを含む特定の非限定的な実施形態で、アミドは、アミノ酸のカルボン酸で形成される。有機カルボン酸が、複数のカルボン酸官能基を有する有機化合物を含む特定の非限定的な実施形態に従って、1つ以上から全てのカルボン酸官能基は、アミド官能基に変換されていてもよい。例えば、有機カルボン酸がクエン酸である場合、アミド化有機カルボン酸は、クエン酸のモノアミド、クエン酸のジアミドまたはクエン酸のトリアミド、あるいはクエン酸のモノ、ジおよびトリアミドの様々な混合物を含んでよい。
【0058】
特定の非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、植物性タンパク質を含む1種または複数種の有機化合物を含んでもよい。特定の非限定的な実施形態に従って、植物性タンパク質を抽出プロセスおよび/または圧縮プロセスによって単離してもよい。様々な非限定的な実施形態に従って、抽出プロセスは、可溶性タンパク質の抽出、それに続く沈殿工程によって、単離された可溶性タンパク質物質を得ることができる。あるいは、例えば、油または糖のような可溶性非タンパク質化合物の抽出によって、より可溶性の低い植物繊維物質を含み得る植物性タンパク質濃縮物を得ることができる。
【0059】
特定の非限定的な実施形態に従って、植物性タンパク質は、特定の実施形態で、塩基性塩とブレンドされてもよい大豆タンパク質単離物;例えば、カノーラタンパク質単離物のような油種子タンパク質単離物;限定されないが、アーコン(ARCON)(登録商標)ブランド大豆濃縮物(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)から市販品として入手可能)を含む大豆タンパク質濃縮物;リバース大豆濃縮物;大豆フラワー;大豆フレーク;大豆ミール;限定されないが、アーデックス(ARDEX)(登録商標)ブランド大豆タンパク質単離物(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)から市販品として入手可能)のような大豆タンパク質単離物;およびそれらの様々な混合物を含んでもよい。大豆タンパク質単離物は、例えば、水またはアルカリ水溶液による抽出によって、大豆フレークのような脱皮および脱脂大豆材料からタンパク質分解酵素物質を除去することによって製造されてもよい。大豆タンパク質単離物は、典型的に、中性pH(すなわち、pHが約7)の水中でわずかに可溶性であるが、8より高いpHでは可溶性である。したがって、特定の非限定的な実施形態に従って、塩基性塩とブレンドされた大豆タンパク質単離物の水溶液が8より高いpHを有するように、大豆タンパク質単離物は、十分な量の塩基性塩とブレンドされる。pHが8より高い特定の非限定的な実施形態で、大豆タンパク質単離物は、実質的に水溶液に溶解する。
【0060】
様々な非限定的な実施形態に従って、肥料は、リシン生成物および本明細書に記載の植物性タンパク質のような植物性タンパク質を含んでもよい。これらの非限定的な実施形態に従って、リシン生成物は、リシン(HCl)、リシン硫酸塩、リシンのリン酸カリウム塩またはそれらのいずれかの組み合わせのようなリシン塩であってよく、あるいは、リシン生成物はリキッドリシン(LIQUID LYSINE)を含んでもよい。様々な非限定的な実施形態に従って、植物性タンパク質は、特定の実施形態で、塩基性塩とブレンドされてもよい大豆タンパク質単離物;例えば、カノーラタンパク質単離物のような油種子タンパク質単離物;限定されないが、アーコン(ARCON)(登録商標)ブランド大豆濃縮物(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)から市販品として入手可能)を含む大豆タンパク質濃縮物;リバース大豆濃縮物;大豆フラワー;大豆フレーク;大豆ミール;限定されないが、アーデックス(ARDEX)(登録商標)ブランド大豆タンパク質単離物(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー ダニエルス ミッドランド カンパニー(Archer Daniels Midland Co.)から市販品として入手可能)のような大豆タンパク質単離物;およびそれらの様々な混合物を含んでもよい。
【0061】
他の非限定的な実施形態で、有機組成物は、限定されないが、コーン;小麦、大麦;大豆、菜種(カノーラ)、ヒマワリ、ベニバナ、ピーナッツ、綿実、アブラヤシ、パーム核等;およびそれらのいずれかの組み合わせを含む他のタンパク質源から濃縮物または単離物を製造するために使用されるプロセスから得ることもできる。タンパク質源は、コーングルテン供給(CGF);乾燥した蒸留かす(DDG);「レッドドッグ」(製粉時の高灰分留分)、グルテン;例えば、溶媒および/または機械脱油プロセスから得られる油かすのような脱脂油かす;限定されないが、大麦、小麦またはライ麦を含むモルトスプラウト;あるいはこれらのタンパク質源の加工時に使用される分離プロセスの結果である他のタンパク質含有フラクションのような、これらのタンパク質源加工の生成物、副生成物及び/または廃物流を含み得る。
【0062】
他の非限定的な実施形態に従って、肥料は、本明細書に記載のリシン生成物および本明細書に記載の発酵バイオマスを含んでもよい。1つの非限定的な実施形態に従って、肥料は、スレオニン発酵バイオマスまたは細胞集団、ならびに例えば可溶性リシン塩および/またはリキッドリシン(LIQUID LYSINE)のようなリシン生成物を含んでもよい。もう1つの非限定的な実施形態に従って、肥料は、リシン発酵バイオマスまたは細胞集団、ならびに例えば可溶性リシン塩および/またはリキッドリシン(LIQUID LYSINE)のようなリシン生成物を含んでもよい。さらに他の非限定的な実施形態で、肥料は、スレオニン発酵バイオマスおよび/またはリシン発酵バイオマスのような発酵バイオマス、ならびに本明細書に記載の植物性タンパク質を含んでもよい。さらにもう1つの非限定的な実施形態に従って、肥料は、リシン生成物、発酵バイオマスおよび植物性タンパク質を含んでもよい。リシン生成物および少なくとも1種の発酵バイオマスおよび植物性タンパク質を含む肥料は、約0.12 N/アール/月(0.25lb N/1000ft/月)〜約2.44 N/アール/月(5.0lb N/1000ft/月)の率で土壌または土壌中の植物に適用されてよい。
【0063】
1つの非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料組成物は、約20%〜約100%のリシン生成物;0%〜約50%の発酵培養液または細胞集団;および0%〜約50%の植物性タンパク質を含んでもよい。もう1つの非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、約30%〜約50%のリシン生成物;約15%〜約35%の発酵培養液または細胞集団;および約15%〜約35%の植物性タンパク質を含んでもよい。さらに他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、約80%〜100%のリシン生成物を含んでもよい。
【0064】
リシン生成物および植物性タンパク質および/または発酵バイオマスを含む肥料は、長期の微生物活性とともに、迅速な微生物分解および植物反応の組み合わせをもたらし得る。いずれかの特定の理論に拘束される意図はないが、リシン生成物は、72時間以内に土壌微生物によって容易に分解されて、微生物分解生成物および窒素および迅速な植物応答の迅速なアクセスをもたらすが、可溶性植物性タンパク質および/または発酵バイオマスは、よりゆっくり分解され(すなわち、1週間〜1ヶ月の遅い放出)、所望の微生物群の長期の微生物応答および長期の増加をもたらすと考えられる。
【0065】
本開示の肥料は、追加の可溶性塩、例えば、カリウムおよび/またはリンの可溶性塩;農産物加工施設で発生する生成物および/または副生成物、例えば、モラスまたは発酵バイオマス(本明細書に記載の通り);または、例えば、イソブチリデンジ尿素(「IBDU」)のような有機窒素含有化合物のような追加成分を必要に応じて含んでもよい。様々な非限定的な実施形態に従って、本開示の肥料は、約10重量%〜約25重量%のカリウムおよび/または約5重量%〜約10重量%のリンを含んでもよい。カリウムおよび/またはリンの添加によって、有機肥料中の窒素の濃度が希釈され、低下し得ることを留意すべきである。この場合、窒素含有量の減少は、例えば、顆粒状リシン(すなわち、リシンの可溶性塩)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)、尿素および/またはIBDUのような高い窒素含有量を有する成分の添加によって相殺され得る。あるいは、窒素含有量を増加させるために、無機窒素源が肥料に添加されてもよい。
【0066】
本開示のために適切な塩基性塩の非限定的な例としては、限定されないが、炭酸イオンの塩基性塩(CO2−)、重炭酸イオン(HCO)、水酸化物(OH)、硝酸イオン(NO)、オキシドイオン(O)、ヒドロホスファイトイオン(HPO2−)、ジヒドロホスファイトイオン(HPO)、ホスファイトイオン(PO3−)、ヒドロホスフェートイオン(HPO2−)、ジヒドロホスフェートイオン(HPO)、およびホスフェートイオン(PO3−)またはこれらのアニオンを含有する塩基性塩のいずれかの組み合わせが挙げられる。例えば、塩基性塩は、これらのアニオンのアルカリ土類金属塩、特に、これらのアニオンのカリウム塩、例えば、KCO、KHCO、KOH、KNO、KO、KHPO、KHPO、KPO、KHPO、KHPOまたはKPO、あるいはこれらのカリウム塩のいずれかの組み合わせ、または他の塩基性塩との組み合わせを含んでもよい。他の非限定的な実施形態に従って、塩基性塩は、上記アニオンのアンモニウム塩、例えば、(NHCO、(NH)HCO、NHOH、NHNO、(NHO、(NHHPO、(NH)HPO、(NHPO、(NHHPO、(NH)HPOまたは(NHPO、あるいはこれらのアンモニウム塩のいずれかの組み合わせ、または他の塩基性塩との組み合わせであってもよい。
【0067】
本開示の特定の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物の1種または複数種の有機化合物は、固体を含む。特定の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、固体有機化合物の表面の少なくとも一部分でコーティングをさらに含んでもよい。コーティングは、限定されないが、土壌細菌、土壌微生物による分解;水による溶解;および/または紫外線または他の電磁放射線波長による分解のような環境または生物学的条件への暴露時に、ゆっくりと分解し得る。コーティングが分解すると、肥料の有機化合物は環境条件に暴露され、そこでさらにより小さい構造に分解し、そして植物によって吸収される。上記の通り、有機肥料は、典型的に、化合物が土壌微生物によって分解されなければならないという必要条件のため、養分のより遅い放出をもたらすが、コーティングの利用によって、さらに遅く、そして/または制御された養分の放出がもたらされ得る。これは、例えば、肥料が特定の無機肥料成分を含むか、または肥料が成長期の終わりに土壌に適用され、それによって冬季、もしくは田畑および土壌を休ませる間に土壌に養分が提供されるような特定の肥料の実施形態に関して有益である。特定の非限定的な実施形態に従って、コーティングは、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(「PHA」)を含んでもよい。あるいは、本明細書で記載されるように、肥料は、PHA単離プロセスの副生成物または残渣、例えば、細菌の発酵培養液からのPHA抽出から残った残渣またはまたはトウモロコシ茎葉のような植物繊維からの抽出物を含んでもよい。
【0068】
他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、バインダー材料を含んでもよい。例えば、肥料成分化合物が、バインダー材料と一緒に結合され得る粉末または微粒子材料を含み、土壌、作物または園芸産物への適用により適合する、より大きく、きめの粗い粒子材料を形成する場合、バインダー材料が使用されてもよい。バインダー材料は、潅漑および/または降雨に応じて、実質的に溶解し、土壌への有機化合物の分散をもたらすため、バインダー材料の使用が望ましいこともある。粉末または微粒子と同様に、例えば、バインダー材料の溶解後、化合物は、微生物の攻撃に対してより大きな有効表面積を有し得、そして、養分成分中への化合物の効率的な分解を潜在的にもたらし得る。適切なバインダー材料は、大豆モラス、コーンシロップ、大豆タンパク質リカー、コーンスティープリカー、および/または蒸留可溶物または様々なそれらの組み合わせを含んでもよい。他の適切なバインダー材料は、小麦製粉プロセスからのB−澱粉のような製粉プロセスからの生成物;他の澱粉および澱粉由来生成物;および結合特性を有し、かつ少なくとも部分的に水中で可溶性であるコーン、穀物または油種子加工からの様々な生成物を含んでもよい。
【0069】
他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、少なくとも1種の無機肥料成分を含んでもよい。上記の通り、無機肥料は、生体物質以外から製造され、そして容易に可溶性であり、また植物によって吸収される。無機肥料成分も含み得る肥料組成物は、無機肥料成分から利用可能な直接的な養分と、高い窒素含有量を有する有機化合物のような有機肥料成分の微生物による分解によって利用可能な長期の、放出の遅い養分との両方を提供する肥料製品を可能にし得る。かかる肥料組成物は、より低い頻度での土壌への肥料の適用をもたらし、それによって、有機肥料の使用に関連する環境的利点と共に、経済的利点をもたらし得る。適切な無機肥料成分は、特定の非限定的な実施形態に従って、限定されないが、カリウム塩、例えば、限定されないが、カリ、塩化カリウム、酸化カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウムおよびリン酸カリウム;尿素および他の無機窒素源;硫黄元素および他の硫黄源;石膏;リン酸塩、例えば、限定されないが、本明細書で上記されるリン酸塩;アンモニウム塩、例えば、限定されないが、本明細書で上記されるアンモニウム塩;微量元素およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。微量元素としては、限定されないが、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅およびマンガンの塩が挙げられる。
【0070】
特定の非限定的な実施形態で、本発明の有機肥料は、少なくとも1種の本明細書に記載のもののようなカリウム塩と、リン酸カリウムおよび亜リン酸カリウムを含む本明細書に記載のもののようなリン酸塩または亜リン酸塩とを含む無機肥料成分をさらに含んでもよい。1種または複数種のカリウム、リン酸塩および/または亜リン酸塩の肥料への添加によって、肥料中のカリウムおよび/またはリンの全体的な量が増加し得る。肥料に見られる3成分は、窒素、リンおよびカリウムであり、その濃度は肥料のN−P−K評価によって示される。特定の非限定的な実施形態に従って、所望のN−P−K評価を与えるために十分なカリウムおよび/またはリン酸塩の可溶性塩を肥料に添加してよい。特定の非限定的な実施形態に従って、肥料は、カリウム塩の形態で約5重量%〜約30重量%のカリウムおよび/またはリン酸塩および/または亜リン酸塩の形態で約2重量%〜約20重量%のリンを含んでよい。
【0071】
もう1つの非限定的な実施形態で、微量元素はキレート型であり、そしてアミノ酸(例えば、スレオニンまたはリシン)リカー流から製造されてよい。土壌に微量元素を提供するために、アミノ酸キレートを肥料組成物と混合してもよい。
【0072】
他の非限定的な実施形態に従って、本開示は、土壌の窒素含有量を増加させる手段と、分散剤とを含む肥料組成物も提供する。特定の非限定的な実施形態に従って、土壌の窒素含有量を増加させる手段は、リシン生成物、発酵細胞培養液、有機酸のアンモニウム塩、アミド化有機カルボン酸、農産物加工施設で発生する生成物および/または副生成物、ならびに可溶性植物性タンパク質またはそれらの混合物よりなる群から選択される1種または複数種の有機化合物を含む。特定の非限定的な実施形態に従って、分散剤は、ポリマーおよび/または水を含んでもよい。
【0073】
本明細書に開示される肥料の特定の非限定的な実施形態は、例えば、米国農務省のナショナル オーガニック プログラム(National Organic Program)のような政府機関から公認の有機シールを受け取ることによる公認の有機肥料であってもよい。本明細書の組成物および方法の特定の非限定的な実施形態は、肥料が公認の有機肥料であることを示す徴候を含むか、または肥料もしくは肥料含有容器を、肥料が公認の有機肥料であることを示す徴候と関連させることを含む行為を含んでもよい。
【0074】
また本開示は、土壌中の窒素含有量を増加させるため、土壌微生物群を増加させるため、作物生産を促進するため、および園芸作物または農作物に肥料を与えるための様々な非限定的な方法を提供する。本方法の特定の非限定的な実施形態に従って、本開示は、本明細書に記載のいずれかの肥料組成物を土壌、またはその中で植物が成長している土壌に適用することを含む土壌の窒素含有量を増加させる方法を提供し、肥料組成物は、植物成長および/または生産を促進する。特定の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、例えば、芝草の成長を促進する。特定の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物を土壌に適用することは、土壌上に肥料組成物を散布することを含む。特定の実施形態に従って、肥料組成物は固体であり、土壌表面上に肥料をまくことによって、肥料が土壌上に散布され、これは土壌中に耕作されるか、または土壌中に灌漑されるか;あるいは肥料は、土壌表面の上または下にバンディング(すなわち、列または「バンド」で適用すること)によって土壌上に散布されてもよい。
【0075】
他の非限定的な実施形態に従って、土壌上に肥料組成物を散布することが、土壌上に肥料組成物を噴霧することを含んでもよい。例えば、肥料組成物が、水性均質溶液または水性不均質懸濁液のような水性製剤を含む場合、肥料組成物は噴霧されてもよい。肥料組成物が噴霧される特定の非限定的な実施形態で、肥料組成物は、葉面適用によって噴霧されてもよく、すなわち、植物上に直接的に噴霧されてよい。
【0076】
さらに他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は水性均質溶液に溶解され、そして水耕系または気耕系によって、植物の根系の少なくとも一部分に適用されてもよい。すなわち、植物の根系を、肥料組成物を含む水性溶液と、例えば、肥料を含む水溶液に根系の少なくとも一部分を浸すことによって、または植物の根系の少なくとも一部分に肥料を含む水溶液のミストを噴霧するか、または他の方法で適用することによって、接触させてもよい。
【0077】
他の非限定的な実施形態に従って、本開示は、植物または土壌に本明細書に記載の肥料組成物を適用することを含む作物生産を促進する方法を提供する。特定の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、植物が芝草である植物に適用される。他の非限定的な実施形態に従って、肥料組成物は、植物が商業用作物植物である植物に適用される。
【0078】
他の非限定的な実施形態に従って、本開示は、肥料組成物が、園芸作物または農作物の成長および/または生産を促進し、そして/あるいは土壌微生物群を増加させるように、園芸作物または農作物、あるいは園芸作物または農作物が植え付けられた土壌に本明細書に記載の肥料組成物を適用することを含む、園芸作物または農作物に肥料を与える方法を提供する。本明細書で使用される場合、「園芸作物または農作物」には、限定されないが、食品、審美性、工業用途、競技用途および販売に対するような要求を満たすいずれかの農業植物または園芸植物が含まれる。潜在的可能性のある「園芸作物または農作物」の非限定的な例としては、限定されないが、果物、野菜、根および塊茎、穀物、花および他の園芸産物、木、低木は芝草および芝、室内植物および工業用作物、例えば、限定されないが、工業製品および食料製品の製造のためのコーンおよび/または大豆が挙げられる。
【0079】
さらに追加の非限定的な実施形態で、肥料は、第1の地理学的位置で製造され、そして第2の地理学的位置に輸送されてもよい。例えば、様々な要因のため、第1の地理学的位置の施設は、第2の位置の施設よりも、より経済的に生産物を製造できることがある。要因としては、例えば、材料の費用がより低いこと、エネルギーの費用がより低いこと(例えば、電気および/または天然ガスまたは他の石油製品)、労働者の費用がより低いこと(例えば、従業員に払われる賃金)、環境管理または影響の費用がより低いこと、または有機肥料の生産のためのいずれかの他の必要条件が挙げられる。したがって、第1の地理学的位置での生産物の製造費用は、第2の地理学的位置での生産物の製造費用より低くなり得、結果として、第1の地理学的位置でより低い生産費用がもたらされる。
【0080】
このような場合、肥料は、第1の地理学的位置で製造され、そして例えば、船もしくは荷船による水上輸送、トラック輸送、航空輸送、鉄道輸送または他の輸送手段によって第2の地理学的位置に輸送されてよい。地理学的位置は、郡、州、国、大陸および/またはそれらのいずれかの組み合わせであってよい。このように、生産物は、例えば、第1の郡、州、国または大陸で製造され、そして第2の郡、州、国または大陸に輸送され、そして/または販売されてもよい。
【0081】
本開示による肥料組成物の様々な実施形態を、以下の実施例で例証する。当業者は、本発明の性質を説明するために以下に記載および図示される実施例の成分、組成、詳細、材料およびプロセスパラメータの様々な変更が、当業者によってなされ得ること、また全てのかかる修正が本明細書および添付の請求の範囲において表現される本発明の原理および範囲内に存続することを認識するであろう。また当業者は、広範な本発明の概念から逸脱することなく、上記および下記の実施形態が変更され得ることを認識するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないが、請求の範囲によって定義されるような本発明の原理および範囲内である修正を包含することが理解される。
【実施例】
【0082】
実施例1
L−リシン一塩酸塩(HCl)である有機化合物を用いて、肥料組成物を製造することができる。L−リシン一塩酸塩(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー−ダニエルス−ミッドランドカンパニー(Archer−Daniels−Midland Company)、ならびに他の供給元から入手可能)を顆粒状固体または水溶液のいずれかとして利用してよい。L−リシン(HCl)は、98.5%の純度、約94.4%の粗製タンパク質含有量(窒素含有量×6.25で測定される)、約19.7%のHCl含有量および約100%異性体純度で約78.8%のL−リシン含有量を有する。市販のL−リシン(HCl)は、<1.19mm(85%)および<0.17mm(5%)の粒度を有する黄褐色顆粒の形態で入手されてもよい。L−リシン(HCl)は、25℃でHO中、500g/L〜600g/Lの範囲の溶解度を有し、また0.61g/cm〜0.71g/cmの範囲のバルク密度を有する。L−リシン(HCl)は、供給グレード、商業グレードまたは他の適切なグレードであってよい。L−リシン(HCl)は、約15%の窒素含有量を有し、そして窒素の低単位価格で容易に入手可能である。L−リシン(HCl)は、約0.56kg/アール(50lbs/エーカー)〜約16.83kg/アール(1500lbs/エーカー)の量で土壌に適用されてもよい。
【0083】
実施例2
リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシン(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー−ダニエルス−ミッドランドカンパニー(Archer−Daniels−Midland Company)から入手可能)である有機化合物を用いて、肥料組成物を製造することができる。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、リシン発酵培養液からリシンを濃縮することによって得られるL−リシン遊離塩の約50%(重量による)水溶液である。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、約61.5%の粗製タンパク質含有量(窒素含有量×6.25で測定される)、約1.14kg/L(9.5lbs/gal)〜約1.15kg/L(9.6lbs/gal)の密度および約100%異性体純度で約50%のL−リシン含有量を有する暗褐色の液体である。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、約0.025L/アール(1.0L/エーカー)〜約8.65L/アール(350L/エーカー)の量で土壌に直接的に噴霧されるか、または約1重量%〜約99重量%のリキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンの濃度まで水で希釈して、希釈溶液を約0.025L/アール(1.0L/エーカー)〜約98.84L/アール(4000L/エーカー)の量で土壌に適用してもよい。
【0084】
実施例3
リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンである有機化合物を用いて、肥料組成物を製造することができる。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、50重量%のL−リシン遊離塩(100%異性体純度)水溶液を含む。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、例えば、炭化水素のような少量の他の複合有機分子をさらに含んでもよい。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、約1.13g/cm〜約1.15g/cmの範囲の密度および約9.6〜約11.0の範囲のpHを有する暗褐色の液体である。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、約50%(最小)のL−リシン含有量および約48%(最大)の水分含有量を有してもよい。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、リシン発酵プロセスのリシン生成物を濃縮して得てもよい。
【0085】
リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、約4.08L/アール(165L/エーカー)〜約12.26L/アール(496L/エーカー)の量において、土壌に直接的に噴霧されてもよい。あるいは、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、葉面肥料として植物上に直接的に噴霧されてもよい。リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンは、所望のレベルまで窒素含有量を調節するために、水で希釈されたり、濃縮されたり(水の除去によって)、または可溶性リシン塩(例えばリシン(HCl))を追加されてもよく;そしてリキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシンの総量が、約4.08L/アール(165L/エーカー)〜約12.26L/アール(496L/エーカー)となるような量で土壌または植物に適用されてよい。
【0086】
実施例4
本実施例では、グリーン高さのクリーピングベントグラス(creeping bentgrass)に及ぼす肥料の効果を調査した。本開示のいくつかの実施形態による肥料組成物を製造し、そして市販の肥料製品、尿素46−0−0(顆粒)肥料、レバノン(Lebanon)肥料21−0−12(顆粒、ペンシルバニア州、レバノン(Lebanon,Pennsylvania)のレバノン シーボード コーポレイション(Lebanon Seaboard Corporation)から市販品として入手可能)およびミローガナイト(Milorganite)6−2−0(顆粒、ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のミローガナイト(Milorganite)から市販品として入手可能)と比較した。約0.489kg/アール(1.0lb N/1000ft)の供給に等しい率で、芝の冬眠状態の前に、肥料組成物を芝草に適用した。各肥料組成物を、1アールあたりの窒素のキログラムが実質的に等しい率で適用した。表1に、肥料の適用から約2週間後の本発明の様々な代表的な肥料を使用する施肥に対する、グリーン高さ(すなわち、ゴルフコースグリーン上の草の高さ)のクリーピングベントグラスの応答を説明する。色および損傷の欄の文字は、ダンカンのマルチプル レンジ テスト(Duncan’s Multiple Range Test)に対応する。同文字が続く欄の数(平均)は、P=0.05で統計学的に異ならない。
【0087】
表1のデータが示すように、本発明の代表的な肥料(限定されないが、乾燥大豆粉末、乾燥リシンおよび液体リシンを含む)と、従来の肥料(例えば、尿素、ミローガナイト(milorganite)およびレバノン(Lebanon)肥料)との間で、全体的な色または損傷について、著しい差異は観測されなかった。
【0088】
【表1】

【0089】
実施例5
本実施例では、芝生高さのケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)に及ぼす肥料の効果を調査した。本開示のいくつかの実施形態による肥料組成物を製造し、そして市販の肥料製品、尿素46−0−0(顆粒)肥料、レバノン(Lebanon)肥料21−0−12(顆粒、ペンシルバニア州、レバノン(Lebanon,Pennsylvania)のレバノン シーボード コーポレイション(Lebanon Seaboard Corporation)から市販品として入手可能)およびミローガナイト(Milorganite)6−2−0(顆粒、ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のミローガナイト(Milorganite)から市販品として入手可能)と比較した。約0.489kg/アール(1.0lb N/1000ft)の供給に等しい率で、芝の冬眠状態の前に、肥料組成物を芝草に適用した。各肥料組成物を、1アールあたりの窒素のキログラムが実質的に等しい率で適用した。表2に、肥料の適用から約2週間後の本発明の様々な代表的な肥料を使用する施肥に対する、芝生高さのケンタッキーブルーグラスの応答を説明する。色および損傷の欄の文字は、ダンカンのマルチプル レンジ テスト(Duncan’s Multiple Range Test)に対応する。
【0090】
表2のデータが示すように、本発明の代表的な肥料(限定されないが、乾燥大豆粉末、乾燥リシンおよび液体リシンを含む)と、従来の肥料(例えば、尿素、ミローガナイト(milorganite)およびレバノン(Lebanon)肥料)との間で、全体的な色または損傷について、著しい差異は観測されなかった。
【0091】
【表2】

【0092】
実施例6
本実施例では、フェアウェー高さのクリーピングベントグラスに及ぼす肥料の効果を調査した。本開示のいくつかの実施形態による肥料組成物を製造し、そして市販の肥料製品、尿素46−0−0(顆粒)肥料、レバノン(Lebanon)肥料21−0−12(顆粒、ペンシルバニア州、レバノン(Lebanon,Pennsylvania)のレバノン シーボード コーポレイション(Lebanon Seaboard Corporation)から市販品として入手可能)およびミローガナイト(Milorganite)6−2−0(顆粒、ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のミローガナイト(Milorganite)から市販品として入手可能)と比較した。約0.489kg/アール(1.0lb N/1000ft)の供給に等しい率で、芝の冬眠状態の前に、肥料組成物を芝草に適用した。各肥料組成物を、1アールあたりの窒素のキログラムが実質的に等しい率で適用した。表3に、肥料の適用から約2週間後の本発明の様々な代表的な肥料を使用する施肥に対する、フェアウェー高さのクリーピングベントグラスの応答を説明する。色および損傷の欄の文字は、ダンカンのマルチプル レンジ テスト(Duncan’s Multiple Range Test)に対応する。同文字が続く欄の数(平均)は、P=0.05で統計学的に異ならない。
【0093】
表3のデータが示すように、限定されないが、乾燥大豆粉末、乾燥リシンおよび液体リシンを含む本発明の代表的な肥料と、従来の肥料(例えば、尿素、ミローガナイト(milorganite)およびレバノン(Lebanon)肥料)との間で、全体的な色または損傷について、著しい差異は観測されなかった。
【0094】
【表3】

【0095】
実施例7
大豆ミールおよびリシン(HCl)を含む肥料組成物の第1の製剤を製造した(製剤1)。肥料組成物は、62.02重量%の47.5%大豆ミール組成物(1240.4g)、34.98重量%のリシン(HCl)(699.6g、98%純度)および3.00重量%の大豆油(60.0g))を含んだ。
【0096】
大豆ミールおよびリシン(HCl)を含む肥料組成物の第2の製剤を製造した(製剤2)。肥料組成物は、62.02重量%の47.5%大豆ミール組成物(1240.4g)、34.98重量%の顆粒状リシン(HCl)(699.6g、98%純度)および3.00重量%のコーティング水素化大豆油(60.0g)を含んだ。
【0097】
約10%〜約10.5%の窒素含有量を有する顆粒状肥料として、肥料組成物を製造した。肥料組成物(製剤1および2)の養分分析を表4に示す。得られた肥料組成物は黄褐色を有し、心地よい臭気に対して中立を有した。溶解性試験によって、リシン成分は水中に溶解するが、大豆ベースのタンパク質粒子は、完全に水和されるが、実質的にそれらの形状を維持したことが示された。肥料組成物を土壌または芝草のような作物に適用した。
【0098】
【表4】

【0099】
実施例8
本実施例で、土壌微生物群(細菌および菌類)に及ぼす肥料組成物の様々な実施形態の効果を調査した。本実施例では、ケンタッキーブルーグラス芝に肥料を適用して24、48および72時間後の全微生物群に対する効果を比較した。
【0100】
以下の肥料組成物を使用した:尿素、乾燥リシン(リシン(HCl)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)ブランドのリシン水溶液(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー−ダニエルス−ミッドランド カンパニー(Archer−Daniels−Midland Company)から入手可能)、スレオニン細胞集団、リシン細胞集団、および大豆/リシンの組み合わせ(乾燥リシンおよび大豆フラワー、大豆フレークおよび大豆油の顆粒状混合物)。スレオニン細胞集団の分析を表5に示す。微生物群に及ぼす肥料組成物の効果を、肥料組成物が適用されなかった対照プロットと比較した。乾燥リシンを水中に溶解し、そして芝プロット上に噴霧することによって適用した。微生物群を24時間、48時間および72時間後に測定し、そして結果を図1に示す。0.489kb N/アール(1.0lb N/1000ft)の率でケンタッキーブルーグラス芝に肥料組成物を適用した。芝からの土壌試料を、標準プレートカウントおよび希釈シリーズによって全土壌細菌および菌類に関して分析した。
【0101】
【表5】

【0102】
尿素および乾燥リシン処理は、微生物群に関して対照と著しく異ならず、これは、リシンがほとんど尿素と同じぐらい分子的に単純であることを示す。液体リシン材料は、同一窒素率で、乾燥リシンよりいくらか反応性であった。スレオニン細胞集団は、24時間以内、72時間まで、土壌微生物活性に対して非常に明らかで著しい効果を有した。スレオニン処理は、48時間後、対照より約7倍高かった。実行された大豆フラワー/フレーク/リシン顆粒は、72時間で著しい増加を示し、これは対照より4〜5倍高く、なお高くなる傾向があった。これは、より長い残存活性を有する著しい反応を示した。
【0103】
実施例9
本実施例で、温暖な季節の芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類の芝生品質の芝草(セントオーガスティングラス(St.Augustine grass))に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素およびミローガナイト(Milorganite)の効果と比較した。セントオーガスティングラスは、芝生ターンとして温暖な熱帯地域を通して一般的に利用される芝草であって、市販品として著しい種である。
【0104】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む12の肥料処理を調製し、そしてフロラタム(Floratam)セントオーガスティングラスに4回繰り返して適用した。リシン(HCl)は、適用前に水中に溶解された。各肥料処理は、0.244kg N/アール/月(0.5lb N/1000ft/月)、0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)および1.47kg N/アール/月(3.0lb N/1000ft/月)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびリシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた1m×2mであった。プロットは、肥料適用前に7.6cm(3.0インチ)に刈られた。適用後に、潅漑(0.38cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(0〜5のスケール、5=最悪であり、2=最小限で好ましくない)に関して評価した。品質、色および植物毒性は、適用の2日前(−2日)、ならびに適用後2日、5日、15日および21日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表6に示し、そして0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)の適用率での品質結果を図2に図示する。平均芝草色評価は、表7に示す。平均植物毒性評価を表8に示す。全ての肥料組成物に対する平均2−月芝草品質評価を図3に示す。
【0105】
【表6】

【0106】
【表7】

【0107】
【表8】

【0108】
リシンベースの肥料処理は、両方とも、全ての適用レベルで、尿素と同等で、ミローガナイト(milorganite)よりも高い品質および色結果を有した。両リシンベースの肥料処理およびミローガナイト(milorganite)処理は、全3レベルの適用で、著しい植物毒性を示さなかった。尿素は、0.489kg N/アール(1.0lb N/1000ft)および1.47kg N/アール(3.0lb N/1000ft)の適用率でいくらかの植物毒性を示した。2つのリシン肥料組成物は、セントオーガスティングラス(芝草)に対して、植物毒性は低かったが、尿素と同様の迅速な成長および色応答を実証し、またミローガナイト(milorganite)に関して観測されたものよりも高い成長および色応答を示す。
【0109】
実施例10
本実施例で、温暖な季節の芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースフェアウェー品質芝草(バミューダグラス(Bermuda grass))に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素およびミローガナイト(Milorganite)の効果と比較した。
【0110】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)ならびに顆粒状および水性リシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む15の肥料処理を調製し、そしてバミューダグラスに4回繰り返して適用した。水性リシン(HCl)は、適用前に水中に溶解された。各肥料処理は、0.244kg N/アール/月(0.5lb N/1000ft/月)、0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)および1.47kg N/アール/月(3.0lb N/1000ft/月)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)および水性リシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)および顆粒状リシン(HCl)は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた1m×2mであった。プロットは、肥料適用前に1.3cm(0.5インチ)に刈られた。適用後に、潅漑(0.38cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(0〜5のスケール、5=最悪であり、2=最小限で好ましくない)に関して評価した。品質、色および植物毒性は、適用の2日前(−2日)、ならびに適用後2日、5日、15日および21日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表9に示し、そして0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)の適用率での品質結果を図4に図示する。平均芝草色評価は、表10に示す。平均植物毒性評価を表11に示す。4つの肥料組成物に対する平均2−月芝草品質評価を図5に示す。
【0111】
【表9】

【0112】
【表10】

【0113】
【表11】

【0114】
全3つのリシンベースの肥料処理は、全ての適用レベルで、バミューダグラスに対して、尿素およびミローガナイト(milorganite)と同等であるか、またはより良好な品質および色結果を有した。全ての肥料処理は、全3レベルの適用で、著しい植物毒性を示さなかった。
【0115】
実施例11
本実施例で、温暖な季節の芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースグリーン品質芝草(ウルトラ−ドワーフ(Ultra−dwarf)バミューダグラス)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素およびミローガナイト(Milorganite)の効果と比較した。
【0116】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む12の肥料処理を調製し、そしてウルトラ−ドワーフバミューダグラスに3回繰り返して適用した。リシン(HCl)は、適用前に水中に溶解された。各肥料処理は、0.611kg N/アール/週(0.125lb N/1000ft/週)、0.122kg N/アール/週(0.25lb N/1000ft/週)および0.367kg N/アール/週(0.75lb N/1000ft/週)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびリシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた1m×1mであった。プロットは、肥料適用前に0.318cm(0.125インチ)に刈られた。適用後に、潅漑(0.37cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(0〜5のスケール、5=最悪であり、2=最小限で好ましくない)に関して評価した。品質、色および植物毒性は、適用の2日前(−2日)、ならびに適用後2日、5日、15日および21日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表12に示し、そして0.122kg N/アール/週(0.25lb N/1000ft/週)の適用率での品質結果を図6に図示する。平均芝草色評価は、表13に示す。平均植物毒性評価を表14に示す。全ての肥料組成物に対する平均2−月芝草品質評価を図7に示す。
【0117】
【表12】

【0118】
【表13】

【0119】
【表14】

【0120】
リシンベースの肥料処理は、両方とも、全ての適用レベルで、グリーン長さのウルトラ−ドワーフバミューダグラスに対して、尿素と同等で、ミローガナイト(milorganite)よりも高い品質および色結果を有した。全ての肥料処理は、全3レベルの適用で、著しい植物毒性を示さなかった。
【0121】
実施例12
本実施例で、芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースグリーン品質芝草(グリーン用クリーピングベントグラス)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、コロン(CoRoN)(登録商標)ブランド肥料(テネシー州、コリアビル(Collierville,Tennessee)のヘレナ ケミカル カンパニー(Helena Chemical Co.)から市販品として入手可能)の効果と比較した。
【0122】
各肥料組成物(コロン(Coron)(登録商標)(N−P−K、14−2−14)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む9の肥料処理を調製し、そしてゴルフコースグリーンで使用するためのクリーピングベントグラスに3回繰り返して適用した。リシン(HCl)(250g)は、適用前に水(500mL)中に溶解された。各肥料処理は、0.7g N/m、1.4g N/mおよび2.8g N/mの濃度で適用された。オルト ヘビー デューティ(Ortho Heavy Duty)ハンドポンプ噴霧機を使用して全ての適用を行なった。全ての製品は、適用のため、126mLの水と混合された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた0.61m×1.83mであった。適用後に、潅漑は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(焼け%)に関して評価した。品質、色および植物毒性は、適用後7日、14日、21日、28日、35日および42日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表15に示す。平均芝草色評価は、表16に示す。平均植物毒性評価(焼け%)を表17に示す。
【0123】
【表15】

【0124】
【表16】

【0125】
【表17】

【0126】
リシンベースの肥料組成物は、8.15L/アール(2.0gal HO/1000ft)未満で適用された場合、2.8g N/m(0.5lb N/1000ft)より低い適用率で許容できる芝草品質を示した。葉面処理として(すなわち、葉を湿潤して)厳密に使用される場合、適用率が高いほど葉面の焼けをもたらす可能性がある。
【0127】
実施例13
本実施例で、芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースフェアウェー品質芝草(バミューダグリーン)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、コロン(CoRoN)(登録商標)ブランド肥料の効果と比較した。
【0128】
各肥料組成物(コロン(Coron)(登録商標)(N−P−K、14−2−14)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の2つの濃度を含む6の肥料処理を調製し、そしてゴルフコースフェアウェーで使用するためのバミューダグラスに3回繰り返して適用した。リシン(HCl)は、4.5の設定でスコッツ(Scotts)0.61m(2フィート)ドロップ散布機を使用して、顆粒状で適用された。1.5m(5フィート)スプレーパターンでバーチマイアー(Birchmeier)バックパック噴霧機を使用して、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびコロン(Coron)の溶液を適用した。各肥料処理は、1.47kg N/アール(3.0lb N/1000ft)および2.93kg N/アール(6.0lb N/1000ft)の濃度で適用された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた1.5m×1.83mであった。適用後に、潅漑は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(焼け%)に関して評価し、2つの未処理のプロットと比較した。品質、色および植物毒性は、適用後7日、14日、21日、28日、35日および42日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表18に示す。平均芝草色評価は、表19に示す。平均植物毒性評価(焼け%)を表20に示す。
【0129】
【表18】

【0130】
【表19】

【0131】
【表20】

【0132】
リシンベースの肥料組成物は、8.15L/アール(2.0gal HO/1000ft)未満で適用された場合、2.93kg N/アール(6.0lb N/1000ft)より低い適用率で許容できる芝草品質を示した。葉面処理として(すなわち、葉を湿潤して)厳密に使用される場合、適用率が高いほど葉面の焼けをもたらす可能性がある。
【0133】
実施例14
本実施例で、芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類の芝生品質の芝草(ライゾマタス(rhizomatous)トールフェスキュ(tall fescue))に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、コロン(CoRoN)(登録商標)ブランド肥料の効果と比較した。
【0134】
各肥料組成物(コロン(Coron)(登録商標)(N−P−K、14−2−14)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の2つの濃度を含む6の肥料処理を調製し、そしてライゾマタス(rhizomatous)トールフェスキュに3回繰り返して適用した。1.5m(5フィート)スプレーパターンでバーチマイアー(Birchmeier)バックパック噴霧機を使用して、リシン(HCl)(1.89L(0.5galの水)に溶解)、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびコロン(Coron)の溶液を適用した。各肥料処理は、0.977kg N/アール(2.0lb N/1000ft)の適用率での3分割適用か、または0.489kg N/アール(1.0lb N/1000ft)の適用率での6分割適用のいずれかで適用された。プロットサイズは、ランダム化された完全なブロックとしてセットアップされた2.7m×2.7mであった。適用後に、潅漑は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質および色(1〜10のスケール、10=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)、ならびに植物毒性(焼け%)に関して評価し、2つの未処理のプロットと比較した。品質、色および植物毒性は、適用後7日、14日、21日、28日、35日および42日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表21に示す。平均芝草色評価は、表22に示す。平均植物毒性評価(焼け%)を表23に示す。
【0135】
【表21】

【0136】
【表22】

【0137】
【表23】

【0138】
リシンベースの肥料組成物は、8.15L/アール(2.0gal HO/1000ft)未満で適用された場合、0.977kg N/アール(2.0lb N/1000ft)より低い適用率で許容できる芝草品質を示した。葉面処理として(すなわち、葉を湿潤して)厳密に使用される場合、適用率が高いほど葉面の焼けをもたらす可能性がある。
【0139】
実施例15
本実施例で、涼しい季節のフェアウェー芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースフェアウェー変種芝草(ゴルフコースフェアウェーとして維持されたペンリンクス(Pennlinks)クリーピングベントグラス)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料(約1:1の比率でのメチレン尿素および尿素のブレンド)の効果と比較した。
【0140】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、ブレンド肥料、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む15の肥料処理を調製し、そして良好に確立された、ゴルフコースフェアウェーグラスとして維持されたペンリンクス(Pennlinks)クリーピングベントグラスに3回繰り返して適用した。尿素、リシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、適用前に5.68L(1.5gal)の水中に溶解/懸濁された。各肥料処理は、0.244kg N/アール/月(0.5lb N/1000ft/月)、0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)および1.47kg N/アール/月(3.0lb N/1000ft/月)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびリシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、複製された完全なブロックのデザインでレイアウトされた1.2m×2.4mであった。プロットは、肥料適用前に1.3cm(0.5インチ)に刈られ、そして1週間あたり3回、1.3cm(0.5インチ)の高さまで刈られた。刈り取った草をプロットから除去せず、補助的な栽培メンテナンスを施さなかった。適用後およびその後、1日ごとに、潅漑(0.38cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質(1〜9のスケール、9=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)および植物毒性(0〜9のスケール、9=著しい葉面損傷であり、2=最小限で好ましくない葉面損傷)に関して評価した。品質は、適用前(0日)、ならびに適用後37日、70日および95日に測定された。損傷は、適用後37日、70日および95日に測定された。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表24に示す。平均芝草損傷評価を表25に示す。
【0141】
【表24】

【0142】
【表25】

【0143】
リシンベースの肥料処理は、両方とも、全ての適用レベルで、フェアウェー変種クリーピングベントグラスに対して、尿素、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド無機肥料と同様の品質および損傷結果における性能を有した。リシンベースの肥料の性能は、それらが同様の残存活性および他の材料を有することを示す。
【0144】
実施例16
本実施例で、涼しい季節のグリーン品質芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な種類のゴルフコースグリーン品質芝草(0.1875インチの高さで刈られた、グリーン用ペンリンクス(Pennlinks)クリーピングベントグラス)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料(約1:1の比率でのメチレン尿素および尿素のブレンド)の効果と比較した。
【0145】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、ブレンド肥料、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む15の肥料処理を調製し、そして良好に確立された、0.48cm(0.1875インチ)の高さに刈られたペンリンクス(Pennlinks)クリーピングベントグラスに3回繰り返して適用した。尿素、リシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、適用前に5.68L(1.5gal)の水中に溶解/懸濁された。各肥料処理は、0.0611kg N/アール/週(0.125lb N/1000ft/週)、0.122kg N/アール/週(0.25lb N/1000ft/週)および0.367kg N/アール/週(0.75lb N/1000ft/週)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびリシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、複製された完全なブロックのデザインでレイアウトされた1.2m×1.2mであった。プロットは、肥料適用前に0.48cm(0.1875インチ)の高さに刈られ、そして1週間あたり5回、0.48cm(0.1875インチ)の高さまで刈られた。各刈り取り後、刈り取った草をプロットから除去した。適用後およびその後、毎日、潅漑(0.38cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質(1〜9のスケール、9=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)および植物毒性(0〜9のスケール、9=著しい葉面損傷であり、2=最小限で好ましくない葉面損傷)に関して評価した。品質は、適用前(0日)、ならびに適用後37日、70日および95日に測定された。損傷は、適用後37日、70日および95日に測定された。同様の適用率および方法で大豆濃縮物肥料の3つの処理によって、追加の組の芝草プロットに肥料を与えた。大豆濃縮物肥料プロットの品質および植物毒性損傷を95日に測定した。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表26に示す。平均芝草損傷評価を表27に示す。
【0146】
【表26】

【0147】
【表27】

【0148】
リシンベースの肥料処理は、両方とも、全ての適用レベルで、グリーン長さのクリーピングベントグラスに対して、尿素と同等で、ミローガナイト(milorganite)よりも優れた品質を有した。全ての肥料処理は、全3レベルの適用で、著しい植物毒性を示さなかった。
【0149】
実施例17
本実施例で、涼しい季節の芝生変種芝草成長に及ぼすリシンを含む肥料の効果を調査した。一般的な品種の芝生芝草(ムーンライト(moonlight)ケンタッキーブルーグラス)に及ぼすリシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)の効果について、尿素、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料(約1:1の比率でのメチレン尿素および尿素のブレンド)の効果と比較した。
【0150】
各肥料組成物(ミローガナイト(Milorganite)(N−P−K、6−2−0)、尿素(N−P−K、46−0−0)、ブレンド肥料、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)(N−P−K、10−2−1)およびリシン(HCl)(N−P−K、15−2−1))の3つの濃度を含む15の肥料処理を調製し、そして新しく確立された「ムーンライト(moonlight)」品種ケンタッキーブルーグラス芝生芝草に3回繰り返して適用した。尿素、リシン(HCl)およびリキッドリシン(LIQUID LYSINE)は、適用前に5.68L(1.5gal)の水中に溶解/懸濁された。各肥料処理は、0.244kg N/アール/月(0.5lb N/1000ft/月)、0.489kg N/アール/月(1.0lb N/1000ft/月)および1.47kg N/アール/月(3.0lb N/1000ft/月)の濃度で適用された。尿素、リキッドリシン(LIQUID LYSINE)およびリシン(HCl)は葉面液体として適用されたが、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド肥料は顆粒状肥料として適用された。プロットサイズは、複製された完全なブロックのデザインでレイアウトされた1.2m×2.4mであった。プロットは、肥料適用前に5.1cm(2.0インチ)に刈られ、そして1週間あたり2回、5.1cm(2.0インチ)の高さまで刈られた。刈り取った草をプロットから除去せず、補助的な栽培メンテナンスまたは有害生物管理を施さなかった。適用後およびその後、芝地の残存を確実にするために必要な時のみ、潅漑(0.38cm(0.15インチ))は適用された。試験期間で、プロットを芝草品質(1〜9のスケール、9=濃緑色の芝生、1=死滅/茶色の芝生であり、6=最小限で許容できる芝生)および植物毒性(0〜9のスケール、9=著しい葉面損傷であり、2=最小限で好ましくない葉面損傷)に関して評価した。品質は、適用前(0日)、ならびに適用後37日、70日および95日に測定された。損傷は、適用後37日および70日に測定された。加えて、適用後70日に草の葉の密度を測定した(1〜9のスケール、9=非常に密集した芝地、1=低密度芝地)。全てのデータは統計分析を行い、重要な意味を決定した。処理の平均芝草品質評価を表28に示す。平均芝草損傷評価および70日の平均密度を表29に示す。
【0151】
【表28】

【0152】
【表29】

【0153】
リシンベースの肥料処理は、両方とも、全ての適用レベルで、ケンタッキーブルーグラスに対して、尿素、ミローガナイト(Milorganite)およびブレンド無機肥料と同等の品質評価を有した。通常の適用率の3倍で適用された材料では(すなわち、1.47kg N/アール(3.0lbs N/1000ft))、最良の芝草品質が得られた。
【0154】
実施例18
本実施例で、芝草成長および色に及ぼす発酵バイオマス組成物を含む有機肥料の効果を調査した。肥料処理は、リシン硫酸塩、クエン酸発酵バイオマスおよびポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産プロセスの副生成物を含む発酵バイオマスを含んだ。
【0155】
各肥料組成物(リシン硫酸塩、クエン酸発酵バイオマスおよびPHA生産バイオマス)の2つの濃度を含む6つの肥料処理を調製し、そしてケンタッキーブルーグラス芝生芝草に適用した。肥料が適用されない対照プロットも調整した。プロットサイズは、2ft×5ftであった。リシン硫酸塩は、0.489kg N/アール(1.0lb N/1000ft)および1.47kg N/アール(3.0lb N/1000ft)の量で適用された(それぞれ、45gおよび135gのリシン硫酸塩がプロットに適用されられた)。クエン酸発酵バイオマスは、シトリスティム(CitriStim)(登録商標)(イリノイ州、ジケーター(Decatur,Illinois)のアーチャー−ダニエルス−ミッドランド カンパニー(Archer−Daniels−Midland Companyから市販品として入手可能)を含み、そして0.489kg N/アール(1.0lb N/1000ft)および1.47kg N/アール(3.0lb N/1000ft)の量での適用された(それぞれ、65gおよび196gのシトリスティム(Citristim)(登録商標)がプロットに適用されられた)。シトリスティム(Citristim)の分析を表30に示す。
【0156】
【表30】

【0157】
PHA生産バイオマスは、0.489kg N/アール(1.0lb N/1000ft)および1.47kg N/アール(3.0lb N/1000ft)の量で適用された(それぞれ、84gおよび252gのPHAバイオマスがプロットに適用された)。適用後、潅漑は適用された。プロットを芝草生長(1〜9のスケール、9=最高成長)および色(1〜9のスケール、9=濃緑色)に関して評価し、3つの未処理プロットと比較した。成長および色について、肥料組成物の適用から10日後日に評価した。平均芝草成長および色評価を表31に示す。
【0158】
【表31】

【0159】
処理された各プロットは、低い適用率で処理された芝地において、著しく良好な成長および色を有した。高い適用率で処理された芝地プロットは、改善された成長評価を示し、そして色が著しく濃緑であった。未処置プロットは、全て、ほとんどまたは全く成長を示さず、そして乏しいまたは薄い緑色を有した。淡黄褐色の葉先をもたらす、多数の葉身における未処理の芝地での刈り取り損傷は明らかであった。肥料組成物で処理されたプロットのいずれにおいても、刈り取り損傷は観測されなかった。
【0160】
実施例19
本実施例で、本明細書に記載される肥料の様々な非限定的な実施形態で使用するために適切な様々な植物性タンパク質生成物を、様々な成分の含有量に関して分析した。様々な植物性タンパク質の組成を表32および表33に示す。B−澱粉の組成も表33に示す。
【0161】
【表32】

【0162】
【表33】

【0163】
本発明は、特定の代表的な実施形態、組成物およびその使用に関して記載されている。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、いずれかの代表的な実施形態の様々な代用、変更または組み合わせがなされてもよいことを当業者は認識するであろう。したがって、本発明は、代表的な実施形態の記載によって制限されることなく、添付の請求の範囲によって制限される。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本明細書に記載の様々な肥料組成物を適用した後の土壌微生物群に対する効果を例示する。
【図2】様々な肥料組成物を適用した後のセントオーガスティングラスの芝草品質に対する効果を例示する。
【図3】様々な肥料組成物に関して、セントオーガスティングラスにおける平均2ヵ月の品質評価を例示する。
【図4】様々な肥料組成物を適用した後のバミューダフェアウエー芝草の芝草品質に対する効果を例示する。
【図5】様々な肥料組成物に関して、バミューダフェアウエー芝草における平均2ヵ月の品質評価を例示する。
【図6】様々な肥料組成物を適用した後のゴルフグリーン用ウルトラドワーフバミューダ芝草の芝草品質に対する効果を例示する。
【図7】様々な肥料組成物に関して、ゴルフグリーン用ウルトラドワーフバミューダ芝草における平均2ヵ月の品質評価を例示する。
【図8】リシン発酵プロセスを例示する。
【図9】スレオニン発酵プロセスを例示する。
【図10】クエン酸発酵プロセスを例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または複数種の有機化合物を含む肥料組成物。
【請求項2】
前記1種または複数種の有機化合物が、C対N比による測定において、高い窒素含有量を有する、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項3】
前記1種または複数種の有機化合物が、リシン生成物、発酵細胞培養液、有機酸のアンモニウム塩、アミド化有機カルボン酸、可溶性植物性タンパク質およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項4】
前記1種または複数種の有機化合物が、L−リシンの水溶性塩、L−リシン(HCl)、L−リシン遊離塩、液体L−リシン、L−リシン硫酸塩およびそれらの混合物よりなる群から選択されるリシン生成物を含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項5】
肥料が固体顆粒製剤形態を有する、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項6】
肥料が水溶液製剤形態を有する、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項7】
前記1種または複数種の有機化合物が有機酸のアンモニウム塩を含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項8】
前記有機酸が、乳酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項6に記載の肥料組成物。
【請求項9】
前記1種または複数種の有機化合物が、乳酸のアミド、アミノ酸のアミド、クエン酸のモノアミド、クエン酸のジアミド、クエン酸のトリアミドおよびそれらの混合物よりなる群から選択され、各アミドが、独立して、非置換のアミド、N−アルキルアミドおよびN,N−ジアルキルアミドのうちの1つであるアミド化有機カルボン酸を含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項10】
前記1種または複数種の有機化合物が、グリシン、アラニン、セリン、バリン、リシン、アスパラギン、グルタミン、ヒスタジン、アルギニンおよびスレオニンのうちの1つ以上のアミドを含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項11】
前記1種または複数種の有機化合物が、リシン細胞培養液、スレオニン細胞培養液およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される発酵細胞培養液を含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項12】
前記発酵細胞培養液が、乾燥細胞培養液、細胞集団およびバイオマスのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の肥料組成物。
【請求項13】
前記1種または複数種の有機化合物が、塩基性塩とブレンドされた大豆タンパク質単離物、カノーラタンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物およびそれらの混合物よりなる群から選択される可溶性植物性タンパク質を含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項14】
前記可溶性植物性タンパク質が、塩基性塩とブレンドされた大豆タンパク質単離物を含み、塩基性塩とブレンドされた大豆タンパク質単離物の水溶液が8より高いpHを有するように、大豆タンパク質単離物が十分な量の塩基性塩とブレンドされる、請求項13に記載の肥料組成物。
【請求項15】
前記塩基性塩が、炭酸イオン、重炭酸イオン、水酸化物イオンおよびそれらの混合物のうちの1つの塩である、請求項14に記載の肥料組成物。
【請求項16】
前記塩がアルカリ土類金属塩である、請求項15に記載の肥料組成物。
【請求項17】
前記塩基性塩が、(NHCO、NHHCO、NHOH、KOH、KCO、KHCOおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、請求項15に記載の肥料組成物。
【請求項18】
前記1種または複数種の有機化合物が固体を含み、前記肥料組成物が、前記固体有機化合物の表面上に生分解性ポリマーコーティングをさらに含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項19】
前記生分解性ポリマーコーティングがポリ(ヒドロキシアルカノエート)を含む、請求項18に記載の肥料組成物。
【請求項20】
大豆モラス、大豆タンパク質リカー、コーンスティープリカー、蒸留可溶物およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される可溶性バインダー材料をさらに含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項21】
カリウム塩、リン酸塩、尿素、硫黄元素、石膏、ならびに鉄、亜鉛、マグネシウムおよびそれらの混合物の塩から選択される微量元素よりなる群から選択される少なくとも1種の無機肥料成分をさらに含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項22】
前記1種または複数種の有機化合物が、細胞集団加水分解物、中和された細胞集団加水分解物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項23】
アミノ酸キレートをさらに含む、請求項1に記載の肥料組成物。
【請求項24】
土壌の窒素含有量を増加させる手段と、
分散剤と
を含む肥料組成物。
【請求項25】
窒素含有量を増加させる前記手段が、リシン生成物、発酵細胞培養液、有機酸のアンモニウム塩、アミド化有機カルボン酸、可溶性植物性タンパク質およびそれらの混合物よりなる群から選択される有機化合物を含む、請求項24に記載の肥料組成物。
【請求項26】
前記分散剤が、生分解性ポリマーおよび水よりなる群から選択される、請求項24に記載の肥料組成物。
【請求項27】
肥料組成物が植物の成長を促進するように、土壌に請求項1〜26のいずれか一項に記載の肥料組成物を適用することを含む土壌中の窒素含有量を増加させる方法。
【請求項28】
前記肥料組成物が芝草の成長を促進する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記肥料組成物を土壌に適用することが、土壌上へ前記肥料組成物を散布することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記肥料組成物を散布することが、土壌上へ前記肥料組成物を噴霧することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記肥料組成物が水性製剤を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
植物または土壌に請求項1〜26のいずれか一項に記載の肥料組成物を適用することを含む作物生産を促進する方法。
【請求項33】
前記植物が芝草である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記植物が商業用作物植物である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
有機組成物が園芸作物または農作物の成長を促進するように、園芸作物または農作物に請求項1〜25のいずれか一項に記載の肥料組成物を適用することを含む園芸作物または農作物に肥料を与える方法。
【請求項36】
大豆粉末、乾燥リシン生成物、液体リシン生成物、リシン発酵副生成物、スレオニン発酵副生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される有機化合物を含み、冬季休眠の前に芝草へ肥料組成物を適用すると、芝草の色が、肥料組成物が適用されていない芝草と比較して改善される肥料組成物。
【請求項37】
前記肥料組成物が水溶液中に存在する、請求項36に記載の肥料組成物。
【請求項38】
前記肥料組成物が粒状または粉末状である、請求項36に記載の肥料組成物。
【請求項39】
界面活性剤をさらに含む、請求項36に記載の肥料組成物。
【請求項40】
請求項36〜39のいずれか一項に記載の肥料組成物を、土壌、植物または土壌および植物に適用することを含む肥料を与える方法。
【請求項41】
水溶液中に前記肥料組成物を入れることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記肥料組成物で顆粒または粉末を形成することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記肥料組成物が、土壌1アールあたり窒素(N)が0.489キログラムの率で、土壌、植物または土壌および植物に適用される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
第1の位置で前記肥料組成物を製造すること、および
前記肥料組成物を第2の位置へ輸送すること
を含み、前記第1の位置および前記第2の位置が国である、請求項36〜39のいずれか一項に記載の肥料組成物を製造する方法。
【請求項45】
第1の成分および第2の成分を含み、前記第1の成分および前記第2の成分が、それぞれ独立して、リシン生成物、細胞培養液、タンパク質、農産物加工施設で発生する副生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択され、前記第1の成分および前記第2の成分が異なる、組成物。
【請求項46】
前記第1の成分がリシン生成物を含み、かつリシンの水溶性塩、リシン塩酸塩、リシン二塩化水素化物、リシン遊離塩、リシン硫酸塩、リシン塩の水溶液、リシン遊離塩の水溶液、リシン細胞排出物、リシンラフィネート、リシン母液およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記リシン生成物がリシン塩酸塩である、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記リシン生成物がリシン遊離塩の水溶液である、請求項46に記載の組成物。
【請求項49】
前記第2の成分が、スレオニン発酵細胞培養液、リシン発酵細胞培養液、クエン酸発酵細胞培養液およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される細胞培養液である、請求項45に記載の組成物。
【請求項50】
前記第2の成分が、大豆タンパク質、カノーラタンパク質、亜麻仁タンパク質、ピーナッツタンパク質、ヒマワリタンパク質、ベニバナタンパク質、綿タンパク質、アブラヤシタンパク質、パーム核タンパク質およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される植物性タンパク質である、請求項45に記載の組成物。
【請求項51】
前記第2の成分が、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、リバース大豆濃縮物、大豆フラワー、大豆フレーク、大豆ミール、乾燥大豆粉末およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される大豆タンパク質である、請求項45に記載の組成物。
【請求項52】
前記組成物が、粉末、顆粒、ペレットおよびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される固体形状を有する、請求項45に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物の表面の少なくとも一部分の上にコーティングをさらに含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記組成物が、均質水溶液および不均質水溶液よりなる群から選択される形態を有する、請求項45に記載の組成物。
【請求項55】
土壌、植物または土壌および植物に、リシンの水溶性塩、リシン塩酸塩、リシン二塩化水素化物、リシン遊離塩、リシン硫酸塩、リシン塩の水溶液、リシン遊離塩基の水溶液、リシン細胞排出物、リシンラフィネート、リシン母液およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択されるリシン生成物を含む肥料組成物を適用することを含む土壌中の窒素含有量を増加させる方法。
【請求項56】
前記肥料組成物が、細胞培養液、タンパク質、農産物加工施設で発生する副生成物およびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物をさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記肥料組成物が、窒素0.122kg/アール/月〜窒素1.47kg/アール/月の量で適用される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記肥料組成物を適用することが、顆粒形状の肥料組成物を散布すること、肥料組成物の均質水溶液を噴霧すること、および肥料の不均質水溶液を噴霧することよりなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記植物が草である、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
大豆粉末、大豆ミール、大豆フレーク、大豆フラワー、スレオニン発酵から得られる細胞集団、リシン発酵から得られる細胞集団、クエン酸発酵から得られる細胞集団、ポリヒドロキシアルカノエート単離プロセスから得られる細胞集団、エタノール発酵から得られる細胞集団、およびいずれかのそれらの組み合わせよりなる群から選択される顆粒状窒素含有材料を植物に適用することを含む方法。
【請求項61】
前記植物が草である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記植物が、クリーピングベントグラス(creeping bentgrass)、ケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)、セントオーガスティングラス(St.Augustine grass)、バミューダグラス(Bermuda grass)、ドワーフバミューダグラス(dwarf Bermuda grass)およびトールフェスキュ(tall fescue)よりなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記顆粒状窒素含有材料の表面の少なくとも一部分の上にコーティングを配置することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記顆粒状窒素含有材料を適用することが、前記顆粒状窒素含有材料を1アールあたり0.56キログラムと1アールあたり16.83キログラムとの間の率で植物に散布することを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
リシン生成物を前記顆粒状窒素含有材料に組み入れることをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
少なくとも50重量%のリシンおよび8重量%と20重量%との間の窒素を含む顆粒状リシン生成物を、1アールあたり0.56キログラムと1アールあたり16.83キログラムとの間の率で植物に散布することを含む方法。
【請求項67】
前記植物が草である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
少なくとも50重量%のリシンおよび8重量%と20重量%との間の窒素を含む液体リシン生成物を含む溶液を、1アールあたり0.025リットルと1アールあたり98.84リットルとの間の率で植物に噴霧することを含む方法。
【請求項69】
前記植物が草である、請求項68に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−511416(P2009−511416A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535665(P2008−535665)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/039861
【国際公開番号】WO2007/047350
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(507303309)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド カンパニー (16)
【Fターム(参考)】