説明

肥料適合性組成物

本発明は、液体肥料に適合する組成物及びその使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫、雑草及び真菌の駆除などの農業及び非農業の有害生物駆除に適用される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の農薬は、適用効率を最大にするために、野外用液体(liquids in the field)として、多数の他の農薬、アジュバントなどとタンク混合される。多くのタンク混合物は、2種類以上の農薬及び/又は肥料を含む。
【0003】
タンク混合物における肥料と農薬の適合性は、あくまでも厄介な問題である。例えば、クロロニコチニル(chloronicontinyl)(CNI)殺虫剤は、農業及び非農業の有害生物駆除において有効な殺虫剤であることが知られている。このクラスの殺虫剤及び他の農薬の既知の問題は、一般に、肥料、特に液体肥料組成物との適合性である。初期の専門家が幾つかの解決策、例えば、米国特許第4,464,193号、同5,516,747号及び同4,071,617号を提案したが、長年の研究にもかかわらず、不適合性の問題に対する一般的な解決策はない。
【0004】
主要な難題は、最終タンク混合物の予測が付かず、性質が複雑であることである。農薬と肥料の不適合性には一般に2つのタイプ、すなわち、化学的不適合性と物理的不適合性がある。例えば、農薬と肥料の化学的不適合性は、農薬が加水分解するとき、又は他の望ましくない化学反応を受けるときに生じる。物理的不適合性は、タンク混合物が、例えば、凝固、凝結、ゲル化又は結晶沈殿のために凝集体を形成するときに最も頻繁に生じる。タンク混合物は、固く締まった凝集体又はオイルの小球を形成し得る。不良タンク混合物は、従来のスプレーフィルター及びノズルを詰まらせるので、物理的不適合性は困難を生じる。
【0005】
この問題は、殆どが有機非イオン界面活性剤である相溶化剤(compatibility agent)を使用しても存続し得る。2つの不適合性タイプのうち、化学的不適合性は一般に前もって回避することができるので、物理的不適合性が最も重大である。物理的不適合性は、一般に、界面活性剤又は湿潤剤及び分散剤を使用することによって解決される。上述したように肥料適合性組成物の農薬懸濁液の特許が存在するが、これらには1つの主要な問題、すなわち発泡の問題があることが判明した。この問題は、明らかに界面活性剤の組み合わせが存在することによって引き起こされる、肥料とのタンク混合中の永続的な問題となり得る。その結果、発泡によって、肥料混合物の噴霧体積が不正確になり得る。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、
(a)農芸化学的に活性な化合物、
(b)金属リグノ硫酸塩、
(c)強酸の水溶性塩、及び
(d)水
を含み、
前記化合物が、組成物中に効果的に分散するのに十分に小さい平均直径の固体粒子及び/又は液体小球の形態であり、金属リグノ硫酸塩と水溶性塩が、該粒子及び/又は小球を水中に分散させるのに有効な量で混合されている、
流動性チキソトロピー組成物を提供する。
【0007】
本発明で使用する農芸化学的に活性な化合物としては、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤、植物成長調整剤、これらの物理的混合物などが挙げられる。化学クラス及び適用例並びに各クラスの具体的化合物については、The Pesticide Manual. Thirteenth Edition(British Crop Protection Council, Hampshire, UK, 2003)及びThe e−Pesticide Manual, Version 3(British Crop Protection Council, Hampshire, UK, 2003−04)を参照されたい。
【0008】
農芸化学的に活性な好ましい化合物は、水にある程度可溶な、不溶な、又は実質的に不溶な固体である。懸濁製剤(suspension concentrate)(SC又は(種子の処理に言及するときには)FS)は、水性媒体中の微細な固体分散体で構成されることが好ましい。SC又はFSの調製に必要な技術は、そのための周知の方法のいずれかによって、固体活性化合物を微粉砕し、製剤の水相に分散させることを含む。一般に、この技術は、界面活性剤(例えば、湿潤剤)と分散剤(例えば、公知の非イオン界面活性剤及び水溶性ポリマー)の混合物を、活性固体と一緒に、固体の粒径を機械的に減少させながら、媒体に添加することを含む。また、農芸化学的に活性な化合物が物理的に液体である(すなわち、約20℃未満の融点を有する)ときには、好ましい製剤タイプは、この技術によって水性媒体中に液体油相が分散した固体/液体混合物では、エマルジョン(EW)又はサスポエマルション(SE)である。殆どの場合、活性な液体は、油相であり、又は疎水性溶媒も含み得る油相中にある。また、液体活性化合物は、機械的に分散され、低HLB値(2から12)の界面活性剤を用いて水性媒体中で乳化される。界面活性剤は、分散タイプ(分散剤(dispersing agent)又は分散剤(dispersant))、湿潤タイプ(湿潤剤)又は機能的に分散と湿潤の両方とすることができ、イオン性でも、非イオン性でもよく、重合体構造とすることができる。界面活性剤の1つの注目すべき特性は、SC、FS又はSE製剤の水性媒体の表面張力を低下させ得ることである。一方、さほど界面活性を持たず、分散剤としてのみ機能するイオン性水溶性ポリマー種もある(例えば、M.J. Rosen, Surfactants and Interfacial Phenomena(John Wiley & Sons, 1978), pages 8−9)。このタイプの界面活性剤の例は、以下に詳細に考察するリグニンスルホン酸塩である。SE製剤の場合、EC部分とSC部分の混合は、各部分を前もって別個に調製した後に実施される。
【0009】
金属リグノ硫酸塩は、殺虫剤の分散に有効である任意のリグノスルホン酸塩とすることができる。典型的な金属対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムなどが挙げられる。2種類以上のリグノ硫酸塩を有効量で組み合わせて適切な分散剤を用意することができる。例えば、リグノ硫酸ナトリウムとリグノ硫酸カルシウムを有効量で組み合わせることができる。
【0010】
必要な場合には、リグノ硫酸アンモニウムを使用することができ、例えば、テトラアルキルアンモニウム又はアリールトリアルキルアンモニウム対イオンを使用することができる。これらのタイプの分散剤の例としては、リグノ硫酸テトラブチルアンモニウム及びリグノ硫酸フェニルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
【0011】
金属リグノ硫酸塩のリグノ硫酸陰イオン部分は、一般に、リグニンのスルホン化生成物である。この陰イオンは、重量平均分子量約2000から100000g/mol(ダルトン)の重合体分子を含むことができる。好ましい分子量範囲は1000から80,000、より好ましくは2000から60000であり、炭素:硫黄比は9:1から55:1である。好ましい分子量範囲は20000から30000であり、数平均分子量約1000から約10000g/molである。より好ましくは、金属リグノ硫酸塩の分子量は2000g/molから約8000g/molである。これらのタイプのリグノスルホン酸塩の例としては、Borresperse(登録商標)NAリグノ硫酸ナトリウム分散剤、Borresperse(登録商標)CAリグノ硫酸カルシウム分散剤、Ultrazine(登録商標)NAリグノ硫酸ナトリウム分散剤及びUltrazine(登録商標)CAリグノ硫酸カルシウム分散剤が挙げられる。これらの分散剤はすべてBorregaard(登録商標)Lignotech Company(インターネット:http//:www.lignotech.com)、Borregaard P.O. Box 162 NO−1701 Sarpsborg, Norwayから入手可能である。
【0012】
金属リグノ硫酸塩の金属含量は、一般に、ナトリウムの場合0.2%から15重量%、カルシウムの場合0.1から0.9%である。リグニンポリマーのスルホン化量は、一般に、2から10重量%である。スルホン化度は、一般に、0.5%から3%である。
【0013】
一般に、以下のタイプのリグニン系分散剤の1種類以上を使用することができる:重合アリールアルキルスルホン酸モノカルシウム塩、(リグノスルホン酸カルシウム塩);変性亜硫酸リグニンと混合されていてもよいクラフトリグニンポリマーのナトリウム塩;リグノスルホン酸アンモニウム;リグニン、アルカリ並びに亜硫酸水素ナトリウム及びホルムアルデヒドとの反応生成物。
【0014】
金属リグノ硫酸塩は、亜硫酸パルプ製造(sulfite pulping)の廃液から調製し得る材料である。金属リグノ硫酸塩は、さらに酸化又は脱スルホン化される。一般に、リグニンスルホン酸塩は、骨格鎖に沿って、アンモニウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンを含めたイオン電荷を有する水溶性ポリマーである。
【0015】
本発明の金属リグノ硫酸塩は、金属リグノ硫酸塩を農薬粒子又は小球の表面に吸着させて、粒子又は小球に負電荷を付与するのに有効な量で使用される。粒子間又は小球間で生じた静電反発力によって、重度の凝結及び凝集を防止する。金属リグノ硫酸塩の有効量は、一般に、約0.5%から約25%、好ましくは約2から約10%である。
【0016】
有用な金属リグノ硫酸塩の例としては表1の塩が挙げられる。
【0017】
【表1】

【0018】
本発明における塩は、一般に、強酸の水溶性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩である。塩としては、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、硝酸銅、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸鉄(II)、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸亜鉛、トリフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸カリウムなどが挙げられる。本組成物は、2種類以上の混合物も含む。
【0019】
一般に、塩とリグノ硫酸塩を混合して最適混合物を用意する。一般に、金属リグノ硫酸塩と水溶性塩は、約2:1から約1:20、好ましくは1:1から1:10の比で存在する。
【0020】
一般に、殺虫剤と金属リグノ硫酸塩は、約60:1から約1:10、好ましくは約20:1から約1:5、最も好ましくは約20:1から1:1の比で存在する。
【0021】
本発明の流動性組成物は、さらに、以下の構成要件(features)の1つ以上を有し得る。
【0022】
(e)希釈剤、
(f)界面活性剤、
(g)潤滑剤、
(h)アジュバント、
(i)消泡剤、
(j)殺生物剤、及び
(k)着色剤。
【0023】
本発明の組成物は、一般に、制御された凝結体(controlled flocculation)である。一般に、本組成物は、実質的にチキソトロピー懸濁液である。化合物の粒子又は小球の平均直径が1nmから5ミクロン(好ましくは1から5ミクロン)である場合には、懸濁液はコロイドである。粒子又は小球の平均直径が5ミクロンから100ミクロンである(好ましくは5ミクロンを超える)場合には、懸濁液は粗懸濁液である。理想的には、粒子又は小球の平均直径は約1ミクロンから約10ミクロン、好ましくは2から4ミクロンである。
【0024】
好ましい実施形態においては、本発明の流動性組成物は、特に融点が20℃を超える固体活性成分を含むときには、界面活性剤を実質的に含まないか、又は殆どの場合、非表面活性分散剤(non−surface active dispersant)を含む。得られる製剤タイプは、懸濁製剤である。
【0025】
しかし、本組成物は、リグニンスルホン酸塩と下記水溶性陰イオン性及び/又は非イオン性(好ましくは陰イオン性)界面活性剤との混合物を使用することもできる。さらに、アクリル及びメタクリラートを含むホモ−及びコ−ポリアクリル酸のアルカリ金属塩と、他の有機スルホン酸塩を含むポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩との水溶性合成ポリマーと、水溶性陰イオン性及び/又は非イオン性(好ましくは陰イオン性)界面活性剤とを混合することもできる。
【0026】
有機スルホン酸塩としては、特に、アルキルナフタレンスルホン酸のアンモニウム、ナトリウム及びカルシウム塩;ナフタレンホルムアルデヒドスルホン酸のアンモニウム及びナトリウム塩(CAS 83453−42−3);ビス(1−メチルエチル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム(CAS 1322−93−6);ナフタレンホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム(CAS 9084−06−4);2−ナフタレンホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム(CAS 29321−75−3);イセチオン酸ナトリウム;タウリンナトリウム;石油スルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びスルホコハク酸塩、硫酸化アルコール及び硫酸化ポリオキシエチレン化アルコール、硫酸化ヒマシ油及び他の硫酸化トリグリセリド油、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ベンゼン、トルエン、キシレン及びクメンスルホン酸塩)(例えば、M.J. Rosen, Surfactants and Interfacial Phenomena(John Wiley & Sons, 1978), pages 7−8)並びに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩:(LAS/CAS番号/塩で表して):(C10−13)アルキル−CAS 68411−30−3(ナトリウム塩);(C10−16)アルキル−CAS 68584−22−5、CAS 68584−23−6(カルシウム塩)CAS 68584−26−9(マグネシウム塩)CAS 68584−27−0(カリウム塩);モノ(C6−12)アルキル−CAS 68608−87−7(ナトリウム塩);モノ(C7−17)アルキル−CAS 68953−91−3(カルシウム塩)CAS 68953−94−6(カリウム塩);モノ(C9−12)アルキル−CAS 68953−95−7(ナトリウム塩);モノ(C10−16)アルキル−CAS 68910−31−6(アンモニウム塩)CAS 68081−81−2(ナトリウム塩);モノ(C12−18)アルキル−CAS 68648−97−5(カリウム塩)などが挙げられる。
【0027】
界面活性剤は、乳化又は湿潤タイプとすることができ、イオン性でも非イオン性でもよい。考えられる界面活性剤としては、アルキルスルホン酸、フェニルスルホン酸又はナフタレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩;エチレンオキシドと脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アミン又は置換フェノール(特にアルキルフェノール又はアリールフェノール)との重縮合物;スルホコハク酸エステル;アルキルタウレートなどのタウリン誘導体;リン酸エステル;アルコール又はポリオキシエチル化フェノールのエステルなどが挙げられる。界面活性剤を使用する場合には、非イオン界面活性剤を優先的に使用する。しかし、非イオン界面活性剤は、組成物を改善する有効量で使用されるが、物理的混合したとき、又は水に希釈したときの組成物の発泡を最小にする量で使用される。一般に、非イオン界面活性剤の量は、組成物の0.1から1%、好ましくは0.1から0.5重量%である。1つの重大な判定基準は、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤のどちらも水性媒体に溶解する、又は少なくとも実質的に混和性であるという要件を満たさなければならないことである。非イオン界面活性剤のHLBは約10から約20であることが好ましい。
【0028】
本発明に使用することができる界面活性剤としては、一般に、C−C18アルコールアルコキシラート、2から22(好ましくは2から10)個のEO単位を有するHLB範囲約4から16(好ましくは2から12)の直鎖及び分岐鎖のエトキシラート;2から150(好ましくは2から40)個のEO単位を有するHLB範囲約4から19(好ましくは4から12)のアルキルフェノールエトキシラート、モノ−、ジ−ノニル及びオクチルフェノール;2から50個のEO(好ましくは2から20)単位を有するHLB範囲約4から18(好ましくは4から12)の脂肪アミンアルコキシラート、例えば、獣脂、オレイル、ステアリル及びココアミン(cocoamine)アルコキシラート;アルカノールアミド;ヒマシ油、アブラナ油、ダイズ油、ナタネ油エトキシラートなど5から54(好ましくは5から20)個のEO単位を有するHLB範囲約4から15(好ましくは4から12)のトリグリセリドアルコキシラート;20から30個のEO単位を有するHLB範囲約10から16(好ましくは10から12)のソルビタンエステルエトキシラート;エチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖を有するアルコキシル化ナタネ油を含めたエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー;及びHLB範囲約1から18(好ましくは1から18);アルキルポリグリコシド;脂肪酸エトキシラート;脂肪酸ポリエチレングリコール;脂肪アルコールエトキシラート;ジ−及びトリスチリルフェノールエトキシラート;グリセリンエステル;ポリオールエトキシラートエステルなどの非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0029】
本発明に使用することができる陰イオン界面活性剤としては、スルファート、脂肪アルコールエーテルスルファート、脂肪酸スルファート;スルホナート、アルキルベンゼンスルホナート、アルキルナフタレンスルホナート、アルキルアリールスルホナート、オレフィンスルホナート、アルキルフェノールエトキシラートスルファート;脂肪アルコールエトキシラートのホスファート、4から12個のEO単位を有するアルキルフェノールエトキシラートのホスファートなどのホスファート;スルホコハク酸アルキル;カルボキシラート、アルキルフェノールエトキシラートカルボキシラートなどが挙げられる。
【0030】
SE製剤タイプの場合、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又はこれらの混合物を使用して疎水性液相(EC油)を分散させることができる。典型的には、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の混合物及び油溶性非イオン性ポリマーを使用して、油相を分散させる。
【0031】
適切な油溶性陰イオン界面活性剤としては、n−及びイソ−C12−アルキルベンゼンカルシウムスルホン酸塩、他の油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。適切な可溶性非イオン界面活性剤としては、ノニルフェノールエトキシラート(HLB約2から12)、オクチルフェノールエトキシラート(HLB約2から12)、トリブチルフェノールエトキシラート(HLB約2から12)、アルコキシラート(EO/PO)(HLB約2から12)、トリスチリルフェノールエトキシラート(HLB約2から12)、(C−C11、C12−C14脂肪アルコールポリグリコールエーテル、C11、C12−C15、C14−C16及びC16−C18脂肪オキソアルコールポリグリコールエーテル、オレイルアルコールポリグリコールエーテル、HLB約2から12などの)脂肪アルコールエトキシラート、ステアリルアルコールエトキシラート、イソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル(HLB約2から12)、オレイルセチルアルコールエトキシラート、イソデシル及びトリデシルアルコールエトキシラート、ソルビタンエトキシラート、ソルビタンモノオレアートエトキシラート、ソルビタントリオレアートエトキシラート、ソルビタントリステアラートエトキシラート、ソルビタンモノラウラートエトキシラート、ソルビトールオレアートエトキシラート、脂肪アミンエトキシラート(ココアミン、獣脂アミン及びステアリルアミンエトキシラート)、グリセリンオレアートエトキシラートなどが挙げられる。
【0032】
本発明において油相を分散させる重合体分散剤としては、ポリエチレングリコールアルキド(例えば、Atlox 4914)、12イソヒドロキシステアリン酸のA−B−A型ブロック共重合体)、ポリエチレングリコール(例えば、Atlox 4912)、アルキル化ビニルピロリドンポリマー(例えば、Agrimer AL 22、25及び30)などが挙げられる。
【0033】
また、SE製剤の懸濁液部分を分散させるために、リグニンスルホン酸塩のみが、場合によっては有機スルホン酸塩も、活性固体の分散に必要である。さらに、SC部分とEC部分を混合した後、追加の陰イオン活性剤及び非イオン界面活性剤を水相に使用して、SE製剤の安定性をさらに改善することができる。陰イオン界面活性剤としては、フェニルスルホナート、アルキルベンゼンスルホナート、n−及びイソ−C12−アルキルベンゼンスルホナート、ナトリウム又はトリエタノールアミン塩、オクチルフェノールポリグリコールエーテル硫酸ナトリウム、ノニルフェノールポリグリコールエーテル硫酸ナトリウム、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、トリスチリルフェノールエトキシラートリン酸塩、EO/POブロック共重合体リン酸エステル、アルキルフェノールエトキシラートホスファート、リン酸化アルキルポリグリコールエーテルエトキシラートエステル、脂肪酸タウリド(tauride)ナトリウム塩、エーテルスルファートなどが挙げられる。非イオン界面活性剤としては、ジ及びトリスチリルフェノールエトキシラート、ヒマシ油エトキシラート、ナタネ油アルコキシラート、ダイズ油エトキシラート、イソトリデシルアルコールエトキシラート、アルキル(C−C10)ポリグリコシドなどが挙げられる。水相用非イオン界面活性剤の平均HLBは約11から20である。EO/POブロック共重合体(Pluronics(登録商標))及びC12−C14アルコールEO/POブロック共重合体を使用することもできる。陰イオン又は非イオン界面活性剤は、組成物を改善する有効量で使用されるが、物理的混合したとき、又は水に希釈したときの組成物の発泡を最小にする量で使用される。
【0034】
界面活性剤についての情報は、”McCutcheon’s Emulsifiers & Detergents,” McCutcheon Division, McCutcheon Publishing Co., 175 Rock Road, Glen Rock, NJ 07452から入手することができる。
【0035】
希釈剤という用語は、流体中の式(I)の化合物の濃度を低下させる液体を意味する。好ましい希釈剤は、流体の粘度を増加させるのに十分な量で添加され、生成した流体にチキソトロピー性を付与する。希釈剤は、凍結防止剤としても機能し得る。好ましい希釈剤の例としては、ポリヒドロキシル化アルケン、例えば、エチレングリコール、(グリセリン又は1,2,3−プロパントリオールとしても知られる)プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサメチレングリコール及びポリエチレングリコールが挙げられる。一般に、希釈剤は、標準温度及び標準圧力(それぞれ、25℃及び760mmHg)における密度が1から4g/mLであり、回転板オストワルド粘度計を用いて標準温度及び圧力で測定した粘度が2000から4000cp(センチポアズ)である。
【0036】
se製剤の疎水性油相に溶媒を添加して、エマルジョンの希釈、結晶化の制御又は生物有効性の改善を促進することもできる。適切な溶媒としては、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−デカノール、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、イソデシルアルコール、1−オクタノール、トリデシルアルコール、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、イソホロン、クエン酸アセチルトリブチル、酢酸オキソデシル、酢酸オキソヘプチル、高度に分枝したオキソアルコールの酢酸エステル(C−C13)、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、アルコキシアルキルラクタム、n−2−エチルヘキシルピロリドン、オクチルピロリドン、炭酸ブチレン、ドデシルピロリドン、炭酸プロピレン、カノーラ油、トウモロコシ油、綿実油、オレイン酸、パラフィン油、サフラワー油、ダイズ油、脂肪族溶媒(C16−C25)、イソパラフィン、直鎖パラフィン(C10−C20)、脱芳香族化脂肪族炭化水素、C−C11イソパラフィン溶媒、C11−C12イソパラフィン溶媒、C12−C13イソパラフィン溶媒、C12−C16イソパラフィン溶媒、C14−C18イソパラフィン溶媒、C15−C19イソパラフィン溶媒、C10シクロオレフィン、ミネラルスピリット、芳香族溶媒、Exxon Aromatic 100、Exxon Aromatic 150、Exxon Aromatic 200、C−C12アルキルベンゼン、C10−C14芳香族化合物、シクロヘキサン、脱芳香族化脂肪族溶媒、エチルベンゼン、水素化石油、高度精製石油、直鎖パラフィン、ナフタレンをほとんど含まない(depleted)芳香族溶媒、石油蒸留物、ソルベントナフサ、キシレン、これらの混合物などが挙げられる。
【0037】
組成物の機械的せん断を強化する、本発明で使用する滑剤としては、水ガラス(ケイ酸ナトリウム)を硫酸で沈殿させて調製され、次いで乾燥し、微粉として販売されているシリカが挙げられる。シリカ粉末は、レオロジーも調整する増粘剤(viscosity builder)として機能し、沈降作用を防止することによって懸濁を助ける。かかる滑剤を使用して有効なチキソトロピーを形成すると、製剤粒子又は小球が自己集合して機械的にせん断可能な組成物になる。
【0038】
別の潤滑剤は、ヒュームドアルミナである。ヒュームドアルミナは、塩化アルミニウムを水素−酸素炎中で加水分解して製造される。燃焼プロセスによって酸化アルミニウム分子が生成する。これを圧縮して一次粒子を形成する。これを焼結して凝集体を形成する。これらの凝集体は、鎖状構造を有し、平均直径が0.1及び0.2ミクロンである。
【0039】
本発明のヒュームドアルミナは、沈降シリカ同様、サブミクロン範囲(一次粒子径20nm及び凝集体サイズ150nm)からナノメートル粒径の小粒径を有し、BET表面積が55m/gである。本発明のヒュームドアルミナは、懸濁製剤のレオロジーも調節し、懸濁製剤を潤滑にする。
【0040】
粘土も本組成物に使用することができる。かかる粘土としては、一般式AlSi(OH)のカオリナイト、ディッカイト及びナクライト;一般化学式(Ca、Na、H)(Al、Mg、Fe、Zn)(Si、Al)10(OH)2・xHOのパイロフィライト、タルク、バーミキュライト、ソーコナイト、サポナイト(saponte)、ノントロナイト及びモンモリロナイト;一般化学式MgSi20(HO)(OHOのアタパルジャイト;一般式(K、H)Al2(Si、Al)10(OH)・xHOのイライトなどが挙げられる。
【0041】
本明細書ではアジュバントは、植物源又は石油源に由来する有機疎水性炭化水素であり、農薬、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤及び植物成長調整剤の浸透及び生物有効性を改善する。生物有効性を改善する機序は、拡散、浸透、活性化及び吸着を含む。適切なアジュバントとしては、メチル化及びエチル化植物油;メチル化、エチル化及びブチル化種子油;カプロン酸、カプリル酸、エルカ酸、ラウリン酸、リノレン酸、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸、これらの混合物などが挙げられる。アブラナ、トウモロコシ、ワタ、ヤシ、アブラナ、ベニバナ、ダイズ及びヒマワリ油、これらの混合物などの植物油も含まれる。また、パラフィン(C16−C30)、ナフタレン、芳香族系石油及びこれらの混合物、並びに非イオン界面活性剤(HLB約2から12)又は上記油溶性ポリマーを含む(石油系)クロップ油(crop oil)濃縮物。本発明で使用する非イオン界面活性剤は、油相を乳化するだけでなく、農薬、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤及び植物成長調整剤の生物有効性を高めるアジュバントとしても作用し得る。上記油はすべて有機シリコーン界面活性剤とさらに混合することもできる。
【0042】
本発明の組成物に使用することができる追加の成分としては、公知の消泡剤、殺生物剤、(適用例に応じて色素又は顔料であり得る)着色剤などが挙げられる。
【0043】
本発明の製剤は、一般に、脱泡剤又は消泡剤を使用しなくとも発泡性が低い傾向にあるが、製剤を取扱い又は輸送するときには、少量の脱泡剤又は消泡剤化合物を添加して泡の形成をさらに抑制することができる。本発明のSC製剤及びSE製剤に適合するエマルジョン形態の脱泡剤及び消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン、変性有機シロキサン、アルキル、アリール及びアラルキル変性シロキサン、ポリジメチルシロキサンエマルジョン、鉱油系脱泡剤、石油系脱泡剤、シリコーンオイル系脱泡剤、Star(登録商標)ポリマー、脂肪酸石鹸などのシリコーン及び非シリコーン系消泡剤などが挙げられる。これらの脱泡剤及び消泡剤の有効範囲は、約0.0005から3%、好ましくは0.005から1%である。
【0044】
適切な殺生物剤(特に殺菌剤)としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、商品名プロキセルGXL)、5−クロロ−2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン(例えば、商品名Kathon)、o−フェニルフェノール、ナトリウムo−フェニルフェナート、シス−1−(クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、7−エチルビシクロオキサゾリジン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、ブロノポール、グルタルアルデヒド、水酸化銅、クレゾール、ジクロロフェン、ジピリチオン、ドジジン(dodidin)、フェナミノスルフ、ホルムアルデヒド、ヒドラルガフェン、8−ヒドロキシキノリンスルファート、カスガマイシン、ニトラピリン、オクチリノン、オキソリン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、チメロサール、ポリ第4級アンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。製剤中の有効量は約0.1から3%、好ましくは0.3から1.5%である。
【0045】
適切な着色剤としては、当分野で公知の顔料及び色素などが挙げられる。天然及び合成無機顔料は、安定性の問題なしに本発明のSC製剤及びSE製剤タイプに使用することができる。適切な天然無機顔料としては、多数の鉱物元素(例えば、鉄、マグネシウム、カリウム、アルミニウム及び銅)の天然の酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸塩、ケイ酸塩及び炭酸塩、これらの混合物などが挙げられる。赤色土、黄色土、緑土、ラピスラズリ、藍銅鉱、マラカイト、他の従来の土性顔料及びこれらの混合物は、主要な天然無機顔料源である。適切な合成無機顔料としては、フェロシアン化鉄(III)アンモニウム、酸化鉄、黄色酸化鉄、褐色酸化鉄、橙色酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄、紺青、コバルトグリーン、コバルトブルー、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クロムチタンオキシド(Pigment White 6)、(無水)酸化クロムグリーン、水和酸化クロムグリーン、プルシアングリーン、シアニンブルー、マンガンブルー、マンガンバイオレット、二酸化チタン、これらの混合物などが挙げられる。また、二酸化チタンで、又は酸化鉄で被覆されたマイカなどの酸化物被覆マイカでできた合成無機顔料も本発明に使用することができる。本発明における有機顔料としては、(Colour Indexの名称で)Pigment Blue 1、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 61、Pigment Blue 62、Pigment Green 7、Pigment Green 36、Pigment Orange 5、Pigment Orange 13、Pigment Orange 16、Pigment Orange 34、Pigment Orange 36、Pigment Orange 46、Pigment Red 2、Pigment Red 3、Pigment Red 4、Pigment Red 12、Pigment Red 17、Pigment Red 22、Pigment Red 23、Pigment Red 38、Pigment Red 48:1、Pigment Red 48:2、Pigment Red 48:3、Pigment Red 48:4、Pigment Red 49:1、Pigment Red 49:2、Pigment Red 52:1、Pigment Red 53:1、Pigment Red 57、Pigment Red 57:1、Pigment Red 60:1、Pigment Red 63:1、Pigment Red 81、Pigment Red 81:3、Pigment Red 90、Pigment Red 112、Pigment Red 169、Pigment Red 170、Pigment Red 202、Pigment Red 210、Pigment Violet 1、Pigment Violet 3、Pigment Violet 19、Pigment Violet 23、Pigment Violet 27、Pigment Violet 29、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 12、Pigment Yellow 13、Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 17、Pigment Yellow 62、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 73、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 75、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 111、Pigment Yellow 126、Pigment Yellow 168、Pigment Yellow 184、これらの混合物などが挙げられる。無機及び有機顔料は、乾燥粉末、スラリー又は懸濁液とすることができ、高固形分顔料とすることができる。顔料の固形分は約20から70%の範囲とすることができ、最適範囲は30から65%である。固形分又はスラリーは、SC製剤又はSE製剤を調製した後に添加し、容易に撹拌混合することができる。製剤中の顔料の量は約0.1から6%、好ましくは0.1から2%である。
【0046】
水溶性色素は、安定性の問題なしに本発明のSC製剤及びSE製剤タイプに使用することができる。適切な色素としては、Acid Black 172、Acid Black 194、Acid Black 210、Acid Blue 1、Acid Blue 7、Acid Blue 9、Acid Blue 93、Acid Blue 93:1、Acid Green 16、Acid Green 25、Acid Orange 10、Acid Red 14、Acid Red 17、Acid Red 18、Acid Red 52、Acid Violet 17、Acid Violet 49、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、Basic Blue 26、Basic Blue 3、Basic Blue 41、Basic Blue 54、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Brown 4、Basic Brown 1、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 21、Basic Red 14、Basic Red 15、Basic Red 18、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 49、Basic Violet 1、Basic Violet 10、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Violet 2、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Yellow 11、Basic Yellow 13、Basic Yellow 2、Basic Yellow 21、Basic Yellow 28、Basic Yellow、9、Basic Yellow 37、Basic Yellow 40、D&C Green 5、D&C Green 6、D&C Green 8、D&C Orange 4、D&C Orange 5、D&C Red 17、D&C Red 21、D&C Red 22、D&C Red 27、D&C Red 28、D&C Red 30、D&C Red 33、D&C Red 34、D&C Red 36、D&C Red 6、D&C Red 7、D &C Red 8、D&C Violet 2、D&C Yellow 10、D&C Yellow 11、D&C Yellow 7、D&C Yellow 8、FD&C Blue 1、FD&C Blue 2、FD&C Green 3、FD&C Red 3、FD&C Red 4、FD&C Red 40、FD&C Yellow 5(タートラジン)、FD&C Yellow 6、これらの混合物などが挙げられる。色素は、SC製剤又はSE製剤を調製した後に添加し、容易に撹拌混合することができる。製剤中の色素の量は約0.01から5%であり、最適範囲は0.02から2%である。
【0047】
本発明の組成物に適合する肥料は、一般に、あらゆる用途向けの液体肥料組成物である。かかる肥料は、一般に、各主成分の重量−重量%として各成分の量を示した窒素−亜リン酸−カリウム指数によって区分される。窒素分は一般に1から40%であり、亜リン酸分は0から55%であり、カリウム分は0から15%である。一般に、液体肥料は、水溶液組成物として処方される。かかる肥料は当業者に公知である。
【0048】
本発明の組成物は、ホウ素、コバルト、銅、鉄、マグネシウム、モリブデン、カリウム、ナトリウム、硫黄、亜鉛の各イオンなどの元素を含む微量養素組成物とも実質的に適合する。
【0049】
本発明によって使用される農芸化学的に活性な適切な化合物としては殺虫剤が挙げられる。本明細書では、「殺虫剤」という用語は、概して、ダニ駆除剤、殺虫剤、殺虫剤相乗剤、殺マダニ剤、殺線虫剤及び軟体動物駆除剤として使用される化合物又は組成物を指す。殺虫剤の化学クラスとしては、2−ジメチル−アミノプロパン−1,3−ジチオール、2−ジメチルアミノプロパン−1,3−ジチオール類似体、アミジン、アリールピロール、アベルメクチン、ベンゾイル尿素、カルバマート、カルバモイル−トリアゾール、シクロジエン、ジアシルヒドラジン、ジニトロフェノール、フィプロール(fiprole)、METI、ネオニコチノイド、非エステルピレスロイド、有機塩素、有機ホスファート、オキサジアジン、オキシム、カルバマート、ピレスロイド、スピノシンなどが挙げられる。適切な殺虫剤としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2−エトキシエタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロエタン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−エチルフェニル)エタン、1,3−ジクロロプロペンを含む1,2−ジクロロプロパン、1−ブロモ−2−クロロエタン、2−(1,3−ジチオラン−2−イル)フェニルジメチルカルバマート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルチオシアナート、2−(4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)フェニルメチルカルバマート、2−(4−クロロ−3,5−キシリルオキシ)エタノール、2,2,2−トリクロロ−1−(3,4−ジクロロフェニル)エチルアセタート、2,2−ジクロロビニル2−エチルスルフィニルエチルメチルホスファート、2,4−ジクロロフェニルベンゼンスルホナート、2−クロロビニルジエチルホスファート、2−イソバレリルインダン−1,3−ジオン、2−メチル(プロパ−2−イニル)アミノフェニルメチルカルバマート、2−チオシアナトエチルラウラート、3−ブロモ−1−クロロプロパ−1−エン、3−メチル−1−フェニルピラゾル−5−イルジメチルカルバマート、4−クロロフェニルフェニルスルホン、4−メチル(プロパ−2−イニル)アミノ−3,5−キシリルメチルカルバマート、4−メチルノナン−5−オンを含む4−メチル−ノナン−5−オール、5,5−ジメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニルジメチルカルバマート、6−メチルヘプタ−2−エン−4−オール、アバメクチン、アセフェートアセキノシル、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン[(1R)異性体]、アリキシカルブ、アルファ−シペルメトリン、アミジチオン(amidithion)、アミドチオアート、アミノカルブ、アミトン;アミトン水素オキザラート、アミトラズ、アナバシン、アラマイト、アチダチオン(athidathion)、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス−エチル、アジンホスメチル、アゾシクロチン、アゾソアート(azothoate)、バリウムポリスルフィド、Bayer 22/190、Bayer 22408、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、ベータ−シフルトリン、ベータ−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオペルメトリン(biopermethrin)、ビス(2−クロロエチル)エーテル、ビストリフルロン、ブロムフェンビンホス(bromfenvinfos)、ブロモシクレン、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモプロピラート、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ(butacarb)、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトナート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、多硫化カルシウム、カンフェクロル、カーバノレート、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ塩酸塩、CGA 50 439、キノメチオナート、クロルベンシド、クロルビサイクレン(chlorbicyclen)、クロルデン、クロルデコン、クロルジメホルム;クロルジメホルム塩酸塩、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジラート、クロロメブホルム(chloromebuform)、クロロプロピラート、クロルホキシム、クロルプラゾホス(chlorprazophos)、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、コドレモネ(codlemone))、クマホス、クミソアート(coumithoate)、クロトキシホス、クルホマート、クリオライト、CS 708、シアノフェンホス、シアノホス、シアントアート(cyanthoate)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)トランス異性体]、シロマジン、DAEP、ダゾメット、DCPM、DDT、デカルボフラン(decarbofuran)、デルタメトリン、デメフィオン;デメフィオン−O;デメフィオン−S、デメトン;デメトン−O;デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン(methylsulphon)、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロルボス、ジコホール、ジクロトホス、ジシクラニル、ディルドリン、ジエノクロル、ジエチル5−メチル−ピラゾル−3−イルホスファート、ジフルベンズロン、ジメホックス、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネクス;ジネクス−ジクレキシン(diclexine)、ジノブトン、ジノカップ、ジノクトン、ジノペントン、ジノプロプ(dinoprop)、ジノスルホン、ジノテフラン、ジノテルボン(dinoterbon)、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジフェニルスルホン、ジスルホトン、ジチクロホス(dithicrofos)、DNOC、ドデカ−8−エニルアセタート、ドフェナピン(dofenapyn)、DSP、El 1642、エマメクチン安息香酸、EMPC、エムペントリン[(EZ)−(1R)異性体]、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、ENT 8184、EPBP、EPN、エスフェンバレラート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトエートメチル、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、ファムフール、フェナザフロル、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンクロルホス、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェンフルスリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ、フェンピリスリン(fenpirithrin)、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンソン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントリファニル(fentrifanil)、フェンバレラート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルベンジミン、フルコフロン(flucofuron)、フルシクロクスロン、フルシトリナート、フルエネチル(fluenetil)、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルオロベンシド、フルバリナート、FMC 1137、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホルムパラナート(formparanate)、フォスメチラン(fosmethilan)、ホスピラート、ホスチアゼート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレスリン、ガンマ−シハロトリン、ガンマ−HCH、グリオジン、GY−81、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘプタクロル、へプテノホス、ヘキサデシルシクロプロパンカルボキシラート、フキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、ハイドロプレン、ハイキンカルブ(hyquincarb)、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、イプロベンホス、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソドリン、イソフェンホス、イソラン(isolane)、イソプロカルブ、イソプロピルO−(メトキシアミノチオホスホリル)サリチラート、イソチオアート、イソオキサチオン、ヨードフェンホス、ケレバン、キノプレン、ラムダ−シハロトリン、レプトホス、リリムホス(lirimfos)、ルフェヌロン、リチダチオン(lythidathion)、m−クメニルメチルカルバマート、マラチオン、マロノベン(malonoben)、マジドクス(mazidox)、MB−599、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化水銀(I)、メスルフェンホス、メタム、メタクリホス、メタミドホス、フッ化メタンスルホニル、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス(methocrotophos)、メトミル、メトプレン、メトキン(methoquin)−ブチル、メトスリン(methothrin)、メトキシクロル、メトキシフェノジド、イソチオシアン酸メチル、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルバート、ミルベメクチン、ミパフォクス(mipafox)、マイレックス、MNFA、モノクロトホス、モルホチオン(morphothion)、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド(nifluridide)、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ(nitrilacarb);ニトリラカルブ1:1塩化亜鉛錯体、ノルニコチン、ノバルロン、ノビフルムロン、O,O,O,O’−テトラプロピルジチオピロホスファート、O,O−ジエチルO−4−メチル−2−オキソ−2H−クロメン−7−イルホスホロチオアート、O,O−ジエチルO−6−メチル−2−プロピルピリミジン−4−イルホスホロチオアート、O−2,5−ジクロロ−4−ヨードフェニルO−エチルエチルホスホノチオアート、オレイン酸(脂肪酸)、オメトエート、オキサベトリニル、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラチオン、パラチオンメチル、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、石油、フェンカプトン、フェノトリン[(1R)−トランス異性体]、フェントエート、ホラート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロール(phosnichlor)、ホスファミドン、ホスフィン、ホキシム、ホキシム−メチル、ピペロニルブトキシド、ピリメタホス(pirimetaphos)、ピリミカルブ、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、ポリクロロジシクロペンタジエン異性体、ポリナクチン、プラレトリン、プリミドホス(primidophos)、プロクロノール、プロフェノホス、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポキスル、プロチダチオン(prothidathion)、プロチオホス、プロトアート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメスリン(pyresmethrin)、ピレトリン(ピレトラム)、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリミジフェン、ピリミタート、ピリプロキシフェン、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン(quinothion)、キンチオホス、R−1492、RA−17、レスメトリン、ロテノン、RU 15525、RU 25475、S421、サバジラ、シュラダン、シラフルオフェン、SN 72129、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、セレン酸ナトリウム、ソファミド(sophamide)、スピノサド、スピロディクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト(BYI8330)、SSI−121、スルコフロンナトリウム、スルフルラミド、スルホスルフロン、スルホテップ、硫黄、スルプロホス、SZI−12 1、タール油(taroil)、タジムカルブ(tazimcarb)、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)異性体]、テトラサル、シータ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、
チクロホス(thicrofos)、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオナジン、チオキノックス(thioquinox)、チオサルタップ(thiosultap)ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルスリン、トランスペルメトリン、トリアミホス(triamiphos)、トリアラセン(triarathene)、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロロナート、トリフェノホス(trifenofos)、トリフルムロン、トリメドルア、トリメタカルブ、バミドチオン、XMC、キシリルカルブ、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、ZXI 8901などが挙げられる。
【0050】
好ましい殺虫剤は、式(I)のクロロニコチニル殺虫剤である。
【0051】
【化4】

式中、
Rは水素、アシル、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、
Aは水素、アシル、アルキル若しくはアリールであり、又はZと結合した二官能基であり、
EはNO、CN又はハロゲノアルキルカルボニル基であり、
Xは−CR’=又は=N−(式中、R’は水素であり、又はZと結合した二官能基である。)であり、
Zはアルキル、−OR”、−SR”若しくは−NR”R”であり、又はZは(i)A基に、(ii)X基に、若しくは(iii)AとXの両方に結合した基である。
【0052】
但し、EがCNであるときには、Zはメチルではなく、Rは(6−クロロ−3−ピリジル)メチル(
【0053】
【化5】

)基ではないことが好ましい。
【0054】
式(I)のある種のCNI化合物が好ましい。例えば、Rがアシルであるときには、好ましい実施形態は、Rがホルミル、アルキルカルボニル若しくはアリールカルボニルである、又はRが、置換されていてもよい、アルキルスルホニル、アリールスルホニル若しくは(アルキル)−(アリール)−ホスホリルである、実施形態である。
【0055】
アシルという用語は以下の定義を含む。「C−Cアルカノイル」という用語は、2から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルカノイル基を意味する。C−Cアルカノイルの例は、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、エイコサノイル、リグノセロイル及びこれらの異性体である。
【0056】
「C−C11アロイル」という用語はベンゾイル及び1−又は2−ナフトイルを指す。
【0057】
「C−C16アラルカノイル(aralkanoyl)」という用語は、炭素原子総数が7から16である、C−C10アリールで置換されたC−Cアルカノイルを指す。C−C16アラルカノイルの例はフェナセチルである。
【0058】
「(C−Cアルコキシ)カルボニル」という用語は、アルコキシ部分に1から6個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニル基を指す。(C−Cアルコキシ)カルボニルの例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル及びこれらの異性体である。
【0059】
「(C−C10アリールオキシ)カルボニル」という用語は、フェノキシカルボニル及び1−又は2−ナフトキシカルボニルを指す。ここで、アリール部分は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル又はニトロでさらに置換されていてもよい。
【0060】
「カルバモイル」という用語は、非置換アミノカルボニル基を指す。
【0061】
「(C−Cアルキルアミノ)カルボニル」という用語は、アルキルアミノ部分に1から6個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖アルキルアミノ置換カルボニル基を指す。(C−Cアルカノイル)アミノの例は、(N−メチルカルバモイルとしても知られる)メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニルなどである。かかるアルキルアミノカルボニル基は、アルキル又はアリール基でN置換されていてもよい。
【0062】
「(C−C10アリールアミノ)カルボニル」という用語は、フェニルアミノカルボニル(又はアニリノカルボニル)及び1−又は2−ナフチルアミノカルボニルを指す。かかるアリールアミノカルボニル基は、アルキル又はアリール基でN置換されていてもよい。
【0063】
「(C−C16アラルコキシ)カルボニル」という用語は、アラルコキシ部分の炭素原子総数が7から16である、C−C10アリールで置換された(C−Cアルコキシ)カルボニルを指す。(C−C16アラルコキシ)カルボニルの例は、(カルボベンゾキシとしても知られる)ベンジルオキシカルボニルである。
【0064】
「C−Cアルキルスルホニル」という用語は、アルコキシ部分に1から6個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基を指す。C−Cアルキルスルホニルの例は、(メシルとしても知られる)メチルスルホニル及びエタンスルホニルである。
【0065】
「C−Cアルキルスルフィニル」という用語は、アルコキシ部分に1から6個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖アルキルスルフィニル基を指す。C−Cアルキルスルフィニルの例は、メチルスルフィニル及びエタンスルフィニルである。
【0066】
「C−C10アリールスルホニル」という用語は、フェニルスルホニル及び1−又は2−ナフチルスルホニル、並びに(トシルとしても知られる)トルエンスルホニルなどの置換されていてもよい形態を指す。
【0067】
「C−C10アリールスルフィニル」という用語は、フェニルスルフィニル及び1−又は2−ナフチルスルフィニル、並びに(トシルとしても知られる)トルエンスルフィニルなどの置換されていてもよい形態を指す。
【0068】
Rがアルキルである場合、好ましい実施形態は、もう1個のハロゲン原子で置換されていてもよい、C1−10アルキル、特にC1−4アルキル、具体的にはメチル、エチル、i−プロピル、sec−又はt−ブチルである。ハロゲンという用語は、F、Cl、Br及びIを意味する。
【0069】
Rがアリールである場合、フェニル及びナフチル、特にフェニルが好ましい。本明細書では、「アリール」という用語は、本明細書で定義するアルキル、アルコキシ、ハロゲン、(互変異性オキソ体を含めた)ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シアノ及びニトロで置換された、フェニル及びナフチル基も指す。
【0070】
Rがアラルキルである場合、好ましい実施形態はフェニルメチル及びフェニルエチルである。「C−C16アラルキル」という用語は、炭素原子総数が7から16である、C−C10アリールで置換されたC−Cアルキルを指す。C−C16アラルキルの例は、ベンジル、フェネチル及びナフチルメチルである。
【0071】
Rはヘテロアリールであり得る。ヘテロアリールという用語は、最高10個の環原子とヘテロ原子としてN、O、S、特にNとを有する複素環を意味する。ここで、環は不飽和であり、ヒュッケル則に従って電子的な芳香族構造を与える。ヘテロアリールは、窒素、酸素、硫黄などの1個以上の環ヘテロ原子を有する5又は6員の芳香族基、及びその縮合環類似体であり得る。ヘテロアリールは、(互変異性オキソ体を含めた)ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル又はアリールオキシカルボニルで置換されていてもよい。適切なヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリル、チアゾリルなどが挙げられる。特に好ましい実施形態としては、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル環などが挙げられる。ヘテロアリールは、(互変異性オキソ体を含めた)ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル又はアリールオキシカルボニルでさらに置換されていてもよい。適切なヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリル、チアゾリルなどが挙げられる。
【0072】
Rはヘテロアリールアルキルであり得る。ヘテロアリールアルキルという用語は、アルキル基に結合したヘテロアリール部分を意味する。例としては、最高6個の環原子とヘテロ原子としてN、O、S、特にNとを有するヘテロアリール部分を含む、ヘテロアリールメチル及びヘテロアリールエチルが挙げられる。
【0073】
例として優先的に列挙される置換基は、メチル、エチル、n−及びi−プロピル並びにn−、i−及びt−ブチルなど、好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子を有するアルキル;メトキシ、エトキシ、n−及びi−プロピルオキシ並びにn−、i−及びt−ブチルオキシなど、好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ;メチルチオ、エチルチオ、n−及びi−プロピル−チオ並びにn−、i−及びt−ブチルチオなど、好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子を有するアルキルチオ;トリフルオロメチルなど、好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子と、好ましくは1から5個、特に1から3個のハロゲン原子(ハロゲン原子は、同一であり、又は異なっており、好ましくはフッ素、塩素又は臭素であり、特にフッ素である。)とを有するハロゲノアルキル;ヒドロキシル;ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、特にフッ素、塩素及び臭素;シアノ;ニトロ;アミノ;メチルアミノ、メチルエチルアミノ、n−及びi−プロピルアミノ並びにメチル−n−ブチルアミノなど、アルキル基1個当たり好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子を有する、モノアルキルアミノ及びジアルキルアミノ;カルボキシル;カルボメトキシ、カルボエトキシなど、好ましくは2から4個、特に2又は3個の炭素原子を有するカルボアルコキシ(carbalkoxy);スルホ(−SOH);メチルスルホニル、エチルスルホニルなど、好ましくは1から4個、特に1又は2個の炭素原子を有するアルキルスルホニル;フェニルスルホニルなど、好ましくは6又は10個のアリール炭素原子を有するアリールスルホニル並びにクロロピリジルアミノ、クロロピリジルメチルアミノなどのヘテロアリールアミノ及びヘテロアリールアルキルアミノである。
【0074】
好ましくは、Aは水素であり、また、Rに対して定義した意味を好ましくは有する、アシル、アルキル、アリールから選択される置換されていてもよい基である。Aはさらに二官能基である。1から4個の炭素原子、特に1から2個の炭素原子を有する、置換されていてもよいアルキレン基を挙げることができる。アルキレン鎖上の置換基としては、Rの定義の下に列挙した置換基などが挙げられる。アルキレン基は、ヘテロ原子N、O又はSが介在していてもよい。
【0075】
或いは、AとZは、これらが結合している原子と一緒に、飽和又は不飽和の複素環を形成し得る。複素環は、さらに1又は2個の同一又は異なるヘテロ原子及び/又はヘテロ基を含むことができる。ヘテロ原子は、好ましくは酸素、硫黄又は窒素であり、ヘテロ基は、好ましくはN−アルキルである。ここで、N−アルキル基中のアルキルは、1から4個、特に1又は2個の炭素原子を好ましくは含む。アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、n−及びi−プロピル並びにn−、i−又はt−ブチルである。複素環は、5から7個、好ましくは5又は6個の環構成要素を含む。
【0076】
AとZが、これらが結合している原子と一緒に、イミダゾリジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ヘキサヒドロオキソジアジン、モルホリンなどの複素環を好ましくは形成するときには、その各々は、低級アルキル、好ましくはメチルで置換されていてもよい。
【0077】
Xは、好ましくは−CH=又は−N=である。
【0078】
Zは、置換されていてもよいアルキル、−OR”、−SR”、−NR”R”基である。ここで、R”及び置換基は、好ましくは、Rの置換基に対して上で定義した意味を有する。
【0079】
Xは=CR’であり、ZはXと一緒に飽和又は不飽和の複素環を形成し得る。複素環は、さらに1又は2個の同一又は異なるヘテロ原子及び/又はヘテロ基を含むことができる。ヘテロ原子は、好ましくは酸素、硫黄又は窒素であり、ヘテロ基は、好ましくはN−アルキルである。ここで、アルキル又はN−アルキル基は、1から4個、特に1又は2個の炭素原子を好ましくは含む。アルキルとしては、メチル、エチル、n−及びi−プロピル並びにn−、i−及びt−ブチルなどが挙げられる。複素環は、5から7個、好ましくは5又は6個の環構成要素を含む。複素環の例としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン及びN−メチルピペラジンが挙げられる。
【0080】
本発明に従ってきわめて優先的に使用することができる化合物としては、一般式(II)、(III)及び(IV)の化合物が挙げられる。
【0081】
【化6】

式中、
nは1又は2であり、
mは0、1又は2であり、
Subst.は、Rに対する上記置換基の1つであり、特にハロゲン、特に塩素である。
【0082】
特に以下の化合物が挙げられる。
【0083】
【化7】

【0084】
また、特に以下の化合物が挙げられる。
【0085】
【化8】

【0086】
式(I)の化合物は、例えば、欧州特許出願公開(Offenlegungsschriften)第580553号、同464830号、同428941号、同425978号、同386565号、同383091号、同375907号、同364844号、同315826号、同259738号、同254859号、同235725号、同212600号、同192060号、同163855号、同154178号、同136636号、同303570号、同302833号、同306696号、同189972号、同455000号、同135956号、同471372号、同302389;独国特許出願公開第3639877号、同3712307号;日本特許出願公開第03220176号、同02207083号、同63307857号、同63287764号、同03246283号、同049371号、同03279359号、同03255072号;米国特許第5,034,524号、同4,948,798号、同4,918,086号、同5,039,686号、同5,034,404号;国際公開第91/17659号、同91/4965号;仏国出願第2611114号;ブラジル出願第8803621号から公知である。
【0087】
本発明によって使用される農芸化学的に活性な適切な他の化合物としては除草剤が挙げられる。本明細書では、「除草剤」という用語は、概して、除草剤並びに除草剤毒性緩和剤(herbicide safener)及び殺藻剤として使用される化合物又は組成物を指す。除草剤の化学クラスとしては、1,2,4−トリアジノン、1,3,5−トリアジン、アルカンアミド(アセトアミド)、アニリド、アリールオキシアルカンカルボン酸、アリールオキシフェノキシプロピオナート、ベンズアミド(mi)、ベンズアミド(L)、ベンゼンジカルボン酸、ベンゾフラン、安息香酸(オーキシン)、ベンゾニトリル、ベンゾチアダイアジノン(benzothiadiazinone)、ベンゾチアゾロン、カルバマート(DHP)、カルバマート(mi)、クロロアセトアミド、シクロヘキサンジオンオキシム、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、ジフェニルエーテル(cbi)、グリシン誘導体、ハロゲン化アルカンカルボン酸、ヒドロキシベンゾニトリル、イミダゾリノン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジノン、N−フェニルフタルイミド、有機ヒ素、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバマート除草剤、フェニルピラゾール除草剤、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロジチオアート、フタルアマート、ピラゾール除草剤、ピリダジン、ピリダジノン(PDS)、ピリダジノン(PSII)、ピリジン、ピリジンカルボキサミド、ピリジンカルボン酸、ピリミジンジオン、ピリミジン、ピリミジニルオキシ安息香酸、ピリミジニルオキシ安息香酸類似体、キノリンカルボン酸、BIクラスIV:チオカルバマート、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニル尿素、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバマート、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、尿素などが挙げられる。適切な除草剤としては、2,3,6−TBA、2,4,5−T、2,4−D、2,4−D−2−エチルヘキシル、2,4−DB、2,4−D−ジメチルアンモニウム、2,4−D−イソプロピル、2,4−D−イソプロピル、2,4−D−トロラミン(2,4−D−トリエタノールアミン)、ACD 10614;ACD 10435、アセトクロール、アシフルオルフェン、アシフルオルフェンナトリウム、アクロニフェン、アクロレイン、AD 67、アラクロール、アロキシジムナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アシュラム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バルバン、ビフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン、ベナゾリンエチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベノキサコール、ベンスルフロンメチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾイルプロップ、ベンゾイルプロップ(enzoylprop)エチル、ビフェノックス、ビアラホスナトリウム、ビスピリバックナトリウム、ホウ砂、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニルオクタノアート、ブロモキシニルカリウム、ブロムピラゾン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブテナクロル(butenachlor)、ブチダゾール(buthidazole)、ブトラリン、ブトロキシジム、ブツロン(buturon)、カフェンストロール、カルシウムシアナミド、カルベタミド、カルフェントラゾンエチル、クロメトキシフェン、クロランベン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロルフェナック、クロルフェナックナトリウム、クロルフェンプロプ、クロルフェンプロプメチル、クロルフェンプロプ、クロルフェンプロプエチル、クロルフルレノールメチル、クロリダゾン、クロリムロンエチル、クロルニトロフェン、クロロ酢酸、クロロトルロン、クロロクスロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタールジメチル、クロルチアミド、シニドンエチル、シノスルフロン、クロジナホッププロパギル、クロフォップ(clofop)、クロフォップイソブチル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロキントセットメキシル、クロランスラムメチル、クレダジン、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップブチル、シオメトリニル、ダイムロン、ダゾメット、デスメジファム、デスメトリン、ジアレート、ダイカンバ、ジクロベニル、ジクロルミド、ジクロルプロップ、ジクロルプロップイソオクチル(isoctyl)、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ、ジクロホップメチル、ジクロスラム、ジエタチルエチル;ジエタチル、ジフェノクスロン、ジフェンゾコートメチル硫酸、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジケグラック、ジケグラックナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメチピン、ジメチルアルシン酸、ジニトロアミンジノセブ、ジノセブアセタート、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジスル、ジスルナトリウム、ジチオピル、ジウロン、DNOC、DSMA、エグリナジン(eglinazine)エチル、エグリナジン(eglinazine)、EL 177、エンドタール、エタルフルラリン、エタメツルフロンメチル、エチジムロン、エトフメセート、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェンクロラゾールエチル、フェンクロリム、フェノプロップ、フェノプロップ−ブトチル(butotyl)、フェノキサプロップエチル、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェノキサプロップ−P−エチル、フェンチアプロップ(fenthiaprop);フェンチアプロップエチル、フェントラザミド、フェヌロン、フラムプロップメチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップ、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾンナトリウム、フルクロラリン、フルフェナセット、フルメツラム、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン(flumipropyn)、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェンエチル、フルオチウロン、フルポキサム、フルプロパネートナトリウム、フルピル(flupyr)スルフロンメチルナトリウム、フルラゾール、フルレノールブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル−メプチル(meptyl)、フルルタモン、フルチアセットメチル、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミンアンモニウム、フリラゾール、グルホシネートアンモニウム、グリホサート、グリホサートアンモニウム、グリホサートイソプロピルアンモニウム、グリホサートナトリウム、グリホサートトリメシウム、ハロスルフロンメチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ−エトチル(etotyl)、ハロキシホップ−P、ヘキサフルレート、ヘキサジノン、イマザメタベンズメチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザピルイソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、ヨードスルフロンメチルナトリウム、アイオキシニル、オクタン酸イオキシニル、イオキシニルナトリウム、イソカルバミド、イソシル(isocil)、イソメチオジン(isomethiozin)、イソノルロン(isonoruron)、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチラート、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、LS830556、マレイン酸ヒドラジド、MCPA、MCPAチオエチル、MCPB、MCPBエチル、メコプロップ、メコプロップ−P、酢酸メジノテルブ、メジノテルブ、メフェナセット、メフェンピルジエチル、メフルイジド、メソスルフロンメチル、メソトリオン、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロル、メタベンズチアズロン、メタゾール、メチウロン(methiuron)、メトプロトリン、メトキシフェノン、イソチオシアン酸メチル、メチルアルソン酸、メチルダイムロン、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン、メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン−、エチル、MK−616、モナライド、モノリニュロン、モニュロン、モニュロン−TCA、MSMA、無水ナフタル酸、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、NC−330、ネブロン、ニコスルフロン、ニトラリン、ニトロフェン、ノナン酸、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルソベンカーブ、オリザリン、オキサベトリニル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、ペンディメタリン、ペノクスラム、ペンタクロロフェノール、ペンタノクロル、ペントキサゾン、パーフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム(phenisopham)、フェンメジファム、酢酸フェニル水銀、ピコリナフェン、プリミスルフロンメチル、プロジアミン、プロフルラリン、プログリナジン(proglinazine)エチル、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾンナトリウム、プロピザミド、プロスルフロン、ピラフルフェンエチル、ピラゾリネート、ピラゾスルフロンエチル、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバクメチル(pyriminobacmethyl)、ピリチオバックナトリウム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップエチル、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、リムスルフロン、セブチルアジン、セクブメトン、シズロン、シマジン、シメトリン、S−メトラクロール、SMY 1500、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロンメチル、スルホスルフロン、テブチウロン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン(thidiazimin)、チフェンスルフロンメチル、チオベンカルブ、1−ジクロロアセチルアゼパン、トラルコキシジム、トリアラート、トリアスルフロン、トリベヌロンメチル、トリクロロ酢酸、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロンナトリウム、トリフルラリン、トリフルスルフロンメチルなどが挙げられる。
【0088】
本発明によって使用される農芸化学的に活性な適切な他の化合物としては殺真菌剤が挙げられる。殺真菌剤の化学クラスとしては、アミノ酸アミドカルバマート、アニリノピリミジン、抗生物質、芳香族炭化水素、複素環式芳香族、クロロ/ニトロフェニル、ベンズアミド(F)、ベンゼンスルホンアミド、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール前駆体、ベンゾトリアジン、カルボキサミド、ケイ皮酸、シアノアセトアミドオキシム、ジカルボキシイミド、ジチオラン、DMI:イミダゾール、DMI:ピペラジン、DMI:ピリミジン、DMI:トリアゾール、エノピランウロン(enopyranuronic)酸抗生物質、複素環式芳香族ヒドロキシアニリド、MBI:デヒドラターゼ、MBI:レダクターゼ、モルホリン:モルホリン、モルホリン:スピロケタールアミン、マルチサイト:クロロニトリル、マルチサイト:ジメチルジチオカルバメート、マルチサイト:グアニジン、マルチサイト:無機物、マルチサイト:フタルイミド、マルチサイト:キノン、マルチサイト:スルファミド、N−フェニルカルバマート殺真菌剤、有機スズ殺真菌剤、フェニルアミド:アシルアラニン、フェニルアミド:ブチロラクトン、フェニルアミド:オキサゾリジノン、フェニルピロール、フェニル尿素殺真菌剤、ホスホナート、ホスホロチオラート、ピリダジノン殺真菌剤、ピリミジンアミン、ピリミジノール、Qil、キノリン、SBIクラスIV:チオカルバマート、ストロビルリン類似体:ジヒドロジオキサジン、ストロビルリンタイプ:イミダゾリノン、ストロビルリンタイプ:メトキシアクリラート、ストロビルリンタイプ:エトキシカルバマート、ストロビルリンタイプ:オキサゾリジンジオン、ストロビルリンタイプ:オキシイミノアセトアミド、ストロビルリンタイプ:オキシイミノアセタート、チアゾールカルボキサミド、チオカルバマート殺真菌剤、チオフェンカルボキサミドなどが挙げられる。適切な殺真菌剤としては、1,2−ジクロロプロパン、2−メトキシエチル水銀クロリド、2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリンスルファート、アムプロピルホス、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、ベンキノックス(benquinox)、ベンチアバリカルブイソプロピル、ビナパクリル、ビフェニル、ビス(トリブチルスズ)オキシド、ビテルタノール、ブラスチシジン−S、ホウ砂、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、CGA 80 000、キノメチオナート、クロベンチアゾン、クロラニフォルメタン(chloraniformethan)、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリナート、クリンバゾール、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、酸化銅(I)、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、ダゾメット、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートメチル硫酸、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジタリムホス、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドジン、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エテム(etem)、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェニトロパン(fenitropan)、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ(flumorph)、フルオロイミド、フルオトリマゾール、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチルアルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルコナゾール−cis、フルメシクロックス、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリナート(halacrinate)、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジントリアセタート、イミノクタジントリス(アルベシラート(albesilate))、イプコナゾール、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、カスガマイシン塩酸塩水和物、クレソキシムメチル、メベニル(mebenil)、メパニピリム、メプロニル、塩化水銀(II)、メタラキシル、メタラキシル−M、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、ヨウ化メチル、イソチオシアン酸メチル、メトミノストロビン、メトスルフォバックス、ミルディオマイシン、ミクロブタニル、ミクロゾリン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、ヌアリモル、オフレース、オレイン酸、脂肪酸)、オキサベトリニル、オキサジキシル、フマル酸オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、酢酸フェニル水銀、フェニル水銀ジメチルジチオカルバマート、硝酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキソリム、炭酸水素カリウム、ヒドロキシキノリン硫酸カリウム、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオカルブ;プロチオカルブ塩酸塩、プロチオコナゾール、ピラカルボリド、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリブチカルブ、ピリメタニル、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、炭酸水素ナトリウム、スピロキサミン、SSF−109、硫黄、テブコナゾール、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン、チフルザミド、チオファナート、チオファナートメチル、チラム、チアジニル、トルクロホスメチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアミホス、トリアゾキシド、トリクラミド、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウルバシド、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ザリルアミド(zarilamid)、ジラム、ゾキサミドなどが挙げられる。
【0089】
本発明によって使用される農芸化学的に活性な適切な他の化合物としては、植物成長調整剤が挙げられる。その一部は他の化学クラスと一緒に分類することができる。植物成長調整剤の化学クラスとしては、芳香族炭化水素、クロロ/ニトロフェニル、オーキシン、安息香酸(オーキシン)、ベンゾチアゾロン、ベンゾイル尿素、カルバマート、カルバマート(mi)、サイトカイニン、ジニトロアニリン、ジチオラン、DMI:トリアゾール、エチレン発生物(generator)、ジベレリン、フェノキシカルボン酸、フェニル尿素、ピリダジン、ピリミジニルカルビノール、第4級アンモニウム、合成オーキシン、チオカルバマート殺真菌剤などが挙げられる。適切な植物成長調整剤としては、1−ナフチル酢酸、2−(1−ナフチル)アセトアミド、2,4−D、2,4−D−2−エチルヘキシル、2,4−D−ジメチルアンモニウム、2,4−D−イソプロピル、2,4−D−イソプロピル、2,4−D−トロラミン(2,4−D−トリエタノールアミン)、2−ヒドラジノエタノール、2−ナフチルオキシ酢酸、4−CPA、4−インドル−3−イル酪酸、6−ベンジルアミノプリン、アンシミドール、アビグリシン塩酸塩、アゾルロン(azoluron)、ベナゾリン、ベナゾリンエチル、ブミナホス(buminafos)、ブトラリン、カルバリル、クロルフルアズロン、クロルフルレノールメチル、クロルメコートクロリド、塩化クロルホニウム、クロルプロファム、クロフェンセットカリウム、クロキシホナック、シアナミド、シクラニリド、シロマジン、ダミノジッド、ダイカンバ、ジフェンゾコートメチル硫酸、ジフルベンズロン、ジケグラック、ジケグラックナトリウム、ジメチピン、エンドタール、エテホン、エチクロゼート、フェノキシカルブ、フルメトラリン、フルレノールブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、グリホシン、イナベンフィド、インドル−3−イル酢酸、イソプロチオラン、キネチン、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコートクロリド、メタスルホカルブ、N−m−トリル−フタルアミン酸、ノナン酸、N−フェニルフタルアミン酸、パクロブトラゾール、臭化ピプロクタニル(piproctanyl)、プロヘキサジオンカルシウム、プロファム、ピダノン(pydanon)、イントフェン(intofen)、テクナゼン、テフルベンズロン、テトシクラシス、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブホス、トリネキサパック、トリネキサパックエチル、ウニコナゾール、ウニコナゾール−P、ゼアチンなどが挙げられる。
【0090】
以下の実施例によって、本発明の組成物の調製及び使用の詳細をさらに説明する。上記開示に記載する本発明は、これらの実施例によって、精神も範囲も限定されるものではない。当業者は、以下の調製手順の条件及び方法の既知の変形例をこれらの組成物の調製に使用できることを容易に理解できるはずである。他に断らない限り、全ての温度は摂氏であり、すべての百分率は重量百分率である。
実施例
【実施例1】
【0091】
− 液相試験
この試験は、活性成分が存在しないときに媒体の粘度が低いことを確認するために実施した。各成分を添加し、Ross混合機で混合して、以下の溶液を調製した。試料10mLを50mLメスシリンダに添加し、シリンダを20回激しく振とうした。発泡量を50mL体積の百分率として測定した。各試料の粘度を、ブルックフィールド粘度計、LVTD、#3スピンドルを用いて、速度30rpmで、すべての読みに対してF=2の設定で測定した。純粋な試料を使用して比重測定を実施した。純粋な試料のpHを測定した。試料を−20℃冷凍庫に終夜放置し、次いで試料を加温して、凍結・解凍温度を求めた。氷晶が見当たらず試料が完全な流体になったときに凍結温度を記録した。表2及び3に液相試験の結果を示す。Agnique PG 9116が存在したときには、発泡がより顕著であった。Agnique PG 9116は、1.6%平均重合度のC−C11アルキルポリグリコシド非イオン界面活性剤であり、Cognis Chemicals、ウェブサイト http://www.cognis.com/cognis.htmlから入手可能である。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【実施例2】
【0094】
− 懸濁液水相試験
実施例1の手順を表4及び5の組成物について実施した。各成分をまず混合し、続いてSilverson混合機を用いて粉砕して、混合物を調製した。Alが添加されていないときには一般に媒体粘度が低いことを示すためにリグニンスルホン酸塩媒体を試験する。Agnique PG 9116などの非イオン界面活性剤が媒体中に存在するときには、一部の製剤媒体で多量の発泡が認められた。凍結・解凍点は測定しなかった。Borresperse NAはLignotechによって供給されているリグノ硫酸ナトリウム(CAS番号8061−51−6)である。Hi−Sil 233は、PPG Industries, Inc.から入手可能な水和アモルファスシリカゲル、CAS番号112926−00−8である。Attagel 50は、Engelhard Corporationから入手可能なアタパルジャイト粘土である。
【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【実施例3】
【0097】
イミダクロプリド328g、Borresperse NA 32g及び水540gを湿式粉砕したマスターバッチから試料39から42を調製した。粉砕をラボDynomil粉砕装置を用いて実施した。粒径が2.6ミクロン(<50%体積平均)に達した後、得られたミルベースを収集し、細分した。各試料に塩及び/又はグリセリンを添加して製剤(試料39から42)を完成した。製剤は、試験肥料と驚くべき適合性を示した(表6、10−34−0、3−18−18及び6−24−6)。従来の界面活性剤のみを用いた基準製剤(試料43、表6)を比較のために調製した。本発明における肥料適合性試験を野外試験条件(活性成分0.22lb(100g)/肥料5ガロン(19L))をシミュレートするために実施する。実験室での対応する比は活性成分0.375g/肥料100gである。次いで、混合物全体をUS Mesh 50のふるいを通してろ過し、ふるいに残った残渣を測定し、記録した。その結果、Borresperse NA+塩の適合性が、相乗的分散剤系として、通常の界面活性剤を用いた系よりも優れていることが示された。Morwet D425は、アルキルナフタレンスルホナートホルムアルデヒドポリマーのナトリウム塩CAS # 9084−06−4或いはCAS番号68425−94−5、83453−42−3及び9008−63−3である。Alkamuls EL 620は、Rhodia, Inc.製脂肪酸エトキシラート非イオン界面活性剤である。
【0098】
試料44から49(表7)を表4、5及び6の試料と同様に調製した。イミダクロプリドを含む全成分を湿式粉砕前に十分混合した。混合物を粉砕して平均粒径2.8ミクロンにして排出した。製剤の比重及び粘度を測定した後、肥料適合性を試験した。驚くべきことに、酸化アルミニウム、Attagel 50及びHi Sil 233の混合成分は、得られた製剤の完全性(integrity)をさらに改善した。また、これらの実施例の肥料試験によって、肥料希釈物を安定化するグリセリンの重要性が示された。最後に、塩(例えば、塩化カリウム)の存在によって、ずり減粘効果による凝集現象の抑制が明確に示された。
【0099】
【表6】

【0100】
【表7】

【実施例4】
【0101】
バッチ300g中にイミダクロプリド25重量%を含む2種類の基準製剤(表8、試料50及び51)を、標準の湿式粉砕技術を用いた従来の懸濁製剤技術によって調製した。Kelzan(キサンタンガム)以外の全成分を前もって容器に充填し、回転Silverson混合機を用いて予備粉砕し、続いて湿式粉砕した。粉砕を、ラボDynomil装置によって粒径が2.5ミクロン(<50%体積平均)になるまで実施した。製剤を調製後、排出されたミルベースにKelzanを後添加した。
【0102】
試料52から54(表9)は、殺虫剤25重量%と種々の塩を含む製剤である。試料55から58(表10)は、種々のリグニンスルホン酸塩分散剤の組み合わせを含む製剤である。ずり減粘効果は、これらの実施例全体を通して顕著である。試料59から62(表11)は、リグニンスルホン酸塩に加えて非イオン界面活性剤を含む製剤である。相対的に、この系におけるずり減粘は、明らかに非イオン界面活性剤の効果のために、最小化されている。
【0103】
【表8】

【0104】
【表9】

【0105】
【表10】

【0106】
【表11】

【実施例5】
【0107】
試料50−62の肥料適合性を試験した。野外で使用される多数の農薬との適合性が低いことで知られる3種類の肥料を試験用に選択した。これらの肥料は、(N−P−K)10−34−0、3−18−18及び6−24−6である。表6と同じタンク混合方法を用いた。結果を表12で比較する。本発明による新技術が肥料適合性の領域において従来の懸濁製剤よりも優れることは明らかである。市販農薬製剤Admire 2Fを試験に加えた。Admire 2Fは、旧式の懸濁製剤技術によって製造されている。
【0108】
【表12】

【実施例6】
【0109】
表13に示す基準試料63を試料50−51と同様に調製した。基準試料の肥料適合性を、表16に示すように、表14−15の試料64−71と一緒に試験した。
【0110】
【表13】

【0111】
【表14】

【0112】
【表15】

【0113】
【表16】

【実施例7】
【0114】
工業バッチスケールでの試料68の調製。高濃度イミダクロプリド懸濁製剤(550g/l)の工業バッチを以下の通り製造した。容量150ガロン(568リットル)の混合容器に、水246lb(112kg);Borresperse NA、30lb(14kg);Morwet D425、4.3lb(2.0kg);グリセリン、120.5lb(55kg);酸化アルミニウム、3.44lb(1.6kg);Attagel 50、2.6lb(1.2kg);Hi−Sil 233、2.6lb(1.2kg);Proxel GXL、0.9lb(0.41kg)及びAntifoam 8830 FG、2.6lb(1.2kg)の順で充填した。次いで、各成分を十分に混合し、続いてimidacloprid technical 377lb(171kg)を添加した。湿式混合を5リットルチャンバを備えたビーズミルで実施した。直径1.4mmのジルコニウムビーズを使用した。次いで、粒径が<50%体積平均2.75ミクロンに達した後、粉砕した製剤ミルベースを排出した。回収したミルベース(762lb、すなわち346kg)に水43.5lb(19.7kg)、塩化カリウム25lb(11.3kg)及びFD&C Blue 1色素0.87lb(0.39kg)を添加して最終製剤を完成した。生成物は、以下の諸性質、すなわち、比重1.282、セット粘度(set viscosity)728cps及び撹拌粘度188cpsを示した。初期粘度は驚くべきことに低かったが、時間が経過すると、粘度は、室温で4週間後にセット粘度1040cps、撹拌粘度80cpsに増加することが判明した。別の試料は、40℃で4週間後にセット粘度3130cps、撹拌粘度112cpsであった。)
【実施例8】
【0115】
実施例7の生成物を実験室条件下で種々の液体肥料と混合した。以下の液体肥料500mLを透明容器:現地の水道水;7−30−3;7−26−0−8及び10−34−0に入れた。Admire 2Fと試料68を、土壌に対してイミダクロプリド20グラム/エーカー(4048m)の散布未満の比で添加した。これは、Admire 2F約3.1mL/肥料500mL及び試料68約1.3mL/肥料500mLに相当した。混合物(combination)を4回反転させ、10分間静置した。反転直後及び10分間静置後に観察した。混合物が10分後に溶液状態でない場合には、水250mLを追加して、生成物を溶液にした。混合物をさらに4回反転させ、10分静置後に観察した。以下の表17−22の結果を得た。
【0116】
【表17】

【0117】
【表18】

【0118】
【表19】

【0119】
【表20】

【0120】
【表21】

【0121】
【表22】

【実施例9】
【0122】
固体の殺虫剤、殺真菌剤及びこれらの混合物の懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって調製した。殺虫剤及び殺真菌剤は、CNI化合物だけでなく、多種多様な他のケミストリーを含んだ。それでも、得られた懸濁液は、驚くべきことに、同じ安定性パターンを示し、ずり減粘を起こした(表23)。全試料が同じ肥料適合性を示した(表24)。
【0123】
【表23】

【0124】
【表24】

【実施例10】
【0125】
固体の殺虫剤、殺真菌剤及びこれらの混合物の懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって調製した。次いで、他の殺虫剤又は殺真菌剤の乳剤(emulsifiable concentrate)(EC)とさらに混合して、サスポエマルション(SE)を形成した。殺虫剤及び殺真菌剤は多種多様なケミストリーを包含したが、得られたサスポエマルションは、驚くべきことに、同じ物理的安定性パターンを示し、ずり減粘を起こした(表25)。全試料が同じ肥料適合性を示した(表26)。
【0126】
【表25】

【0127】
【表26】

【実施例11】
【0128】
固体の殺虫剤、殺真菌剤及びこれらの混合物の懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって調製した。次いで、他の殺虫剤又は殺真菌剤の乳剤(EC)とさらに混合して、サスポエマルション(SE)を形成した。殺虫剤及び殺真菌剤は多種多様なケミストリーを包含したが、得られたサスポエマルションは、驚くべきことに、同じ物理的安定性パターンを示し、ずり減粘を起こした(表27)。全試料が同じ肥料適合性を示した(表28)。
【0129】
【表27】

【0130】
【表28】

【実施例12】
【0131】
殺虫剤エチプロール、フィプロニル及びイミダクロプリドの懸濁製剤混合製剤を、実施例3に記載のものと本質的に同じ手順によって調製し、肥料適合性試験を実施した。各SC製剤は、活性化合物200g/Lを含み、驚くべきことに、NPK+鉄肥料(Wuxal)ときわめて良好な適合性を示した(表29及び30)。
【0132】
【表29】

【0133】
【表30】

【実施例13】
【0134】
各種除草剤及びそれらの混合物の懸濁製剤を、実施例3に詳述した手順によって調製した。除草剤は多種多様なケミストリーを包含したが、得られた懸濁液は、驚くべきことに、同じ安定性パターンを示し、ずり減粘を起こしただけでなく(表31)、同じ肥料適合性も示した(表32)。
【0135】
【表31】

【0136】
【表32】

【実施例14】
【0137】
固体の各種除草剤及びその混合懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって別個に調製した。次いで、他の除草剤の乳剤(EC)とさらに混合して、サスポエマルション(SE)を形成した。殺虫剤は多種多様なケミストリーを包含したが、得られたサスポエマルションは、驚くべきことに、同じ物理的安定性パターンを示し、ずり減粘を起こした(表33)。全試料が同じ肥料適合性を示した(表34)。
【0138】
【表33】

【0139】
【表34】

【実施例15】
【0140】
植物成長調整剤シクラニリド懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって調製した。次いで、さらに水溶性メピコートクロリドと混合して、懸濁溶液混合物を形成した。得られた液体混合物は、驚くべきことに、同じ安定性パターンを示し、ずり減粘を起こしただけでなく(表35)、同じ肥料適合性も示した(表36)。
【0141】
【表35】

【0142】
【表36】

【実施例16】
【0143】
殺虫剤及び除草剤の懸濁製剤(SC)を、実施例3に詳述したのと同じ手順によって調製した。次いで、オイルアジュバントの乳剤(EC)とさらに混合して、サスポエマルション(SE)を形成した。得られたサスポエマルションは、驚くべきことに、同じ安定性パターンを示し、ずり減粘を起こした(表37)。全試料が同じ肥料適合性を示した(表38)。
【0144】
【表37】

【0145】
【表38】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)農芸化学的に活性な化合物、
(b)金属リグノ硫酸塩、
(c)強酸の水溶性塩、及び
(d)水
を含み、
前記化合物が、組成物中に効果的に分散するのに十分に小さい平均直径の固体粒子及び/又は液体小球の形態であり、金属リグノ硫酸塩と水溶性塩が、該粒子及び/又は小球を水中に分散させるのに有効な量で混合されている、
流動性チキソトロピー組成物。
【請求項2】
農芸化学的に活性な化合物が殺虫剤である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【請求項3】
農芸化学的に活性な化合物が式(I)の殺虫剤である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【化1】

(式中、
Rは水素、アシル、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、
Aは水素、アシル、アルキル若しくはアリールであり、又はZと結合した二官能基であり、
EはNO、CN又はハロゲノアルキルカルボニル基であり、
Xは−CR’=又は=N−(式中、R’は水素であり、又はZと結合した二官能基である。)であり、
Zはアルキル、−OR”、−SR”若しくは−NR”R”であり、又はZは(i)A基に、(ii)X基に、若しくは(iii)AとXの両方に結合した基であり、
但し、EがCNであるときには、Zはメチルではなく、Rは(6−クロロ−3−ピリジル)メチル(
【化2】

)基ではない。)
【請求項4】
農芸化学的に活性な化合物が以下の化合物である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【化3】



【請求項5】
農芸化学的に活性な化合物が、イミダクロプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン、ニテンピラム、ニチアジン又はジノテフランである、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【請求項6】
農芸化学的に活性な化合物が除草剤である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【請求項7】
農芸化学的に活性な化合物が殺真菌剤である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【請求項8】
農芸化学的に活性な化合物が植物成長調整剤である、請求項1に記載の流動性チキソトロピー組成物。
【請求項9】
前記混合物がさらに(e)希釈剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記混合物がさらに(f)界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
(f)界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記混合物がさらに(g)潤滑剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記混合物がさらに(h)アジュバントを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記混合物がさらに(i)消泡剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
消泡剤を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記混合物がさらに(j)殺生物剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記混合物がさらに(k)着色剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
殺虫剤と金属リグノ硫酸塩が約60:1から約1:10の比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
金属リグノ硫酸塩とハロゲン化物が約2:1から約1:20の比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記粒子が平均直径約2から4ミクロンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項21】
金属リグノ硫酸塩がアルカリ金属リグノ硫酸塩又はアルカリ土類金属リグノ硫酸塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
強酸の水溶性塩が、LiCl、NaCl、KCl、MgCl、CaCl、FeCl、NHNO、Mg(NO、NaNO、KPO、(NH4)SO、NaSO又はZnSOである、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
希釈剤がポリヒドロキシル化アルカンである、請求項3に記載の組成物。
【請求項24】
希釈剤が1,2,3−プロパントリオールである、請求項3に記載の組成物。
【請求項25】
請求項1に記載の組成物と液体肥料組成物との農学的に許容される混合物を含む、肥料組成物。
【請求項26】
請求項3に記載の組成物と液体肥料組成物との農学的に許容される混合物を含む、肥料組成物。
【請求項27】
液体肥料が窒素成分約1から約50重量%を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
液体肥料がカリウム成分約1から約50重量%を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
液体肥料がリン成分約1から約50重量%を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
肥料が、トウモロコシ植物(corn−plant)及び/又はトウモロコシ種子(corn−seed)に適合した肥料である、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
肥料が、草の種子(grass−seed)及び/又は草(grass−plant)に適合した肥料である、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
請求項3に記載の組成物を昆虫が存在する場所又は予想される場所に適用することを含む、昆虫駆除方法。
【請求項33】
前記組成物が、液体肥料組成物と混合された後に前記場所に適用される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
一定の場所における害虫駆除に同時に、別々に、又は連続して適用される、請求項3に記載の組成物と農学的に許容される液体肥料とを含む、生成物。

【公表番号】特表2008−528513(P2008−528513A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552376(P2007−552376)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/002479
【国際公開番号】WO2006/079079
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【Fターム(参考)】