説明

肥満およびCNS障害の処置のための選択的D1ドーパミンレセプターアンタゴニストとしての置換N−アリールアミジン

本発明は、Dレセプターに対する新規アンタゴニストである化合物、およびそのような化合物を調製するための方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、そのようなDレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物、ならびにそれらを使用して、CNS障害、肥満、代謝障害、過食症のような摂食障害および糖尿病を処置する方法を提供する。多くの実施形態において、本発明は、Dレセプターアンタゴニストとしてのn−アリールアミジンの新規クラス、そのような化合物を調製する方法、1つ以上のそのような化合物を含む薬学的組成物、1つ以上のそのような化合物を含む薬学的組成物または処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または薬学的組成物を使用して、肥満、代謝障害、CNS障害、もしくは肥満に関連する1種以上の疾患を処置、予防、阻害または改善する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、Dレセプターアンタゴニストとして有用なn−アリールアミジン、その化合物を含む薬学的組成物、ならびに肥満、代謝障害およびCNS障害を処置するための化合物および組成物を使用する処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
肥満、ニコチン中毒および物質乱用を処置することに、相当な研究が向けられている。肥満および嗜癖に関連した健康コストに由来の社会的コストは、非常に高い。従って、そのような病気に罹りやすい患者において、食物および他の物質に対する欲求を抑制する物質を提供することが望まれている。
【0003】
欲求を減らすために投与される物質は、著しい生理学的影響(例えば、気分の刺激、または血圧または心拍数の上昇)を生じるべきではない。これは結果として、1つの乱用物質から別の物質へと代用することになり得る。乱用物質に対する欲求を削ぐ化合物はまた、個人が再発して乱用物質を摂取する場合、乱用物質の生理学的症状を悪化させるべきではない。欲求を減らすために投与される物質はまた、著しい副作用(例えば、神経不安、不穏または硬直)を生じるべきできない。
【0004】
肥満および上で列挙した障害に加えて、中枢神経系(CNS)障害(例えば、強迫性障害、身体表現性障害、解離性障害、摂食障害、衝動調節障害、抜毛癖および自閉症)を効果的に処置、改善および予防し得る薬剤療法が非常に必要とされている。強迫性障害(「OCD」)(これは、全ての精神障害のうちで最も一般的であると認識されている)は、米国における人口の2〜3%で起こる。OCDは、不安を刺激する侵入性の思考(例えば、汚染および細菌の恐怖、将来の危害についての疑念および不確実性、対称性の要求など)に特徴があり、これにより、儀式的および/または不合理な行動(例えば、絶え間ない点検、洗浄、接触、計数など)を引き起こす。非特許文献1を参照のこと。
【0005】
身体的障害(例えば、身体醜形障害および心気症)は、人の外観または身体状態への異常な先入観に特徴がある。例えば、身体異形障害とは、外観の想像的欠陥または僅かな欠陥への先入観である。身体異形障害に罹った多くの患者は、彼らの異常な先入観によって激しく衰弱し、日常生活の社会的、職業的または他の重要な局面が著しく損なわれる。非特許文献2を参照のこと。心気症は、自分は病気であるか病気になりそうであるという固執に特徴がある。多くの心気症は、病気に対する先入観が原因で、仕事または通常の活動ができない。
【0006】
解離性障害(例えば、離人症)は、自己同一性、記憶または意識の急激で一時的な変質により、通常の一体化した記憶または個性の一部が個人の主要な自己同一性から分離することに特徴がある。離人障害(これは、解離性障害である)は、離人症の1つ以上の発症(非現実的な感じ、および自己の知覚または身体像における奇妙な感じ)に特徴がある。
【0007】
摂食障害(例えば、拒食症、過食症および多食症)は、摂食を避ける異常な脅迫的欲求または異常に大量の食物を食べ尽くす制御できない衝動に特徴がある。これらの障害は、患者の社会的に快適な暮らしに影響を与えるだけでなく、身体的な健康にも影響を与える。
【0008】
衝動調節障害(例えば、病的ギャンブル癖(pathological gambling)、強迫性購買(compulsive buying)、性的強迫(sexual compulsion)および窃盗癖)は、社会的に受け入れられないか社会的な規範を異常に超えているかいずれかの種々の行動に繰り返し関与することへの先入観およびそのような行動を我慢できないことに特徴がある。
【0009】
抜毛癖とは、習慣的に毛を抜くことであり、これは、通常、子供に見られる。非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6を参照のこと。
【0010】
自閉症とは、自分自身への先入観および正常な様式で外界の刺激に対して知覚または反応する能力が著しく損なわれていることに特徴がある障害である。多くの自閉症患者は、他者と意思疎通すらできない。
【0011】
これらの障害の痛ましく衰弱させる影響を考慮して、このような障害を効果的に処置できる薬物療法が強く求められている。
【0012】
ドーパミンは、中枢神経系および末梢神経系において重要な伝達物質であり、多くの神経精神医学的機能および生理学的機能を決定的に調節する。ドーパミンの作用は、5つの別個のレセプターサブタイプ(2つの主なサブグループ、D様およびD様に分けられる)により媒介される。D様サブファミリーは、DサブタイプおよびDサブタイプから構成される。Dドーパミンレセプターは、血圧応答を調節する神経経路を調節することが実証されている。非特許文献7。
【非特許文献1】Hollanderら,「J.Clin.Psychiatry」(1996)57(補遺8),pp.3−6
【非特許文献2】Philips,「J.Clin.Psychiatry」(1996)57(補遺8),pp.61−64
【非特許文献3】Merck Index,(1987)第15版
【非特許文献4】Christenson,Gary;O’Sullivan,Richard,「Trichotillomania:Rational treatment options,CNS Drugs」(1996),6(1),23−34
【非特許文献5】Tukel R,Keser V,Karali N T,Olgun T O,Calikusu C.「Comparison of clinical characteristics intrichotillomania and obsessive−compulsive disorder」,JOURNAL OF ANXIETY DISORDERS(2001年9月−10月),15(5),433−41
【非特許文献6】du Toit P L,van Kradenburg J,Niehaus D J,Stein D J,「Characteristics and phenomenology of hair−pulling:an exploration of subtypes」,COMPREHENSIVE PSYCHIATRY(2001年5月−6月),42(3),247−56
【非特許文献7】Hollonら,「Mice Lacking D5 Dopamine Receptors Have Increased Sympathetic Tone and are Hypertensive」,THE JOURNAL OF NEUROSCIENCE,2002年12月4日,22(24):10801−10810
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
その多くの実施形態において、本発明は、Dレセプターアンタゴニストとしてのn−アリールアミジンの新規クラス、そのような化合物を調製する方法、1つ以上のそのような化合物を含む薬学的組成物、1つ以上のそのような化合物を含む薬学的組成物または処方物を調製する方法、ならびにそのような化合物または薬学的組成物を使用して、肥満、代謝障害、CNS障害、もしくは肥満に関連する1種以上の疾患を処置、予防、阻害または改善する方法を提供する。
【0014】
本発明の化合物は、ヒトDレセプター(h D)とヒトD レセプター(h D)との間で異なり得る。
【0015】
一局面において、本出願は、式I:
【0016】
【化20】

に示される一般構造を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供し、ここで、
Aは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換されているアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
mは、0または1であり;
pは、1〜4であり;
は、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【0017】
【化21】

を形成し得;
は、水素、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−OCF、−CF、−NO、−CN、アシル、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、
【0018】
【化22】

から独立して選択される1〜5個の部分であり、ここで、nは、1〜3であるか、あるいは、2つの隣接するR部分は、結合して、
【0019】
【化23】

を形成し得、
ここで、Rについての上記ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルキレニル、アラルキル、−C(O)H、−C(O)OH、−C(R)=NOR11、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
は、水素、アルキル、−C(O)R11、−SO11、−C(O)アルコキシ、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、ここで、Rについての上記アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、Rについての上記アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、Rについての上記アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−CF、−OCF、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され、ここで、Rについての上記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルの各々は非置換であるか、あるいは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−OCF、−CN、−OR、−NR10、−CHOR、−C(O)R、−C(O)NR10、−C(O)R、−SR10、−S(O)R10、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R10、−N(R)C(O)R10および−N(R)C(O)NR10からなる群より選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、−NR
【0020】
【化24】

であり、
は、水素、アルキル、−C(O)R11、−SO11、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、ここで、Rについての上記アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
10は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、R10についての上記アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;そして
11は、アルキルまたはアリールであり、ここで、R11についての上記アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択される。
【0021】
式Iの化合物は、Dレセプターアンタゴニストとして有用であり得、そしてCNS障害、肥満のような代謝障害および過食症のような摂食障害の処置に有用であり得る。本発明の別の実施形態は、肥満の処置用の薬学的組成物に関し、この薬学的組成物は、肥満処置量の式Iの化合物、またはその化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、そして薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(発明の詳細な説明)
一実施形態において、本発明は、構造式Iによって表される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示し、ここで、上記種々の部分は、上に定義したとおりである。
【0023】
式Iの化合物の実施形態において、Aは、フェニル、キノリニル、ナフチル、ピリジル、インドリルまたはチオフェニルである。
【0024】
式Iの化合物の別の実施形態において、mは0である。
【0025】
式Iの化合物の別の実施形態において、mは1である。
【0026】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rは、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1個または2個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【0027】
【化25】

を形成し得る。
【0028】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rは、独立して、ハロゲン、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【0029】
【化26】

から選択される。
【0030】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rは水素またはアルキルであり;そしてRは水素またはアルキルである。
【0031】
式Iの化合物の別の実施形態において、Rはメチルまたは水素であり;そしてRはメチルまたは水素である。
【0032】
式Iの化合物の別の実施形態において、Aは、フェニル、キノリニル、ナフチル、ピリジル、インドリルまたはチオフェニルであり;そしてmは0である。
【0033】
式Iの化合物の別の実施形態において、Aは、フェニル、キノリニル、ナフチル、ピリジル、インドリルまたはチオフェニルであり;そしてmは1である。
【0034】
式Iの化合物の別の実施形態において、式Iは、以下の構造式
【0035】
【化27】

であり、
ここで、Rは、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【0036】
【化28】

を形成し得;そして
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、−NR
【0037】
【化29】

であり、そして
、R10およびR11は、上で定義したとおりである。
【0038】
式Iの化合物の別の実施形態において、この化合物は、式:
【0039】
【化30】

を有し、
ここで、
は、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【0040】
【化31】

を形成し得;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−OCF、−CF、−NO、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【0041】
【化32】

から独立して選択される1〜5個の部分であり、
ここで、Rについての上記アルキル、アリールまたはヘテロアリールの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
pは、1〜4であり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアリールであり;
は、上で定義したとおりであり;そして
11は、アルキルまたはアリールである。
【0042】
式Iの化合物のさらなる実施形態において、mは1であり;Aはアリールまたはヘテロアリールであり;Rはハロゲンであり;Rは、ハロゲン、−NR、アリール、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【0043】
【化33】

から独立して選択される1個または2個の部分であり、
ここで、Rについての上記アリールまたはヘテロアリールは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、−CNおよび−C(O)Hから選択され;Rは、水素またはアルキルであり;Rは、水素またはアルキルであり;そしてRは、水素またはアルキルである。
【0044】
式Iの化合物のさらなる実施形態において、Aはフェニルであり;Rはクロロであり;Rは、インドリル、フェニル、R−置換メチル、クロロ、N(エチル)
【0045】
【化34】

からなる群より選択される1個または2個の部分であり、Rは水素またはメチルであり;Rは水素またはメチルであり、そしてRは上で定義したとおりである。
【0046】
式Iの化合物のさらなる実施形態において、Rは、親部分に対してパラ位にある。
【0047】
式Iの他の化合物としては、実施例1〜134が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の化合物の群は、以下の表1に示される:
【0049】
【化35】

【0050】
【化36】

さらに別の実施形態では、式Iの化合物であって、ここで、ヒトD(h D)レセプターに対する上記化合物の結合親和性(Ki)は、ヒトD(h D)レセプターに対する上記化合物の結合親和性(Ki)よりも大きく、[h D Ki]/[h D Ki]は、100よりも大きい。
【0051】
他で特に述べられる以外は、以下の定義は、本明細書および特許請求の範囲全体にわたって適用する。これらの定義は、用語がそれ自体で使用されるかまたは他の用語と組み合わせて使用されるかにかかわらず、適用する。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」および「アルコキシ」、「シクロアルキル」などの「アルキル」部分に適用する。
【0052】
上でおよび本明細書全体にわたって使用される場合、以下の用語は、他で特に示されない限り、以下の意味を有することが理解できるはずである:
上でおよび本開示全体にわたって使用される場合、以下の用語は、他で特に示されない限り、以下の意味を有することが理解できるはずである:
「患者」は、ヒトと他の哺乳動物との両方を包含する。
【0053】
「哺乳動物」は、ヒトおよび動物を意味する。
【0054】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖であり得、そして鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分枝鎖とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)が、直鎖アルキル鎖に結合したものを意味する。「低級アルキル」とは、鎖中に約1個〜約6個の炭素原子を有する基を意味し、これは、直鎖であっても分枝鎖であっても良い。用語「置換アルキル」とは、アルキル基が1個以上の置換基によって置換され得ることを意味し、この置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群より選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0055】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、そして直鎖であっても分枝鎖であってもよく、そして鎖中に約2個〜約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2個〜約12個の炭素原子を有する;そしてより好ましくは、鎖中に約2個〜約6個の炭素原子を有する。分枝鎖とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)が、直鎖アルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」とは、鎖中に約2個〜約6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味し、この鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。用語「置換アルケニル」とは、アルケニル基が1個以上の置換基によって置換され得ることを意味し、これらの置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群より選択される。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0056】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、そして直鎖であっても分枝鎖であってもよく、そして鎖中に約2個〜約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2個〜約12個の炭素原子を有する;そしてより好ましくは、鎖中に約2個〜約4個の炭素原子を有する。分枝鎖とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)が、直鎖アルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」とは、鎖中に約2個〜約6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味し、この鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。適切なアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。用語「置換アルキニル」とは、アルキニル基が1個以上の置換基によって置換され得ることを意味し、これらの置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、独立して、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群より選択される。
【0057】
「アリール」とは、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、これは、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6個〜約10個の炭素原子を含む。このアリール基は、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換され得、これらの置換基は、同じでも異なっていてもよく、そして本明細書中で定義したとおりである。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0058】
「ヘテロアリール」とは、芳香族の単環式または多環式の環系であって、約5個〜約14個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子を含み、その環原子の1個以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)(単独またはその組合せ)である、芳香族の単環式または多環式の環系を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5個〜約6個の環原子を含む。この「ヘテロアリール」は、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換され得、この置換基は、同じでも異なっていてもよく、そして本明細書中で定義したとおりである。このヘテロアリール根本名称の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が存在していることを意味している。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化され得る。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。用語「ヘテロアリール」はまた、部分飽和のヘテロアリール部分(例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなど)をいう。
【0059】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルを介している。
【0060】
「アルキルアリール」とは、アルキル−アリール基を意味し、ここで、このアルキルおよびアリールは、先に記述したとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分への結合は、アリールを介している。
【0061】
「シクロアルキル」とは、非芳香族の単環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約5個〜約7個の環原子を含む。このシクロアルキルは、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同じであっても異なっていてもよく、上で定義したとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなど、および部分飽和の種(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)が挙げられる。
【0062】
「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキル−アルキル基を意味し、ここでそのシクロアルキルおよびアルキル基は、先に記載されている。親部分への結合は、アルキルを介している。適切なシクロアルキルアルキル基の非限定的な例としては、
【0063】
【化37】

が挙げられる。
【0064】
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。好ましいものは、フルオロ、クロロおよびブロモである。
【0065】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。好ましいものは、フッ素、塩素および臭素である。
【0066】
「環系置換基」とは、芳香族環系または非芳香族環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換える。環系置換基は、同じであっても異なっていてもよく、各々は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−、YNSO−および−SONYからなる群より選択され、ここで、YおよびYは、同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群より選択される。「環系置換基」はまた、環系上の2個の隣接する炭素原子上の2個の利用可能な水素(各炭素に1個のH)を同時に置き換える単一部分を意味し得る。そのような部分の例は、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などであり、これは、例えば、
【0067】
【化38】

のような部分を形成する。
【0068】
「ヘテロシクリル」は、非芳香族の飽和単環式または飽和多環式の環系であって、約3個〜約10個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子を含み、その環系における原子の1個以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)(単独またはその組合せ)である、非芳香族の飽和単環式または飽和多環式の環系を意味する。この環系において存在する隣接する酸素原子および/または硫黄原子はない。好ましいヘテロシクリルは、約5個〜約6個の環原子を含む。このヘテロシクリル根本名称の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が存在していることを意味している。ヘテロシクリル環における任意の−NHは、例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基などとして保護されて存在し得る;そのような保護はまた、本発明の一部と考慮される。このヘテロシクリルは、必要に応じて、1個以上の「環系置換基」で置換され得、この置換基は、同じでも異なっていてもよく、そして本明細書中で定義したとおりである。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化され得る。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。
【0069】
本発明のヘテロ原子含有環系において、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にはヒドロキシル基は存在せず、そして別のヘテロ原子に隣接する炭素上にはN基またはS基は存在しないことに注意すべきである。したがって、例えば、環:
【0070】
【化39】

において、2および5の印を付けられた炭素に直接結合する−OHは存在しない。
【0071】
互変異性形態(例えば、部分:
【0072】
【化40】

は、本発明の特定の実施形態では等価であると考えられることにもまた注意すべきである。
【0073】
「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリル−アルキル基を意味し、ここで、このヘテロシクリルおよびアルキル基は、先に記載されている。親部分への結合は、アルキルを介している。適切なヘテロシクリルアルキル基の非限定的な例としては、
【0074】
【化41】

が挙げられる。
【0075】
「アルキニルアルキル」は、アルキニル−アルキル基を意味し、ここで、そのアルキニルおよびアルキルは、先に記載したとおりである。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニル基および低級アルキル基を含む。親部分への結合は、アルキルを介している。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
【0076】
「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、このヘテロアリールおよびアルキルは、先に記載したとおりである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルを介している。
【0077】
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、先に定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0078】
「アシル」は、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、種々の基は、上記の通りである。親部分への結合は、カルボニルを介している。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシル基の非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
【0079】
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、アリール基は、上記の通りである。親部分への結合は、カルボニルを介している。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
【0080】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は、上記の通りである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0081】
「アルコキシアルキル」は、アルコキシ−アルキル基を意味し、ここで、そのアルコキシ基およびアルキル基は先に記載されたとおりである。親部分への結合は、アルキルを介している。適切な基の非限定的な例としては、エトキシメチル、エトキシエチル、メトキシメチルおよびメトキシメチルが挙げられる。
【0082】
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここで、アリール基は、上記の通りである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0083】
「アラキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は上記のとおりである。適切なアラキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−ナフタレンメトキシまたは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0084】
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、上記の通りである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0085】
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここで、そのアリール基は、上記の通りである。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0086】
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は、上記の通りである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0087】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味し、ここで、そのアルコキシ基は、上記のとおりである。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0088】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味し、ここで、そのアリールオキシ基は、上記のとおりである。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0089】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味し、ここで、そのアラルキル基は、上記のとおりである。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、ベンジルオキシカルボニルがある。親部分への結合は、カルボニルを介している。
【0090】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味し、ここで、そのアルキル基は、上記のとおりである。アルキル基が低級アルキルである基が好ましい。親部分への結合は、スルホニルを介している。
【0091】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味し、ここで、そのアリール基は、上記のとおりである。親部分への結合は、スルホニルを介している。
【0092】
「ヘテロアラルキルチオ」は、ヘテロアラルキル−S−基を意味し、ここで、そのヘテロアラルキル基は、上記の通りである。適切なヘテロアラルキルチオ基の非限定的な例は、ピリジルチオである。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0093】
「ヘテロアリールスルホニル」は、ヘテロアリール−S(O)−基を意味し、ここで、そのヘテロアリール基は、上記の通りである。親部分への結合は、スルホニルを介している。
【0094】
「ヘテロアリールチオ」は、ヘテロアリール−S−基を意味し、ここで、そのヘテロアリール基は、上記の通りである。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0095】
用語「置換された」は、指定原子上の1個以上の水素が示された基からの選択で置き換えられたことを意味するが、但し、既存状況下での指定原子の通常の原子価を超えず、その置換は、安定な化合物を生じる。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方を耐えるのに十分に頑丈であることを意味する。
【0096】
用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルまたは部分での任意の置換を意味する。
【0097】
化合物についての用語「単離された」または「単離形態」は、合成プロセスもしくは天然供給源または合成プロセスと天然供給源との組み合わせから単離された後のその化合物の物理的状態をいう。化合物についての用語「精製された」または「精製形態」は、本明細書中に記載されているかまたは当業者に周知の精製プロセスから、本明細書中に記載されているか当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付けられる十分な純度で得られた後のその化合物の物理的状態をいう。
【0098】
本明細書中の教本、スキーム、実施例および表における満たされていない原子価を有する任意のヘテロ原子は、それらの原子価を満たす水素原子を有すると想定されることもまた、留意すべきである。
【0099】
ある化合物中の官能基が「保護」と呼ばれるとき、このことは、その化合物を反応に供したとき、その保護部位で望ましくない副反応を防止するために、その基が、修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者に知られているだけでなく、標準的な教本(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New York)から分かる。
【0100】
任意の可変物(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、任意の成分または式Iにおいて、1回より多く現れるとき、各出現例でのその定義は、いずれの他の出現例でのその定義とも無関係である。
【0101】
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定量で特定の成分を含有する生成物、および特定量の特定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。
【0102】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で企図される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用される場合、薬物前駆体である化合物を意味し、これは、被験体に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、式Iの化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium SeriesならびにBioreversible.Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche(編)、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されており、両文献の内容は、本明細書中に参考として援用されている。
【0103】
式Iの化合物の多形形態および式Iの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形形態は、本発明に含められることが意図される。
【0104】
「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1種以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種以上の溶媒分子を結晶性固体の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール和物(ethanolate)、メタノール和物(methanolate)などが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0105】
「有効量」または「治療有効量」とは、CDKを阻害し、したがって所望の治療効果、改善効果、阻害効果または予防効果を生じるのに有効な本発明の化合物または組成物の量を説明することを意図する。
【0106】
式Iの化合物は、本発明の範囲内でもある塩を形成し得る。本明細書中での式Iの化合物の言及は、他で特に示されない限り、その塩の言及を含むことが理解される。「塩」との用語は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩だけでなく、無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩基を意味する。それに加えて、式Iの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール(これらに限定されないが))および酸性部分(例えば、カルボン酸(これに限定されないが))の両方を含有するとき、両性イオン(「内部塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用する「塩」との用語に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に受容可能な)塩が好ましいものの、他の塩もまた、有用である。式Iの化合物の塩は、例えば、式Iの化合物を、この塩が沈殿する媒体または水性媒体中にて、一定量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させることに続いて、凍結乾燥することにより、形成され得る。
【0107】
代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(これはまた、トシレートとしても知られている)などが挙げられる。さらに、塩基性薬学的化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適切と一般に考えられている酸は、例えば、P.Stahlら、Camille G.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1) 1〜19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.のウェブサイト)で論述されている。これらの開示は、本明細書中で参考として援用されている。
【0108】
代表的な塩基性塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を備えた塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)、およびアミノ酸を備えた塩(例えば、アルギニン、リシンなど))が挙げられる。塩基性窒素含有基は、以下のような試薬で四級化され得る:低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化メチル、臭化メチルおよびヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチルおよびヨウ化エチルならびに塩化ブチル、臭化ブチルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチルおよび)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、臭化デシルおよびヨウ化デシル、塩化ラウリル、臭化ラウリルおよびヨウ化ラウリルならびに塩化ステアリル、臭化ステアリルおよびヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)など。
【0109】
このような酸塩および塩基塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であることが意図され、全ての酸塩および塩基塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形状と等価であると考えられる。
【0110】
式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、およびプロドラッグは、それらの互変異性形状(例えば、アミドまたはイミノエーテル)の形状で存在し得る。このような互変異性形状の全ては、本明細書中では、本発明の一部であると考慮される。
【0111】
本発明の化合物(これらの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにそのプロドラッグの塩および溶媒和物を含めて)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体などを含む)(例えば、種々の置換基上の非対称炭素が原因で存在し得るもの)は、鏡像異性体(これは、非対称炭素なしでさえも存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形状を含めて、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル)として、本発明の範囲内であると考慮される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含み得ないか、例えば、ラセミ体として混合され得るか、他の全ての立体異性体または他の選択した立体異性体であり得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるS立体配置またはR立体配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグにも、同様に適用すると解釈される。
【0112】
本発明に従う化合物は、薬理学的特性を有する;特に、式Iの化合物は、肥満の治療に有用な非常に選択性で高アフィニティのDレセプターアンタゴニストであり得る。
【0113】
本発明の別の局面は、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を、治療的に処置される疾患または状態を有する患者(例えば、ヒト)に投与することにより、上記患者を処置する方法である。
【0114】
有用な投薬量は、約0.001〜100mg/体重1kg/1日の式Iの化合物である。好ましい投薬量は、約0.01〜25mg/体重1kg/1日の式Iの化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である。
【0115】
本発明の別の局面は、肥満を処置する方法に関し、この方法は、このような処置を必要とする患者に、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0116】
本発明の別の局面は、摂食障害および代謝障害(例えば、過食症または拒食症)を処置する方法に関し、上記方法は、患者に、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0117】
本発明の別の局面は、高脂血症を処置するための方法に関し、この方法は、患者に、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0118】
本発明の別の局面は、セリュライトおよび脂肪蓄積を処置するための方法に関し、この方法は、患者に、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0119】
本発明の別の局面は、II型糖尿病を処置するための方法に関し、この方法は、患者に、式Iの少なくとも1種の化合物または上記化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0120】
上記Dレセプターに対する本発明の化合物の「直接的」効果に加えて、体重減少から利益を得ることができる疾患および状態(例えば、インスリン抵抗性、グルコース寛容減損、II型糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓血管疾患、胆石、特定の癌および睡眠時無呼吸)が存在する。
【0121】
式Iの化合物は、有効量の式Iの化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物を投与することによる、強迫性障害、身体表現性障害、解離性障害、摂食障害、衝動調節障害または自閉症に罹患している患者の治療において有用であると予測される。
【0122】
より詳細には、式Iの化合物は、種々の摂食障害の処置において有用であり得、これらの摂食障害としては、神経性食欲不振、過食症および大食症(binge eating)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
式Iの化合物は、種々の衝動調節障害の処置において有用であり得、これらの衝動調節障害としては、病的ギャンブル癖、抜毛癖、強迫性購買および性的強迫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
本発明の化合物(すなわち、式Iの化合物)はまた、以下に記載されるような他の化合物と組み合わせて使用され得る。従って、本発明の別の局面は、肥満を処置するための方法であり、この方法は、患者(例えば、ヒト女性またはヒト男性)に以下:
a.ある量の第1の化合物であって、この第1の化合物は、本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩である、化合物;および
b.ある量の第2の化合物であって、この第2の化合物は、抗肥満剤および/または食欲抑制剤(例えば、βアゴニスト、甲状腺ホルモン様剤(thyromimetic agent)、食欲抑制剤またはNPYアンタゴニスト)
を投与する工程を包含し、ここで、上記第1の化合物および上記第2の化合物の量は、治療効果をもたらす。
【0125】
本発明はまた、薬学的な組み合わせ組成物に関し、この組成物は、以下を含有する:治療有効量の組成物であってこの組成物は、以下を含有する:
a.第1の化合物であって、この第1の化合物は、本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩;および
b.第2の化合物であって、この第2の化合物は、抗肥満剤および/または食欲抑制剤(例えば、βアゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、食欲抑制剤またはNPYアンタゴニスト);ならびに/あるいは必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤。
【0126】
本発明の別の局面は、キットであり、このキットは、以下を備える:
a.第1の単位投薬形態にある、ある量の本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩ならびに薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;
b.第2の単位投薬形態にある、ある量の抗肥満剤および/または食欲抑制剤(例えば、βアゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、食欲抑制剤またはNPYアンタゴニスト)ならびに薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;および
c.上記第1の投薬形態および第2の投薬形態を含有するための手段であって、ここで、上記第1の化合物および第2の化合物の量は、治療効果をもたらす、手段。
【0127】
上記組み合わせ方法、組み合わせ組成物および組み合わせキットにおける好ましい抗肥満剤および/または食欲抑制剤(単独または任意のその組み合わせを考慮する)としては、以下が挙げられる:フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、フェンテルミン、コレシストキニンA(本明細書中の以下で、CCK−Aと呼ばれる)アゴニスト、モノアミン再取り込みインヒビター(例えば、シブトラミン)、交感神経作用性薬剤、セロトニン作用性薬剤(例えば、デキシフェンフルラミンまたはフェンフルラミン)、ドパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラノサイト刺激ホルモンレセプターアゴニストもしくは模倣物(mimetic)、メラノサイト刺激ホルモンアナログ、カンナビノイドレセプターアンタゴニスト、メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、OBタンパク質(本明細書中の以下で、「レプチン」と呼ぶ)、レプチンアナログ、レプチンレセプターアゴニスト、ガラニンアンタゴニストまたはGIリパーゼインヒビターもしくは減少物質(例えば、オーリスタット)。他の食欲抑制剤としては、ボンベシンアゴニスト、デヒドロエピアンドロステロンもしくはそのアナログ、糖質コルチコイドレセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、オレキシンレセプターアンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタアゴニスト、グルカゴン様ペプチド1レセプターのアゴニスト(例えば、Exendin)ならびに毛様体神経栄養因子(例えば、Axokine)が挙げられる。
【0128】
本発明の別の局面は、糖尿病を処置する方法であり、この方法は、患者(例えば、ヒト女性またはヒト男性)に以下:
a.ある量の第1の化合物であって、この第1の化合物は、本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩である、化合物;および
b.ある量の第2の化合物であって、この第2の化合物は、アルドースレダクターゼインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、ソルビトールデヒドロゲナーゼインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼ1Bインヒビター、ジペプチジルプロテアーゼインヒビター、インスリン(経口用生物学的利用可能インスリン調製物を含む)、インスリン模倣物、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン(rosaglitazone)、ピログリタゾン(pioglitazone)またはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド(glipazide)、グリブリドまたはクロルプロパミドである、化合物
を投与する工程を包含し、ここで、上記第1の化合物および上記第2の化合物の量は、治療効果をもたらす。
【0129】
本発明はまた、薬学的な組み合わせ組成物に関し、この組成物は、以下を含有する:治療有効量の第1の化合物を含有する組成物であって、上記第1の化合物は、本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩である、組成物;第2の化合物であって、この第2の化合物は、アルドースレダクターゼインヒビター、グリコゲンホスホリラーゼインヒビター、ソルビトールデヒドロゲナーゼインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼ1Bインヒビター、ジペプチジルプロテアーゼインヒビター、インスリン(経口用生物学的利用可能インスリン調製物を含む)、インスリン模倣物、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドまたはクロルプロパミドである、化合物;ならびに必要に応じて、薬学的なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤。
【0130】
本発明の別の局面は、キットであり、このキットは、以下を備える:
a.第1の単位投薬形態にある、ある量の本発明の化合物、その溶媒和物または上記化合物もしくは上記溶媒和物の薬学的に受容可能な塩、ならびに薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;
b.第2の単位投薬形態にある、ある量のアルドースレダクターゼインヒビター、グリコゲンホスホリラーゼインヒビター、ソルビトールデヒドロゲナーゼインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼ1Bインヒビター、ジペプチジルプロテアーゼインヒビター、インスリン(経口用生物学的利用可能インスリン調製物を含む)、インスリン模倣物、メトホルミン、アカルボース、PPAR−γリガンド(例えば、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾンまたはGW−1929)、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドまたはクロルプロパミド、ならびに薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤;ならびに
c.上記第1の投薬形態および第2の投薬形態を含有する手段であり、ここで、上記第1の化合物および第2の化合物の量は、治療効果をもたらす、手段。
【0131】
1つ以上の活性剤による組み合わせ処置に対して、上記活性剤は、別個の投薬処方物中にあり、上記活性剤は、独立して投与されても合わせて投与されてもよい。さらに、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与の前、同時または後で投与され得る。
【0132】
本発明で記述した化合物から薬学的組成物を調製するためには、不活性で薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固形の調製物としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシュ剤および座剤が挙げられる。これらの粉末および錠剤は、約5%〜約70%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該技術分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、ラクトースがある。錠剤、粉末、カシュ剤およびカプセル剤は、経口投与に適切な固体投薬形態として使用され得る。
【0133】
座剤を調製するためには、低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)が、まず、融解され、その活性成分は、攪拌により、その中で均一に分散される。融解した均一混合物は、次いで、好都合な大きさにした鋳型に鋳込まれ、冷却され、それにより、固化する。
【0134】
液体形態の調製物には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。一例としては、非経口注入用に、水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得る。
【0135】
液体形態の調製物には、また、鼻腔内投与用の溶液が挙げられ得る。
【0136】
吸入に適切なエアロゾル調製物には、溶液および粉末形状固体が挙げられ得、これは、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性圧縮気体)と組み合わせられ得る。
【0137】
また、使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれか用の液体形態の調製物に転化されることが意図された固体形態の調製物も含まれる。このような液体形状には、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0138】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。これらの経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、この目的のために当該分野で通常のマトリックス型またはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
【0139】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0140】
好ましくは、この薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態では、この調製物は、適切な量(例えば、所望の目的を達成する有効量)の各活性成分を含有する単位用量に細分される。
【0141】
本発明の式Iの化合物またはそれらの薬学的組成物を利用する投薬レジメンは、種々の要因に従って選択され、これには、患者のタイプ、種属、年齢、体重、性別および臨床的状態;処置される状態の重症度;投与経路;患者の腎臓および肝臓の機能;および使用される特定の化合物が挙げられる。通常の医師または獣医師は、その状態の進行を防止、対抗、阻止または逆行するのに必要な薬物の有効量を容易に決定し、そして処方し得る。毒性なしで有効性を生じる範囲内で薬物濃度を達成する最適な精度には、標的部位に対する薬物の利用能の動力学に基づいたレジメンが必要である。これには、薬物の分布、平衡および排泄の考慮を含む。好ましくは、本発明の方法で有用な構造式Iの化合物の用量は、0.01〜1000mg/ヒト成人/日の範囲である。最も好ましくは、投薬量は、0.1〜500mg/日の範囲である。経口投与には、これらの組成物は、処置される患者への投薬量を症候に基づいて調節するために、好ましくは、0.01〜1000ミリグラムの活性成分、特に、0.01ミリグラム、0.05ミリグラム、0.1ミリグラム、0.5ミリグラム、1.0ミリグラム、2.5ミリグラム、5.0ミリグラム、10.0ミリグラム、15.0ミリグラム、25.0ミリグラム、50.0ミリグラム、100ミリグラムおよび500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で、提供される。この薬物の有効量は、通常、約0.01mg/体重1kg/〜約500mg/体重1kgの投薬レベルで、供給される。この範囲は、さらに特定すると、約0.01mg/体重1kg/日〜150mg/体重1kg/日または最も特定すると、約0.01mg/体重1kg/日〜10mg/体重1kg/日である。
【0142】
有利なことに、本発明の活性剤は、単一1日用量で投与され得るか、または全1日投薬量は、1日2回、3回または4回に分割した用量で、投与され得る。
【0143】
単一投薬量を製造するためにキャリア物質と混ぜ合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与様式に依存して、変わる。
【0144】
しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルは、種々の要因に依存しており、これには、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食生活、投与時間、投与経路、排泄の速度、薬物の組合せおよび治療する特定の疾患の重症度が挙げられること理解される。
【0145】
以下の溶媒および試薬は、それらの括弧内の略語で呼ばれ得る:
トリエチルアミン:TEA
m−メチルフェニルボロン酸:ArB(OH)
テトラヒドロフラン:THF
メトキシルアミン塩酸塩:MeONH HCI
ヨードメタン:MeI
トリフェニルホスフィン:PPh
N,N−ジメチルホルムアミド:DMF
ジメチルスルホキシド:DMSO
チオカルボニルジイミダゾール;TCDI
テトラヒドロフラン:THF
p−トルエンスルホン酸:p−TsOHまたはp−TSA
質量分析:MS
核磁気共鳴分光法;NMR
室温(周囲温度)約25℃(rt)。
【0146】
これらのアミジンの合成経路は、スキーム1に示される。方法Aにおいて、4−フルオロ−2−クロロベンズアルデヒド(または他のフルオロ−置換ベンズアルデヒド)は、求核性アミン(例えば、N−Boc−ピペラジン)と反応されて、フッ素が置き換えられている求核性芳香族置換生成物を与え得る。方法Bにおいて、上記アルデヒドは、次いで、安定化ウィッティヒ試薬、塩化シアノメチルトリフェニルホスホニウムおよび塩基と反応されて、EおよびZのオレフィン生成物の混合物を得る。方法Cにおいて、アミジンは、適切に置換されたアニリンのトリメチルアルミネートと先行する反応からのニトリルとの反応によって形成される。方法DにおけるBoc基の脱保護は、対応する遊離ピペラジンを与える。このピペラジンの置換は、還元アミノ化(方法E)、アシル化(方法F)またはスルホニル化(方法G)により達成され得る。あるいは、より高度に置換されたピペラジンは、方法Aで使用され得る。
【0147】
【化42】

構造IIのアミジンについて、スキーム1に示されるものに対して類似の化学が示され得る(sue)。パラジウム媒介性アミン化(スキーム2、方法H)は、求核性芳香族置換(方法A)の代替として使用され得る。
【0148】
【化43】

タイプIIIのアミジンの合成経路は、スキーム3に例示される。方法Iにおいて、4−ブロモベンズアルデヒドは、そのジメチルアセタールとして保護され得、対応するグリニャール試薬が調製される。そのグリニャール試薬とアルデヒドとの縮合により、ベンジル型アルコールが生成する。2段階のフリーラジカル脱酸素化は、方法Jで達成される。脱保護、ならびにホモログ化(homologation)(方法B)およびアミジン形成(方法C)によるスキームの継続は、合成を達成する。あるいは、アルコール中間体は、スキーム4(方法K)に示されるように、R−グリニャール試薬およびモノ保護化テレフタルアルデヒドから調製され得る。
【0149】
【化44】

【実施例】
【0150】
(代表的な実験手順)
(方法A:2−クロロ−4−(N−t−Boc−ピペラジニル)ベンズアルデヒド)
75mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の5.00g(31.5mmol)の2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドに、11.7g(31.5mmol)のN−Bocピペラジンを添加した。その反応を、窒素下3時間で140℃に加熱し、次いで、一晩室温で撹拌した。溶媒を真空中で除去し、そして混合物を水と酢酸エチルとの間に分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、橙色の固体(14.64g)を得た。その粗製物質をヘキサン中の10〜20%の酢酸エチルを用いて溶出してSiOでクロマトグラフィーにかけ、8.94g(87%)の所望のアルデヒドを黄色の固体として得た。
【0151】
【化45】

(方法B:2−[2−クロロ−4−(N−Boc−ピペラジン−1−イル)フェニル]アクリロニトリル)
−78℃に冷却した160mLの乾燥テトラヒドロフラン中の12.09g(35.75mmol)のシアノメチルトリフェニルホスホニウムクロライドに、36.0MLの1Nヘキサメチルジシラジドを添加した。反応を1時間撹拌し、その後、150MLの乾燥テトラヒドロフラン中の8.94g(27.5mmol)の2−クロロ−4−(N−t−Boc−ピペラジニル)ベンズアルデヒドを滴下した。0℃にまで温めた反応を、次いで、水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮して、橙色の固体(23.4g)を得た。その粗製物質をヘキサン中の10〜15%の酢酸エチルを用いて溶出してSiOでクロマトグラフィーにかけ、4.13g(43%)の所望のアルデヒドを淡黄色の固体として得た。
【0152】
【化46】

(方法C:(E)−N−(4−クロロフェニル)−3−[2−クロロ−4−(N’−Boc−ピペラジン−1−イル]−2−プロペンイミドアミド)
窒素下の75Mlの乾燥トルエン中の12.85mL(26mmol)のトリメチルアルミニウムに、3.28g(26mmol)の50mLの乾燥トルエン中の4−クロロアニリンを添加した。その混合物を45分間撹拌し、その後、50mLの乾燥トルエン中の4.13g(11.8mmol)の2−[2−クロロ−4−(N−Boc−ピペラジン−1−イル)フェニル]アクリロニトリルを添加した。その反応を一晩80℃に加熱した。その反応を室温に冷却し、そしてNaSO・(HO)10でクエンチした。ガスの放出が止むと、その反応を濾過し、真空中で濃縮して、7.26gの橙色の油状物を得た。この粗製物質を、ジクロロメタン中の5%のメタノールを用いて溶出してSiOで洗浄クロマトグラフィーに2回かけ、3.47(62%)の所望のアミジンを黄色の泡状固体して得た。融点=138〜140℃。
【0153】
(方法D:(E)−N−(4−クロロフェニル)−3[2−クロロ−4(ピペラジン−1−イル)フェニル]−2−プロペンイミドアミド)
20mLのジクロロメタン中の1.00g(2.1mmol)の(E)−N−(4−クロロフェニル)−3−[2−クロロ−4−(N’−Boc−ピペラジン−1−イル)フェニル]2−プロペンイミドアミドに、ジクロロメタン中30%のトリフルオロ酢酸5mLを添加した。その混合物を約1時間撹拌した。その反応を、水とジクロロメタンとの間に分配した。ジクロロメタン層を、1N NaOHを用いて塩基性にした。水層を、ジクロロメタンで抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、0.76g(79%)の所望の生成物を黄色の泡状固体として得た。EI MS m/z=375(M+1)+、融点=175℃(d)。
【0154】
(方法E、F、G)
遠位のピペラジン窒素は、標準的な還元アルキル化、アシル化またはスルホニル化化学によって官能化され得る。
【0155】
【化47】

(方法L)
密封したチューブにおける3mLのDME/水/エタノール(4/2/1)中の0.075g(0.22mmol)の3−(4−ブロモ−フェニル)−N−(4−クロロ−フェニル)−アクリルアミジン、0.042g(0.26mmol)の5−インドールボロン酸、および0.013g(0.011mmol)のPd(PPhの混合物を、マイクロ波(45W、5分間)のもとで加熱した。その反応を10mLの飽和NaHCOで希釈し、そして10mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を10mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣を、ヘキサン中の60%酢酸エチル+1%のNHOHを用いて溶出する分取TLCで精製し、0.036gのN−(4−クロロ−フェニル)−3−[4−(1H−インドール−5−イル)−フェニル]−アクリルアミジンを得た。
【0156】
(方法M)
3mLのDMF中の0.10g(0.27mmol)のN−(4−クロロ−フェニル)−3−[4−(1H−インドール−5−イル)−フェニル]−アクリルアミジンの溶液に、0.011g(0.28mmol)の60%NaHを0℃で添加した。1時間後、0.018mL(0.28mmol)のインドメタンを導入し、その反応を一晩室温に温め、10mLの飽和NaHCOでクエンチした。それを、10mLのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出物を10mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣を、ヘキサン中の40%酢酸エチルで溶出してクロマトグラフィーにかけ、0.028gのN−(4−クロロ−フェニル)−3−[4−(1−メチル−1H−インドール−5−イル)−フェニル]−アクリルアミジンを得た。
【0157】
【化48】

(方法N)
5mLのジクロロメタン中の0.104g(0.33mmol)のN−(4−クロロ−フェニル)−6−メトキシ−ナフタレン−2−カルボキサミジンの懸濁液に、0℃でジクロロメタン中のBBr1.5mL(1M、1.5mmol)を添加した。それを、一晩室温に温め、125mLの飽和NaHCO中に注ぎ、50mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を125mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣を、ヘキサン中の50%酢酸エチル+1%のNHOHを用いて溶出する分取TLCで精製し、0.014gのN−(4−クロロ−フェニル)−6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボキサミジンを得た。
【0158】
【化49】

(方法O)
3.5mLのDMF中の0.10g(0.33mmol)のN−(4−クロロ−フェニル)−8−ヒドロキシ−キノリン−2−カルボキサミジン、0.137g(1mmol)のKCOおよび0.021g(0.33mmol)のヨードメタンの混合物を、マイクロ波(100W、5分間)のもとで加熱した。それを20mLのNaHCOで希釈し、10mLのエーテルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を10mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣を、ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いて溶出する分取TLCで精製し、0.047gのN−(4−クロロ−フェニル)−8−メトキシ−キノリン−2−カルボキサミジンを得た。
【0159】
【化50】

3mLのメタノール中の0.04g(0.11mmol)の3−(4’−アセチル−ビフェニル−4−イル)−N−(4−クロロ−フェニル)−アクリルアミジン、0.028g(0.33mmol)のメトキシルアミン塩酸塩および0.027g(0.33mmol)の酢酸ナトリウムの混合物を、マイクロ波(100W、5分間)のもとで加熱した。それを20mLのNaHCOで希釈し、10mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を10mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣を、ヘキサン中の70%酢酸エチル+1% NHOHを用いて溶出する分取TLCで精製し、0.004gのN−(4−クロロ−フェニル)−3−[4’−(l−メトキシイミノ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−アクリルアミジンを得た。
【0160】
【化51】

(方法Q)
5mLのDMF中の予め膨潤したp−ニトロフェニルカーボネート樹脂(550mg、0.64mmol/g、1当量)に、3−(4−メトキシ−フェニル)−アクリルアミジン(2.4当量)および0.2mLのジイソプロピルエチルアミンを添加した。その混合物を一晩振とうし、その後、樹脂をジクロロメタン、メタノールおよびTHFで洗浄し、真空中で乾燥させて、樹脂−1を得た。
【0161】
(方法R)
2mLの無水ジクロロメタン中の予め膨潤した樹脂−1(200mg、1当量)に、m−メチルフェニルボロン酸(5当量)、無水酢酸銅(2.5当量)およびトリエチルアミン(0.5ml)を添加した。反応混合物を一晩振とうし、その後、樹脂をジクロロメタン、メタノールおよびTHFで洗浄した。次いで、その樹脂をジクロロメタン中の40%TFAで30分間処理し、その後、濾過して、ジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機溶液をエバポレートし、残渣をシリカゲルTLCプレートによって精製して、所望のN−アリールアミジン17を得た。C1718Oについての計算MW=266.3、観測m/z=267.1。
【0162】
(生成物の合成方法および分析の表)
【0163】
【化52】

【0164】
【化53】

【0165】
【化54】

【0166】
【化55】

【0167】
【化56】

【0168】
【化57】

【0169】
【化58】

【0170】
【化59】

【0171】
【化60】

【0172】
【化61】

【0173】
【化62】

【0174】
【化63】

【0175】
【化64】

【0176】
【化65】

【0177】
【化66】

【0178】
【化67】

本発明の化合物は、Dレセプターアンタゴナイズ活性を示し、この活性は、OCDのようなCNS障害、抜毛癖、肥満のような代謝障害、過食症のような摂食障害、および糖尿病を処置するための薬学的活性と相関している。この有用性は、以下のアッセイにおける活性により明らかである。
【0179】
(アッセイ)
生物学的活性:本開示の化合物は、既知のD様選択的リガンド(ヒトドーパミンDレセプター由来の[3H]SCH 23390)、および既知のD2様選択的リガンド(ヒトドーパミンD2およびD4レセプター由来の[3H]メチルスピペロン)を置き換える能力により生物学的に特徴付けられている。他のレセプターに対する選択性は、D Kiと、D2 Ki、D4 Ki、およびD5 Kiとの比較により実証されている。
【0180】
ヒトドーパミンレセプターにおける化合物の親和性値(Ki)を、放射リガンド結合競合アッセイを使用して確認した。Dレセプターを発現する細胞(Ltk−細胞)、Dレセプターを発現する細胞(長い改変物、Ltk−細胞)、D4レセプターを発現する細胞(CHO細胞)およびD5レセプターを発現する細胞(GH4C1細胞)を、膜調製のために低張性緩衝液でリンスした。膜を、種々の濃度の試験化合物および1nM [3H] SCH 23390とともにインキュベートし(D1およびD5)、(DおよびD)アッセイのために種々の濃度の試験化合物および0.2nM [3H]メチルスピペロンとともにインキュベートした。非特異的結合を、DおよびDアッセイに関しては10μモル濃度のSCH 23390の存在下での結合として、DおよびDアッセイに関しては10μモル濃度のブタクラモールの存在下での結合として定義した。平衡までインキュベーションした後(室温で1時間)、結合放射リガンドを迅速な濾過により遊離のものから分離した。乾燥フィルター上の結合放射活性を液体シンチレーション計数により定量した。
【0181】
本発明の化合物に対する結合アッセイの結果は、0.9〜10000nMのKi(D)値および45〜>50000nMのKi(D)値を示した。
【0182】
選択性を、D2、D4またはD5レセプターに対するKiをD1レセプターに対するKiで割ることにより決定する。
【0183】
10000nM未満であるが50nMより大きいKi(D)値を有する化合物を、以下の表でDクラス化合物として指定する。
【0184】
50nM未満であるが10nMより大きいKi(D)値を有する化合物を、以下の表でCクラス化合物として指定する。
【0185】
10nM未満のKi(D)値および100より大きい選択性値を有する化合物を、以下の表でBクラス化合物として指定する。
【0186】
本発明の好ましい化合物は、5nM未満のKi(D)値および500より大きい選択性値を有し、以下の表で文字Aによって指定されている。
【0187】
本願化合物の好ましい実施形態は、0.9のKi(D)値および1258.5のD:D比の値を有する実施例42である。
【0188】
本発明は、上に示される特定の実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの変更、改変および他のバリエーションは、当業者に明らかである。そのような変更、改変およびバリエーションの全ては、本発明の精神および範囲内であることが意図される。
【0189】
【化68】

【0190】
【化69】

【0191】
【化70】

【0192】
【化71】

【0193】
【化72】

【0194】
【化73】

【0195】
【化74】

【0196】
【化75】

【0197】
【化76】

【0198】
【化77】

【0199】
【化78】

【0200】
【化79】

【0201】
【化80】

【0202】
【化81】

【0203】
【化82】

【0204】
【化83】

【0205】
【化84】

【0206】
【化85】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I
【化1】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
Aは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換されているアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
mは、0または1であり;
pは、1〜4であり;
は、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【化2】

を形成し得;
は、水素、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−OCF、−CF、−NO、−CN、アシル、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、
【化3】

から独立して選択される1〜5個の部分であり、ここで、nは、1〜3であるか、あるいは、2つの隣接するR部分は、結合して、
【化4】

を形成し得、
ここで、Rについての該ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アリールまたはヘテロアリールの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルキレニル、アラルキル、−C(O)H、−C(O)OH、−C(R)=NOR11、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
は、水素、アルキル、−C(O)R11、−SO11、−C(O)アルコキシ、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、ここで、Rについての該アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、Rについての該アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、Rについての該アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−CF、−OCF、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され、ここで、Rについての該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルの各々は非置換であるか、あるいは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−OCF、−CN、−OR、−NR10、−CHOR、−C(O)R、−C(O)NR10、−C(O)R、−SR10、−S(O)R10、−S(O)NR10、−N(R)S(O)R10、−N(R)C(O)R10および−N(R)C(O)NR10からなる群より選択され;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、−NR
【化5】

であり、
は、水素、アルキル、−C(O)R11、−SO11、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、ここで、Rについての該アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;
10は、水素、アルキルまたはアリールであり、ここで、R10についての該アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択され;そして
11は、アルキルまたはアリールであり、ここで、R11についての該アルキルまたはアリールの各々は、非置換であるか、あるいは同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で置換され得、各部分は、独立して、−CN、−NO、ハロゲン、ビニル、アルコキシ、−OCF、アルコキシアルキル、−C(O)OH、−C(O)O−アルキル、−CFおよびアルキルからなる群より選択される、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
Aが、フェニル、キノリニル、ナフチル、ピリジル、インドリルまたはチオフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
mが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
mが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【化6】

を形成し得る、化合物。
【請求項6】
が、独立して、ハロゲン、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【化7】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が水素またはアルキルであり;そして
が水素またはアルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
がメチルまたは水素であり;そして
がメチルまたは水素である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Aが、フェニル、キノリニル、ナフチル、ピリジル、インドリルまたはチオフェニルであり;そして
mが0または1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】

【化8】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、
ここで、
は、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【化9】

を形成し得;そして
、R10およびR11は、上で定義したとおりである、化合物。
【請求項11】

【化10】

を有する、請求項1に記載の化合物であって、
ここで、
は、水素、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−SR11、−CF、−OCF、−CN、−NOおよびアルキルから独立して選択される1〜5個の部分であるか、あるいは2つの隣接するR部分は、結合して、
【化11】

を形成し得;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−NR、−OCF、−CF、−NO、アルキル、R−置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【化12】

から独立して選択される1〜5個の部分であり、
ここで、Rについての該アルキル、アリールまたはヘテロアリールの各々は、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、ハロゲン、アルキル、アリール、シクロアルキル、−CF、−CN、−OCF、−OR11、−(CROR11、−NR、−(CRNR、−C(O)R11、−C(O)R11、−C(O)NR、−SR11、−S(O)R11、−S(O)NR、−N(R)S(O)R、−N(R)C(O)Rおよび−N(R)C(O)NRからなる群より選択され;
pは、1〜4であり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアリールであり;
は、上で定義したとおりであり;そして
11は、アルキルまたはアリールである、
化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
mが1であり;
Aがアリールまたはヘテロアリールであり;
がハロゲンであり;
が、ハロゲン、−NR、アリール、R−置換アルキル、ヘテロアリール、
【化13】

から独立して選択される1個または2個の部分であり、
ここで、Rについての該アリールまたはヘテロアリールは、同じかまたは異なり得る1〜4個の部分で必要に応じて置換され得、各部分は、独立して、−CNおよび−C(O)Hから選択され;
は、水素またはアルキルであり;
は、水素またはアルキルであり;そして
は、水素またはアルキルである、
化合物。
【請求項13】
請求項12に記載の化合物であって、ここで、
Aがフェニルであり;
がクロロであり;
が、インドリル、フェニル、R−置換メチル、クロロ、N(エチル)
【化14】

からなる群より選択される1個または2個の部分であり、
が水素またはメチルであり;そして
が水素またはメチルである、
化合物。
【請求項14】
前記Rが、親部分に対してパラ位にある、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
以下:
【化15】

【化16】

【化17】

からなる群より選択される、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項16】
以下:
【化18】

【化19】

からなる群より選択される、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
【請求項17】
代謝障害、摂食障害または糖尿病を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
代謝障害、摂食障害または糖尿病を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1つの請求項15に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
前記摂食障害が、過食症である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記代謝障害が、肥満である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記摂食障害が、過食症である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記代謝障害が、肥満である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
肥満に関連する障害を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
前記肥満に関連する障害が、II型糖尿病、インスリン耐性、高脂血症または高血圧症の少なくとも1種である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
肥満に関連する障害を処置する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1つの請求項15に記載の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記肥満に関連する障害が、II型糖尿病、インスリン耐性、高脂血症または高血圧症の少なくとも1種である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
強迫性障害、身体表現性障害、解離性障害、摂食障害、衝動調節障害、抜毛癖および自閉症からなる群より選択される障害を罹患したヒトを処置するための方法であって、該方法は、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項28】
前記摂食障害が、拒食症、過食症および多食症からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記障害が、衝動調節障害であり、該衝動調節障害が、病的ギャンブル癖、強迫性購買および性的強迫からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
強迫性障害、身体表現性障害、解離性障害、摂食障害、衝動調節障害、抜毛癖および自閉症からなる群より選択される障害を罹患したヒトを処置するための方法であって、該方法は、有効量の請求項15に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
前記摂食障害が、拒食症、過食症および多食症からなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記障害が、衝動調節障害であり、該衝動調節障害が、病的ギャンブル癖、強迫性購買および性的強迫からなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
摂食障害を処置する方法であって、該方法は、このような治療を必要とする患者に、
ある量の第1の化合物であって、該第1の化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、第1の化合物;および
第2の化合物であって、該第2の化合物は、βアゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、食欲抑制薬およびNPYアンタゴニストからなる群より選択される肥満抑制薬および/または食欲抑制薬である、第2の化合物、
を投与する工程を包含し、
ここで、該第1の化合物および第2の化合物の量は、治療効果を生じる、
方法。
【請求項34】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、治療有効量の:
第1の化合物であって、該第1の化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、第1の化合物;
第2の化合物であって、該第2の化合物は、βアゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、食欲抑制薬およびNPYアンタゴニストからなる群より選択される肥満抑制薬および/または食欲抑制薬である、第2の化合物、ならびに
薬学的に受容可能なキャリア
を含む、薬学的組成物。
【請求項35】
薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、治療有効量の:
第1の化合物であって、該第1の化合物は、請求項1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物である、第1の化合物;
第2の化合物であって、該第2の化合物は、アルドースレダクターゼインヒビター、グリコーゲンホスホリラーゼインヒビター、ソルビトールデヒドロゲナーゼインヒビター、タンパク質チロシンホスファターゼ1Bインヒビター、ジペプチジルプロテアーゼインヒビター、インスリン、インスリン模倣物、メトホルミン、アカルボース、トログリタゾン、ロサグリタゾン、ピオグリタゾン、GW−1929、スルホニル尿素、グリパジド、グリブリドおよびクロルプロパミドからなる群より選択される、第2の化合物、ならびに
薬学的に受容可能なキャリア
を含む、薬学的組成物。
【請求項36】
少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項37】
少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療有効量の少なくとも1つの請求項15に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項38】
少なくとも1つの請求項1に記載の化合物、および少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを合わせる工程を包含する、薬学的組成物を作製するプロセス。
【請求項39】
少なくとも1つの請求項15に記載の化合物、および少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを合わせる工程を包含する、薬学的組成物を作製するプロセス。
【請求項40】
ヒトD(h D)レセプターに対する前記化合物の結合親和性(Ki)が、ヒトD(h D)レセプターに対する該化合物の結合親和性(Ki)よりも大きく、[h D Ki]/[h D Ki]は、100よりも大きい、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2007−516290(P2007−516290A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547263(P2006−547263)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/042934
【国際公開番号】WO2005/063697
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】