説明

肥満の治療に使用される新規ペプチド

本発明は、一又は複数のメラノコルチン受容体タイプを調節するのに効果的である新規ペプチド化合物、治療におけるその化合物の使用、それを必要とする患者への化合物の投与を含む治療方法、及び医薬の製造における化合物の使用に関する。本発明の化合物は、肥満症並びに肥満に関連した様々な疾患又は症状の治療に関連して特に興味深い。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一又は複数のメラノコルチン受容体に特異的で長時間にわたる活性を奏する新規なペプチド、該ペプチドの治療での使用、該ペプチドの患者への投与を含む治療方法、及び医薬の製造における該ペプチドの使用に関する。
【0002】
肥満は、例えばアテローム性動脈硬化、高血圧及び2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、及び骨関節炎並びに様々な悪性腫瘍のような非常に一般的な多くの病気の進行に対するよく知られた危険因子である。肥満はまた運動性低下やクオリティ・オブ・ライフの減少を通してかなりの問題を引き起こす。肥満の発生とそれによるこれらの疾患もまた先進工業世界全体で増加しつつある。ほんの僅かな薬物治療のみが現在利用できる。すなわち、シブトラミン(Abbot;セロトニン作動性及びノルアドレナリン機序を介して作用)、オルリスタット(Roche Pharm;腸からの脂肪摂取を減少)及びアコンプリア(リモナバント;Sanofi-Aventis;CB1内在性カンナビノイド受容体拮抗薬;2006年6月にEUで承認)である。しかしながら、肥満の治療及び/又は食欲制御の手段を見付けることは、深刻で致命的でさえもありうる一般的な病気の危険因子としての重要な作用のため、肥満の治療に有用な医薬化合物が尚必要とされている。
【0003】
肥満という用語は、過剰の脂肪組織を意味する。この文脈において、肥満は、健康リスクをもたらすあらゆる度合いの過剰脂肪蓄積として最もよく表される。正常と肥満体の個体の間の区別は、おおよそのものに過ぎないが、肥満により生じる健康リスクは脂肪蓄積の増加と恐らく連続する。しかしながら、本発明の文脈において、25を越えるボディー・マス・インデックス(体格指数)(BMI=キログラム体重をメートル身長の二乗で除算したもの)が肥満体とみなされることになる。
【0004】
軽い肥満でさえ、早死に、糖尿病、高血圧、アテローム性動脈硬化、胆嚢疾患及びある種の癌のリスクを増加させる。工業化された西洋世界では、肥満の有病率は、過去数十年間で有意に増加した。肥満の高い有病率とその健康上の影響のために、その治療は、公衆衛生上の高い優先事項であるべきである。
エネルギー摂取がエネルギー消費を越える時、過剰カロリーが脂肪組織に貯蔵され、もしこの正の正味バランスが長期にわたれば肥満が生じる。すなわち、体重バランスには二つの要素があり、何れかの側(取り込みもしくは消費)での異常が肥満につながり得る。
【0005】
プロ-オピオメラノコルチン(POMC)は、メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)及びアドレノコルチコトロピン(ACTH)を含むβ-エンドルフィン及びメラノコルチンペプチドの前駆体である。POMCは、視床下部のニューロン、下垂体、メラノサイトを含む幾つかの末梢及び中枢組織で発現される。POMC前駆体は、異なった組織で異なったプロセシングを受け、発現部位に応じて異なったメラノコルチンペプチドの発現に至る。下垂体の前葉においては、主にACTHが産生されるが、中葉及び視床下部ニューロンでは、主要ペプチドはα-MSH、β-MSH、デスアセチル-α-MSH及びβ-エンドルフィンである。ACTH及びα-MSHを含むメラノコルチンペプチドの幾つかのものは、脳室内注射によってラットに投与した場合、食欲抑制活性を有することが実証されている[Vergoni等, European Journal of Pharmacology 179, 347-355(1990)]。食欲抑制効果はまた人工の環状α-MSHアナログのMT-11で得られている。
【0006】
5つのメラノコルチン受容体サブタイプのファミリーが同定されている(MC1、MC2、MC3、MC4及びMC5とも呼ばれるメラノコルチン受容体1-5)。MC1、MC2及びMC5は主として末梢組織で発現する一方、MC3及びMC4は主として中枢において発現する;しかしながらMC3は幾つかの末梢組織でも発現する。エネルギー恒常性に関与していることに加えて、MC3レセプターは幾つかの炎症疾患に関与していることがまた示されている。MC3アゴニストはそのような病気、例えば痛風性関節炎に対してポジティブな効果を有している場合がある。MC5は主に末梢に発現し、外分泌液及び炎症に関連していることが示唆されている。MC4は、MC4ノックアウトマウスが肥満を発症ことから、体重の調節及び摂食行動に関与していることが示されている[Huzar等, Cell 88, 131-141 (1997)]。更に、マウス脳内における内因的に生じたMC3及びMC4アンタゴニスト(アグーチ遺伝子関連ペプチドAGRP)の過剰発現又はアグーチタンパク質(MC1、MC3及びMC4アンタゴニスト)の異所中枢的発現の何れの研究でも、これら2つのアンタゴニストの過剰発現により肥満症の発症に至ることが実証されている[Kleibig等, PNAS 92, 4728-4732(1995)]。更に、AGRPのC末端断片を脳室内注射することで摂食が増え、食物摂取に対するα-MSHの阻害効果に拮抗するようになる。
【0007】
ヒトにおいて、おそらくMC4のフレームシフト変異による肥満症を持つファミリーの幾つかの症例が記載されている[例えば、Yeo等, Nature Genetics 20, 111-112(1998);Vaisse等, Nature Genetics 20, 113-114(1998)を参照]。MC4受容体をコードしている遺伝子の突然変異は最も豊富な単一遺伝子の肥満原因であると思われる[Farooqi等, New England Journal of Medicine 384, 1085-1095 (2003)]。
まとめると、MC4アゴニストは食欲抑制薬及び/又はエネルギー消費増大薬となり得、肥満症又は肥満関連疾患の治療、並びにMC4の活性化により改善されうる他の病気、疾患又は病状の治療に有用でありうる。
MC4アンタゴニストは、悪液質又は拒食症の治療、及び虚弱で高齢の患者における消耗(waisting)の治療に有用でありうる。更に、MC4アンタゴニストは、慢性疼痛、ニューロパシー及び神経性炎症の治療に使用しうる。
【0008】
数多くの特許出願がメラノコルチン受容体調節因子として様々なクラスの非ペプチド性低分子を開示している;その例は国際公開第03/009850号、同第03/007949号及び同第02/081443号である。
メラノコルチン受容体調節因子としてのペプチドの使用は、多くの特許文献、例えば国際公開第03/006620号、米国特許第5731408号及び国際公開第98/27113号に開示されている。Hadley[Pigment Cell Res., 4, 180-185, (1991)]は脂肪酸に結合した特定のメラニン親和性ペプチドの長期の効果を報告しており、長期化は、結合された脂肪酸によって引き起こされている可逆的作用から不可逆的作用への調節因子の変換によってなされる。
【0009】
(発明の概要)
本発明者等は一又は複数のメラノコルチン受容体、つまりMC1、MC2、MC3、MC4又はMC5に対して高い調節効果を有していることを意外にも見出した。従って、本発明は、とりわけ、
T-A-L-P [I]
[上式中、
Tはテトラゾール-5-イルを表し;
Aは直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルで、ハロゲン、ヒドロキシ及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいものを表し;
Lは、A及びPを共有的に結合させる結合又は化学構造であり;
Pは少なくとも6のα-アミノ酸残基を含むペプチド構造を表す]
に記載の化合物(より詳細には、メラノコルチン受容体アゴニスト又はアンタゴニストとして作用する化合物)に関する。
【0010】
本発明の他の側面は、式II:
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-Z-Z-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]-R [II]
[上式中、
はテトラゾール-5-イル又はカルボキシを表し;
は、ハロゲン、ヒドロキシ及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルを表し;
は存在しないかあるいは-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-又は一又は二のアミノ酸残基を有し少なくとも一のカルボキシ基を含むペプチド断片を表し;
は存在しないかあるいは4-アミノ酪酸残基、Gly、β-Ala、又は次の式IIIa-IIIg:
-HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)- [IIIa]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]- [IIIb]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]3-5- [IIIc]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIId]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-O-CH-C(=O)]1-3- [IIIe]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIIf]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]2-12-O-CH-C(=O)- [IIIg]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]4-12-O-CH-CH-C(=O)- [IIIh]
の一つに記載のグリコールエーテル系構造を表し;
は存在しないかあるいはGly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
は存在しないかあるいはGly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
はSer、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
はGly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Tyr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はGly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はAla、D-Ala、Val、D-Val、Leu、D-Leu、Ile、D-Ile、Met、D-Met、Nle又はD-Nleを表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
はHis、Cit、Dab、Dap、Cgl、Cha、Val、Ile、tBuGly、Leu、Tyr、Glu、Ala、Nle、Met、Met(O)、Met(O)、Gln、Gln(アルキル)、Gln(アリール)、Asn、Asn(アルキル)、Asn(アリール)、Ser、Thr、Cys、Pro、Hyp、Tic、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、(2-チエニル)アラニン、3-(チエニル)アラニン、(4-チアゾリル)Ala、(2-フリル)アラニン、(3-フリル)アラニン又はPheを表し、ここで当該Pheのフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、ベンゾイル、メチル、トリフルオロメチル、アミノ及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はD-Pheを表し、ここで、D-Phe中のフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
は、Trp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン又は(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を表し;
は、Glu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
ここで、X及びXは結合して、共に独立してCys又はホモCysであるX及びXから誘導されるジスルフィド架橋を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、式IIの化合物を環状にし;
はOR'又はN(R')を表し、ここで、各R'は独立して水素を表すか、又は一又は複数のアミノ又はヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表し;
但し、式IIの上記化合物は、15-カルボキシペンタデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH又は
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NHではない]
の化合物及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物に関する。
【0011】
本発明の更に他の側面は、
式IVa、IVb又はIVc:
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVa]
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVb]
-R-C(=O)-R-S-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVc]
[上式中、
はテトラゾール-5-イル又はカルボキシを表し;
は、ハロゲン、ヒドロキシル及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルを表し;
は存在しないかあるいは-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-又は一又は二のアミノ酸残基を有し少なくとも一のカルボキシ基を含むペプチド断片を表し;
は、式IIIa−IIIg;
-HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)- [IIIa]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]- [IIIb]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]3-5- [IIIc]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIId]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-O-CH-C(=O)]1-3- [IIIe]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIIf]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]2-12-O-CH-C(=O)- [IIIg]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]4-12-O-CH-CH-C(=O)- [IIIh]
の一つのグリコールエーテル系構造を表し;
は、Gly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Tyr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
は、Gly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はAla、D-Ala、Val、D-Val、Leu、D-Leu、Ile、D-Ile、Met、D-Met、Nle又はD-Nleを表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
はHis、Cit、Dab、Dap、Cgl、Cha、Val、Ile、tBuGly、Leu、Tyr、Glu、Ala、Nle、Met、Met(O)、Met(O)、Gln、Gln(アルキル)、Gln(アリール)、Asn、Asn(アルキル)、Asn(アリール)、Ser、Thr、Cys、Pro、Hyp、Tic、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、(2-チエニル)アラニン、3-(チエニル)アラニン、(4-チアゾリル)Ala、(2-フリル)アラニン、(3-フリル)アラニン又はPheを表し、ここで、上記Pheのフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、ベンゾイル、メチル、トリフルオロメチル、アミノ及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はD-Pheを表し、ここで、D-Phe中のフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はTrp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン又は(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
ここで、X及びXは結合して、共に独立してCys又はホモCysであるX及びXから誘導されるジスルフィド架橋を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、式IVa、IVb又はIVcの化合物を環状にし;
はOR'又はN(R')を表し、ここで、各R'は独立して水素を表すか又は一又は複数のアミノ又はヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表し;
但し、式IVa、IVb又はIVcの上記化合物は2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NHではない]
を有する化合物及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物に関する。
本発明は治療における本発明の化合物の使用、本発明の化合物を含有する薬学的組成物、及び医薬の製造における本発明の化合物の使用に更に関する。
【0012】
(定義)
例えばCx−yアルキル(例えばC6−20アルキル)におけるような、基の名前の前の種類「Cx−y」の接頭辞の使用は、x〜yの炭素原子を有する標記された種類の基を示す。
ここで使用される「アルキル」なる用語は、直鎖状、分枝状及び/又は環状の、飽和した一価の炭化水素基を意味する。
ここで使用される「アルケニル」なる用語は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖状、分枝状及び/又は環状の一価炭化水素基を意味する。
ここで使用される「アルキニル」なる用語は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖状、分枝状及び/又は環状の一価炭化水素基を意味し、それは場合によっては一又は複数の炭素-炭素二重結合をまた含みうる。
ここで使用される「アルコキシ」なる用語は、R'が上に示したアルキルである式-OR'の基を示すことを意図している。
【0013】
本発明の文脈において、「アリール」なる用語は炭素環式芳香族環基又は環の少なくとも一つが芳香族性である縮合芳香族環系を示すことを意図している。
「ハロゲン」なる用語は元素周期律表の第7族のメンバーを示すことを意図しており、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素(それぞれフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード置換基に対応)を含む。
「テトラゾール-5-イル」なる用語は1H-テトラゾール-5-イル又は2H-テトラゾール-5-イルを示すことを意図している。
本文脈において、例外を特に示さない限り、3文字アミノ酸コードに基づくペプチド命名法の一般的規則が適用される。簡単に述べると、アミノ酸の中心部分は3文字コード(例えばAla、Lys)によって表され、D-立体構造が3文字コードの前に「D-」を付して(例えばD-Ala、D-Lys)特に示されない限り、L-立体構造が仮定される。アミノ基での置換基は一水素原子を置換し、その名前が3文字コードの前に置かれる一方、C末端置換基はカルボン酸ヒドロキシ基を置換し、その名前は3文字コードの後に現れる。例えば、「アセチル-Gly-Gly-NH」は、CH-C(=O)-NH-CH-C(=O)-NH-CH-C(=O)-NHを表す。特段示さない限り、側鎖に更なるアミノ又はカルボキシ基を持つアミノ酸(例えばLys、Orn、Dap、Glu、Asp等々)は、N-2(α-窒素)原子とC-1(C=O)炭素原子とで形成されるアミド結合によってその隣接する基に連結される。
【0014】
二つのアミノ酸が架橋されると言われる場合、二つの各アミノ酸の側鎖中の官能基が反応して共有結合を形成したことを示すものである。
本文脈において、「アゴニスト」なる用語は、当該受容体タイプを活性化させる物質(リガンド)を示すものである。
本文脈において、「アンタゴニスト」なる用語は、アゴニストの効果を阻止し、中和し又は反対の作用をする物質(リガンド)を示すものである。
より詳細には、受容体リガンドは次の通りに分類することができる:
受容体を活性化させる受容体アゴニスト;部分的アゴニストはまた受容体を活性化させるが、完全アゴニストよりも低い効力のものである。部分的アゴニストは受容体部分的アンタゴニストとして挙動し、完全アゴニストの」効果を部分的に阻害する。
アゴニストの作用を阻止するが受容体構成的活性に影響を及ぼさない受容体ニュートラルアンタゴニスト。
アゴニストの作用を阻止し、同時に受容体構成的活性を弱める受容体インバースアゴニスト。完全インバースアゴニストは受容体構成的活性を完全に弱める;部分的インバースアゴニストは受容体構成的活性をより少ない度合いまで弱める。
ここで使用される場合、「アンタゴニスト」なる用語はニュートラルアンタゴニスト及び部分的アンタゴニスト、並びにインバースアゴニストを含む。「アゴニスト」なる用語は完全アゴニスト並びに部分的アゴニストを含む。
【0015】
本文脈において、「薬学的に許容される塩」という用語は患者に有害ではない塩を意味するものである。そのような塩には、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム及びアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸並びに有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表例には、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、リン酸、硫酸及び硝酸等々が含まれる。適切な有機酸の代表例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等々が含まれる。薬学的に許容される無機もしくは有機酸付加塩の更なる例には、出典明示によりここに援用されるJ. Pharm. Sci. (1977) 66, 2に列挙された薬学的に許容される塩が含まれる。関連する金属塩の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩等々が含まれる。アルキル化アンモニウム塩の例には、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム及びテトラメチルアンモニウム塩等々が含まれる。
【0016】
ここで使用される場合、化合物の「治療的有効量」なる用語は、所定の疾患及び/又はその合併症の臨床的徴候を治癒し、緩和し又は部分的に抑止するのに十分な量を言う。これを達成するために十分な量は「治療的有効量」と定義する。それぞれの目的に対する有効量は疾患又は傷害の重症度並びに患者の体重及び一般的症状に依存するであろう。適切な投薬量の決定は、常套的な実験を使用し、値のマトリックスを作成し、マトリックス中の異なった点を試験することによって達成することができ、これは全て、経験ある医師又は獣医の通常の技量の範囲内であると理解される。
【0017】
ここで用いられる「治療」、「治療する」なる用語及びその他の変化形は、病気又は疾患のような症状と闘う目的での、患者の管理及び世話を意味する。その用語は、患者が罹患している所定の疾患の治療の全範囲を含むことを意図するものであり、例えば、その徴候もしくは合併症を緩和するため、病気、疾患もしくは状態の進行を遅らせるため、病気、疾患もしくは状態を治癒もしくは除くため、及び/又は症状を予防するための当該活性化合物の投与が含まれ、ここで予防は病気、症状、又は疾患と闘う目的での患者の管理及び世話であると理解されるべきであり、徴候又は合併症の発症を防ぐための当該活性化合物の投与が含まれる。治療される患者は、好ましくは哺乳類、特にヒトであるが、他の動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ又はブタの治療も本発明の範囲にある。
ここで使用される場合、「溶媒和物」なる用語は、溶質(この場合には、本発明に係る化合物)と溶媒により形成される定まった化学量論の複合体である。溶媒には、例を挙げると、水、エタノール、又は酢酸が含まれうる。
【0018】
本文脈で使用されるアミノ酸略号は次の意味を有している:





【0019】
D-で始まり3文字コードが続くアミノ酸略号、例えばD-Ser、D-His等々は、対応するアミノ酸のD-エナンチオマー、例えばD-セリン、D-ヒスチジン等々のことである。
【0020】
(発明の記載)
本発明の化合物のある実施態様では、式I中の部分T-Aは、10-(テトラゾール-5-イル)デシル、11-(テトラゾール-5-イル)ウンデシル、12-(テトラゾール-5-イル)ドデシル、13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル、17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシル;18-(テトラゾール-5-イル)オクタデシル又は19-(テトラゾール-5-イル)ノナデシルを表す。
【0021】
本発明の化合物のある実施態様では、式II中のSは存在していない。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II中のSは式IIIaに係る構造を表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II中のSは式IIIbに係る構造を表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II中のSは式IIIcに係る構造を表す。
本発明の化合物のある種の他の実施態様では、式II中のZは存在していないか、又は式II中のZはGlyを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II中のZはSer、Thr、Gln、Gly又はHis、例えばSer又はThrを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II中のZはGln、D-Gln、Asn、D-Asn、Ser又はD-Serを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式IVa、IVb又はIVc中のSは式IIIa又は式IIIbに係る構造を表す。
【0022】
本発明の化合物のある実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中の部分R-R(つまり一緒にしたR及びR)は、10-(テトラゾール-5-イル)デシル、11-(テトラゾール-5-イル)ウンデシル、12-(テトラゾール-5-イル)ドデシル、13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル、17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシル、18-(テトラゾール-5-イル)オクタデシル又は19-(テトラゾール-5-イル)ノナデシル、例えば13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル又は17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシル、例えば15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシルを表す。
他の実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中の部分R-R(つまり一緒にしたR及びR)は、12-カルボキシドデシル、13-カルボキシトリデシル、14-カルボキシテトラデシル、15-カルボキシペンタデシル、16-カルボキシヘキサデシル、17-カルボキシヘプタデシル、18-カルボキシ-オクタデシル又は19-カルボキシノナデシル、例えば14-カルボキシテトラデシル又は16-カルボキシテトラデシルを表す。
【0023】
本発明の化合物のある実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のRは存在していない。他の実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のRは、-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-、Glu、D-Glu、γ-Glu、D-γ-Glu、Asp、D-Asp、β-Asp、D-β-Asp又はGly-γ-Gluを表す。ある実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のRは、-NH-S(=O)-(CH)-C(=O)-を表す。他の実施態様では、RはD-Glu、γ-Glu、β-Asp又はGly-γ-Gluを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II又は式IVa中のZは、Ser、ホモSer、Gln、Asn、Tyr、His、Arg、ホモArg、Lys、Orn、Dab又はDap、例えばSer、His、Arg又はDapを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II又は式IVa中のZは、Ser、ホモSer、Thr、Pro、His、Hyp、Lys、Orn、Dab又はDap、例えばSer、His又はDapを表す。
【0024】
本発明の化合物のある実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のZは、Ala、Val、Leu、Ile、Met又はNle、例えばNleを表す。
本発明の化合物の更なる実施態様では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のXは、Ser、Hyp、Cit、Dap、Asn、Gln又は(4-チアゾリル)Ala、例えばHyp、Dap、Cit又はGln、例えばHypを表す。
本発明の化合物の一群の実施態様では、XはGlu、XはD-Phe、XはTrp、XはLysである。実施態様の他の群では、XはAsp、XはD-Phe、XはTrp、XはLysである。
本発明の化合物の実施態様の特定の群では、式II又は式IVa、IVb又はIVc中のRはNHである。実施態様の他の群では、RはOHである。
【0025】
本発明に係る化合物の特定の例は次の通りであり、そのそれぞれが独立して本発明の化合物の一実施態様を構成する:
16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}-アセチル-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}-アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

(2-{2-[2-(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Ser-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

{2-[2-(15-(カルボキシ)ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

化合物:

15-カルボキシペンタデカノイル-Gly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Ser-Tyr-Hyp-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Asn-Asn-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}-エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Arg-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-D-Ser-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-OH

(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]-エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}-エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(15-カルボキシペンタデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)アセチルアミノ]ブタノイルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(S)-3-カルボキシ-3-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)プロパノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dab-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-ホモSer-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Orn-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Lys-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Arg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-2-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-4-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

本発明はまた上に概要を示した本発明の化合物の二以上の実施態様の組合せを包含する。
【0026】
本発明の一側面では、本発明の化合物はメラノコルチン受容体のアゴニスト、特にMC4のアゴニストである。本発明の他の側面では、MC4の選択的アゴニストである。この文脈で、選択性は、MC1、MC3及び/又はMC5に関して化合物の活性との関連で理解されなければならない。化合物が、MC1、MC3及び/又はMC5アゴニストとしてよりもMC4アゴニストとして有意により強力である場合、化合物は選択的MC4アゴニストであると判断される。MC1及びMC4に対する化合物の結合親和性は、「アッセイIV」(MC1)として以下に記載されたMC1結合アッセイからのIC50を、「アッセイV」(MC4)として以下に記載されたMC4結合アッセイからのIC50と比較することによって決定されうる。化合物が、MC1に対してよりもMC4に対して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強力である場合、MC1に対して選択的MC4アゴニストであると判断される。MC3、MC4及びMC5に対する化合物のアゴニスト能は、「アッセイII」(MC3及びMC5)及び「アッセイIII」(MC4)に記載されたような機能アッセイで決定されうる。化合物が、MC3に対してよりもMC4に対して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強力である場合、MC3に対して選択的MC4アゴニストであると判断される。化合物が、MC5に対してよりもMC4に対して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強力である場合、MC5に対して選択的MC4アゴニストであると判断される。特定の側面では、本発明の化合物は、MC1に対して、MC3に対して、MC5に対して、MC1及びMC3に対して、MC1及びMC5に対して、MC3及びMC5に対して又はMC1、MC3及びMC5に対して選択的MC4アゴニストである。
【0027】
本発明の他の側面では、本発明の化合物は選択的MC4アゴニスト及びMC3アンタゴニストである。この文脈で、化合物は、それが上で検討されたようにMC1及びMC5に対して選択的MC4アゴニストであり、「アッセイII」に記載されたようにして決定してMC3をアンタゴナイズするならば、選択的MC4アゴニスト及びMC3アンタゴニストであると判断される。後者のアッセイでは、100nM未満、例えば10nM未満、例えば5んM未満、例えば1nM未満のIC50値を示す化合物はMC3アンタゴニストであると判断される。
本発明の更なる側面では、本発明の化合物は選択的MC3アゴニスト及び選択的MC4アゴニストの双方である。この文脈では、化合物は、MC1及びMC5に対するアゴニストとしてよりもMC3及びMC4に対するアゴニストとして有意により強力であるならば、選択的MC3及びMC4アゴニストであると判断される。MC1及びMC3に対する化合物の選択性は、「アッセイIV」に記載されたMC1に対して決定される効能を、「アッセイII」に記載されたようにして決定されたMC3に対する効能と比較することによって決定することができる。化合物が、MC1に対してよりもMC3に対して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強力である場合、MC1に対して選択的MC3アゴニストであると判断される。MC3及びMC5に対する化合物の選択性は、「アッセイII」に記載されたようにして決定される効能を比較することによって決定することができる。化合物が、MC5に対してよりもMC3に対して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上強力である場合、MC5に対して選択的MC3アゴニストであると判断される。MC3及びMC5に対する化合物のMC4選択性は、上で検討したようにして決定される。
【0028】
本発明の化合物は、長期化効果を奏しうる、つまりそれらが生物学的活性を奏する時間が長くなる。長期化効果は、若干変形した「アッセイI」において本発明の化合物とRが水素である対応化合物とを比較することにより、評価されうる。実験は、ラットが実験前と同じ量だけ食餌するまでの時間Tの間継続させる。本発明の化合物とRが水素である対応化合物に対するT値を測定し、差ΔTを計算する。3時間を超え、例えば7時間を超え、例えば12時間を超え、例えば12時間を超え、例えば24時間を超え、例えば48時間を超え、例えば72時間を超えるΔTを生じる本発明の化合物は長期化効果を奏すると判断される。あるいは、長期化効果は、オボアルブミンの存在下での結合について定量したKiをHSAの存在下で定量したEC50値と比較する間接的なアルブミン結合アッセイにおいて評価されうる[適切なアッセイ手順の記述については薬理学的方法(下記参照)のアッセイVIIを参照]。
【0029】
本発明の化合物はメラノコルチン受容体を調節し、よってそれらは、メラノコルチン受容体活性の調節によって治療され得る病気又は状態の治療に特に適していると考えられる。特に、本発明の化合物はMC4の活性化を介する病気又は状態の治療に適合していると考えられる。
一側面では、本発明は、対象におけるMC4をアゴナイズし又は活性化する方法において、本発明の化合物(つまり、式I、II、IVa、IVb又はIVcの化合物)の有効量を対象に投与することを含む方法に関する。
他の側面では、本発明は、耐糖能障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させる方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
更なる側面では、本発明は、2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させる方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
【0030】
更なる側面では、本発明は、肥満症を治療し又は体重超過を防止する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
また更なる側面では、本発明は、食欲を調節する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
本発明の他の側面は、満腹感を誘導する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
本発明の更なる側面は、首尾良く減量した後の体重増加を防止する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
本発明の更に他の側面は、エネルギー消費を増加させる方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
【0031】
本発明のまた更なる側面は次のものを含む:
体重超過又は肥満に関連した病気又は状態を治療する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法;
過食症を治療する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法;
アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクから選択される病気又は状態を治療する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【0032】
特に、本発明の化合物は、肥満又は体重超過の患者の疾患の治療に適している。従って、本発明はまた肥満患者において、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクを治療する方法において、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする肥満患者に投与することを含む方法を提供する。
また、MC4アゴニストは、インスリン感受性、報酬系の調節による薬物乱用及び出血性ショックに対して陽性結果を有しうる。更に、MC3及びMC4アゴニストは解熱効果を有しており、双方とも末梢神経再生に関与していることが示唆されている。MC4アゴニストはまたストレス反応を減少させることもまた知られている。薬物乱用の治療、出血性ショックの治療又は防止、ストレス反応の減少に加えて、本発明の化合物はまたアルコール依存症の治療、虚血の治療及び神経損傷の保護に価値がありうる。
【0033】
上に開示された治療方法又は適応症の全てにおいて、本発明の化合物は単独で投与することができる。しかしながら、一又は複数の更なる治療的に活性な薬剤、物質又は化合物と組み合わせて、連続して又は同時に投与することもまたできる。
本発明に係る方法において用いられる場合、本発明の化合物の典型的な用量は、1日当たり約0.001から約100mg/kg体重、好ましくは1日当たり約0.01から約50mg/kg体重、例えば1日当たり約0.05から約10mg/kg体重の範囲で、1〜3回の投薬のように一又は複数の用量で投与される。正確な投与量は、投与の頻度及び形式、治療される対象の性別、年齢、体重及び全身状態、治療される症状の性質及び重症度、治療される任意の随伴性疾患並びに当業者にとって明白な他の因子に依存する。
本発明の化合物は、簡便には、当業者によく知られている技術を使用して単位投薬形態で処方されうる。1日当たり1から3回のような1日当たり一又は複数回の経口投与のための典型的な単位投薬形態は、0.05から約1000mg、好ましくは約0.1から約500mg、より好ましくは約0.5mgから約200mgの本発明の化合物を好適には含みうる。
【0034】
本発明の化合物は、例えば1日一回よりも長い間隔での投与によく適合していると思われる化合物を含む。よって、本発明の適切に製剤化された化合物は、例えばここに開示された経路の一つのような適切な投与経路によって、例えば毎週2回又は毎週一回の投与に適しうる。
更なる側面では、本発明は、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物又は物質と組み合わせて、及び/又は一又は複数の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤と共に、本発明の化合物を含有する薬学的組成物に関する。該組成物は、適切には、約0.05から約1000mg、例えば約0.1から約500mg、例えば約0.5mgから約200mgの本発明の化合物を含む単位投薬形態でありうる。
【0035】
本発明はまた体重過剰又は肥満、過食症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクの治療のための医薬の製造における、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物又は物質と組み合わせての、本発明の化合物の使用にも関する。
本発明はまたIGTから2型糖尿病への進行の遅延;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行の遅延;食欲調節;満腹感誘導;首尾良く減量した後の体重増加の防止;又はエネルギー消費の増加に効果のある医薬の製造における、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物又は物質と組み合わせての、本発明の化合物の使用にも関する。
上に記載したように、本発明の化合物は一又は複数の更なる治療的に活性な化合物又は物質と組み合わされて投与され又は適用されうる。適切な更なる化合物又は物質は、例えば抗糖尿病薬、高脂血症治療薬、抗肥満薬、血圧降下薬及び糖尿病から生じるか糖尿病に伴う合併症の治療剤から選択することができる。
【0036】
適切な抗糖尿病薬には、インスリン、インスリン誘導体又は類似体、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)誘導体又は類似体[例えば国際公開第98/08871号(ノボ・ノルディスクA/S)(ここに出典明示により援用する)に開示されているもの]、又は他のGLP-1類似体、例えばバイエッタ(exenatide;Eli Lilly/Amylin)並びに経口的に活性な血糖降下薬が含まれる。
適切な経口活性の血糖降下薬には、イミダゾリン類、スルホニル尿素類、ビグアニド類、メグリチニド類、オキサジアゾリジンジオン類、チアゾリジンジオン類、インスリン抵抗性改善薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、膵臓β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えば、国際公開第97/26265号、同第99/03861号及び同第00/37474号(ノボ・ノルディスクA/S)(これらは出典明示によりここに援用する)に開示されているもののようなカリウムチャンネル開口薬;例えばオルミチグリニド(ormitiglinide)のようなカリウムチャンネル開口薬;カリウムチャンネル遮断薬、例えばナテグリニド又はBTS-67582;グルカゴンアンタゴニスト、例えば国際公開第99/01423号及び同第00/39088号(ノボ・ノルディスクA/S及びAgouron Pharmaceuticals, Inc.)(全て出典明示によりここに援用する)に開示されているもの;GLP-1アゴニスト、例えば国際公開第00/42026号(ノボ・ノルディスクA/S及びAgouron Pharmaceuticals, Inc.)(出典明示によりここに援用する)に開示されているもの;DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤;PTPアーゼ(タンパク質チロシンホスファターゼ)阻害剤;グルコキナーゼ活性化剤、例えばホフマンラロシュの国際公開第02/08209号に記載のもの;グルコース新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関連する肝酵素の阻害剤;グルコース取り込みモジュレーター;GSK-3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3)阻害剤;脂質代謝を改変する化合物、例えば抗高脂血薬及び抗脂血薬;食物摂取を低下させる化合物;並びにPPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)アゴニスト及びRXR(レチノイドX受容体)アゴニスト、例えばALRT-268、LG-1268又はLG-1069が含まれる。
【0037】
適切な更なる治療的に活性な物質の他の例には、インスリン又はインスリン類似体;スルホニル尿素、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド、グリカジド又はグリブリド;ビグアニド、例えばメトホルミン;メグリチニド、例えばレパグリニド又はセナグリニド/ナテグリニドが含まれる。
適切な更なる治療的に活性な物質の更なる例には、チアゾリジンジオンインスリン抵抗性改善薬、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン(isaglitazone)、ダルグリタゾン、エングリタゾン、CS-011/CI-1037又はT174、あるいは国際公開第97/41097号(DRF-2344)、同第97/41119号、同第97/41120号、同第00/41121号及び同第98/45292号(Dr. Reddy's Research Foundation)(これらの全てを出典明示によりここに援用する)に開示されている化合物が含まれる。
【0038】
適切な更なる治療的に活性な物質の更なる例には、インスリン抵抗性改善薬、例えばGI262570、YM-440、MCC-555、JTT-501、AR-H039242、KRP-297、GW-409544、CRE-16336、AR-H049020、LY510929、MBX-102、CLX-0940、GW-501516及び国際公開第99/19313号(NN622/DRF-2725)、同第00/50414号、同第00/63191号、同第00/63192号、同第00/63193号(Dr. Reddy's Research Foundation)及び国際公開第00/23425号、同第00/23415号、同第00/23451号、同第00/23445号、同第00/23417号、同第00/23416号、同第00/63153号、同第00/63196号、同第00/63209号、同第00/63190号及び同第00/63189号(ノボ・ノルディスクA/S)(これらの全てを出典明示によりここに援用する)が含まれる。
【0039】
適切な更なる治療的に活性な物質のまた更なる例には、
α-グルコシダーゼ阻害剤、例えばボグリボース、エミグリテート、ミグリトール又はアカルボース;
グリコーゲン・ホスホリラーゼ阻害剤、例えば国際公開第97/09040号(ノボ・ノルディスクA/S)に記載された化合物;
グルコキナーゼ活性化剤;
膵臓β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS-67582又はレパグリニド;
が含まれる。
他の適した更なる治療的に活性な物質には、抗高脂血症薬及び抗脂血薬、例えばコレスチルアミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プルブコール又はデキストロチロキシンが含まれる。
【0040】
更なる治療的に活性な物質として適している更なる薬剤には、抗肥満薬及び食欲調節剤が含まれる。そのような物質は、CART(コカインアンフェタミン調節転写)アゴニスト、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC3(メラノコルチン受容体3)アゴニスト、MC3アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アドレナリン作動性アゴニスト、例えばCL-316243、AJ-9677、GW-0604、LY362884、LY377267又はAZ-40140、MC1(メラノコルチン受容体1)アゴニスト、MCH(メラノサイト集中ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再摂取インヒビター(例えばフルオキセチン、セロザット又はシタロプラム)、セロトニン及びノルエピネフェリン再摂取インヒビター、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長因子、例えばプロラクチン又は胎盤ラクトゲン、成長ホルモン放出化合物、TRH(チロトロピン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2又は3(脱共役タンパク質2又は3)モジュレーター、化学脱共役剤、レプチンアゴニスト、DA(ドーパミン)アゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼインヒビター、PPARモジュレーター、RXRモジュレーター、TRβアゴニスト、アドレナリン作動性CNS刺激薬、AGRP(アグーチ関連タンパク質)インヒビター、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、例えば国際公開第00/42023号、同第00/63208号及び同第00/64884号(その全ての内容を出典明示によりここに援用する)に開示されているもの、エキセンジン(exendin)-4、GLP-1アゴニスト、及び毛様神経栄養因子からなる群から選択することができる。
更なる適切な抗肥満薬は、ブプロピオン(抗うつ薬)、トピラメート(抗けいれん薬)、エコピパム(ecopipam)(ドーパミンD1/D5アンタゴニスト)、ナルトレキソン(オピオイドアンタゴニスト)、及びペプチドYY3-36(Batterham等, Nature 418、 650-654 (2002))である。
【0041】
本発明の化合物との組合せで更なる治療的に活性な物質として本発明の方法に使用される適した抗肥満薬の実施態様はレプチン及びレプチンの類似体又は誘導体である。
適切な抗肥満薬の更なる実施態様はペプチドYY3-36である。
適切な抗肥満薬の更なる実施態様はセロトニン及びノルエピネフリン再摂取阻害剤、例えばシブトラミンである。
適切な抗肥満薬の他の実施態様はリパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットである。
適切な抗肥満薬のまた更なる実施態様は、アドレナリン作動性CNS刺激薬、例えばデキサアンフェタミン、アンフェタミン、フェンテルミン、マジンドール、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フェンフルラミン又はデキシフェンフルラミンである。
適切な更なる治療的に活性な化合物の他の例には降圧剤が含まれる。降圧剤の例は、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール及びメトプロノールなどのβ遮断薬、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、キナプリル及びラミプリルなどのACE(アンギオテンシン転換酵素)阻害剤、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム及びベラパミルなどのカルシウムチャンネル遮断薬、並びにドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン及びテトラゾシンなどのα遮断薬である。
【0042】
本発明の使用及び方法のある実施態様では、本発明の化合物は、一を越える上述の適切な更なる治療的に活性な化合物又は物質と組み合わせて、例えば、メトホルミン及びグリブリドのようなスルホニル尿素;スルホニル尿素とアカルボース;ナテグリニドとメトホルミン;アカルボースとメトホルミン;スルホニル尿素、メトホルミン及びトログリタゾン;インスリンとスルホニル尿素;インスリンとメトホルミン;インスリン、メトホルミン及びスルホニル尿素;インスリンとトログリタゾン;インスリンとロバスタチン等々と組み合わせて、投与され又は適用されうる。
【0043】
(薬学的組成物)
既に述べたように、本発明の一側面は本発明の化合物を含有する薬学的組成物(製剤)を提供する。そのような製剤の適切な実施態様はしばしば10−3mg/ml〜200mg/ml、例えば10−1mg/ml〜100mg/mlの濃度で本発明の化合物を含む。本発明のそのような製剤のpHは典型的には2.0〜10.0の範囲である。製剤はバッファー系、保存料、等張剤、キレート剤、安定剤及び/又は界面活性剤を更に含有しうる。本発明の一実施態様では、薬学的製剤は水性製剤、すなわち水を含有する製剤であり、本文脈において「水性製剤」なる用語は、少なくとも50%(w/w)の水を含有する製剤を示すものと通常はとることができる。そのような製剤は典型的には溶液又は懸濁液である。水溶液の形態の本発明の水性製剤は通常は少なくとも50%(w/w)の水を含有する。同様に、水性懸濁液の形態の本発明の水性製剤は通常は少なくとも50%(w/w)の水を含有する。
【0044】
他の実施態様では、本発明の薬学的組成物(製剤)は、使用前に溶媒及び/又は希釈剤を添加することによって医師又は患者によって再構成されるためフリーズドライ(つまり凍結乾燥)製剤でありうる。
更なる実施態様では、本発明の薬学的組成物(製剤)は事前の溶解の必要がない使用準備が整った乾燥製剤(例えば凍結乾燥又はスプレードライ)でありうる。
更なる態様では、本発明は、本発明の化合物とバッファーの水溶液を含有する薬学的組成物(製剤)に関し、ここで本発明の化合物は0.1−100mg/ml又はそれ以上の濃度で存在しており、該製剤は約2.0から約10.0のpHを有している。
【0045】
本発明の他の実施態様では、製剤のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9及び10.0からなるリストから選択される値を有している。
【0046】
更なる実施態様では、本発明の緩衝された薬学的組成物中のバッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸及びアスパラギン酸からなる群から選択される一又は複数のバッファー物質を含みうる。これらの特定のバッファーの各一が本発明の別の実施態様を構成する。
【0047】
他の実施態様では、本発明の薬学的組成物は薬学的に許容可能な保存料、例えばフェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、チメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)からなる群から選択される一又は複数の保存料を含有しうる。これらの特定の保存料の各一が本発明の別の実施態様を構成する。本発明の更なる実施態様では、保存料は、0.1mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。本発明のこのような薬学的組成物のまた更なる実施態様では、保存料は、0.1mg/mlから5mg/mlの範囲の濃度、5mg/mlから10mg/mlの範囲の濃度、又は10mg/mlから20mg/mlの範囲の濃度で存在する。薬学的組成物中における保存料の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20版, 2000が参照される。
【0048】
本発明の更なる実施態様では、製剤は、通常は得られた最終液体製剤が等浸透圧又は実質的に等浸透圧になるように、等張剤、つまり本発明の液体製剤(特に水性製剤)又は再構成された凍結乾燥製剤の緊張力(浸透圧)を所望のレベルに調節する目的で加えられる物質を更に含有する。適切な等張剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖及び糖アルコール(例えばマンニトール)、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン又はスレオニン)、アルジトール[例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール]、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)及びそれらの混合物からなる群から選択されうる。
例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンブン、ヒドロキシエチルデンプン又はカルボキシメチルセルロース-Naを含む単糖類、二糖類、又は多糖類、又は水溶性グルカン類のような任意の糖を使用することができる;一実施態様では、スクロースを用いることができる。糖アルコール(単糖類、二糖類、オリゴ糖類又は多糖類から誘導されるポリオール)には、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールが含まれる。一実施態様では、用いられる糖アルコールはマンニトールである。上述の糖類又は糖アルコールは個々に又は組み合わせて使用することができる。糖又は糖アルコールが液体組成物(製剤)中で可溶性であり、本発明の方法を使用して達成される安定化効果に悪影響を及ぼさない限り、使用される量に決まった制限はない。一実施態様では、糖又は糖アルコールの濃度は約1mg/mlと約150mg/mlの間である。
【0049】
更なる実施態様では、等張剤は1mg/mlから50mg/ml、例えば1mg/mlから7mg/ml、8mg/mlから24mg/ml、又は25mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する。上に特に挙げた等張剤の何れかを含む本発明の薬学的組成物は本発明の一実施態様を構成する。薬学的組成物中における等張剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20版, 2000が参照される。
本発明の薬学的組成物(製剤)のまた更なる実施態様では、製剤はキレート剤を更に含有する。適切なキレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、アスパラギン酸の塩、及びそれらの混合物から選択されうる。キレート剤の濃度は、適切には0.1mg/mlから5mg/mlの範囲、例えば0.1mg/mlから2mg/ml又は2mg/mlから5mg/mlである。上に特に挙げたキレート剤の何れかを含む本発明の薬学的組成物は本発明の一実施態様を構成する。薬学的組成物中におけるキレート剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20版, 2000が参照される。
【0050】
本発明の薬学的組成物(製剤)の他の実施態様では、製剤は安定剤を更に含有する。薬学的組成物中における安定剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20版, 2000が参照される。
より詳細には、本発明の特に有用な組成物には、液体薬学的製剤として貯蔵中に変性産物の形成をおそらくは示すオリゴ-又はポリペプチドをその治療的活性成分が含む安定化液体薬学的組成物が含まれる。「凝集体形成」とは、可溶性のままでありうるオリゴマー、あるいはオリゴ-又はポリペプチド分子間の物理的相互作用の結果として、溶液から沈殿する大きな可視できる凝集体の形成を意味する。「貯蔵中」とは、ひとたび調製された液体薬学的組成物又は製剤が通常は直ぐには患者に投与されないことを言う。むしろ調製後に、液体形態か、凍結状態か、又は後で液体形態もしくは患者への投与に適した他の形態へ再構成するための乾燥形態の何れかで貯蔵するために包装される。「乾燥形態」とは、液体薬学的組成物又は製剤が、フリーズドライ(つまり凍結乾燥;例えばWilliams及びPolli (1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59)、スプレードライ[例えばMasters(1991), Spray-Drying Handbook (5版; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.), pp.491-676;Broadhead等 (1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206;及びMumenthaler等(1994) Pharm. Res. 11:12-20を参照]、又はエアードライ[例えばCarpenter及びCrowe(1988) Cryobiology 25:459-470;及びRoser (1991) Biopharm. 4:47-53を参照]によって乾燥されると得られる製品を意味する。液体薬学的組成物の貯蔵中におけるオリゴ-又はポリペプチドの凝集体の形成はそのペプチドの生物学的活性に悪影響を及ぼし得、薬学的組成物の治療効果を消失させる。更に、凝集体形成は、オリゴ-又はポリペプチド含有薬学的組成物を輸液システムを使用して投与する場合、管類、膜又はポンプの詰まりのような、他の問題を生じうる。
【0051】
本発明の薬学的組成物は組成物の貯蔵の間のオリゴ-又はポリペプチドによる凝集体形成を減少させるのに十分な量のアミノ酸塩基を更に含みうる。「アミノ酸塩基」とは、アミノ酸又はアミノ酸の組合せのことであり、任意の与えられたアミノ酸はその遊離塩基形態又はその塩形態で存在する。アミノ酸の組合せが使用される場合、アミノ酸の全てがその遊離塩基形態で存在し得、全てはその塩形態で存在し得、あるいは幾つかがその塩基形態で存在し得る一方、他のものはその塩形態で存在する。一実施態様では、本発明の組成物を調製する際に使用するアミノ酸は、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸のような荷電側鎖を担持しているものである。特定のアミノ酸(例えばメチオニン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン又はスレオニン、及びそれらの混合物)の任意の立体異性体(つまりL、D、又はその混合体)又はこれら立体異性体の組み合わせは、特定のアミノ酸がその遊離塩基形態又はその塩形態の何れかで存在している限り、本発明の薬学的組成物中に存在しうる。一実施態様では、アミノ酸のL立体異性体が使用される。本発明の組成物はまたこれらのアミノ酸の類似体と共に製剤化されうる。「アミノ酸類似体」とは、本発明の液体薬学的組成物の貯蔵中におけるオリゴ-又はポリペプチドによる凝集体形成を減少させるという所望の効果をもたらす天然に生じるアミノ酸の誘導体のことである。適切なアルギニン類似体には、例えばアミノグアニジン、オルニチン及びN-モノエチルL-アルギニンが含まれる。適切なメチオニン類似体には、エチオニン及びブチオニンが含まれ、適切なシステイン類似体にはS-メチル-Lシステインが含まれる。アミノ酸自体の場合と同様に、アミノ酸類似体はその遊離の塩基形態又はその塩形態で本発明の組成物中に導入される。本発明の更なる実施態様では、アミノ酸又はアミノ酸類似体は、オリゴ-又はポリペプチドの凝集を防止又は遅延させるのに十分な濃度で導入される。
【0052】
本発明の特定の実施態様では、治療剤として作用するオリゴ-又はポリペプチドが酸化を受けやすい少なくとも一のメチオニン残基を含むペプチドである場合、メチオニン(又は他の含硫アミノ酸又はアミノ酸類似体)を本発明の組成物中に導入してメチオニン残基がメチオニンスルホキシドへ酸化するのを阻害することができる。この文脈における「阻害する」なる用語は、メチオニンが酸化された種の経時的な蓄積の最小化を意味する。メチオニンの酸化を阻害することはオリゴ-又はポリペプチドをその正しい分子形態により維持することになる。メチオニンの任意の立体異性体(L又はD)又はその組み合わせを使用することができる。付加される量は、メチオニンスルホキシドの量が規制機関に受け入れられるようにメチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量でなければならない。典型的には、これは、メチオニンがスルホキシド化されるオリゴ-又はポリペプチドの形態がせいぜい約10%以下から約30%以下存在していることを意味する。一般に、これは、メチオニン残基に加えられるメチオニンの比が約1:1から約1000:1、例えば10:1から約100:1の範囲になるようにメチオニンを導入することによって達成することができる。
【0053】
本発明の更なる実施態様では、製剤は高分子量ポリマー及び低分子量化合物から選択される安定剤を更に含有する。よって、例えば、安定剤はポリエチレングリコール(例えばPEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース又はその誘導体(例えばHPC、HPC-SL、HPC-L又はHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸及び2-メチルチオエタノールのような硫黄含有物質、及び様々な塩(例えば塩化ナトリウム)のような物質から選択されうる。特に上に上げた安定剤の何れかを含む本発明の薬学的組成物は本発明の一実施態様を構成する。
本発明の薬学的組成物はまたその中の治療的に活性なオリゴ-又はポリペプチドの安定性を更に向上させる更なる安定剤を含有しうる。本発明の文脈において特に興味がある安定剤には、限定するものではないが、メチオニンの酸化からポリペプチドを保護するメチオニン及びEDTAと、凍結融解又は機械的せん断に伴う凝集又は変性からポリペプチドを保護する界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0054】
よって、本発明の更なる実施態様では、薬学的製剤は界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を含有する。その例には、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー(例えばプルロニック(登録商標)F68、ポロキサマー188及び407、トリトンX-100のようなポロキサマー類)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン及びポリエチレン誘導体、例えばアルキル化及びアルコキシル化誘導体(トゥイーン類、例えばTween-20、Tween-40、Tween-80及びBrij-35)、そのモノグリセリド又はそのエトキシル化誘導体、ジグリセリド又はそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチン及びリン脂質(例えばホスファチジル-セリン、ホスファチジル-コリン、ホスファチジル-エタノールアミン、ホスファチジル-イノシトール、ジホスファチジル-グリセロール、スフィンゴミエリン)、リン脂質誘導体(例えばジパルミトイルホスファチジン酸)及びリゾリン脂質誘導体(例えばパルミトイルリゾホスファチジル-L-セリン及びエタノールアミン、コリン、セリンもしくはスレオニンの1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスフェートエステル)並びにリゾホスファチジル及びホスファチジルコリンのアルキル、アルキルエステル及びアルキルエーテル誘導体、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイル及びミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、及び極性頭部基、つまり、コリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、正荷電DODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリン及びリゾホスファチジルスレオニンの修飾体、及びグリセロリン脂質(例えばケファリン)、グリセロ糖脂質(例えばガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えばセラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、ニワトリ卵白リゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えばタウロ-ジヒドロフシジン酸ナトリウム等々)、長鎖脂肪酸(例えばオレイン酸及びカプリル酸)及びその塩、アシルカルニチン及び誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンのNα-アシル化誘導体、又はリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンと中性又は酸性アミノ酸の任意の組合せを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性アミノ酸と二つの荷電アミノ酸の任意の組合せを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DSS(ドキュセート・ナトリウム、CAS登録番号[577-11-7])、ドキュセート・カルシウム、CAS登録番号[128-49-4]、ドキュセート・カリウム、CAS登録番号[7491-09-0]、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸又はその誘導体、胆汁酸及びその塩及びグリシンもしくはタウリンコンジュゲート、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネート、アニオン性(アルキル-アリール-スルホネート)一価界面活性剤、両性イオン性界面活性剤(例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート類、3-コールアミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホネート、カチオン性界面活性剤(第4級アンモニウム塩基)(例えば臭化セチル-トリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム)、非イオン性界面活性剤(例えばドデシルβ-D-グルコピラノシド)、ポロキサミン(例えばテトロニックス(Tetronic's))(これは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続付加して誘導される四官能基ブロック共重合体である)が含まれる。界面活性剤はまたイミダゾリン誘導体及びその混合物からも選択されうる。上に特に述べた界面活性剤の各一を含む本発明の薬学的組成物は本発明の一実施態様を構成する。
薬学的組成物中における界面活性剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20版, 2000が参照される。
【0055】
更なる成分が本発明の薬学的組成物(製剤)中に存在することもありうる。そのような更なる成分には、例えば湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、金属イオン、油性媒体、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン、ゼラチン又は他のタンパク質)及び双性イオン(例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジンもしくはヒスチジンのようなアミノ酸)が含まれうる。そのような更なる成分は、当然ながら、本発明の薬学的製剤の全体の安定性に悪影響を及ぼしてはならない。
本発明に係る化合物を含む薬学的組成物は、そのような治療を必要とする患者の幾つかの部位に投与され得、例えば局所的部位(例えば皮膚及び粘膜部位)、吸収をバイパスする部位(例えば動脈、静脈、心臓への投与を経由して)、及び吸収を含む部位(例えば皮膚、皮下、筋肉又は腹部へ)への投与である。
【0056】
本発明に係る薬学的組成物のそれを必要とする患者への投与は、幾つかの投与経路を介してなされうる。これらの経路には、例えば舌、舌下、頬、口、経口、胃及び腸、鼻、肺(例えば細気管支及び肺胞又はそれらを組合せたもの)、表皮、真皮、経皮、膣、直腸、眼(例えば結膜を介して)、尿管、及び非経口が含まれる。
本発明の組成物は、様々な投薬形態、例えば溶液、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、多相エマルション、フォーム、膏薬、ペースト、プラスター、軟膏、錠剤、コート錠剤、リンス、カプセル(例えば硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセル)、坐薬、直腸用カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、パウダー、エアゾール、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、眼用リンス、膣用ペッサリー、膣用リング、膣用軟膏、注射液、インサイツ形質転換溶液(例えばインサイツゲル化、インサイツセット用、インサイツ沈殿、インサイツ結晶化のもの)、輸液又は移植片として投与されうる。
【0057】
本発明の組成物は、本発明の化合物の安定性を更に高め、生物学的利用能を増加させ、溶解度を高め、副作用を低減させ、当業者によく知られている時間療法を達成し、また患者のコンプライアンスを高め、又はそれらの任意の組合せのために、例えば共有的、疎水的及び静電気的相互作用を介して、薬剤担体、薬剤デリバリー系及び先端薬剤デリバリー系に更に配合され、又は結合されうる。担体、薬剤デリバリー系及び先進薬剤デリバリー系の例には、限定されるものではないが、ポリマー、例えばセルロース及び誘導体;多糖類、例えばデキストラン及び誘導体、デンプン及び誘導体;ポリ(ビニルアルコール);アクリレート及びメタクリレートポリマー;ポリ乳酸及びポリグリコール酸及びそれらのブロックコポリマー;ポリエチレングリコール;担体タンパク質、例えばアルブミン;ゲル、例えばサーモゲル化系、例えば当業者によく知られているブロックコポリマー系;ミセル;リポソーム;ミクロスフィア;ナノ粒子;液晶及びそれらの分散液;脂質-水系における相挙動の当業者によく知られているL2相とそのディスパージョン;ポリマーミセル;多相エマルション(自己乳化、自己-マイクロ乳化);シクロデキストリン及びその誘導体;及びデンドリマーが含まれる。
【0058】
本発明の組成物は、全ての装置が当業者によく知られたものである、例えば定量吸入器、乾燥パウダー吸入器又はネブライザーを使用し、本発明の化合物を肺に投与するための固形物、半固形物、パウダー及び溶液の製剤に有用である。
本発明の組成物は、制御された放出性、徐放性、延長、遅延又は持続放出薬物デリバリー系の製剤に特に有用である。よって、本発明の組成物は、当業者によく知られている非経口用の制御放出及び徐放系(双方の系は、必要とされる投与数を何倍も低下させる)の製剤に価値がある。
特に価値があるのは、皮下投与される制御放出及び徐放系である。本発明の範囲を限定するものではないが、有用な制御放出系及び組成物の例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、ポリマーミセル、ミクロスフィア、ナノ粒子を含むものである。
【0059】
本発明の組成物に有用な徐放系の製造方法は、限定されるものではないが、結晶化、凝縮、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧ホモジナイズ、カプセル化、スプレー乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフィアを製造するための溶媒蒸発、押出及び超臨界プロセスを含む。一般的には、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release(Wise, D.L.編 Marcel Dekker, New York, 2000)及びDrug and the Pharmaceutical Sciences vol.99:Protein Composition and Delivery(MacNally, E.J.編 Marcel Dekker, New York, 2000)を参照のこと。
非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン状器具による皮下、筋肉内、腹膜内又は静脈内注射によって実施することができる。あるいは、非経口投与は輸液ポンプにより実施することができる。さらなる選択肢は、鼻用又は肺用スプレーの形態での(典型的には水性)溶液又は懸濁液である本発明の組成物の投与である。また更なる選択肢としては、本発明の薬学的組成物を(例えば針のない注射、又はイオン導入パッチのようなパッチによる)経皮投与又は経粘膜(例えば口腔)投与に適合させることもできる。
【0060】
「安定化された製剤」なる用語は、物理的な安定性が増し、化学的な安定性が増し、又は物理的及び化学的安定性が増した製剤を意味する。オリゴ-又はポリペプチドを含む製剤の文脈における「物理的安定性」という用語は、熱機械的ストレスへの暴露及び/又は疎水性表面及び界面のような不安定化している界面及び表面との相互作用の結果としての生物学的に不活性な及び/又は不溶性の凝集体を形成するペプチドの傾向を意味する。タンパク質水性組成物の物理的安定性は、適切な容器(例えばカートリッジ又はバイアル)中に満たした製剤を機械的/物理的ストレス(例えば攪拌)に様々な時間の間、異なった温度で暴露した後に視覚検査及び/又は濁度測定によって評価される。製剤の視覚検査は暗い背景中において鋭く集光された光下で実施される。製剤の濁りは例えば濁度を0から3の尺度(濁りを示さない製剤が視覚スコア0に相当し、昼光で可視できる濁りを示す製剤は視覚スコア3に相当する)でランク付けすることにより特徴付けされる。製剤は、通常は、昼光下で可視できる濁りを示す場合に凝集に対して物理的に不安定であると分類される。あるいは、製剤の濁りは当業者によく知られている簡単な濁度測定によって評価することができる。水性オリゴ-又はポリペプチド製剤の物理的安定性はペプチドの立体構造状態の分光学的薬剤又はプローブを使用してまた評価することができる。プローブは好ましくはオリゴ-又はポリペプチドの非天然配座異性体に優先的に結合する小分子である。この種の小分子分光学的プローブの一例はチオフラビンTである。チオフラビンTはアミロイド線維の検出に広く使用されている蛍光染料である。線維と、おそらくは他の立体配置もまた存在すると、チオフラビンTが約450nmで新たな励起極大を引き起こし、線維形態に結合したとき約482nmで増強した発光を生じる。未結合のチオフラビンTは本質的には該当の波長で非蛍光である。
【0061】
天然から非天然状態までのペプチド構造における変化のプローブとして、他の小分子を使用することができる。例えば、ポリペプチドの露出した疎水性パッチに優先的に結合する「疎水性パッチ」プローブである。疎水性パッチは、一般には、その天然状態のポリペプチドの3次構造内に埋められているが、ポリペプチドがアンフォールドされ又は変性が始まると、露出するようになる。このような小分子の分光学的プローブの例は、芳香族の疎水性染料、例えばアントラセン、アクリジン、フェナントロリン等である。他の分光学的プローブはアミノ酸の金属錯体、例えば疎水性アミノ酸、例えばフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン等のコバルト錯体である。
【0062】
ここで使用される薬学的製剤の「化学的安定性」という用語は、元の分子と比較して潜在的に低い生物学的能力及び/又は潜在的に増加した免疫原性を持つ化学的変性産物の形成に至るオリゴ-又はポリペプチド構造中の化学共有結合変化を意味する。出発分子のタイプと性質及びそれがさらされる環境に応じて、様々な化学的変性産物が形成されうる。最も可能性が高いことは化学的変性を完全には避けることができないことであり、当業者にはよく知られているように、化学的変性産物の量が徐々に増加することがオリゴ-又はポリペプチド製剤の貯蔵や使用中にしばしば見られる。よく遭遇する変性プロセスは脱アミド化であり、これはグルタミニル又はアスパラギニル残基中の側鎖アミド基が加水分解されて遊離のカルボン酸を形成するプロセスである。他の変性経路は、アミド基転移及び/又はジスルフィド相互作用を通して二以上の出発物質分子が互いに共有結合し、共有結合した二量体、オリゴマー又は多量体変性産物の形成に至る高分子量転換産物の形成を含む(例えば、Stability of Protein Pharmaceuticals, Ahem. T. J. & Manning M. C., Plenum Press, New York 1992を参照)。(例えばメチオニン残基の)酸化は化学的変性の他の変形例として挙げることができる。製剤の化学的安定性は、異なった環境条件への暴露後に様々な時点において化学的変性産物の量を測定することによって評価することができる(変性産物の形成は例えば温度の上昇によってしばしば加速され得る)。それぞれ個々の変性産物の量は、様々なクロマトグラフィー法(例えばSEC-HPLC及び/又はRP-HPLC)を使用して分子サイズ及び/又は電荷に応じて変性産物を分離することによりしばしば決定される。
【0063】
よって、上に概説したように、「安定化製剤」は増加した物理的安定性、増加した化学的安定性、又は増加した物理的及び化学的安定性を有する製剤を意味する。一般に、薬学的組成物(製剤)は、有効期限に達するまで(推奨された使用及び貯蔵条件に応じた)使用及び貯蔵中は安定でなければならない
本発明の薬学的組成物は、2週間を越える使用の間と2年を越える貯蔵の間、より好ましくは4週間を越える使用の間と2年を越える貯蔵の間、望ましくは4週間を越える使用の間と3年を越える貯蔵の間、最も好ましくは6週間を越える使用の間と3年を越える貯蔵の間、安定しているべきである。
【0064】
ここで引用される刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献を、あたかも各文献が個々にかつ特に出典明示により援用されることが示され、その全体がここに記載されている場合と同じ程度にその全体が出典明示により(法が許容する最大の範囲で)ここに援用される。
表題及び副題は便宜のためのみにここで使用され、決して本発明を限定するものと解釈してはいけない。
本明細書における任意のかつ全ての例、又は例を示す表現(「for instance」、「for example」、「e.g.」、「such as」を含む)の使用は、発明をより良好に例証するためだけのものであり、特段示されていない限り、本発明の範囲に対する限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる表現も、請求項に記載していない要素が発明の実施に必須であることを示していると解釈してはいけない。
ここでの特許文献の引用及び援用は便宜のためにのみなすもので、そのような特許文献の有効性、特許性及び/又は権利行使可能性についての見解を何ら反映するものではない。
本発明は、適用可能な法が許容する限り、ここに添付される特許請求の範囲に記載された主題事項のあらゆる変形態様及び均等態様を含む。
【実施例】
【0065】
用いられる略号リスト
AcOH 酢酸
BSA ウシ血清アルブミン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1,5-5)
DCM ジクロロメタン
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA エチルジイソプロピルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EGTA 1,2-ジ(2-アミノエトキシ)エタン-N,N,N',N'-テトラ酢酸
FCS 仔ウシ血清
Fmoc 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HEPES 2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-エタンスルホン酸
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HSA ヒト血清アルブミン
IBMX 3-イソブチル-1-メチルキサンチン
MC1 メラノコルチン受容体サブタイプ1(メラノコルチン受容体1とも標記)
MC2 メラノコルチン受容体サブタイプ2(メラノコルチン受容体2とも標記)
MC3 メラノコルチン受容体サブタイプ3(メラノコルチン受容体3とも標記)
MC4 メラノコルチン受容体サブタイプ4(メラノコルチン受容体4とも標記)
MC5 メラノコルチン受容体サブタイプ5(メラノコルチン受容体5とも標記)
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
α-MSH メラノサイト刺激ホルモンのα型
MTX メトトレキセート
NEt トリエチルアミン
NMP N-メチルピロリドン
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PEI ポリエチレンイミン
PyBOP ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノ-ホスホニウム
【0066】
本発明の全ての化合物は、標準的なカップリング及び脱保護工程を使用して当業者により合成され得る。ペプチド合成のための標準的な略号を含む全ての必要なツール及び合成法の記載は「The Fine Art Of Solid Phase Synthesis」(2002/3 Catalogue、Novabiochem)に見出すことができる。非標準的手順及び特別な構成要素の合成は以下に記載する。
以下に挙げた実施例において、Rt値は保持時間であり、質量値は質量スペクトル(MS)検出器によって検出され、次のHPLC-MS装置(LCMS)の一つを使用して得られたものである。
【0067】
LCMS(システム1)
Agilent 1100シリーズ、エレクトロスプレー;カラム:Waters XTerra(登録商標)C18 5μm 3.0×50mm;水/0.05%TFA含有アセトニトリル;勾配:5%→100%アセトニトリル、0から6.75分、t=9.0分まで溶出;流量1.5ml/分。
LCMS(システム2)
Sciex API-150Ex Quadrupole MS、エレクトロスプレー、m/z=200からm/z=1500;カラム:Waters XTerra(登録商標) MS C18 5μm 3.0×50mm;A液(0.1%TFA含有水)及びB液(0.08%TFA含有アセトニトリル)でに溶出;勾配:5%→20%B液、1.0から3.0分、20%→50%B液、3.0から16.0分、50%→90%B液、16.0から18.0分、t=18.0分まで溶出;流量1.5ml/分。
LCMS(システム3)
Sciex API-100 Quadrupole MS、エレクトロスプレー、m/z=300からm/z=2000;カラム:Waters XTerra(登録商標)MS C18 5μm 3.0×50mm;水/0.05%TFA含有アセトニトリル;勾配:5%→90%アセトニトリル、0から7.5分;流量1.5ml/分。
MALDI-MS
ペプチドの分子量をマトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS)を使用して定量し、Voyager-DE(Perseptive Biosystems)で記録した。シナピン酸 (3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシケイ皮酸)の基質を使用した。
【0068】
環化工程を含む合成手順の典型的な例は次の通りである:
実施例1:
16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

【0069】
実施例1に対する工程A:保護されたペプチド樹脂Fmoc-c[Glu-Hyp(tBu)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rinkリンカー-ポリスチレン
Fmoc-Rink樹脂(4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシポリスチレン樹脂、Bachem D-2080、Lot514460;0.47mmol/g)を、フリットを有する二基の60mlテフロン(登録商標)反応器に満たした(一反応器当たり:4.256g、2.0mmol)。各反応器中の樹脂を35mlのDCMで洗浄した。
Fmocm除去: 樹脂を、NMP(30ml)中20%のピペリジン溶液で20分間、振盪し、ついでNMP/DCM 1:1(5×30ml)で洗浄した。
Fmoc-Lys(Mtt)-OHでのアシル化: 別個のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸(12.0mmol)をNMP(15ml)、DCM(27ml)及びNMP中の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の1M溶液(12.0ml、12.0mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(1.872ml、12.0mmol)を素早く加え、その後、溶液を直ぐに振盪した。その溶液を閉鎖したバイアル中に30分放置した。30ml(6.0mmolのHOBtエステル)のこの溶液を各反応器に加え、樹脂を2時間半振盪した。エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)(反応器当たり0.514ml、2.0mmol)を加え、混合物を18時間振盪した。樹脂をNMP/DCM 1:1(4×30ml)で洗浄した。
Fmoc除去:上に記載の通り。
Fmoc-Trp(Boc)-OHでのアシル化: 別個のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸(12.0mmol)を、NMP(15ml)、DCM(27ml)及び1MのHOBt-NMP溶液(12.0ml、12.0mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(1.872ml、12.0mmol)を素早く加え、その後、溶液を直ぐに振盪した。その溶液を閉鎖したバイアル中に30分放置した。30ml(6.0mmolのHOBtエステル)のこの溶液を各反応器に加え、樹脂を21時間振盪した。液体を濾過し、樹脂をNMP/DCM 1:1(4×30ml)で洗浄した。
【0070】
同様にして、次のアミノ酸を樹脂に連続的に結合させた:Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-D-Phe-OH、Fmoc-Hyp(tBu)-OH及びFmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OH。Fmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OHとのカップリングは、HOBtの代わりにHOAtと、DIPEA(HOAtエステル形成後に一反応器当たり2.0mmol添加)を使用して実施した。得られたFmoc保護樹脂をDCMで十分に洗浄した。
【0071】
Lys及びGluの選択的側鎖脱保護: 樹脂を、DCM(30ml)中の2%TFA及び3%トリイソプロピルシランの溶液と共に10分間振盪し、液体を濾過した。この手順を更に8回繰り返した。樹脂を、DCM(4×30ml)、DCM中の10%DIPEA(2×30ml)及びDCM(2×30ml)で洗浄した。
GluでのLysの側鎖環化: 別のガラスバイアルにおいて、PyBOP(6.246g=12.0mmol)を、1MのHOBt-NMP溶液(12.0ml=12.0mmol)、DCM(30ml)及びNMP(18ml)と混合した。この溶液の30ml(6.0mmolのPyBOP/HOBtを含む)を各反応器に加え、ついでDIPEA(2.054ml=12.0mmol)を加えた。樹脂を18時間振盪した。液体を濾過し、樹脂をNMP/DCM 1:1(4×30ml)で洗浄した。
非アシル化アミノ基のキャッピング: 各樹脂を、DCM(一反応器当たり30ml)中のBoc無水物(一反応器当たり12mmol)の溶液と共に1時間振盪した。液体を濾過し、樹脂をDCM(3×30ml)、DCM/MeOH 2:1(2×30ml)、THF(4×30ml)及びDCM(3×30ml)で洗浄した。
これにより13.92gの樹脂が得られたが、これは完全な反応を仮定して0.29mmol/gの推定最大負荷に相当する。
【0072】
実施例1のための工程B:16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH
フリットを有する10mlのテフロン(登録商標)反応器に、樹脂Fmoc-c[Glu-Hyp(tBu)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rinkリンカー-ポリスチレン(0.345g、理論的には0.10mmol、上に記載した工程Aから入手可能)を添加した。その樹脂をDCM(3ml)で洗浄した。
Fmocm除去: 樹脂を、NMP(3.5ml)中20%のピペリジン溶液で20分間、振盪し、ついでNMP/DCM 1:1(6×4ml)で洗浄した。
Fmoc-Nle-OHでのアシル化: 別個のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸(0.5mmol)をNMP(0.65ml)、DCM(1.15ml)及び1MのHOBt-NMP溶液(0.5ml、0.5mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(0.156ml、0.5mmol)を素早く加え、その後、溶液を直ぐに振盪した。その溶液を閉鎖したバイアル中に30分放置し、ついで樹脂に加えた。混合物を105分振盪した。液体を濾過し、樹脂をNMP/DCM 1:1(4×4ml)で洗浄した。
【0073】
同様にして、次のカルボン酸を樹脂に連続的に結合させた:Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Gly-OH及び16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸(以下に記載する合成手順によって入手可能)。最後に、樹脂を、NMP/DCM 1:1(6×3ml)、DCM/MeOH 2:1(2×3ml)、THF(2×3ml)及びDCM(3×3ml)で洗浄した。
樹脂からの開裂: 樹脂を、TFA(95vol%)、トリイソプロピルシラン(2.5vol%)及び水(2.5vol%)を含む予混合溶液(4ml)と共に2時間振盪した。混合物を濾過し濾液をガラスバイアルに集めた。樹脂を2×3mlのDCM/TFA 2:1で洗浄し、濾液を集めた。組み合わせた濾液を濃縮して赤色の油を得た。
エーテルでの沈殿: 油性残留物をジエチルエーテル(30ml)で処理して固形沈殿物を得た。エーテル相を遠心分離後に除去した。固形残留物を再びジエチルエーテル(30ml)で洗浄した。遠心分離をし、エーテル相を除去した後、残りのジエチルエーテルを除くために固形残留物を一晩放置した。
【0074】
精製: ジエチルエーテルから沈殿させた粗生成物を、アセトニトリル(5.5ml)、酢酸(0.5ml)及び水の混合物中に溶解させて、約21mlの全容量にした。得られた液体を濾過し、ついでGilson分取HPLC装置に注入した。溶出を、29%から41%のアセトニトリルの勾配で水/0.1%TFA含有アセトニトリルを用いて実施した。溶出液をそれぞれ5ml(ピーク画分)又は12ml(非ピーク画分)の画分として集めた。関連する画分を分析HPLCによって調べた。純粋な標的ペプチドを含む画分を混合し、減圧下で濃縮して無色溶液を得た。これを脱イオン水で希釈し、1Mの水性HCl(0.6ml)で処理した。得られた透明な溶液をガラスバイアル中に分配した。そのバイアルにミリポアガラス繊維前置フィルターを被せた。3日の凍結乾燥によってペプチド塩酸塩(27.8mg、16%収率)を白色固形物として得た。
分析用HPLC(Waters Symmetry300 C18、5μm、3.9×150mm;42℃;水/0.05%TFA含有アセトニトリル;勾配:5%→95%アセトニトリル、0から15分;流量1ml/分):
=8.32分(UV214nmで100%純度)
LCMS(システム1):Rt=3.29分;((m+2)/2)=896
【0075】
実施例1の化合物と同様にして得ることができる本発明の更なる化合物の実施例は以下の実施例2−23である:
【0076】
実施例2
16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム1):Rt=3.28分;((m+2)/2)=870
【0077】
実施例3
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム1):Rt=3.38分;((m+2)/2)=943
この化合物は市販の構成要素Fmoc-NH-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-COHを使用して調製した。
【0078】
実施例4
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=9.49分;((m+2)/2)=947
【0079】
実施例5
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=9.56分;((m+2)/2)=961
【0080】
実施例6
4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=10.36分;((m+2)/2)=962
この化合物は構成要素4-(N-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル)-スルファモイル)酪酸を使用して調製した。構成要素の合成は以下に記載する。
【0081】
実施例7
{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.60分;((m+2)/2)=772
【0082】
実施例8
(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=10.93分;((m+2)/2)=842
【0083】
実施例9
{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}-アセチル-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.12分;((m+2)/2)=815
この化合物は構成要素ヘキサデカン二酸モノ-tert-ブチルエステルを使用して調製した。構成要素の合成は以下に概要を示す。
【0084】
実施例10
{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=12.20分;((m+2)/2)=766
【0085】
実施例11

【0086】
実施例12

【0087】
実施例13

【0088】
実施例14

【0089】
実施例15

【0090】
実施例16

【0091】
実施例17
(2-{2-[2-(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Ser-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.40分;((m+2)/2)=937
【0092】
実施例18

【0093】
実施例19

【0094】
実施例20
{2-[2-(15-(カルボキシ)ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=10.06分;((m+2)/2)=941
【0095】
実施例21

構成要素16-(3-カルボキシ-プロパン-1-スルホニルアミノ)-16-オキソ-ヘキサデカン酸tert-ブチルエステルがこの化合物の調製のための適切な出発点である。構成要素の合成は以下に概要を示す。
【0096】
実施例22

【0097】
実施例23

【0098】
実施例24
15-カルボキシペンタデカノイル-Gly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.4分;((m+2)/2)=869
【0099】
実施例25
{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Ser-Tyr-Hyp-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.77分;((m+2)/2)=875
【0100】
実施例26
{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Asn-Asn-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=11.71分;((m+2)/2)=857
【0101】
実施例27
(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=9.79分;((m+2)/2)=1025
【0102】
実施例28
{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=10.09分;((m+2)/2)=1004
【0103】
実施例29
(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Arg-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム2):Rt=9.16分;((m+2)/2)=908
【0104】
実施例30
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=2.88分;((m+2)/2)=936
【0105】
実施例31
(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.25分;((m+2)/2)=899
【0106】
実施例32
{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.36分;((m+2)/2)=828
【0107】
実施例33
(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.24分;((m+2)/2)=1035
【0108】
実施例34
4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.42分;((m+2)/2)=963
【0109】
実施例35
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-D-Ser-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-OH

【0110】
実施例36
(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]-エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.34分;((m+3)/3)=689
【0111】
実施例37
(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}-エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.13分;((m+3)/3)=786
【0112】
実施例38
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.30分;((m+2)/2)=986
【0113】
実施例39
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.28分;((m+2)/2)=961
【0114】
実施例40
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.47分;((m+3)/3)=612
【0115】
実施例41
4-(15-カルボキシペンタデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

LCMS(システム3):Rt=3.42分;((m+2)/2)=943
【0116】
実施例42
(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=2040.1
【0117】
実施例43
[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)アセチルアミノ]ブタノイルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=2098.21
【0118】
実施例44
(2-{2-[(S)-3-カルボキシ-3-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)プロパノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=2025.84
【0119】
実施例45
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=1931.83
【0120】
実施例46
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dab-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=1934.06
【0121】
実施例47
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-ホモSer-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=1935.15
【0122】
実施例48
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Orn-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

MALDI-MS:m/z=1948.27
【0123】
実施例49
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Lys-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

【0124】
実施例50
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Arg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

【0125】
実施例51
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-2-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

【0126】
実施例52
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-4-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

【0127】
16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸の調製

16-ブロモヘキサデカン酸(26.83g、80mmol)を、メタノール(160ml)とトルエン(30ml)の混合物に懸濁させた。ポリマー結合アレーンスルホン酸(1.5g;マクロポーラスポリスチレンビーズ;「Amberlyst15」;Fluka06423)及びトリメチルオルトギ酸塩(17.5ml、160mmol)を加え、混合物を、90℃の油浴温度で6時間還流させた。反応混合物を室温に一晩放置した後、濾過した。得られた濾液を減圧下で濃縮して粗16-ブロモヘキサデカン酸メチルエステルを褐色の液体として得た。
【0128】
粗メチルエステル(80mmol)に、NMP(140ml)及びシアン化ナトリウム(9.41g、192mmol)を加えた。得られた懸濁液を155℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、得られた暗褐色の懸濁液を水(550ml)で処理した。37%の濃塩酸水溶液(5ml、およそ60mmol、致死のHCNガスに注意)及び氷を加えてpH9の懸濁液を得た。懸濁液を40分放置した後、濾過した。得られた濾過ケーキを水(2×125ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで20時間乾燥させ、主として所望のニトリルからなるが対応する臭化アルキル(重クロロホルム中でのH NMRによっておよそ20%)を尚も含んでいる褐色の固形物を得た。反応を繰り返すために、残留物を、新らたに粉末化されたシアン化ナトリウム(6.27g、128mmol)及びNMP(100ml)と混合した。得られた暗褐色の懸濁液を110℃の油浴温度で5時間撹拌した後、室温に一晩放置した。混合物を水(400ml)と37%の濃塩酸水溶液(2.5ml、およそ30mmol、致死のHCNガスに注意)の混合物で処理して、pH11の懸濁液が得られた。氷を加え、懸濁液を45分間放置した後、濾過した。得られた濾過ケーキを水(2×125ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで一晩乾燥させて、オフホワイトのペースト状残留物を得た。LCMS及びH NMRによれば、この生成物は、微少量の16-シアノヘキサデカン酸、水及びNMPと共に、所望の16-シアノヘキサデカン酸メチルエステルであった。
【0129】
粗ニトリル、新たに粉末化したアジ化ナトリウム(20.80g、320mmol)及びトリエチルアミン塩酸塩(22.19g、160mmol)をNMP(200ml)に懸濁させ、150℃の油浴温度で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却させ、ついでビーカーに注いだ。水(500ml)及び37%の水性HCl(42ml、およそ500mmol)を加えた。得られた懸濁液を撹拌し、40分放置し、ついで濾過した。得られた濾液ケーキを水(250ml)で洗浄し、フィルターで3日間乾燥させて、オフホワイトのペースト状残留物を得た。
この生成物を、MeOH(180ml)及び水性NaOH(11.2g、280mmol、50mlの水に溶解)の混合物に懸濁させた。混合物を85℃の油浴温度で3時間半撹拌した。油浴を除去した。温かい溶液に、水(50ml)を加えた。得られたくすんだ液体をビーカーに注ぎ、水(400ml)及び37%の水性HCl(30ml、およそ360mmol)の混合物と共に撹拌した。氷の添加後、得られた懸濁液(およそ800ml)を50分放置し、ついで濾過した。得られた濾過ケーキを水(500ml)で洗浄して白色の湿った固形物を得た。
この生成物(尚湿っている)をMeCN(550ml、一晩結晶化)から再結晶させた。得られた沈殿物を濾過によって集め、MeCN(2×100ml)及び石油エーテル(100ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで23時間乾燥させて、表題化合物を黄色がかった固形物として得た。得られた濾液を再び濾過し、得られた固形物をMeCN(2×100ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで23時間乾燥させて褐色固形物として表題化合物を得た。19.71g(76%収率)の16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸が得られた。
H NMR(DMSO-d6)=1.23(m、22H)、1.47(m、2H)、1.67(m、2H)、2.18(t、J=7Hz、2H)、2.85(t、J=7Hz、2H)。
【0130】
4-(16-テトラゾール-5-イル-ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸の調製

16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸(6.49g、20.0mmol)及びカルボニルジイミダゾール(3.34g、20.6mmol)を混合した。DMF(110ml)を添加し、得られた乳白色の混合物を2時間撹拌した。ついで、DMF(20ml)中の(4-スルファモイル)酪酸メチルエステル(3.62g、20.0mmol)の溶液を加え、ついでDBU(6.57ml、44.0mmol)を加えた。得られた溶液を18時間撹拌し、ついで0.1Mの水性HCl(870ml)に注いで白色沈殿物を得た。残留物質を反応フラスコから酸性懸濁液中にMeOH(5ml)で洗浄した。pH4−5の得られた懸濁液を2時間半放置し、ついで濾過した。濾過ケーキを0.01Mの水性HCl(170ml)及び水(280ml)で洗浄して、オフホワイトの湿った固形物を得た。この生成物(尚湿っている)をMeCN(300ml、一晩結晶化)から再結晶させた。得られた沈殿物を濾過によって集め、MeCN(80ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで乾燥させて、5.95g(61%収率)の4-(16-テトラゾール-5-イル-ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸メチルエステルをオフホワイトの固形物として得た。
H NMR(DMSO-d6)=1.23(m、22H)、1.49(m、2H)、1.67(m、2H)、1.88(m、2H)、2.25(t、J=7Hz、2H)、2.48(t、J=7Hz、2H)、2.85(t、J=7Hz、2H)、3.39(m、2H)、3.59(s、3H)。
【0131】
メチルエステル(5.95g、12.2mmol)をMeOH(50ml)に懸濁させた。1Mの水性NaOH(43ml、43mmol)を加え、得られた溶液を19時間撹拌した。その溶液を0.5Mの水性HCl(100ml、50mmol)で注意しながら酸性化した。水(50ml)を加えた。得られた白色懸濁液を45分間放置し、ついで濾過した。濾過ケーキを水(200ml)で洗浄し、ついでMeCN(200ml、油浴、熱いとき黄色がかった溶液、一晩結晶化)から再結晶化させた。得られた沈殿物を濾過によって集め、MeCN(100ml)で洗浄し、ティッシュペーパーで乾燥させて白色固形物として表題化合物を得た。5.10g(2工程にわたって54%収率)の4-(16-テトラゾール-5-イル-ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸を得た。
H NMR(DMSO-d6)=1.23(m、20H)、1.49(m、2H)、1.67(m、2H)、1.85(m、2H)、2.25(t、J=7Hz、2H)、2.38(t、J=7Hz、2H)、2.85(t、J=7Hz、2H)、3.38(m、3.35ppmの水のピークと部分的にオーバーラップ)、12.23(broad s、1H)。
【0132】
ヘキサデカン二酸モノtert-ブチルエステルの調製

この化合物は、文献:U. Widmer, Synthesis 1983, 135に報告された一般的手順に従ってヘキサデカン二酸とジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタールから調製した。
【0133】
16-(3-カルボキシ-プロパン-1-スルホニルアミノ)-16-オキソ-ヘキサデカン酸tert-ブチルエステルの調製

ヘキサデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル(5.14g、15.0mmol)をDCM(30ml)及びMeCN(30ml)に溶解させた。カルボニルジイミダゾール(2.51g、15.45mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。DCM(30ml)中の(4-スルファモイル)酪酸メチルエステル(2.72g、15.0mmol)を加え、次にDBU(2.69ml、18mmol)を加えた。混合物を一晩撹拌し、ついで減圧下で濃縮した。得られた残留物を0.2Mの水性クエン酸塩バッファーpH4.5(バッファーの調製:0.2molのクエン酸と0.35molのNaOHを1リットルの水に溶解)で処理した。20分後、得られた沈殿物を濾過によって集め、水(150ml)で洗浄した。
この生成物をMeOH(70ml)及びTHF(20ml)に溶解した。1Mの水性NaOH(13ml、13mmol)をゆっくりと加え、混合物を撹拌した。40分後、1Mの水性NaOH(14.3ml、14.3mmol)の新たな少量をゆっくり加えた。混合物を一晩撹拌し、ついで水(150ml)と0.2Mの水性クエン酸塩バッファーpH4.5(150ml)の混合物に注いだ。1時間後、得られた沈殿物を濾過によって集め、水(100ml)で洗浄し、乾燥させて、表題粗化合物を得た。アセトン(300ml)からの再結晶化により2.44g(33%収率)の16-(3-カルボキシ-プロパン-1-スルホニルアミノ)-16-オキソ-ヘキサデカン酸tert-ブチルエステルを得た。
H NMR(DMSO-d6)=1.23(m、20H)、1.39(s、9H)、1.48(m、4H)、1.84(m、2H)、2.16(t、J=7Hz、2H)、2.24(t、J=7Hz、2H)、2.38(t、J=7Hz、2H)、3.37(m、3.33ppmの水のピークと部分的にオーバーラップ)。
【0134】
薬理学的方法
アッセイ(I)−不断給餌ラットモデルを使用するMC4類似体での食欲に対する効能試験の実験プロトコル
M&Bブリーディング・アンド・リサーチセンターA/S、DenmarkからのTAC:SPRD@molラット又はWistarラットを実験に使用した。ラットは実験の開始の際には体重200−250gであった。ラットは体重180−200gで実験開始の少なくとも10−14日前に届いた。各用量の化合物を8匹のラット群において試験する。8匹のラットのビヒクル群を試験の各セットに含めた。
動物が届いたとき、それらを、光が日中にはなく夜の間にあることを意味する昼/夜逆転相(午前7時30分に消灯し午後7時30分に明かりをつける)で個々に飼育した。ラットは通常は光が除かれると食物摂取を開始し、夜の間にその一日分の食物摂取の大部分を食べるので、これは、食物摂取の開始時間を、明かりが消灯されている7:30amへの変更をなす。10−14日の順化期間の間、ラットは食物と水を自由に摂れる。この期間の間、動物は少なくとも3回処理される。実験はラットのホームケージ中で実施する。投薬の直前に、ラットは体重によって様々な処置群(n=8)にランダム化する。それらに、体重に応じて、7:00amと7:45amの間に、1−3mg/kg溶液を腹腔内(ip)、経口(po)又は皮下(sc)投与によって投薬する。投薬の時間を各群について記録する。投薬後、ラットはホームケージに戻し、そこで、ラットはついで食物と水を入手できる。食物消費を7時間の間毎時間、ついで24時間後、そして時折48時間後に、個々に記録する。実験期間の終わりに、動物を安楽死させる。
個々のデータはマイクロソフトエクセルシートに記録する。異常値は、異常値に対するGrubbs統計評価試験を適用した後、除外し、結果はGraphPad Prismプログラムを使用してグラフによって表す。
【0135】
アッセイ(II)−AlphaScreenTMcAMP検出キットを使用するメラノコルチン受容体3及び5(MC3及びMC5)cAMP機能アッセイ
MC3及びMC5受容体に対するcAMPアッセイを、MC3及びMC5受容体をそれぞれ安定して発現する細胞(HEK293又はBHK細胞の何れか)で実施する。受容体はPCRによってcDNAからクローニングし、pcDNA3発現ベクター中に挿入する。安定なクローンを1mg/mlのG418を使用して選択する。
およそ80−90%のコンフルエンスの細胞をBSで3回洗浄し、Verseneでプレートから持ち上げ、PBSで希釈する。ついで、それらを1300rpmで2分間遠心分離し、上清を除く。細胞を刺激バッファー(5mMのHEPES、0.1%のオボアルブミン、0.005%のTweenTM20及び0.5mMのIBMX、pH7.4)で2回洗浄し、1×10又は2×10細胞/mlの最終濃度まで刺激バッファーに再懸濁させる。25μlの細胞懸濁液を、細胞懸濁液を、25μlの試験化合物又は参照化合物(全て刺激バッファーに希釈)を含むマイクロタイタープレートに加える。プレートを低振盪速度に設定したプレート振盪器で室温(RT)にて30分インキュベートする。反応を、抗cAMPと共に25μlのアクセプタービーズを加え、2分後に溶解バッファー中のビオチン化cAMPと共にウェル当たり50μlのドナービーズを加えて、停止させる。ついで、プレートをプラスチックでシールし、30分振盪し、一晩放置した後、AlphaTMマイクロプレートリーダーで計数する。
EC50値は、WindowsTMプログラムGraphPadTMPrism(GraphPadソフトウェア、USA)を使用して、用量/応答曲線(最小6点)の非線形回帰分析によって計算する。全ての結果はnMで表す。
MC3機能cAMPアッセイにおけるアンタゴニスト活性の測定では、MC3受容体を3nMのα-MSHで刺激し、潜在的なアンタゴニストの量を増加させることによって阻害する。アンタゴニストに対するIC50値はMC3の刺激を50%阻害する濃度として定義される。
【0136】
アッセイ(III)−メラノコルチン受容体4(MC4)cAMPアッセイ
MC4受容体を発現するBHK細胞を、潜在的なMC4アゴニストで刺激し、cAMPの刺激度合いを、Flash Plate(登録商標)cAMPアッセイ(NENTMライフサイエンスプロダクツ・カタログ番号SMP004)を使用して測定する。
MC4受容体発現BHK細胞は、MC4受容体をコードするcDNAをBHK570/KZ10-20-48中にトランスフェクトし、MC4受容体を発現する安定なクローンを選択することによって、産生する。MC4受容体cDNA、並びにMC4受容体を発現するCHO細胞株はEuroscreenTMから購入できる。細胞はDMEM、10%のFCS、1mg/mlのG418、250nMのMTX及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン中で増殖させる。
およそ80−90%のコンフルエンスの細胞をPBSで3回洗浄し、Verseneでプレートから持ち上げ、PBSで希釈する。ついで、それらを1300rpmで2分間遠心分離し、上清を除く。細胞を刺激バッファーで2回洗浄し、0.75×10細胞/mlの最終濃度まで刺激バッファーに再懸濁させる(その消費:96ウェルマイクロタイタープレート当たり7ml)。50μlの細胞懸濁液を、50μlの試験化合物又は参照化合物(全てHOに希釈)を含むFlash Plateに加える。混合物を5分間振盪し、ついで室温に25分間放置する。反応を、ウェル当たり100μlのDetection Mix(Detection Mix=11mlのDetectionバッファー+100μl(〜2μCi)のcAMP[125I]トレーサー)を加えて停止させる。ついで、プレートをプラスチックでシールし、30分振盪し、一晩(又は2時間)放置し、ついでTopcounter(2分/ウェル)で計数する。アッセイ手順及びバッファーは一般にはFlash Plateキットプロトコル(Flash Plate(登録商標)cAMPアッセイ(NENTMライフサイエンスプロダクツカタログ番号SMP004))に記載されている通りである。しかしながら、cAMP標準は0.1%のHSA及び0.005%のTweenTM20に希釈するが、刺激バッファーには希釈しない。
EC50値は、WindowsTMプログラムGraphPadTMPrism(GraphPadソフトウェア、USA)を使用して、用量/応答曲線(最小6点)の非線形回帰分析によって計算する。全ての結果はnMで表す。
【0137】
アッセイ(IV)−メラノコルチン受容体1(MC1)結合アッセイ
MC1受容体結合アッセイを、MC1受容体を安定して発現するBHK細胞膜で実施する。アッセイは250μlの全容量:25μlの125NDP-α-MSH(最終濃度で22pM)、25μlの試験化合物/コントロール及び200μlの細胞膜(35μg/ml)で実施する。試験化合物をDMSOに溶解させる。放射標識リガンド、膜及び試験化合物をバッファー:25mMのHEPES、pH7.4、0.1mMのCaCl、1mMのMgSO、1mMのEDTA、0.1%のHSA及び0.005%のTweenTM20に希釈する。あるいは、HSAはオボアルブミンで置換されうる。試料をGreinerマイクロタイタープレート中で30℃にて90分インキュベートし、0.5%のPEIに60分前もって湿らせたGF/Bフィルターで分離し、NaCl(0.9%)で2−3回洗浄した後、濾過によって未結合の放射標識リガンドから結合物を分離する。濾過後、フィルターを氷冷0.9%NaClで10回洗浄する。フィルターを50℃で30分乾燥させ、シールし、30μlのMicroscint0(Packard、カタログ番号6013616)を各ウェルに加える。プレートをTopcounter(1分/ウェル)で計数する。
データはWindowsTMプログラムGraphPadTMPrism(GraphPadソフトウェア、USA)を使用して、結合曲線の非線形回帰分析によって分析する。
【0138】
アッセイ(V)−メラノコルチン受容体4(MC4)結合アッセイ
ヒトMC4受容体を発現する組換えBHK細胞に対するインビトロ125NDP-α-MSH結合(濾過分析)
該アッセイは5mlのミニソーブバイアル(Sarstedt番号55526)又は96ウェルのフィルタープレート(ミリポアMADVN6550)において、(Wikberg教授、Uppsala、Swedenから得た)ヒトMC4受容体を発現するBHK細胞を使用して実施する。BHK細胞膜をアッセイまで−80℃に維持し、更なる準備なしに該細胞膜懸濁液の希釈物でアッセイを直接実施する。懸濁液を、最大10%の特異的結合を得るように、つまりおよそ50−100倍希釈まで、希釈する。アッセイを200μlの全容量で実施する:つまり50μlの細胞懸濁液、50μlの125NDP-α-MSH(最終濃度で≒79pM)、50μlの試験化合物及び50μlの結合バッファー(pH7)を混合し、25℃で2時間インキュベートする[結合バッファー:25mMのHEPES、pH7.0、1mMのCaCl、1mMのMgSO、1mMのEGTA、0.02%のバシトラシン、0.005%のTweenTM20及び0.1%のHSA又は、別に、0.1%オボアルブミン(Sigma;カタログ番号A-5503)]。試験化合物をDMSOに溶解させ、結合バッファーで希釈する。放射標識リガンドと膜を結合バッファーで希釈する。インキュベーションを5mlの氷冷0.9%NaClでの希釈によって停止させ、ついで0.5%のポリエチレンイミンで1時間、前処理したWhatmanのGF/Cフィルターでの迅速に濾過した。フィルターを3×5mlの氷冷NaClで洗浄する。フィルターに保持した放射能をCobraII自動ガンマカウンターで計数した。
データは、WindowsTMプログラムGraphPadTMPrism(GraphPadソフトウェア、USA)を使用して、結合曲線の非線形回帰分析によって分析する。
【0139】
アッセイ(VI)−エネルギー消費の評価
M&Bブリーディング・アンド・リサーチセンターA/S、DenmarkからのTAC:SPRDラット又はWistarラットを実験に使用した。少なくとも一週間の順応化後、ラットを個々にメタボリックチャンバー(Oxymaxシステム、Columbus Instruments, Columbus, Ohio, USA;システムは毎日調整)に配した。測定の間、動物は水は自由に飲めるが、チャンバーには食物は与えられない。昼/夜サイクルは12時間:12時間で、明かりは6:00にスイッチを入れた。動物がチャンバーでおよそ2時間費やした後(つまり、ベースラインエネルギー消費に達したとき)、試験化合物又はビヒクルを投与(経口、腹腔内又は皮下)し、試験化合物の作用時間を確立するために記録を続ける。各動物のデータ(酸素消費、二酸化炭素生成及び流量)を10−18分毎に全体で22時間(2時間の適応化(ベースライン)と20時間の測定)集める。流入空気中のO及びCO含有量の変化の訂正を各10−18分のサイクルで行う。
酸素消費と二酸化炭素生成、及び動物毎に熱に対してメタボリック体重[(kg体重)0.75]当たりのデータを計算する。酸素消費(VO)は興味のある主要なエネルギー消費パラメータと見なされる。
【0140】
アッセイ(VII)−アルブミンへの結合の評価
試験化合物を機能アッセイ(アッセイIII)及び結合アッセイ(アッセイV)で試験する。ここで、アッセイIIIはHSAを含み、アッセイVはオボアルブミンを含む。EC50値はアッセイIIIから決定され、Ki値はアッセイVから決定する。ついで、比EC50/Kiを計算する。
アルブミン結合がない場合には、比EC50/Kiは1又はそれ以下である。アルブミンへの結合が強くなればなるほど、比は高くなる;アルブミン結合試験化合物では、比EC50/Kiはよって≧1、例えば≧10、例えば≧100である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
T-A-L-P [I]
[上式中、
Tはテトラゾール-5-イルを表し;
Aは直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルで、ハロゲン、ヒドロキシ及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいものを表し;
Lは、A及びPを共有的に結合させる結合又は化学構造であり;
Pは少なくとも6のα-アミノ酸残基を含むペプチド構造を表す]
に記載の化合物。
【請求項2】
T-Aが、10-(テトラゾール-5-イル)デシル、11-(テトラゾール-5-イル)ウンデシル、12-(テトラゾール-5-イル)ドデシル、13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル、17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシル、18-(テトラゾール-5-イル)オクタデシル又は19-(テトラゾール-5-イル)ノナデシルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式II:
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-Z-Z-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]-R [II]
[上式中、
はテトラゾール-5-イル又はカルボキシを表し;
は、ハロゲン、ヒドロキシ及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルを表し;
は存在しないかあるいは-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-又は一又は二のアミノ酸残基を有し少なくとも一のカルボキシ基を含むペプチド断片を表し;
は存在しないかあるいは4-アミノ酪酸残基、Gly、β-Ala、又は次の式IIIa-IIIg:
-HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)- [IIIa]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]- [IIIb]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]3-5- [IIIc]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIId]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-O-CH-C(=O)]1-3- [IIIe]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIIf]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]2-12-O-CH-C(=O)- [IIIg]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]4-12-O-CH-CH-C(=O)- [IIIh]
の一つに記載のグリコールエーテル系構造を表し;
は存在しないかあるいはGly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
は存在しないかあるいはGly、β-Ala、Ser、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
はSer、D-Ser、Thr、D-Thr、His、D-His、Asn、D-Asn、Gln、D-Gln、Glu、D-Glu、Asp、D-Asp、Ala、D-Ala、Pro、D-Pro、Hyp又はD-Hypを表し;
はGly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Tyr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はGly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はAla、D-Ala、Val、D-Val、Leu、D-Leu、Ile、D-Ile、Met、D-Met、Nle又はD-Nleを表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
はHis、Cit、Dab、Dap、Cgl、Cha、Val、Ile、tBuGly、Leu、Tyr、Glu、Ala、Nle、Met、Met(O)、Met(O)、Gln、Gln(アルキル)、Gln(アリール)、Asn、Asn(アルキル)、Asn(アリール)、Ser、Thr、Cys、Pro、Hyp、Tic、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、(2-チエニル)アラニン、3-(チエニル)アラニン、(4-チアゾリル)Ala、(2-フリル)アラニン、(3-フリル)アラニン又はPheを表し、ここで上記Pheのフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、ベンゾイル、メチル、トリフルオロメチル、アミノ及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はD-Pheを表し、ここで、D-Phe中のフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
は、Trp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン又は(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を表し;
は、Glu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
ここで、X及びXは結合して、共に独立してCys又はホモCysであるX及びXから誘導されるジスルフィド架橋を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、式IIの化合物を環状にし;
はOR'又はN(R')を表し、ここで、各R'は独立して水素を表すか、又は一又は複数のアミノ又はヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表し;
但し、式IIの上記化合物は、15-カルボキシペンタデカノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH又は
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NHではない]
の化合物及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物。
【請求項4】
が存在しない請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が式IIIaの構造を表す請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
が式IIIbの構造を表す請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
が式IIIcの構造を表す請求項3に記載の化合物。
【請求項8】
が存在しない請求項3から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がGlyを表す請求項3から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
がSer、Thr、Gln、Gly又はHisを表す請求項3から9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項11】
がSer又はThrを表す請求項3から10の何れか一項に記載の化合物。
【請求項12】
がGln、D-Gln、Asn、D-Asn、Ser又はD-Serを表す請求項3から11の何れか一項に記載の化合物。
【請求項13】
式IVa、IVb又はIVc:
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVa]
-R-C(=O)-R-S-Z-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVb]
-R-C(=O)-R-S-Z-c[X-X-X-Arg-X-X]R [IVc]
[上式中、
はテトラゾール-5-イル又はカルボキシを表し;
は、ハロゲン、ヒドロキシル及びアリールから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい直鎖状、分枝状及び/又は環状C6-20アルキル、C6-20アルケニル又はC6-20アルキニルを表し;
は存在しないかあるいは-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-又は一又は二のアミノ酸残基を有し少なくとも一のカルボキシ基を含むペプチド断片を表し;
は、式IIIa−IIIg;
-HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)- [IIIa]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]- [IIIb]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-C(=O)]3-5- [IIIc]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIId]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-NH-C(=O)-CH-O-CH-C(=O)]1-3- [IIIe]
-[HN-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-C(=O)]1-3- [IIIf]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]2-12-O-CH-C(=O)- [IIIg]
-HN-CH-CH-[O-CH-CH]4-12-O-CH-CH-C(=O)- [IIIh]
の一つのグリコールエーテル系構造を表し;
は、Gly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Tyr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
は、Gly、Ala、Pro、Hyp、Ser、ホモSer、Thr、Gln、Asn、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、His、ホモArg、Arg、Lys、Dab、Dap又はOrnを表し;
はAla、D-Ala、Val、D-Val、Leu、D-Leu、Ile、D-Ile、Met、D-Met、Nle又はD-Nleを表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
はHis、Cit、Dab、Dap、Cgl、Cha、Val、Ile、tBuGly、Leu、Tyr、Glu、Ala、Nle、Met、Met(O)、Met(O)、Gln、Gln(アルキル)、Gln(アリール)、Asn、Asn(アルキル)、Asn(アリール)、Ser、Thr、Cys、Pro、Hyp、Tic、2-PyAla、3-PyAla、4-PyAla、(2-チエニル)アラニン、3-(チエニル)アラニン、(4-チアゾリル)Ala、(2-フリル)アラニン、(3-フリル)アラニン又はPheを表し、ここで、上記Pheのフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、ベンゾイル、メチル、トリフルオロメチル、アミノ及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はD-Pheを表し、ここで、D-Phe中のフェニル部分上の一又は複数の水素は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル及びシアノから選択される置換基によって独立して置換されていてもよく;
はTrp、2-Nal、(3-ベンゾ[b]チエニル)アラニン又は(S)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を表し;
はGlu、Asp、Cys、ホモCys、Lys、Orn、Dab又はDapを表し;
ここで、X及びXは結合して、共に独立してCys又はホモCysであるX及びXから誘導されるジスルフィド架橋を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、又はXの側鎖中のカルボン酸とXの側鎖中のアミノ基との間で形成されたアミド結合を介して、式IVa、IVb又はIVcの化合物を環状にし;
はOR'又はN(R')を表し、ここで、各R'は独立して水素を表すか又は一又は複数のアミノ又はヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表し;
但し、式IVa、IVb又はIVcの上記化合物は2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NHではない]
の化合物及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び溶媒和物。
【請求項14】
が式IIIa又はIIIbの構造を表す請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
-Rが、10-(テトラゾール-5-イル)デシル、11-(テトラゾール-5-イル)ウンデシル、12-(テトラゾール-5-イル)ドデシル、13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル、17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシル、18-(テトラゾール-5-イル)オクタデシル又は19-(テトラゾール-5-イル)ノナデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項16】
-Rが、13-(テトラゾール-5-イル)トリデシル、14-(テトラゾール-5-イル)テトラデシル、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシル、16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデシル又は17-(テトラゾール-5-イル)ヘプタデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項17】
-Rが、15-(テトラゾール-5-イル)ペンタデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項18】
-Rが、12-カルボキシドデシル、13-カルボキシトリデシル、14-カルボキシテトラデシル、15-カルボキシペンタデシル、16-カルボキシヘキサデシル、17-カルボキシヘプタデシル、18-カルボキシオクタデシル又は19-カルボキシノナデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項19】
-Rは14-カルボキシテトラデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項20】
-Rは16-カルボキシヘキサデシルを表す請求項3から14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項21】
が存在しない請求項3から20の何れか一項に記載の化合物。
【請求項22】
が、-NH-S(=O)-(CH)3-5-C(=O)-、Glu、D-Glu、γ-Glu、D-γ-Glu、Asp、D-Asp、β-Asp、D-β-Asp又はGly-γ-Gluを表す請求項3から20の何れか一項に記載の化合物。
【請求項23】
が-NH-S(=O)-(CH)-C(=O)-を表す請求項3から20の何れか一項に記載の化合物。
【請求項24】
がD-Glu、γ-Glu、β-Asp又はGly-γ-Gluを表す請求項3から20の何れか一項に記載の化合物。
【請求項25】
がSer、ホモSer、Gln、Asn、Tyr、His、Arg、ホモArg、Lys、Orn、Dab又はDapを表す請求項3から24の何れか一項に記載の化合物。
【請求項26】
がSer、His、Arg又はDapを表す請求項3から25の何れか一項に記載の化合物。.
【請求項27】
が、Ser、ホモSer、Thr、Pro、Hyp、His、Lys、Orn、Dab又はDapを表す請求項3から26の何れか一項に記載の化合物。
【請求項28】
がSer、His又はDapを表す請求項3から27の何れか一項に記載の化合物。
【請求項29】
がAla、Val、Leu、Ile、Met又はNleを表す請求項3から28の何れか一項に記載の化合物。
【請求項30】
がNleを表す請求項3から29の何れか一項に記載の化合物。
【請求項31】
がSer、Hyp、Cit、Dap、Asn、Gln又は(4-チアゾリル)Alaを表す請求項3から30の何れか一項に記載の化合物。
【請求項32】
がHyp、Dap、Cit又はGlnを表す請求項3から31の何れか一項に記載の化合物。
【請求項33】
がHypを表す請求項3から32の何れか一項に記載の化合物.
【請求項34】
がGluであり、XがD-Pheであり、XがTrpであり、XがLysである請求項3から33の何れか一項に記載の化合物。
【請求項35】
がAspであり、XがD-Pheであり、XがTrpであり、XがLysである請求項3から33の何れか一項に記載の化合物。
【請求項36】
がNHである請求項3から35の何れか一項に記載の化合物。
【請求項37】
がOHである請求項3から35の何れか一項に記載の化合物。
【請求項38】
16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Thr-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Nle-c[Glu-Dap-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}-アセチル-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}-アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

化合物:

(2-{2-[2-(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Ser-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

{2-[2-(15-(カルボキシ)ペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

化合物:

化合物:

化合物:

15-カルボキシペンタデカノイル-Gly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Ser-Tyr-Hyp-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Asn-Asn-Pro-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(R)-4-カルボキシ-2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}-エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]-エトキシ}アセチル-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Arg-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-Dap-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(2-{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-D-Ser-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-OH

(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]-エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{(2-[2-{16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}-エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチルアミノ}エトキシ]エトキシ)アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

4-(15-カルボキシペンタデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)アセチルアミノ]ブタノイルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

(2-{2-[(S)-3-カルボキシ-3-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)プロパノイルアミノ]エトキシ}エトキシ)-アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dap-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Dab-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-ホモSer-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Orn-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Lys-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-Arg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-2-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

及び
{2-[2-(16-(テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル-Gly-Ser-Gln-His-4-PyAla-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH

からなる群から選択される請求項3又は13に記載の化合物。
【請求項39】
IGTから2型糖尿病への進行を遅延させる方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項40】
2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行を遅延させる方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項41】
肥満を治療し又は体重過剰を予防する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項42】
食欲の調節方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項43】
満腹感を誘導する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項44】
首尾良く減量した後の体重増加を防止する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項45】
エネルギー消費を増加させる方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項46】
体重過剰又は肥満に関する疾患又は状態を治療する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項47】
過食症を治療する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項48】
アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクから選択される疾患又は状態を治療する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項49】
肥満患者における2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクから選択される疾患又は状態を治療する方法において、場合によっては一又は複数の更なる治療的に活性な化合物と組み合わせて、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を、それを必要とする肥満患者に投与することを含む方法。
【請求項50】
上記更なる治療的に活性な化合物が、糖尿病薬、高脂血症治療薬、抗肥満薬、血圧降下薬及び糖尿病から生じるか糖尿病に伴う合併症の治療剤から選択される請求項39から49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
請求項1から38の何れか一項に記載の上記化合物が、約0.05mgから約1000mgの上記化合物を含む単位投薬形態で上記患者に投与される請求項39から49の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
対象におけるMC4を活性化させる方法において、請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の有効量を上記対象に投与することを含む方法。
【請求項53】
請求項1から38の何れか一項に記載の上記化合物が非経口的に又は舌下に投与される請求項39から52の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
治療に使用するための請求項1から38の何れか一項に記載の化合物。
【請求項55】
請求項1から38の何れか一項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項56】
IGTから2型糖尿病への進行の遅延;2型糖尿病からインスリン要求性糖尿病への進行の遅延;肥満の治療又は体重過剰の予防;食欲調節;満腹感誘導;首尾良く減量した後の体重増加の防止;エネルギー消費の増加;体重過剰又は肥満に関連した疾患又は状態の治療;過食症の治療;アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクの治療;あるいは肥満患者における2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害又は早死にのリスクから選択される疾患又は状態の治療のための医薬の製造における請求項1から38の何れか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−501755(P2009−501755A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521926(P2008−521926)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064027
【国際公開番号】WO2007/009894
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】